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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/85 20060101AFI20250228BHJP
【FI】
G01N21/85 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021165696
(22)【出願日】2021-10-07
(65)【公開番号】P2023056379
(43)【公開日】2023-04-19
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】黒水 泰守
【審査官】横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/070914(WO,A1)
【文献】特開2009-240876(JP,A)
【文献】特開平02-024538(JP,A)
【文献】特開平11-218495(JP,A)
【文献】特開2021-090934(JP,A)
【文献】米国特許第04540286(US,A)
【文献】特開2002-001232(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84 - G01N 21/958
G01B 11/00 - G01B 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上のセンサと2つ以上の光学系とを備える検査装置であって、
検査領域を通るように基準平面内の複数並列の検査経路へ被検査物を送出可能な送出装置と、
前記検査領域からの光を検出する前記センサとしての第1センサ及び第2センサと、
前記検査領域から前記第1センサへ検査光を導く前記光学系としての第1光学系と、
前記検査領域から前記第2センサへ検査光を導く前記光学系としての第2光学系と、
前記検査領域からの光を検出する第3センサ及び第4センサと、
前記検査領域から前記第3センサへ検査光を導く第3光学系と、
前記検査領域から前記第4センサへ検査光を導く第4光学系と、
前記被検査物の良否を判定する良否判定部と、を備え、
前記第1光学系及び前記第2光学系は、それぞれの光軸が交差する状態で、前記基準平面に対して同一の側に配置されており、
前記第3光学系及び前記第4光学系は、それぞれの光軸が交差する状態で、前記基準平面に対して前記第1光学系及び前記第2光学系と反対の側に配置されており、
前記良否判定部は、前記第1センサの出力と前記第2センサの出力との和または積、及び前記第3センサの出力と前記第4センサの出力との和または積に基づいて前記被検査物の良否を判定する検査装置。
【請求項2】
複数の前記センサの出力は、複数の前記検査経路に対応する複数のチャンネルに分けられており、
前記良否判定部は、同一の前記検査経路に対応する前記チャンネルに属する出力が合算されるように、複数の前記センサの出力との和または積を算出する請求項に記載の検査装置。
【請求項3】
前記検査領域へ光を照射する照明装置を備え、
前記照明装置は、前記被検査物の表面で反射した光が前記検査光として複数の前記光学系により複数の前記センサへ導かれるように構成されている請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記検査領域へ光を照射する照明装置を備え、
前記照明装置は、前記被検査物の内部を透過した光が前記検査光として複数の前記光学系により複数の前記センサへ導かれるように構成されている請求項1からのいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
複数の前記光学系は、前記検査領域の内部における略同一箇所に光学的照準が合うように構成されている請求項1からのいずれか1項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、粒状体検査装置が開示されている。この装置では、移送手段(振動フィーダ、シュータ等)が検査対象物(樹脂ペレット)を、検出箇所を通過するように移送する。受光手段が、検出箇所からの光を受光する。判別手段が、受光手段の受光量に基づいて、検査対象物が正常物であるか異常物であるかを判別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-089119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、受光装置の受光量に基づいて異常物の存在が検知される。具体的には、ペレットの表面に黒色箇所や汚染箇所があるような場合に、その異常箇所からの反射光を受光した単位受光部の受光量が、適正光量範囲を外れる。受光量が適正光量範囲を外れた場合に、検査対象物が異常物であると判別される。
【0005】
正常箇所の色と異常箇所の色とが似ている場合、受光装置が受光する受光量の差異が小さくなる。そうすると、異常の検知(正常品と異常品との識別)が困難になり、検査精度が悪化する。
【0006】
このように、従来の粒状体検査装置には、検査精度を改善する余地がある。
【0007】
本発明の目的は、検査精度を改善した検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決する手段として、本発明の検査装置は、2つ以上のセンサと2つ以上の光学系とを備える検査装置であって、検査領域を通るように基準平面内の複数並列の検査経路へ被検査物を送出可能な送出装置と、前記検査領域からの光を検出する前記センサとしての第1センサ及び第2センサと、前記検査領域から前記第1センサへ検査光を導く前記光学系としての第1光学系と、前記検査領域から前記第2センサへ検査光を導く前記光学系としての第2光学系と、前記被検査物の良否を判定する良否判定部と、を備え、前記第1光学系及び前記第2光学系は、それぞれの光軸が交差する状態で、前記基準平面に対して同一の側に配置されており、前記良否判定部は、前記第1センサの出力と前記第2センサの出力との和または積に基づいて前記被検査物の良否を判定することを特徴とする。
【0009】
第1センサの出力と第2センサの出力との和または積における明暗の差は、第1センサの出力における明暗の差、及び第2センサの出力における明暗の差よりも大きくなる。従って本構成によれば、正常箇所の色と異常箇所の色とが似ている場合でも、両者の識別が容易になり、検査精度を向上させることができる。
【0010】
本発明において、前記第1センサの出力及び前記第2センサの出力は、複数の前記検査経路に対応する複数のチャンネルに分けられており、前記良否判定部は、同一の前記検査経路に対応する前記チャンネルに属する出力が合算されるように、前記第1センサの出力と前記第2センサの出力との和または積を算出すると好適である。
【0011】
本構成によれば、検査経路ごとの被検査物の良否の判定を適切に行うことができる。
【0012】
本発明において、前記検査領域へ光を照射する照明装置を備え、前記照明装置は、前記被検査物の表面で反射した光が前記検査光として前記第1光学系及び前記第2光学系により前記第1センサ及び前記第2センサへ導かれるように構成されていると好適である。
【0013】
本構成によれば、被検査物が不透明または半透明の場合に検査を好適に実行することができる。
【0014】
本発明において、前記検査領域へ光を照射する照明装置を備え、前記照明装置は、前記被検査物の内部を透過した光が前記検査光として前記第1光学系及び前記第2光学系により前記第1センサ及び前記第2センサへ導かれるように構成されていると好適である。
【0015】
本構成によれば、被検査物が透明または半透明の場合に検査を好適に実行することができる。
【0016】
本発明において、前記検査領域からの光を検出する第3センサ及び第4センサと、前記検査領域から前記第3センサへ検査光を導く第3光学系と、前記検査領域から前記第4センサへ検査光を導く第4光学系と、を更に備え、前記第3光学系及び前記第4光学系は、それぞれの光軸が交差する状態で、前記基準平面に対して前記第1光学系及び前記第2光学系と反対の側に配置されており、前記良否判定部は、前記第3センサの出力と前記第4センサの出力との和または積に基づいて前記被検査物の良否を判定すると好適である。
【0017】
本構成によれば、良否判定部が、第1センサの出力と第2センサの出力との和または積に加えて、第3センサの出力と第4センサの出力との和または積に基づいて被検査物の良否を判定するので、検査精度を更に改善することができる。
【0018】
本発明において、前記光学系は、前記検査領域の内部における略同一箇所に光学的照準が合うように構成されていると好適である。
【0019】
本構成によれば、略同一箇所に光学的照準が合うように光学系が構成されているので、当該箇所を被検査物が通過するときに、被検査物が複数のセンサにより光学的照準が合った状態で同時に検査されることになる。従って、検査装置の検査精度が更に改善される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】粒状体検査装置の右側面図である。
図2】検査ユニットの要部を示す右側面図である。
図3】粒状体検査装置の制御系を示す機能ブロック図である。
図4】粒状体検査装置で行われる光学的検査の概要を示す図である。
図5】センサの出力の一例を示す図である。
図6】合成出力の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係る検査装置の実施の形態である粒状体検査装置について、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0022】
各図に符号(FR)で示す方向が装置前側、符号(BK)で示す方向が装置後側、符号(LH)で示す方向が装置左側、符号(RH)で示す方向が装置右側、符号(UP)で示す方向が上側、符号(DW)で示す方向が下側である。
【0023】
粒状体検査装置は、投入される粒状体(被検査物)が正常品であるか不良品であるかを光学的に検査し、正常品と不良品とを選別して排出する装置である。本実施形態では、粒状体は不透明または半透明の樹脂ペレットである。粒状体は玄米や白米などの穀粒であってもよい。
【0024】
図1に示されるように、粒状体検査装置は、貯留ホッパ3、検査ユニット4、操作表示装置6、及び制御装置7(図3)を備えている。
【0025】
貯留ホッパ3は、外部から供給された粒状体を貯留すると共に、検査ユニット4へ粒状体を供給する。
【0026】
検査ユニット4は、貯留ホッパ3から供給された粒状体を検査し、不良品を検出して、粒状体を正常品と不良品とに選別して排出する。本実施形態では、粒状体検査装置は、機体左右方向に並ぶ2つの検査ユニット4を備える。検査ユニット4の数は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。
【0027】
操作表示装置6は、装置前部の中央部に設けられている。操作表示装置6は、オペレータからの人為操作を受け付けて、制御装置7へ送信する。また、操作表示装置6は、制御装置7に制御されて各種の画面を表示する。本実施形態では、操作表示装置6は、タッチパネル付き液晶ディスプレイである。操作表示装置6が、押しボタンと液晶ディスプレイとを組み合わせた装置であってもよい。
【0028】
制御装置7は、粒状体検査装置の全体の動作を制御する。
【0029】
〔検査ユニット〕
図2を参照しながら、検査ユニット4の構成及び動作の概要について説明する。以下、各図に示されるように、粒状体Gの移動方向をZ方向、粒状体Gの移動方向の上流側をZ1側、粒状体Gの移動方向の下流側をZ2側、装置左右方向に直交する面内におけるZ方向に直交する方向をY方向、Y方向における装置前側をY1側、Y方向における装置後側をY2側、と称する。
【0030】
検査対象の粒状体Gが、シュータ12からZ2側へ落下し、検査領域IAへ送り出される。検査領域IAは、照明装置21により照明されている。検査領域IAからの光(検査光)が、光学系22によってセンサ23へ導かれる。センサ23が、検査領域IAからの光を検出する。
【0031】
センサ23の出力は、制御装置7に送信される。制御装置7は、センサ23の出力に基づいて粒状体Gが正常品であるか不良品であるかを判定する。制御装置7は、不良品と判定された粒状体Gが空気吹き付け装置31の正面まで落下したタイミングで空気吹き付け装置31を作動させる。空気を吹き付けられた粒状体Gは、Y1側へ押されて、不良品回収部41へ落下する。その他の粒状体Gは、正常品回収部42へ落下する。
【0032】
〔検査ユニットの構成〕
検査ユニット4は、送出装置10、検出装置20、及び排除装置30を備える。
【0033】
送出装置10は、検査領域IAへ粒状体Gを複数並列(装置左右方向、図2の紙面直交方向)で送り出す装置である。送出装置10は、検査領域IAを通るように基準平面PL内の複数並列の検査経路Rへ粒状体Gを送出可能に構成されている。基準平面PLは、検査領域IAを通る平面であって、その法線がY方向に沿って延びる平面である。
【0034】
〔送出装置〕
送出装置10は、振動フィーダ11、及びシュータ12を備える。
【0035】
振動フィーダ11は、貯留ホッパ3から流下した粒状体Gをトラフ11aで受け止めて、トラフ11aを振動させて粒状体Gをシュータ12へ送り出す。振動フィーダ11の動作は、制御装置7に制御される。
【0036】
シュータ12は、板状の部材である。シュータ12の上面には、複数の直線状の溝が左右方向に平行に並ぶ状態で形成されている。溝の幅は、粒状体Gが1列に並んで流下可能な大きさに設定されている。振動フィーダ11のトラフ11aからシュータ12へ落下した粒状体Gは、シュータ12の溝に案内されて、シュータ12の上を複数並列で流下し、検査領域IAへ送り出される。シュータ12は、溝の底が基準平面PL上に位置するように配置されている。
【0037】
〔検出装置〕
検出装置20は、照明装置21、光学系22、及びセンサ23を備える。
【0038】
〔照明装置〕
照明装置21は、拡散透過部材21A、21B、照明ユニット21C、21D、光軸通過部21E、21F、21G、21H、及び背景照明ユニット21L、21M、21P、21Qを備えている。
【0039】
拡散透過部材21A、21Bは、照明ユニット21C、21D、及び背景照明ユニット21L、21M、21P、21Qからの光を拡散させて透過させる部材である。拡散透過部材21A、21Bは、機体左右方向に沿って延び、Y方向外側へ突出して湾曲する略半円筒状の部材である。
【0040】
照明ユニット21C、21Dは、機体左右方向に沿って延びるライン状の光源である。照明ユニット21C、21Dは、制御装置7により発光強度が制御されるLEDパッケージを備え、検査領域IAを照明する。照明ユニット21C、21Dは、拡散透過部材21A、21BのY方向外側に配置される。詳しくは、4つの照明ユニット21Cが拡散透過部材21AのY1側に配置される。4つの照明ユニット21Dが拡散透過部材21BのY2側に配置される。
【0041】
光軸通過部21E、21F、21G、21Hは、拡散透過部材21A、21Bにおける光軸24が通過する部位である。光軸通過部21E、21F、21G、21Hは、例えば、機体左右方向に沿って延びるスリットである。前上光軸24Aが、光軸通過部21Eを通過する。後上光軸24Bが、光軸通過部21Fを通過する。後下光軸24Cが、光軸通過部21Gを通過する。前下光軸24Dが、光軸通過部21Hを通過する。
【0042】
背景照明ユニット21L、21M、21P、21Qは、機体左右方向に沿って延びるライン状の光源である。背景照明ユニット21L、21M、21P、21Qは、制御装置7により発光強度が制御されるLEDパッケージを備え、検査領域IAを照明する。
【0043】
背景照明ユニット21L、21Qは、拡散透過部材21BのY2側に配置される。背景照明ユニット21M、21Pは、拡散透過部材21AのY1側に配置される。
【0044】
背景照明ユニット21Lは、前上光軸24Aの上に配置され、前上光軸24Aに沿う方向に光を照射する。すなわち、背景照明ユニット21Lは、前上センサ23Aによる検査における背景光を供給する。
【0045】
背景照明ユニット21Mは、後上光軸24Bの上に配置され、後上光軸24Bに沿う方向に光を照射する。すなわち、背景照明ユニット21Mは、後上センサ23Bによる検査における背景光を供給する。
【0046】
背景照明ユニット21Pは、後下光軸24Cの上に配置され、後下光軸24Cに沿う方向に光を照射する。すなわち、背景照明ユニット21Pは、後下センサ23Cによる検査における背景光を供給する。
【0047】
背景照明ユニット21Qは、前下光軸24Dの上に配置され、前下光軸24Dに沿う方向に光を照射する。すなわち、背景照明ユニット21Qは、前下センサ23Dによる検査における背景光を供給する。
【0048】
本実施形態では、照明ユニット21C、21Dからの光が、拡散透過部材21A、21Bを透過して拡散され、検査領域IAへ照査される。粒状体Gが検査領域IAを通過するとき、拡散透過部材21A、21Bからの光が粒状体Gの表面で反射され、光軸24に沿って進む光が光学系22に導かれてセンサ23へ入射する。すなわち、照明装置21は、粒状体の表面で反射した光が検査光として光学系22によりセンサ23へ導かれるように構成されている。
【0049】
なお本実施形態の反射光検査において、背景照明ユニット21L、21M、21P、21Qは、点灯されてもよいし消灯されてもよい。例えば、正常な粒状体よりも暗い不良品を検出するために、これら背景照明ユニットが点灯されてもよい。正常な粒状体よりも明るい不良品を検出するために、これら背景照明ユニットが消灯されてもよい。
【0050】
〔光学系・センサ〕
本実施形態では、検査ユニット4は、4つの光学系22、すなわち前上光学系22A、後上光学系22B、後下光学系22C、及び前下光学系22Dを備えている。
【0051】
光学系22の光軸24を、以下の通り称する。前上光学系22Aの光軸を、前上光軸24Aと称する。後上光学系22Bの光軸を、後上光軸24Bと称する。後下光学系22Cの光軸を、後下光軸24Cと称する。前下光学系22Dの光軸を、前下光軸24Dと称する。
【0052】
本実施形態では、検査ユニット4は、4つのセンサ23、すなわち前上センサ23A、後上センサ23B、後下センサ23C、及び前下センサ23Dを備えている。
【0053】
検査領域IAから発せられて前上光軸24Aに沿って進む光(検査光)が、前上光学系22Aに導かれて、前上センサ23Aへ入射する。前下光軸24Dに沿って進む光(検査光)が、前下光学系22Dに導かれて、前下センサ23Dへ入射する。
【0054】
検査領域IAから発せられて後上光軸24Bに沿って進む光(検査光)が、後上光学系22Bに導かれて、後上センサ23Bへ入射する。後下光軸24Cに沿って進む光(検査光)が、後下光学系22Cに導かれて、後下センサ23Cへ入射する。
【0055】
本実施形態では、光学系22の光軸が互いに交差するように、光学系22が構成されている。詳しくは、4つの光学系22は、光軸24が検査領域IAの内部における略同一箇所で交差するように構成されている。具体的には、前上光軸24A、後上光軸24B、後下光軸24C、及び前下光軸24Dが、検査経路Rの上の一点で交差するように、前上光学系22A、後上光学系22B、後下光学系22C、及び前下光学系22Dが構成(調整)されている。
【0056】
前上光学系22Aは、前上ミラー25A、及び前上レンズ装置26Aを備える。前上レンズ装置26Aは、検査領域IAにピントが合うように調整される。
【0057】
後上光学系22Bは、後上ミラー25B、及び後上レンズ装置26Bを備える。後上レンズ装置26Bは、検査領域IAにピントが合うように調整される。
【0058】
後下光学系22Cは、後下ミラー25C、及び後下レンズ装置26Cを備える。後下レンズ装置26Cは、検査領域IAにピントが合うように調整される。
【0059】
前下光学系22Dは、前下ミラー25D、及び前下レンズ装置26Dを備える。前下レンズ装置26Dは、検査領域IAにピントが合うように調整される。
【0060】
本実施形態では、4つの光学系22は、検査領域IAの内部における略同一箇所に光学的照準が合うように構成されている。具体的には、前上光学系22A、後上光学系22B、後下光学系22C、及び前下光学系22Dは、検査経路Rの上でピントが合うように調整されている。なお、レンズ装置のピントが合う範囲(被写界深度)は絞りにより変化する。前上光学系22A、後上光学系22B、後下光学系22C、及び前下光学系22Dが、ピントが合う範囲に検査経路Rが含まれるように、調整されているとよい。
【0061】
本実施形態では、4つの光学系22は、Z方向(検査領域IAにおける粒状体G(被検査物)の移動方向)に沿って視たときに、前上光学系22A及び前下光学系22D(光学系22のうちの2つ)と後上光学系22B及び後下光学系22C(光学系22のうちの残りの2つ)とが検査領域IAを間に挟む状態で配置されている。
【0062】
また本実施形態では、前上光学系22Aが基準平面PLに対してY1側に配置され、後上光学系22Bが基準平面PLに対してY2側に配置されている。すなわち、光学系22のうちの2つが、基準平面PLに対して一方の側と他方の側とに分けて配置されている。
【0063】
センサ23は、経時的に光を検出し、所定の時間毎の刻々の出力データを制御装置7に送信する。
【0064】
排除装置30は、不良品と判定された粒状体Gを排除する装置である。排除装置30は、空気吹き付け装置31により構成される。空気吹き付け装置31は、装置左右方向に並ぶ複数の噴射口Sを備える。噴射口Sは、シュータ12の複数の溝から落下する粒状体Gに対応する位置に配置されている。
【0065】
〔制御装置〕
制御装置7は、ECUであり、図3に示されるように、良否判定部7a、記憶部7f、及び排除制御部7jを備える。制御装置7は、検査ユニット4、及び操作表示装置6と接続され、これらを制御可能に構成されている。制御装置7は、上掲の機能部に対応するプログラムや制御パラメータ等を記憶するメモリ(HDDや不揮発性RAMなど。図示省略)と、当該プログラムを実行するCPU(図示省略)と、を備えている。プログラムがCPUにより実行されることにより、各機能部の機能が実現される。制御装置7が、互いに通信可能な複数のECUにより構成されてもよい。
【0066】
良否判定部7aは、制御装置7が受信したセンサ23の出力に基づいて、粒状体Gが正常品であるか不良品であるかを判定する。良否判定部7a、及び他の機能部の動作の詳細については図4図5を参照しながら後で説明する。
【0067】
記憶部7fは、例えば、検査ユニット4の動作パラメータ、粒状体Gの良否判定に用いられる閾値等を記憶する。
【0068】
排除制御部7jは、排除装置30(空気吹き付け装置31)の動作タイミングを制御する。
【0069】
〔粒状体の良否判定〕
図4図5を参照しながら、検査ユニット4で行われる粒状体の良否判定及び不良品の排除について説明する。図4は、装置前側から機体左右方向及びZ方向に直交する方向に検査領域IAを視た模式図であり、図中の右が装置右側、図中の上がZ1側に対応する。
【0070】
シュータ12の溝から放出された粒状体は、Z2方向に落下し、検査領域IAを通過し、空気吹き付け装置31の前を通過する。粒状体の移動する経路を、左から順に経路R1、R2、R3、・・・Rnと称する。nは、シュータ12の溝の数と同じである。
【0071】
空気吹き付け装置31の噴射口Sは、経路R1から経路Rnまでの夫々に対応するように配置されている。経路R1、R2、・・Rnに対応する噴射口Sを噴射口S1、S2、S3、・・・Snと称する。すなわち、経路R1を落下する粒状体は、噴射口S1の前を通過する。
【0072】
上述したとおり、検査領域IAからの光が、光軸24に沿って進み、センサ23の表面に到達する。本実施形態では、センサ23はラインセンサであり、1列に並ぶ複数の画素E1、E2、・・・Emを有する。mは、センサ23が有する画素の総数である。センサ23により検出されるのは、検査領域IAから発せられて光軸24に沿って進み、光軸通過部21E、21F、21G、21Hを通過した光である。その光は、検査領域IAにおける、装置左右方向に延びる細長い領域から発せられた光である。この領域を、検出領域DUと称する。以下、検出領域DUからの光が前上センサ23Aに入射するとして説明する。前上センサ23Aの複数の画素E1、E2、・・・Emは、検査領域IA(検出領域DU)における粒状体の並列方向(装置左右方向)に対応する方向に沿って並ぶ。
【0073】
前上センサ23Aの出力の一例が図4の下部に示されている。図示例では、前上センサ23Aの出力において2箇所で出力の低下が見られる。これは、経路R2を落下する粒状体G1、及び経路R4を落下する粒状体G2が検出領域DUに位置し、粒状体G1及び粒状体G2からの光が前上センサ23Aに入射していることに起因する。すなわち、粒状体を反射(または内部を透過)して前上センサ23Aに入射する光の強度は、背景光(拡散透過部材21Bからの光)の強度よりも小さい。このように、検出領域DUを粒状体が通過すると、センサ23の出力に変化が生じる。
【0074】
図5に、粒状体G1が不良品である例が示されている。図示例では、粒状体G1は樹脂ペレットであり、正常領域A1、着色領域A2、及び黒色領域A3を有する。着色領域A2の色は、正常領域A1の色よりも濃い。従って、着色領域A2からの光の強度は、正常領域A1からの光の強度よりも小さくなる。黒色領域A3の色は、着色領域A2の色よりも濃い。従って、黒色領域A3からの光の強度は、着色領域A2からの光の強度よりも小さくなる。粒状体G1が検出領域DUに対して図5の位置にある時、前上センサ23Aの出力には、正常領域A1、着色領域A2、及び黒色領域A3により出力が低下する領域が生じる。
【0075】
具体的には、背景光(拡散透過部材21Bからの光)が画素E41-E44に入射する。画素E41-E44の出力は、上側第2閾値SU2よりも小さく粒状体検出閾値SHよりも大きくなる。正常領域A1からの光が、画素E45-47,E53-54,E57-58に入射する。これらの画素の出力は、粒状体検出閾値SHよりも小さく下側第2閾値SL2よりも大きくなる。着色領域A2からの光が、画素E48-52に入射する。これらの画素の出力は、下側第2閾値SL2よりも小さく下側第1閾値SL1よりも大きくなる。黒色領域A3からの光が、画素E55-56に入射する。これらの画素の出力は、下側第1閾値SL1よりも小さくなる。
【0076】
良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において出力が下側第1閾値SL1または下側第2閾値SL2よりも小さい画素が存在する場合に、粒状体が不良品であると判断する。詳しくは、良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において出力が下側第1閾値SL1よりも小さい画素が存在する場合に、粒状体が下側第1不良に係る不良品であると判断する。下側第1不良は、例えば「黒色異常」である。良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において出力が下側第2閾値SL2よりも小さい画素が存在する場合に、粒状体が下側第2不良に係る不良品であると判断する。下側第2不良は、例えば「着色異常」である。
【0077】
また、良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において出力が上側第1閾値SU1または上側第2閾値SU2よりも大きい画素が存在する場合に、粒状体が不良品であると判断する。詳しくは、良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において出力が上側第1閾値SU1よりも大きい画素が存在する場合に、粒状体が上側第1不良に係る不良品であると判断する。上側第1不良は、例えば「ガラス」である。良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において出力が上側第2閾値SU2よりも大きい画素が存在する場合に、粒状体が上側第2不良に係る不良品であると判断する。
【0078】
ここで、良否判定部7aが、閾値に対する出力の大小に加えて、出力が閾値を下回る画素の数に基づいて良否判定を行ってもよい。例えば、良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において、出力が下側第1閾値SL1よりも小さい画素が存在し、且つ、その画素の数が下側第1数量閾値よりも多い場合に、粒状体が下側第1不良に係る不良品であると判断する。良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において、出力が下側第2閾値SL2よりも小さい画素が存在し、且つ、その画素の数が下側第2数量閾値よりも多い場合に、粒状体が下側第2不良に係る不良品であると判断する。良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において、出力が上側第1閾値SU1よりも大きい画素が存在し、且つ、その画素の数が上側第1数量閾値よりも多い場合に、粒状体が上側第1不良に係る不良品であると判断する。良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力において、出力が上側第2閾値SU2よりも大きい画素が存在し、且つ、その画素の数が上側第2数量閾値よりも多い場合に、粒状体が上側第2不良に係る不良品であると判断する。
【0079】
良否判定部7aは、上述した前上センサ23Aの出力の場合と同様に、後上センサ23B、後下センサ23C、及び前下センサ23Dの出力に基づいて粒状体の良否を判定する。
【0080】
〔チャンネル〕
良否判定部7aは、センサ23の出力に基づく粒状体の良否判定を、複数の経路R1、R2、・・・Rnのそれぞれについて行う。具体的には、良否判定部7aは、並列する複数の経路R1、R2、・・Rnに対応するようにセンサ23の複数の画素E1、E2、・・・Emを分配して複数のチャンネルCH1,CH2,・・・CHnを設定し、これら複数のチャンネルごとに粒状体の良否を判定する。すなわち、複数のチャンネルCH1,CH2、・・・CHnは、複数の経路R1、R2、・・・Rnに対応し、空気吹き付け装置31(排除装置30)の複数の噴射口S1、S2、・・・Snに対応する。
【0081】
図5の例では、検出領域DUにおける経路R2と重なる部分からの光は、前上センサ23Aにおける画素E41-63に入射する。そこで、経路R2に対応する画素E41-63がチャンネルCH2として設定される。経路R1に対応する画素E40までの所定数の画素は、チャンネルCH1として設定される。経路R3に対応する画素E64以降の所定数の画素は、チャンネルCH3として設定される。チャンネルは、装置の製造時に初期設定される。チャンネルCH1,CH2,・・・CHnに対する画素E1、E2、・・・Emの分配の設定値は、記憶部7fに記憶される。
【0082】
良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力における、あるチャンネルに対応する部分において、上述した判定基準が満たされた場合、そのチャンネルに対応する経路にある粒状体が不良品であると判断する。そして良否判定部7aは、当該チャンネルに対応する噴射口Sから空気を噴射させるように、空気吹き付け装置31(排除装置30)を作動させる。詳しくは、良否判定部7aは、粒状体が不良品であると判定してから所定の時間の経過後に、空気吹き付け装置31を作動させる。
【0083】
同様に、良否判定部7aは、他のセンサ23の出力に基づく粒状体の良否判定を、複数の経路R1、R2、・・・Rnのそれぞれについて行う。具体的には、良否判定部7aは、並列する複数の経路R1、R2、・・Rnに対応するように後上センサ23B、後下センサ23C、及び前下センサ23Dの複数の画素E1、E2、・・・Emを分配して複数のチャンネルCH1,CH2,・・・CHnを設定し、これら複数のチャンネルごとに粒状体の良否を判定する。
【0084】
すなわち、前上センサ23A、後上センサ23B、後下センサ23C、及び前下センサ23Dのチャンネル分配は、同じ番号のチャンネルが同じ番号の検査経路R及び噴射口Sに対応するように、設定される。なお、同じチャンネル番号に分配される画素Eの数及び番号は、各センサ23の間で異なってもよい。
【0085】
各センサ23におけるチャンネルに対する画素の分配の設定値は、記憶部7fに保存される。良否判定部7aは、チャンネルと画素の対応関係を示すデータを記憶部7fから読み出して、各センサの出力に基づく粒状体の良否判定を各チャンネル毎に行う。
【0086】
良否判定部7aが、あるチャンネルについて、4つのセンサ23の出力のうちの少なくとも1つで不良と判定したときに、そのチャンネルに対応する経路にある粒状体が不良品であると判断するよう構成されてもよい。
【0087】
〔センサの出力の合成〕
本実施形態では、前上光学系22A及び前下光学系22Dは、それぞれの光軸24(前上光軸24A及び前下光軸24D)が交差する状態で、基準平面PLに対して同一の側(Y1側)に配置されている。そして良否判定部7aは、前上センサ23Aの出力と前下センサ23Dの出力との和に基づいて粒状体の良否を判定する。
【0088】
上述の通り、センサ23の出力は、複数の検査経路Rに対応する複数のチャンネルに分けられている。良否判定部7aは、同一の検査経路Rに属する出力が合算されるように、前上センサ23Aの出力と前下センサ23Dの出力との和を算出する。そして良否判定部7aは、算出した出力の和に基づいて、チャンネル毎に粒状体の良否を判定する。
【0089】
図6に、前上センサ23Aの出力、前下センサ23Dの出力、及びそれらの和の例が示されている。図示例では、正常品である粒状体G2と不良品である粒状体G3とが検査領域IAを通過した場合のセンサ23の出力が示されている。
【0090】
不良品である粒状体G3の色は、正常品である粒状体G2よりも少し濃いものとする。前上センサ23Aの出力及び前下センサ23Dの出力において、背景光の光量は約100であり、粒状体G2からの検査光の光量(正常品光量)は約50であり、粒状体G3からの検査光の光量(不良品光量)は約45である。
【0091】
前上センサ23Aの出力及び前下センサ23Dの出力において正常品(粒状体G2)と不良品(粒状体G3)とを判別するためには、判別の閾値を50と45の間、例えば48とする必要がある。閾値と正常品光量との差は2であり、閾値と不良品光量との差は3である。
【0092】
ここでセンサ23の出力は、照明装置21の光量の変動、粒状体の色の変動(個体差)、電気的なノイズ等により変動し得る。判別の閾値が48である場合、センサ23の出力が48よりも小さい場合に、粒状体が不良と判断される。そうすると、粒状体が正常品であっても、上述した出力変動により出力が48を下回る画素が存在する場合、その粒状体は不良品と判断されてしまう。この誤検知(正常品の不良判定)を抑制するために閾値を小さく(例えば46)すると、不良品である粒状体を正常品と誤判定する可能性が上昇してしまう。
【0093】
図6の下部に、前上センサ23Aの出力と前下センサ23Dの出力との和(以下「合成出力」と称する。)が示されている。合成出力において、背景光の光量は約200であり、粒状体G2からの検査光の光量(正常品光量)は約100であり、粒状体G3からの検査光の光量(不良品光量)は約90である。
【0094】
合成出力において正常品(粒状体G2)と不良品(粒状体G3)とを判別するためには、判別の閾値を100と90の間、例えば95とする必要がある。閾値と正常品光量との差は5であり、閾値と不良品光量との差は5である。
【0095】
先に述べたとおり、前上センサ23Aの出力及び前下センサ23Dの出力においては、正常品光量と不良品光量との差は5であった。これに対し、合成出力においては、正常品光量と不良品光量との差は10である。これにより、合成出力における閾値と正常品光量との差(5)及び閾値と不良品光量との差(5)が、前上センサ23Aの出力及び前下センサ23Dの出力における閾値と正常品光量との差(2)及び閾値と不良品光量との差(3)よりも大きくなる。従って、合成出力における誤判定の可能性が、前上センサ23Aの出力及び前下センサ23Dの出力における誤判定の可能性よりも小さくなる。従って、粒状体検査装置の検査精度が向上する。
【0096】
〔他の実施形態〕
以下説明する他の実施形態に関して、上述の実施形態と同様の構成に対して同じ符号が付される。それらの構成の説明が省略される場合がある。
【0097】
(1)上述の実施形態では、良否判定部7aが、前上センサ23Aの出力と前下センサ23Dの出力との和を算出し、算出された和に基づいて粒状体の良否を判定する。良否判定部7aが、前上センサ23Aの出力と前下センサ23Dの出力との積(合成出力)を算出し、算出された積に基づいて粒状体の良否を判定するように構成されてもよい。この実施形態においても、合成出力における正常品光量と不良品光量との差が、センサ23の出力における差よりも大きくなる。従って、粒状体検査装置の検査精度が向上する。
【0098】
(2)上述の実施形態では、4つの光学系22及びセンサ23を備える粒状体検査装置が説明された。粒状体検査装置が、3つ又は5つ以上の光学系22及びセンサ23を備えてもよい。また、粒状体検査装置が、2つの光学系(前上光学系22A、前下光学系22D)及び2つのセンサ(23A、23D)を備える形態も可能である。
【0099】
(3)良否判定部7aが、後上センサ23Bの出力と後下センサ23Cの出力との和または積(合成出力)を算出し、算出された合成出力に基づいて粒状体の良否を判定するように構成されてもよい。
【0100】
(4)良否判定部7aが、前上センサ23Aと前下センサ23Dとの合成出力と、後上センサ23Bと後下センサ23Cとの合成出力の両方に基づいて、粒状体の良否を判定するように構成されてもよい。
【0101】
(5)良否判定部7aが、異なる時点における前上センサ23Aと前下センサ23Dとの合成出力を算出するよう構成されてもよい。前上光軸24Aと前下光軸24Dとは平行でないため、落下する粒状体Gと光軸24とが交差するタイミングが、前上光軸24Aと前下光軸24Dとで異なる可能性がある。具体的には、粒状体Gと前上光軸24Aとの交差が開始した後で、粒状体Gと前下光軸24Dとの交差が開始する。良否判定部7aが、ある時点における前上センサ23Aの出力と、当該時点より所定時間後の時点における前下センサ23Dの出力と、の合成出力を算出するよう構成されてもよい。
【0102】
(6)上述の実施形態では、4つの光軸24(前上光軸24A、後上光軸24B、後下光軸24C、及び前下光軸24D)が検査経路Rの上の一点で交差する。他の形態も可能である。例えば、前上光軸24Aと後上光軸24Bとが検査経路Rの上の一点で交差し、後下光軸24Cと前下光軸24Dとが検査経路Rの上の他の一点で交差してもよい。つまり、2つの光軸24の交点と、他の2つの光軸24の交点とが、異なってもよい。光軸24の交点が検査経路Rの上になくてもよい。
【0103】
(7)上記の実施形態では、センサ23はラインセンサである。センサ23が、2次元画像を取得可能なエリアセンサであってもよい。センサ23はモノクロ式でもカラー式でもよい。センサ23はCCDでもCMOSでもよい。
【0104】
(8)上記の実施形態では、照明ユニット21C、21DはLEDである。照明ユニット21C、21Dが冷陰極管や熱陰極管、有機EL等であってもよい。
【0105】
(9)良否判定部7aが良否判定の対象とする出力は、任意に設定可能であると好ましい。すなわち、前上センサ23Aの出力、後上センサ23Bの出力、後下センサ23Cの出力、前下センサ23Dの出力、前上センサ23Aと前下センサ23Dとの合成出力、及び後上センサ23Bと後下センサ23Cとの合成出力のそれぞれにおいて、良否判定部7aが良否判定の対象とするか否かを設定可能であると好ましい。
【0106】
(10)粒状体が、透明または半透明の樹脂ペレットであってもよい。この場合、照明装置21は、粒状体の内部を透過した光が検査光として光学系22によりセンサ23へ導かれるように構成される。例えば、照明装置21の照度が制御装置7により適切に調整される。
【0107】
例えば、照明ユニット21C、21Dが消灯され、背景照明ユニット21L、21M、21P、21Qが点灯されてもよい。この場合、背景照明ユニット21L、21M、21P、21Qからの光が粒状体の内部を透過して4つのセンサ23へ入射する。
【0108】
例えば、照明ユニット21Cが消灯され照明ユニット21Dが点灯されてもよい。この場合、拡散透過部材21Bからの光が粒状体の内部を透過して前上センサ23A及び前下センサ23Dへ入射する。拡散透過部材21Bからの光が粒状体の表面で反射して後上センサ23B及び後下センサ23Cへ入射する。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、粒状体を検査する装置(粒状体検査装置、色彩選別器、光学選別器等)に適用可能である。
【符号の説明】
【0110】
7a :良否判定部
10 :送出装置
21 :照明装置
22 :光学系
22A :前上光学系(第1光学系の例)
22B :後上光学系(第3光学系の例)
22C :後下光学系(第4光学系の例)
22D :前下光学系(第2光学系の例)
23 :センサ
23A :前上センサ(第1センサの例)
23B :後上センサ(第3センサの例)
23C :後下センサ(第4センサの例)
23D :前下センサ(第2センサの例)
24 :光軸
CH1 :チャンネル
CH2 :チャンネル
CH3 :チャンネル
G :粒状体(被検査物)
IA :検査領域
PL :基準平面
R :検査経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6