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特許7641844エレベーター呼び登録用プログラム及び情報端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】エレベーター呼び登録用プログラム及び情報端末
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/14 20060101AFI20250228BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
B66B1/14 L
B66B3/00 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021122536
(22)【出願日】2021-07-27
(65)【公開番号】P2023018418
(43)【公開日】2023-02-08
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】岡田 祐平
【審査官】八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】特許第6901015(JP,B1)
【文献】特開2018-184239(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0204678(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104584085(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00-1/52
B66B 3/00-3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末制御部と、端末表示部と、を備えた情報端末にインストールされるエレベーター呼び登録用プログラムであって、
レベーター呼び登録情報生成システムから複数の共用施設のそれぞれの用途、設置階、及び使用状況を含む施設情報である共用施設データを取得する機能と、
利用者の前記情報端末が建物内に現在存在している階を搭乗階として決定する機能と、
取得した前記共用施設データにおける複数の前記用途から1つの前記用途が前記利用者によって選択されることにより、選択された前記用途と前記取得した前記共用施設データとに基づいて、目標階を決定する機能と、
前記搭乗階と、前記共用施設データに基づいて決定された前記目標階と、を含む利用者呼び登録情報を前記エレベーター呼び登録情報生成システムに送信する機能と、
前記利用者が第1モードと第2モードとのいずれかを選択できる選択画面を前記端末表示部に表示する機能と、
前記利用者が選択した前記第1モードと前記第2モードとのいずれかで制御を実施する機能と、
前記端末制御部が前記第1モードで制御を実施している場合には、
前記端末表示部に前記取得した前記共用施設データから抽出した前記複数の用途を表示する機能と、
前記複数の用途のうち前記利用者に選択された1つの前記用途を第1用途として把握する機能と、
前記取得した前記共用施設データに基づいて前記第1用途と一致する前記用途である前記共用施設を前記複数の共用施設の中から抽出する機能と、
抽出した1つ以上の前記共用施設を第1目的施設として把握する機能と、
1つ以上の前記第1目的施設のそれぞれの前記使用状況を比較して一番使用されていない前記共用施設を目的共用施設として設定する機能と、
前記端末制御部が前記第2モードで制御を実行している場合には、
前記端末表示部に前記取得した前記共用施設データから抽出した前記複数の用途を表示する機能と、
前記複数の用途のうち前記利用者に選択された1つの前記用途を前記第1用途として把握する機能と、
前記取得した前記共用施設データに基づいて前記第1用途と一致する前記用途である前記共用施設を前記複数の共用施設の中から抽出する機能と、
抽出した1つ以上の前記共用施設を前記第1目的施設として把握する機能と、
1つ以上の前記第1目的施設のそれぞれの少なくとも前記設置階と前記使用状況とを前記端末表示部に表示する機能と、
前記端末表示部に表示された前記1つ以上の前記第1目的施設のうち選択された前記共用施設を前記目的共用施設として設定する機能と、
を前記端末制御部に実現させるためのエレベーター呼び登録用プログラム。
【請求項2】
行されるエレベーターを特定できる号機情報が含まれている確定情報を前記エレベーター呼び登録情報生成システムから受信する機能と、
少なくとも前記号機情報を前記端末表示部に表示する機能と、
を前記端末制御部に実現させるための請求項に記載のエレベーター呼び登録用プログラム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載されたエレベーター呼び登録用プログラムがインストールされた、
情報端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーター呼び登録情報生成システム、エレベーター呼び登録用プログラム、及び情報端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、乗客の保持するエレベーター操作装置から希望の行き先階を含む乗り場呼び情報が伝達されるエレベーター制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6072624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商業ビルの利用者は商業ビル内の共用施設を利用するために、エレベーターを使うことがある。しかし、目指していた共用施設が混雑により使用できない場合、利用者は、他の階に設置されている同種の共用施設を使用するために再びエレベーターを利用していた。このように、従来のエレベーター制御装置では、利用者に対してエレベーターを用いた余分な移動を課してしまうという問題があった。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、利用者のエレベーターを利用した余分な移動を低減することができるエレベーター呼び登録情報生成システム、エレベーター呼び登録用プログラム、及び情報端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーター呼び登録情報生成システムは、少なくとも1つの検知空間をそれぞれ有する複数の共用施設のそれぞれの用途、設置階、及び使用状況を含む施設情報が共用施設データとして記憶される記憶部と、各検知空間において人の存在の有無を検知する複数のセンサーと、複数のセンサーのそれぞれからの情報を検知結果として受信する入出力部と、検知結果に基づいて、施設情報に含まれる使用状況を求める制御部と、を備え、記憶部に記憶された共用施設データは、利用者の情報端末からアクセス可能な状態となっており、制御部は、情報端末が現在存在する階である搭乗階と、共用施設データに基づいて決定された目標階と、を含む利用者呼び登録情報を入出力部が情報端末から受信することにより、利用者呼び登録情報に基づいてかご呼び登録情報を生成し、かご呼び登録情報を入出力部からエレベーター管理システムへ送信する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るエレベーター呼び登録情報生成システム、エレベーター呼び登録用プログラム、及び情報端末によれば、エレベーターを利用した余分な利用者の移動を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1によるエレベーター呼び登録情報生成システムを示す概略図である。
図2図1のエレベーター呼び登録情報生成システムにおける共用施設データを示す概略図である。
図3図1のエレベーター呼び登録情報生成システムの複数のセンサーを設置する共用施設を示す概略図である。
図4図1のエレベーター呼び登録情報生成システムの複数のセンサーを設置する共用施設を示す概略図である。
図5図1のエレベーター呼び登録情報生成システムと通信をする情報端末の機能を示す概略図である。
図6】実施の形態1における情報の伝達を示す概略図である。
図7図1の情報端末の端末表示部を示す概略図である。
図8図7の情報端末の端末制御部による共用施設の選択過程を示す概略図である。
図9図1の情報端末の端末表示部を示す概略図である。
図10図9の情報端末の端末制御部による共用施設の選択過程を示す概略図である。
図11】実施の形態1のエレベーター呼び登録情報生成システム及び情報端末の機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。
図12】実施の形態1のエレベーター呼び登録情報生成システム及び情報端末の機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるエレベーター呼び登録情報生成システム1を示す概略図である。エレベーター呼び登録情報生成システム1は、入出力部2と、制御部4と、記憶部5と、複数のセンサー10とを備えている。
【0010】
エレベーター呼び登録情報生成システム1は、建物内に設置されている複数のエレベーター120に関してエレベーター管理システム100に呼び登録をさせることができる。複数のエレベーター120が配置されている建物は、例えば商業ビル、デパート、又はショッピングモールといった建物である。
【0011】
複数のエレベーター120のそれぞれは、エレベーター管理システム100により管理されている。利用者は、各エレベーター120を利用するために、エレベーター120の乗場呼びボタン、各エレベーター120のかご内に設置されている行き先階ボタンといった操作ボタンを押す。
【0012】
これらのボタンが押されると、エレベーター管理システム100は、呼び登録をする。エレベーター管理システム100は、複数の呼び登録に基づいて各エレベーター120を運行させている。
【0013】
エレベーター呼び登録情報生成システム1は、かご呼び登録情報を生成し、生成したかご呼び登録情報をエレベーター管理システム100に対して送信する。エレベーター管理システム100は、エレベーター呼び登録情報生成システム1が送信したかご呼び登録情報に基づく呼び登録を含めた、全ての呼び登録に基づいて、各エレベーター120を管理する。
【0014】
複数のエレベーター120が設置されている建物内には、複数の共用施設20が設置されている。各共用施設20は、建物内に設置されている利用者が使用できる施設である。共用施設20には、例えば、男性トイレ、女性トイレ、休憩スペース、多目的スペースといった4種類の用途がある。
【0015】
建物内には、少なくとも1つ用途の共用施設20が2つ以上、複数の階に配置されていればよい。例えば、男性トイレが建物の2階と4階とに1つずつ2つ配置され、他の共用施設20が配置されなくてもよい。
【0016】
各共用施設20は、1つ以上の検知空間20aを有している。検知空間20aは、各共用施設20内の利用者が使用する空間である。複数の検知空間20aのそれぞれには、検知空間20a毎に1つのセンサー10が配置されている。複数のセンサー10のそれぞれは、各検知空間20aにおいて人の存在の有無を検知する。
【0017】
入出力部2には、複数のセンサー10のそれぞれの検知結果が入力される。入出力部2は、制御部4の制御に基づいて、エレベーター管理システム100、及び複数の情報端末50と情報の送受信をすることができる。入出力部2による情報の送受信は、無線または有線によって実施される。
【0018】
複数のセンサー10には、人の存在の有無を検知できるセンサーであれば、どのようなセンサーを用いてもよい。本実施の形態1では、パッシブセンサーを用いている。
【0019】
複数の情報端末50とは、建物内にいる利用者が有するスマートフォン、タブレット、及び建物の管理者が用意した専用の情報端末である。情報端末50については、後に説明する。
【0020】
制御部4は、入出力部2に入力された複数のセンサー10の検知結果に基づいて複数の共用施設20のそれぞれの使用状況を算出する。制御部4は、算出した使用状況を、複数の共用施設20のそれぞれの施設情報に含まれる情報として記憶部5に記憶させることができる。使用状況の算出については、後に説明する。
【0021】
制御部4は、複数の情報端末50のそれぞれが送信した利用者呼び登録情報を入出力部2を介して受信することによって、利用者呼び登録情報に基づいてかご呼び登録情報を生成する。生成されたかご呼び登録情報は、エレベーター管理システム100に入出力部2から送信される。複数の情報端末50のそれぞれが送信した利用者呼び登録情報と、利用者呼び登録情報に基づくかご呼び登録情報の生成については、後に説明する。
【0022】
記憶部5には、複数の共用施設20それぞれの施設情報と、エレベーター呼び登録情報生成システム1を動作させるための制御パラメータといった情報が記憶されている。記憶部5には、少なくとも1つの検知空間20aをそれぞれ有する複数の共用施設20のそれぞれの用途、設置階、及び使用状況を含む施設情報が共用施設データとして記憶される。
【0023】
図2は、図1のエレベーター呼び登録情報生成システム1における共用施設データ1aを示す概略図である。建物内には、共用施設20として、男性トイレ、女性トイレ、休憩スペース、多目的スペースが設置されている。
【0024】
各共用施設20の施設情報には、用途、設置階、及び使用状況の情報が含まれている。本実施の形態1では、施設情報は、追番であるNo,、用途、設置階、設備詳細、フロア情報、及び使用状況といった情報で構成されている。施設情報には、用途、設置階、及び使用状況の情報が含まれていればよく、その他どのような情報を含めるかは、適宜選択することができる。
【0025】
用途は、その共用施設20の用途を示す。例えば、男性トイレ、女性トイレ、休憩スペース、及び多目的スペースといった共用施設20の用途は、男性トイレ、女性トイレ、休憩スペース、及び多目的スペースである。
【0026】
設置階は、共用施設20が設置されている建物の階を示している。設備詳細は、共用施設20が、どのような設備を有しているかを示している。例えば男性トイレである共用施設20では、個室トイレの数が示される。
【0027】
フロア情報とは、対象の共用施設20の設置階がどのような売り場階であるかを示している。例えば、5階はレストランフロアである場合、5階に設置されている共用施設20のフロア情報は、レストランフロアである。
【0028】
図1に戻り説明を続ける。建物には、複数の利用者が存在している。利用者は、例えば、建物内に来ているお客様である。
【0029】
本実施の形態1によるエレベーター呼び登録情報生成システム1の使用者は、建物内の利用者である。利用者は、エレベーター呼び登録情報生成システム1を使用するためには、エレベーター呼び登録情報生成システム1に対応するエレベーター呼び登録用プログラムがインストールされた情報端末50を使用する。
【0030】
利用者が有している個人のスマートフォンといった情報端末50を利用するには、利用者は、予め利用者自身のスマートフォンといった情報端末50にエレベーター呼び登録用プログラムをインストールする。
【0031】
建物の管理者が、エレベーター呼び登録情報生成システム1を使用することができる情報端末50を予め準備しておき、その情報端末50を利用者に貸与してもよい。建物の管理者が準備した情報端末50には、エレベーター呼び登録情報生成システム1に対応するエレベーター呼び登録用プログラムが予めインストールされている。
【0032】
利用者は、情報端末50でエレベーター呼び登録用プログラムを起動させることで、エレベーター呼び登録情報生成システム1を使用することができる。
【0033】
このように、複数の利用者がそれぞれの情報端末50を用いてエレベーター呼び登録情報生成システム1を使用することができる。
【0034】
図3は、図1のエレベーター呼び登録情報生成システム1の複数のセンサー10を設置する共用施設20を示す概略図である。図3は、図2における共用施設20のうちのNo,1の男性トイレを示す概略図である。No,1の男性トイレには、5つの個室トイレと5つの小便器とが設置されている。
【0035】
複数のセンサー10のそれぞれは、5つの個室トイレのそれぞれに対応するように設置されている。5つの小便器には、複数のセンサー10を設置していない。複数のセンサー10のそれぞれは、対応する個室トイレの中にいる人の存在の有無を検知する。
【0036】
さらに、男性トイレ内には、空間Aに向けたセンサー10が設けられている。空間Aは、例えば、個室トイレの使用のための行列が発生する場所である。空間Aに向けたセンサー10により、人の行列が発生しているか否かを検知できる。
【0037】
No,1の男性トイレは、5つの個室トイレと空間Aとを検知空間20aとして有している。
【0038】
図4は、図1のエレベーター呼び登録情報生成システム1の複数のセンサー10を設置する共用施設20を示す概略図である。図4は、図2における共用施設20のうちのNo,10の休憩スペースを示す概略図である。No,10の休憩スペースには、6つのベンチが配置されている。
【0039】
6つのベンチのそれぞれの鉛直上側には、1つのセンサー10が設置されている。これによって、各センサー10は、対応するベンチ上の人の存在の有無を検知することができる。検知空間20aは、6つのベンチ上の空間である。
【0040】
なお、本実施の形態1では、休憩スペース内には、各ベンチ上の空間以外の空間において人の存在を検知するためのセンサー10は、設置していない。しかし、休憩スペース内に各ベンチ上の空間以外の空間を検知空間20aとしてセンサー10を設置してもよい。
【0041】
女性トイレ、及び多目的スペースにおいても、検知空間20aにセンサー10を配置して、検知空間20aにおける人の存在の有無を検知することができる。
【0042】
制御部4は、複数の共用施設20のそれぞれについて、各共用施設20の使用状況を算出することができる。使用状況とは、対象となる共用施設20が有している全ての検知空間20aのうち人の存在が検知された検知空間20aが占める割合に基づく指標である。
【0043】
即ち、使用状況は、その共用施設20の使用されている度合い、混雑している度合いといった度合いを示す指標である。使用状況の具体的な算出方法について、図2に示される共用施設20について説明する。
【0044】
No,1の男性トイレは、5つの個室トイレを有している。制御部4は、5つの個室トイレである5つの検知空間20aに設置された5つのセンサー10のそれぞれの検知結果から、No,1の男性トイレの使用状況である使用率を算出する。5つのセンサー10の全てが人の存在を検知しているとき、制御部4は、No,1の男性トイレの使用状況である使用率が100%であると算出する。
【0045】
5つのセンサー10のうち3つが人の存在を検知しているとき、制御部4は、No,1の男性トイレの使用状況である使用率が60%であると算出する。更に、5つのセンサー10と空間Aに向けられたセンサー10との全てが人の存在を検知しているとき、制御部4は、No,1の男性トイレの使用状況である使用率が100%以上と算出する。空間Aに対するセンサー10が人の存在を検知している場合は、個室トイレの使用待ちの人が存在していることを意味する。
【0046】
No,10の休憩スペースの使用状況の算出について説明する。No,10の休憩スペースには、6つの検知空間20aに対応する6つのセンサー10が配置されている。6つのセンサー10の全てが、人の存在を検知している場合、制御部4は、No,10の休憩スペースの使用状況である使用率が100%であると算出する。6つのセンサー10のうち3つのセンサー10が人の存在を検知している場合、制御部4は、No,10の休憩スペースの使用状況である使用率が50%であると算出する。
【0047】
制御部4は、算出した各使用状況である各使用率のそれぞれを複数の共用施設20のそれぞれに関連付けて記憶部5に記憶させる。制御部4は、共用施設データ1aの複数の共用施設20のそれぞれの使用状況である使用率を逐次更新している。
【0048】
図5は、図1のエレベーター呼び登録情報生成システム1と通信をする情報端末50の機能を示す概略図である。複数の情報端末50のそれぞれは、端末制御部51と、端末通信部52と、端末表示部53と、端末記憶部54とを有している。各情報端末50とエレベーター呼び登録情報生成システム1とは、各端末通信部52を介して無線によって情報の送受信をすることができる。
【0049】
端末通信部52は、端末制御部51の制御に基づいて、外部の機器と情報の送受信をすることができる。端末通信部52による情報の送受信は、無線または有線によって実施される。
【0050】
端末表示部53は、表示画面に図形、文字を表示することができる。端末表示部53は、タッチパネルとなっている。従って、利用者は、端末表示部53に触れることにより、情報端末50に指示を入力することができる。
【0051】
端末記憶部54は、情報端末50内に配置された記憶メモリである。
【0052】
図6は、実施の形態1における情報の伝達を示す概略図である。エレベーター呼び登録情報生成システム1を用いて複数のエレベーター120を利用するには、図6に示される情報のやり取りが行われる。
【0053】
エレベーター呼び登録情報生成システム1は、共用施設データ1aを利用者が扱う複数の情報端末50に公開している。記憶部5に記憶された共用施設データ1aは、利用者の情報端末50からアクセス可能な状態となっている。
【0054】
情報端末50は、利用者呼び登録情報50aをエレベーター呼び登録情報生成システム1に送信する。エレベーター呼び登録情報生成システム1は、かご呼び登録情報1bをエレベーター管理システム100に送信する。エレベーター管理システム100は、応答情報100aをエレベーター呼び登録情報生成システム1に送信する。
【0055】
エレベーター呼び登録情報生成システム1は、確定情報1cを情報端末50に送信する。なお、利用者呼び登録情報50a、かご呼び登録情報1b、応答情報100a、確定情報1cについては、エレベーター呼び登録情報生成システム1の情報端末50を用いた利用方法と一緒に後ほど説明する。
【0056】
次に、エレベーター呼び登録情報生成システム1の情報端末50を用いた利用方法について説明する。
【0057】
利用者は、情報端末50でエレベーター呼び登録用プログラムを起動することで、エレベーター呼び登録情報生成システム1を利用することができる。このとき、利用者の情報端末50には、エレベーター呼び登録情報生成システム1を利用するためのエレベーター呼び登録用プログラムがダウンロードされている。
【0058】
エレベーター呼び登録用プログラムは、ダウンロードされた情報端末50で起動されることによって、端末制御部51に以下の通りの処理をさせることができる。以下に説明する端末制御部51が実施する処理は、情報端末50で起動されたエレベーター呼び登録用プログラムが端末制御部51に実施させる処理である。即ち、エレベーター呼び登録用プログラムは、以下の処理をする機能を端末制御部51に実現させる。
【0059】
端末制御部51は、端末通信部52を介してエレベーター呼び登録情報生成システム1と通信することで、エレベーター呼び登録情報生成システム1から共用施設データ1aを取得する。端末制御部51は、取得した共用施設データ1aを端末記憶部54に記憶する。
【0060】
共用施設データ1aの使用状況は、時々刻々と変化する可能性がある。従って、利用者がエレベーター呼び登録情報生成システム1を利用するためには、端末記憶部54に記憶された共用施設データ1aを更新する必要がある。端末制御部51は、共用施設データ1aを更新するために、継続的にエレベーター呼び登録情報生成システム1と通信し、共用施設データ1aを取得する。
【0061】
端末制御部51が共用施設データ1aを取得するタイミングは特に特定されるものではない。例えば、利用者がエレベーター呼び登録情報生成システム1を利用するため情報端末50に対して何らかの操作を行ったときに、端末制御部51は、共用施設データ1aを取得してもよい。または、端末制御部51は、適宜な時間間隔で共用施設データ1aを取得してもよい。
【0062】
端末制御部51は、情報端末50自身が建物内に現在存在している階を搭乗階として決定する。搭乗階の決定には、情報端末50自身の位置情報、情報端末50自身が有しているジャイロセンサに基づいた情報、建物内に設置されたビーコンに基づいた情報といった情報が利用される。
【0063】
図7は、図1の情報端末50の端末表示部53を示す概略図である。図8は、図7の情報端末50の端末制御部51による共用施設20の選択過程を示す概略図である。図9は、図1の情報端末50の端末表示部53を示す概略図である。図10は、図9の情報端末50の端末制御部51による共用施設20の選択過程を示す概略図である。
【0064】
利用者が情報端末50でエレベーター呼び登録用プログラムを実行すると、端末制御部51は、第1モードである「おまかせモード」と、第2モードである「一覧モード」とのいずれかを選択することができる選択画面を端末表示部53に表示する。図7の(1)、及び図9の(1)は、端末表示部53に選択画面が表示された状態を示している。
【0065】
利用者は、情報端末50を操作して「おまかせモード」と「一覧モード」とのいずれかを選択する。端末制御部51は、「おまかせモード」と「一覧モード」とのうち利用者が選択画面で選択した一方のモードで制御を実施する。
【0066】
利用者が「おまかせモード」を選択した場合、端末制御部51は、おまかせモードとして制御を実施する。利用者が「一覧モード」を選択した場合、端末制御部51は、一覧モードとして制御を実施する。
【0067】
利用者が「おまかせモード」を選択した場合について、図6図7及び図8とともに説明する。図7は、端末制御部51がおまかせモードで制御を実施しているときの端末表示部53の状態を示している。図8は、おまかせモードでの端末制御部51による共用施設20の選択過程を示している。
【0068】
利用者が選択画面によって「おまかせモード」を選択すると、図7の(2)に示される通り、端末制御部51は、端末表示部53に「用途一覧」画面を表示する。端末制御部51は、複数の異なる用途を「用途一覧」画面上に表示する。「用途一覧」画面上に表示された用途は、共用施設20の施設情報における用途である。
【0069】
端末制御部51は、取得した共用施設データ1aから、各共用施設20の用途を抽出し、抽出された全ての用途を「用途一覧」画面に表示する。
【0070】
建物内に設置されている複数の共用施設20における全ての用途が「用途一覧」画面に表示されている。本実施の形態1では、用途は、「男性トイレ」、「女性トイレ」、「休憩スペース」、及び「多目的スペース」の4種類である。
【0071】
「用途一覧」画面において、利用者は、「用途一覧」画面において表示されている複数の用途から、1つの用途を選択することができる。端末制御部51は、複数の用途のうち利用者に選択された1つの用途を第1用途として把握する。
【0072】
ここでは、利用者が「男性トイレ」を選択した場合を説明する。利用者は、複数の用途のうち1つの用途である「男性トイレ」を選択する。端末制御部51は、「男性トイレ」を第1用途として把握する。
【0073】
端末制御部51は、取得した共用施設データ1aに基づいて男性トイレである第1用途と一致する用途である共用施設20を複数の共用施設20から抽出する。即ち、端末制御部51は、取得した共用施設データ1aに基づいて、用途が男性トイレである共用施設20を全て抽出する。
【0074】
端末制御部51は、抽出された1つ以上の共用施設20を第1目的施設21として把握する。図8の(1)に示す通り、複数の共用施設20のうちの4つの男性トイレが第1目的施設21として抽出されている。
【0075】
端末制御部51は、1つ以上の第1目的施設21のそれぞれの使用状況を比較する。端末制御部51は、1つ以上の第1目的施設21の中から、一番使用されていない共用施設20を抽出する。端末制御部51は、抽出した一番使用されていない共用施設20を目的共用施設22として設定する。
【0076】
即ち、端末制御部51は、取得した共用施設データ1aと利用者の意志とによって選択された利用者の行き先となる共用施設20を目的共用施設22として設定する。
【0077】
図8の(2)に示す通り、第1目的施設21の中で使用状況が最も低い共用施設20であるNo,1の男性トイレが目的共用施設22として設定されている。図7の(3)に示す通り、端末制御部51は、目的共用施設22であるNo,1の男性トイレの用途、設置階といった情報を端末表示部53に表示する。
【0078】
端末制御部51は、目的共用施設22の設置階を目標階として決定する。目標階は、共用施設データ1aに基づいて決定された利用者の行き先である階を示している。即ち、端末制御部51は、取得した共用施設データ1aにおける複数の用途から1つの用途が利用者によって選択されることにより、選択された用途と取得した共用施設データ1aとに基づいて、目標階を決定する。
【0079】
同時に、端末制御部51は、搭乗階と目標階とを含む利用者呼び登録情報50aとしてエレベーター呼び登録情報生成システム1に送信する。情報端末50が存在する階である搭乗階は、利用者がエレベーターに乗り込む階である。目標階は、利用者の行き先となる目的共用施設22の設置階である。目標階は、利用者の行き先の階であり、利用者がエレベーター120を降りる階である。
【0080】
制御部4は、端末制御部51から送信された利用者呼び登録情報50aに基づいてエレベーターのかご呼び登録情報1bを生成する。即ち、制御部4は、搭乗階から目標階へ向かうかご呼び登録情報1bを生成する。制御部4は、入出力部2を介してかご呼び登録情報1bをエレベーター管理システム100に送信する。
【0081】
エレベーター管理システム100は、エレベーター呼び登録情報生成システム1から送信されたかご呼び登録情報1bに基づいて制御されるエレベーター120を複数のエレベーター120の中から選択する。エレベーター管理システム100は、かご呼び登録情報1bに基づいて選択されたエレベーター120を制御する。
【0082】
選択されたエレベーター120は、まず、対象となる利用者がエレベーター120に乗り込む予定の階である第1階に行き、次いで、対象となる利用者がエレベーター120から降りる予定の階である第2階に行くように制御される。即ち、第1階は、利用者呼び登録情報50aの搭乗階に対応し、第2階は、利用者呼び登録情報50aの目標階に対応する。
【0083】
エレベーター管理システム100は、かご呼び登録情報1bに基づいて運行されるエレベーター120の情報である応答情報100aをエレベーター呼び登録情報生成システム1に返信する。
【0084】
応答情報100aには、エレベーター管理システム100に送信したかご呼び登録情報1bに基づいて運行されるエレベーター120の号機番号である号機情報とそのエレベーター120の運行情報とが含まれている。運行情報には、対象となるかご呼び登録情報1bに基づいた第1階及び第2階の情報が含まれている。
【0085】
制御部4は、エレベーター管理システム100に送信したエレベーター120のかご呼び登録情報1bの応答としてエレベーター管理システム100から送信される応答情報100aを入出力部2を介して受信する。制御部4は、受信した応答情報100aの基となる利用者呼び登録情報50aを送信した情報端末50に入出力部2を介して確定情報1cを送信する。確定情報1cには、応答情報100aの号機情報と運行情報とが含まれる。
【0086】
確定情報1cの基となる利用者呼び登録情報50aを送信した情報端末50の端末制御部51は、確定情報1cを受信する。確定情報1cを受信した端末制御部51は、端末表示部53に確定情報1cに基づいた情報を表示する。
【0087】
図7の(4)に示す通り、端末表示部53には、確定情報1cに基づいた情報が表示される。端末制御部51は、端末表示部53に号機情報と、運行情報のうち行き先となる第2階との情報を含む情報を表示する。
【0088】
利用者は、端末表示部53の表示によって、利用者自身が向かう共用施設20について、どの号機番号のエレベーター120を使って建物内の何階から何階に移動するのかといった情報を得ることができる。なお、図7の(4)に示す端末表示部53の表示では、搭乗階と目標階とを表示している。しかし、これに限らず、例えば、搭乗階を表示せず目標階のみを表示してもよい。
【0089】
次に、利用者が「一覧モード」を選択した場合について、図6図9及び図10とともに説明する。図9は、端末制御部51が一覧モードで制御を実施しているときの端末表示部53の状態を示している。図10は、一覧モードでの端末制御部51による共用施設20の選択過程を示している。
【0090】
利用者が選択画面によって「一覧モード」を選択すると、図9の(2)に示される通り、端末制御部51は、端末表示部53に「用途一覧」画面を表示する。「用途一覧」画面上に表示された用途は、共用施設20の施設情報における用途である。
【0091】
端末制御部51は、複数の異なる用途を「用途一覧」画面上に表示する。「用途一覧」画面上に表示された用途は、共用施設20の施設情報における用途である。
【0092】
端末制御部51は、取得した共用施設データ1aから、各共用施設20の用途を抽出し、抽出された全ての用途を「用途一覧」画面に表示する。
【0093】
建物内に設置されている複数の共用施設20における全ての用途が「用途一覧」画面に表示されている。本実施の形態1では、用途は、「男性トイレ」、「女性トイレ」、「休憩スペース」、及び「多目的スペース」の4種類である。
【0094】
「用途一覧」画面において、利用者は、「用途一覧」画面において表示されている複数の用途から、1つの用途を選択することができる。端末制御部51は、複数の用途のうち利用者に選択された1つの用途を第1用途として把握する。
【0095】
ここでは、利用者が「多目的スペース」を選択した場合を説明する。利用者は、複数の用途のうち1つの用途である「多目的スペース」を選択する。端末制御部51は、「多目的スペース」を第1用途として把握する。
【0096】
端末制御部51は、取得した共用施設データ1aに基づいて多目的スペースである第1用途と一致する用途である共用施設20を複数の共用施設20から抽出する。即ち、端末制御部51は、取得した共用施設データ1aに基づいて、用途が多目的スペースである共用施設20を全て抽出する。
【0097】
端末制御部51は、抽出された1つ以上の共用施設20を第1目的施設21として把握する。図10の(1)に示す通り、複数の共用施設20の中から4つの多目的スペースが第1目的施設21として抽出されている。
【0098】
端末制御部51は、第1目的施設21のそれぞれの少なくとも設置階と使用状況とを端末表示部53に表示する。図9の(3)に示す通り、端末制御部51は、1つ以上の第1目的施設21である共用施設20の施設情報を端末表示部53に表示する。表示されている第1目的施設21である共用施設20の情報は、取得した共用施設データ1aの情報に基づいている。
【0099】
利用者は、端末表示部53に一覧表示された4つの多目的スペースのうち1つの多目的スペースを選択することができる。端末制御部51は、利用者により選択された共用施設20を目的共用施設22として設定する。
【0100】
即ち、端末制御部51は、取得した共用施設データ1aと利用者の意志とによって選択された利用者の行き先となる共用施設20を目的共用施設22として設定する。
【0101】
ここでは、No,5の多目的スペースが利用者によって選択された場合を説明する。図10の(2)に示す通り、第1目的施設21の中で利用者によって選択された共用施設20であるNo,5の多目的スペースが目的共用施設22として設定されている。
【0102】
図9の(4)に示す通り、端末制御部51は、目的共用施設22であるNo,5の多目的スペースの用途、設置階といった情報を端末表示部53に表示する。
【0103】
端末制御部51は、目的共用施設22の設置階を目標階として決定する。即ち、端末制御部51は、取得した共用施設データ1aにおける複数の用途から1つの用途が利用者によって選択されることにより、選択された用途と取得した共用施設データ1aとに基づいて、目標階を決定する。
【0104】
同時に、端末制御部51は、搭乗階と目標階とを含む利用者呼び登録情報50aとして制御部4に送信する。情報端末50が存在する階である搭乗階は、利用者がエレベーターに乗り込む階である。目標階は、利用者の行き先となる目的共用施設22の設置階である。目標階は、利用者の行き先の階であり、利用者がエレベーター120を降りる階である。
【0105】
なお、図9の(4)では、目的共用施設22の用途及び設置階を端末表示部53に表示している。しかし、これに限られたものではない。端末表示部53に表示する情報は、少なくとも設置階と使用状況とを表示していれば、設置階と使用状況との他に共用施設データ1aにある他の施設情報を表示してもよい。
【0106】
この後、制御部4は、利用者呼び登録情報50aに基づいてかご呼び登録情報1bを生成し、エレベーター管理システム100に送信する。エレベーター管理システム100は、かご呼び登録情報1bを受信し、かご呼び登録情報1bに基づいてエレベーター120を制御し、応答情報100aを発信する。更に、エレベーター呼び登録情報生成システム1は、応答情報100aを受信し、応答情報100aに基づいて情報端末50に確定情報1cを送信する。これらは、「おまかせモード」において実施されたものと同一であるので、説明を省略する。
【0107】
確定情報1cの基となる利用者呼び登録情報50aを送信した情報端末50の端末制御部51は、確定情報1cを受信する。確定情報1cを受信した端末制御部51は、端末表示部53に確定情報1cに基づいた情報を表示する。
【0108】
図9の(5)に示す通り、端末表示部53には、確定情報1cに基づいた情報が表示される。端末制御部51は、端末表示部53に号機情報と、運行情報のうち行き先となる第2階との情報を含む情報を表示する。
【0109】
利用者は、端末表示部53の表示によって、利用者自身が向かう共用施設20について、どの号機番号のエレベーター120を使って建物内の何階から何階に移動するのかといった情報を得ることができる。なお、図9の(5)に示す端末表示部53の表示では、搭乗階と目標階とを表示している。しかし、これに限らず、例えば、搭乗階を表示せず目標階のみを表示してもよい。
【0110】
実施の形態1によるエレベーター呼び登録情報生成システム1は、少なくとも1つの検知空間20aをそれぞれ有する複数の共用施設20のそれぞれの用途、設置階、及び使用状況を含む施設情報が共用施設データ1aとして記憶される記憶部5を備える。また、エレベーター呼び登録情報生成システム1は、各検知空間20aにおいて人の存在の有無を検知する複数のセンサー10と、検知結果に基づいて、施設情報に含まれる使用状況を求める制御部4と、を更に備える。また、記憶部5に記憶された共用施設データ1aは、利用者の情報端末50からアクセス可能な状態となっている。また、制御部4は、利用者呼び登録情報50aを入出力部2を介して情報端末50から受信することにより、利用者呼び登録情報50aに基づいてかご呼び登録情報1bを生成する。また、利用者呼び登録情報50aは、情報端末50が現在存在する階である搭乗階と、共用施設データ1aに基づいて決定された目標階と、を含む。また、制御部4は、かご呼び登録情報1bを入出力部2からエレベーター管理システム100へ送信する。従って、利用者は、各共用施設20の使用状況に基づいて行き先階を目標階とするエレベーター120のかご呼び登録情報1bを生成することができる。よって、利用者のエレベーター120を利用した余分な移動を低減することができる。
【0111】
実施の形態1によるエレベーター呼び登録情報生成システム1によれば、制御部4は、エレベーター管理システム100から、送信したかご呼び登録情報1bの応答としての応答情報100aを入出力部2を介して受信する。また、応答情報100aには、エレベーター管理システム100によって管理される複数のエレベーター120のうち、かご呼び登録情報1bに基づいて運行されるエレベーター120を特定できる号機情報が含まれている。また、制御部4は、利用者呼び登録情報50aを送信した情報端末50に入出力部2を介して号機情報が含まれる確定情報1cを送信する。従って、利用者に対して、利用者の行き先階である目標階に行くエレベーター120を知らせることができる。よって、利用者のエレベーター120を利用した余分な移動を低減することができる。
【0112】
実施の形態1によるエレベーター呼び登録用プログラムは、情報端末50の端末制御部51に、エレベーター呼び登録情報生成システム1から共用施設データ1aを取得する機能を実現させる。また、エレベーター呼び登録用プログラムは、情報端末50が建物内に現在存在している階を搭乗階として決定する機能を実現させる。また、エレベーター呼び登録用プログラムは、取得した共用施設データ1aにおける複数の用途から1つの用途が利用者によって選択されることにより、選択された用途と取得した共用施設データ1aとに基づいて、目標階を決定する機能を実現させる。また、エレベーター呼び登録用プログラムは、利用者呼び登録情報50aをエレベーター呼び登録情報生成システム1に送信する機能を実現させる。従って、利用者は、取得した共用施設データ1aに基づいて、エレベーター呼び登録情報生成システム1を利用して目標階に向かう呼び登録をすることができる。よって、利用者のエレベーター120を利用した余分な移動を低減することができる。
【0113】
実施の形態1によるエレベーター呼び登録用プログラムによれば、確定情報1cには、エレベーター管理システム100に送信したかご呼び登録情報1bに基づいて運行されるエレベーター120を特定できる号機情報が含まれている。また、エレベーター呼び登録用プログラムは、少なくとも号機情報を端末表示部53に表示する機能を端末制御部51に実現させる。従って、利用者は、特定のエレベーター120に乗って行き先階である目標階に行くことができる。よって、利用者のエレベーター120を利用した余分な移動を低減することができる。
【0114】
実施の形態1によるエレベーター呼び登録用プログラムは、第1モードの制御を実行する機能を端末制御部51に実現させる。また、エレベーター呼び登録用プログラムは、1つ以上の第1目的施設21のそれぞれの使用状況を比較して一番使用されていない共用施設20を目的共用施設22として設定する機能を端末制御部51に実現させる。従って、利用者は、一番使用されていない共用施設20に行くためのかご呼び登録情報1bをエレベーター呼び登録情報生成システム1を使って生成することができる。よって、利用者のエレベーター120を利用した余分な移動を低減することができる。
【0115】
実施の形態1によるエレベーター呼び登録用プログラムは、第2モードの制御を実行する機能を端末制御部51に実現させる。また、エレベーター呼び登録用プログラムは、端末表示部53に表示された1つ以上の第1目的施設21のうち選択された共用施設20を目的共用施設22として設定する機能を端末制御部51に実現させる。従って、利用者は、使用状況に基づいて、利用者が向かう共用施設20を選択することができる。そして、選択した共用施設20に行くためのかご呼び登録情報1bをエレベーター呼び登録情報生成システム1を使って生成することができる。よって、利用者のエレベーター120を利用した余分な移動を低減することができる。
【0116】
実施の形態1によるエレベーター呼び登録用プログラムは、利用者が第1モードと第2モードとのいずれかを選択できる選択画面を端末表示部53に表示する機能を端末制御部51に実現させる。また、エレベーター呼び登録用プログラムは、端末制御部51に、利用者が選択した第1モードと第2モードとのいずれかで制御を実施する機能を端末制御部51に実現させる。従って、利用者は、第1モードと第2モードとのいずれかで、エレベーター呼び登録情報生成システム1を使用してかご呼び登録情報1bを生成することができる。よって、利用者のエレベーター120を利用した余分な移動を低減することができる。
【0117】
実施の形態1による情報端末には、エレベーター呼び登録用プログラムがインストールされている。従って、利用者は、情報端末50を操作することで、エレベーター呼び登録情報生成システム1を利用することができる。よって、利用者のエレベーター120を利用した余分な移動を低減することができる。
【0118】
なお、実施の形態1におけるエレベーター呼び登録情報生成システム1が受信する応答情報100aには、号機情報と運行情報とが含まれていた。しかし、これに限られたものではない。例えば、応答情報100aには、号機情報だけでもよい。運行情報に相当する情報である利用者呼び登録情報50aの搭乗階と目標階とは、利用者の情報端末50が把握している。従って、端末制御部51は、エレベーター呼び登録情報生成システム1を介して号機情報のみを入手しても、利用者に対して必要な情報を端末表示部53に表示することができる。
【0119】
また、実施の形態1におけるエレベーター呼び登録情報生成システム1が受信する応答情報100aの運行情報には、第1階及び第2階の情報を含んでいた。しかし、これに限られたものではない。例えば、運行情報が第2階の情報のみを含んでいてもよい。運行情報の第1階に相当する情報である利用者呼び登録情報50aの搭乗階は、利用者の情報端末50が把握している。従って、端末制御部51は、エレベーター呼び登録情報生成システム1を介して号機情報のみを入手しても、利用者に対して必要な情報を端末表示部53に表示することができる。
【0120】
また、実施の形態1における情報端末50が送信する利用者呼び登録情報50aには、搭乗階と目標階との情報が含まれている。しかし、これに限られたものではない。例えば、情報端末50が送信する利用者呼び登録情報50aには、利用者呼び登録情報50aを送信した情報端末50の固有のID情報を含めてもよい。また、エレベーター呼び登録情報生成システム1が送信するかご呼び登録情報1bにも、エレベーター呼び登録情報生成システム1が生成したかご呼び登録情報1bの基となる利用者呼び登録情報50aに含まれていたID情報を含めてもよい。さらに、エレベーター管理システム100が送信する応答情報100aにも、エレベーター管理システム100が作成した応答情報100aの基となるかご呼び登録情報1bに含まれていたID情報を含めてもよい。これにより、制御部4は、応答情報100aのID情報に基づいて特定の情報端末50のみが受信できるように確定情報1cを送信することができる。
【0121】
また、実施の形態1におけるエレベーター呼び登録情報生成システム1では、使用状況として使用率が使われている。しかし、これに限られたものではない。例えば、使用率を基にした混雑状況といった指標を用いることもできる。混雑状況は、例えば、「閑散」、「混雑」、及び「著しく混雑」の3段階の混雑の程度を示す文言で示される。制御部4は、共用施設20の使用率から、混雑状況を確定することができる。
【0122】
例えば、混雑状況として「閑散」とは使用率が50%以下の場合としてもよい。同様に「混雑」とは、使用率が51%以上80%以下、「著しく混雑」とは、使用率が81%以上の場合としてもよい。
【0123】
また、混雑状況の混雑の程度の区分の数と、混雑の程度の区分の基準となる使用率の範囲とは、実際の設備の数と使用率を勘案して、適宜設定することができる。混雑状況の混雑の程度の区分の数と、混雑の程度の区分の基準とは、記憶部5に記憶することができる。
【0124】
また、実施の形態1における情報端末50の端末制御部51では、おまかせモードにおいて、第1目的施設21の中から一番使用率が低いと認められる共用施設20を目的共用施設22としていた。ここで、一番使用率が低いと認められる複数の共用施設20があった場合、制御部4は、予め設定された選択条件に従って目的共用施設22を決定することができる。
【0125】
例えば、次の選択条件としては、エレベーター120の移動距離が最短になる共用施設20を目的共用施設22とする条件、建物の1階から一番離れた階にある共用施設20を目的共用施設22とする条件、といった条件に基づいてもよい。端末制御部51は、予め設定された適当な選択条件にのっとって目的共用施設22を決定することができる。
【0126】
また、実施の形態1における応答情報100a及び確定情報1cには、号機情報として号機番号が用いられている。しかし、これに限られたものではない。号機情報は、エレベーター管理システム100によって管理される複数のエレベーター120のうち、かご呼び登録情報1bに基づいて運行されるエレベーター120が特定できる情報であればよい。
【0127】
また、実施の形態1におけるエレベーター管理システム100は、複数のエレベーター120を管理している。しかし、これに限られたものではない。例えば、エレベーター管理システム100は、1台のエレベーター120のみを管理してもよい。その場合、応答情報100aにおける号機情報は、エレベーター管理システム100が管理する1台のエレベーター120を特定する情報であってもよい。また、号機情報は、エレベーター120を特定する情報のかわりに、かご呼び登録情報に基づいて呼び登録を実施することを知らせる情報でもよい。また、応答情報100aに、号機情報を含めず、運行情報を含めてもよい。
【0128】
また、実施の形態1のエレベーター呼び登録情報生成システム1及び情報端末50の機能は、処理回路によって実現される。図11は、実施の形態1のエレベーター呼び登録情報生成システム1及び情報端末50の機能を実現する処理回路の第1の例を示す構成図である。第1の例の処理回路200は、専用のハードウエアである。
【0129】
また、処理回路200は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。
【0130】
また、図12は、実施の形態1のエレベーター呼び登録情報生成システム1及び情報端末50の機能を実現する処理回路の第2の例を示す構成図である。第2の例の処理回路210は、プロセッサ211及びメモリ212を備えている。
【0131】
処理回路210では、のエレベーター呼び登録情報生成システム1及び情報端末50の機能は、ソフトウエア、ファームウエア、又はソフトウエアとファームウエアとの組み合わせにより実現される。ソフトウエア及びファームウエアは、プログラムとして記述され、メモリ212に格納される。プロセッサ211は、メモリ212に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、機能を実現する。
【0132】
メモリ212に格納されたプログラムは、上述した各部の手順又は方法をコンピュータに実行させるものであるとも言える。ここで、メモリ212とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の、不揮発性又は揮発性の半導体メモリである。また、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等も、メモリ212に該当する。
【0133】
なお、上述したエレベーター呼び登録情報生成システム1及び情報端末50の機能について、一部の専用のハードウエアで実現し、一部をソフトウエア又はファームウエアで実現するようにしてもよい。
【0134】
このように、処理回路は、ハードウエア、ソフトウエア、ファームウエア、又はこれらの組み合わせによって、上述したエレベーター呼び登録情報生成システム1及び情報端末50の機能を実現することができる。
【符号の説明】
【0135】
1 エレベーター呼び登録情報生成システム、1a 共用施設データ、1b かご呼び登録情報、1c 確定情報、2 入出力部、4 制御部、5 記憶部、10 センサー、20 共用施設、20a 検知空間、21 第1目的施設、22 目的共用施設、50 情報端末、50a 利用者呼び登録情報、51 端末制御部、52 端末通信部、53 端末表示部、54 端末記憶部、100 エレベーター管理システム、100a 応答情報、120 エレベーター、200 処理回路、210 処理回路、211 プロセッサ、212 メモリ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12