(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20250228BHJP
B65D 51/32 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
A45D34/04 515Z
B65D51/32
(21)【出願番号】P 2023147698
(22)【出願日】2023-09-12
(62)【分割の表示】P 2019158537の分割
【原出願日】2019-08-30
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】立藏 亮
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-000913(JP,U)
【文献】特表2004-513693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
B65D 51/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方を開放した口部を有し、該口部につながる収容空間に内容液を収容可能な容器本体と、
前記口部を覆う天壁と、前記口部に螺合する第一ねじ部を有するとともに、
前記天壁に形成され該口部の軸線に沿う向きに開口する挿通穴と該軸線に沿って延在する溝部とを有する装着体と、
前記装着体に対して前記軸線を周回する向きに回転可能に取り付けられ、前記溝部の外側に第二ねじ部を有するキャップと、
前記軸線に沿って延在するとともに前記挿通穴に挿通され、下端部に前記内容液を塗布するための塗布具が設けられ、上端部に前記溝部を経由して前記第二ねじ部に螺合する突起が設けられた軸体と、
環状をなし、前記軸体に挿通され
たOリングによって構成され、該軸体の外周面に摺動可能、且つ液密に当接するシール部材と、
概略リング状をなし、前記天壁の下方で前記シール部材を保持して前記装着体に保持されるホルダーと、を備え、
前記ホルダーには、該ホルダーの径方向内側の上部に環状凹部が設けられており、
前記シール部材は、前記環状凹部に収まるように、前記軸体の径方向及び前記軸体の延在方向に沿って前記ホルダーに保持され、
前記口部に前記装着体が装着された状態で前記キャップを回転させると、前記軸体が前記軸線に沿って該キャップに向けて移動し、該装着体が回転して前記第一ねじ部と該口部との螺合が解除される塗布容器。
【請求項2】
前記第二ねじ部のピッチは、前記第一ねじ部のピッチよりも大きい、請求項1に記載の塗布容器。
【請求項3】
前記装着体の外周壁は、前記キャップの外側周壁に取り囲まれるものである請求項1又は2に記載の塗布容器。
【請求項4】
前記装着体の外周壁と前記キャップの外側周壁は、ともに外界に対して露出するものである請求項1又は2に記載の塗布容器。
【請求項5】
前記キャップは、前記装着体に対して抜け止されるとともに前記軸線を周回する向きに回転可能に取り付けられるキャップ本体と、前記溝部の外側に位置し内周面に前記第二ねじ部を有するとともに該キャップ本体に対して回転不能に取り付けられる筒状体とを備える請求項1~4の何れか一項に記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容液を塗布するための塗布具を備える塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばマニキュアやペディキュア、液状リップクリーム、マスカラ等の内容液を収容する容器においては、内容液を爪や唇等に塗布するための塗布具を備えた塗布容器が既知である。
【0003】
このような塗布容器は、特許文献1、2に示されているように、容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップに軸部が設けられ、この軸部の先端に塗布具が設けられている仕様が一般的である。ここで軸部は、容器本体に収容した内容液の量が少なくなってもキャップを閉めた際には塗布具に内容液が付着するように、容器本体の底部に塗布具が届く程度の長さで長尺状に形作られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-30822号公報
【文献】特開2003-175961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで軸部が長くなると、指でキャップを摘まむ部分と軸部の先端に設けた塗布具との距離が離れることになる。このため、塗布具を狙ったとおりに動かすことが難しくなり、内容液の塗布が意図した通りに行えないことがあった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決することを課題とするものであって、容器本体にキャップを取り付けた際には従来のように内容液を塗布具に付着させることが可能であり、また塗布具で内容液を塗布する作業が従来に比して行い易くなる塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上方を開放した口部を有し、該口部につながる収容空間に内容液を収容可能な容器本体と、
前記口部を覆う天壁と、前記口部に螺合する第一ねじ部を有するとともに、前記天壁に形成され該口部の軸線に沿う向きに開口する挿通穴と該軸線に沿って延在する溝部とを有する装着体と、
前記装着体に対して前記軸線を周回する向きに回転可能に取り付けられ、前記溝部の外側に第二ねじ部を有するキャップと、
前記軸線に沿って延在するとともに前記挿通穴に挿通され、下端部に前記内容液を塗布するための塗布具が設けられ、上端部に前記溝部を経由して前記第二ねじ部に螺合する突起が設けられた軸体と、
環状をなし、前記軸体に挿通されたOリングによって構成され、該軸体の外周面に摺動可能、且つ液密に当接するシール部材と、
概略リング状をなし、前記天壁の下方で前記シール部材を保持して前記装着体に保持されるホルダーと、を備え、
前記ホルダーには、該ホルダーの径方向内側の上部に環状凹部が設けられており、
前記シール部材は、前記環状凹部に収まるように、前記軸体の径方向及び前記軸体の延在方向に沿って前記ホルダーに保持され、
前記口部に前記装着体が装着された状態で前記キャップを回転させると、前記軸体が前記軸線に沿って該キャップに向けて移動し、該装着体が回転して前記第一ねじ部と該口部との螺合が解除される塗布容器である。
【0008】
前記第二ねじ部のピッチは、前記第一ねじ部のピッチよりも大きいことが好ましい。
【0009】
前記装着体の外周壁は、前記キャップの外側周壁に取り囲まれることが好ましい。
【0010】
前記装着体の外周壁と前記キャップの外側周壁は、ともに外界に対して露出することが好ましい。
【0011】
前記キャップは、前記装着体に対して抜け止されるとともに前記軸線を周回する向きに回転可能に取り付けられるキャップ本体と、前記溝部の外側に位置し内周面に前記第二ねじ部を有するとともに該キャップ本体に対して回転不能に取り付けられる筒状体とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の塗布容器によれば、容器本体の口部に装着体等が装着された状態においては、軸体の下端部に設けた塗布具によって、内容液が少なくなっても従来と同様に塗布具に内容液を付着させることができる。そして、容器本体の口部に装着体が装着された状態でキャップを回転させると、下端部に塗布具を設けた軸体がキャップに向けて移動し、また装着体が回転して第一ねじ部と口部との螺合が解除される。すなわち、容器本体からキャップを取り外した状態においては、軸体がキャップに向けて移動して、キャップを指で摘まむ部分と塗布具とが近づいた状態になっているため、塗布具で内容液を塗布する作業も行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に従う塗布容器の第一実施形態を示した側面視での断面図と、図中A-Aで示した部位の断面図である。
【
図2】
図1に示した塗布容器において、キャップを回転させて軸体が上方に向けて移動した状態を示す図である。
【
図3】
図2の状態から更にキャップを回転させて、装着体の第一ねじ部と口部との螺合が解除される状態を示す図である。
【
図4】取り外したキャップ等の断面図と、このキャップ等で内容液を塗布する状況について説明するための図である。
【
図5】本発明に従う塗布容器の第二実施形態を示した側面視での断面図である。
【
図6】
図5に示した塗布容器において、キャップを回転させて軸体が上方に向けて移動した状態を示す図である。
【
図7】
図6の状態から更にキャップを回転させて、装着体の第一ねじ部と口部との螺合が解除される状態を示す図である。
【
図8】(a)は取り外した直後のキャップ等の断面図であって、(b)は装着体に対してキャップを回転させてキャップに対する軸体の長さを調整する状況について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明に従う塗布容器の第一実施形態(塗布容器100)について説明する。なお、本明細書等において、「上」方向、「下」方向とは、
図1に示すように塗布容器100を正立姿勢にした状態(容器本体(符号1)が下方に位置し、キャップ本体(符号6)が上方に位置する状態)での向きをいう。
【0015】
本実施形態の塗布容器100は、容器本体1と、装着体2と、ホルダー3と、シール部材4と、パッキン5と、キャップ本体6と、筒状体7と、軸体8と、塗布具9とを備えている。なお、本実施形態のキャップ本体6と筒状体7は、本発明におけるキャップを構成する部材である。
【0016】
容器本体1は、概略有底筒状をなすものであって、中央部を上方に向けて突出させた円形の底部1aと、底部1aの外縁部から上方に向けて円筒状に立ち上がるとともに上部を縮径させた胴部1bと、縮径した胴部1bから上方に向けて立ち上がり、上方を開放した円筒状の口部1cと、口部1cの外周面に設けられた雄ねじ状の口部ねじ部1dとを備えている。ここで、底部1aと胴部1bの各中心線は、口部1cにおける軸線Oと一致する。底部1a、胴部1b、口部1cによって区画された空間(収容空間S)には、例えばマニキュアやマスカラ等の内容液を収容することが可能である。
【0017】
装着体2は、水平方向に延在する円板状の天壁2aと、天壁2aの外縁部から下方に向けて延在し、中心線が軸線Oと共通する円筒状の外周壁2bとを備えている。天壁2aの中心部には、軸線Oに沿う向きに開口する円形の挿通穴2cが設けられている。外周壁2bの内周面には、口部ねじ部1dに螺合する雌ねじ状の第一ねじ部2dが設けられている。外周壁2bの外周面における下部には、径方向外側に向けて突出する下部係合突起2eが設けられている。また天壁2aにおいて、挿通穴2cの径方向外側には、上方に向けて延在し、中心線が軸線Oと共通する円筒状の上部筒部2fが設けられていて(
図1におけるA-A断面を参照)、上部筒部2fには、上下方向に上部筒部2fを切り欠く溝部2gが、軸線Oを挟んで対向して設けられている。
【0018】
ホルダー3は、概略リング状をなすものであって、装着体2における天壁2aの下方において、外周壁2bに保持されている。ホルダー3における径方向内側の上部には、軸線Oを周回するように設けられた環状凹部3aが設けられている。
【0019】
シール部材4は、環状をなし、例えばゴム等の軟質材で形成されるものであって、本実施形態においてはOリングを採用している。シール部材4は、軸体8に挿通されて、環状凹部3aに収まるようにしてホルダー3に保持されている。
【0020】
パッキン5は、円環板状をなすものであり、例えばゴム等の軟質材で形成される。本実施形態のパッキン5は、装着体2に取り付けたホルダー3の下方において、装着体2の内側に嵌め込まれている。パッキン5は、
図1に示すように装着体2の口部ねじ部1dに第一ねじ部2dが螺合した状態において、口部1cとホルダー3によって上下方向に挟持されて、収容空間Sに収容した内容液の漏れ出しを防ぐとともに、外気が収容空間Sに入り込むのを防止するものである。
【0021】
キャップ本体6は、概略有蓋筒状をなすものであって、水平方向に延在する円板状の頂壁6aと、頂壁6aの外縁部から下方に向けて延在するとともに軸線Oが中心線と共通する円筒状の外側周壁6bとを備えている。外側周壁6bは、下方において装着体2の外周壁2bを取り囲んでいて、外周壁2bに対して回転することができる。また外側周壁6bの内周面には、
図1における部分拡大図に示すように、下部係合突起2eに係合して装着体2に対してキャップ本体6を抜け止め保持する内向き爪部6cが設けられている。
【0022】
筒状体7は、軸線Oを中心線とする円筒状に形作られるものであって、外側周壁6bの内側で、且つ装着体2における上部筒部2fの外側に設けられる。筒状体7は、上部筒部2fに対して回転可能に設けられる。なお、筒状体7の外周面と外側周壁6bの内周面には、上下方向に延在するとともに互いに係合する縦溝が設けられていて、筒状体7は、キャップ本体6に対して回転不能に取り付けられる。また筒状体7の内周面には、雌ねじ状に形成される第二ねじ部7aが設けられている。本実施形態における第二ねじ部7aは2条ねじとして設けられているが、3条以上のねじでもよいし、1条ねじでもよい。また図示したように第二ねじ部7aのピッチは、装着体2に設けた雌ねじ状の第一ねじ部2dのピッチよりも大きくなっている。
【0023】
軸体8は、円柱状をなし、軸線Oに沿って延在して、装着体2の挿通穴2cに挿通されるものである。この状態において軸体8は、シール部材4も挿通している。なおシール部材4は、軸体8の外周面に摺動可能、且つ液密に当接していて、収容空間Sの内容液が軸体8の外周面を伝って漏れるのを防止している。
【0024】
軸体8の下端部には、
図1に示すように装着体2の口部ねじ部1dに第一ねじ部2dが螺合した状態において、容器本体1における底部1aの近傍に位置する塗布具9が取り付けられている。塗布具9は、内容液を塗布するために使用されるものであって、内容液の種類や塗布先等に応じて、例えば筆状、刷毛状、ブラシ状に形成されるものである。
【0025】
そして軸体8の上端部には、径方向外側に向けて突出する一対の突起8aが設けられている。対をなす突起8aは、
図1におけるA-A断面に示すように、上部筒部2fに設けた一対の溝部2gをそれぞれ経由して、2条ねじとなる第二ねじ部7aのそれぞれのねじ溝に螺合している。
【0026】
このような形態になる塗布容器100において、内容液を塗布するにあたっては、
図2に示すように、容器本体1に対してキャップ本体6を回転させる。ここでキャップ本体6の外側周壁6bは、装着体2の外周壁2bに対して回転可能であるため、容器本体1に装着された装着体2を残してキャップ本体6を回転させることができる。ここでキャップ本体6の内側に設けた筒状体7は、キャップ本体6に対して回転不能に取り付けられているため、キャップ本体6とともに筒状体7も回転する。なお、筒状体7の内側に配置されている軸体8が備える突起8aは、上下方向に延在する溝部2gに収まっているとともに、第二ねじ部7aにも螺合している。このため、キャップ本体6とともに筒状体7が回転すると、軸体8は、突起8aが第二ねじ部7aに導かれて溝部2gに沿って上昇する。そしてキャップ本体6の回転を継続すると、
図2に示すように、軸体8の上端部がキャップ本体6の頂壁6aに押し当たる。
【0027】
キャップ本体6の頂壁6aに押し当たった軸体8は、それ以上は上昇できないため、キャップ本体6とともに回転する。ここで、軸体8に設けた突起8aは、装着体2の溝部2gに収まっているため、キャップ本体6とともに軸体8が回転すると、装着体2も一緒に回転する。このため、
図3に示すように装着体2の第一ねじ部2dと容器本体1の口部ねじ部1dとの螺合が解除され、装着体2とともにキャップ本体6等を容器本体1から取り外すことができる。
【0028】
容器本体1から取り外したキャップ本体6等は、
図4に示すように、軸体8の上端部がキャップ本体6の頂壁6aに向けて移動していて、塗布具9はキャップ本体6に近い位置にある。すなわち、キャップ本体6を持つ指の近くに塗布具9が位置することになるため、内容液を塗布する作業が行いやすくなる。
【0029】
なお、容器本体1と装着体2との間に作用する抵抗が小さい場合は、容器本体1に対してキャップ本体6を回転させた際、軸体8が上昇するよりも先に第一ねじ部2dと口部ねじ部1dとの螺合が緩んで装着体2が容器本体1から外れる可能性があるが、本実施形態においては、容器本体1と装着体2との間に作用する抵抗に比して、筒状体7や軸体8に作用する抵抗を小さくしているため、上記のように、軸体8を優先して上昇させることができる。また本実施形態においては、第二ねじ部7aのピッチが第一ねじ部2dのピッチよりも大きいため、第二ねじ部7aと突起8aとの間に作用する抵抗が、第一ねじ部2dと口部ねじ部1dとの間に生じる抵抗よりも小さくなる。このため、軸体8を優先して上昇させる作用が、より確実なものとなる。また第二ねじ部7aのピッチが第一ねじ部2dのピッチよりも大きいことによって、装着体2が容器本体1に対して上昇する速度に比して、軸体8はより素早く上昇する。このため、
図4に示すように容器本体1から取り外した際に塗布具9がキャップ本体6に近い位置にある状態が、より確実に実現される。
【0030】
上記の塗布容器100は、種々の変更を加えることが可能である。例えば本実施形態のキャップ本体6と筒状体7は、金型等の構成を考慮して別異の部材としているが、形状等によってはこれらを一体的に形成することも可能である。また、口部ねじ部1dを雄ねじ状に形成するとともに第一ねじ部2dを雌ねじ状に形成したが、雄ねじと雌ねじの関係を入れ替えるようにして構成してもよい。
【0031】
本発明に従う塗布容器は、別の実施形態でも具現化することが可能である。
図5~
図8は、本発明に従う塗布容器の第二実施形態について示した図である。なお、本実施形態の塗布容器100Aは、基本的には上記の塗布容器100と同様の構成となるものであるが、装着体2とキャップ本体6に替えて、装着体2Aとキャップ本体6Aを備えるものである。
【0032】
装着体2Aは、上記の装着体2と同様の構成となる天壁2aを備えている。天壁2aの外縁には、下方に向けて延在した後、水平方向に延在して拡径し、更に下方に向けて延在する段付きの外周壁2hが設けられている。なお、天壁2aには上記の装着体2と同様の挿通穴2cが設けられ、外周壁2hの内周面には第一ねじ部2dが設けられている。また、天壁2aと外周壁2hが連結する部位の外周面には、径方向外側に向けて突出する上部係合突起2jが設けられている。
【0033】
キャップ本体6Aは、上記のキャップ本体6と同様の頂壁6aと、頂壁6aの外縁部から下方に向けて延在し、外周壁2hの上方まで延在する外側周壁6dとを備えている。
図5に示すように外周壁2hと外側周壁6dは、直列状に並ぶものであって、ともに外界に対して露出している。また外側周壁6dの内周面における下端部には、上部係合突起2jに係合して装着体2Aに対してキャップ本体6Aを抜け止め保持する内向き爪部6eが設けられている。
【0034】
内容液を塗布するにあたっては、本実施形態の塗布容器100Aにおいても、
図6に示すように容器本体1に対してキャップ本体6Aを回転させる。これにより、キャップ本体6Aとともに筒状体7も回転するため、突起8aが第二ねじ部7aに螺合する軸体8は、キャップ本体6Aに対して上昇する。そしてキャップ本体6Aの回転を継続すると、
図6に示すように軸体8の上端部がキャップ本体6Aの頂壁6aに押し当たって上昇が停止し、その後は溝部2gに収まる突起8aによって、キャップ本体6Aとともに装着体2Aも回転するため、第一ねじ部2dと口部ねじ部1dとの螺合が解除され、キャップ本体6A等を容器本体1から取り外すことができる。
【0035】
容器本体1から取り外したキャップ本体6Aは、
図8(a)に示すように軸体8がキャップ本体6Aに向けて移動していて、塗布具9はキャップ本体6Aに近い位置にある。すなわち、本実施形態においても、キャップ本体6Aを持つ指の近くに塗布具9が位置することになるため、内容液を塗布する作業が行いやすくなる。
【0036】
また本実施形態における装着体2Aの外周壁2hは、外界に対して露出しているため、例えば一方の手で外周壁2hを押えつつ、他方の手でキャップ本体6Aの外側周壁6dを摘まむことにより、
図8(b)に示すように、装着体2Aに対してキャップ本体6Aを回転させることができる。これにより、キャップ本体6Aに対して軸体8を進退移動させることができるため、使用者の好みに応じて塗布具9の位置を変更することができる。
【0037】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0038】
1:容器本体
1a:底部
1b:胴部
1c:口部
1d:口部ねじ部
2、2A:装着体
2a:天壁
2b:外周壁
2c:挿通穴
2d:第一ねじ部
2e:下部係合突起
2f:上部筒部
2g:溝部
2h:外周壁
2j:上部係合突起
3:ホルダー
3a:環状凹部
4:シール部材
5:パッキン
6、6A:キャップ本体(キャップ)
6a:頂壁
6b:外側周壁
6c:内向き爪部
6d:外側周壁
6e:内向き爪部
7:筒状体(キャップ)
7a:第二ねじ部
8:軸体
8a:突起
9:塗布具
100、100A:塗布容器
O:軸線
S:収容空間