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特許7642475パーティション連結用の固定具及びパーティション組立セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】パーティション連結用の固定具及びパーティション組立セット
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/74 20060101AFI20250303BHJP
【FI】
E04B2/74 561K
E04B2/74 501B
E04B2/74 501R
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021122804
(22)【出願日】2021-07-27
(65)【公開番号】P2023018588
(43)【公開日】2023-02-08
【審査請求日】2024-07-02
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売日:令和3年3月15日 販売先:株式会社ムラヤマ(東京都江東区豊洲3-2-24 豊洲フォレシア) 公開者:株式会社トーモク 公開された発明の内容:株式会社トーモクが株式会社ムラヤマに「ワクチン接種ブース」を卸した。
(73)【特許権者】
【識別番号】390022895
【氏名又は名称】株式会社トーモク
(74)【代理人】
【識別番号】100159628
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 雅比呂
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 貴史
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-129593(JP,A)
【文献】登録実用新案第3118711(JP,U)
【文献】登録実用新案第3232070(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/72-2/82
A47G 5/00
B65D 5/00-5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一組のパーティション板紙の一部を重ね合わせてその角部を固定するパーティション連結用の紙製の固定具であって、
上下方向に延びる本体部と、
前記本体部の中間部に形成され、上下方向に延びて、前記パーティション板紙の角部が挿入される係止孔と、
前記係止孔の端部から前記本体部の上下端までそれぞれ同一直線上に延びる一対の縦折目線と、を備え、
前記本体部は、
前記一対の縦折目線を繋ぐ仮想線に対して、左右方向に少なくとも1回ずつはみ出して蛇行する蛇行切込線を有し、
前記縦折目線に沿って前記本体部を折り曲げたときに、前記仮想線と前記蛇行切込線とよって囲まれた領域が該本体部からそれぞれ抜け出すことで、前記パーティション板紙の角部を係止する一対の係止舌片が形成されるとともに、前記係止孔が開口されることを特徴とする固定具。
【請求項2】
請求項1記載の固定具において、
前記本体部は、前記蛇行切込線の上端部から左右方向の少なくとも一方側に延びる上部補助切込線と、前記蛇行切込線の下端部から左右方向の少なくとも他方側に延びる下部補助切込線とを有することを特徴とする固定具。
【請求項3】
請求項2記載の固定具において、
前記上部補助切込線及び前記下部補助切込線は、
それぞれ隣接する前記蛇行切込線が前記仮想線に対してはみ出す方向から離れる左右方向に延びることを特徴とする固定具。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項の固定具と、少なくとも一組のパーティション板紙とを備えることを特徴とするパーティション組立セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のパーティション板紙を固定具で連結するパーティション組立セット、及び、その固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、隣接するパーティション同士を接続する固定具としてクリップを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実用新案登録第3118711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、パーティションの設置や廃棄を容易ならしめるため、パーティションを段ボールなどの紙製品で構成することが考えられる。ところが、パーティションをクリップで接続すると、クリップが金属であるため、廃棄するときにはパーティションとクリップとを分別する必要があり面倒である。
【0005】
また、パーティションを大量に設置する場合にはクリップも大量に用意する必要があり、重量があり、かつ、嵩張るため、運搬及び保管の際に不便である。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、廃棄並びに運搬及び保管しやすいパーティション及び複数のパーティション板紙を連結する固定具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の固定具は、少なくとも一組のパーティション板紙の一部を重ね合わせてその角部を固定するパーティション連結用の紙製の固定具であって、上下方向に延びる本体部と、前記本体部の中間部に形成され、上下方向に延びて、前記パーティション板紙の角部が挿入される係止孔と、前記係止孔の端部から前記本体部の上下端までそれぞれ同一直線上に延びる一対の縦折目線と、を備え、前記本体部は、前記一対の縦折目線を繋ぐ仮想線に対して、左右方向に少なくとも1回ずつはみ出して蛇行する蛇行切込線を有し、前記縦折目線に沿って前記本体部を折り曲げたときに、前記仮想線と前記蛇行切込線とよって囲まれた領域が該本体部からそれぞれ抜け出すことで、前記パーティション板紙の角部を係止する一対の係止舌片が形成されるとともに、前記係止孔が開口されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、一対の縦折目線を繋ぐ仮想線に対して、蛇行切込線は左右方向に少なくとも1回ずつはみ出して蛇行しているため、縦折目線に沿って本体部を右半部と左半部とに縦二つ折りにすると、仮想線と蛇行切込線とよって囲まれた領域が該本体部から抜け出す。
【0009】
これにより、本体部の右半部から該右半部に沿って上方に突出する係止舌片と、本体部の左半部から該左半部に沿って上方に突出する係止舌片とが一対形成され、同時に、パーティション板紙の角部が挿入される係止孔が開口される。
【0010】
この本体部には縦折目線の弾性復元力が生じているため、係止孔にパーティション板紙の角部を挿入すると、角部は一対の係止舌片が元の位置に戻ろうとする力によって、係止舌片の内側面によって左右方向から挟持される。
【0011】
同時に、各係止舌片は、弾性復元力を生じさせて回動軸となっている縦折目線を挟んで、右半部及び左半部のそれぞれ同一平面上に存在しているため、各係止舌片の内側面が角部を挟んで平行な姿勢にされている限り、右半部及び左半部も角部に沿って平行な姿勢で保持される。よって、本体部は、縦折目線の弾性復元力により折り戻されることが阻止され、縦に二つ折りされた姿勢で維持される。
【0012】
よって、本発明によれば、パーティション板紙を固定することができる。
【0013】
また、本発明は、紙製であるため、金属製のクリップと比較して重量が軽く、さらに、使用時には縦折目線で折りまげて使用するが、使用前後は平板状にできるため嵩張りにくく、運搬・廃棄も容易である。
【0014】
また、本発明の固定具において、前記本体部は、前記蛇行切込線の上端部から左右方向の少なくとも一方側に延びる上部補助切込線と、前記蛇行切込線の下端部から左右方向の少なくとも他方側に延びる下部補助切込線とを有することが好ましい。
【0015】
この構成によれば、縦に二つ折りされた固定具の係止孔が左右方向に広がるので、係止孔にパーティション板紙の角部を挿入しやすくすることができる。
【0016】
さらに、この構成において、前記上部補助切込線及び前記下部補助切込線は、それぞれ隣接する前記蛇行切込線が前記仮想線に対してはみ出す方向から離れる左右方向に延びることが好ましい。
【0017】
この構成によれば、縦に二つ折りされた固定具において、係止舌片は、その根元が下方に延長して切り開かれて、結果的に上下方向に長くなったことになるため、より弾性変形させやすくなる。よって、この構成によれば、さらに係止孔にパーティション板紙の角部を挿入しやすくすることができる。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明におけるパーティション組立セットは、本発明の固定具と、少なくとも一組のパーティション板紙とを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明におけるパーティション組立セットは、すべて紙製であるため重量が軽く、さらに、使用時には縦折目線やパーティション板紙に適宜設けられる折目線で折りまげて使用するが、使用前後は、平板状にできるため嵩張りにくく、運搬・廃棄も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態の固定具を用いて連結された本発明のパーティションを示す説明図。
図2】第1実施形態の固定具を展開して示す説明図。
図3】第1実施形態の固定具を組み立てた状態を示す斜視図。
図4】第1実施形態の固定具でパーティション板紙を連結した状態を示す説明図。
図5】本発明の第2実施形態の固定具を示す説明図。
図6】本発明の第3実施形態の固定具を示す説明図。
図7】本発明の第4実施形態の固定具を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
図を参照して、本発明の第1実施形態のパーティション組立セット及び固定具を説明する。
【0022】
図1には、第1実施形態のパーティション組立セットによって組み立てられたパーティション1が示されている。パーティション1は、パーティション板紙2と、パーティション板紙の下端に取り付けられた脚部材3と、隣接するパーティション板紙2同士を連結するパーティション連結用の固定具4を備える。パーティション1を構成するパーティション板紙2、脚部材3及び固定具4は、いずれも段ボール製である。
【0023】
パーティション板紙2は、矩形状のパネル本体21と、パネル本体21の両側縁にパネル折目線Kを介して揺動自在に接続された矩形状の接続フラップ22と、を備えている。
【0024】
図1では、パネル本体21と接続フラップ22とは、基本的にパネル折目線Kで約90°に折り曲げられ、右端のパーティション板紙2の左側及びこれと隣り合う中央のパーティション板紙2の右側はパネル折目線Kで鋭角(約45°)に折り曲げられている。
【0025】
折り曲げられた接続フラップ22は、隣接するパーティション板紙2の接続フラップ22に背中合わせで重ね合わされる。重ね合わされた接続フラップ22同士が固定具4で固定されることにより、隣接するパーティション板紙2同士が接続される。
【0026】
パーティション板紙2の下端には、脚部材3が取り付けられている。パーティション板紙2は、自身が平面視「コ」の字状に折り曲げられていることに加えて、脚部材3によって挟持されることで起立姿勢が維持されている。
【0027】
図2に示すように、固定具4は、上下方向に延びる矩形状の本体部41と、本体部41の左右方向中央に上下一対の縦折目線42と、上下一対の縦折目線42を繋ぐ係止孔切込線43を備える。係止孔切込線43は上下に縦折目線42が接続されている必要があるため、本体部41の周縁から所定間隔をあけた中間部に形成される。
【0028】
一対の縦折目線42は、本体部41の上端から下方に延びる上側の縦折目線42と、本体部の下端から上方に延びる下側の縦折目線42との2本からなり、互いに同一直線上に配置されている。
【0029】
係止孔切込線43は、左右に蛇行しながら上下方向に延びる蛇行切込線44と、蛇行切込線44の上端から右方向に延びる上部補助切込線45と、蛇行切込線44の下端から左方向に延びる下部補助切込線46とを備える。上部補助切込線45及び下部補助切込線46は、後述するように重ね合わされた接続フラップ22の角部が嵌入できる幅を確保するためのものであるため、接続フラップ22の厚さ2枚分前後の長さに設定されている。
【0030】
蛇行切込線44は、上側の縦切込線44Aと、左方向に向かって凸状の左切込線44Bと、右方向に向かって凸状の右切込線44Cと、下側の縦切込線44Aとがこの順に上から並んで接続されている。
【0031】
縦切込線44Aは、一対の縦折目線42を繋ぐ仮想線に対して、同一直線上に配置されている。左切込線44Bは、一対の縦折目線42を繋ぐ仮想線に対して、左側にはみ出しており、左側に向かうにつれて先端が狭くなる台形状に形成されている。右切込線44Cは、一対の縦折目線42を繋ぐ仮想線に対して、右側にはみ出しており、右側に向かうにつれて先端が狭くなる台形状に形成されている。
【0032】
左切込線44B及び右切込線44Cは、一対の縦折目線42を繋ぐ仮想線との交点を中心として、点対称な形状になっている。
【0033】
次いで、図3乃至図5を参照して、第1実施形態の固定具4を用いて隣接するパーティション板紙2を接続する方法を説明する。その前提として、図1に示すように、パーティション板紙2は、パネル折目線Kで平面視「コ」の字状に折り曲げて、隣接する2つのパーティション板紙2の接続フラップ22同士をパネル本体21に対して折り曲げて背中合わせで重ね合わせておく。
【0034】
次に、図3に示すように、固定具4全体を縦に二つ折りにする。具体的には、本体部41を上下一対の縦折目線42に沿って山折りにする。これにより、本体部41は、図2及び図3に示すように、縦折目線42を稜線として、左側の左半部41Lと、右側の右半部Lとに折り分けられる。
【0035】
このとき、図3に示すように、左切込線44B及び一対の縦折目線42を繋ぐ仮想線で囲まれる領域と、右切込線44C及び一対の縦折目線42を繋ぐ仮想線で囲まれる領域と、が、それぞれ係止孔切込線43から抜け出る。この抜け出しによって、本体部41には、抜け出した2つの領域により一対の係止舌片47が形成される。具体的には、左切込線44B側の領域により、右半部41Rから上方に突出する係止舌片47Rが形成され、右切込線44C側の領域により、左半部41Lから上方に突出する係止舌片47Lが形成される。
【0036】
同時に、上記左切込線44B及び右切込線44Cに加えて、これに接続された上下一対の縦切込線44Aの切断面も一対の縦折目線42を繋ぐ仮想線に沿って露出し、パーティション板紙の角部が挿入される係止孔48が開口される。
【0037】
次に、図4に示すように、係止孔48に対し、重ね合わされた接続フラップ22の角部を押し込んで挿入すると、2枚分の接続フラップ22の厚さを吸収するために、縦切込線44Aとともに、これに接続されている上部補助切込線45及び下部補助切込線46がL字状に開口する。
【0038】
次いで、第1実施形態の固定具4及びこれにより接続されたパーティション1の作用効果について説明する。
【0039】
第1実施形態の固定具4及びこれを含むパーティション1は、すべて段ボール製であるため、重量が軽い。また、使用時には縦折目線42及びパネル折目線Kで折りまげて使用するが、使用前後は、平板状にできるため嵩張りにくく、運搬・廃棄も容易である。
【0040】
また、第1実施形態の固定具4によれば、本体部41には縦折目線42の弾性復元力が生じているため、係止孔48にパーティション板紙2の角部を挿入すると、角部は一対の係止舌片47が元の位置に戻ろうとする力によって、係止舌片47の内側面によって左右方向から挟持される。
【0041】
ところで、係止舌片47Lは、弾性復元力を生じさせて回動軸となる縦折目線42を挟んで、左半部41Lと同一平面上に存在し、係止舌片47Rは、弾性復元力を生じさせて回動軸となる縦折目線42を挟んで、左半部41Rと同一平面上に存在するものである。
【0042】
そうすると、図4に示すとおり、係止舌片47Lの内側面がパーティション板紙2の角部に沿って垂直姿勢にされている限り、左半部41Lも角部に沿って平行な姿勢で保持され、同様に、係止舌片47Rの内側面がパーティション板紙2の角部に沿って垂直姿勢にされている限り、右半部41Rも角部に沿って平行な姿勢で保持されることになる。
【0043】
したがって、本体部41は、縦折目線42の弾性復元力により折り戻されることが阻止され、縦に二つ折りされた姿勢で維持される。また、これにより、パーティション板紙2の角部は、本体部41の内側面全体で挟まれた状態で係止されることとなる。
【0044】
また、第1実施形態の固定具4では、上下一対の縦切込線44Aは、単なる上下方向に延びる切れ目であって幅が狭いため、パーティション板紙2の角部を強く挟持することができる。
【0045】
以上により、第1実施形態の固定具4によれば、重ね合わせた一組のパーティション板紙2を確実に固定することができる。
【0046】
また、固定具4では、上下一対の縦切込線44Aを設けるに伴い、上部補助切込線45及び下部補助切込線46をやや長めに設計してあるので、係止孔48が左右方向に広がりやすく、パーティション板紙2の角部を挿入しやすい。具体的には、係止舌片47Lは、下部補助切込線46の先端と左切込線44Bの台形状の上底とを結んだ仮想線を基端縁として弾性変形し、係止舌片47Rは、上部補助切込線45の先端と右切込線44Cにおける台形状の上底とを結んだ仮想線を基端縁として弾性変形する。
【0047】
つまり、固定具4では、上部補助切込線45及び下部補助切込線46を備えることで、基端縁の位置を下げ、相対的に係止舌片47の高さを高くすることで、より弾性変形しやすくなっているので、パーティション板紙2の角部を挿入しやすい。また、本体部41は、上部補助切込線45及び下部補助切込線46の先端と隣接する本体部41の上下端と上下方向に結ぶ線(図3及び図4において細線で示す。)に沿って、その部分が弱化部となって若干撓むことでも、パーティション板紙2の角部が挿入しやすくなっている。
【0048】
[第2実施形態]
次いで、図5を用いて、第2実施形態にかかる固定具4について、第1実施形態と異なる箇所のみ説明する。
【0049】
図5に示すように、第2実施形態にかかる固定具4においては、第1実施形態と異なり、上下一対の縦切込線44Aが形成されていないので、係止孔切込線43と蛇行切込線44とが一致する。そして、蛇行切込線44は、屈曲した倒U字状の左切込線44Bと右切込線44Cとが、この順に上から並んで接続され、全体として、角張ったS字状に形成されている。
【0050】
第2実施形態にかかる固定具4は、第1実施形態と異なり、上下一対の縦切込線44Aが形成されていない分だけ、狭い幅に嵌合させる必要がないので、上部補助切込線45及び下部補助切込線46は第1実施形態のものより若干短く、同一直線上にある左切込線44Bまたは右切込線44Cと合わせて接続フラップ22の厚さ2枚分前後の長さに設定されている。
【0051】
以上説明した第2実施形態の固定具4によれば、係止舌片47を面積の大きな矩形状にすることで、重ね合わせた一組のパーティション板紙2を確実に固定することができる。
【0052】
[第3実施形態]
次いで、図6を用いて、第3実施形態にかかる固定具4について、第2実施形態と異なる箇所のみ説明する。
【0053】
図6に示すように、第3実施形態の固定具4においては、縦折目線42は、左右一対かつ上下一対の合計4本からなる。縦折目線42の左右の距離は、接続フラップ22の厚さ2枚分前後に設定されている。
【0054】
第3実施形態にかかる固定具4においては、蛇行切込線44は、直角三角形状の左切込線44Bと右切込線44Cとが、この順に上から並んで接続され、全体として、逆Z字状に形成されている。
【0055】
第3実施形態の蛇行切込線44は、その右上端が右上側の縦折目線42の下端に接続され、その左下端が左下側の縦折目線42の上端に接続されている。
【0056】
第3実施形態にかかる固定具4は、左右に縦折目線42を有しているので、第1実施形態及び第2実施形態と異なり、上部補助切込線45及び下部補助切込線46は形成されていない。
【0057】
以上説明した第3実施形態の固定具4によれば、左右の縦折目線42により左半部41Lと右半部41Rとを挟み込む接続フラップ22の厚さに一致させることができるので、無理嵌めしないため、繰り返し使用しても破損しにくく耐久性が高い。
【0058】
[第4実施形態]
次いで、図7を用いて、第4実施形態にかかる固定具4について、第3実施形態と異なる箇所のみ説明する。
【0059】
図7に示すように、第4実施形態の固定具4においては、蛇行切込線44は、緩やかに屈曲した倒U字状の左切込線44Bと右切込線44Cとが、この順に上から並んで接続され、全体として、丸まったS字状に形成されている。
【0060】
第4実施形態の固定具4によれば、蛇行切込線44に角張った屈曲点がないため、固定具4全体を縦に二つ折りにした際、係止舌片47がよりスムーズに抜け出しやすい。
【0061】
[変形例]
次いで、第1実施形態乃至第4実施形態以外の本発明の変形例について説明する。
【0062】
本実施形態では、パーティション1として、パーティション板紙2、脚部材3及び固定具4を有するものを説明したが、脚部材3は省略可能である。また、パーティション1は、段ボール製のものを説明したが、厚紙等の他の紙製であってもよい。
【0063】
本実施形態では、パーティション板紙2は、矩形状のパネル本体21と、パネル本体21の両側縁にパネル折目線Kを介して揺動自在に接続された矩形状の接続フラップ22とを備えているものを説明したが、パーティション板紙2の形状に限定はなく、例えば、平面視L字状に折り曲げられるパーティション板紙2を数珠つなぎに連結してもよく、或いは、折り目のない平板状のパーティション板紙2の左右両端部に、平面視「コ」の字状や平面視L字状のパーティション板紙2を連結することもできる。
【0064】
さらには、固定具4は、パーティション板紙2の四隅に嵌入するものに限られない。すなわち、端縁の中間部が凹状に切り欠かれているパーティション板紙2を重ね合わせ、凹状に切り欠いたことで生じた角部に固定具4を嵌入してもよい。
【0065】
本実施形態では、縦折目線42が2本の例と4本の例を説明したが、6本以上であってもよく、上側の縦折目線42の本数と下側の縦折目線42の本数とが一致していなくてもよい。
【0066】
本実施形態では、縦折目線42及び係止孔切込線43が本体部41の左右方向中央に形成されたものを説明したが、縦折目線42が同一直線上にあって、係止孔切込線43の両端と接続されていれば、左右方向の位置は中央に限られない。なお、この同一直線上の配置も、段ボールに求められる範囲でのものであり、物理的に厳密な意味合いではない。
【0067】
また、縦折目線42及び係止孔切込線43は、一対の縦折目線42を繋ぐ仮想線と係止孔切込線43との交点を中心として、点対称な形状になっているものを説明したが、本発明はこれに限られず、縦折目線42が上下で長さが異なっていてもよく、左切込線44Bと右切込線44Cとで形状が異なっていてもよい。
【0068】
本実施形態では、一対の縦折目線42を繋ぐ仮想線に対して、左右に一回ずつはみ出る蛇行切込線44を説明したが、左右に複数回はみ出てもよく、左右にはみ出す回数が同一でなくてもよい。
【0069】
本実施形態では、上部補助切込線45として蛇行切込線44の上端から右方向に延びるもの、及び、下部補助切込線46として蛇行切込線44の下端から左方向に延びるものを説明したが、上部補助切込線45及び下部補助切込線46は、左右どちら側に向かって延びてもよく、左右中間部で蛇行切込線44と接続されてT字状をなしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 パーティション
2 パーティション板紙
4 固定具
41 本体部
42 縦折目線
44 蛇行切込線
45 上部補助切込線
46 下部補助切込線
47 係止舌片
48 係止孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7