(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】コーヒー豆の焙煎用及びコーヒーチャフの収集用装置
(51)【国際特許分類】
A23N 12/08 20060101AFI20250227BHJP
A23N 12/12 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
A23N12/08 A
A23N12/12
(21)【出願番号】P 2022537071
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 EP2020086677
(87)【国際公開番号】W WO2021122922
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-10-03
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】サヴィオズ, グレゴリー
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-508529(JP,A)
【文献】特表2007-514418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 12/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆を焙煎し、焙煎された前記コーヒー豆のチャフを収集するための装置(1)であって、
コーヒー豆を焙煎のために受容できるチャンバ(10)であって、前記チャンバ(10)からコーヒー豆を少なくとも取り出すために前記チャンバ(10)にアクセスするための開口部(
13)を備える、チャンバ(10)と、
前記チャンバ(10)により焙煎された前記コーヒー豆のチャフを収集するためのチャフコレクタ(50)と、を備え、
前記チャフコレクタ(50)が、前記コーヒー豆を焙煎するために前記チャフコレクタ(50)が前記チャンバ(10)の前記開口部(
13)を覆っている閉位置と、前記チャフコレクタ(50)が前記チャンバ(10)の前記開口部(
13)を覆っておらず、前記チャンバ(10)からコーヒー豆を取り出すために前記開口部(
13)を介して前記チャンバ(10)にアクセス可能な開位置との間で移動
されるように、特定の移動軸線に対して移動可能に構成されて
おり、
前記移動軸線が垂直方向に延びており、前記開口部(13)が、前記チャンバ(10)への前記垂直方向に沿ったアクセスのために構成されており、前記移動軸線が、前記移動軸線を中心とした回転移動によって前記チャフコレクタ(50)を前記閉位置と前記開位置との間で移動させるような回転移動軸線である、装置(1)。
【請求項2】
前記チャフコレクタ(50)が、1つの特定の移動軸線のみに対して移動可能に構成されている、請求項
1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記装置(1)は受容器(14)を更に備え、前記受容器(14)が前記チャンバ(10)を備
える、請求項1
又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記受容器(14)が、前記受容器(14)を手動で取り扱うため
のハンドル(16)を備え
る、請求項
3に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記受容器(14)は、前記受容器(14)を前記装置(1)から取り外すことにより、前記チャフコレクタ(50)を前記開位置に移動させる又は押すことができるように構成されている、請求項
3又は
4に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記装置(1)は、前記チャフコレクタ(50)を前記チャンバ(10)に対して選択的にロック又はロック解除するように適合されたロック機構(70)を備え、前記チャフコレクタ(50)が前記チャンバ(10)に対してロックされている場合、前記チャフコレクタ(50)は前記閉位置から前記開位置に移動することが防止さ
れる、請求項1~
5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記チャフコレクタ(50)が、前記ロック機構(70)を操作して前記チャフコレクタ(50)を前記チャンバ(10)に対してロック解除したときに中間位置に自動的に移動するように構成されており、前記中間位置では、前記開口部(
13)が、前記閉位置のときよりも少なく前記チャフコレクタ(50)により覆われている、請求項
6に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記装置(1)は、少なくとも前記チャンバ(10)を収容するためのハウジング(20)を備
える、請求項1~
7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記ハウジング(20)が基部(21)及び頂部(22)を備え、前記チャンバ(10)が、前記開口部(
13)が前記ハウジング(20)の前記頂部(22)に配置されるように構成されている、請求項
8に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記チャフコレクタ(50)は、前記ハウジング(20)に取り外し可能に取り付けられているなど、取り外し可能に構成されている、請求項
8又は9に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記チャンバ(10)の内部で空気流を発生させるためのデバイスを更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記装置(1)が家電装置である、請求項1~
11のいずれか一項に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー豆を焙煎し、焙煎されたコーヒー豆のチャフを収集するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒー豆を焙煎することで、コーヒー生豆は焙煎コーヒー豆に変化する。コーヒー生豆は、典型的には、生及び/又は乾燥したコーヒー豆であり、焙煎コーヒー豆は、特に、(挽かれた)焙煎コーヒー豆から調製されるコーヒー飲料の風味に寄与する。コーヒー豆の焙煎は、大規模であり得るが、小規模でもあり得る。コーヒー豆の小規模焙煎では、顧客向け事業者(店、コーヒーショップなど)、又は顧客、例えばコーヒー飲料の消費者が、コーヒー豆を焙煎する。消費者によるコーヒー豆の焙煎は、非常に興味深い。なぜなら、消費者は、家庭でコーヒー豆を焙煎して、例えば趣味として、様々な風味プロファイルを実験する、かつコーヒー豆の焙煎が特に新鮮であることを確実にすることができるからである。
【0003】
コーヒー豆を焙煎すると、最初の焙煎されていない、典型的には生豆の外皮、すなわち(コーヒー)チャフが剥がれる。チャフは通常、コーヒー豆からコーヒー飲料を調製するためには使用されないため、チャフを焙煎コーヒー豆から分離する必要がある。すなわち、チャフは「廃棄物」として留まり、チャフを焙煎コーヒー豆から除去し、その後、例えば専用ジャグ又はチャフコレクタ内に収集する必要があり、完全に除去する必要がある。
【0004】
チャフを除去することは、消費者にとってあまり便宜よくはない。なぜなら、消費者は、最終製品、すなわち焙煎コーヒー豆にすぐに注力することができず、チャフの取り扱いで忙しいからである。更に、例えばその後の粉砕及び/又はコーヒー飲料調製のためにコーヒー豆を取り扱うために、チャフを除去し、焙煎コーヒー豆にアクセスすることにより、焙煎プロセス中に加熱されているであろう機械部品に消費者が触れることで消費者が火傷するというリスクを伴う。
【0005】
したがって、本発明の目的は、上述した欠点を克服する装置を提供することである。すなわち、本発明の目的は、特に、コーヒー豆のより効率的で簡便な焙煎を消費者に提供する装置を提供することである。
【0006】
これらの目的、及び以下の説明を読むことで明らかとなる他の目的は、独立請求項の主題によって解決される。従属請求項は、本発明の好ましい実施形態に言及する。
【発明の概要】
【0007】
本発明によれば、コーヒー豆を焙煎し、焙煎されたコーヒー豆のチャフを収集するための装置が提供される。本装置は、コーヒー豆を焙煎のために受容できるチャンバであって、チャンバからコーヒー豆を少なくとも取り出すためにチャンバにアクセスするための開口部を備える、チャンバと、チャンバにより焙煎されたコーヒー豆のチャフを収集するためのチャフコレクタと、を備える。チャフコレクタは、コーヒー豆を焙煎するためにチャフコレクタがチャンバの開口部を覆っている閉位置と、チャフコレクタがチャンバの開口部を覆っておらず、チャンバからコーヒー豆を取り出すために開口部を介してチャンバにアクセス可能な開位置との間で移動するように、特定の移動軸線に対して移動可能に構成されている。
【0008】
したがって、装置は、装置のユーザが、焙煎コーヒー豆にアクセスするために、単純な移動で、チャフコレクタを開位置に移動させる又は取り外すことができることを容易にする。換言すれば、例えば焙煎プロセスが終わった直後にチャフコレクタを開位置に移動させることにより、ユーザは最初に、チャフの代わりに焙煎コーヒー豆に注力することができる。したがって、チャフの取り扱いは、その後の時間に、すなわち焙煎コーヒー豆の取り扱い後の時間に延期され、したがって、装置は、コーヒー豆を焙煎するためのより効率的でより簡便な方法をユーザに提供する。したがって、装置によりユーザ体験が改善される。更に、この装置は、コーヒー豆のより安全な焙煎を提供する。なぜなら、焙煎プロセスの熱により加熱され得るチャフコレクタが、(加熱された)チャフコレクタにユーザが触れるリスクが大幅に低減される位置、すなわち開位置に移動されるからである。すなわち、チャフコレクタが開位置に移動するとき、チャフコレクタはユーザから、又は装置のユーザ側から離れるように移動する。
【0009】
移動軸線は、移動軸線を中心とした回転移動によってチャフコレクタが閉位置と開位置との間で移動する回転移動軸線であり得る。回転移動軸線は、例えばヒンジ又はジョイントにより、提供又は画定され得る。それにより、チャフコレクタを、閉位置と開位置との間で非常に容易に移動させることができる。一般に、移動軸線は、加えて又は代わりに、直線移動によってチャフコレクタが閉位置と開位置との間で移動するような直線移動軸線であってもよい。かかる直線移動軸線は、例えば、スライダジョイント又はスライダ要素によって提供され得る。
【0010】
開口部が垂直方向に沿ったチャンバへのアクセス用に構成されている場合に、移動軸線は垂直方向に延びていてもよい。換言すれば、チャンバにアクセスするためのアクセス方向と移動軸線とは、互いに実質的に平行であり得る。したがって、チャフコレクタは、閉位置と開位置との間で非常に容易に移動することができ、開口部を介するチャンバへの非常に良好なアクセスが提供される。
【0011】
開口部が垂直方向に沿ったチャンバへのアクセス用に構成されているとき、移動軸線は水平方向に延びていてもよい。換言すれば、チャンバにアクセスするためのアクセス方向と移動軸線とは、互いに実質的に垂直であり得る。したがって、チャフコレクタは、閉位置と開位置との間で非常に容易に移動することができ、開口部を介するチャンバへの非常に良好なアクセスが提供される。
【0012】
チャフコレクタは、1つの特定の移動軸線のみに対して移動可能に構成され得る。したがって、装置の非常に単純な設計が提供され、この設計により、同時に、チャフコレクタを非常に容易に、すなわち1つの移動だけで、閉位置と開位置との間で移動できる。
【0013】
装置は、受容器(例えば、バスケット及び/又はふるいの形態)を備えてもよく、受容器は、チャンバを備える。受容器は、装置に取り外し可能に取り付けられ得る。よって、装置のユーザは、コーヒー豆を直接取り扱う又はコーヒー豆に直接触れる必要がないので、焙煎コーヒー豆の取り扱いがなお更に簡便である。代わりに、ユーザは、コーヒー豆を間接的に、すなわち受容器を用いて、ひいてはコーヒー豆に触れることなく、取り扱うことができ、このようにして受容器を容易にかつ安全に空にして、焙煎コーヒー豆を、更なる処理のために、例えばグラインダ及び/又は飲料調製マシンに提供することができる。
【0014】
受容器は、受容器を手動で取り扱うための、好ましくは装置から受容器を取り外すためのハンドルを備え得る。ハンドルは、好ましくは、プラスチックなどの低熱伝導率を有する材料を含む。具体的には、ハンドルの材料は、焙煎のためにコーヒー豆を受容するチャンバの部品(例えば、底部及び/又は側壁)の材料よりも低い熱伝導率を有し得る。したがって、焙煎コーヒー豆を焙煎直後に取り扱うときにユーザが火傷し、ひいては損傷するリスクは、なお更に低減される。
【0015】
受容器は、受容器を装置から取り外す(又は取り扱う)ことにより、チャフコレクタを開位置に移動させる又は押すことができるように構成され得る。したがって、装置のユーザは、チャフコレクタを開位置に移動させるために、チャフコレクタに直接、接触する又は触れる必要はない。代わりに、ユーザは、チャフコレクタを開位置に移動させるために、受容器を介してチャフコレクタと間接的に接触する。これにより、装置のユーザが(加熱された)チャフコレクタに触れることにより損傷するリスクが低減される。したがって、特に、装置の安全性が向上する。
【0016】
装置は、チャフコレクタをチャンバに対して選択的にロック又はロック解除するように適合されたロック機構を備えてもよく、チャフコレクタがチャンバに対してロックされている場合、チャフコレクタが閉位置から開位置に移動することが防止される。したがって、ロック機構により、例えば、チャンバ内でのコーヒー豆の焙煎が、開口部が覆われていないことにより中断されないことが効果的にもたらされる。
【0017】
ロック機構は、受容器のハンドルと協働して、チャフコレクタをチャンバに対してロックするように適合され得る。したがって、チャフコレクタをチャンバに対してロックするために、ロック機構と協働する追加部品を提供する必要はなく、よって、装置の非常に単純でコンパクトな設計が提供される。
【0018】
チャフコレクタは、ロック機構を操作してチャフコレクタをチャンバに対してロック解除したときに中間位置に自動的に移動するように構成されており、中間位置では、開口部は、閉位置のときよりも少なくチャフコレクタにより覆われている。したがって、中間位置では、具体的には(完全)開位置において装置のユーザが(熱い)空気及び/又は蒸気が突然逃げ出すことによる影響を受けないように、(熱い)空気及び/又は蒸気を制御された形でチャンバから逃がすことができる。
【0019】
装置は、少なくともチャンバを収容するためのハウジングを備えてもよく、チャフコレクタは、移動軸線に対して移動可能に構成されるようにハウジングに取り付けられている。すなわち、移動軸線は、例えば、ハウジング上に構成された及び/又はハウジングと共に形成されたジョイント又はリンク要素により、ハウジングにより画定されてもよい。例えば、ハウジングは、ハウジングが少なくとも部分的にチャンバを隔離するように設計され得る。このように、チャンバの熱がハウジングの外面に伝導されることが効果的に防止され、よって、装置のユーザが装置の熱い部分に触れるリスクはない又は少なくとも低減される。
【0020】
ハウジングは基部及び頂部を備えてもよく、チャンバは、開口部がハウジングの頂部に配置されるように構成されている。よって、ハウジングにより、開口部が、ユーザが開口部を介してチャンバに非常に簡便にアクセスできる位置にあることをもたらす。例えば、ハウジングの基部は、卓上などの表面上に置かれるように適合され得る。
【0021】
チャフコレクタは、ハウジングに取り外し可能に取り付けられるなど、取り外し可能に構成されてもよい。したがって、ユーザは、例えば、その後のチャフの処理のためにチャフをごみ箱又は任意の他の容器に捨てるべく、チャフコレクタを取り扱うために、チャフコレクタを装置から容易に取り外すことができる。
【0022】
装置は、例えばチャンバに受容されたコーヒー豆を焙煎及び/又は冷却するために、チャンバの内部で空気流を発生させるためのデバイスを更に備え得る。例えば、装置はまた、(新鮮な)空気を加熱するヒータを備えてもよく、空気は次いで、デバイスにより、焙煎のためにチャンバ内へと流される。好ましくは、デバイスは、チャフがチャフコレクタにより収集されるように、空気流がコーヒー豆のチャフをチャフコレクタに向かって押し出すように構成されている。したがって、チャフは、チャフコレクタにより非常に簡略に収集され、それに応じて、チャフコレクタは、非常に簡略に、特にコンパクトな形態で設計され得る。
【0023】
装置は、家電装置であり得る。したがって、装置は、家庭の台所で使用されるような設計を有してもよく、例えば、コーヒーグラインダ及び/又は飲料調製マシンの隣に構成されてもよい及び/又はそれらに一体化されてもよい。例えば、装置は、家庭内での解決策であり、特に、コーヒー豆の新鮮な及び/又は個別化された焙煎を可能にする。よって、この装置を用いて、家庭での(コーヒー)焙煎の解決策が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下では、本発明が、以下の付属の図を参照して例示的に説明される。
【
図1】チャフコレクタが閉位置にある、本発明の第1の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図2】チャフコレクタが閉位置にある、本発明の第1の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図3】チャフコレクタが閉位置にある、本発明の第1の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図4】チャフコレクタが閉位置にある、本発明の第1の好ましい実施形態による装置の概略平面図である。
【
図5】チャフコレクタが開位置にある、本発明の第1の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図6】チャフコレクタが開位置にある、本発明の第1の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図7】チャフコレクタが開位置にある、本発明の第1の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図8】チャフコレクタが開位置にある、本発明の第1の好ましい実施形態による装置の概略平面図である。
【
図8A】チャフコレクタ及び任意選択の受容器の両方が装置から取り外されている、本発明の第1の好ましい実施形態による装置の概略的な斜視分解図である。
【
図9】チャフコレクタが閉位置ある、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図10】チャフコレクタが閉位置ある、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図11】チャフコレクタが閉位置ある、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図12】チャフコレクタが閉位置ある、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の概略側面図である。
【
図13】チャフコレクタが開位置にある、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図14】チャフコレクタが開位置にある、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図15】チャフコレクタが開位置にある、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の異なる概略斜視図である。
【
図16】チャフコレクタが開位置にある、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の概略平面図である。
【
図17】チャフコレクタが開位置にあり、任意選択の受容器が装置から取り外されている、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の概略斜視分解図である。
【
図18】チャフコレクタが開位置にあり、任意選択の受容器が装置から取り外されている、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の対応する概略側面図である。
【
図19】チャフコレクタ及び任意選択の受容器の両方が装置から取り外されている、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の概略斜視分解図である。
【
図20】チャフコレクタ及び任意選択の受容器の両方が装置から取り外されている、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の対応する概略側面図である。
【
図21】チャフコレクタ及び任意選択の受容器の両方が装置から取り外されている、本発明の第2の好ましい実施形態による装置の概略的な斜視分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面では、装置1の好ましい実施形態が2つ、例示的に示されている。装置1は、コーヒー豆を焙煎するように適合されている。より具体的には、装置1は、例えば、生コーヒー豆及び/又は乾燥コーヒー豆の形態のコーヒー生豆を焙煎コーヒー豆に変化させるように適合されている。より具体的には、コーヒー豆の焙煎は、コーヒー生豆の化学的及び物理的特性を変化させ、焙煎コーヒー豆の特徴的な風味、ひいては、その焙煎されたコーヒー豆から調製されたコーヒー飲料の特徴的な風味を生成する。すなわち、コーヒー豆の焙煎により、例えばメイラード反応及び他の化学反応により、焙煎コーヒー豆の特定の味がもたらされる。したがって、コーヒー豆を焙煎するプロセスは、コーヒーの粉砕及び/又はコーヒーの淹出、例えばコーヒー抽出などの、コーヒー飲料を調製するために必要な他のプロセスに先行する。
【0026】
更に、装置1は、焙煎されたコーヒー豆のチャフを収集するように適合されている。すなわち、コーヒー生豆は、典型的には、特に最初にコーヒーの木から収穫された時に、(緑色の及び/又は乾燥した)皮を有する。チャフはまた、コーヒー豆の殻とも称され得る。コーヒー豆の焙煎中、この皮はコーヒー豆から剥がれ落ち、したがってチャフとして残る。すなわち、具体的には焙煎時の高温により、追加の作業を必要とせずに、チャフがコーヒー豆から容易に除去されることが可能になる。例えば、消費者がグラインダ及び/又は飲料調製マシンの内部、ひいてはコーヒー飲料の内部にチャフがあることを望まないため、焙煎されたコーヒー豆のこのチャフが焙煎コーヒー豆と共に残らないことが望ましく、それにより、チャフが焙煎コーヒー豆である最終製品と共に残ることがないように、チャフは装置1によって収集される。
【0027】
例示的に図示する装置1は、小規模コーヒー焙煎(すなわち、現場でのコーヒー焙煎)に適合され、したがって、具体的には大規模(工業用)焙煎装置又は機械ではない。したがって、装置1は、企業・顧客間(例えば、コーヒーショップ)、及び/又は典型的にはコーヒー飲料の消費者である顧客の側面での使用に特に好適である。したがって、装置1は、好ましくは家電装置である。このように、装置1は、家庭又はキッチンにおいて、特に卓上で、例えば、コーヒーグラインダ及び/若しくは飲料調製マシンの隣で、又はそれらに(機能的に)一体化されて使用され得る。したがって、装置1は、1人で、具体的には専用の輸送機構を必要とせずに運ぶことができるサイズ及び重量を有することが好ましい。
【0028】
装置1は、コーヒー豆を焙煎のために受容できるチャンバ10を備える。例えば、チャンバ10は、底部11と、底部11から延びる側壁12とにより範囲が定められている。したがって、チャンバ10がコーヒー豆を受容している場合、コーヒー豆は、好ましくは底部11上で支持され、少なくとも部分的に側壁12と接触している。チャンバ10は、コーヒー豆を焙煎するために、特に熱及び/又は加熱空気がコーヒー(生)豆と接触することができる設計を有する。例えば、底部11及び/又は側壁12は、比較的高い熱伝導率を有する材料、例えば金属を含む材料又は金属からなる材料で作製されている。底部11及び/又は側壁12は1つ以上の穴を備えてもよく、これは、(加熱及び/又は冷却のための)熱及び/又は空気流がチャンバ10内へと流入し、それに応じてコーヒー豆を処理することを容易にする。
【0029】
チャンバ10は、チャンバ10にアクセスするための開口部13を備える。このようにして、開口部13を介して、コーヒー豆を、少なくともチャンバ10から取り出すことができる。開口部13はまた、好ましくは、コーヒー豆をチャンバ10内へと挿入できることを容易にする。すなわち、チャンバ10を、開口部13を介してコーヒー豆で充填することができる。開口部13は、好ましくは、チャンバ10からコーヒー豆を少なくとも取り出すための、そして好ましくは更に、コーヒー豆をチャンバ10内へと挿入するためのアクセス方向を画定する。このアクセス方向は、図示するように、垂直方向に延びていてもよい。したがって、装置1のユーザは、装置1の上方からチャンバ10にアクセスしてもよい。開口部13は、特定の形態に限定されない。開口部13は、好ましくは、側壁12により、例えば側壁12の遠位端により画定される。したがって、開口部13は、底部11の反対側に構成され得る。例えば、開口部13は、平面内に延びていてもよい。開口部13は、底部11に対応する形態を有してもよく、及び/又は丸い(円形、楕円形など)形態を有してもよいが、異なる形態、例えば多角形、長方形、又は正方形の形態も有し得る。
【0030】
装置1は、チャンバ10を備える受容器14を備え得る。
図17~
図21に示すように、受容器14は、例えば、フォーム及び/又は摩擦嵌合により、装置1に取り外し可能に取り付けられ得る。例えば、受容器14は、受容器14が取り付けられた位置にて装置1に対して画定された位置を有するように、装置1に取り外し可能に取り付けられてもよい。換言すれば、受容器14の取り外し可能に設計された取り付けにより、受容器14を装置1に取り付けることにより、受容器14は自動的に、チャンバ10が受容しているコーヒー豆を、装置1により適宜処理する、すなわち焙煎することができる位置になることを好ましくはもたらす。受容器14は、装置1に対して受容器14を配置するためのフランジ15を備え得る。例えば、フランジ15を装置1の専用部分に配置かつ支持して、装置1に対して受容器14を適宜配置し得る。フランジ15は、側壁12及び/又は開口部13から延びていてもよい。
【0031】
受容器14は、例えば受容器14を装置1から取り外すため、及び/又は受容器を装置1に取り付けるために、受容器14を手動で取り扱うためのハンドル16を備え得る。ハンドル16は、好ましくは、ハンドル16を人の手で把持できるような設計を有する。例えば、ハンドル16は、受容器14から離れるように延びている。したがって、ハンドル16は、開口部13に対して、例えば開口部13が延びる平面に対して、(少なくとも部分的に)傾斜するように又は平行になるように延びてもよい。換言すれば、ハンドル16は、開口部13によって画定されるアクセス方向に対して(少なくとも部分的に)傾斜する又は垂直に延びてもよい。好ましくは、ハンドル16は、フランジ15から延びる。
【0032】
ハンドル16による受容器14の安全な取り扱いのために、ハンドル16は、好ましくは、プラスチックなどの低熱伝導率を有する材料を含む、又はそれからなる。したがって、ハンドルの材料は、底部11及び/又は側壁12及び/又はフランジ15などの、受容器14の他の部分の材料よりも低い熱伝導率を有してもよく、これは、好ましくは、金属などの高熱伝導率を有する材料で作製されている。
【0033】
装置1は、少なくともチャンバ10を収容するためのハウジング20を更に備え得る。例えば、ハウジング20は、基部21及び頂部22を有し、チャンバ10は、開口部13がハウジング20の頂部22に配置されるように構成されている。したがって、開口部13は、好ましくは頂部22と同一平面上にある。ハウジング20はまた、底部21から頂部22まで延び、好ましくはチャンバ10を円周方向に取り囲む、側壁23をも備え得る。受容器14が存在する場合、ハウジング20は、受容器14を受容するように設計され得て、受容器14がハウジング20に、ひいては装置1に取り付けられたときに受容器14が画定された位置にあるようにしてもよい。例えば、ハウジング20は、受容部分又は受容セクション24を備え、その上に、受容器14、例えば、そのフランジ15及び/又はハンドル16が、受容器14を装置1に取り付けるために支持されてもよい。したがって、受容部分24は、少なくとも部分的にフランジ15及び/又はハンドル16に対応するように(又は相補的に)設計されてもよく、及び/又は受容部分24は、受容器14及び/又はフランジ15及び/又はハンドル16と協働して、受容器14を装置1に取り付けて配置するように設計されてもよい。ハウジング20は、特定の形状に限定されない。ハウジング20は、非対称形状又は対称形状を有し得る。例えば、ハウジング20は、実質的に円筒形又は(切頭)円錐の形状を有する。
【0034】
装置1は、チャンバ10の内部で空気流を発生させるためのデバイス(図示せず、例えばファン)を更に備え得る。この空気流は、チャンバ10が受容しているコーヒー豆を焙煎するために使用され得る。例えば、装置1又はデバイスは、(新鮮な)空気を加熱するヒータを更に備えてもよく、デバイスは、この加熱された空気をチャンバ10内へと移送する。したがって、(熱い)空気流がコーヒー豆と接触して、コーヒー豆を焙煎する。空気流はまた、特にコーヒー豆の焙煎を改善するために、チャンバ10内部のコーヒー豆が撹拌される又は移動されるようなものであり得る。加えて又は代わりに、デバイスにより生成される空気流は、チャンバ10に受容された(既に焙煎された)コーヒー豆を冷却するために使用され得る。例えば、コーヒー豆を冷却するために、空気流は(ヒータにより)加熱されずに、周囲空気などの(新鮮な)空気を移送するだけであってもよい。したがって、冷却のための空気流を供給するためには、デバイスは単に起動状態のままであってもよいが、ヒータは単に非起動状態に置かれる、すなわちオフにされる。
【0035】
装置1はまた、例えば事前に定められた焙煎及び/又は温度プロファイルを含む、事前にプログラムされたプログラムに従ってなどにより、適宜、コーヒー豆の焙煎を制御するための制御ユニットをも備え得る。制御ユニットは、デバイス及び/又はヒータに機能的に接続されて、デバイス及び/又はヒータが、チャンバ10に受容されたコーヒー豆を適宜焙煎及び/又は冷却するようにし得る。
【0036】
好ましくは、装置1は、好ましくは制御ユニットに機能的に接続されたユーザインターフェース30を備える。ユーザインターフェース30は、装置1のユーザが、特にコーヒー豆を焙煎するため、及び/又はコーヒー豆の焙煎を終了させるために、装置1を適宜制御することができることを容易にする。ユーザインターフェース30は、装置1を制御するための1つ以上の(例えば、3つだけの)制御要素31を、例えば1つ以上のボタン又は他のタッチ感知要素(タッチスクリーンなど)の形態で備え得る。例えば、1つ以上の制御要素31は、焙煎プロセスを開始するための要素、及び焙煎プロセスを停止又は終了させるための要素を備える。制御要素31はまた、装置1の電源をオンにする(及びオフにする)ための制御要素(例えば、オン/オフ制御要素)をも備え得る。焙煎プロセスの停止はまた、制御ユニットによって、例えば所定の(焙煎)時間が経過した後に、自動的に実行され得る。ユーザインターフェース30は、好ましくは、装置1の前面、すなわち装置1のユーザ側に構成されている。
【0037】
デバイス、制御ユニット、及び/又はユーザインターフェース30は、ハウジング20及び/又は更なるハウジング部分40内、又はその上に設けられ得る。更なるハウジング部分40は、ハウジング20、例えば、その底部21が、更なるハウジング部分40の頂部41に配置されるように設けられ得る。好ましくは、更なるハウジング部分40は、装置1の底部又は支持体を形成する。よって、更なるハウジング部分40は、装置1を卓上などの表面上に置くことができるように設計され得る。したがって、更なるハウジング部分40は、好ましくは、頂部41とは反対側の底部42を備え、底部42は、卓上などの表面上に置かれるように適合されている。デバイス、制御ユニット、及び/又はユーザインターフェース30はまた、例えば更なるハウジング部分40が必要ないように、ハウジング20内に設けられ得る。したがって、ハウジング20、例えばその底部21はまた、装置1の底部を形成し得る。
【0038】
装置1は、例えば、電源プラグの形態の電源インレットを更に備え得る。電源インレットを介して、電気エネルギー(電圧及び/又は電流)などのエネルギーを必要とする装置1の部品、具体的には、デバイス、制御ユニット、及び/又はユーザインターフェース30に、エネルギーを供給することができる。電源プラグは、装置1の後側、及び/又はハウジング20若しくは更なるハウジング部分40に設けられ得る。
【0039】
本発明によれば、装置1は、チャンバ10により焙煎されたコーヒー豆のチャフを収集するためのチャフコレクタ50を更に備える。チャフコレクタ50は、チャフを収集し、チャンバ10に戻ることを防止する、区画51を備え得る。例えば、チャフコレクタ50は、チャフがチャフコレクタ50によって収集されるように、チャフの一方向の流れのみを可能にする入口を備え得る。これにより、入口は、区画51内へのチャフ50の流れを可能にする一方で、区画51から出る、具体的にはチャンバ10に向かうチャフの流れを防止する。チャフコレクタ50によりチャフを特に良好に収集するために、チャフコレクタ50及び(空気流生成)デバイスは、適宜、互いに配置され得る。例えば、デバイスは、(以下に示す、チャフコレクタ50の閉位置において)チャフがチャフコレクタ50により収集されるように、デバイスにより生成される空気流がコーヒー豆のチャフをチャフコレクタ50に向けて押し出すように構成され得る。
【0040】
チャフコレクタ50は、収集されたチャフを捨てるため、又は別の方法で使用するために、チャフコレクタ50を、又は存在する場合は区画51を、選択的に開けるように設計され得る。チャフコレクタ50は、取り外し可能に構成され得て、例えばチャフを容易に捨てるためにチャフコレクタ50を装置1から取り外すことができる。例えば、チャフコレクタ50は、例えば、適宜設計されたジョイントにより、ハウジング20(例えば、ハウジング20の後側)に取り外し可能に取り付けられている。チャフコレクタ50は、装置1の頂部を形成してもよい、及び/又はハウジング20の頂部22に配置されている。
【0041】
チャフコレクタ50は、特定の移動軸線に対して移動可能に構成されて、閉位置と開位置との間を移動する、すなわち閉位置又は開位置へと移動する。特定の移動軸線は、好ましくは装置1に対して固定された移動軸線である。「固定された移動軸線」は、移動軸線の位置及び向きが装置1に対して固定されている、特にハウジング20及び/又は更なるハウジング部分40に対して固定されていると理解されるものとする。
【0042】
図1~
図4及び
図9~
図12で例示的に示すように、閉位置では、チャフコレクタ50は、チャンバ10の開口部
13を覆っている。したがって、この位置では、チャンバ10内でコーヒー豆の焙煎を行うことができる。すなわち、閉位置では、チャフコレクタ50は、開口部
13を覆っているので、開口部
13を介してチャンバ10にアクセスすることは不可能である。例えば、閉位置では、(開位置と比較して)低減された量の空気及び/若しくは熱しか、又は実質的に空気及び/若しくは熱が全く、開口部
13を介してチャンバ10から逃げることができない。したがって、チャフコレクタ50及び/又は開口部
13、例えば受容器14はシールを備えてもよく、シールは、閉位置において、低減された量の空気及び/又は熱しか、又は実質的に空気及び/又は熱が全く、開口部
13を介してチャンバ10から逃げることができないことをもたらす。したがって、閉位置では、装置1のユーザは、好ましくは、開口部
13を介してチャンバ10から逃げる(熱い)空気及び/又は熱の影響を受けない。
【0043】
閉位置では、チャフコレクタ50は、好ましくは、ハウジング20と同一平面をなす。したがって、チャフコレクタ50は、ハウジング20と共に、コレクタ50とハウジング20との間の予想される(封止された)間隙は無視して、ハウジング20からチャフコレクタ50まで連続的に形成される幾何学的形状を形成し得る。例えば、チャフコレクタ50及びハウジング20は共に、閉位置において実質的に対称な形態、例えば実質的に円筒形又は(切頭)円錐形を形成する。したがって、チャフコレクタ50は、好ましくは、例えば、頂部22を備えるハウジング20の断面の直径に対応する直径を有する丸い形態を有して、適宜ハウジング20に形成される。チャフコレクタ50は、実質的に円筒形の形態を有し得る。
【0044】
図5~
図8及び
図13~
図16に例示的に示すように、開位置では、チャフコレクタ50は、チャンバ10の開口部
13を覆っていない。よって、チャンバ10は、チャンバ10からコーヒー豆を取り出すために、そして好ましくは更にコーヒー豆をチャンバ10内へと入れるために、開口部
13を介して(人間の手にとって)アクセス可能である。したがって、開位置では、チャンバ10は、開口部
13によって画定される前述したアクセス方向に沿ってアクセス可能である。よって、開位置では、チャフコレクタ50は、装置1のユーザ側から離れるように、特に装置1のユーザ側とは反対側の装置1の後側に向かって移動する。ユーザ側は、典型的には、ユーザインターフェース30を備える、及び/又は装置1を操作するユーザに向けられた、装置1の側である。したがって、チャフコレクタ50は、装置1のユーザが、(焙煎)コーヒー豆を受容するチャンバ10に容易にアクセスでき、注力することができる位置にある。開位置では、加熱されたチャフコレクタ50に起因してユーザが火傷するリスクもない。開位置では、開口部
13は、好ましくは完全に覆われていない。すなわち、装置1の上面図(すなわち、垂直方向又はアクセス方向)で見た場合、開口部
13とチャフコレクタ50は、好ましくは重ならない。
【0045】
図示する2つの好ましい実施形態では、移動軸線は回転移動軸線である。これにより、移動軸線を中心とした回転移動によってチャフコレクタ50が閉位置と開位置との間で移動する。チャフコレクタ50は、移動軸線に対して移動可能に構成されるように、ハウジング20及び/又は更なるハウジング部分40に取り付けられ得る。移動軸線は、ジョイント又はヒンジ60により画定され得る。例えば、ジョイント60は、(例えば、チャフコレクタ50の側面に)第1のジョイント要素と、(例えば、ハウジング20又はハウジング部分40の側面に)第2のジョイント要素とを備え、それらジョイント要素は、ジョイント要素が移動軸線に対して互いに相対的に移動可能となるように互いに接続されることで、特定の移動軸線が提供される。
【0046】
しかしながら、本発明は、移動軸線として、回転移動軸線に限定されない。例えば、加えて又は代わりに、移動軸線は、直線移動軸線であってもよく、それにより、この移動軸線に沿った直線移動によってチャフコレクタ50が閉位置と開位置との間で移動し得る。したがって、ジョイント60は、例えば第1のジョイント要素を第2のジョイント要素に接続して摺動移動を提供することで、ジョイント要素のうちの一方が、対応する他方のジョイント要素に対して摺動する、又は他方のジョイント要素内を摺動することができる。
【0047】
図示する2つの好ましい実施形態では、チャフコレクタ50は、1つの特定の移動軸線のみに対して移動可能に構成されている。したがって、ジョイント60は、好ましくは、1つの自由度のみを提供する。したがって、移動軸線に対する単一の移動により、チャフコレクタ50を開位置又は閉位置にすることができ、したがって、装置1の使用の容易さが特に改善される。しかしながら、本発明は、チャフコレクタ50を1つの特定の移動軸線のみに対して移動可能に構成することに限定されない。チャフコレクタ50は、例えば、チャフコレクタ50を第1の移動軸線に対して最初に移動させ、続いて第2の移動軸線に対して移動させて、開位置又は閉位置に移動させるように、1つ以上の特定の移動軸線に対して移動可能に構成され得る。これらの移動軸線は、同じ形態の移動(例えば、回転又は線形)を画定し得る、又は異なる形態の移動(例えば、1つが回転移動のための、もう1つが直線運動のため)を画定し得る。
【0048】
装置1は、ロック機構70を備えてもよく、ロック機構は、チャフコレクタ50をチャンバ10に対して、好ましくはハウジング20及び/又は受容器14に対して、選択的にロック又はロック解除するように適合されている。このようにして、チャフコレクタ50がチャンバ10に対してロックされている場合、チャフコレクタ50は、閉位置から開位置に移動することが防止される。チャフコレクタ50をチャンバ10に対してロックするために、ロック機構70は、第2の好ましい実施形態に関する
図9~
図16で最もよく分かるように、ハンドル16と協働するように適合され得る。例えば、ロック機構70は、チャフコレクタ50の側面又はチャフコレクタ50上に設けられたロック部分71を備え、ロック部分71は、対応するように形成されたハンドル16の部分と、例えば互いに係合することにより協働して、チャンバ10に対してロックされるように又はロックされた状態が維持されるように適合されている。他の例では、ロック機構70はまた、装置1の他の固定部分、例えばハウジング20及び/又は受容器14と協働して、チャフコレクタ50をチャンバ10に対してロックするように適合され得る。
【0049】
ロック機構70は、ロック機構70をロック解除するように、すなわちチャフコレクタ50をチャンバ10に対してロック解除するように適合された操作要素72(例えば、ボタン又は接触感知要素)を備え得る。操作要素72は、チャフコレクタ50の側面(例えば、第1の実施形態を参照)、又はチャンバ10の側面(例えば、第2の実施形態を参照)に設けられ得る。
図9~
図21の第2の好ましい実施形態について例示的に示すように、操作要素72は、ハンドル16に構成され得る。他の例では、操作要素72は、受容器14又はハウジング20に構成され得る。
【0050】
チャフコレクタ50は、ロック機構70を操作してチャフコレクタ50をチャンバ10に対してロック解除したときに中間位置に自動的に移動するように構成され得る。中間位置では、開口部13は、閉位置におけるときよりも少なくチャフコレクタ50により覆われている。中間位置では、開口部13がチャフコレクタ50により覆われている部分が、好ましくは開位置におけるときよりも大きい。すなわち、中間位置では、開口部13とチャフコレクタ50は部分的に重なっていてもよい。好ましくは、中間位置では、チャフコレクタ50、例えばチャフコレクタ50の側縁部、及び開口部13、例えば開口部13の(円周方向)側縁部は、間隙、例えばわずか数ミリメートルを有する間隙を形成する。したがって、中間位置では、(熱い)空気及び/又は気体若しくは蒸気を、開口部13を介してチャンバ10から制御可能に逃がすことができる。よって、焙煎直後にチャフコレクタ50を開位置に移動させた場合に見られるような、(熱い)空気及び/又はガス/蒸気がチャンバ10から急激に逃げることが防止される。よって、(熱い)空気及び/又は蒸気は、チャフコレクタ50と開口部13との間に形成された間隙を介して、チャンバ10から逃げることができる。
【0051】
チャフコレクタ50を閉位置から中間位置に自動的に移動させるために、装置1、例えば、チャフコレクタ50、ハウジング20、及び/又はジョイント60は、(弱い)ばねなどの弾性要素を含み得る。すなわち、チャフコレクタ50は、ばね付勢式であり得る。弾性要素は、閉位置において弾性要素がチャフコレクタ50を中間位置に移動させるように付勢されているように設けられ得る。ロック機構70をロック解除することにより、弾性要素は、チャフコレクタ50を中間位置に、弾性要素の弾性復元力によって移動させる。いったん中間位置に到達すると、次に装置1のユーザは、例えば手動で、チャフコレクタ50を開位置に更に移動させることができる。
【0052】
チャンバ10に対してチャフコレクタ50をロックするためには、ユーザは、チャフコレクタ50を単純に閉位置に手動で移動させればよい。チャフコレクタ50が閉位置に到達すると、次にロック機構70は、例えば付勢要素(ばねなど)により、チャフコレクタ50をチャンバ10に対して自動的にロックする。付勢要素は、チャフコレクタ50が閉位置にあるときに、ロック機構70をロック位置に入れるように付勢されている。
【0053】
図1~
図8に示す第1の好ましい実施形態では、移動軸線は垂直方向に延び、チャンバ10にもこの垂直方向に沿ってアクセスすることができるように、開口部
13が構成されている。すなわち、チャフコレクタ50の移動軸線は、チャンバ10のアクセス方向に実質的に平行である。したがって、
図1~
図8で分かるように、チャフコレクタ50を開位置と閉位置との間で移動させるために、チャフコレクタ50を、開口部
13に実質的に平行な平面(例えば、開口部
13が延びている平面)で、及び/又は装置1が構成されている表面上で移動させることができる。
図1~
図4を
図5~
図8と比較すると分かるように、装置1は、したがって、開位置と閉位置の両方で同じ高さを有する。この高さは、装置1が操作される、すなわち、具体的にはコーヒー豆を焙煎するために操作されるように構成されている場合、例えば、開口部
13が垂直方向に沿ったチャンバ10へのアクセス用に構成されている場合に、垂直方向に測定される。よって、高さは、装置1が構成されている表面から測定され得る。
【0054】
図8Aで分かるように、チャフコレクタ50は、受容要素52を備えてもよい。受容要素52は、好ましくは、チャフコレクタ50が受容要素52に対して画定された位置及び/又は向きとなるように、チャフコレクタ50を受容するように適合されている。したがって、チャフコレクタ50は、受容要素52に対して取り外し可能に設けられるように構成され得る。例えば、受容要素52は、チャフコレクタ50が画定された位置及び/又は向きとなるようにチャフコレクタ50を受容するように形成されたセクション53を備える。セクション53は、チャフコレクタ50のセクション又は一部に対応するように又は相補的に形成されてもよく、例えばチャフコレクタ50のハンドルに相補的に形成されてもよい。セクション53は、受容要素52における凹部として形成され得る。
【0055】
受容要素52を移動可能に構成して、チャフコレクタ50が、閉位置と開位置との間を移動するために、移動軸線に対して移動可能に構成されることをもたらしてもよい。例えば、受容要素52は、ジョイント60、又はジョイント60の少なくとも一部、かかるジョイント要素のうちの1つを含む。
【0056】
図8Aでも分かるように、ハウジング20は、受容器14がハウジング20に対して画定された位置及び/又は向きとなるように、受容器14を受容するように適合され得る。例えば、ハウジング20、具体的にはその頂部22は、受容器14が画定された位置及び/又は向きとなるように受容器14を受容するように形成されたセクション25を備える。セクション25は、受容器14のセクション又は一部に対応するように又は相補的に形成されてもよく、例えば受容器14のハンドル16に相補的に形成されてもよい。セクション25は、ハウジング20における凹部として形成され得る。
【0057】
図9~
図21に示す第2の実施形態は、具体的には移動軸線が異なる方向に、すなわち水平方向に延びているという点で、第1の実施形態とは異なる。第2の実施形態では、開口部
13は好ましくは、垂直方向に沿ってチャンバ10にアクセスするように構成されてもいる。したがって、移動軸線は、チャンバ10のアクセス方向に対して実質的に垂直であり得る。
図9~
図16で分かるように、チャフコレクタ50と、開口部
13(例えば、開口部
13が延びている平面)及び/又は装置が構成されている表面との間の角度は、チャフコレクタ50が閉位置と開位置との間で移動するときに変化する。より具体的には、この角度は、閉位置において実質的に0°であってもよく(例えば、
図12を参照)、この角度は、チャフコレクタ50が開位置にある場合(例えば、
図16を参照)には、実質的に90°である。したがって、装置1は、開位置において、閉位置におけるよりも高い高さを有し得る。
【0058】
具体的に
図13~
図18に例示的に示すように、受容器14は、受容器14を装置1から、例えばハウジング20から取り外すことにより、チャフコレクタ50を開位置に移動させる又は押すことができるように構成され得る。したがって、ユーザは、チャフコレクタ50を開位置に移動させるために、チャフコレクタ50に直接触れる必要はない。より具体的には、受容器14を垂直方向に沿って移動させることにより、受容器14は、チャフコレクタ50と(機械的に)接触し、それによりチャフコレクタ50は開位置に移動する。例えば、フランジ15、及び/又はハンドル16の一部、例えばハンドル16をチャンバ10及び/又はフランジ15に接続する部分は、受容器14を装置1から、例えばハウジング20から取り外すように移動させた場合に、チャフコレクタ15(の下側)に(機械的に)接触する。したがって、例えば垂直方向に沿った受容器14の単一の(取り扱い)移動では、受容器14の装置1からの取り外しとチャフコレクタ50の開位置への移動の両方が行われる。したがって、機械の操作は大幅に簡略化される。
【0059】
加えて又は代わりに、チャフコレクタ50に直接作用することにより、チャフコレクタ50を開位置及び閉位置に移動させることができる。例えば、チャフコレクタ50は、チャフコレクタ50を閉位置と開位置との間で移動させるためのハンドルを備え得る。このハンドルもまた、任意選択のハンドル16と同様に、より低い熱伝導率を有する材料、及び/又はチャフコレクタ50の他の部分よりも低い熱伝導率を有する材料、を含む材料で作製され得る。例えば、材料は、プラスチックであってもよい、又はプラスチックを含んでもよい。したがって、(場合によっては加熱されている)チャフコレクタ50のハンドルに触れたときに、ユーザが手を火傷するリスクはない。
【0060】
図示する実施形態は、好ましい実施形態に過ぎないこと、しかしながら、装置1の他の設計も使用できることが、当業者には明らかであろう。