(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】流体制御デバイス及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/15 20060101AFI20250227BHJP
C12M 1/26 20060101ALI20250227BHJP
A61B 5/154 20060101ALI20250227BHJP
A61B 5/153 20060101ALI20250227BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
A61B5/15 200
C12M1/26
A61B5/154 100
A61B5/153 100
G01N33/48 S
(21)【出願番号】P 2021552145
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(86)【国際出願番号】 US2020022125
(87)【国際公開番号】W WO2020185914
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-03-03
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514113555
【氏名又は名称】マグノリア メディカル テクノロジーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バリントン,グレゴリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ミアガ,ジェイ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ラムゼイ,ティモシー エフ.
(72)【発明者】
【氏名】パターソン,アビゲイル
【審査官】村田 泰利
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-519145(JP,A)
【文献】特表2016-504075(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0353117(US,A1)
【文献】特表2018-525191(JP,A)
【文献】特表2016-523591(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/06-5/22
C12M 1/00-3/10
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染が少ない体液のサンプルを採取する装置であって、
隔離チャンバの少なくとも一部を形成するハウジングであって、体液源と流体的に接続されるように構成された入口と、流体収集デバイスと流体的に接続されるように構成された出口とを有し、前記流体収集デバイスが、前記出口と流体的に接続されると前記ハウジングの少なくとも一部内に吸引力をかける、ハウジングと、
前記ハウジングに結合されたアクチュエータであって、前記入口が前記隔離チャンバと流体的に接続している第1形態と、前記入口が前記出口と流体的に接続しているとともに、前記隔離チャンバから流体的に分離されている第2形態とを有するアクチュエータと、
前記ハウジング内に配置され、前記隔離チャンバの部分を画定する流量コントローラであって、前記隔離チャンバの前記部分が第1容積を有する第1状態と、前記隔離チャンバの前記部分が前記第1容積よりも大きい第2容積を有する第2状態とを有する流量コントローラと、
を備え、
前記アクチュエータは、前記第1形態にあるとき、前記入口と前記流量コントローラの第1側部とが第1流路を通じて流体的に接続された状態とし、前記出口と前記流量コントローラの第2側部とが第2流路を通じて流体的に接続された状態とし、前記流量コントローラは、前記第1状態から前記第2状態に前記吸引力に応じて移行して、前記隔離チャンバの前記部分内に初期体積の前記体液を引き込み、
前記アクチュエータは、前記隔離チャンバ内に前記初期体積の体液が引き込まれた後に前記第2形態に移行し、(1)前記入口から前記隔離チャンバを隔離し、(2)前記第1流路の一部を前記第2流路の一部と流体的に接続して、後続体積の前記体液が前記入口から前記出口まで前記吸引力に応じて流れることを可能にするように構成されている、装置。
【請求項2】
前記ハウジングが第1ポート及び第2ポートを含み、
前記第1形態にある前記アクチュエータは、前記第1ポートを、前記入口を前記隔離チャンバの第1の前記部分と流体的に接続された状態に置き、前記第2ポートを、前記出口を前記隔離チャンバの第2の前記部分と流体的に接続された状態に置く、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記流量コントローラが複数の変形可能部分を含み、前記複数の前記変形可能部分の各変形可能部分の変形は、前記吸引力に応じたものであり、前記流量コントローラを前記第1状態から前記第2状態に移行させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第2状態にあるときの前記隔離チャンバの前記部分の断面積が、前記隔離チャンバの前記部分内に引き込まれるある体積の空気と前記初期体積の前記体液とが混合することを制限する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記隔離チャンバの前記部分が、前記流量コントローラの第1変形可能部分によって少なくとも部分的に画定された前記隔離チャンバの第1部分であり、前記流量コントローラの第2変形可能部分によって少なくとも部分的に画定された前記隔離チャンバの第2部分は、前記隔離チャンバの前記第1部分が前記初期体積の前記体液を受け取る前にある体積の空気を受け取るように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1変形可能部分及び前記第2変形可能部分が、前記吸引力に応じて変形するように構成され、前記第1変形可能部分が、前記体液が前記隔離チャンバの前記第1部分内に流れ込む前に変形し、前記第2変形可能部分の少なくとも一部が、前記第1変形可能部分が変形した後に変形する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1状態にある前記流量コントローラは、前記流量コントローラの第1側部が、前記隔離チャンバの第1面の少なくとも一部と接触し、前記第2状態にある前記流量コントローラは、前記流量コントローラの第2側部が、前記隔離チャンバの第2面の少なくとも一部と接触し、前記第2面は前記第1面とは反対側にある、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第1状態にある前記流量コントローラは、前記隔離チャンバの前記第1面が、前記隔離チャンバの前記第1面と前記流量コントローラの前記第1側部との間に空気流が通過可能にするように構成された少なくとも1つのチャネルを形成する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第2状態にある前記流量コントローラは、前記隔離チャンバの前記第2面が、前記隔離チャンバの前記第2面と前記流量コントローラの前記第2側部との間に空気流が通過可能にするように構成された少なくとも1つの隆起部を形成する、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記流量コントローラは流体不透過性ブラダーであり、前記隔離チャンバの前記部分は、前記隔離チャンバの前記第1面と前記流体不透過性ブラダーの前記第1側部との間に画定された前記隔離チャンバの第1部分であり、前記隔離チャンバの前記第2面と前記流体不透過性ブラダーの前記第2側部との間に画定されている前記隔離チャンバの第2部分である、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記隔離チャンバの前記第2部分の容積は、前記流体不透過性ブラダーが前記第1状態にあるときは前記第2容積とおよそ等しく、前記流体不透過性ブラダーが前記第2状態にあるときは前記第1容積とおよそ等しい、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
汚染が少ない体液のサンプルを採取する装置であって、
隔離チャンバの少なくとも一部を形成するハウジングであって、体液源と流体的に接続されるように構成された入口と、流体収集デバイスと流体的に接続されるように構成された出口とを有し、前記流体収集デバイスが、前記出口と流体的に接続されると前記ハウジングの少なくとも一部内に吸引力をかける、ハウジングと、
前記ハウジングに結合されたアクチュエータであって、前記入口と前記隔離チャンバとが第1流路を通じて流体的に接続している第1形態と、前記入口と前記出口とが第2流路を通じて流体的に接続しているとともに、前記隔離チャンバから流体的に分離されている第2形態とを有するアクチュエータと、
前記ハウジング内に配置され、前記隔離チャンバの部分を画定する流量コントローラであって、前記流量コントローラの第1側部が前記隔離チャンバの第1面の少なくとも一部と接触する第1状態と、前記流量コントローラの第2側部が前記隔離チャンバの第2面の少なくとも一部と接触する第2状態とを有し、前記第2面が前記第1面とは反対側にある、流量コントローラと、
を備え、
前記流量コントローラは、前記流量コントローラの前記第2側部に前記吸引力がかけられた結果として、前記第1状態から前記第2状態に移行し、前記第1面と前記流量コントローラの前記第1側部との間に画定された前記隔離チャンバの一部分内に初期体積の前記体液を引き込み、
前記アクチュエータが、前記隔離チャンバの前記部分内に前記初期体積の前記体液が引き込まれた後に前記第2形態に移行し、(1)前記入口から前記隔離チャンバを隔離し、(2)前記第1流路の一部を前記第2流路の一部と流体的に接続して、前記吸引力に応じて後続体積の体液が前記入口から前記出口まで流れることを可能にするように構成されている、装置。
【請求項13】
前記流量コントローラが流体不透過性ブラダーである、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記流量コントローラが流体不透過性ダイアフラムである、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記隔離チャンバの前記部分が、前記流量コントローラの第1変形可能部分によって少なくとも部分的に画定された前記隔離チャンバの第1部分であり、前記流量コントローラの第2変形可能部分によって少なくとも部分的に画定された前記隔離チャンバの第2部分が、前記隔離チャンバの前記第1部分が前記初期体積の体液を受け取る前にある体積の空気を受け取るように構成されている、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記隔離チャンバの前記第1面が、前記流量コントローラが第1状態にあるとき、前記隔離チャンバの前記第1面と前記流量コントローラの前記第1側部との間の空気流を可能にするように構成された少なくとも1つの不連続部を形成し、
前記隔離チャンバの前記第2面が、前記流量コントローラが第2状態にあるとき、前記隔離チャンバの前記第2面と前記流量コントローラの前記第2側部との間の空気流を可能にするように構成された少なくとも1つの不連続部を形成する、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記隔離チャンバの前記部分は、前記隔離チャンバの前記第1面と前記流量コントローラの前記第1側部との間に画定された第1部分であり、前記隔離チャンバの第2部分は、前記隔離チャンバの第2面と前記流量コントローラの前記第2側部の間に画定され、
前記ハウジングと前記第1形態にある前記アクチュエータは、(i)前記隔離チャンバの前記第1部分と前記入口との間に前記第1流路を画定し、(ii)前記隔離チャンバの前記第2部分と前記出口との間に第2流路を画定し、
前記ハウジングと前記第2形態にあるアクチュエータが、前記入口と前記出口との間の第3流路を画定する、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記第2形態にある前記アクチュエータが、前記隔離チャンバの前記第1部分を前記入口から流体的に隔離し、前記隔離チャンバの前記第2部分を前記出口から流体的に隔離する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第2流路の一部内に配置された流量絞りであって、前記流量コントローラの前記第2側部にかけられる前記吸引力の大きさを低減させるように構成された流量絞り、をさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
ハウジング、アクチュエータ及び流量コントローラを有する流体制御デバイスを使用して、汚染が少ない体液のサンプルを獲得する方法であって、
体液源と前記ハウジングの入口とを流体的に接続することと、
前記ハウジングの出口に流体収集デバイスを接続することであって、前記流体収集デバイスが、前記出口に結合されると前記ハウジングの少なくとも一部内に吸引力をかける、接続することと、
前記吸引力に応じて前記流量コントローラを第1状態から第2状態に移行させ、前記流量コントローラと前記ハウジングの前記一部とによって画定された隔離チャンバの容積を増大させることと、
前記容積の増大に応じて、前記隔離チャンバの第1部分内に、前記入口と前記隔離チャンバとの間に画定された第1流路内に収容されたある体積の空気を受け取ることと、
前記容積の増大に応じて、前記隔離チャンバの第2部分内に、初期体積の前記体液を受け取ることと、
前記隔離チャンバの前記第2部分内に前記初期体積の前記体液を受け取った後、前記アクチュエータを、前記入口と前記隔離チャンバとが前記第1流路を通じて流体的に接続された第1形態から前記入口と前記出口とが第2流路を通じて流体的に接続された第2形態に移行させて、(1)前記隔離チャンバを隔離し、(2)前記第1流路の一部を前記第2流路の一部と流体的に接続して、前記吸引力に応じて、後続体積の前記体液が前記入口から前記出口まで流れることを可能にすることと、
を含む、方法。
【請求項21】
前記流量コントローラが、複数の変形可能部分を含むブラダーであり、前記複数の変形可能部分の各変形可能部分は、前記吸引力に応じて変形して、前記ブラダーを前記第1状態から前記第2状態に移行させるように構成される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記隔離チャンバの前記第1部分が、前記複数の変形可能部分の第1変形可能部分によって少なくとも部分的に画定され、前記隔離チャンバの前記第2部分が、前記複数の変形可能部分の第2変形可能部分によって少なくとも部分的に画定される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の変形可能部分の前記第2変形可能部分が、前記複数の変形可能部分の前記第1変形可能部分が完全に変形する前に完全に変形する、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記隔離チャンバの前記第1部分及び前記第2部分が、前記流量コントローラの第1側部にあり、前記隔離チャンバが、前記流量コントローラの前記第1側部とは反対側の第2側部に配置された第3部分を有する、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記第1形態にある前記アクチュエータが、(1)前記入口並びに前記隔離チャンバの前記第1部分及び第2部分と、(2)前記出口及び前記隔離チャンバの前記第3部分との間を流体的に接続する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記隔離チャンバの前記第1部分及び前記第2部分が、前記隔離チャンバの第1面と前記流量コントローラの第1側部との間に画定され、前記隔離チャンバが、前記隔離チャンバの第2面と前記流量コントローラの第2側部との間に画定された第3部分を有し、前記第2面が前記第1面とは反対側にあり、前記第2側部が前記第1側部とは反対側にある、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記流体制御デバイスが、前記アクチュエータが前記第1形態にあるとき、前記隔離チャンバの前記第3部分と前記出口との間に画定された第3流路内に配置された流量絞りを含み、前記方法は、
前記アクチュエータが前記第1形態にあるとき、前記流量コントローラの前記第2側部にかけられた前記吸引力を調整すること、をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記隔離チャンバの前記第1面が、前記流量コントローラが前記第1状態にあるとき、前記隔離チャンバの前記第1面と前記流量コントローラの前記第1側部との間に空気流が通過可能にするように構成された少なくとも1つの不連続部を形成する、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記隔離チャンバの前記第2面が、前記流量コントローラが前記第2状態にあるとき、前記隔離チャンバの前記第2面と前記流量コントローラの前記第2側部との間に空気流が通過可能にするように構成された少なくとも1つの不連続部を形成する、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記吸引力は、前記流体収集デバイスによって前記第2流路を通じて加えられる、請求項1に記載の
装置。
【請求項31】
前記吸引力は、前記流体収集デバイスによって前記第2流路を通じて加えられる、請求項12に記載の
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2019年3月11日に出願された「Fluid Control Devices and Methods of Using the Same」と題する米国仮特許出願第62/816,477号の優先権及び利益を主張し、その出願の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
[0002] 本明細書に記載する実施形態は、概して、体液のサンプルの獲得(procurement)に関し、より詳細には、皮膚常在微生物及び/又は体液源の外部の他の汚染物質等の汚染物質が低減した体液のサンプルを獲得する、流体分流、隔離(sequestration)及び/又は分離(isolation)デバイス及び方法に関する。
【0003】
[0003] 医療従事者は、非経口的に取得した体液を使用して、患者に対してさまざまなタイプの微生物検査及び他の広範な診断検査を日常的に実施している。高度な診断技術が進化して改善するにつれて、臨床医に提供することができる情報の速さ、正確さ(感度及び特異性の両方)及び価値が向上し続けている。収集中及び/又は収集後に体液のサンプルの完全性を維持することにより、分析診断結果が患者の生体内(in vivo)状況を表すことが確実になる。高品質な、汚染されていない、及び/又は異物混入していない体液のサンプルに依存する診断技術の例としては、限定されないが、微生物検出、分子診断、遺伝子配列決定(たとえば、デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸(RNA)、次世代シーケンシング(NGS)等)、バイオマーカ同定等が挙げられる。
【0004】
[0004] 意図されたサンプル源の外部の細胞及び/又は他の外部汚染物質を含む生体物質が、分析されている体液のサンプル内に誤って含まれる場合、そのような生体物質が存在することにより、こうした検査から不正確な結果がもたらされる可能性がある。要するに、検体獲得プロセス中に体液のサンプルの純度が損なわれるとき、その結果得られる分析検査結果は、不正確な、歪んだ、異物混入した、偽陽性の、偽陰性の、及び/又は患者の実際の状態を表すものではない場合がある。さらに、これらの結果により、不完全な、不正確な、混乱した、不確かな、信頼性の低い、及び/又は他の態様で望ましくない臨床的意思決定に至る可能性がある。
【0005】
[0005] いくつかの例では、検査用の体液のサンプルの汚染、異物混入等の可能性を低減させるために、デバイス及び/又はシステムを使用することができる。たとえば、いくつかの既知のデバイスは、皮膚常在微生物等の汚染物質を含有する可能性が比較的高い初期体積の体液を収集し、分流させ、切り離し、及び/又は隔離する(たとえば、分離する)ように構成することができる。しかしながら、いくつかのこうしたデバイスは、対象の患者集団等には、扱いにくく、分かりにくく、使いにくいと認識され、不適切であり、又は使用不可能である場合がある。さらに、いくつかのこうしたデバイスは、訓練、使用者の観察、2人以上の使用者による介入を必要とする場合があり、及び/又は、他の態様で、有効性が限られることになる可能性がある難題を提示する場合がある。いくつかの例では、これらの難題及び/又は他の難題は、汚染されていない、滅菌された、異物混入していない等の一貫して高品質なサンプルの収集を複雑にする可能性があり、それはさらに、検査結果の結論の妥当性に影響を与える可能性がある。
【0006】
[0006] いくつかの既知のデバイス及び/又はシステムは、初期体積の体液を受動的に分流させることにより、使用者の介入の量を制限するように構成することができるが、いくつかのこうしたデバイス及び/又はシステムは、臨床的に望まれ及び/又は効果的な初期体積の体液(たとえば、プリサンプル体積)を十分に分流させ、隔離し、及び/又は分離することができない場合がある。さらに、いくつかの例では、いくつかの既知のデバイス及び/又はシステムの動作は、体液源によって加えられるか又は供給される正圧(たとえば、患者の血圧)に依存している。しかしながら、いくつかのこうした例では、正圧は、こうしたデバイスの使用を、たとえば緊急治療室及び他の集中治療現場等のさまざまな臨床現場で実用的にする、望ましい流れの動態及び/又は流量をもたらすのに不十分である場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007] したがって、(たとえば、一般の患者集団及び/又は難治性患者集団からの)一貫した体液収集をもたらす、皮膚常在微生物及び/又は体液源の外部にある他の汚染物質等の汚染物質が低減した体液のサンプルを獲得する、流体制御及び/又は分流デバイス及び方法が必要とされている。さらに、たとえば、さまざまな外部エネルギー源及び/又は負圧の補助を伴う体液収集を含む、デバイス及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
[0008] 本明細書では、皮膚常在微生物及び/又は体液の外部の他の汚染物質等の汚染物質が低減した体液のサンプルを獲得するデバイス及び方法について記載する。いくつかの実施形態では、汚染が低減した体液のサンプルを獲得する装置は、ハウジングと、アクチュエータと、流量コントローラとを含む。ハウジングは、隔離チャンバの少なくとも一部を形成し、体液源に流体的に結合されるように構成された入口と、流体収集デバイスに流体的に結合されるように構成された出口とを有する。流体収集デバイスは、出口に流体的に結合されるとハウジングの少なくとも一部内に吸引力をかける。アクチュエータは、ハウジングに結合され、入口が隔離チャンバと流体連通している第1形態と、入口が出口と流体連通しているとともに隔離チャンバから流体的に分離されている第2形態とを有する。流量コントローラは、ハウジング内に配置され、隔離チャンバの一部分を画定する。流量コントローラは、隔離チャンバの上記部分が第1容積を有する第1状態と、隔離チャンバの上記部分が第1容積よりも大きい第2容積を有する第2状態とを呈することができる。アクチュエータが第1形態にあるとき、流量コントローラは、吸引力に応じて第1状態から第2状態に移行して、隔離チャンバの上記部分内に初期体積の体液を引き込むように構成されている。アクチュエータは、隔離チャンバ内に初期体積の体液が引き込まれた後に第2形態に移行して、(1)入口から隔離チャンバを隔離し、(2)吸引力に応じて後続体積の体液が入口から出口まで流れるのを可能にするように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図面の簡単な説明
【
図1】[0009]一実施形態による流体制御デバイスの概略図である。
【
図2】[0010]一実施形態による流体制御デバイスの正面斜視図である。
【
図3】[0010]一実施形態による流体制御デバイスの背面斜視図である。
【
図4】[0011]
図2の流体制御デバイスの側面図である。
【
図5】[0011]
図2の流体制御デバイスの上面図である。
【
図6】[0012]
図2の流体制御デバイスの分解斜視図である。
【
図7】[0013]第1状態で示されている、
図4の線7-7に沿った
図2の流体制御デバイスの断面図である。
【
図8】[0013]第1状態で示されている、
図5の線8-8に沿った
図2の流体制御デバイスの断面図である。
【
図9】[0014]第2状態で示されている、
図4の線7-7に沿った
図2の流体制御デバイスの断面図である。
【
図10】[0014]第2状態で示されている、
図5の線8-8に沿った
図2の流体制御デバイスの断面図である。
【
図11】[0015]第2状態で示されている、
図5の線8-8に沿った
図2の流体制御デバイスの部分断面図である。
【
図12】[0016]一実施形態による流体制御デバイスの正面斜視図である。
【
図13】[0016]一実施形態による流体制御デバイスの背面斜視図である。
【
図14】[0017]
図12の流体制御デバイスの側面図である。
【
図15】[0017]
図12の流体制御デバイスの上面図である。
【
図16】[0018]
図12の流体制御デバイスの分解斜視図である。
【
図17】[0019]第1状態で示されている、
図14の線17-17に沿った
図12の流体制御デバイスの断面図である。
【
図18】[0019]第1状態で示されている、
図15の線18-18に沿った
図12の流体制御デバイスの断面図である。
【
図19】[0020]第2状態で示されている、
図14の線17-17に沿った
図12の流体制御デバイスの断面図である。
【
図20】[0020]第2状態で示されている、
図15の線18-18に沿った
図12の流体制御デバイスの断面図である。
【
図21】[0021]第2状態で示されている、
図15の線18-18に沿った
図12の流体制御デバイスの部分断面図である。
【
図22】[0022]一実施形態による流体制御デバイスの正面斜視図である。
【
図23】[0022]一実施形態による流体制御デバイスの背面斜視図である。
【
図24】[0023]線24-24に沿った、第1状態で示されている、
図22の流体制御デバイスの断面図である。
【
図25】[0023]線24-24に沿った、第1状態で示されている、
図22の流体制御デバイスの断面図である。
【
図26】[0024]線24-24に沿った、第2状態で示されている、
図22の流体制御デバイスの断面図である。
【
図27】[0024]線24-24に沿った、第2状態で示されている、
図22の流体制御デバイスの断面図である。
【
図28】[0025]一実施形態による流体制御デバイスを使用する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
[0026] 本明細書では、初期体積の体液の収集、分流、隔離、分離等を行って、後続して獲得される体液のサンプルにおける汚染を低減させる、デバイス及び方法について記載する。本明細書に記載する流体制御デバイスのいずれも、体液の流れ、ボーラス、体積等を受け取り、獲得し、及び/又は移送するように構成することができる。デバイスの第1リザーバ、チャネル、流路又は部分が、初期量の体液流を受け取ることができ、その後、その中で、そのような体液流を実質的に又は完全に隔離する(たとえば、収容又は保持する、迂回させる、分離する、離脱させる(segregate)、蒸気閉塞を起こさせる(vapor-lock)、切り離す等)ことができる。いくつかの例では、初期量の体液内に、皮膚常在微生物等の汚染物質が含まれ及び/又は混入している可能性があり、それらも同様に、デバイスの第1リザーバ又は第1部分内で又はそれにより隔離される。初期量が隔離されると、任意の後続量の体液流を、デバイスの第2部分及び/又は任意のさらなる流路に又はそれを通して、分流させ、流し、誘導し、及び/又は他の方法で流れるのを可能にすることができる。隔離されている初期量に少なくとも部分的に基づき、後続量の体液は、いくつかの診断及び/又は検査において本来不正確な、歪んだ、異物混入した及び/又は間違った結果をもたらす可能性がある汚染物質が、実質的にないものとすることができる。いくつかの例では、初期量の体液はまた、たとえば、汚染物質の存在によりそれほど影響を受けないもの等の他の検査において使用することができ、廃棄物として廃棄することができ、患者の体内に戻すように注入することができ、及び/又は他の任意の好適な臨床応用に使用することができる。
【0011】
[0027] いくつかの実施形態では、本明細書に記載する流体制御デバイス及び/又は方法の特徴は、(たとえば、流体収集デバイス又は他の任意の好適な手段によって提供される)外部負圧源の使用であり、この外部負圧源は、(1)隔離チャンバを完全に作動させ及び/又は流体流を流体収集デバイスに移行させるのに十分な圧力差(たとえば、周囲空気圧に対する血圧の差)を制限及び/又は阻止する可能性がある、身体的な患者の問題を克服し、(2)隔離チャンバが臨床的に検証された及び/又は望ましい体積の体液で適切に充填されるようにし、(3)体液収集プロセスとの効率的な、適時の及び/又は使用者に許容される一貫性をもたらし、及び/又は(4)初期量(たとえば、プリサンプル量)の隔離及び/又は分離並びに後続するサンプルの収集を可能にするように(たとえば、自動的に、又はシステムの任意の数の物理的構成要素を移動させる操作により、又は所望の流体流動態を変更し、切り替え、作動させ、及び/又は他の方法で提供することにより)流体流を移行させる手段を提供することができる。
【0012】
[0028] いくつかの実施形態では、たとえば、汚染が低減した体液のサンプルを獲得する装置は、ハウジングと、アクチュエータと、流量コントローラとを含む。ハウジングは、隔離チャンバの少なくとも一部を形成し、体液源に流体的に結合されるように構成された入口と、流体収集デバイスに流体的に結合されるように構成された出口とを有する。流体収集デバイスは、出口に流体的に結合されるとハウジングの少なくとも一部内に吸引力をかける。アクチュエータは、ハウジングに結合され、入口が隔離チャンバと流体連通している第1形態と、入口が出口と流体連通しているとともに隔離チャンバから流体的に分離されている第2形態とを有する。流量コントローラは、ハウジング内に配置され、隔離チャンバの一部分を画定する。流量コントローラは、隔離チャンバの上記部分が第1容積を有する第1状態と、隔離チャンバの上記部分が第1容積よりも大きい第2容積を有する第2状態とを有する。アクチュエータが第1形態にあるとき、流量コントローラは、吸引力に応じて第1状態から第2状態に移行して、隔離チャンバの上記部分内に初期体積の体液を引き込む。アクチュエータは、隔離チャンバ内に初期体積の体液が引き込まれた後に第2形態に移行して、(1)入口から隔離チャンバを隔離し、(2)吸引力に応じて後続体積の体液が入口から出口まで流れるのを可能にするように構成されている。
【0013】
[0029] いくつかの実施形態では、汚染が低減した体液のサンプルを獲得する装置は、ハウジングと、アクチュエータと、流量コントローラとを含む。ハウジングは、隔離チャンバの少なくとも一部を形成し、体液源に流体的に結合されるように構成された入口と、流体収集デバイスに流体的に結合されるように構成された出口とを有する。流体収集デバイスは、出口に流体的に結合されるとハウジングの少なくとも一部内に吸引力をかける。アクチュエータは、ハウジングに結合され、入口が隔離チャンバと流体連通している第1形態と、入口が出口と流体連通しているとともに、隔離チャンバから流体的に分離されている第2形態とを有する。流量コントローラは、ハウジング内に配置され、隔離チャンバの一部分を画定する。流量コントローラは、流量コントローラの第1側部が隔離チャンバの第1面の少なくとも一部と接触する第1状態と、流量コントローラの第2側部が隔離チャンバの、第1面とは反対側の第2面の少なくとも一部と接触する第2状態とを有する。流量コントローラは、アクチュエータが第1形態にあるとき、流量コントローラの第2側部に吸引力がかけられる結果として第1状態から第2状態に移行して、第1面と流量コントローラの第1側部との間に画定された隔離チャンバの一部分内に初期体積の体液を引き込む。アクチュエータは、隔離チャンバ内に初期体積の体液が引き込まれた後に第2形態に移行して、(1)入口から隔離チャンバを隔離し、(2)吸引力に応じて後続体積の体液が入口から出口まで流れるのを可能にするように構成されている。
【0014】
[0030] いくつかの実施形態では、流体制御デバイスは、ハウジングと、アクチュエータと、流量コントローラとを含む。ハウジングは、入口及び出口を有し、隔離チャンバを形成している。入口は、体液源と流体的に接続された状態に置かれるように構成されている。出口は、ハウジングの少なくとも一部内に吸引力をかけるように構成された流体収集デバイスと流体的に接続された状態に置かれるように構成されている。アクチュエータは、ハウジングに結合され、第1状態にあるとき、入口と隔離チャンバとの間に流体連通を隔離し、第2状態に置かれると入口と出口との間に流体連通を確立するように構成されている。流量コントローラは、隔離チャンバ内に配置され、アクチュエータがその第1状態にあるとき、吸引力に応じて第1状態から第2状態に移行して、隔離チャンバの一部内に初期体積の体液が流れ込むことができるようにするように構成されている。隔離チャンバの上記部分は、流量コントローラが第1状態にあるときは第1容積を有し、流量コントローラが第2状態にあるときは、第1容積よりも大きい第2容積を有する。アクチュエータは、隔離チャンバの上記部分内に初期体積の体液が受け取られた後にその第2形態に移行して、(1)隔離チャンバを隔離し、(2)吸引力に応じて後続体積の体液が入口から出口まで流れるのを可能にするように構成されている。
【0015】
[0031] いくつかの実施形態では、ハウジング、アクチュエータ及び流量コントローラを有する流体制御デバイスを使用して、汚染が低減した体液のサンプルを獲得する方法は、体液源とハウジングの入口との間に流体連通を確立することを含む。流体収集デバイスが、ハウジングの出口に結合され、出口に結合されるとハウジングの少なくとも一部内に吸引力をかける。流量コントローラは、吸引力に応じて第1状態から第2状態に移行して、流量コントローラとハウジングの一部とによってまとめて画定された隔離チャンバの容積を増大させる。容積の増大に応じて、隔離チャンバの第1部分は、体液源と隔離チャンバとの間に画定された流路内に収容されたある体積の空気を受け取り、隔離チャンバの第2部分は、初期体積の体液を受け取る。アクチュエータは、隔離チャンバの第2部分内に初期体積の体液を受け取った後、第1形態から第2形態に移行して、(1)隔離チャンバを隔離し、(2)吸引力に応じて、後続体積の体液が入口から出口まで流れるのを可能にする。
【0016】
[0032] いくつかの実施形態では、ハウジング、流量コントローラ及びアクチュエータを有する流体制御デバイスを使用して、汚染が低減した体液のサンプルを獲得する方法は、たとえば、体液源とハウジングの入口との間に流体連通を確立することを含むことができる。流体収集デバイスが、ハウジングの出口に流体的に結合される。流量コントローラは、流体収集デバイスによってかけられる吸引力に応じて第1状態から第2状態に移行して、隔離チャンバの第1部分及び隔離チャンバの第2部分の容積を増大させる。隔離チャンバの第1部分は、隔離チャンバの第1部分及び隔離チャンバの第2部分の容積の増大に応じて、体液源と隔離チャンバとの間に画定された流路内に収容されたある体積の空気を受け取る。隔離チャンバの第2部分は、隔離チャンバの第1部分及び隔離チャンバの第2部分の容積の増大に応じて、初期体積の体液を受け取る。隔離チャンバの第2部分内に初期体積の体液を受け取った後、アクチュエータは、第1形態から第2形態に移行して、(1)隔離チャンバを隔離し、(2)吸引力に応じて、後続体積の体液(たとえば、体液のサンプル)が入口から出口まで流れるのを可能にする。
【0017】
[0033] 本明細書に記載する実施形態及び/又は方法のうちの任意のものを、汚染されていない、又は実質的に異物混入していない、たとえば血液サンプル等の体液のサンプルの獲得に使用することができる。いくつかの例では、体液のサンプル(たとえば、血液サンプル)に対して、細菌(たとえば、グラム陽性菌及び/又はグラム陰性菌)、真菌、酵母菌(たとえば、カンジダ)等、1種以上の潜在的に望ましくない微生物が存在するか否かを検査することができる。診断検査中に、微生物と同様に、他のタイプの生体物質、所定タイプの細胞、バイオマーカ、タンパク質、抗原、酵素、血液成分等の存在を検出するのに役立つように、さまざまな技術を採用することができる。例としては、限定されないが、分子のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、磁気共鳴及び他の磁気分析プラットフォーム、自動顕微鏡、空間的クローン単離、フローサイトメトリ、全血(「非培養」)検体分析(たとえば、NGS)及び関連技術、形態運動学的細胞分析、及び/又は患者検体を特徴付け及び/又は所定の生物体、抗生物質感受性等を検出し、同定し、分類し、類別し及び/又は特徴付ける他の一般的な又は進化する高度な技術が挙げられる。
【0018】
[0034] たとえば、いくつかの例では、微生物検査は、培地(たとえば、増殖を促進する栄養分に富んだ及び/又は環境制御された培地、及び/又は他の好適な培地)、一般的な添加物、及び/又は微生物の増殖に寄与する他のタイプの溶液を収容することができる、1つ又は複数の容器内で患者サンプルを培養することを含むことができる。患者サンプルに存在するいかなる微生物及び/又は生物体も、培地において経時的に(たとえば、1時間未満から数日間を超えるまで可変量の時間にわたり(これは、採用される診断技術に応じてより短いか又は長い可能性がある))繁茂及び/又は増殖する。微生物及び/又は生物体の存在は、自動化された連続モニタリング、及び/又は検出、同定等に使用される分析プラットフォーム若しくは技術に特定の他の方法を使用して、(たとえば、二酸化炭素レベルの観察及び/又は他の検出方法により)検出することができる。培地に微生物及び/又は生物体が存在することは、患者サンプルに同じ微生物及び/又は生物体が存在することを示唆し、それはさらに、サンプルが取得された患者の体液に同じ微生物及び/又は生物体が存在することを示唆する。他の例では、微生物及び/又は生物体が存在するか否かについて、体液のサンプルを直接分析することができる(すなわち、培養しない)。検査に使用されるサンプルに微生物が存在すると判断された場合、患者を診断し、患者から望ましくない微生物及び/又は生物体を処置するか又は他の方法で除去するように特に設計された1つ又は複数の抗生物質又は他の処置を、患者に処方することができる。
【0019】
[0035] しかしながら、患者サンプルは、獲得中に汚染される可能性があり、及び/又は、他の態様で間違った結果が出やすい可能性がある。たとえば、検体獲得プロセス中に(たとえば、直接、又は組織片、毛包、汗腺及び他の皮膚付属器構造を介して間接的に)脱落する、体表からの微生物(たとえば、皮膚常在微生物)は、その後、患者サンプルとともに培地、検査瓶又は他の好適な検体収集若しくは移送容器に移送され、及び/又は他の方法で分析すべき検体に含まれる可能性がある。別のあり得る汚染源は、患者サンプルを抜き取る人からである。たとえば、患者サンプル獲得プロセス中に使用される機器、供給品及び/又はデバイスは、複数の流体インタフェース(たとえば、患者から針、針から移送アダプタ、移送アダプタからサンプル容器、カテーテルハブからシリンジ、シリンジから移送アダプタ、針/管からサンプル容器、及び/又は他の任意の流体インタフェース、又はそれらの任意の組合せ)を含むことが多く、それらの各々が潜在的な汚染ポイントを導入する可能性がある。いくつかの例では、こうした汚染物質は、培地内で繁殖する可能性があり、及び/又は他の態様で特定される可能性があり、それにより、偽陽性の微生物検査結果のリスク又は可能性が増大し、それは、患者の体内(すなわち、生体内)でのこうした微生物の存在又は欠如を正確に反映しない可能性がある。
【0020】
[0036] 汚染及び/又は異物混入によるこうした不正確な結果は、広範囲の疑わしい病気、疾患、感染症、患者の病状及び/又は他の疾病を診断又は治療しようとするときに問題である。たとえば、微生物検査からの間違った結果により、患者が1つ又は複数の抗菌療法を不必要に受けることになる可能性があり、及び/又は、患者の病気の誤診及び/又は治療の遅延に至る可能性があり、これらのうちのいずれかにより、たとえば死亡を含む、患者に対する深刻な副作用又は結果がもたらされる可能性がある。したがって、間違った結果により、長期の患者の入院及び/又は誤った治療に関連する他の合併症に起因して、医療システムに対して不要な負担及び費用が引き起こされる可能性がある。これらの間違った結果に達する診断撮像機器の使用は、さまざまな撮像手順(たとえば、CTスキャン)に関連する集中放射線への不要な曝露が長期的な患者の健康に対して多くの既知の悪影響をもたらすため、費用の観点及び患者の安全性の観点の両方からも問題でもある。
【0021】
[0037] 本明細書及び/又は本明細書に含まれる任意の請求項で用いる場合の単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈上明確な別段の指示がない限り複数の指示対象を含む。したがって、たとえば、「(1つの)部材」という用語は、単一部材又は部材の組合せを意味するように意図され、「(1つの)材料」は、1種又は複数種の材料を意味するように意図される等である。
【0022】
[0038] 本明細書で用いる場合の「体液」は、患者の身体から直接又は間接的に取得される任意の流体を含むことができる。たとえば、「体液」は、限定されないが、血液、髄液、尿、胆汁、リンパ液、唾液、滑液、漿液、胸膜液、羊水、粘液、痰、硝子体液、空気等又はそれらの任意の組合せを含む。
【0023】
[0039] 本明細書で用いる場合の「近位」及び「遠位」という語は、デバイスを患者に接触させる使用者に対してそれぞれ近い方の方向及び離れる方向を指す。したがって、たとえば、患者の身体に最初に接触するデバイスの端部はデバイスの遠位端となり、デバイスの反対側の端部(たとえば、使用者が操作しているデバイスの端部)はデバイスの近位端となる。
【0024】
[0040] 本明細書で用いる場合の「約」、「およそ」及び「実質的に」という用語は、述べられている値及び/又は幾何学的構造若しくは関係に関連して用いられる場合、そのように定義される値又は特徴が名目上、述べられている値又は記載されている特徴であることを意味するように意図されている。いくつかの例では、「約」、「およそ」及び/又は「実質的に」という用語は、述べられている値又は特徴を所望の許容差の範囲(たとえば、述べられている値又は特徴の±10%)内の値又は特徴を概して意味することができ、及び/又は概して企図することができる。たとえば、約0.01の値は0.009及び0.011を含むことができ、約0.5の値は0.45及び0.55を含むことができ、約10の値は9~11を含むことができ、約1000の値は900~1100を含むことができる。同様に、第1面及び第2面が名目上平行である場合、第1面は、第2面に対して実質的に平行であると述べることができる。述べられている値、構造及び/又は関係が望ましい場合があるが、たとえば製造公差又は他の実際的な考慮事項(たとえば、デバイス、導管、内腔等の一部を通して加えられる圧力又は力等)の結果として、幾分かの変動が発生する可能性があることが理解されるべきである。したがって、「約」、「およそ」及び/又は「実質的に」という用語は、本明細書では、こうした許容差及び/又は考慮事項を考慮するために使用することができる。
【0025】
[0041] 本明細書で用いる場合の「プリサンプル」、「第1」及び/又は「初期」という用語は、「サンプル」体積を獲得する前に収集及び/又は隔離される体液の量、部分又は体積を述べるために同義で使用することができる。「プリサンプル」、「第1」及び/又は「初期」体積は、体液の所定の、規定された、所望の及び/又は所与の量であり得る。たとえば、体液の所定の及び/又は所望のプリサンプル体積は、体液の1滴分、体液の数滴分、約0.1ミリリットル(mL)、約0.2mL、約0.3mL、約0.4mL、約0.5mL、約1.0mL、約2.0mL、約3.0mL、約4.0mL、約5.0mL、約10.0mL、約20.0mL、約50.0mLの体積、及び/又はそれらの間の任意の体積若しくは任意の割合の体積であり得る。他の実施形態では、プリサンプル体積は、50mL超又は0.1mL未満であり得る。いくつかの所定の実施形態では、所定の及び/又は所望のプリサンプル体積は、約0.1mL~約5.0mLであり得る。他の実施形態では、プリサンプル体積は、たとえば、任意の数の内腔(たとえば、体液源から初期収集チャンバ、部分、リザーバ等までの流路の少なくとも一部を形成する内腔)の組み合わされた容積であり得る。
【0026】
[0042] 本明細書で用いる「サンプル」、「第2」及び/又は「後続」という用語は、たとえば、1つ又は複数のサンプル又は診断検査で使用される体液の量、部分又は体積を述べるために同義に使用することができる。「サンプル」体積は、プリサンプル体積の体液を収集、隔離及び/又は分離した後に収集された体液のランダムな体積又は所定の若しくは所望の体積のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、体液の所望のサンプル体積は約10mL~約60mLであり得る。他の実施形態では、体液の所望のサンプル体積は10mL未満又は60mL超であり得る。いくつかの実施形態では、たとえば、サンプル体積は、そのサンプル体積に対して実施される1つ又は複数の検査、アッセイ、分析及び/又はプロセスに、少なくとも部分的に基づくことができる。
【0027】
[0043] 本明細書に記載する実施形態は、実質的に汚染物質のない体液を1つ又は複数の流体収集デバイスに移送するように構成することができる。いくつかの実施形態では、流体収集デバイスとしては、限定されないが、任意の好適な容器、コンテナ、リザーバ、瓶、アダプタ、皿、バイアル、シリンジ、デバイス、診断及び/又は検査機器等を挙げることができる。いくつかの実施形態では、流体収集デバイスは、Vacutainer(登録商標)(Becton Dickinson and Company(BD)製)、BacT/ALERT(登録商標)SN又はBacT/ALERT(登録商標)FA(Biomerieux, Inc.製)及び/又は任意の好適なリザーバ、バイアル、マイクロバイアル、マイクロリットルバイアル、ナノリットルバイアル、コンテナ、マイクロコンテナ、ナノコンテナ等、既知のサンプルコンテナと実質的に同様又は同一であり得る。いくつかの実施形態では、流体収集デバイスは、2007年12月13日に出願された、「Systems and Methods for Parenterally Procuring Bodily-Fluid Samples with Reduced Contamination」と題する米国特許第8,197,420号(「420特許」)に記載されているサンプルリザーバのうちの任意のものと実質的に同様又は同一とすることができ、この出願の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0028】
[0044] いくつかの実施形態では、流体収集デバイスは、サンプル体積の体液を受け取る前に内容物がないものとすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、流体収集デバイス又はリザーバは、たとえば、真空ベースの収集管(たとえば、Vacutainer(登録商標))、シリンジ等、真空又は吸引を規定することができ及び/又は規定若しくは生成するように構成することができる。他の実施形態では、流体収集デバイスは、任意の好適な添加物、培地、物質、酵素、油、流体等を含むことができる。たとえば、流体収集デバイスは、たとえば好気性又は嫌気性培地を含むサンプル又は培養瓶であり得る。サンプル又は培養瓶は、たとえば、グラム陽性菌、グラム陰性菌、酵母菌、真菌及び/又は他の任意の生物体が存在するか否かを(たとえば、培養後にインビトロ診断(IVD)検査及び/又は他の任意の好適な検査を介して)検査することができる、体液のサンプルを受け取るように構成することができる。いくつかの例では、こうした培地の検査が陽性の結果をもたらす場合、その後、所定の生物体を同定するためにPCRベースのシステムを使用して培地を検査することができる。いくつかの実施形態では、サンプルリザーバは、たとえば、培地に加えて又は培地の代わりに任意の好適な添加物等を含むことができる。こうした添加物としては、たとえば、ヘパリン、クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、シュウ酸塩、ポリアネトールスルホン酸ナトリウム(SPS)等を挙げることができる。いくつかの実施形態では、流体収集デバイスは任意の好適な添加物又は培地を含むことができ、流体収集デバイスを排気し及び/又は他の方法で流体収集デバイスから空気をなくすことができる。
【0029】
[0045] 「培地」という用語は、体液中の生物体(たとえば、細菌等の微生物)と反応するように構成されている物質を述べるために使用されることができ、「添加物」という用語は、体液の一部(たとえば、血液の構成細胞、血清、滑液等)と反応するように構成されている物質を述べるために使用されることができるが、サンプルリザーバは、任意の好適な物質、液体、固体、粉末、凍結乾燥化合物、気体等を含むことができることが理解されるべきである。さらに、サンプルリザーバ内の「添加物」について言及する場合、添加物は、培養瓶に収容された好気性培地及び/又は嫌気性培地等の培地、添加物、及び/又は、培養瓶及び/又は上述したもの等の他の任意の好適なリザーバに収容された他の任意の好適な物質若しくは物質の組合せであり得ることが理解されるべきである。すなわち、本明細書に記載する実施形態は、任意の好適な物質又は物質の組合せを収容する任意の適切な流体リザーバ等とともに使用することができる。
【0030】
[0046] 本明細書に記載する実施形態及び/又はその一部は、1種又は複数種の生体適合性材料から形成又は構成することができる。いくつかの実施形態では、生体適合性材料は、たとえば、剛性、靭性、デュロメータ硬さ、生理活性等、構成材料の1つ又は複数の特性に基づいて選択することができる。好適な生体適合性材料の例としては、金属、ガラス、セラミック又はポリマーが挙げられる。好適な金属の例としては、医薬品グレードのステンレス鋼、金、チタン、ニッケル、鉄、白金、錫、クロム、銅及び/又はそれらの合金が挙げられる。ポリマー材料は、生分解性であっても非生分解性であってもよい。好適な生分解性ポリマーの例としては、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリラクチド-コ-グリコリド(PLGA)、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリエーテルエステル、ポリカプロラクトン、ポリエステルアミド、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリウレタン及び/又はそれらのブレンド及びコポリマーが挙げられる。非生分解性ポリマーの例としては、ナイロン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリシロキサン(シリコーン)、エチレンビニルアセテート及び他のアシル置換セルロースアセテートのポリマー、非分解性ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ(ビニルイミダゾール)、クロロスルホネートポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、及び/又はそれらのブレンド及びコポリマーが挙げられる。
【0031】
[0047] 本明細書に記載する実施形態及び/又はその一部は、1つ又は複数の部品、特徴、構造等から形成される構成要素を含むことができる。こうした構成要素について言及する場合、その構成要素は、任意の数のセクション、領域、部分及び/又は特徴を有する単一の部品によって形成することができるか、又は複数の部品又は特徴によって形成されることができることが理解されるべきである。たとえば、壁又はチャンバ等の構造について言及する場合、その構造は、複数の部分を有する単一構造として、又はその構造を形成するように結合された複数の別個の下部構造としてみなすことができる。したがって、一体的に構築された構造は、たとえば、一組の下部構造を含むことができる。こうした一組の下部構造は、互いに連続的又は不連続的のいずれかである、複数の部分を含むことができる。一組の下部構造は、別々に製造され、後に(たとえば、溶接、接着剤又は任意の好適な方法を介して)合わせて接合される、複数の物品又は構成要素から製造することも可能である。
【0032】
[0048] 本明細書では実施形態のうちのいくつかを、1つ又は複数の培養サンプル検査のために体液を獲得するために使用されるものとして記載するが、実施形態はこうした使用に限定されないことが理解されるべきである。本明細書に記載する実施形態及び/又は方法のうちの任意のものを使用して、体液の流れをそれと流体連通した状態に置かれる任意の好適なデバイスに移送することができる。したがって、本明細書では所定の例について記載するが、デバイス、方法及び/又は概念は、こうした所定の例に限定されるようには意図されていない。
【0033】
[0049] ここで図面を参照すると、
図1は、一実施形態による流体制御デバイス100の概略図である。概して、流体制御デバイス100(本明細書では「制御デバイス」又は「デバイス」とも称する)は、患者の体内から体液を引き出すように構成されている。引き出された体液の第1部分又は量(たとえば、初期量)は、引き出された体液の第2部分又は量(たとえば、後続量)から隔離される。いくつかの例では、第1部分又は量内で汚染物質等を隔離して、実質的に汚染物質のない第2部分又は量を残すことができる。そして、体液の第2部分又は量は、本明細書においてより詳細に記載するように、1つ又は複数の検査(たとえば、血液培養検査等)において生体サンプルとして使用することができる。体液の第1部分又は量は、廃棄物として廃棄するか、又は、そこに含有される潜在的な汚染物質の結果として誤った、不正確な、歪んだ、一貫性のない、信頼できない結果をもたらす可能性が低い、任意の好適な検査で使用することができる。
【0034】
[0050] 制御デバイス100は、ハウジング110、流量コントローラ140及びアクチュエータ150を含む。デバイス100のハウジング110は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、ハウジング110は、ハウジング110の一部内に移送され及び/又はその中に隔離されるように構成された体液の初期量又は体積に少なくとも部分的に基づくサイズを有することができる。いくつかの実施形態では、ハウジング110は、デバイス100に関連する人間工学及び/又は使用の容易さを向上させるように構成されたサイズ及び/又は形状を有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、ハウジング110の1つ又は複数の部分は、使用者が、ハウジング110の少なくとも一部を通して体液の流れを視覚的に点検及び/又は検証することができるように構成された、比較的透明な材料から形成することができる。
【0035】
[0051] ハウジング110は、入口113、出口114及び隔離チャンバ130を有し及び/又は形成する。入口113は、内腔含有デバイスに流体的に結合するように構成され、内腔含有デバイスはさらに、ハウジング110を体液源と流体連通させることができる。たとえば、ハウジング110は、入口113と流体連通するとともに患者の体内に経皮的に配置されるように構成されている内腔含有デバイス(たとえば、バタフライ針、静脈内(IV)カテーテル、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)、中間内腔含有デバイス等)に結合することができ、及び/又はそのような内腔含有デバイスを含むことができる。したがって、本明細書においてさらに詳細に記載するように、患者及び/又は他の体液源から入口113を介してハウジング110に、体液を移送することができる。出口114は、流体収集デバイス180(たとえば、流体又はサンプルリザーバ、シリンジ、真空採血管(evacuated container)、培養瓶等)と流体連通させることができる。本明細書においてさらに詳細に記載するように、制御デバイス100を使用及び/又は操作して、体液源から、入口113、ハウジング110及び出口114を通って流体収集デバイス180まで、ある体積の体液を選択的に移送することができる。
【0036】
[0052] ハウジング110は、任意の数の流路の少なくとも一部を画定することができる。たとえば、
図1に示すように、ハウジング110は、入口113と隔離チャンバ130との間の1つ又は複数の流路115、及び/又は入口113と出口114との間の1つ又は複数の流路116を画定する。本明細書においてさらに詳細に記載するように、制御デバイス100及び/又はハウジング110は、任意の数の状態、動作モード及び/又は形態の間で移行して、流路115及び/又は116のうちの少なくとも1つを通る体液流を選択的に制御するように構成することができる。さらに、制御デバイス100及び/又はハウジング110は、自動的に(たとえば、圧力差に基づき、時間に基づき、電子的に、膜、吸収材及び/又はバリア材の飽和等に基づき)、又は介入(たとえば、使用者の介入、機械的介入等)を介して、移行するように構成することができる。
【0037】
[0053] 隔離チャンバ130は、流路115を介して、入口113と少なくとも一時的に流体連通した状態に置かれる。本明細書においてさらに詳細に記載するように、隔離チャンバ130は、(1)入口113から体液の流れ及び/又は体積を受け取り、(2)その中に上記体液の流れ及び/又は体積を隔離する(たとえば、切り離す、離脱させる、収容する、保持する、分離する等)ように構成されている。隔離チャンバ130は、たとえば、所定の実施形態に関して本明細書に記載するもの等、任意の好適な配置構成を有することができる。しかしながら、制御デバイス100及び/又はハウジング110は、任意の好適な態様で配置された隔離チャンバ130を有することができ、したがって、隔離チャンバ130は、本明細書に図示及び記載するものに限定されるように意図されていないことが理解されるべきである。たとえば、いくつかの実施形態では、隔離チャンバ130は、ハウジング110により少なくとも部分的に形成することができる。他の実施形態では、隔離チャンバ130は、ハウジング110の一部内に置かれた及び/又は配置されたリザーバであり得る。他の実施形態では、隔離チャンバ130は、流路115の一部によって形成及び/又は画定することができる。すなわち、ハウジング110は、1つ又は複数の内腔を画定することができ、及び/又は、入口113から体液の初期流れ又は体積を受け取るように構成された1つ又は複数の内腔画定デバイスを含み、それにより、隔離チャンバ130を形成し及び/又は隔離チャンバ130として機能することができる。
【0038】
[0054] 隔離チャンバ130は、任意の好適な容積及び/又は流体容量を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、隔離チャンバ130は、約0.1mL~約5.0mLの容積及び/又は流体容量を有することができる。いくつかの実施形態では、隔離チャンバ130は、隔離チャンバ130内で移送されるように構成された体液の量(たとえば、体液の初期又は第1量)に関して測定された容積を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、隔離チャンバ130は、マイクロリットル以下の体液程度の初期体積(たとえば、体液の20滴分、体液の10滴分、体液の5滴分、体液の1滴分、又はそれらの間の任意の好適な体積程度の体積)の体液を受け取るのに十分な容積を有することができる。他の実施形態では、隔離チャンバ130は、最大たとえば約5.0mL、10.0mL、15.0mL、10.0mL、30.0mL、40.0mL、50.0mL又はそれより多い初期体積の体液を受け取るのに十分な容積を有することができる。いくつかの実施形態では、隔離チャンバ130は、隔離チャンバ130を体液源と流体連通させる1つ又は複数の内腔の容積の少なくともいくつか(たとえば、針、入口113、及び流路115の少なくとも一部の内腔の組み合わされた容積)と等しい容積を有することができる。
【0039】
[0055] ハウジング110の出口114は、流路115及び/又は116と流体連通しており、及び/又は流体連通した状態に置かれるように構成されている。出口114は、任意の好適な出口、開口部、ポート、栓、ロック(たとえば、ルアーロック)、シール、カプラ、弁(たとえば、一方向、逆止め弁、ダックビル弁、アンブレラ弁等)等とすることができ、流体収集デバイス180に物理的に及び/又は流体的に結合されるように構成されている。いくつかの実施形態では、出口114は、流体収集デバイス180と一体的に形成することができる。他の実施形態では、出口114は、接着剤、抵抗嵌め(resistance fit)、機械的締結具、ねじ結合、穿孔又は穿刺構成、複数の嵌合凹部、及び/又は他の任意の好適な結合又はそれらの組合せを介して、流体収集デバイス180に少なくとも一時的に結合することができる。さらに他の実施形態では、出口114は、滅菌管等、介在構造(
図1には示さず)を介して流体収集デバイス180に動作可能に結合することができる。いくつかの実施形態では、出口114の配置構成は、出口114が、流体収集デバイス180に結合する前に物理的に及び/又は流体的に封止されるというものであり得る。いくつかの実施形態では、流体接続デバイス180に結合されることに応じて、及び/又は、出口114及び/又はハウジング110内の環境と流体収集デバイス180内の環境との負の圧力差に応じて、出口114を密閉構成から非密閉構成に移行させることができる。
【0040】
[0056] 制御デバイス100及び/又はハウジング110の出口114について、流体収集デバイス180に流体的に結合されており及び/又は他の方法で流体的に接続された状態に置かれるものとして上述しているが、他の実施形態では、デバイス100は、任意の好適な体液収集デバイス、システム、アダプタ等とともに使用することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、デバイス100は、2015年3月3日に出願された、「Apparatus and Methods for Disinfection of a Specimen Container」と題する米国特許第10,123,783号(本明細書では「‘783特許」と称する)、及び/又は2015年6月2日に出願された、「Sterile Bodily-Fluid Collection Device and Methods」と題する米国特許出願公開第2015/0342510号(本明細書では「‘510公報」と称する)に記載されているもの等、任意の好適な流体移送デバイス及び/又はアダプタで又はそれとともに使用することができ、上記特許及び公報の各々の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0041】
[0057] 流体収集デバイス180は、たとえば、詳細に上述したもの(たとえば、真空採血管、サンプルリザーバ、シリンジ、培養瓶等)のうちの任意のもの等、体液を少なくとも一時的に収容する、任意の好適なデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、流体収集デバイス180は、サンプルリザーバ内部で負圧状態(真空状態)を維持する真空シールを含むサンプルリザーバとすることができ、それにより、真空又は吸引力を介する、患者から制御デバイス100を通りサンプルリザーバに入る体液の引出しを容易にすることができる。流体収集デバイス180が真空採血管等である実施形態では、本明細書においてさらに詳細に記載するように、使用者は、流体収集デバイス180を出口114に結合して患者からデバイス100内への体液の流れを開始して、体液の流れの第1又は初期部分が隔離チャンバ130内に移送されて隔離チャンバ130によって隔離され、体液の流れの第2又は後続部分が隔離チャンバ130から離れて(たとえば、出口114を介して)流体収集デバイス180内に、迂回し及び/又は他の方法で分流するようにすることができる。
【0042】
[0058] デバイス100の流量コントローラ140は、ハウジング110内に少なくとも部分的に配置され、ハウジング110の少なくとも一部を通る流体の選択的な流れを制御し、誘導し、及び/又は他の方法で促進するように構成されている。より詳細には、いくつかの実施形態では、流量コントローラ140は、体液の初期流又は量を受け取る隔離チャンバ130の一部及び/又は隔離チャンバ130の内部容積部内に配置することができ、及び/又はそのような部分及び/又は内部容積部を少なくとも部分的に画定することができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ140の1つ又は複数の面及びハウジング110の1つ又は複数の内面がまとまって隔離チャンバ130を画定するように、ハウジング110内に流量コントローラ140を配置することができる。別の言い方をすれば、隔離チャンバ130を少なくとも部分的に画定するハウジング110の内面と、流量コントローラ140の1つ又は複数の面とがまとまって、隔離チャンバ130の一部及び/又は隔離チャンバ130内の容積部を画定するように、隔離チャンバ130内に流量コントローラ140を配置することができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ140は、バリアを形成することができ、及び/又は、他の方法で、流路116の少なくとも一部から流路115の少なくとも一部を流体的に分離することができる。たとえば、流量コントローラ140の第1側部及び/又は第1面が流路115及び/又は入口113の少なくとも一部と選択的に流体連通し、流量コントローラ140の第2側部及び/又は第2面が流路116及び/又は出口114の少なくとも一部と選択的に流体連通するように、ハウジング110内に流量コントローラ140を配置することができる。
【0043】
[0059] 流量コントローラ140は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。たとえば、流量コントローラ140は、たとえば、膜、ダイアフラム、ブラダー、プランジャ、ピストン、バッグ、パウチ、及び/又は所望の剛性、可撓性及び/又はデュロメータ硬さを有する他の任意の好適な部材であり得る。いくつかの実施形態では、流量コントローラ140は、流量コントローラ140の少なくとも一部に負の圧力差及び/又は吸引力がかけられることに応じて、第1状態から第2状態に移行するように構成することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、所定の実施形態に関して本明細書においてさらに詳細に記載するように、流量コントローラ140は、ブラダーであって、そのブラダーの表面に負の圧力差及び/又は吸引力がかけられることに応じて第1状態から第2状態に移行するか又は「反転する」ように構成されたブラダーであり得る。
【0044】
[0060] 流量コントローラ140は、デバイス100を使用する前は第1状態(たとえば、保管又は未使用状態)にあるものとすることができ、出口114が流体収集デバイス180(たとえば、負圧及び/又は吸引力を規定するか又は規定するように構成された収集デバイス)に流体的に結合されることに応じて、流量コントローラ140を第2状態に移行させることができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ140は、流量コントローラ140が第2状態にあるときに隔離チャンバ130の少なくとも一部を画定することができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ140の配置構成は、隔離チャンバ130が、流量コントローラ140が第1状態にあるときは第1容積を画定し及び/又は有し、流量コントローラ140が第2状態に置かれると、第1容積よりも大きい第2容積を画定し及び/又は有するというものである。本明細書においてさらに詳細に記載するように、隔離チャンバ130の容積が増大することにより、初期体積の体液を隔離チャンバ130内に引き込むように動作可能な吸引力をもたらすことができる。さらに、いくつかの実施形態では、流量コントローラ140は、隔離チャンバ130が、ある体積の空気又は気体(たとえば、体液源と隔離部分との間の流路に配置されたある体積の空気)と、初期量又は体積の体液とを受け取ることができるようにする、サイズ、形状及び/又は構成を有することができる。こうした実施形態では、流量コントローラ140は、ある体積の空気又は初期体積の体液のうちの少なくとも一方を受け取り及び/又は収容することができる、任意の数の部分、容積部、チャネル等を画定するように構成することができる。
【0045】
[0061] いくつかの実施形態では、流量コントローラ140のサイズ、形状、配置構成及び/又は構成材料は、流量コントローラ140が第1状態から第2状態に、所定の態様で及び/又は所定の若しくは望ましい速度で移行するように、構成し及び/又は他の方法で選択することができる。いくつかの例では、流量コントローラ140が第1状態から第2状態に移行する速度を制御することにより、さらに、隔離チャンバ130への体液流の速度、及び/又は初期体積の体液を隔離チャンバ130に引き込むように動作可能である隔離チャンバ130内で発生する吸引力の大きさを、制御及び/又は調整することができる。
図1には示さないが、いくつかの実施形態では、ハウジング110は、弁、膜、多孔質材料、絞り、オリフィス、及び/又は流量コントローラ140の表面にかけられる吸引力を調整するように構成された、他の任意の好適な部材、デバイス及び/又は特徴を含むことができ、それにより、流量コントローラ140が第1状態から第2状態に移行する速度を調整することができる。
【0046】
[0062] いくつかの例では、流量コントローラ140が移行する速度、及び/又は隔離チャンバ130内で発生する圧力差及び/又は吸引力の大きさを制御することにより、たとえば、血液サンプルの溶血、及び/又は静脈を虚脱させる可能性を、低減させることができる(たとえば、これは、虚弱な患者から体液のサンプルを獲得するときに特に重要である)。いくつかの例では、流量コントローラ140の移行及び/又は隔離チャンバ130内で発生する圧力差を調整することにより、隔離チャンバ130内に移送される体液の量又は体積を少なくとも部分的に制御することができる(すなわち、初期量の体液の体積を制御することができる)。
【0047】
[0063] デバイス100のアクチュエータ150は、ハウジング110内に少なくとも部分的に配置され、ハウジング110の少なくとも一部を通る流体の選択的な流れを制御し、誘導し、及び/又は他の方法で促進するように構成されている。アクチュエータ150は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、アクチュエータ150は、第1状態と第2状態との間で移行するように構成された任意の好適な部材又はデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、たとえば、アクチュエータ150は、弁、プランジャ、シール、膜、ブラダー、フラップ、プレート、ロッド、スイッチ等であり得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータ150は、アクチュエータ150が第1状態から第2状態に移行したときに流体流チャネル113と流体流チャネル116との間に流体連通を選択的に確立するように構成された1つ又は複数のシールを含むことができる。
【0048】
[0064] アクチュエータ150は、第1状態と第2状態との間で任意の好適な態様で作動及び/又は移行させることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、アクチュエータ150の移行は、アクチュエータ150を、起動する、押圧する、移動させる、並進させる、回転させる、切り替える、摺動させる、開放する、閉鎖する、及び/又は他の方法で再構成することを含むことができる。いくつかの例では、アクチュエータ150は、使用者による手動の作動(たとえば、ボタン、スライダ、プランジャ、スイッチ、弁、回転部材、導管等に手で力をかけること)に応じて、第1状態と第2状態のとの間で移行することができる。他の実施形態では、アクチュエータ150は、圧力差(又は圧力の欠如)、位置又は運動エネルギーの変化、組成又は構成の変化(たとえば、アクチュエータの一部が少なくとも部分的に溶解又は変容することができる)等に応じて、第1状態と第2状態との間で自動的に移行するように構成することができる。さらに他の実施形態では、アクチュエータ150は、所定時間、受け取られた体液の体積、体液の流れの体積流量、体液の流れの流速等に基づいて、(たとえば、モータ等を介して)機械的に及び/又は電気的に作動又は移行させることができる。アクチュエータ、及び/又はアクチュエータが移行することができる方法の例を提供しているが、それらは、限定ではなく単に例として提示されていることが理解されるべきである。
【0049】
[0065] いくつかの実施形態では、アクチュエータ150は、第1状態にあるとき、流路115の少なくとも一部と流路116の少なくとも一部との間の流体連通を分離し、隔離し、切り離し、及び/又は他の方法で阻止するように構成することができ、第2状態にあるとき、流路115(又は少なくともその一部)を流路116(又は少なくともその一部)と流体的に接続された状態に置くように構成することができる。さらに、アクチュエータ150は、隔離チャンバ130と、入口113、出口114及び/又は流路115及び116の少なくとも一部との間の流体連通を、隔離し、切り離し、分離し、及び/又は他の方法で阻止するように構成することができる。したがって、アクチュエータ150がその第2位置に置かれると、隔離チャンバ130を、ハウジング110の他の流路又は部分から隔離し及び/又は流体的に分離することができ、入口113を出口114と流体的に接続された状態に置くことができる。したがって、本明細書においてさらに詳細に記載するように、アクチュエータ150は、後続体積の体液(たとえば、初期体積の体液の後のある体積の体液)が、出口114に流体的に結合された流体収集デバイス180に移送されるようにすることができる。
【0050】
[0066] 上述したように、デバイス100を使用して、たとえば皮膚常在微生物等の微生物からの汚染が低減した体液のサンプルを獲得することができる。たとえば、いくつかの例では、医師、内科医、看護師、瀉血医、技師等の使用者は、デバイス100を操作して、入口113と体液源(たとえば、患者の静脈、脊髄腔からの脳脊髄液(CSF)、採尿等)との間に流体連通を確立することができる。所定の例として、いくつかの例では、入口113は、患者の皮膚を穿刺し、針の少なくとも一部を患者の静脈に挿入し、それにより入口113を体液源(たとえば、静脈、IVカテーテル、PICC等)と流体的に接続された状態に置くように操作することができる、針等に結合することができ、及び/又はそのような針等を含むことができる。
【0051】
[0067] いくつかの実施形態では、入口113が体液源(たとえば、患者の一部)と流体的に接続された状態に置かれると、出口114を流体収集デバイス180に流体的に結合することができる。上述したように、いくつかの実施形態では、流体収集デバイス180は、ある体液の体液を受け取るように構成された任意の好適なリザーバ、容器及び/又はデバイスであり得る。たとえば、流体収集デバイス180は、負圧を規定する真空リザーバ又は容器とすることができ、及び/又は、負圧を生成するように操作することができるシリンジとすることができる。いくつかの例では、出口114を流体収集デバイス180に結合することにより、流路116の少なくとも一部が流体収集デバイス180内の負圧及び/又は吸引力に選択的にさらされる。上述したように、流量コントローラ140の一部及び/又は表面が流路116と流体連通することができ、したがって、流量コントローラ140の一部及び/又は表面に負圧及び/又は吸引力をかけることができる。そして、負圧及び/又は吸引力は、流量コントローラ140を、隔離チャンバ130が第1容積を有するその第1状態から、隔離チャンバ130が第1容積よりも大きい第2容積を有するその第2状態に移行させるように動作可能であり得る。したがって、流量コントローラ140の移行(たとえば、流量コントローラ140が第1状態から第2状態に移行する結果としての隔離チャンバ130の容積の増大)に応じて、隔離チャンバ130内に初期体積の体液を引き込むことができる。
【0052】
[0068] いくつかの実施形態では、たとえば、流量コントローラ140は、負圧に応じて移行又は「反転」するように構成されたブラダー等であり得る。流量コントローラ140は、所定の態様で及び/又は所定の速度で移行するように構成することができ、それにより、隔離チャンバ130内への初期体積の体液の流れに関連する1つ又は複数の特徴を制御、調整及び/又は他の方法で決定することができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ140及びたとえばハウジング110の1つ又は複数の内面はまとまって、隔離チャンバ130の複数の異なる部分を画定することができる。こうした実施形態では、隔離チャンバ130の部分のうちの少なくとも1つを、詳細に上述したように、初期体積の体液の直前に隔離チャンバ130内に引き込まれたある体積の空気を収容するように構成することができる。したがって、流量コントローラ140が第1状態から第2状態に移行することにより、体液の体積の初期部分(本明細書では、「初期体積」又は「第1体積」とも称する)が入口113から流路115の少なくとも一部を通って隔離チャンバ130内に流れ込むようにすることができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ140を第1状態から第2状態に移行させることにより、制御デバイス100が、第1又は初期状態又は形態から、体液の初期部分又は体積が流路115の少なくとも一部内に又はそこを通って隔離チャンバ130内に流れ込むことができる、第2状態又は形態に移行することができる。
【0053】
[0069] 体液の初期体積は、上述したように、体液の任意の好適な体積であり得る。たとえば、いくつかの例では、制御デバイス100は、所定の及び/又は所望の体積(たとえば、初期体積)の体液が隔離チャンバ130に移送されるまで、第2状態又は形態にあり続けることができる。いくつかの実施形態では、初期体積は、隔離チャンバ130又はその一部の容積(たとえば、隔離チャンバ130又は隔離チャンバ130の所望の部分を充填するのに十分な体積)に関連し及び/又は少なくとも部分的に基づくことができる。他の実施形態では、体液の初期体積は、体液源と隔離チャンバ130との間に画定された流路に関連する容積と同一であるか又はそれよりも大きい体液の量又は体積に関連し及び/又は少なくとも部分的に基づくことができる。さらに他の実施形態では、制御デバイス100は、隔離チャンバ130と流路115及び/又は体積源との間の圧力差が、実質的に平衡状態になり及び/又は他の態様で所望の閾値未満に低下するまで、体液の流れ(たとえば、初期体積)を隔離チャンバ130内に移送するように構成することができる。
【0054】
[0070] 初期体積の体液が隔離チャンバ130内に移送され及び/又は分流した後、制御デバイス100を、第2状態又は形態から第3状態又は形態に移行させることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、初期体積の体液が隔離チャンバ130内に移送されるとき、アクチュエータ150を、その第1状態から第2状態に移行させることができ、それにより、制御デバイス100はその第3状態になる。より詳細には、いくつかの実施形態では、制御デバイス100及び/又は隔離チャンバ130の配置構成は、隔離チャンバ130内への体液の流れが、初期体積を受け取ることに応じて実質的に停止するか又は減速するというものであり得る。いくつかの実施形態では、たとえば、隔離チャンバ130は、圧力差が隔離チャンバ130内で、及び/又は隔離チャンバ130と流路115及び/又は体積源との間で等しくなるまで、体液の流れ(たとえば、初期体積の体液)を受け取ることができる。いくつかの例では、使用者は、デバイス100及び/又はハウジング110の一部を視覚的に点検して、隔離チャンバ130内に初期体積の体液が配置されている、及び/又は隔離チャンバ130内への体液の流れが減速するか又は実質的に停止したと判断することができる。いくつかの実施形態では、使用者は、アクチュエータ150に力をかけることができ、及び/又は他の方法でアクチュエータ150を作動させて、アクチュエータ150をその第1状態から第2状態に移行させることができる。他の実施形態では、アクチュエータ150を自動的に(たとえば、使用者の介入なしに)移行させることができる。
【0055】
[0071] アクチュエータ150がその第1状態からその第2状態に移行する(たとえば、制御デバイス100をその第3状態又は形態に置く)ことにより、隔離チャンバ130内で初期体積の体液を隔離し、分離し、切り離し、及び/又は保持することができる。本明細書においてさらに詳細に記載するように、いくつかの例では、たとえば、静脈穿刺事象の間に脱落した皮膚常在微生物等、他の外部汚染源、サンプルを収集するために使用されるカテーテル及びPICCラインのコロニー形成等の汚染物質が、初期体積の体液内に混入し及び/又は含まれる可能性がある。したがって、こうした汚染物質は、初期体積が隔離チャンバ130内に隔離されるときにその隔離チャンバ130内に隔離される。
【0056】
[0072] 隔離チャンバ130内で初期体積の体液を隔離することに加えて、アクチュエータ150をその第2状態に置くことにより、流路115の少なくとも一部と流路116の少なくとも一部との間に流体連通を確立して、後続体積の体液が、入口113から流路115及び/又は116の少なくとも一部を通って出口114まで流れることができるようにすることも可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、アクチュエータ150をその第1状態から第2状態に移行させることにより、たとえば、ポート又は弁を開放又は閉鎖し、1つ又は複数のシールを移動させ、1つ又は複数の障害物を移動させるか又は除去し、流路の1つ又は複数の部分を画定する等を行うことができる。流体収集デバイス180が出口114に流体的に結合された状態にあるとともに、制御デバイス100が第3状態又は形態にある状態で、流量コントローラ140に本来かけられる負の圧力差及び/又は吸引力を、流路115及び116の少なくとも一部に又はそこを通してかけることができる。したがって、任意の後続体積の体液は、入口113から、流路115及び116の少なくとも一部を通り、出口114を通って、流体収集デバイス180内に流れ込むことができる。上述したように、(たとえば、流体収集デバイス180内で)1つ又は複数のサンプル体積の体液を収集又は獲得する前に、隔離チャンバ130内で初期体積の体液を隔離することにより、1つ又は複数のサンプル体積における汚染物質の量が低減し、及び/又は実質的になくなる。さらに、いくつかの実施形態では、制御デバイス100の配置構成は、制御デバイス100が隔離チャンバ130内で初期体積を収集及び隔離する前は第3状態に移行することができないというものであり得る。
【0057】
[0073]
図2~
図11は、別の実施形態による流体制御デバイス200を示す。流体制御デバイス200(本明細書では「制御デバイス」又は「デバイス」とも称する)は、
図1を参照して上述したデバイス100と少なくとも形態及び/又は機能において同様であり得る。たとえば、デバイス100に関して上述したように、デバイス200は、負圧源(たとえば、吸引又は真空源)と流体的に接続された状態に置かれることに応じて、(1)体液源からデバイス200内に体液を引き込み、(2)デバイス200の一部において体液の第1部分又は量(たとえば、初期体積)を分流させるとともに隔離し、(3)体液の第2部分又は量(たとえば、後続体積)がデバイス200を通って(隔離された初期体積を迂回して)デバイス200に流体的に結合された流体収集デバイス内に流れ込むようにするように構成することができる。したがって、汚染物質等を、初期体積の体液内で又はそれとともに隔離して、実質的に汚染物質のない後続体積の体液を残すことができる。
【0058】
[0074] 流体制御デバイス200(本明細書では「制御デバイス」又は「デバイス」とも称する)は、ハウジング210、流量コントローラ240及びアクチュエータ250を含む。いくつかの実施形態では、制御デバイス200又は制御デバイス200の少なくとも一部をモジュール構成で配置することができ、そこでは、ハウジング210及び/又はアクチュエータ250の1つ又は複数の部分を物理的に且つ流体的に(たとえば最終使用者により)結合して、まとめて制御デバイス200を形成することができる。同様に、いくつかの実施形態では、制御デバイス200を、使用者が使用前又は使用中に制御デバイス200に結合することができる、流体収集デバイス(たとえば、サンプルリザーバ、シリンジ等)及び/又は入口デバイス(たとえば、針、カテーテル、末梢静脈内ライン(PIV)、末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)等)とは別個に、包装、輸送及び/又は保管することができる。他の実施形態では、制御デバイス200はモジュール式である必要はない。たとえば、いくつかの実施形態では、制御デバイス200を製造中に組み立てて、組立済みのデバイスとして供給業者及び/又は最終使用者に配送することができる。いくつかの実施形態では、制御デバイス200は、上述したもののうちの任意のもの等の流体収集デバイスを含むことができ、及び/又はそのような流体制御デバイスに(たとえば、製造中及び/又は最終使用者に配送する前に)事前結合することができる。同様に、いくつかの実施形態では、制御デバイス200は、本明細書に記載したもののうちの任意のもの等の入口デバイスを含むことができ、及び/又はそのような入口デバイスに事前結合することができる。
【0059】
[0075] 制御デバイス200のハウジング210は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。ハウジング210は、アクチュエータ部分212及び隔離部分220を含む。ハウジング210のアクチュエータ部分212は、アクチュエータ250の少なくとも一部を受け入れる。ハウジング210の隔離部分220は、カバー235に結合され、隔離チャンバ230を含み、受け入れ、収容し、及び/又は少なくとも部分的に画定する。本明細書においてさらに詳細に記載するように、ハウジング210は、第1ポート217及び第2ポート218を含むことができ及び/又は画定することができ、それらの各々が、アクチュエータ部分212とハウジング210の隔離部分220との間に流体連通を確立して、ハウジング210の1つ又は複数の部分を通る流体の流れを選択的に制御し及び/又は可能にする。
【0060】
[0076]
図2~
図6に示すように、ハウジング210のアクチュエータ部分212は、入口213及び出口214を含む。入口213は、詳細に上述したように、体液源と流体的に接続された状態に置かれてそこから体液の流れを受け取るように構成されている。たとえば、入口213は、針、IVカテーテル、PICCライン等の内腔含有デバイスに直接又は間接的に結合することができ、内腔含有デバイスはさらに体液源と流体連通している(たとえば、患者の体内に挿入される)。出口214は、上述したものうちの任意のもの等の流体収集デバイスに流体的に結合されるように構成されている。たとえば、流体収集デバイスは、サンプルリザーバ、シリンジ、中間体液移送デバイス、アダプタ又は容器(たとえば、‘783特許に記載されているものと同様の移送アダプタ)等であり得る。さらに、流体収集デバイスは、本明細書においてさらに詳細に記載するように、流体収集デバイス内に真空を規定し、及び/又は規定するように操作されて、流体収集デバイスを出口214に結合することによりハウジング210の1つ又は複数の部分の間に負の圧力差が発生するようにすることができる。
【0061】
[0077] たとえば
図7~
図11に図示するように、アクチュエータ部分212は、入口213と流体連通している流路215と、出口214と流体連通している流路216とを画定する。より詳細には、流路215(たとえば、第1流路)は、選択的に入口213を第1ポート217と流体的に接続された状態に置くように構成され、流路216(たとえば、第2流路)は、選択的に出口214を第2ポート218と流体的に接続された状態に置くように構成されている。さらに、本明細書においてさらに詳細に記載するように、初期体積の体液が隔離チャンバ230内に移送された後、流路215及び216の間に流体連通を確立することができ、それにより、後続体積の体液が、入口213から流路215及び216の少なくとも一部を通って出口214まで(及び/又は出口214に結合された流体収集デバイスまで)流れることができる。
【0062】
[0078] ハウジング210の隔離部分220は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。たとえば
図6~
図8に示すように、隔離部分220は、内面を含み及び/又は形成し、その内面の一部が、第1凹凸(contoured)面221を形成するように配置及び/又は構成されている。本明細書においてさらに詳細に記載するように、第1凹凸面221の少なくとも一部が、隔離チャンバ230の一部を形成及び/又は画定することができる。さらに、本明細書においてさらに詳細に記載するように、第1ポート217及び第2ポート218は、隔離チャンバ230を選択的に流路215及び216と流体的に接続された状態に置くように第1凹凸面221の一部を形成し及び/又はその一部を通して延在するように構成されている。
【0063】
[0079] 隔離部分220は、外郭部材225及び流量コントローラ240を含み、形成し及び/又は収容するように構成されている。より詳細には、
図6~
図8に示すように、隔離部分220は、流量コントローラ240が隔離部分220と外郭部材225との間に配置されるように、外郭部材225を受け入れ及び/又は外郭部材225に結合されている。いくつかの実施形態では、外郭部材225は、接着剤、超音波溶接、及び/又は他の任意の好適な結合方法を介して、隔離部分220に固定して結合することができる。いくつかの実施形態では、外郭部材225、隔離部分220及び流量コントローラ240はまとまって、隔離部分220の外側の容積部から隔離部分220を分離する、実質的に流体密封及び/又は密閉シールを形成することができる。
【0064】
[0080] 図示するように、カバー235が外郭部材225の周囲に配置されて、カバー235及びハウジング210の隔離部分220が外郭部材225及び流量コントローラ240を包囲及び/又は収容するように構成されている。いくつかの実施形態では、カバー235は、接着剤、超音波溶接、1つ又は複数の機械的締結具、摩擦嵌め、スナップフィット、ねじ結合、及び/又は他の任意の好適な結合の態様を介して、外郭部材225及び/又は隔離部分220に結合することができる。いくつかの実施形態では、カバー235は、隔離チャンバ230の少なくとも一部の視覚化を可能にするように構成された開口部、窓、スロット等を画定することができる。外郭部材225及びカバー235について、別個の部品及び/又は構成要素であるものとして上述しているが、他の実施形態では、外郭部材225をカバー235と一体化し及び/又は一体的に形成することができる。
【0065】
[0081] 外郭部材225は、第2凹凸面226を含み及び/又は形成している。外郭部材225及びハウジング210の隔離部分220の配置構成は、第1凹凸面221の少なくとも一部が外郭部材225の第2凹凸面226の対応する部分と位置合せされ及び/又は対向するというものであり得る(たとえば、
図8を参照)。したがって、第1凹凸面221と第2凹凸面226との間に画定された空間、容積部、開口部、空隙、チャンバ等が、隔離チャンバ230を形成及び/又は画定する。さらに、本明細書においてさらに詳細に記載するように、流量コントローラ240は、第1凹凸面221と第2凹凸面226との間に配置されており、隔離チャンバ230の少なくとも一部に負の圧力差及び/又は吸引力が加えられることに応じて、第1状態と第2状態との間で移行するように構成することができる。
【0066】
[0082] ハウジング210のポート217及び218は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。上述したように、第1ポート217は、隔離チャンバ230と流体連通しており、隔離チャンバ230と流路215及び/又は入口213との間に選択的に流体連通を確立することができる。より詳細には、第1ポート217は、第2凹凸面226と流量コントローラ240の第1側部との間に画定された隔離チャンバ230の第1部分と流体連通している。本明細書においてさらに詳細に記載するように、第1ポート217は、流量コントローラ240が第1状態から第2状態に移行することに応じて、入口213及び流路215から、第2凹凸面226と流量コントローラ240の第1側部との間に画定された隔離チャンバ230の第1部分内への体液の流れを提供及び/又は移送するように構成することができる。
【0067】
[0083] 第2ポート218は、隔離チャンバ230と流体連通しており、隔離チャンバ230と流路216及び/又は出口214との間に選択的に流体連通を確立することができる。より詳細には、第2ポート218は、第1凹凸面221と流量コントローラ240の(たとえば、第1側部とは反対側の)第2側部との間に画定された隔離チャンバ230の第2部分と流体連通している。本明細書においてさらに詳細に記載するように、第2ポート218は、第1凹凸面221と流量コントローラ240の第2側部との間に画定された隔離チャンバ230の第2部分を、流体収集デバイス(たとえば、真空採血管、培養瓶、シリンジ等)が出口214に流体的に結合されることからもたらされる負の圧力差及び/又は吸引力にさらすように構成することができる。さらに、負の圧力差及び/又は吸引力は、流量コントローラ240をその第1状態からその第2状態に移行させるように動作可能であり得る。いくつかの例では、負の圧力差の大きさを調整及び/又は制御することが望ましい場合がある。したがって、第2ポート218は、絞り219を含むことができ、及び/又は絞り219に結合することができる。本明細書においてさらに詳細に記載するように、絞り219は、隔離チャンバ230の第2部分と流路216との間で流体(たとえば、空気又は気体)の流れを制限及び/又は限定し、それにより、流量コントローラ240に加えられるか又は流量コントローラ240が受ける圧力差及び/又は吸引力の大きさを調整及び/又は制御するように構成することができる。
【0068】
[0084] 流量コントローラ240は、ハウジング210内の隔離部分220と外郭部材225との間に(たとえば、隔離チャンバ230内に)配置されている。流量コントローラ240は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。同様に、流量コントローラ240は、任意の好適な材料(たとえば、本明細書に記載したもの等の任意の好適な生体適合性材料、及び/又は他の任意の好適な材料)で形成することができる。たとえば、流量コントローラ240は、第1状態及び/又は形態から第2状態及び/又は形態に移行するように構成された流体不透過性ブラダー、膜、ダイアフラム等であり得る。いくつかの実施形態では、流量コントローラ240(たとえば、ブラダー)は、流量コントローラ240を横切る圧力差に応じて変形するように構成された任意の数の比較的薄く且つ可撓性のある部分を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、流量コントローラ240は、任意の好適な医療グレードのエラストマー及び/又は上述した生体適合性材料のうちの任意のもので又はそのようなものから形成することができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ240は、約5ショアA~約70ショアA、約10ショアA~約60ショアA、約20ショアA~約50ショアA、約30ショアA~約40ショアAのデュロメータ硬さ、及び/又は他の任意の好適なデュロメータ硬さを有することができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ240は、約20ショアA~約50ショアAのデュロメータ硬さを有するシリコーンで又はそのようなシリコーンから形成することができる。より詳細には、いくつかのこうした実施形態では、流量コントローラ240は、約30ショアAのデュロメータ硬さを有するシリコーンで又はそのようなシリコーンから形成することができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ240は、約0.001インチ~約0.1インチの厚さを有する比較的薄く且つ可撓性のある部分を含むことができる。他の実施形態では、比較的薄く且つ可撓性のある部分は、0.001インチ未満又は0.1インチ超である厚さを有することができる。
【0069】
[0085] いくつかの実施形態では、流量コントローラ240は、所望の流れ特性の組を有する流体流を容易にし、促進し、及び/又は他の方法でもたらすように構成されたサイズ及び/又は形状を有することができる。同様に、流量コントローラ240は、所望の流れ特性の組を有する流体流を容易にし、促進し、及び/又は他の方法でもたらすように構成された、1つ又は複数の材料特性及び/又は1つ又は複数の表面仕上げを有する材料で又はそのような材料から形成することができる。本明細書においてさらに詳細に記載するように、流れ特性の組は、比較的一様な又は平滑な流体流、実質的に層流の流体流及び/又は比較的低乱流の流体流、実質的に均一な前面を有する流体流、他の流体と容易に混合しない流体流(たとえば、空気の流れ又はある体積の空気と混合しない体液の流れ)等とすることができ、及び/又はそのようなものを含むことができる。
【0070】
[0086]
図2~
図11に示す実施形態では、流量コントローラ240は、約30ショアAのデュロメータ硬さを有するシリコーンで又はそのようなシリコーンから形成されたブラダー(又はダイアフラム)である。流量コントローラ240(たとえば、ブラダー)は、第1変形可能部分241、第2変形可能部分242及び第3変形可能部分243を含む。さらに、流量コントローラ240は開口部244を画定する。たとえば
図8に示すように、流量コントローラ240は、第1ポート217が開口部244を通って延在するように、ハウジング210の隔離部分220内に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ240の配置構成は、開口部244を画定する流量コントローラ240の表面が、ハウジング210の隔離部分220の内面の一部分(たとえば、第1ポート217を画定及び/又は形成する部分)と実質的に流体密封シールを形成するというものである。さらに、本明細書においてさらに詳細に記載するように、流量コントローラ240は、流量コントローラ240並びに凹凸面221及び226の各々と、及び/又は流量コントローラ240と凹凸面221及び226の各々との間に1つ又は複数のシールを形成するように構成された、1つ又は複数の部分を含むことができる。
【0071】
[0087] 流量コントローラ240の変形可能部分241、242及び243は、流量コントローラ240の第1側部と流量コントローラ240の第2側部との間の圧力差に応じて変形するように構成された、比較的薄く且つ可撓性のある部分であり得る。より詳細には、変形可能部分241、242及び243は、各々、約0.005インチの厚さを有することができる。たとえば
図8及び
図10に示すように、流量コントローラ240の変形可能部分241、242及び243は、凹凸面221及び/又は226の少なくとも一部と同じ全体的な形状に対応し及び/又はそのような形状を実質的に有する。したがって、本明細書においてさらに詳細に記載するように、変形可能部分241、242及び243並びに凹凸面221及び/又は226の対応する部分はまとまって、1つ又は複数のチャネル等を形成及び/又は画定することができ、それはさらに、初期体積の体液を受け取ることができる。
【0072】
[0088] 上述したように、流量コントローラ240は、第1状態と第2状態との間で移行するように構成されている。たとえば、
図8に示すように、流量コントローラ240がその第1状態にあるとき、変形可能部分241、242及び243は、第2凹凸面226に隣接して及び/又は実質的に接触して配置される。より具体的には、第1変形可能部分241は、第2凹凸面226によって形成された第1凹部227に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第2変形可能部分242は、第2凹凸面226によって形成された第2凹部228に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第3変形可能部分243は、第2凹凸面226によって形成された第3凹部229に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができる。
【0073】
[0089] したがって、隔離チャンバ230の第1部分(たとえば、第2凹凸面226と流量コントローラ240の第1面との間に画定された部分)は、比較的小さく及び/又は比較的ごくわずかな容積を有することができる。対照的に、流量コントローラ240が(たとえば、第2ポート218を介して加えられた及び/又は伝達された負圧に応じて)その第1状態からその第2状態に移行すると、少なくとも変形可能部分241、242及び243は、第1凹凸面221に隣接して及び/又は実質的に接触して配置される。より具体的には、第1変形可能部分241は、第1凹凸面221によって形成された第1凹部222に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第2変形可能部分242は、第1凹凸面221によって形成された第2凹部223に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第3変形可能部分243は、たとえば第1凹凸面221の非凹状部分に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができる。
【0074】
[0090] したがって、隔離チャンバ230の第1部分の容積は、流量コントローラがその第1状態にあるときよりもその第2状態にあるときの方が大きい。言い換えれば、変形可能部分241、242及び243並びに第2凹凸面226は、初期体積の体液を受け取るように構成された1つ又は複数のチャネル(たとえば、隔離チャンバ230)を画定することができる。いくつかの例では、本明細書においてさらに詳細に記載するように、隔離チャンバ230の第1部分の容積が増大することにより、その中に、初期体積の体液を隔離チャンバ230内に引き込むように動作可能であり得る負圧又は真空をもたらすことができる。さらに、いくつかの実施形態では、変形可能部分241、242及び/又は243の配置構成は、体液の流れの直前に隔離チャンバ230内に引き込まれたある体積の空気が、第1変形可能部分241及び/又は第2変形可能部分242に対応する隔離チャンバ230の部分内に流れ込み及び/又はその中に配置され得るようなものであり得る。
【0075】
[0091] 流量コントローラ240について
図6~
図11を参照して詳細に上述しているが、他の実施形態では、流量コントローラ240及び/又は隔離チャンバ230は、任意の好適な構成及び/又は配置を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、凹凸面221及び/又は226は、より多いか又は少ない凹部(たとえば、それぞれ、凹部222及び223並びに凹部227、228及び229)を含むことができる。他の実施形態では、1つ又は複数の凹部の深さを変更することができる。同様に、流量コントローラ240は、凹凸面221及び/又は226の形状及び/又は構成に実質的に対応するように任意の好適な態様で変更することができる。いくつかの実施形態では、こうした変更形態は、たとえば、本明細書においてさらに詳細に記載するように、気体(たとえば、空気)及び/又は流体(たとえば、体液)の流れに関連する1つ又は複数の特性、流量コントローラ240が移行する方法及び速度に関連する1つ又は複数の特性等を変更することができる。
【0076】
[0092] 流量コントローラ240について、複数の変形可能部分を含むブラダー等であるものとして記載しているが、他の実施形態では、流量コントローラを、たとえば、ベローズ、可撓性パウチ、膨張可能バッグ、膨張可能チャンバ、(たとえば、シリンジと同様の)プランジャ、及び/又は他の任意の好適な再構成可能な容器等として配置及び/又は構成することができる。さらに、少なくとも部分的に流量コントローラ240によって形成された隔離チャンバ230は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成を有することができる。
【0077】
[0093] 制御デバイス200のアクチュエータ250は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。アクチュエータ250の少なくとも一部は、ハウジング210のアクチュエータ部分212内に配置され、第1状態、形態及び/又は位置と第2状態、形態及び/又は位置との間で移行するように構成されている。
図2~
図11に示す実施形態では、アクチュエータ250は、ハウジング210のアクチュエータ部分212に対して移動するように構成されたアクチュエータロッド又はプランジャとして構成されている。アクチュエータ250は、ハウジング210の外部に配置されるとともに、アクチュエータ250をその第1状態とその第2状態との間で移行させるように使用者が作動させるように構成された、端部251を含む。
図6~
図11に示すように、アクチュエータ250の一部は、一組のシール255を含み、及び/又は一組のシール255に結合されている。シール255は、たとえば、Oリング、エラストマーオーバーモールド、盛り上がった又は隆起した広がり部分又は取付具等であり得る。アクチュエータ250及びハウジング210アクチュエータ部分212の配置構成は、シール255の内側部分がアクチュエータ250の表面と流体密封シールを形成し、シール255の外側部分が本体210のアクチュエータ部分212の内面と流体密封シールを形成するといったものであり得る。言い換えれば、シール255は、アクチュエータ250とアクチュエータ部分212の内面との間に1つ又は複数の流体密封シールを形成する。
図7~
図11に示すように、アクチュエータ250は、4つのシール255を含み及び/又はそれらに結合され、4つのシール255は、アクチュエータ250とそれらとの間に1つ又は複数の流路を選択的に形成及び/又は画定するようにアクチュエータ250に沿って分散させることができる。さらに、本明細書においてさらに詳細に記載するように、アクチュエータ250は、アクチュエータ250がその第2状態に移行したときに流路215及び216の間の流体連通を補助及び/又は促進することができる、一対のシール255の間に画定された流れチャネル252を画定する。アクチュエータ250について、4つのシール255を含むものとして上述しているが、他の実施形態では、アクチュエータ250は、4つよりも少ないシール255又は4つよりも多いシール255を含むことができる。
【0078】
[0094] いくつかの実施形態では、ハウジング210のアクチュエータ部分212及びアクチュエータ250は、まとまってロックを含み、及び/又はまとまってロックを形成する。たとえば、
図6及び
図8に示すように、ハウジング210のアクチュエータ部分212は開口部238を画定することができ、アクチュエータ250は、開口部238内に少なくとも部分的に配置されるように構成された係止部材、ラッチ、突起、タブ等(本明細書では「ロック253」と称する)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロック253は、開口部238内に整列及び/又は配置することができ、アクチュエータ250がハウジング210から取り除かれるのを制限及び/又は実質的に阻止することができる。いくつかの実施形態では、ロック253は、ロック253が、アクチュエータ250がハウジング210に対して移動するのを制限及び/又は実質的に阻止する係止状態と、アクチュエータ250をたとえばその第1状態及び/又は位置とその第2状態及び/又は位置との間で移動させることができる係止解除状態との間で移行させることができる。いくつかの例では、こうした配置構成により、たとえば、初期体積の体液を隔離チャンバ230内で移送する前に、アクチュエータ250作動するのを制限及び/又は実質的に阻止することができる。他の実施形態では、ロック253は、たとえば、初期体積の体液を隔離チャンバ230内に移送した後に、係止解除状態から係止状態に移行することができる。
【0079】
[0095]
図7及び
図8に示すように、アクチュエータ250が(たとえば、デバイス100を使用する前に)第1状態及び/又は位置に配置されると、流路215は、入口213と第1ポート217との間に流体連通を確立することができる。より詳細には、アクチュエータ250はハウジング210に対して、シール255の各々が入口213の第1ポート217に関連する側に対して反対側の入口213の側に配置されるような位置にあり得る。言い換えれば、アクチュエータ250及び/又はシール255は、
図7及び
図8に示すように、アクチュエータ250が第1状態及び/又は位置にあるとき、流路215を妨げ及び/又は閉塞しない。したがって、本明細書においてさらに詳細に記載するように、アクチュエータ250が第1状態及び/又は位置にあるとき、ある体積(たとえば、初期体積)の体液は、入口213から、流路215及び第1ポート217を通って隔離チャンバ230内に流れ込むことができる。
【0080】
[0096]
図9~
図11に示すように、アクチュエータ250をその第2状態及び/又は位置に置くために、アクチュエータ250の端部251に力をかけることができる。第2状態及び/又は位置にあるとき、入口213及び出口214は、流路215及び216及び/又は流れチャネル252の少なくとも一部を介して流体的に接続された状態に置かれる。
図9及び
図11に示すように、入口213及び出口214が各々シール255の同じ対の間に配置され、それにより、それらを通る体液の流れを可能にするように、アクチュエータ250を位置決めすることができる。さらに、アクチュエータ250によって画定される流れチャネル252は、体液の流れを補助及び/又は促進する(たとえば、
図11を参照)。たとえば、いくつかの実施形態では、流れチャネル252は、入口213によって画定された流路215の一部と出口214によって画定された流路216の一部との間に流体連通を確立することができる。さらに、シール255の配置構成は、第1ポート217及び第2ポート218が各々、入口213及び出口214の各々から隔離及び/又は分離されるというものである。したがって、アクチュエータ250を第2状態及び/又は位置にすることにより、(1)隔離チャンバ230及びその中に配置された任意の体積の体液を隔離及び/又は分離し、(2)入口213と出口214との間に流体連通を確立し、それにより、ある体積の体液がデバイス200を通って、出口214に流体的に結合された流体収集デバイス(図示せず)内に流れ込むことができるようにすることができる。
【0081】
[0097] いくつかの実施形態では、シール255の組は、デバイス200の他の部分の間に流体連通を確立する前に、デバイス200の1つ又は複数の部分を隔離、分離及び/又は封止するように構成することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、上述したように、アクチュエータ250は、第1状態にあるとき、ハウジング210のアクチュエータ部分212に対して第1位置にあり得る。こうした例では、アクチュエータ250を作動させる(たとえば、アクチュエータ250の端部251に力をかける)ことは、アクチュエータ250を、アクチュエータ部分212に対する第1位置からアクチュエータ部分212に対する第2位置まで移動させることを含むことができ、その第2位置では、(1)第1シール255は、第1ポート217と入口213及び/又はその内腔との間に配置され、(2)入口213及び/又はその内腔は、第1シール255と第2シール255との間に配置され、(3)出口214及び/又はその内腔は、第2シール255と第3シール255との間に配置され、(4)第2ポート218は、第3シール255と第4シール255との間に配置される。このように、入口213は第1ポート217から隔離され、出口214は第2ポート218から隔離され、入口213と出口214との間にはまだ流体連通が確立されていない(たとえば、入口213は出口214から隔離されている)。
【0082】
[0098] いくつかの例では、アクチュエータ250の作動は、アクチュエータ250を、アクチュエータ部分212に対する第2位置から、アクチュエータ250が第2状態にある、アクチュエータ部分212に対する第3位置まで移動させることをさらに含むことができる。したがって、第2シール255は、第1ポート217と入口213及び/又はその内腔との間に配置され、入口213及び出口214(及び/又はそれらの内腔)の各々は、第2シール255と第3シール255との間に配置され、第2ポート218は、第3シール255と第4シール255との間に配置される。したがって、第1ポート217及び第2ポート218の各々は、入口213及び出口214(及び/又はそれらの内腔)から隔離され、入口213と出口との間(及び/又はそれらの内腔の間)に、(たとえば、流れチャネル252を介して)流体連通が確立される。
【0083】
[0099] アクチュエータ250は、この例では、アクチュエータ部分212に対して第1位置と第2位置と第3位置との間で移動しているように記載しているが、アクチュエータ250を第1状態から第2状態に移行させることは、アクチュエータ250をアクチュエータ部分212に対する第1位置からアクチュエータ部分212に対する第2位置を通してアクチュエータ部分212に対する第3位置まで、実質的に連続的な態様で移動させることを含むことができることが理解されるべきである。他の実施形態では、アクチュエータ250は、任意の数の不連続ステップで作動、移動及び/又は移行させることができる。たとえば、いくつかの例では、アクチュエータ250は、アクチュエータ250をアクチュエータ部分212に対する第1位置からアクチュエータ部分212に対する第2位置まで移動させるように、第1所定量だけ移行させることができ、その後、アクチュエータ250をアクチュエータ部分212に対する第2位置からアクチュエータ部分212に対する第3位置まで移動させるように、第2所定量だけ(たとえば、第2及び/又は不連続ステップで)移行させることができる。アクチュエータ250について4つのシール255を含むものとして上述しているが、他の実施形態では、アクチュエータは、アクチュエータ250と機能的に同様であり得るとともに、4つよりも少ないシール(たとえば、1つのシール、2つのシール又は3つのシール)又は4つよりも多いシール(たとえば、5つのシール、6つのシール、7つのシール、又はそれよりも多いシール)を含むことができる。
【0084】
[0100] 上述したように、デバイス200を使用して、汚染(たとえば、たとえば皮膚常在微生物、体液源の外部の微生物等の微生物からの汚染)が低減した体液のサンプルを獲得することができる。たとえば、使用の前、デバイス200は、流量コントローラ240及びアクチュエータ250の各々がそのそれぞれの第1又は初期状態にある、その第1、初期及び/又は保管状態又は動作モードにあり得る。デバイス200が第1状態にあって、医師、内科医、看護師、瀉血医、技師等の使用者は、デバイス200を操作して、入口213と体液源(たとえば、患者の静脈)との間に流体連通を確立することができる。入口213が体液源と流体的に接続された状態に置かれると、出口214を流体収集デバイス(
図2~
図11には示さず)に流体的に結合することができる。
図2~
図11に示す実施形態では、たとえば、流体収集デバイスは、真空採血管、培養瓶、サンプルリザーバ、シリンジ、及び/又は負圧、吸引力、真空及び/又はエネルギーポテンシャルを規定又は生成するように構成された他の任意の好適な容器又はデバイスであり得る。
【0085】
[0101] アクチュエータ250が第1位置及び/又は形態にあるとき、ハウジング210の入口213は、たとえば流路215と流体連通し、流路215はさらに、第1ポート217と流体連通している。ハウジング210の出口214は、流路216と流体連通し、流路216はさらに、第2ポート218と流体連通している。より詳細には、
図7及び
図8に示すように、アクチュエータ250のシール255のうちの1つ又は複数は、(1)入口213と流路215と第1ポート217との間の流体連通を可能にし及び/又は確立し、(2)入口213、流路215及び第1ポート217を出口214、流路216及び第2ポート218から流体的に分離する、ハウジング210のアクチュエータ部分212に対する位置にあり得る。したがって、制御デバイス200が第1状態又は動作モードにあるとき(たとえば、アクチュエータ250及び流量コントローラ240が各々それらの第1状態にあるとき)、流体収集デバイスを出口214に流体的に結合することにより、流路216の少なくとも一部内に、さらに、流量コントローラ240の表面(たとえば、第1面)とハウジング210の第1凹凸面221との間に画定された隔離チャンバ230の部分内に、負の圧力差及び/又は吸引力が発生し及び/又は他の方法でもたらされる。
【0086】
[0102] 流量コントローラ240は、流体収集デバイスが出口214に結合される前は、第1状態及び/又は形態にある。
図2~
図11に示す実施形態では、流量コントローラ240は、流体収集デバイスを出口214に結合する前は反転した、逆転した、つぶれた、及び/又は空の形態(たとえば、第1状態及び/又は形態)を有することができる、流体不透過性のブラダー、ダイアフラム、膜等である。たとえば、
図8に示すように、流量コントローラ240がその第1状態及び/又は形態にあるとき、流量コントローラ240を、第2凹凸面226に隣接して及び/又は接触して配置することができる。別の言い方をすれば、流量コントローラ240の(第2側部とは反対側の)第1側部を第2凹凸面226に隣接して配置することができ、及び/又は第2凹凸面226に接触させることができる。
【0087】
[0103] 上述したように、流量コントローラ240は、流量コントローラ240と第1凹凸面221との間に画定された隔離チャンバ230の部分内に負の圧力差及び/又は吸引力が発生することに応じて、その第1状態及び/又は形態からその第2状態及び/又は形態に移行するように構成されている。たとえば、
図10に示すように、流量コントローラ240は、流量コントローラ240及び/又は流量コントローラ240の(第1側部とは反対側の)第2側部が第1凹凸面221に隣接して及び/又は接触して配置される、その第2状態及び/又は形態に移行し、移動し、「反転し」及び/又は再構成するように構成することができる。別の言い方をすれば、負の圧力差及び/又は吸引力は、流量コントローラ240の少なくとも一部を第1凹凸面221に向かうとともに第2凹凸面226から離れるように、引き寄せ、引っ張り、及び/又は他の方法で移動させる。さらに、アクチュエータ250がその第1状態にあるとともに、流量コントローラ240がその第2状態にあるとき、制御デバイス200は、その第2状態及び/又は形態に置かれる。
【0088】
[0104] 流量コントローラ240の移行により、流量コントローラ240の表面(たとえば、流量コントローラ240の第1側部)と第2凹凸面226との間に画定された隔離チャンバ230の部分の内部容積が増大することになる。そして、内部容積の増大により、(少なくとも一部には流量コントローラ240によって画定された)隔離チャンバ230の上記部分とたとえば入口213との間に、体液の初期流れ、量又は体積の少なくとも一部を入口213から流路215及び第1ポート217を通って隔離チャンバ230の上記部分内に引き込む際に動作可能である、負の圧力差をもたらすことができる。いくつかの例では、たとえば、流量コントローラ240が完全に膨張し、反転し及び/又は移行するまで、負の圧力差が低下及び/又は等化するまで、及び/又は隔離チャンバ230の上記部分内に所望の体積の体液が配置されるまで、隔離チャンバ230内に体液の初期体積及び/又は流れを移送することができる。
【0089】
[0105] いくつかの例では、流量コントローラ240が移行する方法、及び/又は流量コントローラ240の一方の側又は両方の側において隔離チャンバ230内で発生する負の圧力差及び/又は吸引力の大きさを、調整及び/又は制御することが望ましい場合がある。
図2~
図11に示す実施形態では、たとえば、第2ポート218は、流路216と、流量コントローラ240と第1凹凸面221との間に画定された隔離チャンバ230の部分との間に流体連通を確立する、絞り219を画定し、含み、受け入れ、及び/又は他の方法で絞り219に結合される。
【0090】
[0106] いくつかの実施形態では、絞り219は、(たとえば、流路216の少なくとも一部の直径に対する)比較的小さい直径を有する内腔又は流路を画定することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、絞り219は、約0.0005インチ、約0.001インチ、約0.003インチ、約0.005インチ、約0.01インチ、約0.1インチ、約0.5インチ又はそれを超える直径を有することができる。他の実施形態では、絞り219は、0.0005インチ未満又は0.5インチ超の直径を有することができる。いくつかの実施形態では、絞り219は、約0.01インチ、約0.05インチ、約0.1インチ、約0.15インチ、約0.2インチ、約0.5インチ又はそれを超える所定の及び/又は所望の長さを有することができる。他の実施形態では、絞り219は、0.01インチ未満又は約0.5インチ超である所定の及び/又は所望の長さを有することができる。さらに、いくつかの実施形態では、絞り219は、制御デバイス200の少なくとも一部を通して所望の流体(たとえば、空気)の流れ特性を可能にし及び/又は提供する、直径及び長さの任意の好適な組合せを有することができる。絞り219について、比較的小さい内腔及び/又は流路を画定するものとして上述しているが、他の実施形態では、絞りは、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、絞りは、多孔質材料、半透過性部材又は膜、機械的弁、浮遊物及び/又はリミッタ、及び/又はそれ自体の少なくとも一部を横切る圧力差を調整するように構成された他の任意の好適な部材若しくはデバイスであり得る。
【0091】
[0107]
図2~
図11に示す実施形態では、絞り219の直径が比較的小さいことにより、隔離チャンバ230の上記部分を通り及び/又はその中で、より大きい直径を有する絞りによって本来加えられるよりも、又は第2ポート218が絞り219を含まないか又は受け入れていなかった場合よりも、低い大きさの負圧が加えられることになる。たとえば、いくつかの実施形態では、流体収集デバイス及び/又は他の好適な負圧源は、(略海面での気圧で又は実質的にそのような気圧で)約0.5ポンド/平方インチ(PSI)、約1.0PSI、約2.0PSI、約3.0PSI、約4.0PSI、約5.0PSI、約10.0PSI、約12.5PSI又は約14.7PSIの大きさ(たとえば、負の大きさ)を有する負の圧力差を規定及び/又は生成することができる。いくつかの実施形態では、真空採血管等の流体収集デバイスは、約12.0PSIの所定の負圧を有することができる。したがって、絞り219の直径及び/又は長さを制御することにより、隔離チャンバ230の上記部分がさらされる負圧の量、及び/又は負圧が加えられる速度を、制御し、低減させ、及び/又は他の方法で調整することができる。いくつかの例では、絞り219の使用により、隔離チャンバ230の上記部分の上又は中にかけられる負圧が遅延するか又は上昇するようにすることができる。
【0092】
[0108] 圧力調整について、絞り219(すなわち、単一の制限された流路)の直径に基づくものとして上述しているが、これは、限定ではなく単に例として提示されていることが理解されるべきである。隔離チャンバ230の上記部分がさらされる負圧の大きさを調整する他の手段としては、たとえば、多孔質材料、弁、膜、ダイアフラム、所定の制限、通気孔、変形可能な部材若しくは流路、及び/又は他の任意の好適な手段を挙げることができる。他の実施形態では、制御デバイスが、任意の好適な数の制限された流路を含むことができ、それらの各々が、実質的に同じ直径を有することができ、又は異なる直径を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、制御デバイスが、最大100個又はそれより多くの制限された流路を含むことができる。こうした実施形態では、制限された流路の各々は、約0.0005インチ~約0.1インチ、約0.0005インチ~約0.05インチ、又は約0.0005インチ~約0.01インチの直径を有することができる。いくつかの実施形態では、複数の制限された流路は、出口214と隔離チャンバ230の上記部分との間に、隔離チャンバ230の上記部分を負の圧力差にさらす流路を選択的に提供するように構成することができる。
【0093】
[0109] いくつかの実施形態では、隔離チャンバ230の上記部分がさらされる圧力の大きさを調整及び/又は制御することにより、隔離チャンバ230の1つ又は複数の容積が増大する速度を調整することができる。いくつかの例では、容積増大の速度(したがって、吸引力)を調整することにより、体液に対して及び/又は患者の静脈内にかけられる圧力の大きさを調整及び/又は制限することができる。いくつかの例では、こうした圧力調整により、たとえば、血液サンプルの溶血及び/又は静脈を虚脱させる可能性を低減させることができる。いくつかの例では、負圧又は吸引の量又は大きさを調整及び/又は制御することができることにより、負圧が、たとえば血液等の体液の収集を容易にするために必要である(すなわち、気圧と患者の血管圧力との圧力差が一貫した且つ十分に力強い流れを容易にするのに十分ではない)が、急速な力が血液を収集するための開存性及び能力を低下させ、崩壊させ、へこませ、及び/又は他の方法で妨げるほどの圧力ではないという、生理学的課題を有する可能性がある広範囲の患者にわたって、制御デバイス200を使用することができる。
【0094】
[0110] いくつかの実施形態では、隔離チャンバ230及び/又は流量コントローラ240の形状、サイズ及び/又は配置構成、負の圧力差又は吸引力の大きさ、及び/又は負の圧力差又は吸引力がかけられる方法により、流量コントローラ240が第1状態から第2状態に移行する速度及び/又は態様を指示及び/又は制御することができる。いくつかの例では、流量コントローラ240が移行する速度、順序及び/又は態様を制御することにより、隔離チャンバ230の少なくとも一部内への及び/又はそこを通る空気、気体及び/又は体液の流れに関連する1つ又は複数の所望の流れ特性をもたらすことができる。
【0095】
[0111] たとえば、本実施形態に含まれる配置構成は、流量コントローラ240の第3変形可能部分243の移行及び/又は反転が、第1変形可能部分241及び第2変形可能部分242の移行及び/又は反転の完了前に完了するというものであり得る。いくつかの例では、この配置構成は、第1変形可能部分241と第2凹凸面226の第1凹部227とによってまとめて画定される隔離チャンバ230の部分(たとえば、隔離チャンバ230の第1容積部)が、流路が体液を受け取り及び/又は体液で充填される前に、体液源と隔離チャンバ230との間の流路内にあったある体積の空気の少なくとも一部を受け取るというものであり得る。同様に、第2変形可能部分242と第2凹凸面226の第2凹部228とによってまとめて画定された隔離チャンバ230の部分(たとえば、隔離チャンバ230の第2容積部)が、流路内にあった上記体積の空気の少なくとも一部を受け取ることができる。言い換えれば、流量コントローラ240の移行により、体液源と隔離チャンバ230との間の流路から空気又は気体を排気、排出及び/又はパージすることができ、その後、そのような空気又は気体は、隔離チャンバ230の第1容積部及び第2容積部内に収集、保管及び/又は収容することができる。一方、第3変形可能部分243と第2凹凸面226の第3凹部229とによってまとめて画定された隔離チャンバ230の部分(たとえば、隔離チャンバ230の第3容積部)が、空気又は気体が隔離チャンバ230の第1容積部及び/又は第2容積部内に収集された後、体液源と隔離チャンバ230との間の流路を通って流れる初期体積の体液を受け取ることができる。
【0096】
[0112] いくつかの例では、変形可能部分241、242及び/又は243の配置構成及び/又は移行の順序により、たとえば、隔離チャンバ230の第3容積部内への初期体積の体液の一様な流れをもたらすことができる。より詳細には、第3変形可能部分243は、第1変形可能部分241及び/又は第2変形可能部分242それぞれの完了した又は実質的に完了した移行及び/又は反転の前に、その第1状態及び/又は位置からの移行及び/又は反転を完了するか又は実質的に完了するように構成され、それにより、体液は、実質的に均一な前面で第3変形可能部分243の少なくとも一部内に及び/又はそこを通って流れることができる。このように、第3変形可能部分243は、体液の流れが隔離チャンバ230に入る前は第2状態、形態及び/又は位置にあり得る。したがって、隔離チャンバ230の第3容積部は、体液の流れが隔離チャンバ230に入る際に比較的一貫した及び/又は均一な断面形状及び/又は断面積を有することができ、及び/又は画定することができ、それにより、体液流の一部の吸取り、体液流の一貫しない局所流速、及び/又は隔離チャンバ230の第3容積部の他の態様での不均一な充填を制限することができる。
【0097】
[0113]
図8及び
図10に示すように、第1凹凸面221は、凹部222及び223を含み、それらは各々、流量コントローラ240の変形可能部分243に位置合せされ及び/又は他の方法で関連付けられた第1凹凸面221の部分よりも深い。別の言い方をすれば、第1凹凸面221の第1凹部222及び第2凹部223と第2凹凸面226の第1凹部227及び第2凹部228それぞれとの間の距離が、第1凹凸面221の上記部分と第2凹凸面226の第3凹部229との間の距離よりも大きい。したがって、第1変形可能部分241及び第2変形可能部分242が移行及び/又は反転するときに移動する距離が、第3変形可能部分243が移行及び/又は反転するときに移動する距離よりも大きい。さらに、第1変形可能部分241及び第2変形可能部分242の幅は、第3変形可能部分243の幅と同様であるか又はそれよりも小さいものであり得る。いくつかの例では、こうした配置構成により、第3変形可能部分243は、第1変形可能部分241及び第2変形可能部分242の各々がそれぞれその移行及び/又は反転を完了するか又は実質的に完了する前に、その移行及び/又は反転を完了するか又は実質的に完了することができる。他の実施形態では、変形可能部分241、242及び/又は243のうちの1つ又は複数の移動する距離及び/又は幅は、第1状態から第2状態に移行及び/又は反転する変形可能部分241、242及び/又は243に関連する速度、順序及び/又は並びを変更し及び/又は変化させるように変更する(増大又は低減させる)ことができる。
【0098】
[0114] いくつかの実施形態では、より少ない変形可能部分を含むこと又はより多くの変形可能部分を含むことにより、たとえば、各変形可能部分の又はそれに関連する相対的な剛性を変更することができ、及び/又は変形可能部分の各々が移行又は反転する速度及び/又は態様を他の方法で制御することができ、それにより、流体(たとえば、空気及び/又は体積)が隔離チャンバ230内に流れ込む速度及び/又は態様を変更することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、変形可能部分の数を増加させることにより、負圧がかけられる表面積を低減させることができ、それにより、変形可能部分を移行及び/又は反転させるのに十分な圧力差を増大させることができる。
図8及び
図10では、変形可能部分241、242及び243は、実質的に同じ厚さを有するものとして示すが、他の実施形態では、少なくとも1つの変形可能部分は、他の変形可能部分の厚さとは異なる厚さを有することができる(たとえば、変形可能部分241は、変形可能部分242及び/又は変形可能部分243の厚さとは異なる厚さを有することができる(又は逆の場合も同様であり、若しくは他の組合せにおける))。いくつかの例では、変形可能部分の厚さを他の変形可能部分の厚さに対して増大させることにより、その変形可能部分の剛性を他の変形可能部分の剛性に対して増大させることができる。いくつかのこうした例では、より厚い変形可能部分の剛性の増大により、より厚い/剛性の高い変形可能部分が移行及び/又は反転する前に、他の変形可能部分(たとえば、より薄い変形可能部分)が移行及び/又は反転することができる。いくつかの実施形態では、変形可能部分が、その変形可能部分の少なくとも一部に沿って異なる厚さを有することができる。
【0099】
[0115] いくつかの実施形態では、流量コントローラ240及び/又は変形可能部分241、242及び/又は243のサイズ、形状、材料特性、表面仕上げ等もまた、実質的に均一な前面を有する流体流を容易にし、促進し、及び/又は他の方法でもたらすことができる。たとえば、(第3変形可能部分243と第2凹凸面226の第3凹部229とによってまとめて画定される)隔離チャンバ230の第3容積部は、少なくとも一部には、体液の流れと第3変形可能部分243及び第2凹凸面226の第3凹部229の各々との間の表面張力により、空気が体液流(たとえば、流れの前面)と混合するのを制限及び/又は実質的に阻止することができる、サイズ、形状、直径、周囲長及び/又は断面積を有することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、隔離チャンバ230の第3容積部は、約0.0001平方インチ(in2)~約0.16in2、約0.001in2~約0.08in2、約0.006in2~約0.06in2、又は約0.025in2~約0.04in2の断面積を有することができる。他の実施形態では、隔離チャンバ230の第3容積部は、0.0001in2未満又は0.16in2超である断面積を有することができる。
【0100】
[0116] いくつかの実施形態では、流量コントローラ240及び/又は凹凸部材225(又は、その少なくとも第2凹凸面226)は、流れ特性の所望の組を有する流体流を容易にし、促進し、及び/又は他の方法でもたらすように構成された、1つ又は複数の材料特性及び/又は1つ又は複数の表面仕上げを有する材料で又はそのような材料から形成することができる。他の実施形態では、流量コントローラ240及び/又は第2凹凸面226は、流れ特性の所望の組をもたらすように構成されたコーティングを有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、流量コントローラ240及び/又は第2凹凸面226は、疎水性材料又は親水性材料のコーティングから形成することができ、及び/又は他の方法でそのようなコーティングを含むことができる。さらに、流量コントローラ240及び凹凸部材225(又はその少なくとも第2凹凸面226)の少なくとも一部は、同じ材料で又は同じ材料から形成することができ、及び/又は同じコーティングを含むことができ、又は、異なる材料で又は異なる材料から形成することができ、及び/又は異なるコーティングを含むことができる。同様に、流量コントローラ240及び/又は第2凹凸面226は、実質的に同じか又は異なり得る任意の好適な表面仕上げを含むことができる。いくつかの例では、流れ特性の所望の組の非排他的リストは、比較的一様な又は平滑な流体流、実質的に層流の流体流及び/又は比較的低乱流の流体流、実質的に均一な前面を有する流体流、他の流体と容易に混合しない流体流(たとえば、空気の流れ又はある体積の空気と混合しない体液の流れ)、比較的均一な速度の流れ等のうちの1つ又は複数とすることができ、及び/又はそれらのうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0101】
[0117]
図2~
図11に示す実施形態のいくつかの態様及び/又は特徴について、そのような態様及び/又は特徴を変更及び/又は「調整する」方法とともに上述しているが、流量コントローラ及び/又は隔離チャンバ(又は隔離チャンバを形成する任意の構造)は、隔離チャンバ230の1つ又は複数の部分又は容積部内に初期体積の体液を搬送する所望の速度、態様及び/又は順序をもたらす、任意の好適な配置構成を有することができることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、流量コントローラ及び/又は隔離チャンバは、上述した態様及び/又は特徴の任意の好適な組合せを含むことができ、及び/又は組み込むことができる。任意の数の上述した態様及び/又は特徴をデバイスに含めることができ、そのような態様及び/又は特徴は、隔離チャンバの少なくとも一部を通る所望の流体流及び/又は所望の流体流特性をもたらすように、ともに作用することができ、又は協働して作用することができる。さらに、上述した態様及び/又は特徴は、限定ではなく単に例として提供されることが理解されるべきである。
【0102】
[0118] 初期体積の体液を隔離チャンバ230に移送すると、上述したように、アクチュエータ250の端部251に力をかけて、アクチュエータ250をその第2位置、状態、動作モード及び/又は形態に移行させ及び/又は置くことができる。いくつかの例では、アクチュエータ250の端部251に力をかける前に、アクチュエータ250を、係止形態又は状態から係止解除形態又は状態に移行させることができる。
図2~
図11に示す実施形態では、アクチュエータ250の移行は、使用者によるアクチュエータ250の相互作用及び/又は操作によって達成することができ、及び/又は他の方法でそのようなものからもたらすことができる。しかしながら、他の実施形態では、アクチュエータ250の移行は、デバイス200内の負圧及び/又は関連する流れの動態に応じて自動的に発生することができ、及び/又は、アクチュエータ250の移行をもたらす1つ又は複数の動態又は状態を発生させる外部エネルギー源により又はそのような外部エネルギー源に応じて実施され得る。
【0103】
[0119]
図9~
図11に示すように、流量コントローラ240及びアクチュエータ250の各々がその第2状態にあるとき、制御デバイス200はその第3状態に置かれる。アクチュエータ250がその第2状態、位置及び/又は形態から移行するとき、入口213及び出口214は(たとえば、流路215及び216及び/又は流れチャネル252の一部を介して)流体的に接続された状態に置かれ、一方で、第1ポート217及び第2ポート218は、隔離され、分離され、及び/又は他の方法で入口213及び/又は出口214と流体連通していない。したがって、初期体積の体液は、隔離チャンバ230の一部(たとえば、上述したような、隔離チャンバ230の第3容積部)内に隔離される。さらに、いくつかの例では、たとえば皮膚常在微生物及び/又は他の任意の汚染物質等の汚染物質は、初期体積の体液内に混入し及び/又は含まれる可能性があり、したがって、隔離チャンバ230内で初期体積が隔離されるとき、その隔離チャンバ230内に隔離される。したがって、以前は流路216の上に又はそこを通して且つ第2ポート218を通してかけられていた負圧は、このとき、たとえば、流路215及び216及び/又はアクチュエータ250の流れチャネル252の少なくとも一部を介して、出口214及び入口213に又はそこを通してかけられる(
図11)。それに応じて、体液は、入口213から、ハウジング210のアクチュエータ部分212を通って、出口214を通って、出口214に結合された流体収集デバイス内に流れ込むことができる。したがって、デバイス200は、
図1を参照して詳細に上述したデバイス100と実質的に同様の態様で機能することができる。
【0104】
[0120]
図12~
図21は、別の実施形態による流体制御デバイス300を示す。流体制御デバイス300(本明細書では「制御デバイス」又は「デバイス」とも称する)は、上述したデバイス100及び/又は200と少なくとも形態及び/又は機能において同様であり得る。たとえば、デバイス100及び200に関して上述したように、デバイス300は、負圧源(たとえば、吸引又は真空源)と流体的に接続された状態に置かれることに応じて、(1)体液源からデバイス300内に体液を引き込み、(2)デバイス300の一部において体液の第1部分又は量(たとえば、初期体積)を分流させるとともに隔離し、(3)体液の第2部分又は量(たとえば、後続体積)がデバイス300を通って(隔離された初期体積を迂回して)デバイス300に流体的に結合された流体収集デバイス内に流れ込むようにするように構成することができる。したがって、汚染物質等を、初期体積の体液において又はそれとともに隔離して、実質的に汚染物質のない後続体積の体液を残すことができる。いくつかの実施形態では、制御デバイス300の部分及び/又は態様は、
図2~
図11を参照して上述した制御デバイス200の部分及び/又は態様と同様及び/又は実質的に同一であり得る。したがって、こうした同様の部分及び/又は態様については、本明細書ではこれ以上詳細には記載しない場合がある。
【0105】
[0121] 流体制御デバイス300(本明細書では、「制御デバイス」又は「デバイス」とも称する)は、ハウジング310、流量コントローラ340及びアクチュエータ350を含む。いくつかの実施形態では、制御デバイス300又は制御デバイスの少なくとも一部をモジュール構成で配置することができ、そこでは、ハウジング310及び/又はアクチュエータ350の1つ又は複数の部分を物理的に且つ流体的に(たとえば最終使用者により)結合して、まとめて制御デバイス300を形成することができる。同様に、いくつかの実施形態では、制御デバイス300を、使用者が使用前又は使用中に制御デバイス300に結合することができる、流体収集デバイス(たとえば、サンプルリザーバ、シリンジ等)及び/又は入口デバイス(たとえば、針、カテーテル、PIV、PICC等)とは別個に、包装、輸送及び/又は保管することができる。他の実施形態では、制御デバイス300はモジュール式である必要はない。たとえば、いくつかの実施形態では、制御デバイス300を製造中に組み立てて、組立済みのデバイスとして供給業者及び/又は最終使用者に配送することができる。いくつかの実施形態では、制御デバイス300は、上述したもののうちの任意のもの等の流体収集デバイスを含むことができ、及び/又はそのような流体制御デバイスに(たとえば、製造中及び/又は最終使用者に配送する前に)事前結合することができる。同様に、いくつかの実施形態では、制御デバイス300は、本明細書に記載したもののうちの任意のもの等の入口デバイスを含むことができ、及び/又はそのような入口デバイスに事前結合され得る。
【0106】
[0122] 制御デバイス300のハウジング310は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。ハウジング310は、アクチュエータ部分312及び隔離部分320を含む。アクチュエータ部分312は、アクチュエータ350の少なくとも一部を受け入れる。隔離部分320は、カバー335に結合され、隔離チャンバ330を含み、受け入れ、収容し、及び/又は少なくとも部分的に画定する。本明細書においてさらに詳細に記載するように、ハウジング310は、第1ポート317及び第2ポート318を含むことができ及び/又は画定することができ、それらの各々が、アクチュエータ部分312とハウジング310の隔離部分320との間に流体連通を確立して、ハウジング310の1つ又は複数の部分を通る流体の流れを選択的に制御し及び/又は可能にする。
【0107】
[0123]
図12~
図16に示すように、ハウジング310のアクチュエータ部分312は、入口313及び出口314を含み、入口313を選択的に第1ポート317と流体的に接続された状態に置くように構成されている流路315(たとえば、第1流路)と、出口314を選択的に第2ポート318と流体的に接続された状態に置くように構成されている流路316(たとえば、第2流路)とを画定する。ハウジング310の入口313は、詳細に上述したように、(たとえば、針、IVカテーテル、PICCライン等を介して患者と流体連通している)体液源と流体的に接続された状態に置かれてそこから体液の流れを受け取るように構成されている。出口314は、上述したもののうちの任意のもの等(たとえば、サンプルリザーバ、シリンジ、培養瓶、中間体液移送デバイス又はアダプタ等)の流体収集デバイスに流体的に結合されるように構成されている。流体収集デバイスは、流体収集デバイスが出口314に結合されるとハウジング310の所望の部分の間に負の圧力差をもたらす真空又は負圧を規定することができ、及び/又規定するように操作され得る。さらに、初期体積の体液が隔離チャンバ330内に移送された後、流路315及び316の間に流体連通を確立して、後続体積の体積(たとえば、体液のサンプル)がデバイス300を通って流体収集デバイス内に流れ込むようにすることができる。したがって、ハウジング310のアクチュエータ部分312は、ハウジング210のアクチュエータ部分212と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様とすることができ、したがって、本明細書ではこれ以上詳細には記載しない。
【0108】
[0124] ハウジング310の隔離部分320は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。たとえば
図16~
図18に示すように、隔離部分320は、内面を含み及び/又は形成し、その内面の一部が、第1凹凸面321を形成するように配置及び/又は構成されている。本明細書においてさらに詳細に記載するように、第1凹凸面321の少なくとも一部が、隔離チャンバ330の一部を形成及び/又は画定することができる。さらに、本明細書においてさらに詳細に記載するように、第1ポート317及び第2ポート318は、隔離チャンバ330を選択的に流路315及び316と流体的に接続された状態に置くように第1凹凸面321の一部を形成し及び/又はその一部を通して延在するように構成されている。
【0109】
[0125] 隔離部分320は、外郭部材325及び流量コントローラ340を含み、形成し及び/又は収容するように構成されている。より詳細には、
図16~
図18に示すように、隔離部分320は、流量コントローラ340が隔離部分320と外郭部材325との間に配置されるように、外郭部材325を受け入れ及び/又は外郭部材325に結合されている。いくつかの実施形態では、外郭部材325は、接着剤、超音波溶接、及び/又は他の任意の好適な結合方法を介して、隔離部分320に固定して結合することができる。いくつかの実施形態では、外郭部材325、隔離部分320及び流量コントローラ340はまとまって、隔離部分320の外側の容積部から隔離部分320を分離する、実質的に流体密封及び/又は密閉シールを形成することができる。
【0110】
[0126] 図示するように、カバー335が、外郭部材325の周囲に配置されて、カバー335及びハウジング310の隔離部分320が、外郭部材325及び流量コントローラ340を包囲及び/又は収容するように構成されている。いくつかの実施形態では、カバー335は、接着剤、超音波溶接、1つ又は複数の機械的締結具、摩擦嵌め、スナップフィット、ねじ結合、及び/又は他の任意の好適な結合方法を介して、外郭部材325及び/又は隔離部分320に結合することができる。いくつかの実施形態では、カバー335は、隔離チャンバ330の少なくとも一部の視覚化を可能にするように構成された開口部、窓、スロット等を画定することができる。外郭部材325及びカバー335について、別個の部品及び/又は構成要素として上述しているが、他の実施形態では、外郭部材325をカバー335と一体化し及び/又は一体的に形成することができる。
【0111】
[0127] 外郭部材325は、第2凹凸面326を含み及び/又は形成する。外郭部材325及びハウジング310の隔離部分320の配置構成は、第1凹凸面321の少なくとも一部が、外郭部材325の第2凹凸面326の対応する部分と位置合せされ及び/又は対向するというものであり得る(たとえば、
図18を参照)。したがって、第1凹凸面321と第2凹凸面326との間に画定された空間、容積部、開口部、空隙、チャンバ等が、隔離チャンバ330を形成及び/又は画定する。さらに、本明細書においてさらに詳細に記載するように、流量コントローラ340は、第1凹凸面321と第2凹凸面326との間に配置されており、隔離チャンバ330の少なくとも一部に負の圧力差及び/又は吸引力が加えられることに応じて、第1状態と第2状態との間で移行するように構成することができる。
【0112】
[0128] ハウジング310のポート317及び318は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。第1ポート217に関して詳細に上述したように、第1ポート317は、第2凹凸面326と流量コントローラ340の第1側部との間に画定された隔離チャンバ330の第1部分と流体連通しており、流量コントローラ340が第1状態から第2状態に移行することに応じて、体液の流れを入口313及び/又は流路315から隔離チャンバ330の第1部分に提供及び/又は移送するように構成されている。第2ポート218に関して上述したように、第2ポート318は、第1凹凸面321と流量コントローラ340の(たとえば、第1側部とは反対側の)第2側部との間に画定された隔離チャンバ330の第2部分と流体連通している。したがって、デバイス200に関して詳細に上述したように、第2ポート318は、隔離チャンバ330の第2部分を、流量コントローラ340をその第1状態からその第2状態に移行させるように動作可能な、流体収集デバイスからもたらされる負の圧力差及び/又は吸引力にさらすように構成することができる。さらに、第2ポート318は、絞り319を含むことができ、及び/又は絞り319に結合することができ、絞り319は、デバイス200の絞り219に関して詳細に上述したように、隔離チャンバ330の第2部分と流路316との間で流体(たとえば、空気又は気体)の流れを制限及び/又は限定し、それにより、流量コントローラ340に加えられるか又は流量コントローラ340が受ける圧力差及び/又は吸引力の大きさを調整及び/又は制御するように構成されている。
【0113】
[0129] ハウジング310の隔離部分320内に配置された流量コントローラ340は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。同様に、流量コントローラ340は、任意の好適な材料(たとえば、本明細書に記載したもの等の任意の好適な生体適合性材料、及び/又は他の任意の好適な材料)で形成することができる。たとえば、流量コントローラ340は、第1状態及び/又は形態から第2状態及び/又は形態に移行するように構成された流体不透過性ブラダーであり得る。いくつかの実施形態では、流量コントローラ340(たとえば、ブラダー)は、流量コントローラ340を横切る圧力差に応じて変形するように構成された任意の数の比較的薄く且つ可撓性のある部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ340は、
図2~
図11を参照して詳細に上述した流量コントローラ240と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、流量コントローラ340は、流量コントローラ240に関して上述した材料及び/又はデュロメータ硬さ等、任意の好適な材料で又は材料から形成することができ、及び/又は任意の好適なデュロメータ硬さを有することができる。同様に、流量コントローラ340は、流量コントローラ240に関して上述したように、所望の流れ特性の組を有する流体流を容易にし、促進し、及び/又は他の方法でもたらすように構成されたサイズ、形状、表面仕上げ及び/又は材料特性を有することができる。したがって、流量コントローラ340の部分については、本明細書ではこれ以上詳細には記載しない場合がある。
【0114】
[0130]
図12~
図21に示す実施形態では、流量コントローラ340は、約30ショアAのデュロメータ硬さを有するシリコーンで又はそのようなシリコーンから形成されたブラダーである。流量コントローラ340(たとえば、ブラダー)は、第1変形可能部分341及び第2変形可能部分342を含む。さらに、流量コントローラ340は、流量コントローラ240に関して上述したように、第1ポート317の少なくとも一部を受け入れるように構成された開口部344を画定する。いくつかの実施形態では、本明細書においてさらに詳細に記載するように、流量コントローラ340は、流量コントローラ340並びに凹凸面321及び326の各々と、及び/又は流量コントローラ340と凹凸面321及び326の各々との間に1つ又は複数のシールを形成するように構成された、1つ又は複数の部分を含むことができる。
【0115】
[0131] 流量コントローラ340の変形可能部分341及び342は、流量コントローラ340の第1側部と流量コントローラ340の第2側部との間の圧力差に応じて変形するように構成された、比較的薄く且つ可撓性のある部分であり得る。より詳細には、変形可能部分341及び342は、各々、約0.005インチの厚さを有することができる。たとえば
図18及び
図20に示すように、流量コントローラ340の変形可能部分341及び342は、凹凸面321及び/又は326の少なくとも一部と同じ全体的な形状に対応し及び/又はそのような形状を実質的に有する。したがって、本明細書においてさらに詳細に記載するように、変形可能部分341及び342並びに凹凸面321及び/又は326の対応部分はまとまって、1つ又は複数のチャネル、容積部等を形成及び/又は画定することができ、それはさらに、初期体積の体液を受け取ることができる。
【0116】
[0132] 流量コントローラ240に関して上述したように、流量コントローラ340は、第1状態と第2状態との間で移行するように構成されている。たとえば、流量コントローラ340がその第1状態にあるとき、第1変形可能部分341は、第2凹凸面326によって形成された第1凹部327に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第2変形可能部分342は、第2凹凸面326によって形成された第2凹部328に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができる。したがって、隔離チャンバ330の第1部分(たとえば、第2凹凸面326と流量コントローラ340の第1面との間に画定された部分)は、比較的小さく及び/又は比較的ごくわずかな容積を有することができる。対照的に、流量コントローラ340が(たとえば、第2ポート318を介して加えられた及び/又は伝達された負圧に応じて)その第1状態からその第2状態に移行すると、第1変形可能部分341は、第1凹凸面321によって形成された第1凹部322に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第2変形可能部分342は、第1凹凸面321によって形成された第2凹部323に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができる。したがって、隔離チャンバ330の第1部分の容積は、流量コントローラ340がその第1状態にあるときよりもその第2状態にあるときの方が大きい。隔離チャンバ230及び流量コントローラ240に関して詳細に上述したように、隔離チャンバ330の第1部分の容積が増大することにより、その中に、ある体積の空気又は気体とともに初期体積の体液を隔離チャンバ330内に引き込むように動作可能であり得る負圧又は真空をもたらすことができる。
【0117】
[0133] 流量コントローラ340について具体的に示し記載したが、他の実施形態では、流量コントローラ340及び/又は隔離チャンバ330は、任意の好適な構成及び/又は配置を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、凹凸面321及び/又は326は、より多いか又は少ない凹部(たとえば、凹部322及び323並びに凹部327及び328)を含むことができる。他の実施形態では、1つ又は複数の凹部の深さを変更することができる。同様に、流量コントローラ340は、凹凸面321及び/又は326の形状及び/又は構成に実質的に対応するように任意の好適な態様で変更することができる。流量コントローラ340について、複数の変形可能部分を含むブラダー等であるものとして記載しているが、他の実施形態では、流量コントローラを、たとえば、ベローズ、可撓性パウチ、膨張可能バッグ、膨張可能チャンバ、(たとえば、シリンジと同様の)プランジャ、及び/又は他の任意の好適な再構成可能な容器等として配置及び/又は構成することができる。さらに、少なくとも部分的に流量コントローラ340によって形成された隔離チャンバ330は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成を有することができる。
【0118】
[0134] 制御デバイス300のアクチュエータ350は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。アクチュエータ350の少なくとも一部は、ハウジング310のアクチュエータ部分312内に配置され、第1状態、形態及び/又は位置と第2状態、形態及び/又は位置との間で移行するように構成されている。
図12~
図21に示す実施形態では、アクチュエータ350は、ハウジング310のアクチュエータ部分312に対して移動するように構成されたアクチュエータロッド又はプランジャとして構成されている。アクチュエータ350は、一組のシール355をさらに含み、流れチャネル352を画定する。アクチュエータ350は、ハウジング310の外部に配置された端部351を含み、端部351は、アクチュエータ350を、流路315が入口313と第1ポート317との間に流体連通を確立することができるその第1状態と、その第2状態との間で移行させるように使用者が作動させるように構成されており、第2状態では、(1)第1ポート317(したがって、隔離チャンバ330)は隔離され及び/又は流体的に分離され、(2)入口313及び出口314は、流路315及び316及び/又はアクチュエータ350の流れチャネル352の少なくとも一部を介して流体的に接続された状態に置かれる。したがって、アクチュエータ350は、
図2~
図11を参照して上述したアクチュエータ250と形態及び/又は機能において同様である。したがって、アクチュエータ350については、本明細書ではこれ以上詳細には記載しない。
【0119】
[0135] デバイス300を使用して、デバイス200に関して上述した態様と実質的に同様の態様で、汚染(たとえば、たとえば皮膚常在微生物、体液源の外部の微生物等の微生物からの汚染)が低減した体液のサンプルを獲得することができる。たとえば、使用の前に、デバイス300は、流量コントローラ340及びアクチュエータ350の各々がそのそれぞれの第1又は初期状態にある、その第1、初期及び/又は保管状態又は動作モードにあり得る。デバイス300が第1状態にあって、医師、内科医、看護師、瀉血医、技師等の使用者は、デバイス300を操作して、入口313と体液源(たとえば、患者の静脈)との間に流体連通を確立することができる。入口313が体液源と流体的に接続された状態に置かれると、出口314を流体収集デバイス(
図12~
図21には示さず)に流体的に結合することができる。
図12~
図21に示す実施形態では、たとえば、流体収集デバイスは、真空採血管、培養瓶、サンプルリザーバ、シリンジ、及び/又は負圧、吸引力、真空及び/又はエネルギーポテンシャルを規定又は生成するように構成された他の任意の好適な容器又はデバイスであり得る。
【0120】
[0136] アクチュエータ350が第1位置及び/又は形態にあるとき、ハウジング310の入口313は、たとえば流路315と流体連通し、流路315はさらに、第1ポート317と流体連通している(たとえば、
図17及び
図18を参照)。ハウジング310の出口314は、流路316と流体連通し、流路316はさらに、第2ポート318と流体連通している(たとえば、
図17及び
図18を参照)。詳細に上述したように、制御デバイス300が第1状態又は動作モードにあるとき(たとえば、アクチュエータ350及び流量コントローラ340が各々それらの第1状態にあるとき)、流体収集デバイスを出口314に流体的に結合することにより、流路316の少なくとも一部内に、さらに、流量コントローラ340の表面(たとえば、第1面)とハウジング310の第1凹凸面321との間に画定された隔離チャンバ330の部分内に、負の圧力差及び/又は吸引力が発生し及び/又は他の方法でもたらされる。
【0121】
[0137] 流量コントローラ340は、流体収集デバイスが出口314に結合される前は、第1状態及び/又は形態にある。
図12~
図21に示す実施形態では、流量コントローラ340は、流体収集デバイスを出口314に結合する前は反転した、逆転した、つぶれた、及び/又は空の形態(たとえば、第1状態及び/又は形態)を有することができる、流体不透過性のブラダー等である。たとえば、
図18に示すように、流量コントローラ340がその第1状態及び/又は形態にあるとき、流量コントローラ340を、第2凹凸面326に隣接して及び/又は接触して配置することができる。
【0122】
[0138] 上述したように、流量コントローラ340は、流量コントローラ340と第1凹凸面321との間に画定された隔離チャンバ330の部分内に負の圧力差及び/又は吸引力が発生することに応じて、その第1状態及び/又は形態からその第2状態及び/又は形態に移行するように構成されている。たとえば、流量コントローラ340は、流量コントローラ340がその第1状態にあるとき(
図18)、第2凹凸面326に隣接して及び/又は接触して配置することができ、流量コントローラ340が第1凹凸面321に隣接して及び/又は接触して配置されるその第2状態(
図20)に、移行させ、移動させ、「反転させ」、置き、及び/又は他の方法で再構成することができる。さらに、アクチュエータ350がその第1状態にあるとともに、流量コントローラ340がその第2状態にあるとき、制御デバイス300は、その第2状態及び/又は形態に置かれる。
【0123】
[0139] 流量コントローラ340の移行により、流量コントローラ340の表面(たとえば、第1面とは反対側の第2面)と第2凹凸面326との間に画定された隔離チャンバ330の部分の内部容積が増大することになる。デバイス200に関して詳細に上述したように、内部容積の増大により、(少なくとも一部には流量コントローラ340によって画定された)隔離チャンバ330の部分とたとえば入口313との間に、体液の初期流れ、量又は体積の少なくとも一部を入口313から流路315及び第1ポート317を通って隔離チャンバ330の上記部分に引き込む際に動作可能である、負の圧力差をもたらすことができる。いくつかの例では、たとえば、流量コントローラ340が完全に膨張し、反転し及び/又は移行するまで、負の圧力差が低下及び/又は等化するまで、及び/又は隔離チャンバ330の上記部分内に所望の体積の体液が配置されるまで、隔離チャンバ330内に体液の初期体積及び/又は流れを移送することができる。さらに、デバイス200に関して上述したように、絞り319は、隔離チャンバ330内で及び/又は流量コントローラ340の表面に対して発生する負の圧力差及び/又は吸引力の大きさを限定、制限、制御及び/又は調整するように構成することができ、それにより、1つ又は複数の流路内及び/又は体液源(たとえば、患者の静脈)内の吸引力を調整することができる。他の実施形態では、第2ポート318及び/又はデバイス300の任意の好適な部分を、たとえばデバイス200に関して上述した態様等、任意の好適な態様で、隔離チャンバ330の1つ又は複数の部分内で吸引力を調整するように構成することができる。
【0124】
[0140] いくつかの実施形態では、隔離チャンバ330及び/又は流量コントローラ340の形状、サイズ及び/又は配置構成、負の圧力差又は吸引力の大きさ、及び/又は負の圧力差又は吸引力がかけられる方法により、流量コントローラ340が第1状態から第2状態に移行する速度及び/又は態様を指示及び/又は制御することができる。たとえば、流量コントローラ240について、第1変形可能部分241、第2変形可能部分242及び第3変形可能部分243を含むものとして上述しているが、
図12~
図21に示す実施形態に含まれる流量コントローラ340は、第1変形可能部分341及び第2変形可能部分342のみを含む。さらに、
図18及び
図20に示すように、第1凹凸面321の凹部322及び323は、実質的に同じ深さを有する。いくつかの実施形態では、こうした配置構成により、たとえば、流量コントローラ340の第1変形可能部分341及び第2変形可能部分342を移行及び/又は反転させるのに十分な負圧及び/又は吸引力の量に対して、第1変形可能部分341を移行及び/又は反転させるのに十分な負圧及び/又は吸引力の量を制限し及び/又は低減させることができる。
【0125】
[0141] 上述したように、いくつかの実施形態では、第1変形可能部分341が、第2変形可能部分342の厚さ及び/又は剛性よりも大きい厚さ及び/又は剛性を有して、第1変形可能部分341がその移行及び/又は反転を完了し又は実質的に完了する前に、第2変形可能部分342がその移行及び/又は反転を完了し又は実質的に完了するようにすることができる。他の実施形態では、流量コントローラ340は、任意の好適な特徴、構造、材料特性、表面仕上げ等を含むことができ、及び/又は、デバイス300の他の任意の部分が、流量コントローラ240に関して上述したもののうちの任意のもの等、流量コントローラ340が第1状態から第2状態に移行する順序及び/又は態様を制御するように構成された、任意の好適な特徴、構造等を含むことができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ340の配置構成により、デバイス300は、比較的低い量の負圧を有する流体収集デバイスと適合性があるようになり得る。いくつかの実施形態では、こうした配置構成によって、1つ又は複数の製造プロセス等を容易にし及び/又は簡略化することも可能である。いくつかの例では、速度、順序及び/又は態様を制御することにより、隔離チャンバ230の少なくとも一部内への及び/又はそこを通る空気、気体及び/又は体液の流れに関連する1つ又は複数の所望の流れ特性をもたらすことができる。
【0126】
[0142] 変形可能部分241及び242に関して上述したように、第1変形可能部分341及び第2凹凸面326の第1凹部327(たとえば、隔離チャンバ330の第1容積部)は、流路が体液を受け取り及び/又は体液で充填される前に、体液源と隔離チャンバ330との間の流路内にあったある体積の空気を受け取るように構成することができる。言い換えれば、流量コントローラ340の移行により、体液源と隔離チャンバ330との間の流路から空気又は気体を排気又はパージすることができ、その後、そのような空気又は気体は、隔離チャンバ330の第1容積部及び第2容積部内に保管及び/又は収容することができる。一方、第2変形可能部分342と第2凹凸面326の第2凹部328とによってまとめて画定された隔離チャンバ330の部分(たとえば、隔離チャンバ330の第2容積部)は、空気又は気体が排気及び/又はパージされた後、体液源と隔離チャンバ330との間の流路を通って流れる初期体積の体液を受け取るように構成することができる。したがって、デバイス200に関して上述したように、隔離チャンバ330内に初期体積を移送することができる。
【0127】
[0143] いくつかの例では、隔離チャンバ330及び/又は流量コントローラ340配置構成により、たとえば、隔離チャンバ330の第2容積内への初期体積の体液の一様な流れをもたらすことができる。たとえば、デバイス200に関して詳細に上述したように、隔離チャンバ330及び/又は流量コントローラ340は、体液が、均一な流れ前面で且つ隔離チャンバ330内である体積の空気と実質的に混合することなく、隔離チャンバ330の少なくとも一部(たとえば、隔離チャンバ330の第2容積部)内に及び/又はそこを通って流れるように、構成及び/又は配置することができる。他の実施形態では、流量コントローラは、たとえば、デバイス200に関して上述したもののうちの任意のもの等、隔離チャンバ330の1つ又は複数の部分又は容積部内に初期体積の体液を搬送する所望の速度、態様及び/又は順序をもたらすのに、他の任意の好適な配置構成を有することができる。
【0128】
[0144] 初期体積の体液を隔離チャンバ330内に移送すると、上述したように、アクチュエータ350の端部351に力をかけて、アクチュエータ350をその第2位置、状態、動作モード及び/又は形態に移行させ及び/又は置くことができる。いくつかの例では、アクチュエータ350の端部351に力をかける前に、アクチュエータ350を係止形態又は状態から係止解除形態又は状態に移行させることができる。
図12~
図21に示す実施形態では、アクチュエータ350の移行は、使用者によるアクチュエータ350の相互作用及び/又は操作によって達成することができ、及び/又はそうでなければ結果として生じる可能性がある。しかしながら、他の実施形態では、アクチュエータ350の移行は、デバイス300内の負圧及び/又は関連する流れの動態に応じて自動的に発生することができ、及び/又は、アクチュエータ350の移行をもたらす1つ又は複数の動態又は状態を発生させる外部エネルギー源により又はそのような外部エネルギー源に応じて実施され得る。
【0129】
[0145]
図19~
図21に示すように、流量コントローラ340及びアクチュエータ350の各々がその第2状態にあるとき、制御デバイス300はその第3状態に置かれる。アクチュエータ350がその第2状態、位置及び/又は形態から移行するとき、入口313及び出口314は(たとえば、流路316及び/又は流れチャネル352を介して)流体的に接続された状態に置かれ、一方で、流路315及び/又は第1ポート317は、隔離され、分離され、及び/又は他の方法で入口313及び/又は出口314と流体連通していない。したがって、初期体積の体液は、隔離チャンバ330の一部(たとえば、上述したような、隔離チャンバ330の第3容積部)内に隔離される。さらに、いくつかの例では、たとえば皮膚常在微生物及び/又は他の任意の汚染物質等の汚染物質は、初期体積の体液内に混入し及び/又は含まれる可能性があり、したがって、隔離チャンバ330内に初期体積が隔離されるとき、その隔離チャンバ330内に隔離される。したがって、流路316の上に又はそこを通して且つ第2ポート318を通して他の場合ではかけられていた負圧は、このとき、たとえば、流路315及び316及び/又はアクチュエータ350の流れチャネル352の少なくとも一部を介して、出口314及び入口313に又はそこを通してかけられる(
図21)。それに応じて、体液は、入口313から、ハウジング310のアクチュエータ部分312を通って、出口314を通って、出口314に結合された流体収集デバイス内に流れ込むことができる。したがって、デバイス300は、詳細に上述したデバイス100及び/又は200と実質的に同様の態様で機能することができる。
【0130】
[0146]
図22~
図27は、別の実施形態による流体制御デバイス400を示す。流体制御デバイス400(本明細書では「制御デバイス」又は「デバイス」とも称する)は、上述したデバイス100、200及び/又は300と少なくとも形態及び/又は機能において同様であり得る。たとえば、デバイス100、200及び/又は300に関して上述したように、デバイス400は、負圧源(たとえば、吸引又は真空源)と流体的に接続された状態に置かれることに応じて、(1)体液源からデバイス400内に体液を引き込み、(2)デバイス400の一部において体液の第1部分又は量(たとえば、初期体積)を分流させるとともに隔離し、(3)体液の第2部分又は量(たとえば、後続体積)がデバイス400を通って(隔離された初期体積を迂回して)デバイス400に流体的に結合された流体収集デバイス内に流れ込むようにするように構成することができる。したがって、初期体積の体液において又はそれとともに、汚染物質等を隔離して、汚染物質が実質的にない後続体積の体液を残すことができる。いくつかの実施形態では、制御デバイス400の部分及び/又は態様は、少なくとも
図2~
図11を参照して上述した制御デバイス200の部分及び/又は態様と同様及び/又は実質的に同一であり得る。したがって、こうした同様の部分及び/又は態様については、本明細書ではこれ以上詳細には説明しない場合がある。
【0131】
[0147] 流体制御デバイス400は、ハウジング410、流量コントローラ440及びアクチュエータ450を含む。いくつかの実施形態では、デバイス200に関して上述したように、制御デバイス400又は制御デバイス400の少なくとも一部を(たとえば、後に組み立てられる1つ又は複数の独立した又は別個の構成要素を含む)モジュール構成で配置することができ、又は、(たとえば、事前に組み立てられるか又は事前に結合される1つ又は複数の構成要素を含む)一体化された又は少なくとも部分的に一体化された構成で配置することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、制御デバイス400は、上述したもののうちの任意のものの等、流体収集デバイス及び/又は入口デバイスを含むことができ、及び/又はそのようなものに結合され得る。
【0132】
[0148] 制御デバイス400のハウジング410は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。概して、ハウジング410は、ハウジング210と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。したがって、ハウジング410のいくつかの構成要素、特徴、態様及び/又は機能について図面において特定するとともに後述するが、こうした類似点について、本明細書ではこれ以上詳細には記載せず、こうした類似点は、反対の意味での明示的な記載がない限り、デバイス200に関して上述した対応する構成要素、特徴、態様及び/又は機能と同様に考慮されるべきである。
【0133】
[0149] ハウジング410は、アクチュエータ部分412及び隔離部分420を含む。アクチュエータ部分412は、アクチュエータ450の少なくとも一部を受け入れる。隔離部分420は、カバー435に結合され、隔離チャンバ430を含み、受け入れ、収容し、及び/又は少なくとも部分的に画定する。本明細書においてさらに詳細に記載するように、ハウジング410は、第1ポート417及び第2ポート418を含むことができ及び/又は画定することができ、それらの各々が、アクチュエータ部分412とハウジング410の隔離部分420との間に流体連通を確立して、ハウジング410の1つ又は複数の部分を通る流体の流れを選択的に制御し及び/又は可能にする。
【0134】
[0150] ハウジング410のアクチュエータ部分412は、入口413及び出口414を含み、入口413を選択的に第1ポート417と流体的に接続された状態に置くように構成されている流路415(たとえば、第1流路)と、出口414を選択的に第2ポート418と流体的に接続された状態に置くように構成されている流路416(たとえば、第2流路)とを画定する。ハウジング410のアクチュエータ部分412は、ハウジング210のアクチュエータ部分212と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様とすることができ、したがって、本明細書ではこれ以上詳細には記載しない。
【0135】
[0151] ハウジング410の隔離部分420は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。隔離部分420は、外郭部材425及び流量コントローラ440を含み、形成し及び/又は収容するように構成されている。より詳細には、カバー435が、外郭部材425の周囲に配置されて、カバー435とハウジング410の隔離部分420とが外郭部材425及び流量コントローラ440を包囲及び/又は収容するように構成されている。ハウジング410の隔離部分420及び/又は隔離部分420の若しくは隔離部分420に結合された構成要素は、ハウジング210の隔離部分220(及び/又は隔離部分220の若しくは隔離部分220に結合された構成要素)と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様とすることができ、したがって、本明細書ではこれ以上詳細には記載しない。
【0136】
[0152] たとえば
図24~
図27に示すように、隔離部分420は、内面を含み及び/又は形成し、その内面の一部が、第1凹凸面421を形成するように配置及び/又は構成されている。本明細書においてさらに詳細に記載するように、第1凹凸面421の少なくとも一部が、隔離チャンバ430の一部を形成及び/又は画定することができる。さらに、デバイス200に関して上述したように、第1ポート417及び第2ポート418は、隔離チャンバ430を選択的に流路415及び416と流体的に接続された状態に置くように第1凹凸面421の一部を形成し及び/又はその一部を通して延在するように構成されている。
【0137】
[0153] 第1凹凸面421は、任意の好適な形状、湾曲部及び/又はテクスチャとすることができ、たとえば、ハウジング220の第1凹凸面221と実質的に同様であり得る。たとえば、第1凹凸面421は、少なくとも第1凹部422及び第2凹部423を含み及び/又は形成する。しかしながら、第1輪郭面421は、
図24~
図27に示すように、任意の数の換気隆起部424を含むことにより、第1凹凸面221とは異なり得る。第1輪郭面421上の換気隆起部424の分布は、複数の配置を含むことができる。たとえば、
図25及び
図27に示すように、第1輪郭面421は、第1凹部422内に配置され及び/又は第1凹部422によって形成された、1つの換気隆起部424、複数の換気隆起部424、複数の同心の換気隆起部424等、及び/又は第1輪郭面421の第2凹部423内に配置され及び/又は第2凹部423によって形成された、1つの換気隆起部424、複数の換気隆起部424、複数の同心の換気隆起部424等を有することができる。いくつかの実施態様では、換気隆起部424は、第2ポート418を介して負圧(たとえば、第1凹凸面421と流量コントローラ440との間の容積部内の負圧)が加えられ及び/又は伝達されるのに応じて、第1輪郭面421と接触状態に置かれると、流量コントローラ440又はその一部がシールを形成する能力又は可能性を低減させ及び/又は制御するように構成されている。別の言い方をすれば、換気隆起部424は、本明細書においてさらに詳細に記載するように、第1凹凸面421の1つ又は複数の部分に沿って不連続部を形成することができ、この不連続部により、たとえば、空気が流量コントローラ440と第1輪郭面421の1つ又は複数の部分との間を自由に流れることができるようにすることにより、流量コントローラ440と第1輪郭面421の1つ又は複数の部分との間の局所領域において、空気が捕捉されるのを防止することができる。
【0138】
[0154]
図24~
図27に示すように、隔離部分420は、流量コントローラ440が隔離部分420と外郭部材425との間に配置されるように、外郭部材425を受け入れ及び/又は外郭部材425に結合されている。いくつかの実施形態では、外郭部材425は、デバイス200に関して上述した外郭部材225と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。たとえば、凹凸部材425は、第2凹凸面426を含み及び/又は形成する。第2輪郭面426は、任意の好適な形状、湾曲部及び/又はテクスチャとすることができ、たとえば、ハウジング220の第2凹凸面226と実質的に同様であり得る。たとえば、第2凹凸面426は、第1凹部427、第2凹部428及び第3凹部429を含み及び/又は形成する。しかしながら、第2輪郭面426は、
図24~
図27に示すように、任意の数の換気チャネル431を含むことにより、第2凹凸面226とは異なり得る。第2輪郭面426上の換気チャネル431の分布は、複数の配置を含むことができる。たとえば、
図25及び
図27に示すように、第2輪郭面426は、第1凹部427内に配置され及び/又は第1凹部427によって形成された、1つの換気チャネル431、複数の換気チャネル431、又は複数の同心の換気チャネル431、及び/又は第2輪郭面426の第2凹部428内に配置され及び/又は第2凹部428によって形成された、1つの換気チャネル431、複数の換気チャネル431、又は複数の同心の換気チャネル431を有するように構成することができる。換気チャネル431は、換気隆起部424に関して上述したように、(たとえば、第1凹凸面421と流量コントローラ440との間の容積部内の)負圧に応じて第2輪郭面426と接触状態に置かれると、流量コントローラ440又はその一部がシールを形成する能力又は可能性を低減させ及び/又は制御するように構成されている。
【0139】
[0155] 第1輪郭面421について、換気隆起部424を含むものとして上述し、第2輪郭面426は、換気チャネル431を含むものとして上述しているが、換気隆起部424及び換気チャネル431は、限定としてではなく単に例として提示されていることが理解されるべきである。さまざまな代替形態及び/又は組合せが企図される。たとえば、いくつかの実施形態では、第1輪郭面421が換気チャネルを含むことができ、第2輪郭面426が換気隆起部を含むことができる。他の実施形態では、第1輪郭面421及び/又は第2輪郭面426は、換気チャネル及び換気隆起部の組合せを含むことができる。したがって、輪郭面421及び426は、空気が流量コントローラ440と輪郭面421及び426との間に流れることができることを可能にし及び/又は確実にすることができる、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成を有する、1つ又は複数の不連続部を含むことができる。さらに、輪郭面421及び426の各々を、換気特徴部又は不連続部を含むものとして示しているが、他の実施形態では、第1輪郭面421は換気特徴部又は不連続部を含むことができ、一方で第2輪郭面426は含まず、その逆もあり得る。
【0140】
[0156] ハウジング410の隔離部分420内に配置された流量コントローラ440は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。同様に、流量コントローラ440は、任意の好適な材料(たとえば、本明細書に記載したもの等の任意の好適な生体適合性材料、及び/又は他の任意の好適な材料)で形成することができる。たとえば、流量コントローラ440は、第1状態及び/又は形態から第2状態及び/又は形態に移行するように構成された流体不透過性ブラダーであり得る。いくつかの実施形態では、流量コントローラ440(たとえば、ブラダー)は、流量コントローラ440を横切る圧力差に応じて変形するように構成された任意の数の比較的薄く且つ可撓性のある部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、流量コントローラ440は、
図2~
図11を参照して詳細に上述した流量コントローラ240と少なくとも形態及び/又は機能において実質的に同様であり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、流量コントローラ440は、流量コントローラ240に関して上述した材料及び/又はデュロメータ硬さ等、任意の好適な材料で又は材料から形成することができ、及び/又は任意の好適なデュロメータ硬さを有することができる。同様に、流量コントローラ440は、流量コントローラ240に関して上述したように、所望の流れ特性の組を有する流体流を容易にし、促進し、及び/又は他の方法でもたらすように構成されたサイズ、形状、表面仕上げ及び/又は材料特性を有することができる。したがって、流量コントローラ440の部分については、本明細書ではこれ以上詳細には記載しない場合がある。
【0141】
[0157]
図22~
図27に示す実施形態では、流量コントローラ440は、約30ショアAのデュロメータ硬さを有するシリコーンで又はそのようなシリコーンから形成されたブラダーである。流量コントローラ440(たとえば、ブラダー)は、第1変形可能部分441、第2変形可能部分442及び第3変形可能部分443を含む。さらに、流量コントローラ440は、流量コントローラ240に関して上述したように、第1ポート417の少なくとも一部を受け入れるように構成された開口部444を画定する。いくつかの実施形態では、流量コントローラ440は、流量コントローラ440並びに凹凸面421及び426の各々と、及び/又は流量コントローラ440と凹凸面421及び426の各々との間に1つ又は複数のシールを形成するように構成された、1つ又は複数の部分を含むことができる。たとえば、
図24~
図27に示すように、流量コントローラ440の変形可能部分441、442及び443は、凹凸面421及び/又は426の少なくとも一部に対応し、及び/又はその部分と実質的に同じ全体的な形状を有する。したがって、本明細書においてさらに詳細に記載するように、変形可能部分441、442及び443並びに凹凸面421及び/又は426の対応部分はまとまって、1つ又は複数の容積部等を形成及び/又は画定することができ、それはさらに、初期体積の体液を受け取ることができる。
【0142】
[0158] 流量コントローラ240に関して上述したように、流量コントローラ440は、第1状態と第2状態との間で移行するように構成されている。たとえば、流量コントローラ440がその第1状態にあるとき、第1変形可能部分441は、第2凹凸面426によって形成された第1凹部427に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第2変形可能部分442は、第2凹部428に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第3変形可能部分443は、第2凹凸面426によって形成された第2凹部429に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができる。したがって、隔離チャンバ430の第1部分(たとえば、第2凹凸面426と流量コントローラ440の第1面との間に画定された部分)は、比較的小さく及び/又は比較的ごくわずかな容積を有することができる。対照的に、流量コントローラ440が(たとえば、第2ポート418を介して加えられた及び/又は伝達された負圧に応じて)その第1状態から第2状態に移行すると、少なくとも変形可能部分441、442及び443は、第1凹凸面421に隣接して及び/又は実質的に接触して配置される。より具体的には、流量コントローラ240に関して上述したように、第1変形可能部分421は、第1凹凸面421によって形成された第1凹部422に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第2変形可能部分442は、第1凹凸面421によって形成された第2凹部423に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができ、第3変形可能部分243は、第1凹凸面421のたとえば非凹状部分に隣接して及び/又は実質的に接触して配置することができる。
【0143】
[0159] 制御デバイス400のアクチュエータ450は、任意の好適な形状、サイズ及び/又は構成であり得る。アクチュエータ450の少なくとも一部は、ハウジング410のアクチュエータ部分412内に配置され、第1状態、形態及び/又は位置と第2状態、形態及び/又は位置との間で移行するように構成されている。
図22~
図27に示す実施形態では、アクチュエータ450は、ハウジング410のアクチュエータ部分412に対して移動するように構成されたアクチュエータロッド又はプランジャとして構成されている。アクチュエータ450は、一組のシール455を含むとともに、流れチャネル452を画定する。アクチュエータ450は、ハウジング410の外部に配置された端部451をさらに含み、端部451は、アクチュエータ450を、流路415が入口413と第1ポート417との間に流体連通を確立することができるその第1状態と、その第2状態との間で移行させるように使用者が作動させるように構成されており、第2状態では、(1)第1ポート417(したがって、隔離チャンバ430)は隔離され及び/又は流体的に分離され、(2)入口413及び出口414は、流路415及び416及び/又はアクチュエータ450の流れチャネル452の少なくとも一部を介して流体的に接続された状態に置かれる。したがって、アクチュエータ450は、
図2~
図11を参照して上述したアクチュエータ250と形態及び/又は機能において同様である。したがって、アクチュエータ450については、本明細書ではこれ以上詳細には記載しない。
【0144】
[0160] デバイス400を使用して、デバイス200に関して上述した態様と実質的に同様の態様で、汚染(たとえば、たとえば皮膚常在微生物、体液源の外部の微生物等の微生物からの汚染)が低減した体液のサンプルを獲得することができる。たとえば、使用の前に、デバイス400は、流量コントローラ440及びアクチュエータ450の各々がそのそれぞれの第1又は初期状態にある、その第1、初期及び/又は保管状態又は動作モードにあり得る。デバイス400が第1状態にあって、医師、内科医、看護師、瀉血医、技師等の使用者は、デバイス400を操作して、入口413と体液源(たとえば、患者の静脈)との間に流体連通を確立することができる。入口413が体液源と流体的に接続された状態に置かれると、出口414を流体収集デバイス(
図22~
図27には示さず)に流体的に結合することができる。
図22~
図27に示す実施形態では、たとえば、流体収集デバイスは、真空採血管、培養瓶、サンプルリザーバ、シリンジ、及び/又は負圧、吸引力、真空及び/又はエネルギーポテンシャルを規定又は生成するように構成された他の任意の好適な容器又はデバイスであり得る。
【0145】
[0161] アクチュエータ450が第1位置及び/又は形態にあるとき、ハウジング410の入口413は、たとえば流路415と流体連通し、流路415はさらに、第1ポート417と流体連通している。ハウジング410の出口414は、流路416と流体連通し、流路416はさらに、第2ポート418と流体連通している(たとえば、
図24を参照)。詳細に上述したように、制御デバイス400が第1状態又は動作モードにあるとき(たとえば、アクチュエータ450及び流量コントローラ440が各々それらの第1状態にあるとき)、流体収集デバイスを出口414に流体的に結合することにより、流路416の少なくとも一部内に、さらに、流量コントローラ440の表面(たとえば、第1面)とハウジング410の第1凹凸面421との間に画定された隔離チャンバ430の部分内に、負の圧力差及び/又は吸引力が発生し及び/又は他の方法でもたらされる。
【0146】
[0162] 流量コントローラ440は、流体収集デバイスが出口414に結合される前は、第1状態及び/又は形態にある。
図22~
図27に示す実施形態では、流量コントローラ440は、流体収集デバイスを出口414に結合する前は反転した、逆転した、つぶれた、及び/又は空の形態(たとえば、第1状態及び/又は形態)を有することができる、流体不透過性のブラダー等である。たとえば、
図24及び
図25に示すように、流量コントローラ440がその第1状態及び/又は形態にあるとき、流量コントローラ440を、第2凹凸面426に隣接して及び/又は接触して配置することができる。
【0147】
[0163] 上述したように、コントローラ440は、流量コントローラ440と第1凹凸面421との間に画定された隔離チャンバ430の部分内に負の圧力差及び/又は吸引力が発生することに応じて、その第1状態及び/又は形態からその第2状態及び/又は形態に移行するように構成されている。たとえば、流量コントローラ440は、流量コントローラ440がその第1状態にあるとき(
図24及び
図25)、第2凹凸面426に隣接して及び/又は接触して配置することができ、流量コントローラが第1凹凸面421に隣接して及び/又は接触して配置されるその第2状態に、移行させ、移動させ、「反転させ」、置き、及び/又は他の方法で再構成することができる。さらに、第2輪郭面426によって形成された換気チャネル431により、空気が第2凹凸面426と流量コントローラ440との間に流れることができ、それにより、いくつかの例では、ポート418を介して流量コントローラ440と第1凹凸面421との間の容積部内に正圧(たとえば、製造、検査及び/又は使用中等に流量コントローラ440を第2凹凸面426に向かうように駆動及び/又は付勢する正圧)が加えられた場合及び/又はときに、空気のポケットが第2凹凸面426と流量コントローラ440との間に捕捉される可能性を低減させることができる。
【0148】
[0164] アクチュエータ450がその第1状態にあるとともに、流量コントローラ440がその第2状態にあるとき、制御デバイス400は、その第2状態及び/又は形態に置かれる。流量コントローラ440の移行により、流量コントローラ440の表面(たとえば、第1面とは反対側の第2面)と第2凹凸面426との間に画定された隔離チャンバ430の部分の内部容積が増大することになる。デバイス200に関して詳細に上述したように、内部容積の増大により、(少なくとも一部には流量コントローラ440によって画定された)隔離チャンバ430の部分と、たとえば入口413との間に、体液の初期流れ、量又は体積の少なくとも一部を入口413から流路415及び第1ポート417を通って隔離チャンバ430の上記部分に引き込む際に動作可能である、負の圧力差をもたらすことができる。いくつかの例では、たとえば、流量コントローラ440が完全に膨張し、反転し及び/又は移行するまで、負の圧力差が低下及び/又は等化するまで、及び/又は隔離チャンバ430の上記部分内に所望の体積の体液が配置されるまで、隔離チャンバ430内に体液の初期体積及び/又は流れを移送することができる。さらに、デバイス200に関して上述したように、絞り419は、隔離チャンバ430内で及び/又は流量コントローラ440の表面に対して発生する負の圧力差及び/又は吸引力の大きさを限定、制限、制御及び/又は調整するように構成することができ、それにより、1つ又は複数の流路内及び/又は体液源(たとえば、患者の静脈)内の吸引力を調整することができる。他の実施形態では、第2ポート418及び/又はデバイス400の任意の好適な部分を、たとえばデバイス200に関して上述した態様等、任意の好適な態様で、隔離チャンバ30の1つ又は複数の部分内で吸引力を調整するように構成することができる。
【0149】
[0165] いくつかの実施形態では、隔離チャンバ430及び/又は流量コントローラ440、換気チャネル431及び/又は換気隆起部424の形状、サイズ及び/又は配置構成、負の圧力差又は吸引力の大きさ、及び/又は負の圧力差又は吸引力がかけられる方法により、流量コントローラ440が第1状態から第2状態に移行する速度、順序及び/又は態様を規定及び/又は制御することができる。いくつかの例では、流量コントローラ440が移行する速度、順序及び/又は方法を制御することにより、隔離チャンバの少なくとも一部内への及び/又はそこを通る空気、気体及び/又は体液の流れに関連する、1つ又は複数の所望の流れ特性をもたらすことができる。たとえば、本実施形態に含まれる配置構成は、第1変形可能部分441及び第2変形可能部分442の移行及び/又は反転の完了の前に、流量コントローラ440の第3変形可能部分443の移行及び/又は反転が完了するというものであり得る。さらに、第1凹凸面421に沿った換気隆起部424の配置により、あり得る流れ制限部及び/又はシール(それらは、負の圧力差又は吸引力が制限部又はシールの反対側に配置された流量コントローラ440の部分を移行及び/又は反転させるのを本来妨げる可能性がある)を阻止することにより、流量コントローラ440が所望の態様又は順序で移行及び/又は反転する可能性を増大させることができ、及び/又はそのようなことを確実にすることができる。
【0150】
[0166] この配置構成は、第1変形可能部分441と第2凹凸面426の第1凹部427とによってまとめて画定される隔離チャンバ430の部分(たとえば、隔離チャンバ430の第1容積部)が、流路が体液を受け取り及び/又は体積で充填される前に、体液源と隔離チャンバ430との間の流路内にあったある体積の空気の少なくとも一部を受け取るようというものであり得る。同様に、第2変形可能部分442と第2凹凸面426の第2凹部428とによってまとめて画定された隔離チャンバ430の部分(たとえば、隔離チャンバ430の第2容積部)が、流路内にあった上記体積の空気の少なくとも一部を受け取ることができる。隔離チャンバ430及び/又は流量コントローラ440の代替配置構成は、隔離チャンバ230及び/又は流量コントローラ240に関して上述したものと形態及び機能において同様とすることができ、したがって、それらについて本明細書ではこれ以上詳細には記載しない。
【0151】
[0167] 初期体積の体液を隔離チャンバ430内に移送すると、上述したように、アクチュエータ450の端部451に力をかけて、アクチュエータ450をその第2位置、状態、動作モード及び/又は形態に移行させ及び/又は置くことができる。いくつかの例では、アクチュエータ450の端部451に力をかける前に、アクチュエータ450を係止形態又は状態から係止解除形態又は状態に移行させることができる。
図22~
図27に示す実施形態では、アクチュエータ450の移行は、使用者によるアクチュエータ450の相互作用及び/又は操作によって達成することができ、及び/又はそうでなければ結果として生じる可能性がある。しかしながら、他の実施形態では、アクチュエータ450の移行は、デバイス400内の負圧及び/又は関連する流れの動態に応じて自動的に発生することができ、及び/又は、アクチュエータ450の移行をもたらす1つ又は複数の動態又は状態を発生させる外部エネルギー源により又はそのような外部エネルギー源に応じて実施され得る。
【0152】
[0168]
図26及び
図27に示すように、流量コントローラ440及びアクチュエータ450の各々がその第2状態にあるとき、制御デバイス400はその第3状態に置かれる。アクチュエータ450がその第2状態、位置及び/又は形態から移行するとき、入口413及び出口414は(たとえば、流路416及び/又は流れチャネル452を介して)流体的に接続された状態に置かれ、一方で、流路415及び/又は第1ポート417は、隔離され、分離され、及び/又は他の方法で入口413及び/又は出口414と流体連通していない。したがって、初期体積の体液は、隔離チャンバ430の一部内に隔離される。さらに、いくつかの例では、たとえば皮膚常在微生物及び/又は他の任意の汚染物質等の汚染物質は、初期体積の体液内に混入し及び/又は含まれる可能性があり、したがって、隔離チャンバ430内に初期体積が隔離されるとき、その隔離チャンバ430内に隔離される。したがって、流路416の上に又はそこを通して且つ第2ポート418を通して他の場合ではかけられていた負圧は、このとき、たとえば、流路415及び416及び/又はアクチュエータ450の流れチャネル452の少なくとも一部を介して、出口414及び入口413に又はそこを通してかけられる。それに応じて、体液は、入口413から、ハウジング410のアクチュエータ部分412を通って、出口414を通って、出口414に結合された流体収集デバイス内に流れ込むことができる。したがって、デバイス400は、詳細に上述したデバイス100及び/又は200と実質的に同様の態様で機能することができる。
【0153】
[0169] ここで
図28を参照すると、一実施形態による、汚染が低減した体液のサンプルを取得するために流体制御デバイスを使用する方法10を示すフローチャートが提示されている。流体制御デバイスは、詳細に上述した流体制御デバイス100、200、300及び/又は400のうちの任意のものと同様であり及び/又は実質的に同一であり得る。したがって、流体制御デバイス(本明細書では、「制御デバイス」又は「デバイス」とも称する)は、ハウジング、流量コントローラ及びアクチュエータを含むことができる。方法10は、11において、体液源とハウジングの入口との間に流体連通を確立することを含む。たとえば、いくつかの実施形態では、使用者は、流体制御デバイスを操作して、入口を内腔含有デバイス(たとえば、針、IV、PICCライン等)に物理的に及び/又は流体的に結合することができ、内腔含有デバイスはさらに患者と流体連通している。他の実施形態では、体液源は、患者以外の体液の供給源(たとえば、リザーバ、コンテナ等)であり得る。
【0154】
[0170] 12において、ハウジングの出口に流体収集デバイスが結合される。流体収集デバイスの出口への結合は、デバイス100、200、300及び/又は400に関して詳細に上述したように、流体制御デバイスの少なくとも一部内に負の圧力差をもたらし及び/又は他の方法で発生させるように構成されている。いくつかの実施形態では、たとえば、流体収集デバイスは、真空採血管、負圧を規定するサンプル又は培養瓶、シリンジ等であり得る。制御デバイスの流量コントローラは、13において、流体収集デバイスにかけられる吸引力に応じて、制御デバイスの流量コントローラが第1状態から第2状態に移行して、流量コントローラとハウジングの一部とによりまとめて画定された隔離チャンバの容積を増大させる。たとえば、いくつかの実施形態では、流量コントローラは、隔離チャンバ内に配置されている、詳細に上述した流量コントローラ240、340及び/又は440と同様の、流体不透過性ブラダー等であり得る。
【0155】
[0171] 流量コントローラ(たとえば、ブラダー)は、吸引力に応じて移行、変形、反転及び/又は他の方法で再構成するように構成された、任意の数の変形可能部分を画定することができる。いくつかの実施形態では、隔離チャンバの第1部分を、流量コントローラの第1変形可能部分に関連付け、及び/又はそれによって少なくとも部分的に画定することができ、隔離チャンバの第2部分を、流量コントローラの第2変形可能部分に関連付け、及び/又はそれによって少なくとも部分的に画定することができる。いくつかの実施形態では、隔離チャンバ内の流量コントローラの配置構成は、隔離チャンバの第1部分及び第2部分が、流量コントローラ(たとえば、流体不透過性ブラダー)の第1側部にあり、隔離チャンバの第3部分が、流量コントローラの第1側部とは反対側の第2側部にあるというものであり得る。少なくともデバイス200、300及び/又は400に関して上述したように、ハウジング、流量コントローラ及びアクチュエータの配置構成は、アクチュエータが第1状態及び/又は形態にあるとき、入口は、(たとえば、上述した第1ポート217、317及び/又は417と同様のポートを介して)隔離チャンバの第1部分及び/又は第2部分と流体連通し、出口は、(たとえば、上述した第2ポート217、317及び/又は417と同様のポートを介して)隔離チャンバの第3部分と流体連通しているというものであり得る。したがって、隔離チャンバの第3部分は、流体収集デバイスによって発生する吸引力の少なくとも一部にさらすことができ、この吸引力は、流体コントローラをその第1状態からその第2状態に移行させるように動作可能である。
【0156】
[0172] 14において、隔離チャンバの第1部分は、隔離チャンバの容積の増大に応じて、体液源と隔離チャンバとの間に画定された流路に収容されたある体積の空気を受け取る。たとえば、いくつかの実施形態では、ハウジングの入口を針又は内腔含有デバイスに流体的に結合することができ、針又は内腔含有デバイスはさらに患者の一部内に挿入される。したがって、流路は、たとえば、針又は内腔含有デバイスの内腔、ハウジングの入口の内腔、及び、ハウジングによって画定された1つ又は複数の流路、チャネル、開口部、ポート等の内腔により、まとめて画定することができる。言い換えれば、制御デバイスは、体液を隔離チャンバに移送する前に流路から空気をパージするように構成することができる。
【0157】
[0173] いくつかの実施形態では、隔離チャンバの第1部分は、たとえば、隔離チャンバの中心又は中心部分であり得る。いくつかの実施形態では、隔離チャンバの第1部分は、(たとえば、上述した隔離チャンバ230及び/又は430と同様の)任意の数の領域、容積部及び/又は区画によってまとめて形成することができる。他の実施形態では、隔離チャンバの第1部分は、(たとえば、上述した隔離チャンバ330と同様の)単一の及び/又は連続した部分であり得る。さらに他の実施形態では、隔離チャンバの第1部分及び隔離チャンバの第2部分は、隔離チャンバ全体又は実質的に隔離チャンバ全体が単一の及び/又は連続した容積部であるように、「インライン」であり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、隔離チャンバは、2018年9月12日に出願された「Fluid Control Devices and Methods of Using the Same」と題する米国特許出願公開第2019/0076074号(本明細書では「‘074公報」と称する)に詳細に記載されているものと同様の形状及び/又は配置構成を有することができ、その出願の開示は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0158】
[0174] 15において、隔離チャンバの第2部分は、隔離チャンバの容積の増大に応じて初期体積の体液を受け取る。より具体的には、隔離チャンバの第1部分が上記体積の空気を受け取った後、隔離チャンバの第2部分は初期体積の体液を受け取ることができる。いくつかの実施形態では、体液の初期体積は、隔離チャンバの第2部分を実質的に充填するのに十分な体積であり得る。他の実施形態では、体液の初期体積は、(たとえば、容積の増大からもたらされる)負の圧力差が閾値の大きさ又は量未満である間に、隔離チャンバの第2部分内に流れ込む体液の体積又は量であり得る。他の実施形態では、隔離チャンバ内及び/又は体液源と隔離チャンバとの間の流路内の圧力が等しくなるまで、体液は、隔離チャンバの第2部分内に流れ込むことができる。さらに他の実施形態では、初期体積は、本明細書に詳細に記載する量又は体積のうちの任意のもの等、体液の任意の好適な量又は体積であり得る。いくつかの例では、隔離チャンバの第2部分の充填又は実質的な充填は、隔離チャンバの第1部分内の上記体積の空気を隔離、保持、及び/又は流体的にロックするように動作可能であり得る。
【0159】
[0175] 初期体積の体液を受け取った後、16において、デバイスのアクチュエータは、第1形態から第2形態に移行して、(1)隔離チャンバを隔離し、(2)吸引力に応じて後続体積の体液が入口から出口まで流れるようにする。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、第1状態から第2状態に移行して、隔離部分内で初期体積の体液を自動的に隔離することができる。他の実施形態では、アクチュエータは、アクチュエータ250、350及び/又は450に関して上述したように、使用者によってかけられる力に応じて、第1状態から第2状態に移行することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、アクチュエータは、(1)入口と隔離チャンバとの間の流路の少なくとも一部を流体的に分離し、(2)出口と隔離チャンバとの間の流路の少なくとも一部を流体的に分離し、(3)入口と出口との間に流体連通を確立して後続体積の体液がそれらの間を流れるようにすることができる、1つ又は複数のシール等を含むロッド又はプランジャであり得る。
【0160】
[0176] ハウジングの出口に流体収集デバイスが流体的に結合された状態で、後続体積の体液(たとえば、1つ又は複数のサンプル体積)を、流体収集デバイス内に搬送し、たとえば、本明細書に記載するもの等の任意の好適な検査において使用することができる。詳細に上述したように、いくつかの例では、デバイスの隔離部分内に初期体積の体液を隔離することにより、その初期体積内に含まれる任意の汚染物質を隔離することができる。したがって、本来は検査において間違った又は不正確な結果をもたらす可能性がある、後続体積の体液内の汚染物質を、低減させるか又は実質的になくすことができる。
【0161】
[0177] さまざまな実施形態について上述したが、それらは、限定としてではなく単に例として提示されていることが理解されるべきである。上述した概略図及び/又は実施形態が、いくつかの向き又は位置で配置されたいくつかの構成要素を示す場合、それら構成要素の配置は変更することができる。実施形態について特に図示し記載したが、形態及び詳細のさまざまな変更を行うことができることが理解されよう。さまざまな実施形態を、構成要素の特定の特徴、概念及び/又は組合せを有するものとして記載したが、本明細書に記載する実施形態のうちの任意のものからの任意の特徴、概念及び/又は構成要素の任意のコンビネーション又はサブコンビネーションを有する他の実施形態が可能である。
【0162】
[0178] いくつかの実施形態では、さまざまな構成要素の具体的な構成もまた変更することができる。たとえば、さまざまな構成要素のサイズ及び具体的な形状は、本明細書に記載するような機能を依然として提供しながら、図示する実施形態とは異なり得る。いくつかの実施形態では、こうした構成要素のサイズ及び/又は形状を変更することにより、デバイスの全体的なサイズを低減させることができ、及び/又はデバイスの機能を変更することなくデバイスの人間工学を向上させることができる。いくつかの実施形態では、さまざまな構成要素のサイズ及び/又は形状は、所望の又は意図された使用に対して具体的に選択することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載するもの等のデバイスは、表面上健康な成人患者で又はそのような患者に対して使用されるように構成することができる。こうした実施形態では、デバイスは、第1容積(たとえば、約0.5ml~約5.0ml)を有する隔離チャンバを含むことができる。他の実施形態では、本明細書に記載するもの等のデバイスは、たとえば重症患者及び/又は小児科患者で又はそのような患者に対して使用されるように構成することができる。こうした実施形態では、デバイスは、第1容積よりも小さい第2容積(たとえば、約0.5ml未満)を有する隔離チャンバを含むことができる。したがって、文脈上明示的な別段の定めのない限り、実施形態及び/又はその構成要素のサイズ、形状及び/又は配置構成は、所与の使用に対して適合させることができることが理解されるべきである。
【0163】
[0179] 本明細書に記載した実施形態のうちの任意のものを、たとえば、‘420特許に記載されている流体リザーバ等、任意の好適な流体移送、流体収集及び/又は流体保管デバイスとともに使用することができる。いくつかの場合では、本明細書に記載する実施形態のうちの任意のものを、たとえば、‘783特許、‘510公報、‘074公報に記載されているデバイス、及び/又は、2012年10月22日に出願された、「Fluid Diversion Mechanism for Bodily-Fluid Sampling」と題する米国特許第8,535,241号、2013年5月29日に出願された、「Fluid Diversion Mechanism for Bodily-Fluid Sampling」と題する米国特許第9,060,724号、2013年12月2日に出願された、「Syringe-Based Fluid Diversion Mechanism for Bodily-Fluid Sampling」と題する米国特許第9,155,495号、2016年6月23日に出願された、「Devices and Methods for Syringe Based Fluid Transfer for Bodily-Fluid Sampling」と題する米国特許出願公開第2016/0361006号、2017年11月20日に出願された、「Systems and Methods for Sample Collection with Reduced Hemolysis」と題する米国特許出願公開第2018/0140240号、及び/又は2016年9月6日に出願された、「Apparatus and Methods for Maintaining Sterility of a Specimen Container」と題する米国特許第9,950,084号に記載されているデバイスのうちの任意のもの等、任意の好適な流体移送アダプタ、流体移送デバイス、流体収集及び/又は流体保管デバイスとともに使用することができ、上記特許及び出願の開示はそれらの全体において参照により本明細書に援用される。
【0164】
[0180] 制御デバイス100、200、300及び/又は400について、流体収集デバイス内の負圧の結果としてデバイス内に体液を移送するものとして記載しているが、他の実施形態では、本明細書に記載するデバイスは、たとえばシリンジ又はポンプ等、負の圧力差、吸引力等を確立するように構成された任意の好適なデバイスと使用することができる。他の実施形態では、制御デバイスが、事前装填された隔離チャンバ、排気された隔離チャンバ、負圧を生成するように構成された手動で起動されるデバイス、エネルギー源(たとえば、化学エネルギー源、運動エネルギー源等)、及び/又は制御デバイスの一部内に圧力差を規定及び/又は形成する他の任意の好適な手段を含むことができる。さらに、制御デバイスは、使用者(たとえば、医師、看護師、技師、内科医等)がこうした収集デバイスに結合することができ、又は製造中に結合し又は組み立てることができる。いくつかの実施形態では、制御デバイス及び収集デバイス(たとえば、サンプル容器又はシリンジ)を事前に組み立てることにより、たとえば、サンプル体積の体液を収集する前に初期量の体液の隔離を必要とするサンプル獲得プロトコルへの準拠を強制することができる。
【0165】
[0181] 上述した実施形態のうちのいくつかは、特定の構成及び/又は配置を有する流量コントローラ及び/又はアクチュエータを含むが、他の実施形態では、流体制御デバイスは、流体制御デバイスの1つ又は複数の部分を通る体液の流れを選択的に制御するように構成された任意の好適な流量コントローラ及び/又はアクチュエータを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態は、アクチュエータとともに且つデバイスの一部(たとえば、ハウジングの内面等)に対して移動する、Oリング又はエラストマーオーバーモールドとして配置された1つ又は複数のシールを有するアクチュエータを含むが、他の実施形態では、流体制御デバイスは、任意の好適な構成を有する1つ又は複数のシールを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、流体制御デバイスは、制御デバイスの一部分に固定して結合されるエラストマーシート等として配置された1つ又は複数のシールを含むことができる。こうした実施形態では、ピン又はロッド等のアクチュエータの一部分が、1つ又は複数のエラストマーシートに画定された開口部を通って延在することができ、1つ又は複数のエラストマーシートは、ピン又はロッドの外面と実質的に流体密封のシールを形成する。したがって、アクチュエータの少なくとも一部分が、1つ又は複数のエラストマーシートに対して移動することができ、1つ又は複数のエラストマーシートは、制御デバイスの上記部分に対して実質的に固定位置であり続ける。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のエラストマーシートによって画定された開口部からアクチュエータの上記部分を除去することにより、本来アクチュエータのその部分によって閉塞されていた開口部を通る流体の流れを可能にすることができる。したがって、1つ又は複数のエラストマーシートは、本明細書に記載するシールのうちの任意のものと同様の態様で機能することができる。さらに、いくつかの実施形態では、こうした配置構成により、たとえば、所望の流体密封シールを形成することに関する摩擦の量を低減させることができ、それによりさらに、制御デバイス内のシールの移動を容易にするために本来使用される潤滑剤の使用を回避することができる。
【0166】
[0182] いくつかの実施形態では、デバイス及び/又は流量コントローラは、デバイス、流量コントローラ及び/又はアクチュエータを通る流体の流れを少なくとも部分的に制御するように構成された、1つ又は複数の通気孔、膜、部材、半透過性バリア等を含むことができる。たとえば、隔離チャンバ230の一部を、体液源と隔離チャンバ230との間の流路から排出され、排気され及び/又はパージされたある体積の空気を受け取るとともに保持するものとして上述しているが、他の実施形態では、隔離チャンバ230は、空気が隔離チャンバ230から出ることができるように構成された通気孔又は選択的透過性膜を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、ブラダー又はダイアフラム(又はその一部)を、空気は流れることができるが体液は流れることができない半透過性材料で又はそのような材料から形成することができる。他の実施形態では、隔離チャンバと出口又は入口のうちの少なくとも一方との間の流路内に又はそれに沿って、半透過性材料を配置して、選択的に空気及び/又は体液がそれらの間を流れることができるようにすることができる。いくつかの実施形態では、流体制御デバイスは、上記において参照により援用された‘074公報に記載されている半透過性部材及び/又は膜(たとえば、流量コントローラ)と形態及び/又は機能が同様であり得る、半透過性部材及び/又は膜を含むことができる。
【0167】
[0183] 流量コントローラ240、340及び440について、ブラダーの表面にかけられる負圧の閾値量を超える量の負圧に応じて、移行する、移動する、反転する、及び/又は他の方法で再構成するように構成されたブラダーであるものとして記載しているが、他の実施形態では、流体制御デバイスは、所望の及び/又は所定の量の負圧にさらされることに応じて任意の好適な態様で移行する、移動する、反転する、及び/又は他の方法で再構成するように構成された、任意の好適な流量コントローラ、アクチュエータ、半透過性(たとえば、空気透過性及び液体不透過性)部材等を含むことができる。他の実施形態では、制御デバイスは、負の圧力差にさらされることに応じて、第1状態から第2状態に反転する(たとえば、比較的急速に及び/又は実質的に均一に移行する)ように構成され、又は徐々に移行する(たとえば、(巻かれた状態から)広がる、(折り畳まれた状態から)広がる、(畳まれた状態から)広がる、及び/又は他の方法で再構成する)ように構成されている、ブラダー(又は流量コントローラ)を含むことができる。いくつかの例では、ブラダー(又は流量コントローラ)が移行する速度を制御することにより、隔離チャンバ内で生成される負の圧力差、さらに、患者の静脈及び/又は他の好適な体液源内にかけられる吸引力の大きさの調整及び/又は制御を可能にすることができる。
【0168】
[0184] 上述した実施形態のうちのいくつかは、流体制御デバイスの1つ又は複数の部分を物理的に及び/又は機械的に隔離する流量コントローラ及び/又はアクチュエータを含むが、他の実施形態では、流体制御デバイスは、流体制御デバイスの1つ又は複数の部分を物理的に及び/又は機械的に隔離する必要はない。たとえば、いくつかの実施形態では、アクチュエータ250等のアクチュエータを、初期体積の体液が入口から隔離チャンバ又は部分まで流れることができる第1状態から、(1)隔離チャンバ又は部分が物理的に及び/又は機械的に隔離されるとともに、(2)入口が流体制御デバイスの出口と流体連通している第2状態まで、移行させることができる。しかしながら、他の実施形態では、アクチュエータ及び/又は流体制御デバイスの他の任意の好適な部分が、初期体積の体液が入口から隔離チャンバ又は部分まで流れることができる第1状態から、隔離チャンバ又は部分を物理的に及び/又は機械的に隔離する(又は分離する)ことなく入口が出口と流体的に接続された状態に置かれる第2状態に移行することができる。こうした制御デバイスが第2状態にあるとき、制御デバイスの1つ又は複数の特徴及び/又は幾何学的形状により、体液の優先的な流れが入口から出口まで流れることができ、初期体積の体液を、物理的に及び/又は機械的に隔離又は分離されることなく隔離チャンバ又は部分内に保持することができる。
【0169】
[0185] 絞り219について、デバイス200の少なくとも一部の上に又はそこを通して(たとえば、隔離チャンバ230内に及び/又は別の態様で流量コントローラ240の上に)加えられる負圧の大きさを調整及び/又は制御するものとして上述しているが、他の実施形態では、制御デバイスが、制御デバイスの少なくとも一部を通る1つ又は複数の圧力差を調整し、もたらし、及び/又は他の方法で制御するように構成された、任意の好適な特徴、機構及び/又はデバイスを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、使用者は、制御デバイスの1つ又は複数の部分内の負圧の量及び大きさを手動で調整し及び/又は他の方法で制御するように、制御デバイスの一部内の流路又は流体流インタフェースの1つ又は複数の部分のサイズを変更する(たとえば、低減又は増大させる)ように、アクチュエータを移行及び/又は移動させることができる。
【0170】
[0186] 図示しないが、本明細書に記載したデバイスのうちの任意のものが、隔離チャンバと流体連通する開口部、ポート、カプラ、隔壁、ルアーロック(Luer-Lok)、ガスケット、弁、ねじコネクタ、標準流体インタフェース等(簡単のために「ポート」と称する)を含むことができる。いくつかのこうした実施形態では、ポートは、任意の好適なデバイス、リザーバ、圧力源等に結合するように構成することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、ポートはリザーバに結合するように構成することができ、それにより、より大きい体積の体液が隔離チャンバに分流し及び/又は移送されるようにすることができる。他の実施形態では、ポートは、隔離チャンバ、チャネル、リザーバ等内に体液の一部又は全体積を収集するように、真空採血管、ポンプ、シリンジ等の負圧源に結合することができ、ポートは、その体積の体液(たとえば、プリサンプル体積)をさらなる臨床及び/又は生体外(in vitro)診断検査目的に使用することができる。他の実施形態では、ポートは、初期体積が隔離チャンバ内に配置又は隔離されている間に、その初期体積に対して1つ又は複数の検査(たとえば、潜在的な汚染に対して影響を受けにくい検査)を実施するために使用することができる、プローブ、サンプル採取具、検査デバイス等を受け入れるように構成することができる。さらに他の実施形態では、ポートは、(たとえば、小児科患者、重症患者、低血液量の患者等の場合において)隔離チャンバ内に隔離された初期体積の体液を患者の体内及び/又は体液源内に戻すように注入するように構成された任意の好適な圧力源又は注入デバイスに結合することができる。他の実施形態では、隔離チャネル、チャンバ及び/又はリザーバは、チャンバ内に一体化された他の診断検査構成要素(たとえば、試験紙検査)が追加されて、初期体液がその検査に使用されるように構成することができる。
【0171】
[0187] さらに他の実施形態では、隔離チャンバ、チャネル及び/又はリザーバは、取外し可能であり、病状の疑いのある患者に対して一般に実施される他のタイプの体液検査に対して検査機器と適合性があり及び/又は特にアクセス可能であるように設計し、サイズ決めし、構成することができる。例として、敗血症の疑いのある患者は、一般に、ラクテート検査、プロカルシトニン検査及び血液培養検査に対して血液サンプルが収集される。本明細書に記載する流体制御デバイスのすべてを、隔離チャンバ、チャネル、リザーバ等を(たとえば、初期体積の体液を受け取った後に)取り外すことができ、その中に収容された体液を、微生物検査のために後続サンプルが収集される前に又はされた後に、これらの追加の検査目的に使用することができるように構成することができる。
【0172】
[0188] 図示しないが、いくつかの実施形態では、流体制御デバイスは、体液の「迂回」流を選択的に可能にするように構成された1つ又は複数の内腔、チャネル、流路等を含むことができ、そこでは、初期量又は体積の体液が、入口から、隔離チャンバを迂回するように内腔、チャネル、流路等を通って収集デバイス内に流れ込むことができる。いくつかの実施形態では、流体制御デバイスは、たとえば少なくとも3つの状態、すなわち、体液が入口から隔離チャンバに流れることができる第1状態と、初期体積が隔離チャンバ内に隔離された後に体液が入口から出口に流れることができる第2状態と、体液が入口から迂回流路を通って出口まで流れることができる第3状態とを有する、アクチュエータを含むことができる。他の実施形態では、制御デバイスは、具体的な実施形態に関して詳細に上述したように、デバイスを第1状態と第2状態との間で移行させるように構成された第1アクチュエータを含むことができ、デバイスを迂回形態等に移行させるように構成された第2アクチュエータを含むことができる。さらに他の実施形態では、制御デバイスは、流体制御デバイスを選択的に迂回形態又は状態に置くるように構成された任意の好適なデバイス、特徴、構成要素、機構、アクチュエータ、コントローラ等を含むことができる。
【0173】
[0189] いくつかの実施形態では、本明細書に記載したもの等の流体制御デバイスを使用する方法は、体液源(たとえば、患者の静脈等)と流体制御デバイスの入口との間に流体連通を確立する順序付けられたことを含むことができる。そして、流体制御デバイスの出口が、負圧源と流体的に接続された状態に置かれ、及び/又は他の方法で負圧源と係合する。こうした負圧源は、サンプルリザーバ、シリンジ、真空採血管、中間移送デバイス等であり得る。流体制御デバイスは、出口が負圧源に結合されると、第1状態又は動作モードとなることができ、したがって、流体制御デバイスを通して、流体制御デバイスの隔離チャンバ内に初期体積の体液を引き込む負の圧力差が加えられる。たとえば、サンプルリザーバ内の負圧は、患者から隔離チャンバ内に初期体積の体液を引き込む際に動作可能であり得る。隔離チャンバ内の初期体積の体液が配置されると、流体制御デバイスは、自動的に又は使用者の介入を介して、第1状態又は動作モードから第2状態又は動作モードに移行して、(1)隔離チャンバ内に初期体積が隔離され、(2)入口と出口との間に流体連通が確立されるようにする。初期体積の隔離は、初期体積の流れに混入した汚染物質が、隔離チャンバ内に同様に隔離されるというものであり得る。初期体積の体液が隔離チャンバ内に隔離された状態で、且つ入口と出口との間で流体連通が確立された状態で、実質的に汚染のない後続体積の体液を1つ又は複数のサンプルリザーバに収集することができる。
【0174】
[0190] 流体制御デバイスを使用する方法について、列挙した順序付けられたことを含むものとして明示的に記載しているが、他の実施形態では、本明細書に記載する方法又はプロセスのうちの任意のものにおけるいくつかの事象及び/又は手順の順序付けを変更することができ、こうした変更は、本発明の変形形態による。さらに、いくつかの事象及び/又は手順は、可能な場合は平行プロセスにおいて同時に実施することができるとともに、上述したように逐次実施することができる。いくつかのステップは、後続するステップに進む前に部分的に完了することができ、又は省略することができる。たとえば、デバイスは、本明細書では、第1状態から第2状態に不連続動作等で移行するものとして記載しているが、本明細書に記載するデバイスは、第1状態から第2状態に自動的に及び/又は受動的に移行するように構成することができ、こうした移行はある期間にわたって発生することができる、ということが理解されるべきである。言い換えれば、第1状態から第2状態への移行は、いくつかの例では、初期体積の体液の少なくとも一部が隔離チャンバ内に移送されている際、ハウジングが第1状態から第2状態への移行を開始するように、比較的漸進的であり得る。いくつかの例では、第1状態から第2状態に移行するときの変化の速度は、移行に関連する1つ又は複数の所望の特性を達成するように選択的に制御することができる。さらに、いくつかのこうした例では、初期体積の最後の部分の流入が、隔離チャンバ内にすでに配置されている体液がそこから漏れ出るのを制限及び/又は実質的に阻止することができる。したがって、第1状態から第2状態への移行は、所与の量の時間にわたって発生する可能性があるが、隔離チャンバは、それにも関わらず、その中に配置されたその体積の体液を隔離することができる。