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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 57/02 20060101AFI20250228BHJP
【FI】
A01D57/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021087079
(22)【出願日】2021-05-24
(65)【公開番号】P2022180143
(43)【公開日】2022-12-06
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】井上 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】鎌倉 健太
(72)【発明者】
【氏名】阪本 健二
(72)【発明者】
【氏名】丸山 純一
(72)【発明者】
【氏名】猿渡 賢治
(72)【発明者】
【氏名】寺西 航
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-000031(JP,A)
【文献】特開2017-112977(JP,A)
【文献】実公昭48-010764(JP,Y1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0201126(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 57/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植立穀稈を掻き込む掻込リールを備えている収穫機であって、
前記掻込リールは、機体左右方向に沿って延びる回転軸心周りで回転可能な回転軸と、前記回転軸に支持され、前記回転軸心周りで前記回転軸と一体回転可能な左右のリールフレームと、左側の前記リールフレームの外周部と右側の前記リールフレームの外周部とに亘って前記回転軸心周りに間隔をあけて設けられる複数のタイン支持部材と、前記複数のタイン支持部材の夫々に前記回転軸心方向に間隔をあけて設けられ、植立穀稈に掻き込み作用する複数のタインと、を有し、
前記リールフレームの外周形状は、円形状に形成され、
前記リールフレームは、円板形状の部材によって構成されており、
前記リールフレームの外周部に、前記リールフレームの外周部の全周に亘る環状であって、前記回転軸心方向に向けて曲がる曲げ部が形成され、
前記リールフレームの外周部における前記曲げ部よりも、前記リールフレームの半径方向外方側の部分に、前記リールフレームの外周部の全周に亘る環状であって、前記回転軸心方向に沿って延出されたフランジ部が形成され、
前記曲げ部と前記フランジ部とにより、前記リールフレームの外周部の全周に亘る環状であって、断面視で前記回転軸心方向に沿う方向に向けて開放される凹部が形成されている収穫機。
【請求項2】
前記リールフレームの外周部における前記複数のタイン支持部材に対応する箇所の夫々に、前記タイン支持部材の横端部を支持する支持部材が設けられ、
前記支持部材は、前記曲げ部に支持されている請求項1に記載の収穫機。
【請求項3】
前記リールフレームは、前記リールフレームの外周部から前記リールフレームの中心部に近付くに連れて前記回転軸心方向の一方側に位置するように凹む形状に形成されている請求項1又は2に記載の収穫機。
【請求項4】
前記リールフレームは、前記リールフレームの外周部から前記リールフレームの中心部に近付くに連れて前記回転軸心方向で前記掻込リールの左右中心側に位置するように凹む形状に形成されている請求項3に記載の収穫機。
【請求項5】
前記リールフレームに、前記回転軸心方向に向けて開口する開口が形成されている請求項1から4の何れか一項に記載の収穫機。
【請求項6】
植立穀稈を掻き込む掻込リールを備えている収穫機であって、
前記掻込リールは、機体左右方向に沿って延びる回転軸心周りで回転可能な回転軸と、前記回転軸に支持され、前記回転軸心周りで前記回転軸と一体回転可能な左右のリールフレームと、左側の前記リールフレームの外周部と右側の前記リールフレームの外周部とに亘って前記回転軸心周りに間隔をあけて設けられる複数のタイン支持部材と、前記複数のタイン支持部材の夫々に前記回転軸心方向に間隔をあけて設けられ、植立穀稈に掻き込み作用する複数のタインと、を有し、
前記リールフレームの外周形状は、円形状に形成されており、
前記リールフレームは、前記リールフレームの外周部を構成する環状の外周フレームと、前記リールフレームの中心部に設けられ、前記回転軸に支持される支持部と、前記外周フレームと前記支持部とに亘って前記回転軸心周りに間隔をあけて設けられる複数の脚部と、を有し、
前記外周フレームは、溝形部材により構成され、前記リールフレームの半径方向外方側に向けて開放されている収穫機。
【請求項7】
前記脚部は、前記外周フレームに連結されている請求項6に記載の収穫機。
【請求項8】
前記リールフレームの外周部における前記複数のタイン支持部材に対応する箇所の夫々に、前記タイン支持部材の横端部を支持する支持部材が設けられ、
前記支持部材は、側面視で前記脚部の延び方向の線上に設けられている請求項7に記載の収穫機。
【請求項9】
前記支持部材は、前記外周フレームと前記脚部との連結箇所に設けられている請求項8に記載の収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、収穫機として、例えば、特許文献1に記載の収穫機が知られている。特許文献1に記載の収穫機には、植立穀稈を掻き込む掻込リール(文献では「掻き込みリール〔10〕」)が備えられている。掻込リールには、機体左右方向に沿って延びる回転軸心(文献では「リール軸芯〔P〕」)周りで回転可能な回転軸(文献では「リール軸〔15〕」)と、回転軸に支持され、回転軸心周りで回転軸と一体回転可能な左右のリールフレーム(文献では「側板〔14〕」)と、左側のリールフレームの外周部と右側のリールフレームの外周部とに亘って回転軸心周りに間隔をあけて設けられる複数のタイン支持部材(文献では「タイン支持バー〔17〕」)と、複数のタイン支持部材の夫々に回転軸心方向に間隔をあけて設けられ、植立穀稈に掻き込み作用する複数のタイン(文献では「タイン〔18〕」)と、が備えられている。リールフレームには、その中央部から放射状に延びる複数のアーム部(文献では「アーム部〔142〕」)が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-112977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の収穫機では、リールフレームの外周部(文献では「アーム部〔142〕の先端部〔142a〕」)が角張っている。このため、掻込リールが植立穀稈を掻き込む際に、リールフレームの外周部に植立穀稈が引っ掛かり易い。
【0005】
上記状況に鑑み、掻込リールが植立穀稈を掻き込む際に、リールフレームの外周部に植立穀稈が引っ掛かり難い収穫機が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、植立穀稈を掻き込む掻込リールを備えている収穫機であって、前記掻込リールは、機体左右方向に沿って延びる回転軸心周りで回転可能な回転軸と、前記回転軸に支持され、前記回転軸心周りで前記回転軸と一体回転可能な左右のリールフレームと、左側の前記リールフレームの外周部と右側の前記リールフレームの外周部とに亘って前記回転軸心周りに間隔をあけて設けられる複数のタイン支持部材と、前記複数のタイン支持部材の夫々に前記回転軸心方向に間隔をあけて設けられ、植立穀稈に掻き込み作用する複数のタインと、を有し、前記リールフレームの外周形状は、円形状に形成され、前記リールフレームは、円板形状の部材によって構成されており、前記リールフレームの外周部に、前記リールフレームの外周部の全周に亘る環状であって、前記回転軸心方向に向けて曲がる曲げ部が形成され、前記リールフレームの外周部における前記曲げ部よりも、前記リールフレームの半径方向外方側の部分に、前記リールフレームの外周部の全周に亘る環状であって、前記回転軸心方向に沿って延出されたフランジ部が形成され、前記曲げ部と前記フランジ部とにより、前記リールフレームの外周部の全周に亘る環状であって、断面視で前記回転軸心方向に沿う方向に向けて開放される凹部が形成されている。
【0007】
本特徴構成によれば、リールフレームの外周形状が円形状に形成されているため、リールフレームの外周部が角張っていない。これにより、掻込リールが植立穀稈を掻き込む際に、リールフレームの外周部に植立穀稈が引っ掛かり難い。
【0008】
また、リールフレームの外周形状が円形状に形成されていることにより、タイン支持部材の横端部を支持する支持部材を、リールフレームの外周部における任意の箇所に設けることができる。これにより、タイン支持部材の数が異なる複数の掻込リールにおいて、リールフレームを兼用することができる。
【0009】
【0010】
本特徴構成によれば、円板形状の部材という薄型の部材によって、リールフレームの軽量化を図ることができる。
【0011】
【0012】
本特徴構成によれば、曲げ部がリブ作用を果たすことになる。これにより、リールフレームの強度を向上させることができる。
【0013】
さらに、本発明において、前記リールフレームの外周部における前記複数のタイン支持部材に対応する箇所の夫々に、前記タイン支持部材の横端部を支持する支持部材が設けられ、前記支持部材は、前記曲げ部に支持されていると好適である。
【0014】
本特徴構成によれば、タイン支持部材の横端部が支持部材を介して曲げ部に支持されることになる。これにより、タイン支持部材を曲げ部によってしっかりと支持することができる。
【0015】
さらに、本発明において、前記リールフレームは、前記リールフレームの外周部から前記リールフレームの中心部に近付くに連れて前記回転軸心方向の一方側に位置するように凹む形状に形成されていると好適である。
【0016】
本特徴構成によれば、リールフレームが回転軸心方向の一方側に全体的に凹む形状によって、リールフレームの強度を向上させることができる。
【0017】
さらに、本発明において、前記リールフレームは、前記リールフレームの外周部から前記リールフレームの中心部に近付くに連れて前記回転軸心方向で前記掻込リールの左右中心側に位置するように凹む形状に形成されていると好適である。
【0018】
本特徴構成によれば、リールフレームが回転軸心方向で横外側に膨らむ形状に形成されていないことになる。これにより、リールフレームが回転軸心方向の一方側に全体的に凹む形状であっても、掻込リールが回転軸心方向に大型化しないようにすることができる。
【0019】
さらに、本発明において、前記リールフレームに、前記回転軸心方向に向けて開口する開口が形成されていると好適である。
【0020】
本特徴構成によれば、開口によってリールフレームの軽量化を図ることができる。また、運転者が開口を通して作業状況(例えば、条合わせの状況)を視認することができる。
【0021】
本発明の特徴は、植立穀稈を掻き込む掻込リールを備えている収穫機であって、前記掻込リールは、機体左右方向に沿って延びる回転軸心周りで回転可能な回転軸と、前記回転軸に支持され、前記回転軸心周りで前記回転軸と一体回転可能な左右のリールフレームと、左側の前記リールフレームの外周部と右側の前記リールフレームの外周部とに亘って前記回転軸心周りに間隔をあけて設けられる複数のタイン支持部材と、前記複数のタイン支持部材の夫々に前記回転軸心方向に間隔をあけて設けられ、植立穀稈に掻き込み作用する複数のタインと、を有し、前記リールフレームの外周形状は、円形状に形成されており、前記リールフレームは、前記リールフレームの外周部を構成する環状の外周フレームと、前記リールフレームの中心部に設けられ、前記回転軸に支持される支持部と、前記外周フレームと前記支持部とに亘って前記回転軸心周りに間隔をあけて設けられる複数の脚部と、を有し、前記外周フレームは、溝形部材により構成され、前記リールフレームの半径方向外方側に向けて開放されている。
【0022】
本特徴構成によれば、リールフレームの外周形状が円形状に形成されているため、リールフレームの外周部が角張っていない。これにより、掻込リールが植立穀稈を掻き込む際に、リールフレームの外周部に植立穀稈が引っ掛かり難い。
また、リールフレームの外周形状が円形状に形成されていることにより、タイン支持部材の横端部を支持する支持部材を、リールフレームの外周部における任意の箇所に設けることができる。これにより、タイン支持部材の数が異なる複数の掻込リールにおいて、リールフレームを兼用することができる。
本特徴構成によれば、外周フレームと支持部との間における互いに隣り合う脚部の間に、開口が存在することになる。これにより、開口によってリールフレームの軽量化を図ることができる。また、運転者が開口を通して作業状況(例えば、条合わせの状況)を視認することができる。
【0023】
さらに、本発明において、前記脚部は、前記外周フレームに連結されていると好適である。
【0024】
本特徴構成によれば、複数の脚部と外周フレームとが一体化されることになる。これにより、リールフレームの強度を向上させることができる。
【0025】
さらに、本発明において、前記リールフレームの外周部における前記複数のタイン支持部材に対応する箇所の夫々に、前記タイン支持部材の横端部を支持する支持部材が設けられ、前記支持部材は、側面視で前記脚部の延び方向の線上に設けられていると好適である。
【0026】
本特徴構成によれば、タイン支持部材が側面視で脚部の延び方向の線上に位置することになる。これにより、タイン支持部材に作用する荷重を脚部によって、しっかりと受け止めることができる。
【0027】
さらに、本発明において、前記支持部材は、前記外周フレームと前記脚部との連結箇所に設けられていると好適である。
【0028】
本特徴構成によれば、タイン支持部材の横端部が支持部材を介して外周フレームと脚部との連結箇所に支持されることになる。これにより、リールフレームのうち外周フレームと脚部との連結箇所という剛性の高い部分によって、タイン支持部材をしっかりと支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】コンバインを示す左側面図である。
図2】コンバインの前部を示す平面図である。
図3】掻込リールを示す左側面図である。
図4図3におけるIV-IV断面図である。
図5図3におけるV矢視図である。
図6】別実施形態に係る掻込リールを示す左側面図である。
図7図6におけるVII矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。なお、以下の説明では、矢印Fの方向を「機体前側」、矢印Bの方向を「機体後側」、矢印Lの方向を「機体左側」、矢印Rの方向を「機体右側」とする。
【0031】
〔コンバインの全体構成〕
図1及び図2には、全稈投入型コンバイン(本発明に係る「収穫機」に相当)を示している。本コンバインには、走行機体1が備えられている。走行機体1には、クローラ走行装置2と、クローラ走行装置2に支持される機体フレーム3と、が備えられている。走行機体1の前方には、植立穀稈を刈り取る刈取部4が設けられている。刈取部4の後方には、刈取穀稈の全稈を脱穀する脱穀装置5が設けられている。
【0032】
脱穀装置5の右方には、脱穀装置5の脱穀によって得られた穀粒を貯留する穀粒貯留タンク6が設けられている。穀粒貯留タンク6の前方には、運転部7が設けられている。運転部7には、運転座席8が備えられている。穀粒貯留タンク6には、穀粒貯留タンク6内の穀粒を排出する穀粒排出装置9が接続されている。
【0033】
刈取部4には、植立穀稈を掻き込む掻込リール10と、植立穀稈を切断する刈刃11と、刈取穀稈を掻き込む掻込オーガ12と、刈取穀稈を脱穀装置5に向けて搬送するフィーダ13と、植立穀稈を分草する左右の分草具14と、これらを支持する刈取フレーム15と、が備えられている。
【0034】
〔掻込リール〕
図1から図3に示すように、掻込リール10には、左右の支持アーム16と、回転軸17と、左右のリールフレーム18と、複数のタイン支持部材19と、複数のタイン20と、タイン姿勢保持機構21と、が備えられている。
【0035】
左右の支持アーム16は、機体左右方向に沿って延びる揺動軸心X1周りで上下揺動可能なように、刈取フレーム15の後部に支持されている。左右の支持アーム16を上下揺動駆動させるための左右のシリンダ22が設けられている。
【0036】
回転軸17は、機体左右方向に沿って延びる回転軸心X2周りで回転可能なように、左側の支持アーム16の先端部と右側の支持アーム16の先端部とに亘って設けられている。回転軸17の右端部には、回転軸17に動力を伝達するベルト伝動機構(図示省略)が連係されている。前記ベルト伝動機構によって回転軸17に動力が伝達されることにより、掻込リール10が回転軸心X2周りで回転することになる。
【0037】
リールフレーム18は、回転軸心X2周りで回転軸17と一体回転可能なように、回転軸17に支持されている。左側のリールフレーム18は、回転軸17の左端部に設けられている。右側のリールフレーム18は、回転軸17の右端部に設けられている。左側のリールフレーム18と右側のリールフレーム18とは、左右対称な構成である。
【0038】
本実施形態では、タイン支持部材19は、五本設けられている。五本のタイン支持部材19は、左側のリールフレーム18の外周部と右側のリールフレーム18の外周部とに亘って回転軸心X2周りに間隔(等間隔)をあけて設けられている。タイン支持部材19は、丸パイプによって構成されている。
【0039】
タイン20は、植立穀稈に掻き込み作用するものである。複数のタイン20は、五本のタイン支持部材19の夫々に、タイン支持部材19から下方に向かって延出する姿勢で回転軸心X2方向に間隔をあけて設けられている。タイン20は、タイン支持部材19から下方に向かって延出する姿勢で設けられている。タイン20として、タイン支持部材19の両横端部の夫々に設けられる外側タイン20Aと、左右の外側タイン20Aの間に位置する内側タイン20Bと、が備えられている。外側タイン20Aは、内側タイン20Bよりも大きな外径を有する丸棒材によって構成されている。互いに隣り合う内側タイン20Bは、一本の丸棒材によって一体に構成されている。
【0040】
タイン姿勢保持機構21は、タイン20をタイン支持部材19から下方に向かって延出する姿勢に保持するためのである。タイン姿勢保持機構21は、右側のリールフレーム18の横外隣(右隣)に設けられている。
【0041】
〔リールフレーム〕
図3及び図4に示すように、リールフレーム18は、円板形状の部材によって構成されている。すなわち、リールフレーム18の外周形状は、円形状に形成されている。リールフレーム18の外周部には、リールフレーム18の外周部の全周に亘る環状であって回転軸心X2方向に向けて曲がる曲げ部18aが形成されている。
【0042】
リールフレーム18の外周部における最外縁部には、フランジ部18bが形成されている。フランジ部18bは、リールフレーム18の外周部の全周に亘る環状に形成されている。すなわち、フランジ部18bは、曲げ部18aに対してリールフレーム18の径方向外側に位置している。リールフレーム18の外周部のうち曲げ部18aとフランジ部18bとの間に位置する部分は、全周に亘る環状に形成されている。
【0043】
リールフレーム18は、リールフレーム18の外周部からリールフレーム18の中心部に近付くに連れて回転軸心X2方向の一方側に位置するように凹む形状に形成されている。本実施形態では、リールフレーム18は、リールフレーム18の外周部からリールフレーム18の中心部に近付くに連れて回転軸心X2方向で掻込リール10の左右中心側に位置するように凹む形状に形成されている。リールフレーム18の中心部には、回転軸17に支持される支持部18cが設けられている。
【0044】
リールフレーム18のうち上述した凹む形状の部分(凹み部)18dは、リールフレーム18のうち曲げ部18aと支持部18cとに亘る部分に形成されている。凹み部18dは、断面視(図4参照)において、リールフレーム18の外周部からリールフレーム18の中心部に近付くに連れて回転軸心X2方向で掻込リール10の左右中心側に位置するように傾斜する形状に形成されている。凹み部18dのうちリールフレーム18の中心部(支持部18c)側の端部は、回転軸心X2方向で横外側に突出する形状に形成されている。当該突出する部分は、全周に亘る環状に形成され、かつ、支持部18cの外周部に横内側から連結されている。
【0045】
凹み部18dには、回転軸心X2方向に向けて開口する開口18eが形成されている。
本実施形態では、二つの開口18eが形成され、かつ、回転軸心X2に対して対称に配置されている。開口18eは、円形状に形成されている。図1及び図2に示すように、運転者が運転部7から左側のリールフレーム18の開口18eを通して作業状況(例えば、左側の分草具14による条合わせの状況)を視認することができる。
【0046】
図3及び図5に示すように、リールフレーム18の外周部における五本のタイン支持部材19に対応する箇所の夫々には、タイン支持部材19の横端部を支持する支持部材23が設けられている。リールフレーム18の外周部には、支持部材23が取り付けられる取り付け部材24が設けられている。取り付け部材24は、曲げ部18aに支持されている。支持部材23は、取り付け部材24にボルト25によって固定され、かつ、取り付け部材24を介して曲げ部18aに支持されている。
【0047】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、本発明に係る「リールフレーム」は、リールフレーム18によって構成されている。しかし、本発明に係る「リールフレーム」は、リールフレーム18に限定されるものではない。例えば、本発明に係る「リールフレーム」は、リールフレーム26によって構成されていてもよい。
【0048】
図6及び図7に示すように、リールフレーム26には、リールフレーム26の外周部を構成する環状の外周フレーム27と、リールフレーム26の中心部に設けられ、回転軸17に支持される支持部28と、外周フレーム27と支持部28とに亘って回転軸心X2周りに間隔をあけて設けられる複数(本実施形態では、五本)の脚部29と、が備えられている。外周フレーム27は、リールフレーム26の径方向外側に向かって開口する溝形部材によって構成されている。支持部28は、側面視で円形状の部材によって構成されている。
【0049】
脚部29は、外周フレーム27に連結されている。脚部29は、回転軸心X2周りに間隔をあけて設けられる一対の板部29aによって構成されている。ここで、互いに隣り合う脚部29において、一方の脚部29における他方の脚部29に対向する板部29a(以下「第一の板部29a」という。)と、他方の脚部29における一方の脚部29に対向する板部29a(以下「第二の板部29a」という。)とが、連結部29bによって連結されている。すなわち、第一の板部29a、第二の板部29a及び連結部29bが略V字形状の帯鋼によって一体に構成されている。
【0050】
外周フレーム27における五本のタイン支持部材19に対応する箇所の夫々には、タイン支持部材19の横端部を支持する支持部材23が設けられている。外周フレーム27には、支持部材23が取り付けられる取り付け部材24が設けられている。支持部材23は、側面視で脚部29の延び方向の線であって回転軸心X2を通る線L上に設けられている。具体的には、支持部材23は、外周フレーム27と脚部29との連結箇所に設けられている。
【0051】
なお、脚部29は、複数であれば、五本に限定されるものではない。すなわち、脚部29は、二本、三本、四本又は六本以上設けられていてもよい。また、外周フレーム27は、上述の溝形部材に限定されるものではない。例えば、外周フレーム27は、丸パイプによって構成されていてもよい。
【0052】
(2)上記実施形態では、タイン支持部材19は、五本設けられている。しかし、タイン支持部材19は、五本に限定されるものではない。例えば、タイン支持部材19は、六本、七本又は八本以上設けられていてもよい。
【0053】
(3)上記実施形態では、リールフレーム18の外周部に、曲げ部18aが形成されている。しかし、リールフレーム18の外周部に、曲げ部18aが形成されていなくてもよい。
【0054】
(4)上記実施形態では、リールフレーム18は、リールフレーム18の外周部からリールフレーム18の中心部に近付くに連れて回転軸心X2方向で掻込リール10の左右中心側に位置するように凹む形状に形成されている。しかし、リールフレーム18は、リールフレーム18の外周部からリールフレーム18の中心部に近付くに連れて回転軸心X2方向で横外側に位置するように凹む形状に形成されていてもよい。あるいは、リールフレーム18は、リールフレーム18の外周部からリールフレーム18の中心部に近付くに連れて回転軸心X2方向の一方側に位置するように凹む形状に形成されていなくてもよい。
【0055】
(5)上記実施形態では、リールフレーム18に、開口18eが形成されている。しかし、リールフレーム18に、開口18eが形成されていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、全稈投入型コンバインの他、トウモロコシ収穫機にも利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 掻込リール
17 回転軸
18 リールフレーム
18a 曲げ部
18b フランジ部
18e 開口
19 タイン支持部材
20 タイン
23 支持部材
26 リールフレーム
27 外周フレーム
28 支持部
29 脚部
L 線
X2 回転軸心


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7