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特許7642349情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/13 20190101AFI20250303BHJP
   G06F 16/174 20190101ALI20250303BHJP
【FI】
G06F16/13
G06F16/174
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020185941
(22)【出願日】2020-11-06
(65)【公開番号】P2022075261
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】正垣 洋平
【審査官】酒井 恭信
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-107889(JP,A)
【文献】特開2012-019372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/10 - 16/188
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウント元パスの圧縮されたデータをマウント先パスへマウントするマウント手段と、
前記マウント先パスを示すアクセス情報を有する圧縮されたファイルを解凍する解凍手段と、
前記解凍手段により解凍されたファイルの読み出し処理により、当該解凍されたファイルの前記アクセス情報が示す前記マウント先パスにアクセスして、前記マウント元パスの圧縮されたデータを読み出す読み出し手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
データを第1の形式で圧縮したファイルを生成する第1の圧縮手段と、
前記アクセス情報を有するファイルを第2の形式で圧縮する第2の圧縮手段とをさらに有し、
前記マウント手段は、前記第1の圧縮手段により圧縮されたファイルを前記マウント先パスへマウントし、
前記解凍手段は、前記第2の圧縮手段により圧縮されたファイルを解凍する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1の形式は、前記読み出し手段により前記アクセス情報を用いて前記マウント元パスの圧縮されたファイルを読み出し可能な形式であり、
前記第2の形式は、前記第2の圧縮手段により圧縮されたファイルを前記解凍手段により解凍可能な形式であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
データを前記第1の形式で圧縮するか否かを判定する第1の判定手段と、
前記第1の判定手段により第1の形式で圧縮しないと判定された場合、データを前記第2の形式で圧縮したファイルを生成する第3の圧縮手段とをさらに有し、
前記第1の圧縮手段は、前記第1の判定手段により第1の形式で圧縮すると判定された場合、データを前記第1の形式で圧縮したファイルを生成し、
前記第2の圧縮手段は、前記第1の判定手段により第1の形式で圧縮すると判定された場合、前記アクセス情報を有するファイルを前記第2の形式で圧縮し、
前記マウント手段は、前記第の判定手段により前記第1の形式で圧縮すると判定された場合、前記第1の圧縮手段により圧縮されたファイルを前記マウント先パスへマウントし、
前記解凍手段は、前記第の判定手段により前記第1の形式で圧縮しないと判定された場合、前記第3の圧縮手段により圧縮されたファイルを解凍し、前記第の判定手段により前記第1の形式で圧縮すると判定された場合、前記第3の圧縮手段により圧縮されたファイルを解凍する処理と共通の処理で、前記第2の圧縮手段により圧縮されたファイルを解凍し、
前記読み出し手段は、前記第の判定手段により前記第1の形式で圧縮しないと判定された場合と前記第1の形式で圧縮すると判定された場合とで共通の処理で、前記解凍手段により解凍されたファイルの読み出し処理を行う
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の圧縮手段は、圧縮したファイルをマウント元パスに配置し、
前記第2の圧縮手段は、圧縮したファイルを解凍元パスに配置し、
前記第3の圧縮手段は、圧縮したファイルを前記解凍元パスに配置し、
前記マウント手段は、前記マウント元パスのファイルをマウント先パスへマウントし、
前記解凍手段は、前記解凍元パスのファイルを解凍することにより、データを取得し、前記取得したデータを解凍先パスに配置する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記データは、言語リソースである
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記アクセス情報は、シンボリックリンクである
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記読み出し手段は、前記解凍手段により解凍されたファイルのアクセス情報を用いて、前記マウント元パスの圧縮されたデータを読み出すことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置のマウント手段が、マウント元パスの圧縮されたデータをマウント先パスへマウントするマウントステップと、
前記情報処理装置の解凍手段が、前記マウント先パスを示すアクセス情報を有する圧縮されたファイルを解凍する解凍ステップと、
前記情報処理装置の読み出し手段が、前記解凍されたファイルの読み出し処理により、当該解凍されたファイルの前記アクセス情報が示す前記マウント先パスにアクセスして、前記マウント元パスの圧縮されたデータを読み出す読み出しステップと
を有することを特徴とする前記情報処理装置の情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1~のいずれか1項に記載された情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置においては、販売コストを下げるために、情報処理装置内の記憶容量を少なくすることが望まれている。記憶容量を少なくするために、表示データを圧縮しておき、必要に応じて圧縮された表示データを解凍して利用するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-48221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、一つのデータ圧縮形式についてしか言及されておらず、複数のデータ圧縮形式が存在する構成について考慮することができていない。
【0005】
本発明の目的は、マウント形式で圧縮されたデータを読み出すことができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の情報処理装置は、マウント元パスの圧縮されたデータをマウント先パスへマウントするマウント手段と、前記マウント先パスを示すアクセス情報を有する圧縮されたファイルを解凍する解凍手段と、前記解凍手段により解凍されたファイルの読み出し処理により、当該解凍されたファイルの前記アクセス情報が示す前記マウント先パスにアクセスして、前記マウント元パスの圧縮されたデータを読み出す読み出し手段とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、マウント形式で圧縮されたデータを読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図2】言語リソースの圧縮を行う処理を示すフローチャートである。
図3】言語リソースの読み出しと画面表示を行うフローチャートである。
図4】ディレクトリの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態による情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。図1では、情報処理装置として、MFP(Multi Function Peripheral:複合機)101を例にとって説明する。MFP101は、ネットワーク102に接続され、システムバス110と、CPU111と、RAM112と、ROM113と、入力部114と、表示制御部115と、外部メモリI/F116と、通信I/Fコントローラ117とを有する。さらに、MFP101は、タッチパネル118と、ディスプレイ119と、外部メモリ120と、スキャナ121と、プリンタ122とを有する。
【0011】
CPU111、RAM112、ROM113、入力部114、表示制御部115、外部メモリI/F116、および通信I/Fコントローラ117は、システムバス110に接続されている。タッチパネル118は、入力部114を介して、システムバス110に接続されている。ディスプレイ119は、表示制御部115を介して、システムバス110に接続されている。外部メモリ120は、外部メモリI/F116を介して、システムバス110に接続されている。スキャナ121とプリンタ122は、システムバス110に接続されている。各処理部は、システムバス110を介して、互いにデータのやりとりを行うことができる。
【0012】
CPU111は、Central Processing Unitの略称である。RAM112は、Random Access Memoryの略称である。ROM113は、Read Only Memoryの略称である。
【0013】
ROM113は、不揮発性のメモリであり、画像データや言語データやその他のデータ、CPU111が実行するための各種プログラムなどを、それぞれ所定の領域に格納し、記憶領域として用いられる。RAM112は、揮発性のメモリであり、CPU111の主メモリ、およびワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。CPU111は、例えば、ROM113に格納されるプログラムに従い、RAM112をワークメモリとして用いて、このMFP101の各部を制御する。なお、CPU111が実行するためのプログラムは、ROM113に限らず、外部メモリ(ハードディスク等)120の記憶領域に予め記憶しておいてもよい。
【0014】
入力部114は、ユーザ操作を受け付け、操作に応じた制御信号を生成し、CPU111に供給する。例えば、入力部114は、入力デバイスとして機能するキーボード(不図示)や、マウス(不図示)やタッチパネル118からユーザ操作を受け付ける。なお、タッチパネル118は、例えば、平面的に構成された入力部に対して接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにした入力デバイスである。CPU111は、入力デバイスに対してなされたユーザ操作に応じて、入力部114で生成され供給される制御信号に基づき、プログラムに従い、このMFP101の各部を制御する。これにより、MFP101は、ユーザ操作に応じた動作を行うことができる。
【0015】
表示制御部115は、ディスプレイ119に対して、画像を表示させるための表示信号を出力する。例えば、CPU111は、プログラムに従い生成した表示制御信号を表示制御部115に供給する。表示制御部115は、この表示制御信号に基づき、表示信号を生成してディスプレイ119に対して出力する。例えば、表示制御部115は、CPU111が生成する表示制御信号に基づき、GUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面をディスプレイ119に表示させる。
【0016】
なお、タッチパネル118は、ディスプレイ119と一体的に構成され、操作部としても機能する。例えば、製造者は、タッチパネル118を光の透過率がディスプレイ119の表示を妨げないように構成し、ディスプレイ119の表示面の上層に取り付ける。そして、製造者は、タッチパネル118における入力座標と、ディスプレイ119上の表示座標とを対応付ける。これにより、ユーザがディスプレイ119上に表示された画面を直接的に操作できるGUIが構成される。
【0017】
外部メモリI/F116は、外部メモリ120が装着可能である。外部メモリI/F116は、CPU111の制御に基づき、装着された外部メモリ120からデータを読み出し、外部メモリ120にデータを書き込む。外部メモリ120は、例えば、ハードディスクやフレキシブルディスクやCDやDVDやメモリーカード等である。
【0018】
通信I/Fコントローラ117は、CPU111の制御に基づき、例えば、LANやインターネット、有線、無線等の各種ネットワーク102に対する通信を行う。ネットワーク102には、パーソナルコンピュータ(PC)や他のMFP、プリンタ、サーバ等の様々な装置がMFP101と通信可能に接続される。
【0019】
スキャナ121は、原稿を読み取り、画像データを生成する。プリンタ122は、入力部114を介して入力されたユーザの指示や通信I/Fコントローラ117を介して外部装置から入力されたコマンドに基づいて、印刷処理を実行する。
【0020】
次に、MFP101が備える言語リソースの圧縮と読み出し機能について説明する。本実施形態において、言語リソースの圧縮および読み出し機能とは、ROM113または外部メモリ120である記憶領域に、言語リソースを圧縮して配置、読み出しする機能である。
【0021】
言語リソース等の圧縮されたデータの読み出し方法として、圧縮されたデータを記憶領域の別の領域に解凍して、解凍後のデータを読み出しする方法が知られている。また、別の方法として、圧縮されたデータをマウントすることで、圧縮されたデータを解凍せずに、そのままデータを読み出しする方法が知られている。後者である圧縮された読み込み専用ファイルシステムとして、Linux向けのSquashFS等が知られている。
【0022】
CPU111は、言語リソースを用いて表示画面を生成し、ディスプレイ119に表示する機能を有する。MFP101の表示画面は、画像と文字列を含み、CPU111は、文字列を複数の言語に切り替えて表示する機能を有する。CPU111は、複数の言語の言語リソースを記憶領域に保持しておき、必要なタイミングで言語リソースを読み出し、表示画面を生成して、ディスプレイ119に表示する。
【0023】
図2は、CPU111が言語リソースの圧縮を行う一連の処理を示すフローチャートである。図2の各ステップは、MFP101のCPU111がプログラムを実行することによって処理される。実行されるプログラムは、ROM113や外部メモリ120等のメモリに格納されており、RAM112に展開されて実行される。言語リソースは、データの一例である。以下、MFP101の情報処理方法を説明する。
【0024】
ステップS201において、CPU111は、言語リソースをプロパティファイルの記述書式に変換する。プロパティファイルとは、プログラムが使用する各種設定を記述したファイルである。プロパティファイルの記述書式とは、「プロパティ名 = 値」の形式で記述されているものを示す。プロパティファイルの書式に変換にすることにより、言語リソースを画面表示に用いる際にハンドリングしやすくする。
【0025】
ステップS202において、CPU111は、判定部の判定処理により、言語リソースをマウント形式で圧縮するか否かを判定する。CPU111は、マウント形式で圧縮しないと判定した場合、ステップS203へ進む。また、CPU111は、マウント形式で圧縮すると判定した場合、ステップS204へ進む。マウント形式で圧縮するとは、圧縮されたデータを読み込む際に、データをマウントして読み込み可能とする形式で圧縮することである。具体的には、CPU111は、圧縮処理に対して渡されたファイル名から、マウント形式で処理を行うか否かを判定する。CPU111は、一連の圧縮処理を行う際に、記憶領域に保持している圧縮対象のファイルがリスト形式で記載されたファイル情報記載ファイルを読み出す。CPU111は、読み出したファイル情報記載ファイルによって、圧縮対象とするファイルを特定する。CPU111は、ファイル情報記載ファイルのファイル名を読み出し、マウント形式で圧縮する場合に、ファイル名として記載するようルール付けしている特定の文字が含まれるか否かを判定する。CPU111は、特定の文字が含まれている場合は、マウント形式で圧縮対象のファイルを圧縮すると判定する。また、CPU111は、特定の文字が含まれていない場合は、マウント形式で圧縮しないと判定する。より具体的には、CPU111は、ファイル名に「sfs」という文字列が含まれている場合に、マウント形式で処理を行うと判定する。
【0026】
ステップS203において、CPU111は、言語リソースを解凍形式で圧縮して、処理を終了する。具体的には、CPU111は、ファイル情報記載ファイルにて指示された圧縮対象ファイルを解凍形式で圧縮する処理を実行する。解凍形式で圧縮するとは、圧縮されたデータを読み込む際に、データを解凍して読み込み可能とする形式で圧縮することである。
【0027】
ステップS204において、CPU111は、言語リソースをマウント形式で圧縮する。具体的には、CPU111は、ファイル情報記載ファイルにて指示された圧縮対象ファイルをマウント形式で圧縮する処理を実行する。
【0028】
ステップS205において、CPU111は、シンボリックリンクを作成する。シンボリックリンクは、後述するマウント先へのリンクとして設定する。シンボリックリンクは、ステップS201にて変換して作成された言語リソースと同じファイル名として作成する。これにより、CPU111は、後述する言語リソースの読み出し処理を、共通の処理で実行することが可能となる。
【0029】
ステップS206において、CPU111は、作成したシンボリックリンクを解凍形式で圧縮して、処理を終了する。
【0030】
図3は、CPU111が言語リソースを読み出し、ディスプレイ119に画面を表示する一連の処理を示すフローチャートである。図3の各ステップは、MFP101のCPU111がプログラムを実行することによって処理される。実行されるプログラムは、ROM113や外部メモリ120等のメモリに格納されており、RAM112に展開されて実行される。
【0031】
ステップS301において、CPU111は、判定部の判定処理により、言語リソースがマウント形式で圧縮されたファイルシステムであるか否かを判定する。マウント形式で圧縮されたファイルシステムである場合、処理はステップS302へ進む。マウント形式で圧縮されたファイルシステムでない場合、処理はステップS304へ進む。マウント形式で圧縮されたファイルシステムか否かの判定方法は、後述するマウント情報ファイルが記憶領域に存在するか否かで判定する。マウント情報ファイルが記憶領域に存在する場合、CPU111は、マウント形式で圧縮されたファイルシステムであると判定する。マウント情報ファイルが記憶領域に存在しない場合、CPU111は、マウント形式で圧縮されたファイルシステムではないと判定する。マウント情報ファイルの存在の有無によって、CPU111がファイルシステムを判定する方法について述べたが、それに限定されるものではない。あらかじめマウント形式で圧縮されたファイルシステムとあるという情報が記憶領域に記録されている構成についても、本実施形態は適用可能である。
【0032】
ステップS302において、CPU111は、記憶領域に記憶しているマウント情報ファイルを読み出す。マウント情報ファイルは、マウント元ファイルとマウント先ディレクトリの情報が記載されている。CPU111は、マウント情報ファイルを基に、どのファイルをどのディレクトリにマウントするかの情報を取得する。マウント元ファイルは、圧縮された言語リソースであり、圧縮された言語リソースが置かれているファイルパスとファイル名が記載されている。
【0033】
ステップS303において、CPU111は、言語リソースをマウント先ディレクトリにマウントする。CPU111は、マウントすることにより、マウント先ディレクトリにアクセスすると、圧縮された言語リソースの中身が見える状態で言語リソースにアクセスすることが可能となる。
【0034】
ステップS304において、CPU111は、解凍形式で圧縮されたファイルを解凍する。具体的には、CPU111は、特定のパスに配置されている解凍形式で圧縮されたファイルを、解凍して解凍されたデータを特定のパスに配置する。言語リソースが解凍形式で圧縮されている場合は、特定のパスに配置された解凍形式で圧縮されたファイルの中身は言語リソースであるため、言語リソースが特定のパスに配置される。一方、言語リソースがマウント形式で圧縮されている場合は、特定のパスに配置された解凍形式で圧縮されたファイルの中身は言語リソースではなく、前述のシンボリックリンクが中身である。そのため、シンボリックリンクが特定のパスに配置される。
【0035】
ステップS305において、CPU111は、解凍されたデータが配置された特定のパスから言語リソースを読み出す。言語リソースが配置されている場合、CPU111は、そのまま言語リソースを読み出す。言語リソースではなく、シンボリックリンクが配置されている場合、CPU111は、シンボリックリンクのリンク先を読み出す。シンボリックリンクのリンク先は、マウント先ディレクトリが指定されている。マウント先ディレクトリには、圧縮された言語リソースの中身がアクセスできる状態でマウントされている。つまり、CPU111は、シンボリックリンクとマウント先ディレクトリを辿ることで、言語リソースを読み出す。
【0036】
ステップS306において、CPU111は、読み出した言語リソースを一時的な記憶領域に保持する。ステップS307において、CPU111は、一時的な記憶領域に保持された言語リソースを用いて、画面表示データを作成し、画面表示データを画面に表示して処理を終了する。CPU111は、画面表示を行う際に、一時的な記憶領域に保持されたプロパティファイルの書式になっている言語リソースを読み出す。そして、CPU111は、読み出した言語リソースの情報を使って、ディスプレイ119に表示するための画面表示データを作成する。そして、CPU111は、作成された画面表示データをディスプレイ119上に表示する。
【0037】
図4は、言語リソースを含むファイルが配置されたディレクトリの構成例を示す図である。前述の一連の言語リソースの読み出し処理を行う例について、図4を用いて説明する。
【0038】
まず、言語リソースをマウント形式で圧縮していない場合について説明する。ステップS203では、CPU111は、圧縮部の圧縮処理により、言語リソースを解凍形式で圧縮したファイルを生成し、その圧縮したファイルを解凍元パス401に解凍形式圧縮ファイルとして配置する。ステップS304では、CPU111は、解凍部の解凍処理により、解凍元パス401の解凍形式圧縮ファイルを解凍することにより、言語リソースのファイルを取得し、その取得した言語リソースのファイルを解凍先パス402に配置する。この場合、解凍先パス402には、解凍された言語リソースのファイルが配置されることになる。ステップS305では、CPU111は、言語リソース読み出し処理により、解凍先パス402に配置された言語リソースのファイルの読み出し処理を行う。この場合、解凍先パス402には、言語リソースの実体が配置されているため、CPU111は、言語リソースを直接的に読み出す。ステップS306では、CPU111は、読み出した言語リソースを一時的な記憶領域に保持し、後続の処理を行う。CPU111が言語リソースをマウント形式で圧縮していないため、マウント元パス403とマウント先パス404のファイルは、存在しない。
【0039】
次に、言語リソースをマウント形式で圧縮している場合について説明する。ステップS204では、CPU111は、圧縮部の圧縮処理により、言語リソースをマウント形式で圧縮したファイルを生成し、その圧縮したファイルをマウント元パス403にマウント形式圧縮ファイルとして配置する。ステップS206では、CPU111は、圧縮部の圧縮処理により、シンボリックリンクを有するファイルを解凍形式で圧縮し、その圧縮したファイルを解凍元パス401に解凍形式圧縮ファイルとして配置する。シンボリックリンクは、マウントされたデータへアクセスするためのアクセス情報である。ステップS301では、CPU111は、判定部の判定処理により、解凍元パス401のファイルがマウント形式であるか否かを判定し、マウント形式である場合には、ステップS302に進み、マウント形式でない場合には、ステップS304に進む。ステップS303では、CPU111は、マウント部のマウント処理により、マウント元パス403のマウント形式圧縮ファイルを、マウント先パス404へマウントする。ステップS304では、CPU111は、解凍部の解凍処理により、解凍元パス401の解凍形式圧縮ファイルを解凍することにより、シンボリックリンクを有するファイルを取得し、その取得したシンボリックリンクを有するファイルを解凍先パス402へ配置する。この場合、解凍先パス402には、マウント先パス404へのリンク情報を持つシンボリックリンクのファイルが配置されることになる。解凍形式圧縮ファイルは、言語リソースをマウント形式で圧縮していない場合のファイル名と同名である。そのため、解凍処理は、ステップS301でマウント形式であると判定された場合とマウント形式でないと判定された場合とで共通の処理(同じ処理)である。すなわち、言語リソースをマウント形式で圧縮していない場合もしている場合も、共通の処理を適用することが可能となる。ステップS305では、CPU111は、読み出し部の読み出し処理により、解凍先パス402に配置されたシンボリックリンクを有するファイルの読み出し処理により、マウントされた言語リソースを読み出す。この場合、解凍先パス402には、言語リソースのファイルの代わりにそれと同名のシンボリックリンクのファイルが配置されている。そこで、CPU111は、システムによって、シンボリックリンクのリンク先のファイルを読み出す。シンボリックリンクは、マウント先パス404のデータへアクセスするための情報である。シンボリックリンクのリンク先には、マウント先パス404が指定されている。マウント先パス404には、マウント元パス403に配置されている圧縮された言語リソースが、システムによって解凍された状態で配置されているように見える。そこで、CPU111は、システムによって、さらにマウント元のファイルを読み出す。これにより、CPU111は、マウント元ファイルである言語リソースの実体に対して言語リソースを間接的に読み出す。解凍先パス402のファイルは、言語リソースをマウント形式で圧縮していない場合のファイル名と同名である。そのため、読み出し処理は、ステップS301でマウント形式であると判定された場合とマウント形式でないと判定された場合とで共通の処理(同じ処理)である。すなわち、CPU111は、言語リソースをマウント形式で圧縮していない場合もしている場合も、共通の処理を適用することが可能となる。ステップS306では、CPU111は、読み出した言語リソースを一時的な記憶領域に保持し、後続の処理を行う。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、MFP101は、マウント形式をサポートしているファイルシステムでは、より記憶容量を抑える構成を実現することが可能となる。すなわち、MFP101は、言語リソースをマウントすることにより、解凍する場合に解凍された分の記憶容量を使うということがなく、記憶容量の使用量を抑えることができる。そして、MFP101は、マウント形式をサポートしていないファイルシステムと、マウント形式をサポートしているファイルシステムで、それぞれ異なる圧縮形式で言語リソースを圧縮することになる。この別の圧縮形式においても、MFP101は、共通の解凍処理と読み出し処理を使って、画面の表示処理を行うことが可能となる。これにより、開発効率が向上する効果もある。
【0041】
また、MFP101は、シンボリックリンクを用意し、マウント先パス404へのリンクを張ることで、複数の効果がある。一つは、マウント先パス404が変更になっても、シンボリックリンクのリンク先を変更することですむため、言語リソースの読み出し処理を変更しなくても良いという効果がある。また、マウントは、マウント先パス404に既存で配置されている別のファイルがあった場合、削除されてしまうという仕組みである。マウント先パス404を解凍先パス402と同じディレクトリに指定すると、解凍先パス402に配置されている、別の用途で用いるファイルが消えてしまう。そこで、マウント先パス404を解凍先パス402と別のディレクトリとした上で、シンボリックリンクのリンクを張る。これにより、解凍先パス402に配置されている別のファイルは、既存の構成から変更することなく、利用することが可能となる。さらに、シンボリックリンクとすることで、ファイルサイズも小さくでき、記憶容量を抑制することができる。
【0042】
本実施形態によれば、複数の圧縮形式を考慮して、記憶容量を抑制しつつ、言語リソースの圧縮と読み込み処理を実現し、解凍処理を共通化することができる。
【0043】
上記実施形態の説明では、本発明を実施する装置の一例としてMFP101としたが、本発明を実施する装置は、MFPに限定されるものではない。即ち、MFPに限らず、印刷装置やスキャナ、FAX、デジタルカメラ等の画像形成装置や、PCや携帯情報端末等の情報処理装置に本発明は適用可能である。
【0044】
また、上記実施形態の説明では、言語リソースを1つとして処理する例として説明したが、本発明を実施する方法は、それに限定されるものではない。即ち、言語および国ごとに別々の言語リソースを用意する構成に対しても本発明は適用可能である。
【0045】
また、上記実施形態の説明では、マウント形式で圧縮するか否かの判定を、ファイル名を基に行う構成を例として説明したが、本発明を実施する方法は、それに限定されるものではない。すなわち、どの形式で圧縮するか定義された情報を取得し、その情報を基に判定を行っても良いし、ファイルシステムの情報を参照して判定する構成でも本発明は適用可能である。
【0046】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0047】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0048】
111 CPU、112 RAM、113 ROM、118 タッチパネル、119 ディスプレイ、120 外部メモリ
図1
図2
図3
図4