(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-26
(45)【発行日】2025-03-06
(54)【発明の名称】胸腺間質性リンパ球新生因子を特異的に認識する抗体およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07K 16/24 20060101AFI20250227BHJP
C12N 15/13 20060101ALI20250227BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20250227BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20250227BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20250227BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20250227BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20250227BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20250227BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20250227BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20250227BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20250227BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20250227BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20250227BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20250227BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250227BHJP
A61P 17/04 20060101ALI20250227BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20250227BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20250227BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20250227BHJP
A61P 27/14 20060101ALI20250227BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250227BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20250227BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20250227BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20250227BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20250227BHJP
【FI】
C07K16/24
C12N15/13 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K39/395 N
A61K48/00
A61K35/12
A61P29/00
A61P37/06
A61P11/06
A61P43/00 105
A61P17/04
A61P11/02
A61P1/00
A61P37/08
A61P27/14
A61P35/00
A61P19/02
A61P17/02
A61P1/04
A61P21/00
(21)【出願番号】P 2023545310
(86)(22)【出願日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 CN2022074230
(87)【国際公開番号】W WO2022166739
(87)【国際公開日】2022-08-11
【審査請求日】2023-07-26
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/075182
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522501959
【氏名又は名称】スタイドソン・(ベイジン)・バイオファーマシューティカルズ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】STAIDSON (BEIJING) BIOPHARMACEUTICALS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユィ,ドービン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,チャオ
【審査官】西 賢二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/007533(WO,A1)
【文献】特表2009-527235(JP,A)
【文献】特表2018-533911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C07K 1/00-19/00
C12N 1/00-7/08
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むV
Hと、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:50を含むLC-CDR3を含むV
L、
(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むV
Hと、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:51を含むLC-CDR3を含むV
L、
(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:17を含むHC-CDR3を含むV
Hと、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むV
L、
(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むV
Hと、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むV
L、
(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むV
Hと、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むV
L、または
(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:18を含むHC-CDR3を含むV
Hと、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:53を含むLC-CDR3を含むV
Lを含む、
分離された抗TSLP抗体。
【請求項2】
(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:65と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:65と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:66と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:66と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:67と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:67と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(vii)アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:68と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(viii)アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:68と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(ix)アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:69と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:86と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(x)アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:70と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:87と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(xi)アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:69と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:88と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、
(xii)アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:71と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:89と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、または
(xiii)アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含むV
H、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:72と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Hの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むV
L、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:90と少なくとも90%の配列同一性を有するV
Lの変異体と、を含む、
請求項1に記載の分離された抗TSLP抗体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の分離された抗TSLP抗体であって、
前記抗TSLP抗体はFc断片を含
む、
分離された抗TSLP抗体。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の抗TSLP抗体をコードする、
分離された核酸分子。
【請求項5】
請求項4に記載の分離された核酸分子を含む、
ベクター。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の分離された抗TSLP抗体、請求項4に記載の核酸分子、または請求項5に記載のベクターを含む、
分離された宿主細胞。
【請求項7】
a)抗TSLP抗体を効果的に発現できる条件で請求項6に記載の分離された宿主細胞を培養することと、
b)宿主細胞から発現した抗TSLP抗体を取得することと、を含む、
抗TSLP抗体の調製方法。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか1項に記載の分離された抗TSLP抗体、請求項4に記載の核酸分子、請求項5に記載のベクターまたは請求項6に記載の分離された宿主細胞、および医薬的に許容されるベクターを含む、
医薬組成物。
【請求項9】
請求項1から3のいずれか1項に記載の分離された抗TSLP抗体、請求項4に記載の核酸分子、請求項5に記載のベクター、請求項6に記載の分離された宿主細胞の、疾患または病態を治療するための治療薬の製造における使用であって、
前記疾患または病態は、TSLPシグナル伝達に関連し、炎症性もしくは自己免疫疾患または病態を含み、
好ましくは、前記疾患または病態は、喘息、特発性肺線維症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、Netherton症候群、好酸食道炎(EoE)、食物アレルギー、アレルギー性下痢、好酸胃腸炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、癌、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症、ケロイド、潰瘍性大腸炎、慢性鼻-副鼻腔炎(CRS)、鼻茸、慢性好酸肺炎、好酸気管支炎、セリアック病、Churg-Strauss症候群、好酸筋痛症候群、好酸球増加症候群、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、および炎症性腸疾患から選ばれる、
使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ASCII TEXTテキストファイルで配列表を提出する
コンピュータ可読形式(CRF)の配列表(ファイル名:202102022277_SEQLIST.txt、記録日:2021.02.02、サイズ:72KB)という提出されたASCII TEXTテキストファイルの内容は、全体的な引用により本文に援用される。
【0002】
本願は、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)を特異的に認識する抗体に関し、上記TSLP抗体の医薬組成物、試薬キット、その調製方法および使用を含み、炎症性疾患のようなTSLPシグナル伝達に関連する疾患の治療方法を含む。
【背景技術】
【0003】
全長胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)は、最初にマウス胸腺間質細胞の上清内のpre-B細胞増殖を誘導できるサイトカインとして確定された(Friend、et al.、Exp Hematol.22(3):321、1994)。その後、このようなマウスタンパク質は同定され(Sims.et al.、J ExpMed.2000 Sep.4、192(5):671~80)、続いて、2001年、2つの独立したグループは、ヒトTSLPを同定した(Quentmeier、et al.、Leukemia.2001 August、15(8):1286~92、Reche、et al.、J Immunol.2001 Jul.1、167(1):336~43)。
【0004】
胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)は、1つのサイトカインであり、IL-7RαサブユニットおよびTSLP-Rからなるイソダイマー受容体によりシグナルを伝達する。TSLP-Rは、1つの独特な成分であり、よく見られるサイトカイン受容体系γ鎖(common cytokine receptor γ chain(γc))と相同する(Pandey et al.、Nat.Immunol.2000、1(1):59~64)。TSLPは、バリア表面の上皮細胞から産生され、TSLP受容体(TSLPR)を発現するDCを活性化して機能性Th2細胞を誘導する(Roan F et al.、J Clin Invest 2019、129:1441~51)。また、TSLPが、自己免疫疾患および癌を含む他の疾患に関連することが知られている(Varricchi G et al.、Front Immunol 2018、9:1595)。TSLP受容体(TSLPR)複合体は、TSLPRおよびIL-7受容体α(IL-7Rα)からなる(Park LS、et al.、J ExpMed 2000、192:659~670)。TSLPRとIL-7R鎖との組み合わせにより、シグナル伝達と、転写活性化因子3(STAT3)やSTAT5との高い親和性結合および活性化を引き起こす(Pandey A、et al.、Nat Immunol 2000、1:59~64)。このような広範な病理生理学的特徴は、2型サイトカインにより媒介されるアレルギー性疾患でTSLPおよびTSLPRにより媒介されるシグナル伝達を治療標的とすることを促している。AMG157は、TSLPに対する完全ヒト抗体(実施例で対照として用いられる)であり、アムジェン社(Amgen)によって開発され、喘息およびアレルギー性皮炎の治療に用いられる。米国特許U.S.Patent No.7982016で該抗体が記述されている。
【0005】
本願で言及される全ての出版物、特許、特許出願、および開示された特許出願に開示された内容は、全て引用により本願に援用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本願は、ヒトおよび/またはカニクイザルTSLPに特異的に結合できる分離された抗TSLP抗体を提供する。いくつかの実施例において、前記分離された抗TSLP抗体は、SGYGWS(SEQ ID NO:1)を含む重鎖相補決定領域(HC-CDR)1、YX1SYYGSX2SYNPSLKS(SEQ ID NO:103)を含むHC-CDR2(ただし、X1はIまたはFであり、X2はIまたはTである)、およびTNLLYFX1X2(SEQ ID NO:104)を含むHC-CDR3(ただし、X1はDまたはEであり、X2はSまたはYである)を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、RASQX1X2SX3X4LA(SEQ ID NO:105)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はGまたはSであり、X2はVまたはIであり、X3はNまたはSであり、X4はNまたはYである)、DX1SX2X3X4X5(SEQ ID NO:106)を含むLC-CDR2(ただし、X1はAまたはTであり、X2はSまたはNであり、X2はSまたはNであり、X4はAまたはQであり、X5はTまたはSである)、およびQQYSX1WPX2YX3(SEQ ID NO:107)を含むLC-CDR3(ただし、X1はDまたはNであり、X2はQまたはEであり、X3はTまたはSである)を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含む。
【0007】
いくつかの実施例において、SEQ ID NO:1で示されるアミノ酸配列、または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むHC-CDR1と、SEQ ID NOs:7~9のいずれかで示されるアミノ酸配列、または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むHC-CDR2と、およびSEQ ID NOs:16~18のいずれかで示されるアミノ酸配列、または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むHC-CDR3と、を含むVHと、SEQ ID NOs:25~28のいずれかで示されるアミノ酸配列、または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:39~41のいずれかで示されるアミノ酸配列、または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:50~53のいずれかで示されるアミノ酸配列、または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むLC-CDR3と、を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0008】
いくつかの実施例において、SEQ ID NOs:65~72のいずれかのアミノ酸配列で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:84~90のいずれかのアミノ酸配列で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0009】
いくつかの実施例において、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:65で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:65で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:66で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:66で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:67で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:67で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(vii)アミノ酸配列SEQ ID NO:68で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(viii)アミノ酸配列SEQ ID NO:68で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(ix)アミノ酸配列SEQ ID NO:69で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:86で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(x)アミノ酸配列SEQ ID NO:70で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:87で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(xi)アミノ酸配列SEQ ID NO:69で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:88で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(xii)アミノ酸配列SEQ ID NO:71で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:89で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、または(xiii)アミノ酸配列SEQ ID NO:72で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:90で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0010】
いくつかの実施例において、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:50を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:51を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:17を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、または(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:18を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:53を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0011】
いくつかの実施例において、上記いずれかの分離された抗TSLP抗体のように、前記分離された抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~72のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:65~72のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:84~90のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはSEQ ID NOs:84~90のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記分離された抗TSLP抗体は、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLと、(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLと、(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLと、(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLと、(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLと、(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLと、(vii)アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLと、(viii)アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLと、(ix)アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むVLと、(x)アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むVLと、(xi)アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むVLと、(xii)アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むVLと、または(xiii)アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むVLと、を含む。
【0012】
一態様において、本願は、SYGIX1(SEQ ID NO:108)を含む重鎖相補決定領域(HC-CDR)1(ただし、X1はNまたはSである)、VIX1PLX2X3VX4X5YAEKFQG(SEQ ID NO:109)を含むHC-CDR2(ただし、X1はVまたはIであり、X2はVまたはLであり、X3はGまたはDであり、X4はTまたはPであり、X5はIまたはNである)、およびGX1EYFYWYFDL(SEQ ID NO:110)を含むHC-CDR3(ただし、X1はQまたはAである)を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、X1GX2X3SDIGGYX4RVS(SEQ ID NO:111)を含む(ただし、X1はSまたはTであり、X2はSまたはTであり、X3はS、T、IまたはNであり、X4はNまたはDである)軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1、X1X2X3KRX4S(SEQ ID NO:112)を含むLC-CDR2(ただし、X1はD、GまたはEであり、X2はV、FまたはIであり、X3はSまたはNであり、X4はPまたはSである)、およびX1SYAX2X3X4X5FX6X7(SEQ ID NO:113)を含むLC-CDR3(ただし、X1はSまたはTであり、X2はGまたはSであり、X3はTまたはGであり、X4はDまたはHであり、X5はTまたはIであり、X6はI、G、V、またはAであり、X7はL、I、またはFである)を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含むヒトおよび/またはカニクイザルTSLPに特異的に結合できる分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0013】
いくつかの実施例において、SEQ ID NO:2~3で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:10~12のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:19~20のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVHと、SEQ ID NOs:29~34のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NO:42~47で示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:54~60のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0014】
いくつかの実施例において、SEQ ID NOs:73~78のいずれかのアミノ酸配列で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:91~97のいずれかのアミノ酸配列で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0015】
いくつかの実施例において、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:73で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:74で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:75で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:73で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:73で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:73で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(vii)アミノ酸配列SEQ ID NO:76で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(viii)アミノ酸配列SEQ ID NO:77で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、または(ix)アミノ酸配列SEQ ID NO:78で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0016】
いくつかの実施例において、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:54を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、前記VLは、含:アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:55を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:56を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:57を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:58を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:59を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、または(vii)アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:20を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0017】
いくつかの実施例において、上記いずれかの分離された抗TSLP抗体のように、前記分離された抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:73~78のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:73~78のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:91~97のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはSEQ ID NOs:91~97のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記分離された抗TSLP抗体は、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVLと、(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVLと、(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVLと、(iv)アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を含むVLと、(v)アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を含むVLと、(vi)アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVLと、(vii)アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVLと、(viii)アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を含むVLと、または(ix)アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を含むVLと、を含む。
【0018】
一態様において、本願は、NYX1MT(SEQ ID NO:114)を含む重鎖相補決定領域(HC-CDR)1(ただし、X1はDまたはGである)、SITFASSYIYYADSVKG(SEQ ID NO:13)を含むHC-CDR2、およびGGGAYX1GGSLDV(SEQ ID NO:115)を含むHC-CDR3(ただし、X1はHまたはYである)を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、RSSQSLLHX1X2X3YTYLH(SEQ ID NO:116)を含む(ただし、X1はIまたはSであり、X2はNまたはYであり、X3はGまたはEである)軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1、LVSX1RAS(SEQ ID NO:117)を含むLC-CDR2(ただし、X1はHまたはYである)、およびEQTLQTPX1X2(SEQ ID NO:118)を含む(ただし、X1はYまたはFであり、X2はSまたはTである)LC-CDR3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含むヒトおよび/またはカニクイザルTSLPに特異的に結合できる分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0019】
いくつかの実施例において、SEQ ID NO:4~5で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:13のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:21~22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVHと、SEQ ID NOs:35~37のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NO:48~49で示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:61~63のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0020】
いくつかの実施例において、SEQ ID NOs:79~81のいずれかのアミノ酸配列で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:98~100のいずれかのアミノ酸配列で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0021】
いくつかの実施例において、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:79で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:80で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、または(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:81で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0022】
いくつかの実施例において、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:21を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:61を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:62を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、または(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:63を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0023】
いくつかの実施例において、上記いずれかの分離された抗TSLP抗体のように、前記分離された抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:79~81のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:79~81のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:98~100のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはSEQ ID NOs:98~100のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記分離された抗TSLP抗体は、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含むVLと、(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を含むVLと、または(iii)アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を含むVLと、を含む。
【0024】
一態様において、本願は、SYAIS(SEQ ID NO:6)を含む重鎖相補決定領域(HC-CDR)1、MX1X2PLLGVTX3YAEKFQG(SEQ ID NO:119)を含むHC-CDR2(ただし、X1はLまたはIであり、X2はVまたはIであり、X3はNまたはDである)、およびGGX1NYLYWYFDL(SEQ ID NO:120)を含むHC-CDR3(ただし、X1はSまたはTである)を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、TGTSSDIGGYNRX1S(SEQ ID NO:121)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はVまたはIである)、X1VSKRPS(SEQ ID NO:122)を含むLC-CDR2(ただし、X1はDまたはEである)、およびSX1YAGTDTFVL(SEQ ID NO:123)を含む(ただし、X1はSまたはAである)LC-CDR3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含むヒトおよび/またはカニクイザルTSLPに特異的に結合できる分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0025】
いくつかの実施例において、SEQ ID NO:6で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:14~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:23~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVHと、SEQ ID NOs:31および38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NO:42および45で示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:60および64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つのアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0026】
いくつかの実施例において、SEQ ID NOs:82~83のいずれかのアミノ酸配列で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:101~102のいずれかのアミノ酸配列で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0027】
いくつかの実施例において、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:82で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、または(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:83で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0028】
いくつかの実施例において、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:23を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、または(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:24を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:64を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0029】
いくつかの実施例において、上記いずれかの分離された抗TSLP抗体のように、前記分離された抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:82~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:82~83のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:101~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはSEQ ID NOs:101~102のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記分離された抗TSLP抗体は、(i)アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を含むVLと、または(ii)アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を含むVLと、を含む。
【0030】
いくつかの実施例において、ヒトTSLPに特異的に結合するKd値が約0.1pM~約1nMである分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0031】
いくつかの実施例において、TSLPとの特異的結合を上記いずれかの分離された抗TSLP抗体と競合する分離された抗TSLP抗体を提供する。いくつかの実施例において、上記いずれかの分離された抗TSLP抗体と同じエピトープに特異的に結合する分離された抗TSLP抗体を提供する。
【0032】
いくつかの実施例において、上記いずれかの分離された抗TSLP抗体のように、前記分離された抗TSLP抗体は、Fc断片を含む。いくつかの実施例において、前記分離された抗TSLP抗体は、全長のIgG抗体である。いくつかの実施例において、前記分離された抗TSLP抗体は、全長のIgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4抗体である。いくつかの実施例において、前記分離された抗TSLP抗体は、キメラの、ヒトの、またはヒト化の抗体である。いくつかの実施例において、前記分離された抗TSLP抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fab’-SH、一本鎖Fv(scFv)、Fv断片、dAb、Fd、ナノ抗体(nanobody)、二本鎖抗体(diabody)、および線形抗体から選ばれる抗原結合断片である。
【0033】
いくつかの実施例において、上記いずれかの抗TSLP抗体をコードする分離された核酸分子を提供する。いくつかの実施例において、上記いずれかの核酸分子を含むベクターを提供する。いくつかの実施例において、上記いずれかの抗TSLP抗体、上記いずれかの核酸分子、または上記いずれかのベクターを発現する宿主細胞を提供する。いくつかの実施例において、a)抗TSLP抗体を効果的に発現できる条件で上記いずれかの宿主細胞を培養することと、b)宿主細胞から発現した抗TSLP抗体を取得することとを含む抗TSLP抗体の調製方法を提供する。いくつかの実施例において、上記分離された抗TSLP抗体、核酸、ベクター、または分離された宿主細胞、および医薬的に許容されるベクターを含む医薬組成物を提供する。
【0034】
いくつかの実施例において、前記個体に有効量の本文に係るいずれかの抗TSLP抗体または医薬組成物を投与することを含む必要がある個体の疾患または病態を治療する方法を提供する。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体または医薬組成物の、疾患または病態の治療における使用を提供する。いくつかの実施例において、本文に係るいずれかの抗TSLP抗体の、必要がある個体の疾患または病態を治療するための医薬組成物の調製における使用を提供する。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体または医薬組成物の、疾患または病態を治療するための薬剤の製造における使用を提供する。いくつかの実施例において、疾患または病態はTSLPに関連し、炎症性もしくは自己免疫疾患または病態を含む。いくつかの実施例において、該疾患または病態は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性鼻炎、アレルギー性副鼻腔炎、アレルギー性結膜炎、好酸食道炎およびアトピー性皮膚炎からなるグループから選ばれる。
【0035】
それと同時に、上記いずれかの抗TSLP抗体を含む医薬組成物、試薬キットおよび生産製品を更に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1A】
図1A~1Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とヒトTSLPとの結合親和性である。
【
図1B】
図1A~1Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とヒトTSLPとの結合親和性である。
【
図1C】
図1A~1Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とヒトTSLPとの結合親和性である。
【
図1D】
図1A~1Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とヒトTSLPとの結合親和性である。
【
図1E】
図1A~1Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とヒトTSLPとの結合親和性である。
【
図1F】
図1A~1Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とヒトTSLPとの結合親和性である。
【
図2A】
図2A~2Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とカニクイザルTSLPとの結合親和性である。
【
図2B】
図2A~2Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とカニクイザルTSLPとの結合親和性である。
【
図2C】
図2A~2Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とカニクイザルTSLPとの結合親和性である。
【
図2D】
図2A~2Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とカニクイザルTSLPとの結合親和性である。
【
図2E】
図2A~2Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とカニクイザルTSLPとの結合親和性である。
【
図2F】
図2A~2Fに示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体とカニクイザルTSLPとの結合親和性である。
【
図3A】
図3Aに示される結果は、検出された抗TSLP抗体TSLP-0107またはTSLP-0202とヒトTSLPとの親和性Kdである。
【
図3B】
図3Bに示される結果は、検出された抗TSLP抗体TSLP-0107またはTSLP-0202とカニクイザルTSLPとの親和性Kdである。
【
図4】
図4に示される結果は、ELISAにより分析された例示的な抗TSLP抗体と相同タンパク質IL-7との交差反応の結果である。
【
図5A】
図5Aに示される結果は、ウサギ抗TSLPポリクローナル抗体がヒト短型TSLPに結合できることを表す。
【
図5B】
図5Bに示される結果は、ウサギ抗TSLPポリクローナル抗体がヒト全長型TSLPに結合できることを表す。
【
図5C】
図5Cに示される結果は、抗TSLP抗体TSLP-01がヒト短型TSLPに結合できないことを表す。
【
図5D】
図5Dに示される結果は、抗TSLP抗体TSLP-01がヒト全長型TSLPに結合できないことを表す。
【
図6】
図6に示される結果は、ヒトPBMCsで例示的な抗TSLP抗体のTARC放出に対する抑制を検出した結果である。
【
図7A】
図7A~7Dに示される結果は、ELISAにより測定されたラットに30mg/kgまたは10mg/kgの異なる抗体または例示的な抗TSLP抗体をそれぞれ皮下注射した後の薬物動態分析結果である。
図7Aは、ラットに30mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0107またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Bは、ラットに10mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0107またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Cは、ラットに30mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0202またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Dは、ラットに10mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0202またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
【
図7B】
図7A~7Dに示される結果は、ELISAにより測定されたラットに30mg/kgまたは10mg/kgの異なる抗体または例示的な抗TSLP抗体をそれぞれ皮下注射した後の薬物動態分析結果である。
図7Aは、ラットに30mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0107またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Bは、ラットに10mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0107またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Cは、ラットに30mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0202またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Dは、ラットに10mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0202またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
【
図7C】
図7A~7Dに示される結果は、ELISAにより測定されたラットに30mg/kgまたは10mg/kgの異なる抗体または例示的な抗TSLP抗体をそれぞれ皮下注射した後の薬物動態分析結果である。
図7Aは、ラットに30mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0107またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Bは、ラットに10mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0107またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Cは、ラットに30mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0202またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Dは、ラットに10mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0202またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
【
図7D】
図7A~7Dに示される結果は、ELISAにより測定されたラットに30mg/kgまたは10mg/kgの異なる抗体または例示的な抗TSLP抗体をそれぞれ皮下注射した後の薬物動態分析結果である。
図7Aは、ラットに30mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0107またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Bは、ラットに10mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0107またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Cは、ラットに30mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0202またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
図7Dは、ラットに10mg/kgの抗TSLP抗体TSLP-0202またはAMG157を皮下注射した後の薬物動態結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本願の一態様は、ヒトおよび/またはカニクイザルTSLPに特異的に結合できる分離された抗TSLP抗体を提供する。scFvファージライブラリーの選別、親和性成熟、および適当に設計された生化学的および生物学的試験の組み合わせにより、本発明は、ヒトおよび/またはカニクイザルTSLPに結合してヒトおよび/またはカニクイザルTSLPおよびその受容体の作用を抑制できる効率的な抗体分子を同定した。本文で示される結果は、様々な生物学的試験で、既知の抗TSLP抗体AMG157(Amgen)と比べ、本願に係る抗体は、ヒトおよび/またはカニクイザルTSLPとの結合が高い親和性を有し、驚くべきことに、AMG157よりも有効であることが証明されたことを表す。
【0038】
本願に係る抗TSLP抗体は、例えば、全長抗TSLP抗体、抗TSLP一本鎖抗体(scFvs)、抗TSLP Fc融合タンパク質、多重特異的(例えば、二重特異的)抗TSLP抗体、抗TSLP免疫複合体および類似するものを含む。
【0039】
それと同時に、抗TSLP抗体をコードする核酸、抗TSLP抗体を含む組成物、および本願に係る抗TSLP抗体の調製および使用方法を更に提供する。
【0040】
定義
本文に記載されるように、「治療(treatment)」または「治療(treating)」は、有益または所望の結果を取得する方法であり、臨床結果を含む。本願の目的に鑑み、前記有益または所望の臨床結果は、疾患に起因する1種または複数種の症状を緩和し、疾患の程度を軽減し、疾患を安定し(例えば、疾患の悪化を予防または遅延する)、疾患の拡散(例えば、転移)を予防または遅延し、疾患の再発を予防または遅延し、疾病の進行を遅延または緩和し、疾患状態を改善し、疾患(一部または全部)を緩和し、疾患の治療に必要な1種または複数種の他の薬剤の用量を減少し、疾病の進行を遅延し、生活の質を改善または向上させ、体重を増加し、および/または生存期間を延長することの1種または複数種のを含むが、これらに限定されない。それと同時に、「治療」は、疾患の病理結果の減少(例えば、癌の場合、腫瘍体積)を更に含む。本願の方法は、これらの治療のいずれか1つまたは複数の点を考慮した。
【0041】
「抗体」という用語は、全長抗体およびその抗原結合断片を含む。全長抗体は、2本の重鎖および2本の軽鎖を含む。軽鎖および重鎖の可変領域は、抗原の結合を担当する。2本の鎖における可変領域は、通常、3つの超可変ループを含み、相補決定領域(CDRs)と呼ばれる(軽鎖(LC)CDRsは、LC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含み、重鎖(HC)CDRsは、HC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含む)。本文に開示された抗体または抗原結合断片のCDR境界は、Kabat、Chothia、またはAl-Lazikaniの通例により定義または認識できる(Al~Lazikani 1997、Chothia 1985、Chothia 1987、Chothia 1989、Kabat 1987、Kabat 1991)。重鎖または軽鎖の3つのCDR領域は、フレーム領域(FRs)と呼ばれるサイドフラップ領域間に挿入され、前記フレーム領域は、CDR領域よりも高い保存性を持ち、超可変ループを支持するスタンドを形成する。重鎖および軽鎖の定常領域は、抗原結合に関与しないが、様々な効果機能を示す。抗体は、それらの重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づいて分類またはクラス分けされる。抗体の5種の主な種類または同種型は、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMであり、その特徴は、α、δ、ε、γおよびμ型の重鎖をそれぞれ有することである。いくつかの主な抗体の種類は、IgG1(γ1重鎖)、IgG2(γ2重鎖)、IgG3(γ3重鎖)、IgG4(γ4重鎖)、IgA1(α1重鎖n)、またはIgA2(α2重鎖)というサブクラスに分けられる。
【0042】
本文に記載されるように、「抗原結合断片」という用語は、抗体断片を含み、例えば、二本鎖抗体(diabody)、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv断片、ジスルフィド結合安定のFv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異的なdsFv(dsFv-dsFv’)、ジスルフィド結合が安定した二本鎖抗体(ds二本鎖抗体)、一本鎖Fv(scFv)、scFvダイマー(二価の二本鎖抗体)、1つまたは複数のCDRsを含む抗体断片で構成される多重特異性抗体、シングルドメイン抗体、ナノ抗体(nanobody)、ドメイン抗体、二価のドメイン抗体、または抗原に結合できるが、完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体断片を含む。抗原結合断片は、上記抗体断片を含む融合タンパク質を更に含む。抗原結合断片は、上記抗体断片を含む融合タンパク質を更に含む。抗原結合断片は、親抗体または親抗体断片(例えば、親scFv)と同じ抗原に結合することができる。いくつかの実施例において、抗原結合断片は、特定のヒト抗体に由来する1つまたは複数のCDRsを含む可能性があり、該CDRsは、1つまたは複数の異なるヒト抗体に由来するフレーム領域に移植される。
【0043】
本文に記載されるように、「エピトープ」という用語は、抗体、または抗体が部分的に結合した抗原における特定の原子またはアミノ酸群を意味する。2種の抗体または抗体の一部が、ある抗原との結合を競合することを示す場合、それらは抗原における同じエピトープに結合する可能性がある。
【0044】
本文に記載されるように、第1抗体が等モル濃度で第2抗体とTSLPとの標的結合を少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%)抑制する場合、第1抗体は、TSLP標的との結合を第2抗体と「競合」し、その逆も同様である。PCT出版物WO03/48731では、クロス競合に基づくハイスループット抗体の「エピトープ分類」方法が記述されている。
【0045】
本文に記載されるように、「特異的に結合する」、「特異的に認識する」、または「……にとって特異的である」という用語は、測定可能および再現可能な相互作用を意味し、例えば、抗体と標的との結合は、生体分子を含むヘテロ分子群に該標的が存在することを確定できる。例えば、抗体がある標的(エピトープであってもよい)を特異的に認識することができるとは、他の標的との結合と比べ、該抗体と該標的との結合は、より高いアフィニティ、アビディティを有し、より容易で、および/またはより長く持続できる。いくつかの実施例において、抗原を特異的に認識する抗体は、抗原の1つまたは複数の抗原決定基と反応し、その結合親和性は、他の標的との結合親和性の少なくとも10倍である。
【0046】
本文に記載されるように、「分離された」抗TSLP抗体は、抗TSLP抗体を意味し、(1)天然に存在するタンパク質と関係がなく、(2)同じ由来の他のタンパク質を含まず、(3)異なる種の細胞によって発現され、または(4)自然界に存在しない。
【0047】
本文に記載されるように、「分離された核酸」という用語は、ゲノム、cDNA、または合成由来の核酸、またはその組み合わせを意味する。その由来に基づき、前記「分離された核酸」は、(1)自然界で発見された「分離された核酸」の全部または一部のポリヌクレオチドと関係がなく、(2)自然状態でそれと連結しないポリヌクレオチドと操作可能に連結することができ、または(3)自然界で長い配列の一部として存在しない。
【0048】
【0049】
【0050】
「キメラ抗体」という用語は、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来する、または特定の抗体種類もしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列に一致するか、または相同性を有し、この(これらの)鎖の残りの部分は、別の種に由来する、または他の抗体種類もしくはサブクラスに属する抗体中の対応する配列に一致するか、または相同性を有する抗体およびこのような抗体の断片を意味し、本願における生物学的活性があれば良い(U.S.Patent No.4816567、andMorrison et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81:6851~6855(1984)を参照する)。
【0051】
「Fv」は、完全な抗原認識および結合部位を含む最も小さい抗体断片である。該断片は、1つの重鎖の可変ドメインと1つの軽鎖の可変ドメインが密に非共有結合することで形成されたダイマーである。この2つのドメインの折り畳みにより、6つの超可変ループ(軽鎖および重鎖のそれぞれ3つのループ)が誘導され、前記超可変ループは、抗原に結合するためのアミノ酸残基を抗体に提供し、且つ、抗原との結合の特異性を抗体に与える。しかし、単一の可変ドメイン(または、抗原に対して特異性を持つ3つのCDRsのみを含むFv断片の半分)であっても、その親和性が完全な結合部位よりも低いにもかかわらず、抗原を認識して結合する能力を持つ。
【0052】
「一本鎖Fv」は、「sFv」または「scFv」と略称されてもよく、単一のポリペプチド鎖に連結されたVHおよびVL抗体ドメインを含む抗体断片である。いくつかの実施例において、scFvポリペプチドは、VHとVLドメイン間の連結ポリペプチドを更に含み、該連結ポリペプチドは、scFvに抗原結合の理想的な構造を形成させる。scFvの概要については、Pluckthun in The Pharmacology ofMonoclonal Antibodies、vol.113、Rosenburg andMoore eds.、Springer~Verlag、New York、pp.269~315(1994)を参照する。
【0053】
「二本鎖抗体(diabodies)」という用語は、VHとVLドメイン間で短いリンカー(例えば、5~10個の残基)を用いてscFv断片(前の段落の内容を参照する)を構築することで調製された小さな抗体断片を意味し、これにより、可変ドメインが鎖内ではなく鎖間でペアリングを行い、1つの二価断片、即ち、2つの抗原結合部位を有する断片を生成する。二重特異的な二本鎖抗体は、2つの「交差する」scFv断片のイソダイマーであり、ここで、2つの抗体のVHとVLドメインは、異なるポリペプチド鎖に位置する。EP 404、097、WO93/11161、Hollinger et al.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444~6448(1993)で、二本鎖抗体が全面的に記述されている。
【0054】
非ヒト(例えば、齧歯類)抗体の「ヒト化」形式はキメラ抗体であり、最も少ない非ヒト抗体に由来する配列を含む。多くの場合、ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン(受容体抗体)であり、ここで、受容体抗体の超可変領域(HVR)の残基は、マウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類動物のような非ヒト種に由来する、理想的な抗体特異性、親和性および性能を有する超可変領域の残基によって置換される(ドナー抗体)。ある場合、ヒト免疫グロブリンのフレーム領域(FR)における残基が対応する非ヒト残基によって置換される。また、ヒト化抗体は、受容体抗体またはドナー抗体にいずれも存在しない残基を含んでもよい。これらの修飾は、抗体の性能を更に改善することができる。通常、ヒト化抗体は、基本的に少なくとも1つ、通常2つの可変ドメインを含み、ここで、全てまたはほとんど全ての超可変ループは、いずれも非ヒト免疫グロブリンの超可変ループに対応し、全てまたはほとんど全てのフレーム領域は、いずれもヒト免疫グロブリン配列である。ヒト抗体は、好ましくは、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部を更に含み、通常、ヒト免疫グロブリンの定常領域である。具体的な詳細は、Jones et al.、Nature 321:522~525(1986)、Riechmann et al.、Nature 332:323~329(1988)、およびPresta、Curr.Op.Struct.Biol.2:593~596(1992).を参照することができる。
【0055】
本文で同定されたポリペプチドおよび抗体配列の「アミノ酸配列同一性百分率(%)」または「相同性」は、保存的置換が配列同一性の一部に属すると考えられる場合に配列の比較を行い、候補配列および比較待ちポリペプチド配列における同じアミノ酸残基が占める百分率と定義される。本分野の技術範囲内の様々な比較方式により、アミノ酸配列同一性百分率を確定することができ、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、Megalign(DNASTAR)、またはMUSCLEソフトウェア等のような公開入手可能なコンピュータソフトウェアを使用する。当業者は、比較を測定するための適当なパラメータを確定することができ、比較された配列の全長上で最大化比較を実現するために必要な任意のアルゴリズムを含む。しかし、本文の目的のために、アミノ酸配列同一性百分率の数値は、配列比較コンピュータプログラムMUSCLEを用いて生成される(Edgar、R.C.、Nucleic Acids Research 32(5):1792~1797、2004、Edgar、R.C.、BMC Bioinformatics 5(1):113、2004)。
【0056】
【0057】
「FcRn」という用語は、新生児Fc受容体(FcRn)を意味する。FcRnは、主要組織適合性複合体(MHC)と構造上で類似し、α鎖をβ2マイクログロブリンに非共有結合することにより構成される。新生児Fc受容体FcRnの様々な機能は、Ghetie and Ward(2000)Annu.Rev.Immunol.18、739~766.で記述されている。FcRnは、免疫グロブリンIgGsの母体から新生児への受動的な転送および血清IgGレベルの調節で重要な役割を果たす。FcRnは、マーモセットベージ受容体として、細胞内および細胞間で完全な形式で飲作用されたIgGに結合して輸送し、デフォルトの分解経路を経ないようにすることができる。
【0058】
ヒトIgGのFc領域の「CH1ドメイン」は、通常、118位のアミノ酸から215位のアミノ酸まで延伸する(EU番号システム)。
【0059】
「ヒンジ領域」は、通常、ヒトIgG1の216位のGluから230位のProまで延伸すると定義される(Burton、Molec.Immunol.22:161~206(1985))。重鎖間ジスルフィド結合を形成する最初および最後のシステイン残基をIgG1と同じ位置に置くことにより、他のIgG同種型のヒンジ領域とIgG1配列とを比較することができる。
【0060】
ヒトIgGのFc領域の「CH2ドメイン」は、通常、231位のアミノ酸から340位のアミノ酸まで延伸する。CH2ドメインの独特なところは、別の領域と密にペアリングせず、完全な天然IgG分子の2つのCH2ドメイン間にN末端が連結された2本の分岐糖鎖を挿入することである。推測によると、糖類は、ドメインとドメインとの間のペアリングの代替として、CH2ドメインの安定の保持に寄与する可能性がある。Burton、Molec Immunol.22:161~206(1985)。
【0061】
「CH3」ドメインは、Fc領域内のC末端残基からCH2ドメインまでの延伸(341位のアミノ酸から抗体配列のC末端まで、通常、IgGの446または447位のアミノ酸残基である)を含む。
【0062】
「機能性Fc断片」は、天然Fc領域配列が持つ「効果機能」を有する。例示的な「効果機能」は、C1q結合、補体依存性細胞傷害作用(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)、貪食作用、細胞表面受容体の低下(例えば、B細胞受容体、BCR)等を含む。このような効果機能は、通常、Fc領域と結合ドメイン(例えば、抗体可変領域)とを結合する必要があり、且つ、本分野で知られている様々な実験方法を用いて評価することができる。
【0063】
「変更された」FcR結合親和性またはADCC活性を有するIgGのFc変異体の抗体は、親ポリペプチドまたは天然Fc配列を含むポリペプチドと比べ、そのFcR結合活性(例えば、FcγRまたはFcRn)および/またはADCC活性が増強するかまたは弱まる。FcRとの「結合が増強する」ことを表すFc変異体は、親ポリペプチドまたは天然IgGのFc配列を含むポリペプチドと比べ、少なくとも1つのFcRとより高い結合親和性(例えば、より低い見かけKdまたはIC50値)を有する。いくつかの実施例において、親ポリペプチドと比べ、結合能力は3倍増強し、例えば、5、10、25、50、60、100、150、200、更に500倍増強し、または結合力が25%~1000%向上する。FcRとの「結合が低下する」ことを表すFc変異体は、親ポリペプチドと比べ、少なくとも1つのFcRとより低い親和性(例えば、より高い見かけKdまたはIC50値)を有する。親ポリペプチドと比べ、その結合能力が40%以上低下する。
【0064】
「抗体依存性細胞傷害作用」または「ADCC」は、1つの細胞傷害性の形式であり、分泌型のIgがいくつかの細胞傷害性細胞(例えば、ナチュラルキラー細胞(NK)、好中球およびマクロファージ)に存在するFc受容体(FcRs)に結合し、これらの細胞傷害性効果細胞を抗原を担持している標的細胞に特異的に結合させ、その後、細胞毒素を用いて標的細胞を殺すことができることを意味する。抗体は細胞傷害性細胞を「武装」し、これは、このような殺傷に必要なものである。ADCCを媒介する主な細胞タイプのうち、NK細胞は、FcγRIIIのみを発現するが、単核細胞は、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを発現する。Ravetch and Kinet、Annu.Rev.Immunol 9:457~92(1991)の464ページ目のTable 3では、造血細胞上のFcRの発現がまとめられている。目標分子のADCC活性を評価するために、体外ADCC実験を行うことができ、米国特許No.5500362または5821337で記述されている。このような実験に適用される効果細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー性細胞(NK)を含む。好ましくはまたは加えて、目標分子のADCC活性は体内で評価することもでき、例えば、Clynes et al.PNAS(USA)95:652~656(1998)に開示された動物モデルで記述されている。
【0065】
Fc領域変異体を含むポリペプチドは、野生型IgGのFcを含むポリペプチドまたは親ポリペプチドと比べ、ヒト効果細胞の存在下で「増強されたADCC活性」、またはADCCをより効果的に媒介できる効果を表し、前記Fc領域変異体を含むポリペプチドが実験時に野生型IgGのFcを含むポリペプチド(または親ポリペプチド)と数量上でほぼ同じである場合、体外であっても体内であってもADCCをより効果的に媒介することができる。通常、本分野で知られているいずれかの体外ADCC実験方法を用いてこのような変異体を同定し、例えば、ADCC活性を同定するための実験または方法を用い、例えば、動物モデル等で行う。いくつかの実施例において、このような変異体は野生型Fc(または、親ポリペプチド)と比べ、ADCCを媒介する効率が5~100倍向上し、例えば、25~50倍向上する。
【0066】
「補体依存性細胞傷害作用」または「CDC」とは、補体の存在下で標的細胞を分解することを意味する。従来の補体経路の活性化は、補体系の第1成分(C1q)と、同じ抗原に結合する抗体(適当な構造を有するサブクラス)との結合により開始される。補体活性化を評価するために、Gazzano~Santoro et al.、J.Immunol.Methods 202:163(1996)で記述されているように、CDC実験を行うことができる。米国特許No.6194551B1およびWO99/51642で、Fc領域のアミノ酸配列が変更され、C1q結合能力が増加または低下したポリペプチド変異体が記述されている。これらの特許出版物の内容は、引用により本文に明確に援用される。また、Idusogie et al.J.Immunol.164:4178~4184(2000)を参照する。
【0067】
特に断りのない限り、「アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列」は、相互間が縮退形式で同じアミノ酸配列をコードする全てのヌクレオチド配列を含む。タンパク質またはRNAをコードするヌクレオチド配列は、イントロンを更に含んでもよく、例えば、タンパク質をコードするヌクレオチド配列は、いくつかの形式でイントロンを含む。
【0068】
「操作可能に連結する」という用語は、異種ヌクレオチド配列を発現させるための、調節配列と異種ヌクレオチド配列との間の機能的連結を意味する。例えば、最初のヌクレオチド配列および2つ目のヌクレオチド配列が機能的な関係にある場合、最初のヌクレオチド配列と2つ目のヌクレオチド配列とは操作可能に連結される。例えば、プロモーターは、コード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合、該プロモーターとコード配列とは操作可能に連結される。通常、操作可能に連結されたDNA配列は連続し、且つ、必要な場合、同じリーディングフレームで2つのタンパク質のコード領域を連結することができる。
【0069】
「相同」とは、2つのポリペプチド間または2つの核酸分子間の配列類似性または配列同一性を意味する。2つの比較配列の同一位置が同じ塩基またはアミノ酸モノマーのサブユニットである場合、例えば、2つのDNA分子の同一位置がいずれもアデニンである場合、2つのDNA分子は該位置で相同である。2つの配列間の相同百分率とは、2つの配列に共通するマッチングまたは相同位置の数と位置総数との比に100を乗じた関数を意味する。例えば、2つの配列における10個の位置のうちの6つの位置がマッチングするまたは相同である場合、この2つの配列の相同性は60%である。例えば、DNA配列ATTGCCとTATGGCとは、50%の相同性を有する。通常、2つの配列を比較する時、最も大きな相同性を取得することを目的として比較する。
【0070】
本文に開示された抗TSLP抗体または組成物の「有効量」とは、特定の目的の実現に十分な量を意味する。「有効量」は、経験に応じ、既知の前記目的に関連する方法により確定できる。
【0071】
「治療有効量」という用語は、本文に開示された抗TSLP抗体または組成物の量を意味し、個体の疾患または病態を効果的に「治療」することができる。癌の場合、本文に開示された抗TSLP抗体または組成物の治療有効量は、癌細胞の数を減少し、腫瘍のサイズおよび重量を減少し、癌細胞の周囲臓器への浸潤を抑制(即ち、一定の程度まで遅らせ、好ましくは停止させる)し、腫瘍転移を抑制(即ち、一定の程度まで遅らせ、好ましくは停止させる)し、一定の程度で腫瘍の成長を抑制し、および/または一定の程度で癌に関連する1種または複数種の症状を緩和することができる。本文に開示された抗TSLP抗体または組成物は、既存の癌細胞の成長を防止および/または死滅できる範囲内に、細胞抑制性および/または細胞傷害性のものであってもよい。いくつかの実施例において、治療有効量は、成長を抑制する量である。いくつかの実施例において、治療有効量は、患者の生存期間を延長する量である。いくつかの実施例において、治療有効量は、患者の進展のない生存を改善する量である。
【0072】
本文で使用されるように、「医薬的に許容される」または「薬理学的に許容される」とは、生物学的活性または他の望ましくない性質がない材料を意味し、例えば、該材料は、顕著な有害な生物反応を起こすことがなく、または、組成物に含まれる任意の他の成分と有害な方式で相互作用することがなく、患者に投与される医薬組成物に加えることができる。医薬的に許容されるベクターまたは賦形剤は、毒理学および製造検出の必要な標準を満たすもの、および/またはアメリカ食品医薬品局によって作成された不活性成分ガイドラインに含まれるものであることが好ましい。
【0073】
本文で記述された本願の実施例は、「……で構成される」および/または「基本的に……で構成される」実施例を含むと理解されるべきである。
【0074】
本文で言及された「約」は、1つの数値またはパラメータであり、該値またはパラメータ自体に対する変異体を含む(記述する)。例えば、「約X」に関する記述は、「X」の記述を含む。
【0075】
本文で使用されるように、1つの数値またはパラメータ「でない(not)」というと、通常、ある数値またはパラメータを「除く(other than)」ことを表して記述する。例えば、該方法がX型癌の治療に使用できないとは、該方法が、通常、X型癌以外の他のタイプの治療に使用されることを意味する。
【0076】
文脈が特に明記しない限り、本文および以下の特許請求の範囲で用いられる単数形「1」、「1つ」および「該」は、複数の対象を含む。
【0077】
抗TSLP抗体
一態様において、本願は、ヒトおよび/またはカニクイザルTSLPに特異的に結合する抗TSLP抗体を提供する。前記抗TSLP抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体、マウス抗体、ヒト抗体、および本文に係る重鎖および/または軽鎖CDRsを含む抗体分子を含むが、これらに限定されない。一態様において、本願は、TSLPに結合する分離された抗体を提供する。予想される抗TSLP抗体は、例えば、全長抗TSLP抗体(例えば、全長IgG1またはIgG4)、抗TSLP一本鎖抗体、抗TSLP Fc融合タンパク質、多重特異的(例えば、二重特異的)抗TSLP抗体、抗TSLP免疫複合体、および類似するものを含む。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体は、全長抗体(例えば、全長IgG1またはIgG4)またはその抗原結合断片であり、TSLPに特異的に結合する。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fab’-SH、一本鎖Fv(scFv)、Fv断片、dAb、Fd、ナノ抗体(nanobody)、二本鎖抗体(diabody)、または線形抗体である。いくつかの実施例において、TSLPに特異的に結合する抗体とは、抗体のTSLPとの結合親和性が少なくとも非標的との結合親和性の10倍以上(例えば、10、102、103、104、105、106、または107倍を含む)であることを意味する。いくつかの実施例において、非標的とは、TSLPでない抗原を意味する。結合親和性は、ELISA、蛍光活性化セルソーティング(FACS)分析、または放射性免疫沈降法(RIA)のような本分野で知られている方法により測定できる。Kd値は、表面プラズモン共鳴法(SPR)技術、またはバイオレイヤー干渉法(BLI)のような本分野で知られている方法により測定できる。
【0078】
本文で、ヒト配列を含む抗TSLP抗体(例えば、ヒトCDR配列を含むヒト重鎖および軽鎖可変ドメイン)について広く議論したが、同時に非ヒト抗TSLP抗体も考慮した。いくつかの実施例において、非ヒト抗TSLP抗体は、本文に係る抗TSLP抗体のヒトCDR配列および非ヒトフレーム領域配列を含み、いくつかの実施例において、非ヒトフレーム領域配列は、本文に係る1種または複数種のヒトCDR配列を用いて重鎖および/または軽鎖可変ドメインを生成するための任意の配列を含み、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、牛(例えば、牛、雄牛、水牛)、シカ、ヒツジ、ヤギ、鶏、猫、犬、ミンク、霊長類(例えば、マーモセット、アカゲザル)等のような哺乳動物を含む。いくつかの実施例において、非ヒト抗TSLP抗体は、1種または複数種の本文に係るヒトCDR配列を非ヒトフレーム領域(例えば、マウス、または鶏のフレーム領域配列)に移植することにより生成された抗TSLP抗体を含む。
【0079】
例示的な天然ヒトTSLPの完全なアミノ酸配列は、SEQ ID NO:128で示されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:128で示されるアミノ酸配列で構成される。例示的な修飾されたヒトTSLPのアミノ酸配列は、SEQ ID NO:129で示されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:129で示されるアミノ酸配列で構成される。
【0080】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、ヒトTSLPにおけるエピトープを特異的に認識する。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、ヒト以外の他の種のTSLPと交差反応する。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、ヒトTSLPに対して完全に特異的であり、且つ、他の非ヒト種のTSLPと交差反応しない。
【0081】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、TSLPタンパク質(またはその断片)の少なくとも1つの対立遺伝子変異体と交差反応する。いくつかの実施例において、対立遺伝子変異体は、天然に存在するTSLPタンパク質(またはその断片)と比べ、最大30個(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、または30個)のアミノ酸置換(例えば、保存的置換)を有する。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、TSLPタンパク質(またはその断片)のいずれかの対立遺伝子変異体と交差反応しない。
【0082】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、TSLPタンパク質の少なくとも1つの種間変異体と交差反応する。いくつかの実施例において、例えば、TSLPタンパク質(またはその断片)はヒトTSLPであり、且つ、TSLPタンパク質(またはその断片)の種間変異体はカニクイザルにおける変異体である。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、TSLPタンパク質のいずれかの種間変異体と交差反応しない。
【0083】
いくつかの実施例において、本文に係るいずれかの抗TSLP抗体のように、前記抗TSLP抗体は、抗体重鎖定常領域および抗体軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はIgG1型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はIgG2型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はIgG3型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はIgG4型重鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記重鎖定常領域はアミノ酸配列SEQ ID NO:124を含む(……で構成されること、または基本的に……で構成されることを含む)。いくつかの実施例において、前記重鎖定常領域はアミノ酸配列SEQ ID NO:125を含む(……で構成されること、または基本的に……で構成されることを含む)。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はλ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はκ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記軽鎖定常領域はアミノ酸配列SEQ ID NO:126を含む(……で構成されること、または基本的に……で構成されることを含む)。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体包含λ軽鎖定常領域。いくつかの実施例において、前記軽鎖定常領域はアミノ酸配列SEQ ID NO:127を含む(……で構成されること、または基本的に……で構成されることを含む)。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は抗体重鎖可変ドメインおよび抗体軽鎖可変ドメインを含む。
【0084】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SGYGWS(SEQ ID NO:1)を含むHC-CDR1、YX1SYYGSX2SYNPSLKS(SEQ ID NO:103)を含むHC-CDR2(ただし、X1はIまたはFであり、X2はIまたはTである)、およびTNLLYFX1X2(SEQ ID NO:104)を含むHC-CDR3(ただし、X1はDまたはEであり、X2はSまたはYである)を含むVHと、RASQX1X2SX3X4LA(SEQ ID NO:105)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はGまたはSであり、X2はVまたはIであり、X3はNまたはSであり、およびX4はNまたはYである)、DX1SX2X3X4X5(SEQ ID NO:106)を含むLC-CDR2(ただし、X1はAまたはTであり、X2はSまたはNであり、X2はSまたはNであり、X4はAまたはQであり、およびX5はTまたはSである)、およびQQYSX1WPX2YX3(SEQ ID NO:107)を含むLC-CDR3(ただし、X1はDまたはNであり、X2はQまたはEであり、およびX3はTまたはSである)を含むVLと、を含む。
【0085】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、SEQ ID NO:1で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:7~9のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:16~18のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、を含む。
【0086】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、SEQ ID NO:1で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:7~9のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:16~18のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含む。
【0087】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、SEQ ID NOs:25~28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:39~41のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:50~53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む。
【0088】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、SEQ ID NOs:25~28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:39~41のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:50~53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0089】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NO:1で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:7~9のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:16~18のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVHと、SEQ ID NOs:25~28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:39~41のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:50~53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVLと、を含む。
【0090】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NO:1で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:7~9のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:16~18のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:25~28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:39~41のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:50~53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0091】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:50を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0092】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:50を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0093】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:51を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0094】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:51を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0095】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:17を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0096】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:17を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0097】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0098】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0099】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0100】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0101】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:18を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:53を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0102】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:18を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:53を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0103】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:1、7~9、16~18で示されるアミノ酸配列を含むVH、または最大約5つのアミノ酸の置換を含むVHの変異体と、SEQ ID NOs:25~28、39~41、50~53で示されるアミノ酸配列を含むVL、または最大約5つのアミノ酸の置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:1、7~9、16~18で示されるアミノ酸配列を含むVHと、SEQ ID NOs:25~28、39~41、50~53で示されるアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
【0104】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、7および16を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:25、39および50を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、7および16を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:25、39および50を含むVLと、を含む。
【0105】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、8および16を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:25、39および51を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、8および16を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:25、39および51を含むVLと、を含む。
【0106】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、8および17を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:26、40および52を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体とを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、8および17を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:26、40および52を含むVLと、を含む。
【0107】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、8および16を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:27、41および52を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体とを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、8および16を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:27、41および52を含むVLと、を含む。
【0108】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、9および16を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:28、39および52を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体とを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、9および16を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:28、39および52を含むVLと、を含む。
【0109】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、8および18を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:27、39および53を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:1、8および18を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:27、39および53を含むVLと、を含む。
【0110】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~72のいずれかのアミノ酸配列で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:84~90のいずれかのアミノ酸配列で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0111】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:65で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:66で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:67で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:68で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:69で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:70で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:71で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:72で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。
【0112】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:84で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:85で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:86で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:87で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:88で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:89で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:90で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。
【0113】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:86で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:70で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:87で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:88で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:71で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:89で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:72で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:90で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0114】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~72のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:65~72のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:84~90のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはSEQ ID NOs:84~90のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~72のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVHと、SEQ ID NOs:84~90のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
【0115】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:65と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するその変異体を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLと、を含む。
【0116】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:65と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するその変異体を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLと、を含む。
【0117】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:66と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するその変異体を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVHと、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLと、を含む。
【0118】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:66と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するその変異体を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLと、を含む。
【0119】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:67と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLと、を含む。
【0120】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:67と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLと、を含む。
【0121】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:68と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLと、を含む。
【0122】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:68と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:85と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLと、を含む。
【0123】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:69と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:86と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むVLと、を含む。
【0124】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:70と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:87と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むVLと、を含む。
【0125】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:69と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:88と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むVLと、を含む。
【0126】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:71と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:89と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むVLと、を含む。
【0127】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:72と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:90と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むVLと、を含む。
【0128】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SYGIX1(SEQ ID NO:108)を含むHC-CDR1(ただし、X1はNまたはSである)、VIX1PLX2X3VX4X5YAEKFQG(SEQ ID NO:109)を含むHC-CDR2(ただし、X1はVまたはIであり、X2はVまたはLであり、X3はGまたはDであり、X4はTまたはPであり、およびX5はIまたはNである)、およびGX1EYFYWYFDL(SEQ ID NO:110)を含むHC-CDR3(ただし、X1はQまたはAである)を含むVHと、X1GX2X3SDIGGYX4RVS(SEQ ID NO:111)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はSまたはTであり、X2はSまたはTであり、X3はS、T、IまたはNであり、およびX4はNまたはDである)、X1X2X3KRX4S(SEQ ID NO:112)を含むLC-CDR2(ただし、X1はD、GまたはEであり、X2はV、FまたはIであり、X3はSまたはNであり、およびX4はPまたはSである)、およびX1SYAX2X3X4X5FX6X7(SEQ ID NO:113)を含むLC-CDR3(ただし、X1はSまたはTであり、X2はGまたはSであり、X3はTまたはGであり、X4はDまたはHであり、X5はTまたはIであり、X6はI、G、V、またはAであり、およびX7はL、I、またはFである)を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含む。
【0129】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、SEQ ID NOs:2~3のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:10~12のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:19~20のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む。
【0130】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、SEQ ID NOs:2~3のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:10~12のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:19~20のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含む。
【0131】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、SEQ ID NOs:29~34のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NO:42~47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:54~60のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む。
【0132】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、SEQ ID NOs:29~34のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:42~47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:54~60のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0133】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:2~3のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:10~12のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:19~20のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVHと、SEQ ID NOs:29~34のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:42~47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:54~60のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVLと、を含む。
【0134】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:2~3のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:10~12のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:19~20のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:29~34のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:42~47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:54~60のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0135】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:54を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0136】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:54を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0137】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:55を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0138】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:55を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0139】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:56を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0140】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:56を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0141】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:57を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0142】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:57を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0143】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:58を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0144】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:58を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0145】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:59を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0146】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:59を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0147】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:20を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0148】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:20を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0149】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:2~3、10~12、19~20で示されるアミノ酸配列を含むVH、または最大約5つのアミノ酸の置換を含むVHの変異体と、SEQ ID NOs:29~34、42~47、54~60で示されるアミノ酸配列を含むVL、または最大約5つのアミノ酸の置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:2~3、10~12、19~20で示されるアミノ酸配列を含むVHと、SEQ ID NOs:29~34、42~47、54~60で示されるアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
【0150】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:2、10および19を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:29、42および54を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:2、10および19を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:29、42および54を含むVLと、を含む。
【0151】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:2、10および19を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:30、43および55を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:2、10および19を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:30、43および55を含むVLと、を含む。
【0152】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:2、10および19を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:31、44および56を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:2、10および19を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:31、44および56を含むVLと、を含む。
【0153】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:2、10および19を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:32、45および57を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:2、10および19を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:32、45および57を含むVLと、を含む。
【0154】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:3、11および19を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:33、45および58を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:3、11および19を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:33、45および58を含むVLと、を含む。
【0155】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:3、10および19を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:31、46および59を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:3、10および19を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:31、46および59を含むVLと、を含む。
【0156】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:3、12および20を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:34、47および60を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:3、12および20を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:34、47および60を含むVLと、を含む。
【0157】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:73~78のいずれかのアミノ酸配列で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:91~97のいずれかのアミノ酸配列で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0158】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:73で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:74で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:75で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:76で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:77で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:78で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。
【0159】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:91で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体VLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:92で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:93で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:94で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:95で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:96で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:97で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。
【0160】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:9で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:74で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:75で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:76で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:77で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:78で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0161】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:73~78のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:73~78のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:91~97のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91~97と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:73~78のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVHと、SEQ ID NOs:91~97のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
【0162】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:73と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVLと、を含む。
【0163】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:74と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVLと、を含む。
【0164】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:75と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:91と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVLと、を含む。
【0165】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:73と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:92と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を含むVLと、を含む。
【0166】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:73と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:93と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を含むVLと、を含む。
【0167】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:73と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:94と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVLと、を含む。
【0168】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:76と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:95と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVLと、を含む。
【0169】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:77と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:96と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を含むVLと、を含む。
【0170】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:78と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:97と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を含むVLと、を含む。
【0171】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、NYX1MT(SEQ ID NO:114)を含むHC-CDR1(ただし、X1はDまたはGである)、SITFASSYIYYADSVKG(SEQ ID NO:13)を含むHC-CDR2、およびGGGAYX1GGSLDV(SEQ ID NO:115)を含むHC-CDR3(ただし、X1はHまたはYである)を含むVHと、RSSQSLLHX1X2X3YTYLH(SEQ ID NO:116)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はIまたはSであり、X2はNまたはYであり、およびX3はGまたはEである)、LVSX1RAS(SEQ ID NO:117)を含むLC-CDR2(ただし、X1はHまたはYである)、およびEQTLQTPX1X2(SEQ ID NO:118)を含むLC-CDR3(ただし、X1はYまたはFであり、X2はSまたはTである)を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含む。
【0172】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、SEQ ID NOs:4~5のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NO:13で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:21~22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体とを含む。
【0173】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、SEQ ID NOs:4~5で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NO:13で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:21~22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含む。
【0174】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、SEQ ID NOs:35~37のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:48~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:61~63のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む。
【0175】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、SEQ ID NOs:35~37のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:48~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:61~63のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0176】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:4~5のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NO:13で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:21~22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVHと、SEQ ID NOs:35~37のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:48~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:61~63のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVLと、を含む。
【0177】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:4~5のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NO:13で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:21~22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:35~37のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:48~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:61~63のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0178】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:21を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:61を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0179】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:21を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:61を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0180】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:62を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0181】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:62を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0182】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:63を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0183】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:63を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0184】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:4~5、13、21~22で示されるアミノ酸配列を含むVH、または最大約5つのアミノ酸の置換を含むVHの変異体と、SEQ ID NOs:35~37、48~49、61~63で示されるアミノ酸配列を含むVL、または最大約5つのアミノ酸の置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:4~5、13、21~22で示されるアミノ酸配列を含むVHと、SEQ ID NOs:35~37、48~49、61~63で示されるアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
【0185】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:4、13および21を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:35、48および61を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:4、13および21を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:35、48および61を含むVLと、を含む。
【0186】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:4、13および22を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:36、48および62を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:4、13および22を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:36、48および62を含むVLと、含む。
【0187】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:5、13および22を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:37、49および63を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:5、13および22を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:37、49および63を含むVLと、を含む。
【0188】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:79~81のいずれかのアミノ酸配列で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:98~100のいずれかのアミノ酸配列で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0189】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:79で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:80で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:81で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。
【0190】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:98で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:99で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:100で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。
【0191】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:80で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0192】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:79~81のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むするVH、またはSEQ ID NOs:79~81のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:98~100のいずれかのアミノ酸配列を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:98~100と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:79~81のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVHと、SEQ ID NOs:98~100のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
【0193】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:79と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:98と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含むVLと、を含む。
【0194】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:80と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:99と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を含むVLと、を含む。
【0195】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:81と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:100と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を含むVLと、を含む。
【0196】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SYAIS(SEQ ID NO:6)を含むHC-CDR1、MX1X2PLLGVTX3YAEKFQG(SEQ ID NO:119)を含むHC-CDR2(ただし、X1はLまたはIであり、X2はVまたはIであり、およびX3はNまたはDである)、およびGGX1NYLYWYFDL(SEQ ID NO:120)を含むHC-CDR3(ただし、X1はSまたはTである)を含むVHと、TGTSSDIGGYNRX1S(SEQ ID NO:121)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はVまたはIである)、X1VSKRPS(SEQ ID NO:122)を含むLC-CDR2(ただし、X1はDまたはEである)、SX1YAGTDTFVL(SEQ ID NO:123)を含むLC-CDR3(ただし、X1はSまたはAである)を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含む。
【0197】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、SEQ ID NO:6で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:14~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:23~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む。
【0198】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、SEQ ID NO:6で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:14~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:23~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含む。
【0199】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、SEQ ID NOs:31、38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NO:42、45のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:60、64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む。
【0200】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、SEQ ID NOs:31、38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NO:42、45のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:60、64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む。
【0201】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NO:6で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:14~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:23~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVHと、SEQ ID NOs:31、38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NO:42、45のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:60、64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含むVLと、を含む。
【0202】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NO:6で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:14~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:23~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:31、38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NO:42、45のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:60、64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0203】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:23を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0204】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:23を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0205】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:24を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:64を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0206】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:24を含むHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:64を含むLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0207】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:6、14~15、23~24で示されるアミノ酸配列を含むVH、または最大約5つのアミノ酸の置換を含むVHの変異体と、SEQ ID NOs:31、38、42、45、60、64で示されるアミノ酸配列を含むVL、または最大約5つのアミノ酸の置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:6、14~15、23~24で示されるアミノ酸配列を含むVHと、SEQ ID NOs:31、38、42、45、60、64で示されるアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
【0208】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:6、14および23を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:38、42および60を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:6、14および23を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:38、42および60を含むVLと、を含む。
【0209】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:6、15および24を含むVH、または最大5つのアミノ酸置換を含むVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NOs:31、45および64を含むVL、または最大5つのアミノ酸置換を含むVLの変異体とを含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NOs:6、15および24を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NOs:31、45および64を含むVLと、を含む。
【0210】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:82~83のいずれかのアミノ酸配列で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、SEQ ID NOs:101~102のいずれかのアミノ酸配列で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0211】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:82で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVHを含み、前記VHは、アミノ酸配列SEQ ID NO:83で示されるVHに含まれる1つ、2つまたは3つのHC-CDRsを含む。
【0212】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:101で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はVLを含み、前記VLは、アミノ酸配列SEQ ID NO:102で示されるVLに含まれる1つ、2つまたは3つのLC-CDRsを含む。
【0213】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:83で示されるVHに含まれるHC-CDR1、HC-CDR2およびHC-CDR3を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102で示されるVLに含まれるLC-CDR1、LC-CDR2およびLC-CDR3を含むVLと、を含む。
【0214】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:82~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:82~83のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:101~102のいずれかのアミノ酸配列を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:101~102と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:82~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVHと、SEQ ID NOs:101~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVLと、を含む。
【0215】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:82と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:101と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を含むVLと、を含む。
【0216】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含むVH、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:83と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を含むVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:102と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を含むVLと、を含む。
【0217】
いくつかの実施例において、機能性エピトープは、コンビナトリアルアラニンスキャニングにより解析できる。この過程において、コンビナトリアルアラニンスキャニングは、TSLPタンパク質における抗TSLP抗体との相互作用に必要なアミノ酸を同定することに使用できる。いくつかの実施例において、該エピトープは配座であり、それとともに、TSLPタンパク質に結合した抗TSLP抗体の結晶構造を用いてエピトープを同定することができる。
【0218】
いくつかの実施例において、上記アミノ酸置換は、本願の表4で示される「例示的な置換」のみに限定される。いくつかの実施例において、アミノ酸置換は、本願の表4で示される「好ましい置換」のみに限定される。
【0219】
いくつかの実施例において、本願は、TSLPとの結合を本文に係るいずれかの抗TSLP抗体と競合する抗体を提供する。いくつかの実施例において、TSLPにおけるエピトープとの結合を本文に係るいずれかの抗TSLP抗体と競合できる抗体を提供する。いくつかの実施例において、VHおよびVLを含む抗TSLP抗体分子と同じエピトープに結合する抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記VHは、SEQ ID NOs:65~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記VLは、SEQ ID NOs:84~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施例において、TSLPとの結合をVHおよびVLを含む抗TSLP抗体と競合する抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記VHは、SEQ ID NOs:65~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含み、前記VLは、SEQ ID NOs:84~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む。
【0220】
いくつかの実施例において、競合実験を利用してTSLPとの結合を本文に係る抗TSLP抗体と競合するモノクローナル抗体を同定することができる。競合実験は、同じまたは空間的に重なっているエピトープを認識することにより、または1つの抗体が別の抗体と抗原との結合を競合的に抑制することにより、2つの抗体が同じエピトープに結合するか否かを確定することができる。いくつかの実施例において、このような競合的な抗体は、本文に係る抗体と同じエピトープに結合する。いくつかの例示的な競合実験は、例えば、Harlow and Lane(1988)Antibodies:A LaboratoryManual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.)で言及された通常の実験を含むが、これらに限定されない。抗体結合のエピトープを解析するための詳細な例示的な方法は、Morris(1996)「EpitopeMapping Protocols、」 inMethods inMolecular Biology vol.66(Humana Press、Totowa、N.J.)に記載されているとおりである。いくつかの実施例において、各抗体が別の抗体の結合を50%以上遮断した場合、同じエピトープに結合すると呼ばれる。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体と競合する抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、または完全ヒト抗体である。
【0221】
例示的な抗TSLP抗体の配列は、表2および表3に示されるように、ここで、Kabat定義方式に基づいてCDRに番号を付ける。当業者は、CDRの位置を予測して抗体軽鎖、重鎖可変領域を規定するための既知のアルゴリズム(Kabat定義方式)が多くあることを認識する。本文に係る抗TSLP抗体のCDRs、VHおよび/またはVL配列を含むが、予測アルゴリズムに基づいて以下の表に示される例以外の抗体も本願の範囲内に含まれる。
【0222】
【0223】
【0224】
【0225】
【0226】
【0227】
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
TSLP
TSLPは、上皮細胞から誘導されるサイトカインであり、皮膚、腸管、肺および胸腺で構成的に発現する(He R、et al、Ann NY Acad Sci 2010、1183:13~24)。ここで、肺由来および皮膚由来の上皮細胞中のTSLPの発現レベルは最も高い(Ziegler SF、Curr Opin Immunol 2010、22:795~799)。TSLPは、マウス胸腺間質細胞系Z210R.1の上清で初めてIL-7の遠縁相同物として同定される。その後の発現クローンは、マウスTSLP(mTSLP)が造血サイトカインファミリーのメンバーであることを示した(Sims JE、et al、J ExpMed 2000、192:671~680)。配列予測によると、四螺旋構造に類似するサイトカインであり、2つのN-グリコシル化部位および6つのシステイン残基を有することが示される(KashyapM、et al、J Immunol 2011、187:1207~1211)。ヒトTSLP(hTSLP)およびmTSLPは、低い相同性を表し、43%のアミノ酸同一性しかない(Reche PA、et al、J Immunol 2001、167:336~343、Quentmeier H、et al、Leukemia 2001、15:1286~1292)。
【0233】
短型および長型というTSLPのマウスでの2種のアイソフォームが既に記述されたが、このような変異体の機能結果はまだ不明である。ヒトでは、定常条件で発現した主なアイソフォームは短型TSLPであり、長型TSLPは、炎症条件で上昇する(Fornasa G、et al、J Allergy Clin Immunol 2015、136:413~22、Tsilingiri K、et al、CellMol Gastroenterol Hepatol 2017、3:174~82)。また、証拠によると、病理条件で、TSLPがいくつかの内因性プロテアーゼによって切断され得ることが示されている(Poposki JA、et al、J Allergy Clin Immunol 2017、139:1559~67.e8、Nagarkar DR、et al、J Allergy Clin Immunol 2013、132:593~600.e12)。例えば、セリアック病の患者のうち、患者の生検で上昇したフーリン(furin)は、TSLPの長型を切断することができ、ヒト末梢血の単核細胞で10kDaおよび4kDa断片を産生し、これらの断片は、成熟したTSLPと比べて異なる活性を有する(Biancheri P、et al、Gut 2016、65:1670~80)。
【0234】
TSLPは、mDC、肥満細胞、好酸球、好塩基球およびNKT細胞を目標とすることにより、先天性アレルギー免疫反応を誘導する(Al-Shami A、et al、J ExpMed 2004、200:159~168、Wu WH、et al、J Allergy Clin Immunol 2010、126:290~299、299.e1~e4、Soumelis V、et al、Nat Immunol 2002、3:673~680)。明らかに、TSLPは、mDCにおけるMHC クラスII、CD54、CD80、CD83、CD86およびDC-lampの発現を強く上昇させる(Liu YJ、J ExpMed 2006、203:269~273)。なお、CD40LおよびToll様受容体(TLR)のリガンドと異なり、TSLPは、mDCsを刺激してTh1分極サイトカイン(IL-12および1型インターフェロン)または炎症促進サイトカイン(TNF~α、IL-1βおよびIL-6)を産生しない。
【0235】
最近の証拠によると、TSLPがアレルギー性喘息およびアトピー性皮膚炎(AD)の病理学で重要な作用を果たすことが示された。潜在的なアレルギー性疾患の治療方法としてTSLPを強調することは説得力がある。TSLPにより媒介されるTh2表現型免疫応答メカニズムの更なる分析は、この探索に新しい手がかりを提供する。また、TSLPは、Th2が許容する1つのマイクロ環境を極力創作し、喘息を更に発展させる(WillartMA、et al、Allergol Int 2010、59:95~103)。
【0236】
TSLP受容体(TSLPR)
TSLP受容体(TSLPR)複合体は、TSLPRおよびIL-7受容体α(IL-7R)で構成される(Park LS、et al、J ExpMed 2000、192:659~670)。TSLPは、広い細胞タイプでその生物活性を発揮するように、IL-7受容体α鎖(IL-7Rα)と一般的な受容体γ鎖(γc)に密に関連するTSLPR鎖によって構成されたイソダイマー受容体とを結合する。単独なTSLPRのTSLPに対する親和性が低いが、TSLPRとIL-7Raとの結合は、TSLPのために1つの高い親和性の結合部位を作成し、且つ、シグナル伝達をトリガする(He R、et al、Ann N Y Acad Sci 2010、1183:13~24)。TSLPRとIL-7Rα鎖との結合は、シグナル伝達および転写活性化因子3(STAT3)とSTAT5との高い親和性の結合および活性化を引き起こす(Pandey A、et al、Nat Immunol 2000、1:59~64)。TSLPR転写本の発現は、2つの種の初期B細胞およびT細胞前駆細胞、末梢CD4+T細胞、肥満細胞およびDCsで検出され得る(He SH、et al、Clin Exp Immunol 2011、165:29~37)。
【0237】
従って、TSLPとTSLPRとの結合を中和することは、TSLPシグナルにより媒介される疾患および病態を治療する1つの治療方法である。
【0238】
全長抗TSLP抗体
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG、またはIgMである。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、またはその変異体の定常領域ドメインのようなIgG定常領域ドメインを含む。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体はλ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体はκ軽鎖定常領域を含む。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体は全長のヒト抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体はマウス免疫グロブリンFc配列を含む。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体は、既に変更された、または他の方式で変更されたFc配列を含み、増強された抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)および補体依存性細胞傷害作用(CDC)の効果機能を有させる。
【0239】
従って、例えば、いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、前記抗TSLP抗体はTSLPに特異的に結合する。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0240】
いくつかの実施例において、IgG2定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、前記抗TSLP抗体は、TSLPに特異的に結合する。いくつかの実施例において、前記IgG2はヒトIgG2である。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0241】
いくつかの実施例において、IgG3定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、前記抗TSLP抗体は、TSLPに特異的に結合する。いくつかの実施例において、前記IgG3はヒトIgG3である。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0242】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、前記抗TSLP抗体は、TSLPに特異的に結合する。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0243】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)SEQ ID NOs:1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:7~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:16~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む重鎖可変ドメインと、b)SEQ ID NOs:25~38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:39~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:50~64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0244】
いくつかの実施例において、IgG2定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)SEQ ID NOs:1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:7~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:16~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む重鎖可変ドメインと、b)SEQ ID NOs:25~38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:39~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:50~64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG2はヒトIgG2である。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0245】
いくつかの実施例において、IgG3定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)SEQ ID NOs:1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:7~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:16~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む重鎖可変ドメインと、b)SEQ ID NOs:25~38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:39~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:50~64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG3はヒトIgG3である。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0246】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)SEQ ID NOs:1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:7~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:16~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む重鎖可変ドメインと、b)SEQ ID NOs:25~38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、SEQ ID NOs:39~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体、およびSEQ ID NOs:50~64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3または最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換を含むその変異体を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0247】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)SEQ ID NOs:1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:7~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:16~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメイン、またはHC-CDR配列に最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換が含まれるその変異体と、b)SEQ ID NOs:25~38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:39~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:50~64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメイン、またはHC-CDR配列に最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換が含まれるその変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0248】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)SEQ ID NOs:1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:7~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:16~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメイン、またはHC-CDR配列に最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換が含まれるその変異体と、b)SEQ ID NOs:25~38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:39~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:50~64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメイン、またはHC-CDR配列に最大約3つ(例えば、1つ、2つまたは3つ)のアミノ酸の置換が含まれるその変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0249】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)SEQ ID NOs:1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:7~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:16~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)SEQ ID NOs:25~38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:39~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:50~64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0250】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)SEQ ID NOs:1~6のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:7~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:16~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)SEQ ID NOs:25~38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:39~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:50~64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0251】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:50を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0252】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:51を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0253】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:17を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0254】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0255】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0256】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:18を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:53を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0257】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:54を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0258】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:55を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0259】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:56を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0260】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:57を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0261】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:58を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0262】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:59を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0263】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:20を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0264】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:21を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:61を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0265】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:62を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0266】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:63を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0267】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:23を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0268】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:24を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:64を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0269】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:50を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0270】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3をふくむ重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:51を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0271】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:17を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0272】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0273】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:52を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0274】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:18を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:53を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0275】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:54を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0276】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:55を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0277】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:56を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0278】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:57を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0279】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:58を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0280】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:59を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0281】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:20を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0282】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:21を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:61を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0283】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:62を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0284】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:63を含むLC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0285】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:23を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:60を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0286】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、a)アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:24を含むHC-CDR3を含む重鎖可変ドメインと、b)アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:64を含むLC-CDR3を含む軽鎖可変ドメインと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0287】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインVH、またはSEQ ID NOs:65~83のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:84~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84~102と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0288】
いくつかの実施例において、IgG2定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインVH、またはSEQ ID NOs:65~83のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:84~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84~102と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG2はヒトIgG2である。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0289】
いくつかの実施例において、IgG3定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインVH、またはSEQ ID NOs:65~83のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:84~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84~102と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG3はヒトIgG3である。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0290】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインVH、またはSEQ ID NOs:65~83のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:84~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインVL、またはアミノ酸配列SEQ ID NO:84~102と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0291】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインVHと、SEQ ID NOs:84~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0292】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン重鎖可変ドメインVHと、SEQ ID NOs:84~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインVLと、を含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0293】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0294】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0295】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0296】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0297】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0298】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0299】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0300】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0301】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0302】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0303】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1は、ヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0304】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0305】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0306】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0307】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0308】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0309】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0310】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0311】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0312】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0313】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0314】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0315】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0316】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0317】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0318】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0319】
いくつかの実施例において、IgG1定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0320】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0321】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0322】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、を含むか、またはそれによって構成されるアミノ酸配列SEQ ID NO:126構成。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0323】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0324】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0325】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0326】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0327】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0328】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0329】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0330】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0331】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0332】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0333】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0334】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0335】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0336】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0337】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0338】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0339】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0340】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0341】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0342】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0343】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0344】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0345】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0346】
いくつかの実施例において、IgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体を提供し、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含む重鎖可変ドメインと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を含む軽鎖可変ドメインとを含む。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成され、且つ、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0347】
結合親和性
結合親和性は、Kd、Koff、Kon、またはKaで表すことができる。本文で使用されるように、「Koff」という用語は、抗体の抗原/抗体複合体から解離する速度定数を意味し、動力学的選択装置により測定される。本文で使用される「Kon」という用語は、抗体と抗原が結合して抗原/抗体複合体を形成する結合速度定数を意味する。本文で使用される解離定数「Kd」という用語は、特定の抗体と抗原の相互作用時の解離定数を意味し、抗体分子溶液で、抗原が全ての抗体結合部位の半分を占めて平衡に達した時に必要な抗原濃度を記述し、Koff/Konに等しい。Kdの測定は、全ての結合分子が溶液内にあると仮定する。抗体が細胞壁に連結している場合、例えば、酵母発現系で、対応する解離速度定数はEC50で表され、Kdの1つの良好な近似値である。親和結合定数Kaは、解離定数Kdの逆数である。
【0348】
平衡解離定数(Kd)は、反応抗体部分と抗原との親和性の指標とすることができる。例えば、Scatchard方法により、様々なマーカーが標識された抗体およびBiacore装置(Amersham Biosciences製)を用いて簡単な分析を行い、ユーザマニュアルまたは付属の試薬キットに基づき、表面プラズモン共鳴で生体分子間の相互作用を分析する。これらの方法を用いて得られたKd値は、単位M(mol)で表される。標的に特異的に結合する抗体は、例えば、≦10-7M、≦10-8M、≦10-9M、≦10-10M、≦10-11M、≦10-12M、または≦10-13MのKd値を有する可能性がある。
【0349】
抗体の結合特異性は、本分野で知られている方法で実験を行って測定できる。これらの方法は、Western blots、ELISA-、RIA-、ECL-、IRMA-、EIA-、BIAcoreテストおよびペプチドスキャン等を含むが、これらに限定されない。
【0350】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体はTSLP標的に特異的に結合し、そのKd値は、10-7M~10-13M(例えば、10-7M~10-13M、10-8M~10-
13M、10-9M~10-13M、または10-10M~10-12M)である。従って、いくつかの実施例において、抗TSLP抗体とTSLPとの間の結合のKd値は、10-7M~10-13M、1×10-7M~5×10-13M、10-7M~10-12M、10-7M~10-11M、10-7M~10-10M、10-7M~10-9M、10-8M~10-13M、1×10-8M~5×10-13M、10-8M~10-12M、10-8M~10-11M、10-8M~10-10M、10-8M~10-9M、5×10-9M~1×10-13M、5×10-9M~1×10-12M、5×10-9M~1×10-11M、5×10-9M~1×10-10M、10-9M~10-13M、10-9M~10-12M、10-9M~10-11M、10-9M~10-10M、5×10-10M~1×10-13M、5×10-10M~1×10-12M、5×10-10M~1×10-11M、10-10M~10-13M、1×10-10M~5×10-13M、1×10-10M~1×10-12M、1×10-10M~5×10-12M、1×10-10M~1×10-11M、10-11M~10-13M、1×10-11M~5×10-13M、10-11M~10-12M、10-12M~10-13Mである。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体とTSLPとの間の結合のKd値は、10-7M~10-13Mである。
【0351】
いくつかの実施例において、抗TSLP抗体と非標的との間の結合のKd値は、抗TSLP抗体と標的との間の結合のKd値よりも高く、且つ、本文に引用されたいくつかの実施例において、抗TSLP抗体と標的(例えば、TSLP)との結合親和性は、TSLP抗体と非標的との結合親和性よりも高い。いくつかの実施例において、非標的とは、非TSLP抗原を意味する。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体(TSLPに対する)と非TSLP標的との結合のKd値は、抗TSLP抗体と標的TSLPとの間の結合のKdの少なくとも10倍であり、例えば、10~100倍、100~1000倍、103~104倍、104~105倍、105~106倍、106~107倍、107~108倍、108~109倍、109~1010倍、1010~1011倍、1011~1012倍である。
【0352】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体と非標的との結合のKd値は、10-1M~10-6M(例えば、10-1M~10-6M、10-1M~10-5M、10-2M~10-4M)である。いくつかの実施例において、前記非標的とは、非TSLP抗原を意味する。従って、いくつかの実施例において、抗TSLP抗体と非TSLP標的との間の結合のKd値は、10-1M~10-6M、1×10-1M~5×10-6M、10-1M~10-5M、1×10-1M~5×10-5M、10-1M~10-4M、1×10-1M~5×10-4M、10-1M~10-3M、1×10-1M~5×10-3M、10-1M~10-2M、10-2M~10-6M、1×10-2M~5×10-6M、10-2M~10-5M、1×10-2M~5×10-5M、10-2M~10-4M、1×10-2M~5×10-4M、10-2M~10-3M、10-3M~10-6M、1×10-3M~5×10-6M、10-3M~10-5M、1×10-3M~5×10-5M、10-3M~10-4M、10-4M~10-6M、1×10-4M~5×10-6M、10-4M~10-5M、10-5M~10-6Mである。
【0353】
いくつかの実施例において、抗TSLP抗体が高い結合親和性でTSLP標的を特異的に認識し、低い結合親和性で非標的に結合することを言及すると、前記抗TSLP抗体とTSLP標的との結合のKd値は、10-7M~10-13M(例えば、10-7M~10-13M、10-8M~10-13M、10-9M~10-13M、10-10M~10-12M)であり、且つ、非標的との結合のKd値は、10-1M~10-6M(例えば、10-1M~10-6M、10-1M~10-5M、10-2M~10-4M)である。
【0354】
いくつかの実施例において、抗TSLP抗体がTSLPを特異的に認識することを言及すると、前記抗TSLP抗体の結合親和性と、対照の抗TSLP抗体(例えば、AMG157)の結合親和性とを比較する。いくつかの実施例において、対照の抗TSLP抗体とTSLPとの間の結合のKd値は、本願に係る抗TSLP抗体とTSLPとの間の結合のKd値の少なくとも2倍であり、例えば、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、10~100倍、100~1000倍、103~104倍である。
【0355】
核酸
抗TSLP抗体をコードする核酸分子も考えられる。いくつかの実施例において、全長抗TSLP抗体をコードする1つ(または1グループ)の核酸を提供し、本文に係るいずれかの全長抗TSLP抗体を含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体の核酸(または、1グループの核酸)は、ポリペプチドタグをコードする核酸配列(例えば、タンパク質精製タグ、His~タグ、HAタグ)を更に含んでもよい。
【0356】
それと同時に、本文は、抗TSLP抗体を含む分離された宿主細胞、抗TSLP抗体のポリペプチド成分をコードする分離された核酸、または本文に係る抗TSLP抗体のポリペプチド成分をコードする核酸を含むベクターを更に考える。
【0357】
本願は、これらの核酸配列の変異体を更に含む。例えば、変異体は、少なくとも中程度のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件で本願の抗TSLP抗体をコードする核酸配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。
【0358】
本願は、同時に、本願における核酸配列が挿入できるベクターを更に提供する。
【0359】
簡単に言えば、抗TSLP抗体をコードする天然または合成核酸を適当な発現ベクターに挿入することにより、核酸は、例えば、プロモーター(例えば、リンパ球特異的プロモーター)および3’非翻訳領域(UTR)を含む5’および3’端の調節エレメントに操作可能に連結することができ、抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)を発現することができる。前記ベクターは、真核宿主細胞での複製および統合に適用できる。典型的なクローンおよび発現ベクターは、目標核酸配列の発現を調節する転写と翻訳ターミネーター、開始配列、およびプロモーターを含む。
【0360】
本願に係る核酸は、標準的な遺伝子送達スキームを使用することにより、核酸免疫および遺伝子治療に使用することもできる。核酸送達方法は、本分野で知られている。例えば、U.S.Pat.Nos.5399346、5580859、5589466を参照し、その全ての内容を引用することにより本文に援用する。いくつかの実施例において、本願は、遺伝子治療ベクターを更に提供する。
【0361】
核酸を複数種のベクターにクローンすることができる。例えば、核酸をベクターにクローンすることができ、前記ベクターは、プラスミド、ファージミド、ファージ誘導体、動物ウイルス、およびコスミドを含むが、これらに限定されない。特に興味があるベクターは、発現ベクター、複製ベクター、プローブ生成ベクター、およびシーケンシングベクターを含む。
【0362】
また、発現ベクターは、ウイルスベクターの形式で細胞に提供することができる。ウイルスベクター技術は、本分野でよく知られており、且つ、例えば、Green and Sambrook(2013、Molecular Cloning:A LaboratoryManual、Cold Spring Harbor Laboratory、New York)および他のウイルス学または分子生物学マニュアルに記述されている。ベクターとして使用できるウイルスは、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、およびレンチウイルスを含むが、これらに限定されない。通常、適当なベクターは、少なくとも1つの生体で機能する1つの複製開始点、プロモーター配列、便利な制限酵素部位、および1つまたは複数の選択マーカーを含む(例えば、WO01/96584、WO01/29058、およびU.S.Pat.No.6326193を参照する)。
【0363】
遺伝子を哺乳動物の細胞に転移するための多くのウイルスに基づくシステムは既に開発されている。例えば、レトロウイルスは、遺伝子送達システムに便利なプラットフォームを提供する。本分野で知られている技術を用い、選択した遺伝子をベクターに挿入してレトロウイルス粒子に包装することができる。その後、組換えウイルスを分離し、体内または体外で被験者の細胞に送達する。多くのレトロウイルスシステムは、本分野で知られている。いくつかの実施例において、アデノウイルスベクターを使用する。多くのアデノウイルスベクターは本分野で知られている。いくつかの実施例において、レンチウイルスベクターを使用する。レンチウイルスのようなレトロウイルスに由来するベクターは、トランスジーンを長期的に安定的に組み込ませて子孫細胞で繁殖させるため、長期的な遺伝子導入を実現する適当なツールである。レンチウイルスベクターは、肝細胞のような非増殖細胞を伝達できるため、マウス白血病ウイルスのような腫瘍に由来するレトロウイルスに対して更なる優位性を持つ。それと同時に、免疫原性が低いという更なる優位性も持つ。
【0364】
他のプロモーターエレメント、例えば、エンハンサーは、転写開始頻度を調節する。最近、多くのプロモーターが開始部位より下流の機能エレメントも含むことが発見されたが、通常、それらは開始部位より30~110bp上流の箇所に位置する。プロモーターエレメント間の間隔が、通常、柔軟であるため、エレメント同士間の位置が入れ替わったり移動したりする時にもプロモーターの機能を依然として保持する。チミジンキナーゼ(tk)プロモーターでは、プロモーターエレメント間の間隔が50bpに増加してから、活性が低下し始める。
【0365】
適当なプロモーターの一例は、即時初期サイトメガロウイルス(CMV)のプロモーター配列である。該プロモーター配列は、1つの強い構成型プロモーター配列であり、それに操作可能に連結された任意のポリヌクレオチド配列の高いレベルの発現を駆動することができる。適当なプロモーターの別の例は伸長因子1α(EF-1α)プロモーターである。しかし、他の構成型プロモーターを使用してもよく、サルウイルス40(SV40)初期プロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルス(MMTV)、ヒト免疫不全ウイルスの長末端反復配列(HIV~LTR)プロモーター、MoMuLVプロモーター、トリ白血病ウイルスプロモーター、EpsteiN-Barrウイルス即時初期プロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、およびヒト遺伝子プロモーターを含むが、これらに限定されず、例えば、アクチンプロモーター、ミオシンプロモーター、ヘモグロビンプロモーター、およびクレアチンキナーゼプロモーターを含むが、これらに限定されない。また、本願を、構成型プロモーターのみの使用に限定すべきではない。誘導型プロモーターも本願で考慮される部分である。誘導型プロモーターの使用は、分子スイッチを提供し、このような発現が必要な場合、それに操作可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現をオンにし、不要な場合、発現をオフにすることができる。誘導型プロモーターは、メタロチオネインプロモーター、グルココルチコイドプロモーター、プロゲステロンプロモーター、およびテトラサイクリンプロモーターを含むが、これらに限定されない。
【0366】
いくつかの実施例において、抗TSLP抗体の発現は誘導できる。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体をコードする核酸配列は、誘導型プロモーターに操作可能に連結し、本文に係るいずれかの誘導型プロモーターを含む。
【0367】
誘導型プロモーター
誘導型プロモーターの使用は、分子スイッチを提供し、発現が必要な場合、それに操作可能に連結されたポリヌクレオチド配列の発現をオンにし、一方、発現が不要な場合、発現をオフにすることができる。真核細胞に適用される例示的な誘導型プロモーターは、ホルモン調節エレメント(例えば、Mader、S.and White、J.H.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5603~5607を参照する)、合成リガンド調節エレメント(Spencer、D.M.et al(1993)Science 262:1019~1024を参照する)、および電離放射線調節エレメント(Manome、Y.et al.(1993)Biochemistry 32:10607~10613、Datta、R.et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:1014~ 10153を参照する)含むが、これらに限定されない。体内または体外哺乳動物システムに適用される他の例示的な誘導型プロモーターは、Gingrich et al.(1998)Annual Rev.Neurosci 21:377~405を参照する。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体を発現するための誘導型プロモーターシステムはTetシステムである。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体を発現する誘導型プロモーターシステムは大腸菌lac抑制システムである。
【0368】
本願で採用される1つの例示的な誘導型プロモーターシステムはTetシステムである。該システムは、Gossen等(1993)に基づいて記述されたTetシステムである。1つの例示的な実施例において、目標ポリヌクレオチドは、1つまたは複数のTetオペロン(TetO)部位を含むプロモーターによってコントロールされる。非活性化状態で、Tetリプレッサー(TetR)はTetO部位に結合してプロモーターの転写を抑制する。活性化状態で、例えば、テトラサイクリン(Tc)、アンヒドロテトラサイクリン、ドキシサイクリン(Dox)のような誘導剤またはその活性類似物の存在下で、誘導剤は、TetRをTetOから放出させ、転写を発生させる。ドキシサイクリンは、テトラサイクリン抗生物質ファミリーの1メンバーであり、その化学名は、1-ジメチルアミノ-2,4a,5,7-ペンタヒドロキシ-11-メチル-4,6-ジオキソ-1,4a,11,11a,12,12a-ヘキサヒドロテトラセン-3-ホルムアミドである。
【0369】
一実施例において、TetRは、コドンによって最適化され、マウスまたはヒト細胞のような哺乳動物細胞での発現に適用される。遺伝暗号の縮退性により、ほとんどのアミノ酸が1つ以上のコドンによってコードされ、これにより、所定の核酸の配列は、大量の変異体を有するが、コードするアミノ酸配列に何の変更もない。しかし、多くの生体は、コドンの使用上で違いがあり、「コドン嗜好」(即ち、所定のアミノ酸が特定のコドンを使用する嗜好)とも呼ばれる。コドン嗜好は、通常、特定のコドンの優位なtRNA種類の存在に関連し、逆に、mRNA翻訳の効率を向上させる。従って、コドン最適化により、特定種に由来するコード配列(例えば、原核生物)をカスタマイズし、異なる種(例えば、真核生物)での発現を向上させることができる。
【0370】
Tetシステムの他の具体的な変異体、以下の「Tet-Off」および「Tet-On」システムを含む。Tet-Offシステムにおいて、転写は、TcまたはDoxの存在下で失活である。該システムにおいて、TetRと単純ヘルペスウイルスVP16の強い転写活性化ドメインとの融合で構成されたテトラサイクリンによって調節される転写活性化タンパク質(tTA)は、テトラサイクリン反応プロモーターエレメント(TRE)の転写制御で標的核酸の発現を調節する。TREエレメントは、TetO配列直列体とプロモーター(通常、ヒトサイトメガロウイルスの即時初期プロモーターに由来する最も小さいプロモーター配列)との融合で構成される。TcまたはDoxが存在しない場合、tTAはTREに結合して標的遺伝子の転写を活性化する。TcまたはDoxが存在している場合、tTAはTREに結合できず、標的遺伝子は発現できない。
【0371】
逆に、Tet-Onシステムにおいて、転写は、TcまたはDoxの存在下で活性化される。Tet-Onシステムは、逆テトラサイクリンによって調節される転写活性化因子rtTAに基づく。tTAと同様に、rtTAは、TetRリプレッサーとVP16トランス活性化ドメインで構成された融合タンパク質である。しかし、TetRのDNA結合領域における4つのアミノ酸の変化は、rtTAの結合特性を変化させ、Doxが存在している場合に標的トランスジーンTRE上のtetO配列のみを認識できるようにする。従って、Tet-Onシステムにおいて、Doxが存在する場合のみに、rtTAは、TREによって調節された標的遺伝子の転写を活性化することができる。
【0372】
別の誘導型プロモーターシステムは、大腸菌のlacリプレッサーシステムである(Brown et al.、Cell 49:603~612(1987)を参照する)。Lacリプレッサーシステムは、lacオペロン(lacO)を含むプロモーターに操作可能に連結された目標ポリヌクレオチドの転写を調節することにより機能を発揮する。Lacリプレッサー(lacR)はLacOに結合し、更に目標ポリヌクレオチドの転写を阻止する。イソプロピル-β-Dチオガラクトピラノシド(IPTG)のような適当な誘導剤により、目標ポリヌクレオチドの発現を誘導する。
【0373】
ポリペプチドまたはその一部の発現を評価するために、導入待ち細胞の発現ベクターは、ウイルスベクターによってトランスフェクションまたは感染された細胞集団から発現細胞を認識して選択しやすいように、選択マーカー遺伝子を含んでもよいし、レポーター遺伝子を含んでもよいし、両者を全て含んでもよい。他の態様において、選択マーカーは、単独したDNA断片に担持されてコトランスフェクション実験で使用することができる。選択マーカー遺伝子またはレポーター遺伝子は、宿主細胞で発現できるように、いずれも適当な調節配列の両側に連結することができる。有用な選択マーカーは、例えば、neoおよび類似する遺伝子のような抗生物質耐性遺伝子を含む。
【0374】
レポーター遺伝子は、潜在的なトランスフェクション細胞を同定して調節配列の機能を評価することに使用できる。通常、レポーター遺伝子は、受容体の生体または組織に存在しない、または受容体の生体または組織によって発現されない遺伝子であり、ポリペプチドをコードし、その発現は、酵素活性のようないくつかの検出しやすい特性として表される。DNAを受容体細胞に導入した後、適当な時間にてレポーター遺伝子の発現を検出する。適当なレポーター遺伝子は、ルシフェラーゼ、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェンコールアセチルトランスフェラーゼ、分泌型アルカリホスファターゼ、または緑色蛍光タンパク質をコードする遺伝子を含んでもよい(例えば、Ui~Tel et al.、2000 FEBS Letters 479:79~82)。適当な発現系は公知であり、既知の技術により調製され、または商業的なルートにより取得できる。通常、レポーター遺伝子の最も高い発現レベルを表示できる最小の5’サイドフラップ領域を有するコンストラクトを、プロモーターと認定する。このようなプロモーター領域は、レポーター遺伝子に連結でき、プロモーターによって駆動された転写の調節におけるある物質の能力を評価することに使用される。
【0375】
いくつかの実施例において、本文に係るいずれかの全長抗TSLP抗体をコードする核酸を提供する。いくつかの実施例において、前記核酸は、全長抗TSLP抗体の重鎖および軽鎖をコードする1つまたは複数の核酸配列を提供する。いくつかの実施例において、前記1つまたは複数の核酸配列内のそれぞれは、単独したベクターに含まれる。いくつかの実施例において、少なくとも一部の核酸配列は同じベクターに含まれる。いくつかの実施例において、全ての核酸配列は、同じベクターに含まれる。ベクターは、例えば、哺乳動物発現ベクターおよびウイルスベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス、およびレンチウイルスに由来するベクター)から選択することができる。
【0376】
遺伝子を細胞に導入して発現する方法は、本分野で知られている。発現ベクターのコンテキストにおいて、本分野の任意の方法により、ベクターを容易に哺乳動物細胞、細菌、酵母、または昆虫細胞のような宿主細胞に導入することができる。例えば、発現ベクターは、物理的、化学的、または生物的方法により宿主細胞に導入することができる。
【0377】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する物理的方法は、リン酸カルシウム沈殿、リポソームトランスフェクション、パーティクルガン法、マイクロインジェクション法、エレクトロポレーション法および類似するものを含む。ベクターおよび/または外来核酸を含む細胞の調製方法は、本分野でよく知られている。例えば、Green and Sambrook(2013、Molecular Cloning:A LaboratoryManual、Cold Spring Harbor Laboratory、New York)を参照する。いくつかの実施例において、リン酸カルシウムトランスフェクション法によりポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する。
【0378】
目標ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する生物学的方法は、DNAおよびRNAベクターを使用することを含む。ウイルスベクター、特にレトロウイルスベクターは、既に遺伝子をヒト細胞のような哺乳動物細胞に挿入するための最も広く使用される方法となる。他のウイルスベクターは、レンチウイルス、ポックスウイルス、単純ヘルペスウイルス1型、アデノウイルス、およびアデノ随伴ウイルス等に由来することができる。U.S.Pat.Nos.5350674および5585362を参照する。
【0379】
ポリヌクレオチドを宿主細胞に導入する化学的方法は、コロイド分散システムを含み、例えば、高分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、および水中油型乳剤、ミセル、混合ミセルおよびリポソームを含む脂質を基礎とするシステムである。体内および体外で送達ベクターとして用いられる例示的なコロイド系はリポソーム(例えば、人造の膜小胞)である。
【0380】
非ウイルス送達システムを使用する場合、例示的な送達ベクターはリポソームである。脂質製剤を用いて核酸を宿主細胞(インビトロ、エクスビボ、またはインビボ)に導入することが考慮される。別の態様において、前記核酸は脂質に結合することができる。脂質に結合する核酸は、リポソームの水性内部に包まれ、リポソームの脂質二重層内に分散され、リポソームおよびオリゴヌクレオチドに結合した連結分子を介してリポソームに連結され、リポソームに包埋され、リポソームと複合体を形成し、脂質を含む溶液に分散され、脂質と混合し、脂質に結合し、脂質内に懸濁し、ミセルに含まれたり、ミセルと混合したり、他の方式で脂質に結合したりすることができる。脂質、脂質/DNA、または脂質/発現ベクターに関連する組成物は、溶液内でいかなる特定の構造に限定されない。例えば、それらは、バイレイヤー構造、ミセル、または「陥没した」構造で存在する可能性がある。それらは、簡単に溶液内に分散されてもよく、サイズまたは形状が不均一な凝集体を形成する可能性がある。脂質は脂肪物質であり、天然に存在するまたは合成した脂質であってもよい。例えば、脂質は、細胞質に天然に存在する脂肪滴、および長鎖の脂肪族炭化水素やその誘導体を含む化合物を含み、例えば、脂肪酸、アルコール、アミン、アミノアルコールおよびアルデヒドを含む。
【0381】
どのような方法で外来核酸を宿主細胞に導入しても、または他の方式で細胞を本願の抑製剤に暴露しても、組換えDNA配列が宿主細胞に存在することを確認するために、様々な実験を行うことができる。このような実験は、例えば、当業者に良く知られている「分子生物学的」実験を含む。例えば、SouthernやNorthern blotting、RT-PCRやPCRであり、「生化学的」実験は、例えば、ある特定のポリペプチドが存在するか否かを検出し、例えば、免疫学方法(ELISAsやWestern blots)または本文に係る実験による同定は、いずれも本願の範囲内に含まれる。
【0382】
抗TSLP抗体の調製
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、モノクローナル抗体であるか、またはモノクローナル抗体に由来する。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、モノクローナル抗体に由来するVHおよびVL、またはその変異体を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は、モノクローナル抗体に由来するCH1およびCL領域、またはその変異体を更に含む。モノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ法、ファージ提示法、または組換えDNA法のような本分野で知られている方法を用いて調製できる。また、例示的なファージ提示法は、本文および以下の実施例で記述される。
【0383】
ハイブリドーマ法で、通常、免疫剤を用いてハムスター、マウス、または他の適当な宿主動物を免疫し、免疫剤に特異的に結合する抗体を生成するまたは生成可能なリンパ球を誘導する。または、体外でリンパ球を免疫することができる。免疫剤は、目標タンパク質のポリペプチドまたは融合タンパク質を含んでもよい。通常、ヒト由来細胞が必要な場合、末梢血リンパ球(PBLs)を使用し、非ヒト哺乳動物由来細胞が必要な場合、脾細胞またはリンパ節細胞を使用する。ポリエチレングリコールのような適当な融合剤を用いてリンパ球と不死化細胞系とを融合し、ハイブリドーマ細胞を形成する。不死化細胞系は、通常、形質転換した哺乳動物細胞であり、特に、齧歯類、牛科およびヒト由来の骨髄腫細胞である。通常、ラットまたはマウス骨髄腫細胞系を使用する。ハイブリドーマ細胞は、適当な培地で培養することができ、前記培地は、未融合の不死化細胞の成長または生存を抑制する1種または複数種の物質を含むことが好ましい。例えば、親細胞にヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTまたはHPRT)が欠ける場合、ハイブリドーマ細胞の培地は、通常、ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン(HAT培地)を含み、該培地は、HGPRT欠陥型細胞の成長を阻止することができる。
【0384】
いくつかの実施例において、不死化細胞系は、効果的に融合し、選択された抗体産生細胞により、抗体のハイレベルの安定した発現を確保し、且つ、HAT培地のようなある培地に敏感である。いくつかの実施例において、不死化細胞系は、マウス骨髄腫細胞系であり、例えば、カリフォルニア州サンディエゴのソーク細胞寄託センターおよびバージニア州マナサスのアメリカンタイプカルチャーコレクションから取得することができる。それと同時に、ヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞系をヒト由来モノクローナル抗体の調製に使用することが更に記載されている。
【0385】
その後、ハイブリドーマ細胞を培養する培地にポリペプチドに対するモノクローナル抗体が存在するか否かを測定することができる。ハイブリドーマ細胞により産生されたモノクローナル抗体の結合特異性は、免役沈降法または体外結合実験により確定でき、例えば、放射免疫測定法(RIA)または酵素結合免疫吸着法(ELISA)である。このような技術または分析方法は、本分野で知られている。モノクローナル抗体の結合親和性は、例えば、Munson and Pollard、Anal.Biochem.、107:220(1980)に記載のスキャチャード(Scatchard)解析により確定できる。
【0386】
必要なハイブリドーマ細胞を同定した後、限界希釈法により、目標クローンをサブクローンし、標準方法により培養することができる。この目的に基づく適当な培地は、例えば、改良されたEagle培地(DMEM)およびRPMI~1640培地を含む。または、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物体内において腹水の形式で成長することができる。
【0387】
サブクローンから分泌されたモノクローナル抗体は、タンパク質-アガロースゲル、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、またはアフィニティークロマトグラフィーのような通常の免疫グロブリン精製方法により、培地または腹水から分離または精製することができる。
【0388】
いくつかの実施例において、本文に係るいずれかの抗TSLP抗体に基づき、前記抗TSLP抗体は、抗体ライブラリー(例えば、scFvまたはFab断片を示すファージライブラリー)から選ばれたクローンの配列を含む。前記クローンは、必要な活性を有する抗体断片の組み合わせライブラリーを選別する方法により同定することができる。例えば、本分野では、ファージ提示ライブラリーを産生してこれらのライブラリーを選別して必要な結合特性の抗体を取得するための多くの方法が知られている。これらの方法は、例えば、Hoogenboom et al.、Methods inMolecular Biology 178:1~37(O’Brien et al.、ed.、Human Press、Totowa、N.J.、2001)で総説され、且つ、例えば、McCafferty et al.、Nature 348:552~554、Clackson et al.、Nature 352:624~628(1991)、Marks et al.、J.Mol.Biol.222:581~597(1992)、Marks and Bradbury、Methods inMolecular Biology 248:161~175(Lo、ed.、Human Press、Totowa、N.J.、2003)、Sidhu et al.、J.Mol.Biol.338(2):299~310(2004)、Lee et al.、J.Mol.Biol.340(5):1073~1093(2004)、Fellouse、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467~12472(2004)、and Lee et al.、J.Immunol.Methods 284(1~2):119~132(2004)で更に記述されている。
【0389】
Winter et al.、Ann.Rev.Immunol.、12:433~455(1994)に記載されているように、いくつかのファージ提示法において、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により、VHおよびVL遺伝子の全ての構成成分をそれぞれクローンし、ファージライブラリーでランダムに組換えた後、抗原に結合できるファージを選別する。ファージは、通常、scFv断片またはFab断片の形式で抗体断片を示す。免疫由来のライブラリーファージは、免疫原に対する親和性が高い抗体を提供し、ハイブリドーマ細胞を構築する必要がない。または、Griffiths et al.、EMBO J、12:725~734(1993)に記載されているように、天然ライブラリー(例えば、ヒトに由来する)をクローンし、複数種の非自己抗原および自己抗原に対する単一の抗体の由来を提供し、いかなる免疫を必要としない。最後に、Hoogenboom and Winter、J.Mol.Biol.、227:381~388(1992)に記載されているように、天然ライブラリーは、幹細胞に由来する再配列されていないV-gene断片をクローンし、ランダム配列を含むPCRプライマーを用いてCDR3超可変領域をコードし、且つ、体外で再配列を行う方法により調製することもできる。ヒト抗体ファージライブラリーを記述する特許出版物は、例えば、U.S.Pat.No.5750373、およびUSPatent Publication Nos.2005/0079574、2005/0119455、2005/0266000、2007/0117126、2007/0160598、2007/0237764、2007/0292936および2009/0002360を含む。
【0390】
ファージ提示でライブラリーにおける標的TSLPに特異的に結合できる抗TSLP抗体部分を選別する方法により、前記抗TSLP抗体を調製する。該ライブラリーは、ヒトscFvファージ提示ライブラリーであってもよく、少なくとも1×109(例えば、少なくとも1×109、2.5×109、5×109、7.5×109、1×1010、2.5×1010、5×1010、7.5×1010、または1×1011)種の多様性の独特のヒト抗体断片を有する。いくつかの実施例において、前記ライブラリーはヒト天然ライブラリーであり、健康な被験者のPMBCsおよび脾臓から抽出されたDNAにより構築され、全てのヒト重鎖および軽鎖サブファミリーを含む。いくつかの実施例において、前記ライブラリーはヒト天然ライブラリーであり、自己免疫疾患の患者、癌患者、および感染性疾患の患者のような様々な疾患の患者体内から分離されたPMBCsから抽出されたDNAにより構築される。いくつかの実施例において、前記ライブラリーは半合成のヒトライブラリーであり、ここで、重鎖CDR3は完全にランダムであり、全てのアミノ酸(システインを除く)は、同じ確率で任意の所定の位置に存在する。(例えば、Hoet、R.M.et al.、Nat.Biotechnol.23(3):344~348、2005を参照する)。いくつかの実施例において、半合成のヒトライブラリーの重鎖CDR3の長さは5~24個(例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24個)のアミノ酸の間にある。いくつかの実施例において、前記ライブラリーは、全合成のファージ提示ライブラリーである。いくつかの実施例において、前記ライブラリーは、非ヒトファージ提示ライブラリーである。
【0391】
標的TSLPに対して高い親和性を持つファージクローンは、ファージと標的TSLPとの反復結合により選別することができ、前記標的TSLPは固体支持体に結合し(例えば、溶液パンニング用のビーズ、または細胞パンニング用の哺乳動物細胞)、続いて、未結合のファージを除去し、特異的に結合されたファージを溶出する。その後、結合されたファージクローンを溶出し、E.coli XL1-Blueのような適当な宿主細胞に感染させることに用い、発現して精製する。複数回のパンニング(例えば、2回、3回、4回、5回、6回、またはそれ以上)、例えば、溶液パンニング、細胞パンニング、または両者の組み合わせにより、TSLPに特異的に結合されたファージクローンを富化する。富化したファージクローンと標的TSLPとの特異的結合は、本分野で知られている任意の方法で検出することができる、例えば、ELISAおよびFACSを含む。
【0392】
抗体ライブラリーを選別する別の方法は、酵母細胞表面にタンパク質を示すことである。Wittrupら(USPatent Nos.6699658 and 669625 1)は、酵母細胞提示ライブラリーの方法を開発した。前記酵母提示システムにおいて、酵母レクチンタンパク質(Aga1)に関する成分は、酵母細胞壁に固定される。別のレクチンタンパク質Aga2の2つ目のサブユニットに関する成分は、ジスルフィド結合によりAga1タンパク質に結合して酵母細胞表面に示すことができる。Aga1タンパク質は、Aga1遺伝子の統合後に酵母染色体から発現する。一本鎖可変断片(scFv)ライブラリーと酵母提示プラスミドにおけるAga2配列とを遺伝的に融合させ、形質転換後のAga2配列は、栄養マーカーにより遊離型で酵母に保留される。Aga1およびAga2タンパク質は、いずれもガラクトース誘導型プロモーターのコントロールで発現する。
【0393】
ヒト抗体V遺伝子レパートリー(VHおよびVK断片)は、縮退プライマーを使用したPCR方法により取得される(Sblattero、D.& Bradbury、A.Immunotechnology 3、271~278 1998)。PCRテンプレートは、PBMC、脾臓、リンパ節、骨髄、および扁桃体を含む商用のRNAまたはcDNAに由来する。単独なVHおよびVK PCRライブラリーを組み合わせた後、PCRを重ねて延ばすことによりscFv形式で組み立てる(Sheets、M.D.et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95、6157~6162 1998)。酵母scFv提示ライブラリーを構築するために、相同組換えにより、得られたscFv PCR生成物を酵母中の酵母提示プラスミドにクローンする。(Chao、G、et al、Nat Protoc.2006、1(2):755~68.Miller KD、et al.Current Protocols in Cytometry 4.7.1~4.7.30、2008)。
【0394】
U.S.patent No.7732195B2に記載されているように、哺乳動物細胞提示システムを用いて抗TSLP抗体を見つけることができ、ここで、抗体部分は細胞表面に示され、且つ、抗原誘導選別方法により、TSLPを特異的に標的とする抗体部分を分離する。多数のヒトIgG抗体遺伝子を代表できる中国ハムスター卵巣(CHO)細胞ライブラリーを確立し、親和性が高い抗体遺伝子を発現するクローンを発見することに使用することができる。交互スプライシングによりハイレベルの細胞表面提示と同じタンパク質の分泌とを同時に実現できる別の提示システムは既に開発され、ここで、提示されるタンパク質の表現型は依然として遺伝子型に関連し、生物物理および細胞に基づく機能分析で可溶性分泌抗体を同時に表すことが可能である。このような方法は、以前の哺乳動物細胞提示の多くの制限を克服し、抗体を全長グリコシル化IgGの形式で直接選択して成熟させることができる(PeterM.Bowers、et al、Methods 2014、65:44~56)。瞬時発現系は、抗体遺伝子を回復する前の1回の抗原選択に適用されるため、小さいライブラリーから抗体を選択することに最も適用される。安定した遊離型ベクターは、1つの魅力的な選択を提供する。遊離型ベクターは、効率的にトランスフェクションして低いコピー数に安定的に保持することができ、複数回の平行移動およびより複雑な抗体ライブラリーの解析が可能である。
【0395】
IgGライブラリーは、種系配列のV遺伝子断片に基づき、これらの断片は、1グループのヒトドナーから分離された再配列(D)J領域に連結する。2000部のヒト血液サンプルから収集されたRNAは、cDNAに逆転写され、且つ、VHおよびVK特異的プライマーを用いてVHおよびVK断片を増幅し、ゲル抽出により精製する。VHおよびVK断片をそれぞれIgG1またはK定常領域を含む提示ベクターにサブクローンした後、293T細胞にエレクトロポレーションまたは形質転換することにより、IgGライブラリーを構築する。scFv提示ライブラリーを構築するために、VHとVKとを連結することによりscFvを生成し、その後、それを提示ベクターにサブクローンした後、293T細胞にエレクトロポレーションまたは形質転換する。知られているように、IgGライブラリーは、種系配列のV-遺伝子断片に基づいてドナーグループから分離された再配列(D)J領域に連結され、ドナーは、マウス、ラット、ウサギ、またはサルであってもよい。
【0396】
例えば、U.S.Patent No.4816567に記載されているように、モノクローナル抗体は、組換えDNA方法により調製することもできる。本願に係るモノクローナル抗体をコードするDNAは、通常の方法により(例えば、マウス由来の抗体軽鎖および重鎖をコードする遺伝子に特異的に結合できるオリゴヌクレオチドプローブにより)、容易に分離してシーケンシングすることができる。上記ハイブリドーマ細胞または本願のTSLP特異的ファージクローンは、このようなDNAの由来とすることができる。分離後、DNAを発現ベクターに置き、その後、該ベクターを、サルCOS細胞、中国ハムスター卵巣癌(CHO)細胞、または免疫グロブリンを産生しない骨髄腫細胞のような宿主細胞にトランスフェクションし、組換え宿主細胞で合成されたモノクローナル抗体を取得することができる。前記DNAは修飾されてもよく、例えば、ヒト重鎖および軽鎖の定常構造および/またはフレーム領域ドメインのコード配列を用いて相同の非ヒト配列を代替したり(U.S.Patent No.4816567、Morrison et al.、supra)、非免疫グロブリンポリペプチドの全部または一部のコード配列を免疫グロブリンコード配列に共有結合したりする。このような非免疫グロブリンポリペプチドは、本願における抗体の定常領域を置換することができ、または本願における抗体の可変ドメイン内の1つの抗原結合部位を置換してキメラの二価抗体を形成することができる。
【0397】
前記抗体は単価抗体であってもよい。単価抗体の調製方法は本分野で知られている。例えば、免疫グロブリンの軽鎖および修飾された重鎖の組換え発現に関する方法である。通常、重鎖の相互架橋を阻止するために、Fc領域の任意の位置で重鎖を切断する。または、関連するシステイン残基は他のアミノ酸残基によって置換されるか、または架橋を防止するために欠失する。
【0398】
体外方法は、単価抗体の調製にも適用される。消化抗体は、抗体断片、特にFab断片を産生し、本分野で知られている任意の方法で行うことができる。
【0399】
必要な結合特異性(抗体-抗原結合部位)を持つ抗体可変ドメインは、免疫グロブリンの定常領域と融合できる。好ましくは、少なくとも一部のヒンジ領域、CH2領域およびCH3領域を含む免疫グロブリン重鎖の定常領域と融合する。いくつかの実施例において、軽鎖結合に必要な部位を含む第1重鎖定常領域(CH1)は、少なくとも1つの融合体に現れる。免疫グロブリン重鎖融合体をコードするDNAは、必要な場合、免疫グロブリン軽鎖をコードするDNAを更に含んでもよく、独立した発現ベクターに挿入され、適当な宿主生物にコトランスフェクションされる。
【0400】
完全ヒトおよびヒト化抗体
前記抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)は、ヒト化抗体または完全ヒト抗体であってもよい。非ヒト(例えば、マウス)抗体部分のヒト化形式は、キメラの免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはその断片(例えば、Fv、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、または抗体の他の抗原結合サブ配列)であり、通常、最も少ない非ヒト免疫グロブリンに由来する配列を含む。ヒト化抗体は、ヒト免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはその断片(受容体抗体)を含み、ここで、受容体CDRの残基は、マウス、ラット、またはウサギのCDRのような必要な特異性、親和性および性能を持つ非ヒト由来(ドナー抗体)CDR残基によって置換される。いくつかの実施例において、ヒト免疫グロブリンのFvフレーム領域残基は、対応する非ヒト由来残基によって置換される。ヒト化抗体は、受容体抗体にも、導入されたCDRまたはフレーム領域配列にも属していないアミノ酸残基を更に含んでもよい。通常、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、通常2つの可変ドメインを含み、ここで、全部またはほとんどのCDR領域は、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、全部またはほとんどのフレーム領域は、ヒト免疫グロブリンの共有配列である。
【0401】
通常、ヒト化抗体は、1つまたは複数の非ヒト由来から導入されたアミノ酸残基を含む。それらの非ヒト由来アミノ酸残基は、通常、「移入」残基と呼ばれ、通常、「移入」可変ドメインに由来する。いくつかの実施例によれば、ヒト化は、基本的にWinterおよびその同僚の以下のような方法に従い(Jones et al.、Nature、321:522~525(1986)、Riechmann et al.、Nature、332:323~327(1988)、Verhoeyen et al.、Science、239:1534~1536(1988))、ヒト抗体の対応する配列を齧歯動物CDRsまたはCDR配列に置換することにより行うことができる。従って、このような「ヒト化」抗体部分(U.S.Patent No.4816567)は、基本的に完全なヒト抗体よりも少なく、その可変ドメインが非ヒト由来の対応する配列によって置換された。実際には、ヒト化抗体部分は、典型的なヒト抗体部分であり、ここで、いくつかのCDR残基および可能ないくつかのフレーム領域残基は、齧歯類抗体における類似部位に由来する残基によって置換される。
【0402】
完全ヒト抗体は、ヒト化の代替方式である。例えば、現在、免疫後に完全な完全ヒト抗体ライブラリーを生成でき、内因性免疫グロブリンを生成しないトランスジーン動物(例えば、マウス)を調製することができる。例えば、キメラおよび種系変異マウスにおける抗体重鎖連結領域(JH)遺伝子のホモ接合体欠失は、内因性抗体の産生を完全に抑制するという報告がある。人種系免疫グロブリン遺伝子アレイを、このような種系変異マウス体内に転移し、抗原の刺激で完全ヒト抗体を産生することができ、例えば、akobovits et al.、PNAS USA、90:2551(1993)、Jakobovits et al.、Nature、362:255~258(1993)、Bruggemann et al.、Year in Immunol.、7:33(1993)、U.S.Patent Nos.5545806、5569825、5591669、5545807、およびWO97/17852を参照する。または、ヒト免疫グロブリン遺伝子座をトランスジーン動物(例えば、内因性免疫グロブリン遺伝子の一部または全部が既にサイレンシングされたマウス)に導入することにより完全ヒト抗体を調製することができる。抗原刺激後、完全ヒト抗体の産生は、遺伝子再配列、組み立ておよび抗体ライブラリーを含むあらゆる面でそのヒトでの産生に非常に類似することが発見できる。このような方法は、例えば、U.S.Patent Nos.5545807、5545806、5569825、5625126、5633425、and 5661016、andMarks et al.、Bio/Technology、10:779~783(1992)、Lonberg et al.、Nature、368:856~859(1994)、Morrison、Nature、368:812~813(1994)、Fishwild et al.、Nature Biotechnology、14:845~851(1996)、Neuberger、Nature Biotechnology、14:826(1996)、Lonberg and Huszar、Intern.Rev.Immunol.、13:65~93(1995)で記述されている。
【0403】
完全ヒト抗体も、体外で活性化されたB細胞(U.S.Patents 5567610および5229275を参照する)により、またはファージ提示ライブラリーのような本分野で知られている様々な技術により産生される。Hoogenboom and Winter、J.Mol.Biol.、227:381(1991)、Marks et al.、J.Mol.Biol.、222:581(1991).Cole et al.およびBoerner et al.らの技術は、完全ヒトモノクローナル抗体の調製にも使用できる。Cole et al.、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss、p.77(1985)and Boerner et al.、J.Immunol.、147(1):86~95(1991)を参照する。
【0404】
抗TSLP抗体変異体
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体の変異体(例えば、全長の抗TSLP抗体)のアミノ酸配列も考慮される。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生物学的活性を改善する必要がある可能性がある。抗体変異体のアミノ酸配列は、抗体をコードするヌクレオチド配列に適当な修飾を導入すること、またはペプチド合成によって調製できる。このような修飾は、例えば、抗体のアミノ酸配列における残基の欠失および/または挿入および/または置換を含む。アミノ酸残基の欠失、挿入および置換のいずれかの組み合わせにより最終的な構築を行い、必要な特徴を持たせることができる。例えば、抗原結合性である。
【0405】
いくつかの実施例において、1つまたは複数のアミノ酸置換を有する抗TSLP抗体変異体を提供する。置換変異の目標部位は、超可変領域(HVRs)およびフレーム領域(FRs)を含む。目標抗体にアミノ酸置換を導入し、改善された生物活性、保持/改善された抗原結合能力、低下した免疫原性、または改善されたADCCもしくはCDCのような必要な活性の生成物を選別することができる。
【0406】
保存的置換は、以下の表4に示されるとおりである。
【0407】
【0408】
側鎖の性質に基づいてアミノ酸を異なる種類に分ける。
a、疎水性アミノ酸:ノルロイシンNorleucine、メチオニンMet、アラニンAla、バリンVal、ロイシンLeu、イソロイシンIle、
b、中性親水性アミノ酸:システインCys、セリンSer、トレオニンThr、アスパラギンAsn、グルタミンGln、
c、酸性アミノ酸:アスパラギン酸Asp、グルタミン酸Glu、
d、塩基性アミノ酸:ヒスチジンHis、リシンLys、アルギニンArg、
e、鎖の方向に影響を及ぼすアミノ酸:グリシンGly、プロリンPro、
f、芳香族アミノ酸:トリプトファンTrp、チロシンTyr、フェニルアラニンPhe。
【0409】
非保存的アミノ酸の置換は、以上の1つの種類を別の種類に置換することを含む。
【0410】
1つの例示的な置換変異体は、親和性が成熟した抗体であり、例えば、ファージ提示を基礎とする親和性成熟技術を採用して容易に産生することができる。簡単に言えば、1つまたは複数のCDR残基を変異させ、変異体抗体部分をファージに示し、特定の生物活性(例えば、TSLP依存性Stat5活性化実験の抑制に基づく生物学的活性または結合親和性)を有する変異体を選別する。HVRs領域で変更(例えば、置換)することができ、例えば、TSLP依存性Stat5活性化実験の抑制に基づく生物学的活性または抗体親和性を改善する。HVRの「ホットスポット領域」で変更することができ、即ち、体細胞の成熟過程において高い頻度で突然変異が発生したコドンによってコードされた残基(例えば、Chowdhury、MethodsMol.Biol.207:179~196(2008)を参照する)、および/または特異的な決定的残基(SDRs)で、得られた変異体VHとVLの結合親和性を検出する。二次ライブラリーから親和性成熟を構築して再選択する方法は、既にいくつかの文献で記述され、例えば、Hoogenboom et al.inMethods inMolecular Biology 178:1~37(O’Brien et al.、ed.、Human Press、Totowa、NJ、(2001))で記述されている。
【0411】
いくつかの親和性成熟の実施例において、多くの方法のいずれか(例えば、間違えやすいPCR、鎖の組み換え、またはオリゴヌクレオチド指定突然変異)により、多様性を選択された親和性成熟用の可変遺伝子に導入する。その後、二次ライブラリーを作成する。該ライブラリーを選別し、必要な親和性を持つ抗体変異体を同定する。多様性を導入する別の方法は、HVRにより媒介される方式を含み、ここで、いくつかのHVR残基(例えば、1度に4~6個の残基)はランダム化される。抗原結合に関するHVR残基は特異的に認識され、例えば、アラニンスキャン変異誘発またはモデリングを採用する。通常、CDR-H3およびCDR-L3領域は、特に重要な標的である。
【0412】
いくつかの実施例において、置換、挿入、または欠失は、このような変更が基本的に抗体結合抗原の能力を低減しない限り、1つまたは複数のHVRs内で発生する可能性がある。例えば、HVRsで基本的に結合親和性を低減しない保存的な変更(例えば、本文に係る保存的置換)を産生することができる。これらの変更は、HVRの「ホットスポット領域」またはSDRs領域外で発生する可能性がある。いくつかの実施例において、上文に係る変異体VHおよびVL配列は、各HVRが変更されていないか、または1つ、2つまたは3つ以下のアミノ酸置換を含む。
【0413】
Cunningham and Wells(1989)Science、244:1081~1085に記載されているように、抗体における標的に突然変異され得るアミノ酸残基または領域を同定できる有用な方法は、「アラニンスキャン変異誘発」と呼ばれる。該方法において、抗体と抗原との相互作用が影響を受けるか否かを確定するために、1つまたは1グループの目標残基(例えば、アルギニン、アスパラギン酸、ヒスチジン、リシン、およびグルタミン酸のような電荷を持つ残基)は、中性または負電荷を持つアミノ酸(例えば、アラニンまたはグルタミン酸)によって置換される。アミノ酸の位置に置換を更に導入し、該位置が初期置換に対して機能感受性を有することを証明する。あるいは/また、抗原-抗体複合体の結晶構造により抗体と抗原との間の接触部位を同定する。これらの接触部位残基および隣接残基は、置換候補物として標的化または除去することができる。変異体を選別し、それらが必要な性質を有するか否かを確定する。
【0414】
アミノ酸配列の挿入は、アミノ基および/またはカルボキシル基末端での融合を含み、長さ範囲は、1つの残基から100個以上の残基までを含むポリペプチドであり、配列内に1つまたは複数のアミノ酸残基を挿入することを更に含む。末端挿入の例は、N末端がメチオニル残基残基を有する抗体を含む。抗体分子の他の挿入変異体は、抗体分子N-末端またはC-末端に1つの酵素(例えば、ADEPT)を融合するか、または抗体血清半減期を増加するポリペプチドを含む。
【0415】
Fc領域変異体
いくつかの実施例において、1つまたは複数のアミノ酸修飾を本文に係る抗体(例えば、全長抗TSLP抗体または抗TSLP抗体融合タンパク質)のFc領域に導入することにより、Fc領域変異体を産生する。いくつかの実施例において、Fc領域変異体は、増強されたADCC効果機能を有し、通常、Fcに結合する受容体(FcRs)に関連する。いくつかの実施例において、Fc領域変異体は、低下したADCC効果機能を有する。Fc配列に関連する変更または突然変異がその効果機能に影響を及ぼす例が多くあり、例えば、WO00/42072およびShields et al.J Biol.Chem.9(2):6591~6604(2001)には、FcRsとの結合が増強または弱まった抗体変異体が記述されている。これらの出版物の内容は引用により本文に援用される。
【0416】
抗体依存性細胞傷害作用(ADCC)は、治療性抗体の腫瘍細胞に対する作用メカニズムである。ADCCは、細胞により媒介される免疫防御であり、標的細胞膜表面の抗原が特異的抗体(例えば、抗TSLP抗体)によって結合されると、免疫システムの効果細胞は、標的細胞(例えば、癌細胞)を積極的に分解する。通常、ADCC効果は、抗体によって活性化されたNK細胞に関する。NK細胞は、Fc受容体CD16を発現する。該受容体は、標的細胞表面に結合する抗体分子のFc部分を認識して結合する。NK細胞表面で最もよく見られるFc受容体は、CD16またはFcγRIIIである。Fc受容体と抗体Fc領域との結合は、NK細胞を活性化し、細胞分解粒子を放出し、その後、標的細胞がアポトーシスする。ADCCの腫瘍細胞に対する殺傷作用は、親和性が高いFcRをトランスフェクションするNK-92細胞の特異的な実験により測定できる。その結果は、FcRを発現しない野生型NK-92と比較する。
【0417】
いくつかの実施例において、本願は、効果機能Fc領域を全部ではなく一部含む抗TSLP抗体変異体(例えば、全長抗TSLP抗体変異体)を更に提供し、これにより、体内で延長された半減期を有するが、特定の効果機能(例えば、CDCまたはADCC)が必須ではなく、または有害であり、このような抗TSLP抗体は、本願の理想的な候補となる。体外および/または体内で細胞傷害性検出を行うことにより、CDCおよび/またはADCC活性の減少/除去を確認する。例えば、Fc受容体(FcR)結合試験により、抗体がFcγR結合能力(従って、ADCC活性が欠乏する可能性がある)が欠乏するが、依然としてFcRnの結合能力を保留することを確認する。ADCCを媒介する主要細胞のうち、NK細胞はFcγRIIIのみを発現する一方、単核細胞は、FcγRI、FcγRIIおよびFcγRIIIを発現する。Ravetch and Kinet Annu.Rev.Immunol.9:457~492(1991)の464ページ目の表3には、FcRの造血細胞での発現がまとめられた。体外で目標分子のADCC活性を評価する非制限的な例は、U.S.Pat.No.5500362で記述されている(例えば、Hellstrom、I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059~7063(1986))and Hellstrom、I et al.、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499~1502(1985)、U.S.Pat.No.5821337(see Bruggemann、M.et al.、J.Exp.Med.166:1351~1361(1987)を参照する)。または、非放射性検出方法を採用することができる(例えば、ACTI(商標)フローサイトメトリー非放射性細胞傷害性検出(CellTechnology、Inc.Mountain View、Calif.)およびCYTOTOX 96(商標)非放射性細胞傷害性検出(Promega、Madison、Wis.)を参照する)。このような検出実験に使用される効果細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)およびナチュラルキラー細胞(NK)を含む。あるいは、また、Clynes et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652~656(1998)に記載されているように、動物モデルのような体内で目標分子のADCC活性を検出する。それとともに、C1q結合試験を行い、抗体がC1qに結合できず、CDC活性を欠いていることを確認することもできる。例えば、WO2006/029879およびWO2005/100402におけるC1qおよびC3cとELISAとの結合を参照する。補体活性化の状況を評価するために、CDC検出を行うことができる(例えば、Gazzano~Santoro et al.、J.Immunol.Methods 202:163(1996)、Cragg、M.S.et al.、Blood 101:1045~1052(2003)、およびCragg、M.S.andM.J.Glennie、Blood 103:2738~2743(2004)を参照する)。本分野で知られている方法でFcRn結合および体内除去/半減期を測定する(例えば、Petkova、S.B.et al.、Int’l.Immunol.18(12):1759~1769(2006)を参照する)。
【0418】
低下した効果機能を有する抗体は、Fc領域残基の238、265、269、270、297、327および329位で1つまたは複数の残基の置換を行ったものを含む(U.S.Pat.No.6737056)。これらのFc変異体は、265、269、270、297および327位で2つまたは複数の残基の置換を行ったFc変異体を含み、265および297位の残基をアラニンに置換した「DANA」と呼ばれるFc変異体を含む(U.S.Pat.No.7332581)。
【0419】
このようなFcRsとの結合能力が向上または低下した抗体変異体は、既に記述されている(例えば、U.S.Pat.No.6737056、WO2004/056312、およびShields et al.、J.Biol.Chem.9(2):6591~6604(2001)を参照する)。
【0420】
いくつかの実施例において、抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)変異体を提供し、ADCC効果を増強できる1つまたは複数のアミノ酸置換を有するFc領域変異体を含む。いくつかの実施例において、Fc領域変異体は、ADCC効果を増強できる1つまたは複数のアミノ置換を含み、これらの置換の位置は、Fc領域の298、333および/または334位(EU残基番号)である。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)変異体は、Fc領域のS298A、E333AおよびK334A位のアミノ酸置換を含む。
【0421】
いくつかの実施例において、Fc領域の変更は、C1q結合および/または補体依存性細胞傷害作用(CDC)の変更(即ち、増強または減弱)を引き起こし、U.S.Pat.No.6194551、WO99/51642、およびIdusogie et al.、J.Immunol.164:4178~4184(2000)における記載を参照する。
【0422】
いくつかの実施例において、抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)変異体を提供し、1つまたは複数のアミノ酸置換を有するFc領域変異体を含み、半減期を延長するおよび/またはFc受容体(FcRn)との結合を増強することができる。延長された半減期および改善されたFcRn結合を有する抗体は、US2005/0014934A1(Hinton等)で記述されている。これらの抗体Fc領域は、1つまたは複数のアミノ酸置換を含み、Fc領域とFcRnとの結合を増強する。これらのFc変異体は、Fc領域で238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424、または434位の残基のうちの1つまたは複数の置換を含み、例えば、Fc領域で434位の残基の置換を含む(U.S.Pat.No.7371826)。
【0423】
それと同時に、Duncan & Winter、Nature 322:738~40(1988)、U.S.Pat.No.5648260、U.S.Pat.No.5624821、およびWO94/29351で提供された他のFc領域変異体の例を参照する。
【0424】
本願は、本文に係るいずれかのFc変異体またはその組み合わせを含む抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を考慮する。
【0425】
グリコシル化変異体
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を変更し、抗TSLP抗体のグリコシル化の程度を増加または低減する。抗TSLP抗体またはそのポリペプチド部分のアミノ酸配列を変更することにより、1つまたは複数のグリコシル化部位を増加または除去し、抗TSLP抗体におけるグリコシル化部位の追加または削除を容易に実現することができる。
【0426】
ここで、抗TSLP抗体は、Fc領域を含み、それに連結された糖を変更することができる。哺乳動物細胞から産生された天然抗体は、通常、分岐の二触角オリゴ糖を含み、該オリゴ糖は、通常、N-連結を介してFc領域のCH2ドメインAsn297に連結し、例えば、Wright et al.、TIBTECH 15:26~32(1997)を参照する。前記オリゴ糖は、様々な糖類を含んでもよく、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトースとシアル酸、および二触角オリゴ糖構造の「茎」部のGlcNAcに連結されたトレハロースを含む。いくつかの実施例において、本願の抗TSLP抗体に対してオリゴ糖修飾を行い、ある改良された特性を持つ抗TSLP抗体変異体を産生することができる。
【0427】
Fc領域のCH2ドメインに連結されたN-ポリ糖はヘテロである。CHO細胞で産生された抗体またはFc融合タンパク質は、フコシルトランフエェラーゼ活性によりフコシル化され、Shoji~Hosaka et al.、J.Biochem.2006、140:777~ 83を参照する。通常、ヒト血清でごく一部の天然に存在する非フコシル化IgGsを検出することができる。Fc領域のN-グリコシル化は、FcγRとの結合に重要であり、フコシル化されていないN-ポリ糖はFcとFcγRIIIaとの結合能力を増強する。FcγRIIIaとの結合能力の増強は、ADCC効果を増強させ、細胞傷害性を必要とするある抗体治療応用で有利である。
【0428】
いくつかの実施例において、Fcにより媒介される細胞傷害作用を必要としない場合、増強された効果機能は有害である可能性がある。いくつかの実施例において、Fc断片またはCH2ドメインは、グリコシル化されていないものである。いくつかの実施例において、CH2ドメインにおけるN-グリコシル化部位を突然変異させることにより、そのグリコシル化を阻止する。
【0429】
いくつかの実施例において、Fc領域を含む抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)変異体を提供し、ここで、Fc領域に連結された糖類構造は、減少されたフコースを有するか、またはフコースを欠き、これは、ADCC機能を増強する可能性がある。具体的には、本文は抗TSLP抗体を提供し、野生型CHO細胞から産生された同じ抗TSLP抗体に対して減少されたフコースを有する。つまり、それらの特徴は、天然CHO細胞(例えば、天然グリコシル化形式を産生するCHO細胞、天然FUT8遺伝子を含むCHO細胞)から産生された抗体と比べ、より少ないフコースを有することである。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体のN-連結ポリ糖は、50%、40%、30%、20%、10%、または5%よりも少ないフコースを有する。例えば、該抗TSLP抗体のフコース含有量は、1%~80%、1%~65%、5%~65%、または20%~40%である可能性がある。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体のN-連結ポリ糖はフコースを含まず、即ち、抗TSLP抗体はフコースを全く含まないか、またはフコースがないか、または脱フコシル化される。WO2008/077546に記載されているように、フコースの含有量は、MALDI-TOF質量分析により測定されたAsn297に連結された全ての糖構造(例えば、複合、ハイブリッド、またはマンノース構造)の総量に対するAsn297に連結された糖鎖内のフコース平均含有量を計算することにより確定される。Asn297とは、Fc領域の297位にあるアスパラギン残基(EU Fc領域残基番号体系)を意味する。しかし、抗体の微小配列の変化により、Asn297は、297位より上流または下流±3つのアミノ酸、即ち、294位と300位の間に位置してもよい。これらのフコシル化変異体は、増強されたADCC機能を有する可能性がある。例えば、USPatent Publication Nos.US2003/0157108(Presta、L.)、US2004/0093621(Kyowa Hakko Kogyo Co.、Ltd)を参照する。「脱フコシル化」または「フコース欠乏」の抗体変異体に関連する出版物の例は、US2003/0157108、WO2000/61739、WO2001/29246、US2003/0115614、US2002/0164328、US2004/0093621、US2004/0132140、US2004/0110704、US2004/0110282、US2004/0109865、WO2003/085119、WO2003/084570、WO2005/035586、WO2005/035778、WO2005/053742、WO2002/031140、Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239~1249(2004)、Yamane~Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)を含む。脱フコシル化抗体を産生できる細胞系は、タンパク質フコシル化機能が欠乏したLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533~545(1986)、USPat Appl No US2003/0157108 A1、Presta、L、およびWO2004/056312 A1、Adams et al.、特に、実施例11)およびα-1,6-フコシルトランフエェラーゼ遺伝子、FUT8遺伝子がノックアウトされたCHO細胞のような遺伝子がノックアウトされた細胞系を含む(Yamane~Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)、Kanda、Y.et al.、Biotechnol.Bioeng.、94(4):680~688(2006)、およびWO2003/085107を参照する)。
【0430】
抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)変異体は、更に、二等分オリゴ糖に関し、例えば、ここで、抗TSLP抗体のFc領域に連結された二触角オリゴ糖はGlcNAcによって等分される。このような抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)変異体は、減少されたフコシル化および/または増強されたADCC機能を有する可能性がある。このような抗体変異体の例は、WO2003/011878(JeaN-Mairet et al.)、U.S.Pat.No.6602684(Umana et al.)、US2005/0123546(Umana et al.)、およびFerrara et al.、Biotechnology and Bioengineering、93(5):851~861(2006)で記述されている。抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)変異体を更に提供し、Fc領域に連結されたオリゴ糖で少なくとも1つのガラクトース残基を有する。このような抗TSLP抗体変異体は、増強されたCDC機能を有する。このような変異体は、例えば、WO1997/30087(Patel et al.)、WO1998/58964(Raju、S.)、およびWO1999/22764(Raju、S.)で記述されている。
【0431】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)変異体は、FcγRIIIに結合できるFc領域を含んでもよい。いくつかの実施例において、Fc領域を含む前記抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)変異体は、ヒト効果細胞(例えば、T細胞)の存在下でADCC活性を有するか、またはヒト野生型IgG1のFc領域を有する他の同じ抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)と比べ、ヒト効果細胞の存在下で、増強されたADCC活性を有する。
【0432】
システインエンジニアード変異体
いくつかの実施例において、システインがエンジニアードされた抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を調製する必要があり、該抗体において、1つまたは複数のアミノ酸残基がシステイン残基によって置換される。いくつかの実施例において、置換残基は抗TSLP抗体の到達可能な部位に現れる。システインを用いてそれらの残基を置換することにより、活性を有するメルカプト基は、抗TSLP抗体の到達可能な部位に位置し、該抗TSLP抗体と薬剤部分またはリンカー-薬剤部分のような他の部分とを結合し、本文に更に記述されている抗TSLP免疫複合体を調製することに使用できる。システインがエンジニアードされた抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)は、例えば、U.S.Pat.No.7521541の記載に従って調製することができる。
【0433】
誘導体
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)は、本分野で知られて容易に入手できる他の非タンパク質部分を含むように、更に修飾できる。抗TSLP抗体の誘導化に適用される部分は、水溶性ポリマー含むが、これらに限定されない。水溶性ポリマーの非制限的な例は、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコール共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸(単独重合体、またはランダム共重合体)、デキストランまたはポリ(N-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコール単独重合体、プロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチレン化ポリオール(例えば、グリセリン)、ポリビニルアルコール、およびその混合物を含むが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中での安定性により、製造で優位である。ポリマーは、任意の分子量を有してもよく、分岐鎖または非分岐鎖であってもよい。抗TSLP抗体に連結されたポリマー数は変化でき、且つ、1つ以上の多量体に連結している場合、それらは同じまたは異なる分子であってもよい。通常、誘導化用のポリマーの数および/またはタイプは、以下の考慮要素に基づいて確定でき、改良する必要のある抗TSLP抗体の特性または機能、抗TSLP抗体誘導体が特定条件での治療に使用されるか否か等を含むが、これらに限定されない。
【0434】
医薬組成物
本文は、いずれかの抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)、抗体をコードする核酸、抗体をコードする核酸を含むベクター、あるいは本文に係る核酸またはベクターを含む宿主細胞を含む組成物(例えば、医薬組成物、ここでは製剤とも呼ばれる)を更に提供する。いくつかの実施例において、本文に係るいずれかの抗TSLP抗体および医薬的に許容されるベクターを含む医薬組成物を提供する。
【0435】
必要な純度を有する抗TSLP抗体、任意の医薬的に許容されるベクター、賦形剤、または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition、Osol、A.Ed.(1980))を混合することにより、適当な抗TSLP抗体製剤を取得することができ、凍結乾燥製剤または液体製剤形式に調製する。許容されるベクター、賦形剤、または安定化剤は、使用用量および濃度で被験者に無毒であり、リン酸塩、クエン酸および他の有機酸のような緩衝剤と、アスコルビン酸およびメチオニンを含む酸化防止剤と、防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、塩化ヘキサメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニム、フェノール、ブタノールまたはベンジルアルコール、パラヒドロキシ安息香酸メチルまたはパラヒドロキシ安息香酸プロピルのようなパラヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノールおよびm-クレゾール)と、低分子量(10個の残基よりも少ない)のポリペプチドと、血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンのようなタンパク質と、ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマーと、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリシンのようなアミノ酸と、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む単糖、二糖および他の炭水化物と、EDTAのようなキレート剤と、ショ糖、マンニトール、トレハロース、またはソルビトールのような糖類と、ナトリウムのような造塩対イオンと、金属複合体(例えば、亜鉛-タンパク質複合体)と、および/または、TWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)、またはポリエチレングリコール(PEG)のような非イオン界面活性剤とを含む。例示的な製剤は、WO98/56418に記載されているように、引用により明確に本文に援用される。皮下投与に適した凍結乾燥製剤は、WO97/04801で記述されている。このような凍結乾燥製剤は、適当な希釈剤により高いタンパク質濃度の製剤に再構成し、且つ、再構成した製剤は、皮下投与の方式で本文における治療待ち個体に投与することができる。カチオンリポソームまたはリポソームは、本願における抗TSLP抗体を細胞に送達することに使用できる。
【0436】
本文に係る製剤は、抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)に加え、特定の病態の治療に必要な1種または複数種の他の活性物質を更に含んでもよく、活性相補性を有して互いに不良反応のない物質が好ましい。例えば、抗TSLP抗体に加え、例えば、別のTSLP拮抗薬、吸入、鼻内、または胃腸外皮質ステロイド、気管支拡張剤、抗ロイコトリエン拮抗薬、または抗ヒスタミン剤、またはその組み合わせ、または抗腫瘍剤、成長抑制剤、細胞傷害性剤、または化学療法剤を更に含む必要がある可能性がある。これらの分子は、予想される目的に有効な量で組み合わせられて存在する。他のこれらの物質の有効量は、製剤中の抗TSLP抗体の含有量、疾患または病態または治療のタイプ、および上記他の要素に依存する。これらの薬剤は、通常、本文に係る同じ用量および投与経路で使用されるか、または現在の用量の1%~99%で使用される。
【0437】
前記抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)は、例えば、凝集技術および界面重合により調製されたマイクロカプセルに包埋されてもよく、例えば、それぞれコロイド薬剤送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子およびナノカプセル)内または粗エマルジョン内のヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ(メタクリレート)マイクロカプセルに包埋されてもよい。徐放製剤を調製することができる。
【0438】
抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)の徐放製剤を調製することができる。徐放製剤の適当な例は、抗体(またはその断片)を含む固体疎水性ポリマーの半透過性基質を含み、これらの基質は、成形品の形式であり、例えば、薄膜またはマイクロカプセルである。徐放基質の例は、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸(U.S.Pat.No.3773919)、L-グルタミン酸とL-グルタミン酸エチルの共重合体、分解不可能なエチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)(乳酸-グリコール酸共重合体および酢酸ブリタニンで構成された注射可能なマイクロスフェア)のような分解可能な乳酸-グリコール酸共重合体、およびポリ-D(-)-3-ヒドロキシ酪酸である。エチレン-酢酸ビニルおよび乳酸-グリコール酸のようなポリマーは、分子の放出を100日以上にすることができるが、あるヒドロゲルは、より短い時間内でタンパク質を放出することができる。内包された抗体は体内で長時間滞在する場合、それらは、37℃の湿った環境に暴露されるため、変性または凝集を起こり、生物活性の喪失または免疫原性の変更を引き起す可能性がある。対応するメカニズムに応じ、合理的な策略を設計して抗TSLP抗体を安定化することができる。例えば、凝集メカニズムがチオジスルフィドの交換により分子間S-S結合を形成することを発見した場合、メルカプト基残基を修飾し、酸性溶液で凍結乾燥し、含水量を制御し、適当な添加剤を使用し、特定のポリマー基質組成物を開発することにより、安定化を実現することができる。
【0439】
いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)は、クエン酸塩、塩化ナトリウム、酢酸塩、コハク酸塩、グリシン、ポリソルベート80(Tween80)、または上記任意の組み合わせを含む緩衝液に調製される。
【0440】
体内投与用の製剤は、必ず無菌である。これは、例えば、無菌濾過膜で濾過することにより容易に実現することができる。
【0441】
抗TSLP抗体を用いた治療方法
抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)および/または本願に係る組成物は、個体(例えば、ヒトのような哺乳動物)に投与されてTSLPシグナル伝達に関連する疾患および/または病態を治療することができる。これらの疾患は、喘息、特発性肺線維症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、Netherton症候群、好酸食道炎(EoE)、食物アレルギー、アレルギー性下痢、好酸胃腸炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、癌、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症、ケロイド、潰瘍性大腸炎、慢性鼻-副鼻腔炎(CRS)、鼻茸、慢性好酸肺炎、好酸気管支炎、セリアック病、Churg-Strauss症候群、好酸筋痛症候群、好酸球増加症候群、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、および炎症性腸疾患を含むが、これらに限定されない。従って、いくつかの実施例において、本願は、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患または病態の治療方法を提供し、該個体に有効量の組成物(例えば、医薬組成物)を投与することを含み、該組成物は、抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)、本文に係るいずれかの抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む。いくつかの実施例において、該個体はヒトである。
【0442】
例えば、いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SGYGWS(SEQ ID NO:1)を含むHC-CDR1、YX1SYYGSX2SYNPSLKS(SEQ ID NO:103)を含むHC-CDR2(ただし、X1はIまたはFであり、X2はIまたはTである)、およびTNLLYFX1X2(SEQ ID NO:104)を含むHC-CDR3(ただし、X1はDまたはEであり、X2はSまたはYである)を含むVHと、RASQX1X2SX3X4LA(SEQ ID NO:105)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はGまたはSであり、X2はVまたはIであり、X3はNまたはSであり、およびX4はNまたはYである)、DX1SX2X3X4X5(SEQ ID NO:106)を含むLC-CDR2(ただし、X1はAまたはTであり、X2はSまたはNであり、X2はSまたはNであり、X4はAまたはQであり、およびX5はTまたはSである)、およびQQYSX1WPX2YX3(SEQ ID NO:107)を含むLC-CDR3(ただし、X1はDまたはNであり、X2はQまたはEであり、およびX3はTまたはSである)を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は全長抗体である。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4抗体である。いくつかの実施例において、疾患または病態は、喘息、特発性肺線維症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、Netherton症候群、好酸食道炎(EoE)、食物アレルギー、アレルギー性下痢、好酸胃腸炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、癌、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症、ケロイド、潰瘍性大腸炎、慢性鼻-副鼻腔炎(CRS)、鼻茸、慢性好酸肺炎、好酸気管支炎、セリアック病、Churg-Strauss症候群、好酸筋痛症候群、好酸球増加症候群、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、および炎症性腸疾患からなるグループから選ばれる。いくつかの実施例において、前記個体はヒトである。
【0443】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NO:1で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:7~9のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:16~18のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、SEQ ID NOs:25~28のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:39~41のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:50~53のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0444】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:65~72のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:65~72のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:84~90のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはSEQ ID NOs:84~90のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するその変異体と、を含む。
【0445】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0446】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:7を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:50を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0447】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域はアミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0448】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:65を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0449】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0450】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:66を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0451】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0452】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:67を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0453】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:84を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0454】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:68を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:85を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0455】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:25を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:51を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0456】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:86を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0457】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:17を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:26を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:40を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:52を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0458】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:70を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:87を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0459】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:41を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:52を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0460】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:69を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:88を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0461】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:9を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:16を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:28を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:52を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0462】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:71を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:89を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0463】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:1を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:8を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:18を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:27を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:39を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:53を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0464】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:72を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:90を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0465】
例えば、いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SYGIX1(SEQ ID NO:108)を含むHC-CDR1(ただし、X1はNまたはSである)、VIX1PLX2X3VX4X5YAEKFQG(SEQ ID NO:109)を含むHC-CDR2(ただし、X1はVまたはIであり、X2はVまたはLであり、X3はGまたはDであり、X4はTまたはPであり、およびX5はIまたはNである)、およびGX1EYFYWYFDL(SEQ ID NO:110)を含むHC-CDR3(ただし、X1はQまたはAである)を含むVHと、X1GX2X3SDIGGYX4RVS(SEQ ID NO:111)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はSまたはTであり、X2はSまたはTであり、X3はS、T、IまたはNであり、およびX4はNまたはDである)、X1X2X3KRX4S(SEQ ID NO:112)を含むLC-CDR2(ただし、X1はD、GまたはEであり、X2はV、FまたはIであり、X3はSまたはNであり、およびX4はPまたはSである)、およびX1SYAX2X3X4X5FX6X7(SEQ ID NO:113)を含むLC-CDR3(ただし、X1はSまたはTであり、X2はGまたはSであり、X3はTまたはGであり、X4はDまたはHであり、X5はTまたはIであり、X6はI、G、V、またはAであり、およびX7はL、I、またはFである)を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は全長抗体である。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4抗体である。いくつかの実施例において、疾患または病態は、喘息、特発性肺線維症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、Netherton症候群、好酸食道炎(EoE)、食物アレルギー、アレルギー性下痢、好酸胃腸炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、癌、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症、ケロイド、潰瘍性大腸炎、慢性鼻-副鼻腔炎(CRS)、鼻茸、慢性好酸肺炎、好酸気管支炎、セリアック病、Churg-Strauss症候群、好酸筋痛症候群、好酸球増加症候群、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、および炎症性腸疾患からなるグループから選ばれる。いくつかの実施例において、前記個体はヒトである。
【0466】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:2~3のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:10~12のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:19~20のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、SEQ ID NOs:29~34のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:42~47のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:54~60のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0467】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:73~78のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:73~78のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:91~97のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはSEQ ID NOs:91~97のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。
【0468】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0469】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:29を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:54を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0470】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0471】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:74を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0472】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:75を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:91を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0473】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:30を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:43を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:55を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0474】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:92を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0475】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:44を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:56を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0476】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:93を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0477】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:2を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:32を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:57を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0478】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:73を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:94を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0479】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:11を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:33を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:58を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0480】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:76を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:95を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0481】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:10を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:19を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:46を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:59を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0482】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:77を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:96を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0483】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:3を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:12を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:20を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:34を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:47を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:60を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0484】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:78を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:97を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0485】
例えば、いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、NYX1MT(SEQ ID NO:114)を含むHC-CDR1(ただし、X1はDまたはGである)、SITFASSYIYYADSVKG(SEQ ID NO:13)を含むHC-CDR2、およびGGGAYX1GGSLDV(SEQ ID NO:115)を含むHC-CDR3(ただし、X1はHまたはYである)を含むVHと、RSSQSLLHX1X2X3YTYLH(SEQ ID NO:116)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はIまたはSであり、X2はNまたはYであり、X3はGおよびEである)、LVSX1RAS(SEQ ID NO:117)を含むLC-CDR2(ただし、X1はHまたはYである)、およびEQTLQTPX1X2(SEQ ID NO:118)を含む(ただし、X1はYまたはFであり、X2はSまたはTである)LC-CDR3を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は全長抗体である。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4抗体である。いくつかの実施例において、疾患または病態は、喘息、特発性肺線維症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、Netherton症候群、好酸食道炎(EoE)、食物アレルギー、アレルギー性下痢、好酸胃腸炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、癌、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症、ケロイド、潰瘍性大腸炎、慢性鼻-副鼻腔炎(CRS)、鼻茸、慢性好酸肺炎、好酸気管支炎、セリアック病、Churg-Strauss症候群、好酸筋痛症候群、好酸球増加症候群、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、および炎症性腸疾患からなるグループから選ばれる。いくつかの実施例において、前記個体はヒトである。
【0486】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:4~5のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NO:13で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:21~22のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、SEQ ID NOs:35~37のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:48~49のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:61~63のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0487】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:79~81のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:79~81のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:98~100のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはSEQ ID NOs:98~100のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。
【0488】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0489】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:21を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:35を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:61を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0490】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:79を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:98を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0491】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:4を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:36を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:48を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:62を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0492】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:80を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:99を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0493】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:5を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:13を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:22を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:37を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:49を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:63を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0494】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:81を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:100を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0495】
例えば、いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SYAIS(SEQ ID NO:6)を含むHC-CDR1、MX1X2PLLGVTX3YAEKFQG(SEQ ID NO:119)を含むHC-CDR2(ただし、X1はLまたはIであり、X2はVまたはIであり、およびX3はNまたはDである)、およびGGX1NYLYWYFDL(SEQ ID NO:120)を含むHC-CDR3(ただし、X1はSまたはTであり)を含むVHと、TGTSSDIGGYNRX1S(SEQ ID NO:121)を含む軽鎖相補決定領域(LC-CDR)1(ただし、X1はVまたはIである)、X1VSKRPS(SEQ ID NO:122)を含むLC-CDR2(ただし、X1はDまたはEである)、およびSX1YAGTDTFVL(SEQ ID NO:123)を含むLC-CDR3(ただし、X1はSまたはAである)を含む軽鎖可変ドメイン(VL)と、を含む。いくつかの実施例において、前記抗TSLP抗体は全長抗体である。いくつかの実施例において、前記全長抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4抗体である。いくつかの実施例において、疾患または病態は、喘息、特発性肺線維症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、Netherton症候群、好酸食道炎(EoE)、食物アレルギー、アレルギー性下痢、好酸胃腸炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、癌、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症、ケロイド、潰瘍性大腸炎、慢性鼻-副鼻腔炎(CRS)、鼻茸、慢性好酸肺炎、好酸気管支炎、セリアック病、Churg-Strauss症候群、好酸筋痛症候群、好酸球増加症候群、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、および炎症性腸疾患からなるグループから選ばれる。いくつかの実施例において、前記個体はヒトである。
【0496】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NO:6で示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR1、SEQ ID NOs:14~15のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR2、およびSEQ ID NOs:23~24のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、SEQ ID NOs:31および38のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR1、SEQ ID NOs:42および45のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR2、およびSEQ ID NOs:60および64のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0497】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、SEQ ID NOs:82~83のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVH、またはSEQ ID NOs:82~83のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVHの変異体と、SEQ ID NOs:101~102のいずれかで示されるアミノ酸配列を含むVL、またはSEQ ID NOs:101~102のいずれかのアミノ酸配列と少なくとも約90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%)の配列同一性を有するVLの変異体と、を含む。
【0498】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0499】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:14を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:23を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:38を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:42を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:60を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0500】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:82を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:101を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0501】
いくつかの実施例において、個体におけるTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患および/または病態の治療方法を提供し、前記個体に有効量の抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、前記抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:6を含むHC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:15を含むHC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NO:24を含むHC-CDR3を含むVH、またはそのHC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VHの変異体と、アミノ酸配列SEQ ID NO:31を含むLC-CDR1、アミノ酸配列SEQ ID NO:45を含むLC-CDR2、およびアミノ酸配列SEQ ID NOs:64を含むLC-CDR3を含むVL、またはそのLC-CDRsに最大約5つのアミノ酸の置換が含まれる前記VLの変異体と、を含む。
【0502】
いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、アミノ酸配列SEQ ID NO:83を含むVHと、アミノ酸配列SEQ ID NO:102を含むVLとを含む。いくつかの実施例において、本文に係る抗TSLP抗体は、IgG1またはIgG4定常領域を含む全長抗TSLP抗体である。いくつかの実施例において、前記IgG1はヒトIgG1である。いくつかの実施例において、前記IgG4はヒトIgG4である。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:124を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、重鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:125を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:126を含むか、またはそれによって構成される。いくつかの実施例において、軽鎖定常領域は、アミノ酸配列SEQ ID NO:127を含むか、またはそれによって構成される。
【0503】
いくつかの実施例において、前記個体は、哺乳動物(例えば、ヒト、非ヒト霊長類、ラット、マウス、牛、馬、ブタ、ヒツジ、ヤギ、犬、猫等)である。いくつかの実施例において、前記個体はヒトである。いくつかの実施例において、前記個体は、臨床患者、臨床試験ボランティア、実験動物等である。いくつかの実施例において、前記個体の年齢は60歳よりも小さい(例えば、50、40、30、25、20、15、または10歳よりも小さい)。いくつかの実施例において、前記個体の年齢は、60歳よりも大きい(例えば、70、80、90、または100歳よりも大きいことを含む)。いくつかの実施例において、前記個体は、遺伝的に本文に係る1種または複数種の疾患または病態(例えば、炎症性疾患)に罹患しやすいと診断される。いくつかの実施例において、前記個体は、本文に係る1種または複数種の疾患または病態に関連する1種または複数種のリスク因子を有する。
【0504】
いくつかの実施例において、本願は、個体における表面でTSLPを発現する細胞に抗TSLP抗体(例えば、本文に係るいずれかの抗TSLP抗体、例えば、分離された抗TSLP抗体)を送達する方法を提供し、前記方法は、該個体に抗TSLP抗体を含む組成物を投与することを含む。
【0505】
炎症性疾患または任意の他のTSLPシグナル伝達に関連する疾患の多くの診断方法およびこれらの疾患の臨床記述は、本分野で知られている。このような方法は、例えば、免疫組織化学、PCRおよび蛍光in situハイブリダイゼーション法(FISH)を含むが、これらに限定されない。
【0506】
いくつかの実施例において、本願に係る抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)および/または組成物は、第2、第3、または第4薬剤(例えば、吸入、鼻内、または胃腸外皮質ステロイド、気管支拡張剤、抗ロイコトリエン拮抗薬、または抗ヒスタミン剤を含む)と併用してTSLPシグナル伝達に関連する疾患または病態を治療する。
【0507】
例えば、喘息は、よく見られる慢性気道炎症性疾患であり、その特徴は、症状の多くの変化、繰り返しの発作、可逆的な気流閉塞、および気管支痙攣である。よく見られる症状は、喘鳴、咳、息苦しさ、および息切れを含む。喘息は、遺伝と環境要因の両方に起因すると考えられ、主に気管支拡張剤を使用するおよび皮質ステロイドを吸入または経口投与することにより制御される。
【0508】
治療の目標は、喘息を長期間制御し、症状を軽減し、正常な活動レベルを維持し、病状の悪化を防止し、肺機能の喪失を防止することである。症状の重症度、健康診断の結果およびある患者の1秒量(FEV1)、または呼気流速のピーク値に基づいて治療し始める。2007年、国家喘息教育・予防プログラム(NAEPP)専門家グループレポート-3(EPR-3)は、喘息重症度分類の詳細を提案した。
【0509】
いくつかの実施例において、2007年国家喘息教育・予防プログラム(NAEPP)専門家グループレポート-3(EPR-3)に基づいて治療効果を測定し、症状頻度、FEV1、または喘息コントロールテスト(ACTスコア、喘息コントロールを評価するためによく使用される検証アンケート)を用いて喘息コントロールを分類する。
【0510】
抗TSLP抗体の投与量および方法
個体(例えば、ヒト)に投与される抗TSLP抗体(例えば、分離された抗TSLP抗体)組成物の用量は、特定の組成物、投与方式および治療する疾患のタイプによって異なる可能性がある。いくつかの実施例において、組成物(例えば、分離された抗TSLP抗体の組成物を含む)の量は、炎症性疾患の治療で客観的な応答(例えば、部分的な応答または完全な応答)を効果的に産生することができる。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体組成物の量は、個体で完全な応答を産生するのに十分である。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体組成物の量は、個体で部分的な応答を産生するのに十分である。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体組成物の投与量(例えば、単独投与の場合)は、抗TSLP抗体組成物を使用して治療した個体団体で20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、64%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%よりも高い総応答率を産生するのに十分である。本文に係る治療方法に対する個体の応答は、例えば、ACTスコアに基づいて確定できる。
【0511】
いくつかの実施例において、組成物(例えば、分離された抗TSLP抗体を含む組成物)の量は、症状を制御して個体病状が悪化するリスクを低減するのに十分である。いくつかの実施例において、組成物の量は、症状を制御して個体病状が悪化するリスクを低減するのに十分である。いくつかの実施例において、抗TSLP抗体組成物を用いて治療した個体団体では、組成物の量(例えば、単独投与の場合)は、50%、60%、70%、または77%よりも高い臨床的有用性を産生するのに十分である。
【0512】
いくつかの実施例において、組成物(例えば、分離された抗TSLP抗体を含む組成物)の量は、単独で使用する場合、または第2、第3および/または第4薬剤と併用する場合、同じ被験者の治療前と比べ、または治療を受けていない他の被験者の対応する活性と比べ、症状を制御して個体病状が悪化するリスクを低減するのに十分である。精製された酵素の体外検出、細胞に基づく検出、動物モデルまたは人体試験のような標準方法を用いて該治療効果の大きさを測定することができる。
【0513】
いくつかの実施例において、組成物を個体に投与すると、組成物における抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)の量は、毒性効果(即ち、臨床的に許容される毒性レベルよりも高い効果)を引き起こすレベルよりも低く、または潜在的な副作用が制御できるまたは耐えられるレベルにある。
【0514】
いくつかの実施例において、同じ投与形態に準じ、組成物の量は、組成物の最大耐量(MTD)に近い。いくつかの実施例において、組成物の量は、MTDの80%、90%、95%、または98%よりも高い。
【0515】
いくつかの実施例において、組成物内の抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)の含有量は、0.001μg~1000μgの範囲内にある。
【0516】
上述したいずれかの実施例において、組成物内のTSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)の有効量は、体重で0.1μg/kg~100Mg/kgの範囲内にある。
【0517】
抗TSLP抗体組成物は、例えば、静脈注射、動脈内投与、腹腔注射、肺内投与、経口投与、吸入投与、血管内投与、筋肉注射、気管内投与、皮下注射、眼内投与、鞘内投与、粘膜投与、または経皮投与を含む様々なルートを介して個体(例えば、ヒト)に投与することができる。いくつかの実施例において、組成物の徐放製剤を使用する。いくつかの実施例において、組成物は、静脈投与される。いくつかの実施例において、組成物は、口内投与される。いくつかの実施例において、組成物は、動脈投与される。いくつかの実施例において、組成物は、腹膜内投与される。いくつかの実施例において、組成物は、肝内投与される。いくつかの実施例において、組成物は、肝動脈注射で投与される。いくつかの実施例において、組成物は、第1病巣から離れた部位に投与される。
【0518】
製品および試薬キット
本願のいくつかの実施例において、製品を提供し、前記製品は、TSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患または病態を治療すること、または抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を表面でTSLPを発現する細胞に送達することに使用できる物質を含む。前記製品は、容器、および容器上にあるまたは該容器に付属されるラベルもしくは包装説明書を含む。適当な容器は、例えば、ボトル、バイアル、注射器等を含む。容器は、ガラス、またはプラスチックのような様々な材料で作製できる。通常、該容器内に、本文に係る疾患または病態を効果的に治療できる組成物が収容され、且つ、1つの無菌ポート(例えば、該容器は、1つの静脈輸液バッグ、または1つの皮下注射針で刺通可能な蓋を有するバイアルであってもよい)を有する。組成物内の少なくとも1つの活性物質は、本願に係る抗TSLP抗体である。ラベルまたは包装説明書には、該組成物が治療に使用可能な特定の病態が示されている。ラベルまたは包装説明書は、患者に抗TSLP抗体組成物を投与する説明書を更に含む。併用療法を含む製品および試薬キットは、いずれも本文の考慮範囲内にある。
【0519】
包装説明書とは、通常、治療製品の商業包装内に含まれる説明書を意味し、これらの治療製品の使用に関連する適応症、使用方法、用量、投与、禁忌症および/または警告に関する情報を含む。いくつかの実施例において、包装説明書には、該組成物がTSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患または病態の治療に使用できることが明記されている。いくつかの実施例において、包装説明書には、該組成物が喘息、特発性肺線維症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、Netherton症候群、好酸食道炎(EoE)、食物アレルギー、アレルギー性下痢、好酸胃腸炎、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、アレルギー性真菌性副鼻腔炎、癌、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、全身性硬化症、ケロイド、潰瘍性大腸炎、慢性鼻-副鼻腔炎(CRS)、鼻茸、慢性好酸肺炎、好酸気管支炎、セリアック病、Churg-Strauss症候群、好酸筋痛症候群、好酸球増加症候群、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、および炎症性腸疾患からなるグループから選ばれる疾患または病態の治療に使用できることが明記されている。
【0520】
また、前記製品は、第2容器を更に含んでもよく、抑菌性注射用水(BWFI)、リン酸塩緩衝液、リンゲル液、またはグルコース溶液のような医薬的に許容される緩衝液を含む。他の緩衝液、希釈液、フィルタ、針および注射器を含む商業およびユーザの角度から必要な他の材料を更に含んでもよい。
【0521】
それと同時に、様々な目的に使用できる試薬キットを更に提供し、例えば、TSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患または病態を治療すること、または抗TSLP抗体(例えば、全長抗TSLP抗体)を表面でTSLPを発現する細胞に送達することに使用され、オプションとして、製品と組み合わせる。本願の試薬キットは、抗TSLP抗体組成物(または単位投与量形式および/または製品)を含む1つまたは複数の容器を含み、且つ、いくつかの実施例において、別の薬剤(例えば、本文に係る薬剤)および/または本文に係るいずれかの方法に一致する使用説明書を更に含む。該試薬キットは、治療に適用した個体を選択する記述を更に含む。本願における試薬キットに付属された使用説明書は、通常、ラベルまたは包装説明書上の書面による説明(例えば、試薬キット内に含まれる紙のページ)であり、機械で読み取り可能な説明(例えば、磁気または光記憶ディスク上の説明)も受け入れられる。
【0522】
例えば、いくつかの実施例において、試薬キットは、抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)を含む組成物を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)本文に係るいずれかの抗TSLP抗体を含む組成物と、b)抗TSLP抗体の効果(例えば、治療効果、検出効果)を増強できる少なくとも1つの有効量の他の薬剤と、を含む。いくつかの実施例において、試薬キットはa)本文に係るいずれかの抗TSLP抗体を含む組成物と、b)TSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患または病態を治療するために個体に抗TSLP抗体組成物を投与する使用説明書と、を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)本文に係るいずれかの抗TSLP抗体を含む組成物と、b)抗TSLP抗体の効果(例えば、治療効果、検出効果)を増強できる少なくとも1つの有効量の他の薬剤と、c)TSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患または病態を治療するために個体に抗TSLP抗体組成物および他の物質を投与する使用説明書と、を含む。前記抗TSLP抗体および他の薬剤は、独立した容器または同じ容器に存在することができる。例えば、該試薬キットは、特定の組成物または2種以上の組成物を含んでもよく、ここで、組成物は抗TSLP抗体を含み、別の組成物は別の薬剤を含む。
【0523】
いくつかの実施例において、試薬キットは、抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)をコードする1つ(または1グループ)の核酸を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)をコードする1つ(または1グループ)の核酸と、b)1つ(または1グループ)の核酸を発現する宿主細胞と、を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)をコードする1つ(または1グループ)の核酸と、b)使用説明書であって、i)宿主細胞で抗TSLP抗体を発現することと、ii)抗TSLP抗体を含む組成物を調製することと、iii)TSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患または病態を治療するために個体に抗TSLP抗体を含む組成物を投与することとに適用される使用説明書と、を含む。いくつかの実施例において、試薬キットは、a)抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)をコードする1つ(または1グループ)の核酸と、b)1つ(または1グループ)の核酸を発現する宿主細胞と、c)使用説明書であって、i)宿主細胞で抗TSLP抗体を発現することと、ii)抗TSLP抗体を含む組成物を調製することと、iii)TSLPシグナル伝達(例えば、炎症性疾患)に関連する疾患または病態を治療するために個体に抗TSLP抗体を含む組成物を投与することとに適用される使用説明書と、を含む。
【0524】
本願に係る試薬キットは、適当な形式で包装される。適当な包装は、バイアル、ボトル、広口瓶、軟包装(例えば、密封されたポリエステルフィルムまたはビニル袋)等を含むが、これらに限定されない。試薬キットは、オプションとして、緩衝液および説明情報のような任意の他の成分を提供することができる。従って、本願は、バイアル(例えば、密封されたバイアル)、ボトル、広口瓶、軟包装等を含む製品を更に提供する。
【0525】
抗TSLP抗体組成物に関する使用説明書は、通常、用量、投与周期および投与経路のようないくつかの情報を含む。容器は、単位用量のもの、大包装のもの(例えば、複数用量の包装)、またはサブユニット用量のものであってもよい。例えば、本文に係る抗TSLP抗体(例えば、全長の抗TSLP抗体)を十分に含む試薬キットを提供し、個体を、1週間、8日、9日、10日、11日、12日、13日、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月またはそれ以上の時間のような長期間かつ効果的に治療する。試薬キットは、複数の単位用量の抗TSLP抗体、医薬組成物および使用説明書を更に含んでもよく、且つ、病院薬局および調剤薬局のような薬局での保存および使用に十分な量で包装される。
【0526】
当業者は、本願の範囲および趣旨内の可能な複数の実施例を認識する。現在、以下の非制限的な実施例を参照することで、本願をより詳細に記述する。以下の実施例は、本願を更に明らかにするが、いかなる方式でその範囲を制限するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0527】
実施例1:組換えヒトTSLPを調製し、抗TSLPの一本鎖抗体(scFv)を選別した
組換えTSLPの調製
ヒトTSLP全長配列(以下、hTSLPと略称する)を合成(ジェンスクリプト、南京)し、且つ、大腸菌または哺乳動物細胞でヒトTSLP全長配列を発現した。ヒトTSLPのアミノ酸配列が1つの独特のアミノ酸配列を含み、該配列が1つのフューリン切断部位を含むことを発見した。ヒトTSLPフューリン切断部位を失活させるために、293F細胞でR127AおよびR130S突然変異を有するヒトTSLP(SEQ ID NO:129)を発現した。His-tag、マウスFC-tag、ヒトFC-tag、Avi-tag、または他の常用のタグを用いてヒトTSLPを標識した。his標識TSLP、N末端またはC末端aiv-His標識TSLP、mFc標識TSLPおよびhFc標識TSLP(それぞれTSLP-His、Avi-His-TSLP、TSLP-Avi-His、TSLP-mFcおよびTSLP-hFcで表す)を含む様々な形式の組換えTSLPを産生した。「hisまたはHis」はHis-tagを表し、「mFc」はマウスFC-tagを表し、「hFc」はヒトFC-tagを表し、および「Avi」はAvi-tagを表した。
【0528】
また、組換えカニクイザルTSLP(GeneBankによると、登録番号EHH26699.1)(ジェンスクリプト、南京)を合成し、293F細胞でR127AおよびR130S突然変異を有する前記組換えカニクイザルTSLPを発現した。
【0529】
メーカの操作説明書に従い、ヒトまたはカニクイザルTSLP-His、Avi-His-TSLP、TSLP-Avi-His、TSLP-mFcおよびTSLP-hFcを含む組換えTSLPを発現して精製した。簡単に言えば、293F細胞をそれぞれ発現ベクターでトランスフェクションし、上記細胞を37℃、5%のCO2および120rpm条件で5日間培養した。細胞培養液を収集し、メーカの操作説明書に基づき、Ni SepharoseカラムでTSLPタンパク質を精製した。具体的には、Qiagen Ni-NTAスーパーフローカラムで固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー(IMAC)分析を行った。まず、緩衝液A1(50mMのNa3PO4、0.15MのNaCl、pH7.2)でカラムを平衡させ、流速が150cm/hであった。培地の上清(pHを7.2に調整した)が150cm/hの速度で室温(RT)にてカラムを通過した。その後、緩衝液A1(6倍のカラム体積)でカラムを平衡させ、流速が150cm/hであった。10倍のカラム体積の50mMのPB溶液(0.15MのNaClおよび0.2Mのイミダゾール、pH7.2)でカラムを洗浄して溶出液を収集した。
【0530】
メーカのガイドラインにより提供された操作説明書に基づいてFC-tagを発現したタンパク質を精製した。簡単に言えば、まず、50mMのPBSおよび0.15MのNaClを含む6倍のカラム体積のPBS緩衝液(pH7.2)でProtein Aカラムを平衡させ、流速が150cm/hであった。培地の上清(pHを7.2に調整した)が150cm/hの速度でカラムを通過した。十分に平衡させた後、カラムに50mMのクエン酸ナトリウム(PH3.5)を加えてTSLP-Fcを含む溶出液を収集した。
【0531】
ビオチン標識されたTSLP抗原の調製
メーカの操作説明書に従い、ビオチンリガーゼB0101A(GeneCopoeia)を用いて組換えTSLPをビオチン化して標識した。簡単に言えば、異なるタグを有する組換えTSLPに緩衝液A/BおよびBirAリガーゼを加え、その後、30℃で2時間インキュベートした。ELISA法によりビオチン化効率を検出し、ビオチン標識効率は少なくとも70%と確定された。
【0532】
抗TSLP一本鎖抗体(scFv)の選別
scFv抗体酵母提示ライブラリーの調製:2000部のヒト血液サンプルからRNAを抽出し、逆転写を経てcDNAを取得し、VHおよびVK特異的プライマーを用いてVHおよびVK断片を増幅し、ゲル回収および精製後に、VHとVKを連結し、scFvを構築し、それを酵母提示プラスミドPYD1にクローンし、その後、該プラスミドを酵母にエレクトロポレーションし、scFv抗体酵母提示ライブラリーを取得した。
【0533】
抗TSLP一本鎖抗体(scFv)の選別:酵母提示ライブラリーからTSLPを認識するscFvsを富化して選別した。簡単に言えば、磁気で活性化された細胞仕分け(MACS)を用いて抗TSLP scFv抗体を認識する細胞を富化した。1000 ODの酵母細胞を2500gで5分間遠心分離した。取得した細胞沈殿を、OD600=1の開始濃度に従い、1LのSGCAA培地を用いて再懸濁し、20℃、250rpmの培養条件で発現を40~48時間誘導した。細胞培養液を遠心分離し、PBSM溶液で洗浄した後、1μMのビオチン化されたヒトTSLPを含む5~10倍の体積のPBSM溶液で細胞沈殿を再懸濁させ、4℃で1時間インキュベートした。遠心分離およびPBSM洗浄を経た後、結合していない抗原は洗浄された。ビーズを加えて十分に均一に混合させ、その後、4℃のローテーターに置いて30分間インキュベートした。2500gで5分間遠心分離し、上清を捨て、5~10倍の体積のPBSM溶液で沈殿を再懸濁させた。全ての細胞がカラムを通過したまで、7mLの細胞を選別カラムに加えた。結合した細胞を収集し、更に培養して遠心分離した後、プラスミドを抽出した。
【0534】
ファージ提示ライブラリーを調製してscFv抗体を選別した。scFv-FおよびscFv-Rプライマーを用い、選択された酵母細胞におけるscFv抗体断片をPCR増幅した。ファージ提示ライブラリーを調製するために、SfiIを用いてscFv断片をファージ提示ベクターpDAN5にクローンし、連結後に、ベクターを用いてTG1ファージ提示エレクトロポレーションコンピテントセルを形質転換することで、scFv抗体ファージ提示ライブラリーを取得した。一連の繰り返しの選別ステップを経て、ファージ提示ライブラリーからTSLP特異的scFv抗体を分離した。簡単に言えば、2×1011 PFUのファージscFvライブラリーをビオチン化されたヒトTSLPに加え、37℃で2時間インキュベートした。TSLPに結合したファージは、ストレプトアビジンがコーティングされたビーズによって捕捉され、結合していないファージは洗浄された。TBST溶液で8~15回洗浄(選別回数の増加に伴い、洗浄回数が増加した)した後、Glycine-HCl溶液(pH2.2)を用いてTSLPに特異的結合されたファージを溶出した。これらのファージを用いて対数期のTG1細胞に感染し、アンピシリンを加えて1時間培養した後、補助ファージを加え、28℃、200rpmでロッキングベッドにて一晩培養した。翌日、培養液を収集し、遠心分離した後、上清を取得し、次回の選別に入る。選別が終了した後、1グループの陽性scFv抗体を取得した。
【0535】
ELISAの選別:リガンド結合実験を行ってscFvモノクローナル抗体を選別した。ヒトTSLPおよび/またはカニクイザルTSLPに結合できるscFv抗体を同定するための最初の試験を設計した。簡単に言えば、ヒトTSLPまたはカニクイザルTSLPをPBS溶液に溶解し、0.1μg/穴で96穴プレートをコーティングし、4℃で一晩置いた。scFv抗体を加える前に、TBST溶液で96穴プレートを洗浄し、5%の牛乳で37℃にて1~2時間閉鎖してから、TBST溶液で洗浄した。まず、各scFvサンプルを40μg/mLに希釈し、150μLのscFvサンプルを1行目の穴に入れ、その後、該40μg/mLのscFvサンプルを、1:3の割合で連続的に希釈し、希釈後のサンプルを残りの穴に入れた。37℃で1時間インキュベートした後、TBST溶液で6回洗浄した。各穴に100μLの二次抗体(HRP標識マウス抗-flag(1:2500))を加え、37℃で1時間インキュベートし、TBST溶液で3回洗浄した。各穴に100μLのTMBを加え、37℃で10~20分間インキュベートした。2MのH2SO4で反応を終了した。ELISA結果(OD405)を分析し、PRISMソフトウェアにより結合曲線を生成した。
【0536】
TSLP依存性Stat5活性化の抑制
精製した抗TSLP抗体が体外でTSLPにより媒介される細胞機能を中和することを確定するためのバイオアッセイ法を確立した。抗体を評価することで、Ba/F3細胞でTSLPによって刺激されたシグナル伝達および転写活性化因子5(Stat5)の活性化を抑制する効力を確定した。Stat5は、TSLPシグナル伝達の下流効果分子である。ヒトTSLP受容体(hTSLPR)、ヒトIL-7Ra(hIL7Ra)およびStat5ルシフェラーゼレポーターベクターを用いてBa/F3細胞をコトランスフェクションした。細胞は、RPMI1640+10%FBS+0.5ng/mLマウスIL3+1%ペニシリン/ストレプトマイシン+600μg/mLのG418+200μg/mLブレオマイシン+300μg/mLハイグロマイシンで成長し、安定した細胞系を取得した。簡単に言えば、Ba/F3安定細胞は、3×104個の細胞/穴/100μLの密度で96穴プレートに接種し、37℃、5%のCO2で一晩培養した。1:5の割合で連続的に希釈された25μLの抗TSLP抗体(開始濃度66.67nM~8.67×10~4nM)と、最終濃度500pg/mLの25μLのヒトまたはカニクイザルTSLPとともに穴に加え、37℃、5%のCO2で4時間培養した。Promega ONE-Gloルシフェラーゼ分析システムを用いてレポーター遺伝子の発現程度を測定した。
【0537】
実施例2:全長のヒト抗TSLP抗体を調製して表した
全長の抗TSLP抗体の調製
最も潜在力があるscFv抗体をヒトIgG1またはIgG4の重鎖定常領域およびヒトκまたはλ軽鎖定常領域を有するヒトIgG1またはIgG4抗体分子に再構成した。原核発現ベクターからからVLおよびVHを増幅し、真核発現ベクターpTT5-L1(κ定常領域を含む)またはpTT5-L2(λ定常領域を含む)およびpTT5-H1(IgG1重鎖定常領域を含む)またはpTT5-H4(IgG4重鎖定常領域を含む)に導入した。軽鎖または重鎖を発現したプラスミドを抽出し、293F細胞をコトランスフェクションした。その後、細胞を37℃、5%のCO2、120rpmで5日間培養し、Protein Aアフィニティークロマトグラフィーカラムで培養液を精製した。簡単に言えば、まず、50mMのPBSおよび0.15MのNaClを含む6倍のカラム体積のPBS緩衝液(pH7.2)を用いて150cm/hの流速でProtein Aカラムを平衡した。培養液の上清(pHを7.2に調節した)が150cm/hの流速でカラムを通過した。更に平衡させた後、50mMのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH3.5)で溶出し、溶出液を収集した。構築された全長抗体の中で、TSLP-01、TSLP-02、TSLP-03およびTSLP-04という4つのscFvクローンを選択してリード親抗体として親和性成熟を行った。
【0538】
親和性成熟:抗体の親和性および生物活性を増加するために、親抗体のscFvを用い、フレーム領域ドメインを一定に保持したまま、CDR領域ドメインで突然変異を含むファージscFv提示ライブラリーを調製した。また、潜在的な免疫原性を低減するために、最も相同な種系に基づき、TSLP-01 VHの2つのフレーム残基を単独または共同で人種系残基に置き換え、TSLP-01 VLの1つのフレーム残基を人種系残基に置き換えた。異なる重鎖と軽鎖可変領域をペアリングすることにより、7つのscFv(TSLP-0101、TSLP-0102、TSLP-0103、TSLP-0104、TSLP-0105、TSLP-0106およびTSLP-0107)を組み立てた。TSLP-02のscFvの場合、潜在的な免疫原性を低減するために、最も相同な種系に基づき、TSLP-02のVHの2つのフレーム残基を単独または共同で人種系残基に置き換えた。異なる重鎖と軽鎖可変ドメインをペアリングすることにより、2つのscFv(TSLP-0201、TSLP-0202)を組み立てた。高い親和性および低い解離率でヒトTSLPに結合できる抗体変異体の生物活性を更に評価した。親抗体と比べ、より良い生物活性を示すscFvは、全長抗体の産生に用いられた。その後、選択したリード最適化抗体に対して更なる生化学および生物学的分析を行った。表2は、Kabatで定義された全ての変異体の重鎖CDRs(HCDRs)、軽鎖CDRs(LCDRs)のアミノ酸配列を示した。
【0539】
抗TSLP抗体の親和性
ELISA結合実験:実施例1に記載されるように、ELISAを用いて親抗体およびリード最適化抗体(ヒトIgG1に再構成された)の、ヒトまたはカニクイザルTSLPに対する親和性を評価した。
図1A~
図1Fに示されるように、全ての親抗体およびリード最適化抗体は、いずれも良好なヒトTSLP結合親和性を表し、参照抗体AMG157と比べ、類似する結合親和性を有した。その後、ELISAを用いて親抗体およびリード最適化抗体(ヒトIgG1に再構成された)のカニクイザルTSLPに対する親和性を評価した。
図2A~
図2Fに示されるように、抗TSLP抗体はカニクイザルTSLPと交差反応し、参照抗体AMG157と比べ、カニクイザルTSLPに対してより良いまたは類似する結合親和性を表した。
表征結合親和性(Kd)
【0540】
抗TSLP抗体の結合親和性試験は、基本的に文献の記載に従って行われた(Della Ducata D、et al.、Solution equilibrium titration for high throughput affinity estimation of unpurified antibodies and antibody fragments、J Biomol Screen.2015、Dec、20(10):1256~67)。AMG157は参照対照とした。簡単に言えば、メーカの操作説明書に従い、ストレプトアビジンMSDプレートを3%のBSA(分析緩衝液)を含むPBSで室温にて30分間閉鎖した。濃度10pMの測定待ち抗体で連続的に希釈された濃度0~50nMのヒトTSLPを平衡させ、室温下で一晩平衡させ、抗原のない穴を用いてBmax値を測定した。分析緩衝液のみを含む穴は、バックグラウンドの測定に用いられた。ストレプトマイシンMSDプレートに濃度0.2μg/mLのビオチン化されたヒトTSLPを含む50μLの分析緩衝液を加え、室温で30分間インキュベートすることで、MSDプレートをコーティングした。PBSTで3回洗浄した後、50μLの平衡サンプルを上記プレートに転移し、室温下で30分間インキュベートした。洗浄後に、最終濃度3.2μg/mLのSULFO-tag NHS-Ester-tag標識ヤギ抗ヒトIgG抗体を50μL/穴でMSDプレートに加え、室温下で30分間インキュベートした。PBSTでMSDプレートを3回洗浄した後、穴毎に150μLのMSD読み取り緩衝液(MSD read buffer)を加え、Sector Imager 6000(Meso Scale Discovery、Gaithersburg、MD、USA)を用いてプレートの電気化学発光信号を検出した。Graphpad Prismを用いてデータを評価し、IgGのKdを測定するために、以下のIgGフィッティングモデルを使用した(Piehler et al.、1997の記載に基づく)。
【0541】
【0542】
IgG:検出した抗TSLP抗体濃度
X:使用した総可溶性抗原濃度
Bmax:抗原がない場合のIgGの最大シグナル
図3Aおよび表5は、検出した抗TSLP抗体TSLP-0107、TSLP-0202のヒトTSLPに対する親和性Kdを示し、その親和性Kdは参照抗体AMG157よりも良好である。
図3Bおよび表6は、検出した抗TSLP抗体TSLP-0107、TSLP-0202のカニクイザルTSLPに対する親和性Kdを示し、参照抗体AM157と比べ、より良いまたは類似する親和性Kdを有する。
【0543】
【0544】
【0545】
抗TSLP抗体がその受容体との結合をTSLPと競合した
HTRF(登録商標)に基づく方法を用いて抗TSLP抗体がTSLPとその受容体複合体との結合を遮断する能力を確定し、HTRF(登録商標)は、Cis Bio International(Bagnol/Ceze Cedex、フランス)の商標であり、HTRF実験は、同質時間分解能測定実験であり、ドナーと受容体分子との間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によりシグナルを産生した。ドナーは、多環穴状化合物に包まれた1つのEu3+イオン(Eu-cryptate)であり、受容体は、1つの修飾されたアロフィコシアニンである。337nmにおけるレーザーでドナーを励起すると、620nmでエネルギーをドナーに近い受容体(≦90Å)に転移し、受容体が数ミリ秒の遅延後に波長665nmの光を発射した。光の発射を記録して665/620nmの比率を分析した時、50μsの時間遅延は、媒体成分およびペアリングされていない蛍光団からの干渉蛍光を最も低く低減することができる。簡単に言えば、Flag-ヒトTSLP受容体(Flag-hTSLPR)コンストラクトおよびヒトIL-7Ra(hIL7Ra)コンストラクトでHEK293細胞をコトランスフェクションした。形質転換体HEK293-Flag-hTSLPR-IL7Ra細胞を対数期に維持させ、細胞を計数して3×106/mLの濃度で再懸濁し、ここで、10μLを96穴プレート(3×104/穴)に接種した。濃度66.67nM~8.53×10~3nMの連続的に希釈された5μLの抗TSLP抗体および5μLの100ng/mL TSLP-Hisを各穴に加え、プレート側面を軽く叩いて混合させ、且つ、室温下で1hインキュベートした。その後、5μLのEu(Tb)標識抗his抗体(抗His-Eu穴状化合物のモノクローナル抗体、ドナー)と5μLのMab-anti-FlagXL665(受容体)とを再び軽く混合させ、室温下で1時間インキュベートした。Spark 10Mでプレートを読み取り、励起波長が337nmで、二重発射波長が665/620nmであった。Graphpad prismおよびEXCELを用いてデータを評価した。
【0546】
表7に示されるように、抗TSLP抗体TSLP-0103、TSLP-0107、TSLP-0108、TSLP-02、TSLP-0201、TSLP-0202、TSLP-0203、TSLP-0204、TSLP-03およびTSLP-0401(ヒトIgG1に再構成された)は、ヒトTSLPとTSLP受容体との結合を遮断することができる。
【0547】
【0548】
抗TSLP抗体の特異性
相同タンパク質IL-7との交差反応性:ELISAを用い、抗TSLP抗体TSLP-0103、TSLP-0107およびTSLP-02(ヒトIgG1に再構成された)とTSLP相同タンパク質ヒトIL-7との交差反応を検出した。マウス抗ヒトIL-7抗体(Cat#11821、Sino Biogical、中国)をポジティブコントロールとし、抗マウスFC(ネガティブコントロール1)および抗ヒトFC(ネガティブコントロール2)をネガティブコントロールとした。
図4に示されるように、参照抗体AMG157と同様に、抗TSLP抗体がヒトIL-7に結合せず、抗TSLP抗体がTSLP相同タンパク質IL-7と交差反応しないことを表した。
【0549】
抗TSLP抗体がTSLP短型に結合しなかった
TSLP短型は、ビオチン化されたペプチドであり、成熟全長ヒトTSLPの69~131位の残基を含む。ELISA方法で抗TSLP抗体と短型TSLPとの結合を測定した。2つの形式のTSLPを結合するために、ウサギ抗TSLPポリクローナル抗体(Cat#ab47943、Abcam)をポジティブコントロールとした。ウサギ血清をネガティブコントロールとした。簡単に言えば、100ulの1μg/mLのストレプトアビジンを用いて96穴プレートをコーティングして一晩置いた。PBSTでプレートを洗浄し、プレートに1μg/mlのビオチン標識短型TSLPまたは長型TSLPを100μl加え、37℃で1時間インキュベートした。PBSTでプレートを再び洗浄した後、各抗TSLP抗体サンプルを1:5の割合で5×104ng/mlの濃度から3.2ng/mlに連続的に希釈し、穴に入れた。37℃で1時間インキュベートした後、PBSTで6回洗浄し、二次抗体である抗ヒトFC-HRPまたは抗ウサギFC-APを各穴に入れた。37℃で1時間インキュベートした後、PBSTでプレートを3回清浄した。その後、100μL/穴でTMBまたはpNPPを加え、室温下で10~20分間インキュベートした。2MのH2SO4または3MのNaOHを用いて反応を終了した。その後、ELISA結果を分析し、GraphPad Prism 5ソフトウェア(GraphPadソフトウェア)を用いて結合曲線を生成した。
【0550】
図5A~
図5Dおよび表8に示されるように、ELISAの結果によると、ウサギ抗TSLPポリクローナル抗体が、短型TSLP(
図5A)と全長型TSLP(
図5B)との両方にも結合できることが分かった。50μg/mLテストの抗TSLP抗体TSLP-01と全長型TSLPとの結合が安定でハイレベルの結合(
図5D)であったが、短型TSLPに結合しなかった(
図5C)。全長型TSLPとの結合のEC50はng/mLレベルであった。
【0551】
【0552】
実施例3:TSLPによって誘導されたStat5活性化の抑制実験
実施例1に記載されたように、最適化された全長抗TSLP抗体(ヒトIgG1に再構成された)を評価することで、Ba/F3安定細胞でヒトTSLPによって刺激されたシグナル伝達および転写活性化因子5の活性化を抑制する効力を確定した。
【0553】
細胞分析を用い、表9は、抗TSLP抗体がヒトTSLPによって誘導されたStat5活性化を抑制するIC50を示し、親抗TSLP抗体TSLP-01およびリード最適化抗体は、ヒトTSLPによって誘導されたStat5活性化を抑制する点で、参照抗体AMG157よりも良好な効果を表した。
【0554】
細胞分析を用い、表10は、抗TSLP抗体がヒトTSLPによって誘導されたStat5活性化を抑制するIC50を示し、親抗TSLP抗体TSLP-02およびリード最適化抗体は、ヒトTSLPによって誘導されたStat5活性化を抑制する点で、参照抗体AMG157よりも良好な効果を表した。
【0555】
細胞分析を用い、表11は、抗TSLP抗体がヒトTSLPによって誘導されたStat5リン酸化を抑制するIC50を示し、参照抗体AMG157と比べ、抗TSLP抗体は、ヒトTSLPによって誘導されたStat5活性化を抑制する点で、より良いまたは類似する効果を表した。
【0556】
【0557】
【0558】
【0559】
大腸菌に由来するTSLPによって誘導されたSTAT5活性化の抑制:抗原提示モードは、抗体の生物活性に重要である可能性があり、選択した抗TSLP抗体が糖類エピトープを標的にすることができるか否かを研究するために、大腸菌に由来するTSLPによって誘導されたStat5活性化を抑制する点での抗TSLP抗体の活性を評価した。
【0560】
表12に示されるように、参照抗体AMG157と比べ、例示的な最適化された抗TSLP抗体TSLP-0107は、大腸菌に由来するヒトTSLPによって誘導されたStat5活性化を抑制する点で、より高い効力を表した。
【0561】
【0562】
実施例4:TSLPによって誘導されたBa/F3細胞増殖の抑制実験
PCT特許出願出版物WO03/032898に記載されたように、TSLP活性は、ヒトTSLPRを発現したBAF細胞の増殖を促進することを含む。抗TSLP抗体がTSLPによって誘導された発現ヒトTSLP受容体(hTSLPR)およびヒトIL-7Ra(hIL7Ra)のBa/F3細胞増殖を抑制する能力を評価した。形質転換体Ba/F3-TSLPR-IL7Ra細胞は、TSLPに応答して増殖し、且つ、該応答は抗TSLP抗体によって抑制することができた。簡単に言えば、形質転換体Ba/F3-TSLPR-IL7Ra細胞をRPMI1640+10%FBS+0.5ng/mLマウスIL3+1%ペニシリン/ストレプトマイシン+600μg/mLのG418+200μg/mLブレオマイシンに保持し、対数増殖期で細胞を収集し、その後、RPMI1640+10%FBS+1%ペニシリン/ストレプトマイシン+600μg/mLのG418+200μg/mLブレオマイシンで洗浄し、細胞を計数して1×105/mLの濃度で再懸濁し、ここで、100μLを96穴プレート(1×104/穴)に接種した。1:5の割合で連続的に希釈された50μLの試験用の抗TSLP抗体(ヒトIgG1に再構成された)および最終濃度1.6ng/mLの50μLのヒトTSLPを各穴に入れ、軽く混合させ、37℃、5%のCO2下で72時間インキュベートした。CellTiter Glo(登録商標)発光細胞活性測定キットを用い、メーカの操作説明書に基づいて細胞の増殖を測定した。
【0563】
表13に示されるように、全ての抗TSLP抗体は、TSLPによって誘導されたBa/F3細胞増殖を抑制する点で良好な効果を表した。参照抗体AMG157と比べ、抗TSLP抗体は、TSLPによって誘導されたBa/F3細胞増殖を抑制する点でより良いまたは類似する効果を表した。
【0564】
【0565】
実施例5:ヒトPBMCsにおけるTARC放出の抑制実験
胸腺および活性化制御ケモカイン(TARC)の放出試験:TSLPは、TARCの放出の促進に重要である。抗TSLP抗体が初代細胞によって駆動された反応でTSLPを中和できるか否かを確定するために、抗TSLP抗体が存在または存在しない場合にヒトTSLPによって誘導されたヒトPBMCのTARC分泌をテストした。簡単に言えば、Ficoll勾配を用いてヒト末梢血からPBMC(末梢血単核細胞)を分離し、洗浄して赤血球を分離し、その後、RPMI 1640+10%FBS+1%ペニシリン/ストレプトマイシン+グルタミンを用いてPBMCを再び洗浄した。細胞を計数して1×107/mLの濃度で再懸濁し、ここで、100μLを96穴プレート(1×106個の細胞/穴)に接種し、37℃、5%のCO2下で1時間培養した。1:10の割合で連続的に希釈された50μLの試験用の抗TSLP抗体(ヒトIgG1に再構成された)および最終濃度500pg/mLの50μLのヒトTSLPを各穴に加え、軽く混合させ、37℃、5%のCO2下で24時間インキュベートした。メーカの操作説明書(R&D Quantikine)に従い、R&D Quantikine ELISA試薬キットを用いてTARC ELISA分析を行った。
【0566】
図6および表14に示されるように、例示的なリード最適化抗体TSLP-0107およびTSLP-0202(ヒトIgG1に再構成された)がヒトTSLP(hTSLP)のTARC放出への促進を抑制する能力をテストした。全ての抗TSLP抗体は、非常に有効な抑製剤であり、組換えヒトTSLPによって誘導されたTARCがヒトPBMCから放出されることを抑制することができ、且つ、参照抗体AMG157と比べ、より良好なヒトTSLPのTARC放出への促進を抑制する能力を示した。
【0567】
【0568】
実施例6:抗TSLP抗体の薬物動態
ラット中のPK値:24匹の健康な成人ラット(体重が約0.2kgである)を体重に従って2グループに分けた。第1グループラットに30mg/kgのTSLP-0107-IgG1、TSLP-0202-IgG1、AMG157-IgG2(Amgen)を皮下注射し、各抗体を4匹のラットに注射し、第2グループのラットに10mg/kgのTSLP-0107-IgG1、TSLP-0202-IgG1、AMG157-IgG2(Amgen)を皮下注射した。注射前に血液を採取し、その後、注射してからの0.01日、0.083日、0.25日、1日、2日、3日、5日、7日、9日、12日、17日、24日、28日および33日後に血液を採取した。遠心分離後に、ELISAにより血漿中の抗体濃度を分析した。簡単に言えば、合成したTSLPは、96穴プレートの穴をコーティングすることに用いられた。翌日、PBSTで洗浄し、200μLのPBS牛乳で1時間閉鎖し、その後、PBSTで再び洗浄した後、血漿を加えて37℃で1時間インキュベートした。0.1%TBSTでプレートを6回洗浄し、各穴に100μLのヤギ抗ヒトFc抗体AP(PBS中、1:10000)を加えて1時間培養した。0.1%TBSTで6回洗浄した後、各穴に50μLのpNPPを加え、37℃で10~20分間発色させた。405nmでマイクロプレートリーダーにより結果を読み取った。
【0569】
405nmでマイクロプレートリーダーにより結果を読み取り、結果は、
図7A~
図7Dに示すように、30mg/kg(
図7Aおよび
図7C)を皮下注射したグループまたは10mg/kg(
図7Bおよび
図7D)を皮下注射したグループにおいて、TSLP-0107-IgG1またはTSLP-0202-IgG1の半減期は、参照抗体AMG157-IgG2よりも長かったか、または相当した。
【0570】
実施例7:カニクイザル喘息モデルで抗TSLP抗体の効果を評価した
全ての動物実験は、制度上の動物ケアおよび使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee)のガイドラインに従って承認および実施を取得した。研究で事前にブタ回虫抗原感受性を取得したカニクイザル(カニクイザル、2~3kg)を使用した。まず、動物に対して抗原励起を連続した2日間(1日目および2日目)行い、抗原励起の前後に炎症および肺機能を検出した。その後、基準データに基づいて動物を2グループに分け、毎週溶媒またはTSLP単抗(3Mg/kg静脈投与)を受け、合計6週間続けた。2週目および6週目にアレルゲン励起を行い、炎症および肺機能パラメータを評価した。非パラメータ方法、Wilcoxonランクおよび検査を用いて効果の顕著性を評価した。
【0571】
肺機能測定:プロポフォールを用いて各動物を麻酔したとともに、A suum励起を行い、人工呼吸器およびオンラインネブライザーを利用し、間欠陽圧呼吸により1回用量のブタ回虫抗原を投与した。15分間内でA suum励起による急性肺機能変化を測定し、ベースラインに対する最大百分率変化を含み、該変化は、該時間帯内で肺抵抗および曲線下の面積を用いて計算された。AHRを評価するために、2回目のA suum励起からの24時間後に、用量が増加したヒスタミン(0.1Mg/kgから始めた)を静脈注射(0.1Ml/kg)した。ヒスタミン用量の反応期全体内で、肺抵抗および動態コンプライアンス値を連続的に測定した。初期観察によると、上記抗TSLP抗体が喘息動物モデルで有益な効果を示すことが分かった。
【0572】
実施例8:HDMにアレルギーがあるカニクイザルモデルで抗TSLP抗体の効果を評価した
抗TSLP抗体のアレルギー性肺部炎症に対する治療の有効性を証明するために、屋内塵性ダニ(HDM)にアレルギーがあるカニクイザルに抗TSLP抗体を投与した。前記動物モデルは、対照グループおよび抗TSLP抗体で治療する動物体内から気道組織、BAL液および関連PBMCを採取することを可能にし、初期アレルギー反応(EAR)および末期アレルギー反応(LAR)で治療効果を評価することができる。慢性アレルギー性喘息の非霊長類動物モデルについての更なる情報は、本分野で知られている。例えば、Schelegle et al.、Am.J.Pathology 158(1):333~341(2001)、Avdalovic et al.、Am.J.Respir.Crit.CareMed.174:1069~74(2006)CareおよびVan Scott et al.、J.Appl.Physiol.99(6):2080~2086(2005)を参照した。
【0573】
初期観察によると、溶媒で処理された動物中の値と比べ、抗TSLP抗体を投与した動物は、その気管支肺胞洗浄液(BAL)の好酸球数が減少し、アレルゲン励起反応に対する気道抵抗が低下し、BAL液内のIL-4、IL-5、IL-13およびIgEレベルが低下したことが分かった。これらの結果によると、抗TSLP抗体がアレルギー性肺部炎症モデルで良好なTSLP遮断効果を示すことが分かった。
【配列表】