(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】サーバ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20250227BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2021105199
(22)【出願日】2021-06-24
【審査請求日】2024-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関森 英雄
【審査官】早川 朋一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-250608(JP,A)
【文献】特開2008-083838(JP,A)
【文献】特開平10-341253(JP,A)
【文献】特開2003-140668(JP,A)
【文献】米国特許第6659872(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0208818(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカラオケ装置と通信可能に接続されたサーバ装置であって、
カラオケ装置の装置識別情報と、地理的条件に基づいて決定される複数のエリアのうち、当該カラオケ装置が設置されているエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する第1の記憶部と、
前記複数のエリアのうち、カラオケ装置から送信される動画データの視聴を可能とする許可エリアのエリア識別情報と、当該動画データの視聴を可能とする期間を示す期間情報と、当該許可エリアの次に当該動画データの視聴を可能とする他のエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶部と、
一のカラオケ装置から、当該一のカラオケ装置で作成された動画データ及び当該一のカラオケ装置の装置識別情報を受信する受信部と、
受信した前記一のカラオケ装置の装置識別情報に基づいて、前記複数のエリアの中から、一の許可エリアを特定する特定部と、
前記一の許可エリアに設置されているカラオケ装置に対し、当該一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている期間情報が示す期間に基づく期限が到来するまで、受信した前記動画データの視聴を推奨するよう指示する推奨部と、
受信した前記動画データの視聴を推奨するよう指示を行った前記カラオケ装置からの要求に応じて、当該動画データを配信する配信部と、
前記期限が到来した場合、前記一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている他のエリアのエリア識別情報に基づいて、当該他のエリアを当該一の許可エリアとして更新する更新部と、
を有するサーバ装置。
【請求項2】
前記第2の記憶部は、複数の前記許可エリアのエリア識別情報のうち少なくとも一つに対し、前記他のエリアのエリア識別情報に代えて、前記動画データの配信を停止させるための停止情報を対応付けて記憶し、
前記更新部は、前記期限が到来した場合、且つ前記一の許可エリアのエリア識別情報に停止情報が対応付けられている場合、当該一の許可エリアの更新を中止することを特徴とする請求項1記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記第2の記憶部は、一つの許可エリアのエリア識別情報に対し、他のエリアのエリア識別情報を複数対応付けて記憶し、
前記更新部は、前記期限が到来した場合、且つ前記一の許可エリアのエリア識別情報に複数の他のエリアのエリア識別情報が対応付けられている場合、当該複数の他のエリアのエリア識別情報に基づいて、少なくとも一つの他のエリアを当該一の許可エリアとして更新することを特徴とする請求項1または2記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記第1の記憶部は、エリアを紹介するためのエリア紹介データを当該エリアのエリア識別情報と対応付けて記憶し、
前記配信部は、前記動画データと併せて、前記特定部が特定した一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられたエリア紹介データを配信することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記地理的条件は、日本の地域、都道府県、市区町村、及び所定条件に基づいて決定された複数の領域のうち、少なくとも一つであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のサーバ装置。
【請求項6】
前記許可エリアと前記他のエリアは地理的に隣接していることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手紙をボトルに入れて海や川に流す遊び(所謂、メッセージボトル)や、手紙を風船に結び付けて飛ばす遊び(所謂、風船飛ばし)が行われることがある。
【0003】
また、昨今では、メッセージボトルを模擬したアプリケーションソフトウエアが知られている(たとえば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“誰かに届く!無料で使えるメッセージボトルアプリ5選”、アプリ場[online]、[令和3年6月15日検索]、インターネット<URL:https://app-field.com/message-bottle-app>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、メッセージボトルや風船飛ばしを模擬することを可能とするサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一の発明は、複数のカラオケ装置と通信可能に接続されたサーバ装置であって、カラオケ装置の装置識別情報と、地理的条件に基づいて決定される複数のエリアのうち、当該カラオケ装置が設置されているエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する第1の記憶部と、前記複数のエリアのうち、カラオケ装置から送信される動画データの視聴を可能とする許可エリアのエリア識別情報と、当該動画データの視聴を可能とする期間を示す期間情報と、当該許可エリアの次に当該動画データの視聴を可能とする他のエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶部と、一のカラオケ装置から、当該一のカラオケ装置で作成された動画データ及び当該一のカラオケ装置の装置識別情報を受信する受信部と、受信した前記一のカラオケ装置の装置識別情報に基づいて、前記複数のエリアの中から、一の許可エリアを特定する特定部と、前記一の許可エリアに設置されているカラオケ装置に対し、当該一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている期間情報が示す期間に基づく期限が到来するまで、受信した前記動画データの視聴を推奨するよう指示する推奨部と、受信した前記動画データの視聴を推奨するよう指示を行った前記カラオケ装置からの要求に応じて、当該動画データを配信する配信部と、前記期限が到来した場合、前記一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている他のエリアのエリア識別情報に基づいて、当該他のエリアを当該一の許可エリアとして更新する更新部と、を有するサーバ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、メッセージボトルや風船飛ばしを模擬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係るカラオケシステムを示す図である。
【
図3】実施形態に係る第1の記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【
図4A】実施形態に係る第2の記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【
図4B】実施形態に係る第2の記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【
図5】実施形態に係るサーバ装置の処理を示すフローチャートである。
【
図6】変形例1に係る第2の記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【
図7】変形例2に係る第1の記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【
図8】変形例3に係る第2の記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
図1から
図5を参照して、本実施形態に係るサーバ装置Sについて説明する。
【0010】
==カラオケシステム==
カラオケシステムは、複数のカラオケ装置及びサーバ装置を含む。
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、カラオケ装置K1-1、K2-1、Kl-1を含む複数のカラオケ装置、及びサーバ装置Sを備える。各カラオケ装置とサーバ装置SとはネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0011】
サーバ装置Sは、各種情報を管理するコンピュータである。サーバ装置Sは、メッセージボトルや風船飛ばしを模擬することができる(詳細は後述)。
【0012】
カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏及びカラオケ歌唱を行うための機能を有する。カラオケ装置は、マイク、ディスプレイ、スピーカ、リモコン装置、撮影手段等の各種構成を有する。カラオケ装置は、装置識別情報が付与されている。装置識別情報は、カラオケ装置を識別するための装置ID等、各カラオケ装置に固有の情報である。
【0013】
各カラオケ装置は、地理的条件に基づいて決定される複数のエリア(詳細は後述)のいずれかに設置されている。
図1の例において、カラオケ装置K1-1はエリアE1に設置され、カラオケ装置K2-1はエリアE2に設置され、カラオケ装置Kl-1はエリアElに設置されている。各エリアには少なくとも1つのカラオケ装置が設置されている。
【0014】
また、本実施形態に係るカラオケ装置は、メッセージボトルや風船飛ばしを模擬的に実行するためのモード(以下、「メッセージ配信モード」)を実行可能となっている。メッセージ配信モードの利用を希望する利用者は、リモコン装置を介して当該モードを選択し、所望の楽曲を選曲する。カラオケ装置は、選曲された楽曲のカラオケ演奏を行う。利用者は、マイクを介してカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行いつつ、間奏等のタイミングで任意のメッセージを入力する。カラオケ装置は、撮影手段を介して、カラオケ歌唱を行う利用者の撮影を行う。カラオケ装置は、利用者を撮影して得られた撮影データ、及びカラオケ演奏音、マイクを介して入力されたカラオケ歌唱やメッセージの音声データを合成し、動画データを生成する。
【0015】
カラオケ装置は、生成した動画データを自己の装置識別情報と併せてサーバ装置Sに送信する。
【0016】
==サーバ装置==
図2に示すように、サーバ装置Sは、記憶手段10、通信手段20、及び制御手段30を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0017】
[記憶手段]
記憶手段10は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。本実施形態において、記憶手段10の記憶領域の一部は、第1の記憶部10a及び第2の記憶部10bとして機能する。
【0018】
(第1の記憶部)
第1の記憶部10aは、カラオケ装置の装置識別情報と、地理的条件に基づいて決定される複数のエリアのうち、当該カラオケ装置が設置されているエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する。
【0019】
地理的条件は、日本の地域、都道府県、市区町村、及び所定条件に基づいて決定された複数の領域のうち、少なくとも一つである。
【0020】
日本の地域は、北海道地方、東北地方、関東地方等、日本において慣用されている地方区分である。地理的条件が日本の地域の場合、一つの地域が一つのエリアに相当する。同様に、地理的条件が都道府県の場合、一つの都道府県が一つのエリアに相当し、地理的条件が市区町村の場合、一つの市区町村が一つのエリアに相当する。
【0021】
また、所定条件に基づいて決定された複数の領域を地理的条件とすることも可能である。たとえば所定条件として「北部、中部、南部」の基準を設けることで、一つの都道府県を複数のエリアに分けることができる。或いは、所定条件として「信濃川の上流域、信濃側の中流域、信濃川の下流域」の基準を設けることで、信濃川に沿って複数のエリアを設けることができる。
【0022】
図3は本実施形態に係る第1の記憶部10aが記憶している、装置識別情報とエリア識別情報とを対応付けたテーブルである。
図3の例におけるエリアは、日本の地域に基づいて決定された7つのエリアのいずれかである。
【0023】
たとえば、近畿地方E3のエリア識別情報ID***E3に対しては、近畿地方E3に設置されているカラオケ装置K3-1~カラオケ装置K3-mそれぞれの装置識別情報ID***K3-1~装置識別情報ID***K3-mが対応付けられている。また、中部地方E4のエリア識別情報ID***E4に対しては、中部地方E4に設置されているカラオケ装置K4-1~カラオケ装置K4-nそれぞれの装置識別情報ID***K4-1~装置識別情報ID***K4-nが対応付けられている。
【0024】
(第2の記憶部)
第2の記憶部10bは、許可エリアのエリア識別情報と、期間情報と、他のエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する。
【0025】
許可エリアは、地理的条件に基づいて決定される複数のエリアのうち、カラオケ装置から送信される動画データの視聴を可能とするエリアである。期間情報は、動画データの視聴を可能とする期間を示す。期間情報が示す期間は、たとえば、エリアの広さに応じて設定できる。この場合、期間情報が示す期間は、エリアが広いほど長く設定される。他のエリアは、許可エリアの次に当該動画データの視聴を可能とするエリアである。
【0026】
許可エリアのエリア識別情報に対応付けられる他のエリアの識別情報は、地理的条件に基づいて決定される複数のエリアのエリア識別情報であれば、特に限定されない。但し、許可エリアと他のエリアは地理的に隣接していることが好ましい。「地理的に隣接」とは、エリア同士が隣り合っている関係にあることをいう。たとえば、複数のエリアが日本の地域に基づいて決定されている場合、「東北地方と関東地方」、「中部地方と近畿地方」はそれぞれ地理的に隣接している。
【0027】
実際の風船飛ばしを東北地方で行った場合、風船は、たとえば関東地方、中部地方のような経路を辿って移動する。或いは、実際のメッセージボトルを近畿地方の太平洋側で行った場合、メッセージボトルは、日本海流の影響により、中部地方南部、関東地方のような経路を辿って移動する。すなわち、許可エリアと他のエリアが地理的に隣接していることにより、実際のメッセージボトルや風船飛ばしを行った場合と同様に動画データの視聴可能なエリアが更新される(動画データの視聴可能なエリアの更新については後述)。
【0028】
図4Aは、第2の記憶部10bが記憶している、許可エリアのエリア識別情報と、期間情報と、他のエリアのエリア識別情報とを対応付けたテーブルの一例である。
図4Aの例における許可エリア及び他のエリアは、日本の地域に基づいて決定された7つのエリアのいずれかである。
【0029】
図4Aのテーブルにおいて、たとえば、許可エリアである近畿地方E3のエリア識別情報ID***E3に対して、期間情報H3、及び他のエリアである中部地方E4のエリア識別情報ID***E4が対応付けられている。この場合、近畿地方E3では、期間H3が示す期間、動画データの視聴が可能となる。また、近畿地方E3の次に中部地方E4で動画データの視聴が可能となる。
【0030】
なお、第2の記憶部10bは、複数の許可エリアのエリア識別情報のうち少なくとも一つに対し、他のエリアのエリア識別情報に代えて、動画データの配信を停止させるための停止情報を対応付けて記憶することも可能である。
【0031】
図4Bは、第2の記憶部10bが記憶している、許可エリアのエリア識別情報と、期間情報と、他のエリアのエリア識別情報または停止情報とを対応付けたテーブルの一例である。
図4Bの例における許可エリア及び他のエリアは、日本の地域に基づいて決定された7つのエリアのいずれかである。
【0032】
図4Bのテーブルにおいて、たとえば、許可エリアである北海道地方E7のエリア識別情報ID***E7に対しては、他のエリアのエリア識別情報に代えて、停止情報STが対応付けられている。この場合、北海道地方E7での動画データの視聴を可能とする期限が到来した場合、サーバ装置Sは、許可エリアの更新を中止する(詳細は後述)。
【0033】
[通信手段]
通信手段20は、各カラオケ装置との通信を行うためのインターフェースを提供する。
【0034】
[制御手段]
制御手段30は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御手段30は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0035】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段30は、受信部100、特定部200、推奨部300、配信部400、及び更新部500として機能する。
【0036】
(受信部)
受信部100は、一のカラオケ装置から、当該一のカラオケ装置で作成された動画データ及び当該一のカラオケ装置の装置識別情報を受信する。
【0037】
たとえば、利用者U1が、近畿地方E3に設置されているカラオケ装置K3-1においてメッセージ配信モードを選択し、楽曲Mを選曲したとする。カラオケ装置K3-1は、利用者U1を撮影して得られた撮影データ、及び楽曲Mのカラオケ演奏音、マイクを介して入力された楽曲Mの歌唱音声等に基づく音声データを合成し、動画データVDを生成する。
【0038】
カラオケ装置K3-1は、楽曲Mのカラオケ演奏が終了した後、生成した動画データVD及びカラオケ装置K3-1の装置識別情報ID***K3-1をサーバ装置Sに送信する。
【0039】
受信部100は、カラオケ装置K3-1が送信した動画データVD及び装置識別情報ID***K3-1を受信する。この例において、カラオケ装置K3-1は「一のカラオケ装置」に相当する。
【0040】
(特定部)
特定部200は、受信した一のカラオケ装置の装置識別情報に基づいて、複数のエリアの中から、一の許可エリアを特定する。
【0041】
一のカラオケ装置から動画データ及び装置識別情報を受信した場合、特定部200は、第1の記憶部10aに記憶されているテーブルを参照し、受信した一のカラオケ装置の装置識別情報に対応付けられているエリア識別情報を抽出する。特定部200は、抽出したエリア識別情報に対応するエリアを一の許可エリアとして特定する。
【0042】
たとえば、第1の記憶部10aが
図3に示したテーブルを記憶しているとする。また、受信部100がカラオケ装置K3-1から動画データVD及び装置識別情報ID***K3-1を受信したとする。この場合、特定部200は、
図3のテーブルを参照し、装置識別情報ID***K3-1に対応付けられているエリア識別情報ID***E3を抽出する。そして、特定部200は、エリア識別情報ID***E3に対応するエリアE3を一の許可エリアとして特定する。
【0043】
(推奨部)
推奨部300は、一の許可エリアに設置されているカラオケ装置に対し、当該一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている期間情報が示す期間に基づく期限まで、受信した動画データの視聴を推奨するよう指示する。
【0044】
一の許可エリアが特定された後、推奨部300は、第1の記憶部10aを参照し、一の許可エリアに設置されている全てのカラオケ装置の装置識別情報を抽出する。また、推奨部300は、第2の記憶部10bを参照し、一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている期間情報を特定する。そして、推奨部300は、抽出した装置識別情報に基づいて、一の許可エリアに設置されている全てのカラオケ装置に対し、期間情報が示す期間に基づく期限が到来するまで、受信した動画データの視聴を推奨するよう指示を行う。なお、期限は、たとえば、動画データを受信したタイミングや動画データが生成されたタイミングを基準として決定することができる。
【0045】
たとえば、推奨部300は、
図3に示したテーブルを参照し、一の許可エリアとして特定された近畿地方E3に設置されているカラオケ装置K3-1~K3-mの装置識別情報ID***K3-1~ID***K3-mを抽出する。また、推奨部300は、
図4Aまたは
図4Bに示したテーブルを参照し、近畿地方E3のエリア識別情報ID***E3に対応付けられている期間情報H3(ここでは72時間であるとする)を特定する。そして、推奨部300は、動画データVDを受信したタイミング(ここでは2021年6月14日19:00であるとする)から期間情報H3が示す期間(72時間)に基づく期限(2021年6月17日19:00)が到来するまで、カラオケ装置K3-1~K3-mに対し、受信した動画データVDの視聴を推奨するよう指示を行う。
【0046】
動画データの視聴を推奨するよう指示を受けたカラオケ装置は、「現在、メッセージ配信モードを利用した期間限定の動画データを配信中です。是非ご覧ください」といったメッセージをディスプレイに表示させることで、カラオケ装置の利用者に対し動画データの視聴を推奨する。なお、動画データの視聴を推奨するタイミングは、楽曲のカラオケ演奏が行われていないタイミング、楽曲の間奏のカラオケ演奏中等、任意のタイミングで行うことができる。動画データの視聴を推奨するタイミングは、サーバ装置S(推奨部300)からの指示に応じて決定してもよいし、カラオケ装置側で決定してもよい。
【0047】
(配信部)
配信部400は、受信した動画データの視聴を推奨するよう指示を行ったカラオケ装置からの要求に応じて、当該動画データを配信する。
【0048】
動画データの視聴を推奨するメッセージを見た、あるカラオケ装置の利用者がリモコン装置を介して視聴の指示入力を行ったとする。あるカラオケ装置は、当該指示入力に基づいて、動画データの配信を要求する要求信号を、自己の装置識別情報と共にサーバ装置Sに送信する。配信部400は、受信した要求信号及び装置識別情報に基づいて、動画データをあるカラオケ装置に配信する。あるカラオケ装置の利用者は、配信された動画データに基づく映像や音声を視聴することができる。
【0049】
たとえば、動画データVDの視聴を推奨するよう指示を行ったカラオケ装置K3-1~K3-mのうち、カラオケ装置K3-5の利用者U2が動画データVDの配信を希望したとする。カラオケ装置K3-5は、利用者U2からの指示入力に基づいて、動画データVDの配信を要求する要求信号、及び装置識別情報ID***K3-5をサーバ装置Sに送信する。配信部400は、受信した装置識別情報ID***K3-5に基づいて、動画データVDをカラオケ装置K3-5に配信する。カラオケ装置K3-5は、動画データVDを再生し、ディスプレイに映像を表示させつつ、スピーカから音声を放音させる。利用者U2は、利用者U1がカラオケ歌唱を行う映像や利用者U1が入力したメッセージ等を視聴することができる。
【0050】
(更新部)
更新部500は、期限が到来した場合、一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている他のエリアのエリア識別情報に基づいて、当該他のエリアを当該一の許可エリアとして更新する。
【0051】
更新部500は、推奨部300において一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている期間情報が示す期間に基づく期限が到来した場合、第2の記憶部10bを参照し、一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている他のエリアのエリア識別情報を抽出する。そして、更新部500は、抽出した他のエリアのエリア識別情報に基づいて、他のエリアを一の許可エリアとして更新する。
【0052】
たとえば、上記例で、期間情報H3が示す期間(72時間)に基づく期限(すなわち、2021年6月17日19:00)が到来したとする。この場合、更新部500は、第2の記憶部10bに記憶されている
図4Aまたは
図4Bのテーブルを参照し、(許可エリアである)近畿地方E3のエリア識別情報ID***E3に対応付けられている(他のエリアである)中部地方E4のエリア識別情報ID***E4を抽出する。更新部500は、抽出したエリア識別情報ID***E4が示す中部地方E4を一の許可エリアとして更新する。すなわち、一の許可エリアは、近畿地方E3から中部地方E4に更新される。なお、この例のように一の許可エリアが隣接するエリアに更新されることにより、上述の通り、実際のメッセージボトルや風船飛ばしを行った場合と同様に動画データの視聴可能なエリアが更新される。
【0053】
その後、推奨部300は、更新された一の許可エリアに設置されているカラオケ装置に対し、当該一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている期間情報が示す期間に基づく期限まで、受信した前記動画データの視聴を推奨するよう指示する。
【0054】
上記例において、推奨部300は、
図3に示したテーブルを参照し、一の許可エリアとして更新された中部地方E4に設置されているカラオケ装置K4-1~K4-nの装置識別情報を抽出する。また、推奨部300は、
図4Aまたは
図4Bに示したテーブルを参照し、中部地方E4のエリア識別情報ID***E4に対応付けられている期間情報H4(ここでは96時間であるとする)を特定する。そして、推奨部300は、エリアを更新したタイミング(ここでは2021年6月17日19:00であるとする)から期間情報H4が示す期間(96時間)に基づく期限(2021年6月21日19:00)まで、カラオケ装置K4-1~K4-nに対し、受信した動画データVDの視聴を推奨するよう指示を行う。
【0055】
このように、サーバ装置Sは、所定の基準を満たすまで、推奨部300による処理と、更新部500による処理とを繰り返し行う。
【0056】
所定の基準は、たとえば「全ての許可エリアに対して動画データの視聴の推奨が完了した場合」とすることができる。第2の記憶部10bに
図4Aのテーブルが記憶されている場合、サーバ装置Sは、九州・沖縄地方E1~北海道地方E7の全てのエリアに対して動画データの視聴の推奨が完了するまで、推奨部300による処理と、更新部500による処理とを繰り返し行う。
【0057】
或いは、所定の基準を「許可エリアのエリア識別情報に停止情報が対応付けられていた場合」とすることができる。この場合、更新部500は、期限が到来した場合、且つ一の許可エリアのエリア識別情報に停止情報が対応付けられている場合、当該一の許可エリアの更新を中止する。
【0058】
たとえば、第2の記憶部10bに
図4Bのテーブルが記憶されているとする。
図4Bのテーブルにおいて、北海道地方E7のエリア識別情報ID***E7には、他のエリアのエリア識別情報の代わりに停止情報STが対応付けられている。
【0059】
よって、更新部500は、北海道地方E7のエリア識別情報ID***E7に対応付けられた期間情報H7が示す期間に基づく期限が到来した場合、一の許可エリアの更新を中止する。
【0060】
或いは、所定の基準を「動画データの配信を1回行った場合」とすることができる。
【0061】
たとえば上述の通り、カラオケ装置K3-1~K3-mのうち、カラオケ装置K3-5から動画データVDの配信の要求があったとする。
【0062】
この場合、配信部400は、カラオケ装置K3-5に対して動画データを配信する。一方、上記例とは異なり、推奨部300による処理と更新部500による処理を中止する。
【0063】
==サーバ装置の動作について==
次に、
図5を参照して本実施形態におけるサーバ装置Sの動作の具体例について述べる。
図5は、サーバ装置Sにおける動作を示すフローチャートである。この例において、第1の記憶部10aは、カラオケ装置の装置識別情報と、当該カラオケ装置が設置されているエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する。また、第2の記憶部10bは、許可エリアのエリア識別情報と、期間情報と、他のエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する。更に、第2の記憶部10bは、複数の許可エリアのエリア識別情報の一つに対し、他のエリアのエリア識別情報に代えて、動画データの配信を停止させるための停止情報を対応付けて記憶する。
【0064】
受信部100は、一のカラオケ装置から、当該一のカラオケ装置で作成された動画データ及び当該一のカラオケ装置の装置識別情報を受信する(動画データ及び装置識別情報を受信。ステップ10)。
【0065】
特定部200は、ステップ10で受信した一のカラオケ装置の装置識別情報に基づいて、複数のエリアの中から、一の許可エリアを特定する(一の許可エリアを特定。ステップ11)。
【0066】
推奨部300は、一の許可エリアに設置されているカラオケ装置に対し、当該一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている期間情報が示す期間に基づく期限が到来するまで、受信した動画データの視聴を推奨するよう指示する(一の許可エリアに設置されているカラオケ装置に対し、期限が到来するまで動画データの視聴を推奨するよう指示。ステップ12)。
【0067】
ステップ12で指示を行ったカラオケ装置から、動画データの配信の要求があった場合(ステップ13でYの場合)、配信部400は、配信の要求を行ったカラオケ装置に対し、ステップ10で受信した動画データを配信する(動画データを配信。ステップ14)。
【0068】
期限が到来した場合(ステップ15でYの場合)、且つ一の許可エリアのエリア識別情報に他のエリアのエリア識別情報が対応付けられている場合(ステップ16でYの場合)、更新部500は、他のエリアを一の許可エリアとして更新する(他のエリアを一の許可エリアとして更新。ステップ17)。その後、サーバ装置Sは、ステップ12からステップ17の処理を繰り返し行う。
【0069】
一方、一の許可エリアのエリア識別情報に停止情報が対応付けられている場合(すなわち、他のエリアのエリア識別情報が対応付けられていない場合。ステップ16でNの場合)、更新部500は、一の許可エリアの更新を中止する(一の許可エリアの更新を中止。ステップ18)。
【0070】
以上から明らかなように、本実施形態に係るサーバ装置Sは、複数のカラオケ装置と通信可能に接続されている。サーバ装置Sは、カラオケ装置の装置識別情報と、地理的条件に基づいて決定される複数のエリアのうち、当該カラオケ装置が設置されているエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する第1の記憶部10aと、複数のエリアのうち、カラオケ装置から送信される動画データの視聴を可能とする許可エリアのエリア識別情報と、当該動画データの視聴を可能とする期間を示す期間情報と、当該許可エリアの次に当該動画データの視聴を可能とする他のエリアのエリア識別情報とを対応付けて記憶する第2の記憶部10bと、一のカラオケ装置から、当該一のカラオケ装置で作成された動画データ及び当該一のカラオケ装置の装置識別情報を受信する受信部100と、受信した一のカラオケ装置の装置識別情報に基づいて、複数のエリアの中から、一の許可エリアを特定する特定部200と、一の許可エリアに設置されているカラオケ装置に対し、当該一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている期間情報が示す期間に基づく期限が到来するまで、受信した動画データの視聴を推奨するよう指示する推奨部300と、受信した動画データの視聴を推奨するよう指示を行ったカラオケ装置からの要求に応じて、当該動画データを配信する配信部400と、期限が到来した場合、一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられている他のエリアのエリア識別情報に基づいて、当該他のエリアを当該一の許可エリアとして更新する更新部500と、を有する。
【0071】
このようなサーバ装置Sによれば、一の許可エリアに設置されているカラオケ装置に対し、一のカラオケ装置から受信した動画データの視聴を推奨するよう指示できる。また、サーバ装置Sは、受信した動画データの視聴を推奨するよう指示を行ったカラオケ装置からの要求に応じて、当該動画データを配信することができる。ここで、動画データは、メッセージボトルや風船飛ばしにおける手紙に相当するものである。よって、動画データの配信を要求した利用者は、動画データに基づく映像や音声を視聴することで、あたかも実際のメッセージボトルや風船を拾ったような体験を楽しむことができる。更に、サーバ装置Sは、期限の到来に応じて、他のエリアを一の許可エリアとして更新することにより、動画データを視聴可能なエリアを変更することができる。よって、一のカラオケ装置の利用者(すなわち、メッセージ配信モードを選択した利用者)は、メッセージボトルや風船飛ばしと類似する体験を楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係るサーバ装置Sによれば、メッセージボトルや風船飛ばしを模擬することができる。
【0072】
また、本実施形態に係るサーバ装置Sにおいて、第2の記憶部10bは、複数の許可エリアのエリア識別情報のうち少なくとも一つに対し、他のエリアのエリア識別情報に代えて、動画データの配信を停止させるための停止情報を対応付けて記憶することができる。この場合、更新部500は、期限が到来した場合、且つ一の許可エリアのエリア識別情報に停止情報が対応付けられている場合、当該一の許可エリアの更新を中止する。このようなサーバ装置Sによれば、一の許可エリアの更新を中止することにより、動画データの配信を停止させることができる。実際のメッセージボトルや風船飛ばしは、人に拾われることがないままになるケースもありうる。すなわち、本実施形態に係るサーバ装置Sによれば、実際のメッセージボトルや風船飛ばしにより近い趣向性を提供できる。
【0073】
<変形例1>
上記実施形態では、一つの許可エリアのエリア識別情報に対して、一つの他のエリアのエリア識別情報が対応付けられている例について述べた。一方、一つの許可エリアのエリア識別情報に対して、複数の他のエリアのエリア識別情報が対応付けられていてもよい。
【0074】
(第2の記憶部)
本変形例に係る第2の記憶部10bは、一つの許可エリアのエリア識別情報に対し、他のエリアのエリア識別情報を複数対応付けて記憶する。
【0075】
図6は本変形例に係る第2の記憶部10bが記憶している、許可エリアのエリア識別情報と、期間情報と、他のエリアのエリア識別情報とを対応付けたテーブルである。
図6の例における許可エリアまたは他のエリアは、日本の地域に基づいて決定された13のエリアのいずれかである。許可エリア及び他のエリアは、日本近郊の海流(対馬海流、日本海流)に沿った場合に隣接するエリアである。また、この例では、一つの許可エリアのエリア識別情報に対し、他のエリア識別情報が複数対応付けられている。
【0076】
たとえば、(許可エリアである)沖縄地方E10のエリア識別情報ID***E10に対しては、期間情報H10、(他のエリアである)九州地方西部E11のエリア識別情報ID***E11、及び(他のエリアである)九州地方東部E18のエリア識別情報ID***E18が対応付けられている。
【0077】
なお、
図6の例において、北海道地方西部E16、東北地方東部E17、及び関東地方E22のエリア識別情報に対しては、他のエリアのエリア識別情報に代えて、動画データの配信を停止させるための停止情報STが対応付けられている。
【0078】
(更新部)
本変形例に係る更新部500は、期限が到来した場合、且つ一の許可エリアのエリア識別情報に複数の他のエリアのエリア識別情報が対応付けられている場合、当該複数の他のエリアのエリア識別情報に基づいて、少なくとも一つの他のエリアを一の許可エリアとして更新することができる。更新される一の許可エリアは、複数のエリアの中からランダムで一つのエリアが選ばれてもよいし、二つ以上のエリアが選ばれてもよい。
【0079】
たとえば、推奨部300は、沖縄地方E10に設置されているカラオケ装置に対し、沖縄地方E10のエリア識別情報ID***E10に対応付けられている期間情報H10が示す期間に基づく期限が到来するまで、受信した動画データの視聴を推奨するよう指示したとする。
【0080】
その後、期間情報H10が示す期間に基づく期限が到来したとする。この場合、更新部500は、第2の記憶部10bに記憶されている
図6のテーブルを参照し、エリアE10のエリアのエリア識別情報ID***E10に対応付けられている他のエリアのエリア識別情報のうち、たとえば、九州地方西部E11のエリア識別情報ID***E11を抽出する。更新部500は、抽出したエリア識別情報ID***E11が示す九州地方西部E11を一の許可エリアとして更新する。すなわち、一の許可エリアは、沖縄地方E10から九州地方西部E11に更新される。
【0081】
或いは、更新部500は、沖縄地方E10のエリア識別情報ID***E10に対応付けられている他のエリア識別情報の両方を抽出してもよい。この場合、更新部500は、抽出したエリア識別情報ID***E11が示す九州地方西部E11、及びエリア識別情報ID***E18が示す九州地方東部E18を一の許可エリアとして更新する。すなわち、一の許可エリアは、沖縄地方E10から九州地方西部E11及び九州地方東部E18に更新される。
【0082】
以上から明らかなように、本変形例に係るサーバ装置Sにおける第2の記憶部10bは、一つの許可エリアのエリア識別情報に対し、他のエリアのエリア識別情報を複数対応付けて記憶し、更新部500は、期限が到来した場合、且つ一の許可エリアのエリア識別情報に複数の他のエリアのエリア識別情報が対応付けられている場合、当該複数の他のエリアのエリア識別情報に基づいて、少なくとも一つの他のエリアを当該一の許可エリアとして更新する。このようなサーバ装置Sによれば、複数のエリアまたは複数のエリアの中から選択された一部のエリアに対して一のカラオケ装置から受信した動画データの視聴を推奨するよう指示できる。
【0083】
<変形例2>
上記実施形態では、第1の記憶部10aがエリア識別情報に対して装置識別情報を対応付けて記憶する例について述べた。一方、第1の記憶部10aは、エリア識別情報に対して装置識別情報以外のデータを対応付けて記憶することができる。
【0084】
(第1の記憶部)
本変形例に係る第1の記憶部10aは、エリア紹介データを当該エリアのエリア識別情報と対応付けて記憶する。
【0085】
エリア紹介データは、たとえば、あるエリアにおける名所旧跡や祭り等のイベントを撮影した動画データまたは静止画データ、音声ガイドデータ、テキストデータ等、各エリアの特徴を示すデータである。
【0086】
図7は、本変形例に係る第1の記憶部10aが記憶している、装置識別情報、エリア識別情報、及びエリア紹介データを対応付けたテーブルである。
図7の例におけるエリアは、日本の地域に基づいて決定された7つのエリアのいずれかである。
【0087】
たとえば、近畿地方E3のエリア識別情報ID***E3に対しては、近畿地方E3に設置されているカラオケ装置K3-1~カラオケ装置K3-mそれぞれの装置識別情報ID***K3-1~装置識別情報ID***K3-m、及びエリア紹介データAD3が対応付けられている。
【0088】
(配信部)
本変形例に係る配信部400は、動画データと併せて、特定部200が特定した一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられたエリア紹介データを配信する。
【0089】
たとえば、実施形態で述べたように、動画データVDの視聴を推奨するよう指示を行ったカラオケ装置K3-1~K3-mのうち、カラオケ装置K3-5の利用者U2が動画データVDの配信を希望したとする。カラオケ装置K3-5は、利用者U2からの指示入力に基づいて、動画データVDの配信を要求する要求信号、及び装置識別情報ID***K3-5をサーバ装置Sに送信する。配信部400は、動画データVD、及び動画データVDが作成されたカラオケ装置K3-1の装置識別情報ID***K3-1に対応付けられているエリア紹介データAD3を、受信した装置識別情報ID***K3-5に基づいてカラオケ装置K3-5に配信する。カラオケ装置K3-5は、動画データVDを再生し、ディスプレイに映像を表示させつつ、スピーカから音声を放音させる。また、カラオケ装置K3-5は、エリア紹介データAD3を再生し、ディスプレイに映像を表示させつつ、スピーカからガイド音声を放音させる。なお、動画データ及びエリア紹介データの再生は同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。
【0090】
以上から明らかなように、本変形例に係るサーバ装置Sにおける第1の記憶部10aは、エリアを紹介するためのエリア紹介データを当該エリアのエリア識別情報と対応付けて記憶し、配信部400は、動画データと併せて、特定部200が特定した一の許可エリアのエリア識別情報に対応付けられたエリア紹介データを配信する。このようなエリア紹介データを配信することにより、動画データによる映像や音声を視聴する利用者は、動画データが作成されたエリアの雰囲気を楽しむことができる。
【0091】
<変形例3>
なお、実際にメッセージボトルや風船飛ばしを行う場合、季節や気候(天候、風向き、潮流の速度等)によって、メッセージボトルや風船が移動するエリアや移動に要する時間が異なる可能性もありうる。たとえば、近畿地方において風船飛ばしを行った場合、風向きによって中部地方に移動するケースと中国・四国地方に移動するケースがありうる。
【0092】
そこで、第2の記憶部10bは、季節や気候を考慮したテーブルを複数記憶してもよい。この場合、推奨部300は、動画データを受信した季節や気候に基づいて一のテーブルを選択し、選択したテーブルに基づいて受信した動画データの視聴を推奨するよう指示する。
【0093】
或いは、サーバ装置Sは、予め記憶されている一のテーブルに対し、動画データを受信したタイミングにおける季節や天候を考慮してテーブルを変更することも可能である。
【0094】
たとえば、第2の記憶部10bが
図4Bのテーブルを記憶しているとする。ここで、
図4Bのテーブルにおいて、近畿地方E3のエリア識別情報ID***E3に対しては、中部地方E4のエリア識別情報ID***E4が対応付けられている。すなわち、動画データの視聴を推奨する指示は、近畿地方E3、中部地方E4の順番で行われる。
【0095】
一方、動画データを受信した際の風向きが北東から南西であったとする。この場合、近畿地方E3で実際に風船飛ばしを行った場合、次に風船が移動するエリアは中部地方E4ではなく、中国・四国地方E2となる。
【0096】
よって、サーバ装置Sは、(許可エリアである)近畿地方E3のエリア識別情報ID***E3に対応付けられている、(他のエリアである)中部地方E4のエリア識別情報ID***E4を、中国・四国地方E2のエリア識別情報ID***E2に変更する。同様に、サーバ装置Sは、(許可エリアである)中国・四国地方E2のエリア識別情報ID***E2に対応付けられている、(他のエリアである)近畿地方E3のエリア識別情報ID***E3を、九州・沖縄地方E1のエリア識別情報ID***E1に変更する。なお、この場合、九州・沖縄地方E1のエリア識別情報ID***E1に停止情報STが対応付けられる。
図8は、第2の記憶部10bに記憶される変更後のテーブルを示している。
【0097】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0098】
1 カラオケシステム
10a 第1の記憶部
10b 第2の記憶部
100 受信部
200 特定部
300 推奨部
400 配信部
500 更新部
K1-1、K2-1、Kl-1 カラオケ装置
S サーバ装置