(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20250228BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20250228BHJP
G06Q 10/083 20240101ALI20250228BHJP
【FI】
G06Q50/40
B65G61/00 540
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2021212594
(22)【出願日】2021-12-27
【審査請求日】2024-12-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512139135
【氏名又は名称】セイノーラストワンマイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100209956
【氏名又は名称】澤井 周
(73)【特許権者】
【識別番号】517331376
【氏名又は名称】株式会社エアロネクスト
(72)【発明者】
【氏名】河合 秀治
(72)【発明者】
【氏名】樋口 忠成
(72)【発明者】
【氏名】田路 圭輔
(72)【発明者】
【氏名】堀 拓也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 建斗
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-175167(JP,A)
【文献】特開2019-142600(JP,A)
【文献】特開2020-77305(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112216034(CN,A)
【文献】国際公開第2020/170684(WO,A1)
【文献】特開2020-102103(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに紐づく格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成する格納容積状況情報生成部と、
前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成する通知部と、
を備え、
前記通知は、前記格納空間に紐づくユーザ識別情報に関連付けられる他ユーザ識別情報に紐づく他の格納空間の利用を確認する通知を含む、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
ユーザに紐づく格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成する格納容積状況情報生成部と、
前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成する通知部と、
を備え、
前記通知は、前記ユーザを代理受け取りユーザとして設定している、または、前記ユーザが代理受け取りユーザとして設定している代理受け取りユーザのユーザ端末へ送信される、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項3】
ユーザに紐づく格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成する格納容積状況情報生成部と、
前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成する通知部と、を備え、
前記通知は、前記格納空間に紐づくユーザ識別情報に関連付けられる他ユーザ識別情報に紐づく他の格納空間の利用を確認する通知を含む、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項4】
ユーザに紐づく格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成する格納容積状況情報生成部と、
前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成する通知部と、を備え、
前記通知は、前記ユーザを代理受け取りユーザとして設定している、または、前記ユーザが代理受け取りユーザとして設定している代理受け取りユーザのユーザ端末へ送信される、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項5】
格納容積状況情報生成部により、ユーザに紐づく格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成するステップと、
通知部により、前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成するステップと、
を含
み、
前記通知は、前記格納空間に紐づくユーザ識別情報に関連付けられる他ユーザ識別情報に紐づく他の格納空間の利用を確認する通知を含む、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
格納容積状況情報生成部により、ユーザに紐づく格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成するステップと、
通知部により、前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成するステップと、
を含
み、
前記通知は、前記ユーザを代理受け取りユーザとして設定している、または、前記ユーザが代理受け取りユーザとして設定している代理受け取りユーザのユーザ端末へ送信される、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
格納容積状況情報生成部により、ユーザに紐づく格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成するステップと、
通知部により、前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成するステップと、をコンピュータに実行させ、
前記通知は、前記格納空間に紐づくユーザ識別情報に関連付けられる他ユーザ識別情報に紐づく他の格納空間の利用を確認する通知を含む、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項8】
格納容積状況情報生成部により、ユーザに紐づく格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成するステップと、
通知部により、前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成するステップと、をコンピュータに実行させ、
前記通知は、前記ユーザを代理受け取りユーザとして設定している、または、前記ユーザが代理受け取りユーザとして設定している代理受け取りユーザのユーザ端末へ送信される、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、個宅や集合住宅(共同住宅)に宅配ボックスを設置し、荷受者が不在の場合に宅配ボックスに荷物を格納することで配達完了とし、荷受者の端末に配達完了通知を行う情報処理システムが知られている。特許文献1には、宅配ボックスに既に荷物が格納されていると配達できず、再配達になってしまうことに対応するために、配達できない場合に代理保管スペースに保管可能な宅配システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の開示技術では、例えば個宅の宅配ボックスに既に荷物が格納されている場合には代理保管スペースへ格納されることとなるが、既に格納済みの荷物が文具や日用品などの小さな荷物の場合に、次に配達された荷物が宅配ボックスの残余空間(いわゆる空きスペース)に収納可能な大きさだったとしても、代理保管スペースに格納されてしまうため、ユーザは複数個所から荷物をピックアップする必要が多発してしまう。また、そのようなことが各戸で発生した場合、集合住宅の共用部に配置される代理保管スペースが埋まり、結局再配達が必要となってしまう。そのほか、宅配ボックスに限らず、所定の格納空間に配送物を格納する場合には、格納空間内の空き状況が把握できず配送において考慮されていない。
【0005】
一方、事前に宅配ボックス内の荷物及び配達荷物のサイズを把握できたとしても、実際には荷物ごとに形状にバラツキがある。そのため、宅配ボックスに格納したとしてもデッドスペースが生まれ、効率よく格納することが難しい。また、宅配ボックスに複数の荷物を格納したとしても、ユーザが配達された荷物を回収しない場合には結果として残余空間が無くなる。これらの結果、代理保管スペースの過度な利用を十分に抑えられるとはいえない。
【0006】
また、近年、ドローン(Drone)・無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)などの飛行体や無人地上車両(UGV:Unmanned Ground Vehicle)などの走行体などの自律制御可能な移動体が産業に利用され始めている。こうした中で、EC(Electronic Commerce:電子商取引)サイトなどで注文した物品等の荷物を移動体により配送する荷物配達システムの実験的な運用が開始されている。このような荷物配達システムにおいては、複数の移動体が配達制御対象となることが想定されているものの、実験的な運用ということもあり、1台の移動体に積み込み可能な範囲で仮想的な配達荷物(例えば、日用品や食料など)を設定している。しかしながら、現実的にはユーザが移動体1台の積載量を意識しながら注文することはなく、欲しいタイミングで欲しい物を欲しい量注文することが通常であるので、移動体1台に収まるかどうか予見性がない。
【0007】
一方で、配送効率が高いと配送コスト(ひいては配送料)が下がるため、移動体1台に多くの荷物を積みこむことがサービス提供者にとってもユーザにとっても望ましいが、上記同様に荷物サイズのばらつきを考えると、移動体搭載部の残余空間がどのくらいか判断することは難しく、積み込み効率の高い運用が望まれる。
【0008】
そこで、本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、格納容器種別識別情報を用いて格納物(例えば配送物など)を定型化して管理することで、格納物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的な格納を可能とする情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、少なくとも前記格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、前記格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成する格納容積状況情報生成部と、前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成する通知部と、を備える情報処理システム等である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、格納容器種別識別情報を用いて格納物(例えば配送物など)を定型化して管理することで、格納物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的な格納を可能とする情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施の形態にかかる情報処理システムの構成を示す図である。
【
図2】
図1の管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のユーザ端末、作業者端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図1の管理サーバの機能を示すブロック図である。
【
図5】
図2のストレージの構造を示すブロック図である。
【
図6】本発明の実施の形態にかかる格納容積状況情報の生成を説明する一例である。
【
図7】
図5の格納空間情報記憶部の構造を示すブロック図である。
【
図8】本発明の実施の形態にかかる格納空間の一例である。
【
図9】本明の実施の形態にかかる情報処理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による情報処理システム等は、以下のような構成を備える。
[項目1]
ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、少なくとも前記格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、前記格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成する格納容積状況情報生成部と、
前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成する通知部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
前記格納容器種別情報は、所定の格納空間容積を基準の格納空間容積として、当該基準の格納空間容積を所定の数で除した容積に基づき互いに識別可能にしたものである、
ことを特徴とする項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記格納容積状況情報は、前記格納空間内の残余空間を示す残余空間情報であり、
前記条件は、前記残余空間情報が示す残余空間の容積が所定値以下となることである、
ことを特徴とする項目1または2のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目4]
前記格納容積状況情報は、前記格納空間内の格納済空間を示す格納済空間情報であり、
前記条件は、前記格納済空間情報が示す格納済空間の容積が所定値以上となることである、
ことを特徴とする項目1または2のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目5]
前記条件は、格納空間内のいずれかの格納物の格納期間が所定の期間を経過していることである、
ことを特徴とする項目3または4のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目6]
前記判定は、前記ユーザに紐づく購買商品情報に対応する容積を前記格納容積状況情報が示す空間の容積に反映して実行される、
ことを特徴とする項目1ないし5のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目7]
前記判定は、前記ユーザが過去に購入した商品に対応する容積を前記格納容積状況情報が示す空間の容積に反映して実行される、
ことを特徴とする項目1ないし5のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目8]
前記通知は、前記格納空間内の容積に関する状況を含む通知を含む、
ことを特徴とする項目1ないし7のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目9]
前記通知は、前記格納空間内の格納物の受け取りを促す通知を含む、
ことを特徴とする項目1ないし8のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目10]
前記通知は、前記格納空間に紐づくユーザ識別情報に関連付けられる他ユーザ識別情報に紐づく他の格納空間の利用を確認する通知を含む、
ことを特徴とする項目1ないし9のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目11]
前記通知は、追加の格納空間の利用を確認する通知を含む、
ことを特徴とする項目1ないし10のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目12]
前記通知は、追加の格納空間の追加処理に関する通知を含む、
ことを特徴とする項目1ないし11のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目13]
前記通知は、前記ユーザを代理受け取りユーザとして設定している、または、前記ユーザが代理受け取りユーザとして設定している代理受け取りユーザのユーザ端末へ送信される、
ことを特徴とする項目1ないし12のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目14]
前記通知は、前記格納空間に関連する業務を行う作業者が有する作業者端末へ送信される、
ことを特徴とする項目1ないし13のいずれかに記載の情報処理システム。
[項目15]
ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、少なくとも前記格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、前記格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成する格納容積状況情報生成部と、
前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成する通知部と、を備える、
ことを特徴とするサーバ。
[項目16]
格納容積状況情報生成部により、ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、少なくとも前記格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、前記格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成するステップと、
通知部により、前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成するステップと、
を含む、
ことを特徴とする情報処理方法。
[項目17]
格納容積状況情報生成部により、ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、少なくとも前記格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、前記格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成するステップと、
通知部により、前記格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となるかの判定に応じて、前記格納空間に関する通知を生成するステップと、をコンピュータに実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【0013】
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1による情報システム等についての実施の形態を説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一または類似の参照符号及び名称が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素に関する重複する説明は省略することがある。また、本実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0014】
<構成>
図1に示されるように、本実施の形態における情報処理システムは、管理サーバ1と、一以上のユーザ端末2と、一以上のユーザ端末2と、を有している。管理サーバ1と、ユーザ端末2と、作業者端末3は、ネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。なお、図示された構成は一例であり、これに限らない。
【0015】
<管理サーバ1>
図2は、管理サーバ1のハードウェア構成を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0016】
図示されるように、管理サーバ1は、一以上のユーザ端末2と一以上の作業者端末3と接続され本システムの一部を構成する。管理サーバ1は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0017】
管理サーバ1は、少なくとも、制御部10、メモリ11、ストレージ12、送受信部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0018】
制御部10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部10はCPU(Central Processing Unit)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)であり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開された本システムのためのプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0019】
メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0020】
ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されていてもよい。
【0021】
送受信部13は、管理サーバ1をネットワークおよびブロックチェーンネットワークに接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Bluetooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよい。
【0022】
入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0023】
バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0024】
<ユーザ端末2、作業者端末3>
図3に示されるユーザ端末2は、ユーザが所持する、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS、PDA等の情報処理装置であり、ユーザ端末2もまた、制御部20、メモリ21、ストレージ22、送受信部23、入出力部24等を備え、これらはバス25を通じて相互に電気的に接続される。各要素の主な機能は、上述した管理サーバ1と同様に構成することが可能であることから、各要素の詳細な説明は省略する。また、作業者端末3は、集荷場等で配送物の管理を行う作業者が所持する、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、携帯電話、PHS、PDA等の情報処理装置であり、各要素の主な機能は、上述したユーザ端末2と同様に構成することが可能であることから、各要素の詳細な説明は省略する。
【0025】
<管理サーバの機能>
図4は、管理サーバ1の制御部10に実装される機能を例示したブロック図であり、
図5は、ストレージ12に記憶される情報を例示したブロック図である。本実施の形態においては、管理サーバ1の制御部10は、情報送受信部100、データ管理部120、格納管理部150、を機能部として備えている。格納管理部150は、格納空間容積状況情報生成部151、通知部154を含む。格納空間容積状況情報生成部151は、残余空間算出部152、格納済空間算出部153を含む。また、ストレージ12は、ユーザ情報記憶部121、格納空間情報記憶部122の各種データベースを含む。
【0026】
ユーザ情報記憶部121に記憶されるユーザ情報については、例えば、ユーザの基本情報(ユーザの氏名、ユーザ名、メールアドレス、住所、電話番号等)、ユーザ識別情報、外部アプリケーションアカウント情報などであり得るが、これらに限定されるものではない。例えば、本情報処理システム上、あるいは、本情報処理システムと関連情報を送信または受信を行って相互に連携する外部システム上などで電子商取引を行う場合には、ユーザ情報には、支払情報(クレジットカード情報等)、購入商品情報(いわゆるカートなどの購入予定商品情報も含む)、購入履歴情報、定期購買商品情報(例えば商品識別情報、商品サイズ(奥行、幅、高さ)、換算格納容器種別情報、定期配送配送予定日情報(例えば、毎月何日ごろ定期配送など)など)などを含むようにしてもよい。
【0027】
格納空間情報記憶部122に記憶される格納空間情報については、例えば、格納空間識別情報、ユーザ識別情報、格納物情報、残余空間情報(特に残余空間換算格納容器種別情報)、格納済空間情報(特に格納済空間換算格納容器種別情報)、耐荷重情報、管理可能温度帯情報などが含まれ得て、格納物情報として、格納容器種別情報、重量情報、管理温度帯情報などが含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
【0028】
情報送受信部100は、少なくともネットワークを介して管理サーバ1に直接または間接的に接続される外部装置(例えば、ユーザ端末2、作業者端末3等)に対して種々の情報(要求を含む)を送信したり、外部装置から種々の情報(要求を含む)を受信したりする。
【0029】
画面情報生成部110は、ユーザ端末2や作業者端末3のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。画面情報は、例えば、ストレージ12に格納された画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストを配置することで生成されるユーザインターフェース画面情報であり得る。なお、画面情報生成部110は、各ユーザ端末2等に格納されたアプリケーション(Webブラウザ含む)により制御部20にて実行される機能部であってもよい。すなわち、管理サーバ1から画像データ等のユーザインターフェース画面を生成するために必要な情報を送信し、ユーザ端末2等のアプリケーションによって所定のレイアウト規則に基づいて当該必要な情報に基づきユーザインターフェース画面を生成してユーザ端末2に表示させることもできる。画面情報生成部110に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0030】
データ管理部120は、情報送受信部100により受信した種々の情報を各種機能部に送信したり、各種機能部から種々の情報を取得したりなどのデータ管理を実行する。データ管理部120における所定の処理は、例えば、ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、前記格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、前記格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報(残余空間情報、および/または、格納済空間情報)を生成する格納容積状況情報生成処理、前記格納容積状況情報が示す容積が所定の条件下となることに応じて、前記格納空間に関する通知を生成し、ユーザ端末2または作業者端末3へ送信する通知処理、格納空間情報に含まれる格納物情報、残余空間情報、格納済空間情報を更新する格納空間情報更新処理など、様々な処理を含むが、これらに限定されない。
【0031】
格納容器の形状は、例えば幾何学的な形状の立体容器であって、格納空間への格納や積み重ねなどを考慮すると直方体(立方体を含む)であることが望ましい。格納容器の材質は、どのような素材であってもよいが、紙、プラスチック、金属等であってもよく、特に紙製の段ボール、または、プラスチック製の段ボールであることが生産容易性や重量の観点から望ましい。ここで本発明では、配送物等の格納物に対して格納容器の種別を識別可能に格納容器種別情報が設定されている。格納容器種別は、例えば、所定の格納空間容積を基準の格納空間容積として、当該基準格納空間容積を所定の数(例えば整数)で除した容積に基づき互いに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば、当該基準格納空間容積を所定の数(例えば整数)で除して当該所定の数以下の数で乗じた格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば1/3、2/3、1や、1/4、1/2、3/4、1など)を含んでいたり、所定の数(例えば、整数であってもよく、特に2のn乗(nは整数であり、0も含んでもよい)であってもよい)で除した格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば、1/2、1/4、1/8・・・など)を含んでいてもよく、これらに限定されるものでもない)であってもよい。また、格納容器の容積については、より具体的には、例えば、基準格納空間容積を4で除する場合(すなわち1/4とする場合)に、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを4で除した容積の格納容器であってもよいし、格納空間の奥行、幅、高さのうち2つを2で除した容積の格納容器であってもよい。
【0032】
なお、基準格納空間容積は、所定の格納空間容積と同一の容積でなくとも、実質的に同一(略同一)な容積であってもよく、特に格納空間への容器の格納作業を鑑みて必要な余剰空間(例えば、数ミリ、数センチ程度)分を減じた容積であってもよいし、格納容器内に仕切りを設ける場合には仕切り(例えば、数ミリ、数センチ程度)分を減じた容積であってもよい(または、格納空間が基準格納空間容積と実質的に同一な容積であって、仕切り分大きくなっていてもよい)。
【0033】
ユーザの格納物を格納する格納空間及び/または基準格納空間容積の対象となる格納空間は、所定の容積を有する空間であればどのような空間を基準としてもよいが、格納物受取用の格納空間であると好ましく、より具体的には、例えばユーザが利用する設置物であって、ユーザ用の収納空間や、個宅に設置されたスマートロック付きの宅配ボックスまたは共同住宅用に共用部に配置される宅配ボックスの格納スペース(予めユーザに関連する情報が紐づいてスペースの位置が決められていてもよいし、配送員によりユーザに関連する情報を紐づけて荷物が格納された位置であってもよい)、電気的な施解錠制御を伴わない棚やロッカー、私書箱、保冷ボックスなどの格納スペースであってもよい。また、配送用の格納空間を基準としてもよく、荷物を配送するための移動体(UAVやUGVなどの移動体であって、特に自律制御される移動体など)の配送物格納部や、配送員が配送に用いる荷台(例えば、トラック荷台やバイクのリアボックス、ボックス台車、かご台車など)、配送用のバッグなどの可動物であってもよい。さらに、所定の容積を有する空間は、上述のように奥行方向、幅方向、高さ方向の長さが定まっている空間であってもよいが、パレットのように奥行方向、幅方向の長さが定まっている領域に対して、仮想的に高さ方向の長さを設定した容積を有する空間であってもよく、すなわち、奥行方向、幅方向、高さ方向の一部の長さが仮想的に設定されている容積を有する空間であってもよい。なお、これらに限定されるものでもない。また、格納対象となる格納空間と基準格納空間は同一であってもよいし、格納対象となる格納空間が基準格納空間に所定の数(特に整数)を乗じた大きさであってもよい。
【0034】
格納管理部150は、例えば読取機(例えば、作業者が操作する読取機や設置型の読取機、作業ロボット(特に自律制御作業ロボット)に備えられた読取機など)による配送物等の格納物に付された識別コードの読み取り(例えば二次元バーコードやRFIDタグ、NFCなどの読み取り)や作業者等により格納物に関する格納物情報の入力操作などの格納物受け入れ処理などに応じて、格納物情報記憶部123における格納物識別情報及び格納空間情報記憶部124における格納空間識別情報の追加やユーザ識別情報の関連付け等の情報登録を実行する。
【0035】
格納容積状況情報生成部151は、ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、当該格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、当該格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成し、格納空間情報記憶部122の格納容積状況情報を更新する。格納容積状況情報は、例えば、格納空間内の残余空間を示す残余空間情報、および/または、格納空間内の格納済空間を示す格納済空間情報であり得る。
【0036】
残余空間算出部152は、ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、少なくとも当該格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、当該格納空間内の残余空間(いわゆる空きスペース)を示す残余空間情報を算出する。残余空間の算出方法は、所定の容積の空間に対して所定の物体を格納するための既知の箱詰め計算アルゴリズムにより、残余空間を算出する。ここで、残余空間の算出結果は、特に格納容器が上述のように所定の法則にしたがって基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されている場合においては、残余空間も格納容器種別に換算しやすい容積値となり、残余空間を格納容器種別に換算した残余換算格納容器種別情報を求めるやすくなり得る。特に、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを、上述のとおり、所定の数で除して当該所定の数より少ない数で乗じた格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別を含む場合や、所定の数で除した格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別を含む場合には、より格納空間内の残余空間の算出が容易になる。また、格納空間内が間仕切り等によって格納容器種別のいずれかに対応するように区切られている場合には、格納空間情報記憶部124において、格納空間識別情報に紐づけて、対象となる格納空間内で間仕切り等によって分割された領域ごとに識別可能に付される分割領域識別情報及び当該分割領域識別情報に対応する対応格納容器種別情報が記憶されており、残余空間算出部152は、格納可能な分割領域識別情報を残余空間情報としてもよい。
【0037】
格納済空間算出部153は、ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、当該格納空間の格納状態を示す格納状態情報とに基づき、当該格納空間内の格納済空間を示す格納済空間情報を算出する。格納済空間の算出方法は、所定の容積の空間に対して所定の物体を格納するための既知の箱詰め計算アルゴリズムにより、格納済空間を算出する。ここで、特に格納容器が上述のように所定の法則にしたがって基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されている場合においては、当該格納済空間情報も格納容器種別に換算しやすい容積値となり、格納済空間を格納容器種別に換算した格納済換算格納容器種別情報を求めるやすくなり得る。特に、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを、上述のとおり、所定の数で除して当該所定の数より少ない数で乗じた格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別を含む場合や、所定の数で除した格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別を含む場合には、より格納空間内の格納済空間の算出が容易になる。また、格納空間内が間仕切り等によって格納容器種別のいずれかに対応するように区切られている場合には、格納空間情報記憶部124において、格納空間識別情報に紐づけて、対象となる格納空間内で間仕切り等によって分割された領域ごとに識別可能に付される分割領域識別情報及び当該分割領域識別情報に対応する対応格納容器種別情報が記憶されており、格納済空間算出部153は、格納可能な分割領域識別情報を格納済空間情報としてもよい。
【0038】
ここで、格納容器が基準格納空間容積に対して所定の容積ごとに格納容器種別が規定されている場合における残余空間および/または格納済空間の算出例について、
図6を用いて簡略化して説明する。当該格納容器は、基準格納空間容積に対して高さを3で除して当該3以下の数で乗じた格納容器容積ごとに識別可能に設定された複数の格納容器容積の種別(例えば1/3、2/3、1)について例示する。
【0039】
まず、格納空間識別情報「0001」においては、ユーザ情報「U0001」が紐づけされている。ここに、基準格納空間容積の3分の1の容器(格納容器種別「S033」)に格納された格納物(格納物情報「N0001」)が格納される場合、格納物が未格納の格納空間に格納するため、残余空間情報は1から1/3を差し引き「2/3」と更新し、残余換算格納容器種別情報は「S033」が2つ、および、または「S066(基準格納空間容積の3分の2の容器を示す格納容器種別)」が1つを示す情報として更新され、格納済空間情報は0に1/3を加えて「1/3」と更新し、格納済換算格納容器種別情報は「S033」が1つを示す情報として更新される。
【0040】
同様に、基準格納空間容積の3分の1の容器(格納容器種別「S033」)に格納された格納物(格納物情報「N0010」)がさらに格納される場合、すでに格納物(N0001)が格納された格納空間にさらに格納するため、残余空間情報は2/3から1/3を差し引き「1/3」と更新し、残余換算格納容器種別情報は「S033」が1つを示す情報として更新され、格納済空間情報は、1/3に1/3を加えて「2/3」と更新し、格納済換算格納容器種別情報は「S033」が2つを示す情報として更新される。
【0041】
このようにして残余空間および/または格納済空間の算出を行い、特に例示したように、格納空間の奥行、幅、高さのいずれかを所定数で除した場合には、より簡便に実行可能となる。なお、上述のとおり既知の箱詰め計算アルゴリズムにより、より高度な残余空間および/または格納済空間の算出が可能であり、その場合は格納済みの格納物の格納位置も再編成をするようにしてもよい。
【0042】
また、上記例のように格納空間内の共通領域に対する格納ではなく、格納空間内が間仕切り等によって格納容器種別のいずれかに対応するように分割領域が区切られている場合には、残余空間情報は格納物の関連付けがない分割領域識別情報であって、残余換算格納容器種別情報は格納物の関連付けがない分割領域識別情報に対応する対応格納容器種別情報であってもよいし、格納済空間情報は格納物が関連付けされた分割領域識別情報であって、格納済換算格納容器種別情報は格納物が関連付けされた分割領域識別情報に対応する対応格納容器種別情報であってもよい。なお、間仕切りの位置が移動可能であって、対応格納容器種別情報を変更可能(例えば、「S033」が2つから「S066」に変更する、または、その逆など)であってもよいし、各分割領域識別情報に対応する対応格納容器種別情報が1つ(例えば、「S066」)だけでなく、これに代えて、もしくは、加えて、複数の対応格納容器種別情報(「S033」が2つ)が対応付けられていてもよい。
【0043】
次に、
図7及び
図8を用いて、格納空間情報記憶部122に記憶される情報(特に残余空間情報および/または格納済空間情報)と格納空間(例として、個人ごとに割り振られた棚などの格納空間群)の例を示す。まず、格納空間識別情報「0001」においては、紐づけされているユーザ情報が「U0001」、格納物情報が「N0001」であり、格納物に対応する格納容器種別情報として、基準格納空間容積の4分の1の容器種別を示す「S025」が1つ格納されていることが示されているため、残余空間情報が「3/4」(残余換算格納容器種別情報が基準格納空間容積の4分の3の容器種別を示す「S075」)と算出され、格納済空間情報が「1/4」(格納済換算格納容器種別情報が基準格納空間容積の4分の1の容器種別を示す「S025」)と算出される。
【0044】
次に、格納空間識別情報「0002」においては、紐づけされているユーザ情報が「U0011」、格納物情報が「N0002」であり、格納物に対応する格納容器種別情報として、基準格納空間容積の2分の1の容器種別を示す「S050」が1つ格納されていることが示されているため、残余空間情報が「1/2」(残余換算格納容器種別情報が基準格納空間容積の2分の1の容器種別を示す「S050」)と算出され、格納済空間情報が「1/2」(格納済換算格納容器種別情報が「S050」)と算出される。
【0045】
次に、格納空間識別情報「0003」においては、紐づけされているユーザ情報が「U0005」、格納物情報が「N0003」であり、格納物に対応する格納容器種別情報として、基準格納空間容積と略同一の容器種別を示す「S100」が1つ格納されていることが示されているため、残余空間情報が「0」(すなわち、空きが無し)と算出され、格納済空間情報が「1」(格納済換算格納容器種別情報が「S100」)と算出される。
【0046】
次に、格納空間識別情報「0004」においては、紐づけされているユーザ情報が「U0003」、格納物情報が「N0004」、「N0005」であり、格納物に対応する格納容器種別情報として、上述の「S025」が1つ(例えば上下積載可否情報が上積厳禁を示す)、「S050」が1つ格納されていることが示されているため、残余空間情報が「1/4」(残余換算格納容器種別情報が基準格納空間容積の4分の1の容器種別を示す「S025」)と算出され、格納済空間情報が「3/4」(格納済換算格納容器種別情報が「S025」、「S050」または「S075」)と算出される。
【0047】
最後に、格納空間識別情報「0005」、「0006」においては、紐づけされているユーザ情報が「U0009」(すなわち、2つの格納空間を利用している)、格納物情報が「N0006」及び「N0007」、であり、格納物に対応する格納容器種別情報として、上述の「S100」が1つ、「S050」が1つ格納されていることが示されているため、残余空間情報が「0」と「1/2」と算出され、格納済空間情報が「1」と「1/2」(格納済換算格納容器種別情報が「S100」、「S050」)と算出される。この場合、ユーザ情報「U0009」のユーザにおける格納空間の実質的な残余空間は「1/2」(残余換算格納容器種別情報が基準格納空間容積の2分の1の容器種別を示す「S050」)といえる。
【0048】
このように、格納容積状況情報生成部151は、ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、当該格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、当該格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報(残余空間情報、および/または、格納済空間情報)を生成することが可能となる。特に、格納容器種別情報として、所定の格納空間容積を基準格納空間容積として、所定の数で除した格納容器容積ごとに識別可能に識別情報が設定されることで、パズルのごとく格納空間に格納物を効率的に収納することが可能となり、残余空間容積および/または格納済空間容積が残余換算格納容器種別情報として明確化することが可能となる。これを利用して、格納容積状況情報が示す空間空間の容積が所定の条件下となることに応じて、格納空間に関する通知を生成し、ユーザ端末2または作業者端末3へ送信することが可能となる。以下において通知の生成について詳述する。
【0049】
通知部154は、格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となることに応じて、格納空間に関する通知を生成し、ユーザ端末2または作業者端末3へ送信する。格納容積状況情報が残余空間情報である場合には、通知部154は、残余空間情報が示す残余空間の容積が所定の条件下となること(残余換算格納容器種別情報に基づく場合は、残余換算格納容器種別情報が、所定の条件下の格納容器種別情報となること)に応じて、ユーザに紐づく格納空間に関する通知を生成し、ユーザ端末2または作業者端末3へ送信する。格納容積状況情報が格納済空間情報である場合には、通知部154は、格納済空間情報が示す格納済空間の容積が所定の条件下となること(格納済換算格納容器種別情報に基づく場合は、格納済換算格納容器種別情報が、所定の条件下の格納容器種別情報となること)に応じて、ユーザに紐づく格納空間に関する通知を生成し、ユーザ端末2または作業者端末3へ送信する。
【0050】
通知部154による、格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となることの判定は、例えば、格納物が登録されるタイミングに実行されてもよく、格納物が登録された結果に算出された格納容積状況情報が示す空間の容積に応じて判定を行ってもよい。
【0051】
また、通知部154による、格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となることの判定は、例えば、本情報処理システム上、あるいは、本情報処理システムと関連情報を送信または受信を行って相互に連携する外部システム上などで行われる電子商取引に紐づく購入商品情報に対応する格納容器種別情報の設定に応じて、購入商品が仮想的に格納空間に格納された場合の格納容積状況情報が示す容積に応じて判定を行ってもよい。購入商品情報に対応する格納容器種別情報の設定は、例えば、各購入商品に対応するサイズ情報(奥行、幅、高さ)を読み出し、所定の容積の空間に対して所定の物体を格納するための既知の箱詰め計算アルゴリズムにより各格納容器種別の容器に仮想的に購入商品を格納することで設定されたり、購入商品ごとに商品対応格納容器種別情報を予め設定しておいてもよい。
【0052】
また、通知部154による、格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下となることの判定は、例えば、過去に購入した商品の再購入時期情報や、定期購買商品に紐づく定期配送時期情報(例えば、定期配送配送予定日情報)に基づき予測される購入予定商品が仮想的に格納空間に格納された場合の格納容積状況情報が示す容積に応じて判定を行ってもよい。再購入時期情報は、既知の方法で設定されてよいが、例えば、過去に購入した商品の内容量に対して所定期間周期で所定個数が消費されることを想定して算出した所定残量になる日付に基づき設定してもよいし、複数回購入されている場合には、過去の再購入期間に基づき、例えば平均値をとるなどして設定してもよい。購入予定商品に対応する格納容器種別情報の設定は、例えば、購入予定商品に対応するサイズ情報(奥行、幅、高さ)を読み出し、所定の容積の空間に対して所定の物体を格納するための既知の箱詰め計算アルゴリズムにより各格納容器種別の容器に仮想的に購入予定商品を格納することで設定されたり、購入予定商品ごとに商品対応格納容器種別情報を予め設定しておいてもよい。
【0053】
所定の条件とは、格納容積状況情報が残余空間情報である場合には、残余空間情報が示す残余空間の容積が所定容積以下(所定容積を下回ることを含む)となることであり、特に残余換算格納容器種別情報に基づく場合は、残余換算格納容器種別情報が、所定容積以下の容積を示す格納容器種別情報となることであり得る。
【0054】
所定の条件とは、格納容積状況情報が格納済空間情報である場合には、格納済空間情報が示す格納済空間の容積が所定容積以上(所定容積を上回ることを含む)となることであり、特に格納済換算格納容器種別情報に基づく場合は、格納済換算格納容器種別情報が、所定容積以上の容積を示す格納容器種別情報となることであり得る。
【0055】
さらに、上述の条件に加えて、格納空間内のいずれかの格納物の格納期間が所定の期間(例えば数日、1週間、数週間など)を経過していることを条件としてもよい。これにより、所定の容積値以上となるたびに通知が生成されて、ユーザ端末2または作業者端末3へ送信されることを防止することが可能となる。
【0056】
格納期間の算出は、例えば登録日からの経過期間により算出される。ユーザによる受取が判定された場合には、受け取られた格納物に対応する格納物情報が格納空間情報記憶部122から削除される。ユーザによる受取の判定は、例えば、ユーザ端末2のアプリケーション上で受取操作がされることであり、格納空間からの受取の際に識別コードを読み取るなどして認証を行うこと、または、電気的に施解錠可能な格納空間である場合には格納空間に対する解錠操作のための認証を行うことであってもよい。もしくは、ユーザによる受取の判定は、例えば、格納空間に対して設けられた撮影装置による画像認識や、格納容器に付されたタグ部との相互通信などに基づき、格納空間から取り除かれたことが判定されることであってもよい。
【0057】
上述の条件に関する基準値(所定容積の値や所定の期間など)は、システム上で予めユーザ一律に決められていてもよいし、ユーザごとに設定可能であってもよい。ユーザごとに設定可能である場合には、ユーザが自ら設定してもよいし、ユーザの購入履歴情報に応じて判定される購入頻度の高い格納容器種別に基づき設定されてもよい。
【0058】
格納空間に関する通知は、例えば、格納空間内の容積に関する状況を含む通知を含んでいてもよいし、格納空間内の格納物の受け取りを促す通知を含んでいてもよい。より具体的には、上記条件の所定値が「1/3(S033)」と設定されている場合には、ユーザ端末2へ「残余空間が1/3以下となりましたので、格納空間に格納されている格納物を受け取ってください」などと通知してもよい。
【0059】
格納空間に関する通知は、例えば、格納空間に紐づくユーザ識別情報に関連付けられる他ユーザ識別情報に紐づく他の格納空間の利用を確認する通知を含んでいてもよく、さらに他の格納空間の格納空間内の容積に関する状況を含む通知を含んでいてもよい。他ユーザ識別情報は、例えば、家族またはパートナー等として設定された同居ユーザ識別情報や、ユーザを代理受け取りユーザとして設定している、または、ユーザが代理受け取りユーザとして設定している代理依頼ユーザ識別情報などであってもよい。本例では、当該関連付けのために、例えば、ユーザ側のアプリケーション上で他ユーザの識別情報の登録処理を実行したり、および/または、他ユーザ側のアプリケーション上でユーザの識別情報との関連付けに対する許可の可否を選択する処理を実行したり、などしてもよい。より具体的には、ユーザ端末2へ「残余空間が1/3以下となりましたが、奥様の格納空間の残余空間が1です。こちらの格納空間に格納しますか?」などと通知してもよい。
【0060】
格納空間に関する通知は、例えば、追加の格納空間の利用を確認する通知を含んでいてもよく、さらに追加の格納空間の追加処理に関する通知(例えば、追加にかかる費用、追加処理のためのリンクなど)を含んでいてもよい。より具体的には、ユーザ端末2へ「残余空間が1/3以下となりましたが、追加の格納空間を利用しますか?追加利用する場合には、〇〇円が追加で課金されます。追加処理に進むには、下記の予約リンクを選択してください。」などと通知してもよい。その後、ユーザのアプリケーション上などで追加処理が実行された場合には、格納空間情報記憶部122において新たな格納空間識別情報とユーザ識別情報が紐づけられて記憶され、対応するユーザに対して課金処理を行ってもよい。
【0061】
なお、代理受け取りユーザが設定されている場合には、代理受け取りユーザだけに、または、代理受け取りユーザにも併せて、上述の各種通知を送信するようにしてもよい。
【0062】
また、格納空間内の容積に関する状況を含む通知は、ユーザ端末2に代えて、または、加えて、格納空間を有する場所で格納作業や格納物の管理業務等の格納空間に関する業務を行う作業者が有する作業者端末3に通知してもよい。これにより、作業者端末3を操作してユーザ端末2へその他の通知(他の格納空間の利用を確認する通知や、格納空間の追加を確認する通知、臨時スペースの利用を確認する通知など)を送信するようにしてもよいし、作業者から直接ユーザへ連絡するようにしてもよい。
【0063】
<処理の流れ>
図9を参照しながら、本発明の情報処理システムが実行する情報処理方法の処理の流れについて説明する。
図9は、
図1の情報処理システムの処理の例を示すフローチャートである。
【0064】
ここで、本情報処理システムにより提供される、ユーザまたは作業者は、アプリケーション(ウェブブラウザを含む)等を利用して管理サーバ1にアクセスし、初めてサービスを利用する場合は、利用登録処理を行ってログインしてもよく、既にアカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能としてもよい。なお、アカウントに代えて、ユーザ端末2または作業者端末3にダウンロードされたアプリケーションに関連する固有のアプリケーションIDをユーザ識別情報(ID)として当該サービスを利用可能としてもよい。このログイン認証後、アプリケーション(ウェブブラウザ含む)等を介してサービス利用が開始される。
【0065】
まず、本例では、管理サーバ1のデータ管理部120(特に格納管理部150)は、例えば読取機による格納物等に付された識別コードの読み取りなどの格納物受け入れ処理等に応じて、新たに格納物識別情報や格納空間識別情報を生成して、格納物情報や格納空間情報をユーザに紐づけて登録を実行する(S101)。ここで、格納空間がすでにユーザに紐づいている場合には、格納物情報だけ登録してもよい。
【0066】
次に、格納容積状況情報生成部151により、ユーザに紐づく格納空間への格納物を格納する格納容器の容積ごとの種類を示す格納容器種別情報と、当該格納空間の容積を示す格納空間容積状況情報と、に基づき、当該格納空間内の容積に関する状況を示す格納容積状況情報を生成し、格納空間情報記憶部122の格納容積状況情報を更新する(S102)。
【0067】
そして、ステップS102において、格納容積状況情報が示す空間の容積が所定の条件下ではないと判定された場合には、そのまま本フローを終了する。その後、格納物は、既に本システムに対応する格納容器に格納済みである場合にはそのまま格納空間に格納され、まだ格納済みでない場合には、格納物のサイズ情報などに基づきデータ管理部120により算出される格納容器種別の格納容器に格納された後に格納空間に格納される。
【0068】
一方、ステップS102において、所定の条件下であると判定された場合には、通知部154は、格納空間に関する通知を生成し、ユーザ端末2または作業者端末3へ送信する(S104)。
【0069】
その後、格納物は、既に本システムに対応する格納容器に格納済みである場合にはそのまま格納空間に格納され、まだ格納済みでない場合には、格納物のサイズ情報などに基づきデータ管理部120により算出される格納容器種別の格納容器に格納された後に格納空間に格納される。
【0070】
以上のように、格納容器種別識別情報を用いて格納物(例えば配送物など)を定型化して管理することで、格納物の総合的な物量の把握を容易にし、様々な格納空間への効率的な格納を可能とする情報処理システム及びサーバ、情報処理方法、プログラムを提供することができる。
【0071】
上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0072】
1 管理サーバ
2 ユーザ端末