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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】浴槽用防水パン及び浴槽ユニット
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/20 20060101AFI20250303BHJP
   A47K 3/02 20060101ALI20250303BHJP
   A47K 3/00 20060101ALI20250303BHJP
【FI】
E03C1/20 A
A47K3/02
A47K3/00 Q
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021017072
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022120276
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 祥子
(72)【発明者】
【氏名】中出 克也
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-75908(JP,A)
【文献】特開2019-118671(JP,A)
【文献】特開2018-114186(JP,A)
【文献】特開2006-249823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/20
A47K 3/02
A47K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴槽が載せられる底部と、この底部の周囲から立ち上がる側部と、を備えた浴槽用防水パンであって、
前記底部には、排出口と、前記排出口へ向けて下り勾配が設けられた排水勾配面と、前記浴槽の背面に設けられたホースを収納することが可能なホース収納部と、が設けられており、
前記ホース収納部は、前記排水勾配面に対し下方に凹んだ凹み部と、前記凹み部を囲むように設けられ前記排水勾配面に対し上方に突出した土手部と、を有し、
前記土手部の上面において前記凹み部を囲むようにパッキンが設けられていることを特徴とする浴槽用防水パン。
【請求項2】
前記土手部は、上面視において前記排水勾配面の下り勾配とは異なる方向に向けて延在しており、前記土手部の長手方向において前記排出口が位置する方向に向けて前記土手部の短手方向の幅が徐々に小さくなる排水ガイドを有している請求項1記載の浴槽用防水パン。
【請求項3】
浴槽と、前記浴槽内に液体を噴射可能な噴射ノズルを有する洗浄ホースと、前記浴槽を下方から支持する浴槽用防水パンと、を備えた浴槽ユニットにおいて、
前記浴槽は、前記浴槽の底壁面に下方へ貫通した貫通孔を有し、
前記洗浄ホースは、少なくとも前記浴槽の底壁面の背面に設けられ、前記貫通孔に前記噴射ノズルが取り付けられており、
前記浴槽用防水パンは、前記浴槽用防水パンの底部に、排出口と、前記排出口へ向けて下り勾配が設けられた排水勾配面と、前記浴槽の底壁面の背面に設けられた前記洗浄ホースを収納することが可能なホース収納部と、が設けられており、
前記ホース収納部は、前記排水勾配面に対し下方に凹んだ凹み部と、前記凹み部を囲むように設けられ前記排水勾配面に対し上方に突出した土手部と、を有し、
前記土手部の上面において前記凹み部を囲むようにパッキンが設けられていることを特徴とする浴槽ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に浴槽用防水パン及び浴槽ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽の下方には浴槽架台や建物床などに水が漏れることを抑制する目的で浴槽用の防水パンが設けられている構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-270532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、浴槽に洗浄機能を付加することを検討した。そこで、浴槽に洗浄機能を付加する目的で浴槽の外周壁側に設けたホースが浴槽と防水パンとの間でつぶれないように、防水パンに凹み部を形成し、該凹み部にホースを通す構成に思い至った。
しかしながら、防水パンに凹み部を形成すると、凹み部に流れ込んだ排水がとどまり溜水となる虞があった。
【0005】
そこで、凹み部に排水が流れ込まないように凹み部を囲むようにパッキンを設ける構成が考えられるが、パッキンのつぶし代を確保するためにパッキンに対し上下方向における厚みを設けると、浴槽設置時にパッキンが曲がった状態で組み立てられてしまい止水不良により凹み部に排水が流れ込む虞があった。
【0006】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、浴槽防水パンに凹み部を設けたとしても、凹み部に対する溜水の発生を抑制することが可能な浴槽用防水パンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、浴槽が載せられる底部と、この底部の周囲から立ち上がる側部と、を備えた浴槽用防水パンであって、前記底部には、排出口と、前記排出口へ向けて下り勾配が設けられた排水勾配面と、前記浴槽の背面に設けられたホースを収納することが可能なホース収納部と、が設けられており、前記ホース収納部は、前記排水勾配面に対し下方に凹んだ凹み部と、前記凹み部を囲むように設けられ前記排水勾配面に対し上方に突出した土手部と、を有し、前記土手部の上面において前記凹み部を囲むようにパッキンが設けられていることを特徴とする浴槽用防水パン。
【0008】
この浴槽用防水パンによれば、凹み部に対する水密を確保する際に、排水勾配面より上方に突出させた土手部にて排水勾配面からの高さを補うことによりホースを収納した凹み部の周囲に設けたパッキンの上下方向における厚みを小さくすることができ、防水パンに浴槽を上方から載置する場合において、パッキンが倒れ込んだ状態で浴槽が防水パンに載置されることを抑制できる。
そのため、例えば、浴槽の底壁面に形成した貫通孔から浴槽内部を洗浄する機能を浴槽に付与するために浴槽の底壁面の背面と浴槽用防水パンの表面との間に噴射ノズルを有するホースを通す際に、浴槽によってホースがつぶされないように防水パンの底部に下方に凹んだ凹み部を設けたとしても、浴槽と土手部との間で水密が保たれるため排水勾配面を流れる排水が凹み部に流入し凹み部に溜水が発生することを抑制することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記土手部は、上面視において前記排水勾配面の下り勾配とは異なる方向に向けて延在しており、前記土手部の長手方向において前記排出口が位置する方向に向けて前記土手部の短手方向の幅が徐々に小さくなる排水ガイドを有している。
【0010】
この浴槽用防水パンによれば、排水勾配面より上方に突出させた土手部を設けたとしても排出口に向かって排水勾配面に沿って流れる排水が排水勾配面より上方に突出した土手部に衝突した際において、土手部により排水が妨げられることを抑制するとともに排水ガイドにより排水を排出口へガイドすることができる。
【0011】
第3の発明は、浴槽と、前記浴槽内に液体を噴射可能な噴射ノズルを有する洗浄ホースと、前記浴槽を下方から支持する浴槽用防水パンと、を備えた浴槽ユニットにおいて、前記浴槽は、前記浴槽の底壁面に下方へ貫通した貫通孔を有し、前記洗浄ホースは、少なくとも前記浴槽の底壁面の背面に設けられ、前記貫通孔に前記噴射ノズルが取り付けられており、前記浴槽用防水パンは、前記浴槽用防水パンの底部に、排出口と、前記排出口へ向けて下り勾配が設けられた排水勾配面と、前記浴槽の底壁面の背面に設けられた前記洗浄ホースを収納することが可能なホース収納部と、が設けられており、前記ホース収納部は、前記排水勾配面に対し下方に凹んだ凹み部と、前記凹み部を囲むように設けられ前記排水勾配面に対し上方に突出した土手部と、を有し、前記土手部の上面において前記凹み部を囲むようにパッキンが設けられていることを特徴とする浴槽ユニット。
【0012】
この浴槽ユニットによれば、凹み部に対する水密を確保する際に、排水勾配面より上方に突出させた土手部にて排水勾配面からの高さを補うことによりホースを収納した凹み部の周囲に設けたパッキンの上下方向における厚みを小さくすることができ、防水パンに浴槽を上方から載置する場合において、パッキンが倒れ込んだ状態で浴槽が防水パンに載置されることを抑制できる。
そのため、浴槽の底壁面に形成した貫通孔から浴槽内部を洗浄する機能を浴槽に付与するために浴槽の底壁面の背面と浴槽用防水パンの表面との間に噴射ノズルを有するホースを通す際に、浴槽によってホースがつぶされないように防水パンの底部に下方に凹んだ凹み部を設けたとしても、浴槽と土手部との間で水密が保たれるため排水勾配面を流れる排水が凹み部に流入し凹み部に溜水が発生することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の態様によれば、凹み部に対する水密を確保する際に、排水勾配面より上方に突出させた土手部にて排水勾配面からの高さを補うことによりホースを収納した凹み部の周囲に設けたパッキンの上下方向における厚みを小さくすることができ、防水パンに浴槽を上方から載置する場合において、パッキンが倒れ込んだ状態で浴槽が防水パンに載置されることを抑制できる。
そのため、例えば、浴槽の底壁面に形成した貫通孔から浴槽内部を洗浄する機能を浴槽に付与するために浴槽の底壁面の背面と浴槽用防水パンの表面との間に噴射ノズルを有するホースを通す際に、浴槽によってホースがつぶされないように防水パンの底部に下方に凹んだ凹み部を設けたとしても、浴槽と土手部との間で水密が保たれるため排水勾配面を流れる排水が凹み部に流入し凹み部に溜水が発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る浴槽ユニットを模式的に表す分解斜視図である。
図2】実施形態に係る浴槽ユニットを模式的に表す平面図である。
図3】実施形態に係る防水パンを模式的に表す平面図である。
図4図3におけるA1-A2線断面を模式的に表す部分断面図である。
図5】実施形態に係る防水パンの輸送時の状態を模式的に表す説明図である。
図6】実施形態に係る防水パンの変形例を模式的に表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様
の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係る浴槽ユニットを模式的に表す分解斜視図である。図2は、実施形態に係る浴槽ユニットを模式的に表す平面図である。図3は、実施形態に係る防水パンを模式的に表す平面図である。図4は、図3におけるA1-A2線断面を模式的に表す部分断面図である。
【0016】
以下、本願明細書においては、浴槽ユニットと対面する使用者からみた上方、下方、前方、後方、右側方、及び左側方を、それぞれ「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」とする。
【0017】
浴槽ユニット1は、浴槽100と、防水パン200と、浴槽洗浄用ホース300と、浴槽100の背面に当接するパッキン400と、を備え、建物床に載置される浴槽架台(図示せず)の上に設けられる。
【0018】
浴槽100は、例えば、略直方体の箱状であり、上方に向かって開放されている。浴槽100は、例えば、上面視において、長辺と短辺とを有する横長形状である。浴槽100は、ボウル状の本体部110と、本体部110の上端部(すなわち、ボウルの縁)から本体部110の外側(側方)に向かって延びる外延部120と、を有する。浴槽の本体部110には、湯を貯めることができる。
【0019】
本体部110は、本体部110の最下部に位置する底壁面111と、底壁面111よりも上方に位置する側壁面112と、を有する。底壁面111には、下方へ貫通されており浴槽洗浄装置(図示せず)から供給された洗浄液を本体部110の内壁面に向かって噴射する噴射ノズル302が設置される貫通孔111aと、本体部110内の液体を下方に向かって排出する排水口111bと、が設けられる。浴槽の排水口111bから排出された排水は、例えば、洗い場床(図示せず)に設けられた排水部から排出された排水と合流する。
【0020】
防水パン200は、浴槽100の下方に位置する底部210と、浴槽100の側方に位置し底部210の周囲から立ち上がる側部220と、を有している。
浴槽100を防水パン200に載置した状態では、浴槽の側壁面112の背面と側部220の表面との間には、空間が設けられる。
【0021】
この例では、浴槽の外延部120に洗剤投入口121が設けられている。洗剤投入口121は、浴槽の側壁面112の背面と、防水パンの側部221の表面と、の間に設けられた空間に配置した浴槽洗浄装置(図示せず)と接続される。なお、洗剤投入口121は、例えば、本体部110の内壁面に設けられていてもよい。
【0022】
防水パンの底部210には、防水パン200内の排水を下方に向かって排出する排出口211と、排出口211に向かって下り勾配を有する排水勾配面212と、浴槽を支持するための載置台213と、浴槽100と防水パン200との間に浴槽洗浄ホース300を収納させるために設けられたホース収納部214と、を備えている。
【0023】
排出口211は、上下方向において排水口111bと重なる位置に設けられている。詳述すると、排出口211は、左右方向における底部210の中央領域、かつ、前後方向における底部210の前方領域に位置している。
【0024】
排水勾配面212は、左右方向における底部210の中央領域、かつ、前後方向における底部210の前方領域に位置している排出口211に向かって勾配が設けられた複数の排水勾配面を有している。
【0025】
載置台213は、浴槽100を下方から支持し防水パンの底部200に浴槽100を載置させた際に加わる荷重を分散させる。この載置台213は必要に応じて設けられ省略可能である。
【0026】
ホース収納部214は、上面視において長辺と短辺とを有する横長形状であって、底部210の左側領域から中央領域へ向けて左右方向に延在しており、排水勾配面212よりも下方に凹んだ凹み部214aと、凹み部214aの全周を囲むように、排水勾配面212よりも上方に突出した土手部214bと、を有している。
この延在している方向は、排出口211へ向かって排水勾配面212に設けられた下り勾配の方向と交わる方向関係となっている。
換言すると、土手部214bは、上面視において底部210の左側領域から中央領域へ向けて排出口211へ向かう排水勾配面の下り勾配の方向とは異なる方向に向けて延在している。
なお、底部210におけるホース収納部214が設けられている位置は、浴槽洗浄ホース300が浴槽洗浄装置から貫通孔111aに向けて収納されていればよく、例えば、浴槽洗浄装置の取付位置が左右反転した場合や、洗浄ホース301を浴槽100の前後方向から貫通孔111aに向けて通したい場合において適宜変更可能である。
【0027】
土手部214bは、排水勾配面212より上方に突出する形状を有しており、排水勾配面212を流れる排水に対して防壁の役割も果たしている。この排水勾配面212の上面に対する土手部214bの上面までの突出量D1は、例えば、5~7mm程度である。
【0028】
本実施形態において、ホース収納部214は、底部210に対し一体で成形されている。このように、底部210とホース収納部214とを一体成形品としているため、例えば、ホース収納部214を設けるために底部210に貫通孔を形成し該貫通孔に浴槽洗浄ホース300を収納させるための受け皿となる部材を新たに設ける必要がなく、部材間での熱膨張率の差による取付不良の発生を防止できる。加えて、底部210にホース収納部214を設けたとしても、底部210に貫通孔を形成する構成と比較して繋ぎ目が発生しないため、止水対策が不要となるとともに機外漏水の発生を防止できる。
【0029】
浴槽洗浄ホース300は、浴槽洗浄装置(図示せず)から伸びる洗浄ホース301と、洗浄ホース301の先端に設けられ貫通孔111aに取付けられる噴射ノズル302と、を有している。
浴槽の底壁面111の背面と防水パンの底部210の表面との間を通過する浴槽洗浄ホース300は凹み部214aに配設された状態で噴射ノズル302が貫通孔111aに取付けられる。
【0030】
パッキン400は、底部220に形成された凹み部214aの周囲を囲むように設けられた土手部214bの上面に接着されている。パッキン400の上下方向における厚みD2は、例えば、18~22mm程度に設けられている。防水パンの底部200に浴槽100を載置させた際には、このパッキン400の上面が、浴槽の底壁面112の背面に押しつぶされることにより凹み部214aへの排水の侵入を抑制する。
【0031】
以上、説明したように、本実施形態に係る浴槽ユニット1では、凹み部214aに対する水密を確保する際に、排水勾配面212より上方に突出させた土手部214bにて排水勾配面212からの高さを補うことにより浴槽洗浄ホース300を収納した凹み部214aの周囲に設けたパッキン400の上下方向における厚みを小さくすることができ、防水パン200に浴槽100を上方から載置する場合において、パッキン400が倒れ込んだ状態で浴槽100が防水パン200に載置されることを抑制できる。
そのため、例えば、浴槽の底壁面111に形成した貫通孔111aから浴槽100内部を洗浄する機能を浴槽100に付与するために浴槽の底壁面112の背面と防水パン200の表面との間に噴射ノズル302を有する浴槽洗浄ホース300を通す際に、浴槽100によって洗浄ホース301がつぶされないように防水パンの底部210に下方に凹んだ凹み部214aを設けたとしても、浴槽100と土手部214bとの間で水密が保たれるため排水勾配面212を流れる排水が凹み部214aに流入し凹み部214aに溜水が発生することを抑制することができる。
【0032】
次に、防水パン200を積み重ねて輸送する際の状態について説明する。
図5は、実施形態に係る防水パンの輸送時の状態を模式的に表す説明図である。
【0033】
図5に示すように、2台の防水パン200を上下方向に積み重ねた状態で輸送する際には、防水パン200同士が傷つかないように下側に位置する防水パン200の底部210に発泡スチロールなどの段積み材500が設けられる。
なお、積み重ねられる防水パン200の台数は、2台以上であってもよい。
【0034】
このように、土手部214bの上面にパッキン400を設けることによって、上下方向に積み重ねた防水パン200同士の間に設けた段積み材500が輸送時の衝撃により振動したとしても、段積み材500がパッキン400に干渉することを土手部214bにより抑制することができる。
そのため、防水パン200を輸送する際にパッキン400がつぶれることやパッキン400が土手部214bから剥がれることを抑制することができ、施工現場で施工者によってパッキン400を土手部214bに接着することなく、事前に工場でパッキン400を接着した状態で施工現場に輸送することができる。
【0035】
図6は、本実施形態に係る防水パンの変形例を模式的に表す平面図である。
図6に表したように、この例では、前後方向において排水勾配面212の上流側に位置する土手部214bの外周形状において、土手部214bの外周形状に沿って排出口211へ向かって排水をガイドすることが可能な排水ガイド214cが設けられている。
排水ガイド214cは、土手部214bの短手方向である前後方向の幅を排水勾配面212に設けられている下り勾配の方向に向けて徐々に小さく形成することによって排出口211へ排水をガイドする。
【0036】
上述した変形例によれば、排水勾配面212より上方に突出させた土手部214bを設けたとしても、排出口211に向かって排水勾配面212に沿って流れる排水が排水勾配面212より上方に突出した土手部214bに衝突した際において、土手部214bにより排水が妨げられることを抑制するとともに排水ガイド214により排水を排出口211へガイドすることができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、浴槽ユニット1などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 浴槽ユニット
100 浴槽
110 本体部
111 底壁面
111a 貫通孔
111b 排水口
112 側壁面
120 外縁部
121 洗剤投入口
200 防水パン
210 底部
211 排出口
212 排水勾配面
213 載置台
214 ホース収納部
214a 凹み部
214b 土手部
214c 排水ガイド
220 側部
300 浴槽洗浄用ホース
301 洗浄ホース
302 噴射ノズル
400 パッキン
500 段積み材
図1
図2
図3
図4
図5
図6