(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】血栓処理プラットフォーム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/3207 20060101AFI20250303BHJP
【FI】
A61B17/3207
(21)【出願番号】P 2022576130
(86)(22)【出願日】2020-12-25
(86)【国際出願番号】 CN2020139595
(87)【国際公開番号】W WO2021248878
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】202010534497.0
(32)【優先日】2020-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520364761
【氏名又は名称】スージョウ ヴェンメッド テクノロジー シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン ヨンガン
(72)【発明者】
【氏名】グアン リジュアン
(72)【発明者】
【氏名】リ ジン
【審査官】白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-221665(JP,A)
【文献】特開2008-253304(JP,A)
【文献】国際公開第2018/038017(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0270806(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/3207
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引チャネルを有する吸引カテーテルを含む血栓処理プラットフォームであって、前記血栓処理プラットフォームはまた、前記吸引カテーテルの近位端と連通する吸引ポンプ、撹拌装置、およびフィルタスクリーンアセンブリを含み、
前記フィルタスクリーンアセンブリは、フィルタロッドと、前記フィルタロッドの遠位端に固定して取り付けられ、膨らんだ状態と縮めた状態とを有するフィルタスクリーンを含み、
前記撹拌装置は、第1のカテーテルと、前記第1のカテーテルの外側にスライド可能に套設された第2のカテーテルと、前記第1のカテーテルの遠位端に配置され、膨らんだ状態および縮めた状態を有する撹拌器と
、を含み、前記第1のカテーテルの遠位端は、前記第2のカテーテルから延び、前記撹拌器は複数のワイヤを含み、各前記ワイヤの遠位端は、前記第1のカテーテルと固定的に接続され、近位端は前記第2のカテーテルと固定的に接続され、
さらに、前記撹拌装置は、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間に配置され、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとを相対的にスライドさせて前記撹拌器
を膨らんだ状態
と縮めた状態と
の間で切り替えることができる操作装置を含み、
前記血栓処理プラットフォームはまた、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルに接続され、前記撹拌器を駆動して回転させることができる駆動装置を含み、
前記操作装置は、前記第1のカテーテル及び/又は前記第2のカテーテル上に套設されたハンドルと、前記第1のカテーテルと第2のカテーテルとの間に配置され、互いに対して2つをロックすることができるロックアセンブリと、前記ハンドルとスライド可能に接続され且つ前記第1のカテーテル又は前記第2のカテーテルと嵌合してロックできる操作アセンブ
リと、を含み、
前記操作アセンブリは、前記ハンドルにスライド可能に接続される操作部材と、前記操作部材に形成され、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルと嵌合してロックできる嵌合部と、前記嵌合部に、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルと嵌合してロックされる状態に向けて移動させる傾向を具備させる弾性部材と、を含み、前記操作アセンブリがロック状態にある場合、前記嵌合部は、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルと嵌合してロックされ、前記操作アセンブリがロック解除状態にある場合、前記嵌合部は、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルから分離され、
前記ロックアセンブリがロック解除状態にあり、
前記操作アセンブリがロック状態にある場合、前記操作アセンブリが前記ハンドルに対してスライドすると、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルが互いに対してスライドし、前記撹拌器を膨らんだ状態と縮めた状態と
の間で切り替え、前記ロックアセンブリがロック状態にあり、前記操作アセンブリがロック解除状態にある場合、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルの相対位置はロックされ、前記駆動装置は前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルを駆動して回転させることができることを特徴とする血栓処理プラットフォーム。
【請求項2】
吸引チャネルを有する吸引カテーテルを含む血栓処理プラットフォームであって、前記血栓処理プラットフォームはまた、前記吸引カテーテルの近位端と連通する吸引ポンプ、撹拌装置、およびフィルタスクリーンアセンブリを含み、
前記フィルタスクリーンアセンブリは、前記吸引チャネルを通過するフィルタロッドと、前記フィルタロッドの遠位端に固定して取り付けられ、膨らんだ状態と縮めた状態とを有するフィルタスクリーンを含み、前記フィルタスクリーンは、前記吸引カテーテルの遠位端に配置され、
前記撹拌装置は、前記吸引チャネルを通過する第1のカテーテルと、前記吸引チャネルを通過し、前記第1のカテーテルの外側にスライド可能に套設された第2のカテーテルと、前記第1のカテーテルの遠位端に配置され、膨らんだ状態および縮めた状態を有する撹拌器と、
を含み、前記第1のカテーテルの遠位端は、前記第2のカテーテルから延び、前記撹拌器は複数のワイヤを含み、各前記ワイヤの遠位端は、前記第1のカテーテルと固定的に接続され、近位端は前記第2のカテーテルと固定的に接続され、
さらに、前記撹拌装置は、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間に配置され、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルを互いに対してスライドさせることにより前記撹拌器
を膨らんだ状態
と縮めた状態と
の間で切り替えるようにする操作装置を含み、前記撹拌器が膨らんだ状態の場合、前記撹拌器は前記フィルタスクリーンと前記吸引カテーテルの遠位端との間に位置し、前記第1のカテーテルを引っ張ると、前記撹拌器は血管内を前記第1のカテーテルの引張方向に移動し、
前記血栓処理プラットフォームはまた、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルに接続され、前記撹拌器を駆動して回転させることができる駆動装置を含み、
前記操作装置は、前記第1のカテーテル及び/又は前記第2のカテーテル上に套設されたハンドルと、前記第1のカテーテルと第2のカテーテルとの間に配置され、互いに対して2つをロックすることができるロックアセンブリと、前記ハンドルとスライド可能に接続され且つ前記第1のカテーテル又は前記第2のカテーテルと嵌合してロックできる操作アセンブ
リと、を含み、
前記操作アセンブリは、前記ハンドルにスライド可能に接続される操作部材と、前記操作部材に形成され、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルと嵌合してロックできる嵌合部と、前記嵌合部に、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルと嵌合してロックされる状態に向けて移動させる傾向を具備させる弾性部材と、を含み、前記操作アセンブリがロック状態にある場合、前記嵌合部は、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルと嵌合してロックされ、前記操作アセンブリがロック解除状態にある場合、前記嵌合部は、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルから分離され、
前記ロックアセンブリがロック解除状態にあり、
前記操作アセンブリがロック状態にある場合、前記操作アセンブリが前記ハンドルに対してスライドすると、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルが互いに対してスライドし、前記撹拌器を膨らんだ状態と縮めた状態と
の間で切り替え、前記ロックアセンブリがロック状態にあり、前記操作アセンブリがロック解除状態にある場合、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルの相対位置はロックされ、前記駆動装置は前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルを駆動して回転させることができることを特徴とする血栓処理プラットフォーム。
【請求項3】
前記撹拌器が縮めた状態の場合、前記撹拌器の外径は6F以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項4】
前記撹拌器は前記第2のカテーテルによって膨張の程度を制御できることを特徴とする請求項1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項5】
前記ロックアセンブリは、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルのうちの一方に固定して接続された第1のロック部材と、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルのうちの他方に回転可能に接続された第2のロック部材と、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材との間に設置され、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルのうちの他方と嵌合してロックすることができる第3のロック部材と、を含み、前記ロックアセンブリがロック状態にある場合、前記第3のロック部材は、前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルのうちの他方と、前記第1のロック部材および前記第2のロック部材と、係合してロックされることを特徴とする請求項1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項6】
前記第3のロック部材の材質は、弾性変形可能な材質であり、前記ロックアセンブリがロック状態にある場合、前記第3のロック部材は、弾性的に変形し、それぞれ前記第1のカテーテルおよび前記第2のカテーテルのうちの他方と、前記第1のロック部材および前記第2のロック部材との間の係合がより密になり、互いに緊密に係合することを特徴とする請求項
5に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項7】
前記第2のロック部材には溝が形成され、前記溝の溝壁に雌ネジが形成され、前記第1のロック部材の外面には、前記雌ネジと嵌合することができる雄ネジが形成され、前記第1のロック部材は、前記第2のロック部材の溝内に挿入され、前記雌ネジおよび前記雄ネジを介して前記第2のロック部材と回転可能に接続され、前記第3のロック部材は、前記第1のロック部材と前記第2のロック部材とによって形成される空洞内に配置されることを特徴とする請求項
5又は
6に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項8】
前記操作アセンブリはまた、前記ハンドルの内壁に固定配置されたスライドレールと、前記弾性部材の一端に接続され、前記スライドレールと係合してスライドできるスライドブロックと、を含み、前記弾性部材の他端は前記嵌合部に接続されていることを特徴とする請求項
1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項9】
前記駆動装置は、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルに接続されたモーターと、前記モーターに電力を供給できる電源とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項10】
前記第1のカテーテルは、前記フィルタロッドに套設され、前記フィルタロッドの外径は0.1~1mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項11】
前記第1のカテーテルの近位端には、血栓溶解薬を注入するための注入孔が開けられ、前記第1のカテーテルの遠位端及び/又は前記撹拌器には、前記血栓溶解薬が血管に入るための複数の血栓溶解孔が形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項12】
前記吸引カテーテルは、前記吸引チャネルを有するカテーテル部と、前記カテーテル部の近位端に移動可能に接続される操作部と、前記カテーテル部に固定配置された固定部材と、それぞれ前記操作部および前記固定部材に接続され、前記操作部を操作することにより前記カテーテル部の遠位端を曲げさせることができる接続部材と、を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項13】
前記吸引カテーテルはまた、前記カテーテル部の遠位端に接続され、拡張状態および縮めた状態を有する拡張カテーテルを含み、前記拡張カテーテルが縮めた状態にある場合、前記拡張カテーテルは前記カテーテル部内に位置し、前記拡張カテーテルが拡張状態にある場合、前記拡張カテーテルの遠位端の直径は、前記カテーテル部の直径より大きいことを特徴とする請求項
12に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項14】
前記拡張カテーテルは、近位端が前記カテーテル部の遠位端と固定的に接続された可撓性膜材料と、前記可撓性膜材料の遠位端と固定的に接続された拡張リングとを含むことを特徴とする請求項
13に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項15】
前記血栓処理プラットフォームは、前記吸引カテーテルの遠位端に配置された第2の超音波発生器と、前記第2の超音波発生器に接続され、前記吸引カテーテルの管壁内に配置された第2の電源線及び信号伝送線と、前記吸引カテーテルの近位端に配置され、前記第2の電源線および前記信号伝送線に接続される第2の超音波コネクタと、をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項16】
前記血栓処理プラットフォームはまた、前記吸引チャネルを通過でき、遠位端が前記フィルタスクリーンの近位端まで延びるシースを含み、前記シースの近位端には吸引ポンプが接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の血栓処理プラットフォーム。
【請求項17】
前記シースは、ガイドワイヤの通過を可能にすることができる第1のチャネルと、血栓の通過を可能にするか、または前記フィルタスクリーンを収納することができる第2のチャネルとを含むことを特徴とする請求項
16に記載の血栓処理プラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の分野に属し、具体的には、血栓処理プラットフォームに関する。
【背景技術】
【0002】
血栓性疾患は、動脈血栓症、静脈血栓症、および血栓塞栓症を含み、既存の治療方法は、主に血管切開血栓切除術、カテーテル接触血栓溶解療法、および経皮的機械的血栓切除術を含み、切開血栓切除術には、血管の解剖と切開が必要であり、
例えば大腿動脈、大腿静脈または上腕動脈の切開など、血管内介入技術の開発と材料の革新により、この開腹手術方法は、低侵襲の介入的血管内治療、つまりカテーテル接触血栓溶解療法と経皮的機械的血栓切除術に徐々に置き換えられている。カテーテル接触血栓溶解療法は、血栓溶解薬は出血リスクが高く、手術適応が非常に厳しく、カテーテル接触血栓溶解療法は禁忌の患者が多いため、多くの患者はそれから利益を得ない。
【0003】
既存の医学的知見によると、深部静脈血栓症は体積が大きく、急性期の血栓の質感は柔らかくてもろい傾向があり、動脈血栓症は、体積が小さく、急性期の血栓の質感が柔らかい傾向があり、進行した血栓は血管壁に付着しやすい。進行した血栓については、現在主に血管壁の機械的掻き取りまたは血栓溶解薬によって除去される。
【0004】
例えば、カテーテル先端のヘリカルカッターで血栓を回転切断し、吸引により血の塊を体外に吸引する血栓除去カテーテルシステムであって、
例えばX-sizer血栓除去カテーテルシステムであり、中国特許CN204092102Uは、新規の末梢血管疾患血栓吸引コネクタを開示し、これは、管本体、回転棒、螺旋回転刃、円弧コネクタ、および接続心押し台を含み、管本体は中空管状であり、管本体の上端には、ネジを介して円弧コネクタが可動接続され、管本体の中上部に角型の溝が開けられ、管本体内に回転棒が挿入され、回転棒の外周には、螺旋回転刃が套設される。しかしながら、上述の血栓除去装置は、構造が複雑で、製造コストが高く、使用が面倒であり、また、血管内で螺旋カッターや螺旋回転刃の回転により血管壁の血栓を剥離する際に、血管内皮を損傷しやすく、血栓除去の後遺症の発生につながりやすい。
【0005】
また例えば、AngioJet血栓除去装置は、一定量の血栓溶解剤を高圧で血栓内部に噴射することで血栓を破壊し、血栓との接触面積を増やし、次に血栓吸引(化学物理連成血栓容積減少とも言える)を行うことができ、腸骨、大腿および膝窩静脈の急性血栓症に適用する。しかし、負圧時間が長すぎると、多くの場合、患者の過度の失血につながり、同時に高圧で急速に撹拌すると、赤血球が損傷して溶血が起こり、血栓除去の後遺症が発生しやすくなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、血栓除去後遺症の発生を減少させることができる血栓処理プラットフォームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的問題を解決するために、本発明は以下の技術的解決手段を用いる。
【0008】
製品構造に関して、本発明の血栓処理プラットフォームは、吸引チャネルを有する吸引カテーテルを含み、前記血栓処理プラットフォームはまた、前記吸引カテーテルの近位端と連通する吸引ポンプ、撹拌装置、およびフィルタスクリーンアセンブリを含み、
前記フィルタスクリーンアセンブリは、フィルタロッドと、前記フィルタロッドの遠位端に固定して取り付けられ、開放状態と縮めた状態とを有するフィルタスクリーンを含み、
1
前記撹拌装置は、第1のカテーテルと、前記第1のカテーテルの外側にスライド可能に套設された第2のカテーテルと、前記第1のカテーテルの遠位端に配置され、開放状態および縮めた状態を有する撹拌器と、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間に配置され、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとを相対的にスライドさせて前記撹拌器を開放状態と縮めた状態との間に切り替えることができる操作装置を含み、
前記血栓処理プラットフォームはまた、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルに接続され、前記撹拌器を駆動して回転させることができる駆動装置を含む。
【0009】
製品の使用状態から、該血栓処理プラットフォームは、吸引チャネルを備えた吸引カテーテルを含み、前記血栓処理プラットフォームはまた、前記吸引カテーテルの近位端と連通する吸引ポンプ、撹拌装置、およびフィルタスクリーンアセンブリを含み、
前記フィルタスクリーンアセンブリは、前記吸引チャネルを通過するフィルタロッドと、前記フィルタロッドの遠位端に固定して取り付けられ、開放状態と縮めた状態とを有するフィルタスクリーンを含み、前記フィルタスクリーンは、前記吸引カテーテルの遠位端に配置され、
前記撹拌装置は、前記吸引チャネルを通過する第1のカテーテルと、前記吸引チャネルを通過し、前記第1のカテーテルの外側にスライド可能に套設された第2のカテーテルと、前記第1のカテーテルの遠位端に配置され、開放状態および縮めた状態を有する撹拌器と、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルとの間に配置され、前記第1のカテーテルと前記第2のカテーテルを互いに対してスライドさせることにより前記撹拌器を開放状態と縮めた状態との間に切り替えるようにする操作装置を含み、前記撹拌器が開放状態の場合、前記撹拌器は前記フィルタスクリーンと前記吸引カテーテルの遠位端との間に位置し、前記第1のカテーテルを引っ張ると、前記撹拌器は血管内を前後に移動し、
前記血栓処理プラットフォームはまた、前記第1のカテーテルまたは前記第2のカテーテルに接続され、前記撹拌器を駆動して回転させることができる駆動装置を含む。
【0010】
本発明の使用時には、フィルタスクリーンアセンブリを血流の下流に配置することにより、血栓が血流に沿って他の部分に流れ込むのを防ぐことができ、そして、血栓溶解薬を通すことで、撹拌装置を前後に引っ張ることで、撹拌器を血管内で前後に移動し、撹拌器は、血管壁を前後に掻き取り、血管内の血栓を撹拌し、又は駆動装置を介して撹拌器を回転させて血栓を破砕するか、又は超音波で流れを乱して、血栓の血管壁からの脱落、血栓破砕及び血栓捕捉を実現し、且つ吸引カテーテルと組み合わせることで血栓を吸引し、血管壁や静脈弁を傷つけることなく、多数の深部静脈血栓や進行した血栓を迅速に除去でき、血栓除去の後遺症を軽減する。
【0011】
本発明の吸引カテーテルは、自体が血栓除去の機能を有するという前提で、また、他の血栓除去装置へのアクセスを提供することができるので、医師が異なる血栓に対する手術計画を選択するのに便利であり、その結果、血栓処理プラットフォームは、幅広い適応症に適する。
【0012】
もちろん、吸引カテーテルを介した吸引のみによって治療できる一部の血栓性疾患の場合、医療スタッフは、撹拌装置やフィルタスクリーンアセンブリなどを使用せずに、本発明の吸引カテーテルのみを使用すればよい。
【0013】
本発明において、前記吸引カテーテル、前記フィルタスクリーンアセンブリ、前記撹拌装置、前記シース、前記駆動装置、前記吸引ポンプはそれぞれ個別包装され、各個別包装された部品は、全体または個別に販売できるため、医療スタッフが選択的に使用でき、もちろん、前記吸引カテーテル、前記フィルタスクリーンアッセンブリ、前記撹拌装置、前記シース、前記駆動装置、前記吸引ポンプをまとめてワンパッケージで販売することも可能である。
【0014】
一実施形態によれば、前記血栓処理プラットフォームは、ガイドワイヤをさらに含む。本製品はガイドワイヤと一緒に販売でき、また、他のメーカーのガイドワイヤを使用することもできる。
【発明の効果】
【0015】
上記の技術的解決手段の実施により、本発明は従来技術と比較して以下の利点を有する。
本発明は、比較的安全な状態で血栓を除去することができ、特に下大静脈内の多量の血栓を除去するのに適しており、静脈弁および静脈血管壁を保護し、失血量が制御可能で、操作手順が簡単で、手術時間が短縮され、患者の入院費用が削減される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例または従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施例または従来技術の説明に使用する必要がある添付の図面を簡単に紹介し、明らかに、当業者にとって、創造的な努力なしにこれらの図面から他の図面を取得することもできる。
【0017】
【
図1】実施例1及び実施例2の吸引カテーテルの構造概略図である。
【
図2】実施例1の吸引カテーテルの一部断面模式図である。
【
図4】実施例1の吸引カテーテルを0°と30°で曲げた状態の模式図である。
【
図5】実施例2の吸引カテーテルの一部断面模式図である。
【
図8】実施例2の吸引カテーテルを±30°で曲げた状態の模式図である。
【
図9】実施例3の吸引カテーテルの構造概略図である。
【
図10】実施例3の吸引カテーテルの一部断面模式図である。
【
図13】実施例3の吸引カテーテルを平面内で±30°で曲げた状態の模式図である。
【
図14】メッシュバスケット型フィルタスクリーンのフィルタスクリーンアセンブリの構造概略図である。
【
図15】シャトル型フィルタスクリーンのフィルタスクリーンアセンブリの構造概略図である。
【
図16】網袋型フィルタスクリーンのフィルタスクリーンアセンブリの構造概略図である。
【
図17】実施例5の撹拌装置の縮めた状態の構造概略図である。
【
図18】実施例5の撹拌装置の開放状態の構造概略図である。
【
図20】実施例6の撹拌装置の縮めた状態の構造概略図である。
【
図21】実施例6の撹拌装置の開放状態の構造概略図である。
【
図25】操作アセンブリがロック状態にあり、撹拌器が縮めた状態にある撹拌アセンブリの部分断面図(撹拌装置は超音波機能を含まない)である。
【
図26】操作アセンブリがロック状態にあり、撹拌器が開放状態にある撹拌アセンブリの部分断面図(撹拌装置は超音波機能を含まない)である。
【
図27】ロック解除状態の操作アセンブリとロック状態のロックアセンブリの構造概略図(撹拌装置は超音波機能を含まない)である。
【
図28】実施例4の吸引カテーテルの構造概略図(拡張カテーテルが縮めた状態)である。
【
図29】実施例4の拡張カテーテルの縮めた状態にある横断面図である。
【
図30】実施例4の吸引の構造概略図(拡張カテーテルが開放状態にある)である。
【
図31】実施例4の拡張カテーテルの開放状態の横断面図である。
【
図35】シースがフィルタスクリーンアセンブリを搬送するときの状態図である。
【
図37】吸引カテーテル(超音波発生器を除く)がフィルタスクリーンアセンブリアセンブリと組み立てる場合の状態図である。
【
図38】吸引カテーテル(超音波発生器を含む)がフィルタスクリーンアセンブリアセンブリと組み立てる場合の状態図である。
【
図39】吸引カテーテル(超音波発生器を含む)、撹拌装置(超音波発生器を除く)がフィルタスクリーンアセンブリアセンブリと組み立てる場合の状態図である。
【
図40】吸引カテーテル(超音波発生器を除く)、撹拌装置(超音波発生器を除く)がフィルタスクリーンアセンブリと組み立てる場合の状態図である。
【
図41】吸引カテーテル(超音波発生器を除く)、撹拌装置(超音波発生器を含む)がフィルタスクリーンアセンブリと組み立てる場合の状態図(駆動装置は省略して図示せず)である。
【
図42】吸引カテーテル(拡張カテーテルを含む)、撹拌装置(超音波発生器を含む)がフィルタスクリーンアセンブリと組み立てる場合の状態図(駆動装置は省略され、図示せず)である。
【
図43】吸引カテーテル(超音波発生器を含む)、撹拌装置(超音波発生器を含む)がフィルタスクリーンアセンブリアーチと組み立てる場合の状態図(駆動装置は省略され、図示せず)である。
【
図44】吸引カテーテル(超音波発生器を除く)、シースがフィルタスクリーンアセンブリと組み立てる場合の状態図である。
【
図45】吸引カテーテル(拡張カテーテルを含む)、シースがフィルタスクリーンアセンブリと組み立てる場合の状態図である。
【
図46】吸引カテーテル(超音波発生器を含む)、シースがフィルタスクリーンアセンブリと組み立てる場合の状態図である。
【
図47】操作アセンブリがロック状態にある撹拌アセンブリの部分断面図(撹拌装置は超音波機能を有する)である。
【
図48】操作アセンブリがロック状態にある撹拌アセンブリの部分断面図(撹拌装置は超音波機能を有する)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施例を参照しながら以下で本発明をさらに説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。実施例で採用されている実施条件は、特定の用途のさまざまな要件に応じてさらに調整でき、示されていない実施条件は、本業界の通常の条件である。本発明の様々な実施形態に関する技術的特徴は、互いに矛盾しない限り互いに組み合わせることができる。以下では、いくつかの例示的な実施例のみを簡単に説明する。当業者が理解するように、記載された実施例は、本発明の精神または範囲からすべて逸脱することなく、さまざまな異なる方法で修正され得る。したがって、図面および説明は、本質的に例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。
【0019】
本発明の実施例の説明において、近位端は、血栓処理プラットフォームが使用されるときに医療スタッフに近い側として定義され、遠位端は、血栓処理プラットフォームが使用されたときに医療スタッフから離れた側として定義されることが理解されるべきである。各方位の定義は、本発明の実施例を説明し、説明を簡略化する便宜のためだけのものであり、参照されるデバイスまたは要素が特定の方位を有し、特定の方位で構築され、動作しなければならないことを示したり暗示したりするものではない。したがって、本発明の実施例の制限として解釈されるべきではない。
【0020】
本発明の実施例において、特に明示的に指定および制限されていない限り、「接続」、「固定」等の用語は、広い意味で解釈されるべきであり、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、または統合された接続のいずれかであってもよく、機械的接続、電気的接続、または通信のいずれかであってもよく、直接接続または仲介を介して間接的に接続されてもよく、2つの要素の内部連通または2つの要素間の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本発明の実施例における上記の用語の特定の意味は、特定の状況に従って理解することができる。
【0021】
本発明の実施例では、別の明示的な指定および限定がない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上」または「下」にあることは、第1と第2の特徴が直接接触することを含んでもよく、または第1と第2の特徴が直接接触するのではなく、それらの間の別の特徴を介して接触することを含んでもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」、および「上側」にあるということは、第1の特徴が第2の特徴の真上および斜め上にあることを含み、または単に、第1の特徴が第2の特徴より高い水平高さであることを意味する。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」、「下側」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上および斜め上にあることを含み、または単に、第1の特徴が第2の特徴より低い水平高さであることを意味する。
【0022】
以下の開示は、本発明の実施例の異なる構造を実現するための多くの異なる実施形態または例を提供する。本発明の実施例の開示を簡略化するために、特定の例の構成要素および設置を以下に説明する。当もちろん、これらは単なる例であり、本発明の実施例を限定することを意図するものではない。さらに、本発明の実施例は、異なる例に参照番号及び/又は参照文字を繰り返してもよく、そのような繰り返しは、簡略化および明確化を目的としており、それ自体は、議論されたさまざまな実施形態及び/又は設置の間の関係を示すものではない。
【0023】
本発明の血栓処理プラットフォームは、吸引チャネルを有する吸引カテーテル10、吸引ポンプ19、撹拌装置及びフィルタスクリーンアセンブリなどを含む。
【0024】
図1~13は、実施例1~3の吸引カテーテル10の構造概略図であり、
図28~31は、実施例4の吸引カテーテル10の構造概略図である。吸引カテーテル10は、吸引チャネルを有するカテーテル部を含み、吸引チャネルは、カテーテル部の軸方向に沿って延び、カテーテル部を貫通し、カテーテル部の外径は12~14Fである。
【0025】
図5および
図6に示すように、カテーテル部は、内側に位置する第1の壁層11と、外側に位置する第2の壁層12と、第1の壁層11と第2の壁層12との間に配置された支持部材13とを含み、支持部材13は、カテーテル部の軸方向に沿って連続的に配置された複数の繰り返し体を含み、ここで、支持部材13の繰り返し体間の間隔は、近位端から遠位端まで変化するため、カテーテル部は、近位端に位置する第1の管部1、遠位端に位置する第2の管部2、および、第1の管部1と第2の管部2との間に位置する第3の管部3に分けられ、また、第1の管部1の位置における隣接する2つの繰り返し体間の間隔及び第2の管部2の位置における隣接する2つの繰り返し体間の間隔は、第3の管部3の位置における隣接する2つの繰り返し体間の間隔より小さく、したがって、第3の管部3の硬度は、第1の管部1および第2の管部2の硬度より小さいので、第1の管部1に対する第2の管部2の曲げをよりよく実現することができる。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、カテーテル部の前端は、指向性0~180°、好ましくは0~90°、より好ましくは0~30°曲げることができる。
【0027】
複数の繰り返し体からなる支持部材13は、バネに似た螺旋形状であってもよく、アコーディオンに似た構造であってもよく、支持部材13が螺旋状の場合、繰り返し体の間隔は螺旋ピッチであり、支持部材13がアコーディオン構造の場合、繰り返し体の間隔は、隣接する2つのピーク間の距離である。この実施例では、支持部材13は、好ましくは螺旋形状を採用する。
【0028】
第1の管部1に対する第2の管部2の曲げ角度に関しては、繰り返し体の間隔およびカテーテル部の材質を調整することによって達成することができ、本実施例では、支持部材13の材質は、304ステンレス鋼、ニチノール合金ワイヤなどの金属から選択され、第1の壁層11および第2の壁層12の材質は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブロックポリエーテルアミド(Pcbax)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリエチレン(PE)、金属薄膜などから選択される。好ましくは、第1の壁層11は、血栓が吸引チャネルを通過するのを容易にするために、潤滑性のより良いポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を採用し、第2の壁層12は、ブロックポリエーテルアミド(Pcbax)又は金属薄膜等を採用し、さらに、第1の管部1、第2の管部2、および第3の管部3の第2の壁層12は、異なる材質で接合することができる。
【0029】
吸引カテーテル10は、カテーテル部の第3の管部3のより遠位端に固定して配置される固定部材15をさらに含み、本実施例の固定部材15は現像リングであり、現像リングを固定部材15として使用することで、接続部材14とカテーテル部(詳細は後述)との固定接続を実現すると同時に、操作者にとって吸引カテーテル10の遠位端の位置を知ることに便利である。実施例1~3の手段では、現像リングは、熱融着または溶接等によって、第1の壁層11と第2の壁層12との間に固定される。
【0030】
また、吸引カテーテル10は、遠位端が固定部材15に固定接続された接続部材14と、カテーテル部の近位端に可動接続された操作部4とを含み、接続部材14の近位端は、操作部4に接続される。接続部材14は、第1の壁層11と第2の壁層12との間に位置し、カテーテル部の軸方向に沿って延び、それにより接続部材14の軸心線はカテーテル部の軸心線と平行であり、一致せず、さらに接続部材14は、第2の管部2を曲げるために駆動することができる。
【0031】
この実施形態では、医療スタッフによって操作部4を操作することにより、操作部4が移動して接続部材14の移動を駆動し、接続部材14がさらに固定部材15を引っ張ることで、カテーテル部が曲げ、これにより、カテーテル部の遠位端とカテーテル部の近位端との間に角度オフセットが生成され、したがって、臨床的ニーズに応じて吸引カテーテルヘッド部の角度を調整すると便利であり、たとえば、分岐した血管などに簡単に挿入できる。
【0032】
接続部材14と固定部材15とは、結節、熱融着または溶接等によって固定的に接続することができる。接続部材14は、304ステンレス鋼ワイヤ、ニチノール合金ワイヤなどの金属ワイヤである。
【0033】
本実施形態において、操作部4とカテーテル部との可動接続は、スライド接続であっても回転接続であってもよいが、スライド接続の際、操作部4は吸引カテーテル10の軸方向に一定距離移動する必要があり、医療スタッにとって操作が不便であり、吸引カテーテル10の体積も大きくなるため、好ましくは、操作部4がカテーテル部に回転接続され、接続部材14の近位端は操作部4に巻き付けられており、操作部4を正逆方向に回転させることにより、操作部4と固定部材15との間の接続部材の長さを長くしたり短くしたりすることができ、さらにカテーテル部の遠位端の曲がりを実現する。
【0034】
図1、2及び7に示すように、吸引カテーテル10はまた、カテーテル部の遠位端(すなわち、第2の管部2の遠位端位置)に配置された第2の超音波発生器5、第2の超音波発生器5に接続されかつカテーテル部の管壁内(すなわち、第1の壁層11と第2の壁層12との間)に配置された第2の電源線16および第2の信号伝送線17、カテーテル部の近位端に配置され、第2の電源線16及び第2の信号伝送線17に接続された第2の超音波コネクタ6を含み、該第2の超音波コネクタ6は他の機器と接続可能である。
【0035】
実施例1を
図1~4に示すように、ここで、接続部材14は一本の鋼線のみであり、接続部材14の遠位端は現像リングに固定的に接続され、近位端は操作部4に巻き付けられ、このとき、接続部材14と現像リングとの接続点は1つのみであり、このため、操作部4を回転させたとき、カテーテル部は一方向にしか曲げることができず、曲げることができる角度範囲は0~90°で、
図4に示す角度範囲は0°と30°である。
【0036】
実施例2を
図1、5から8に示すように、ここで、接続部材14も一本の鋼線であり、接続部材14の2つの端部(即ち接続部材14の遠位端)はそれぞれ固定部材15の相対的な両側に固定的に接続され、接続部材14の中間位置は操作部4に巻き付けられており、接続部材14は操作部4によって2つの部分に分割されており、ここでは上部と下部で説明し、例えば、操作部4を時計回りに回転させると、上部の接続部材14が伸び、下部の接続部材14が対応して短くなり、この場合、カテーテル部の第2の管部2が下に一定の角度回転し、操作部4を反時計回りに回転させると、上部の接続部材14が短くなり、それに対応して下部の接続部材14が伸び、カテーテル部の第2の管部2が上に一定角度回転する。ここでは、第2の管部2が第1の管部1および第3の管部3と同一直線上にある、すなわち第2の管部2の曲げ角度が0°を開始位置として説明する。したがって、実施例2のカテーテル部は両方向に曲げることができ、両方向とも0~90°の範囲で曲げることができ、
図8に示す角度範囲は0°および±30°である。もちろん、実施例2の接続部材14は、2本の鋼線であってもよく、2本の鋼線の遠位端はそれぞれ固定部材15の相対的な両側に固定接続され、近位端は操作部4にそれぞれ逆方向に巻き付けられ、このようにして、一本の鋼線がカテーテル部の曲げを駆動すると同様の効果を達成することができる。
【0037】
実施例3は
図9~13に示すように、ここで、操作部は、カテーテル部の近位端に可動接続された第1の操作部41と、カテーテル部の近位端に可動接続された第2の操作部42とを含み、接続部材は、第1の操作部41に巻き付けられる第1の接続部材21と、第2の操作部42に巻き付けられる第2の接続部材22と、を含み、第1の接続部材21の2つの遠位端は、それぞれ固定部材15の相対的な両側に配置され、第2の接続部材22の2つの遠位端は、それぞれ固定部材15の相対的な両側に配置され、第1の接続部材21の2つの遠位端と第2の接続部材22の2つの遠位端は、固定部材15の周方向に沿って均一に分布し、したがって、第1の操作部41と第2の操作部42を同時に操作することにより、カテーテル部のヘッド端を360°回転させることができる。すなわち、実施例3の解決手段は、実施例2の解決手段に基づいて、1セットの操作部と接続部材が追加されている。もちろん、実施例3における第1の接続部材21と第2の接続部材22は、それぞれ2本の鋼線であってもよく、接続方法は、実施例2の2本の鋼線の接続方法を参照しており、ここではさらに説明しない。
【0038】
実施例1~3の操作部4は、カテーテル部の近位端部に配置してもよいし、カテーテル部の近位端側部に配置してもよく、好ましくはカテーテル部の近位端側部に配置して、それにより、止血弁7をカテーテル部の近位端部に設置すると便利である。実施例3では、第1の操作部41と第2の操作部42がカテーテル部の両側に配置されているので、吸引カテーテル10のハンドル54でのレイアウトがより合理的である。
【0039】
図28~
図31に実施例4の吸引カテーテル10の構造概略図を示し、その構造は、実施例1~3に基づいて拡張カテーテルを追加するものであり、具体的な構造は次のとおりである。
【0040】
該吸引カテーテル10はまた、カテーテル部の遠位端に接続され、開放状態および縮めた状態を有する拡張カテーテルを含み、拡張カテーテルが縮めた状態にある場合、拡張カテーテルはカテーテル部内に位置し、拡張カテーテルが開放状態にある場合、拡張カテーテルはカテーテル部外に位置し、拡張カテーテルの遠位端の直径は、カテーテル部の直径より大きい。ここで、拡張カテーテルが開放状態にある場合の方位で説明し、拡張カテーテルは、近位端がカテーテル部の遠位端と固定的に接続された可撓性膜材料71と、可撓性膜材料71の遠位端と固定的に接続された拡張リング72とを含む。拡張リング72は、拡張カテーテルの遠位端部を拡張状態に保つことができる記憶材料またはエアバッグなどの材料であってもよく、記憶材料が使用される場合、それは自己拡張型記憶材料、または拡張器によって拡張する必要がある記憶材料であってもよく、記憶材料はニチノール材料などであってもよく、この場合、可撓性膜材料71の材料は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)またはePTFE(ポリテトラフルオロエチレン多孔質膜)であり、エアバッグが使用される場合、吸引カテーテル10は、エアバッグを膨張および収縮させるためのチャネルも含み、この場合、可撓性膜材料71は、生体適合性を有するラテックス類弾性高分子材料であってもよい。遠位端に拡張カテーテルを有する吸引カテーテル10が使用される場合、カテーテル部の外径は12Fであってもよく、拡張カテーテルの拡張後の外径は、14Fに達することができ、これにより、吸引カテーテル10を人体に挿入および抜去する際により便利になり、より多くの血管に適応することができる。
【0041】
該吸引カテーテル10のカテーテル部の構造は、実施例1のカテーテル部の構造を参照すればよく、ここで、第1の壁層11と第2の壁層12とは互いにスライドすることができ、拡張カテーテルの可撓性膜材料71の近位端は、それぞれ、第1の壁層11の遠位端および第2の壁層12の遠位端に固定的に接続され、それにより、拡張カテーテルを開放する必要がある場合、第1の壁層11を遠位端に移動させることにより、拡張カテーテルをカテーテル部内から押し出すことができ、拡張カテーテルを引っ込める必要がある場合、第1の壁層11を近位端に移動させることによって拡張カテーテルをカテーテル部内に引っ込めることができる。ここで、第1の壁層11および第2の壁層12は、良好な柔軟性および耐巻き上げ性を有する必要があり、第1の壁層11及び第2の壁層12の材質は好ましくは、ePTFE、PTFE等の軟質材料膜であり、支持部材13等の構造は実施例1~3と同様である。
【0042】
本実施例の第1の壁層11と第2の壁層12とは相対的にスライド可能であるため、固定部材15は好ましくは、第2の壁層12に固定される。
【0043】
該実施例において、該吸引カテーテル10はまた、前記第1の壁層11に固定して接続されたハンドル73を含み、ハンドル73は、第2の壁層12に回転可能に接続され、ハンドル73を回転させることにより、第1の壁層11を第2の壁層12に対して回転させるように駆動し、軸線方向に移動させることができ、これにより、拡張カテーテルを押し出したり、引っ込めたりすることができる。止血弁7、第1の操作部41、第2の操作部41はハンドル73に取り付けられ、三方弁8はハンドル73に取り付けられて第1の壁層11の内腔に連通する。
【0044】
上記実施例では、操作部4を回転させることにより、カテーテル部先端の曲げ方向及び曲げ角度を精密に制御し、例えば、操作部4の直径等を計算により調整することができ、それにより操作部4を1回転させるごとに、カテーテル部の先端は、1°、2°、3°などの一定の角度で曲げることができ、もちろん、医療スタッフの過重労働を避けるために、操作部4の1回転あたりのカテーテル部の曲げ角度を5°等に設定することもできる。
【0045】
また、上記実施例の吸引カテーテル10は、カテーテル部の近位端に連通する三方弁8を含み、医療スタッフは三方弁8を介してカテーテル部に生理食塩水や血栓溶解剤等をカテーテル部に導入することができ、三方弁8を介して吸引ポンプ19に接続され、血栓を吸引することもできる。
【0046】
上記実施例では、操作者が操作部4を操作することにより、操作部4が移動して接続部材14の移動を駆動し、接続部材14はさらにカテーテルの壁を引っ張り、カテーテル部を曲げ、これにより、カテーテル部の遠位端とカテーテル部の近位端との間に角度オフセットが生成され、したがって、臨床的ニーズに応じて吸引カテーテル10ヘッド部の角度を調整すると便利であり、たとえば、吸引カテーテル10として血管に入ることができ、ヘッド端角度の調整により、分岐した血管等の挿入に便利である。
【0047】
図14~16は、3つの異なる構造のフィルタスクリーンアセンブリであり、これら3つのスクリーンスクリーンアセンブリは、上記の4つの実施例の吸引カテーテル10と組み合わせて使用することができる。
【0048】
フィルタスクリーンアセンブリは、フィルタロッド31、フィルタロッド31の遠位端に固定して取り付けられ、開放状態と縮めた状態を有するフィルタスクリーン32を含む。
図14に示すフィルタスクリーン32は、近位端に向かって開口部を有するメッシュバスケットの形状であり、
図15に示すフィルタスクリーン32はシャトルの形状であり、
図16に示すフィルタスクリーン32は、近位端に向かって開口部を有する網袋の形状である。
【0049】
フィルタロッド31の外径は、0.1~1mm、好ましくは0.035inであり、これにより、フィルタロッド31をガイドワイヤとして使用することができ、他の構成要素がフィルタロッド31に沿って所望の位置に入るために便利である。
【0050】
図33および
図34は、シース18の構造概略図であり、ここで、シース18は、ガイドワイヤの通過のための第1のチャネル181と、血栓の通過を可能にするかまたはフィルタスクリーン32を収納することができる第2のチャネル182とを含む。使用中、シース18は、遠位端をフィルタスクリーン32の近位端に真っ直ぐにして吸引チャネルを通過させることができ、シース18の近位端には吸引ポンプ19が接続され、吸引ポンプ19と吸引カテーテル10に接続された吸引ポンプ19は同一であっても異なる2つであってもよい。
【0051】
フィルタスクリーンアセンブリが血管に入り、血栓の遠位端まで延びる方法は、先行技術における従来の方法を使用することができ、例えば、フィルタスクリーンアセンブリをシース18に装填することにより、次にシース18をガイドワイヤに沿って所望の位置に入れる。フィルタスクリーン32は、縮めた状態でシース18に装填することができ、開放状態では、フィルタスクリーン32の外径(つまり、フィルタスクリーン32が膨らんだ後の横断面の最大間隔)は血管の内径以上であり、それにより、フィルタスクリーン32は、フィルタスクリーン32を通過した血栓を良好に濾過し、血栓が他の部位に流出するのを防止することができる。
【0052】
撹拌装置は、第1のカテーテル51と、第1のカテーテル51の外側にスライド可能に套設された第2のカテーテル52と、第1のカテーテル51の遠位端に配置され、開放状態および縮めた状態を有する撹拌器53と、第1のカテーテル51と第2のカテーテル52との間に配置され、第1のカテーテル51と第2のカテーテルとを相対的にスライドさせて撹拌器53を開放状態と縮めた状態との間に切り替えることができる操作装置を含む。血栓処理プラットフォームはまた、第1のカテーテル51及び/又は第2のカテーテル52に接続され、撹拌器53を駆動して回転させることができる駆動装置を含む。
【0053】
駆動装置は、第1のカテーテル51または第2のカテーテル52に接続されたモーター20と、モーター20に電力を供給できる電源とを含み、ここで、電源は、乾電池または外部電源に接続できる電源線であってもよい。
【0054】
ここで、撹拌器53は、複数のワイヤ56から編組されたメッシュバスケットであり、そして、各ワイヤ56の両端は、それぞれ第1のカテーテル51の近位端および遠位端に位置し、すなわち、各ワイヤ56の軸方向は、第1のカテーテル51の軸方向に実質的に沿って延び、しかし、少なくとも部分のワイヤ56は、第1のカテーテル51の周りに一定の角度で回転し、且つ少なくとも部分のワイヤ56は交差し、ここで具体的な角度は、ワイヤの長さ、撹拌器が開放状態にある場合に必要な最大外径、編組する必要があるメッシュバスケットの密度及びサイズに合わせて、設定することができる。ワイヤ56の材質は、ニチノール合金、ステンレス鋼線、高分子ポリマー等である。撹拌器53が縮めた状態にある場合、撹拌器53の外径は6F未満であり、より好ましくは撹拌器53の外径≦5.5Fであり、さらに好ましくは、≦5Fである。
【0055】
撹拌器53は、第1のカテーテル51及び/又は第2のカテーテル52によって展開の程度を制御できるので、医療スタッフが実際のニーズに応じて撹拌器53と血管壁との間の距離および適合度を制御するのに便利であり、より便利に使用できる。かつ、この実施形態の撹拌器53は、ワイヤ56で編組されており、縮めた状態では、外径が非常に小さいため、第2のカテーテル52のサイズを縮小することができ、吸引チャネル用により大きなスペースが確保され、血栓除去効率が向上する。
【0056】
図17~19は、実施例5の撹拌装置の実施形態であり、ここで、第1のカテーテル51の遠位端は第2のカテーテル52の外に延び、各ワイヤ56の遠位端は第1のカテーテル51と固定して接続され、近位端は第2のカテーテル52と固定して接続され、第1のカテーテル51が第2のカテーテル52に対して近位端に移動すると、撹拌器53が開放され、
図18に示すように、第1のカテーテル51の移動距離が長いほど、撹拌器53の膨張度合いが大きくなり、撹拌器53の外径が大きくなる。ワイヤ56が真っ直ぐになるまで、第1のカテーテル51が第2のカテーテル52に対して遠位端に移動すると、撹拌器53は縮めた状態にあり、このとき、撹拌器53の外径は最も小さく、基本的には第1のカテーテル51に適合し、
図17に示すように、このとき、撹拌器53の外径は5Fに達することができる。上記実施例5において、操作装置の構造を
図25~
図27に示すように、操作装置は、第1のカテーテル51および第2のカテーテル52上に套設されたハンドル54と、第1のカテーテル51と第2のカテーテル52との間に配置され、互いに対して2つをロックすることができるロックアセンブリと、ハンドル54とスライド可能に接続され且つ第1のカテーテル51と嵌合してロックできる操作アセンブリと、を含む。第1のカテーテル51は、ハンドル54を通過し、ハンドル54の近位端から延びる。
【0057】
ロックアセンブリは、第1のロック部材60、第2のロック部材61、第3のロック部材62などを含む。
【0058】
第1のロック部材60は、第2のカテーテル52の遠位端に固定して接続され、ここで、第1のロック部材60および第2のカテーテル52は、熱融着、溶接などによって固定して接続することができ、または押出成形または射出成形によって一体成形することができる。第1のロック部材60の外面には雄ネジが形成されている。
【0059】
ハンドル54の遠位端には、第2のロック部材61を収容可能な収容溝が開けられ、第2のロック部材61は収容溝内で回転可能であり、第2のロック部材61の外面には複数のフランジが形成され、これらのフランジは、第2のロック部材61の外面の摩擦力を増加させ、第2のロック部材61の回転を容易にして、ロックアセンブリのロックおよびロック解除を実現することができる。第2のロック部材61は、第1のカテーテル51に套設され、第1のカテーテル51の周りを回転することができ、第2のロック部材61には溝が形成され、溝の溝壁に雌ネジが形成される。
【0060】
第1のロック部材60は、第2のロック部材61の溝内に挿入され、そして、第1のロック部材60と第2のロック部材61は、雌ネジおよび雄ネジを介して回転可能に接続されることにより第1のロック部材60の近位端と溝の底部との間の距離を調整でき、そして、第1のロック部材60の近位端と溝の底部との間に空洞が形成され、第3のロック部材62が該空洞内に位置する。
【0061】
第3のロック部材62の材質は、シリカゲル等の弾性変形可能な材質である。
【0062】
ロックアセンブリがロック解除状態にある場合、第3のロック部材62は自然状態にあり、この場合、第3のロック部材62は依然として第1のロック部材60、第2のロック部材61および第1のカテーテル51と接触しているが、係合の密着度は高くなく、このとき、第3のロック部材62と第1のカテーテル51との間の摩擦力より大きな外力が第1のカテーテル51に加えられると、第1のカテーテル51と第2のカテーテル52とが相対的にスライドすることができる。
【0063】
ロックアセンブリをロックする必要がある場合、第2のロック部材61を回転させることによって第2のロック部材61を遠位端に移動させ、第1のロック部材60と第2のロック部材61との間の空洞が小さくなるようにし、このとき、第3のロック部材62は押出されて弾性変形し、第3のロック部材62と第1のロック部材60、第2のロック部材61および第1のカテーテル51との間の係合はより密になり、このとき、第3のロック部材62と第1のカテーテル51との間の摩擦力が大幅に増大し、第1のカテーテル51と第2のカテーテル52との相対位置がロックされ、モーター20が第1のカテーテル51をそれ自体の軸心線の周りに回転するように駆動すると、第2のカテーテル52が第1のカテーテル51と共に回転し、それによって撹拌器53がそれ自身の軸心線の周りを回転して血栓を破砕する効果がある。
【0064】
ロックアセンブリが第1のカテーテル51および第2のカテーテル52を互いに対してロックする機能を有すると同時に良好なシール効果を有して止血弁としての機能を有するようにするために、ロックアセンブリはまた、第3のロック部材62と第1のロック部材60との間に配置されたスペーサ63を含む。
【0065】
操作アセンブリは、ハンドル54に開けられ、近位端および遠位端の方向に延在するスライド溝57と、スライド溝57に挿入され、ハンドル54にスライド可能に接続される操作部材55と、操作部材55に形成され第1のカテーテル51と嵌合してロックできる嵌合部64と、ハンドル54の内壁に固定して設置されるスライドレール65と、スライドレール65と係合してスライド可能なスライドブロック66と、両端部がそれぞれ嵌合部64の底部及びスライドブロック66の上面に設置される弾性部材67を含む。ここで、弾性部材67はバネであり、かつ弾性部材67はハンドル54の軸方向に沿って2つ配置されている。ここで、スライドレール65の配置により、操作部材55がハンドル54に対してスライドする際に、操作部材55に沿って弾性部材67をスムーズにスライドさせることができる。
【0066】
操作アセンブリがロック状態にある場合、弾性部材67の弾性力により、嵌合部64の上面と第1のカテーテル51の下面とが緊密に嵌合し、相対的にロックされ、かつロックアセンブリがロック解除状態にある場合、操作部材55を近位端に向かってスライドさせることにより、第1のカテーテル51を近位端に向かってスライドさせて撹拌器53を開放することができ、逆に撹拌器53を縮めることができる。
【0067】
撹拌器53を駆動して回転させるためにモーター20が必要な場合、第2のロック部材61を回転させてロックアセンブリをロックし、操作部材55を下方に押して弾性部材67の弾性力に打ち勝つと、嵌合部64が第1のカテーテル51から外れ、操作アセンブリがロック解除状態になり、このとき、モーター20を起動して第1のカテーテル51を回転させるように駆動することにより、撹拌器53を回転させることができる。
【0068】
図20~24は、実施例6の撹拌装置であり、その構造は実施例5とほぼ類似するが、実施例5に基づいて、超音波を送出して血栓を破砕できるという効果を有し、ここで、撹拌装置は、ワイヤ56上に固定配置された複数の第1の超音波発生器81と、第1の超音波発生器81に接続された第1の電源線82と、操作装置に設けられ、第1の電源線82に電力を供給することができる第1の超音波コネクタ84と、をさらに含む。この実施例では、ワイヤ56は内腔を有し、第1のカテーテル51または第2のカテーテル52も内腔を有し、第1の電源線82は、ワイヤ56の内腔および第1のカテーテル51または第2のカテーテル52の内腔を通過して、第1の超音波発生器81と第1の超音波コネクタ84とを接続する。ワイヤ56の両端がすべて第1のカテーテル51に固定される解決手段では、第1の電源線82は第1のカテーテル51の管壁を穿設し、ワイヤ56の遠位端が第1のカテーテル51に固定され、近位端が第2のカテーテル52に固定される解決手段では、第1の電源線82が第2のカテーテル52の管壁を穿設する。
【0069】
この実施例では、第1の超音波発生器81の直径は0.2~0.4mm、好ましくは0.3mmであり、ワイヤ56の外径は0.2~0.3mm、好ましくは0.25mmであり、ワイヤ56の内径は0.1~0.2mm、好ましくは0.15mmである。
【0070】
第1の超音波発生器81は溶接によりワイヤ56に固定される。
【0071】
この実施例の操作装置の構造は、基本的に実施例5の撹拌器が採用する操作装置と同じであり、相違点は、第1の電源線82と第1の超音波コネクタ84との間の接続にある。
【0072】
この手段の下では、
図47から49に示されるように、第1の電源線82は、前記ワイヤ56の内腔および第2のカテーテル52の内腔(すなわち、管壁)内に配置され、撹拌装置はまた、第1の電源線82の近位端に固定配置された導電リング91を含み、導電リング91は、第2のカテーテル52と固定的に接続され、第1のカテーテル51上でスライド可能に套設され、第1のカテーテル51と接触し、第1のカテーテル51は、フレキシブル管セグメントと、遠位端がフレキシブル管セグメントの近位端に固定接続された金属管と、金属管の一部に套設された絶縁層とを含み、金属管の材質はステンレス等であり、嵌合部64の材質は誘導性材料であり、第1の超音波コネクタ84は、嵌合部64に接続され、第1のカテーテル51と第2のカテーテル52の相対運動の有効ストローク内で、導電リング91は、第1のカテーテル51の金属管と接触し
、嵌合部64は、第1のカテーテル51の金属管と接触することができ、嵌合部64が第1のカテーテル51の金属管に接触すると、第1の超音波コネクタ84は第1の超音波発生器81に電力を供給することができる。
【0073】
別の実施形態(図示せず)では、複数のワイヤの遠位端および近位端はすべて、第1のカテーテル上に固定して配置され、撹拌器の開放と縮め及び撹拌器の展開の程度は、撹拌器が第2のカテーテル内でどれだけ縮めるかによって決定される。撹拌器が縮めた状態にある場合、撹拌器はすべて第2のカテーテル内に配置され、撹拌器が開放状態にある場合、撹拌器の少なくとも一部が第2のカテーテルから外れ、撹拌器が第2のカテーテルから完全に出たら、撹拌器は最大状態まで開放する。この実施形態は、第2のカテーテルの内径を制御することによって、撹拌器が縮めた後の直径を制御することができる。
【0074】
この実施形態において、操作装置の構造は、上述の実施形態の構造と同じであってもよく、しかしながら、撹拌器のワイヤはすべて第1のカテーテル上に配置されているので、駆動装置が第1のカテーテルを駆動して回転させるとき、第2のカテーテルは一緒に回転する必要はなく、したがって、この実施形態に基づく操作装置は、ロックアセンブリを省略することができ、操作アセンブリの構造は依然として保持することができ、操作アセンブリの構造はここではさらに説明せず、または、操作装置の構造は、ハンドルのみを含む非常に簡単なものにすることができる。
【0075】
上記2つの実施形態の撹拌器53もすべて、上記実施例1~3に示した吸引カテーテル10と組み合わせて使用することもできる。
【0076】
上述の実施形態において、撹拌アセンブリは、同時に血栓溶解薬を導入する機能も有し、具体的な構造は
図17~19に示すことができ、第1のカテーテル51の内部は軸方向に延びる血栓溶解チャネルを有し、第1のカテーテル51の近位端には、血栓溶解チャネルに連通し、血栓溶解薬を注入するための注入孔58が開けられ、第1のカテーテル51の遠位端及び/又は撹拌器53には、血栓溶解薬が血管に侵入するための複数の血栓溶解孔59が形成され、ここで、
図19は、血栓溶解孔59が第1のカテーテル51上に位置する構造を示し、複数の血栓溶解孔59は、第1のカテーテル51の軸方向に沿って均一に分布し、複数の血栓溶解孔59は、撹拌器53の近位端と遠位端との間に位置する。
【0077】
この血栓処理プラットフォームを手術に使用する手順は次のとおりである。
1、まず、0.035inのガイドワイヤを所定の位置に送り込む。
2、フィルタスクリーンアセンブリを装填した6Fシース18を0.035inのガイドワイヤを介して血栓を通過する部位まで押し込んだ後、6Fシース18を引き抜いて、フィルタスクリーン32を開き、
図35に示すように、6Fシース18を引き抜く。
3、拡張器9(
図32に示す構造)を吸引カテーテル10に挿入し、フィルタロッド31に沿って人体の指定された位置に押し込み、
図37または
図38に示すように、拡張器を引き抜く。
4、撹拌装置をフィルタロッド31に沿って吸引カテーテル10に挿入し、血栓部位に押し込み、このとき、撹拌器53は、吸引カテーテル10の遠位端とフィルタスクリーン32との間に配置され、次に、実際の必要に応じて、血栓溶解または撹拌器53の前後の引っ張りまたは回転を行うことができる。例えば、まず、注入孔58から第1のカテーテル51の血栓溶解チャネルに血栓溶解薬を注入し、血栓溶解孔59から血栓内に進入させて血栓を溶解し、血栓溶解が終了した後、操作部材55を近位端方向にスライドさせて第1のカテーテル51を近位端方向にスライドさせるように駆動させ、撹拌器53を開放し、ハンドル54を繰り返し前後に引いて不溶性血栓を破砕および回収し、次に操作部材55を押して操作アセンブリのロックを解除し、ロックアセンブリをロックし、モーター20を起動して、第1のカテーテル51、第2のカテーテル52、および撹拌器53を駆動して一緒に回転させ、または、第1の超音波発生器81をオンにして超音波を発生させ、血栓を振動させ、同時に、吸引カテーテル10の近位端の三方弁8に吸引ポンプ19を取り付け、吸引カテーテル10に負圧をかけて吸引し、
図39~
図43に示すように、吸引ポンプ19に血栓回収用の回収バッグ23が接続されており、これにより、引っ張るプロセス中に大きな血栓が漂流するのを防ぐことができる。
5、手術終了後、撹拌装置を体外に引き抜いた後、再び吸引カテーテル10を通して0.035inのガイドワイヤをフィルタアッセンブリの先端まで押し込み、6Fシース18を0.035inのガイドワイヤに沿って吸引カテーテル10に挿入し、フィルタアセンブリの先端まで押し込み、吸引ポンプ19を6Fシース18の三方弁8に接続し、6Fシース18に負圧を加えてフィルタスクリーン32で遮断された破砕された小さな血栓を吸引し、吸引ポンプ19に血栓回収用の回収バッグ23が接続され、
図45または
図46に示すように、赤血球の変形性への影響を最小限に抑え、溶血の発生を減らすために、吸引負圧は好ましくは0.02MPaを超えない。
6、吸引終了後、6Fシース18を、0.035inのガイドワイヤと共に身体から引き抜き、その後、吸引ポンプ19を吸引カテーテル10に接続して再度吸引動作を行い、残留血栓を除去し、次に、フィルタスクリーン32が吸引カテーテル10内に完全に引き出されるまで吸引カテーテル10をフィルタロッド31に沿って遠位端に押し込み、止血弁7をロックし、システム全体を引き抜いて手術を完了する。
【0078】
本発明は、手術中に血管内の血流を妨げず、同時に、引っ張り、血栓溶解および吸引のプロセス中に血栓が血流の下流に漂うのを回避することができる。本発明の静脈内での併用は、下大静脈内の広範囲の急性および亜急性血栓を効果的に除去することができる。下大静脈内の進行した血栓を処理する場合、血栓溶解を最初に実行し、次に撹拌器53を介して引っ張って、吸引およびフィルタスクリーン保護と組み合わせて、この器械を使用することで、比較的安全な条件下で下大静脈内の多数の血栓を除去し、静脈弁と静脈血管壁を保護することができ、失血量が制御可能で、操作手順が簡単で、手術時間が短縮され、患者の入院費用が削減される。
【0079】
以上、本発明の趣旨に沿って説明してきたが、本発明は上記実施例及び実施方法に限定されるものではない。当業者は、本発明の技術的思想によって許容される範囲内で、様々な変更および実施を行うことができる。