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▶ ソティオ バイオテック エイ.エス.の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】ヒト化CLDN18.2抗体
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/28 20060101AFI20250228BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20250228BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20250228BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20250228BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20250228BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20250228BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20250228BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
C07K16/28
C07K16/46
C12N15/13 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12N15/63 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022534370
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(86)【国際出願番号】 EP2020084831
(87)【国際公開番号】W WO2021111003
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】19214104.2
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】522224438
【氏名又は名称】ソティオ バイオテック エイ.エス.
【氏名又は名称原語表記】SOTIO BIOTECH A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】100188499
【弁理士】
【氏名又は名称】勝又 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100127568
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 善典
(74)【代理人】
【識別番号】100171402
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 ▲茂▼
(74)【代理人】
【識別番号】100213779
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 有佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】バンメルト,ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】キリヒ サディルコワ,レンカ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルトマイアー,ローレンツ
(72)【発明者】
【氏名】ベーリ,ロジェール
(72)【発明者】
【氏名】メービウス,ウルリヒ
【審査官】坂井田 京
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/173420(WO,A1)
【文献】特表2010-528075(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 16/00-16/46
C12N 15/00-15/90
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CLDN18.2に結合する抗体またはその抗原結合断片であって、配列番号1のHCDR1配列、配列番号2のHCDR2配列および配列番号3のHCDR3配列と、配列番号4のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号6のLCDR3配列とを含み、
a.配列番号7のHCDR1配列、配列番号9のHCDR2配列および配列番号18のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
b.配列番号7のHCDR1配列、配列番号10のHCDR2配列および配列番号19のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
c.配列番号7のHCDR1配列、配列番号10のHCDR2配列および配列番号20のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号30のLCDR3配列;
d.配列番号7のHCDR1配列、配列番号12のHCDR2配列および配列番号21のHCDR3配列と、配列番号26のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号30のLCDR3配列;
e.配列番号7のHCDR1配列、配列番号13のHCDR2配列および配列番号18のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号31のLCDR3配列;
f.配列番号8のHCDR1配列、配列番号14のHCDR2配列および配列番号22のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
g.配列番号7のHCDR1配列、配列番号15のHCDR2配列および配列番号23のHCDR3配列と、配列番号27のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
h.配列番号7のHCDR1配列、配列番号16のHCDR2配列および配列番号23のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;または
i.配列番号8のHCDR1配列、配列番号17のHCDR2配列および配列番号24のHCDR3配列と、配列番号28のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号31のLCDR3配列
を含む、抗体またはその抗原結合断片。
【請求項2】
a.配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
b.配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
c.配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
d.配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
e.配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
f.配列番号41のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
g.配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
h.配列番号44のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;または
i.配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列と、
j.配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;
k.配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;
l.配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;
m.配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;
n.配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;または
o.配列番号46のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列
とを含み、
VH配列およびVL配列のCDR領域が、請求項1に記載されたCDR配列を有する、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項3】
a.配列番号32のVH配列と配列番号33のVL配列;
b.配列番号34のVH配列と配列番号33のVL配列;
c.配列番号35のVH配列と配列番号36のVL配列;
d.配列番号37のVH配列と配列番号38のVL配列;
e.配列番号39のVH配列と配列番号40のVL配列;
f.配列番号41のVH配列と配列番号33のVL配列;
g.配列番号42のVH配列と配列番号43のVL配列;
h.配列番号44のVH配列と配列番号33のVL配列;または
i.配列番号45のVH配列と配列番号46のVL配列
を含む、請求項1または2に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項4】
a.配列番号49のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
b.配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
c.配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
d.配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
e.配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
f.配列番号58のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
g.配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号60のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
h.配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;または
i.配列番号62のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列
からなり、
重鎖配列および軽鎖配列のCDR領域が、請求項1に記載されたCDR配列を有する、請求項1~のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項5】
前記抗体またはその抗原結合断片のフォーマットが、IgA1、IgA2、IgD、IgE、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、合成 IgG、IgM、F(ab)2、Fv、scFv、IgGACH2、F(ab’)2、scFvCH3、Fab、VL、VH、scFv4、scFv3、scFv2、dsFv、Fv、scFv-Fc、(scFv)2、non-depleting IgG、ダイアボディおよび二価抗体、ならびにこれらのFc組換え体からなる群から選択される、請求項1~のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項6】
(i)ヒト化された抗体もしくはその抗原結合断片;
(ii)単離された抗体もしくはその抗原結合断片;および/または
(iii)CLDN18.1に結合しない抗体もしくはその抗原結合断片
である、請求項1~のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項7】
前記抗体またはその抗原結合断片のCLDN18.2への結合が、基準となる抗体と比較して増強されていること、および
前記基準となる抗体が、配列番号47の重鎖配列と配列番号48の軽鎖配列を含むこと
を特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項8】
(i)前記測定された前記抗体のEC50値が、基準となる抗体のEC50値よりも、少なくとも10%低いこと;および/または
(ii)前記測定された前記抗体の最大MFI値が、基準となる抗体の最大MFI値よりも、少なくとも10%高いこと;ならびに
前記基準となる抗体が、配列番号47の重鎖配列と配列番号48の軽鎖配列を含むこと
を特徴とする、請求項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項9】
請求項1~のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片をコードする核酸。
【請求項10】
請求項に記載の核酸を含むベクター。
【請求項11】
請求項に記載の核酸または請求項10に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項12】
a.新生物疾患に罹患している対象、b.新生物疾患の発症のリスクがある対象、および/またはc.新生物疾患を有すると診断された対象の治療に使用するための、請求項1~のいずれか1項に記載の抗体もしくはその抗原結合断片、請求項に記載の核酸、請求項10に記載のベクターまたは請求項11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
前記新生物疾患が、膵臓がん、胃がん、食道がん、卵巣がんおよび肺がんからなる群から選択される、請求項12に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
タイトジャンクションは、隣り合う上皮細胞や内皮細胞をつないでバリアを形成し、分子が細胞間を通過するのを防いで、細胞や組織の極性の維持を助ける多タンパク質複合体である。タイトジャンクションは、クローディン、オクルディンおよびシンギュリンという主に3つの膜貫通タンパク質群からなり、このうち、クローディンとオクルディンは、細胞質内プラークタンパク質である。また、タイトジャンクションは、例えば、アクチン、ミオシンII、PKCζといった細胞骨格タンパク質やシグナル伝達タンパク質も含む。これらのタンパク質は、相互作用することによりタイトジャンクションの構造を維持している(YuおよびTurner、2008)。
【0002】
クローディンは、23種のタンパク質からなるファミリーを構成している(Hewitt、AgarwalおよびMorin、2006)。クローディン18は、CLDN18遺伝子によってコードされるヒトタンパク質であり、上皮細胞においてタイトジャンクションストランドを形成している。ヒトCLDN18は、最初の2つの選択的エキソンが選択的スプライシングを受けることにより、CLDN18.1(クローディン18.1)とCLDN18.2(クローディン18.2)という2種類のタンパク質アイソフォームが生じる。CLDN18.2は、当初、Zsig28タンパク質としてWO2000/015659において開示された。これらの2種類のアイソフォームは、N末端の69残基のアミノ酸配列が異なっており、このアミノ酸配列には第1の細胞外ループが含まれている。この第1の細胞外ドメインは、28~80番目のアミノ酸からなる。このアミノ酸配列において、CLDN18.1とCLDN18.2は8個のアミノ酸が異なっている。これらの2種類のアイソフォームは、異なる組織で発現される。CLDN18.1は主に肺組織に発現し、CLDN18.2は胃に特異的に発現する(Niimiら、2001)。正常な胃におけるCLDN18.2の発現は、分化した短命な胃上皮細胞のみに認められる。さらに、CLDN18.2の発現は、様々な腫瘍組織でも同定されている。例えば、CLDN18.2は、膵腫瘍、食道腫瘍、卵巣腫瘍および肺腫瘍で発現することが判明しており、様々な組織学的亜型が存在することと関連している(Sahinら、2008)。
【0003】
CLDN18.2は、正常組織での発現パターンが特定の細胞のみに限定されること、およびヒトがんにおいて異所性に発現されることから、上皮性腫瘍の抗体療法を行うことを目的としたがん全般の標的として注目を集めている。このような抗体療法を実現するため、様々な研究がなされている。WO2004/047863では、CLDN18のスプライスバリアントが同定されており、CLDN18.2に由来する様々なペプチドに対する抗体のスクリーニングが行われている。このスクリーニングでは、CLDN18.2由来ペプチドとして、DQWSTQDLYN(配列番号68)からなるペプチド(CLDN18.2のN末端細胞外ドメイン、グリコシル化の有無とは無関係に抗体が結合);NNPVTAVFNYQ(配列番号69)からなるペプチド(CLDN18.2のN末端細胞外ドメイン、主に非グリコシル化形態に抗体が結合);およびSTQDLYNNPVTAVF(配列番号70)からなるペプチド(CLDN18.2のN末端細胞外ドメイン、非グリコシル化形態のみに抗体が結合)が使用された。さらに、この特許文献には、CLDN18.1アイソフォームとCLDN18.2アイソフォームの両方に共通のC末端細胞外ドメインに含まれるTNFWMSTANMYTG(配列番号71)からなるpan-CLDN18ペプチドを用いてスクリーニングされたポリクローナルウサギ抗体も開示されている。WO2005/113587では、ALMIVGIVLGAIGLLV(配列番号72)からなるペプチド配列またはRIGSMEDSAKANMTLTSGIMFIVS(配列番号73)からなるペプチド配列で定義されるCLDN18.2の特定のエピトープに対する抗体が開示されている。WO2007/059997では、METDTLLLWVLLLWVPGSTGDAAQPARRARRTKLGTELGSTPVWWNSADGRMDQWSTQDLYNNPVTAVFNYQGLWRSCVRESSGFTECRGYFTLLGLPAMLQAVRAAIQHSGGRSRRARTKTHLRRGSE(配列番号74)からなるペプチド(N末端およびC末端が伸長されたCLDN18.2の第1の細胞外ドメインを含む)を用いた免疫処置によって得られたCLDN18.2特異的モノクローナル抗体が開示されている。この免疫処置によって得られた抗体は、補体依存性細胞傷害(CDC)および抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)を介して細胞傷害性を発揮する。WO2007/059997およびWO2016/165762では、IMAB362という抗体が開示されており、この抗体は、ClaudiximabあるいはZolbetuximabの名称でも知られている。IMAB362は、マウスモノクローナル抗体に由来するIgG1抗体であり、臨床適用を目的として、キメラ化によりヒトIgG1の定常領域が導入されている。WO2008/145338では、第1の細胞外ドメイン内で重複するペプチドに結合する様々な抗体が開示されている(MDQWSTQDLYNNPVT(配列番号75)、LYNNPVTAVFNYQGL(配列番号76)、VFNYQGLWRSCVRES(配列番号77)、QGLWRSCVRESSGFT(配列番号78)およびRSCVRESSGFTECRG(配列番号79))。WO2013/167259では、診断を目的として、がん組織切片中の細胞におけるCLDN18.2の発現を検出するため、CLDN18.2のC末端部分を標的とする抗体の製造も試みられており、CLDN18.2のC末端エピトープに結合する抗体が開示されている。この特許文献では、CLDN18.2の2つのC末端エピトープとして、TEDEVQSYPSKHDYV(配列番号80)からなる配列と、EVQSYPSKHDYV(配列番号81)からなる配列が開示されている。WO2013/174509では、γδT細胞を安定化する薬剤と抗CLDN18.2抗体の組み合わせ、およびCLDN18.2の発現を安定化または増強させる薬剤と抗CLDN18.2抗体の組み合わせが開示されている。これらの抗CLDN18.2抗体は、細胞毒、薬物(例えば免疫抑制剤)、放射性同位体などの治療効果を有する部分に結合させてもよい。WO2014/075788では、CLDN18.2とCD3の両方に結合する二重特異性抗体を使用してがん疾患を治療する方法が開示されている。WO2014/127906では、CLDN18.2の発現の安定化または増強を目的とした複数の薬剤の併用が開示されている。WO2016/166122では、CLDN18.2に結合すると非常に効率的に内在化させることができる抗CLDN18.2モノクローナル抗体が開示されており、このような特徴から、抗体薬物複合体(ADC)の開発に適している。さらに、この特許文献には、切断可能なSPDBリンカーまたはバリン-シトルリンリンカーを使用して、このような抗体を薬物であるDM4またはMMAEに結合させることも開示されている。しかしながら、これらの特許出願により様々な抗体が開示されているにもかかわらず、現在臨床試験が行われているものは、WO2007/059997とWO2016/165762に開示されているキメラ抗体IMAB362のみである。前述の抗体や抗体薬物複合体に加えて、WO2018/006882では、抗CLDN18.2モノクローナル抗体から作製したキメラ抗原受容体(CAR)が開示されている。WO2018/006882では、様々な抗体がヒト化されており、これらのヒト化抗体の配列は、Jiangら(2018)による共同研究論文の補足資料に開示されている。ヒト化抗体を利用したCAR T細胞は、現在、進行性胃腺癌患者および膵腺癌患者において第I相臨床試験が行われている(ClinicalTrials.govのID番号:NCT03159819)。CN109762067では、CDCまたはADCCを介して細胞傷害性を発揮する別の抗CLDN18.2モノクローナル抗体が開示されている。WO2019/173420では、ADCC活性を有する抗CLDN18.2ヒト化モノクローナル抗体が開示されている。WO2019/175617では、IMAB362とは異なるエピトープに結合する抗CLDN18.2モノクローナル抗体が開示されている。WO2019/219089では、CLDN18.2の変異体に結合するモノクローナル抗体が開示されている。
【0004】
ヒト定常ドメインに移植したマウス可変領域を有するキメラ抗体は、免疫原性であることが多く、このことから、抗体のクリアランスが亢進したり、その他の安全上の問題が生じる恐れがある(Sauerborn、2014)。したがって、患者の免疫応答を低減し、抗体の治療活性を増強させるため、抗体配列をさらに改変する必要がある。ヒト化は、異種抗体配列を組換えて、その免疫原性を低下させる方法である(Saldanha、2014)。しかし、抗体のヒト化により、その親和性が低下することも多い。現在、最も臨床適用が進んでいる抗CLDN18.2抗体であるIMAB362は、キメラ抗体である。したがって、さらに改良された抗CLDN18.2抗体がなお必要とされている。本発明は、驚くべきことに、CLDN18.2に対する親和性がIMAB362よりも高いヒト化IMAB362抗体を開示するものであり、これによって、前述の問題やその他のニーズに対処するものである。
【発明の概要】
【0005】
用語の定義
「抗体」は「免疫グロブリン(Ig)」とも呼ばれ、通常、4つのポリペプチド鎖、すなわち、2つの重鎖(H)と2つの軽鎖(L)とを含むことから、多量体タンパク質である。「抗体」は、免疫グロブリンと同等な免疫グロブリンホモログを含む場合もある(例えば、重鎖のみを含むラクダ科抗体や、重鎖または軽鎖に由来する単一ドメイン抗体(sdAb)またはナノボディがある)。また、「抗体」には、抗体ベースの結合性タンパク質や、標的に対する結合能を保持する組換え抗体フォーマットも含まれる。さらに、「抗体」には、抗体に必須の免疫グロブリン分子のエピトープ結合性を保持する機能性の全長変異体またはそれらのバリアントもしくは誘導体も含まれ(マウス抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および完全ヒト型抗体が挙げられるが、これらに限定されない)、これらには、両特異性免疫グロブリン、二重特異性免疫グロブリン、多重特異性免疫グロブリン、二重特異性可変ドメインを含む免疫グロブリンも含まれる。免疫グロブリン分子は、どのクラス(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgAおよびIgY)であってもよく、どのサブクラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)であってもよく、アロタイプであってもよい。免疫グロブリン分子は、例えば、Fcγ受容体や胎児性Fc受容体(FcRn)に対する親和性を向上または低下させるために変異が導入されていてもよい。
【0006】
本明細書において、「抗体断片」は、抗体に由来する少なくとも1つのポリペプチド鎖を含む分子に関し、この分子は、標的結合性を示すが、全長抗体ではない。抗体断片として、具体的には、(i)Fab断片(軽鎖可変ドメイン(VL)、重鎖可変ドメイン(VH)、軽鎖定常ドメイン(CL)および重鎖定常ドメイン1(CH1)からなる1価の断片);(ii)F(ab’)2断片(ヒンジ領域のジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価の断片(F(ab’)2断片を還元することによって、2つのFab’断片と遊離スルフヒドリル基とが得られる));(iii)Fab(Fa)断片の重鎖部分(VHドメインとCH1ドメインからなる);(iv)可変断片(Fv)(抗体の片方の腕のVLドメインとVHドメインからなる);(v)ドメイン抗体(dAb)断片(1つの可変ドメインを含む);(vi)単離された相補性決定領域(CDR);(vii)一本鎖Fv断片(scFv);(viii)ダイアボディ(VHドメインとVLドメインを単一のポリペプチド鎖上で発現させた二価の二重特異性抗体であり、極めて短いリンカーを使用してVHドメインとVLドメインを同じポリペプチド鎖上で対合させることによって、これらのドメインをもう一方の鎖の相補性ドメインと対合させ、2つの抗原結合部位を形成させた抗体);(ix)線状抗体(直線状に連結したFvセグメント(VH-CH1-VH-CH1)と、これに相補的な軽鎖ポリペプチドとが一対になることによって形成された一対の抗原結合領域);(x)二重可変ドメインを含む免疫グロブリン;ならびに(xi)単独または組み合わせて使用される免疫グロブリンの重鎖および/もしくは軽鎖のその他の断片部分、またはその変異体、バリアントもしくは誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0007】
本明細書において、「抗体ベースの結合性タンパク質」は、免疫グロブリン以外の成分や抗体に由来しない成分中に、抗体由来の少なくとも1つのVH免疫グロブリンドメイン、VL免疫グロブリンドメインまたはCH免疫グロブリンドメインを含むあらゆるタンパク質を指してもよい。このような抗体ベースのタンパク質として、(i)結合性タンパク質とFc部分との融合タンパク質(例えば、免疫グロブリンを構成するすべてのCHドメインもしくはその一部を含む受容体もしくは受容体構成要素)、(ii)VHドメインおよび/もしくはVLドメインが別の分子足場に結合された結合性タンパク質、または(iii)天然の抗体や抗体断片では通常見られない様式で、免疫グロブリンのVHドメイン、VLドメインおよび/もしくはCHドメインが組み合わされた分子、ならびに/もしくはこれらのドメインから構築された分子が挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
本明細書において、「組換え抗体フォーマット」は、ポリアルキレンオキシドで修飾されたscFv、モノボディ、ダイアボディ、ラクダ科抗体、ドメイン抗体、二重特異性抗体または三重特異性抗体、J鎖および分泌成分で連結されたIgA構造または2つのIgGからなる構造、サメ抗体、新世界霊長類のフレームワーク領域と旧世界霊長類のCDRからなる抗体、ヒンジ領域が除去されたIgG4抗体、CH3ドメインに2つの結合部位をさらに組み込んだIgG、Fc領域を改変することによりFcγ受容体に対する親和性を向上または低下させた抗体、CH3、VLおよびVHを含む二量体化コンストラクトなどを包含する。
【0009】
本明細書に開示した抗体には、Kabatナンバリングスキーム(MartinおよびAllemn、2014)を適用した。
【0010】
本明細書において、「CLDN18.2に選択的に結合する」または「CLDN18.2への選択的結合」は、CLDN18.2に対して結合性を示すが、CLDN18.1には(特異的な)結合性を示さない抗体を指す。したがって、CLDN18.2に選択的に結合する抗体は、CLDN18.1に対して交差反応性を示さない。
【0011】
本発明の詳細な説明および請求項において、「含む」という用語が使用されている場合、その他の構成要素を除外しない。本発明を達成する目的において、「からなる」という用語を使用して述べた態様は、「含む」という用語を使用して述べた態様の好ましい一実施形態であると見なされる。以下において、特定の群が、少なくとも特定の数の実施形態を含むと定義されている場合、これらの実施形態のみからなることが好ましい群も開示されていると理解される。
【0012】
単数名詞に対して、例えば、「a」、「an」、「the」などの不定冠詞または定冠詞が使用されている場合、別段の記載がない限り、この単数名詞の複数形も含まれる。
【0013】
技術用語は、通常の意味で使用される。特定の用語が特定の意味を表す場合、この用語が使用されている以下の文脈においてこの用語の定義を記載する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者らは、驚くべきことに、以下の実施形態で詳しく述べる新規な抗CLDN18.2抗体を同定した。この抗体は、IMAB362抗体よりも高い親和性でCLDN18.2に結合する。
【0015】
したがって、一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片であって、重鎖相補性決定領域(HCDR)として、配列番号1のHCDR1コンセンサス配列、配列番号2のHCDR2コンセンサス配列および配列番号3のHCDR3コンセンサス配列を含み、かつ軽鎖相補性決定領域(LCDR)として、配列番号4のLCDR1コンセンサス配列、配列番号5のLCDR2コンセンサス配列および配列番号6のLCDR3コンセンサス配列を含むことを特徴とする抗体またはその断片を提供する。各CDRのコンセンサス配列を表1に示す。本発明は、これらのコンセンサス配列に由来するCDRの任意の組み合わせに基づき、かつCLDN18.2に結合するあらゆる抗体またはその断片を包含する。
【0016】
好ましい一実施形態において、本発明の単離された抗体またはその機能性断片は、CLDN18.2に結合するが、CLDN18.1には結合しない。したがって、本発明により提供される抗体は、CLDN18.2に特異的に結合する。
【表1】
【0017】
抗体の結合または結合親和性は、通常、平衡結合定数(Ka)または平衡解離定数(Kd)で表される。平衡結合定数(Ka)は、結合速度定数(kon)と解離速度定数(koff)の比から求められ、平衡解離定数(Kd)はその逆数である。したがって、速度定数の比率が変化しない限り、同じ親和性を別の速度定数で表してもよい。結合親和性および/または速度定数は、当技術分野で公知の技術または本明細書に記載の方法を使用して測定することができ、このような方法として、ELISA、フローサイトメトリー(FC)による力価測定、等温滴定カロリメトリー(ITC)、Biacore(SPR)、バイオレイヤー干渉法、蛍光偏光法などが挙げられる。抗原の特性によっては、抗体のKa値やKd値が測度しにくい場合もある。これは、特に、クローディンなどの内在性膜タンパク質の場合に当てはまる(Hashimotoら、2018)。このような場合、内在性膜タンパク質をプロテオリポソームまたはリポパーティクルとして発現させてもよい。また、このようなリポパーティクルをプラスチックに固定してELISAアッセイに用いることによって、固定された抗原に対する抗体の結合親和性を測定してもよい。Ka値やKd値の代わりに、個々の試験抗体またはその機能性断片の半数効果濃度(EC50)値を算出することによって、抗原に対する結合親和性を調べてもよい。後述する実施例3および図2では、表1に示したコンセンサス配列を含むCDRを有する抗体のELISAアッセイによる結合親和性曲線の一例を示している。したがって、実施例4と同様にして結合を測定することができ、この実施例4では、EC50値(実施例4の表4)と結合親和性曲線の上限値(図4)を利用して結合を定量している。驚くべきことに、EC50値と結合親和性曲線の上限値(最大MFI値)から、本発明のヒト化抗体が高い結合親和性を有することが示され、すなわち、CLDN18.2に対する結合がIMAB362抗体よりも増強されていることが示された。平均蛍光強度の最大値(最大MFI値)を用いて、抗体の結合を定量することもできる。同じ標的に結合する2つの抗体を比較する場合、最大MFI値が高いほど、親和性が高く、かつ/または解離しにくい。最大MFI値は、実施例4と同様にして測定することができる。CLDN18.2を発現するHEK293T細胞またはPA-TU-8988S-High細胞に対する結合をフローサイトメトリーで測定することにより求めた本発明の抗体の最大MFI値を表4に示す。
【0018】
したがって、本発明の抗体またはその断片は、IMAB362抗体よりも高い親和性でCLDN18.2に結合することが好ましい。これを反映して、図1Dでは、試験した抗体はいずれも、CLDN18.1を発現するHEK293T細胞には結合せず、CLDN18.2に選択的に結合することが示されている。さらに、好ましい一実施形態では、このような抗体またはその断片はヒト化されている。
【0019】
別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片であって、
a.配列番号7のHCDR1配列、配列番号9のHCDR2配列および配列番号18のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
b.配列番号7のHCDR1配列、配列番号10のHCDR2配列および配列番号19のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
c.配列番号7のHCDR1配列、配列番号10のHCDR2配列および配列番号20のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号30のLCDR3配列;
d.配列番号7のHCDR1配列、配列番号12のHCDR2配列および配列番号21のHCDR3配列と、配列番号26のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号30のLCDR3配列;
e.配列番号7のHCDR1配列、配列番号13のHCDR2配列および配列番号18のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号31のLCDR3配列;
f.配列番号8のHCDR1配列、配列番号14のHCDR2配列および配列番号22のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
g.配列番号7のHCDR1配列、配列番号15のHCDR2配列および配列番号23のHCDR3配列と、配列番号27のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
h.配列番号7のHCDR1配列、配列番号16のHCDR2配列および配列番号23のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;または
i.配列番号8のHCDR1配列、配列番号17のHCDR2配列および配列番号24のHCDR3配列と、配列番号28のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号31のLCDR3配列
を含む、抗体またはその断片を提供する。
【0020】
好ましい一実施形態において、前記抗体はヒト化されている。前述したように、これらの新規なヒト化抗体は、例えば、EC50値および最大MFI値で示されるように、IMAB362抗体よりも高い親和性でCLDN18.2に結合する。さらに、本発明により提供されるこれらの抗体は、CLDN18.2に選択的に結合する。
【0021】
さらに別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片であって、
a.配列番号32のVH配列;
b.配列番号34のVH配列;
c.配列番号35のVH配列;
d.配列番号37のVH配列;
e.配列番号39のVH配列;
f.配列番号41のVH配列;
g.配列番号42のVH配列;
h.配列番号44のVH配列;または
i.配列番号45のVH配列と、
j.配列番号33のVL配列;
k.配列番号36のVL配列;
l.配列番号38のVL配列;
m.配列番号40のVL配列;
n.配列番号43のVL配列;または
o.配列番号46のVL配列
とを含む、抗体またはその断片を提供する。
【0022】
好ましい一実施形態において、前記抗体はヒト化されている。前述したように、これらの新規なヒト化抗体は、例えば、EC50値および最大MFI値で示されるように、IMAB362抗体よりも高い親和性でCLDN18.2に結合する。さらに、本発明により提供されるこれらの抗体は、CLDN18.2に選択的に結合する。本発明は、VH領域とVL領域の任意の組み合わせに基づき、かつCLDN18.2に結合するあらゆる単離された抗体またはその断片を包含する。好ましい一実施形態において、前記抗体またはその機能性断片は、CLDN18.2に結合するが、CLDN18.1には結合しない。
【0023】
別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片であって、
a.配列番号32のVH配列と配列番号33のVL配列;
b.配列番号34のVH配列と配列番号33のVL配列;
c.配列番号35のVH配列と配列番号36のVL配列;
d.配列番号37のVH配列と配列番号38のVL配列;
e.配列番号39のVH配列と配列番号40のVL配列;
f.配列番号41のVH配列と配列番号33のVL配列;
g.配列番号42のVH配列と配列番号43のVL配列;
h.配列番号44のVH配列と配列番号33のVL配列;または
i.配列番号45のVH配列と配列番号46のVL配列
を含む、抗体またはその断片に関する。
【0024】
好ましい一実施形態において、前記抗体はヒト化されている。ここでも、前述したように、これらの新規なヒト化抗体は、例えば、EC50値および最大MFI値で示されるように、IMAB362抗体よりも高い親和性でCLDN18.2に結合する。さらに、本発明により提供されるこれらの抗体は、CLDN18.2に選択的に結合する。
【0025】
さらに別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片であって、
a.配列番号49の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列;
b.配列番号51の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列;
c.配列番号52の重鎖配列と配列番号53の軽鎖配列;
d.配列番号54の重鎖配列と配列番号55の軽鎖配列;
e.配列番号56の重鎖配列と配列番号57の軽鎖配列;
f.配列番号58の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列;
g.配列番号59の重鎖配列と配列番号60の軽鎖配列;
h.配列番号61の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列;または
i.配列番号62の重鎖配列と配列番号63の軽鎖配列
からなる、抗体またはその断片を提供する。
【0026】
好ましい一実施形態において、前記抗体はヒト化されている。ここでも、前述したように、これらの新規なヒト化抗体は、例えば、EC50値および最大MFI値で示されるように、IMAB362抗体よりも高い親和性でCLDN18.2に結合する。さらに、本発明により提供されるこれらの抗体は、CLDN18.2に選択的に結合する。
【0027】
別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合するヒト化抗体またはその断片を提供する。モノクローナル抗体のヒト化は既に十分に確立されている。Handbook of Therapeutic Antibodies, Second Editionには、モノクローナル抗体のヒト化(Saldanha、2014)、このような抗体を分析するためのバイオインフォマティクスツール(MartinおよびAllemn、2014)、または治療抗体の開発および製造(Jacobiら、2014)に関する十分な情報が記載されている。ヒトの治療剤として使用する場合、ヒト化抗体は、キメラ抗体よりも抗薬物抗体が誘導されるリスクが低い。抗薬物抗体によって、治療上の利点が制限されることがあり、特に反復投与では、本発明の抗体の副作用のリスクが増加しうる。
【0028】
別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する単離された抗体またはその機能性断片を提供する。
【0029】
一実施形態において、本発明の抗体はCLDN18.1に結合しない。したがって、本発明の抗体は交差反応性を示さない。
【0030】
別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその機能性断片であって、配列番号58の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列からなる抗体またはその機能性断片を提供する。
【0031】
さらに別の一実施形態において、本発明は、本明細書に記載されている抗体のアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性、少なくとも85%の同一性、少なくとも90%の同一性、少なくとも95%の同一性または少なくとも98%の同一性を有するアミノ酸配列を持つ抗体に関する。この抗体は、例えば、EC50値および最大MFI値で示されるように、IMAB362抗体よりも高い親和性でCLDN18.2に結合し、かつ/または選択的にCLDN18.2に結合することが好ましい。一実施形態において、前記抗体はヒト化されている。
【0032】
一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合し、かつ本明細書に記載の抗体またはその断片と競合結合する抗体またはその断片を提供する。好ましい一実施形態において、この抗体またはその断片は、配列番号58の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列からなる抗体と競合結合する。一実施形態において、この抗体はヒト化されている。さらに好ましい一実施形態において、前記抗体は、IMAB362と同程度の結合親和性を示すか、IMAB362よりも高い結合親和性を示す。別の好ましい一実施形態において、前記抗体は、配列番号58の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列からなる抗体と同程度の結合親和性を示すか、配列番号58の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列からなる抗体よりも高い結合親和性を示す。結合親和性は、適切な手段であればどのような方法で測定してもよい。例えば、前記抗体の結合を評価する指標として、CLDN18.2を発現するHEK295T細胞またはPA-TU-8988-High細胞において、EC50値またはフローサイトメトリーによる力価測定の最大MFI値を測定してもよい。
【0033】
別の一実施形態において、前記抗体(または抗体断片が存在する場合は、抗体断片)のFcドメインは、以下の表2に記載の改変や変異などの、改変または変異を含んでいてもよい。このような改変または変異は、前記抗体のFcドメインのエフェクター活性を調節するために導入してもよい。抗体の改変には、抗体の重鎖および/または軽鎖のC末端に付加されるペプチドタグがさらに含まれていてもよい。このようなタグは、例えば、タンパク質の精製やタンパク質の結合に使用してもよい。
【0034】
別の一実施形態において、本発明は、IgA1、IgA2、IgD、IgE、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、合成 IgG、IgM、F(ab)2、Fv、scFv、IgGACH2、F(ab’)2、scFvCH3、Fab、VL、VH、scFv4、scFv3、scFv2、dsFv、Fv、scFv-Fc、(scFv)2、non-depleting IgG(細胞消失を誘導しないIgG)、ダイアボディおよび二価抗体、ならびにこれらのFc組換え体から選択されるフォーマットの、CLDN18.2に結合する単離されたヒト化抗体またはその断片を提供する。
【0035】
好ましい一実施形態において、本発明の抗体はIgG1抗体である。免疫グロブリンのFc領域は、様々な種類のFcγ受容体(FcγR)および補体タンパク質(例えばC1q)と相互作用し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)または補体依存性細胞傷害(CDC)を介して、免疫系のエフェクター機能(標的細胞の排除など)を担っている。Fc領域に関連するエフェクター機能を増強または抑制すると、治療用途に有益である場合がある。免疫グロブリンの種類(IgA、IgD、IgE、IgG、IgM)は、これらの公知の活性を考慮に入れて、Fcドメインと関連した抗体の所望のエフェクター機能に応じて選択してもよい。また、合成免疫グロブリンを使用してもよく、例えば、IgG2の118~260番目のアミノ酸残基とIgG4の261~447番目のアミノ酸残基とを含む免疫グロブリンや、IgG4由来の点変異(例えば、H268Q/V309L/A30S/P331S)を導入したIgG2バリアントなどを使用してもよい。このような合成免疫グロブリンは、抗体のエフェクター機能が低下している。また、抗体のエフェクター機能を調節するために、Fc領域を組換えた免疫グロブリンを使用してもよい。このようなFc領域の遺伝子組換えの一例を表2に示す。さらに、抗体の薬物動態を調節するために、フコシル化糖鎖を組換えたタンパク質産生細胞株から発現させることによってFcγ受容体への結合に影響を与えてもよい。
【表2】
【0036】
インビボでの抗体の半減期を調節してもよい。Fcドメインは、抗体の安定性および血清中半減期において中心的な役割を果たしている。治療用途では、Fcドメインを除去した抗体断片またはFcドメインを一部切断した抗体断片を使用することによって、抗体の半減期を短縮してもよく、このような抗体断片として、F(ab)2、Fv、scFv、IgGACH2、F(ab’)2、scFvCH3、Fab、VL、VH、scFv4、scFv3、scFv2、dsFv、Fv、scFv-Fc、(scFv)2などが挙げられる。本発明の抗体は、ダイアボディまたは二価抗体の形態であってもよい。ダイアボディまたは二価抗体を使用することによって、標的に対する親和性を増加させ、用量を低く抑えてもよい。Fcドメインを除去した機能性断片またはFcドメインを一部切断した機能性断片は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR T細胞)や二重特異性T細胞誘導抗体(BiTE)などの、別の治療方法の開発に使用してもよい。CARコンストラクトでは、通常、短いペプチドリンカーを介して1つのVHドメインと1つのVLドメインとが連結されて、一本鎖可変領域断片(scFv)を形成しており、このscFv断片は、膜貫通ドメインと細胞質内のT細胞免疫受容体活性化チロシンモチーフ(例えばCD3ζに由来する活性化チロシンモチーフ)にさらに連結され、この活性化チロシンモチーフは、共刺激分子ドメイン(例えば、CD28、4-1BB(CD127)またはOX40に由来する共刺激分子ドメイン)にさらに連結されている(ChangおよびChen、2017)。このscFv断片において使用されるVHドメインおよびVLドメインは、表3に記載の抗体のいずれかであってもよい。BiTEは、通常、2種の抗体に由来する2つscFvが融合されたものである。このうち、一方のscFvドメインは、表3に記載の、CLDN18.2に結合する単離された抗体のいずれかに由来するものであってもよく、もう一方のscFvドメインは、例えば、CD3、CD16、NKG2D、NKp46、CD2、CD28またはCD25に結合する抗体に由来するものであってもよい。T細胞に標的指向性を付与する目的で使用されるBiTE抗体フォーマットや、その他の二重特異性抗体フォーマットに関する詳細なガイドラインは、Diego Ellerman(2019)による総説論文を参照してもよい。
【0037】
別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合するヒト化抗体またはその断片であって、配列番号65の軽鎖定常領域(CL)を有し、好ましくは、重鎖定常領域のCH2ドメインにL234A/L235A変異を有することからFcγRへの結合が抑制された配列番号66の重鎖定常領域のCH1ドメインおよびFc領域をさらに有することを特徴とするヒト化抗体またはその断片を提供する。より好ましくは、本発明は、重鎖定常領域のCH1ドメインおよびFc領域にL234A/L235A/P329G変異を有することからFcγRへの結合がさらに抑制された配列番号67の重鎖定常領域のCH1ドメインおよびFc領域を有する抗体を提供する。
【0038】
別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する単離されたヒト化抗体またはその断片であって、配列番号66の重鎖定常領域のCH1ドメインおよびFc領域に連結された配列番号41の重鎖可変領域(VH)配列と、配列番号65の軽鎖定常領域(CL)に連結された配列番号33の軽鎖可変領域(VL)配列とを含むヒト化抗体またはその断片を提供する。
【0039】
さらに別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.1に結合しないが、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片を提供する。したがって、この抗体は、CLDN18.1に対して交差反応性や交差結合性を示さない。標的タンパク質への抗体の結合は、標的タンパク質を発現する細胞に対してフローサイトメトリーを実施することによって試験することができる。試験した抗体の標的タンパク質への特異的な結合は、ヒストグラムプロットで可視化することができる。試験した抗体が、発現された標的タンパク質に特異的に結合する場合、高い蛍光シグナルのピークがヒストグラムプロットに認められ、試験した抗体が、発現された標的タンパク質に結合しないか、非常に弱くしか結合できない場合、低い蛍光シグナルのピークがヒストグラムプロットに認められる。このようなヒストグラムを図1に示している。この図1のヒストグラムでは、本発明の抗体が、HEK293T細胞において発現されたCLDN18.1には結合しないが、CLDN18.2には結合することが示されている。結合の程度は、フローサイトメトリーで測定した平均蛍光強度の最大値(最大MFI値)を示した棒グラフとして示すこともでき、最大MFI値が高い場合は強力な結合であることを示し、最大MFI値が低い場合または最大MFI値が認められなかった場合は、結合が起こらなかったことを示す。このような結合アッセイの一例を実施例4に示す。
【0040】
別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片であって、別の部分に結合されている抗体またはその断片を提供する。この別の部分として、放射性同位体、蛍光タグ、組織学的マーカー、細胞毒またはサイトカインが挙げられる。この別の部分は、当技術分野で公知のリンカーを介して結合してもよい。
【0041】
さらに別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片であって、IMAB362抗体よりも強力にCLDN18.2に結合する抗体またはその断片を提供する。好ましくは、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片であって、IMAB362抗体よりも高い親和性でCLDN18.2に結合する抗体またはその断片を提供する。結合親和性および/または速度定数は、当技術分野で公知の技術または本明細書に記載の方法を使用して測定することができ、このような方法として、ELISA、フローサイトメトリーによる力価測定、等温滴定カロリメトリー(ITC)、Biacore(SPR)、バイオレイヤー干渉法、蛍光偏光法などが挙げられる。本発明者らは、例えば、実施例3に示すELISAや、実施例4に示すフローサイトメトリーによる力価測定実験により、CLDN18.2に対する抗体の親和性を測定した。CLDN18.2を含むリポパーティクルに対して実施したELISAでは、ヒト化抗体であるhGBA-1~hGBA-9はいずれも、(MFIで示した)最大結合値がIMAB362よりも高いことが示された。CLDN18.2を過剰発現するHEK293T細胞またはCLDN18.2を内因性に発現するPA-TU-8988S細胞を使用したフローサイトメトリーによる力価測定実験では、ヒト化抗体であるhGBA-1~hGBA-9はいずれも、(MFI単位で示した)最大結合値がIMAB362抗体よりも高く、かつ(μg/mlの単位で示した)EC50値がIMAB362抗体よりも低かったことから、本発明のヒト化抗体は、CLDN18.2に対する親和性がIMAB362抗体よりも高いことが示された。一実施形態において、本発明により提供される抗体は、測定されたEC50値が、IMAB362抗体のEC50値よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、または少なくとも75%低い。一実施形態において、本発明により提供される抗体は、測定された最大MFI値が、IMAB362抗体の最大MFI値よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、または少なくとも75%高い。
【0042】
IMAB362抗体の重鎖配列および軽鎖配列は、本明細書において、例えば、それぞれ配列番号47および配列番号48として提供される。
【0043】
一実施形態によれば、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片をコードする核酸配列を提供する。この核酸配列は、前記抗体のCDRのみをコードしてもよく、前記抗体の重鎖可変(VH)領域と軽鎖可変(VL)領域をコードしてもよく、前記抗体の重鎖の全長と軽鎖の全長をコードしてもよい。このような核酸配列を表3に示す。前記核酸配列は、F(ab)2、Fv、scFv、IgGACH2、F(ab’)2、scFvCH3、Fab、VL、VH、scFv4、scFv3、scFv2、dsFv、Fv、scFv-Fc、(scFv)2、non-depleting IgG(細胞消失を誘導しないIgG)、ダイアボディ、二価抗体、またはこれらのFc組換え体をコードしてもよい。前記核酸配列によってコードされる免疫グロブリンは、IgA1、IgA2、IgD、IgE、IgG1、IdG2、IgG3、IgG4、合成IgG、IgM、またはこれらの変異体もしくはFc組換え体であってもよい。
【0044】
さらに別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体ベースの結合性タンパク質を提供し、例えば、本明細書に開示した抗体のCLDN18.2結合ドメインと、抗体とは無関係な別のタンパク質ドメインとを少なくとも含むタンパク質を提供する。さらに、本発明は、CLDN18.2に結合する組換えヒト化抗体フォーマットを提供する。好ましい一実施形態において、前記抗体ベースの結合性タンパク質はCLDN18.1に結合しない。
【0045】
別の一実施形態において、本発明は、前記抗体またはその断片をコードする核酸を提供する。この核酸配列は、別の構成要素をコードしてもよく、CLDN18.2に結合するキメラ抗原受容体(CAR)の一部をコードしてもよい。CAR T細胞の構築に関する詳細なガイダンスは、ChangおよびChenによる文献(2017)またはJuneおよびSadelainによる文献(2018)に記載されている。一実施形態において、本発明は、人工T細胞受容体を産生するように遺伝子組換えされたT細胞であって、該人工T細胞受容体が、CLDN18.2に結合する本発明の抗体またはその機能性断片含むことを特徴とするT細胞を提供する。好ましい一実施形態において、前記CARコンストラクトはCLDN18.1に結合しない。

【0046】
さらに本発明は、前記核酸を含む発現ベクターを提供する。この発現ベクターは、哺乳動物細胞、細菌細胞、真菌細胞または昆虫細胞において発現させることを目的とした発現ベクターであってもよく、前記抗体またはその機能性断片をコードする核酸を含む前記発現ベクターが導入される宿主細胞の種類に応じて選択してもよい。このようなベクターの構築に関する詳細なガイダンスは、GreenおよびSambrookによる著書に記載されている(GreenおよびSambrook、2012)。哺乳動物細胞用の発現ベクターが好ましく、CHO細胞用の発現ベクターが特に好ましい。
【0047】
別の一実施形態において、本発明は、CLDN18.2に結合する抗体またはその断片をコードする発現ベクターを含む宿主細胞、またはCLDN18.2に結合する抗体またはその断片をコードする核酸がゲノムに組み込まれた宿主細胞を提供する。この宿主細胞は、哺乳動物細胞もしくは哺乳動物細胞株、細菌細胞、真菌細胞または昆虫細胞であってもよい。哺乳動物細胞が好ましく、CHO細胞が特に好ましい。
【0048】
別の一実施形態において、本発明は、新生物疾患に罹患している対象、新生物疾患を発症するリスクがある対象および/または新生物疾患を有すると診断された対象の治療に使用するための、本明細書に記載の、CLDN18.2に結合する抗体もしくはその断片、前記抗体もしくはその断片をコードする核酸、前記核酸を含むベクター、前記核酸を含む宿主細胞、または前記核酸を含むベクターに関する。本明細書で開示された抗体またはその断片は、単独療法として使用してもよいが、新生物疾患の確立された標準治療と組み合わせて併用療法として使用することが好ましい。
【0049】
さらに別の一実施形態において、本発明は、新生物疾患の治療のための医薬品を製造するための、CLDN18.2に結合する本発明の抗体またはその断片の使用を提供する。
【0050】
前記新生物疾患は、膵臓がん、胃がん、食道がん、卵巣がんおよび肺がんからなる群から選択される少なくとも1種であってもよい。治療の対象となる新生物疾患は、CLDN18.2の過剰発現を特徴とする。
【0051】
本発明の別の一実施形態は、CLDN18.2に結合する単離された本発明のヒト化抗体またはその断片を使用して、膵臓がん、胃がん、食道がん、卵巣がん、肺がんなどの新生物疾患を治療する方法であって、前記抗体またはその断片の治療有効量を投与することを含む方法を提供する。この治療方法は、単独療法であってもよいが、新生物疾患に対する確立された標準治療と組み合わせた併用療法であることが好ましい。
【0052】
さらに、医薬組成物であって、CLDN18.2に結合する前記抗体もしくはその断片、前記抗体もしくはその断片をコードする核酸、前記核酸を含むベクター、前記核酸を含む宿主細胞または前記核酸を含むベクターと、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0053】
好ましくは、CLDN18.2に結合する単離された本発明のヒト化抗体またはその断片を使用して、膵臓がん、胃がん、食道がん、卵巣がんまたは肺がんに罹患している患者を治療してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】ヒト化抗体とIMAB362のFACS結合アッセイを示す。huCLDN18.2またはhuCLDN18.1を安定に発現するHEK293T細胞において、huCLDN18.2またはhuCLDN18.1への選択された抗体の結合を試験した。これらの標的タンパク質(huCLDN18.2およびhuCLDN18.1)を発現しない親HEK293T細胞を陰性対照として使用した。(図1A)A:IMAB362、B:hGBA-1、C:hGBA-2、D:hGBA-3、E:hGBA-4、F:hGBA-5、G:hGBA-6、H:hGBA-7、I:hGBA-8、J:GBA-9、K:二次抗体のみ、L:pan-CLDN18抗体を示す。(図1B)huCLDN18.2もしくはhuCLDN18.1を発現するHEK293T細胞または親HEK293T細胞における各ヒト化抗体の結合をIMAB362と比較したFACSデータの平均蛍光強度(MFI)を示した棒グラフである。
図2】(図2A~D)ELISAによる結合アッセイによりヒト化抗体とIMAB362を比較した結果を示す。ELISAによる結合アッセイは、CLDN18.2を含むリポパーティクルまたはCLDN18.2を含まないヌルリポパーティクルを用いて行った。
図3】CLDN18.2の発現量に基づくPA-TU-8988S細胞の選別を示す。(図3A)IMAB362で染色したPA-TU-9888S細胞のFACSプロファイルを示す。(図3B)CLDN18.2の高発現および中程度の発現に基づいてFACSで選別したPA-TU-8988S細胞のFACSプロファイルを示す。
図4】PA-TU-8988S-High細胞(図4A~D)およびhuCLDN18.2を発現するHEK-293T細胞(図4E~H)におけるフローサイトメトリーによる力価測定アッセイを示す。
【実施例
【0055】
実施例1:Fab断片のヒト化
モノクローナル抗体をヒト化する技術は既に十分に確立されている。Handbook of Therapeutic Antibodies, Second Editionには、モノクローナル抗体のヒト化(Saldanha、2014)、このような抗体を分析するためのバイオインフォマティクスツール(MartinおよびAllemn、2014)、または治療抗体の開発および製造(Jacobiら、2014)に関する十分な情報が記載されている。簡潔に述べると、IMAB362親抗体の可変ドメイン配列を分析して、この抗体の標的と最も近いタンパク質を発現するヒト生殖細胞系を見出した。次に、IMAB362親抗体の可変領域の構造分析を行って、最も良好に適合するFvモデルを見出し、インシリコモデリングによりCDR移植の構造分析を行った。このインシリコモデリングに基づいて、ヒト化されたVHドメインとVLドメインを設計した。ヒト化されたVHドメインとVLドメインの様々な組み合わせをクローニングして、これらのVHドメインとVLドメインの組み合わせをFab抗体またはIgG1抗体として製造し、ELISAおよびAlphaLISATMを用いて、CLDN18.2を発現するリポパーティクルに対する抗体の結合を分析し、かつCLDN18.1またはCLDN18.2を発現するプレB細胞株L11(Waldmeierら、2016)またはHEK293T細胞株(ATCC CRL-3216)を用いたフローサイトメトリーにより抗体の結合を分析することによって、これらの抗体をスクリーニングした。これらの試験を実施し、その結果をIMAB362親抗体と比較することによって、1組のVHドメインとVLドメインの組み合わせを選択し、scFvフォーマットのライブラリーを設計して、CDRなどをさらにヒト化した。CLDN18.2を発現するリポパーティクルを用いたELISAおよびAlphaLISATMと、CLDN18.1またはCLDN18.2を発現するプレB細胞株L11を用いたフローサイトメトリーとを実施して、作製したscFvライブラリーをさらにスクリーニングした。このようにして、IMAB362をヒト化することにより、ヒト化抗体として、hGBA-1抗体、hGBA-2抗体、hGBA-3抗体、hGBA-4抗体、hGBA-5抗体、hGBA-6抗体、hGBA-7抗体、hGBA-8抗体およびhGBA-9抗体が得られた(表3参照)。本明細書において、これらのヒト化抗体をまとめてhGBA抗体と呼ぶ。
【表3】
【0056】
以下の実施例2~4に記載の抗体は、重鎖のC末端にRLPXTGGタグ(配列番号143)を含み、かつ/または軽鎖のC末端にGGGGSLPXTGGタグ(配列番号144)を含むように組換えたものである(ここで、Xは20種の天然のアミノ酸のいずれかである)。これらの抗体において、重鎖のC末端リシン(K)は、このタグのアルギニン(R)で置換されていた。これらのタグを付加しても、各抗体のCLDN18.2に対する親和性と選択性に変化は認められなかった。
【0057】
実施例2:ヒト化モノクローナル抗体のFACS結合分析
HEK293T細胞株(ATCC CRL-3216)は、CLDN18.1やCLDN18.2を内因性に発現しない。このため、このHEK293T細胞株においてCLDN18.1またはCLDN18.2を過剰発現させて、抗体の結合活性を試験した。具体的には、トランスポゼース発現コンストラクト(pcDNA3.1-hy-mPB)と、huCLDN18.1の全長を含むトランスポゾンコンストラクト(pPB-Puro-huCldn18.1)またはhuCLDN18.2の全長を含むトランスポゾンコンストラクト(pPB-Puro-huCldn18.2)と、ピューロマイシン発現カセットと、トランスフェクションコントロールとしてのEGFP含有コンストラクト(pEGFP-N3)とを、エレクトロポレーションによりHEK293T細胞に同時にトランスフェクトした。トランスフェクション後、湿潤インキュベーター内において5%CO2雰囲気下の増殖培地中で細胞を37℃で2日間回復させた。フローサイトメトリーでEGFPの発現を分析することによって、トランスフェクションを確認した。次に、1μg/mlのピューロマイシンを培養物中に添加することによって、huCLDN18.1またはhuCLDN18.2を発現する細胞を選択し、選択した細胞をさらに増殖させて、10%DMSOを含むFCS中の凍結ストックを作製した。トランスフェクトしたHEK293T細胞におけるhuCLDN18.2の発現はFACSで分析した。簡潔に述べると、HEK293T細胞をトリプシン処理して遠心分離で回収した後、2%FCSを含むPBS中に再懸濁し、一次抗体として2μg/mlのIMAB362を加えてhuCLDN18.2を氷上で30分間染色した。2%FCSを含むPBSで細胞を洗浄した後、二次抗体としてPE標識抗ヒトFcγ特異的IgGヤギ抗体(eBioscience)を加えて氷上で30分間染色した。染色した細胞を再度洗浄した後、氷冷FACSバッファー中に再懸濁し、FACSCaliburTM装置で分析した(図1A参照)。トランスフェクトしていないことからCLDN18.2を発現しない親細胞を陰性対照として使用した。CLDN18.1の発現の分析は、CLDN18.1およびCLDN18.2を認識する市販のpan-CLDN18抗体を使用して同様の方法で行った。フローサイトメトリー測定用のpan-CLDN18抗体であれば適切に使用することができ、このようなpan-CLDN18抗体として、例えば、OriGene Technologies社から市販されている抗クローディン18/CLDN18(C末端)抗体(カタログNo.AP50944PUN)、MyBioSource社から市販されているCLDN18(C末端)ウサギポリクローナル抗体(カタログNo.MBS8555451)、またはProSci社から市販されているCLDN18抗体(カタログNo.63-847)が挙げられる。
【0058】
huCLDN18.1またはhuCLDN18.2を安定に発現するHEK293T細胞を最終的に選択し、この細胞を使用して、huCLDN18.1には結合しないがCLDN18.2には結合するという結合特異性について、ヒト化抗体であるhGBA-1、hGBA-2、hGBA-3、hGBA-4、hGBA-5、hGBA-6、hGBA-7、hGBA-8およびhGBA-9を試験した。2μg/mlの各抗体を使用して細胞を氷上で30分間染色し、FACSバッファー(2%FCSを含むPBS)で洗浄してから、二次抗体としてのPE標識抗ヒトFcγ特異的IgGヤギ抗体(eBioscience)で細胞を氷上で30分間染色した。huCLDN18.1を安定に発現するHEK293T細胞におけるCLDN18.1の発現は、pan-CLDN18抗体で確認し(図1のパネルL参照)、huCLDN18.2を安定に発現するHEK293T細胞におけるCLDN18.2の発現は、IMAB362抗体で確認した(図1のパネルA参照)。図1から、いずれのヒト化抗体も、HEK293T細胞において発現されたhuCLDN18.2に特異的に結合するが、huCLDN18.1には結合しないことが示された。さらに、これらのヒト化抗体は、親抗体のIMAB362よりも強力にhuCLDN18.2に結合することが示された。
【0059】
実施例3:ELISAによるヒト化モノクローナル抗体の結合分析
CLDN18.2を含むリポパーティクルを抗原の供給源として使用して、CLDN18.2に対するヒト化抗体(hGBA)の結合親和性をELISAアッセイで試験した。最終濃度が10U/mlになるように、CLDN18.2リポパーティクルまたは(抗原を含まない陰性対照としての)ヌルリポパーティクルで96ウェルプレートをコーティングした。0.05% Tween-20を含むPBS(PBS-T)でプレートを洗浄し、3%BSAを含むPBS-Tを用いて37℃で少なくとも1時間ブロッキングし、1%BSAを含むPBS-Tで各hGBA抗体またはIMAB362抗体を2μg/mlの出発濃度から1:3の割合で段階希釈して、コーティングした各ウェルに加え、37℃で少なくとも1時間インキュベートした。次に、1%BSAを含むPBS-Tで希釈したHRP標識ヤギ抗ヒト二次抗体を結合させた後、ペルオキシダーゼ基質としてのSigma-Fast OPDを用いて発色させ、2M H2SO4を加えて反応を停止させ、ELISAプレートリーダーを用いて490nmで吸光度を読み取ることによって、プレートに結合した抗体を検出した。代表的な結合曲線を図2に示す。驚くべきことに、図2に示した結合曲線において、いずれのヒト化抗体(hGBA-1~hGBA-9)でも最大結合値がIMAB362よりも高かったことから、これらのヒト化抗体(hGBA-1~hGBA-9)は、IMAB362よりも高い親和性でCLDN18.2リポパーティクルに結合することが示された。
【0060】
実施例4:HEK293T細胞およびPA-TU-8988-High細胞におけるフローサイトメトリーによる力価測定
CLDN18.2を高発現するPA-TU-8988S細胞(Creative Bioarray、カタログNo.CSC-C0326)をFACSで選択した。本明細書において、この選択した細胞をPA-TU-8988S-High細胞と呼ぶ。具体的には、IMAB362抗体を用いてPA-TU-8988S細胞集団を染色し、FACSで分析したところ、CLDN18.2の高発現と中程度の発現が示された(図3A参照)。より均質な細胞集団を得るため、PA-TU-8988S細胞をFACSで選別して、CLDN18.2を高発現する細胞のみを選択した。簡潔に述べると、FACSバッファー(2%FCSを含むPBS)中にPA-TU-8988S細胞を懸濁し、2μg/mlのIMAB362を加えて氷上で30分間インキュベートした。FACSバッファーで洗浄後、PE標識Fcγ特異的ヤギIgG抗ヒト二次抗体(eBioscience)を加えて細胞を氷上で30分間インキュベートした。洗浄後、染色した細胞をFACSバッファー中に再懸濁し、FACSAriaTM装置で分析して選別することによって、CLDN18.2高発現細胞(図3B)からCLDN18.2を中程度に発現する細胞(図3B)を取り除いた。選別後、回収したPA-TU-8988S-High細胞を増殖培地中に再懸濁し、増殖培地中で増殖させ、分割試料を液体窒素中で凍結保存した。
【0061】
CLDN18.2に対する各抗体の親和性を定量するため、96ウェルプレートに入れたFCバッファー(2%FCSを含むPBS)中に、CLDN18.2を過剰発現するHEK293T細胞またはPA-TU-8988-High細胞を250×103個/ウェルの密度で播種し、遠心分離して沈殿させた。IMAB362抗体および試験対象の各hGBA抗体を4μg/mlに希釈した後、1:4の割合で段階希釈し、プレートに播種した細胞に加え、4℃で30分間インキュベートした。FACSバッファーで洗浄した後、二次抗体としてのPE標識抗ヒトIgG抗体を細胞に加え、4℃でさらに30分間インキュベートし、FCバッファーで再度洗浄した。100μlのFCバッファー中に細胞を再懸濁し、FACSCaliburTMセルアナライザー(BDバイオサイエンス、米国)で測定した。フローサイトメトリー分析の結果(図4および表4参照)、いずれの細胞株においても、(試験した新規抗体の最大MFI値がIMAB362抗体の最大MFI値よりも高かったことから(表4参照))各hGBA抗体のCLDN18.2に対する結合親和性はIMAB362抗体よりも強力であることが示された。また、各hGBA抗体の結合親和性は、hGBA抗体間で同程度であるが、親抗体のIMAB362よりも有意に高いことが示された。
【表4】
【0062】
以下の実施形態により本発明をさらに説明する。
【0063】
1.CLDN18.2に結合する抗体またはその断片であって、配列番号1のHCDR1配列、配列番号2のHCDR2配列および配列番号3のHCDR3配列と、配列番号4のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号6のLCDR3配列とを含む、抗体またはその断片。
【0064】
2.
a.配列番号7のHCDR1配列、配列番号9のHCDR2配列および配列番号18のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
b.配列番号7のHCDR1配列、配列番号10のHCDR2配列および配列番号19のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
c.配列番号7のHCDR1配列、配列番号10のHCDR2配列および配列番号20のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号30のLCDR3配列;
d.配列番号7のHCDR1配列、配列番号12のHCDR2配列および配列番号21のHCDR3配列と、配列番号26のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号30のLCDR3配列;
e.配列番号7のHCDR1配列、配列番号13のHCDR2配列および配列番号18のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号31のLCDR3配列;
f.配列番号8のHCDR1配列、配列番号14のHCDR2配列および配列番号22のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
g.配列番号7のHCDR1配列、配列番号15のHCDR2配列および配列番号23のHCDR3配列と、配列番号27のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;
h.配列番号7のHCDR1配列、配列番号16のHCDR2配列および配列番号23のHCDR3配列と、配列番号25のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号29のLCDR3配列;または
i.配列番号8のHCDR1配列、配列番号17のHCDR2配列および配列番号24のHCDR3配列と、配列番号28のLCDR1配列、配列番号5のLCDR2配列および配列番号31のLCDR3配列
を含む、実施形態1に記載の抗体またはその断片。
【0065】
3.
a.配列番号32のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
b.配列番号34のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
c.配列番号35のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
d.配列番号37のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
e.配列番号39のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
f.配列番号41のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
g.配列番号42のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;
h.配列番号44のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列;または
i.配列番号45のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVH配列と、
j.配列番号33のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;
k.配列番号36のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;
l.配列番号38のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;
m.配列番号40のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;
n.配列番号43のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列;または
o.配列番号46のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有するVL配列
とを含む、実施形態1および2に記載の抗体またはその断片。
【0066】
4.
a.配列番号32のVH配列;
b.配列番号34のVH配列;
c.配列番号35のVH配列;
d.配列番号37のVH配列;
e.配列番号39のVH配列;
f.配列番号41のVH配列;
g.配列番号42のVH配列;
h.配列番号44のVH配列;または
i.配列番号45のVH配列と、
j.配列番号33のVL配列;
k.配列番号36のVL配列;
l.配列番号38のVL配列;
m.配列番号40のVL配列;
n.配列番号43のVL配列;または
o.配列番号46のVL配列
とを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
【0067】
5.
a.配列番号32のVH配列と配列番号33のVL配列;
b.配列番号34のVH配列と配列番号33のVL配列;
c.配列番号35のVH配列と配列番号36のVL配列;
d.配列番号37のVH配列と配列番号38のVL配列;
e.配列番号39のVH配列と配列番号40のVL配列;
f.配列番号41のVH配列と配列番号33のVL配列;
g.配列番号42のVH配列と配列番号43のVL配列;
h.配列番号44のVH配列と配列番号33のVL配列;または
i.配列番号45のVH配列と配列番号46のVL配列
を含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
【0068】
6.
a.配列番号49のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
b.配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
c.配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
d.配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
e.配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
f.配列番号58のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
g.配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号60のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;
h.配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号50のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列;または
i.配列番号62のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する重鎖配列と、配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%もしくは少なくとも98%の配列同一性を有する軽鎖配列
からなる、実施形態1~5のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
【0069】
7.
a.配列番号49の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列;
b.配列番号51の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列;
c.配列番号52の重鎖配列と配列番号53の軽鎖配列;
d.配列番号54の重鎖配列と配列番号55の軽鎖配列;
e.配列番号56の重鎖配列と配列番号57の軽鎖配列;
f.配列番号58の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列;
g.配列番号59の重鎖配列と配列番号60の軽鎖配列;
h.配列番号61の重鎖配列と配列番号50の軽鎖配列;または
i.配列番号62の重鎖配列と配列番号63の軽鎖配列
からなる、実施形態1~6のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
【0070】
8.実施形態1~7のいずれか1つに記載の抗体またはその断片と競合結合する抗体またはその断片。
【0071】
9.前記抗体またはその断片のフォーマットが、IgA1、IgA2、IgD、IgE、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、合成 IgG、IgM、F(ab)2、Fv、scFv、IgGACH2、F(ab’)2、scFvCH3、Fab、VL、VH、scFv4、scFv3、scFv2、dsFv、Fv、scFv-Fc、(scFv)2、non-depleting IgG、ダイアボディおよび二価抗体、ならびにこれらのFc組換え体からなる群から選択される、実施形態1~8のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
【0072】
10.ヒト化された抗体もしくはその断片である、実施形態1~9のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
【0073】
11.単離された抗体もしくはその断片である、実施形態1~10のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
【0074】
12.CLDN18.1に結合しない抗体もしくはその断片である、実施形態1~11のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
【0075】
13.前記抗体またはその断片のCLDN18.2への結合が、IMAB362と比較して増強されている、実施形態1~12のいずれか1つに記載の抗体またはその断片。
【0076】
14.前記結合の増強を評価する指標として、CLDN18.2発現細胞において、EC50値および/またはフローサイトメトリーによる力価測定の最大MFI値が測定され、前記CLDN18.2発現細胞が、好ましくはHEK293T細胞またはPA-TU-8988-High細胞である、実施形態13に記載の抗体またはその断片。
【0077】
15.前記測定された前記抗体のEC50値が、IMAB362のEC50値よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、もしくは少なくとも75%低い、実施形態14に記載の抗体またはその断片。
【0078】
16.前記測定された前記抗体の最大MFI値が、IMAB362の最大MFI値よりも、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも40%、少なくとも50%、もしくは少なくとも75%高い、実施形態14に記載の抗体またはその断片。
【0079】
17.実施形態1~16のいずれか1つに記載の抗体またはその断片をコードする核酸。
【0080】
18.実施形態17に記載の核酸を含むベクター。
【0081】
19.実施形態17に記載の核酸または実施形態18に記載のベクターを含む宿主細胞。
【0082】
20.a.新生物疾患に罹患している対象、b.新生物疾患の発症のリスクがある対象、および/またはc.新生物疾患を有すると診断された対象の治療に使用するための、実施形態1~16のいずれか1つに記載の抗体もしくはその断片、実施形態17に記載の核酸、実施形態18に記載のベクターまたは実施形態19に記載の宿主細胞。
【0083】
21.前記新生物疾患が、膵臓がん、胃がん、食道がん、卵巣がんおよび肺がんからなる群から選択される、実施形態20に記載の抗体またはその断片。
【0084】
配列
配列番号1 GYXFTSYWIG 3番目のXはTまたはSである。

配列番号2 GXIYPXXXXTXYX 2番目のXはNまたはIであり;6番目のXはSまたはGであり;7番目のXはA、EまたはDであり;8番目のXはAまたはSであり;9番目のXはYまたはDであり;11番目のXはNまたはRであり;最後のXはAまたはSである。

配列番号3 XRXWRGNSFDX 1番目のXはAまたはTであり;3番目のXはL、M、IまたはQであり;最後のXはAまたはYである。

配列番号4 KSSQSXLNSGNQKNYLX 6番目のXはLまたはVであり;最後のXはTまたはAである。

配列番号5 WASTRES

配列番号6 QXDYSYPXT 2番目のXはNまたはQであり;8番目のXはLまたはFである。

配列番号7 GYSFTSYWIG

配列番号8 GYTFTSYWIG

配列番号9 GNIYPGASDTRYA

配列番号10 GNIYPGDADTRYA

配列番号11 GIIYPGASDTNYA

配列番号12 GIIYPGDAYTRYS

配列番号13 GIIYPGAAYTRYA

配列番号14 GNIYPGASYTRYS

配列番号15 GNIYPGEAYTRYS

配列番号16 GNIYPSESYTNYA

配列番号17 GIIYPSAAYTRYA

配列番号18 ARLWRGNSFDY

配列番号19 ARMWRGNSFDY

配列番号20 ARIWRGNSFDY

配列番号21 TRLWRGNSFDA

配列番号22 TRQWRGNSFDY

配列番号23 TRLWRGNSFDY

配列番号24 TRMWRGNSFDY

配列番号25 KSSQSLLNSGNQKNYLA

配列番号26 KSSQSLLNSGNQKNYLT

配列番号27 KSSQSVLNSGNQKNYLT

配列番号28 KSSQSVLNSGNQKNYLA

配列番号29 QNDYSYPFT

配列番号30 QNDYSYPLT

配列番号31 QQDYSYPFT

配列番号32 hGBA-1 重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPGASDTRYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARLWRGNSFDYWGQGTLVTVSS

配列番号33 hGBA-1, hGBA-2, hGBA-6 , hGBA-8 軽鎖可変領域
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPFTFGQGTKVEIK

配列番号34 hGBA-2 重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPGDADTRYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARMWRGNSFDYWGQGTLVTVSS

配列番号35 hGBA-3 重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGASDTNYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARIWRGNSFDYWGQGTLVTVSS

配列番号36 hGBA-3 軽鎖可変領域
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPLTFGQGTKVEIK

配列番号37 hGBA-4 重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDAYTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRLWRGNSFDAWGQGTLVTVSS

配列番号38 hGBA-4 軽鎖可変領域
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPLTFGQGTKVEIK

配列番号39 hGBA-5 重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGAAYTRYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARLWRGNSFDYWGQGTLVTVSS

配列番号40 hGBA-5 軽鎖可変領域
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQDYSYPFTFGQGTKVEIK

配列番号41 hGBA-6 重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYTFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPGASYTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRQWRGNSFDYWGQGTLVTVSS

配列番号42 hGBA-7 重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPGEAYTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRLWRGNSFDYWGQGTLVTVSS

配列番号43 hGBA-7 軽鎖可変領域
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSVLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPFTFGQGTKVEIK

配列番号44 hGBA-8 重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPSESYTNYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRLWRGNSFDYWGQGTLVTVSS

配列番号45 hGBA-9 重鎖可変領域
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYTFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPSAAYTRYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRMWRGNSFDYWGQGTLVTVSS

配列番号46 hGBA-9 軽鎖可変領域
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSVLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQDYSYPFTFGQGTKVEIK

配列番号47 IMAB362 重鎖の全長
QVQLQQPGAELVRPGASVKLSCKASGYTFTSYWINWVKQRPGQGLEWIGNIYPSDSYTNYNQKFKDKATLTVDKSSSTAYMQLSSPTSEDSAVYYCTRSWRGNSFDYWGQGTTLTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号48 IMAB362 軽鎖の全長
DIVMTQSPSSLTVTAGEKVTMSCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAVYYCQNDYSYPFTFGSGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号49 hGBA-1 重鎖の全長
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPGASDTRYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARLWRGNSFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号50 hGBA-1, hGBA-2, hGBA-6, hGBA-8 軽鎖の全長
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPFTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号51 hGBA-2 重鎖の全長
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPGDADTRYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARMWRGNSFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号52 hGBA-3 重鎖の全長
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGASDTNYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARIWRGNSFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号53 hGBA-3 軽鎖の全長
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号54 hGBA-4 重鎖の全長
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGDAYTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRLWRGNSFDAWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号55 hGBA-4 軽鎖の全長
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPLTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号56 hGBA-5 重鎖の全長
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPGAAYTRYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCARLWRGNSFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号57 hGBA-5 軽鎖の全長
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSLLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQDYSYPFTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号58 hGBA-6 重鎖の全長
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYTFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPGASYTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRQWRGNSFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号59 hGBA-7 重鎖の全長
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPGEAYTRYSPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRLWRGNSFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号60 hGBA-7 軽鎖の全長
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSVLNSGNQKNYLTWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQNDYSYPFTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号61 hGBA-8 重鎖の全長
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYSFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGNIYPSESYTNYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRLWRGNSFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号62 hGBA-9 重鎖の全長
EVQLVQSGAEVKKPGESLKISCKGSGYTFTSYWIGWVRQMPGKGLEWMGIIYPSAAYTRYAPSFQGQVTISADKSISTAYLQWSSLKASDTAMYYCTRMWRGNSFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号63 hGBA-9 軽鎖の全長
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSVLNSGNQKNYLAWYQQKPGQPPKLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQDYSYPFTFGQGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号64 重鎖定常領域 - CH1+Fcドメイン
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号65
RTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC

配列番号66
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号67
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALGAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK

配列番号68 DQWSTQDLYN

配列番号69 NNPVTAVFNYQ

配列番号70 STQDLYNNPVTAVF

配列番号71 TNFWMSTANMYTG

配列番号72 ALMIVGIVLGAIGLLV

配列番号73 RIGSMEDSAKANMTLTSGIMFIVS

配列番号74
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDAAQPARRARRTKLGTELGSTPVWWNSADGRMDQWSTQDLYNNPVTAVFNYQGLWRSCVRESSGFTECRGYFTLLGLPAMLQAVRAAIQHSGGRSRRARTKTHLRRGSE

配列番号75 MDQWSTQDLYNNPVT

配列番号76 LYNNPVTAVFNYQGL

配列番号77 VFNYQGLWRSCVRES

配列番号78 QGLWRSCVRESSGFT

配列番号79 RSCVRESSGFTECRG

配列番号80 TEDEVQSYPSKHDYV

配列番号81 EVQSYPSKHDYV

配列番号82 IMAB362の重鎖CDR1を含むコンセンサス配列

GYXFTSYWIX 3番目のXはTまたはSであり、最後のXはGまたはNである。

配列番号83 IMAB362の重鎖CDR2を含むコンセンサス配列

GXIYPXXXXTXYX 2番目のXはNまたはIであり;6番目のXはSまたはGであり;7番目のXはA、EまたはDであり;8番目のXはAまたはSであり;9番目のXはYまたはDであり;11番目のXはNまたはRであり;最後のXはA、NまたはSである。

配列番号84 IMAB362の重鎖CDR3を含むコンセンサス配列

XRXWRGNSFDX 1番目のXはAまたはTであり;3番目のXはL、M、I、SまたはQであり;最後のXはAまたはYである。

配列番号85 ggctatagctttacatcatattggattgga

配列番号86 gggaacatttaccctggggcatcggatacgcgatacgca

配列番号87 gcgagactttggcgggggaatagcttcgactac

配列番号88 aaaagctcccaaagcctattgaactcgggaaaccaaaagaattacttggca

配列番号89 tgggcaagcacccgagagagc

配列番号90 caaaacgactattcatacccattcaca

配列番号91 ggatattcatttacaagctactggatcgga

配列番号92 ggaaatatataccccggagacgcggacacgagatacgca

配列番号93 gcgcggatgtggcgcggcaatagctttgactac

配列番号94 gggatcatctatccgggggcatccgataccaactatgcg

配列番号95 gctaggatttggcgaggaaatagctttgattat

配列番号96 aagagctcgcaaagtttgctgaactccgggaaccaaaagaattacctggca

配列番号97 tgggcatcaacgcgggaaagc

配列番号98 caaaacgactactcctatccgctgacc

配列番号99 ggatactcatttacatcatactggatagga

配列番号100 gggattatataccccggcgacgcttacactcgatattcg

配列番号101 acgaggctatggagggggaatagctttgatgcc

配列番号102 aagagctcccaaagcctattgaactcgggaaatcaaaagaattatctgaca

配列番号103 tgggcctcgacaagggagagc

配列番号104 caaaatgactactcatacccgctgaca

配列番号105 ggatatagctttacgagctactggatcgga

配列番号106 gggataatataccccggagcggcatacacgagatatgcg

配列番号107 gcgagactatggcgcgggaactcatttgattac

配列番号108 aaatcatcgcaatcattgctaaattcggggaaccaaaagaattatttggca

配列番号109 tgggcatccacgagagaatcg

配列番号110 caacaagattattcatacccatttaca

配列番号111 ggatatacatttacatcttactggatcgga

配列番号112 gggaacatttatcctggcgcgagctatacgcgctat

配列番号113 acccggcaatggaggggcaatagctttgactac

配列番号114 ggatattcctttacatcatactggatcggc

配列番号115 gggaacatatatcccggagaagcctatacgagatactcg

配列番号116 acgcgactatggaggggaaatagctttgactat

配列番号117 aagagctcccaatcagtcctgaactctgggaatcaaaagaattacctgaca

配列番号118 tgggcgagcacgagggagagc

配列番号119 caaaatgattattcataccccttcaca

配列番号120 ggatactcctttacatcatattggatcgga

配列番号121 ggaaacatatatccgagcgaatcatatacgaactacgcg

配列番号122 acgaggctatggagggggaatagcttcgactat

配列番号123 ggatatacattcacgagctactggatagga

配列番号124 ggaatcatatatccttccgcggcatatacgcgatatgcg

配列番号125 acgcggatgtggaggggaaatagctttgattac

配列番号126 aagagctcgcaatcggtcctgaatagcgggaaccaaaagaattatctggcc

配列番号127 caacaagactactcatacccatttaca

配列番号128
gaagtccaactggtccaatccggcgcggaggttaagaagcccggagaatcgctgaagatctcatgcaaagggagcggctatagctttacatcatattggattggatgggtcaggcaaatgccggggaaggggctggaatggatggggaacatttaccctggggcatcggatacgcgatacgcacctagctttcaagggcaagtcacaatttcggcggacaagagcatctcaacggcatacctgcaatggtcgagcttgaaggcatctgatactgcaatgtactactgcgcgagactttggcgggggaatagcttcgactactgggggcagggtaccctggttacggtctcgagc

配列番号129
gacattgtgatgacgcaaagccccgattcgctggctgtatcgctaggggagcgcgctacgatcaattgcaaaagctcccaaagcctattgaactcgggaaaccaaaagaattacttggcatggtatcaacaaaaaccggggcaaccgccgaagctgctgatctattgggcaagcacccgagagagcggtgtcccggaccgatttagcgggagcggatcgggcaccgacttcacgctgacaataagctcattgcaagccgaggatgtggcggtctattattgccaaaacgactattcatacccattcacattcgggcaaggtaccaaggtcgagatcaag

配列番号130
gaagtccaactggtccaatctggagcggaagtcaagaagcctggggagagcctgaaaatttcatgcaaggggagcggatattcatttacaagctactggatcggatgggtccggcaaatgccggggaagggcttggaatggatgggaaatatataccccggagacgcggacacgagatacgcaccgagctttcaagggcaggtcaccattagcgctgataaatcgatttcaaccgcatatctgcaatggtcatcgctgaaggcctccgacaccgcgatgtactattgcgcgcggatgtggcgcggcaatagctttgactactgggggcagggtaccctcgtcacggtctcgagc

配列番号131
gaggtccaactggtccaaagcggcgcggaggtcaagaagccgggagaatccctgaagattagctgcaaaggctccggctatagctttacatcatattggatcggatgggtcagacaaatgccgggaaagggacttgaatggatggggatcatctatccgggggcatccgataccaactatgcgccgagcttccaagggcaggtcacgatatccgcggataaatcgattagcaccgcatatctgcaatggagctcgctgaaggcatccgacaccgcgatgtactactgcgctaggatttggcgaggaaatagctttgattattgggggcagggtacccttgtcacggtctcgagc

配列番号132
gacattgtcatgacgcaaagccccgactcgctggccgtctcactgggggagcgggcgacaatcaactgcaagagctcgcaaagtttgctgaactccgggaaccaaaagaattacctggcatggtatcaacaaaagccggggcaacccccgaagctgctgatatattgggcatcaacgcgggaaagcggagtcccggatagatttagcggatctggatcggggaccgacttcacgctgacgatatctagccttcaagccgaggatgtggctgtatattattgccaaaacgactactcctatccgctgaccttcgggcaaggtaccaaggtcgagatcaag

配列番号133
gaagtccaactagtccaaagcggagccgaagtcaagaaaccgggggagagccttaagatctcatgcaaggggagcggatactcatttacatcatactggataggatgggtcagacaaatgcccggcaaggggctggaatggatggggattatataccccggcgacgcttacactcgatattcgccatcattccaagggcaggtcacgatatcggccgataaatcgatatccacggcatacctgcaatggagctcactgaaagcatctgatacggcaatgtattattgcacgaggctatggagggggaatagctttgatgcctgggggcagggtaccctggtcacggtctcgagc

配列番号134
gacatagttatgacacaatcgccggatagcctcgcggtcagccttggagagcgggcgacgatcaactgcaagagctcccaaagcctattgaactcgggaaatcaaaagaattatctgacatggtatcaacaaaagccggggcaaccaccgaaactgctgatctattgggcctcgacaagggagagcggagtcccggaccgcttctctggatcgggaagcgggactgacttcacgctgaccataagctcgctgcaagccgaggacgtcgccgtctattattgccaaaatgactactcatacccgctgacatttggccaaggtaccaaggtcgagatcaag

配列番号135
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配列番号136
gacattgtcatgacgcaaagcccggatagcctggctgtatcgctgggggagagagcgacgatcaactgcaaatcatcgcaatcattgctaaattcggggaaccaaaagaattatttggcatggtatcaacaaaagccggggcaaccgccgaaactgctgatttactgggcatccacgagagaatcgggagtcccggaccgatttagcggatctgggagcgggaccgatttcacgctgaccattagctcgctgcaagcggaggatgtggcggtctattactgccaacaagattattcatacccatttacatttgggcaaggtaccaaggtcgagatcaag

配列番号137
gaagtacaattggttcaatcgggggccgaagtcaagaagccgggggaatcgctgaagatatcctgcaaggggagcggatatacatttacatcttactggatcggatgggtcagacaaatgcccggaaaggggcttgaatggatggggaacatttatcctggcgcgagctatacgcgctatagcccgagcttccaagggcaggtcacgattagcgccgacaagagcatttcgacggcatacctgcaatggagctcgctgaaagcatcggatacggcaatgtattactgcacccggcaatggaggggcaatagctttgactactgggggcagggtaccctagtcacggtctcgagc

配列番号138
gaagttcaattggtccaatctggagccgaagtcaagaagcccggagaatcgctgaagattagctgcaaggggagcggatattcctttacatcatactggatcggctgggtcagacaaatgcccggaaagggactggaatggatggggaacatatatcccggagaagcctatacgagatactcgccatcatttcaaggacaggtcaccataagcgcggacaagagcataagcaccgcatacctgcaatggagctcgctgaaggcatcggacaccgccatgtattactgcacgcgactatggaggggaaatagctttgactattgggggcagggtaccttagtcacggtctcgagc

配列番号139
gatatagtaatgactcaatcacccgatagcttggctgtgagcctgggagaaagagctacaatcaactgcaagagctcccaatcagtcctgaactctgggaatcaaaagaattacctgacatggtatcaacaaaagcccggacaaccgccgaagctgctgatctactgggcgagcacgagggagagcggagtcccggatcgattttctggctccgggagcggaaccgacttcacactgactattagctcgctgcaagcggaggacgtcgccgtctactattgccaaaatgattattcataccccttcacatttgggcaaggtaccaaggtcgagatcaag

配列番号140
gaggtgcaactagtgcaatcgggggccgaagtgaagaaacctggggaatcgctgaagatatcatgcaaggggagcggatactcctttacatcatattggatcggatgggtcaggcaaatgccggggaaggggctggaatggatgggaaacatatatccgagcgaatcatatacgaactacgcgccgagctttcaaggacaagtcacgatatccgcggataaatcgatatcgaccgcatacctgcaatggagctcgctgaaggcttccgacactgcgatgtattactgcacgaggctatggagggggaatagcttcgactattgggggcagggtaccctggtgacggtctcgagc

配列番号141
gaagtccaattagtccaatcgggggccgaggtcaagaagccgggggaatcgctcaagataagctgcaagggatcgggatatacattcacgagctactggataggatgggtcaggcaaatgccggggaaggggctggaatggatgggaatcatatatccttccgcggcatatacgcgatatgcgccatcatttcaaggacaggtcacgataagcgccgacaagagcattagcaccgcatacctgcaatggtcgagccttaaggcatcggacaccgcgatgtactactgcacgcggatgtggaggggaaatagctttgattactgggggcagggtaccctagtcacggtctcgagc

配列番号142
gacatcgtcatgacgcaaagcccggactcgctggcggtctcgctgggggagcgggccacaataaattgcaagagctcgcaatcggtcctgaatagcgggaaccaaaagaattatctggcctggtatcaacaaaagccggggcaaccaccgaagctgctaatctattgggcgagcacgagggagagcggagtccccgatcgatttagcggatcgggaagcgggaccgatttcacgctgacgatttcgagcctacaagccgaggatgtggcggtctattactgccaacaagactactcatacccatttacatttggacaaggtaccaaggtcgagatcaag

配列番号143 ソルターゼタグ
RLPXTGG
Xは、20種の天然のアミノ酸のうちのいずれかである。

配列番号144 ソルターゼタグ
GGGGSLPXTGG
Xは、20種の天然のアミノ酸のうちのいずれかである。
【0085】
参考文献
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図1A-1】
図1A-2】
図1A-3】
図1A-4】
図1A-5】
図1A-6】
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
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図4E
図4F
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【配列表】
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