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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】システム
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20250228BHJP
   G05D 1/622 20240101ALI20250228BHJP
   G05D 105/15 20240101ALN20250228BHJP
【FI】
A01B69/00 303Z
G05D1/622
G05D105:15
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021214420
(22)【出願日】2021-12-28
(65)【公開番号】P2023097981
(43)【公開日】2023-07-10
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】藤原 長浩
(72)【発明者】
【氏名】宮下 隼輔
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-095566(JP,A)
【文献】特開2020-109693(JP,A)
【文献】特開平07-072248(JP,A)
【文献】特開2019-204324(JP,A)
【文献】特開2021-007386(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0064050(US,A1)
【文献】特開2021-153466(JP,A)
【文献】特開2019-004772(JP,A)
【文献】特開2020-103084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 69/00
G05D 1/622
G05D 105/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車の走行を支援するためのシステムであって、
前記作業車が圃場を走行している時に前記作業車に設けられたセンサから前記圃場の外縁領域の形状を示す三次元形状データを二次元座標と高さとで定義される点の集合体として経時的に取得するデータ取得部と、
前記作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータを前記三次元形状データから除去する除去部と、
前記除去部により処理された前記三次元形状データに基づいて、圃場走行中の前記作業車が越境不能な境界を示す外縁マップを生成する生成部と、を備え
前記除去部は、周囲よりも前記高さが大きい前記点の集合を特定し、特定された前記集合の二次元方向の幅が所定の幅閾値よりも小さい場合に前記集合を前記物体に対応するデータと見なして前記三次元形状データから除去するシステム。
【請求項2】
作業車の走行を支援するためのシステムであって、
前記作業車が圃場を走行している時に前記作業車に設けられたセンサから前記圃場の外縁領域の形状を示す三次元形状データを二次元座標と高さとで定義される点の集合体として経時的に取得するデータ取得部と、
前記作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータを前記三次元形状データから除去する除去部と、
前記除去部により処理された前記三次元形状データに基づいて、圃場走行中の前記作業車が越境不能な境界を示す外縁マップを生成する生成部と、を備え
前記除去部は、前記高さの偏差値を前記点毎に算出し、算出された前記偏差値が偏差値閾値よりも大きい前記点を前記物体に対応するデータと見なして前記三次元形状データから除去するシステム。
【請求項3】
作業車の走行を支援するためのシステムであって、
前記作業車が圃場を走行している時に前記作業車に設けられたセンサから前記圃場の外縁領域の形状を示す三次元形状データを二次元座標と高さとで定義される点の集合体として経時的に取得するデータ取得部と、
前記作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータを前記三次元形状データから除去する除去部と、
前記除去部により処理された前記三次元形状データに基づいて、圃場走行中の前記作業車が越境不能な境界を示す外縁マップを生成する生成部と、を備え
前記除去部は、前記高さの平均値を算出し、前記高さと前記平均値との差を前記点毎に算出し、算出された前記差が差閾値よりも大きい前記点を前記物体に対応するデータと見なして前記三次元形状データから除去するシステム。
【請求項4】
前記作業車が前記外縁マップにより示される境界の外側へ出ることがないように前記作業車の走行を制御する走行制御部を更に備える請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車の走行を支援するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンバインが開示されている。このコンバインは、圃場の境界線の地図位置を示す境界線データを利用して、その走行が制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-106983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたコンバインでは、境界線データは、圃場における当該作業車の走行軌跡に基づいて生成される。すなわち、境界線データが示す圃場の境界線は平面的なものである。
【0005】
発明者らは、圃場の外縁領域の三次元的な形状を取得して外縁マップを生成し、その外縁マップを用いて作業車の走行を制御することを検討した。圃場の外縁領域には、圃場を囲む盛り土である畦畔や、水門の開閉機構などの、立体的な障害物が存在する。障害物の高さが小さい場合には、作業車の一部が圃場の境界線を超えるような位置まで、コンバインが走行可能となる可能性がある。
【0006】
ここで圃場の外縁領域には、ススキやヒガンバナ、セイタカアワダチソウなどの草木や、柔軟なロープなど、作業車が接触しても走行の妨げとならない物体が存在する場合がある。そのような物体までもが外縁マップに反映されてしまうと、それらの物体を避けるように作業車の走行が制御されることになる。この場合、作業車が走行可能な領域が狭められるため、好ましくない。
【0007】
本発明の目的は、作業車の走行を支援するためのシステムにおいて、作業車の走行の自由度を高めることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決する手段として、本発明のシステムは、作業車の走行を支援するためのシステムであって、前記作業車が圃場を走行している時に前記作業車に設けられたセンサから前記圃場の外縁領域の形状を示す三次元形状データを二次元座標と高さとで定義される点の集合体として経時的に取得するデータ取得部と、前記作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータを前記三次元形状データから除去する除去部と、前記除去部により処理された前記三次元形状データに基づいて、圃場走行中の前記作業車が越境不能な境界を示す外縁マップを生成する生成部と、を備え、前記除去部は、周囲よりも前記高さが大きい前記点の集合を特定し、特定された前記集合の二次元方向の幅が所定の幅閾値よりも小さい場合に前記集合を前記物体に対応するデータと見なして前記三次元形状データから除去することを特徴とする。
【0009】
上記の特徴構成によれば、取得された三次元形状データから、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータが除去処理されて、処理済みの三次元形状データに基づいて外縁マップが生成される。従って、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体により作業車の走行が制限されることが抑制されるので、作業車の走行の自由度を高めることができる。
また上記の特徴構成によれば、取得される三次元形状データが、二次元座標と高さとで定義される点の集合体となるので、除去部の処理が容易になり好ましい。
そして周囲よりも高さが大きく、且つ幅の小さい物体は、柔軟な草花である可能性が高く、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体である可能性が高い。上記の特徴構成によれば、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータを適切に除去して、作業車の走行の自由度を高めることができる。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
上述した課題を解決する手段として、本発明のシステムは、作業車の走行を支援するためのシステムであって、前記作業車が圃場を走行している時に前記作業車に設けられたセンサから前記圃場の外縁領域の形状を示す三次元形状データを二次元座標と高さとで定義される点の集合体として経時的に取得するデータ取得部と、前記作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータを前記三次元形状データから除去する除去部と、前記除去部により処理された前記三次元形状データに基づいて、圃場走行中の前記作業車が越境不能な境界を示す外縁マップを生成する生成部と、を備え、前記除去部は、前記高さの偏差値を前記点毎に算出し、算出された前記偏差値が偏差値閾値よりも大きい前記点を前記物体に対応するデータと見なして前記三次元形状データから除去することを特徴とする
【0015】
上記の特徴構成によれば、取得された三次元形状データから、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータが除去処理されて、処理済みの三次元形状データに基づいて外縁マップが生成される。従って、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体により作業車の走行が制限されることが抑制されるので、作業車の走行の自由度を高めることができる。
また上記の特徴構成によれば、取得される三次元形状データが、二次元座標と高さとで定義される点の集合体となるので、除去部の処理が容易になり好ましい。
そして、周囲よりも高さが飛び抜けて大きい物体は、背の高い草花である可能性が高く、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体である可能性が高い。上記の特徴構成によれば、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータを適切に除去して、作業車の走行の自由度を高めることができる。
【0016】
上述した課題を解決する手段として、本発明のシステムは、作業車の走行を支援するためのシステムであって、前記作業車が圃場を走行している時に前記作業車に設けられたセンサから前記圃場の外縁領域の形状を示す三次元形状データを二次元座標と高さとで定義される点の集合体として経時的に取得するデータ取得部と、前記作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータを前記三次元形状データから除去する除去部と、前記除去部により処理された前記三次元形状データに基づいて、圃場走行中の前記作業車が越境不能な境界を示す外縁マップを生成する生成部と、を備え、前記除去部は、前記高さの平均値を算出し、前記高さと前記平均値との差を前記点毎に算出し、算出された前記差が差閾値よりも大きい前記点を前記物体に対応するデータと見なして前記三次元形状データから除去することを特徴とする
【0017】
上記の特徴構成によれば、取得された三次元形状データから、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータが除去処理されて、処理済みの三次元形状データに基づいて外縁マップが生成される。従って、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体により作業車の走行が制限されることが抑制されるので、作業車の走行の自由度を高めることができる。
また上記の特徴構成によれば、取得される三次元形状データが、二次元座標と高さとで定義される点の集合体となるので、除去部の処理が容易になり好ましい。
そして、高さが平均値よりも大きい物体は、背の高い草花である可能性が高く、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体である可能性が高い。上記の特徴構成によれば、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体に対応するデータを適切に除去して、作業車の走行の自由度を高めることができる。
【0018】
本発明において、前記作業車が前記外縁マップにより示される境界の外側へ出ることがないように前記作業車の走行を制御する走行制御部を更に備えると好ましい。
【0019】
上記の特徴構成によれば、外縁マップにより示される境界の外側へ出ないように作業車の走行が制御されるので、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体により作業車の走行が制限されることが抑制され、作業車の走行の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】コンバインの左側面及び外縁領域を示す図である。
図2】コンバインの上面及び外縁領域を示す図である。
図3】第1作業走行を示す図である。
図4】第2作業走行を示す図である。
図5】制御部に関する構成を示すブロック図である。
図6】外縁マップの生成の処理を示す図である。
図7】除去部によるデータの除去の説明図である。
図8】外縁マップの一例を示す図である。
図9】外縁マップの一例を示す図である。
図10】走行制御フローを示すフローチャートである。
図11】コンバインの左側面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のシステムの実施形態としての走行管理システムAについて、図面に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0022】
〔コンバインの全体構成〕
図1に、作業車の一例として、普通型のコンバイン1が示されている。コンバイン1の前進する方向を「前」、後進する方向を「後」と定義する。コンバイン1の前進する方向を向いたときの右側を「右」、左側を「左」と定義する。図面において「前」が矢印F、「後」が矢印B、「上」が矢印U、「下」が矢印D、「左」が矢印L、「右」が矢印Rにより、それぞれ示されている。
【0023】
コンバイン1の機体10は、機体フレーム9、収穫部H、クローラ式の走行装置11、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14、搬送部16、穀粒排出装置18、衛星測位モジュール80を備えている。
【0024】
走行装置11は、コンバイン1の機体10における下部に備えられている。また、走行装置11は、エンジン(図示せず)からの動力によって駆動する。そして、コンバイン1は、走行装置11によって自走可能である。
【0025】
また、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14は、走行装置11の上側に備えられている。また、運転部12、脱穀装置13、穀粒タンク14は、機体フレーム9に支持されている。運転部12には、コンバイン1の作業を監視するオペレータが搭乗可能である。尚、オペレータは、コンバイン1の機外からコンバイン1の作業を監視していても良い。
【0026】
機体フレーム9は、複数の金属製の長尺部材を格子状に連結することにより構成されている。
【0027】
図1及び図2に示すように、穀粒排出装置18は、穀粒タンク14の上側に設けられている。また、衛星測位モジュール80は、運転部12の上面に取り付けられている。
【0028】
収穫部Hは、機体10における前部に備えられている。そして、搬送部16は、収穫部Hの後側に設けられている。また、収穫部Hは、刈取装置15及びリール17を含んでいる。
【0029】
刈取装置15は、圃場5(図3参照)の植立穀稈を刈り取る。また、リール17は、機体左右方向に沿うリール軸芯17b周りに回転駆動しながら収穫対象の植立穀稈を掻き込む。刈取装置15により刈り取られた刈取穀稈は、搬送部16へ送られる。
【0030】
この構成により、収穫部Hは、圃場5の作物を収穫する。そして、コンバイン1は、刈取装置15によって圃場5の植立穀稈を刈り取りながら走行装置11によって走行する刈取走行が可能である。
【0031】
収穫部Hにより収穫された刈取穀稈は、搬送部16によって機体後方へ搬送される。これにより、刈取穀稈は脱穀装置13へ搬送される。
【0032】
脱穀装置13において、刈取穀稈は脱穀処理される。脱穀処理により得られた穀粒は、穀粒タンク14に貯留される。穀粒タンク14に貯留された穀粒は、必要に応じて、穀粒排出装置18によって機外に排出される。
【0033】
ここで、コンバイン1は、図3及び図4に示すように、外縁領域6の内側に位置する圃場5において、作物を収穫するように構成されている。尚、外縁領域6は、圃場5を囲む状態で設けられている。すなわち、外縁領域6は圃場5の外の領域である。
【0034】
本実施形態では、図1図2に示されるように、外縁領域6に畦畔61、及び水栓62が設けられている。畦畔61は、圃場5を囲む盛り土であって、斜めに傾斜する側面部61aと、平坦な上面部61bと、を備えている。側面部61aの上端を、境界61cとして示す。水栓62は、畦畔61の上面部61bの上に配置されている。また、畦畔61の上面部61bに、雑草63が生えているものとする。
【0035】
コンバイン1は、図3に示すように、第1作業走行を実行可能に構成されている。第1作業走行とは、圃場5の外周領域SAにおいて行われる作業走行である。尚、外周領域SAとは、図4に示すように、圃場5内の外周部に位置する領域である。
【0036】
本実施形態において、第1作業走行での周回数は1回である。しかしながら、第1作業走行での周回数は、2回以上のいかなる回数であっても良い。
【0037】
そして、コンバイン1は、第1作業走行を行った後、図4に示すように、第2作業走行を行うことにより、圃場5における作業走行を実行可能である。第2作業走行とは、第1作業走行の後に外周領域SAよりも内側の作業対象領域CAにおいて行われる作業走行である。
【0038】
尚、本実施形態における「作業走行」は、具体的には、植立穀稈を刈り取りながら走行する刈取走行である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、上述の「作業走行」として、走行しながら、植立穀稈の刈り取り以外の作業が行われても良い。
【0039】
本実施形態においては、図3に示す第1作業走行は手動走行により行われる。また、図4に示す第2作業走行は自動走行により行われる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、第1作業走行は自動走行により行われても良い。また、第2作業走行は手動走行により行われても良い。
【0040】
〔走行管理システム〕
コンバイン1の走行は、図5に示される走行管理システムAにより制御される。走行管理システムAは、制御部20及び衛星測位モジュール80を備えている。
【0041】
制御部20は、後述する機能モジュールに対応するプログラムを記憶するメモリ(HDDや不揮発性RAMなど。図示省略)と、当該プログラムを実行するCPU(図示省略)と、を備えている。プログラムがCPUにより実行されることにより、各機能部の機能が実現される。すなわち、制御部20は、プログラムを記憶した一次的ではない(non-transitory)記録媒体を備える。
【0042】
制御部20は、コンバイン1に搭載された1つ又は複数のECUにより構成されてもよい。制御部20の一部又は全部が、コンバイン1に搭載された携帯情報端末等に設けられてもよいし、コンバイン1の外部のコンピュータやサーバ等に設けられてもよい。
【0043】
制御部20は、機能モジュールとして、自車位置算出部21、作業領域算出部22、第1経路生成部23、及び自動走行制御部24を備えている。自動走行制御部24は、コンバイン1の自動走行を制御する。また、自動走行制御部24は、経路選択部27、第2経路生成部28、及び走行制御部29を含んでいる。これら機能モジュールの機能・動作については後述する。
【0044】
なお、制御部20は、各機能モジュールの動作により生成されるデータを記憶する記憶装置20aを備えている。
【0045】
衛星測位モジュール80は、人工衛星GS(図1)からGNSS(Global Navigation Satellite System)の信号を受信して、受信した信号に基づいてコンバイン1の自車位置を示す測位データを生成する。GNSSとしては、GPS、QZSS、Galileo、GLONASS、BeiDou、等を利用可能である。
【0046】
自車位置算出部21は、衛星測位モジュール80により出力された測位データに基づいて、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する。算出されたコンバイン1の経時的な位置座標は、作業領域算出部22及び自動走行制御部24へ送られる。
【0047】
作業領域算出部22は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、図4に示すように、外周領域SA及び作業対象領域CAを算出する。
【0048】
より具体的には、作業領域算出部22は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、圃場5における第1作業走行でのコンバイン1の走行軌跡を算出する。そして、作業領域算出部22は、算出されたコンバイン1の走行軌跡に基づいて、コンバイン1が第1作業走行を行った領域を外周領域SAとして算出する。
また、作業領域算出部22は、算出された外周領域SAにより囲まれた領域を、作業対象領域CAとして算出する。
【0049】
例えば、図3においては、圃場5における第1作業走行でのコンバイン1の走行経路が矢印で示されている。この走行経路に沿った刈取走行が完了すると、圃場5は、図4に示す状態となる。
【0050】
図4に示すように、作業領域算出部22は、コンバイン1が第1作業走行を行った領域を外周領域SAとして算出する。また、作業領域算出部22は、算出された外周領域SAにより囲まれた領域を、作業対象領域CAとして算出する。
【0051】
そして、図5に示すように、作業領域算出部22による算出結果は、第1経路生成部23へ送られる。
【0052】
第1経路生成部23は、作業領域算出部22から受け取った算出結果に基づいて、図4に示すように、作業対象領域CAにおける刈取走行のための走行経路である目標経路LIを生成する。尚、図4に示すように、本実施形態においては、目標経路LIは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線である。また、複数のメッシュ線は直線でなくても良く、湾曲していても良い。
【0053】
図5に示すように、第1経路生成部23により生成された複数の目標経路LIは、自動走行制御部24へ送られる。
【0054】
自動走行制御部24における経路選択部27は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標と、第1経路生成部23から受け取った複数の目標経路LIと、に基づいて、コンバイン1が次に走行するべき目標経路LIを選択する。経路選択部27により選択された目標経路LIを示す情報は、走行制御部29へ送られる。
【0055】
走行制御部29は、走行装置11を制御可能に構成されている。そして、走行制御部29は、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標と、経路選択部27により選択された目標経路LIを示す情報と、に基づいて、コンバイン1の自動走行を制御する。より具体的には、走行制御部29は、図4に示すように、目標経路LIに沿った自動走行によって刈取走行が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。
【0056】
この自動走行において、走行制御部29は、現在走行している目標経路LIの次に、経路選択部27により選択された目標経路LIに沿った刈取走行が行われるように、コンバイン1の走行を制御する。
【0057】
図1及び図5に示すように、コンバイン1は、刈取シリンダ15Aを備えている。刈取シリンダ15Aは、機体フレーム9に接続されている。搬送部16及び収穫部Hは、刈取シリンダ15Aに支持されている。即ち、搬送部16及び収穫部Hは、刈取シリンダ15Aを介して、機体フレーム9に支持されている。
【0058】
また、搬送部16の後端部は、脱穀装置13に接続されている。この構成により、搬送部16及び収穫部Hは、脱穀装置13を介して、機体フレーム9に支持されている。
【0059】
走行制御部29は、刈取シリンダ15Aを制御可能に構成されている。走行制御部29が刈取シリンダ15Aを伸び方向に制御すると、搬送部16及び収穫部Hは、一体的に、収穫部Hが上昇する方向に揺動する。これにより、収穫部Hは機体フレーム9に対して上昇する。
【0060】
また、走行制御部29が刈取シリンダ15Aを縮み方向に制御すると、搬送部16及び収穫部Hは、一体的に、収穫部Hが下降する方向に揺動する。これにより、収穫部Hは機体フレーム9に対して下降する。
【0061】
この構成により、走行制御部29は、収穫部Hの昇降を制御可能である。また、収穫部Hは機体フレーム9に対して昇降可能に構成されている。
【0062】
〔外縁マップに関する構成〕
図1図2図5に示すように、コンバイン1は、検出装置31(センサの一例)を備えている。検出装置31は、外縁領域6のうち、機体10の進行方向前方に位置する部分を検出対象として、コンバイン1の圃場走行中に、外縁領域6の形状を検出する。
【0063】
詳述すると、本実施形態における検出装置31は、ToF(Time of flight)測定方式の測定装置である二次元スキャンLiDARである。尚、本発明はこれに限定されず、検出装置31は、三次元スキャンLiDARであっても良い。また、検出装置31の測定方式は、ToF測定方式に限定されず、ステレオマッチング測定方式等であっても良い。
【0064】
図5に示すように、自車位置算出部21により算出されたコンバイン1の位置座標は、検出装置31へ送られる。そして、検出装置31は、ToF測定方式の測定結果と、自車位置算出部21から受け取ったコンバイン1の位置座標と、に基づいて、前方領域FA(図1参照)に存在する物体の形状を示す三次元形状データを生成する。三次元形状データは、物体の位置及び高さを示す点群データであり、二次元座標と高さとで定義される点の集合体である。
【0065】
図5に示すように、制御部20は、マップ生成部41を有している。検出装置31によって生成された三次元形状データは、マップ生成部41へ送られる。
【0066】
マップ生成部41は、データ取得部42、除去部43、及び生成部44を備えている。
以下、図6を参照しながら、これらの機能モジュールの動作について説明する。
【0067】
データ取得部42は、コンバイン1が圃場5を走行している時に検出装置31から圃場5の外縁領域6の形状を示す三次元形状データを経時的に取得する。取得された三次元形状データは、記憶装置20aに記憶される。
【0068】
除去部43は、コンバイン1が接触しても走行の妨げにならない物体Xに対応するデータを、三次元的な粗密に基づいて、三次元形状データから除去する。コンバイン1が接触しても走行の妨げにならない物体Xとは、例えば、草木や雑草、柔軟なロープ等であり、本実施形態では雑草63(図1図2)がこれに該当する。一方、水栓62は硬く頑丈な物体であり、コンバイン1が接触すると走行の妨げとなる物体である。
【0069】
除去部43による処理の具体例が図7に示されている。図7の左に示される外縁領域6の形状が、検出装置31により検出されて、図7の右に示される三次元形状データが生成されたとする。なお図7では、三次元形状データが、縦軸を高さとし横軸を二次元座標として示されている。
【0070】
まず、除去部43は、周囲よりも高さが大きい点の集合を特定する。図示例では、3つの集合S1、G2、G3が特定されている。集合S1が、水栓62に対応する点の集合である。集合S2、G3が、雑草63に対応する点の集合である。
【0071】
除去部43は、特定された集合の二次元方向の幅が所定の幅閾値よりも小さい場合に集合を物体Xに対応するデータと見なして三次元形状データから除去する。
【0072】
図示例では、集合S1の幅W1が幅閾値よりも大きいため、除去部43は集合S1を除去しない。集合S2の幅W2及び集合S3の幅W3が幅閾値よりも小さいため、除去部43は集合S2、S3を三次元形状データから除去する。
【0073】
なお、幅閾値は予め設定されて制御部20の記憶装置20aに記憶されている。幅閾値は、コンバイン1が接触しても走行の妨げにならない物体Xに対応するデータを三次元形状データ除去から除去可能なように、比較的小さい値に設定される。また、幅閾値は、コンバイン1が接触すると走行の妨げとなる物体(例えば、水栓62など)に対応するデータを三次元形状データから除去しないように、比較的小さい値に設定される。例えば、幅閾値は、2cmに設定される。
【0074】
生成部44は、除去部43により処理された三次元形状データに基づいて、圃場走行中のコンバイン1が越境不能な境界を示す外縁マップGを生成する。
【0075】
外縁マップGは、外縁領域6の立体形状の分布を示すものである。即ち、外縁マップGは、外縁領域6にある物体の位置及び高さを示すものである。
【0076】
図8に、外縁マップGの一例が示されている。図示例では、外縁マップGとしての、第1境界線G1及び第2境界線G2が示されている。
【0077】
第1境界線G1は、外縁領域6のうち、機体フレーム9の下端と同じ高さに位置する各地点を結んだ線である。生成部44は、除去部43により処理された三次元形状データ、及び記憶装置20aに記憶されている機体フレーム9の下端の高さに基づいて、第1境界線G1を算出する。
【0078】
ここで、機体フレーム9の下端は、圃場5の表面と、畦畔61の上面部61bと、の間に位置している(図1)。外縁領域6における、機体フレーム9の下端と同じ高さに位置する点は、畦畔61の側面部61aに対応する点となる。従って、図8に示されるように、第1境界線G1が、圃場5の境界線と、畦畔61の側面部61aの上端(境界61c)との間に位置する。
【0079】
第1境界線G1の位置には、機体フレーム9の下端の高さに、外縁領域6の物体(畦畔61の側面部61a)が存在する。従って、コンバイン1の機体フレーム9は第1境界線G1を超えることができない。この意味で、外縁マップGの第1境界線G1は、コンバイン1の機体フレーム9が越境不能な境界を示す。
【0080】
第2境界線G2は、外縁領域6のうち、上昇した状態の収穫部Hの下端と同じ高さに位置する各地点を結んだ線である。生成部44は、除去部43により処理された三次元形状データ、及び記憶装置20aに記憶されている上昇した状態の収穫部Hの下端の高さに基づいて、第2境界線G2を算出する。
【0081】
ここで、上昇した状態の収穫部Hの下端は、畦畔61の上面部61bよりも上に位置し、水栓62の上端よりも下に位置している。外縁領域6における、上昇した状態の収穫部Hの下端と同じ高さに位置する点は、水栓62に対応する点となる。従って、図8に示されるように、第2境界線G2は、水栓62の近傍において水栓62に沿って延びる。また、その余の場所では、上昇した状態の収穫部Hの下端に対応する点が存在しないため、第2境界線G2は圃場5から遠く離れた位置に配置される。
【0082】
水栓62の近傍において、第2境界線G2の位置には、上昇した状態の収穫部Hの下端の高さに、外縁領域6の物体(水栓62)が存在する。従って、コンバイン1の上昇した状態の収穫部Hの下端は第2境界線G2を超えることができない。この意味で、外縁マップGの第2境界線G2は、コンバイン1の上昇した状態の収穫部Hの下端が越境不能な境界を示す。なお、図8の例では、水栓62の近傍以外の第2境界線G2は、データ処理の便宜上、圃場5から遠く離れた位置に配置された境界線であり、外縁領域6の物体の存在を示さない。
【0083】
〔外縁マップを用いた走行制御〕
図5に示されるように、自動走行制御部24は、第2経路生成部28を有している。第2経路生成部28は、外縁マップGに基づいて、外周領域SAの内部におけるコンバイン1の目標経路OL(図4)を生成する。目標経路OLは、作業対象領域CAにおける第1作業走行の目標経路LI同士を接続する走行経路である。
【0084】
経路選択部27が、第2経路生成部28が生成した目標経路OLを、次に走行するべき目標経路として選択する。走行制御部29は、第2経路生成部28が生成し経路選択部27が選択した目標経路OLに沿ってコンバイン1が走行するよう、走行装置11を制御する。なお、走行制御部29が、目標経路OLを走行するときに、刈取シリンダ15Aを制御して収穫部Hを上昇させると好ましい。
【0085】
外縁マップGを用いない場合、外縁領域6の物体の位置及び形状が不明である。従って、外縁領域6の物体とコンバイン1との接触を回避するために、目標経路OLは、コンバイン1の機体全体が圃場5の境界の内側を通るように生成される必要がある。そうすると、外周領域SAの幅が狭い場合には、方向転換のために前進と後進とを何度も繰り返す必要が生じる。また、外周領域SAの幅を大きくするために、周回走行(第1作業走行)が更に必要となる場合がある。
【0086】
外縁マップGに基づいて目標経路OLを生成することにより、図8に示されるような、コンバイン1の機体10の一部が圃場5の境界の外を通過するような目標経路OLを生成可能である。
【0087】
図8の例では、機体フレーム9が圃場5の境界を越境し、かつ第1境界線G1を越境しないように、目標経路OLが生成されている。また、上昇した状態の収穫部Hが圃場5の境界及び第1境界線G1を越境し、かつ第2境界線G2を越境しないように、目標経路OLが生成されている。
【0088】
すなわち、第2経路生成部28は、機体フレーム9が第1境界線G1を越境しないように、かつ、上昇した状態の収穫部Hが第2境界線G2を越境しないように、目標経路OLを生成する。走行制御部29は、目標経路OLに沿ってコンバイン1を自動走行させる。
すなわち、走行制御部29は、コンバイン1が外縁マップGにより示される境界の外側へ出ることがないように、コンバイン1の走行を制御する。
【0089】
ここで、走行管理システムAが除去部43を備えない場合を考える。この場合、データ取得部42が取得した三次元形状データから、コンバイン1が接触しても走行の妨げにならない物体X(雑草63)に対応するデータが除去されない。そうすると、図9に示されるように、外縁マップGの第2境界線G2に、雑草63に対応する部位が存在することになる。
【0090】
第2経路生成部28は、上昇した状態の収穫部Hが第2境界線G2を越境しないように目標経路OLを生成するので、コンバイン1は雑草63の手前までしか前進できないことになる。すなわち、図8に示される位置よりも手前で停止することになり、コンバイン1の走行の自由度が制限される。換言すれば、除去部43の作用により、生成部44が生成する外縁マップGが適切なものとなり、コンバイン1の走行の自由度が高められる。
【0091】
〔走行制御フロー〕
走行管理システムAの制御部20は、図10に示される走行制御フローに従って、コンバイン1の走行を制御するように構成されている。この走行制御フローは、第1作業走行の開始前に実行される。
【0092】
自車位置算出部21が、第1作業走行の間、コンバイン1の位置座標を経時的に算出する(ステップS01)。
【0093】
作業領域算出部22が、ステップS01で算出されたコンバイン1の経時的な位置座標に基づいて、外周領域SA及び作業対象領域CAを算出する(ステップS02)。
【0094】
第1経路生成部23が、ステップS02の算出結果に基づいて、作業対象領域CAにおける刈取走行のための走行経路である目標経路LIを生成する(ステップS03)。
【0095】
データ取得部42が、コンバイン1が第1作業走行を行っている時に検出装置31から圃場5の外縁領域6の形状を示す三次元形状データを経時的に取得する(ステップS04)。
【0096】
除去部43が、コンバイン1が接触しても走行の妨げにならない物体Xに対応するデータを、三次元的な粗密に基づいて、ステップS04で取得された三次元形状データから除去する(ステップS05)。
【0097】
生成部44が、ステップS05で処理された三次元形状データに基づいて、圃場走行中のコンバイン1が越境不能な境界を示す外縁マップGを生成する(ステップS06)。
【0098】
ステップS04、S05、S06の処理は、ステップS01、S02、S03の処理と同時並行で行われてもよい。
【0099】
第2経路生成部28が、ステップS06で生成された外縁マップGに基づいて、外周領域SAの内部におけるコンバイン1の目標経路OLを生成する(ステップS07)。
【0100】
経路選択部27が、次に走行するべき目標経路を、ステップS03で生成された目標経路LI、及びステップS07で生成された目標経路OLのうちから選択する(ステップS08)。
【0101】
走行制御部29が、ステップS08で選択された目標経路LI又は目標経路OLに沿ってコンバイン1を自動走行させる(ステップS09)。
【0102】
作業対象領域CAでの作業が完了するまで、ステップS08及びステップS09が繰り返される。作業対象領域CAを網羅する刈取走行の終了後、操向制御フローは終了する。
【0103】
〔他の実施形態〕
(1)図8に示されるように、上昇した状態の収穫部Hが、検出装置31の検出領域(前方領域FA)に位置する場合がある。この状態で生成された三次元形状データには、収穫部Hに対応する点群が含まれる可能性がある。しかし、それら点群は、外周領域SAの物体の形状と無関係であるため、三次元形状データから除去されると好ましい。
【0104】
検出装置31又はデータ取得部42が、生成された三次元形状データから、領域Y(図11)の内部に位置する点を三次元形状データから除去するように構成されると好ましい。領域Yは、上昇した状態の収穫部Hに対応する形状の領域であり、例えば、直方体形状の領域である。
【0105】
(2)除去部43が、高さの偏差値を点毎に算出し、算出された偏差値が偏差値閾値よりも大きい点を物体Xに対応するデータと見なして三次元形状データから除去するように構成されてもよい。周囲よりも高さが飛び抜けて大きい物体は、背の高い草花である可能性が高く、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体である可能性が高い。このような物体に対応するデータを、高さの偏差値により特定して除去することが可能である。偏差値閾値は、例えば65である。
【0106】
なお、偏差値の算出を、二次元座標における微少な領域(例えば、2cm四方の領域)に区切って当該領域において実行すると好ましい。この場合、水栓や構造物などの幅の大きい物体に対応するデータを除去することが抑制される。
【0107】
(3)除去部43が、高さの平均値を算出し、高さと平均値との差を点毎に算出し、算出された差が差閾値よりも大きい点を物体Xに対応するデータと見なして三次元形状データから除去するように構成されてもよい。高さが平均値よりも大きい物体は、背の高い草花である可能性が高く、作業車が接触しても走行の妨げにならない物体である可能性が高い。このような物体に対応するデータを、高さと平均値との差(高さから平均値を差し引いた値)により特定して除去することが可能である。差閾値は、例えば、15cmである。
【0108】
なお、平均値及び差の算出を、二次元座標における微少な領域(例えば、2cm四方の領域)に区切って当該領域において実行すると好ましい。この場合、水栓や構造物などの幅の大きい物体に対応するデータを除去することが抑制される。
【0109】
(4)走行装置11は、ホイール式であっても良いし、セミクローラ式であっても良い。
【0110】
(5)上記実施形態においては、第1経路生成部23により生成される目標経路LIは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線である。しかしながら、本発明はこれに限定されず、第1経路生成部23により生成される目標経路LIは、縦横方向に延びる複数のメッシュ線でなくても良い。例えば、第1経路生成部23により生成される目標経路LIは、渦巻き状の走行経路であっても良い。また、目標経路LIは、別の目標経路LIと直交していなくても良い。また、第1経路生成部23により生成される目標経路LIは、互いに平行な複数の平行線であっても良い。
【0111】
(6)上記実施形態においては、作業領域算出部22が、コンバイン1が第1作業走行を行った領域を外周領域SAとして算出する。しかしながら、本発明はこれに限定されない。外周領域SAは、コンバイン1が第1作業走行を行う前に決定されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、作業車の走行の管理に利用可能である。作業車は、普通型のコンバインだけでなく、自脱型のコンバイン、各種の収穫機(トウモロコシ収穫機、ジャガイモ収穫機、ニンジン収穫機など)、田植機、圃場管理機、建設作業機等であってもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 :コンバイン(作業車)
5 :圃場
6 :外縁領域
29 :走行制御部
31 :検出装置(センサ)
42 :データ取得部
43 :除去部
44 :生成部
A :走行管理システム(システム)
G :外縁マップ
S1 :集合
S2 :集合
S3 :集合
W1 :幅
W2 :幅
W3 :幅
X :物体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11