(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】カラオケシステム、サーバ装置
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20250227BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
(21)【出願番号】P 2021106787
(22)【出願日】2021-06-28
【審査請求日】2024-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 光
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-112598(JP,A)
【文献】特開2014-219458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ装置が設置された店舗のスタッフが使用するスタッフ端末と、サーバ装置とが通信可能に接続されたカラオケシステムであって、
前記スタッフ端末は、
リモート接客中の利用客の位置情報を取得する第1の取得部と、
前記利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲の楽曲識別情報を取得する第2の取得部と、
取得した前記位置情報、取得した前記楽曲識別情報、及び前記スタッフ端末の端末識別情報を前記サーバ装置に送信する送信処理部と、
を有し、
前記サーバ装置は、
複数の店舗から構成される一のグループのグループ識別情報と、当該一のグループの各店舗において使用されるスタッフ端末の端末識別情報とを紐付けて記憶する第1の記憶部と、
前記グループ識別情報と、前記一のグループを構成する複数の店舗それぞれの店舗情報、及び各店舗に設置されているカラオケ装置の装置識別情報とを紐付けて記憶する第2の記憶部と、
一のスタッフ端末から位置情報、楽曲識別情報、及び端末識別情報を受信した場合、当該端末識別情報が紐付けられた一のグループ識別情報を特定し、特定した一のグループ識別情報及び受信した位置情報に基づいて一の装置識別情報を特定し、特定した一の装置識別情報に対応する一のカラオケ装置に対し、当該一のスタッフ端末から受信した楽曲識別情報に対応する楽曲の予約を指示する第1の処理部と、
を有するカラオケシステム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記一のカラオケ装置から、当該一のカラオケ装置において予約された楽曲の予約リストを取得するリスト取得部と、
取得した前記予約リストを前記一のスタッフ端末に送信する第2の処理部と、
を有することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記第2の取得部は、取得した楽曲識別情報が前記予約リストに含まれている場合、スタッフ端末を使用するスタッフに対して警告を行うことを特徴とする請求項2記載のカラオケシステム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
前記一のカラオケ装置において予約の指示を行った楽曲のカラオケ演奏が開始された場合、前記一のスタッフ端末に対してリモート接客の終了を促す指示を行う第3の処理部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のカラオケシステム。
【請求項5】
カラオケ装置が設置された店舗のスタッフが使用するスタッフ端末と通信可能に接続されたサーバ装置であって、
複数の店舗から構成される一のグループのグループ識別情報と、当該一のグループの各店舗において使用されるスタッフ端末の端末識別情報とを紐付けて記憶する第1の記憶部と、
前記グループ識別情報と、前記一のグループを構成する複数の店舗それぞれの店舗情報、及び各店舗に設置されているカラオケ装置の装置識別情報とを紐付けて記憶する第2の記憶部と、
一のスタッフ端末から、リモート接客中の利用客の位置情報、当該利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲の楽曲識別情報、及び当該一のスタッフ端末の端末識別情報を受信した場合、当該端末識別情報が紐付けられた一のグループ識別情報を特定し、特定した一のグループ識別情報及び受信した位置情報に基づいて一の装置識別情報を特定し、特定した一の装置識別情報に対応する一のカラオケ装置に対し、当該一のスタッフ端末から受信した楽曲識別情報に対応する楽曲の予約を指示する第1の処理部と、
を有するサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケシステム、及びサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
感染症対策の一環として、リモート接客の取り組みが盛んとなっている。リモート接客とは、オンライン環境を利用した、リアルタイムの非接触、非対面の接客方式をいう(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】“急速に拡がる「リモート接客」の現状やメリットとは?三越伊勢丹などの事例を交えて解説”、リテールガイド[online]、[令和3年6月25日検索]、インターネット<URL:https://retailguide.tokubai.co.jp/data/4748/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バーやスナックなど(所謂、ナイト店)は、カラオケ装置が設置されている店舗も多くある。ナイト店では、店舗のスタッフがカラオケ装置を操作することにより、楽曲の予約が行われる。また、ナイト店の中には、複数の店舗から構成されるグループで経営を行っているところもある。
【0005】
ここで、たとえば、ある店舗のスタッフが皆忙しく、新たに入店した利用客をすぐに接客できない場合、非特許文献1に記載されている方式を利用することにより、手が空いている別の店舗のスタッフがリモート接客を行うことができる。
【0006】
しかしながら、リモート接客中の利用客がカラオケ歌唱を希望した場合、別の店舗のスタッフは、ある店舗のカラオケ装置を直接操作することができない。よって、利用客が希望する楽曲の予約を行うことができない。
【0007】
本発明の目的は、一のグループを構成する一の店舗のスタッフが使用するスタッフ端末を用いて、当該一のグループを構成する他の店舗に設置されたカラオケ装置において楽曲の予約を行うことを可能とするカラオケシステム及びサーバ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための一の発明は、カラオケ装置が設置された店舗のスタッフが使用するスタッフ端末と、サーバ装置とが通信可能に接続されたカラオケシステムであって、前記スタッフ端末は、リモート接客中の利用客の位置情報を取得する第1の取得部と、前記利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲の楽曲識別情報を取得する第2の取得部と、取得した前記位置情報、取得した前記楽曲識別情報、及び前記スタッフ端末の端末識別情報を前記サーバ装置に送信する送信処理部と、を有し、前記サーバ装置は、複数の店舗から構成される一のグループのグループ識別情報と、当該一のグループの各店舗において使用されるスタッフ端末の端末識別情報とを紐付けて記憶する第1の記憶部と、前記グループ識別情報と、前記一のグループを構成する複数の店舗それぞれの店舗情報、及び各店舗に設置されているカラオケ装置の装置識別情報とを紐付けて記憶する第2の記憶部と、一のスタッフ端末から位置情報、楽曲識別情報、及び端末識別情報を受信した場合、当該端末識別情報が紐付けられた一のグループ識別情報を特定し、特定した一のグループ識別情報及び受信した位置情報に基づいて一の装置識別情報を特定し、特定した一の装置識別情報に対応する一のカラオケ装置に対し、当該一のスタッフ端末から受信した楽曲識別情報に対応する楽曲の予約を指示する第1の処理部と、を有するカラオケシステムである。
また、上記目的を達成するための一の発明は、カラオケ装置が設置された店舗のスタッフが使用するスタッフ端末と通信可能に接続されたサーバ装置であって、複数の店舗から構成される一のグループのグループ識別情報と、当該一のグループの各店舗において使用されるスタッフ端末の端末識別情報とを紐付けて記憶する第1の記憶部と、前記グループ識別情報と、前記一のグループを構成する複数の店舗それぞれの店舗情報、及び各店舗に設置されているカラオケ装置の装置識別情報とを紐付けて記憶する第2の記憶部と、一のスタッフ端末から、リモート接客中の利用客の位置情報、当該利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲の楽曲識別情報、及び当該一のスタッフ端末の端末識別情報を受信した場合、当該端末識別情報が紐付けられた一のグループ識別情報を特定し、特定した一のグループ識別情報及び受信した位置情報に基づいて一の装置識別情報を特定し、特定した一の装置識別情報に対応する一のカラオケ装置に対し、当該一のスタッフ端末から受信した楽曲識別情報に対応する楽曲の予約を指示する第1の処理部と、を有するサーバ装置である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一のグループを構成する一の店舗のスタッフが使用するスタッフ端末を用いて、当該一のグループを構成する他の店舗に設置されたカラオケ装置において楽曲の予約を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るカラオケシステムを示す図である。
【
図2】実施形態に係るスタッフ端末を示す図である。
【
図4】実施形態に係る第1の記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【
図5】実施形態に係る第2の記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【
図6】実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
図1から
図6を参照して、本実施形態に係るカラオケシステムについて説明する。
【0012】
==カラオケシステム==
カラオケシステムは、スタッフ端末及びサーバ装置を含む。各スタッフ端末とサーバ装置とはネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0013】
スタッフ端末は、カラオケ装置が設置された店舗のスタッフが使用するスマートフォンやタブレット端末等である。スタッフ端末は、端末識別情報が付与されている。端末識別情報は、スタッフ端末を識別するための端末ID等、各スタッフ端末に固有の情報である。
【0014】
本実施形態におけるスタッフ端末には、オンライン会議用のアプリケーションソフトウェア(以下、「オンライン会議アプリ」)、及び他の店舗に設置されているカラオケ装置に対して楽曲の予約を行わせるための専用アプリケーションソフトウェア(以下、「カラオケアプリ」)がインストールされている。オンライン会議アプリ及びカラオケアプリは、所定のWebサイトからダウンロードすることで入手できる。オンライン会議アプリは、たとえば、Zoom(登録商標)、Lite FreshVoice(「FreshVoice」は登録商標)のような公知のソフトウェアを用いることができる。
【0015】
スタッフ端末においてカラオケアプリを起動させることにより、サーバ装置との通信が確立する。
【0016】
カラオケ装置は、楽曲のカラオケ演奏及びカラオケ歌唱を行うための機能を有する。カラオケ装置は、マイク、ディスプレイ、スピーカ、リモコン装置等の各種構成を有する。カラオケ装置は、装置識別情報が付与されている。装置識別情報は、カラオケ装置を識別するための装置ID等、各カラオケ装置に固有の情報である。
【0017】
サーバ装置は、各種情報を管理したり、各種処理を実行するコンピュータである。本実施形態に係るサーバ装置は、カラオケ装置に対し、楽曲の予約を指示することができる(詳細は後述)。
【0018】
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、スタッフ端末EM1~EM4、及びサーバ装置Sを含む。各スタッフ端末とサーバ装置SとはネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0019】
図1に示すグループG1は、店舗L1及び店舗L2から構成される一のグループである。店舗L1では、スタッフE1及びスタッフE2が働き、店舗L2ではスタッフE3及びスタッフE4が働いている。店舗L1にはカラオケ装置K1が設置され、店舗L2にはカラオケ装置K2が設置されている。
【0020】
図1に示すスタッフ端末EM1はスタッフE1が使用する端末であり、スタッフ端末EM2はスタッフE2が使用する端末であり、スタッフ端末EM3はスタッフE3が使用する端末であり、スタッフ端末EM4はスタッフE4が使用する端末である。また、スタッフ端末EM1には端末識別情報ID***EM1が付与され、スタッフ端末EM2には端末識別情報ID***EM2が付与され、スタッフ端末EM3には端末識別情報ID***EM3が付与され、スタッフ端末EM4には端末識別情報ID***EM4が付与されている。なお、店舗の営業時間中は、各スタッフ端末において、オンライン会議アプリが常に実行された状態となっている。よって、それぞれの店舗のスタッフは、他のスタッフの状況(接客中かどうか等)を把握できる。
【0021】
図1に示す利用客Cは、店舗L1を訪れた者である。利用客端末CMは、利用客Cが使用するスマートフォンやタブレット端末等である。利用客端末CMは、利用客個人が所有するものであってもよいし、店舗L1から貸与されたものであってもよい。
【0022】
なお、グループの数、一のグループを構成する店舗の数、各店舗で働くスタッフやスタッフ端末の数、カラオケ装置の数等は
図1の例に限られない。たとえば、2以上のグループがあってもよい。この場合、サーバ装置Sは、グループ毎に後述の処理を実行する。
【0023】
==スタッフ端末==
図2を参照して、スタッフ端末の構成について説明する。ここでは、スタッフ端末EM3を例に説明するが、スタッフ端末EM1、EM2、及びEM4も同様の構成を有する。
【0024】
スタッフ端末EM3は、記憶手段10、通信手段11、表示手段12、入力手段13、放音手段14、及び制御手段15を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0025】
[記憶手段、通信手段、表示手段、入力手段、放音手段]
記憶手段10は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10は、たとえば、カラオケ装置でカラオケ歌唱が可能な楽曲名及び楽曲識別情報が紐付けられたリストを記憶している。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。
【0026】
通信手段11は、サーバ装置Sや利用客端末との通信を行うためのインターフェースを提供する。表示手段12は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力手段13は、スタッフが各種指示入力を行うための構成である。なお、一般的なスマートフォンでは、表示手段12がタッチパネル形式で構成されており、入力手段13として機能する。放音手段14は、音声を発することが可能なスピーカである。
【0027】
[制御手段]
制御手段15は、スタッフ端末EM3における各種の制御を行う。制御手段15は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0028】
本実施形態において、スタッフ端末EM3でカラオケアプリを起動した場合、制御手段15は、第1の取得部15a、第2の取得部15b、及び送信処理部15cとして機能する。
【0029】
(第1の取得部)
第1の取得部15aは、リモート接客中の利用客の位置情報を取得する。
【0030】
位置情報は、利用客の位置を示す情報である。本実施形態において、位置情報は、利用客が使用する利用客端末の位置を示す情報である。位置情報の取得は、公知の手法を用いることができる。第1の取得部15aは、取得した位置情報を送信処理部15cに出力する。
【0031】
たとえば、
図1の例において、利用客Cが店舗L1を訪れた際、店舗L1に勤務するスタッフE1及びスタッフE2のいずれもが接客中であったとする。一方、店舗L2に勤務するスタッフE3が非接客であったとする。また、上述の通り、各スタッフが使用するスタッフ端末では、オンライン会議アプリが実行されている。すなわち、スタッフ端末E1~E4の間でオンライン会議が実施されている状態となっている。
【0032】
この場合、スタッフE1は、スタッフE3によるリモート接客を行うため、利用客Cに対してオンライン会議への参加を促す。利用客Cは、たとえば、利用客端末CMに予めインストールされたオンライン会議アプリを実行し、所定のIDを入力することでスタッフ端末E1~E4のオンライン会議に参加することができる。オンライン会議に参加した利用客Cは、スタッフE3からリモート接客を受けることが可能となる。
【0033】
利用客Cがオンライン会議に参加した場合(すなわち、利用客端末CMと通信可能になった場合)、スタッフ端末E3は、利用客Cの位置情報Pとして、利用客端末CMの位置を示す情報を取得する。たとえば、オンライン会議アプリとしてLite FreshVoiceを用いる場合、スタッフ端末は、利用客のオンライン会議への参加に伴って、利用客端末の位置情報を自動的に取得する。スタッフ端末E3は、取得した位置情報Pを記憶手段10に一時的に記憶させる。
【0034】
その後、スタッフE3がスタッフ端末E3を操作し、カラオケアプリを起動させたとする。この場合、第1の取得部15aは、記憶手段10に記憶されている位置情報Pを取得する。第1の取得部15aは、取得した位置情報Pを送信処理部15cに出力する。
【0035】
(第2の取得部)
第2の取得部15bは、利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲の楽曲識別情報を取得する。
【0036】
リモート接客中の利用客が楽曲のカラオケ歌唱を希望した場合、スタッフは、スタッフ端末を介して選曲を行う。選曲は、たとえば入力手段13を介して楽曲名や楽曲識別情報を入力することにより行う。楽曲名が入力された場合、第2の取得部15bは、記憶手段10から対応する楽曲識別情報を取得する。一方、楽曲識別情報が入力された場合、第2の取得部15bは、入力された楽曲識別情報をそのまま取得する。第2の取得部15bは、取得した楽曲識別情報を送信処理部15cに出力する。
【0037】
たとえば、スタッフE3のリモート接客を受けている利用客Cが楽曲Xのカラオケ歌唱を希望したとする。
【0038】
この場合、スタッフE3は、入力手段13を介して楽曲Xの楽曲名を入力する。第2の取得部15bは、入力された楽曲名に基づいて、記憶手段10から楽曲Xの楽曲IDを検索し、取得する。第2の取得部15bは、取得した楽曲Xの楽曲IDを送信処理部15cに出力する。
【0039】
(送信処理部)
送信処理部15cは、取得した位置情報、取得した楽曲識別情報、及びスタッフ端末の端末識別情報をサーバ装置Sに送信する。
【0040】
情報の送信は様々なタイミングで行うことができる。たとえば、送信処理部15cは、取得した位置情報、取得した楽曲識別情報、及びスタッフ端末の端末識別情報をまとめてサーバ装置Sに送信することができる。或いは、送信処理部15cは、第1の取得部15aからの位置情報が入力されたタイミングで、位置情報及び端末識別情報をサーバ装置Sに送信し、第2の取得部15bからの楽曲識別情報が入力されたタイミングで、楽曲識別情報及び端末位置情報をサーバ装置Sに送信してもよい。
【0041】
たとえば、上記例において、位置情報Pが入力された場合、送信処理部15cは、位置情報P及びスタッフ端末E3の端末識別情報ID***E3をサーバ装置Sに送信する。その後、楽曲Xの楽曲IDが入力された場合、送信処理部15cは、楽曲Xの楽曲ID及びスタッフ端末E3の端末識別情報ID***E3をサーバ装置Sに送信する。
【0042】
==サーバ装置==
図3に示すように、サーバ装置Sは、記憶手段20、通信手段30、及び制御手段40を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0043】
[記憶手段]
記憶手段20は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置であり、たとえばハードディスクドライブなどである。本実施形態において、記憶手段20の記憶領域の一部は、第1の記憶部20a及び第2の記憶部20bとして機能する。
【0044】
(第1の記憶部)
第1の記憶部20aは、複数の店舗から構成される一のグループのグループ識別情報と、当該一のグループの各店舗において使用されるスタッフ端末の端末識別情報とを紐付けて記憶する。
【0045】
グループ識別情報は、グループを識別するためのグループID等、各グループに固有の情報である。たとえば、
図1に示したグループG1に対しては、グループ識別情報ID***G1が付与される。
【0046】
図4は、本実施形態に係る第1の記憶部20aが記憶している、グループ識別情報と端末識別情報とを紐付けたテーブルである。
図4の例において、グループ識別情報ID***G1には、4つの端末識別情報ID***EM1~EM4が紐付けられている。すなわち、グループG1の各店舗においては、端末識別情報ID***EM1~EM4に対応するスタッフ端末EM1~EM4が使用される。
【0047】
(第2の記憶部)
第2の記憶部20bは、グループ識別情報と、一のグループを構成する複数の店舗それぞれの店舗情報、及び各店舗に設置されているカラオケ装置の装置識別情報とを紐付けて記憶する。
【0048】
店舗情報は、各店舗を特定するための情報である。本実施形態において、店舗情報は、住所やGPSにより特定される、店舗の所在地を示す位置情報である。たとえば、
図1に示した店舗L1に対しては店舗情報LI***L1が付与され、店舗L2に対しては店舗情報LI***L2が付与される。
【0049】
図5は、本実施形態に係る第2の記憶部20bが記憶している、グループ識別情報、店舗情報、及び装置識別情報とを紐付けたテーブルである。
図5の例において、グループ識別情報ID***G1には、2つの店舗情報LI***L1及びLI***L2が紐付けられている。また、店舗情報LI***L1には、店舗L1に設置されているカラオケ装置K1の装置識別情報ID***K1が紐付けられ、店舗情報LI***L2には、店舗L2に設置されているカラオケ装置K2の装置識別情報ID***K2が紐付けられている。
【0050】
[通信手段]
通信手段30は、各スタッフ端末や各カラオケ装置との通信を行うためのインターフェースを提供する。
【0051】
[制御手段]
制御手段40は、サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御手段40は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0052】
本実施形態においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段40は、第1の処理部100として機能する。
【0053】
(第1の処理部)
第1の処理部100は、一のスタッフ端末から位置情報、楽曲識別情報、及び端末識別情報を受信した場合、当該端末識別情報が紐付けられた一のグループ識別情報を特定し、特定した一のグループ識別情報及び受信した位置情報に基づいて一の装置識別情報を特定し、特定した一の装置識別情報に対応する一のカラオケ装置に対し、当該一のスタッフ端末から受信した楽曲識別情報に対応する楽曲の予約を指示する。
【0054】
具体的に、第1の処理部100は、第1の記憶部20aを参照し、受信した端末識別情報が紐付けられた一のグループ識別情報を特定する。次に、第1の処理部100は、第2の記憶部20bを参照し、特定した一のグループ識別情報及び受信した位置情報に対応する店舗情報に紐付けられている一の装置識別情報を特定する。そして、第1の処理部100は、特定した一の装置識別情報に対応する一のカラオケ装置に対し、受信した楽曲識別情報及び予約信号を送信することにより、当該楽曲識別情報に対応する楽曲の予約を指示する。一のカラオケ装置は、受信した楽曲識別情報を予約待ち行列に登録することにより、楽曲の予約を行う。
【0055】
上述の通り、スタッフ端末E3の送信処理部15cから、位置情報P及びスタッフ端末E3の端末識別情報ID***E3を受信したとする。この場合、第1の処理部100は、第1の記憶部20aに記憶された
図4に示すテーブルを参照し、スタッフ端末E3の端末識別情報ID***E3が紐付けられたグループG1のグループ識別情報ID***G1を特定する。
【0056】
次に、第1の処理部100は、第2の記憶部20bに記憶された
図5に示すテーブルを参照し、特定したグループ識別情報ID***G1に紐付けられている2つの店舗情報と、受信した位置情報Pとの比較を行う。位置情報Pは、利用客Cが使用する利用客端末CMから取得したものである。よって、2つの店舗情報のうち、位置情報Pと一致または近似する店舗情報を特定することにより、利用客Cが訪れた店舗を把握できる。ここで、本実施形態の例において、位置情報Pは、店舗L1の店舗情報LI***L1と一致、または近似する情報となる。よって、利用客Cが店舗L1を訪れたことを把握できる。この場合、第1の処理部100は、一の装置識別情報として、店舗情報LI***L1に紐付けられている装置識別情報ID***K1を特定する。
【0057】
その後、スタッフ端末E3の送信処理部15cから、楽曲Xの楽曲ID及びスタッフ端末E3の端末識別情報ID***E3を受信したとする。第1の処理部100は、先に特定した装置識別情報ID***K1に基づいて、受信した楽曲Xの楽曲ID及び予約信号をカラオケ装置K1に送信することで、楽曲Xの予約を指示する。
【0058】
カラオケ装置K1は、受信した楽曲Xの楽曲IDを予約待ち行列に登録することにより、楽曲Xの予約を行う。楽曲Xの演奏の順番が到来した場合、カラオケ装置K1は、楽曲Xのカラオケ演奏を開始する。利用客Cは、カラオケ演奏に合わせて楽曲Xのカラオケ歌唱を楽しむことができる。
【0059】
==カラオケシステムの動作について==
次に、
図6を参照して本実施形態におけるカラオケシステム1の動作の具体例について述べる。
図6は、カラオケシステム1における動作を示すフローチャートである。この例において、サーバ装置Sの第1の記憶部20aは、複数の店舗から構成される一のグループのグループ識別情報と、当該一のグループの各店舗において使用されるスタッフ端末の端末識別情報とを紐付けて記憶する。第2の記憶部20bは、グループ識別情報と、一のグループを構成する複数の店舗それぞれの店舗情報、及び各店舗に設置されているカラオケ装置の装置識別情報とを紐付けて記憶する。また、一のグループを構成している一の店舗を訪れた利用客に対し、一のグループを構成している他の店舗のスタッフがスタッフ端末を介してリモート接客を行っているとする。すなわち、他の店舗のスタッフが使用するスタッフ端末の記憶手段10には、利用客の位置情報が記憶されているとする。
【0060】
リモート接客を行うスタッフは、スタッフ端末を操作し、カラオケアプリを起動させる(カラオケアプリを起動。ステップ10)。スタッフ端末の第1の取得部15aは、記憶手段10からリモート接客中の利用客の位置情報を取得する(利用客の位置情報を取得。ステップ11)。
【0061】
送信処理部15cは、ステップ11で取得した位置情報及びスタッフ端末の端末IDをサーバ装置Sに送信する(位置情報及び端末IDを送信。ステップ12)。
【0062】
サーバ装置Sの第1の処理部100は、ステップ12で送信された端末IDが紐付けられた一のグループIDを特定する(一のグループIDを特定。ステップ13)。
【0063】
次に、第1の処理部100は、ステップ13で特定した一のグループID及びステップ12で受信した位置情報に基づいて一の装置IDを特定する(一の装置IDを特定。ステップ14)。
【0064】
その後、一の店舗を訪れた利用客が楽曲のカラオケ歌唱を希望したとする。この場合、リモート接客を行うスタッフは、スタッフ端末を操作し、選曲を行う。
【0065】
スタッフ端末の第2の取得部15bは、利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲の楽曲IDを取得する(楽曲IDを取得。ステップ15)。
【0066】
送信処理部15cは、ステップ15で取得した楽曲ID及びスタッフ端末の端末IDをサーバ装置Sに送信する(楽曲ID及び端末IDを送信。ステップ16)。
【0067】
サーバ装置Sの第1の処理部100は、ステップ14で特定した一の装置IDに対応する一のカラオケ装置に対し、スタッフ端末から受信した楽曲IDに対応する楽曲の予約を指示する(一の装置IDに対応するカラオケ装置に対し、楽曲の予約を指示。ステップ17)。一のカラオケ装置は、受信した楽曲の楽曲IDを予約待ち行列に登録することにより、楽曲の予約を行う。
【0068】
カラオケシステム1は、スタッフ端末でリモート接客を終了するまで(たとえば、カラオケアプリを終了するまで。ステップ18でYの場合)、ステップ15からステップ17の処理を繰り返し行う。
【0069】
以上から明らかなように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、カラオケ装置が設置された店舗のスタッフが使用するスタッフ端末と、サーバ装置Sとが通信可能に接続されたカラオケシステムである。スタッフ端末は、リモート接客中の利用客の位置情報を取得する第1の取得部15aと、利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲の楽曲識別情報を取得する第2の取得部15bと、取得した位置情報、取得した楽曲識別情報、及びスタッフ端末の端末識別情報をサーバ装置Sに送信する送信処理部15と、を有する。サーバ装置Sは、複数の店舗から構成される一のグループのグループ識別情報と、当該一のグループの各店舗において使用されるスタッフ端末の端末識別情報とを紐付けて記憶する第1の記憶部20aと、グループ識別情報と、一のグループを構成する複数の店舗それぞれの店舗情報、及び各店舗に設置されているカラオケ装置の装置識別情報とを紐付けて記憶する第2の記憶部20bと、一のスタッフ端末から位置情報、楽曲識別情報、及び端末識別情報を受信した場合、当該端末識別情報が紐付けられた一のグループ識別情報を特定し、特定した一のグループ識別情報及び受信した位置情報に基づいて一の装置識別情報を特定し、特定した一の装置識別情報に対応する一のカラオケ装置に対し、当該一のスタッフ端末から受信した楽曲識別情報に対応する楽曲の予約を指示する第1の処理部100と、を有する。
【0070】
このようなカラオケシステム1によれば、一の店舗を訪れた利用客のリモート接客を行う他の店舗のスタッフは、自らが使用するスタッフ端末を用いて利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲を選曲することができる。スタッフ端末は、選曲された楽曲の楽曲識別情報、利用客の位置情報、及びスタッフ端末の端末識別情報をサーバ装置Sに送信する。サーバ装置Sは、スタッフ端末から受信した位置情報、楽曲識別情報、及び端末識別情報に基づいて、一の店舗のカラオケ装置に対し、利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲の予約を指示する。よって、リモート接客を受けている利用客は、訪れた一の店舗でカラオケ歌唱を楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム1によれば、一のグループを構成する一の店舗のスタッフが使用するスタッフ端末を用いて、当該一のグループを構成する他の店舗に設置されたカラオケ装置において楽曲の予約を行うことが可能となる。
【0071】
また、本実施形態に係るサーバ装置Sは、カラオケ装置が設置された店舗のスタッフが使用するスタッフ端末と通信可能に接続されている。サーバ装置Sは、複数の店舗から構成される一のグループのグループ識別情報と、当該一のグループの各店舗において使用されるスタッフ端末の端末識別情報とを紐付けて記憶する第1の記憶部20aと、グループ識別情報と、一のグループを構成する複数の店舗それぞれの店舗情報、及び各店舗に設置されているカラオケ装置の装置識別情報とを紐付けて記憶する第2の記憶部20bと、一のスタッフ端末から、リモート接客中の利用客の位置情報、当該利用客がカラオケ歌唱を希望する楽曲の楽曲識別情報、及び当該一のスタッフ端末の端末識別情報を受信した場合、当該端末識別情報が紐付けられた一のグループ識別情報を特定し、特定した一のグループ識別情報及び受信した位置情報に基づいて一の装置識別情報を特定し、特定した一の装置識別情報に対応する一のカラオケ装置に対し、当該一のスタッフ端末から受信した楽曲識別情報に対応する楽曲の予約を指示する第1の処理部100と、を有する。このようなサーバ装置Sによれば、一のグループを構成する一の店舗のスタッフが使用するスタッフ端末から送信された情報に基づいて、当該一のグループを構成する他の店舗に設置されたカラオケ装置において楽曲の予約を行うことが可能となる。
【0072】
<変形例1>
カラオケシステム1は、リモート接客中の利用客が滞在する店舗に設置されているカラオケ装置から予約リストを取得し、スタッフ端末に送信することができる。
【0073】
==サーバ装置==
[制御手段]
図7に示すように、本変形例においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段40は、第1の処理部100、リスト取得部200、及び第2の処理部300として機能する。
【0074】
(リスト取得部)
リスト取得部200は、一のカラオケ装置から、当該一のカラオケ装置において予約された楽曲の予約リストを取得する。
【0075】
予約リストは、一のカラオケ装置において予約された楽曲を示すものである。予約リストは、たとえば、楽曲の楽曲識別情報や楽曲名から構成される。予約リストは、演奏開始前の楽曲(予約待ち行列に登録されている楽曲)のみで構成されていてもよいし、過去の一定期間(たとえば、現時点から1時間以内)において演奏された楽曲を含んでいてもよい。
【0076】
第1の処理部100が一の装置識別情報を特定した場合、リスト取得部200は、特定した一の装置識別情報に対応する一のカラオケ装置に対し、予約リストを要求する。一のカラオケ装置は、たとえば予約待ち行列に登録されている楽曲に基づいて予約リストを生成し、サーバ装置Sに送信する。リスト取得部200は、一のカラオケ装置から送信された予約リストを取得し、第2の処理部300に出力する。
【0077】
ここで、実施形態で述べたように、第1の処理部100が、カラオケ装置K1の装置識別情報ID***K1を特定したとする。この場合、リスト取得部200は、カラオケ装置K1に対し、予約リストを要求する。カラオケ装置K1は、予約リストRを生成し、サーバ装置Sに送信する。リスト取得部200は、カラオケ装置K1から取得した予約リストRを第2の処理部300に出力する。
【0078】
(第2の処理部)
第2の処理部300は、取得した予約リストを一のスタッフ端末に送信する。
【0079】
第2の処理部300は、リスト取得部200から出力された予約リストを、位置情報、楽曲識別情報、及び端末識別情報を送信したスタッフ端末(すなわち、リモート接客中のスタッフが使用するスタッフ端末)に送信する。
【0080】
たとえば上述の通り、リスト取得部200が予約リストRを第2の処理部300に出力したとする。この場合、第2の処理部300は、予約リストRをスタッフ端末E3に対して送信する。
【0081】
予約リストを受信したスタッフ端末E3は、表示手段12に予約リストを表示させる。スタッフE3は、予約リストを参照することで、カラオケ装置K1において現在予約中の楽曲を把握することができる。よって、スタッフE3は、リモート接客中の利用客Cに対して予約状況を考慮しながらカラオケ歌唱する楽曲を勧めることができる。
【0082】
<変形例2>
変形例1において取得した予約リストに、第2の取得部15で取得した楽曲識別情報が含まれている場合がある。この場合、楽曲識別情報に対応する楽曲がカラオケ装置の予約待ち行列に登録されている(或いは直近でカラオケ演奏がなされた)こととなる。よって、そのまま当該楽曲識別情報に対応する楽曲の予約を行うと、一のカラオケ装置において、同じ楽曲のカラオケ演奏が短時間に繰り返されることとなる。
【0083】
そこで、スタッフ端末の第2の取得部15bは、取得した楽曲識別情報が予約リストに含まれている場合、スタッフ端末を使用するスタッフに対して警告を行うことができる。警告は、表示手段12にメッセージを表示させたり、放音手段14から警告音を発することで行う。
【0084】
たとえば、実施形態で述べたように、スタッフ端末E3の第2の取得部15bは、楽曲Xの楽曲IDを取得したとする。また、変形例1で述べたように、スタッフ端末E3はサーバ装置Sから予約リストRを受信したとする。この場合、第2の取得部15bは、受信した予約リストRの中に楽曲Xの楽曲IDが含まれるか否か(すなわち、カラオケ装置K1の予約リストに楽曲Xが含まれるか否か)を確認する。
【0085】
受信した予約リストの中に楽曲Xの楽曲IDが含まれる場合、第2の取得部15bは、スタッフE3に対して警告を行う。スタッフE3は、警告に基づいて店舗L1の雰囲気等を考慮しつつ、利用客Cに対して別の楽曲のカラオケ歌唱を勧める等の対応ができる。
【0086】
一方、受信した予約リストの中に楽曲Xの楽曲IDが含まれていない場合、第2の取得部15bは、スタッフE3に対して警告を行わない。よって、送信処理部15cは、楽曲Xの楽曲ID及びスタッフ端末E3の端末識別情報ID***E3をサーバ装置Sに送信する。
【0087】
<変形例3>
カラオケシステム1は、スタッフに対してリモート接客の終了を促すことができる。
【0088】
==サーバ装置==
[制御手段]
図8に示すように、本変形例においてはCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段40は、第1の処理部100及び第3の処理部400として機能する。
【0089】
(第3の処理部)
第3の処理部400は、一のカラオケ装置において予約の指示を行った楽曲のカラオケ演奏が開始された場合、一のスタッフ端末に対してリモート接客の終了を促す指示を行う。
【0090】
第3の処理部400は、楽曲の予約の指示を行ったカラオケ装置から送信される動作情報(所謂、ログ)に基づいて、当該楽曲のカラオケ演奏が開始されたことを検出できる。楽曲のカラオケ演奏の開始を検出した場合、第3の処理部300は、当該楽曲の楽曲識別情報を送信したスタッフ端末に対してリモート接客の終了を促す指示(以下、「終了指示」)を行う。終了指示を受け取ったスタッフ端末は、当該終了指示に基づいて、表示手段12にメッセージを表示させたり、放音手段14からメッセージ音を発することでスタッフに通知を行う。
【0091】
たとえば、実施形態で述べたように、カラオケ装置K1は、スタッフ端末E3で取得された楽曲IDに対応する楽曲Xのカラオケ演奏を開始したとする。この場合、第3の処理部400は、ログによって楽曲Xのカラオケ演奏が開始されたことを検出する。そして、第3の処理部400は、楽曲Xの楽曲IDを取得したスタッフ端末E3に対してリモート接客の終了指示を行う。当該終了指示を受け取ったスタッフ端末E3は、たとえば、表示手段12に「選曲した楽曲Xのカラオケ演奏が開始されました。ひとまず接客を終了してください」といったメッセージを表示させる。このようなメッセージが表示されることにより、スタッフE3は接客を終了するタイミングを把握しやすくなる。
【0092】
なお、たとえばZoomのようなオンライン会議アプリを利用する場合、スタッフ端末側でオンライン会議の場を開設し、利用客が利用客端末から当該オンライン会議に参加する形式でリモート接客が行われる。このような場合、スタッフ端末E3は、オンライン会議アプリに搭載されている機能(たとえば、Zoomにおける強制退出の機能)を利用し、リモート接客の終了指示に基づいて、利用客をオンライン会議から強制的に削除することも可能である。
【0093】
また、変形例1及び2と変形例3とを組み合わせたカラオケシステム1を用いることも可能である。この場合、サーバ装置Sの制御手段40は、第1の処理部100、リスト取得部200、第2の処理部300、及び第3の処理部400として機能する。
【0094】
<その他>
上記実施形態及び変形例では、スタッフ端末においてオンライン会議アプリとカラオケアプリの2つのアプリを別々に実行する例について述べた。一方、これらのアプリ両方の機能を備えた一の専用アプリを用いることも可能である。
【0095】
また、第1の取得部15aが取得する位置情報及び第2の記憶部20bが記憶する店舗情報を、店舗識別情報とすることも可能である。店舗識別情報は、店舗を識別するための店舗ID等、各店舗に固有の情報である。
【0096】
位置情報として店舗識別情報を用いる場合、スタッフは、スタッフ端末を介してリモート接客を行う利用客が訪れた店舗の店舗識別情報を入力する。第1の取得部15aは、入力された店舗識別情報を、位置情報として取得する。
【0097】
店舗情報として店舗識別情報を用いる場合、第2の記憶部20bは、グループ識別情報と、一のグループを構成する複数の店舗それぞれの店舗識別情報、及び各店舗に設置されているカラオケ装置の装置識別情報とを紐付けて記憶する。
【0098】
サーバ装置Sの第1の処理部100は、第2の記憶部20bを参照し、特定したグループ識別情報に紐付けられている店舗識別情報と、受信した店舗識別情報との比較を行い、一致する店舗識別情報に紐付けられている装置識別情報を、一の装置識別情報として特定することができる。
【0099】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1 カラオケシステム
15a 第1の取得部
15b 第2の取得部
15c 送信処理部
20a 第1の記憶部
20b 第2の記憶部
100 第1の処理部
200 リスト取得部
300 第2の処理部
400 第3の処理部
EM1、EM2、EM3、EM4 スタッフ端末
K1、K2 カラオケ装置
S サーバ装置