(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】加湿フィルタ用カバー部材、加湿フィルタユニット、及び加湿装置
(51)【国際特許分類】
F24F 6/00 20060101AFI20250227BHJP
F24F 6/06 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
F24F6/00 C
F24F6/06
(21)【出願番号】P 2021135641
(22)【出願日】2021-08-23
【審査請求日】2024-03-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中村 芳紀
(72)【発明者】
【氏名】後藤 朱美
(72)【発明者】
【氏名】福田 吉晃
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-066477(JP,A)
【文献】特開2014-066478(JP,A)
【文献】特開2013-170803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 6/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿フィルタの少なくとも一部を覆い、
外周壁にスプロケットが形成された保持部材によって前記加湿フィルタと共に挟持されて用いられる加湿フィルタ用カバー部材であって、
前記加湿フィルタ用カバー部材は、
通気性及び吸水性を有する本体部と、
前記本体部の縁部の少なくとも一部から同一面上に伸びた形状であって、前記保持部材の内側に形成された突起部に対して前記本体部を位置決めする位置決め部と
を備え
、
前記位置決め部は、前記本体部及び前記位置決め部が前記保持部材の前記外周壁から離れた位置となるように、前記突起部に対して互いに異なる2つの方向について前記本体部を位置決めする、
加湿フィルタ用カバー部材。
【請求項2】
前記突起部は、互いに離れた位置に形成された2つのリブを含み、
前記位置決め部は、前記位置決め部の少なくとも一部が前記2つのリブの間に位置することで、前記本体部を位置決めする、
請求項1に記載の加湿フィルタ用カバー部材。
【請求項3】
前記加湿フィルタと前記加湿フィルタ用カバー部材との積層方向から見た場合、前記本体部の面積は、前記加湿フィルタの面積よりも小さい、
請求項1に記載の加湿フィルタ用カバー部材。
【請求項4】
前記位置決め部は、前記加湿フィルタと前記加湿フィルタ用カバー部材との積層方向から見て、前記本体部の中心と前記保持部材の中心とが合うように前記本体部を位置決めする、
請求項1に記載の加湿フィルタ用カバー部材。
【請求項5】
前記位置決め部は、前記突起部に係合するスリットを有する、請求項1に記載の加湿フィルタ用カバー部材。
【請求項6】
請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の加湿フィルタ用カバー部材を備える、加湿フィルタユニット。
【請求項7】
請求項1から請求項
5のいずれか1項に記載の加湿フィルタ用カバー部材を備える、加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加湿フィルタ用カバー部材、加湿フィルタユニット、及び加湿装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された気化方式の加湿装置は、吸水性及び通気性を有する円盤状の加湿フィルタを備える。円盤状の加湿フィルタは、縦姿勢に配され、周縁部の一部を水槽に浸水して吸水する。加湿装置は、加湿運転中に送風機を作動させ、装置外部の空気を吸い込み、加湿フィルタを通過させる。このとき、加湿フィルタに吸水されていた水が気化し、次いで、気化した水を含む空気が、装置内部から装置外部へ吹き出る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された加湿装置において、円盤状の加湿フィルタには、加湿フィルタより一回り小さいカバー部材が重ねて配置される。加湿フィルタ用カバー部材は、取入外気に含まれる粗い塵埃を取り除くためのフィルタである。また、加湿フィルタ用カバー部材は、水槽に浸水しない大きさであり、加湿フィルタに吸水されていた水を吸水することで、加湿フィルタが新たな水を水槽から吸水できるようにするものである。
【0005】
特許文献1において、加湿フィルタ用カバー部材は、加湿フィルタの一面に着脱可能に同心に積層され、加湿フィルタと保持枠カバーとに挟持される。従来、加湿フィルタ用カバー部材は、目測で加湿フィルタの一面に同心に積層されるため、設置位置がずれる場合があった。
【0006】
本発明は、加湿フィルタ用カバー部材を加湿フィルタに対して位置決めしやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る加湿フィルタ用カバー部材は、加湿フィルタの少なくとも一部を覆い、保持部材によって前記加湿フィルタと共に挟持されて用いられる。加湿フィルタ用カバー部材は、本体部と、位置決め部とを備える。前記本体部は、通気性及び吸水性を有する。前記位置決め部は、前記本体部の縁部の少なくとも一部から同一面上に伸びた形状であって、前記保持部材の内側に形成された突起部に対して前記本体部を位置決めする。
【0008】
本発明に係る加湿フィルタユニットは、加湿フィルタ用カバー部材を備える。
【0009】
本発明に係る加湿装置は、加湿フィルタ用カバー部材を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、加湿フィルタ用カバー部材を加湿フィルタに対して位置決めしやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係る加湿装置の構成を示す分解斜視図である。
【
図2】実施形態1に係る加湿装置の構成を示す断面図である。
【
図3】実施形態1に係る加湿装置が備える加湿フィルタユニットの構成を示す分解斜視図である。
【
図4】加湿フィルタユニットの組み立て手順を説明する図である。
【
図5】加湿フィルタユニットの組み立て手順を説明する続きの図である。
【
図7】実施形態1における加湿フィルタユニットの支持構造を示す背面図である。
【
図8】実施形態2に係る加湿フィルタユニットの構成を示す分解斜視図である。
【
図9】加湿フィルタユニットの組み立て手順を説明する図である。
【
図10】実施形態3に係る加湿フィルタユニットの構成を示す分解斜視図である。
【
図11】加湿フィルタユニットの組み立て手順を説明する図である。
【
図12】加湿フィルタユニットの組み立て手順を説明する続きの図である。
【
図13】実施形態4に係る加湿フィルタ用カバー部材の構成の一例を示す平面図である。
【
図14】実施形態4に係る加湿フィルタ用カバー部材の構成の別例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0013】
<実施形態1>
図1~
図7を参照して、実施形態1に係る加湿装置1、加湿フィルタユニット2、及び加湿フィルタ用カバー部材22について説明する。
図1は、実施形態1に係る加湿装置1の構成を示す分解斜視図である。
図2は、実施形態1に係る加湿装置1の構成を示す断面図である。
図2の紙面左側及び右側は、加湿装置1の正面側及び背面側である。
図1は、加湿装置1の背面側(即ち、
図2の紙面右側)から見た分解斜視図である。以下では、
図2の紙面垂直方向の手前側及び奥側を、加湿装置1の左側及び右側という。
【0014】
加湿装置1は、直方体状の筐体6を備える。筐体6は、前カバー61、天面カバー62、及び後カバー63等を有する。また、筐体6には、空気加湿機能と、脱臭及び集塵による空気清浄機能とを実現するための通風路3及び給水空間60が設けられている。即ち、加湿装置1は、空気加湿機能と、脱臭及び集塵による空気清浄機能とを有する。なお、加湿装置1は、少なくとも空気加湿機能を有する構成であればよい。
【0015】
通風路3と給水空間60とは、通風路3の中途に設けられている中途開口33を介して連通している。ただし、中途開口33は、水槽12が筐体6の所定位置に取り付けられた場合に、水槽12と、水槽12に備えられている図示しない仕切板とによって閉塞される。このため、加湿装置1の使用中に通風路3と給水空間60との間で空気が通流することはない。
【0016】
水槽12は、上部が開口した横方向に長いトレイである。水槽12は、水槽12の長手方向が加湿装置1の左右方向に一致するように、筐体6の所定位置に着脱可能に配される。水槽12は、第1トレイ121及び第2トレイ122を含み、第1トレイ121と第2トレイ122とは、図示しない通水孔を介して連通している。水槽12が筐体6の所定位置に配された状態では、第1トレイ121が通風路3に、第2トレイ122が給水空間60に位置する。
【0017】
第1トレイ121には、後述する加湿フィルタユニット2が装着される。第2トレイ122には、給水タンク15が装着される。給水タンク15の下側には給水栓が設けられている。給水タンク15は、第2トレイ122に装着された状態で、給水空間60に配される。給水タンク15に収容されている水は、第2トレイ122へ出て、図示しない通水孔を通って第1トレイ121へ供給される。この結果、第1トレイ121には、一定水位Lの水が貯留される。
【0018】
通風路3は、互いに連通しているフィルタ収容部301及び吹出通路302を有する。また、通風路3には、吸込口31、吹出口32、及び中途開口33が設けられている。吸込口31は、筐体6の後カバー63に開口している。吸込口31を介して、加湿装置1の外部とフィルタ収容部301とが連通している。
【0019】
後パネル10は、吸込口31を閉塞するようにして、筐体6に着脱可能に取り付けられている。後パネル10には多数の通気孔が形成されている。通気孔は、図示しないプレフィルタによって閉塞されている。プレフィルタは、吸込口31を介してフィルタ収容部301へ流入する空気に含まれている粗い塵埃を捕集する。
【0020】
吹出口32は、筐体6の天面カバー62に開口している。吹出口32を介して、吹出通路302と加湿装置1の外部とが連通している。後述する送風機13が送風することによって、矢印F1で示されるように、加湿装置1の外部の空気が吸込口31を介して通風路3へ吸い込まれる。吸い込まれた空気は、フィルタ収容部301及び吹出通路302をこの順に通流してから、矢印F2で示されるように、吹出口32を介して加湿装置1の外部へ吹き出る。なお、吹出口32に、図示しないルーバが設けられていてもよい。ルーバは、例えば、吹出口32から吹き出した空気が室内の壁等にそって上昇しやすいように吹き出し方向を変更する。
【0021】
送風機13は、フィルタ収容部301と吹出通路302との境界部分に配されている。送風機13は、例えば、シロッコファンであり、ファンモータ131とファン132とを備えている。ファンモータ131は、筐体6の内部に固定されている。ファン132は、ファンモータ131の出力軸に固定され、ファンモータ131の駆動によって回転する。
【0022】
フィルタ収容部301の吸込口31近傍、即ち後パネル10の風下側には、空気浄化部11が着脱可能に取り付けられている。吸込口31を介してフィルタ収容部301へ流入した空気は、空気浄化部11を通過する。
【0023】
空気浄化部11は、集塵フィルタ111及び脱臭フィルタ112を備えている。集塵フィルタ111は、例えば、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルタであり、集塵フィルタ111を通過する空気中に含まれる微細な塵埃及び花粉等を捕集する。脱臭フィルタ112は、例えば、活性炭を含む不織布であり、脱臭フィルタ112を通過する空気中の臭い成分を吸着する。従って、空気浄化部11を通過した空気は浄化される。空気浄化部11は、空気清浄機能を実現する。
【0024】
空気浄化部11と送風機13との間に存在するフィルタ収容部301には、水槽12の第1トレイ121、加湿フィルタユニット2、及び回転駆動機構16が位置する。水槽12が加湿装置1の外部へ引き出される際、中途開口33を介して、第1トレイ121に装着された加湿フィルタユニット2も加湿装置1の外部へ引き出される。
【0025】
図3は、実施形態1に係る加湿装置1が備える加湿フィルタユニット2の構成を示す分解斜視図である。
【0026】
加湿フィルタユニット2は、加湿フィルタ21、加湿フィルタ用カバー部材22、保持枠23、及び保持枠カバー24を有する。加湿フィルタ21と加湿フィルタ用カバー部材22とが、保持枠23と保持枠カバー24とによって挟持される。以下では、加湿フィルタ21と加湿フィルタ用カバー部材22が積層される方向を積層方向Sとする。保持枠23は、第1保持部材に相当し、保持枠カバー24は、第2保持部材に相当する。第1保持部材と第2保持部材は、保持部材を構成する。
【0027】
保持枠23は、一方端が開口した円筒形状である。保持枠23の他方端の一面には、貫通孔231、補強部232、防水部233、及び位置決め用リブ235が形成されている。また、保持枠23の外周面には、スプロケット234が形成されている。
【0028】
図示例では、保持枠23の一面は、貫通孔231及び補強部232によって、複数個(図中8個)に分割されている。貫通孔231及び補強部232のそれぞれの形状、位置、及び寸法等は、加湿フィルタユニット2の強度を維持するように、また、加湿フィルタユニット2の内外に対する水及び空気の通流を阻害しないように、適宜に設計されている。
【0029】
また、保持枠23の一面における周縁部には、防水部233が設けられている。防水部233の形状及び寸法等は、後述するように、加湿フィルタユニット2の内部への水の流入を防止するように、適宜に設定されている。
【0030】
さらに、防水部233の内側の縁部には、加湿フィルタ21側、即ち積層方向Sに突出した形状の2つの位置決め用リブ235、235が形成されている。積層方向Sにおける位置決め用リブ235、235の高さは、積層方向Sにおける加湿フィルタ21の高さと略同じである。位置決め用リブ235、235のそれぞれの先端部に、係合用リブ236、236が形成されていてもよい。積層方向Sにおける係合用リブ236、236の高さは、積層方向Sにおける加湿フィルタ21の高さよりも高い。係合用リブ236、236は、位置決め用リブ235、235の一部である。位置決め用リブ235、235及び係合用リブ236、236は、突起部に相当する。
【0031】
保持枠カバー24は、略四角形状である。保持枠カバー24は、保持枠23の開口側を閉塞するように、保持枠23に装着される。保持枠カバー24と保持枠23の取り付け構造は、任意でよい。なお、保持枠カバー24の外形形状は、
図3に示されるような略四角形状に限定されず、保持枠23の一面と同様の円形状等であってもよい。
【0032】
保持枠カバー24には、貫通孔241、補強部242、及び防水部243が形成されている。貫通孔241、補強部242、及び防水部243の位置、形状、及び寸法等は、保持枠23に形成されている貫通孔231、補強部232、及び防水部233の位置、形状、及び寸法等に対応している。
【0033】
また、防水部243の内側の縁部には、加湿フィルタ21側に突出した形状の2つの抑え用リブ244、244が形成されている。抑え用リブ244、244は、第2突起部に相当する。
【0034】
保持枠23及び保持枠カバー24の内側には、加湿フィルタ21及び加湿フィルタ用カバー部材22が収容され保持される。ただし、保持枠カバー24を保持枠23から取り外せば、加湿フィルタ21及び加湿フィルタ用カバー部材22を保持枠23から取り出すこと、及び保持枠23へ収容することが可能である。
【0035】
加湿フィルタ21及び加湿フィルタ用カバー部材22は、吸水性及び通気性を有する材料を用いて構成されている。加湿フィルタ21は、例えば、レーヨン及びPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維の不織布を用いて構成されている。加湿フィルタ用カバー部材22は、例えば、綿繊維の網状体を用いて構成されている。加湿フィルタ21及び加湿フィルタ用カバー部材22の材料は、これらに限定されない。ただし、加湿フィルタ用カバー部材22の材料は、加湿フィルタ21の材料に比べて吸水性及び速乾性が高いことが好ましい。
【0036】
加湿フィルタ21は、例えば、シート状の不織布を蛇腹状に折り重ねた、Dカット形状の円盤である。加湿フィルタ21は、Dカットの平面部211を有する。加湿フィルタ21が保持枠23の内側に収容された状態において、平面部211と位置決め用リブ235、235とが当接する。
【0037】
加湿フィルタ用カバー部材22は、本体部221と位置決め部222とを有する。本体部221は、加湿フィルタ21の一面の大きさよりも小さい形状であって、加湿フィルタ21の一面に積層される。位置決め部222は、本体部221の縁部の少なくとも一部から同一面上に伸びた形状である。また、位置決め部222には、保持枠23から突出した形状の係合用リブ236、236に係合するスリット223、223が設けられている。
【0038】
次に、
図4~
図6を参照して、加湿フィルタユニット2の組み立て手順について説明する。
図4は、加湿フィルタユニット2の組み立て手順を説明する図である。
図5は、加湿フィルタユニット2の組み立て手順を説明する続きの図である。
図6は、加湿フィルタユニット2の部分断面図である。
【0039】
まず、
図4の斜視図に示されるように、保持枠23の内側に加湿フィルタ21が収容される。この状態において、加湿フィルタ21の平面部211は、保持枠23の防水部233から突出した形状の位置決め用リブ235、235に当接する。平面部211が位置決め用リブ235、235に当接することによって、加湿フィルタ21が防水部233、243より外側に保持されると共に、加湿フィルタ21の中心O21(
図4参照)と保持枠23の中心とが位置合わせされる。
【0040】
続いて、
図5の斜視図に示されるように、加湿フィルタ21の一面に、加湿フィルタ用カバー部材22が積層される。この際、加湿フィルタ用カバー部材22の位置決め部222は、保持枠23の位置決め用リブ235、235に対して位置決めされる。実施形態1では、位置決め部222に設けられたスリット223、223が、位置決め用リブ235、235の一部である係合用リブ236、236に係合することによって、位置決めがなされる。これにより、加湿フィルタ用カバー部材22の中心O22(
図5参照)と保持枠23の中心とが位置合わせされる。結果として、加湿フィルタ用カバー部材22の中心O22(
図5参照)と加湿フィルタ21の中心O21(
図4参照)とが位置合わせされる。
【0041】
続いて、
図5に示される状態の保持枠23に対して、保持枠カバー24が取り付けられる。保持枠カバー24が保持枠23に取り付けられる際、保持枠カバー24の抑え用リブ244、244が位置決め部222に接触し、位置決め部222を加湿フィルタ21側に折り曲げる。位置決め部222に切り込み224が設けられているため、位置決め部222は容易に折り曲げ可能である。
図6に示されるように、折り曲がった状態の位置決め部222は、保持枠23の位置決め用リブ235、235と保持枠カバー24の抑え用リブ244、244とに挟まれた状態に保持される。
【0042】
図6に示されるように、位置決め部222の長さは、加湿フィルタ21の厚み以下に設定されている。そのため、位置決め部222は、折り曲がった状態になっても、水槽12に貯留されている水に浸漬することはない。
【0043】
本体部221の半径は、加湿フィルタ21の最小半径よりも短い。換言すれば、本体部221の積層方向Sの投影面積は、加湿フィルタ21の積層方向Sの投影面積よりも小さい。このため、加湿フィルタ用カバー部材22の本体部221が加湿フィルタ21の一面に同心に積層されることによって、加湿フィルタ21の一面の径方向中央部は本体部221に覆われるが、加湿フィルタ21の一面の周縁部は本体部221に覆われない。即ち、加湿フィルタ21の一面の周縁部は、加湿フィルタ21が露出している領域である。加湿フィルタ21の他面には、加湿フィルタ用カバー部材22は取り付けられない。つまり、加湿フィルタ21の他面は、全面的に加湿フィルタ21が露出している領域である。
【0044】
次に、加湿フィルタユニット2の支持構造について説明する。
図7は、実施形態1における加湿フィルタユニット2の支持構造を示す背面図である。
【0045】
第1トレイ121の内部には、2つの支持ローラ123、123が、左右方向に振り分けて配置されている。支持ローラ123、123の各回転軸は前後方向に配される。
【0046】
加湿フィルタユニット2は、支持ローラ123、123の上に着脱可能に載置される。このとき、加湿フィルタユニット2の回転軸は、支持ローラ123、123の回転軸と同方向に配される。支持ローラ123、123は、それぞれの位置で保持枠23の下部外周面を回転可能に支持する。従って、加湿フィルタユニット2は、水槽12の上方において縦姿勢で周方向に回転可能に支持される。
【0047】
加湿フィルタユニット2は、加湿フィルタ用カバー部材22が吸込口31側を向く姿勢に配される。即ち、加湿フィルタ21及び加湿フィルタ用カバー部材22の積層方向Sは、通風路3を通流する空気の通風方向と同方向である。また、加湿フィルタ用カバー部材22が、加湿フィルタ21よりも風上側に位置するように配される。加湿フィルタ用カバー部材22は、空気浄化部11を通過した空気中に含まれる塵埃等を捕集する。
【0048】
回転駆動機構16は、駆動モータ161と駆動ローラ162とを備えている。駆動モータ161は、筐体6の内部に固定されている。駆動ローラ162は、駆動モータ161の出力軸に固定され、駆動モータ161の駆動によって回転する。駆動ローラ162は、保持枠23の上部外周面を回転可能に支持する。従って、加湿フィルタユニット2は、支持ローラ123、123及び駆動ローラ162それぞれの位置、即ち周方向の異なる位置で、3点支持される。なお、図示例では、支持ローラ123、123及び駆動ローラ162はギヤローラであり、保持枠23の外周面に設けられたスプロケット234に噛み合う構造である。
【0049】
駆動ローラ162の回転が保持枠23に伝わり、加湿フィルタユニット2が自身の中心O2周りに回転する。
図7には、加湿フィルタユニット2が矢印Rの方向に回転する場合が図示されている。
【0050】
第1トレイ121には、水位Lの水が貯留されている。このため、加湿フィルタユニット2を構成する部材のうちの一部は、水槽12に貯留されている水に常に浸漬する。
図7に示されるように、保持枠23の防水部233及び保持枠カバー24の防水部243が浸水した場合、加湿フィルタユニット2の内部に水が浸入することはない。この状態を「非浸水状態」という。
【0051】
一方、
図7に示される状態の加湿フィルタユニット2が矢印Rの方向に回転した場合、保持枠23の貫通孔231及び補強部232並びに保持枠カバー24の貫通孔241及び補強部242が浸水する。この場合、貫通孔231、241を介して加湿フィルタユニット2の内部に水が浸水する。この状態を「浸水状態」という。
【0052】
加湿フィルタユニット2が浸水状態である場合、加湿フィルタ21の下部は、水槽12の水面下に位置する。そのため、加湿フィルタ21の下部は、水槽12に貯留されている水に浸漬する。一方、加湿フィルタユニット2が非浸水状態である場合、防水部233、243が加湿フィルタユニット2の内部への水の侵入を阻んでおり、かつ、加湿フィルタ21が水面上に位置している。そのため、加湿フィルタ21が、水槽12に貯留されている水に浸漬することはない。
【0053】
これに対し、加湿フィルタ用カバー部材22は、加湿フィルタユニット2が浸水状態であっても非浸水状態であっても、水槽12に貯留されている水に浸漬することはない。加湿フィルタ用カバー部材22は、常に水面上に位置しているためである。加湿フィルタユニット2の回転に伴い、浸水状態と非浸水状態とが交互に切り替わる。
【0054】
加湿フィルタユニット2が浸水状態に切り替わると、水槽12に貯留されている水は、加湿フィルタ21の周縁部に吸収され、さらに、周縁部から径方向中心部に向かって吸い上げられる。加湿フィルタユニット2は連続的に回転するため、加湿フィルタ21の周縁部は周方向に連続的に浸水及び吸水し、吸水された水は加湿フィルタユニット2が回転移動することによって持ち上げられる。加湿フィルタユニット2が非浸水状態に切り替わると、加湿フィルタユニット2が回転しても、加湿フィルタ21の浸水及び吸水が生じることはない。しかしながら、加湿フィルタユニット2が1回転する間に、加湿フィルタユニット2が浸水状態にある期間は、加湿フィルタユニット2が非浸水状態にある期間よりも十分に長い。このため、加湿フィルタユニット2が継続して回転すれば、加湿フィルタ21全体に効率よく水が行き渡る。
【0055】
加湿フィルタ21の径方向中心部が給水すると、加湿フィルタ用カバー部材22が、加湿フィルタ21に密着している部分を介して、加湿フィルタ21から吸水する。加湿フィルタ用カバー部材22によって吸水された加湿フィルタ21は、その分、新たに水槽12から吸水する。以上のように、加湿フィルタ21は、水槽12から直接的に吸水するが、加湿フィルタ用カバー部材22は、水槽12から加湿フィルタ21を介して間接的に吸水する。
【0056】
加湿フィルタユニット2が回転しているとき、加湿フィルタユニット2を通過した空気は十分に吸湿する。一方、加湿フィルタユニット2が回転しておらず、かつ、加湿フィルタユニット2が非浸水状態にあるとき、加湿フィルタユニット2を通過した空気はほとんど吸湿しない。従って、空気清浄と空気加湿とを共に行う場合、回転駆動機構16が作動して加湿フィルタユニット2を回転させる。空気清浄のみを行い空気加湿を行わない場合、回転駆動機構16は作動せず、加湿フィルタユニット2は非浸水状態にある位置で停止する。
【0057】
空気清浄と空気加湿とを共に行う場合、送風機13が作動すると共に回転駆動機構16が作動する。筐体6の外部から吸込口31を介してフィルタ収容部301へ空気が吸い込まれる。吸い込まれた空気は、フィルタ収容部301を前方向へ通流する。このとき、吸い込まれた空気は、空気浄化部11及び加湿フィルタユニット2をこの順に通過することによって浄化及び加湿されて、浄化加湿空気となる。浄化加湿空気は、フィルタ収容部301から吹出通路302へ通流する。吹出通路302において、浄化加湿空気は、後上方向へ通流し、最後に吹出口32を介して筐体6の外部へ吹き出る。
【0058】
空気清浄のみを行い空気加湿を行わない場合、送風機13は作動するが回転駆動機構16は作動しない。また、加湿フィルタユニット2は、非浸水状態にある位置で停止したままとなる。そのため、吸込口31を介してフィルタ収容部301へ吸い込まれた空気は、空気浄化部11を通過することによって浄化されるが、加湿フィルタユニット2によって加湿されることがない。
【0059】
加湿フィルタ用カバー部材22が加湿フィルタ21と保持枠カバー24とに挟まれているだけでは、加湿フィルタユニット2が縦姿勢に配された場合、及び加湿フィルタユニット2が回転した場合に、加湿フィルタ用カバー部材22の位置がずれる可能性がある。加湿フィルタ用カバー部材22の中心O22が加湿フィルタ21の中心O21からずれると、加湿フィルタ用カバー部材22が水槽12に貯留されている水に浸水して吸水してしまい、加湿フィルタ21の水を吸水しにくくなってしまう。これに対し、実施形態1では、折れ曲がった状態の位置決め部222が、位置決め用リブ235、235と抑え用リブ244、244とに挟持されている。また、スリット223、223と係合用リブ236、236とが係合している。そのため、加湿フィルタユニット2が縦姿勢に配された場合、及び加湿フィルタユニット2が回転した場合でも、加湿フィルタ用カバー部材22の加湿フィルタ21からの位置ずれが防止される。
【0060】
以上、
図1~
図7を参照して説明したように、実施形態1に係る加湿フィルタ用カバー部材22は、加湿フィルタ21の少なくとも一部を覆い、保持部材である保持枠23及び保持枠カバー24によって加湿フィルタ21と共に挟持されて用いられる。加湿フィルタ用カバー部材22は、本体部221と、位置決め部222とを備える。本体部221は、通気性及び吸水性を有する。位置決め部222は、本体部221の縁部の少なくとも一部から同一面上に伸びた形状であって、保持部材の内側に形成された位置決め用リブ235、235に対して本体部221を位置決めする。この構成により、加湿フィルタ21と加湿フィルタ用カバー部材22とが位置決め用リブ235、235に対して位置決めされることが可能となり、結果として加湿フィルタ21と加湿フィルタ用カバー部材22とが位置決めされる。従って、加湿フィルタ用カバー部材22を加湿フィルタ21に対して位置決めしやすくすることができる。
【0061】
なお、図示例では、位置決め用リブ235、235の一部を係合用リブ236、236とし、係合用リブ236、236と加湿フィルタ用カバー部材22のスリット223、223とを係合させたが、これに限定されない。例えば、積層方向Sにおいて、位置決め部222のうち、位置決め用リブ235、235と重なる部分にスリット223、223を設け、スリット223、223と位置決め用リブ235、235とを係合させてもよい。位置決め用リブ235、235又は係合用リブ236、236と、スリット223、223とを係合させることにより、加湿フィルタ用カバー部材22を加湿フィルタ21に対して位置決めしやすくすることができる。加えて、加湿フィルタ用カバー部材22の加湿フィルタ21からの位置ずれを防止できる。
【0062】
<実施形態2>
実施形態2に係る加湿装置1の構成は、実施形態1に係る加湿装置1の構成と同様であるため、以下では
図1~
図7を援用する。
図8は、実施形態2に係る加湿フィルタユニット2の構成を示す分解斜視図である。
図8において
図1~
図7と同一又は相当部分については同一の参照符号を付す。
【0063】
図8に示されるように、実施形態2に係る加湿フィルタユニット2は、加湿フィルタ21、加湿フィルタ用カバー部材22、保持枠23、及び保持枠カバー24を有する。
【0064】
加湿フィルタ用カバー部材22は、本体部221、位置決め部222、及びスリット223、223を備える。なお、実施形態1における位置決め部222及びスリット223、223と、実施形態2における位置決め部222及びスリット223、223とでは形状は異なるが、機能は同じである。
【0065】
また、実施形態1では保持枠カバー24に2つの抑え用リブ244、244が形成されていたが、実施形態2では保持枠カバー24に1つの抑え用リブ244が形成されている。抑え用リブ244の個数及び大きさ等は、位置決め部222の個数及び大きさ等に対応している。
【0066】
図9は、加湿フィルタユニット2の組み立て手順を説明する図である。
図9の斜視図に示されるように、保持枠23の内側に加湿フィルタ21が収容される。続いて、位置決め部222が加湿フィルタ21の周縁部からはみ出すように、加湿フィルタ用カバー部材22が加湿フィルタ21に積層される。スリット223、223は、保持枠23の位置決め用リブ235、235に係合可能である。
【0067】
続いて、
図9に示される状態の保持枠23に対して、保持枠カバー24が取り付けられる。保持枠カバー24が保持枠23に取り付けられる際、保持枠カバー24の抑え用リブ244が位置決め部222に接触し、位置決め部222を保持枠23側に折り曲げる。折り曲がった状態の位置決め部222は、保持枠23の位置決め用リブ235、235と保持枠カバー24の抑え用リブ244とに挟まれた状態に保持される。
【0068】
なお、図示は省略するが、位置決め用リブ235、235の先端部に、スリット223、223に係合するための係合用リブ236、236(
図5等参照)が形成されていてもよい。係合用リブ236、236が形成されている場合、係合用リブ236、236とスリット223、223とが係合することによって、より一層の位置ずれ防止が可能となる。
【0069】
<実施形態3>
実施形態3に係る加湿装置1の構成は、実施形態1に係る加湿装置1の構成と同様であるため、以下では
図1~
図7を援用する。
図10は、実施形態3に係る加湿フィルタユニット2の構成を示す分解斜視図である。
図10において
図1~
図7と同一又は相当部分については同一の符号を付す。
【0070】
図10に示されるように、実施形態3に係る加湿フィルタユニット2は、加湿フィルタ21、加湿フィルタ用カバー部材22、保持枠23、及び保持枠カバー24を有する。
【0071】
加湿フィルタ用カバー部材22は、本体部221、及び位置決め部222を備える。
【0072】
実施形態1では位置決め用リブ235、235が保持枠23に形成されていた。これに対し、実施形態3では、1つの位置決め用リブ235aが、保持枠カバー24に形成されている。位置決め用リブ235aは、防水部243の内側の縁部から加湿フィルタ21側に突出した形状である。
【0073】
また、実施形態1ではスプロケット234が保持枠23の外周面に形成されていた。これに対し、実施形態3では、保持枠カバー24の外周面にスプロケット234aが形成されている。
【0074】
また、実施形態1では、保持枠カバー24に抑え用リブ244、244が形成されていた。これに対し、実施形態3では、保持枠カバー24に抑え用リブ244、244は形成されていない。
【0075】
図11は、加湿フィルタユニット2の組み立て手順を説明する図である。
図12は、加湿フィルタユニット2の組み立て手順を説明する続きの図である。
【0076】
図11の平面図に示されるように、保持枠カバー24の内側に加湿フィルタ用カバー部材22が収容される。この状態において、加湿フィルタ用カバー部材22の位置決め部222が保持枠カバー24の位置決め用リブ235aに当接する。位置決め部222が位置決め用リブ235aに当接することによって、加湿フィルタ用カバー部材22が保持枠カバー24に対して位置決めされる。具体的には、加湿フィルタ用カバー部材22の中心と、保持枠カバー24の中心とが位置合わせされる。
【0077】
続いて、
図11に示される状態の保持枠カバー24の内側に、加湿フィルタ21が収容される。
図12の平面図に示されるように、保持枠カバー24の内側に、加湿フィルタ用カバー部材22、加湿フィルタ21の順に積層された状態になる。この状態において、加湿フィルタ21の平面部211が保持枠カバー24の位置決め用リブ235aに当接する。平面部211が位置決め用リブ235aに当接することによって、加湿フィルタ21が防水部233、243より外側に保持されると共に、加湿フィルタ21の中心と保持枠カバー24の中心とが位置合わせされる。保持枠カバー24の中心に対して、加湿フィルタ用カバー部材22の中心と加湿フィルタ21の中心とが位置合わせされることにより、結果として、加湿フィルタ用カバー部材22の中心と加湿フィルタ21の中心も位置合わせされる。
【0078】
続いて、
図12に示される状態の保持枠カバー24に対して、保持枠23が取り付けられる。保持枠カバー24の位置決め用リブ235aに加湿フィルタ用カバー部材22の位置決め部222が当接しているため、加湿フィルタユニット2が縦姿勢に配された場合、加湿フィルタ用カバー部材22の加湿フィルタ21からの位置ずれが防止される。
【0079】
<実施形態4>
実施形態4に係る加湿装置1の構成は、実施形態1に係る加湿装置1の構成と同様であるため、以下では
図1~
図7を援用する。
図13は、実施形態4に係る加湿フィルタ用カバー部材22bの構成の一例を示す平面図である。
【0080】
例えば、実施形態2における加湿フィルタ21と、実施形態3における加湿フィルタ21とは、直径が異なる。より具体的には、実施形態2における加湿フィルタ21の直径は、実施形態3における加湿フィルタ21の直径より大きい。この場合、実施形態2における加湿フィルタ21に用いる加湿フィルタ用カバー部材22の直径も、実施形態3における加湿フィルタ21に用いる加湿フィルタ用カバー部材22の直径より大きい必要がある。そのため、大きさ及び形状の異なる2種類の加湿フィルタ用カバー部材22が存在することになる。加湿フィルタ用カバー部材22が2種類になることにより、在庫が増え、管理コストが上昇する。また、ユーザが加湿フィルタ用カバー部材22を買い間違える可能性がある。
【0081】
そこで、実施形態4では、1枚の加湿フィルタ用カバー部材22bを、2種類の加湿フィルタ用カバー部材22-1、22-2に変形可能な構成にする。ここで、実施形態2における加湿フィルタ用カバー部材22に相当する加湿フィルタ用カバー部材を「第1加湿フィルタ用カバー部材22-1」とし、実施形態3における加湿フィルタ用カバー部材22に相当する加湿フィルタ用カバー部材を「第2加湿フィルタ用カバー部材22-2」とする。
【0082】
加湿フィルタ用カバー部材22bの外形は、より直径が大きい第1加湿フィルタ用カバー部材22-1の外形と同じである。第1加湿フィルタ用カバー部材22-1は、第1本体部221-1、及び第1位置決め部222-1を有する。
【0083】
第1本体部221-1には、第1本体部221-1より少なくとも一部が小さい形状の第2本体部221-2と、第2本体部221-2の縁部から同一面上に伸びた形状の第2位置決め部222-2とが含まれる。第2本体部221-2と第2位置決め部222-2とは、第2加湿フィルタ用カバー部材22-2を構成する。なお、第1加湿フィルタ用カバー部材22-1と第2加湿フィルタ用カバー部材22-2は大きさが異なるため、第1加湿フィルタ用カバー部材22-1の中心22-1Oと第2加湿フィルタ用カバー部材22-2の中心22-2Oの位置も異なる。
【0084】
また、第1本体部221-1には、第2加湿フィルタ用カバー部材22-2の輪郭に沿った切り取り線225が形成されている。切り取り線225に沿って第1本体部221-1の周縁部が切り離されることにより、加湿フィルタ用カバー部材22bは、第1加湿フィルタ用カバー部材22-1から第2加湿フィルタ用カバー部材22-2へ変化する。
【0085】
従って、1枚の加湿フィルタ用カバー部材22bを、実施形態2における加湿フィルタユニット2の加湿フィルタ用カバー部材22(即ち、第1加湿フィルタ用カバー部材22-1)として用いることもできるし、実施形態3における加湿フィルタユニット2の加湿フィルタ用カバー部材22(即ち、第2加湿フィルタ用カバー部材22-2)として用いることもできる。2種類の加湿フィルタ用カバー部材22を1枚にすることができるため、在庫が増えず、管理コストが上昇しない。また、ユーザの加湿フィルタ用カバー部材22の買い間違いを防止できる。
【0086】
なお、第1加湿フィルタ用カバー部材22-1の形状及び第2加湿フィルタ用カバー部材22-2の形状は、
図13に例示される形状に限定されない。
【0087】
図14は、実施形態4に係る加湿フィルタ用カバー部材22cの構成の別例を示す平面図である。
【0088】
例えば、実施形態1における加湿フィルタ21と、実施形態2における加湿フィルタ21とは、直径が同じである一方、位置決め部222の形状が異なる。そのため、形状の異なる2種類の加湿フィルタ用カバー部材22が存在することになる。加湿フィルタ用カバー部材22が2種類になることにより、在庫が増え、管理コストが上昇する。また、ユーザが加湿フィルタ用カバー部材22を買い間違える可能性がある。
【0089】
そこで、
図14に示されるように、1枚の加湿フィルタ用カバー部材22cを、2種類の加湿フィルタ用カバー部材22-3、22-4に変形可能な構成にする。ここで、実施形態1における加湿フィルタ用カバー部材22に相当する加湿フィルタ用カバー部材を「第1加湿フィルタ用カバー部材22-3」とし、実施形態2における加湿フィルタ用カバー部材22に相当する加湿フィルタ用カバー部材を「第2加湿フィルタ用カバー部材22-4」とする。
【0090】
加湿フィルタ用カバー部材22cは、本体部221と、本体部221の縁部から同一面上に伸びた形状であって互いに異なる形状の位置決め部222-3、222-4が設けられている。本体部221の縁部と位置決め部222-3との境界部分には、切り取り線225が形成されている。同様に、本体部221の縁部と位置決め部222-4との境界部分にも、切り取り線225が形成されている。
【0091】
本体部221と位置決め部222-3とは、第1加湿フィルタ用カバー部材22-3を構成する。本体部221と位置決め部222-4とは、第2加湿フィルタ用カバー部材22-4を構成する。即ち、本体部221は、第1加湿フィルタ用カバー部材22-3と第2加湿フィルタ用カバー部材22-4とで共有される。
【0092】
本体部221の縁部と位置決め部222-3との境界部分の切り取り線225に沿って位置決め部222-3が切り離されることにより、加湿フィルタ用カバー部材22cは、第2加湿フィルタ用カバー部材22-4になる。反対に、本体部221の縁部と位置決め部222-4との境界部分の切り取り線225に沿って位置決め部222-4が切り離されることにより、加湿フィルタ用カバー部材22cは、第1加湿フィルタ用カバー部材22-3になる。
【0093】
従って、1枚の加湿フィルタ用カバー部材22cを、実施形態1における加湿フィルタユニット2の加湿フィルタ用カバー部材22(即ち、第1加湿フィルタ用カバー部材22-3)として用いることもできるし、実施形態2における加湿フィルタユニット2の加湿フィルタ用カバー部材22(即ち、第2加湿フィルタ用カバー部材22-4)として用いることもできる。2種類の加湿フィルタ用カバー部材22を1枚にすることができるため、在庫が増えず、管理コストが上昇しない。また、ユーザの加湿フィルタ用カバー部材22の買い間違いを防止できる。
【0094】
なお、
図14では、1つの本体部221に対して2つの位置決め部222-3、222-4が設けられたが、3つ以上の位置決め部が設けられていてもよい。また、複数の位置決め部は、本体部221の縁部においてどの位置に設けられていてもよい。
【0095】
また、第1加湿フィルタ用カバー部材22-3の位置決め部222-3の形状及び第2加湿フィルタ用カバー部材22-4の位置決め部222-4の形状は、
図14に例示される形状に限定されない。
【0096】
また、実施形態1~4では、円盤形状の加湿フィルタユニット2を例示したが、加湿フィルタユニット2の形状は円盤形状に限定されない。
また、実施形態1~4では、加湿フィルタ21を位置決めする位置決め用リブ235等を、加湿フィルタ用カバー部材22を位置決めするための突起部として利用したが、他の用途のために形成されたリブ等を突起部として利用してもよい。
【0097】
また、実施形態1~4において、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示している。従って、図示された各構成要素の厚み、長さ等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合がある。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、家庭用、業務用を問わず、加湿フィルタ用カバー部材を用いる加湿装置及び加湿空気清浄機等に適用できる。
【符号の説明】
【0099】
1 加湿装置
2 加湿フィルタユニット
3 通風路
6 筐体
10 後パネル
11 空気浄化部
12 水槽
13 送風機
15 給水タンク
16 回転駆動機構
21 加湿フィルタ
22、22b 加湿フィルタ用カバー部材
22-1、22-3 第1加湿フィルタ用カバー部材
22-2、22-4 第2加湿フィルタ用カバー部材
23 保持枠(第1保持部材)
24 保持枠カバー(第2保持部材)
31 吸込口
32 吹出口
33 中途開口
60 給水空間
61 前カバー
62 天面カバー
63 後カバー
111 集塵フィルタ
112 脱臭フィルタ
121 第1トレイ
122 第2トレイ
123 支持ローラ
131 ファンモータ
132 ファン
161 駆動モータ
162 駆動ローラ
221 本体部
221-1 第1本体部
221-2 第2本体部
222、222-3、222-4 位置決め部
222-1 第1位置決め部
222-2 第2位置決め部
223 スリット
224 切り込み
225 切り取り線
231、241 貫通孔
232、242 補強部
233、243 防水部
234、234a スプロケット
235、235a 位置決め用リブ(突起部)
236 係合用リブ(突起部)
244 抑え用リブ(第2突起部)
301 フィルタ収容部
302 吹出通路