(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】セルを管理するための管理回路を含む電気エネルギー貯蔵又は生成セルの組立体
(51)【国際特許分類】
H01M 10/44 20060101AFI20250228BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20250228BHJP
H01M 8/249 20160101ALI20250228BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20250228BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H01M8/249
H01M8/04 Z
H02J7/34 B
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021065112
(22)【出願日】2021-04-07
【審査請求日】2024-01-10
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】311015001
【氏名又は名称】コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク・エ・オ・エネルジ・アルテルナテイブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ・セクアール
(72)【発明者】
【氏名】ジスラン・デペス
(72)【発明者】
【氏名】サミ・ウカシ
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03203599(EP,A1)
【文献】特開2015-165732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/44
H01M 10/48
H01M 8/249
H01M 8/04
H02J 7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
- ランクiのN個の電気エネルギー貯蔵又は生成セル(B
i)であって、N≧2であり、各セルは、基本セル又は直列及び/若しくは並列に配置された基本セル(CE
ij)の基本組立体を含み、各電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、全ての時間tにおいて最大電流I
max,iを供給することが可能である、N個の電気エネルギー貯蔵又は生成セル(B
i)、
- 前記電気エネルギー貯蔵又は生成セル(B
i)を管理するための管理回路
を含む、出力電流I
sを送達することが可能な組立体において、
前記電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、低下する使用優先度においてそのランクiに従って分類され、前記管理回路は、放電モードにおいて、
少なくともランク1の前記電気エネルギー貯蔵又は生成セル、又はそのランクi及び以下の基準:
- ランク1の前記電気エネルギー貯蔵又は生成セル(B1)は、それが前記出力電流I
sを供給することが可能である限り、それ自体でアドレス指定され、ここで、I
s<I
max1であること、
- ランク1の前記電気エネルギー貯蔵又は生成セル(B
1)は、更にそのランクiに従って連続してアドレス指定される数k個の電気エネルギー貯蔵又は生成セル(B
i)と共にアドレス指定されて、放電モードの全ての時間で前記電流I
sを供給し、前記数kは、
厳密に2
より高く、N以下であり、且つ以下の条件:
【数1】
を満たすこと
に従い
、前記電気エネルギー貯蔵
又は生成セルをアドレス指定するための手段を含み、
前記電気エネルギー貯蔵又は生成セル(B
i)を管理するための前記管理回路は、
- ランクiのブロック(M
i)
を含み、各電気エネルギー貯蔵又は生成セル(B
i)は、ブロック(M
i)に結合され、ブロック(M
i)に結合された各セル(B
i)は、出力電流(I
i)を送達することが可能であり、
前記ブロック(M
i
)は、前記出力電流(I
i)の和に等しい出力電流(I
s)を生成し、前記ブロック(M
i)は、電流値I
max,1を超えることなく、第1の電気エネルギー貯蔵又は生成セルを、それが完全に枯渇されるまで選択し、且つその後、電流値I
max,i
を超えることなく、
各次の電気エネルギー貯蔵又は生成セル
(B
i
)を、それが完全に枯渇されるまで選択する
、組立体。
【請求項2】
各ブロック(M
i)は、スイッチを含み、前記電気エネルギー貯蔵又は生成セルを管理するための前記管理回路は、オールオアナッシングモードでヒステリシスを通して前記電気エネルギー貯蔵又は生成セル(B
i)のそれぞれを制御す
る、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
各ブロック(M
i)は
、電圧
閾値Uth
iを有する調整器(Rg
i)を含
む、請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
組立体は、出力電圧V
sで動作し、各ブロック(M
i)は、電圧閾値
Uth
i
を有して動作する調整器
(Rg
i
)を含み
、
Uth
2>Uth
3>...>Uth
N
及び
- ランク1の前記セル(B
1)は、V
s≧Uth
2である場合、それ自体で活性化されて、I
max,1を供給し、
- V
s<Uth
2である場合、前記第2のセル(B
2)は、前記第1のセル(B
1)に加えて活性化されて、追加の電流を供給し、
- V
s<Uth
Nである場合、第Nのセル(B
N)は、下位ランクの前記セルB
1+B
2+...B
N-1に加えて活性化されて、追加の電流を供給する、請求項3に記載の組立体。
【請求項5】
出力電圧Vsで動作し、各ブロック(M
i)は、設定点電圧を有し、且つ
- 前記出力電圧V
sが前記設定点電圧よりも低い場合、前記出力電圧V
sを前記設定点電圧に保つために出力において電流を供給すること、及び
- 前記出力電圧Vsが設定点よりも大きい場合、ゼロ電流を供給すること
が可能であるスイッチモードコンバータを含
む、請求項1に記載の組立体。
【請求項6】
異なる電気容量値を有する電気エネルギー貯蔵又は生成セルを含
む、請求項1又は2に記載の組立体。
【請求項7】
前記電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、前記ランクiに従って低減する電気容量値を有す
る、請求項3に記載の組立体。
【請求項8】
前記管理回路は、再充電モードにおいて、負の出力電流-Isに対応して、前記セルの全てを並列に配置するための手段を含
む、請求項1~7の何れか一項に記載の組立体。
【請求項9】
前記管理回路は、再充電モードにおいて、負の出力電流-I
sに対応して、ランクN~ランク1の優先度として高ランクの前記セルをアドレス指定するための手段を含
む、請求項1~7の何れか一項に記載の組立体。
【請求項10】
前記基本電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、電池であ
る、請求項1~9の何れか一項に記載の組立体。
【請求項11】
前記基本電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、マイクロ電池であ
る、請求項1~9の何れか一項に記載の組立体。
【請求項12】
前記基本電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、水素燃料電池であ
る、請求項1~9の何れか一項に記載の組立体。
【請求項13】
前記マイクロ電池及び前記管理回路は、3Dスタックに含まれ
る、請求項11に記載の組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、電池、水素燃料電池等の電気エネルギー貯蔵又は生成セルの組立体の分野であり、より詳細にはセルを管理するための管理回路を含み、前記組立体の使用可能なエネルギー又は他に前記組立体によって供給されるシステムの自律期間を増加させることを可能にする組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明により対処される問題は、特定の充電状態から開始して電流を供給する容量の低下及び電気エネルギー貯蔵又は生成セルにより供給されるシステムの自律期間の短縮に関する。
【0003】
一般的に、電池の充電及び放電レジームは、一般に「Cレート」と呼ばれるパラメータによって特徴付けられ得る。1Cで評価される1mAhの電池とは、電池が1Cレジームで放電する場合、1mAを1時間供給することが可能であることを意味する。
【0004】
電池の貯蔵容量は、一般に、電池の仕様書を用いて製造業者により供給され、電池の所定の放電終了電圧に達するまで電池が20℃で供給することが可能な時間と公称電流との積に対応する。このため、電池の公称容量は、予期される放電期間にリンクする。
【0005】
本出願人は、マイクロ電池の場合、特定の放電状態から開始して公称電流を供給する容量の急降下を実証した。この低下は、高容量リチウムイオン電池であまり目立たずより漸次的であるが、高容量リチウムイオン電池でも存在する。
【0006】
したがって、この問題は、輸送(自転車、車、大型トラック、列車等)、自律システム(ソーラー無線中継機、ローラシャッタ、被接続物体等)、蓄電体等の高電力用途の状況を含め、一般的な関心事である。
【0007】
一般的に、マイクロ電池とは、電気絶縁体及びイオン伝導体(電解質)により隔てられた2つの電極(正及び負)からなり、マイクロ電池が充電されるか又は放電されるかに応じてイオン(例えば、リチウムイオン)が一方の電極から他方の電極に遷移する電子化学デバイスである。
【0008】
適用の標的分野(モノのインターネット、医療用インプラント、自律センサ等)は、デバイスに供給するエネルギー源のサイズに大きい制約を課す。正電極は、リチウムイオンリザーバを形成し、貯蔵されるエネルギーの量は、その容積(一定密度における)に直結している。
【0009】
マイクロ電池の容量を上げる直接的な一方法は、例えば、カソードの厚さを、通常10μmを超えて増大させることを含み得る。並列接続された複数の電池ユニットのスタックを形成することも可能であり、それにより同一の表面フットプリントを保てるようにする。
【0010】
しかしながら、これらの解決策には、複数の欠点がある。
- 10μmを超える厚さで制限されるカソードのスパッタリング堆積技法により、正電極の厚さを増大させると、表面及び容積の不備が増大し、場合によりマイクロ電池の故障に繋がり、
- マイクロ電池は、最初の充電と最初の放電との間で容量の不可逆的損失を示し、これは、カソードの厚さが大きい場合、一層顕著であり、したがって10μmを超える厚さを有する正電極で特に有害である。
【0011】
図1は、リチウムベースのマイクロ電池(LiCoO
2で作られた正電極、チタンで作られた負電極、LiPONで作られた固体電解質)での充電容量及び放電容量の関数としてのマイクロ電池の充電電流I及び電位差E(V対Li
+/Li)をより精密に示す。
【0012】
図1は、一定電位4.2Vで充電中の電流プロファイル(電流尺度が右にあり、充電尺度Ahが上にある破線曲線)を示す。放電中、一定電流-6μAが印加され、電位差(電圧尺度が左にあり、放電尺度Ahが下にある非破線の曲線)は、4.2V~3Vで変化する。
【0013】
合計容量の30%~40%を表す損失(水平矢印で強調表示された充電容量と放電容量との差)は、放電末期での動力学的限界に起因する。しかしながら、この限界を解消することが可能であるが、放電電流は、大幅に低下し、それにより定常モード外の任意の構成要素への供給が不可能になる。
【0014】
図2は、この事例、より精密にはμAh単位で表される放電容量の関数としての放電電流(μA単位で表される)の発生を示す。
図2も電位差E(V対Li
+/Li)を強調表示している。
【0015】
最初のレジームでは、マイクロ電池は、一般に、印加電流-6μAhで動作し得、前記マイクロ電池の端子間に電圧低下をもたらす。2番目のレジームでは、通常、3Vの電圧を維持することが可能であり、自由なままの放電電流低下は、-6μAhから0に近いはるかに低い電流に変化する。
【0016】
2番目のレジームでは、
図3に示されるように非常に低い電流を課すことも可能である。
【0017】
したがって、両方の状況で放電電流が非常に低くなり、2番目のレジームにおいて十分な電流供給を達成することがもはやできなくなることが示された。
【0018】
したがって、上記欠点を解消するために、マイクロ電池に関連してエネルギー管理回路を使用することが必要になる。
【0019】
スタックマイクロ電池でエネルギーを管理するために提案されるデバイスがマイクロ電池の分野で既知であり、特にミシガン大学の特許である米国再審査登録特許第009635147B2号明細書に記載されている。マイクロ電池は、容量性電荷リザーバを供給し、その機能は、用途により要求される電流ピークを供給することにより外部回路に給電することである。
【0020】
この電荷リザーバは、デバイスの動作中、マイクロ電池により定期的に再充電される。定期的な再充填は、情報伝送率の固有の限界に繋がる。更に、リザーバが大きいほど、表面積及び製造に関して高価である。
【0021】
文献米国再審査登録特許第009252415B2号明細書、Medtronicsも、ウェーハを積層することによりマイクロ電池を並列に配置することを開示しており、チップは、積層プロセス中、再分配及びビア層により接続される。
【0022】
しかしながら、上述した2つの解決策は、特にカソードの厚さが大きい(10μm超の厚さ)場合、所望の目的に合った容量及び構成要素の容積フットプリントを損ねる最初のサイクル後の不可逆的損失の問題に対処していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【文献】米国再審査登録特許第009635147B2号明細書
【文献】米国再審査登録特許第009252415B2号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
本出願人は、この不可逆的な損失に焦点を当て、貯蔵エネルギーの最高で34%までを表し得るマイクロ電池の2番目の放電レジームにおいて、電流が低すぎて用途の公称動作を保証できないことを特に示した。
【0025】
この問題を解決するために、本出願人は、エネルギー管理回路を含み、組立体の自律期間を最適化し、特にその最初のレジームにおいて1つのセルを利用可能に保つ一方、他の1つ又は複数のセルに2番目のレジーム(2番目の放電部分)で引き続き電流を供給させ続けられるようにする電気エネルギー貯蔵又は生成セルの組立体を提案している。この解決策は、マイクロ電池の場合に特に適し得るが、任意の他の場合の電気エネルギー貯蔵又は生成セルでも関連し、より長期にわたり用途電流の供給を続けられるようにする。
【0026】
セルの放電は、可能な限り早期に2番目のレジームを使用することが優先され、続くセルは、随時、用途のニーズを満たすのに必要な追加電流を供給するように連続して切り替えられる。これは、動作中、電池が最初の66%にわたってのみ放電する標準的な場合と比較して約30%~35%の容量増加に繋がり得る。
【0027】
本発明では、電池又は電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、1つの基本セル又は直列及び/若しくは並列に配置された複数の基本セルの組立体であるものとして定義されることに留意されたい。
【0028】
本発明の組立体は、セルの組及び関連する管理回路を含み、
- 組は、2つ以上のセルからなり、
- エネルギーは、2番目のレジームにおける動力学的限界の影響を平滑化することにより、全ての容量を使用するように各セルにより段階的に供給され、
- セルの充電段階に応じて異なるレジームのセルを同時にアドレス指定することができ、
- セル及び管理回路は、有利には、3Dスタックに含まれ得、
- プリアンブルに記載される従来のマイクロ電池等のセルの場合、合計容量が大きいほど損失が顕著であるため、正電極の厚さは、通常、限定ではなく、10μm超であり得る。
【0029】
本発明は、より詳細には、
- ランクiのN個の電気エネルギー貯蔵又は生成セルであって、N≧2であり、各セルは、基本セル又は直列及び/若しくは並列に配置された基本セルの基本組立体を含み、各電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、全ての時間tにおいて最大電流I
max,iを供給することが可能である、N個の電気エネルギー貯蔵又は生成セル、
- 前記電気エネルギー貯蔵又は生成セルを管理するための管理回路
を含む、出力電流I
sを送達することが可能な組立体において、
前記電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、低下する使用優先度においてそのランクiに従って分類され、前記管理回路は、放電モードにおいて、そのランクi及び以下の基準:
- ランク1の電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、それが出力電流I
sを供給することが可能である限り、それ自体でアドレス指定され、ここで、I
s<I
max1であること、
- ランク1の電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、更にそのランクiに従って連続してアドレス指定される数k個の電気エネルギー貯蔵又は生成セルと共にアドレス指定されて、放電モードの全ての時間で電流I
sを供給し、数kは、2<k≦Nであるようなものであり、且つ以下の条件:
【数1】
を満たすこと
に従い、少なくともランク1の電気エネルギー貯蔵若しくは生成セル又は電気エネルギー貯蔵若しくは生成セルをアドレス指定するための手段を含むことを特徴とする組立体に関する。
【0030】
本発明の幾つかの変形形態によれば、電気エネルギー貯蔵又は生成セルを管理するための管理回路は、
- ランクiのブロック(Mi)
を含み、各電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、ブロックに結合され、ブロックに結合された各セルは、出力電流を送達することが可能であり、
- 前記ブロックの組は、出力電流Iiの和に等しい出力電流Isを生成し、前記ブロックは、電流値Imax,1を超えることなく、第1の電気エネルギー貯蔵又は生成セルを、それが完全に枯渇されるまで選択し、且つその後、電流値Imax,2を超えることなく、第2の電気エネルギー貯蔵又は生成セルを、それが完全に枯渇されるまで選択する等であり、且つその後、第Nの電気エネルギー貯蔵又は生成セルを選択する。
【0031】
本発明の幾つかの変形形態によれば、各ブロックは、スイッチを含み、前記電気エネルギー貯蔵又は生成セルを管理するための管理回路は、オールオアナッシングモードでヒステリシスを通して前記電気エネルギー貯蔵又は生成セルのそれぞれを制御する。
【0032】
本発明の幾つかの変形形態によれば、各ブロックは、基準出力電圧Uthiを有する調整器を含む。組立体は、出力電圧Vsで動作し得、各ブロックは、電圧閾値を有して動作する調整器を含み、及び調整器の電圧閾値は、
Uth2>Uth3>...>UthN
であるようなものであり、及び
- ランク1のセルは、Vs≧Uth2である場合、それ自体で活性化されて、Imax,1を供給し、
- Vs<Uth2である場合、第2のセルは、第1のセルに加えて活性化されて、追加の電流を供給し、
- Vs<UthNである場合、第Nのセルは、下位ランクのセルに加えて活性化されて、追加の電流を供給する。
【0033】
本発明の幾つかの変形形態によれば、組立体は、出力電圧Vsで動作し、各ブロックは、設定点電圧を有し、且つ
- 出力電圧Vsが前記設定点電圧よりも低い場合、出力電圧Vsを設定点電圧に保つために出力において電流を供給すること、及び
- 出力電圧Vsがこの設定点よりも大きい場合、ゼロ電流を供給すること
ことが可能であるスイッチモードコンバータを含むことを特徴とする。
【0034】
本発明の幾つかの変形形態によれば、組立体は、異なる電気容量値を有する電気エネルギー貯蔵又は生成セルを含む。
【0035】
本発明の幾つかの変形形態によれば、電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、ランクiに従って低減する電気容量値を有する。
【0036】
本発明の幾つかの変形形態によれば、管理回路は、再充電モードにおいて、負の出力電流-Isに対応して、セルの全てを並列に配置するための手段を含む。
【0037】
本発明の幾つかの変形形態によれば、管理回路は、再充電モードにおいて、負の出力電流-Isに対応して、ランクN~ランク1の優先度として高ランクのセルをアドレス指定するための手段を含む。
【0038】
本発明の幾つかの変形形態によれば、基本電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、電池である。
【0039】
本発明の幾つかの変形形態によれば、基本電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、マイクロ電池である。
【0040】
本発明の幾つかの変形形態によれば、基本電気エネルギー貯蔵又は生成セルは、水素燃料電池である。
【0041】
本発明の幾つかの変形形態によれば、マイクロ電池及び管理回路は、3Dスタックに含まれる。
【0042】
限定ではなく与えられる以下の説明を読むこと及び図により、本発明は、よりよく理解され、他の利点も明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】既知の従来技術によるマイクロ電池での最初の充電と最初の放電との間の容量損失を示す。
【
図2】特に3Vの電圧に維持されるマイクロ電池の2番目のレジームにおける時間の関数としての、放電動作中の電圧及び電流の挙動を示す。
【
図3】特に非常に低い放電電流に維持されるマイクロ電池の2番目のレジームにおける時間の関数としての、放電動作中の電圧及び電流の挙動を示す。
【
図4】従来技術によるマイクロ電池のエネルギー管理回路の第1の例を示す。
【
図5】従来技術によるマイクロ電池のエネルギー管理回路の第2の例を示す。
【
図6】本発明によるエネルギー管理回路を含む組立体を概略的に示す。
【
図7a】本発明によるエネルギー管理回路を含む組立体で使用可能なセルと相関付けられたブロックの一例を示す。
【
図7b】本発明によるエネルギー管理回路を含む組立体で使用可能なセルと相関付けられたブロックの一例を示す。
【
図7c】本発明によるエネルギー管理回路を含む組立体で使用可能なセルと相関付けられたブロックの一例を示す。
【
図8】本発明による、1組4個のセルで動作するエネルギー管理回路を含む組立体の一例での1つ、2つ、3つ又は4つのセルと相関付けられた時間の関数としての出力電流の発生の一例を示す。
【
図9】2つの同一セルを含む、本発明によるエネルギー管理回路を含む組立体の一例での時間の関数としての出力電流挙動を示す。
【
図10】2つの異なるセルを含む、本発明によるエネルギー管理回路を含む組立体の一例での時間の関数としての出力電流挙動を示す。
【
図11】3つの異なるセルを含む、本発明によるエネルギー管理回路を含む組立体の一例での時間の関数としての出力電流挙動を示す。
【
図12】スイッチに基づくブロックを含む本発明によるエネルギー管理回路を含む組立体の一例を示す。
【
図13】オールオアナッシングモードでヒステリシスを通して実行され、放電動作中、
図12に示されるもの等の組立体の管理回路で使用可能である、セルを制御するアルゴリズムの一例を示す。
【
図14】本発明による組立体の管理回路で使用可能であり、線形モードで動作し、閾値電圧(放電での動作)により定義される、セルを制御するアルゴリズムの一例を示す。
【
図15】本発明による組立体の管理回路で使用可能であり、線形モードで動作し、各セルで利用可能な電流と要求される電流(放電での動作)とのバランスにより定義される、セルを制御するアルゴリズムの一例を示す。
【
図16】本発明による組立体の管理回路で使用可能であり、線形モードで動作し、各セルでの許容可能な再充電電流と再充電動作中の全体再充電電流とのバランスにより定義される、セルを制御するアルゴリズムの一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
一般的には、本特許出願では、セルは、複数の基本サブセルCE
ijの組立体からなるセルB
iを示す以下の
図6で説明されるように、1つの基本電気エネルギー貯蔵若しくは生成セル又は直列及び/若しくは並列に配置された複数の基本電気エネルギー貯蔵若しくは生成セルの基本組立体として定義される。
【0045】
基本セルCEijは、通常、電池、マイクロ電池、水素燃料電池等の電子化学対である。この基本セルは、他の基本セルと直列に組み合わされて、6つの要素を直列に組み合わせた鉛酸電池での12V等の特定の電圧を達成し得、且つ/又は並列に組み合わされて、より高い電流を供給し得る。
【0046】
以下の詳細な説明では、基本セルは、マイクロ電池であり、適用される管理回路は、それでもなお、マイクロ電池以外のより広い範囲の基本セルにおいて同じであることが可能である。
【0047】
図6に示されるように、管理回路は、セルB
iに結合されたブロックM
iを含む。
【0048】
全てのブロックMiを用いた所望の目的は、完全に枯渇するまで1つのセルを優先し、次に完全に枯渇するまで第2のセルを優先する等であるが、前記セルの充電状態に依存する各セルの最大電流値Imax,iを超えない。
【0049】
電流Isは、出力負荷により課され、ニーズに従って経時変動し得る。これは、各セルが、全ての時間において、超えることができない最大電流Imax,iを供給することが可能であることを知り、ブロックMiのそれぞれの出力における電流I1、I2、...、INの和から生じる。
【0050】
ブロックMiは、異なる種類であり得、例えば接続レート、ステップダウン組立体又は電圧調整器を通して電流を制御し得る。
【0051】
図7a、
図7b及び
図7cは、入力においてセルB
i及び任意選択的な抵抗器R
iに結合され、出力において負荷C
outに結合されたブロックM
iの3つの例を示す。より詳細には、
図7aは、スイッチK
i及びキャパシタC
Miを含む直列フィルタリング及びスイッチングを有するデバイスの一例を示す。
図7bは、2つのスイッチK
i1及びK
i2、キャパシタC
Mi並びにインダクタL
Miを含むスイッチモードコンバータデバイスの一例を示す。
図7cは、電圧調整器Rg
iを有するデバイスの一例を示す。これらの3つの例示的なブロックM
iは、電流を調整して、前記ブロックに結合されたセルを選択的にアドレス指定するか又はアドレス指定しないようにすることができる。
【0052】
一例である
図8に経時的に示され、4つのセルを用いて動作する出力電流I
sの発生では、例えばセルB
1が優先され、次にセルB
2、次にセルB
3、及び最後にセルB
4が優先されて、全ての時間tにおいて出力により要求される電流を満足させる。
【0053】
特に、本発明によれば、セルは、使用優先度が下がるにつれて増大するランクiに従って分類される。
【0054】
セルB1は、優先としてアドレス指定され、十分な電流Imax,1≧Isを供給することが可能である場合、アドレス指定される唯一のセルである。
【0055】
Imax,1<Isである場合、優先順序に準拠しながら、要求される出力電流を満足させられるようにするためにアドレス指定するセルの数kを決定する必要がある。
【0056】
ランク1の電気エネルギー貯蔵又は生成セルB
1は、更にランクiに従って連続してアドレス指定される数k個の電気エネルギー貯蔵又は生成セルB
iと共にアドレス指定されて、放電モードの全ての時間で電流Isを供給し、数kは、2<k≦Nであるようなものであり、Nは、組立体に存在するセルの数であり、数kは、以下の条件:
【数2】
を満たす。
【0057】
本出願人は、複数のマイクロ電池を連続してアドレス指定するために、本発明による管理回路あり及びなしで先に示したもの等の可変数のリチウムイオンマイクロ電池を含む組立体を用いてシミュレーションを実行した。
【0058】
シミュレーションの仮定は、以下のとおりである:
- 4μAに等しい印加を常時行うことが必要であり、
- N個のマイクロ電池(例えば、36μAhの並列になった3つのセルを採用する)にわたり分散した合計容量108μAhを考慮し、容量の最初の72.2%(78μAh)は、C/6の最初のレジームにおける電流、すなわち18μA(容量を6時間で除したものに等しい電流:108μAh/6h)を用いて到達可能である。
【0059】
容量の残りの27.8%(30μAh)は、容量を36(C/36の電流を用いる)で除した容量に等しい2番目のレジームにおける電流、すなわち3μAの電流を用いて到達可能である。
【0060】
単一セルの使用
108μAhの1つのみのマイクロ電池(場合により並列になった複数のマイクロ電池からなる)を使用する場合、最初のレジームにおける電流(18μA)のみで用途(4μA)を満たすことが可能であり、3μAに等しい2番目のレジームにおける電流は、4μAの印加電流未満である。マイクロ電池の容量の72.2%のみ、すなわち78μAhのみ又はすなわち78μAh/4μA=19.5hのみの自律性が使用可能である。
【0061】
本発明の範囲内の2つのセルの使用
本発明の範囲内の2つの同一セルの使用
それぞれ54μAhの2つの同一セル(全体容量108μAh)を例として採用し、各セルは、54μAh/6=9μAの最初のレジームにおける電流Imax及び54μAh/36=1.5μAである2番目のレジームにおける電流Imaxを有する。
【0062】
時間の関数としての電流プロファイルは、
図9に示され、I
1が第1のセルから引かれた電流(4μA)であり、I
2が第2のセルから引かれた電流である(2番目のレジームは、最初のレジームと比較して斜線形態で示されている)電流プロファイルを示す。
【0063】
容量54μAhの72.2%は、584.8分間、4μAの電流を供給することが可能である。
【0064】
第1のセルの2番目のレジームに変わる場合、1.5μAにおいて確立される2番目のレジームの電流Imax,1以下の電流のみを供給することができる。
【0065】
次に、第2のセルがアドレス指定され、これは、追加電流2.5μA(4μA-1.5μAからの追加)の供給を受け持ち、この電流は、最初のレジームでの第2のセルのImax,2(9μA)をはるかに下回ったままである。
【0066】
マイクロ電池の容量を2つ(
図9では斜線なし領域及び斜線付き領域)に分割し、2つの一方の放電を優先することにより、デバイスは、要求される4μAを23.25時間にわたり供給することが可能であり、すなわち、自律性は、同等の公称容量を有する単一マイクロ電池と比較して3.75時間又は+19%増大する。
【0067】
1395分(23.25h)を超えると、デバイスは、1.5μAのみを供給することができ、これは、もはや用途への供給に十分ではなく、したがって、この残留エネルギーは、使用されない。
【0068】
本発明により最適化された2つの異なるセルの使用
2つの異なるセルを考慮して、更なる自律性を獲得し、2つのセルの相対容量を最適化するために、同じ論法が続けられる。本出願人は、異なる容量を有するセルを用いてシミュレーションを実行し、一方のセルが86μAh及び他方のセルが22μAhという最適条件を示した。
【0069】
時間の関数としての2つの異なるセルのこの最適化を用いて達成された電流プロファイルは、
図10に示され、I
1が第1のセルから引かれた電流であり、I
2が第2のセルから引かれた電流である電流プロファイルを示す。
【0070】
その場合、4μAを供給する自律性は、25.5hに変わり、すなわち従来よりも2.25h及び単一セルの場合よりも6h長くなる。
【0071】
本発明の範囲内の3つのセルの使用
本発明の範囲内の3つの同一セルの使用
36μAhの3つの同一セル(なお合計で108μAh)を使用する場合、自律性は、24.375hであり、これは、1つのみのセル又は2つの同一セルを用いる場合よりも良好であるが、互いに上手く最適化された2つのセルを用いる場合ほど良好ではない。
【0072】
本発明の範囲内の最適化された3つの異なるセルの使用
本出願人は、それぞれが89μAh、11μAh及び8μAhの3つのセルを用いた最適な自律性を示し、自律性26.12hを達成できるようにし、すなわち2つの最適セルを用いる場合よりも0.625h長い。
【0073】
時間の関数としてのこの最適条件を用いて達成された電流プロファイルは、
図11に示され、I
1が第1のセルから引かれた電流であり、I
2が第2のセルから引かれた電流であり、I
3が第3のセルから引かれた電流である電流プロファイルを示す。
【0074】
結論として、これらのシミュレーションは、本発明に提示される解決策が、自律性に関して(並列にアドレス指定される3つのセルと、本発明で提案される管理回路に従ってアドレス指定される3つの最適化されたセルとの比較)場合により約33%に達し得る利得を達成できるようにすることを示す。
【0075】
本発明による制御回路を含むエネルギー貯蔵デバイスにおけるセルを制御するアルゴリズムの第1の例
本発明の組立体は、
図12に概略的に示されるものであり得、スイッチK
iに結合されたセルB
iを含む。
【0076】
この第1の例によれば、セルは、以下に説明するように、オールオアナッシングモードでヒステリシスを通して制御される。
【0077】
放電モードにおける動作中、使用優先度の低下において分類されたセルB1、B2、B3、...、BNの例を採用する(B1は、最初に接続されるものであり、BNは、最後に接続されるものである)。
【0078】
Uhighを上限電圧閾値とし、Ulowを下限電圧閾値とし、これらの電圧閾値は、セルの公称動作に関する。これらは、セルが耐えることができる最小及び最大電圧閾値と異なり得るヒステリシス閾値である。通常、Ulowは、製造業者により指定されるセルの最小電圧に近い値であり得る(例えば、この限度値の+5%~+20%)一方、Uhighは、製造業者により指定される最小電圧と最大電圧との略中間にあり得る。
【0079】
放電モードでの動作は、以下のとおりである。
【0080】
セルB
1は、実際には常に放電モードで接続される。
図13に示される状態「0」が存在する。
【0081】
放電電圧は、通常、Li+/Li電池で3Vであり得る下限電圧閾値Ulowを超えて降下すべきではない。
【0082】
まず、セルB1が放電モードである場合、Vs≧Ulowである限り、B1のみが活性化され、B1は、電流Imax,1を供給することができる。
【0083】
V
s<U
lowである場合、システムは、
図13の状態「1」に変わり、セルB
1に加えてセルB
2が活性化される。システムが
図13の状態「1」を経る都度、iが既にNに達した場合を除き、インデックスiは、1だけインクリメントされ(i=i+1)、これは、要求される電流を供給するために、上位ランクB
i+1のセルの接続を概略的に示す。
【0084】
遅延1と呼ばれる選択された標準化時間後、状態「0」に戻り、セルの組が放電モードで接続される。
【0085】
したがって、原理は、出力電圧Vsが下限電圧閾値Ulow未満に降下する場合、続くセルBi+1を接続することを含む。
【0086】
上限セルヒステリシス電圧UHighもある。
【0087】
加えて、電圧V
sがV
s>U
Highであるようなものである場合、好ましくは、最も高いインデックスを有する接続セルの切断が決定される。この切断動作は、
図13の状態「2」に示され、i=i-1の変更により概略的に示される。
【0088】
接続セルの数のインクリメント又はデクリメント(ストップ1~Nの限度内)に続き、短い待機期間遅延1又は遅延2を適用してから状態「0」に戻り得、それにより、出力電圧は、構成変更に続いて新しい値に安定化し、2つの値のi間の不安定状況にリンクする角に高周波の切り替え(例えば、100KHz超)を回避する時間を有する。
【0089】
再充電モードにおいて、全てのセルが並列に配置され、通常、充電システムがセルを再充電することができる電流に関して電流の点で実際には制限されない場合、全てのセルが同時に再充電されると言える。
【0090】
他方では、再充電に利用可能な電流が比較的中程度である(全てのセルを高速で充電することができない)場合、セルNの再充電、次にセルN-1の再充電等を優先することにより逆順優先度を適用して、高電流を供給する可能性を再びシステムに迅速に与え得る。
【0091】
本発明による制御回路を含むエネルギー貯蔵デバイスの第2の例
この第2の例によれば、電池セルは、線形モードで制御される。
【0092】
図6を参照すると、各セルB
iは、ブロック又は管理回路M
iに関連付けられる。この管理回路は、例えば、
図7bのタイプ又は
図7cのタイプであり得る。
【0093】
このタイプの管理回路は、出力電流への各セルの電流寄与をより性格に管理できるようにする。
【0094】
例えば、セルの2つが寄与する場合、セルB2よりもセルB1に高い電流を選択できるようにする。
【0095】
線形モードは、閾値電圧により定義され得る:
放電モードでの動作は、以下のとおりである。
【0096】
Uth2、...、Uthi、...、UthNをブロックM2、...、Mi、...、MNの入力電圧閾値にそれぞれ対応する、値が下がっていく電圧閾値とする。出力電圧VsがUth2以上である場合、第1のセルB1のみが出力電圧を供給する。
【0097】
出力電圧VsがUth2未満に降下する傾向がある場合、第2のセルは、Vs=Uth2を維持するのに必要な程度にのみ介入する一方、第1のセルは、100%接続される(あたかもスイッチが非常に低い電圧降下で第1のセルを出力に直接接続するかのように)。
【0098】
最初の2つのセルがもはや電圧Uth2を維持することができない場合、最初の2つのセルが100%接続されているにも関わらず、電圧Vsは、Uth2未満に降下する。
【0099】
出力電圧がUth3未満に降下する傾向がある場合、第3のセルは、VsをUth3に維持するために必要な程度にのみ介入する一方、最初の2つのセルは、100%接続される。
【0100】
最後のセルがVsを電圧UthNに維持するために介入するまで以下同様である。
【0101】
【0102】
状態「0」において、セルB1~Bi-1は、100%接続され、セルBiは、出力電圧Vsを電圧Uthiに維持するのに寄与し、他のセルBi+1~BNは、切断される。
【0103】
Vsが降下し続け、Vs<Uthi-εであるようになる場合、セルBiは、アドレス指定されて、VsをUthiに等しく維持するのに寄与し、このとき、状態「1」に変わる。
【0104】
特に、電圧Vsが増大するか又は低減するかに応じた電圧Vsの比較のために、小さいεを閾値電圧に加算又は減算して、小さいヒステリシスを形成し、閾値電圧前後での不要な切り替え動作を回避し得る。
【0105】
上記と同じように、電圧Vs>Uthi-1である場合、最高ランクのセルが切断され、B1、...、Bi-1のみが接続される。
【0106】
実際には、各調整器の基準出力電圧Uth
i、インデックスiに伴って低下する電圧Uth
iを用いて、
図7cに記載されるように調整器を使用してそのような原理を実施することは、容易である。
【0107】
同様に、
図7bに記載されるようにコンバータでの出力電圧設定点、直列スイッチモードシステム(
図7aに記載される)又は任意の他のタイプのコンバータを使用することも可能である。
【0108】
これらのコンバータが、出力電圧が設定点電圧未満に降下する傾向がある場合のみ、出力電圧を所望の設定点電圧に維持するために電流を出力に供給し、出力電圧がこの設定点よりも大きい場合、出力電流は、ゼロである(すなわちセルがあたかも出力から完全に切断されたかのように)ことに留意されたい。
【0109】
再充電モードでは、全てのセルを並列に配置又は別の専用組立体を介して任意の他の構成を適用することが可能である。
【0110】
線形モードは、利用可能な電流により定義され得る:
管理回路は、セルBiが全ての時間で供給可能な最大電流Imax,iを推定する推定器を含み得るか、又は推定器に接続され得る。
【0111】
この推定器は、例えば、変更段階、温度等の関数としてセルBiで超えるべきではない最大電流の先の記録に基づき得る。この場合、システムは、例えば、電圧、温度、経過したアンペア時間数等の関数としてセルの変更状態を推定し、次にセルBiから引き出すことができる最大電流を決定する。
【0112】
この最大電流Imax,iの値は、特定のサービス寿命を保証するように更に決定され得、絶対最大電流ではなく、電池の耐久性、特定の効率及び/又は特定の加熱等を保証するのに推奨される最大電流である。
【0113】
実際には、超えるべきではないこの最大電流Imax,iを全ての時間で決定する多くの可能な方法がある。これは、全ての時間における最大であり、Imax,i(t)として定義することができる。
【0114】
図15の図は、利用可能な電流により定義される線形モードでのそのような動作を用いて放電を管理するアルゴリズムのステップを示す。
【0115】
状態「0」において、電気エネルギー貯蔵又は生成セルB1~Bi-1は、最大電流Imax,iを供給し、セルBiは、電圧Vsを所望の電圧Vsetに維持するのに寄与し、他のセルは、切断される。
【0116】
図中、i=1である場合、セルB1のみが、VsをVsetに維持するのに必要な電流を供給することに留意されたい。
【0117】
最も高いインデックスを有する接続セルがゼロ電流を供給する場合、その接続セルは、切断され得る(i=i-1)。これとは対照的に、寄与しているセルが出力電圧を維持することができない場合、続くセル(i=i+1)が寄与する必要がある。
【0118】
全般的な目的は、出力における電圧レベルを保証することであり、したがって、それにより、目的は、「BiはVsを所望の電圧Vsetを維持するのに寄与する」ことであるが、他の目的を考えることもできる:
- 「Biは、出力電流Isを所望の電流値Isetに維持するのに寄与する(電流源システム)」、
- 「Biは、電流Isetの限度内でVsを所望の電圧Vsetに維持するのに寄与する(電流制限付き電圧源システム)」。
【0119】
電流I
max,i又は出力目的のモニタリングは、
図7bに記載されるようにスイッチモードコンバータを使用して実施し得るが、他の構造、例えばステップアップ構造を考えることもできる。
【0120】
再充電(Is<0)、例えば全てのセルを並列に配置するのに任意の手法を採用し得る。可能性の1つは、高インデックスセルを優先して、放電モードで電流容量を高速で回復させること(再充電が終わる前に電流Isがいつか逆になる場合)により再充電を実行することである。
【0121】
図16は、本発明による組立体の管理回路で使用可能であり、各セルが再充電動作中に受け入れることができる最大再充電電流に準拠しながら逆優先順で動作する、セルを制御するアルゴリズムの一例を示す。
【0122】
このために、各セルBiの全ての時間での推奨最大再充電電流Irechargemax,iを定義することが可能である。
【0123】
図16では、i=Nである場合、表現「B
i+1~B
Nは、Irechargemax,iを受け取る」がもはや適切ではなく、セルは、最大電流を受け取らないことに留意されたい。セルB
Nのみが再充電電流I
sを受け取る。
【0124】
本事例では、出力電流Isは、再充電電流であり、放電電流ではないため、負である。
【0125】
本発明の組立体は、有利には、文献、特に2つのマイクロ電池のスタックを開示する引用文献“low-power analog techniques, sensors for mobile devices,and energy efficient amplifiers”,Advances in Analog Circuit Design 2018,Springer発行に記載されるマイクロ電池のスタック等の3Dスタックで形成され得る。ブロックMiに関して、Microchipからの参照MIC5225YM5-TR等の電圧調整器を使用することが可能である。
【符号の説明】
【0126】
Bi セル
CEij 基本セル
CMi キャパシタ
Cout 負荷
i ランク
Imax,i 最大電流値
Is 電流
k セル数
Ki、K1i、K2i スイッチ
LMi インダクタ
Mi ブロック
Rgi 電圧調整器
Ri 抵抗器
Uhigh 上限電圧閾値
Ulow 下限電圧閾値
Uthi 電圧閾値
Vset 所望の電圧