(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置電源システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20250227BHJP
A24F 40/57 20200101ALI20250227BHJP
H02J 7/04 20060101ALI20250227BHJP
H02J 7/10 20060101ALI20250227BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250227BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20250227BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/57
H02J7/04 A
H02J7/10 A
H02J7/00 A
H02J7/00 302C
H02J7/00 303C
H02J7/02 F
(21)【出願番号】P 2022532144
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2020086500
(87)【国際公開番号】W WO2021122801
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-12-13
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ピラトヴィチ, ゴジェゴジ アレクサンダー
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/100498(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/57
H02J 7/04
H02J 7/10
H02J 7/00
H02J 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
少なくとも1つのスーパーキャパシタと少なくとも1つのバッテリとを備え、複数の選択可能な動作モードで動作可能な電源システムと、
前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御するよう構成されるコントローラと、を備え、
前記複数の動作モードは、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータがエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードを備え、前記浮動モードにおいて、前記コントローラは、
前記エアロゾル発生装置に関連する前記ヒータを実質的に前記エアロゾル発生温度に維持するよう、前記電源システムの電力フローを制御し、
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、前記少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される、
エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記複数の動作モードは更にポストセッションモードを備え、前記ポストセッションモードにおいて、前記コントローラは、
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタが前記浮動モードの終了点で実質的に充電されていない場合、前記ポストセッションモードにおいて、前記浮動モードの前記終了点を超えて前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電し続けるよう、前記少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される、
請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記複数の動作モードは、前記エアロゾル発生装置に関連する前記ヒータが前記電源システムを用いて所定の温度まで加熱される、第1の予熱モードを更に備え、前記第1の予熱モードにおいて、前記コントローラは、
前記ヒータに電力を提供するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び前記少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される、
請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記複数の動作モードは、前記エアロゾル発生装置に関連する前記ヒータが前記電源システムを用いて所定の温度まで加熱される、第2の予熱モードを更に備え、前記第2の予熱モードにおいて、前記コントローラは、
前記少なくとも1つのバッテリが前記ヒータに電力を提供することなく、前記ヒータに電力を提供するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御するよう構成される、
請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記複数の動作モードは第1の充電モードを更に備え、前記第1の充電モードにおいて、前記コントローラは、
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタが完全に充電されるまで、前記エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、次いで、前記外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される、
請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記複数の動作モードは第2の充電モードを更に備え、前記第2の充電モードにおいて、前記コントローラは、
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタが所定の充電レベルに達するまで、前記エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、次いで、前記外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び前記少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される、
請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記所定の充電レベルは、
フル充電の50%超、
又はより好ましくは、フル充電の60%~90%、
又はより好ましくは、フル充電の70%~80%である、
請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記複数の動作モードは第3の充電モードを更に備え、前記第3の充電モードにおいて、前記コントローラは、
前記エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び前記少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される、
請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記第3の充電モードにおいて、前記コントローラは、
前記外部電源が適切な電源能力を有する場合、前記エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び前記少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される、
請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタは、少なくとも1つのハイブリッドスーパーキャパシタ及び/又は少なくとも1つの非対称スーパーキャパシタ及び/又は少なくとも1つの擬似スーパーキャパシタを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタは、前記エアロゾル発生装置内に受け入れられる少なくとも1つのエアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するよう、前記関連するヒータに電力を供給するのに十分なエネルギーを蓄積するよう構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記エアロゾル発生装置はエアロゾル発生消耗品を受け入れるよう配置され、前記エアロゾル発生消耗品はたばこロッドを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
エアロゾル発生装置の電源システムを制御する方法であって、前記電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、前記電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、前記方法は、
コントローラによって、前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御すること、を含み、
前記複数の動作モードは、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータがエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードを備え、前記浮動モードにおいて、前記方法は、
前記コントローラによって、前記エアロゾル発生装置に関連する前記ヒータを略前記エアロゾル発生温度に維持するよう前記電源システムの電力フローを制御することと、
前記コントローラによって、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう前記少なくとも1つのバッテリを制御することと、を更に含む、
方法。
【請求項14】
1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサにエアロゾル発生装置の電源システムを制御させる命令を格納する、非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、前記電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御させ、
前記複数の動作モードは、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータがエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードを備え、前記浮動モードにおいて、前記命令は、更に、前記1つ以上のプロセッサに、
前記エアロゾル発生装置に関連する前記ヒータを略前記エアロゾル発生温度に維持するよう、前記電源システムの電力フローを制御させ、
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、前記少なくとも1つのバッテリを制御させる、
非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【請求項15】
エアロゾル発生装置であって、
少なくとも1つのスーパーキャパシタと少なくとも1つのバッテリとを備え、複数の選択可能な動作モードで動作可能な電源システムと、
前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御するよう構成されるコントローラと、を備え、
前記複数の動作モードは、
前記エアロゾル発生装置に関連するヒータが前記電源システムを用いて所定の温度まで加熱される予熱モード
を備え
、
前記予熱モードにおいて、前記コントローラは、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタと前記少なくとも1つのバッテリの双方を前記ヒータに電力を供給するように制御し、又は、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを前記ヒータに電力を供給するように制御する、
エアロゾル発生装置。
【請求項16】
エアロゾル発生装置であって、
少なくとも1つのスーパーキャパシタと少なくとも1つのバッテリとを備え、複数の選択可能な動作モードで動作可能な電源システムと、
前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御するよう構成されるコントローラと、を備え、
前記複数の動作モードは、予熱モード及び/又は充電モードを備え、
前記複数の動作モードは、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータがエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードを更に備え、前記浮動モードにおいて、前記コントローラは、
前記エアロゾル発生装置に関連する前記ヒータを略前記エアロゾル発生温度に維持するよう、前記電源システムの電力フローを制御し、
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、前記少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される
、
エアロゾル発生装置。
【請求項17】
前記複数の動作モードはポストセッションモードを更に備え、前記ポストセッションモードにおいて、前記コントローラは、
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタが前記浮動モードの終了点で実質的に充電されていない場合、前記ポストセッションモードにおいて前記浮動モードの前記終了点を超えて前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電し続けるよう、前記少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される、
請求項15又は請求項16に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項18】
前記予熱モードは、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータが前記電源システムを用いて所定の温度まで加熱される第1の予熱モードを備え、前記第1の予熱モードにおいて、前記コントローラは、
前記ヒータに電力を提供するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び前記少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される、
請求項15~17のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項19】
前記予熱モードは、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータが前記電源システムを用いて所定の温度まで加熱される第2の予熱モードを備え、前記第2の予熱モードにおいて、前記コントローラは、
前記少なくとも1つのバッテリが前記ヒータに電力を提供することなく、前記ヒータに電力を提供するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御するよう構成される、
請求項15~18のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項20】
前記複数の動作モードは第1の充電モードを備え、前記第1の充電モードにおいて、前記コントローラは、
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタが完全に充電されるまで、前記エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、次いで、前記外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される、
請求項
15に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項21】
前記複数の動作モードは第2の充電モードを備え、前記第2の充電モードにおいて、前記コントローラは、
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタが所定の充電レベルに達するまで、前記エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、次いで、前記外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び前記少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される、
請求項15
又は20に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項22】
前記所定の充電レベルは、
フル充電の50%超、
又は好ましくは、フル充電の60%~90%、
又はより好ましくは、フル充電の70%~80%である、
請求項21に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項23】
前記複数の動作モードは第3の充電モードを備え、前記第3の充電モードにおいて、前記コントローラは、
前記エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び前記少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される、
請求項15
、20及び21のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項24】
前記第3の充電モードにおいて、前記コントローラは、
外部電源が適切な電源能力を有する場合、前記エアロゾル発生装置に接続可能な前記外部電源から充電するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び前記少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される、
請求項23に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタは、少なくとも1つのハイブリッドスーパーキャパシタ及び/又は少なくとも1つの非対称スーパーキャパシタ及び/又は少なくとも1つの擬似スーパーキャパシタを備える、請求項15~24のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つのスーパーキャパシタは、前記エアロゾル発生装置内に受け入れられる少なくとも1つのエアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するために、前記関連するヒータに電力を供給するのに十分なエネルギーを蓄積するよう構成される、請求項15~25のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項27】
前記エアロゾル発生装置はエアロゾル発生消耗品を受け入れるよう配置され、前記エアロゾル発生消耗品はたばこロッドを備える、請求項15~26のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項28】
エアロゾル発生装置の電源システムを制御する方法であって、前記電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、前記電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、前記複数の動作モードは、
前記エアロゾル発生装置に関連するヒータが前記電源システムを用いて所定の温度まで加熱される予熱モード
を備え、前記方法は、
コントローラによって、前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御すること、を含
み、前記予熱モードにおいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタと前記少なくとも1つのバッテリの双方は、前記ヒータに電力を供給するように制御され、又は、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタは、前記ヒータに電力を供給するように制御される、
方法。
【請求項29】
1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサにエアロゾル発生装置の電源システムを制御させる命令を格納する、非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、前記電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、前記複数の動作モードは
、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータが前記電源システムを用いて所定の温度まで加熱される予熱モード
を備え、
前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御させ、
前記予熱モードにおいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタと前記少なくとも1つのバッテリの双方は、前記ヒータに電力を供給するように制御され、又は、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタは、前記ヒータに電力を供給するように制御される、
非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【請求項30】
たばこロッドを加熱するよう構成されるエアロゾル発生装置であって、
少なくとも1つのスーパーキャパシタと少なくとも1つのバッテリとを備え、複数の選択可能な動作モードで動作可能な電源システムと、
前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御するよう構成されるコントローラと、を備え、
エアロゾル化セッションにおいて、前記動作モードは、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータが所定の温度まで加熱される予熱モードと、前記エアロゾル発生装置に関連する前記ヒータが前記たばこロッドのエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードとを備え、前記コントローラは、
前記予熱モードにおいて前記ヒータに電力を提供するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、
前記浮動モードにおいて前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、前記少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される、
エアロゾル発生装置。
【請求項31】
たばこロッドを加熱するよう構成されるエアロゾル発生装置の電源システムを制御する方法であって、前記電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、前記電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、前記方法は、
コントローラによって、前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御すること、を含み、
エアロゾル化セッションにおいて、前記動作モードは、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータが所定の温度まで加熱される予熱モードと、前記エアロゾル発生装置に関連する前記ヒータが前記たばこロッドのエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードとを備え、前記方法は、
前記予熱モードにおいて前記ヒータに電力を提供するよう前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御することと、
前記浮動モードにおいて前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう前記少なくとも1つのバッテリを制御することと、を更に含む、
方法。
【請求項32】
1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサにたばこロッドを加熱するよう構成されるエアロゾル発生装置の電源システムを制御させる命令を格納する、非一時的コンピュータ読取可能媒体であって、前記電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、前記電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサに、
前記選択された動作モードに基づいて、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び前記少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御させ、
エアロゾル化セッションにおいて、前記動作モードは、前記エアロゾル発生装置に関連するヒータが所定の温度まで加熱される予熱モードと、前記エアロゾル発生装置に関連する前記ヒータが前記たばこロッドのエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードとを備え、前記命令は、更に、前記1つ以上のプロセッサに、
前記予熱モードにおいて前記ヒータに電力を提供するよう、前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御させ、
前記浮動モードにおいて前記少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、前記少なくとも1つのバッテリを制御させる、
非一時的コンピュータ読取可能媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生装置に関し、特に、エアロゾル発生装置のための電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子たばこ及び他のエアロゾル吸入器又は気化装置等のエアロゾル発生装置は、一層人気が高くなりつつある消費者向け製品である。
【0003】
気化又はエアロゾル化のための加熱装置は、当技術分野において公知である。かかる装置は、一般に、加熱チャンバ及びヒータを含む。動作中、操作者は、エアロゾル化又は気化させる製品を加熱チャンバ内に挿入する。製品は、次いで、電子ヒータにより加熱されて、操作者が吸入するために製品の成分が気化される。幾つかの例において、製品は、従来の紙巻きたばこと同様のたばこ製品である。かかる装置は、製品が燃焼されることなくエアロゾル化点まで加熱されるという点で、往々にして「加熱非燃焼式」装置と称する。
【0004】
公知のエアロゾル発生装置が直面する問題は、十分に迅速な加熱を提供すること、及びエネルギーの有効利用を含んでいる。
【発明の概要】
【0005】
一態様において、エアロゾル発生装置が提供され、エアロゾル発生装置は、
少なくとも1つのスーパーキャパシタと少なくとも1つのバッテリとを備え、複数の選択可能な動作モードで動作可能な電源システムと、
選択された動作モードに基づいて、少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御するよう構成されるコントローラと、を備え、
複数の動作モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータがエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードを備え、浮動モードにおいて、コントローラは、
エアロゾル発生装置に関連するヒータを実質的にエアロゾル発生温度に維持するよう電源システムの電力フローを制御し、
少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される。
【0006】
このようにして、スーパーキャパシタは充電され、将来のエアロゾル化セッション予熱モードに備えることができる。これにより、使用者が使用の合間にスーパーキャパシタを充電するようエアロゾル発生装置を充電する必要がなくなる。このため、ユーザ体験が改善される。更に、スーパーキャパシタが再充電されるため、バッテリは、後続のエアロゾル化セッションにおける予熱のために用いられる必要がなくなり、それによってバッテリにストレスを与えることを回避し、バッテリ寿命の改善に寄与してもよい。これはまた、エアロゾル発生装置におけるエネルギーのより有効的な利用を可能にする。スーパーキャパシタは、電気化学二重層キャパシタ、擬似キャパシタ、又はハイブリッドキャパシタとして理解されてもよい。少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう少なくとも1つのバッテリを制御することの代替として、コントローラは、浮動モードにおいて放電するよう少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御するよう構成されてもよい。
【0007】
好ましくは、複数の動作モードはポストセッションモードを更に備え、ポストセッションモードにおいて、コントローラは、少なくとも1つのスーパーキャパシタが浮動モードの終了点で実質的に充電されていない場合、ポストセッションモードにおいて浮動モードの終了点を超えて少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電し続けるよう少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される。
【0008】
このようにして、エアロゾル化セッションが、浮動モード中にスーパーキャパシタがバッテリによって十分に再充電されることに対して十分長くなかった場合であっても、ユーザがスーパーキャパシタを充電するよう装置を外部電源に接続する必要なしに、スーパーキャパシタが後続の又は将来の予熱モードのために十分な充電を有することを確実にする。スーパーキャパシタが再充電されるため、バッテリは、後続のエアロゾル化セッションにおける予熱のために用いられる必要がなくなり、それによって、バッテリにストレスを与えることを回避し、バッテリ寿命の改善に寄与してもよい。これはまた、エアロゾル発生装置におけるエネルギーのより有効的な利用を可能にする。
【0009】
好ましくは、複数の動作モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータが電源システムを用いて所定の温度まで加熱される第1の予熱モードを更に備え、第1の予熱モードにおいて、コントローラは、ヒータに電力を提供するよう少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される。
【0010】
予熱モードにおけるスーパーキャパシタの使用は、エネルギーのその迅速な送出がヒータの極めて迅速な予熱を提供するため有利である。スーパーキャパシタ及びバッテリの組み合わせは、スーパーキャパシタのみではヒータを所定の温度まで加熱するのに必要な電力を提供するために十分なエネルギーが蓄積されていないか、又は十分なエネルギーを蓄積することができない場合、バッテリが必要な追加の電力を提供することができるため、有益である。予熱中にバッテリと組み合わせてスーパーキャパシタを用いることにより、バッテリのみが予熱に用いられた場合と比較して、バッテリに加えられるストレスを低下させてもよい。バッテリに加えられるストレスを低下させることは、ストレスを加えられたバッテリに関連する安全リスクを低減し、バッテリの寿命を延ばすことができる。
【0011】
好ましくは、複数の動作モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータが電源システムを用いて所定の温度まで加熱される第2の予熱モードを更に備え、第2の予熱モードにおいて、コントローラは、少なくとも1つのバッテリがヒータに電力を提供することなく、ヒータに電力を提供するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御するよう構成される。
【0012】
このようにして、スーパーキャパシタの高容量及びエネルギーの迅速な送出が、ヒータの極めて迅速な予熱を可能にする。予熱モードに対してバッテリを用いないことにより、ヒータを予熱する場合にストレスがバッテリに加えられることを防ぎ、それによってバッテリの寿命を向上させている。更に、これは、予熱モードに続く浮動モードのために、より大きなレベルのエネルギーがバッテリに保存されることを可能にする。
【0013】
好ましくは、複数の動作モードは第1の充電モードを更に備え、第1の充電モードにおいて、コントローラは、少なくとも1つのスーパーキャパシタが完全に充電されるまで、エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、次いで、外部電源から充電するよう、少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される。
【0014】
このようにして、スーパーキャパシタがヒータを予熱するために用いられる場合、エアロゾル発生装置は予熱モードを実行することができ、それによって、予熱モードに用いられるスーパーキャパシタが優先的に充電されているため、電源システム自体が完全に充電されていない場合であっても、後続のエアロゾル化セッションを少なくとも部分的に可能にしている。これは、エアロゾル発生装置におけるエネルギーのより有効的な利用を可能にする。
【0015】
好ましくは、複数の動作モードは第2の充電モードを更に備え、第2の充電モードにおいて、コントローラは、少なくとも1つのスーパーキャパシタが所定の充電レベルに達するまで、エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、次いで、外部電源から充電するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される。
【0016】
このようにして、外部電源の利用可能な全充電電力の高度な利用を提供する。これは、エアロゾル発生装置におけるエネルギーのより有効的な利用を可能にする。
【0017】
好ましくは、所定の充電レベルは、フル充電の50%超、又はより好ましくは、フル充電の60%~90%、又はより好ましくは、フル充電の70%~80%である。
【0018】
好ましくは、複数の動作モードは第3の充電モードを更に備え、第3の充電モードにおいて、コントローラは、エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される。
【0019】
好ましくは、第3の充電モードにおいて、コントローラは、外部電源が適切な電源能力を有する場合、エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される。
【0020】
このようにして、スーパーキャパシタがヒータを予熱するために用いられる場合、電源システムは、後続のエアロゾル化セッションにおいてヒータを予熱するようスーパーキャパシタが適切に充電されないリスクなしに充電することができる。これは、エアロゾル発生装置におけるエネルギーのより有効的な利用を可能にする。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つのスーパーキャパシタは、少なくとも1つのハイブリッドスーパーキャパシタ及び/又は少なくとも1つの非対称スーパーキャパシタ及び/又は少なくとも1つの擬似スーパーキャパシタを備える。
【0022】
ハイブリッドスーパーキャパシタ、非対称スーパーキャパシタ、又は擬似スーパーキャパシタの使用は、それらが少なくとも1つのエアロゾル発生消耗品の予熱及び/又はエアロゾル化を提供するのに十分に高いエネルギー密度及び電力密度を有することができるという点で有利である。
【0023】
好ましくは、少なくとも1つのスーパーキャパシタは、エアロゾル発生装置内に受け入れられる少なくとも1つのエアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するよう、関連するヒータに電力を供給するのに十分なエネルギーを蓄積するよう構成される。
【0024】
好ましくは、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生消耗品を受け入れるよう配置され、エアロゾル発生消耗品はたばこロッドを備える。
【0025】
一態様によれば、エアロゾル発生装置の電源システムを制御する方法が提供され、電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、方法は、
コントローラによって、選択された動作モードに基づいて、少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御すること、を含み、
複数の動作モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータがエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードを備え、浮動モードにおいて、方法は、更に、
コントローラによって、エアロゾル発生装置に関連するヒータを略エアロゾル発生温度に維持するよう、電源システムの電力フローを制御することと、
コントローラによって、少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、少なくとも1つのバッテリを制御することと、を含む。
【0026】
一態様によれば、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサにエアロゾル発生装置の電源システムを制御させる命令を格納する、非一時的コンピュータ読取可能媒体が提供され、電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、
命令は、1つ以上のプロセッサに、
選択された動作モードに基づいて、少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御させ、
複数の動作モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータがエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードを備え、浮動モードにおいて、命令は、更に、1つ以上のプロセッサに、
エアロゾル発生装置に関連するヒータを実質的にエアロゾル発生温度に維持するよう、電源システムの電力フローを制御させ、
少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、少なくとも1つのバッテリを制御させる。
【0027】
一態様において、エアロゾル発生装置が提供され、エアロゾル発生装置は、
少なくとも1つのスーパーキャパシタと少なくとも1つのバッテリとを備え、複数の選択可能な動作モードで動作可能な電源システムと、
選択された動作モードに基づいて、少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御するよう構成されるコントローラと、を備え、
複数の動作モードは、予熱モード及び/又は充電モードを備える。
【0028】
好ましくは、複数の動作モードは、更に、エアロゾル発生装置に関連するヒータがエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードを備え、浮動モードにおいて、コントローラは、エアロゾル発生装置に関連するヒータを実質的にエアロゾル発生温度に維持するよう、電源システムの電力フローを制御し、少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される。
【0029】
好ましくは、複数の動作モードは更にポストセッションモードを備え、ポストセッションモードにおいて、コントローラは、少なくとも1つのスーパーキャパシタが浮動モードの終了点で実質的に充電されていない場合、ポストセッションモードにおいて浮動モードの終了点を超えて少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電し続けるよう、少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される。
【0030】
好ましくは、予熱モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータが電源システムを用いて所定の温度まで加熱される第1の予熱モードを備え、第1の予熱モードにおいて、コントローラは、ヒータに電力を提供するよう少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される。
【0031】
好ましくは、予熱モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータが電源システムを用いて所定の温度まで加熱される第2の予熱モードを備え、第2の予熱モードにおいて、コントローラは、少なくとも1つのバッテリがヒータに電力を提供することなく、ヒータに電力を提供するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御するよう構成される。
【0032】
好ましくは、充電モードは第1の充電モードを備え、第1の充電モードにおいて、コントローラは、少なくとも1つのスーパーキャパシタが完全に充電されるまで、エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、次いで、外部電源から充電するよう、少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される。
【0033】
好ましくは、充電モードは第2の充電モードを備え、第2の充電モードにおいて、コントローラは、少なくとも1つのスーパーキャパシタが所定の充電レベルに達するまで、エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、次いで、外部電源から充電するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される。
【0034】
好ましくは、所定の充電レベルは、フル充電の50%超、又はより好ましくは、フル充電の60%~90%、又はより好ましくは、フル充電の70%~80%である。
【0035】
好ましくは、充電モードは第3の充電モードを備え、第3の充電モードにおいて、コントローラは、エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される。
【0036】
好ましくは、第3の充電モードにおいて、コントローラは、外部電源が適切な電源能力を有する場合、エアロゾル発生装置に接続可能な外部電源から充電するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリの両方を制御するよう構成される。
【0037】
好ましくは、少なくとも1つのスーパーキャパシタは、少なくとも1つのハイブリッドスーパーキャパシタ及び/又は少なくとも1つの非対称スーパーキャパシタ及び/又は少なくとも1つの擬似スーパーキャパシタを備える。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つのスーパーキャパシタは、エアロゾル発生装置内に受け入れられる少なくとも1つのエアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するために、関連するヒータに電力を供給するのに十分なエネルギーを蓄積するよう構成される。
【0039】
好ましくは、エアロゾル発生装置はエアロゾル発生消耗品を受け入れるよう配置され、エアロゾル発生消耗品はたばこロッドを備える。
【0040】
一態様によれば、エアロゾル発生装置の電源システムを制御する方法が提供され、電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、複数の動作モードは予熱モード及び/又は充電モードを備え、方法は、
コントローラによって、選択された動作モードに基づいて、少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御すること、を含む。
【0041】
一態様によれば、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサにエアロゾル発生装置の電源システムを制御させる命令を格納する、非一時的コンピュータ読取可能媒体が提供され、電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、複数の動作モードは予熱モード及び/又は充電モードを備え、
命令は、1つ以上のプロセッサに、
選択された動作モードに基づいて、少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御させる。
【0042】
一態様において、たばこロッドを加熱するよう構成されるエアロゾル発生装置が提供され、エアロゾル発生装置は、
少なくとも1つのスーパーキャパシタと少なくとも1つのバッテリとを備え、複数の選択可能な動作モードで動作可能な電源システムと、
選択された動作モードに基づいて、少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御するよう構成されるコントローラと、を備え、
エアロゾル化セッションにおいて、動作モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータが所定の温度まで加熱される予熱モードと、エアロゾル発生装置に関連するヒータがたばこロッドのエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードとを備え、コントローラは、
予熱モードにおいてヒータに電力を提供するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御し、
浮動モードにおいて少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、少なくとも1つのバッテリを制御するよう構成される。
【0043】
一態様によれば、たばこロッドを加熱するよう構成されるエアロゾル発生装置の電源システムを制御する方法が提供され、電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、方法は、
コントローラによって、選択された動作モードに基づいて、少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御すること、を含み、
エアロゾル化セッションにおいて、動作モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータが所定の温度まで加熱される予熱モードと、エアロゾル発生装置に関連するヒータがたばこロッドのエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードとを備え、方法は、
予熱モードにおいてヒータに電力を提供するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御することと、
浮動モードにおいて少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、少なくとも1つのバッテリを制御することと、を更に含む。
【0044】
一態様によれば、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサにたばこロッドを加熱するよう構成されるエアロゾル発生装置の電源システムを制御させる命令を格納する、非一時的コンピュータ読取可能媒体が提供され、電源システムは少なくとも1つのスーパーキャパシタ及び少なくとも1つのバッテリを備え、電源システムは複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能であり、命令は、1つ以上のプロセッサに、
選択された動作モードに基づいて、少なくとも1つのスーパーキャパシタの電力フロー及び少なくとも1つのバッテリの電力フローを制御させ、
エアロゾル化セッションにおいて、動作モードは、エアロゾル発生装置に関連するヒータが所定の温度まで加熱される予熱モードと、エアロゾル発生装置に関連するヒータがたばこロッドのエアロゾル発生温度に実質的に維持される浮動モードとを備え、命令は、更に、1つ以上のプロセッサに、
予熱モードにおいてヒータに電力を提供するよう、少なくとも1つのスーパーキャパシタを制御させ、
浮動モードにおいて少なくとも1つのスーパーキャパシタを充電するよう、少なくとも1つのバッテリを制御させる。
【0045】
前述の好ましい特徴のいずれも、必要に応じて、前述の態様のうちのいずれにも含めることができる。
【0046】
ここで、図面を参照して本発明の実施形態を例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図1】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生装置のブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるエアロゾル発生装置の動作モードのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
図1は、電子たばことしても公知のエアロゾル発生装置100又は蒸気発生装置のコンポーネントのブロック図を示している。本説明の目的のために、蒸気及びエアロゾルという用語は交換可能であることを理解されたい。
【0049】
エアロゾル発生装置100は、コントローラ102を含む本体部分112と、少なくとも1つのバッテリ104及び少なくとも1つのスーパーキャパシタ106を備える電源システムとを有している。電源システムは、複数の選択可能な動作モードにおいて動作可能である。本明細書において、1つのバッテリ104及び1つのスーパーキャパシタ106のみを言及するが、当業者は、電源システムが必要に応じて1つ以上のバッテリ及び1つ以上のスーパーキャパシタを備えることができ、「バッテリ」に対する言及が「少なくとも1つのバッテリ」を包含することができ、「スーパーキャパシタ」が「少なくとも1つのスーパーキャパシタ」を包含することができることを理解するであろう。コントローラ102は、後で説明するように、選択された動作モードに基づいて、スーパーキャパシタ106の電力フロー及びバッテリ104の電力フローを制御するよう構成される。
【0050】
一実施例において、ヒータ108は本体部分112により収容される。かかる実施例において、
図1に示すように、ヒータ108は、本体部分112内のキャビティ110又はチャンバ内に配置される。キャビティ110は、本体部分112における開口部110Aによってアクセスされる。キャビティ110は、関連するエアロゾル発生消耗品114を受けるよう配置される。エアロゾル発生消耗品は、タバコを含有するたばこロッド等のエアロゾル発生材料を含有することができる。たばこロッドは、従来の紙巻きたばこと同様であることができる。キャビティ110は、エアロゾル発生消耗品114のものと略等しい断面と、関連するエアロゾル発生消耗品114がキャビティ110に挿入される場合に、エアロゾル発生消耗品114の第1の端部114Aがキャビティ110の底部110B(即ち、キャビティ開口部110Aから遠位のキャビティ110の端部110B)に到達し、第1の端部114Aより遠位のエアロゾル発生消耗品114の第2の端部114Bがキャビティ110から外側に延在するような深さとを有する。このようにして、消費者は、エアロゾル発生消耗品114がエアロゾル発生装置100に挿入される場合に、それを吸入することができる。
図1の実施例において、ヒータ108は、エアロゾル発生消耗品114がキャビティ110内に挿入される場合にヒータ108と係合するように、キャビティ110内に配置される。
図1の実施例において、ヒータ108は、エアロゾル発生消耗品の第1の端部114Aがキャビティ内に挿入される場合にヒータ108がキャビティ110内部のエアロゾル発生消耗品114の一部を実質的に又は完全に取り囲むように、キャビティ内に管として配置される。ヒータ108は、コイル状ワイヤヒータ等のワイヤ、又はセラミックヒータ、又は任意の他の適切な種類のヒータとすることができる。ヒータ108は、順次、独立して作動する(即ち、電源投入される)ことができる、キャビティの軸方向長さに沿って連続的に配置される複数の発熱体を備えることができる。代替の実施形態(図示せず)において、ヒータは、キャビティ内部に細長い穿孔部材(針、ロッド、又はブレードの形態等)として配置することができ、かかる実施形態において、ヒータは、エアロゾル発生消耗品を貫通し、エアロゾル発生消耗品がキャビティ内に挿入される場合にエアロゾル発生材と係合するよう配置することができる。別の代替実施形態(図示せず)において、ヒータは誘導ヒータの形態であってもよい。かかる実施形態において、発熱体が消耗品内に提供され、発熱体は、消耗品がキャビティに挿入されると、キャビティ内の誘導ヒータに誘導結合される。誘導ヒータは、次いで、誘導によって発熱体を加熱する。
【0051】
ヒータ108は、エアロゾル発生消耗品114を所定の温度まで加熱してエアロゾル化セッションにおいてエアロゾルを生成するよう配置される。エアロゾル化セッションは、装置がエアロゾル発生消耗品114からエアロゾルを生成するよう操作される場合と考えることができる。エアロゾル発生消耗品114がたばこロッドである実施例において、エアロゾル発生消耗品114はタバコを備える。ヒータ108は、エアロゾルを発生させるよう、たばこを燃焼させることなくたばこを加熱するよう配置される。即ち、ヒータ108は、たばこベースのエアロゾルが生成されるように、たばこの燃焼点未満の所定の温度でたばこを加熱する。当業者は、エアロゾル発生消耗品114が必ずしもタバコを備えている必要はなく、特に物質を燃焼させることなく加熱することによるエアロゾル化(又は気化)のための任意の他の適切な物質がたばこの代わりに用いることができることを、容易に理解するであろう。
【0052】
コントローラ102は、選択された動作モードに基づいて、スーパーキャパシタ106の電力フロー及びバッテリ104の電力フローを制御するよう配置される。動作モードは、予熱モード、浮動モード、ポストセッションモード、及び充電モードを含む。
【0053】
予熱モードから浮動モードへ、次いでポストセッションモードへの進行は、
図2から理解することができる。予熱モード202において、エアロゾル発生装置100に関連するヒータ108は、エアロゾル発生消耗品114からエアロゾルを発生させるための所定の温度まで加熱される。予熱フェーズは、予熱モードが実行されている時間、例えば、ヒータ108が所定の温度に達するのにかかる時間と考えることができる。ヒータが所定の温度に達すると、コントローラは予熱モード202を終了し、浮動モード204を選択する。浮動モード204において、コントローラ102は、消費者が吸入するためにエアロゾルが生成されるように、ヒータ108を実質的に所定の温度に維持するよう電源システムからの電力フローを制御する。浮動フェーズは、浮動モードが実行されている時間、例えば、ヒータ108が予熱フェーズ後に1つの(又は1つの少なくとも一部の)エアロゾル発生消耗品114をエアロゾル化している時間と考えることができる。任意に、浮動モードに続いて、ポストセッションモード206が開始される。ポストセッションモードは後で説明する。ポストセッションフェーズは、ポストセッションモードが実行されている時間と考えることができる。
【0054】
充電モードにおいて、電源システムのスーパーキャパシタ106及びバッテリ104は、エアロゾル発生装置100に接続される外部電源から充電される。充電モードは後で詳細に説明する。
【0055】
バッテリ104は、ヒータ108を所定の温度に加熱する予熱モード中、及びヒータ108を一定温度に保持する浮動モード中に、ヒータ108に電力を供給することができる。一実施例において、バッテリ104は、浮動モードでスーパーキャパシタ106を充電することができる。一実施例において、バッテリ104は、リチウムイオン技術、アルミニウムイオン技術、若しくは亜鉛イオン技術を用いるバッテリ、又は任意の他の適切な種類のバッテリ等の高エネルギーバッテリである。
【0056】
スーパーキャパシタ106は、予熱モードにおいてヒータ108に電力を供給することができる。幾つかの実施例において、スーパーキャパシタ106は、1つ以上の予熱フェーズのためにヒータ108に電力を供給することに十分な電荷を蓄積することができ、即ち、スーパーキャパシタ106は、ヒータ108を所定の温度まで1回以上加熱するよう電力を供給することに十分なエネルギーを蓄積することができる。幾つかの実施例において、スーパーキャパシタ106は、浮動モードにおいてヒータ108に電力を供給することができる。かかる実施例において、スーパーキャパシタ106は、浮動モードにおいて1つ以上のたばこロッドをエアロゾル化するようヒータ108に電力を供給することに十分な電荷を蓄積することができる。幾つかの実施例において、スーパーキャパシタ106は、5V未満の総電圧及び3Vを超える最大電圧を有することができる。好ましくは、スーパーキャパシタ106は、バッテリよりも強力であるが、予熱モードにおいて少なくとも1回、ヒータ108を所定の温度まで加熱するよう、幾つかの実施例において、浮動モードにおいて1つのエアロゾル発生消耗品114をエアロゾル化するために、ヒータ108に電力を提供することに十分なエネルギー蓄積能力を有している。
【0057】
スーパーキャパシタ106は、スーパーキャパシタ技術に基づく任意の適切なエネルギー蓄積ユニットとすることができる。幾つかの実施例において、スーパーキャパシタ106は、ハイブリッドスーパーキャパシタ又は非対称若しくは擬似スーパーキャパシタとすることができる。
【0058】
コントローラ102は、選択された動作モードに基づいてスーパーキャパシタ106及びバッテリ104の電力のフローを制御するよう構成される。コントローラ102は、選択可能な動作モードを実行するための命令を含むエアロゾル発生装置100を動作させるための命令がそれに格納されるメモリと、命令を実行するよう構成される1つ以上のプロセッサとを備えるマイクロコントローラユニットとすることができる。
【0059】
ここで、エアロゾル発生装置100の様々な動作モードをより詳細に説明する。
予熱モード
予熱モードは、エアロゾル化セッションがエアロゾル発生装置100のユーザによって開始される場合にコントローラ102によって選択される。この予熱モードは、消費者が装置100の加熱ボタンを押している/押したことをコントローラが決定することによってトリガすることができる。代替として、予熱モードは、消費者が装置を振るか又はタップすること等のジェスチャ制御起動によってトリガすることができる。一実施例において、装置に一体化される発光ダイオード等のインジケータは、予熱が完了し、消費者が発生したエアロゾルを吸入できることを示すよう構成されてもよい。
【0060】
予熱モードにおいて、コントローラ102は、ヒータ108を所定の温度又は動作温度まで加熱するように、電源システムからヒータ108への電力のフローを制御する。所定の温度は、エアロゾル発生装置100のコントローラ102に予め格納することができる。例えば、所定の温度は、エアロゾル発生材が加熱されてエアロゾルを発生する予め設定された公知の温度とすることができる。幾つかの実施例において、所定の温度は、望ましいユーザ体験を提供するよう、210~250℃、又はより好ましくは220~240℃、又はより好ましくは230℃又は約230℃の範囲であってもよい。予熱は、ヒータ108の温度を浮動モードの所定温度に到達するよう上昇させるフェーズと考えることができる。
【0061】
幾つかの実施例において、ヒータを予熱することは、電源システムからヒータに最大30Wを10秒間印加することを含むことができるが、これらのパラメータは、最小加熱時間を提供するように可変であることは言うまでもない。スーパーキャパシタは、特に、予熱のためにバッテリのみの使用と比較される場合に比較される、関連する高い電力容量によりも極めて迅速な予熱を提供することができる。
【0062】
予熱モードの第1の実施例において、エアロゾル発生装置100に関連するヒータ108は、電源システムを用いて所定の温度まで加熱される。より具体的には、コントローラ102は、予熱モード中にヒータ108に電力を提供するようスーパーキャパシタ106及びバッテリ104の両方を制御するよう構成される。即ち、電力は、ヒータ108を所定の温度に加熱するように、スーパーキャパシタ106及びバッテリ104の両方の組み合わせからヒータ108に供給される。
【0063】
スーパーキャパシタ106は、その高容量及びエネルギーの迅速な送出がヒータ108の極めて迅速な予熱を提供するため有利である。スーパーキャパシタ106及びバッテリ104の組み合わせは、スーパーキャパシタ106のみではヒータ108を所定の温度まで加熱するのに必要な電力を提供することに十分なエネルギーが蓄積されていないか、又は十分なエネルギーを蓄積することができない場合、バッテリ104が必要な追加の電力を提供することができるため有益である。予熱中にバッテリ104と組み合わせてスーパーキャパシタ106を用いることにより、バッテリ104のみが予熱に用いられた場合と比較して、バッテリ104に加えられるストレスが低下する。バッテリ104に加えられるストレスを低下させることは、ストレスを加えられたバッテリ104に関連する安全リスクを低減し、バッテリ104の寿命を延ばすことができる。
【0064】
予熱モードの第2の実施例において、エアロゾル発生装置100に関連するヒータ108は、電源システムを用いて所定の温度まで加熱される。より具体的には、コントローラ102は、予熱モード中にヒータ108に電力を提供するバッテリ104を欠いても、ヒータ108に電力を提供するようスーパーキャパシタ106を制御するよう構成される。即ち、コントローラ102は、予熱モード中にヒータ108に電力を提供するようスーパーキャパシタ106のみを制御し、バッテリ104は予熱モード中にヒータ108に電力を供給するために用いられない。これは、スーパーキャパシタ106の高容量及びエネルギーの迅速な送出が、ヒータ108の極めて迅速な予熱を可能にするため有利である。予熱モードに対してバッテリ104を用いないことにより、ヒータ108を予熱する場合にストレスがバッテリ104に加えられることを防ぎ、それによってバッテリ104の寿命を向上させている。更に、これは、予熱モードに続く浮動モードのために、より大きなレベルのエネルギーがバッテリ104に保存されることを可能にする。
【0065】
コントローラ102は、前述の例示的な予熱モードのうちの1つ以上のための動作命令を格納し、必要に応じて、例えば、エアロゾル発生装置100に関連する特定のハードウェア考慮事項に応じて、様々な予熱モードを実行することができる。
【0066】
ヒータ108が所定の温度に達すると、予熱モードは終了し、浮動モードが開始される。
浮動モード
浮動モードは、予熱モードがヒータ108を所定の温度まで正常に加熱したことをコントローラ102が特定する場合に、コントローラ102によって選択される。
【0067】
浮動モードにおいて、エアロゾル発生装置100に関連するヒータ108は、電源システムを用いてエアロゾル発生温度(所定の又は動作温度であってもよい)に実質的に維持される。即ち、ヒータ108の温度に関する情報がコントローラ102にフィードバックされ、ヒータ温度が所定のエアロゾル生成温度未満である場合、コントローラ102はヒータ108に印加される電力を増加させて温度を上昇させ、ヒータ温度が所定のエアロゾル生成温度を上回る場合、コントローラ102はヒータ108に印加される電力を減少させて温度を低下させる。コントローラ102は、電源システムからの電力フローを制御して、ヒータを実質的にエアロゾル発生温度に維持する。
【0068】
浮動モードの間、コントローラ102はまた、スーパーキャパシタ106を充電するようバッテリ104を制御する。即ち、バッテリ104は、所定の温度を維持するようヒータ108に電力を直接供給すると共に、スーパーキャパシタ106を充電するようスーパーキャパシタ106に電力を供給するよう制御される。浮動モードのかかる実施例において、コントローラ102は、スーパーキャパシタ106がヒータ108に電力を供給することなく、ヒータ108に電力を供給するようバッテリ104のみを制御してもよい。これは、別の予熱モードを実行することが必要とされてもよい場合に、スーパーキャパシタ106が将来のエアロゾル化セッションに備えて充電されることを可能にするため、有利である。
【0069】
浮動モードの別の実施例において、スーパーキャパシタ106単体がヒータ108に電力を提供してもよい。例えば、スーパーキャパシタ106は、浮動モードにおいて1つ以上のエアロゾル発生消耗品114をエアロゾル化するようヒータ108に電力を供給することができることに十分なエネルギーを蓄積するよう構成されてもよい。
【0070】
浮動モードの更なる実施例において、バッテリ104及びスーパーキャパシタ106の組み合わせが、浮動モードの開始時に共に用いられてもよい。スーパーキャパシタ106の電力レベルがある特定の点まで低下すると、バッテリ104のみがヒータ108に電力を提供してもよい一方で、スーパーキャパシタ106を充電するよう電力を提供してもよい。
【0071】
浮動モードは、エアロゾル化セッションが終了したとコントローラ102が決定すると、終了する。例えば、コントローラ102は、消費者がヒータ108ボタンを解放する場合、空気流が所定の期間、検出されなかった場合、又は所定のエアロゾル化セッションタイマが満了する場合、エアロゾル化セッションが終了したことを決定することができる。エアロゾル化セッションは、消費者がエアロゾル発生消耗品114を完全にエアロゾル化したか、又は所望の量のエアロゾル発生消耗品114をエアロゾル化した場合に終了してもよい。
ポストセッションモード
任意に、浮動モードが終了したとコントローラ102が決定すると、コントローラ102は、エアロゾル化セッションに続いて開始されるモードであるポストセッションモードを開始するよう選択することができる。
【0072】
スーパーキャパシタ106が浮動モード中にバッテリ104によって適切に又は完全に再充電されていない場合、ポストセッションモードは浮動モード後に開始される。
【0073】
ポストセッションモードにおいて、コントローラ102は、スーパーキャパシタ106が浮動モードの終了時に完全に充電されていない(又は適切に充電されていない)場合に、浮動モードの終点を超えてスーパーキャパシタ106を充電し続けるようバッテリ104を制御するよう構成される。
【0074】
消費者が彼らのエアロゾル化セッションを終了する場合、バッテリ104は、スーパーキャパシタ106が完全に(又は実質的に)再充電される浮動モード中に、十分な電荷をスーパーキャパシタ106にまだ提供していない可能性がある。即ち、スーパーキャパシタ106は、後続の予熱モードを実行することに十分に充電されていない可能性がある。この場合、コントローラ102は、スーパーキャパシタ106が完全に充電されていない(又は後続の予熱モードの実行のために十分に充電されていない)ことを決定し、次いで、浮動モードの終点を超えて、即ち、エアロゾル化セッション又は浮動モードが終了した後に、スーパーキャパシタが後続の予熱モードのために完全に(又は実質的に)再充電されるまで、スーパーキャパシタ106を充電し続けるようバッテリ104を制御する。
【0075】
これは、エアロゾル化セッションが、浮動モード中にスーパーキャパシタ106がバッテリ104によって十分に再充電されることに対して十分長くなかった場合であっても、ユーザがスーパーキャパシタ106を充電するよう装置を外部電源に接続する必要なしに、スーパーキャパシタ106が後続の又は将来の予熱モードのために十分なエネルギーを蓄積することを確実にするため有利である。即ち、消費者が短いエアロゾル化セッションのみを実行する場合、スーパーキャパシタ106は、依然として次のエアロゾル化セッションの予熱モードのために再充電することができる。ユーザ体験に対するこの改善に加えて、これはまた、スーパーキャパシタ106がこれを行うのに十分なエネルギーを蓄積するため、後続の予熱モードにおいてヒータ108に電力を供給するためにバッテリ104を代わりに又は追加として用いる必要性を軽減する。これは、後続の予熱モード中にバッテリ104にストレスを与えることを軽減し、従って、バッテリ104の寿命を潜在的に短縮することを回避する。
充電モード
充電モードは、エアロゾル発生装置100が外部電源に接続されたことをコントローラ102が決定する場合に選択される。
【0076】
一実施例において、外部電源は、エアロゾル発生装置100への有線接続によってエアロゾル発生装置100に接続される主電源又はパワーバンク等の電源とすることができる。一実施例において、有線又は無線接続は、エアロゾル発生装置100におけるUSBソケットによってエアロゾル発生装置100に接続されるUSBケーブルの形態とすることができる。特に、USB接続は、マイクロUSB接続又はUSB-C接続であってもよい。しかし、当業者は、任意の他の好適な種類の有線又は無線電力接続を用いることができることを容易に理解するであろう。充電モードは、外部電源がエアロゾル発生装置100に接続されたことをコントローラ102が決定することによって開始することができる。
【0077】
充電モードの第1の実施例において、コントローラ102は、スーパーキャパシタ106が完全に充電されるまで、エアロゾル発生装置100に接続可能な外部電源から充電するようスーパーキャパシタ106を制御するよう構成され、次いで、コントローラ102は、外部電源から充電するようバッテリ104を制御する。スーパーキャパシタ106のみが充電され、次いでバッテリ104のみが充電される。即ち、スーパーキャパシタ106は、バッテリ104が充電される前に充電されるという点で、バッテリ104よりも高い充電優先度が与えられている。このようにして、エアロゾル発生装置100は予熱モードを実行することができ、それによって、予熱モードに用いられるスーパーキャパシタ106が優先的に充電されているため、電源システム自体が完全に充電されていない場合であっても、後続のエアロゾル化セッションを少なくとも部分的に可能にしている。
【0078】
充電モードの第2の実施例において、コントローラ102は、スーパーキャパシタ106が所定の充電レベルに達するまで、エアロゾル発生装置100に接続可能な外部電源から充電するようスーパーキャパシタ106を制御するよう構成され、次いで、コントローラ102は、外部電源から充電するようスーパーキャパシタ106及びバッテリ104の両方を制御するよう構成される。スーパーキャパシタ106のみが、所定の充電レベルに達するまで充電され、次いで、バッテリ104及びスーパーキャパシタ106の両方が充電される。即ち、コントローラ102は、スーパーキャパシタ106の充電レベルを決定し、例えば、充電レベルをコントローラ102に格納される所定の充電レベル(即ち、所定の充電閾値)と比較することによって、スーパーキャパシタ106のみが完全充電に近づく点に到達するまで充電するよう制御する。コントローラ102は、スーパーキャパシタ106が所定の充電閾値まで充電されたと決定すると、外部電源から充電するようスーパーキャパシタ106及びバッテリ104の両方を制御する。スーパーキャパシタ106は、スーパーキャパシタ106が所定の充電閾値に達するまで、バッテリ104よりも高い充電優先度を有すると考えることができる。このアプローチは、外部電源の利用可能な全充電電力の高い利用を提供する。
【0079】
幾つかの実施例において、所定の充電レベルは、フル充電の50%を超える充電レベル、若しくは好ましくはフル充電の60~90%の範囲における充電レベル、又はより好ましくはフル充電の70~80%の範囲における充電レベルとすることができる。
【0080】
充電モードの第3の実施例において、コントローラ102は、エアロゾル発生装置100に接続可能な外部電源から充電するようスーパーキャパシタ106及びバッテリ104の両方を制御するよう構成される。より具体的には、コントローラ102は、スーパーキャパシタ106及びバッテリ104の両方を制御して、外部電源が適切な電源能力を有する場合に外部電源から充電する。即ち、外部電源が十分に高いレベルで電力を送出することができる場合、バッテリ104及びスーパーキャパシタ106の両方が同時に充電される(即ち、バッテリ104及びスーパーキャパシタ106は等しい充電優先順位を与えられる)。外部電源が適切な電源能力を有するかどうかは、エアロゾル発生装置100が外部電源に接続される場合にコントローラ102によって決定することができ、コントローラ102は、外部電源の電源能力又は電力送出レベルを、コントローラ102に格納される所定の電力送出閾値と比較することができる。外部電源の電力送出レベルが所定の電力送出閾値を満たすか又は超える場合、コントローラ102は、バッテリ104及びスーパーキャパシタ106の両方を同時に充電するよう制御する。この充電モードは、後続のエアロゾル化セッションのための予熱モードを実行するようスーパーキャパシタ106が適切に充電されないリスクなしに充電する電源システムを提供するため有利である。
【0081】
スーパーキャパシタ106が適切に充電されなければ、予熱モードを実行することができない可能性があるため、後続のエアロゾル化セッションを実行することができない可能性があり、電源システムのための前述の充電モードは、スーパーキャパシタ106が適切に充電されることを確実にすることによってこの問題を未然に防いでいる。
【0082】
コントローラ102は、前述の充電モードのうちの1つ以上を格納し、必要に応じて、例えば、エアロゾル発生装置100及び/又は外部電源に関連する特定のハードウェア考慮事項に基づいて、様々な充電モードを実行することができる。前述の充電モードは、後続のエアロゾル化セッションにおいて1つ以上のエアロゾル発生消耗品と共に用いるために、電源システムの完全放電後に急速充電を提供するという点で有利である。これはエアロゾル化セッションの待ち時間を短縮する。これらの急速充電例は、複数(例えば、2つ)のエアロゾル発生消耗品をエアロゾル化するのに十分なエネルギーが蓄積される状態まで電源システムを急速に充電することを可能にすることができる。
【0083】
当業者は、コントローラ102が、必要に応じて互いに組み合わせて前述の動作モードのいずれかを実行するよう構成することができることを容易に理解するであろう。
【0084】
コントローラ102によって実行される本明細書中に説明する処理ステップは、メイン制御ユニットに関連する非一時的コンピュータ読取可能媒体、又はストレージに格納されてもよい。コンピュータ読取可能媒体は、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含むことができる。揮発性媒体は、とりわけ、半導体メモリ及び動的メモリを含むことができる。不揮発性媒体は、とりわけ、光ディスク及び磁気ディスクを含むことができる。
【0085】
前述の説明における先行実施形態は限定ではないことが、当業者には容易に理解されるであろう。各実施形態の特徴は、必要に応じて他の実施形態に組み込まれてもよい。