(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20250227BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
G05D1/43
A01B69/00 303Z
(21)【出願番号】P 2021114071
(22)【出願日】2021-07-09
【審査請求日】2024-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】清水 日之樹
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-28259(JP,A)
【文献】特開2021-29218(JP,A)
【文献】特開2021-27834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
A01B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業領域外の道路において目標経路に従って作業車両を自動走行させることと、
前記道路において前記作業車両の後続車を検出することと、
前記後続車を検出した場合に、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害するか否かを判定することと、
前記作業車両が前記後続車の走行を阻害すると判定した場合に、前記作業車両を所定の退避領域に退避させることと、
を実行する自動走行方法。
【請求項2】
前記作業車両が前記後続車の走行を阻害すると判定した場合に、前記退避領域を探索する、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項3】
予め登録された地図情報に基づいて前記退避領域を探索する、
請求項2に記載の自動走行方法。
【請求項4】
前記作業車両の車幅、及び、前記作業車両に装着される作業機の横幅の少なくともいずれかに基づいて前記退避領域を探索する、
請求項2又は3に記載の自動走行方法。
【請求項5】
前記後続車の走行速度、及び、前記後続車と前記作業車両との間の距離の少なくともいずれかに基づいて、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害するか否かを判定する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の自動走行方法。
【請求項6】
前記退避領域を検出した場合に、前記作業車両を退避させる退避経路を生成する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の自動走行方法。
【請求項7】
前記退避経路は、前記目標経路から前記退避領域内に続く第1経路と、前記退避領域内の第2経路と、前記退避領域内から前記目標経路に続く第3経路とを含む、
請求項6に記載の自動走行方法。
【請求項8】
前記第1経路及び前記第3経路のそれぞれは旋回経路を含み、
前記旋回経路は、前記作業車両の走行速度及び旋回半径に基づいて設定される、
請求項7に記載の自動走行方法。
【請求項9】
前記退避領域内の障害物の検出結果に基づいて、前記作業車両を前記退避領域内に進入させることが可能であるか否かを判定し、
前記作業車両を前記退避領域内に進入させることが可能であると判定した場合に、前記作業車両を前記退避領域に退避させる、
請求項1~8のいずれか1項に記載の自動走行方法。
【請求項10】
前記退避領域内の障害物を検出した場合に、前記作業車両を前記退避領域に退避させない、
請求項1~9のいずれか1項に記載の自動走行方法。
【請求項11】
前記作業車両を前記退避領域に退避させる場合に、前記作業車両が退避走行することを示す特定情報を報知させる、
請求項1~10のいずれか1項に記載の自動走行方法。
【請求項12】
前記作業車両が前記退避領域に退避した後に、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害しないと判定した場合に、前記作業車両を前記退避領域から前記目標経路に復帰走行させる、
請求項1~11のいずれか1項に記載の自動走行方法。
【請求項13】
作業領域外の道路において目標経路に従って作業車両を自動走行させる走行処理部と、
前記道路において前記作業車両の後続車を検出する検出処理部と、
前記後続車を検出した場合に、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害するか否かを判定する判定処理部と、
前記作業車両が前記後続車の走行を阻害すると判定した場合に、前記作業車両を所定の退避領域に退避させる退避処理部と、
を備える自動走行システム。
【請求項14】
作業領域外の道路において目標経路に従って作業車両を自動走行させることと、
前記道路において前記作業車両の後続車を検出することと、
前記後続車を検出した場合に、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害するか否かを判定することと、
前記作業車両が前記後続車の走行を阻害すると判定した場合に、前記作業車両を所定の退避領域に退避させることと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための自動走行プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両を自動走行させる自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、農業機械の自動化技術の進歩により、圃場内を自動走行しながら作業を行う作業車両が導入されている。従来、前記作業車両が複数の圃場で自動走行及び作業を行うことを可能にする技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。例えば特許文献1には、複数の圃場を連結する農道などの道路について、作業車両が自動走行可能な経路であるか否かを判定し、当該経路が自動走行不可能な経路である場合に、作業車両の自動走行を規制するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、作業車両が、公道など一般車両が走行可能な道路を走行して圃場間を移動する場合がある。このため、例えば走行速度が低速に設定されている作業車両が公道を走行すると、当該作業車両に後続する他の一般車両の走行を阻害するおそれがある。すなわち、従来の技術では、作業車両が作業領域(例えば圃場)外の道路を自動走行する場合に、他の車両の走行を阻害する問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、作業領域外の道路において、他の車両の走行を阻害することなく作業車両を自動走行させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自動走行方法は、作業領域外の道路において目標経路に従って作業車両を自動走行させることと、前記道路において前記作業車両の後続車を検出することと、前記後続車を検出した場合に、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害するか否かを判定することと、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害すると判定した場合に、前記作業車両を所定の退避領域に退避させることと、を実行する。
【0007】
本発明に係る自動走行システムは、走行処理部と検出処理部と判定処理部と退避処理部とを備えるシステムである。前記走行処理部は、作業領域外の道路において目標経路に従って作業車両を自動走行させる。前記検出処理部は、前記道路において前記作業車両の後続車を検出する。前記判定処理部は、前記後続車を検出した場合に、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害するか否かを判定する。前記退避処理部は、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害すると判定した場合に、前記作業車両を所定の退避領域に退避させる。
【0008】
本発明に係る自動走行プログラムは、作業領域外の道路において目標経路に従って作業車両を自動走行させることと、前記道路において前記作業車両の後続車を検出することと、前記後続車を検出した場合に、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害するか否かを判定することと、前記作業車両が前記後続車の走行を阻害すると判定した場合に、前記作業車両を所定の退避領域に退避させることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業領域外の道路において、他の車両の走行を阻害することなく作業車両を自動走行させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る自動走行システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態に係る作業車両の一例を示す外観図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態に係る作業車両の目標経路の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される設定画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施形態に係る作業車両の退避走行の一例を示す図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の実施形態に係る作業車両の退避走行の一例を示す図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明の実施形態に係る作業車両の退避走行の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態に係る自動走行システムにおける退避経路の生成方法の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態に係る自動走行システムによって実行される自動走行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る自動走行システム1は、作業車両10と操作端末20とを含んでいる。作業車両10及び操作端末20は、通信網N1を介して通信可能である。例えば、作業車両10及び操作端末20は、携帯電話回線網、パケット回線網、又は無線LANを介して通信可能である。
【0013】
本実施形態では、作業車両10がトラクタである場合を例に挙げて説明する。なお、他の実施形態として、作業車両10は、田植機、コンバイン、建設機械、又は除雪車などであってもよい。作業車両10は、作業領域である圃場内を予め設定された目標経路に従って自動走行(自律走行)可能な構成を備える、所謂ロボットトラクタである。また、作業車両10は、圃場内において自動走行しながら所定の作業を行うことが可能である。さらに、作業車両10は、圃場外(作業領域外)の道路を予め設定された目標経路に従って自動走行可能な構成を備えている。作業車両10は、測位装置17により算出される作業車両10の現在位置の位置情報に基づいて、圃場内及び圃場外において予め設定された目標経路に従って自動走行する。
【0014】
例えば、作業車両10は、
図3に示す圃場F1において、予め設定された目標経路(作業経路)に従って自動走行しながら所定の作業を行う。作業車両10は、圃場F1の作業が終了すると、道路Raを予め設定された目標経路R1(移動経路)を自動走行して圃場F2に移動する。目標経路R1は、走行開始位置Sから走行終了位置Gまでの経路を含んでいる。作業車両10は、圃場F2に到着すると、圃場F2において、予め設定された目標経路(作業経路)に従って自動走行しながら所定の作業を行う。圃場F1内の目標経路及び圃場F2内の目標経路は、それぞれの作業内容に応じて適宜設定される。また、道路Raの目標経路R1は、圃場F1及び圃場F2の間の距離、道路Raの位置及び形状などに応じて適宜設定される。本実施形態では、作業車両10が圃場F1から圃場F2まで移動する道路Ra上の目標経路R1を例に挙げるが、目標経路R1は、作業車両10が圃場F2から圃場F1まで移動する道路Ra上の経路であってもよい。また、目標経路R1は、作業車両10の保管庫(納屋など)から圃場Fまで移動する道路Ra上の経路であってもよい。
【0015】
なお、本発明の道路は、農道、林道、公道、私道、自動車道など一般車両(乗用車など)が通行可能な道路をいう。
【0016】
[作業車両10]
図1及び
図2に示すように、作業車両10は、車両制御装置11、検出処理装置12、走行装置13、作業機14、カメラ15、障害物センサ16、測位装置17、通信部18、及び記憶部19などを備える。車両制御装置11は、走行装置13、作業機14、測位装置17、及び記憶部19などに電気的に接続されている。なお、車両制御装置11及び測位装置17は、無線通信可能であってもよい。また、カメラ15及び障害物センサ16は、検出処理装置12に電気的に接続されている。
【0017】
通信部18は、作業車両10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して操作端末20などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。作業車両10は、通信部18を介して操作端末20と無線通信を行うことが可能である。
【0018】
記憶部19は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部19には、車両制御装置11に後述の自動走行処理(
図11参照)を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部19に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して作業車両10にダウンロードされて記憶部19に記憶されてもよい。また、記憶部19には、操作端末20において生成される目標経路のデータなどが記憶される。
【0019】
走行装置13は、作業車両10を走行させる駆動部である。
図2に示すように、走行装置13は、エンジン131、前輪132、後輪133、トランスミッション134、フロントアクスル135、リアアクスル136、ハンドル137などを備える。なお、前輪132及び後輪133は、作業車両10の左右にそれぞれ設けられている。また、走行装置13は、前輪132及び後輪133を備えるホイールタイプに限らず、作業車両10の左右に設けられるクローラを備えるクローラタイプであってもよい。
【0020】
エンジン131は、不図示の燃料タンクに補給される燃料を用いて駆動するディーゼルエンジン又はガソリンエンジンなどの駆動源である。走行装置13は、エンジン131とともに、又はエンジン131に代えて、電気モーターを駆動源として備えてもよい。なお、エンジン131には、不図示の発電機が接続されており、当該発電機から作業車両10に設けられた車両制御装置11等の電気部品及びバッテリー等に電力が供給される。なお、前記バッテリーは、前記発電機から供給される電力によって充電される。そして、作業車両10に設けられている車両制御装置11及び測位装置17等の電気部品は、エンジン131の停止後も前記バッテリーから供給される電力により駆動可能である。
【0021】
エンジン131の駆動力は、トランスミッション134及びフロントアクスル135を介して前輪132に伝達され、トランスミッション134及びリアアクスル136を介して後輪133に伝達される。また、エンジン131の駆動力は、PTO軸(不図示)を介して作業機14にも伝達される。作業車両10が自動走行を行う場合、走行装置13は、車両制御装置11の命令に従って走行動作を行う。
【0022】
作業機14は、例えば草刈機、耕耘機、プラウ、施肥機、又は播種機などであって、作業車両10に着脱可能である。これにより、作業車両10は、作業機14各々を用いて各種の作業を行うことが可能である。本実施形態では、作業機14は草刈機である場合を例に挙げて説明する。
【0023】
例えば、作業車両10は、直装型の作業機14(草刈機)を装着して圃場F1内及び圃場F2内を走行しながら草刈作業を行う。なお、作業機14は、作業車両10に固定される直装型の作業機に限定されず、作業車両10に牽引される牽引型の作業機であってもよい。
【0024】
また、作業車両10は、道路Ra(
図3参照)を走行する場合に、作業機14を装着した状態で走行してもよいし、作業機14を取り外した状態で走行してもよい。例えば、作業車両10が圃場F1及び圃場F2のそれぞれにおいて草刈作業を行う場合、作業車両10は、圃場F1の草刈作業が終了した後、草刈機を装着した状態で道路Raを走行して圃場F2に移動し、圃場F2の草刈作業を行う。なお、作業車両10は、作業機14の昇降機能を備える場合、作業機14を上げた状態で道路Raを走行する。また例えば、圃場F1及び圃場F2のそれぞれにおいて異なる作業を行う場合、作業車両10は、圃場F1の作業が終了した後、作業機14を取り外した状態で道路Raを走行して圃場F2に移動し、作業機14を装着して圃場F2の作業を行う。
【0025】
障害物センサ16は、赤外線、超音波などを利用して所定の検出エリアの障害物を検出するセンサである。例えば、障害物センサ16は、レーザを用いて測定対象物(障害物)までの距離を3次元で測定可能なライダーセンサ(距離センサ)であってもよいし、超音波を用いて測定対象物までの距離を測定可能な複数のソナーを有するソナーセンサであってもよい。本実施形態では、
図2に示すように、作業車両10は、作業車両10の機体の前部に設置され、作業車両10の前方の障害物を検出する障害物センサ16Fと、作業車両10の機体の後部に設置され、作業車両10の後方の障害物を検出する障害物センサ16Rとを備えている。
【0026】
また、障害物センサ16は、予め設定された所定の検出エリアの障害物を検出可能に構成されている。例えば、障害物センサ16Fは、作業車両10の前方約10m、横幅約4mの検出エリアの障害物を検出可能に構成されており、障害物センサ16Rは、作業車両10の後方約10m、横幅約4mの検出エリアの障害物を検出可能に構成されている。障害物センサ16F,16Rは、検出エリア内の車両、物体、人などを検出する。障害物センサ16は、測定情報を検出処理装置12に送信する。
【0027】
なお、障害物センサ16は、作業車両10の前部及び後部に加えて、作業車両10の右側部、左側部、作業機14などに設置されてもよい。ユーザー(オペレータ)は、作業内容に応じて障害物センサ16を追加設置することもできる。また、複数の作業車両10を所有するオペレータは、作業内容に応じて作業車両10ごとに異なる位置に障害物センサ16を設置することもできる。
【0028】
検出処理装置12は、障害物センサ16が作業車両10に電気的に接続されることにより障害物センサ16と通信可能になる。検出処理装置12は、障害物センサ16と通信可能になると、障害物センサ16の個数と、各障害物センサ16の識別情報(機器情報)とを取得する。
【0029】
カメラ15は、被写体の画像を撮像してデジタル画像データとして出力するデジタルカメラである。カメラ15は、被写体を所定のフレームレートで連続して撮像し、所定の解像度のフレーム画像を生成して逐次、検出処理装置12に送信する。本実施形態では、
図2に示すように、カメラ15は、作業車両10の機体の前部に設置され、作業車両10の前方を撮像する。
【0030】
具体的には、カメラ15には、撮像可能な所定の撮像範囲(撮像エリア)が設定されている。例えばカメラ15は、作業車両10の前方の撮像エリアを撮像する。カメラ15は、撮像エリアを所定のフレームレートで撮像し、撮像画像を逐次、検出処理装置12に送信する。
【0031】
なお、検出処理装置12は、カメラ15が作業車両10に電気的に接続されることによりカメラ15と通信可能になる。検出処理装置12は、カメラ15と通信可能になると、カメラ15の個数と、各カメラ15の識別情報(機器情報)とを取得する。また、検出処理装置12は、取得したカメラ15の個数情報及び識別情報を操作端末20に出力する。オペレータは、カメラ15を追加したり、設置位置を変更したりすることができる。
【0032】
カメラ15は、作業車両10の前部に加えて、作業車両10の後部、右側部、左側部、作業機14などに設置されてもよい。オペレータは、作業内容に応じてカメラ15を追加設置することもできる。また、複数の作業車両10を所有するオペレータは、作業内容に応じて作業車両10ごとに異なる位置にカメラ15を設置することもできる。検出処理装置12は、障害物センサ16の測定情報に応じた検出結果(後述の判定結果)と、カメラ15による撮像画像とを、車両制御装置11及び操作端末20に送信する。
【0033】
ハンドル137は、オペレータ又は車両制御装置11によって操作される操作部である。例えば走行装置13では、車両制御装置11によるハンドル137の操作に応じて、不図示の油圧式パワーステアリング機構などによって前輪132の角度が変更され、作業車両10の進行方向が変更される。
【0034】
また、走行装置13は、ハンドル137の他に、車両制御装置11によって操作される不図示のシフトレバー、アクセル、ブレーキ等を備える。そして、走行装置13では、車両制御装置11による前記シフトレバーの操作に応じて、トランスミッション134のギアが前進ギア又はバックギアなどに切り替えられ、作業車両10の走行態様が前進又は後進などに切り替えられる。また、車両制御装置11は、前記アクセルを操作してエンジン131の回転数を制御する。また、車両制御装置11は、前記ブレーキを操作して電磁ブレーキを用いて前輪132及び後輪133の回転を制動する。
【0035】
測位装置17は、測位制御部171、記憶部172、通信部173、及び測位用アンテナ174などを備える通信機器である。例えば、測位装置17は、
図2に示すように、オペレータが搭乗するキャビン138の上部に設けられている。また、測位装置17の設置場所はキャビン138に限らない。さらに、測位装置17の測位制御部171、記憶部172、通信部173、及び測位用アンテナ174は、作業車両10において異なる位置に分散して配置されていてもよい。なお、前述したように測位装置17には前記バッテリーが接続されており、当該測位装置17は、エンジン131の停止中も稼働可能である。また、測位装置17として、例えば携帯電話端末、スマートフォン、又はタブレット端末などが代用されてもよい。
【0036】
測位制御部171は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。記憶部172は、測位制御部171に測位処理を実行させるためのプログラム、及び測位情報、移動情報などのデータを記憶する不揮発性メモリなどである。例えば、前記プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部172に記憶される。なお、前記プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して測位装置17にダウンロードされて記憶部172に記憶されてもよい。
【0037】
通信部173は、測位装置17を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して基地局サーバーなどの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0038】
測位用アンテナ174は、衛星から発信される電波(GNSS信号)を受信するアンテナである。
【0039】
測位制御部171は、測位用アンテナ174が衛星から受信するGNSS信号に基づいて作業車両10の現在位置を算出する。例えば、作業車両10が圃場F1、圃場F2、道路Raなどを自動走行する場合に、測位用アンテナ174が複数の衛星のそれぞれから発信される電波(発信時刻、軌道情報など)を受信すると、測位制御部171は、測位用アンテナ174と各衛星との距離を算出し、算出した距離に基づいて作業車両10の現在位置(緯度及び経度)を算出する。また、測位制御部171は、作業車両10に近い基地局(基準局)に対応する補正情報を利用して作業車両10の現在位置を算出する、リアルタイムキネマティック方式(RTK-GPS測位方式(RTK方式))による測位を行ってもよい。このように、作業車両10は、RTK方式による測位情報を利用して自動走行を行う。
【0040】
車両制御装置11及び検出処理装置12は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、車両制御装置11及び検出処理装置12は、前記ROM又は記憶部19に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより作業車両10を制御する。
【0041】
検出処理装置12は、障害物センサ16から測定情報を取得し、当該測定情報に基づいて検出エリアに障害物が含まれるか否かを判定する。具体的には、
図1に示すように、検出処理装置12は、取得処理部121、検出処理部122などの各種の処理部を含む。検出処理装置12は、CPUで前記自動走行プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記自動走行プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0042】
取得処理部121は、一又は複数の障害物センサ16から測定情報を取得する。具体的には、取得処理部121は、作業車両10の前部に設置された障害物センサ16Fから作業車両10の前方の検出エリアの測定情報を取得する。例えば、前記検出エリア内に障害物(車両、人、構造物など)が存在する場合に、取得処理部121は、障害物センサ16により測定される測定距離を取得する。また、取得処理部121は、作業車両10の後部に設置された障害物センサ16Rから作業車両10の後方の検出エリアの測定情報を取得する。例えば、前記検出エリア内に障害物(後続車など)が存在する場合に、取得処理部121は、障害物センサ16により測定される測定距離を取得する。
【0043】
また、取得処理部121は、一又は複数のカメラ15から撮像画像を取得する。例えば、取得処理部121は、作業車両10の前部に設置されたカメラ15から作業車両10の前方の撮像エリアの撮像画像をフレームごとに取得する。取得処理部121は、取得した前記撮像画像を撮像時刻とともに記憶部19に記憶する。また、取得処理部121は、取得した前記撮像画像の画像データを操作端末20に出力する。
【0044】
検出処理部122は、取得処理部121により取得される前記測定情報に基づいて障害物を検出する。具体的には、検出処理部122は、前記測定情報に基づいて検出エリアに障害物が含まれるか否かを判定する。検出処理部122は、検出結果(判定結果)を操作端末20に出力する。例えば、検出処理部122は、作業車両10の前方の障害物(車両、人など)と、作業車両10の後方の障害物(車両、人など)とを検出する。
【0045】
車両制御装置11は、作業車両10に対する各種のユーザー操作に応じて当該作業車両10の動作を制御する。また、車両制御装置11は、測位装置17により算出される作業車両10の現在位置と、予め設定される目標経路とに基づいて、当該作業車両10の自動走行処理を実行する。
【0046】
図1に示すように、車両制御装置11は、走行処理部111などの各種の処理部を含む。なお、車両制御装置11は、前記CPUで前記自動走行プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記自動走行プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0047】
走行処理部111は、作業車両10の走行を制御する。具体的には、走行処理部111は、操作端末20から走行開始指示を取得すると作業車両10の自動走行を開始させる。例えば、操作端末20の操作画面においてオペレータが走行開始ボタンを押下すると、操作端末20は走行開始指示を作業車両10に出力する。走行処理部111は、操作端末20から走行開始指示を取得すると、作業車両10の自動走行を開始させる。これにより、作業車両10は、例えば圃場F1内において目標経路に従って自動走行を開始し、作業機14による作業を開始する。また、作業車両10は、例えば圃場F2内において目標経路に従って自動走行を開始し、作業機14による作業を開始する。また、作業車両10は、例えば道路Raにおいて目標経路R1(
図3参照)に従って自動走行を行うことが可能である。すなわち、走行処理部111は、圃場外の道路Raにおいて目標経路R1に従って作業車両10を自動走行させることが可能である。例えば、走行処理部111は、圃場F1と圃場F2とを結ぶ道路Raを、道路Ra上に設定された目標経路R1に従って作業車両10を自動走行させる。なお、作業車両10が走行する圃場内外の各目標経路は、例えば操作端末20において生成される。作業車両10は、操作端末20から各目標経路に対応する経路データを取得して、各目標経路に従って自動走行する。
【0048】
また、走行処理部111は、操作端末20から走行停止指示を取得すると作業車両10の自動走行を停止させる。例えば、操作端末20の操作画面においてオペレータが走行停止ボタンを押下すると、操作端末20は走行停止指示を作業車両10に出力する。
【0049】
また、走行処理部111は、検出処理部122が障害物を検出した場合に作業車両10の自動走行を停止させる。例えば、検出処理部122が作業車両10の前方3m~8mの範囲で障害物を検出した場合に、走行処理部111は、作業車両10を減速走行させる。また検出処理部122が作業車両10の前方3mまでの範囲で障害物を検出した場合に、走行処理部111は、作業車両10を停止させる。
【0050】
ところで、作業車両10が、公道など一般車両が走行可能な道路を走行して圃場間を移動する場合がある。このため、例えば走行速度が低速に設定されている作業車両10が公道を走行すると、作業車両10に後続する他の一般車両の走行を阻害するおそれがある。例えば
図3に示すように、作業車両10が圃場F1から圃場F2まで公道の道路Raを走行する場合に、作業車両10よりも走行速度が速い後続車30(例えば一般車両)が作業車両10に接近すると、作業車両10が後続車30の走行を阻害するおそれがある。このように、従来、作業車両10が圃場外の道路を走行する場合に、他の車両(後続車30)の走行を阻害する問題が生じる。これに対して、本実施形態に係る自動走行システム1によれば、以下に示すように、圃場外の道路において、他の車両の走行を阻害することなく作業車両10を自動走行させることが可能である。
【0051】
[操作端末20]
図1に示すように、操作端末20は、操作制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備える情報処理装置である。操作端末20は、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末で構成されてもよい。
【0052】
通信部24は、操作端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して一又は複数の作業車両10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0053】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。オペレータは、前記表示部に表示される操作画面において、前記操作部を操作して各種情報(後述の作業車両情報、圃場情報、作業情報など)を登録する操作を行うことが可能である。また、オペレータは、前記操作部を操作して作業車両10に対する走行開始指示、走行停止指示などを行うことが可能である。さらに、オペレータは、作業車両10から離れた場所において、操作端末20に表示される走行軌跡により、圃場F1、圃場F2、道路Raを各目標経路に従って自動走行する作業車両10の走行状態を把握することが可能である。
【0054】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。記憶部22には、操作制御部21に後述の自動走行処理(
図11参照)を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して操作端末20にダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
【0055】
また、記憶部22には、作業車両10に関する情報である作業車両情報、目標経路に関する情報である目標経路情報などのデータが記憶される。
【0056】
前記作業車両情報には、作業車両10ごとに、車両番号、型式、障害物センサ16の設置位置などの情報が含まれる。前記車両番号は、作業車両10の識別情報である。前記型式は、作業車両10の型式である。障害物センサ16の設置位置は、作業車両10における障害物センサ16の設置位置である。
【0057】
なお、記憶部22には、1台の作業車両10に関する前記作業車両情報が記憶されてもよいし、複数台の作業車両10に関する前記作業車両情報が記憶されてもよい。例えば、特定のオペレータが複数台の作業車両10を所有する場合、各作業車両10に関する前記作業車両情報が記憶部22に記憶される。
【0058】
前記目標経路情報には、目標経路ごとに、経路名、圃場名、住所、圃場面積、作業時間などの情報が含まれる。前記経路名は、操作端末20において生成された目標経路の経路名である。前記圃場名は、前記目標経路が設定された作業対象の圃場の名称である。前記住所は、前記圃場の住所であり、前記圃場面積は、前記圃場の面積である。前記作業時間は、作業車両10により前記圃場の作業に要する時間である。
【0059】
前記目標経路が道路Raに対応する経路である場合、前記目標経路情報には、経路名、住所、走行距離、走行時間などの情報が含まれる。前記経路名は道路Raの名称であり、前記住所は道路Raの住所である。前記走行距離は、作業車両10が道路Raを走行する距離であり、例えば圃場F1から圃場F2までの距離である。前記走行時間は、作業車両10が道路Raを走行する時間であり、例えば圃場F1から圃場F2までの移動に要する時間である。
【0060】
なお、記憶部22には、一つの目標経路に関する前記目標経路情報が記憶されてもよいし、複数の目標経路に関する前記目標経路情報が記憶されてもよい。例えば、特定のオペレータが、自身が所有する一又は複数の圃場に対して複数の目標経路を生成した場合、各目標経路に関する前記目標経路情報が記憶部22に記憶される。なお、一つの圃場に対して、一つの目標経路が設定されてもよいし、複数の目標経路が設定されてもよい。本実施形態では、記憶部22に、圃場F1を走行する目標経路に対応する目標経路情報と、圃場F2を走行する目標経路に対応する目標経路情報と、道路Raを走行する目標経路R1(
図3参照)に対応する目標経路情報とが記憶される。なお、本発明の自動走行システムは、少なくとも道路Raを走行する目標経路R1に対応する目標経路情報を備えている。
【0061】
なお、他の実施形態として、前記作業車両情報、前記目標経路情報などの情報の一部又は全部が、操作端末20からアクセス可能なサーバーに記憶されてもよい。オペレータは、前記サーバー(例えばパーソナルコンピュータ)において前記作業車両情報及び前記目標経路情報を登録する操作を行ってもよい。この場合、操作制御部21は、前記サーバーから前記情報を取得して、後述の自動走行処理(
図11参照)などの各処理を実行してもよい。
【0062】
操作制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリとして使用される。そして、操作制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作端末20を制御する。
【0063】
図1に示すように、操作制御部21は、設定処理部211、経路生成処理部212、出力処理部213、判定処理部214、探索処理部215、退避処理部216などの各種の処理部を含む。なお、操作制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0064】
設定処理部211は、作業車両10に関する情報(以下、作業車両情報という。)、圃場Fに関する情報(以下、圃場情報という。)、作業を具体的にどのように行うかに関する情報(以下、作業情報という。)を設定する。設定処理部211は、例えば
図4に示す設定画面D1においてオペレータの設定操作を受け付けて各設定情報を登録する。
【0065】
具体的には、設定処理部211は、作業車両10の機種、作業車両10において測位用アンテナ174が取り付けられている位置、作業機14の種類、作業機14のサイズ及び形状、作業機14の作業車両10に対する位置、作業車両10の作業中の車速及びエンジン回転数、作業車両10の旋回中の車速及びエンジン回転数等の情報について、オペレータが操作端末20において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。
【0066】
また、設定処理部211は、圃場Fの位置及び形状、作業を開始する作業開始位置及び作業を終了する作業終了位置、作業方向等の情報について、操作端末20において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。
【0067】
圃場Fの位置及び形状の情報は、例えばオペレータが作業車両10に搭乗して圃場Fの外周に沿って一回り周回するように運転し、そのときの測位用アンテナ174の位置情報の推移を記録することで、自動的に取得することができる。また、圃場Fの位置及び形状は、操作端末20に地図を表示させた状態でオペレータが操作端末20を操作して当該地図上の複数の点を指定することで得られた多角形に基づいて取得することもできる。取得された圃場Fの位置及び形状により特定される領域は、作業車両10を走行させることが可能な領域(走行領域)である。
【0068】
また、設定処理部211は、作業情報として、作業車両10(無人トラクタ)と有人の作業車両10の協調作業の有無、作業車両10が枕地において旋回する場合にスキップする作業経路の数であるスキップ数、枕地の幅、及び非耕作地の幅等を設定可能に構成されている。
【0069】
また、設定処理部211は、道路Raを走行する際の走行開始位置S及び走行終了位置G(
図3参照)、走行方向等の情報について、操作端末20において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。例えば、オペレータが操作画面に表示された地図において走行開始位置及び走行終了位置を指定すると、設定処理部211は、指定された各位置を走行開始位置S及び走行終了位置Gとして設定する。
【0070】
経路生成処理部212は、前記各設定情報に基づいて、作業車両10を自動走行させる目標経路を生成する。具体的には、経路生成処理部212は、圃場設定で登録した作業開始位置及び作業終了位置に基づいて圃場F1内及び圃場F2内の目標経路(作業経路)を生成する。
【0071】
また、経路生成処理部212は、オペレータが指定した走行開始位置S及び走行終了位置Gに基づいて、道路Raにおける、走行開始位置S及び走行終了位置Gを接続する目標経路R1(
図3参照)を生成する。具体的には、経路生成処理部212は、走行開始位置Sから走行終了位置Gまでの移動距離又は移動時間が最短となる目標経路R1を生成する。また、経路生成処理部212は、作業車両10の情報(車幅、走行速度、旋回半径、作業機14の情報など)と、道路の情報(横幅、制限速度、路面状況など)とに基づいて、目標経路R1を生成する。経路生成処理部212は、生成した圃場F1に対応する目標経路、圃場F2に対応する目標経路、及び、道路Raに対応する目標経路R1の各経路データを記憶部22に記憶する。なお、目標経路R1は、圃場F1において設定された作業終了位置と圃場F2において設定された作業開始位置とを結ぶことによって生成されてもよい。
【0072】
出力処理部213は、前記目標経路の経路データを作業車両10に出力する。例えばオペレータが操作画面において圃場F1を選択して作業開始ボタン(スタートボタン)を押下すると、出力処理部213は、圃場F1に対応する目標経路の経路データを作業車両10に出力する。また例えばオペレータが操作画面において圃場F2を選択して作業開始ボタン(スタートボタン)を押下すると、出力処理部213は、圃場F2に対応する目標経路の経路データを作業車両10に出力する。
【0073】
また、例えばオペレータが操作画面D2(
図5参照)において道路Raを選択してスタートボタンを押下すると、出力処理部213は、道路Raに対応する目標経路R1の経路データを作業車両10に出力する。
【0074】
作業車両10は、操作端末20において生成された目標経路の経路データが作業車両10に転送され、記憶部19に記憶されるとともに、測位用アンテナ174により作業車両10の現在位置を検出しつつ当該目標経路に従って自律的に走行可能に構成されている。なお、作業車両10の現在位置は、通常は測位用アンテナ174の位置と一致している。
【0075】
また、作業車両10は、現在位置が圃場内の作業開始位置に一致している場合に、当該圃場内を自動走行できるように構成されている。また、作業車両10は、現在位置が圃場外の走行開始位置S(
図3参照)に一致している場合に、当該圃場外を自動走行できるように構成されている。
【0076】
例えば、作業車両10は、現在位置が走行開始位置Sと一致している場合に、オペレータにより操作画面D2(
図5参照)においてスタートボタンが押下されて走行開始指示が与えられると、走行処理部111によって、道路Raの自動走行を開始する。すなわち、操作制御部21は、作業車両10の現在位置が走行開始位置Sと一致していることを条件に作業車両10の自動走行を許可する。なお、作業車両10の自動走行を許可する条件は、前記条件に限定されない。
【0077】
作業車両10の走行処理部111は、操作端末20から取得する目標経路R1に基づいて、作業車両10を道路Ra上の走行開始位置Sから走行終了位置Gまで自動走行させる。また、作業車両10が自動走行している間、操作制御部21は、作業車両10の状態(位置、走行速度など)を作業車両10から受信して操作表示部23に表示させることが可能である。
【0078】
判定処理部214は、作業車両10が道路Raを自動走行している場合において、作業車両10の後方を走行する車両(後続車30)を検出した場合に、作業車両10が後続車30の走行を阻害するか否かを判定する。
【0079】
具体的には、判定処理部214は、作業車両10が道路Raを自動走行している場合に、作業車両10の後続車30を検出する。例えば、検出処理装置12が障害物センサ16R(
図2参照)の測定情報に基づいて検出した物体が、作業車両10の走行方向と同一方向に移動し、作業車両10の走行車線と同一車線を移動し、かつ当該物体の外形などの特徴が車両の特徴を有する場合に、判定処理部214は、当該物体を作業車両10の後続車30と判定する。
【0080】
また、判定処理部214は、検出した後続車30の走行速度、及び、後続車30と作業車両10との間の距離の少なくともいずれかに基づいて、作業車両10が後続車30の走行を阻害するか否かを判定する。具体的には、判定処理部214は、障害物センサ16Rの測定情報から算出される後続車30の走行速度と、作業車両10から後続車30までの距離とに基づいて、作業車両10が後続車30の走行を阻害する可能性があるか否かを判定する。なお、判定処理部214は、作業車両10の走行速度とカメラ15の撮像画像とに基づいて、後続車30の走行速度、作業車両10から後続車30までの距離を算出してもよい。また、作業車両10が後続車30の位置情報(緯度、経度など)を通信部18を介して取得可能な場合には、判定処理部214は、作業車両10の位置と後続車30の位置との差分により、後続車30と作業車両10との間の距離を算出してもよい。
【0081】
例えば、作業車両10よりも高速で走行する後続車30が作業車両10に近付いて作業車両10との距離が10m以内になると、後続車30が障害物センサ16Rの検出エリアに入るため、作業車両10は後続車30を検出する。この場合、後続車30は、作業車両10の後方において走行速度を作業車両10と同等の速度まで下げて走行することになるため、作業車両10が後続車30の走行を阻害する状態となる。そこで、判定処理部214は、作業車両10から所定距離(例えば10m)以内に後続車30を検出した場合に後続車30の走行速度を算出し、後続車30の走行速度が所定時間継続して作業車両10の走行速度と同等又はそれ以上となった場合に、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定する。また、判定処理部214は、後続車30が作業車両10から所定距離以内で所定時間継続して走行している状態になった場合に、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定してもよい。
【0082】
また、判定処理部214は、後続車30及び作業車両10の間の距離と、後続車30の走行速度との両方に基づいて、作業車両10が後続車30の走行を阻害するか否かを判定してもよい。例えば、判定処理部214は、後続車30の走行速度が作業車両10の走行速度と同等又はそれ以上となり、かつ後続車30と作業車両10との間の距離が所定距離以下となった場合に、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定する。すなわち、作業車両10の後続車30が、作業車両10と同等の低速度で所定時間継続して走行している状態になった場合に、判定処理部214は、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定する。
【0083】
ここで、作業車両10が道路Raの目標経路R1を走行しているときに、後続車30が作業車両10の走行路(走行車線)から他の経路(又は走行車線)に逸れることも考えられる。例えば
図3に示すように、作業車両10が目標経路R1に沿って道路Raを直進しているときに、後続車30が交差点を右折又は左折する場合がある。この場合は、作業車両10は後続車30の走行を阻害することにならない。そこで、判定処理部214は、後続車30が所定の非阻害情報を出力した場合に、作業車両10が後続車30の走行を阻害しないと判定する。前記非阻害情報は、例えば、後続車30が、作業車両10の走行方向とは異なる方向に方向転換することを示す情報、作業車両10を追い越すことを示す情報などであり、例えば右折、左折、又は追い越しを示す方向指示器の情報である。判定処理部214は、作業車両10の後部にカメラ15が設置されている場合には当該カメラ15の撮像画像、又は、道路Ra上に定点カメラが設置されている場合には当該定点カメラの撮像画像に基づいて、前記非阻害情報を取得する。また、判定処理部214は、後続車30の経路案内情報を取得可能な場合には、当該経路案内情報から前記非阻害情報を取得してもよい。
【0084】
判定処理部214は、検出した後続車30の走行速度が作業車両10の走行速度に近似し、かつ作業車両10と後続車30との間の距離が設定距離(例えば0m~10m)以下である場合であっても、前記非阻害情報を取得した場合には、作業車両10が後続車30の走行を阻害しないと判定する。
【0085】
判定処理部214が、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定した場合、探索処理部215は作業車両10を退避させる退避領域Rbを探索し、退避処理部216は作業車両10を退避領域Rb内に退避走行させる。
【0086】
例えば作業車両10が後続車30の走行を阻害する場合(
図6A参照)、作業車両10は退避経路R2を走行して退避領域Rbに進入し、後続車30に作業車両10を追い越させる(
図6B参照)。後続車30が作業車両10を追い越すと、作業車両10は、目標経路R1に復帰する(
図6C参照)。これにより、後続車30の走行の阻害を防ぐ。作業車両10を退避走行させるための探索処理部215及び退避処理部216の具体的構成について以下に説明する。
【0087】
探索処理部215は、判定処理部214により作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定された場合に、作業車両10を退避させる退避領域Rbを探索する。退避領域Rbは、例えば、道路Raの走行車線に隣接する待避所、路側帯、路肩、非常駐車帯、駐車場、登坂車線、圃場などであって、作業車両10が一時的に退避可能なスペースである。
図6Aに示す退避領域Rbは、待避所の一例を示している。また、
図6Aに示す退避領域Rbは、少なくとも、作業車両10が進入可能な横幅W1と、走行中の作業車両10が停止するまでに要する停止距離以上の縦幅W2とを有する。
【0088】
探索処理部215は、障害物センサ16Fの測定情報とカメラ15の撮像画像とに基づいて、退避領域Rbを探索する。例えば、探索処理部215は、作業車両10が目標経路R1を自動走行しているときに、障害物センサ16Fが測定する車道と歩道との段差までの距離、カメラ15が撮像する撮影画像などに基づいて、退避領域Rbを特定する。
【0089】
なお、探索処理部215は、作業車両10の車幅、及び、作業車両10に装着される作業機14の横幅の少なくともいずれかに基づいて退避領域Rbを探索する。例えば、作業車両10が作業機14を装着していない場合、探索処理部215は、作業車両10の車幅に基づいて退避領域Rbを探索する。一方、作業車両10が作業車両10の車幅よりも大きい作業機14を装着している場合、探索処理部215は、作業機14の横幅に基づいて退避領域Rbを探索する。
【0090】
他の実施形態として、探索処理部215は、予め登録された地図情報に基づいて退避領域Rbを探索してもよい。例えば、圃場F1及び圃場F2を含む所定エリアの地図情報が記憶部22に記憶されている場合、又は、操作端末20とデータ通信可能なサーバーから当該地図情報を取得可能な場合に、探索処理部215は、当該地図情報を取得して作業車両10の現在位置に対応する退避領域Rbを探索する。また、退避領域Rbは、地図情報に予め登録されてもよい。
【0091】
退避処理部216は、判定処理部214により作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定された場合に、作業車両10を退避領域Rbに退避させる。
【0092】
具体的には、退避処理部216は、探索処理部215が退避領域Rbを検出した場合に、作業車両10を退避させる退避経路R2(
図6A参照)を生成する。退避経路R2は、作業車両10を、目標経路R1から退避領域Rb内に導く経路と、退避領域Rb内の経路と、退避領域Rbから目標経路R1に導く経路とを含む。例えば
図6Aに示す退避経路R2は、目標経路R1から退避領域Rb内に続く第1経路R21(本発明の第1経路)と、退避領域Rb内の第2経路R22(本発明の第2経路)と、退避領域Rb内から目標経路R1に続く第3経路R23(本発明の第3経路)とを含む。また、第1経路R21及び第3経路R23のそれぞれは旋回経路を含み、第2経路R22は直進経路を含む。また、前記旋回経路は、作業車両10の車幅、走行速度、及び旋回半径、作業機14の有無及び横幅などに基づいて設定される。
【0093】
また、退避処理部216は、作業車両10の退避走行時の安全性を確保するために、走行速度を目標経路R1の走行速度よりも低速に設定する。例えば、目標経路R1の最高速度が時速30kmに設定されている場合、退避処理部216は、退避経路R2の最高速度を時速15kmに設定する。
【0094】
ここで、退避経路R2の生成方法の一例について、
図7を参照しつつ説明する。先ず、退避処理部216は、退避領域Rbの横幅W1の半分の距離((W1)/2)の位置に目標経路R1に平行な直線L1を引き、直線L1上に第2経路R22(直進経路)を設定する。また、退避処理部216は、目標経路R1と直線L1とを結ぶ直線L2について、目標経路R1の進行方向と直線L1の方向とのなす角度θ1が90度未満となる直線L2を引く。また、退避処理部216は、目標経路R1と直線L2とを結ぶ直線L3について、目標経路R1の進行方向と直線L3の方向とのなす角度θ2が90度未満となる直線L3を引く。退避処理部216は、角度θ1及び角度θ2を同一角度に設定してもよいし、互いに異なる角度に設定してもよい。また、退避処理部216は、作業車両10の走行速度に応じて角度θ1及び角度θ2を設定してもよい。目標経路R1、直線L1、直線L2、及び直線L3により囲まれる領域の形状は台形形状となる。
【0095】
退避処理部216は、直線L2、直線L1、及び直線L3を通り、各直線の接続部において作業車両10の走行速度に応じた所定の旋回半径を有する旋回経路を含む退避経路R2を生成する。すなわち、退避処理部216は、目標経路R1に接続し、退避領域Rb内に進入する旋回経路を含む第1経路R21と、第1経路R21に接続し、退避領域Rb内で目標経路R1に平行な直進経路を含む第2経路R22と、第2経路R22に接続し、目標経路R1に復帰する旋回経路を含む第3経路R23と、を含む退避経路R2を生成する。退避経路R2は、本発明の退避経路の一例である。
【0096】
退避処理部216は、生成した退避経路R2の経路データを作業車両10に出力する。例えば、判定処理部214が、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定した場合に、退避処理部216は、作業車両10を退避領域Rbに退避させる退避経路R2を生成し、生成した退避経路R2の経路データと退避指示とを作業車両10に出力する。作業車両10は、退避経路R2の経路データと退避指示とを取得すると、走行処理部111によって、退避経路R2に従った自動走行(退避走行)を開始する。
【0097】
ここで、操作制御部21は、
図8に示すように、操作画面D2において、後続車30を検出したこと、及び、退避経路R2を生成したことを示すメッセージM1を表示させてもよい。これにより、オペレータは、操作端末20において、後続車30が接近していること、及び、退避経路R2の内容を把握することができる。なお、作業車両10の後部にカメラ15が設置されている場合には、操作制御部21は、操作画面D2(
図8参照)に後方画像を表示させてもよい。
図8に示す操作画面D2には、検出された後続車30の撮像画像が表示されている。これにより、オペレータは、操作端末20において、後続車30を確認することができる。
【0098】
以上の構成によれば、作業車両10の後方に後続車30が近付いたときに、作業車両10を退避領域Rbに退避させることができるため、後続車30の走行の阻害を防ぐことができる。
【0099】
ところで、作業車両10が退避領域Rb内に進入する際に、退避領域Rb内に歩行者、物体(車両など)などの障害物が存在する場合、作業車両10が退避領域Rb内に進入することが困難な場合がある。そこで、他の実施形態として、退避処理部216は、退避領域Rb内の障害物の検出結果に基づいて、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることが可能であるか否かを判定してもよい。そして、退避処理部216は、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることが可能であると判定した場合に、作業車両10を退避領域Rbに退避させる。一方、退避処理部216は、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることができないと判定した場合に、作業車両10を退避領域Rbに退避させず、目標経路R1の走行を維持、又は、道路Raにおいて一時停止させる。なお、退避領域Rb内の障害物には、作業車両10が退避領域Rbに進入する前には障害物となっていないものの、作業車両10が退避領域Rbに進入する時点で障害物となるような移動体が含まれる。
【0100】
例えば、検出処理部122が、作業車両10に搭載されているカメラ15による撮像画像、退避領域Rb内に設置されている定点カメラによる撮像画像、障害物センサ16の測定情報などに基づいて退避領域Rb内に障害物(車両、人など)を検出し、退避処理部216が、検出処理部122の検出結果に基づいて、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることが可能であるか否かを判定する。
【0101】
例えば、退避処理部216は、退避領域Rb内に障害物が存在しない場合に、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることが可能であると判定して、作業車両10を退避領域Rbに退避させる。また例えば、退避処理部216は、退避領域Rb内に障害物が存在する場合に、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることができないと判定して、作業車両10を退避領域Rbに退避させない。
【0102】
また例えば、退避処理部216は、退避領域Rb内に歩行者が存在し、当該歩行者が退避領域Rbから離れる方向に歩行している場合に、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることが可能であると判定して、作業車両10を退避領域Rbに退避させる。また例えば、退避処理部216は、退避領域Rb外に歩行者が存在し、当該歩行者が退避領域Rb内に向かう方向に歩行している場合に、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることができないと判定して、作業車両10を退避領域Rbに退避させない。
【0103】
なお、退避処理部216は、検出処理部122の検出結果に加えて、オペレータの判断に基づいて、作業車両10を退避領域Rb内に進入させるか否かを決定してもよい。例えば、検出処理部122が退避領域Rb内に障害物を検出した場合においてオペレータが退避領域Rb内への進入を困難ではないと判断して退避走行を許可する操作を行った場合に、退避処理部216は、作業車両10を退避領域Rb内に退避させる。一方、検出処理部122が退避領域Rb内に障害物を検出した場合においてオペレータが退避領域Rb内への進入を困難と判断して退避走行を中止する操作を行った場合に、退避処理部216は、作業車両10を退避領域Rbに退避させない。また、検出処理部122が退避領域Rb内に障害物を検出しなかった場合であってもオペレータが退避領域Rb内への進入を困難と判断して退避走行を中止する操作を行った場合には、退避処理部216は、作業車両10を退避領域Rbに退避させない。
【0104】
なお、退避処理部216は、オペレータの判断のみに基づいて、作業車両10を退避領域Rb内に進入させるか否かを決定してもよい。例えば、オペレータは、退避領域Rb内の安全を目視により確認して退避走行の指示を行う。
【0105】
このように、退避処理部216は、退避領域Rb内の安全を確認した場合に作業車両10を退避領域Rb内に退避させ、退避領域Rb内の安全を確認できない場合に作業車両10を退避領域Rb内に退避させない構成を備えてもよい。
【0106】
また、操作制御部21は、
図9の操作画面D2に示すように、退避領域Rb内の安全を確認したこと、及び、作業車両10を退避領域Rb内に退避させることを示すメッセージM2を表示させてもよい。これにより、オペレータは、操作端末20において、作業車両10が安全に退避領域Rb内に退避することを把握することができる。
【0107】
退避領域Rbに退避した作業車両10は、後続車30が作業車両10を追い越した後に道路Raの目標経路R1に復帰する(
図6B及び
図6C参照)。具体的には、作業車両10は、退避経路R2に従って自動走行した後、退避経路R2に接続する目標経路R1に従って自動走行を継続する。
【0108】
ここで、退避処理部216は、道路Ra上の障害物の検出結果に基づいて、作業車両10を道路Raに復帰させることが可能であるか否かを判定してもよい。そして、退避処理部216は、作業車両10を道路Raに復帰させることが可能であると判定した場合に、作業車両10を目標経路R1に復帰させる。すなわち、退避処理部216は、作業車両10が退避領域Rbに退避した後に、作業車両10が後続車30の走行を阻害しないと判定した場合に、作業車両10を退避領域Rb(退避経路R2)から目標経路R1に復帰走行させる。一方、退避処理部216は、作業車両10を道路Raに復帰させることができないと判定した場合に、作業車両10を目標経路R1に復帰させず、退避領域Rb内を走行又は停止させる。
【0109】
操作制御部21は、
図10の操作画面D2に示すように、道路Raの安全を確認したこと、及び、目標経路R1に復帰することを示すメッセージM3を表示させてもよい。これにより、オペレータは、操作端末20において、作業車両10が安全に道路Raの目標経路R1に復帰することを把握することができる。
【0110】
このように、退避処理部216は、道路Raの安全を確認した場合に作業車両10を退避領域Rbから道路Raの目標経路R1に復帰させ、道路Raの安全を確認できない場合に作業車両10を退避領域Rb内に待機(走行又は停止)させる構成を備えてもよい。
【0111】
他の実施形態として、作業車両10は、目標経路R1から退避領域Rbに退避する場合に、作業車両10に搭載された方向指示器を点灯又は点滅させてもよい。例えば、作業車両10は、道路Raの左側の退避領域Rbに退避する場合に、左側の方向指示器を点滅させる。また、作業車両10は、退避領域Rbから右側の道路Raに復帰する場合に、右側の方向指示器を点滅させる。
【0112】
また他の実施形態として、退避処理部216は、作業車両10を退避領域Rbに退避させる場合に、作業車両10が退避走行することを示す特定情報を報知させてもよい。例えば、作業車両10は、目標経路R1から退避領域Rbに退避する場合、及び、退避領域Rbから目標経路R1に復帰する場合に、作業車両10に搭載されたスピーカー(クラクション)から特定の音(警告音、ブザー音など)を外部に出力させてもよい。このように、方向指示器を点滅させたり、スピーカーから音を出力させたりすることにより、周囲に作業車両10の退避走行に伴う注意喚起を行うことができる。方向指示器の点滅、点灯、スピーカーによる放音など周囲への注意喚起に用いられる情報は、本発明の特定情報の一例である。
【0113】
なお、操作端末20は、サーバー(不図示)が提供する農業支援サービスのウェブサイト(農業支援サイト)に通信網N1を介してアクセス可能であってもよい。この場合、操作端末20は、操作制御部21によってブラウザプログラムが実行されることにより、前記サーバーの操作用端末として機能することが可能である。そして、前記サーバーは、上述の各処理部を備え、各処理を実行する。
【0114】
他の実施形態として、上述した作業車両10の検出処理装置12の機能は、操作端末20の操作制御部21に含まれてもよい。すなわち、例えば操作制御部21は、作業車両10のカメラ15及び障害物センサ16から撮像画像及び測定情報を取得して、障害物を検出する処理を実行してもよい。また、検出処理装置12の各機能(取得処理部121及び検出処理部122)は、作業車両10の車両制御装置11に含まれてもよい。
【0115】
[自動走行処理]
以下、
図11を参照しつつ、自動走行システム1が実行する前記自動走行処理の一例について説明する。例えば、前記自動走行処理は、オペレータが作業車両10の目標経路を設定する操作を開始した場合に車両制御装置11、検出処理装置12、及び操作制御部21によって開始される。
【0116】
なお、本発明は、前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップを実行する自動走行方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記自動走行処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは車両制御装置11、検出処理装置12、及び操作制御部21が前記自動走行処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該自動走行処理における各ステップを分散して実行する自動走行方法も他の実施形態として考えられる。
【0117】
ステップS1において、操作端末20の操作制御部21は、各種設定情報を登録する。具体的には、操作制御部21は、オペレータの設定操作に基づいて、作業車両10に関する情報(作業車両情報)と、圃場に関する情報(圃場情報)と、作業(例えば草刈作業)に関する情報(作業情報)とを設定して登録する。また、操作制御部21は、圃場外の道路を走行する際の走行開始位置S及び走行終了位置G、走行方向などの情報を設定して登録する。ここでは、操作制御部21は、作業車両10が圃場F1から圃場F2に移動するための道路Raを走行する際の走行開始位置S及び走行終了位置G(
図3参照)を設定登録する。
【0118】
次にステップS2において、操作制御部21は、前記各設定情報に基づいて、目標経路R1を生成する。例えば、操作制御部21は、オペレータが指定した走行開始位置S及び走行終了位置Gに基づいて、道路Raにおける、走行開始位置S及び走行終了位置Gを結ぶ目標経路R1(
図3参照)を生成する。操作制御部21は、道路Raに対応する目標経路R1の経路データを記憶部22に記憶する。
【0119】
次にステップS3において、作業車両10の車両制御装置11は、操作端末20から走行開始指示を取得したか否かを判定する。例えば、オペレータが操作端末20の操作画面D2(
図5参照)においてスタートボタンを押下すると、操作端末20は、道路Raに対応する目標経路R1の経路データと走行開始指示とを作業車両10に出力する。車両制御装置11が操作端末20から前記経路データ及び走行開始指示を取得すると(S3:Yes)、処理はステップS4に移行する。車両制御装置11は、操作端末20から前記経路データ及び走行開始指示を取得するまで待機する(S3:No)。
【0120】
次にステップS4において、車両制御装置11は、前記経路データに対応する目標経路R1に応じた自動走行処理を実行する。これにより、作業車両10は、道路Raにおいて、目標経路R1に従って自動走行を開始する。
【0121】
次にステップS5において、操作制御部21は、作業車両10が道路Raを自動走行している場合において、作業車両10の後方を走行する車両(後続車30)を検出したか否かを判定する。操作制御部21は、作業車両10の検出処理装置12の検出結果に基づいて、後続車30を検出したか否かを判定する。例えば、検出処理装置12が障害物センサ16R(
図2参照)の測定情報に基づいて検出した物体が、作業車両10の走行方向と同一方向に移動し、作業車両10の走行車線と同一車線を移動し、かつ当該物体の外形などの特徴が車両の特徴を有する場合に、操作制御部21は、当該物体を作業車両10の後続車30として検出する。操作制御部21が後続車30を検出すると(S5:Yes)、処理はステップS6に移行する。一方、操作制御部21が後続車30を検出しない(S5:No)、処理はステップS13に移行する。
【0122】
ステップS6において、操作制御部21は、作業車両10が後続車30の走行を阻害するか否かを判定する。操作制御部21は、後続車30の走行速度と、後続車30及び作業車両10の間の距離とに基づいて、作業車両10が後続車30の走行を阻害するか否かを判定する。例えば、操作制御部21は、検出した後続車30の走行速度が作業車両10の走行速度に近似し、かつ作業車両10から後続車30までの距離が設定距離(例えば10m)以下である場合に、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定する。
【0123】
なお、操作制御部21は、検出した後続車30の走行速度が作業車両10の走行速度に近似し、かつ作業車両10から後続車30までの距離が設定距離以下である場合であっても、前記非阻害情報(右折、左折、追い越しを示す方向指示器の情報など)を取得した場合には、作業車両10が後続車30の走行を阻害しないと判定してもよい。作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定された場合(S6:Yes)、処理はステップS7に移行する。一方、作業車両10が後続車30の走行を阻害しないと判定された場合(S6:No)、処理はステップS13に移行する。
【0124】
ステップS7において、操作制御部21は、退避領域Rbを検出したか否かを判定する。具体的には、操作制御部21は、障害物センサ16Fの測定情報とカメラ15の撮像画像とに基づいて、退避領域Rbを探索する。また、操作制御部21は、作業車両10の車幅、及び、作業車両10に装着される作業機14の横幅の少なくともいずれかに基づいて退避領域Rbを探索する。操作制御部21が退避領域Rbを検出した場合(S7:Yes)、処理はステップS8に移行する。一方、操作制御部21が退避領域Rbを検出しない場合(S7:No)、処理はステップS71に移行する。
【0125】
ステップS8において、操作制御部21は、作業車両10を退避させる退避経路R2(
図6A参照)を生成する。例えば、操作制御部21は、退避領域Rbの横幅W1、縦幅W2、作業車両10の走行速度、作業車両10の旋回半径、作業車両10の車幅、作業機14の横幅などに基づいて退避経路R2(
図7参照)を生成する。退避経路R2は、例えば、目標経路R1の第1地点と、当該第1地点よりも進行方向側の第2地点とを結ぶ迂回経路である。
【0126】
次にステップS9において、操作制御部21は、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることが可能であるか否かを判定する。すなわち、操作制御部21は、退避領域Rbが安全であるか否かを判定する。例えば、操作制御部21は、退避領域Rb内に障害物(車両、人など)が存在しない場合に、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることが可能であると判定する。この場合、処理はステップS10に移行する。一方、操作制御部21は、退避領域Rb内に障害物が存在する場合に、作業車両10を退避領域Rb内に進入させることができないと判定する。この場合、処理はステップS71に移行する。
【0127】
ステップS10において、操作制御部21は、作業車両10を退避経路R2に従って退避領域Rb内に退避走行させる(
図6A及び
図6B参照)。ステップS10の後、処理はステップS11に移行する。
【0128】
ステップS71では、操作制御部21は、作業車両10の目標経路R1の自動走行を継続させる。この場合、操作制御部21は、作業車両10の非常停止灯を点灯又は点滅させながら自動走行を継続させてもよい。ステップS71の後、処理はステップS5に移行する。ステップS5に戻ると、例えば操作制御部21は、作業車両10に自動走行を継続させ、引き続き後続車30の走行を阻害すると判定し(S5:Yes、S6:Yes)、その後に進入可能な退避領域Rbを検出すると(S7:Yes、S9:Yes)、作業車両10を退避領域Rb内に退避走行させる(S10)。このように、操作制御部21は、後続車30を検出した場合に、進入可能な退避領域Rbを検出するまで作業車両10に自動走行を継続させる。
【0129】
なお、ステップS71の他の実施形態として、操作制御部21は、作業車両10を一時停止させてもよい。例えば、操作制御部21は、作業車両10に停止指示を出力して、道路Ra上で自動走行を一時停止させる。なお、操作制御部21は、作業車両10を一時停止させる際に非常停止灯を点灯又は点滅させてもよい。これにより、後続車30は、対向車など周囲環境を確認して作業車両10を追い越すことができる。この場合、ステップS71の後、処理はステップS11に移行してもよい。
【0130】
ステップS11において、操作制御部21は、作業車両10を目標経路R1に復帰させることが可能であるか否かを判定する。すなわち、操作制御部21は、道路Raが安全であるか否かを判定する。例えば、操作制御部21は、道路Ra内に障害物(後続車30)が存在しない場合に、作業車両10を目標経路R1に復帰させることが可能であると判定する。この場合、処理はステップS12に移行する。操作制御部21は、道路Raの安全が確認されるまで、作業車両10を退避領域Rb内で待機させる(S11:No)。
【0131】
ステップS12において、操作制御部21は、作業車両10を退避経路R2から目標経路R1に復帰させる(
図6C参照)。具体的には、操作制御部21は、作業車両10に退避経路R2から目標経路R1に復帰させる復帰指示を出力する。作業車両10は、前記復帰指示を取得すると、目標経路R1に復帰し、目標経路R1に応じた自動走行を再開する。
【0132】
次にステップS13において、車両制御装置11は、作業車両10が走行終了位置Gに到着したか否かを判定する。作業車両10が走行終了位置Gに到着した場合(S13:Yes)、処理は終了する。一方、作業車両10が走行終了位置Gに到着していない場合(S13:No)処理はステップS5に戻り、上述の処理を繰り返す。
【0133】
このように、車両制御装置11、検出処理装置12、及び操作制御部21は、作業車両10が走行開始位置Sにおいて自動走行を開始してから走行終了位置Gに到着するまで、後続車30の有無を判定し、後続車30を検出した場合に作業車両10を退避走行させる処理を実行する。以上のようにして、自動走行システム1は、前記自動走行処理を実行する。
【0134】
以上説明したように、本実施形態に係る自動走行システム1は、圃場外の道路Raにおいて目標経路R1に従って作業車両10を自動走行させ、道路Raにおいて作業車両10の後続車30を検出する。また自動走行システム1は、後続車30を検出した場合に、作業車両10が後続車30の走行を阻害するか否かを判定し、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定した場合に、作業車両10を所定の退避領域Rbに退避させる。
【0135】
上記構成によれば、例えば走行速度が低速に設定されている作業車両10が公道などの道路Raを走行する場合において、作業車両10の後続車30が検出され、かつ作業車両10が後続車30の走行を阻害するおそれがある場合に、作業車両10は退避領域Rbに退避走行する。これにより、後続車30は、道路Raの走行車線を走行して、退避領域Rbに退避した作業車両10を追い越すことができる。
【0136】
また、作業車両10は、退避領域Rbに退避する退避経路R2を生成し、生成した退避経路R2に従って自動走行を行うことができる。すなわち、作業車両10は、オペレータの手動操作によらず自動的に退避行動を行うことができる。また、作業車両10は、後続車30が存在しなくなると、退避経路R2から目標経路R1に復帰して自動走行を継続することができる。よって、圃場外の道路Raにおいて、他の車両(後続車30)の走行を阻害することなく作業車両10を自動走行させることが可能となる。
【0137】
本発明は上述の実施形態に限定されず、以下の実施形態であってもよい。
【0138】
上述の実施形態では、操作端末20の操作制御部21が、退避指示を作業車両10に出力することにより作業車両10を退避領域Rbに退避走行させている。他の実施形態として、オペレータが、操作端末20において前記退避指示の操作を行ってもよい。例えば
図12に示す操作画面D2において、オペレータは、後方画像を確認して後続車30を認識すると、退避走行指示ボタンB1を押下する。また、オペレータが作業車両10に搭乗している場合には、作業車両10内から後続車30を直接見て確認し、退避走行指示ボタンB1を押下してもよい。例えば、オペレータは、後続車30を確認して、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判断した場合に退避走行指示ボタンB1を押下する。
【0139】
操作制御部21は、オペレータによる退避走行指示ボタンB1の操作を受け付けると、作業車両10を退避させる退避経路R2(
図6A参照)を生成する。また、操作制御部21は、
図13に示す操作画面D2において、生成した退避経路R2を表示させるとともに、退避領域Rb内の安全の確認を促すメッセージM4を表示させる。オペレータは、メッセージM4を確認すると、例えば操作画面D2(
図13参照)に表示される前方画像により、退避領域Rb内の安全を確認する。また、オペレータが作業車両10に搭乗している場合には、作業車両10内から退避領域Rb内を直接見て安全を確認してもよい。オペレータが
図13に示す操作画面D2において確認ボタンB2を押下すると、操作制御部21は、オペレータによる確認ボタンB2の操作を受け付けて、作業車両10に退避指示を出力する。作業車両10は、操作制御部21から前記退避指示を取得すると退避経路R2に従って退避走行を開始する。
【0140】
また、操作制御部21は、作業車両10が退避経路R2から目標経路R1に復帰する場合に、
図14に示す操作画面D2を表示させて、道路Raの安全の確認を促すメッセージM5を表示させる。オペレータは、メッセージM5を確認すると、例えば操作画面D2(
図14参照)に表示される前方画像及び後方画像により、道路Raの安全を確認する。また、オペレータが作業車両10に搭乗している場合には、作業車両10内から道路Raを直接見て安全を確認してもよい。オペレータが
図14に示す操作画面D2において確認ボタンB3を押下すると、操作制御部21は、オペレータによる確認ボタンB3の操作を受け付けて、作業車両10に復帰指示を出力する。作業車両10は、操作制御部21から前記復帰指示を取得すると退避経路R2から目標経路R1に復帰して目標経路R1に応じた自動走行を再開する。
【0141】
このように、自動走行システム1は、オペレータの判断に基づいて、後続車30を検出したり、作業車両10が後続車30の走行を阻害するか否かを判定したりしてもよい。また、自動走行システム1は、オペレータの退避指示に基づいて、作業車両10を退避走行させ、オペレータの復帰指示に基づいて、作業車両10を復帰走行させてもよい。
【0142】
本実施形態に係る操作端末20は、作業車両10に搭載されてもよいし、作業車両10の外に配置されてもよい。また、操作端末20の各処理部は、作業車両10の車両制御装置11に含まれてもよい。例えば、作業車両10は、後続車30を検出した場合に、作業車両10が後続車30の走行を阻害するか否かを判定する判定処理部(操作端末20の判定処理部214に相当)と、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定した場合に、作業車両10を退避させる所定の退避領域Rbを探索する探索処理部(操作端末20の探索処理部215に相当)と、作業車両10が後続車30の走行を阻害すると判定した場合に、作業車両10を退避領域Rbに退避させる退避処理部(操作端末20の退避処理部216に相当)とを備えてもよい。
【0143】
すなわち、上述の実施形態では、作業車両10及び操作端末20が本発明に係る自動走行システムに相当するが、本発明に係る自動走行システムは、作業車両10単体で構成されてもよい。また、操作端末20の各処理部が、作業車両10と通信可能なサーバーに含まれてもよい。
【符号の説明】
【0144】
1 :自動走行システム
10 :作業車両
11 :車両制御装置
12 :検出処理装置
13 :走行装置
14 :作業機
15 :カメラ
16 :障害物センサ
20 :操作端末
21 :操作制御部
30 :後続車
111 :走行処理部
121 :取得処理部
122 :検出処理部
211 :設定処理部
212 :経路生成処理部
213 :出力処理部
214 :判定処理部
215 :探索処理部
216 :退避処理部
F1 :圃場(作業領域)
F2 :圃場(作業領域)
R1 :目標経路
R2 :退避経路
R21 :第1経路
R22 :第2経路
R23 :第3経路
Ra :道路
Rb :退避領域
S :走行開始位置
G :走行終了位置