(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】メス型電気端子
(51)【国際特許分類】
H01R 13/42 20060101AFI20250228BHJP
H01R 13/115 20060101ALI20250228BHJP
H01R 13/11 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
H01R13/42 H
H01R13/115 C
H01R13/11 A
(21)【出願番号】P 2021535644
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(86)【国際出願番号】 US2020048360
(87)【国際公開番号】W WO2021041777
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-06-27
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100128912
【氏名又は名称】松岡 徹
(72)【発明者】
【氏名】ピン チェン
(72)【発明者】
【氏名】グウェンドリン アップソン
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-516262(JP,A)
【文献】国際公開第2015/110661(WO,A1)
【文献】特開2015-111569(JP,A)
【文献】特表2013-508935(JP,A)
【文献】特表2018-504754(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0259575(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 3/00-4/22
H01R 13/00-13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタアセンブリに挿入されるメス型電気端子であって:
ワイヤー締結部分;
前記ワイヤー締結部分に取り付けられている本体
を特徴とし;
前記本体がばね部材をさらに含むことを特徴とし;
前記本体が
前記ばね部材の上方において舌部材をさらに含
み、前記舌部材がレバー部材を含むことを特徴とし;
前記舌部材の
前記レバー部材から延出するとともに、前記ばね部材の実質的に上方に位置付けられている
第1の突出部材
と、前記本体から延出する第2の突出部材と、前記レバー部材の側部から延出する第3の突出部材と、を含む
、過応力に対する保護機構をさらに特徴と
し、
前記ばね部材は、上側ばね部材および下側ばね部材を有する二体型のばねであり、
前記上側ばね部材および前記下側ばね部材は、互いに一体的な構造であるとともに、湾曲した側部部材によって接続され、上下に折り曲げられており、前記上側ばね部材は前記下側ばね部材の上方にあり、
前記過応力に対する保護機構は、
前記レバー部材が撓んだときに、前記第1の突出部材と前記第2の突出部材とが接することで、前記レバー部材の変形を防止して前記レバー部材に対して過応力に対する保護を提供し、
前記二体型のばねが撓んだときに、前記二体型のばねが前記第3の突出部材と接触することで、前記二体型のばねに対して過応力に対する保護を提供する、メス型電気端子。
【請求項2】
前記メス型電気端子がコネクタアセンブリに入るとき
に、前記第1の突出部材および前記第2の突出部材は、前記メス型電気端子が前記コネクタアセンブリに入る間に互いに当接する、請求項1に記載のメス型電気端子。
【請求項3】
前記舌部材は
前記レバー部材から構成されており、該レバー部材は、取り付けられていない端部分および取り付けられている端部分を有することを特徴とする、請求項1に記載のメス型電気端子。
【請求項4】
前記取り付けられていない端部分は、断面が実質的にU字形であることを特徴とし、
前記取り付けられている端部分は断面が実質的にL字形であることを特徴とする、請求項3に記載のメス型電気端子。
【請求項5】
前記レバー部材の前記取り付けられていない端部分は、そこから延出する
前記第1の突出部材を含むことを特徴とし、
前記本体は、そこから延出する
前記第2の突出部材を含み、前記第1の突出部材および前記第2の突出部材は、前記メス型電気端子が前記コネクタアセンブリ内に入るときに前記レバー部材が下方に移動すると、互いに実質的に接触することを特徴とする、請求項4に記載のメス型電気端子。
【請求項6】
前記本体は、
当該本体の前端部分および後端部分のいずれか
に当該本体を支持する支持部材を含むことを特徴とする、請求項1に記載のメス型電気端子。
【請求項7】
前記下側ばね部材の端部分は、実質的に前記本体の前端部分および開口部の付近に位置付けられていることを特徴とする、請求項
1に記載のメス型電気端子。
【請求項8】
前記本体は、実質的に該本体の前記開口部付近の床から、前記下側ばね部材の前記端部分の下方に延出する実質的にこぶ状の部材をさらに含み、前記本体の前記開口部に入るオス型ピンまたはオス型端子が、前記下側ばね部材と前記実質的にこぶ状の部材との間にガイドされて実質的に固定されるかまたは衝突することを可能にすることを特徴とする、請求項
7に記載のメス型電気端子。
【請求項9】
前記本体は、前記オス型ピンまたは前記オス型端子を、前記本体の前記開口部から、前記下側ばね部材と前記実質的にこぶ状の部材との間のスペースに向かってガイドし、前記下側ばね部材および前記実質的にこぶ状の部材との間に実質的に固定されるかまたは衝突するようにする、上側ガイド部材をさらに含むことを特徴とする、請求項
8に記載のメス型電気端子。
【請求項10】
前記上側ガイド部材は、第1の実質的に水平な部分、第2の実質的に傾斜した部分、および、第3の実質的に水平な部分を含むことを特徴とする、請求項
9に記載のメス型電気端子。
【請求項11】
前記二体型のばねに少なくとも剛性を与えるように、前記上側ばね部材に対して当接するリテーナー部材をさらに特徴とする、請求項
1に記載のメス型電気端子。
【請求項12】
コネクタアセンブリに挿入されるメス型電気端子であって、
ワイヤー締結部分;
該ワイヤー締結部分に取り付けられている本体;
前記本体に含まれるばね部材;
前記本体に前記ばね部材の上方において含まれる舌部材;および、
前記舌部材
に含まれるレバー部材から延出するとともに、前記ばね部材の実質的に上方に位置付けられている
第1の突出部材
と、前記本体から延出する第2の突出部材と、前記レバー部材の側部から延出する第3の突出部材と、を含む
、過応力に対する保護機構を特徴とし、
前記メス型電気端子が前記コネクタアセンブリ内に嵌め込まれるとき、前記メス型電気端子の上側部分および前記メス型電気端子の下側部分は、前記コネクタアセンブリの上側部分および前記コネクタアセンブリの下側部分にそれぞれ嵌め込まれ、前記メス型電気端子の前記上側部分および前記下側部分の幅は異な
り、
前記ばね部材は、上側ばね部材および下側ばね部材を有する二体型のばねであり、
前記上側ばね部材および前記下側ばね部材は、互いに一体的な構造であるとともに、湾曲した側部部材によって接続され、上下に折り曲げられており、前記上側ばね部材は前記下側ばね部材の上方にあり、
前記過応力に対する保護機構は、
前記レバー部材が撓んだときに、前記第1の突出部材と前記第2の突出部材とが接することで、前記レバー部材の変形を防止して前記レバー部材に対して過応力に対する保護を提供し、
前記二体型のばねが撓んだときに、前記二体型のばねが前記第3の突出部材と接触することで、前記二体型のばねに対して過応力に対する保護を提供することを特徴とする、メス型電気端子。
【請求項13】
前記メス型電気端子および前記コネクタアセンブリの向きまたは極性は、前記コネクタアセンブリの前記上側部分内に嵌め込まれる前記メス型電気端子の前記本体の前記上側部分の幅が、前記コネクタアセンブリの前記下側部分内に嵌め込まれる前記本体の前記下側部分の幅よりも狭いものであることを特徴とする、請求項
12に記載の、前記コネクタアセンブリに挿入されるメス型電気端子。
【請求項14】
前記本体は
前記レバー部材を含み、該レバー部材は、取り付けられていない端部分および取り付けられている端部分を有し、前記レバー部材の前記取り付けられていない端部分は、そこから延出する
前記第1の突出部材を含み、前記本体は、そこから延出する
前記第2の突出部材を含み、前記第1の突出部材および前記第2の突出部材は、前記メス型電気端子が前記コネクタアセンブリ内に入るときに前記レバー部材が下方に移動すると、互いに実質的に接触し、前記メス型電気端子が、前記コネクタアセンブリ内に嵌め込まれるときに過度な応力を受けることおよび変形することを防止することを特徴とする、請求項
12に記載の、前記コネクタアセンブリに挿入されるメス型電気端子。
【請求項15】
前記本体は、
前端部分および後端部分のいずれか
に当該本体を支持する支持部材を含み、前記本体の
前端部分および後端部分のいずれ
かにある前記支持部材は、前記本体の
前端部分および後端部分のいずれ
かにおいて弾性力を提供し、それによって、前記メス型電気端子が、前記コネクタアセンブリ内に嵌め込まれるときに過度な応力を受けることおよび変形することを防止することを特徴とする、請求項
12に記載の、前記コネクタアセンブリに挿入されるメス型電気端子。
【請求項16】
前記本体は、
前記開口部を画定する前記床、一対の側部部材、および前記上側ガイド部材を有し、
前記上側ガイド部材は、前記一対の側部部材の一方と一体に設けられ、
前記一対の側部部材の他方は、前記上側ガイド部材
から延出する支持部材を
内部に収容する開口を
含み、
前記支持部材が前記開口に収容されていることで、前記上側ガイド部材が前記一対の側部部材の他方に支持されることを特徴とする、請求項
9に記載のメス型電気端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、2019年8月29日に出願された、米国仮特許出願第62/893,669号に対する優先権を主張するものであり、この出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
メス型電気端子に、以下を含む構造的な配置または機構を設けることが望まれている;メス型電気端子の望まない変形を防止する支持部材を使用する、過応力に対する保護;本体によって定義されるようなメス型電気端子の向きまたは極性を有する形状;ワイヤーを固定するための、メス型電気端子のワイヤー締結部分を使用するワイヤー締結機構;メス型電気端子を締結するとともにハウジング内にロックされることを確実にする舌部材を使用するロック機構;メス型電気端子と、オス型ピンまたはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体とを効率的かつ弾性的に接続する、二体型のばねを使用するばね機構;および、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体をメス型電気端子内に方向付けるとともに「自己修正」するガイド部材を使用するガイド機構。さらに、本発明のメス型電気端子は、そのワイヤー締結部分の上方のスペース内のTPAデバイスを収容することができるとともに、本体の後ろに位置付けられるTPAデバイスを受け入れることができる。
【0003】
さらに、本発明の二体型のばねは、「二体型の」ものであり、ここで、その適用または適応には、下側ばね部材および上側ばね部材を使用する。好ましくは、下側ばね部材および上側ばね部材は、一体となってまたは一緒に、かつ全体として動作し、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体がメス型電気端子に挿入されるときに、そのような前述した物体のうちの1つに印加されるかまたは作用するばね力を提供する。下側ばね部材は、上側ばね部材よりも、ピンの長さ方向に沿ってさらに遠くに、また、さらに下方に、本体の床に向かって延在している。上側ばね部材および下側ばね部材は、互いに一体的な構造であり、湾曲した側部部材によって接続されているとともに、上下に折り曲げられている。それぞれ、下側ばね部材は上側ばね部材の下にあり、上側ばね部材は下側ばね部材の上にある。上側ばね部材および下側ばね部材は、それらが撓んでいないときに、接触してもよく、または、接触しなくてもよいという関係にある。下側ばね部材および上側ばね部材が撓んでいない状態で接触している場合、最初に印加されるばね力は、上側ばね部材および下側ばね部材の双方のばね力として明らかであり、それらのそれぞれのばね力を、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体に対して、一体となってまたは一緒に、かつ全体として印加する。対照的に、下側ばね部材および上側ばね部材は、撓んでいない向きにおいて接触していない場合、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体に対する、最初の印加可能なばね力は、単に、下側ばね部材のばね力として明らかであり、すなわち、下側ばね部材が上側ばね部材と接触するまでのものであり、それによって、上側ばね部材は、ばね力を、下側のばねに対して印加し、また、一体となってまたは一緒に、かつ全体として、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体に対して印加する。さらに、本発明の1つの例においては、ばねが上方に移動するにつれて、下側ばね部材は撓んで舌部材に接触することができ、舌部材は、下側ばね部材の上方への移動に抗して抵抗をさらに提供することができ、それによって、その上方への移動に抗して弾性力を印加し、その結果として、舌部材は、ばねの全体的なばね力を増大させる。ばねの上記で記載した適応は、必要に応じておよび/または操作時に、メス型電気端子と、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体とを効率的かつ弾性的に接続するとともに固定するために提供される。
【0004】
さらに、本発明のメス型電気端子の形状が、維持されるとともに確実にされる向きまたは極性を有しており、メス型電気端子と、対応するコネクタアセンブリとを嵌合させるために提供されることも望まれており、対応するコネクタアセンブリは、メス型電気端子との適切な嵌め込みおよび嵌合のために、メス型電気端子の向きまたは極性とそれぞれ同様の向きまたは同様の極性を有する開口部を有するものである。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体に嵌合するとともに、コネクタアセンブリに嵌合およびロックするメス型電気端子を提供する。メス型電気端子は、概して、本体、二体型のばねおよびワイヤー締結部分を含む。
【0006】
メス型電気端子の本体は、実質的に箱形である外形または形状を有し、それによって、本体の一部が、箱のような向きに形成される。本体は概して、上側本体および下側本体、舌部材、ならびに、二体型のばねを含む。舌部材は、メス型電気端子をコネクタアセンブリ内にロックするレバー部材を含む。レバー部材は、レバー部材が撓むと、本体から延出している別の突出部材に接する突出部材を有する。双方の突出部材は、レバー部材の過応力に対する保護として作用し、すなわち、メス型電気端子がコネクタアセンブリに嵌合するときにレバー部材が変形することを防止または保護する。別の突出部材がレバー部材から延出しており、二体型のばねが過度な応力を受けることから保護する。本体はまた、その前端部および後端部の双方にある支持部材からも構成されており、これは、メス型電気端子が過度な応力を受けることおよび変形することを防止する。
【0007】
二体型のばねは、本体の通路PW内に実質的に位置付けられており、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体がメス型電気端子に挿入されるときに、そのような前述した物体のうちの1つに印加することができるばね力を生成するように作用または動作する2つの部材を含む。
【0008】
本発明のメス型電気端子は、対応するコネクタアセンブリ内に適切に嵌め込まれるように維持されるとともに確実にされる向きまたは極性も有する。コネクタアセンブリは、メス型電気端子と適切に嵌まるように同様に維持される同様の向きまたは同様の極性を有する開口部を有する。
【0009】
さらに、ワイヤー締結部分の前方部分は、TPAデバイスを収容するためそのスペースを有する、メス型電気端子の本体へ遷移するネック部材を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1Aは本発明のメス型電気端子の前方の上面斜視図であり、
図1Bは本発明のメス型電気端子の後方の上面斜視図である。
【
図2AB】
図2Aは本発明のメス型電気端子の右側の側面図であり、
図2Bは本発明のメス型電気端子の左側の側面図である。
【
図2CD】
図2Cはメス型電気端子のスペース内に位置決めされている端子位置保証(TPA)デバイスを示し、
図2Dは端子位置保証(TPA)デバイスと干渉するメス型電気端子の表面エリアを示す
図8Bの線2D-2Dに沿う線に沿った断面図である。
【
図3】
図3Aは本発明のメス型電気端子の上面図であり、
図3Bは本発明のメス型電気端子の底面図である。
【
図4】
図4はレバー部材および本体からそれぞれ延出する突出部材、ならびに、上側ガイド部材の支持部材を示す、本発明のメス型電気端子の一部側面図である。
【
図5A】
図5Aはメス型電気端子の前端部分の開口部、および、オス型端子ピンまたはオス型端子が通って通路内に入るときにガイドするガイド部材を示す。
【
図5B】
図5Bは前端部分の開口部およびガイド部材、ならびに、その湾曲部分に頂点を有する下側ばね部材を示す、
図5Aの線5B-5Bに沿った断面図である。
【
図6】
図6Aは
図1Bの線6A-6Aに沿った断面図であり、一方
図6Bはメス型電気端子の前端部分の開口部付近に位置付けられているガイド部材の概略図である。
【
図7】
図7は二体型のばねを示し、ばねに取り付けられている上部リテーナー部材をさらに示す。
【
図8A】
図8Aは二体型のばねの湾曲した側部部材を少なくとも部分的に収容する窓を有するメス型電気端子の側部を部分的に示す。
【
図8B】
図8Bは本体の前端部分および後端部分に位置付けられている支持部材を含む、本発明のメス型電気端子の種々の要素を示す、メス型電気端子の別の側部を部分的に示す。
【
図9】
図9は本発明のメス型電気端子と相互作用する従来の電気ワイヤーまたはケーブルを示すもので、従来の電気ワイヤーまたはケーブルは、その前方部分にワイヤー絶縁部分およびワイヤーコア部分を有する。
【
図10A】
図10Aはコネクタアセンブリ内のロック前位置における、本発明のメス型電気端子の正面図を示すもので、
図10Aは本発明のメス型電気端子および対応するコネクタアセンブリの、効果的に嵌め合わせるための極性または向きをさらに示している。
【
図10B】
図10Bは対応するコネクタアセンブリ内で完全に静止しているとともに完全ロック位置にある、本発明のメス型電気端子の正面図を示すもので、
図10Bは本発明のメス型電気端子および対応するコネクタアセンブリの、効果的に嵌め合わせるための極性または向きをさらに示している。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1Aは、全体的に参照符号1として言及される、メス型電気端子の前方の上面斜視図を示している。メス型電気端子1は、折り曲げられるか、折り目が付けられるかまたは湾曲している連続的な片として一体的に形成されており、単一の構成体を形成し、本体5、二体型のばね130およびワイヤー締結部分3を含む。本体5は舌部材15をさらに含む。ワイヤー締結部分3は、本明細書において示されているように、折り曲げ可能な圧着またはクランプタイプであってもよいが、さらに、圧接(IDC)タイプ、または、メス型電気端子1と一体的に形成され、好ましくは、実質的にメス型電気端子1とともに、もしくは、メス型電気端子1の長さ方向に延在し、より具体的には、メス型電気端子1の本体5の後方部分から延出する、他の同様に形成されるワイヤー締結手段であってもよく、これは、電気ワイヤーまたはケーブル100のワイヤー絶縁部分120および/またはワイヤーコア部分110と相互作用可能であり、電気ワイヤーまたはケーブル100をメス型電気端子1に確実に接続する。さらに、メス型電気端子1への電気ワイヤーまたはケーブル100の付加的なまたは単独のワイヤーの締結は、限定はされないが、例えば、溶接、ろう付け、はんだ付けおよび/または他の同様の手段を含む、確実なおよび/または導電性の締結部を形成する手段を含むことによって達成することができる。
【0012】
図1Bにおいて、メス型電気端子1の後方の上面斜視図においてより詳細に示されているのは、舌部材15および二体型のばね130である。本体5が、長さ方向に、および、同様にメス型電気端子1の長さ方向とは反対の方向に実質的に箱形である外形または形状を有することが好ましく、それによって、本体5の実質的な部分が箱のような向きまたは構造に形成されるが、その外形または形状はそれに限定されない(
図1A、
図1B、
図5Aを参照のこと)。
【0013】
図2Aおよび
図2Bにおいて示されているように、ワイヤー締結部分3は、ネック部材52によって本体5に遷移し、ネック部材52によって本体5とともに、本体5に対して一体的に形成されている(
図3A、
図3Bも参照のこと)。
【0014】
図2Aにおいて示されているように、舌部材15はレバー部材25を含み、レバー部材25は、取り付けられていない端部分28および取り付けられている端部分30を有する。
図2Aおよび
図2Bにおいてさらに分かるように、レバー部材25は、ここでは、通常の緩んだ状態で示されている。レバー部材25は、通常の緩んだ状態に弾性的に付勢され、それによって、外部の接触による影響を受けず、またそれによって、レバー部材25のその後に撓む箇所は、取り付けられていない端部分28が移動すると、取り付けられている端部分30において生じることができる。レバー部材25の取り付けられていない端部分28は、好ましくは、その幅に沿った断面において、実質的にU字形などの形状を有するが、その形状はそれに限定されない(
図1B、
図5Bを参照のこと)。レバー部材25の取り付けられている端部分30は、好ましくは、実質的にL字形などの形状を有するが、その形状はそれに限定されない(
図1B、
図5A、
図5Bを参照のこと)。
【0015】
さらに、レバー部材25は、本体5から延出する別の突出部材37と接する突出部材35を有する(
図1B、
図2B、
図5および
図8Aを参照のこと)。双方の突出部材35,37は、レバー部材25への過応力に対する保護として作用する。すなわち、突出部材35,37は、レバー部材25が撓んだ状態にあるときに互いに対して衝突する。この形状はそれによって、メス型端子1がコネクタアセンブリ90などと接触または嵌合するときにレバー部材25が変形することを防止または保護する(
図10Aおよび
図10Bも参照のこと)。したがって、レバー部材25は、撓んだ状態と、通常の緩んだ状態との間で実質的に移動するように動作可能であり、それによって、実質的に変形することなく、すなわち動作不可能になることなく、通常の緩んだ状態に戻ることができ、以下で説明するように、依然として、メス型電気端子1をコネクターハウジング90と固定することが可能である(
図10A、
図10B)。
図2Bの側面図において分かるように、突出部材35,37は、好ましくは、実質的に矩形、円形、台形などである(
図4、
図8Aも参照のこと)が、その外形または形状は、それらに限定されない。
【0016】
操作時に、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90に入ると、レバー部材25における取り付けられていない端部分28は、自由に下方に押され、通常の緩んだ状態から撓んだ状態に移動する(すなわち、突出部材35が別の突出部材37に近づく)(
図10Aを参照のこと)。メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90内に完全に挿入されると、レバー部材25における取り付けられていない端部分28は自由に上方に移動し、レバー部材25の通常の緩んだ状態に戻る(すなわち、突出部材35は、別の突出部材37から離れるように移動し、またこのとき、レバー部材25はその通常の緩んだ状態に弾性的に付勢されて戻る)(
図2A、
図10Bを参照のこと)。さらに、取り付けられていない端部分28はそれによって、好ましくは、コネクタアセンブリ90内の部材(図示せず)に衝突し、内部でメス型電気端子1をロックおよび固定する。コネクタアセンブリ90内で衝突したレバー部材25の取り付けられていない端部分28を有するそのような構造的な配置は、メス型電気端子1とコネクタアセンブリ90とのロックおよび固定機構として作用する(
図10Bを参照のこと)。レバー部材25および取り付けられていない端部分28は、通常の緩んだ状態から離れるように上方方向へさらに自由に移動可能であり、本体5の床122から離れるように撓むことができ、以下で説明するように、レバー部材25が上方に撓む場合、この結果として、レバー部材25の通常の緩んだ状態へ戻る方向への抵抗を生じることができる。二体型のばね130がレバー部材25を上述した撓んだ状態に押すかまたは接触する場合、レバー部材25は、二体型のばね130に対して作用し、二体型のばね130のばね力を増大させることができる。これは、特に、二体型のばね130が上方に撓み、床122から離れ、レバー部材25と接触し、より具体的には、二体型のばね130がオス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体と相互作用するときである。
【0017】
図1Aにおいて分かるように、突出部材36も、レバー部材25の側部から延出する。突出部材36は、下側ばね部材133の実質的に上方に位置付けられており、さらに、下側ばね部材133と係合することができ、またさらに、以下でより詳細に説明するように、下側ばね部材133、および概して二体型のばね130に、過応力に対する保護を提供する(例えば、
図1A、
図2A、
図5、
図6Aおよび
図8Aを参照のこと)。突出部材36は、レバー部材25がその通常の緩んだ状態から撓んだ状態に、二体型のばね130および本体5の床122に向かって下方への行程で移動するときに、レバー部材25の移動のうちにおいて自由に妨げられることなく移動する。突出部材36は、好ましくは、実質的に矩形、円形、台形などである(
図6Aを参照のこと)が、その外形または形状はそれらに限定されない。さらに、レバー部材25の、突出部材35が延出する側に対して、突出部材36は、レバー部材25の、その反対の側、および、異なる部分において延在し、レバー部材25の、突出部材35が延出する側に対して異なる向きを有し、より詳細には、レバー部材25に沿うそれらの位置を比較すると、突出部材36は取り付けられている端部分30により近く、突出部材35は取り付けられていない端部分28により近い(
図4、
図6Aおよび
図8Aを参照のこと)。突出部材36および突出部材35は、レバー部材25に沿って位置決めされており、ここで、突出部材36および突出部材35は鏡像でもなければ、直接的に対向もせず、したがってさらに、鏡像であるかまたは直接的に対向しているそれらの部分をそれぞれ有せず、したがって、突出部材36および突出部材35の部分は、メス型電気端子1の長さ方向に沿って重ならない(
図2A、
図2Bを参照のこと)。
【0018】
図1Aおよび
図1B、
図2Aおよび
図2Bにおいて同様に分かるように、メス型電気端子1のワイヤー締結部分3は、ネック部材52の上方にスペースまたは遷移エリア50を有する。スペースまたは遷移エリア50は、ワイヤー締結部分3の前方部分51に、かつ本体5の後ろに位置付けられている。メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90内に完全に挿入されると、それによって、スペースまたは遷移エリア50は、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90内でロックされ、固定され、正しく位置決めされたままであることを保証するために、内部に端子位置保証(TPA)デバイス300を収容するように利用可能である(
図2Cを参照のこと)。さらに、端子位置保証(TPA)デバイス300は、本体5の実質的に後ろに位置付けられているとき、使用時および操作時に、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90から取り外し可能であるか、取り出されるか、摺動可能に取り外し可能であるかまたは摺動可能に取り出されることを付加的に防止することができる(例えば、
図2Cを参照のこと)。
【0019】
図2Dは、メス型電気端子1の下側ばね部材133の後方部分に位置付けられている表面エリアを示す断面図である。具体的には、本体5の下側ばね部材133の後方部分の表面エリアは、端子位置保証(TPA)デバイス300と係合することができる。操作時に、下側ばね部材133の後方部分は、TPAデバイス300がスペースまたは遷移エリア50内に挿入されているときに、メス型電気端子1がTPAデバイス300と相互作用するかおよび/または接触し、それによって干渉する、付加的なインターフェースエリアまたは干渉面を提供し、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90内にロックされ、固定され、正しく位置決めされたままであることをさらに保証するとともに、使用時および操作時に、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90から取り外し可能であること、取り出されること、摺動可能に取り外し可能であるかまたは摺動可能に取り出されることを防止する(例えば、
図2Cを参照のこと)。
【0020】
図3Aおよび
図3Bにおいて示されているのは、それぞれ、実質的にメス型電気端子1の長さ方向に、一体的に接続されて一緒に形成されている本体5およびワイヤー締結部分3を示す、メス型電気端子1の上面図および底面図である。
【0021】
図4Aおよび
図4Bのそれぞれにおいて同様に示されているのは、ワイヤー締結部分3の前方部分51である。ワイヤー締結部分3の前方部分51は、上記で説明したように、ネック部材52の上方にあるスペースまたは遷移エリア50を含む。より具体的には、ネック部材52は、幅狭テーパー状の形状を有し、ワイヤー締結部分3からメス型電気端子1の長さ方向に沿って、本体5に向かって幅狭テーパー状になっており、本体5において幅狭に合流している。また、前方部分51のネック部材52の幅狭テーパー状の形状は、電気ワイヤーまたはケーブル100のワイヤーコア部分110の全体が、ネック部材52上およびネック部材52内に着座するかまたは取り付けられることを防止する。好ましくは、ワイヤー締結部分3のネック部材52の幅狭テーパー状の形状は、電気ワイヤーまたはケーブル100のワイヤーコア部分110の前方部分のみがネック部材52内に突出することを可能にする。すなわち、ネック部材52の幅狭テーパー状の形状は、ワイヤーコア部分110が実質的にスペースまたは遷移エリア50内に入ることをさらに防止する。遷移エリア50は、前述したように、メス型電気端子1が、コネクタアセンブリ90に挿入されているときに、ロック、固定および正しく位置決めされたままであることを保証するために内部にTPAデバイス300を収容するように利用可能となる(
図2Cを参照のこと)。したがって、このとき、ワイヤーコア部分110の前方部分のみがスペースまたは遷移エリア50内に入るかまたは突出し、ワイヤーコア部分110は、TPAデバイス300と干渉しないか、または、内部へのTPAデバイス300の収容を阻止しない。
【0022】
図4において示されているのは、舌部材15、ならびに、そのレバー部材25の取り付けられている端部30および取り付けられていない端部分28である。
図2Aおよび
図2Bを参照して上記で説明したように、
図4は、レバー部材25が撓んでいるときにレバー部材25が変形することを防止する上で本体5から延出する(より具体的には、本体5の下側部分250から延出する)、別の突出部材37に対して衝突可能である、レバー部材25の取り付けられていない端部分28の突出部材35をさらに示している。ここで記載する構造的な配置は、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90内に入るかまたは摺動可能に入る際、レバー部材25が本体5の下側部分250および二体型のばね130に向かって下方に押されるときに、レバー部材25が過度な応力を受けることから保護する(またそれによって、変形するか、撓み過ぎるか、または、端子とコネクタアセンブリ90とをロックできなくなることを防止する)。
【0023】
図4においてさらに示されているように、レバー部材25における取り付けられている端部分30は、本体5の上側部分200aに取り付けられている(
図8Bも参照のこと)。同様に
図4において示されているのは、以下でより十分に説明するように、支持のために、上側ガイド部材105の支持部材115を内部に収容する、本体5の側部部材121を通る開口113である(例えば、
図5A、
図5Bを参照のこと)。
【0024】
本体5の前方開口部125が
図5Aにおいて示されている。前方開口部125は、前端部分200によって画定されており、床122、側部部材103、側部部材121および上側ガイド部材105を有する。上記で述べたように、側部部材121は、側部部材121を通る、上側ガイド部材105の支持部材115を収容するための開口113を含む。
図5Bは、
図5Aにおける線5B-5Bに沿った断面図である。
図5Aおよび
図5Bにおいて示されているように、開口113は、内部に支持部材115を実質的に収容する。支持部材115は、上側ガイド部材105から、メス型電気端子1の長さ方向に対して垂直な方向に一体的に延出する。支持部材115は、上側ガイド部材105が、本体5および前方開口部125によって、本体5および前方開口部125内で適切な向きのままであり、安定して支持されることを確実にする。支持部材115は、前方開口部125の変形も防止し、前端部分200、床122、側部部材103、側部部材121を上側ガイド部材105に対して安定した向きにして、本体5の形状、極性または向きが、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体(図示せず)の挿入によって乱されないことをさらに確実にする。
図5Bにおいて同様に示されているのは、床122から上方に延出する実質的にこぶ状の部材120であり、これについては以下でより詳細にさらに説明する。
【0025】
図5Aおよび
図5Bにおいてさらに提示されているのは、メス型電気端子1および本体5の長さ方向を通って延在し、前方開口部125、前端部分200(上記で記載したように前方開口部125を画定している)、および、本体5の下側部分250の内側面によって囲まれているスペースによって画定されている通路PWである。通路PWは、したがって、内部にオス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体を収容することが可能である。
【0026】
実質的にこぶ状の部材120と二体型のばね130との関係が、
図1Bの線6A-6Aに沿った断面図である
図6Aにおいて示されている。
図6Aにおいてさらに示されているのは、本体5の前端部分200の上側ガイド部材105である。上側ガイド部材105は、第1の実質的に水平な部分105a、実質的に傾斜した部分105b、および、第2の実質的に水平な部分105cから構成されている。上側ガイド部材105の上述した部分は、ガイド機構を構成し、ガイド機構として作用し、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体を、メス型電気端子1の前方開口部125および通路PW内に方向付け、配向し、および/または、「自己修正」する。より具体的には、上側ガイド部材105の下側面は、本体5の前方開口部125から、通路PWの上側部分に実質的に沿って、メス型電気端子1のそれぞれの長さ方向に、メス型電気端子1の二体型のばね130に向かって延出するとともに通路PWの上側部分を画定している(
図5A、
図5B、
図6Aを参照のこと)。
図6Aおよび
図6Bにおいて示されているように、それぞれ、第1の実質的に水平な部分105aは、前方開口部125から延出するとともに、前方開口部125の上面および通路PWの前方部分を画定し、第2の実質的に傾斜した部分105bは通路PWをさらに画定し、同様に、第3の実質的に水平な部分105cは通路PWを画定している。より具体的には、上側ガイド部材105は、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体(図示せず)を、前方開口部125において本体5の前端部分200からガイドし、物体を、二体型のばね130に向かってさらにガイドし、ならびに/または、物体を、床122から延出する実質的にこぶ状の部材120およびそれぞれの下側ばね部材133に向かって、またスペース160に向かって/スペース160内にさらにガイドすることによって、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体を、通路PWを通して長さ方向に方向付け、配向し、および/または、「自己修正」する。本明細書において記載されるオス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体(図示せず)は、メス型電気端子1の通路PW内に入れるかまたは摺動可能に入れることによって挿入される。オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体(図示せず)は、通路PW内に長さ方向にさらに挿入されると、二体型のばね130と実質的にこぶ状の部材120との間、および、スペース160内に固定されるかまたは衝突して締結され、二体型のばね130のばね力の作用をさらに受ける。オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体(図示せず)が通路PW内にさらに入るかまたは摺動可能に入り続けるとき、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体が、実質的にこぶ状の部材120の最上面と実質的に同じ高さであるか、または、実質的にこぶ状の部材120の最上面に対して垂直な向きに配向されると、上側ガイド部材105に接触しなくなってもよい。より具体的には、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体(図示せず)は、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体が、実質的にこぶ状の部材120の最上面と実質的に同じ高さであるか、または、実質的にこぶ状の部材120の最上面に対して垂直な向きに配向されると、第1の実質的に水平な部分105a、第2の実質的に傾斜した部分105bのそれぞれに接触しなくなってもよい(また、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体のサイズに応じて、第3の実質的に水平な部分105cに接触しなくなってもよい)。さらに、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体(図示せず)は、ピンの長さ方向に対して角度の付いた向きで挿入される場合、そのような物体の端部または先端部が、第3の実質的に水平な部分105cと二体型のばね130との間に形成される間隔またはスペース内に入らないことが好ましい。さらに、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体(図示せず)は、メス型電気端子1へのその最初の挿入中にさらに配向されることができ、このとき、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体の端部または先端部は、通路PW内にあるときに、上側ガイド部材105の下側面に接触してもよく、または、接触しなくてもよい。
【0027】
図6Aにおいて示されているように、二体型のばね130は、上側ばね部材131および下側ばね部材133を有する。二体型のばね130は、本体5の後端部分210から本体5の前端部分200に向かって、メス型電気端子1に沿う長さ方向に実質的に延出する。
図6Aにおけるように、下側ばね部材133は、長さ方向に、上側ばね部材131よりも長くおよび/または遠くに延在し、同様に、本体5の前端部分200に向かって、また実質的にこぶ状の部材120の上方にさらに到達する。
【0028】
図6Aにおいて示されているように、上側ばね部材131は、下側ばね部材133に沿って下側ばね部材133の上方に部分的に延在する。
図6Aにおいてさらに分かるように、上側ばね部材131は、下側ばね部材133に位置付けられている、本体の前端部分200に実質的に向かう箇所において、および、より具体的には、下側ばね部材133の、実質的にこぶ状の部材120の上方の部分の前に位置付けられている箇所において下側ばね部材133に接触することができる。さらに、上側ばね部材131の傾斜した部分は、本体5の床122に向かって延在し、実質的に傾斜している。上側ばね部材131のこの実質的に傾斜した部分は、撓んでいない位置においては、好ましくは、単一の箇所での全体的にまたは部分的な態様を除いては、下側ばね部材133に実質的に接触しないもので、また、あまり好ましくないが、上側ばね部材131の実質的に傾斜した部分は、下側ばね部材133に全く接触しないものとすることができる。さらに、上側ばね部材131は、撓んだ位置において、下側ばね部材133のばね力とともにばね力を提供しながら、同様に撓んだ下側ばね部材133に対して全体的にまたは部分的に接触し、また摺動可能に接触することができ、結果として、下側ばね部材および上側ばね部材の双方のそれぞれの、それによって二体型のばね130のその全体によって提供される、複合的なばね力が生じる(
図6A、
図8Bにおいて示されているように)。
【0029】
上記で述べた関係のさらなる証拠として、下側ばね部材133および上側ばね部材131が撓んでいない状態において接触している場合、最初のばね力は、それらのそれぞれのばね力を一体となってもしくは一緒に、かつ/または全体としてともに印加するとともに、メス型電気端子1に挿入されているオス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体(図示せず)に対して作用することによる、上側ばね部材131および下側ばね部材133の双方のばね力として明らかである。対照的に、上側ばね部材131および下側ばね部材133がそれらのそれぞれの撓んでいない状態において接触していない場合、最初に印加されるばね力は、下側ばね部材133が上側ばね部材131に最初に接触を行うかまたは接触するまで、下側ばね部材133が撓むときの、単に下側ばね部材133のばね力として明らかであり、それによって、上側ばね部材131は、下側ばね部材133に対して、またオス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体に対して一体となってもしくは一緒に、かつ/または、全体としてばね力を印加する。
【0030】
図6Aにおいてさらに分かるように、下側ばね部材133の部分は、通常の緩んだ撓んでいない状態にある間は、本体5の床122に向かって、本体5の下側部分250内および通路PW内に実質的に下方に傾斜している。下側ばね部材133の部分は、通路PW内では、床122から離れる上方への方向に実質的に妨げられることなく移動可能である。下側ばね部材133の別の部分は、下側ばね部材133が上側ばね部材131に接触する結果として、上側ばね部材131によって妨げられるが、但し、上側ばね部材131とともに、および、上側ばね部材131に当接して同時に上方へ移動する。より具体的には、オス型ピンまたはオス型端子(図示せず)が通路PWに挿入されると、二体型のばね130は、その通常の緩んだ状態から、撓んだ状態に移動し、下側ばね部材133の実質的に妨げられない部分は、通路PWをさらに実質的に出ることができる。したがって、二体型のばね130は、そのばね力を、その通常の撓んでいない状態に戻る方向に、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体に対して加えるか、および/または、オス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体に対して作用させる。二体型のばね130は、下側ばね部材133の実質的に妨げられない部分において、床122から離れて、レバー部材25に向かってさらに上方に移動する。したがって、二体型のばね130は、二体型のばね130がレバー部材25の突出部材36に接触すると、その進行が下側ばね部材133によって制限されるまで、実質的に妨げられることなく引き続き移動可能であってよい。さらに、レバー部材25は、(例えば、コネクタアセンブリ90との潜在的な接触によって)静止しているかもしくは不動であるか、または、床122から離れる方向に移動することが防止されてよく、それによって、突出部材36は、下側ばね部材133に、および、したがって二体型のばね130に、過応力に対する保護を提供する。操作時に、および/または、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90内にあるときに、レバー部材25は、好ましくは、通常の撓んでいない状態にあり、このとき、下側ばね部材133は、オス型ピンまたはオス型端子(図示せず)と相互作用し始め、それによって、床122から離れる上方の方向への、二体型のばね130の実質的に妨げられない最大距離の進行を提供し、オス型ピンまたはオス型端子(図示せず)のサイズを完全に収容し、二体型のばね130がレバー部材25に接触することを防止する。レバー部材25が床122から離れるようにさらに移動可能であり、静止していないかもしくは不動ではないか、または、床122から離れる方向に移動することが防止されない状況(例えば、コネクタアセンブリ90との接触)においては、レバー部材25は、その通常の撓んでいない状態から上方に離れるようにさらに移動可能である。したがって、二体型のばね130が、上述した位置にあるときにレバー部材25に接触する場合、下側ばね部材133の端部分135と、突出部材36またはレバー部材25の部分との結果として生じる接触によって、レバー部材25がその通常の緩んだ状態から離れて、および、床122から離れるように撓むときに、レバー部材25の弾性力が結果として生じ、二体型のばね130のばね力に加えて印加されて付加される。具体的には、レバー部材25はそれによって、下側ばね部材133がレバー部材25に、完全にまたは部分的に接触するときに、下側ばね部材133の、および、したがって全体的に二体型のばね130のばね力を増大させる。より具体的には、上述した状況において、レバー部材25によって、その通常の緩んだ状態に戻る方向に印加される弾性力は、レバー部材25および/または突出部材36に接触するときの、下側ばね部材133の端部分135の移動とは反対への方向であり、それによって、以下で説明するように、床122、すなわち、二体型のばね130の下のオス型ピンもしくはオス型端子、またはさらには「ブレード状の」物体に向かう下方への方向への、さらにより具体的には二体型のばね130の頂点Aに方向付けられる二体型のばね130のばね力を増大させる。
【0031】
図6Aにおいてさらに示されているように、下側ばね部材133の端部分135は、頂点Aに向かって湾曲する実質的に湾曲した部分137を含み、実質的にこぶ状の部材120に向かって下方に方向付けられている(
図5Bを参照のこと)。オス型ピンまたはオス型端子(図示せず)は、前方開口部125を通って通路PW内に入るときに、実質的に湾曲した部分137と実質的にこぶ状の部材120との間、および、スペース160内に固定されるかまたは衝突する。オス型ピンまたはオス型端子(図示せず)を収容するスペース160は、実質的に湾曲した部分137と、本体5の下側部分250の床122に対して実質的に平行なこぶ状の部材120の最上面との間の距離によって画定される。スペース160は、拡大されるかまたは拡張され、このとき、二体型のばね130は、オス型ピンまたはオス型端子(図示せず)とさらに相互作用しながら、床122から離れるように上方への方向に移動する。二体型のばね130が、床122から離れるように上方への方向に移動すると、これは、実質的に湾曲した部分137と、こぶ状の部材120の最上面との間の距離を増大させ、したがって、スペース160を増大させる。実質的に湾曲した部分137は、その頂点Aにおいて、好ましくは、スペース160内で、二体型のばね130と挿入されたオス型ピンまたはオス型端子(図示せず)との間の単一の接触箇所を提供する。実質的に湾曲した部分137の頂点Aは、二体型のばね130のばね力が、実質的にこぶ状の部材120の上方の、中央で、実質的にこぶ状の部材120にわたってセンタリングされる箇所において位置付けられ、方向付けられ、実質的に固定され、それぞれのオス型ピンまたはオス型端子がスペース160内に挿入されるかまたはスペース160内にあるときに、それぞれのオス型ピンまたはオス型端子上でこれに対して作用することを可能にする。
【0032】
図6Aにおいて同様に示されているように、上側ばね部材131の上方に位置付けられているのは、上部リテーナー部材140である。上部リテーナー部材140の端部は、2箇所において本体5に実質的に接続されている(1つの端部は本体5の側部部材121に接続されており、1つの端部は、後端部分210において上側本体210aにある)(
図6A、
図8Aおよび
図8Bを参照のこと)。上部リテーナー部材140は、その底部分142として、実質的にU字形の部分を有し、これは、上側ばね部材131に部分的に接触および当接する(
図8A、
図8Bも参照のこと)。
図6Aにおいて分かるように、上部リテーナー部材140は、上側ばね部材131に当接する実質的に剛性で弾性的な表面を提供し、二体型のばね130の折り曲げられた構造が維持され、上側ばね部材131と下側ばね部材133との間の接触が維持されることを確実にする。
図7、
図8Aにおけるように、上部リテーナー部材140は、上側ばね部材131が、本体5の下側部分250の上方で下側ばね部材133との水平な、好ましくは実質的に平行な向きから展開されるか、広げられるか、実質的に分離されるか、または、変形することを防止して維持する。上側ばね部材131および下側ばね部材133は、全体的にまたは部分的に接触するように配向することができる。さらに、上部リテーナー部材140は、二体型のばね130が通常の撓んでいない状態にあるとき、または、オス型ピンもしくはオス型端子(図示せず)に対してばね力が加えられる撓んだ状態にあるときに、上側ばね部材131および下側ばね部材133が展開されるか、広げられるか、実質的に分離されるか、または、変形することを防止することによって、二体型のばね130の折り曲げられた構造を維持する。
【0033】
図6Bの概略図において示されているように、下側ばね部材133の端部分135の前の先端部150は、上側ガイド部材105の第2の水平な部分105cの下側面155と並んでいるかまたはその上方にある。この向きは、前方開口部125を通るオス型ピンまたはオス型端子(図示せず)が、実質的に湾曲した部分137に沿って、上側ガイド部材105および下側ばね部材133の端部分135によって効果的にガイドされ、下側ばね133の湾曲した部分137と実質的にこぶ状の部材120との間のスペース160を通ることを確実にする(
図6Aも参照のこと)。さらに、下側ばね部材133の端部分135の前の先端部150は、上側ガイド部材105の第2の水平な部分105cの下側面155と並んでいるかまたはその上方にあり、それにより、オス型ピンまたはオス型端子がメス型電気端子1の長さ方向に対して角度の付いた向きで挿入されるときに、不所望にもオス型ピンまたはオス型端子が第2の水平な部分105cの下側面155と下側ばね部材133の端部分135との間に、および/または、上述した部分の間に形成される隙間もしくはスペース内を通過するように下側ばね部材133が衝突されるかまたは配向されることを防止する。
【0034】
図7において示されているように、二体型のばね130の上側ばね部材131および下側ばね部材133は、互いに一体的な構造であるとともに、湾曲した側部部材170、133aによって接続され、上下に折り曲げられており、上側ばね部材131はそれぞれ下側ばね部材133の上方にある。上部リテーナー部材140の下において、二体型のばね130は、好ましくは、メス型電気端子1の長さ方向において床122に対して実質的に平行である(
図6Aも参照のこと)。上側ばね部材131および下側ばね部材133は、床122に対してメス型電気端子1の長さ方向に沿って完全にまたは部分的に接触するように配向することもできる。
図7においてさらに示されているように、上側ばね部材131および下側ばね部材133は、二体型のばね部材130の湾曲した側部部材170によって一体的に接続されている(
図8Aも参照のこと)。湾曲した側部部材170は、本体5の窓または開口部180内に少なくとも部分的に収容されている。同様に
図7において示されているのは、下側ばね部材133を本体5の下側部分250に一体的に接続する、本体5の湾曲した側部133aである(
図8Bも参照のこと)。湾曲した側部部材170および湾曲した側部133aは、二体型のばね130の結果として生じるばね力にさらに影響を与えることができ、二体型のばね130の結果として生じるばね力が、湾曲した側部部材170および/または湾曲した側部133aの双方それぞれの厚さ、長さまたは曲線半径などの態様に応じてさらに変わるかまたは最適化されることを可能にする。
【0035】
上記で述べたように、下側ばね部材133の部分は、下側ばね部材133の部分がレバー部材25の突出部材36に接触するまで、床122から離れる上方への方向に妨げられることなく移動可能である。好ましくは、二体型のばね130は、オス型ピンまたはオス型端子(図示せず)によって、床122から離れる上方への方向に最初に撓み、これは、最初に、好ましくはレバー部材25が通常の撓んでいない向きにあるときに生じ、下側ばね部材133に、床122と突出部材36との間での最大距離の進行を可能にする。下側ばね部材133は、上側本体200aおよびレバー部材25に向かって上方に突出しているかまたは傾斜している下側ばね部材133の部分である端部分135を有する。下側ばね部材133および端部分135の床122から離れる上方への移動は、最終的には、その端部分135が、実質的にレバー部材25の突出部材36付近にあるか、または、レバー部材25の突出部材36に触れる/接触することにつながる結果となり、それによって、二体型のばね130の上方への進行を制限し、この場合、レバー部材25は、静止しているかもしくは不動であるか、または、床122から離れる方向に移動することが防止されている。上記の例では、下側ばね部材133の端部分135と突出部材36の部分とが結果として接触することで、メス型端子1がオス型ピンまたはオス型端子(図示せず)に嵌合するときに、端部分135、ならびに、その結果として下側ばね部材133および上側ばね部材131が、さらに移動可能であるか、過度な応力を受けるか、または、実質的に上方に変形することが防止される。したがって、これは、二体型のばね130が過度な応力を受けることまたは実質的に変形することを防止し、二体型のばね130は、オス型ピンもしくはオス型端子が次いでメス型電気端子1からさらに取り外される場合またはそのときに、撓んでいない状態に戻ることができる。さらに、上記で述べたように、レバー部材25が床122から離れるようにさらに移動可能であり、静止していないかまたは不動ではなく、その代わりに移動可能であり妨げられない状況において、レバー部材25は、床122から離れるように上方に、および/または、二体型のばね130と同時に、さらに移動可能である。次いで、下側ばね部材133の端部分135と突出部材36の部分とが結果として接触することがさらに可能であり、結果として、レバー部材25によって下側ばね部材133に印加される弾性力が生じる。したがって、レバー部材25によって下側ばね部材133の端部分135に対して印加される弾性力は、二体型のばね130のばね力を増大させる。
【0036】
図8Bにおいて示されているのは、第1の支持部材215および第2の支持部材220をそれぞれ有する、本体5の前端部分200および後端部分210の双方である。より具体的には、本体5の前端部分200にある上側部分200aは、第1の支持部材215を含み、一方で、本体5の後端部分210にある上側部分210aは、第2の支持部材220を含む。隙間230が、第1の支持部材215を本体5の下側部分250から隔てることができる。隙間240が、第2の支持部材220を本体5の下側部分250から隔てることができる。メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90に入るとき、第1の支持部材215および第2の支持部材220は、それぞれ、隙間230,240を通して本体5の下側部分250に向かって下方に弾性的に押され、本体5の下側部分250に実質的に接触することができ、これによって隙間230,240をなくすことができる。他方で、隙間230,240は、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90に入る前に存在しなくてもよく、この場合、第1の支持部材215および第2の支持部材220は本体5の下側部分250に完全に接触している。上記で記載した構造的な配置によって、第1の支持部材215および第2の支持部材220は、本体5の下側部分250に面するその利用可能なインターフェース面を提供することにより、本体5に構造的な弾力性および剛性を与え、本体の上側部分200a,210aの支持を提供する。その点で、第1の支持部材215および第2の支持部材220は、本発明のメス型電気端子1が過度な応力を受けるかまたは変形することを防止し、これは、コネクタアセンブリ90内に嵌め込まれるときおよび使用時にも同様である(
図10A、
図10Bを参照のこと)。
【0037】
図9は、本発明のメス型電気端子1上に収容される、ワイヤーコア部分110およびワイヤー絶縁部分120を有する例示的な電気ワイヤーまたはケーブル100を示している。メス型電気端子1を用いた電気ワイヤーまたはケーブル100のワイヤー絶縁部分120およびワイヤーコア部分110の収容の優先度または順序は、ワイヤー締結部分3の一実施形態に限定されない。本発明において示されているワイヤー締結部分3は、ワイヤー締結部分3のそのような一実施形態であるが、本発明は、この実施形態に限定されない。しかし、上記で述べたように、ワイヤー締結部分3は、示されているような折り曲げ可能な圧着またはクランプタイプであってもよいが、さらに、圧接(IDC)タイプ、または、後方部分と一体的に形成され、好ましくは、実質的にメス型電気端子1とともに、もしくは、メス型電気端子1の長さ方向に延在し、より具体的には、メス型電気端子1の本体3の後方部分から延出する、他の同様に形成されるワイヤー締結手段であってもよく、好ましくは、電気ワイヤーまたはケーブル100のワイヤー絶縁部分120およびワイヤーコア部分110と相互作用することが可能であり、電気ワイヤーまたはケーブル100をメス型電気端子1にしっかりと接続する。さらに、述べたように、メス型電気端子1への電気ワイヤーまたはケーブル100の締結は、限定はされないが、溶接、ろう付け、はんだ付けおよび/または他の同様の手段を含む、確実かつ導電性のワイヤー締結部を形成する手段を含むことができる。本発明は、電気ワイヤーまたはケーブル100を挿入するステップにさらに限定されず、ここで、ワイヤー絶縁部分120を第1に挿入することができ、ワイヤーコア部分110を第2に挿入することができ、その逆もまた可能であり、双方は、ワイヤー締結部分3の構造および特徴に応じて同時に生じることができる。
【0038】
そのワイヤー絶縁部分120およびワイヤーコア部分110を有する電気ワイヤーまたはケーブル100を、メス型電気端子1へのワイヤー締結部分3のワイヤー締結手段によってメス型電気端子1にしっかりと取り付けるかもしくは挿入した後で、または、しっかりと取り付けるかもしくは挿入すると、メス型電気端子1は次に、
図10Aおよび
図10Bにおいて示されているように、コネクタアセンブリ90などに挿入される状態になる。
【0039】
図10Aにおいて示されているのは、コネクタアセンブリ90などに挿入されている間の、ロック前位置にあるメス型電気端子1であり、メス型電気端子1は正面図で示されている。
図10Aにおいて示されているように、メス型電気端子は、対応するコネクタアセンブリ90に挿入されており、レバー部材25は、その結果として、コネクタアセンブリ90との接触によって、または、ユーザーもしくはデバイスによって確実に下方に押され、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90内にさらに移動し、コネクタアセンブリ90内にさらに挿入されることを可能にする。上記で説明し、
図10Aにおいて分かるように、コネクタアセンブリ90へのメス型電気端子1の挿入中に、突出部材35,37(例えば、
図2B、
図5および
図8Aを参照のこと)ならびに第1の支持部材215および第2の支持部材220(例えば、
図8Bを参照のこと)は、少なくともレバー部材25、本体5およびメス型電気端子1が実質的に過度な応力を受けるかもしくは変形することを防止または保護し、さらに、以下でさらに記載するように、メス型電気端子1の適切な向きまたは極性を保持する。
【0040】
図10Bは、コネクタアセンブリ90内に完全に挿入されているメス型電気端子1を示している。
図10Bにおいて示されているように、レバー部材25は、通常の緩んだ状態まで上方に後退し、さらに好ましくは、コネクタアセンブリ90内の部材(図示せず)によって、取り付けられていない端部分28においてロックまたは固定されている。この後にまたはこの時点で、前述したように(例えば、
図2Cを参照のこと)、TPAデバイス300は次いで、ネック部材52の上方および本体5の後ろに位置付けられているスペース50内に収容されることが可能であり、それによって、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90内にロックされ、固定され、正しく位置決めされたままであることを保証する。
【0041】
さらに、
図10Aおよび
図10Bにおけるように、本体5の上側部分200a,210aおよび下側部分250は、本発明のこのメス型電気端子1を、コネクタアセンブリ90の上側部分90aおよび下側部分90bのそれぞれの内部に正確に挿入して嵌め込むために、メス型電気端子1の正確な向きを保証するような極性または向きにある。
【0042】
図10Aおよび
図10Bにおいて同様に示されているのは、コネクタアセンブリ90の上側部分90aおよび下側部分90bなどである。本発明のメス型電気端子1の向きまたは極性は、本発明のメス型電気端子1がコネクタアセンブリ90とともに配向され、挿入され、嵌め込まれるときに、本体5の前端部分200にある上側部分200aおよび後端部分210にある上側部分210a(
図8Bを参照のこと)が、コネクタアセンブリ90の上側部分90aによってそれぞれ収容され、一方で、本体5の下側部分250(
図8Bを参照のこと)が、コネクタアセンブリ90の下側部分90bによってそれぞれ収容されるようなものである。本発明のメス型電気端子1の
図10Aおよび
図10Bにおいて示されている構造的な向きまたは極性は、本体5の上側部分200a,210aが、より幅狭の上側部分90a内に存在するかまたは嵌め込まれるようなものである。さらにここで、上側部分200aおよび上側部分210aは、本体5の下側部分250と比較して一方の側にオフセットされている。下側部分250は、上側部分200a,210aよりも幅広く、コネクタアセンブリ90のより幅広い下側部分90b内に存在する。しかし、コネクタアセンブリ90に挿入されるかまたは嵌め込まれるときの、本発明のメス型電気端子1のそのような構造的な向きまたは極性は、それらに限定されない。すなわち、本発明のメス型電気端子1は、コネクタアセンブリ90とともに配向され、挿入され、嵌め込まれるとき、本体5の下側部分250およびコネクタアセンブリ90の下側部分90bと比較してより幅広である、本体5の上側部分200a、210aおよびコネクタアセンブリ90の上側部分90aを有することができる(図示せず)。また同様に、上側部分200a、210aは、メス型電気端子1がコネクタアセンブリ90に嵌合している間(図示せず)、本体5の下側部分250と比較して、センタリングされる(図示せず)かまたはオフセットする(
図10A、
図10B)ことができる。メス型電気端子1およびコネクタアセンブリ90の極性または向きは、実質的に同様であり、それによって、実質的に一緒に嵌めることを可能にする。
【0043】
上記の記載は、本発明の好ましい実施形態に関するものであるが、他の変形形態および変更形態が当業者には明らかであり、本発明の主旨または範囲から逸脱することなく行うことができることに留意されたい。さらに、本発明の1つの実施形態に関連して記載された特徴は、上記で明記されていない場合であっても、他の実施形態とともに用いることができる。