(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-27
(45)【発行日】2025-03-07
(54)【発明の名称】半導体チップ及びコンポーネント
(51)【国際特許分類】
H01S 5/0234 20210101AFI20250228BHJP
H01S 5/024 20060101ALI20250228BHJP
【FI】
H01S5/0234
H01S5/024
(21)【出願番号】P 2023573654
(86)(22)【出願日】2022-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2022065697
(87)【国際公開番号】W WO2022258756
(87)【国際公開日】2022-12-15
【審査請求日】2024-01-25
(31)【優先権主張番号】102021115231.3
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102021123015.2
(32)【優先日】2021-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゾルグ ヨルグ エリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ハイネマン エリック
(72)【発明者】
【氏名】サマーズ アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】キッペス トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シュレグル セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ハイデマン マティアス
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-227058(JP,A)
【文献】特開2011-014632(JP,A)
【文献】国際公開第2020/195282(WO,A1)
【文献】特開平11-274634(JP,A)
【文献】特開平03-205836(JP,A)
【文献】特開2009-088129(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0286252(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101369718(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織化チップ底部側(RS)を有する半導体チップ(LD)であって、
前記組織化チップ底部側(RS)は、前記半導体チップ(LD)を電気接続及び熱接続するように構成され、
前記半導体チップ(LD)は、電磁放射線(L)を生成するように構成されたエミッタ領域(E)を備え、
前記組織化チップ底部側(RS)は、前記エミッタ領域(E)を前記電気接続するように構成された接続パッド(AP)を備え、
前記接続パッド(AP)は、pコンタク
トであり、上面視では、pコンタクトとして形成されたすべての接続パッド(AP
)は、それぞれ、前記半導体チップ(LD)の
前記エミッタ領域(E)の
少なくとも2つと重なり、及び、それぞれ、前記エミッタ領域(E)のうちの1つのみを前記電気接続するように構成さ
れ、
pコンタクトとして形成された前記接続パッド(AP)に加えて、前記半導体チップ(LD)は、さらなる接続パッド(WA)を有し、前記さらなる接続パッド(WA)は、前記半導体チップ(LD)のnコンタクトを形成し、前記半導体チップ(LD)の前記pコンタクト及び前記nコンタクトは、共通のコンタクト平面上に配置される、
半導体チップ(LD)。
【請求項2】
前記半導体チップ(LD)は、チップ上部側(VS)と、側面(LS)と、を有し、
前記側面(LS)は、前記チップ上部側(VS)を前記チップ底部側(RS)に接続し、
前記半導体チップ(LD)は、端面発光型半導体チップ(LD)として形成され、
前記半導体チップ(LD)の動作中、前記半導体チップ(LD)から前記側面(LS)にて電磁放射線(L)が出射される、
請求項1に記載の半導体チップ(LD)。
【請求項3】
上面視では、pコンタク
トとして形成されたすべての接続パッド(AP)は、それぞれ、前記半導体チップ(LD)の3つ、または4つのエミッタ領域(E)と重なる、請求項1に記載の半導体チップ(LD)。
【請求項4】
pコンタクトである前記接続パッド(AP)
は、それぞれ、前記半導体チップ(LD)のすべてのエミッタ領域(E)と重なる、請求項1に記載の半導体チップ(LD)。
【請求項5】
前記半導体チップ(LD)は、前記エミッタ領域(E)を有する半導体本体(HL)と、電気配分層(US)と、絶縁層(IP)と、を備え、
前記絶縁層(IP)は、垂直方向において前記半導体本体(HL)と前記接続パッド(AP)との間に配置され、
前記絶縁層(IP)は、少なくとも1つの開口部を有し、導電性のスルーコンタクト(V)が前記開口部に形成され、
前記接続パッド(AP)のうちの1つは、前記スルーコンタクト(V)を介して前記電気配分層(US)と導電接続される、
請求項1に記載の半導体チップ(LD)。
【請求項6】
複数のスルーコンタクト(V)が前記絶縁層(IP)に配置され、前記電気配分層(US)は、前記複数のスルーコンタクト(V)を介して複数の接続パッド(AP)に導電接続される、請求項5に記載の半導体チップ(LD)。
【請求項7】
前記絶縁層(IP)は、前記電気配分層(US)と前記チップ底部側(RS)との間に、前記半導体チップ(LD)の
唯一の絶縁平面である絶縁平面を形成する、請求項5に記載の半導体チップ(LD)。
【請求項8】
前記半導体チップ(LD)は、複数の接続パッド(AP)と、スルーコンタクト(V)とを備え、
前記接続パッド(AP)はそれぞれ、1つの単一エミッタ領域(E)と電気接触するように構成され
る、
請求項5に記載の半導体チップ(LD)。
【請求項9】
前記半導体チップ(LD)の前記エミッタ領域(E)は、互いに平行に延在し、それぞれがリッジ領域として形成され、前記エミッタ領域(E)は、コヒーレントな電磁放射線を生成するように構成される、請求項1~8のいずれか1項に記載の半導体チップ(LD)。
【請求項10】
前記接続パッド(AP)を有する前記組織化チップ底部側(RS)
が、ハニカム状またはマトリクス状に形成される
ように、
前記チップ底部側(RS)上の前記接続パッド(AP)は、ハニカム状またはマトリクス状に配置される、請求項1~8のいずれか1項に記載の半導体チップ(LD)。
【請求項11】
少なくとも1つの請求項1~8のいずれか1項に記載の半導体チップ(LD)と、支持体(S)とを有するコンポーネント(100)であって、
前記少なくとも1つの半導体チップ(LD)は、前記支持体(S)上に配置され、前記支持体(S)の組織化コンタクト構造を介して前記支持体(S)に導電接続される、
前記コンポーネント(100)。
【請求項12】
前記半導体チップ(LD)は、半導体本体(
HL)を有し、前記半導体本体(
HL)は、電気配分層(US)を介し、及びチップ底部側(RS)の接続パッド(AP)を介して、前記支持体(S)上のコンタクトパッド(KP)に導電接続され、
前記電気配分層(US)は、前記半導体本体(
HL)と前記支持体(S)との間に配置され、
前記電気配分層(US)と前記支持体(S)との間には、単一絶縁層(IP)が配置される、
請求項11に記載のコンポーネント(100)。
【請求項13】
前記コンポーネント(100)は、複数のエミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)と、複数の接続パッド(AP)と、複数のスルーコンタクト(V)とを備え、
前記接続パッド(AP)はそれぞれ、1つの単一エミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)と電気接触するように構成され
る、
請求項
11に記載のコンポーネント(100)。
【請求項14】
前記コンポーネント(100)は、複数のエミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)と、複数の接続パッド(AP)と、複数のスルーコンタクト(V)とを備え、
前記エミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)はそれぞれ、前記複数の接続パッド(AP)及び前記複数のスルーコンタクト(V)を介して、前記支持体(S)の前記組織化コンタクト構造のコンタクトパッド(KP)に導電接続され、
前記接続パッド(AP)はそれぞれ、前記エミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)の最大1つの単一エミッタ領域に割り当てられる、
請求項
11に記載のコンポーネント(100)。
【請求項15】
前記半導体チップ(LD)の前記チップ底部側(RS)及び/または前記支持体(S)の前記組織化コンタクト構造
が、ハニカム状またはマトリクス状に形成される
ように、
前記チップ底部側(RS)上の前記接続パッド(AP)は、ハニカム状またはマトリクス状に配置される、請求項
11に記載のコンポーネント(100)。
【請求項16】
前記コンポーネント(100)は、さらなる半導体チップ(LD)を備え、前記さらなる半導体チップ(LD)は、前記支持体(S)上に前記半導体チップ(LD)に並んで配置され、前記支持体(S)の前記組織化コンタクト構造を介して前記支持体(S)に導電接続され、
前記半導体チップ(LD)は、単一エミッタとは異なり、それぞれが少なくとも2つのエミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)を有し、
前記半導体チップ(LD)はそれぞれ、少なくとも2つの接続パッド(AP)を有するチップ底部側(RS)を有し、
前記少なくとも2つの接続パッド(AP)は、1つの単一エミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)と電気接触するように構成され、上面視では、前記少なくとも2つの接続パッド(AP)のそれぞれは、少なくとも2つのエミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)と重なる、
請求項
11に記載のコンポーネント(100)。
【請求項17】
前記コンポーネント(100)は、複数の共振器を備え、前記半導体チップ(LD)と、前記エミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)とは、並んで配置され、前記コンポーネント(100)の動作中に、個々のエミッタ領域(E、E1、E2、E3、E4)のスペクトルは、個々の共振器間で2μm~5μmの波長オフセットで重なり、これにより、10nm±5nmのスペクトル幅が達成される、請求項
16に記載のコンポーネント(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体チップの仕様が定められる。さらに、コンポーネントの仕様が定められる。
【背景技術】
【0002】
1つの半導体チップまたは複数の半導体チップは、多くの場合、外部支持体、例えば標準化チップサブマウントに取り付けられ、これに導電接続及び導熱接続される。多くの事例では、半導体チップの熱接続及び電気接続は、均一であることが望ましい。多くの事例では、半導体チップ間、または1つの半導体チップの放射線放出領域間のピッチ距離、例えばエミッタ距離は、短いことが望ましい。
【発明の概要】
【0003】
1つの目的は、電気相互接続及び熱相互接続に関して向上した特性を有し、及び/または短いピッチ距離もしくはエミッタ距離を有する半導体チップ及びコンポーネントの仕様を定めることである。
【0004】
この目的は、独立請求項に記載の半導体チップ及びコンポーネントにより解決される。半導体チップ及びコンポーネントのさらなる実施形態及びさらなる発展形態は、従属請求項の主題である。
【0005】
半導体チップの少なくとも1つの実施形態では、半導体チップは、半導体チップを電気接続及び熱接続するように構成された組織化チップ底部側を有する。
【0006】
半導体チップの少なくとも1つのさらなる実施形態では、半導体チップは、半導体チップを電気接続及び熱接続するように構成された組織化チップ底部側を有する。半導体チップは、電磁放射線を生成するように構成されたエミッタ領域を有する。組織化チップ底部側は、エミッタ領域を電気接続するように構成された接続パッドを有する。接続パッドは、pコンタクトまたはnコンタクトであり、上面視では、pコンタクトまたはnコンタクトのいずれかとして形成されたすべての接続パッドは、エミッタ領域のうちの少なくとも2つと重なり、接続パッドはそれぞれ、エミッタ領域のうちの1つのみを電気接続するように構成される。
【0007】
半導体チップの少なくとも1つの実施形態によれば、半導体チップは、電磁放射線を生成するように構成されたエミッタ領域を有する。組織化チップ底部側は、エミッタ領域を電気接続するように構成された接続パッドを有する。例えば、半導体チップは、二重エミッタ、またはマルチエミッタ、例えば三重エミッタもしくは四重エミッタなどである。エミッタ領域は、半導体チップの共通半導体本体の一体部分とすることが可能である。
【0008】
具体的には、エミッタ領域は、いわゆるリッジ領域またはリッジにより画定される。このようなリッジ領域を有する半導体チップは、リッジレーザまたはストライプレーザとも称される。このような半導体チップは、半導体チップの半導体領域に形成された1つ以上のストライプ導波路を有し得る。このようなストライプ導波路は、半導体チップの活性領域で生成されたレーザ放射線の導波方向に沿って、一次元導波を行うように構成され得る。半導体チップが2つ以上のエミッタ領域を有する場合、半導体チップは、このようなストライプ導波路を2つ以上有し得る。
【0009】
例えば、エミッタ領域またはストライプ導波路は、半導体チップの半導体本体の横方向に沿って延在する。具体的には、ストライプ導波路は、垂直方向に沿って突出するリッジの形態である。半導体チップが複数のエミッタ領域を有する場合、半導体チップは、複数のストライプ導波管を有し得、これらは、上面視では互いに並んで配置され、具体的には互いに並んで配置された凸状リッジの形態を有する。
【0010】
横方向とは、具体的には、半導体チップの主延在面に対して、例えば半導体チップの半導体本体の主延在面に対して、平行な方向を意味することが、理解されよう。垂直方向とは、具体的には、半導体チップまたは半導体本体の主延在面に直交するように配向された方向を意味することが、理解されよう。垂直方向と横方向は、互いに直交する。
【0011】
例えば、半導体チップは、端面発光型半導体チップである。例えばリッジレーザまたはストライプレーザなどの端面発光型半導体チップでは、レーザ放射線は、半導体チップの側面にて出射される。生成されたレーザ放射線は、ストライプ導波路に平行な横方向に基本的に沿って伝搬する。
【0012】
半導体チップの少なくとも1つの実施形態によれば、組織化チップ底部側は、複数の接続パッドを有し、これらを介して、エミッタ領域は、例えば支持体のコンタクト構造により、外部と電気接続され得る。エミッタ領域は、接続パッドを介して個別に電気接触されることが可能である。例えば、半導体チップの同じ電気極性に割り当てられた接続パッドの数は、エミッタ領域の数以上である。エミッタ領域のそれぞれは、1つのみの接続パッドまたは複数の接続パッドに電気接続され得る。
【0013】
半導体チップの少なくとも1つの実施形態によれば、チップ底部側は、ハニカム状またはマトリクス状に形成される。具体的には、チップ底部側に存在する接続パッドは、ハニカム状またはマトリクス状に配置され得る。
【0014】
具体的には、組織化チップ底部側は、少なくとも1つのnコンタクトまたはいくつかのnコンタクトと、少なくとも1つのpコンタクトまたはいくつかのpコンタクトとを有する。具体的には、半導体チップには、ワイヤボンドが存在しない。ワイヤボンドを回避することにより、信号伝搬時間、高周波性能、及び高周波インピーダンスが向上する。
【0015】
例えば、組織化チップ底部側は、接続パッドに加えてさらなる付加的接続パッドを有し、接続パッドは、pコンタクトを形成し、さらなる付加的接続パッドは、nコンタクトを形成し、またはその逆も同様である。例えば、接続パッド及びさらなる付加的接続パッドは、共通平面上、例えば共通再配線平面上に、配置される。
【0016】
このような半導体チップでは、ピッチ距離を利用することができ、これは従来の相互接続技術では実現が困難であった。再配線平面、具体的には単一の再配線平面を使用することにより、短いピッチ距離またはリッジ距離が可能となる。
【0017】
半導体チップの一実施形態によれば、ピッチ距離、リッジ距離、または導波路距離は、50μm未満、30μm未満、または20μm未満、例えば5μm~50μmである。
【0018】
具体的には、導波路構造は、特に熱損失を改善する理由で、支持体(サブマウント)の取付面に対向する。1つの半導体チップまたはいくつかの半導体チップを、例えば同じ取付平面に取り付けることにより、ピッチ距離もしくはリッジ距離は狭くなり、または所望のピッチ距離もしくはリッジ距離の遵守に関して、許容誤差が改善される。具体的には、許容誤差連鎖が改善される。すべての発光点を1つの平面上に配置することが可能である。
【0019】
密な配置(例えばピッチが50μmまたは30μmより短くあり得る)による多数のpコンタクト及びnコンタクトの接続が実現され得る。例えば、半導体チップのn側は、下方から接続され、具体的には、p側と同じ側から、またはp側と共通のコンタクト平面から、接続される。本明細書で説明される半導体チップまたはコンポーネントの実施形態は、pコンタクト及びnコンタクトが2つの異なる側に配置される事例とは異なる。
【0020】
半導体チップの基板、例えばGaN基板は、アンドープであり得る。言い換えると、基板を導電性にするために、基板をドープする必要はもはやない。これにより、結晶品質が向上する。EPI品質も向上する。これにより、半導体チップの性能の向上がもたらされる。基板全体を通して電流が伝導されなくなるため、電気直列抵抗が低減し得る。これは、Ufが低下することを意味する。これは、半導体チップの電力損失も低減することを意味する。最終的に、これにより、いわゆるWPE(Popt/Pel=ウォールプラグ効率)、すなわちコンセント効率または全体的な効率が高まる。
【0021】
具体的には、いくつかの半導体チップは、同一の取付平面に取り付けられ得る。これによっても、許容誤差連鎖が改善される(チップの厚さの影響が排除される)。半導体チップのすべての発光点は、1つの平面上に存在し得る。具体的には、例えば支持体(サブマウント)に取り付けるために、1つ以上の半導体チップのコンタクトパッドまたは接続パッドを設けるには、再配線平面が1つ必要であり、例えば1つのみで済む。例えば、支持体上に半導体チップを接続するために、ボンディングワイヤ接続は不要である。しかしながら、支持体は、ボンディングワイヤ接続を有してもよい。
【0022】
本明細書で説明される半導体チップまたはコンポーネントの実施形態は、色の均一性及び解像度などの画像品質の向上をもたらす。マルチリッジ型半導体チップの場合、より明るくなり、点滅に関して、すなわちチラツキに関して悪影響が少ない。導波路間隔が狭いことから、アセンブリは、取付空間が小さく、光学的複雑性が低くて済む。例えば短い時間間隔で、サブピクセル変調を実現することが可能である。ピクセルごとに、数ナノ秒にわたり赤色レーザ、緑色レーザ、または青色レーザ(rレーザ、gレーザ、またはbレーザ)を点灯させることができる。例えば、10ナノ秒は、いくつかの短いパルスに分割される。半導体チップまたはレーザは、例えば50%のデューティサイクルで、過電流状態になる。このようにして、スペクトルは広げられ得る。これにより、画像品質の向上がもたらされる。
【0023】
パルス幅変調により、輝度調光を達成することができる。光学システム(例えばデータ眼鏡、AR眼鏡、またはVR眼鏡などの眼鏡)における光学的アーチファクトを抑制することにより、より広いスペクトルを達成することができる。さらに、rgb発光点は、より狭くなる。rピクセル、gピクセル、及びbピクセルからの重複領域が大きくなると、同時に複数の色でrgbピクセルを「書き込む」ことができることから、画像描写が良くなり、または視野が良くなる。特に、眼鏡アーキテクチャの観点からは、エミッタ間隔が狭いと、複数のピクセルを並列に書き込むことができるため、狭いエミッタ間隔が望ましい。しかしながら、これを眼鏡の端面で実現することは困難である。
【0024】
マルチリッジは、小さなレンズと組み合わせることができ、これにより、スクイント角及び補正の向上がもたらされる。またこれにより、エンジンのフォームファクタが小さくなる。より多くのリッジが存在する場合、または波長同調が可能である場合には、高い電流性能は、さほど重要ではなくなり得る。閾値をわずかに下回った状態でチップを駆動するために必要な動作電流は、より低くなる。早いスイッチング時間を達成するために、半導体チップ、特にレーザは、閾値をわずかに下回った状態で動作する。多くの場合、より高い電力は、より高い閾値と関連付けられる。複数の半導体チップまたはレーザなど、複数の放射領域を並列に接続することにより、同じ光パワーに対する消費電力が低減され、同時に動的輝度制御が向上する。
【0025】
いくつかのリッジなど、いくつかの放射線放出領域にわたり電流を配分することにより、領域/リッジあたりの消費電流が低減される。これにより、より短いスイッチング時間を実現することが可能となる。
【0026】
支持体の少なくとも1つの実施形態では、支持体は、1つの半導体チップまたは複数の半導体チップを収容して電気接触するように構成された組織化コンタクト面を有する。
【0027】
コンポーネントの少なくとも1つの実施形態では、コンポーネントは、少なくとも1つの半導体チップ、具体的には本明細書で説明される半導体チップと、支持体とを有し、少なくとも1つの半導体チップは、支持体上に配置され、支持体の組織化コンタクト構造を介して支持体と導電接続される。
【0028】
コンポーネントの少なくとも1つの実施形態では、コンポーネントは、少なくとも1つの半導体チップと、支持体とを備える。半導体チップは、支持体上に配置される。具体的には、半導体チップは、組織化コンタクト構造を介して支持体に導電接続される。
【0029】
例えば、組織化コンタクト構造は、ハニカム構造またはコンタクトパッド構造である。これから逸脱して、組織化コンタクト構造は、マトリクス状であってもよい。例えば、コンタクト構造には、チップ底部側、支持体のコンタクト面、またはチップ底部側と支持体のコンタクト面との組み合わせがある。
【0030】
本開示では、明瞭性のために、多くの場合、コンポーネントは、支持体を有する半導体チップにより説明される。しかし、コンポーネントに関連して説明される特徴は、半導体チップにも別個に使用することができ、または支持体にも別個に使用することができ、または少なくとも同様に使用することができ、その逆も可能である。
【0031】
複数の半導体チップは、支持体(サブマウント)上に配置され、支持体(サブマウント)に導電接続及び/または導熱接続されることが可能である。具体的には電磁放射線を生成するために、半導体チップは、単一の半導体本体、組織化半導体本体、またはいくつかの半導体本体を有することも可能である。半導体本体は、1つのリッジまたは複数のリッジの形態を取り得る。具体的には、半導体本体は、複数のリッジ、すなわち複数の放射線放出領域を有する。リッジまたは放射線放出領域は、具体的には別個に、すなわち個々に、電気接触され得る。
【0032】
例えば、半導体チップは、レーザ、薄膜LED、VCSEL、HCSEL、端面発光型レーザ、リッジ型レーザ、フリップチップ、またはピクセル型LEDなどの、放射線放出半導体チップである。また、半導体チップは、VCSELアレイなどのレーザアレイの形態を取り得る。
【0033】
少なくとも1つのこのような半導体チップを有するコンポーネントは、ディスプレイにおいて、プロジェクタにおいて(例えばピコレーザ、パワーレーザ、シングルモードレーザ、またはマルチモードレーザとして)、データ眼鏡、AV眼鏡、もしくはAR眼鏡(拡張現実眼鏡、仮想現実眼鏡)において、またはいわゆる「拡張及び仮想現実」の領域において、または自動車産業において、使用され得る。コンポーネントまたは半導体チップは、レーザバーの形態を取り得る。
【0034】
コンポーネントの少なくとも1つの実施形態によれば、チップ上部側、例えばコンポーネントまたは半導体チップのn側上部側は、ある構造、例えば組織化電気コンタクト面を有する。チップ上部側は、任意に組織化され得る。コンポーネントは、複数の半導体チップを備え得る。また、コンポーネントは、複数の放射線放出領域を有する単一の半導体チップを備えることも可能である。組織化チップ上部側、具体的には組織化電気コンタクト面は、電気接触のために、具体的には半導体チップまたは半導体チップの放射線放出領域の個々の電気接触のために、形成され得る。
【0035】
コンポーネントの少なくとも1つの実施形態によれば、チップ底部側、例えば半導体チップのp側底部側または複数の半導体チップのp側底部側は、組織化コンタクト構造を介して、例えばハニカム構造/コンタクトパッド構造を介して、チップ上部側に適合され得る、または取り付けられ得る。
【0036】
チップ上部側をp側として形成し、チップ底部側をn側として形成することも可能である。さらに、半導体チップまたはコンポーネントのpコンタクト(複数可)及びnコンタクト(複数可)は、共通平面上に存在することが可能である。1つ以上の半導体チップのpコンタクト(複数可)及び/またはnコンタクト(複数可)は、共通平面上に存在し得る。例えば、共通平面は、1つ以上の半導体チップと支持体との界面である。共通平面は、チップサブマウント界面であり得る。
【0037】
コンポーネントの少なくとも1つの実施形態によれば、支持体は、組織化コンタクト面を有する。支持体の組織化コンタクト面は、1つ以上の半導体チップの電気コンタクトポイントに適合し得る。1つ以上の半導体チップのコンタクトポイントは、半導体チップの底部側、または複数の半導体チップの複数の底部側に存在する接続パッドにより、形成され得る。例えば、支持体の組織化コンタクト面は、並べて配置された複数のコンタクトパッドを有する。具体的には、支持体の組織化コンタクト面は、ハニカム構造を有する。
【0038】
コンポーネントの少なくとも1つの実施形態によれば、半導体チップは、半導体本体を備える。半導体本体は、電気配分層及び/または接続パッドを介して、支持体上のコンタクトパッドに導電接続され得る。支持体上のコンタクトパッドは、支持体の組織化コンタクト面の構成要素であり得る。
【0039】
コンポーネントまたは半導体チップの少なくとも1つの実施形態によれば、電気配分層は、半導体本体と支持体との間に配置される。具体的には、単一の絶縁層または単一の絶縁平面が、電気配分層と支持体との間に配置される。例えば、単一の絶縁層または単一の絶縁平面は、垂直方向において電気配分層とチップの底部側に存在する接続パッドとの間に配置される。
【0040】
絶縁層または絶縁平面には、スルーコンタクトが配置され得る。具体的には、コンポーネントまたは半導体チップは、単一の再配線平面またはコンタクト平面を有する。
【0041】
絶縁層は、少なくとも1つの開口部またはいくつかの開口部を有し得る。各開口部に、導電性スルーコンタクトが形成され得る。スルーコンタクトを介して、または複数のスルーコンタクトを介して、電気配分層は、1つ以上の接続パッドに導電接続され得る。例えば、接続パッドは、チップ底部側に配置される。具体的には、接続パッドは、1つ以上の半導体チップの電気コンタクトポイントである。接続パッドは、例えば、1つ以上の接続層を介して、支持体の組織化コンタクト領域のコンタクトパッドに、電気接続され、かつ具体的には熱接続され得る。
【0042】
具体的には、複数のチップ設計に対応する支持体群またはサブマウント群が形成され得る。これは、異なるチップ設計に対して、より少ないバリエーション及びより少ないロジスティクスを意味する。チップサブマウント界面は、プロセスに関して、具体的には支持体に対する1つ以上の半導体チップの接続に関して、標準化され得る。異なるチップ設計に対して、界面は常に同一であり得る。また、異なるチップ設計に対して、支持体のコンタクト領域では同様の材料または同一の材料が使用され得る。異なるチップ設計に対して、支持体のコンタクト領域は、同じ構造を有し得る。また、異なるチップ設計または複数のチップタイプに対して、同じ相互接続技術が使用され得る。
【0043】
支持体のコンタクト面が、互いに並んで配置された複数のコンタクトパッド、または複数のハニカムを有する場合、いくつかの、具体的には最大限の数のコンタクトパッドまたはハニカムを相互接続することにより、可能な限り最良な熱損失が得られる。
【0044】
少なくとも1つの実施形態によれば、半導体本体またはリッジは、支持体のコンタクト面のいくつかの部分領域を介して、具体的にはいくつかのハニカムまたはコンタクトパッドを介して、電気接続される。このようにして、均一な電流注入が達成され得る。
【0045】
配分層、具体的には金属被覆形態の配分層は、その層厚に関して適合され得る。このようにして、半導体本体のリッジまたは放射線放射領域のすぐ近くの導体許容電流及び熱拡散は、要望に応じて調整及び改善され得る。
【0046】
全体として、半導体チップ、具体的にはオプトエレクトロニックチップの熱接続及び電気接続は、取付側にある複数のコンタクト(接続部、リッジ)により向上され得る。最適な熱接続及び電流注入は、具体的には、複数の位置における半導体チップの可能な接続により、達成され得る。支持体のコンタクト領域のコンタクトパッドも標準化され得、標準化されたアセンブリ及び接続技術が達成され得る。
【0047】
半導体チップまたはコンポーネントのさらなる実施形態及びさらなる発展形態は、
図1~
図10Dに関連して以下に説明される例示的な実施形態から、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図2A】1つ以上の半導体チップの異なるコンタクトオプションを有するコンポーネントのいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図2B】1つ以上の半導体チップの異なるコンタクトオプションを有するコンポーネントのいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図2C】1つ以上の半導体チップの異なるコンタクトオプションを有するコンポーネントのいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図2D】1つ以上の半導体チップの異なるコンタクトオプションを有するコンポーネントのいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図2E】1つ以上の半導体チップの異なるコンタクトオプションを有するコンポーネントのいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図3A】支持体のコンタクト面の異なる実施形態を有するコンポーネントのいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図3B】支持体のコンタクト面の異なる実施形態を有するコンポーネントのいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図3C】支持体のコンタクト面の異なる実施形態を有するコンポーネントのいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図3D】支持体のコンタクト面の異なる実施形態を有するコンポーネントのいくつかの例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図4】ハニカム構造を有するコンポーネントの概略図を示す。
【
図5】コンポーネントのさらなる実施形態の概略図を示す。
【
図6】コンポーネントのさらなる実施形態の概略図を示す。
【
図7A】さらなるコンタクトオプションの概略図を示す。
【
図7B】さらなるコンタクトオプションの概略図を示す。
【
図9A】接続パッドまたはコンタクトパッドの様々な配置の概略図を示す。
【
図9B】接続パッドまたはコンタクトパッドの様々な配置の概略図を示す。
【
図9C】接続パッドまたはコンタクトパッドの様々な配置の概略図を示す。
【
図9D】接続パッドまたはコンタクトパッドの様々な配置の概略図で示す。
【
図10A】半導体チップまたはコンポーネントのさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図10B】半導体チップまたはコンポーネントのさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図10C】半導体チップまたはコンポーネントのさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
【
図10D】半導体チップまたはコンポーネントのさらなる例示的な実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
同一要素、均等要素、または均等に作用する要素は、図中では同じ参照番号で示される。図は、概略図であるため、必ずしも縮尺どおりではない。比較的小さい要素、特に層厚は、より明確にする目的で、むしろ誇張して大きく示される場合がある。
【0050】
図1は、支持体S上に少なくとも1つの半導体チップLDを有するコンポーネント100を示す。半導体チップLDは、半導体本体HLを有し、これは、具体的には電磁放射線Lを生成するように構成される。半導体本体HLは、第1の半導体層と、第2の半導体層と、第1の半導体層と第2の半導体層との間に配置された活性ゾーン、例えばpn接合ゾーンとを有する。例えば、半導体本体HLは、第1の半導体層と、第2の半導体層と、第1の半導体層と第2の半導体層との間に配置された活性領域、例えばpn接合領域とを有し、活性領域は、半導体チップHLの動作中に、電磁放射線、具体的にはコヒーレント電磁放射線を生成するように構成される。
【0051】
半導体チップLDは、レーザであり得る。例えば、半導体チップLDは、リッジレーザである。半導体チップLDは、活性領域Rを有する。具体的には、活性領域Rは、半導体本体HLの活性領域のサブ領域である。例えば、活性領域Rは、リッジ領域である。半導体チップLD、または半導体チップLDの半導体本体HLは、サブ領域E1、E2、E3、E4などの複数のサブ領域を有し得、それぞれが、例えばエミッタまたはエミッタ領域を形成する。部分領域は、互いに空間的に離隔してもよく、または連続構造を形成してもよい。また、エミッタまたはエミッタ領域E1、E2、E3、またはE4をそれぞれ形成する複数の半導体チップLDを、支持体S上に配置することも可能である。エミッタまたはエミッタ領域はそれぞれ、リッジ領域などの活性領域Rを有し得る。
【0052】
コンポーネント100は、絶縁層IPまたは絶縁平面IPを有し、これは、垂直方向において半導体チップLDの半導体本体HLと支持体Sとの間に配置される。絶縁層IPは、半導体チップLDの一体部分であってもよく、または一体部分でなくてもよい。絶縁層IPは、Al窒化物、Si窒化物、Al酸化物、及び/またはBe酸化物を含み得、またはこれらの材料のうちの少なくとも1つから形成され得る。このような材料は、高い熱伝導率を示す。
【0053】
絶縁層IPは、少なくとも1つの開口部またはいくつかの開口部を有する。各開口部に、スルーコンタクトVが配置される。具体的には、スルーコンタクトVは、絶縁層IPを貫通する。
【0054】
コンポーネント100または半導体チップLDは、具体的には半導体本体HLと絶縁層IPとの間に配置された電気配分層USを有する。具体的には、電気配分層USは、半導体層、具体的には半導体本体HLのp側半導体層またはn側半導体層に、電気接触するように構成される。例えば、絶縁層IPは、電気配分層USとチップ底部側RSとの間に、半導体チップLDの単一絶縁平面を形成する。
【0055】
コンポーネント100または半導体チップLDは、並べて配置された複数の配分層USを有することが可能である。例えば、配分層USはそれぞれ、エミッタ領域E1、E2、E3、及びE4のうちの1つに一意的に関連付けられ、その逆も同様である。
【0056】
コンポーネント100または半導体チップLDは、複数の接続パッドAPを有する。絶縁層IPは、垂直方向において電気配分層USと接続パッドAPとの間に配置される。具体的には、電気配分層USは、1つのスルーコンタクトVを介してまたは複数のスルーコンタクトVを介して、1つの接続パッドAPまたは複数の接続パッドAPに導電接続される。接続パッドAPを有する面は、チップ底部側または組織化チップ底部側RSと称され得る。
【0057】
半導体チップLDは、半導体チップLDを電気接続及び熱接続するように構成された組織化チップ底部側RSを有する。半導体チップLDは、エミッタ領域E、例えば複数のエミッタ領域E1、E2、E3、及びE4(
図2A~
図2Eを参照)を有し、これらは、電磁放射線Lを生成するように構成される。組織化チップ底部側RSは、エミッタ領域Eを電気接続するように構成された複数の接続パッドAPを有する。
【0058】
図1では、半導体チップLDは、チップ上部側VSと側面LSとを有し、側面LSは、チップ上部側VSとチップ底部側RSとを接続することが示される。チップ上部側VSは、具体的には半導体上部側である。半導体チップLDは、具体的には端面発光型半導体チップLDとして実装され、半導体チップLDの動作中、電磁放射線Lは、半導体チップLDから側面LSにて出射される。
【0059】
半導体チップLDは、エミッタ領域Eを有する半導体本体HLと、電気配分層USと、絶縁層IPとを有し、絶縁層IPは、垂直方向において半導体本体HLと接続パッドAPとの間に配置される。絶縁層IPは、少なくとも1つの開口部または複数の開口部を有し、絶縁層IPの1つ以上の開口部には、導電性のスルーコンタクトVまたは複数のスルーコンタクトVが形成される。複数のスルーコンタクトVは、例えば
図2A~
図4に概略的に示される。具体的には、スルーコンタクトは、接続パッドAPのうちの1つを電気配分層USに導電接続するように構成される。接続パッドAPのうちの1つ、または複数の接続パッドAPは、1つ以上のスルーコンタクトVを介して、電気配分層USに導電接続することが可能である。
【0060】
図2A~
図3Dは、エミッタ領域E1~E4がそれぞれ、1つの接続パッドAP及び1つのスルーコンタクトVを介して、電気接続され得ることを示す。
図4及び
図7Bは、エミッタ領域E1、E2、E3、またはE4が、複数の接続パッドAP及び複数のスルーコンタクトVを介して、電気接触可能であることも示す。複数のスルーコンタクトVが絶縁層IPに配置され得、電気配分層USは、複数のスルーコンタクトVを介して複数の接続パッドAPに導電接続される。さらに、エミッタ領域E1~E4のそれぞれは、配分層USのうちの1つに一意的に割り当てられることが可能であり、その逆も可能である。
【0061】
支持体Sは、複数のコンタクトパッドKPを有する。コンタクトパッドKPは、支持体Sのコンタクト構造を形成する。例えば、コンポーネント100は、1つ以上の導電性接続層Cを有する。導電性接続層C(複数可)を介して、コンタクトパッドKPは、接続パッドAPに電気接続され得る。具体的には、支持体SのコンタクトパッドKPの配置は、半導体チップLDの接続パッドAPの配置に適合される。
【0062】
図2A~
図2Eは、具体的には異なる実施態様による組織化チップ底部側RSを示す。これらの図では、支持体S上の接続パッドAP1、AP2、AP3、及びAP4に関連付けられたコンタクトパッドKP1、KP2、KP3、及びKP4の可能な位置が、概略的に示される。
図2C、
図2D、及び
図2Eでは、さらなる接続パッドWA、及びさらなる接続パッドWAに関連付けられた支持体S上のさらなるコンタクトパッドWKの可能な位置も、概略的に示される。
【0063】
それぞれの
図2A~
図2Eの左側には、エミッタ領域E1、E2、E3、及びE4の位置に関連して、接続パッドAP1、AP2、AP3、及びAP4の位置が、概略的に示される。それぞれの
図2A~
図2Eの右側には、スルーコンタクトVを介したエミッタ領域E1、E2、E3及びE4の電気コンタクト、ならびに、例えばさらなるスルーコンタクトDVを介したエミッタ領域E1、E2、E3及びE4の電気コンタクトも、概略的に示される。さらなるスルーコンタクトDVは、半導体本体HLを、チップ底部側RSに存在するさらなる接続パッドWAに接続する。
【0064】
具体的には、上面視において、接続パッドAPのうちの少なくとも1つは、エミッタ領域E1~E4のうちの少なくとも2つと重なり、少なくとも1つの接続パッドAPは、少なくとも2つのエミッタ領域のうちの1つのみを電気接続するように構成される。さらに、上面視において、接続パッドAP1~AP4、具体的にはすべての接続パッドAPはそれぞれ、エミッタ領域E1~E4のうちの少なくとも2つと、または正確に2つのエミッタ領域と、重なることが可能である。しかし、依然として、接続パッドAPはそれぞれ、エミッタ領域E1~E4のうちの1つのみを電気接続するように構成される。
【0065】
図2Aは、コンポーネント100または半導体チップLDの実施形態を示し、接続パッドAP1~AP4及び/またはコンタクトパッドKP1~KP4はそれぞれ、いくつかのエミッタまたはエミッタ領域E1~E4と、具体的にはそれぞれ2つのエミッタまたはエミッタ領域E1~E4と、重なる。接続パッドAP1~AP4及び/またはコンタクトパッドKP1~KP4はそれぞれ、具体的には単一エミッタまたは1つの単一エミッタ領域に電気接触するように構成され得る。左側には、スルーコンタクトVは示されていない。右側には、接続パッドAP1~AP4はそれぞれ、少なくとも1つのスルーコンタクトVを介してエミッタ領域またはエミッタ領域E1~E4のうちの1つに導電接続されることが、概略的に示される。具体的には、接続パッドAP1~AP4は、pコンタクトとして形成される。
【0066】
図2Bに示される例示的な実施形態は、
図2Aに示されるコンポーネント100または半導体チップLDの例示的な実施形態と、実質的に同じである。その一方、接続パッドAP1~AP4及び/またはコンタクトパッドKP1~KP4はそれぞれ、支持体Sに配置されたエミッタまたはエミッタ領域E1~E4のすべてと重なる。具体的には、コンタクトパッドKP1~KP4は、支持体S上で横方向に延在し得る。
【0067】
図2Cに示される例示的な実施形態は、
図2Aに示されるコンポーネント100または半導体チップLDの例示的な実施形態に、基本的に対応する。その一方、さらなる接続パッドWAまたはさらなるコンタクトパッドWKが、具体的にはコンタクトパッドKPまたは接続パッドAPと同一平面上に配置される。具体的には、さらなる接続パッドWA及び接続パッドAPは、半導体チップLDの異なる電気極性に割り当てられる。例えば、接続パッドAPはpコンタクトを形成し、さらなる接続パッドWAは半導体チップLDのnコンタクトを形成し、またはその逆も同様である。
【0068】
具体的には、さらなるコンタクトパッドWK及びコンタクトパッドKPは、コンポーネント100または半導体チップLDの異なる電気極性に割り当てられる。例えば、さらなるコンタクトパッドWKはnコンタクトを形成し、コンタクトパッドKPはコンポーネント100のpコンタクトを形成し、またはその逆も同様である。よって、具体的には、チップ上部側、特にn側では、ワイヤボンドが不要である。例えば、半導体本体は、活性領域を貫通し、さらなる接続パッドWAまたはさらなるコンタクトパッドWKに導電接続された内部スルーコンタクトDVを有する。
【0069】
図2Dに示される例示的な実施形態は、
図2Bに示されるコンポーネント100または半導体チップLDの例示的な実施形態と基本的に同じであるが、さらなる接続パッドWAまたはさらなるコンタクトパッドWKを有する
図2Cと非常に類似する。
【0070】
図2Eに示される例示的な実施形態は、
図2Dに示されるコンポーネント100または半導体チップLDの例示的な実施形態に、基本的に対応する。その一方、コンポーネント100または半導体チップLDは、付加的なさらなる接続パッドWA及び付加的なさらなるコンタクトパッドWKを有する。
図2Dでは、2つの付加的なさらなる接続パッドWAまたは2つの付加的なさらなるコンタクトパッドWKが示される。
図2Eでは、4つの付加的なさらなる接続パッドWAまたは4つの付加的なさらなるコンタクトパッドWKが示される。
【0071】
図2A~
図2Eによれば、半導体チップLDは、複数の接続パッドAP1~AP4と、複数のスルーコンタクトVとを有し、接続パッドAP1~AP4はそれぞれ、1つの単一エミッタ領域E1、E2、E3、またはE4と電気接触するように構成される。上面視では、接続パッドAP1~AP4はそれぞれ、いくつかのエミッタ領域と重なり、具体的には、正確に2つまたは4つのエミッタ領域と重なる。半導体チップLDは、接続パッドAP1~AP4に加えて、さらなる接続パッドWAを有し、接続パッドAP1~AP4は半導体チップLDのpコンタクトを形成し、さらなる接続パッドWAは半導体チップLDのnコンタクトを形成し、またはその逆も同様である。具体的には、半導体チップLDのpコンタクト及びnコンタクト、すなわち半導体チップLDの接続パッドAP1~AP4及びさらなる接続パッドWAは、共通のコンタクト平面に配置される。
【0072】
図3Aは、
図2Aに示される半導体チップLDのための別の例示的な支持体設計を有するコンポーネント100を示す。支持体Sは、複数のコンタクトパッドKP1~KP4が並べて配置されたコンタクト構造を有する。支持体Sは、横方向メタライゼーションSMを有し、横方向メタライゼーションSMのそれぞれは、コンタクトパッドAP1~AP4のうちの1つに導電接続される。横方向メタライゼーションSMは、サブマウント接続パッドとして示され得る。このようなサブマウント接続パッドを介して、サブマウントは、周囲の電気構造に導電接続され得る。具体的には、コンタクトパッドAP1~AP4は、横方向メタライゼーションSMの間に配置される。
【0073】
図3Bは、
図2Bに示される半導体チップLDのための例示的な支持体設計を有するコンポーネント100を示す。
図3Bによれば、すべてのメタライゼーションSMは、コンタクトパッドAP1~AP4の同じ側に配置される。
【0074】
図3Cは、
図2Cに示される半導体チップLDのための別の例示的な支持体設計を有するコンポーネント100を示す。支持体Sは、さらなるスルーコンタクトVHを有し得る。さらなるスルーコンタクトVHは、支持体Sの本体を貫通し得る。さらなるスルーコンタクトVHは、具体的にはサブマウントS内または支持体S内のスルービアである。さらなるスルーコンタクトVHにより、コンポーネント100は、支持体Sの後面を介して、具体的には支持体Sの後面を介してのみ、外部から電気接触可能であり得る。これから逸れた状態で、支持体S内の再配分層RLが、
図3Cに概略的に示される。再配分層RLを通して、外側メタライゼーションSMは、具体的にはコンタクトパッドKP1またはKP3の形態である内側メタライゼーションに、導電接続され得る。再配分層RLは、支持体Sに完全に埋め込まれ得る。
【0075】
図3Dは、
図2Eに示される半導体チップLDのための例示的な支持体設計を有するコンポーネント100を示す。
【0076】
図4は、ハニカム構造を有するコンポーネント100または半導体チップLDを示す。ハニカム構造は、半導体チップLDの底部側メタライゼーションBMLDであり得る。活性領域Rまたはエミッタ領域E、具体的にはリッジRは、いくつかのハニカムを介して、具体的にはスルーコンタクトVを介して、電気接続され得る。よって、均一な電流注入を達成することができる。さらに、ハニカム構造を介して、半導体チップLDの大面積金属接合面が実現される。傾斜したハニカムレイアウトは、標準化チップサブマウント界面として機能し得、異なる半導体チップLDまたは異なるリッジ構成に使用することができる。
【0077】
図5及び
図6はそれぞれ、チップ上部側VS、チップ底部側RS、及び支持体上部側SVを有するコンポーネント100を示す。支持体上部側SVは、チップ底部側RSに適合する。具体的には、支持体上部側SVは、ハニカム状に形成される。
【0078】
チップ上部側VS、具体的にはn側は、必要に応じて組織化され得る。チップ底部側RS、具体的にはp側は、ハニカム構造/コンタクトパッド構造を介して、チップ上面VSに適合され得る。リッジRまたはエミッタ領域Eは、いくつかのハニカム/コンタクトパッドを介して電気接続され得、よって、均一な電流注入を達成することができる。具体的には、再配線平面/コンタクト平面は1つで済む。絶縁レベルを1つのみ有するコンタクトパッドの設計は、リッジRまたはエミッタ領域Eの位置及び場所にほとんど依存しない。
【0079】
リッジR上またはエミッタ領域E上の金属被覆の厚さを増大させることで、具体的には導体許容電流及び熱拡散を向上させることが、達成され得る。再配線は、1つの絶縁平面のみで行われる。絶縁平面は、接続メタライゼーションすなわち接続パッドと、リッジRすなわちエミッタ領域Eとが、垂直方向で重なる位置にそれぞれ、電気スルーコンタクトVを有し得る。絶縁平面は、高い熱伝導率及び高い絶縁強度を有し得る。絶縁層、すなわち絶縁層IPは、Al窒化物、Si窒化物、Al酸化物、Be酸化物、または類似材料から形成され得る。接続パッドAPまたはコンタクトパッドKPは、可能な限り大きな表面積を有するように形成され得る。これらは、チップ接続平面の可能な限り大きな部分を覆うことができる。さらに、これらは、いくつかのエミッタ領域E、具体的にはいくつかのリッジRを覆うことができ、熱損失を改善することができる。
【0080】
図7A及び
図7Bは、いくつかのさらなるコンタクトの可能性を示し、これらは、すなわち
図3B及び
図3Cに示された例示的な実施形態と、それぞれ非常に類似する。その一方、
図7Aによる接続パッドAPはそれぞれ、3つのエミッタ領域E1~E3と重なり得る。
図7Bによれば、半導体チップLDは、5つ以上のエミッタ領域Eを有し得る。接続パッドAPは、チップ底部側RS上に、マトリクス状に配置され得る。
【0081】
図8Aは、支持体S上に配置された半導体チップLDを示す。支持体Sは、さらなるサブマウントT、例えばいわゆるベースプレートT上に、配置される。サブマウントTは、半導体チップのベースプレートである。
【0082】
図8Bは、
図8Aの拡大図面である。半導体チップLDは、複数の放射線放出領域、具体的には複数のエミッタまたはエミッタ領域Eを有し得る。
図8Bは、2つのエミッタ領域E1及びE2を有する半導体チップLDを概略的に示す。隣接するエミッタ間、またはエミッタ領域E1とE2との間の距離は、5μm~50μmであり得る。エミッタまたはエミッタ領域の数は、2、3、4より多くてもよく、または6より多くてもよい。半導体チップLDは、具体的にはいわゆるマルチエミッタである。具体的には、半導体チップLDの接続に、ボンディングワイヤ接続は不要である。しかし、
図8Bは、支持体SとベースプレートTのコンタクト領域との電気接続に、ボンディングワイヤ接続を使用できることを、概略的に示す。
【0083】
図9A、
図9B、
図9C、及び
図9Dは、ここでは例示として12個のチャネルに関して、p接続パッドAP及びn接続パッドWAの異なる分布を示す。具体的には、接続パッドAPは、マトリックス状に配置される。
図9A、
図9B、及び
図9Cはそれぞれ、2つ、4つ、6つの付加的接続パッドWAを概略的に示す。接続パッドAP及びさらなる付加的接続パッドWAは、半導体チップLDまたはコンポーネント100の異なる電気極性に割り当てられる。p接続パッド及びn接続パッドの分布に関する各スキームは、チャネル/リッジの数、パッドサイズ、パッド間隔に関して、及びパッドセグメント化に関して、拡張可能であり、可変であり得る。
図9A、
図9B、及び
図9Cは、具体的には接続パッドAP及びさらなる接続パッドWAを有する組織化チップ底部側RSを示す。
図9Dは、具体的には、チップ底部側RS及び変調器側を示す。変調器側は、支持体Sの表面により画定され得る。
【0084】
図10Aは、半導体チップLDが別個のサブ領域、具体的には別個のエミッタ領域E1~E4を有し得ることを示す。左側では、半導体チップLDは、連続的に形成される。左側の半導体チップLDは、エミッタ領域E1~E4を有する単一の半導体本体HLを有し得る。
図10Aは、右側に、2つの別個の半導体本体HLまたは2つの別個の半導体チップLDを示し、これらはそれぞれ、2つのエミッタ領域E1及びE2、または2つのエミッタ領域E3及びE4を有する。
【0085】
図10Aの左側には、4つのエミッタまたはエミッタ領域E1~E4を有する半導体チップが概略的に示される。このような半導体チップは、4つすべてのエミッタまたはエミッタ領域E1~E4が仕様に則し、かつ合計で例えば10nmの波長拡大を有する必要があるため、歩留まり損失が高くあり得る。1つのチップで4つの異なる波長を達成するには、大きな労力が求められる。
【0086】
半導体チップLDは、2つのチップ領域に分割され得、各チップ領域は、半チップ幅で2つのエミッタまたはエミッタ領域を有する(
図10Aの右側を参照)。2つのエミッタまたは2つのエミッタ領域のみが仕様に入れられるべきである。これにより、最大でも1つのエミッタのみ、または1つのエミッタ領域のみ、または1つのチップ領域のみが波長シフトされるため、歩留まりが大幅に高くなる。よって、個々のチップ領域の作製に必要な労力は、大幅に少なくなる。チップ領域をそれぞれ、1つの半導体チップとして形成することも可能である。
【0087】
具体的には、
図10Aは、右側に2つの別個の半導体チップLDを示し、これらは、共通の支持体S上に配置され得る。
図10B~
図10Dも、共通の支持体S上に配置され得る2つの別個の半導体チップLDを示す。
図10A~
図10Dでは、明瞭さの理由で、支持体Sはいくつかの事例において明確に示されていない。
【0088】
2つの半導体チップ10Cは、横方向中間領域Dまたは横方向距離Dだけ互いに空間的に離隔される。横方向中間領域Dは、幅5μm~50μmであり得る。
【0089】
隣接する2つのエミッタ領域E1~E4間の横方向距離Aは、20μm~60μm、例えば25μm±5μm、30μm±5μm、35μm±5μm、または50μm±5μmであり得る。例えば、横方向距離Aは、50μmである。例えば横方向距離Aは、半導体チップLDの側面LSまたはコンポーネント100の側面における2つの隣接するエミッタ領域Eの2つの発光点間の距離により示される。
【0090】
隣接する2つの半導体チップLD間の横方向距離Dは、隣接する2つのエミッタ領域E間の横方向距離Aより長くてもよく、または短くてもよい。具体的には、隣接する2つの半導体チップLD間の中間領域Dは、隣接する半導体チップLDの2つの隣接する外側のエミッタ領域E間の横方向距離AZを設定するように構成される。
【0091】
コンポーネント100は、すべてのエミッタ領域E1~E4に対して等間隔の横方向離隔距離を有することが可能である。この場合、隣接する半導体チップLDの2つの隣接する外側のエミッタ領域E間の横方向距離AZは、同じ半導体チップLDの隣接するエミッタ領域E間の横方向距離Aと同一である。例えば、等間隔の横方向ピッチ距離は、約50μmである。また、等間隔のピッチ距離は、30μm±5μm、35μm±5μm、40μm±5μm、45μm±5μm、または50μm±5μmであり得る。
【0092】
図10B~
図10Dに示される半導体チップLDのそれぞれは、例えば150μmの横幅NBを有し得る。
図10Aの左側に示される4つのエミッタ領域E1~E4を有する半導体チップLDは、約300μmの幅AGを有し得る。
【0093】
図10A~
図10Dに関連して示された横幅は、単なる例に過ぎない。本開示は、これらの数量に限定されない。
【0094】
図10Aの右側に示されるチップ領域または半導体チップLDは、エミッタ領域間またはチップ領域間の所定距離を、例えば±2μmの最大製造公差で維持できるように、支持体Sに固定され得、具体的にははんだ付けされ得る。エミッタ領域E間またはチップ領域間の距離は、50μm以下、例えば30μm、または20μm、10μm以下、例えば2μm~5μmであり得る。チップ領域または異なる半導体チップLDの組み合わせにより、約10nm(FWHM)の波長拡大を達成することができる。具体的には、半導体チップLDは、2つ以上の共振器を有する。例えば、半導体チップの共振器の数は、2、3、4、または6であり、例えば2~6、2~4、または4~6である。
【0095】
このような半導体チップLDは、具体的にはレーザ発光のコヒーレンス(狭スペクトル幅)が通常は問題を生じるいくつかの用途に、適している。このような問題には、例えば画像ディスプレイにおける光学アーチファクトが挙げられ、これらは、例えば発光の小さいスペクトル帯域幅の相互作用により、及び/またはビーム経路における周期的構造、例えば回折光学構造により、引き起こされる。この問題を回避するために、本明細書に説明される半導体チップLDを使用することができる。このような半導体チップLDによれば、スペクトル放出幅を広くすることができる。スペクトル放出幅の増大を達成するための1つの方法として、小さい波長オフセットにより個々のリッジのスペクトルを重ね合わせることが挙げられる。多くの場合、約10nm(FWHM)のスペクトル幅(波長拡大)が望ましい。この値を達成するために、半導体チップLD上のエミッタ間またはエミッタ領域間の波長オフセットは、半導体チップLD上の個々の共振器間で約2μm~5μmにされ得る。
【0096】
コンポーネント100は複数の共振器を有し、コンポーネント100の動作中に、個々のエミッタ領域E、E1、E2、E3、及びE4のスペクトルが波長オフセットにより重なるように、半導体チップLDと、エミッタ領域E、E1、E2、E3、及びE4とは、互いに隣接して配置される。具体的には、波長オフセットは、個々の共振器間で2μm~5μmである。その結果、10nm±5nmのスペクトル幅が達成され得る。
【0097】
図10Bに示される実施形態は、基本的に、
図10Aの右側に示される実施形態に対応する。その一方で、スルーコンタクトVが概略的に示される。スルーコンタクトVの特定の設計により、接続パッドAPのそれぞれ、またはコンタクトパッドKPのそれぞれは、1つの単一エミッタまたは1つの単一エミッタ領域E1~E4を電気接触するように構成される(
図2A~
図3Dも参照)。上面視では、接続パッドAPのそれぞれ、またはコンタクトパッドKPのそれぞれは、複数のエミッタまたはエミッタ領域E1~E4を覆い得る。すべての図において、スルーコンタクトVは、むしろ局所的なスルーコンタクトVに近い。スルーコンタクトVは、具体的には、横方向に沿って、スルーコンタクトVが関連付けられたエミッタまたはエミッタ領域E1~E4の全幅または全長にわたり延在しない。
【0098】
図10Bによれば、同じ半導体チップLDの隣接するエミッタ領域E1とE2の間またはエミッタ領域E3とE4の間の横方向距離Aは、約30μmまたは50μmであり得る。隣接する半導体チップLDの2つの隣接する外側のエミッタ領域E2とE3の間の横方向距離AZは、横方向距離Aより長くてもよく、または短くてもよい。例えば、横方向距離AZは、例えば70μmまたは30μmである。
【0099】
図10Cに示される実施形態は、特に半導体チップLDまたは複数の半導体チップLDが支持体Sに取り付けられた後の
図10Bに示される実施形態と、実質的に同じである。
【0100】
図10Dに示される例示的な実施形態は、
図10Aまたは
図10Bに示される例示的な実施形態と基本的に同じであり、エミッタ間もしくはエミッタ領域E1~E4間、またはエミッタ領域間、または半導体チップLD間の距離が異なる。具体的には、横方向距離Aは、例えば30μmである。横方向距離AZは、約70μmであり得る。
【0101】
よって、
図10B~
図10Dには、複数のエミッタ領域E、E1、E2、E3、及びE4と、複数の接続パッドAPと、複数のスルーコンタクトVとを備えたコンポーネント100が示される。接続パッドAPはそれぞれ、1つの単一エミッタ領域E1、E2、E3、またはE4と電気接触するように構成される。上面視では、接続パッドAPはそれぞれ、少なくとも2つまたは正確に2つのエミッタ領域E1及びE2またはエミッタ領域E3及びE4と重なり得る。
【0102】
コンポーネント100は、少なくとも2つの半導体チップLDを有し、これらは、支持体S上に互いに並んで配置され、支持体Sの組織化コンタクト構造を介して支持体Sに導電接続される。具体的には、半導体チップLDは、単一エミッタとは異なり、それぞれが少なくとも2つのエミッタ領域Eを有する。例えば、半導体チップLDはそれぞれ、二重エミッタとして形成される。半導体チップLDはそれぞれ、少なくとも2つの接続パッドAPを有するチップ底部側RSを有し得、少なくとも2つの接続パッドAPはそれぞれ、1つの単一エミッタ領域Eとのみ電気接触し、上面視では少なくとも2つのエミッタ領域Eと重なるように構成される。
【0103】
半導体チップLDと、エミッタ領域Eとは、10nm±5nmの波長拡大が得られるように、互いに並んで配置され得る。このような半導体チップLDを有するコンポーネント100は、波長拡張により画質を高めるため、AR眼鏡、VR眼鏡、またはデータ眼鏡に応用することができる。
【0104】
図10B~
図10Dでは、半導体チップLDはそれぞれ、正確に2つのエミッタ領域Eを有する二重エミッタとして形成される。コンポーネント100は、正確に2つの半導体チップLDを有してもよく、または、例えば3つもしくは4つの半導体チップLDなど、3つ以上の半導体チップLDを有してもよい。
図10B~
図10Dから逸脱して、半導体チップLDをそれぞれ、正確に3つのエミッタ領域Eを有する三重エミッタとして形成することが可能である。具体的には、エミッタ領域Eはそれぞれ、コヒーレントな放射線を生成するように形成される。半導体チップLDも同様に構築され得る。
【0105】
本特許出願は、ドイツ特許出願第10 2021 115 231.3号の優先権及びドイツ特許出願第10 2021 123 015.2号の優先権を主張し、これらの開示内容は、参照により本明細書に含まれるものとする。
【0106】
例示的な実施形態を参照して行われた本発明の説明により、本発明は例示的な実施形態に限定されるものではない。本発明は、むしろ、任意の新たな特徴及び特徴の任意の組み合わせを含み、具体的には特許請求の範囲における特徴の任意の組み合わせを含み、この特徴またはこの組み合わせ自体が、特許請求の範囲または例示的な実施形態に明示的に示されていなくても、この特徴またはこの組み合わせを含む。
【0107】
参照符号の一覧
100 コンポーネント
LD 半導体チップ
LS 半導体チップの側面
A 同じ半導体チップの隣接する2つのエミッタ領域間の距離
AG 半導体チップ/マルチエミッタの幅
D 2つの隣接する半導体チップ間の距離/中間領域
AZ 隣接する半導体チップの2つの隣接するエミッタ領域間の距離
AP 接続パッド
AP1 第1の接続パッド
AP2 第2の接続パッド
AP3 第3の接続パッド
AP4 第4の接続パッド
BMLD 底部側メタライゼーション
C 接続層
E エミッタ領域/エミッタ
E1 第1のエミッタ領域/エミッタ
E2 第2のエミッタ領域/エミッタ
E3 第3のエミッタ領域/エミッタ
E4 第4のエミッタ領域/エミッタ
IP 絶縁層、絶縁レベル
KP コンタクトパッド
KP1 第1のコンタクトパッド
KP2 第2のコンタクトパッド
KP3 第3のコンタクトパッド
KP4 第4のコンタクトパッド
L 放射線、光
NB 半導体チップ/二重エミッタの幅
R リッジ、リッジ領域、エミッタ領域
RL 再配分層
RS チップ底部側
S 支持体、サブマウント
SM 横方向メタライゼーション/サブマウント接続パッド
SV 支持体上部側
T サブマウント、ベースプレート
US 配分層
V スルーコンタクト
VH さらなるスルーコンタクト/サブマウントにおけるスルービアコンタクト/ベースプレートにおけるスルービアコンタクト
VS チップ上部側/半導体上部側
WA さらなる接続パッド
WK さらなるコンタクトパッド