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特許7641391物体の距離、表面厚さ、及び光学特性を決定する装置と関連方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】物体の距離、表面厚さ、及び光学特性を決定する装置と関連方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20250227BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20250227BHJP
   G01J 3/36 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
G01B11/00 A
G01B11/06 H
G01J3/36
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2023543469
(86)(22)【出願日】2021-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-18
(86)【国際出願番号】 FI2021050644
(87)【国際公開番号】W WO2022069801
(87)【国際公開日】2022-04-07
【審査請求日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】20205942
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】523114338
【氏名又は名称】エルエムアイ テクノロジーズ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ケラネン、 ヘイモ
【審査官】山▲崎▼ 和子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0219454(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0174127(US,A1)
【文献】特開2015-132546(JP,A)
【文献】特表2013-507608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01J 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体(2)の位置及び/又は光学的特性を決定するための装置であって、
光を供給するための点状又は線状の出力素子(4.1)と
前記出力素子(4.1)から前記物体(2)へ光を向けるための照明光学系(11)と、
光の強度値を検出するための光センサ(8)と、
前記物体(2)からの光を前記光センサ(8)に収集するための結像光学系(13)と
を含み、
前記光学的特性は、前記物体(2)に対する光の透過又は反射に関連し、
前記照明光学系(11)は、前記出力素子(4.1)の位置点(P1(4.1))からの光を、前記出力素子(4.1)の位置点(P1(4.1))に対して前記照明光学系(11)の主光線(F1(4.1))に関連付けられた照明座標軸(A1(4.1))に沿って前記照明光学系(11)から異なる距離に位置付けられた複数の照明焦点点又は照明焦点領域に集束するように構成され、ここで、前記主光線(F1(4.1))は、前記出力素子(4.1)の位置点(P1(4.1))から集束される前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域によって相互に共有され、及び前記照明座標軸(A1(4.1))に沿った前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は前記照明光学系(11)の異なる光学的開口によって形成され、
前記結像光学系(13)は、前記光センサ(8)の位置点(P1(8)→Pn(8))の各々から、前記光センサ(8)の対応位置点(P1(8)→Pn(8))に対して、前記結像光学系(13)の対応主光線(F1(8)→Fn(8))に関連付けられた結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿って、前記結像光学系(13)から異なる距離で位置付けられた複数の結像焦点点又は結像焦点領域を形成するように構成され、ここで、前記対応主光線(F1(8)→Fn(8))は、前記光センサ(8)の対応位置点(P1(8)→Pn(8))から形成される前記複数の結像焦点点又は結像焦点領域によって相互に共有され、及び前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿った前記複数の結像焦点点又は結像焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は前記結像光学系(13)の異なる光学的開口によって形成され、
前記照明光学系(11)と前記結像光学系(13)とは、前記照明座標軸(A1(4.1))に沿った前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域からの様々な焦点点又は焦点領域の各々が、異なる結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿って位置付けられた結像焦点点又は結像焦点領域と一致する複数の一致焦点点又は一致焦点領域を形成するよう構成され、
前記照明座標軸(A1(4.1))の方向が、複数の結像座標軸(A1(8)→An(8))の方向と異なり、
前記複数の一致焦点点又は一致焦点領域は各々が、共通の支配波長又は形状に関連付けられた照明焦点点及び結像焦点点、又は前記共通の支配波長又は形状に関連付けられた照明焦点領域及び結像焦点領域からなり、及び/又は前記照明光学系(11)と前記結像光学系(13)との相関した光学的開口によって形成され、
前記装置が、前記光センサ(8)によって検出された光の強度値の局所最大値から、前記物体(2)の物体点(2.1)の前記位置及び/又は光学特性を決定することは、
前記物体点(2.1)の前記位置を、前記局所最大値に対応する前記光センサ(8)上の位置から決定すること、及び/又は
前記物体点(2.1)の前記光学特性を、前記局所最大値に対応する前記光の強度又は波長から決定することであり、
ここで、前記局所最大値は、前記物体点(2.1)と前記複数の一致焦点点又は一致焦点領域の1つとの交差点から収集される前記光から得られる、装置。
【請求項2】
前記装置が、複数の線状又は点状の出力素子(4.1→4.n)又はそれらの組合せを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記照明光学系(11)は、前記複数の線状又は点状の出力素子(4.1→4.n)の各々に対する位置点(P1→Pn)の各々からの光を、対応出力素子(4.1→4.n)の対応位置点(P1→Pn)に対する前記照明光学系(11)の対応主光線(F1→Fn)に関連付けられた対応照明座標軸(A1→An)に沿って前記照明光学系(11)から異なる距離で位置付けられた複数の照明焦点点又は照明焦点領域に集束するように構成され、
前記対応主光線(F1→Fn)は、前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応位置点(P1→Pn)から集束された前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域によって相互に共有され、及び前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応位置点(P1→Pn)に対する前記対応照明座標軸(A1→An)に沿った前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域の各々は、少なくとも前記支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は前記照明光学系(11)の異なる光学的開口で形成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)は、前記複数の線状又は点状の出力素子(4.1→4.n)の各々について前記対応照明座標軸(A1→An)に沿った前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域からの前記様々な焦点点又は焦点領域の各々が、異なる結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿って位置付けられた結像焦点点又は結像焦点領域と、前記一致焦点点又は一致焦点領域で一致するように複数の一致する焦点点又は焦点領域を形成するよう構成され、前記複数の線状又は点状の出力素子(4.1→4.n)の各々に対する複数の照明座標軸(A1→An)の方向が、前記複数の結像座標軸(A1(8)→An(8))の方向とは異なる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応位置点(P1→Pn)に対する前記照明光学系(11)の前記対応主光線(F1→Fn)に関連付けられた前記対応照明座標軸(A1→An)に沿って前記照明光学系(11)から異なる距離で位置付けられた複数の照明焦点点に、前記複数の線状又は点状の出力素子(4.1→4.n)の各々に対する前記位置点(P1→Pn)の各々からの光を集束するために縦色収差が前記照明光学系(11)に設けられることにより、前記照明座標軸(A1→An)に沿った前記照明焦点点の各々が前記支配波長において異なり、及び
前記光センサ(8)の位置点(P1(8)→Pn(8))の各々から、前記光センサ(8)の前記対応位置点(P1(8)→Pn(8))に対する前記結像光学系(13)の前記対応主光線(F1(8)→Fn(8))に関連付けられた前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿った前記結像光学系(13)から異なった距離で位置付けられた複数の結像焦点点を形成するために縦色収差が前記結像光学系(13)に設けられることにより、前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿った前記複数の結像焦点点の各々は前記支配波長が異なる、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応位置点(P1→Pn)に対する前記照明光学系(11)の前記対応主光線(F1→Fn)に関連付けられた前記対応照明座標軸(A1→An)に沿っ前記照明光学系(11)から異なる距離で位置付けられた複数の結像焦点点に、前記複数の線状又は点状の出力素子(4.1→4.n)の各々に対する前記位置点(P1→Pn)の各々から光を集束するために球面収差を照明光学系(11)に設けられることにより、前記照明座標軸(A1→An)に沿った前記照明焦点点の各々が前記照明光学系(11)の異なる光学的開口で形成され、及び
前記光センサ(8)の前記位置点(P1(8)→Pn(8))の各々から、前記光センサ(8)の前記対応位置点(P1(8)→Pn(8))に対する前記結像光学系(13)の前記対応主光線(F1(8)→Fn(8))に関連付けられた前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿った前記結像光学系(13)から異なる距離で位置付けられた複数の結像焦点点を形成するために球面収差が前記結像光学系(13)に設けられることにより、前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿った前記焦点点の各々が前記結像光学系(13)の異なる光学的開口で形成される、請求項3~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応位置点(P1→Pn)に対する前記照明光学系(11)の前記対応主光線(F1→Fn)に関連付けられた前記対応照明座標軸(A1→An)に沿っ前記照明光学系(11)から異なる距離で位置付けられた異なる形状を有する複数の照明焦点領域上に、前記複数の線状又は点状の出力素子(4.1→4.n)の各々に対して前記位置点(P1→Pn)の各々から光を集束するために、非点収差が前記照明光学系(11)に設けられることにより、前記照明座標軸(A1→An)に沿った前記照明焦点領域の各々が前記照明光学系(11)の異なる光学的開口で形成され、及び
前記光センサ(8)の前記位置点(P1(8)→Pn(8))の各々から、前記光センサ(8)の前記対応位置点(P1(8)→Pn(8))に対する前記結像光学系(13)の前記対応主光線(F1(8)→Fn(8))に関連付けられた前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿った前記結像光学系(13)からの異なる距離で位置付けられた複数の照明焦点領域を形成するために非点収差が前記結像光学系(13)に設けられることにより、前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿った前記焦点領域の各々が前記結像光学系(13)の前記異なる光学的開口で形成される、請求項3~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)に縦色収差が設けられた時、前記複数の一致焦点点は各々が、前記共通の支配波長に関連付けられた照明焦点点及び結像焦点点からなる、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)に球面収差が設けられた時、前記一致する焦点点の各々が、前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)の前記相関する光学的開口で形成される、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)に非点収差が設けられた時、前記一致する焦点領域の各々は、共通の形状に関連付けられた照明焦点領域及び結像焦点領域からなり、前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)の前記相関する光学的開口で形成される、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が2つ以上の出力素子(4.1→4.n)を含む時、前記装置は、前記交差点における物体点(2.1)の位置を決定するために、どの出力素子(4.1→4.n)から前記局所最大値の前記光が提供されるかを区別するために、前記光センサ(8)によって検出される前記光の前記強度値の前記局所最大値の前記波長を決定するように構成される、請求項5に記載の装置。
【請求項12】
前記光センサ(8)は、ラインスキャンカメラ、マトリクスカメラ、RGBカメラ、又は位置感知検出器(PSD)である、請求項2から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記光センサ(8)が、前記局所最大値の前記波長を決定するように構成されるRGBカメラである、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記物体点(2.1)の前記位置の決定が三角測量に基づく、請求項2~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記一致する焦点点の分布が、測定される前記物体(2)の物体点(2.1)の位置を決定するための測定空間を定義する、請求項2~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
物体(2)に向けられる前記光に対して少なくとも部分的に透明又は半透明である前記物体(2)を測定する時、前記装置は、第1の表面(2f)からの結果である前記光センサ(8)上の前記検出された光の前記強度値の前記局所最大値と、第2の表面(2s)からの結果である前記光センサ(8)上の前記検出された光の前記強度値の前記局所最大値との間の位置差から前記物体(2)に向けられる前記光に対して少なくとも部分的に透明又は半透明である前記物体(2)の前記第1の表面(2f)と前記第2の表面(2s)との間の厚さを決定するよう構成される、請求項2~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記光センサ(8)は、前記結像光学系(13)の光軸(13’)に対して垂直に配置されたラインスキャンカメラ又はマトリクスカメラであり、前記複数の線状又は点状の出力素子(4.1→4.n)は、平面(5)上に配置され、ここで、前記平面(5)は前記照明光学系(11)の光軸(11’)に対して斜めの角度を形成する、請求項2~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の線状又は点状の出力素子(4.1→4.n)のうち隣接する出力素子(4.1→4.n)間の少なくとも1つの間隔が、前記隣接する出力素子(4.1→4.n)間の他の間隔と異なる、請求項2~17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
装置を使用して物体(2)の位置及び/又は光学的特性を決定するための方法であって、
前記装置は、
光を供給するための点状又は線状の出力素子(4.1)と
前記出力素子(4.1)から前記物体(2)へ光を向けるための照明光学系(11)と、
光の強度値を検出するための光センサ(8)と、
前記物体(2)からの光を前記光センサ(8)に収集するための結像光学系(13)と
を含み、
前記光学的特性は、前記物体(2)に対する光の透過又は反射に関連し、
前記方法は、
前記物体(2)に光学的照明及び光学的検出を異なる方向から提供する工程であって、
前記出力素子(4.1)の位置点(P1(4.1))から、前記出力素子(4.1)の位置点(P1(4.1))に対する前記照明光学系(11)の主光線(F1(4.1))に関連付けられた照明座標軸(A1(4.1))に沿った前記照明光学系(11)から異なる距離で位置付けられた複数の照明焦点点又は照明焦点領域上で光を集束し、ここで、前記主光線(F1(4.1))は、前記出力素子(4.1)の前記位置点(P1(4.1))から集束された前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域によって相互に共有され、及び前記照明座標軸(A1(4.1))に沿った前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は前記照明光学系(11)の異なる光学的開口によって形成され、及び
前記光センサ(8)の対応位置点(P1(8)→Pn(8))に対する前記結像光学系(13)の対応主光線(F1(8)→Fn(8))に関連付けられた結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿った前記結像光学系(13)から異なる距離で位置付けられた複数の結像焦点点又は結像焦点領域は、前記光センサ(8)の対応位置点(P1(8)→Pn(8))の各々から形成され、前記対応主光線(F1(8)→Fn(8))は、前記光センサ(8)の対応位置点(P1(8)→Pn(8))から形成される前記複数の結像焦点点又は結像焦点領域によって相互に共有され、及び前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿った前記複数の結像焦点点又は結像焦点領域の各々は少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は前記結像光学系(13)の異なる光学的開口で集束される、工程と、
前記照明座標軸(A1(4.1))に沿った前記複数の照明焦点点又は焦点領域からの様々な焦点点の各々が、異なる結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿って位置付けられた結像焦点点又は焦点領域と一致する複数の一致焦点点又は一致焦点領域を形成する工程であって、前記照明座標軸(A1(4.1))の方向は、複数の結像座標軸(A1(8)→An(8))の方向とは異なり、及び前記複数の一致焦点点又は一致焦点領域は各々が、共通の支配波長又は形状に関連付けられた照明焦点点及び結像焦点点、又は前記共通の支配波長又は形状に関連付けられた照明焦点領域及び結像焦点領域からなり、及び/又は前記照明光学系(11)と前記結像光学系(13)との相関した光学的開口によって形成される、工程と、
前記結像光学系(13)によって前記物体(2)から収集された光の強度値を前記光センサ(8)によって検出する工程と、
前記物体(2)の物体点(2.1)の前記位置及び/又は光学的特性を決定する工程であって、前記物体点(2.1)の前記位置は、前記光の強度値の局所最大値に対応する前記光センサ(8)上の位置から決定され、及び/又は、前記物体点(2.1)の前記光学的特性が、前記局所最大値に対応する前記光の強度又は波長から決定され、ここで、前記局所最大値は前記物体点(2.1)と前記複数の一致焦点点又は一致焦点領域の1つとの交差点から収集される前記光から得られる、決定する工程と
を含む、方法。
【請求項20】
前記方法は、さらに、
複数の出力素子(4.1→4.n)の各々の位置点(P1→Pn)の各々からの光を、対応出力素子(4.1→4.n)の対応位置点(P1→Pn)に対する前記照明光学系(11)の対応主光線(F1→Fn)に関連付けられた対応照明座標軸(A1→An)に沿った前記照明光学系(11)から異なる距離で位置付けられた照明焦点点又は照明焦点領域上に集束させる工程であって、ここで、前記対応主光線(F1→Fn)は、前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応位置点(P1→Pn)から集束される前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域によって相互に共有され、及び前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応位置点(P1→Pn)に対する前記対応照明座標軸(A1→An)に沿った前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は前記照明光学系(11)の異なる光学的開口で形成される、工程と、
前記出力素子(4.1→4.n)の各々に対して前記対応照明座標軸(A1→An)に沿った前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域からの様々な焦点点又は焦点領域の各々が、異なる結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿って位置付けられた結像焦点点又は結像焦点領域と一致する複数の一致焦点点又は一致焦点領域を形成する工程であって、前記複数の出力素子(4.1→4.n)の各々に対する複数の照明座標軸(A1→An)の方向が前記結像座標軸(A1(8)→An(8))の方向とは異なる、工程と
を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記方法は、さらに、
第1の表面(2f)からの結果である前記光センサ(8)上の前記検出された光の前記強度値の前記局所最大値と、第2の表面(2s)からの結果である前記光センサ(8)上の前記検出された光の前記強度値の前記局所最大値との間の位置差から、前記物体(2)に向けられる光に対して少なくとも一部が透明又は半透明である前記物体(2)の前記第1の表面(2f)と前記第2の表面(2s)との間の厚さを決定する工程、を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記照明光学系(11)が、縦色収差を使うことによって、少なくとも前記支配波長が互いに異なる前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応位置点(P1→Pn)に対して前記対応照明座標軸(A1→An)に沿って前記複数の照明焦点点又は照明焦点領域の各々に集束させ、
前記結像光学系(13)が、縦色収差を使うことによって、少なくとも前記支配波長が互いに異なる前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿って前記複数の結像焦点点又は結像焦点領域の各々に集束させる、請求項20~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記照明光学系(11)が、球面収差を使うことによって、前記照明光学系(11)の異なる光学的開口を有する前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応する位置点(P1→Pn)に対して前記対応照明座標軸(A1→An)に沿って前記複数の照明焦点点の各々に集束させ、
前記結像光学系(13)が、球面収差を使うことによって、前記結像光学系(13)の異なる光学的開口を有する前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿って前記複数の結像焦点点の各々に集束させる、請求項20~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記照明光学系(11)が、非点収差を使うことによって、形状が互いに異なる前記対応出力素子(4.1→4.n)の前記対応位置点(P1→Pn)に対して前記対応照明座標軸(A1→An)に沿って前記照明焦点領域の各々に集束させ、
前記結像光学系(13)が、非点収差を使うことによって、形状が互いに異なる前記結像座標軸(A1(8)→An(8))に沿って前記結像焦点領域の各々に集束させる、請求項20~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、
前記光センサ(8)を前記結像光学系(13)の光軸(13’)に対して垂直に配置する工程と、
前記複数の出力素子(4.1→4.n)を平面(5)上に配置する工程であって、前記平面(5)が前記照明光学系(11)の光軸(11’)に対して斜めの角度を形成し、前記複数の出力素子(4.1→4.n)が複数の線状出力素子(4.1→4.n)からなる、配置する工程と、を含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、次の工程の少なくとも1つ:
前記物体点(2.1)が少なくとも1つの一致する焦点点と交差するように、前記装置に対して前記物体(2)を移動させる工程であって、ここで、前記少なくとも1つの一致する焦点点の各々が、同じ共通の支配波長を有する、移動させる工程、
前記物体点(2.1)が少なくとも1つの一致する焦点点と交差するように、前記装置に対して前記物体(2)を移動させる工程であって、ここで、前記少なくとも1つの一致する焦点点の各々が、前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)の前記相関した光学的開口で形成される、移動させる工程、又は
前記物体点(2.1)が少なくとも1つの一致する焦点点と交差するように、前記装置に対して前記物体(2)を移動させる工程であって、ここで、前記少なくとも1つの一致する焦点領域の各々は、前記共通の形状に関連付けられた照明焦点領域及び結像焦点領域からなり、前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)の前記相関した光学的開口で形成される、移動させる工程、
を含む、請求項20~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、次の工程の少なくとも1つ:
前記物体点(2.1)が一定数の一致する焦点点と交差するように、前記装置に対して前記物体(2)を移動させる工程であって、前記交差する一致する焦点点の数が2つ以上である時、前記一定数の一致する焦点点の各々が異なる支配波長を有する、移動させる工程、
前記物体点(2.1)が一定数の一致する焦点点と交差するように、前記装置に対して前記物体(2)を移動させる工程であって、前記交差する一致する焦点点の数が2つ以上である時、前記一定数の一致する焦点点の各々は、前記照明光学系(11)と前記結像光学系(13)との異なる相関した光学的開口で形成される、移動させる工程、又は
前記物体点(2.1)が一定数の一致する焦点領域と交差するように、前記装置に対して前記物体(2)を移動させる工程であって、前記一定数の一致する焦点領域の各々は、共通の形状に関連付けられた照明焦点領域及び結像焦点領域からなり、前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)の前記相関した光学的開口で形成され、ここで、各一致する焦点領域は、形状が異なり、前記物体点(2.1)と交差する一致する焦点領域の数が2つ以上である時、前記照明光学系(11)及び前記結像光学系(13)の異なる相関した光学的開口で形成される、移動させる工程、
を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも第1及び第2の時間インスタンスを含む複数の異なる時間インスタンスにおいて、前記光センサ(8)上の前記検出された光の強度値を取得する工程と、
所定の経路で各2つの時間インスタンス間で、前記装置に対して物体(2)を移動させる工程であって、それによって前記物体点(2.1)は、少なくとも2つの一致する焦点点と交差し、前記少なくとも2つの一致する焦点点の各々は異なる支配波長を有し、前記物体点(2.1)と交差する他の少なくとも2つの一致する焦点点と比較して異なる出力素子(4.1→4.n)と関連付けられる、移動させる工程と、
前記検出された光の前記取得された強度の局所最大値に対する場所及びそれぞれの強度値を決定する工程と、
決定された前記局所最大値の場所とそれぞれの強度値、及び前記局所最大値の光がどの出力素子(4.1→4.n)から供給されるかという情報に基づいて、少なくとも2つの異なる波長を有する前記物体点(2.1)からの反射される前記光の強度値を決定する工程と、
をさらに含む、請求項20~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記複数の出力素子(4.1→4.n)のうち隣接する出力素子(4.1→4.n)間の少なくとも1つの間隔を、前記隣接する出力素子(4.1→4.n)間の他の間隔と異ならせて配置する工程をさらに含む、請求項20~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記物体(2)が、前記物体(2)に向けられる前記光に対して少なくとも部分的に透明又は半透明である、前記物体(2)の第1の表面(2f)と第2の表面(2s)との間の厚さを決定するための、請求項1~18のいずれか一項に記載の装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
一般に、本開示は、光学的測定及びイメージングに関する。より詳細には、しかし排他的ではなく、本開示は、物体の位置及び光学的特性の決定に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触の光電子計測器は、非破壊で比較的高速を提供し、表面形状や表面特性を提供する。物体や表面の距離や向きを測定するための奥行き情報を知覚するために、共焦点、構造化光又はレーザー三角測量、白色光干渉、縞模様投影、又は焦点深度イメージング技術など、さまざまに異なる技術が存在する。三角測量器は、比較的シンプルで使いやすいことから、さまざまな種類の産業用マシンビジョンシステムに奥行き情報を追加するために広く使用される。三角測量ベースの装置では、通常、レーザービーム又はLEDを被測定物体に照射し、物体点からの反射光を光源と物体点との距離に応じた撮像角度にて光センサで検出する。
【0003】
撮像角度、光源と光センサ間の基線、及び光源から投射される光の角度によって、三角形の形状が定義付けされ、そこから奥行き情報と表面形状を抽出することができる。また、検出された光の強度を抽出し、表面の反射率として、重要な材料の光学的特性に関する情報を提供することが一般的である。
【0004】
現在の三角測量器における既知の問題点として、測定速度が光センサのフレームレートに制限されることが挙げられる。
【0005】
現在のレーザー三角測量器における既知の問題点として、コヒーレントな照明光による光センサ上の干渉模様として見られるスペックルノイズが避けられず、表面位置及び表面光学特性の抽出に支障をきたすことが挙げられる。
【0006】
さらに、現在のレーザー三角測量器におけるもう一つの既知の問題は、小さな開口数の光学系しか使用できないという制限から、光沢のある傾斜した表面の表面形状を作成する能力が著しく制限されていることである。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、被測定物体の表面位置及び表面光学特性の決定という文脈における既存の解決策に関連する1つ以上の問題を少なくとも緩和することである。特に、本発明の目的は、測定速度を向上させることができる表面位置及び表面光学特性を測定するための測定装置を提供することである。さらに、本発明の目的は、光沢のある傾斜した表面の表面位置や表面光学特性の測定にも適した、このような測定装置を提供することである。さらに、本発明の目的は、測定装置の配置を簡素化することである。本発明の更なる目的は、表面位置と、1つ以上の異なる波長の光による反射率、反射率、透過率、及び透過率からなる群から選択される表面の特性の少なくとも1つを同時に決定することができる装置及び方法を提供することである。
【0008】
以下では、本発明の例示的かつ非限定的な実施形態のより詳細な説明の前段階として、本発明のいくつかの概念の基本的な理解を提供するための簡略化された概要を提示する。
【0009】
本発明の目的は、独立請求項の特徴によって達成することができる。
【0010】
本発明の一態様によれば、物体の位置及び/又は光学的特性を決定するための新規な装置が提供される。
本発明による装置は、
-光を供給するための点状又は線状の出力素子と、
-出力素子からの光を物体に導くための照明光学系と、
-光の強度値を検出するための光センサと、
-物体からの光を光センサに集めるための結像光学系と
を含む。
【0011】
照明光学系は、前記出力素子の位置点からの光を、出力素子の位置点に対する前記照明光学系の主光線に関連する照明座標軸に沿って前記照明光学系から異なる距離に位置する複数の照明焦点点又は焦点領域に集光するように構成され、ここで、前記主光線は、出力要素の位置点から集光された複数の照明焦点点又は焦点領域について相互であり、及び同じの照明座標軸に沿った照明焦点点又は焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は、照明光学系の異なる光学的開口で形成される。
【0012】
前記結像光学系は、前記光センサの位置点の各々から、前記光センサの対応する位置点に対する前記結像光学系の対応する主光線に関連する結像座標軸に沿って前記結像光学系から異なる距離に位置する複数の結像焦点点又は焦点領域を形成するよう構成され、前記対応する主光線は、光センサの対応する位置点から形成される複数の結像焦点点について相互であり、及び同じ結像座標軸に沿った結像焦点点又は焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は、結像光学系の異なる光学的開口で焦点合わせられる。
【0013】
照明光学系及び結像光学系は、同じ照明座標軸に沿った複数の照明焦点点又は焦点領域からの様々な焦点点又は焦点領域の各々が、異なる結像座標軸に沿って位置された結像焦点点又は焦点領域と、一致する焦点点又は焦点領域で一致するように複数の一致する焦点点又は焦点領域を形成し、ここで、照明座標軸の向きは、結像座標軸の向きとは異なる、ように構成される。さらに、照明光学系及び結像光学系は、複数の一致する焦点点又は焦点領域を形成するように構成され、一致する焦点点又は焦点領域の各々は、共通の支配波長または形状に関連する照明焦点点及び結像焦点点又は焦点領域からなり、及び/又は照明光学系と結像光学系の相関した光学的開口で形成される。
【0014】
装置は、光センサによって検出された光の強度分布の局所最大値から、前記物体の物体点の位置及び/又は光学特性を決定するように構成され、
-物体点の位置が局所最大値の位置から決定され、及び/又は
-物体点の光学特性は、局所最大値の強度又は波長から決定され、局所最大値は、物体点と、一致する焦点点又は焦点領域の1つとの交点から収集された光の結果である。
【0015】
本発明によれば、物体の位置及び/又は光学的特性を決定するための新しい方法も提供される。本発明による方法は、
-異なる方向から物体を光学的に照らし、光学的に検出することを提供する工程であって、
・出力素子の位置点から、出力素子の位置点に対する照明光学系の主光線に関連する照明座標軸に沿って照明光学系から異なる距離に位置された複数の照明焦点点又は焦点領域に光が集束され、ここで、主光線は、出力素子の位置点から集光された複数の照明焦点点又は焦点領域について相互であり、及び同じ照明座標軸に沿った照明焦点点又は焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は照明光学系の異なる光学的開口で形成され、及び
・前記光センサの対応する位置点に対する結像光学系の対応する主光線に関連する結像座標軸に沿って結像光学系から異なる距離に位置する複数の結像焦点点又は焦点領域が、前記光センサの位置点の各々から形成され、ここで、対応する主光線は、光センサの対応する位置点から形成される複数の結像焦点点又は焦点領域について相互であり、及び同じ結像座標軸に沿った結像焦点点又は焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は結像光学系の異なる光学的開口で焦点合わせされる、工程と、
-照明座標軸に沿った複数の照明焦点点又は焦点領域からの様々な焦点点の各々が、異なる照明座標軸に沿って位置付けされた焦点点又は焦点領域と一致するように、複数の一致する焦点点を形成する工程であって、前記照明座標軸の向きは、結像座標軸の向きと異なり、一致する焦点点又は焦点領域の各々は、共通の支配波長又は形状に関連する照明焦点点及び結像焦点点又は焦点領域からなり、及び/又は照明光学系及び結像光学系の相関する光学的開口で形成される、工程と、
-結像光学系によって物体から収集された光の強度値を光センサによって検出する工程と、
-物体点の位置が前記検出された光の強度分布の局所的な最大値の位置から決定され、及び/又は物体点の光学特性が検出された光の強度分布の局所最大値の強度又は波長から決定されるように、物体点の位置及び/又は光学特性を決定する工程であって、ここで、前記局所的最大値は前記物体点と一致する焦点点又は焦点領域の1つとの交差から集められた光の結果である、工程と
を含む。
【0016】
本発明によると、物体の第1の表面と第2の表面との間の厚さを決定するための装置の使用も提供され、ここで、前記物体は、物体に向けられる光に対して少なくとも部分的に透明又は半透明である。
【0017】
本発明は、従来技術に比べ、利点を提供し、例えば、本発明は、
-照明や結像の開口数を大きくすることで、光沢、傾斜のある表面の測定が可能にする、
-照明や結像における高開口数の光学系の使用によって、大きな被写界深度を維持し、結果として大きな深度(Z方向)測定範囲を確保することを可能にする、
-測定空間をフルに使って物体を集中的に測定することを可能にする、
-1つの画像フレームで複数、例えば数十の表面形状を同時に測定することができるため、測定速度を向上させることが可能である、
-ノンコヒーレントな光の照射を提供することが可能であり、スペックルノイズなく光センサに集光することが可能である、
-物体の拡散反射又は光沢にかかわらず、正確に物体点の位置を決定することが可能である、
-同じ種類の光学系を照明や結像に利用することが可能である。
【0018】
様々な例示的かつ非限定的な実施形態が、従属請求項を伴って記載される。特許請求の範囲に応じて列挙される特徴は、特に明示的に記載されない限り、相互に自由に組み合わせ可能である。
【0019】
本明細書では、「複数」とは、2つ以上の数量を意味する。さらに、本明細書を通じて、「a」又は「an」、すなわち単数形の使用は、複数形を排除するものではないことを理解されるものとする。
【0020】
本明細書では、「軸」という言葉は想像上の線を意味し、「軸」という言葉は「軸」の複数形である。
【0021】
本明細書では、「含む(comprise)」及び「含む(include)」という動詞を、未記載の機能の存在を排除も要求もしないオープンな限定詞として使用する。
【0022】
本発明の特徴と見なされる新規の特徴は、特に添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、本発明自体は、その構造及びその動作方法の両方に関して、その追加の目的及び利点とともに、添付の図面と関連して読まれるときに、特定の例示的な実施形態の以下の記載から最もよく理解されるだろう。
【0023】
当業者によって理解されるように、多層構造体の様々な実施形態に関する以前に提示された考慮事項は、変更すべきところは変更して、関連する製造方法の実施形態に柔軟に適用され得、逆も同様である。
【0024】
以下の詳細な説明における実施形態は、あくまで実施例として挙げたものであり、当業者であれば、本明細書に記載した以外の方法で本発明の基本思想を実施することも可能である。ほとんどの実施形態は、他の実施形態との様々な組み合わせで実現することができる。本明細書では、ある特定の実施形態又は実施形態を数カ所で参照する場合があるが、これは、その参照が1つの記載された実施形態のみに向けられていること、又は記載された特性が1つの記載された実施形態においてのみ使用可能であることを意味するものではない。このように、複数の実施形態の個々の特徴を組み合わせて、新たな発明の実施形態を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
次に、本発明を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【0026】
図1a図1aは、物体の位置及び/又は光学特性を決定するための装置の一実施形態を模式的に示す。
図1b図1bは、図1aに従った例示的な強度分布図を示す。
図2a-2c】図2a、図2b、図2cは、実施形態で利用される異なる光学収差を模式的に示す。
図3図3は、物体の位置及び/又は光学特性を決定する装置の一実施形態を模式的に示す。
図4a-4b】図4a、図4bは、スペクトルの内容を示す。
図5a図5aは、物体の位置及び/又は光学特性を決定するための装置の一実施形態を模式的に示す。
図5b1-5b2】図5b1、図5b2は、図5aに従った例示的な強度分布図を示す。
図6a図6aは、物体の位置及び/又は光学特性を決定するための装置の一実施形態を模式的に示す。
図6b図6bは、図6aに従った例示的な強度分布図を示す。
図7a-7c】図7a、図7b、図7cは、本発明に従って決定された物体の表面形状を同時に測定した実施例を示す。
図8図8は、物体の位置及び/又は光学特性を決定するための方法の一実施形態を開示するフロー図である。
図9図9図10は、本発明に係る装置の更なる変形を模式的に示す。
図10図9図10は、本発明に係る装置の更なる変形を模式的に示す。
図11図11図12は、本発明に係る装置の更なる変形を模式的に示す。
図12図11図12は、本発明に係る装置の更なる変形を模式的に示す。
図13図13図14は、隣接する出力素子の間隔を調整する実施例を示す。
図14図13図14は、隣接する出力素子の間隔を調整する実施例を示す。
図15図15は、物体の走査の一実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明のいくつかの実施形態について開示する。記載する実施形態では、物体表面の照明と結像を異なる方向から二軸に実現する。このように、投影された照明光源又は照明の光源の画像と結像の光センサの画像とを、多数の一致する焦点点(測定線及び/又は一致する焦点点又は焦点領域の測定点群)が前記両光学系に共通するように一致させることによって、仮想測定空間を作成することが可能である。測定される物体が仮想測定空間と交差する時、仮想測定空間の1つ又は複数の一致する焦点点又は焦点領域は、特定の物体点で物体と交差する。この物体点と一致する焦点点又は焦点領域との交点から発生する強い反射を光センサで指示し、被測定物体の表面位置に変換する。
【0028】
本明細書では、反射とは鏡面反射と拡散反射を指し、鏡面反射は平滑面からの反射、拡散反射は粗面からの反射を指す。また、反射とは、測定される物体内からの放射線を散乱、屈折、及び反射させることを指す。
【0029】
例えば、測定される物体の表面からの点であることができる物体点と交差するために、有利には、光を提供する照明の出力素子の幾何学的形状、又はその少なくとも一部が、照明光学系を介して投影され、及びこの画像は、物体から反射した光が結像光学系を介して光センサに収集される結像で監視される。光センサによって検出される光の強度分布において、物体点と投影光源形状及び光センサ形状の位置点の画像との交点に相当する点に局所的な強度極大がもたらされる。光センサで定義された光分布の局所強度最大値の場所から物体点の位置を決定し、局所強度最大値の強度又は波長から物体点の光学特性を決定する。
【0030】
本明細書において、強度分布の局所最大値の位置又は場所とは、光センサ8上で、検出された光の強度値が局所最大値になる位置のことである。
【0031】
測定される物体(例えば、ターゲット)が、例えばプラスチックフィルムやガラス板のように、部分的に光を透過し反射する複数の面からなる場合、この方法はこれらの面からそれぞれ個別の局所強度最大値を作成し、測定に関与する材料の屈折率と測定形状が既知の場合、これらの強度最大値の位置の差に基づいてフィルム又は板の厚さを定義することができる。測定形状は、照明角度と結像角度と、当該角に対する被測定物体2の形状とを含む。
【0032】
いくつかの場合において、物体に向けられる光に対する物体のサブ表面、すなわち、物体の光学特性(透明度や半透明度など)に依存する物体の内部構造上の物体点の位置を決定することも可能である。
【0033】
それぞれの図において、同じまたは対応する部分は同じ参照番号によって示され、ほとんどの場合、重複するテキスト説明も省略される。
【0034】
図1aは、実施形態100に係る装置を示す。この装置は、光を供給するための1つの点状の出力素子4.1(すなわち、点状に形成された出力素子)と、出力素子4.1からの光を測定される物体2に向けられる照明光学系11と、光の強度値を検出するための光センサ8と、光センサ8に物体2からの光を集めるための結像光学系13と、を備える。
【0035】
装置の光学的照明手段及び光学的結像手段の両方は、照明光学系11が1つ以上の出力素子4.1を含む照明からの異なる点を集光し、結像光学系13が光センサ8を含む結像領域からの異なる点を仮想測定空間上の異なる位置に既知の方法で集光するように、それらの両方の焦点点又は焦点領域を仮想測定空間へ形成するように構成される。照明(すなわち、出力素子)の位置点から照明光学系11によって形成される各焦点点又は焦点領域は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は照明光学系11の異なる光学的開口で形成される。これに対応して、結像領域(すなわち、光センサ)のある位置点から結像光学系13によって形成される各焦点点又は焦点領域は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は結像光学系13の異なる光学的開口で形成される。各一致する焦点点又は焦点領域において、照明焦点点又は照明焦点領域(すなわち、照明光学系11によって形成される焦点点又は焦点領域)が、同じ共通の支配波長又は形状を有する結像焦点点又は結像焦点領域(すなわち、結像光学系13によって形成される焦点点又は焦点領域)と一致(重なり)するように、一致する焦点点又は焦点領域が形成される。追加的又は代替的に、前記焦点点又は焦点領域は、照明光学系11と結像光学系13の相関する光学的開口で形成される。すなわち、一致する各焦点点又は焦点領域は、共通の支配波長又は形状に関連する照明及び結像焦点点又は焦点領域及び/又は照明光学系11及び結像光学系13の相関する光学的開口で形成される。それによって、各一致する焦点点又は焦点領域が、形成された焦点点又は焦点領域の共通の支配波長に関連付けられ、及び/又は照明光学系11及び結像光学系13の相関する光学的開口で形成される複数の一致する焦点点又は焦点領域(すなわち、共通焦点点又は焦点領域)を形成することが可能である。測定される物体2の表面の物体点が、このように形成された仮想測定空間の一致する焦点点又は焦点領域のいずれかと一致する場合、そこから発生する反射は、物体2の表面の他の物体点からの反射光と比較して非常に強いものとなる。結像光学系13により、物体2の表面で反射した光は光センサ8に向けられ、伝播した光の局所強度最大値の位置が検出され、検出した光の位置と強度のデータが電気信号に形成される。光センサ8は、例えば、CCD、CMOSマトリクス、位置感知検出器(Position Sensitive Detector(PSD))等とすることができる。この装置は、処理手段(図1aには示さず)によって、電気信号から、物体2の表面形状を表す最大反射を決定し、当該手段によって、物体2の物体点の測定位置が決定される。代替的又は追加的に、物体点の光学特性は、対応する局所強度最大値の強度値に対応する最大反射の対応する信号の強度最大値又は局所強度最大値の波長から決定することが可能である。
【0036】
様々な実施形態において、出力素子4.1は、一般に、光を照射し提供するためのLED又はレーザベースの光源を含むか、又はそれからなることができる。
【0037】
様々な実施形態において、個々の出力素子は、有利には、別々の光源と、別々の光源からの光(すなわち照明)を通して別々のスリット又はピンホールとを含んでも良い。
【0038】
出力素子から供給される光(すなわち、光放射)は、紫外線(波長ca.50nm)から赤外線(波長ca.1mm)までの波長帯域を有する電磁波とすることができる。
【0039】
提供される光は、白色光(すなわち、すべての可視波長を含む)であっても、1つの波長又は多数の異なる波長を含む光であっても良い。
【0040】
様々な実施形態において、提供される光は、コヒーレント光又は非コヒーレント光のいずれであっても良い。
【0041】
照明光学系11及び結像光学系13は、レンズ又はレンズ、ミラーなどの光学部品を含んでも良い。さらに、照明光学系11と結像光学系13は、同一であっても非同一であっても良い。
【0042】
実施形態100の装置では、照明光学系11と結像光学系13に縦色収差が利用される。縦色収差により、出力素子4.1の位置点P(4.1)からの波長λ(4.1)、λ(4.1)、λ(4.1)、λ(4.1)、λ(4.1)の異なる照明焦点点と、波長λ(8)、λ(8)、λ(8)、λ(8)、λ(8)の光センサ8の端点P(8)とP(8)の間の異なる位置点からの異なる結像焦点点は、図1aを参照のように、対応する主光線の方向に異なる距離で前記光学系を形成する。これは、図2aでも、照明光学系11をより拡大して示す。出力素子4.1の位置点P(4.1)から形成される照明焦点点は、同じ照明座標軸A(4.1)に沿う。主光線F(4.1)は、出力素子4.1の位置点P(4.1)から形成され、照明光学系11から異なる波長で異なる距離に位置する照明焦点点に対する相互である。したがって、光センサ8の同じ位置点P(8)→P(8)から形成される結像焦点点は、対応する位置点P(8)→P(8)に対する結像光学系13の主光線が同様に同じF(8)→F(8)を有し、同じ結像座標軸A(8)→A(8)に沿う図1aでは、光センサ8の位置点P(8)から形成される結像焦点点の主光線F(8)及び関連する結像軸A(8)、及び位置点P(8)から形成される結像焦点位置の主光線F(8)及び関連する結像軸A(8)が示される。
【0043】
本明細書では、異なる物体のセットを「最初の物体」→「最後の物体」と表記し、P(8)→P(8)によって、光センサの極限位置点P(8)及びP(8)の間の異なる位置点のセットを意味し、前記nは1より大きい任意の整数とし得る。
【0044】
実施形態100における装置の点状出力素子4.1は、有利には、白色光を放射するLEDベースの光源であっても良い。
【0045】
実施形態100では、出力素子4.1の照明光学系11からの距離、出力素子4.1の照明光学系11の光軸からの変位、光センサ8の結像光学系13からの距離、及び光センサ8の結像光学系13の光軸からの傾きを調整することによって、前記光学系は、出力素子4.1の位置点P(4.1)の照明焦点点と光センサ8の異なる位置点P(8)→P(8)の結像焦点点から一致する焦点点を形成するように構成される。各一致する焦点点において、位置点P(4.1)の1つの照明焦点点は、同じ波長の光センサ8の1つの位置点P(8)→P(8)の結像焦点点と一致(すなわち、合致)する。つまり、一致する焦点点には、一致する焦点点に共通する支配波長が関連付けされる。さらに、交差物体2の異なる位置を測定するために、一致する焦点点を形成する出力素子4.1の位置点P(4.1)の照明焦点点の各々が、異なる結像座標軸A(8)→A(8)に沿った光センサ8の位置点P(8)→P(8)のそのような結像焦点点と一致するように、一致する焦点点が形成される。異なる結像座標軸A(8)→A(8)とそれらの軸に沿った結像焦点点は、光センサ8の異なる位置点P(8)→P(8)に対応する。したがって、出力素子4.1の位置点P(4.1)の様々な照明焦点点から形成される多数の(様々な)一致する焦点点が有利に存在し、この様々な照明焦点点の各々は、異なる結像座標軸A(8)→A(8)に沿って位置付けされた光センサ8の位置点P(8)→P(8)の結像焦点点と一致させられる。
【0046】
実施形態100では、照明光学系11及び結像光学系13のレンズ又はレンズによって、縦方向(軸方向)の、色収差が生じる。これにより、本実施形態100では、物体2の表面下の仮想計測空間において、光の赤色端の成分λ(4.1),λ(8)に焦点が合い、これに対応して、物体2の上方では光の青色端の成分λ(4.1),λ(8)に焦点が合っていることになる。実施形態100では、照明と結像の青色側端部λ(4.1),λ(8)の両方が仮想計測空間の上端にピントが合っている状態である。したがって、測定空間の下端(図1aの高さhの物体2の下)には,スペクトルの赤端λ(4.1),λ(8)にピントが合っていることになる。物体2の表面の高さは、物体に向けられた光のスペクトルのどの成分が物体から反射されるかに影響を与える。物体2から反射された光信号は、有利には黒白線又はマトリクス光センサ8又はカメラによって検出されるので、スペクトルの成分の色は、この実施形態では重要ではない。しかし、本明細書で後述するように、この反射光の波長情報を利用する場合もある。
【0047】
図1aの実施例では、物体2の表面の高さhとhの2つの異なるケースが図示される。これらの表面層は光を散乱させる。物体2と一致する焦点点の交点は、図示された両方の高さから例示される。表面が表面高さhの時、物体点2.1は波長λの一致点A(S)A(R)と交差する。この交差点は、光センサ8のP(R)の位置点によって示される。それぞれ、表面が表面高さhの時、物体点2.2は波長λの一致点A(S)A(R)と交差する。この交差点は、光センサ8のP(R)の位置点によって示される。
【0048】
図1bは、装置の光センサ8から受信した、図1aの実施例による信号の一実施例を示す。図1bは、光センサ8に入射する光の強度を、光センサ8の位置点の位置の関数として示す。局所最大信号h(2.1)は、物体2の高さhにおける物体点2.1(すなわち、物体点2.1と一致する焦点点A(4.1)A(8)の交差点)からの反射に起因する。もう1つの局所最大信号h(2.2)は、物体2の高さhにおける物体点2.2(すなわち、物体点2.2と一致する焦点点A(4.1)A(8)の交差点)から来る反射の結果である。有利には、受信した局所最大値信号の位置は、座標系199に従った位置に対応するように較正される。
【0049】
この装置では、光センサ8で受信した局所最大値の位置と、物体点と一致する焦点点の交点からの反射光が照射される出力素子の位置点が、三角測量に基づいて、物体2のある位置と対応するように較正される。
【0050】
本実施形態100では、照明と結像の両方が物体2の表面に関して対称的な角度で示される。しかし、本発明はこのような対称的な測定状況に限定されるものではなく、測定事象に影響を及ぼすことなく、物体表面に関する照明及び結像の角度を異なる大きさにすることができる。照明と結像との間の角度は変化するが、それにもかかわらず、測定空間を定義する各一致する焦点点では、個々の照明焦点点と共通の支配波長に関連する結像焦点点とが一致するように、一致する焦点点が形成され得る。
【0051】
実施の形態100では、出力素子4.1が照明光学系11の光軸上にある。しかし、照明及び出力素子4.1の位置は、この位置に限定されるものではなく、出力素子4.1は、さらなる実施形態で見るように、他の位置にも配置することができる。
【0052】
実施形態100では、出力素子4.1によって提供される光のスペクトルは連続的である必要はなく、例えば、異なる波長のシーケンス又は異なる方法の不連続光のシーケンスを含むことができる。
【0053】
第2の実施形態200に切り替えて、実施形態200の様々な特徴は、一般的に実施形態100のものと類似していると考えられ、不必要な冗長性を避けるために、ここでは繰り返さない。
【0054】
しかしながら、実施形態200は、照明光学系11及び結像光学系13のレンズ又はレンズに球面収差が設けられている点で実施形態100と異なる。その場合、前記光学系は、照明光学系11又は結像光学系13を光が伝播する場所を理由に、異なる照明焦点点θ(4.1)→θ(4.1)及び結像焦点点θ(8)→θ(8)へと光を屈折させる。中央の光学系を伝播する光線は、レンズの外縁を伝播する光線よりも焦点点がθ1→m(4.1),θ1-m(8)離れる。
【0055】
これは、出力素子4.1の位置点P1(4.1)から、2つの異なる開口数θ(4.1)及びθ(4.1)を有する照明光学系11が図2bで図示される。照明光学系11の例示的なレンズは、P(4.1)の位置点から、照明光学系11のレンズ又はレンズの異なる数値開口で照明座標軸A(4.1)に沿って照明光学系11から異なる距離に位置付けされる複数の異なる照明焦点点を形成するように構成される。従って、結像光学系13は、同特性を含む。また、結像の場合、球面収差を設けると、結像光学系13は、光センサ(8)の位置点P(8)→P(8)各々から、結像座標軸A(8)→A(8)に沿って結像光学系13から異なる距離に位置付けされる複数の異なる結像焦点点を結像光学系13のレンズ又はレンズの異なる開口数で形成するように構成される。本実施形態では、1つの波長、様々な波長、又は白色光のいずれでも測定を実現することができる。
【0056】
実施形態200では、測定は、照明光学系11及び結像光学系13の、レンズ又はレンズの球面収差、又は一般に、光学部品の球面収差に基づく。一致する焦点点は、実施形態100について図1aの実施例で図示されたのと同様に配置され得る。これにより、物体2の表面下の仮想測定空間では、前記光学系のレンズ又はレンズの最小の角度開口で形成される成分θ(4.1),θ(8)に焦点が合い、これに対応して、前記光学系のレンズ又はレンズの最大の角度開口で形成される成分θ(4.1),θ(8)は物体2の上方に焦点が合う。さて、球面収差を利用する場合、各々の一致する焦点位置において、出力素子4.1の位置点P(4.1)の1つの照明焦点点と光センサ8の1つの位置点P(8)→P(8)の結像焦点点の位置が一致する(すなわち、合致)ので、これらの一致する焦点点θ1→m(4.1)及びθ1→m(8)は、この一致する焦点点が物体2と交差する時に、光センサ8上の局所最大値を生成する照明光学系(11)と結像光学系(13)の相関した(等しい)光学的開口で形成される。
【0057】
第3の実施形態300は、照明光学系11及び結像光学系13のレンズ又はレンズに非点収差が設けられている点で、実施形態200と異なっている。この場合、光学系からの距離が異なると、ある位置の点からの焦点が点状ではなく線状又は楕円状の中間に見えるように、前記光学系は異なる焦点領域φ(4.1)→φ(4.1)及びφ(8)→φ(8)に光を屈折させる。非点収差により接線方向と矢状方向の光線は、異なる光学系で屈折し、両者の光線は照明光学系11又は結像光学系13を伝播する敷地内の異なる焦点領域で対応する位置点に対して対応する主光線と交差することになる。これらの接線面や矢状面の光線は、焦点をあてられた結像点が得られず、むしろ、前記光学系からの距離に応じて、直線状から楕円状の細長い集束部が連続的に発生する。
【0058】
これは、照明光学系11について、出力素子4.1の位置点P(4.1)から照明光学系11の異なる光学的開口によって形成される形状の異なる3つの照明焦点領域φ(4.1),φ(4.1)及びφ(4.1)が図2cに示される。従って、結像光学系13は、同特性を含む。
【0059】
実施形態300では、測定は、照明光学系11及び結像光学系13のレンズ又はレンズの非点収差に基づく。一致する焦点点は、実施形態100について図1aの実施例で図示されたのと同様に配置され得る。これにより、照明及び結像のある位置点から形成される焦点領域のうち最も楕円形状の照明及び結像の焦点領域φ(4.1),φ(8)が物体2の表面下の仮想測定空間内に位置し、これに対応して焦点領域のうち最も線状の焦点領域φ(4.1),φ(8)が物体2の上方に合焦していることになる。さて、非点収差を利用する場合、各々の一致する焦点領域において、出力素子4.1の位置点P(4.1)の1つの照明焦点領域φ1→m(4.1)は、同一形状で関連付けられた光センサ8の1つの位置点P(8)→P(8)の結像焦点領域φ1→m(8)と一致(すなわち、合致)して、照明光学系11及び結像光学系13の相関光学的開口を有して形成される。本実施形態では、1つの波長、様々な波長、又は白色光のいずれでも測定を実現することができる。
【0060】
図3は、実施形態400による測定配置を示す。本実施形態は、参照番号4.1及び4.2で示される2つの線状(線形)出力素子と、参照番号8bで示されるマトリクス光センサとを含む点でこれまでの実施形態と異なる。マトリクス光センサ8bでは、位置点K(8b)→K(8b)及びP(8b)→P(8b)の異なる2方向の物体2からの反射光の強度を測定することができるので、光センサ8bの前記位置点から直角座標系(すなわち直交座標系)を形成することができる。照明光学系11及び結像光学系13は、前述したような方法で任意の光学収差を含み得る。したがって、出力素子4.1の位置点P1(4.1)→Pn(4.1)からの光と出力素子4.2の位置点P1(4.2)→Pn(4.2)からの光の異なる成分は、照明光学系11から異なる距離に集光される。したがって、結像光学系13は、結像光学系11からの距離が異なる位置点K(8b)→K(8b)及びP(8b)→P(8b)から焦点点又は領域を形成するように構成される。
【0061】
照明光学系11と結像光学系13は、上述したような態様で、一致する焦点点又は一致する焦点領域を形成するように配置される。さて、出力素子4.1及び4.2がともに線状の幾何学的形状を有する場合、照明光学系11及び結像光学系13によって一致する焦点点又は焦点領域を、線が前記両出力素子の異なる位置点及び光センサ8bの異なる位置点から形成される異なる深さの線に配置することが可能である。
【0062】
照明光学系11と結像光学系13で縦色収差を利用する場合、仮想測定空間の異なる深さに、支配波長が共通の一致する照明焦点点と結像焦点点の線が存在することになる。これに対応して、球面収差を利用する場合は、異なる深さに一致する焦点点の線が存在し、この一致する焦点点の各々の対応する線は、照明光学系11と結像光学系13の対応する相関(等しい)光学的開口で形成される一致する照明焦点点と結像焦点点からなる。これに対応して、照明光学系11及び結像光学系13に非点収差が利用される場合、異なる深さに一致する焦点領域の線があり、この一致する焦点領域の各対応線は、同じ形状に関連する一致する照明焦点領域及び結像焦点領域からなり、一致する照明焦点領域及び結像焦点領域は、照明光学系11と結像光学系13の対応する相関(等)光学的開口で形成される。
【0063】
図3において、照明光学系11と結像光学系13で縦色収差を利用する場合、物体2の表面とL1a及びL1bと表記される一致する焦点点の線との交点が図示される。L1aは、出力素子4.1の位置点P(4.1)→P(4.1)の照明焦点点と光センサ8bの位置点P(8b)→P(8b),K(8b)→K(8b)の結像焦点点から形成される線状に位置する表面のある物体点と一致する焦点点の交点による反射線である。それぞれ、L2bは、出力素子4.2の位置点P(4.2)→P(4.2)の照明焦点点と光センサ8bの位置点P(8b)→P(8b),K(8b)→K(8b)の結像焦点点から形成される線状に位置する表面のある物体点と一致する焦点点の交点による反射線である。図3では、L1aとL2bの各々から、1つの交差点が一致する焦点点A(4.1)Axy(8)で、及び他の交差点が一致する焦点点A(4.2)Axy(8)で起こるものが個別に例示される。出力素子4.1の位置点P(4.1)に対する主光線F(4.1)に関連付けられた照明座標軸A(4.1)に沿った照明焦点点の1つと、光センサ8bの位置点P(8b)K(8b)に対する主光線Fxy(8b)に関連付けられた結像座標軸Axy(8b)に沿った結像焦点点の1つから一致する焦点点A(4.1)Axy(8)が形成される。それぞれ、出力素子4.2の位置点P(4.2)に対する主光線F(4.2)に関連付けられた照明座標軸A(4.2)に沿った照明焦点点の1つと、光センサ8bの位置点P(8b)K(8b)に対する主光線Fxx(8b)に関連付けられた結像座標軸AXX(8b)に沿った結像焦点点の1つから一致する焦点点A(4.2)AXX(8)が形成される。本開示による他の任意の一致する焦点点のようにまた、実施形態300の多数の一致する焦点点の各々は、特定の一致する照明焦点点及び結像焦点点の同じ波長にそれぞれ関連付けられる。
【0064】
一致する焦点点A(4.1)Axy(8)の位置で物体2の表面が交差することにより、出力素子位置P(4.1)から発した光の反射が発生し、その反射光の一部が光センサ8bの位置点P(8b)K(8b)に集められ、形成した反射データに局所最大値を発生させることができる。それぞれ、一致する焦点点A(4.2)Axx(8)の位置で物体2の表面が交差することにより、出力素子位置P(4.2)から発した光の反射が発生じ、その反射光の一部が光センサ8bの位置点P(8b)K(8b)に集められ、形成した反射データに対して局所最大値を発生させることができる。同様に、L1aとL1bの他の交差からも、光センサ8b上の対応する線が図示されているように、局所最大値が形成される。
【0065】
様々な実施形態において、装置は、複数の線状又は点状の出力素子4.1→4.n又はそれらの組み合わせを含む。
【0066】
様々な出力素子を含む実施形態では、照明光学系11は、出力素子4.1→4.nの各々に対する位置点P→P各々の光を、対応する照明座標軸A→Aに沿って照明光学系11から異なる距離に位置付けされた複数の照明焦点点又は焦点領域に集光するように構成される。これらの軸の各々は、対応する出力素子4.1→4.nの対応する位置点P→Pに対する照明光学系11の対応する主光線F→Fと関連付けられる。対応する主光線F→Fは、対応する出力素子4.1→4.nの対応する位置点P1→Pnから集光した複数の照明焦点点又は焦点領域に対して相互である。対応する出力素子4.1→4.nの対応する位置点P→Pに対する同じ対応する照明座標軸A→Aに沿った照明焦点点又は焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は照明光学系11の異なる光学的開口を用いて形成される。
【0067】
さらに、照明光学系11及び結像光学系13は、複数の一致する焦点点又は焦点領域を形成するように構成され、出力素子4.1→4.nの各々について同じ対応する照明座標軸A→Aに沿った複数の照明焦点点又は焦点領域からの様々な焦点点又は焦点領域の各々が異なる結像座標軸A1(8)→An(8)にそって位置付けされた結像焦点点又は焦点領域を有する対応する焦点点又は焦点領域で一致し、出力素子4.1→4.nの各々に対する照明座標軸A→Aの方向が結像座標軸A(8)→A(8)の方向と異なる。
【0068】
様々な実施形において、縦色収差は、出力素子4.1→4.nの各々の位置点P→Pのそれぞれからの光を、対応する照明座標軸A→Aに沿って照明光学系11から異なる距離に位置付けされた複数の照明焦点点に集束するために照明光学系11に利用され、対応する出力素子4.1→4.nの位置点P→Pに対して照明光学系11の対応する主光線F→Fと関連づけられることにより、同じ照明座標軸A→Aに沿った各照明焦点点が支配波長で異なる。対応して、光センサ8の位置点P(8)→P(8)の各々から、光センサ8の対応する位置点P(8)→P(8)に対して、結像光学系13の対応する主光線F(8)→F(8)に関連する対応する結像座標軸A(8)→A(8)に沿って結像光学系13から異なる距離で位置付けされた複数の結像焦点点を形成するように結像光学系13に縦色収差が設けられたものであり、同じ結像座標軸A(8)→A(8)に沿った各焦点点が支配波長で異なるようにする。
【0069】
マトリクス光センサが使用されるそれらの実施形態において、各結像座標軸、主光線、及び位置点は、実施形態400について記載したように、光センサ8bの位置点の座標系と関連付けられても良い。
【0070】
照明光学系11と結像光学系13に縦色収差が設けられている場合、一致する各々の焦点は、共通の支配波長に関連する照明焦点点と結像焦点点からなる。
【0071】
様々な実施形において、球面収差は、出力素子4.1→4.nの各々の位置点P→Pのそれぞれからの光を、対応する出力素子4.1→4.nの対応する位置点P→Pに対して照明光学系11の対応する主光線F→Fと関連づけられる、対応する照明座標軸A→Aに沿って照明光学系11から異なる距離に位置付けされた複数の結像焦点点に集束するために照明光学系11に提供されることにより、同じ照明座標軸A→Aに沿った各照明焦点点が、照明光学系11の異なる光学的開口で形成される。対応して、光センサ8の位置点P(8)→P(8)の各々から、光センサ8の対応する位置点P(8)→P(8)に対して、結像光学系13の対応する主光線F(8)→F(8)に関連する対応する結像座標軸A(8)→A(8)に沿って結像光学系13から異なる距離で配置した複数の結像焦点点を形成すべく結像光学系13には、球面収差が設けられることにより、同一の結像座標軸A(8)→A(8)に沿った各焦点が、結像光学系13の異なる光学的開口で形成される。
【0072】
照明光学系11と結像光学系13に球面収差が設けられている場合、照明光学系11と結像光学系13の相関する光学的開口で各同時焦点位置が形成される。
【0073】
様々な実施形態では、非点収差は、各出力素子4.1→4.nの位置点P→Pのそれぞれからの光を、対応する出力素子4.1→4.nの位置点P→Pに対して照明光学系11の対応する主光線F→Fに関連する対応する照明座標軸A1→Anに沿って照明光学系11から異なる距離で位置付けされた異なる形状の複数の照明焦点領域に集束するように照明光学系11に設けられることで、同一の照明座標軸A→Aに沿った各照明焦点領域が、照明光学系11の異なる光学的開口で形成される。対応して、非点収差は、光センサ8の位置点P(8)→P(8)のそれぞれから、光センサ8の対応する位置点P(8)→P(8)に対して、結像光学系13の対応する主光線F(8)→F(8)に関連する対応する結像座標軸A(8)>A(8)に沿って結像光学系13から異なる距離で位置する異なる形状の複数の結像焦点領域を形成すべく結像光学系13に設けられることで、同一の結像座標軸A(8)→A(8)に沿った各焦点領域が、結像光学系13の異なる光学的開口で形成される。
【0074】
照明光学系11と結像光学系13に非点収差が設けられている場合、一致する焦点領域の各々は、共通の形状に関連付けられた照明焦点領域と結像焦点領域からなり、照明光学系11と結像光学系13の相関した光学的開口で形成される。
【0075】
図4a及び図4bは、照明光学系11及び結像光学系13において縦色収差を利用するような場合において、波長(λ)の関数として収集光の強度(I)を示す収集光のスペクトル内容の実施例である。図4bは、物体2と一致する焦点点の一つとの交差で発生する反射光を集光した光センサ8の位置点からのスペクトルの実施例である。図4bのスペクトルには、ある特定の波長λで非常に明確な最大値があり、物体2と一致する焦点点の交差から反射する特定の波長の光であることを示し、物体2の光学特性に関する情報が明らかにされる。一方、交差の測定された光が主に構成するその波長λの強度は、光センサ8の位置点から集光した光のスペクトルにおいて、当該位置点が交差点からの光を集光する光センサ8上の位置点に近い場合、強く減衰される。このような位置点から収集した光のスペクトルは、図4aに示すように、交差点からの反射光のスペクトルの最大値に主に集中する波長λの場所で非常に明確な減衰が見られる。
【0076】
光学特性の測定では、被測定物体のある特定の物体点における局所最大値の強度を決定される。局所最大値の強度は、局所最大値が決定された物体点の反射率に比例する。さらに、対象点が物体表面にある場合、局所最大値の強度を求めることで、表面の反射率に関する情報を得ることができる。
【0077】
照明光学系11と結像光学系13で縦色収差を利用する場合、測定空間における一致する焦点点の位置と関連する局所最大値の波長を較正することが可能であり、これにより、表面の高さのように、物体の位置を測定することによって、その位置からの特定の既知の波長における物体の反射率に関する情報を得ることができる。さらに、装置が様々な出力素子を含む場合、様々な測定ジオメトリーがあり、前記様々な測定ジオメトリーによって、多様な波長を使用して物体を同時に測定することが可能である。
【0078】
図5aは、参照番号4.1及び4.2で示される2つの点状出力素子を含む実施形態500を示す。実施形態500は、さらに、照明光学系11及び結像光学系13における縦色収差を利用し、これにより、多数の一致焦点点が異なる高さに形成され、一致焦点点の各々は、上記のように共通の支配波長に関連する照明焦点点及び結像焦点点からなる。図5aには、出力素子の2つの位置点P(4.1)及びP(4.2)から形成される照明焦点点と、z方向の深さで5つの異なる波長λ~λを有する光センサ8の2つの位置点P(8)及びP(8)から形成される結像焦点点とが図示される。さらに、これらの照明焦点点と結像焦点点の一部からなる4つの異なる一致焦点、すなわち、A(4.2)A(8)をλ、A(4.1)A(8)をλ、A(4.2)A(8)をλ、及びA(4.1)A(8)をλとして図示する。
【0079】
図5aには、測定される物体2の2つの異なる可能な表面高さhとhをさらに示す。物体2の表面の高さが高さhを有する時、2つの交差点が発生する。hで交差する1つの一致する焦点点は、出力素子4.1の位置点P(4.1)から形成される照明焦点点の1つと、光センサ8の位置点P(8)から形成される照明焦点点の1つとからなるA(4.1)A(8)である。hで交差する別の一致する焦点点は、出力素子4.2の位置点P(4.2)から形成される照明焦点点との一つと、光センサ8の位置点P(8)から形成される結像焦点点の一つとからなるA(4.2)A(8)である。これらの交差点はいずれも、図5b1に示すような強度分布に局所最大値を生じさせる。センサ8上の位置点P(8)に対応する局所最大値h(2.2a)は、物体点2.1aと一致する焦点点A(4.1)A(8)の交差の結果である。これに対応して、センサ8上の位置点P(8)に対応する局所最大値h(2.1a)は、物体点2.2aと一致する焦点点A(4.2)A(8)の交差の結果である。
【0080】
物体2の表面高さがhの時、物体点2.1bと一致する焦点点A(4.1)A(8)の位置で表面と仮想測定空間の交差が発生する。この交差は、図5b2に示すように、光センサ8の同じ位置点P(8)に、上述した一致する焦点点A(4.2)A(8)の交差と同じ局所最大値を発生させる。交差の位置を決定し、さらに物体点の位置を決定するために、実施形態500の装置は、交差点の反射から収集された光が出力素子、この実施例では4.1又は4.2のいずれかのどの位置点から発生したかを解決するように構成される。物体2と一致する焦点点の一方との交差からの反射光の局所最大値は、主に1つの支配波長からなるため、装置は、局所最大値の波長を決定することによって、局所最大値の光がどの出力素子(この実施例では4.1又は4.2のいずれか)から発せられるかを決定することができる。これは、出力素子4.1→4.nの異なる位置点P→Pに関連する一致する焦点点の各位置について、ある波長λ1→mに一義的に対応するように較正されるように行うことができる。したがって、図5aの実施例では、波長λの光センサ8の位置点P(8)に対応する局所最大値は、出力素子4.2の位置点P(4.2)に一義的に対応することになる。このため、波長λの光センサ8の位置点P(8)に対応する局所最大値は、出力素子4.1の位置点P(4.1)に一義的に対応することになる。
【0081】
一実施形態では、光センサ8がRGBカメラであるように、局所最大値の波長を決定することができる。
【0082】
2つ以上の出力素子4.1→4.nを含み、照明光学系11と結像光学系13の縦色収差を利用する実施形態では、装置は、光センサ8で検出した光の強度分布の局所最大値の波長を決定し、どの出力素子4.1→4.nから局所最大値の光が供給されているかを識別して交差物体点2.1の位置を決定するように構成される。光センサ8は、局所最大値の波長を決定するように構成されるRGBカメラであっても良い。
【0083】
様々な実施形態において、光センサ8は、CCD又はCMOSセンサなどであっても良い。
【0084】
また、測定装置、結像装置、三角測量装置、又は光学装置とも呼ばれる。
【0085】
装置の出力素子は、照明素子又は光源素子とも呼ばれ得る。
【0086】
一致する焦点位置の分布は、測定される物体2の物体点2.1の位置を決定するための測定空間を定義する。
【0087】
実施形態では、測定される物体(2)の物体点の位置は、一致する焦点点の分布に関連するxyz座標系のx、y、又はz座標の少なくとも1つについて決定される。
【0088】
図6aは、物体(2)に向けられる光に対して少なくとも部分的に透明又は半透明である物体2dの厚さの測定の実施形態600を示す。物体2dは、2つの表面を含み、それらの互いの間は、ある位置での物体の厚さDとなる。図6aの実施例では、第1表面を2f、第2表面を2sと表記される。実施形態600は、照明光学系11及び結像光学系13に任意の光学収差で利用でき、上述したような方法で物体2dの交差位置が測定される。
【0089】
図6bは、装置の光センサ8から受信した図6aの実施例による信号の一実施例を示す。局所最大信号h2f(2.1s)は、上表面2fの物体点2.1fからの反射(すなわち、物体点2.1fと一致する焦点点A(4.1)A(8)の交差)によって生じたものである。もう1つの局所最大信号h2s(2.1f)は、下表面の物体点2.1s(すなわち、物体点2.1sと一致する焦点点A(4.1)A(8)の交点)から来る反射の結果である。これらの物点2.1f、2.1sの位置における物体の厚さDは、測定される物体の屈折率と測定形状が既知の場合、前記局所極大の距離D’から決定され得る。
【0090】
一実施形態では、物体(2)に向けられる光に対して少なくとも部分的に透明又は半透明である物体(2)の第1表面(2f)と第2表面(2s)との間の厚さは、第1表面(2f)からの結果である光センサ8上の検出光の強度分布の局所最大値と第2表面(2s)からの結果である光センサ8上の検出光の強度分布の局所最大値との位置差から決定される。
【0091】
図7aは、本発明による測定される物体2cの表面を測定した場合のマトリクスカメラ型のセンサ8上の強度分布の一実施例を示す。照度の高い領域が明るい領域として示される。図7aで、単一の結像フレームで背景よりも明るいこれらの水平な領域の各々は、表面と、上記の方法で測定される異なる一致する焦点点を含む異なる線とが同時に交差した結果である。この例示的な測定は、27の直線状の出力素子の照明からなる。図7aでは、線の不連続性は、測定される物体2cに応じた表面形状の変化に起因する。27本の線は、それぞれ2cの異なる表面部分から同時に測定される。図7bでは、2cの結像領域を破線で図示される。図7cは、測定された表面形状を例示する物体2cの模式的な側面図を示す。
【0092】
図8は、例示的かつ非限定的な実施形態800による方法のフローチャートを示す。
本方法は、以下の工程:
-工程802:異なる方向からの物体の光学的照明及び光学的検出を提供する、
-工程804:物体から反射された光を検出する、
-工程806:物体点の位置を決定する、及び
-工程808:光学特性を決定する、を含む。
【0093】
802において、光は、出力素子の各々の位置点の各々から、対応する出力素子の対応する位置点のための照明光学系の対応する主光線に関連付けられた対応する照明座標軸に沿って照明光学系から異なる距離に配置された照明焦点点又は焦点領域上に集光される。対応する主光線は、対応する出力素子の対応する位置点から集光された複数の照明焦点点又は焦点領域に対する相互である。対応する出力素子の対応する位置点に対する同じ対応する照明座標軸に沿った照明焦点点又は焦点領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は照明光学系の異なる光学的開口で形成される。
【0094】
さらに802において、光センサの位置点の各々から、光センサの対応する位置点に対する結像光学系の対応する主光線に関連する結像座標軸に沿って結像光学系から異なる距離に複数の異なる結像焦点点又は焦点領域が形成される。対応する主光線は、光センサの対応する位置点から形成される複数の結像焦点点に対する相互である。同じ結像座標軸に沿った結像焦点点又は結像領域の各々は、少なくとも支配波長又は形状が互いに異なり、及び/又は結像光学系の異なる光学的開口で焦点合わせされる。
【0095】
さらに802において、出力素子の各々に対して同じ対応する照明座標軸に沿った複数の照明焦点点又は焦点領域からの様々な焦点点又は焦点領域の各々が、異なる結像座標軸に沿って位置付けされた結像焦点点と一致する焦点点又は焦点領域で一致するように、複数の一致する焦点点又は焦点領域が形成される。各々の出力素子の照明座標軸の向きは、結像座標軸の向きと異なるように構成される。一致する焦点点又は焦点領域の各々は、共通の支配波長又は形状に関連する照明焦点点及び結像焦点点又は焦点領域からなり、及び/又は照明光学系と結像光学系の相関した光学的開口で形成される。
【0096】
804では、結像光学系によって物体から収集された光の強度値が検出される。
【0097】
806では、検出光の強度分布の局所最大値の位置から、物体点の位置を決定する。
【0098】
808では、検出光の強度分布の局所最大値の強度又は波長から、物体点の光学特性を決定する。
【0099】
工程806及び808は、806又は808のいずれか、あるいは代替的に806及び808の両方を達成することができる任意の工程である。
【0100】
測定プロセスを工程802に戻し、それによって連続的な測定プロセスが生成されることは、当業者にとって明らかである。
【0101】
実施形態による方法では、物体の第1表面上の物体点と物体の第2表面上の物体点との間の位置差から、物体に向けられる光に対して少なくとも部分的に透明又は半透明である物体の第1表面と第2表面との間の厚さを決定する工程を含む。
【0102】
実施形態による方法では、照明光学系が、縦色収差を利用して、少なくとも支配波長において互いに異なる対応する出力素子の対応する位置点に対して、同じ対応する照明座標軸に沿って照明焦点点の各々に焦点を合わせる工程を含む。さらに、結像光学系は、縦色収差を利用して、少なくとも支配波長において互いに異なる同一の結像座標軸に沿って、結像焦点点又は焦点領域の各々に焦点を合わせる。
【0103】
実施形態による方法では、方法は、照明光学系が、球面収差を使うことによって、照明光学系の異なる光学的開口で対応する出力素子の対応する位置点に対して同じ対応する照明座標軸に沿って照明焦点点の各々に焦点を合わせる工程を含む。さらに、結像光学系は、球面収差を使用することによって、結像光学系の異なる光学的開口で同じ結像座標軸に沿って各々の結像焦点点に焦点を合わせる。
【0104】
実施形態による方法では、方法は、照明光学系が、非点収差を使用することによって、形状が互いに異なる対応する出力素子の対応する位置点に対して、同じ対応する照明座標軸に沿って各々の照明焦点領域に焦点を合わせる工程を含む。さらに、結像光学系は、非点収差を使うことによって、互いに形状が異なる同じ結像座標軸に沿って結像焦点領域の各々に焦点を合わせる。
【0105】
実施形態による方法では、方法は、光センサを結像光学系の光軸に対して実質的に垂直に配置する工程と、複数の出力素子を平面上に配置する工程とを含む。前記平面が照明光学系の光軸に対して斜めの角度を形成し、好ましくは、前記複数の出力素子が複数の線状の出力素子からなる。
【0106】
図9及び図10は、さらなる実施形態900を示す。本実施形態では、装置は2つ以上の出力素子を含む。図9では、装置900は5つの出力素子4.1→4.5を含むが、用途に応じて出力素子の数は変えても良い。さらに、出力素子は、本明細書の他の箇所で述べたように、線状又は点状の出力素子又はそれらの組み合わせとすることができる。出力素子4.1→4.5が線状の出力素子である場合、それらは装置の座標系199においてx方向に伸びる。
【0107】
出力素子は、平面5上に互いに整列して配置される。本実施形態900では、前記2つ以上の出力素子を含む平面5が、照明光学系11の光軸11’に対して斜めの角度αに配置される。用途に応じてラインセンサ又はマトリクスセンサのいずれかになり得る光センサ8は、図9に示すように、結像光学系13の光軸13’に対して実質的に垂直の角度βで配置される。光センサ8がラインセンサである場合、図9に示すように、有利にはYZ-平面上に配置される。
【0108】
照明光学系11及び結像光学系13に縦色収差を提供することにより、各出力素子4.1→4.5の位置点から先の実施形態と同様に、照明焦点点及び結像焦点点とそれらの照明焦点点及び結像焦点点から形成される一致する焦点点が設けられる。代替的に、球面収差又は非点収差、あるいはこれら3つの任意の組み合わせで焦点点及び領域を形成することも、装置900で使用可能である。
【0109】
図9の装置900では、角度βにより、光センサ8の異なる位置点P1(8)→P8(n)から形成される結像焦点点は、座標系199のY方向に対してγの傾斜の角度となる一組の焦点面FP8(λ1→λm)に配置される。各出力素子4.1→4.5の異なる位置点から形成される照明焦点点と、同じ波長を有するある結像焦点点とが一致するように、平面5を角度βに傾けることによって、ある照明焦点点と結像焦点点との間の一致する焦点点が形成(すなわち、一致)される。その結果、各出力素子の照明焦点点は、他の出力素子に関連する一致する焦点点と比較して、少なくとも部分的に異なる高さで(すなわち、異なるZ座標で)それぞれの結像焦点点と一致するように、一致する焦点点は形成される。これは、図9に示されており、各出力素子4.1、4.2、4.3、4.4、及び4.5からの1つの位置点から形成される同じ照明軸(主光線)に沿った照明焦点点に関連する一連の一致する焦点点が線として図示され、S4.1(λ1→m)、S4.2(λ1→m)、S4.3(λ1→m)、S4.4(λ1→m)、S4.5(λ1→m)と表記される。これらの一致する焦点点の線は、少なくとも部分的にZ方向に異なる高さで配置される。最短波長λ1の焦点面FP8(λ1)と最長波長λmの焦点面FP8(λm)の間にある照明焦点点と結像焦点点から一致点が形成される。その結果、焦点面FP8(λ1)及びFP8(λm)の間には、それぞれ、FP8(λ1)を結像光学系13に最も近い焦点面、焦点面FP8(λm)を結像光学系13に最も遠い焦点面として、複数の一致する焦点点の分布が形成される。一致する焦点位置の分布には、異なる出力素子4.1、4.2、4.3、4.4、及び4.5にそれぞれ関連する一致する焦点位置の空間的に分離した線S4.1(λ1→m)、S4.2(λ1→m)、S4.3(λ1→m)、S4.4(λ1→m)、及びS4.5(λ1→m)がある。これらの線の各々は、Z方向に一致する焦点点の被写界深度の合計に寄与する。このことは,出力素子4.1が1つしかない場合や、異なる出力素子に関連する一致する焦点点の全ての線が類似のZ座標を有するように配置されている場合に比べ、一致する焦点点によって定義される測定空間の全体の使用可能なZ範囲が大きくなることを意味する。
【0110】
図10は、図9の測定空間を一部拡大示す。図10では、装置900の測定空間の全Z範囲がZtotとして描かれる。最上位のZ座標を有する一致する焦点点は線S4.5(λ1→m)上に位置し、支配波長λ1を有する。それぞれ、図9及び図10の装置900の測定空間の最も低い一致する焦点点(すなわち、最も低いZ座標を有する)は、支配波長λmを有する線S4.1(λ1→m)上に位置する。ΔZ(4.1)、ΔZ(4.2)、ΔZ(4.3)、ΔZ(4.4)、及びΔZ(4.5)はそれぞれ、一致する焦点点S4.1(λ1→m)、S4.2(λ1→m)、S4.3(λ1→m)、S4.4(λ1→m)、及びS4.5(λ1→m)の線上で一致する焦点点によって定義されるZ方向の測定(サブ)範囲を示す。これらの測定(サブ)範囲は,図のようにZ方向に一部重なっている場合がある。その結果、装置900のZtotは、これらの(サブ)範囲からなる。
【0111】
図9及び図10ではまた、平面を有する物体2も図示される。図では、物体2の表面と、異なるY座標及び異なる支配波長を有する一致する焦点点との2つの交差点が存在する。線S4.2(λ1→m)において、A1(4.2)Aq(8)の一致する焦点点と1つの交差点が発生する。A1(4.2)Aq(8)は、出力素子4.2の位置点P1(4.2)から形成される照明焦点点A1(4.2)と光センサ8の位置点Pq(8)から形成される照明焦点点Aq(8)を一致させた一致する焦点点である。図9図10に示す別の交差点は、それぞれ、線S4.1(λ1→m)におけるA1(4.1)Aw(8)の一致する焦点位置で発生する。A1(4.1)Aw(8)は、出力素子4.1の位置点P1(4.1)から形成される照明焦点点A1(4.1)と光センサ8の位置点Pq(8)から形成される照明焦点点Aq(8)を一致させた一致する焦点点である。
【0112】
本開示の他の実施形態と同様に、装置900においても各出力素子4.1→4.nは、出力素子4.1→4.nの異なる位置点P1→Pnに関連する一致する焦点点の各位置が、ある波長λ1→m及び光センサ8上のある位置点に対応するように別々較正される。
【0113】
装置900では、最短波長λ1の焦点面FP8(λ1)と最長波長λmの焦点面FP8(λm)との間で一致する焦点点が制限される。これらの焦点面間の一致する点の制限は、様々な方法で行うことができる。例えば、出力素子4.1→4.nの前に(バンドパス)フィルタを配置し、そこから放射される光を制限することができる。代替的又は追加的に、光センサ8の前に(バンドパス)フィルタを配置して、そこで検出される光を制限することもできる。代替的に、出力素子4.1→4.nは、λ1~λmの制限された範囲内にある波長でのみ発光するように構成することができる。
【0114】
装置900の全Z測定範囲は、個々の出力素子に関連するサブ範囲からなるので、全Z測定範囲は、出力素子の数4.1→4.nによって制御することができる。
【0115】
また、隣接する出力素子の間隔を調整することで、一致する焦点点が測定空間のZ範囲全体をカバーすることが可能である。さらに、測定空間の各高さ位置(すなわち、Z座標)に対して少なくとも2つの異なる一致する焦点点が存在するように、隣接する出力素子の間隔を調整することが可能である。
【0116】
装置900で実現し得るには様々な利点がある。1つの利点としては、結像光学系13を簡略化できること、また、検出される光が実質的に直角にセンサ表面に到達するように配置されるので、結像の品質を向上させることも可能であることが挙げられる。
【0117】
また、他の利点は、照明及び結像光学系の開口数が比較的大きくても、一致する焦点点を形成することができることが挙げられる。これにより、光沢や傾きのある表面の測定が可能になる。なお、平行光源のレーザー光を測定される物体に照射する一般的なレーザー三角法3Dセンサでは、すでに視力的に傾いた光沢面では、すべての光が結像開口部の外に出てしまい、傾いた光沢面の3D測定は不可能である。
【0118】
また、出力素子の数を増やすことで測定範囲を広げることができるため、結像及び照明光学系の縦色収差を増やすことなく、装置の全体のZ測定範囲を広げることができるという他の利点も挙げられる。その結果、出力素子(すなわち、光源)が狭い波長帯域で発光するように構成された装置のZ測定範囲を広げることが可能になる。例えば、4mmなどの測定Zレンジを提供するために、結像光学系の縦色収差は200μmと短くすることが可能である。
【0119】
例えば、装置の出力素子は青色光のみを放射するように構成することができ、したがって、そのような装置の光学系の縦色収差は、それらの青色波長用に調整することができる。
【0120】
縦色収差に対して代替的又は追加的に本明細書で説明したように、球面収差及び/又は非点収差を装置900の光学系に用いることができる。これらの場合、装置は、縦色収差を利用して、一致する焦点点の分布によって定義される測定空間を形成する図9図10の実施例と同様に実現することが可能である。球面収差を利用した場合の一致する焦点点、非点収差を利用した場合の一致する焦点領域は、本明細書に上記したように形成することができる。さらに、光センサ8の最低焦点面と最高焦点面との間の一致する焦点点又は領域の制限は、当業者に理解されるように、光学系の光学的開口を制限することによって、及び/又は光学系の設計によって行うことができる。
【0121】
球面収差又は非点収差を利用する本開示の他の実施形態と同様に、装置の各出力素子4.1→4.nは、出力素子4.1→4.nの異なる位置点P1→Pnに関連する一致する焦点点又は領域の各位置が、照明光学系及び結像光学系のある相関する光学的開口と光センサ8上のある位置点とを対応するように較正されるように、別々に較正することが可能である。
【0122】
実施形態では、光センサ8は、結像光学系13の光軸13に対して実質的に垂直に配置されるラインスキャンカメラ又はマトリクスカメラであり、複数の出力素子4.1→4.nは、平面5上に配置され、平面5は、照明光学系11の光軸11’に対して斜めの角度を形成する。
【0123】
被測定物体の表面形状やトポグラフィを取得するためには、装置の測定空間を通して物体を走査する必要がある。その後、表面形状は、物体2の個々の物体点の位置計測値(高さやZ座標など)の再構成として作成することができる。物体の3D測定が望まれる場合、装置は有利には少なくとも1つの線状要素4.1→4.5を含む。装置が4.1→4.5の出力素子がいくつ、どのような種類を含むかが関係する装置の設計は、用途に応じて異なる。表面測定の取得に関連するのは、装置の出力素子4.1→4.5の設計が、測定したいすべての物体点が少なくとも1つの一致する焦点点又は領域と交差するようなものである。
【0124】
走査測定は、測定される物体を、装置の一致する焦点点又は領域によって定義される測定空間を通して移動させる(すなわち、走査する)ように実現させることができる。このような走査では、例えば、リニアアクチュエータ又はコンベアなどで物体を移動させることができる。代替的に、物体は、物体の表面の対象点が装置の少なくとも1つの一致する焦点点と交差するように、装置を、例えばレール上で、又は他の種類の任意の移動機構又は手段の助けを借りて移動させることによって、走査が実際に行われる時にその場所に保持され得る。
【0125】
測定される物体の各表面点が、Z測定範囲内の物体点のZ位置にかかわらず、少なくとも1つの一致する焦点点を通過するように、装置の所定の走査経路及びZ測定サブ範囲を調整することができる。
【0126】
一致する焦点点が照明光学系11及び結像光学系13の縦色収差を利用して形成される実施形態による方法において、前記方法は、物体点2.1が少なくとも1つの一致する焦点点と交差するように装置に対して物体2を動かす工程を含み、少なくとも1つの一致する焦点点の各々が共通の支配波長を有する。
【0127】
一致する焦点点が照明光学系11及び結像光学系13の球面収差を利用して形成される実施形態による方法において、前記方法は、物体点2.1が少なくとも1つの一致する焦点点と交差するように装置に対して物体2を動かす工程を含み、少なくとも1つの一致する焦点点の各々が照明光学系11及び結像光学系13の相関する光学的開口で形成される。
【0128】
一致する焦点点が照明光学系11及び結像光学系13の球面収差を利用して形成される実施形態による方法において、前記方法は、物体点2.1が少なくとも1つの一致する焦点領域と交差するように装置に対して物体2を動かす工程を含み、少なくとも1つの一致する焦点領域の各々が共通の形状に関連する照明焦点領域及び結像焦点領域からなり、照明光学系11及び結像光学系13の相関する光学的開口で形成される。
【0129】
図11では、物体2のある点から反射される光の強度値を、複数の異なる波長で決定する実施例を示す。図の装置1000は、装置900に対応し、したがって、同じ又は対応する部分は、同じ参照数字で示され、重複するテキストの記載も省略する。しかしながら、物体2のある点から反射される光の強度値を複数の異なる波長で決定することは、装置900に限定されるものではない。実際には、本開示の他の実施形態、例えば、装置400又は500でも同じことが可能である。
【0130】
本発明による装置で物体2のある点から反射される光の強度値を複数の異なる波長で決定することは、装置が2つ以上の出力素子を含む場合と、照明光学系11及び結像光学系13の縦色収差を利用することによって、一致する焦点点を形成する場合に行うことが可能である。つまり、2つ以上の出力素子から形成される複数の一致する焦点点が存在する。前記一致する焦点点は、互いに空間的に離れた一致する焦点点の線が存在するように分布し、各々がある出力素子のある位置点4.1→4.5に関連する。さらに、各線の一致する焦点点では、照明光学系11からの異なる距離及び異なる高さ(すなわち、Z座標)を有する波長の高い順に一致する焦点点が配置される。
【0131】
図11は、装置1000の一致する焦点点によって定義される測定空間を通して物体2を走査することを例示する。図中、参照数字t、t、及びtは、同じ物体点oと計測空間の異なる一致する焦点点との交差の異なる時間インスタンスを示す。走査方向は、物体2の移動経路の上に左から右へ長い矢印で示す。その経路を破線で示し、1010と表記する。
【0132】
物体2のある物体点からの反射する光の強度値を複数の異なる波長で決定する場合、その物体点は、それぞれ異なる支配波長を有する異なる一致する焦点点と交差するように測定空間を走査され、他の交差する一致する焦点点と比較して、異なる出力素子に関連付けされる。図11では、物体点が第1の時間インスタンスt1でS4.3(λ1→m)の一致する焦点点と、第2の時間インスタンスt2でS4.2(λ1→m)の一致する焦点点と、第3の時間インスタンスt3でS4.1(λ1→m)の一致焦する点点と交差するように走査が実現される。これらの3つの交差点の各々から反射する光は、光センサ8で対応する強度で異なる位置で検出される。図中、光センサ8上の検出光の位置をそれぞれIm(t1)、Im(t2)、及びIm(t3)と表記する。
【0133】
本明細書で説明するように、物体点と一致する焦点点との交点から反射される光は、局所最大強度を生じ、その光センサ8上の位置から、物体点の位置を決定することができる。また、装置のプロセッサ(図示せず)は、交差点に関わる前記一致する焦点点への放射光に対応するその交差点からの反射光の波長を決定するように構成することも可能である。これは、局所最大値の位置と、どの出力素子4.1→4.5から局所最大値の光が供給されるかについての情報に基づいて決定され得る。したがって、ある一致する焦点点と交差する物体点からの反射光の強度値とそれに対応する波長を決定するように構成される。出力素子4.1→4.5局所最大値の光が提供される情報は、物体2が所定の経路で測定空間を通って移動される時に取得することができ、それによって移動中の物体点又は走査方向物体の座標が異なる時間インスタンスで既知である。これは、例えば、物体2の走査を実現する手段に符号化することができる。
【0134】
代替的に、出力素子4.1→4.5がどの情報から局所最大値の光を提供しているかを知るために、交差した一致する焦点点に関連する光を発する出力素子を、物体の走査と同期してオン及びオフで切り替えるように実現することもできる。
【0135】
本明細書で説明したように、その照明11及び結像光学系13に縦色収差を利用して一致する焦点点を形成する装置は、個々の出力素子4.1→4.nの異なる位置点P1→Pnに関連する一致する焦点点の各位置が、ある波長λ1→mと光センサ8上のある位置点とに対応するように較正することが可能である。したがって、このような較正と、光センサ8上の局所最大値の位置情報と、どの出力素子4.1→4.nから局所最大値の光が供給されるかの情報とに基づいて、局所最大値の波長を決定することが可能である。
【0136】
図12には、時間インスタンスt1、t2、及びt3において、それぞれ異なる交差した一致する焦点に供給される光の波長分布の模式図が示される。これらの分布の最大強度は、時間インスタンスt1、t2、及びt3において、交差した一致する焦点点の支配波長に対応する。したがって、図12は、光センサ8のIm(t1)、Im(t2)、及びIm(t3)の位置の光について検出された局所最大値がそれぞれ異なる波長を有することを示す。
【0137】
その結果、走査測定において物体の表面形状を取得するのと同じ時間内に、複数の異なる波長を有する表面点からの反射される光の強度値を決定することが有利に可能となる。さらに、出力素子の数を増やすことによって行うことができるその物体点と交差させるべき一致する焦点点の数を増やすことによって、ある物体点からの反射される光に対する波長の異なる決定強度値の数を増やすことが有利に可能である。
【0138】
さらなる1つの利点は、同じ表面点を複数の波長で測定する場合、各々の測定される物体点が1つの一致する焦点と交差する測定と比較して、ノイズによって不確かさが減少するため、取得した表面形状測定の解像度も向上することも挙げられる。
【0139】
実施形態による方法では、少なくとも2つの異なる波長を有する物体点2.1からの反射される光に対する強度値を決定する工程を含み、この工程は、以下の段階:
-少なくとも第1及び第2の時間インスタンスを含む複数の異なる時間インスタンスにおける光センサ8上の検出光の強度値を取得する工程と、
-所定の経路で各2つの時間インスタンス間で装置に対して物体2を移動させる工程であって、それによって物体点2.1が少なくとも2つの一致する焦点点と交差し、少なくとも2つの一致する焦点点の各々が異なる支配波長を有し、物体点2.1と交差する他の少なくとも2つの一致合する焦点点と比較して異なる出力素子4.1→4.nと関連づけられる、工程と、
-検出光の取得された強度値の局所最大値の位置及びそれぞれの強度値を決定する工程と、
-決定された局所最大値の位置とそれぞれの強度値、及び局所最大値の光がどの出力素子4.1→4.nから供給されるかの情報に基づいて、少なくとも2つの異なる波長を有する物体点2.1からの反射される光に対する強度値を決定する工程と、を含む。
【0140】
図5a、5b1、及び5b2及び本明細書において、隣接する出力素子4.1→4.nが互いに十分に近い間隔で配置される場合、これらに隣接して異なる出力素子4.1→4.nから供給される検出光の局所強度最大値は光センサ8上の同じ位置に位置付けされ得ることが実証された。
【0141】
隣接する出力素子4.1→4.nが互いに十分に間隔が空いている場合、これらの隣接する異なる出力素子4.1→4.nから供給される検出光の局所強度最大値(すなわち、ピーク)は光センサ8上で全く重なることができない。この場合、装置の較正は明確に実現され、光センサ8上の各局所強度最大値に対して、ただ1つの、既知の出力素子4.1→4.nがあり、そこから局所強度最大値の光が提供され得る。このようなケースを図13に示す。図では、3つの出力素子4.1、4.2、4.3に関連する一致する焦点点からなる空間的に分離した3つの線S4.1(λ1→m)、S4.2(λ1→m)、及びS4.3(λ1→m)がある(これらの3つの出力素子及び照明光学系11は図に示されていない)。4.1、4.2、及び4.3の間の十分な間隔により、これら3つの出力素子に関連する一致する焦点点S4.1(λ1→m)、S4.2(λ1→m)、及びS4.3(λ1→m)は測定空間上で互いに大きく離間し、これらの線の測定領域、図ではA、B、及びCが結像光学系13を介して光センサ8上の分離した重複しない領域、それぞれA’、B’、及びC’上に結像される。図でこのケースが示されるように、異なる結像領域が互いに重ならない場合、局所強度最大値の光が提供され得る出力素子4.1→4.nが1つだけ存在することになる。隣接する出力素子4.1→4.nの間隔を設計して、光センサ上に結像の別々の領域が存在し、結像の領域の各々が一義的に一つの出力素子4.1→4.nのみに対応するようにすることが可能である。
【0142】
図13に示す設計と比較して,隣接する出力素子4.1→4.nをより密に配置する方法の1つとして、光センサ8としてRGBセンサを使用する方法がある。図14では、10個の空間的に離れた線の一致する焦点点からなる測定空間が例示される。1401は、10個の出力素子4.1→4.10からの光が、一致する焦点点のそれぞれの線に提供される方向を描く。図には、波長λmを持つ一致する焦点点の線S4.n(λ1→m)とその1つの一致する焦点点CFP(λm)の線が描かれる。1402は、RGBセンサ(出力素子4.1→4.10、照明光学系11、結像光学系13は図示せず)の方向を描く。青色、緑色、及び赤色の帯域は、RGBセンサ8の焦点面の波長帯域を描く。このRGBセンサ8の焦点面の3つの別帯域は、センサ上の3つ別々の領域に結像の重なり合う領域を分割して使用することができる。つまり、RGBセンサ8上の同じ位置を有する前記3つの隣接する線の各々から一致する焦点点が存在するように、3つの隣接した線の一致する焦点点の間隔を密にすることが可能である。したがって、光センサ8上のある場所の同じ結像焦点点に関連付けられる、赤色、緑色、及び青色の各焦点面バンドに1つの一致する焦点点が存在し得、前記場所上のチャンネルの各々の局所強度最大値は、較正によりある出力素子4.1→4.nに対応するように明確に識別され得る。
【0143】
図15では、装置の実施形態1500の9つの異なる線の一致する焦点点(すなわち、9つの異なる出力素子4.1→4.nに関連する一致する焦点点がある)によって定義された測定空間を通った物体2の走査が示される。なお、便宜上、出力素子4.1→4.n、照明光学系11及び結像光学系13、光センサ8は図示されない。図に示すのは、物体2のある物体点が、5つの異なる時間インスタンスt1、t2、t3、t4、及びt5において、5本の一致する焦点点の線と交差する破線で示す所定の経路1010において、ある順序で一致する焦点点と交差することである。測定空間のZ範囲は、物体2の各物体点(表面点)が、異なる出力素子4.1→4.nに関連する一致する焦点点の異なる線と同じ数だけ交差するように調整されることに留意することが重要である。図では、物体点と交差する一致する焦点点の異なる線の数が5本になるようにZ範囲が調整される。
【0144】
図では、参照符号Dで、一致する焦点点の隣接した線間の距離又は間隔が描かれるが、この実施例では、一致する焦点点の各線間が同じになるように調整される。つまり、この実施例の出力素子は、互いに等間隔に配置される。なお、装置の隣接する出力素子間の距離は同じである必要はなく、用途に応じて変化させられることを留意しなければならない。
【0145】
2つの連続する時間インスタンス間で、物体を走査方向に所定の経路1010でどれだけ移動させなければならないか、及び一致する焦点の隣接線の対応する間隔Dが分かっている(すなわち、出力素子間の距離が分かっている)場合、2つの連続する時間インスタンスtn-1とtn(すなわち、dT=tn-tn-1)の間の時間の期間dTも分かっている。
【0146】
最初の時間インスタンスt1において、物体2の物体点は、一致する焦点点S4.n(λ1→m)の1つの線の一致する焦点点と交差している。この交差点は、光センサ8のある位置(例えばXY位置)に局所強度最大値を引き起こす。物体の軌道が既知であるため、所定の経路1010により、物体の物理的物体点は、第2の時間インスタンスt2=t1+dT1において光センサの新しい位置(例えば、新しいXY位置)上に別の局所強度最大値を引き起こし、この新しい位置は先行位置から計算することが可能である。この手順は、新しい時間インスタンスt1+dT1+dT2+dT3...で、同じ物体点が測定空間全体を移動するまで何度でも繰り返すことができる。物体2が測定空間全体を通過すると、それ以上の信号(すなわち強度最大値)は検出されない。この実施例では、物体点と一致する焦点点の異なる線の5つの一致する焦点点との5つの交差点あるため、5つの異なる時間インスタンスt1→t5において5つの局所強度最大が検出される。次に、これらの交差点に関連する各出力素子4.1→4.nは、光センサ8上で検出された連続した局所強度最大値の光を提供する5つの対応する出力素子の適切なセットにこれらの測定交差点をあてはめることによって特定することができる。物体点の位置上の面高は、光センサ8上の局所強度最大値の位置と、前記局所強度最大値を生じた光がどの出力素子からの情報に基づいて、較正から決定することが可能である。前記局所最大値の波長は、光センサ8上の前記局所強度最大値の位置と、どの出力素子から前記局所強度最大値の原因となった光が供給されたかという情報とに基づいて決定することが可能である。これにより、ある局所強度最大値の波長や強度などの他の特性のうち、一致する焦点点の線と交差させる回数だけ、物体点の位置を決定することができ、物体点の高さ(すなわちZ座標)の決定などを向上させることができる。この実施例では、物体点の高さを5回決定される。
【0147】
本明細書で述べたように、ある組の出力素子4.1→4.n間の間隔は、装置内の他の隣接する出力素子間の間隔とは異なることがある。この隣接する出力素子4.1→4.nの間隔の異同は、ある局所最大値の光をどの出力素子が提供したかを特定する際に利用することができる。例えば、図15の実施例の装置において、隣接する出力素子の異種間隔が1つであった場合、対応する波長における物体表面の反射率が低いため、例えば最初の時間インスタンスt1において局所強度最大値がなくても問題ない。この場合、時間インスタンスt4→t5において4つの局所強度最大が決定され、隣接する出力素子の間隔の非類似性4.1→4.nによって、検出された局所強度最大値の順序の最初又は最後であることが、欠落した局所強度最大値を識別することができる。局所強度最大値が最初と最後の局所強度最大値の間で欠落している場合(すなわち、物体の表面の反射率が対応する波長で低い場合)、欠落した局所強度最大値の位置は、連続する時間インスタンス間の決定された期間、及び最初と最後の時間インスタンス間の合計時間に基づいて決定することが可能である。
【0148】
実施形態では、隣接する出力素子4.1→4.n間の少なくとも1つの間隔は、隣接する線状出力素子4.1→4.n間の他の間隔と異なる。
【0149】
本発明は、前述の実施形態を参照して上で説明されており、本発明のいくつかの利点が実証されている。
【0150】
本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想は、特許請求の範囲に記載された範囲内で多数適用することが可能である。
【0151】
特許請求の範囲に応じて列挙される特徴は、特に明示的に記載されない限り、相互に自由に組み合わせ可能である。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3
図4a-4b】
図5a
図5b1-5b2】
図6a
図6b
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15