(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】二重配管及びその接続機構
(51)【国際特許分類】
F16L 9/147 20060101AFI20250303BHJP
B67D 7/78 20100101ALI20250303BHJP
B67D 7/32 20100101ALI20250303BHJP
【FI】
F16L9/147
B67D7/78 A
B67D7/32 Z
(21)【出願番号】P 2021151760
(22)【出願日】2021-09-17
【審査請求日】2024-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000151346
【氏名又は名称】株式会社タツノ
(73)【特許権者】
【識別番号】500520994
【氏名又は名称】東栄産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592020563
【氏名又は名称】株式会社藤井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】弁理士法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松井 淳
(72)【発明者】
【氏名】澤田 良穂
(72)【発明者】
【氏名】藤井 秀美
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-036264(JP,A)
【文献】実開平07-020486(JP,U)
【文献】実開昭59-121592(JP,U)
【文献】特開2012-218788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 9/147
B67D 7/78
B67D 7/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給油所機器又は注油口に通じる配管であって、金属製配管の外周に
第1の合成樹脂配管を備えており、
前記金属製配管の両端部近傍に
前記第1の合成樹脂配管との接合部を形成した二重配管
と、地下タンクに連通する第2の合成樹脂配管とを連結する接続機構において、
地下タンクに連通する前記第2の合成樹脂配管と前記二重配管における前記第1の合成樹脂配管とを連結する機能を有する継手を備えており、
前記二重配管における前記金属製配管に形成された前記接合部よりも地下タンクに連通する前記第2の合成樹脂配管と接続する側の領域には、樹脂カバー部材が被せられており、
前記継手は、地下タンクに連通する前記第2の合成樹脂配管と前記金属製配管の端部に設けた前記樹脂カバー部材との連結を電気融着により行う機能を有しており、
電気融着により行う機能を有する第1の継手及び第2の継手を備えており、前記第1の継手は前記二重配管における前記第1の合成樹脂配管と前記樹脂カバー部材とを接続しており、前記第2の継手は前記樹脂カバー部材と地下タンクに連通する前記第2の合成樹脂配管とを接続していることを特徴とする接続機構。
【請求項2】
前記接合部は
前記金属製配管外周面に形成された凹部により構成されており、当該凹部は半径方向内方の
軸方向の幅寸法よりも半径方向外方の
軸方向の幅寸法の方が大きい断面形状を有している請求項1の
接続機構。
【請求項3】
前記接合部は
前記金属製配管外周面に形成された断面半円形の凹部により構成されている請求項1の
接続機構。
【請求項4】
前記接合部は
前記金属製配管外周面に形成された断面四角形状の凹部により構成されている請求項1の
接続機構。
【請求項5】
前記接合部は
前記金属製配管外周面に形成された凹部により構成されており、当該凹部は半径方向外方の
軸方向の幅寸法よりも半径方向内方の
軸方向の幅寸法の方が大きい断面形状を有している請求項1の
接続機構。
【請求項6】
前記接合部は
前記金属製配管外周面に形成された凸部により構成されている請求項1の
接続機構。
【請求項7】
前記凹部或いは凸部は複数設けられている請求項
2~6の何れか1項の
接続機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種給油設備で用いられる二重配管に関し、より詳細には、各種給油設備で用いられる二重配管と、当該二重配管とその他の配管(例えば、給油設備の地下タンクに連通する合成樹脂配管)との接続機構に関する。
【背景技術】
【0002】
各種給油設備或いは給油所で用いられる二重配管は、例えば、燃料給油所の地下に埋設された各種燃料の地下タンク(貯蔵タンク)にタンクローリー等から燃料の荷下ろしを行う配管、地下埋設タンクの通気管であって、地上部へ露出される部位を有する配管等として、広く用いられている。
地下タンク(貯蔵タンク)或いはタンクローリー等から燃料の荷下ろしを行う配管の様に燃料油を搬送する地下埋設配管は、消防法によりその運用が規定されている。
従来の地下埋設配管は、土壌及び/或いは地下水による腐食を軽減すべく樹脂製配管が用いられている。ここで、その様な樹脂製配管の地下から地上に露出する部分に関しては、地上で火災が発生した場合に当該露出部分が溶融し或いは破損して燃料油が流出してしまうと大変に危険であり、流出した燃料油によって環境破壊が惹起される恐れがある。そのため、地上に露出する部分については金属製配管(例えば鋼管)を設けている。
【0003】
ここで、消防法による規定では、前記金属製配管が地盤面から65cm以上の根入れ(管長)をとること、地下タンクに連通された強化プラスチック製配管と地中で接続すること、強化プラスチック製配管と金属製配管との接続箇所について接続用点検ボックスを設けることが規定されている。また、耐火板接続ボックスを設けた場合には、金属製配管は、耐火板により地上部と区画した地下ピット内において耐火板から12cm以上離した位置で、地下タンクに連通された強化プラスチック製配管に接続すること、が規定されている。
そのため給油所においては、上述した様に地盤面から65cm以上の根入れを取った場合には、金属製配管と合成樹脂配管を接続するために接続用点検ボックスと、鋳鉄製マンホールカバーを有するマンホールを設置しなければならない。
一方、耐火板接続ボックスを設ける場合には、当該耐火板接続ボックス設置のため、工事及びコストが高騰してしまう。
それに加えて、強化プラスチック製配管の様な合成樹脂配管と金属製配管の接続はフランジ接続となるため、接続箇所からの漏洩リスクは払拭できないという問題も存在する。
【0004】
その他の従来技術として、金属製配管と合成樹脂配管を直接接合する異種管継手を採用する技術も存在する(特許文献1参照)。しかし、係る従来技術(特許文献1)では、地盤面から65cmの地中に配設された金属管は、地中に配置されているため、腐食劣化の可能性が常に存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、腐食劣化の恐れが無く、火災に際しても管としての機能を担保できる二重配管と、当該二重配管を接続するための接続機構であって、接続用点検ボックス或いは耐火板接続ボックスを設ける必要がなく、地下タンク側の合成樹脂配管と接続することが出来る接続機構の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の接続機構(10)は、給油所機器又は注油口に通じる配管であって、金属製配管(2)の外周に第1の合成樹脂配管(3)を備えており、前記金属製配管(2)の両端部近傍に前記第1の合成樹脂配管(3)との接合部(2A、2B)を形成した二重配管(1)と、地下タンクに連通する第2の合成樹脂配管(4)とを連結する接続機構(10)において、
地下タンクに連通する前記第2の合成樹脂配管(4)と前記二重配管(1)における前記第1の合成樹脂配管(3)とを連結する機能を有する継手(5、6)を備えており、
前記二重配管(1)における前記金属製配管(2)に形成された前記接合部(2A)よりも地下タンクに連通する前記第2の合成樹脂配管(4)と接続する側の領域には、樹脂カバー部材(7:樹脂短管)が被せられており、
前記継手(6)は、地下タンクに連通する前記第2の合成樹脂配管(4)と前記金属製配管(2)の端部に設けた前記樹脂カバー部材(7)との連結を電気融着により行う機能を有しており、
電気融着により行う機能を有する第1の継手(5:第1の電気融着継手:第1ソケット)及び第2の継手(6:第2の電気融着継手:第2ソケット)を備えており、前記第1の継手(5)は前記二重配管(1)における前記第1の合成樹脂配管(3)と前記樹脂カバー部材(7)とを接続しており、前記第2の継手(6)は前記樹脂カバー部材(7)と地下タンクに連通する前記第2の合成樹脂配管(4)とを接続していることを特徴とする。
本発明において給油所という文言は、各種油を取り扱う設備、例えばサービスステーション(SS)や工場等を意味している。そして、係る設備には、油を貯蔵する機器(例えば地下タンク、重油タンク等)と、当該油を貯蔵する機器に油を供給する注油設備と、配管内の圧力の変化に応じてエアを補給・排出する通気設備が設けられている。
【0008】
本発明の接続機構(10)において、前記接合部(2A、2B)は前記金属製配管(2)外周面に形成された凹部(D1)により構成されており、当該凹部(D1)は半径方向内方の軸方向の幅寸法よりも半径方向外方の軸方向の幅寸法の方が大きい断面形状を有しているのが好ましい。
或いは、前記接合部(2A、2B)は前記金属製配管(2)外周面に形成された断面半円形の凹部(D4)により構成されているのが好ましい。
また、前記接合部(2A、2B)は前記金属製配管(2)外周面に形成された断面四角形状の凹部(D2)により構成されているのが好ましい。
そして、前記接合部(2A、2B)は前記金属製配管(2)外周面に形成された凹部(D3)により構成されており、当該凹部(D3)は半径方向外方の軸方向の幅寸法よりも半径方向内方の軸方向の幅寸法の方が大きい断面形状を有しているのが好ましい。
ここで、前記凹部(D)は複数設けられているのが好ましい。
【0009】
本発明の接続機構(10)において、前記接合部(2A、2B)は前記金属製配管(2)外周面に形成された凸部(T1)により構成することが出来る。
係る凸部(T2)としては、所謂「半割ナット」で構成することが可能であり、金属製配管(2)の長手方向に断続的に配置された円環状の突起(凸部T1)で構成しても良く、或いは、金属製配管(2)の外周面に形成された雄ネジで構成することも出来る。
前記凸部(T)も複数設けられているのが好ましい。
【0010】
ここで、前記凹部(D)の形状は、上述以外の形状を選択することが可能である。
そして発明者の実験によれば、前記凹部(D)は金属製配管(2)の長手方向に3~5本形成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上述の構成を具備する本発明の二重配管(1)によれば、金属製配管(2)の外周に合成樹脂配管(3)を備えており、合成樹脂配管(3)の中に金属製配管(2)が入っているので、仮に給油所に火災が生じたとしても、二重配管(1)における金属製配管(2)は火災により破損せずに、配管としての機能を発揮することが出来るので、給油所の安全を担保することが出来る。
【0014】
ここで、金属製配管(2)の外周に合成樹脂配管(3)を備えるためには、合成樹脂配管(3)を金属製配管(2)に被せる(金属製配管2を合成樹脂配管3に挿入する)か、或いは、金属製配管(2)の外周面に樹脂を被覆する必要がある。
しかし、合成樹脂配管(3:或いは樹脂)が硬化して金属製配管(2)の長手方向について収縮すると、金属製配管(2)外周面上をスリップ或いは摺動して、金属製配管(2)と合成樹脂配管(3)における樹脂層の境界領域に気道(空気の流路)が形成されてしまう。その様な空気流路が形成されて金属製配管(2)と被覆樹脂との間に空気が侵入可能であると、当該空気流路(気道)に水が侵入して、金属製配管(2)が錆びて二重配管(1)における金属製配管(2)の防錆機能が発揮されない恐れがある。
本発明によれば、金属製配管(2)の両端部近傍に合成樹脂配管(3)との接合部(2A、2B)を形成しており、合成樹脂配管(3)の樹脂と金属製配管(2)が当該接合部(2A、2B)で一体化されるため、合成樹脂配管(3)の樹脂が硬化しても金属製配管(2)の長手方向に収縮せず、金属製配管(2)外周面上をスリップ或いは摺動しない。そのため、金属製配管(2)と合成樹脂配管(3)における樹脂層の境界領域に気道(空気の流路)は形成されず、その様な空気流路(気道)に水が侵入して金属製配管(2)が錆びてしまうことが防止され、二重配管(1)における金属製配管(2)の防錆機能は担保される。
そして、前記接合部(2A、2B)を形成することにより、合成樹脂配管(3)の射出成形時に発生する合成樹脂の硬化収縮を抑制して、金属製配管(2)の外面と合成樹脂配管(3)の内面との密着性を良好にして、その点でも防錆性能を向上することが出来る。
【0015】
本発明において、前記接合部(2A、2B)は金属製配管(2)の外周面に形成された凹部(D)により構成されていれば、樹脂が凹部(D)内に侵入して硬化するので、樹脂と金属製配管(2)との密着性が向上する。
そして、当該凹部(D1)が半径方向内方の幅寸法よりも半径方向外方の幅寸法の方が大きい断面形状を有していれば(
図3(A)参照)、凹部(D1)内に樹脂が回り込み易くなり、上述した樹脂の硬化収縮を少なくする効果が確実に発揮される。
或いは、前記接合部(2A、2B)を断面半円形の凹部(D4)により構成すれば(
図3(D)参照)、当該凹部(D4)は加工がし易いため、製造コストを節約することが出来る。
【0016】
また、前記接合部(2A、2B)が断面四角形状の凹部(D2)により構成されていれば(
図3(B)参照)、金属製配管(2)と合成樹脂配管(3)との接着面積が増加して、密着性が向上する。
そして、前記接合部(2A、2B)が、半径方向外方の幅寸法よりも半径方向内方の幅寸法の方が大きい断面形状を有している凹部(D3)により構成されていれば(
図3(C)参照)、凹部(D3)内に侵入した樹脂と金属製配管(2)との密着度が高く、且つ、変形に対して抑制される。
ここで、前記凹部(D、D1~D4)は複数設けられているのが好ましい。樹脂と金属製配管(2)との密着性が向上するからである。
前記接合部(2A、2B)を金属製配管(2)外周面に形成された凸部(T)により構成しても(
図4参照)、前記凹部と同様な効果を奏することが出来る。
【0017】
本発明の接続機構(10)によれば、溶着により地下タンクに連通する合成樹脂配管(4)と前記二重配管(1)における合成樹脂配管(3)とを連結する機能を有する継手(第1の継手5、第2の継手6)を設けており、フランジ継手を必要としない。そのため、点検口が不要となり、接続用点検ボックス或いは耐火板接続ボックスも不要となる。
本発明の接続機構(10)において、前記二重配管(1)における金属製配管(2)に形成された接合部(2A)よりも地下タンクに連通する合成樹脂配管(4)と接続する側の領域には、樹脂カバー部材(7:樹脂短管)が被せられていれば、第1及び第2の継手(5、6)と樹脂カバー部材(7)を介して、前記二重配管(1)と地下タンクに連通する合成樹脂配管(4)が確実に接続される。
そして、前記継手(6:第2の継手)は、地下タンクに連通する合成樹脂配配管(4)と金属製配管(2)の端部に設けた樹脂カバー部材(7)との連結を電気融着により行う機能を有しており(電気融着継手であり)、前記継手(第1の継手5)は、二重配管(1)における合成樹脂配管(3)と前記樹脂カバー部材(7)との連結を電気融着により行う機能を有していれば、すなわち第1及び第2の継手(5、6)が電気融着継手であれば、溶着の場合とは異なり、経年劣化による樹脂の膨張がなく、それによる連結部の破損と漏洩が防止できる。
そして電気融着継手を用いることにより、前記二重配管(1)と地下タンクに連通する合成樹脂配管(4)の接続作業の労力が減少する。
また、電気融着継手を用いた場合も、溶着の場合と同様にフランジ継手を必要とせず、点検口が不要となり、接続用点検ボックス或いは耐火板接続ボックスも不要となる。
【0018】
それに加えて、本発明の接続機構(10)において、電気融着により行う機能を有する第1の継手(5:第1の電気融着継手:第1ソケット)及び第2の継手(6:第2の電気融着継手:第2ソケット)を備えており、第1の継手(5)は二重配管(1)における合成樹脂配管(3)と前記樹脂カバー部材(7)とを接続しており、第2の継手(6)は前記樹脂カバー部材(7)と地下タンクに連通する合成樹脂管(4)とを接続する様に構成すれば、地下埋設施工等において、配管内を加圧して配管検査(加圧検査)を行う場合の様に、配管内に高圧が作用して、金属製配管(2)と樹脂カバー部材(7)との境界に高圧が作用しても(
図5の符号PI)、第1の継手(5)が半径方向内方に接続部(合成樹脂配管3と樹脂カバー部材7の接続部)を保持する(
図5の矢印ARと逆方向の力を作用する)ので、樹脂カバー部材(7)及び/又は合成樹脂管(3)を金属製配管(2)から剥離する力(AR)に対抗することが出来る。これにより、樹脂カバー部材(7)及び/又は合成樹脂管(3)の剥離が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】第1実施形態で用いられる二重配管の説明図である。
【
図3】
図2の二重配管に形成された凹部の説明図である。
【
図4】
図2の二重配管の凹部に代えて形成された凸部の説明図である。
【
図5】第1実施形態において、
図2の二重配管と地下タンクに連通する合成樹脂配管との接続機構を示す説明断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1~
図5は本発明の第1実施形態を示している。第1実施形態の概要を示す
図1において、第1実施形態で用いられる二重配管1は、給油施設100の燃料貯蔵タンクに燃料(各種油)を供給するための注油管に適用されており、金属製配管2(
図2参照)の外周に合成樹脂配管3(
図2参照)を備えている。ここで、合成樹脂配管3は、金属製配管2に合成樹脂を被覆して構成することが可能であるし、合成樹脂配管3を金属製配管2に被せて構成することも可能である。
図示の実施形態においても、給油設備(給油所)は、各種油を取り扱う設備(例えば、サービスステーションSSや工場等)であり、油を貯蔵する機器(例えば地下タンク、重油タンク等)と、当該油を貯蔵する機器に油を供給する注油設備と、配管内の圧力の変化に応じてエアを補給・排出する通気設備が設けられている。
図1において、図示しない地下の燃料貯蔵タンク(地下タンク)から合成樹脂配管4(熱可塑性樹脂配管)が連通しており、当該合成樹脂配管4は融着ソケット5、6(電気融着継手)を介して二重配管1に接続している。融着ソケット5、6(電気融着継手)については、
図5を参照して後述する。
二重配管1は湾曲して(いわゆる「エルボ管」を構成して)地上側に延在しており、鋼管継手11を介して注油口12に連通している。
図1において、符号13は、給油施設の床構造を示している。
【0021】
図1において、図示しない燃料貯蔵タンク(地下タンク)に連通する合成樹脂配管4と二重配管1は、融着ソケット5、6を介して接続されており、フランジ継手を用いていない。そのため、従来技術では必要とされた接続用点検ボックス或いは耐火板接続ボックスを設ける必要がない。
また、融着ソケット5、6を用いて接続しているので、二重配管1と接続するに際して、合成樹脂配管4が溶融して破損することが防止される。
図1において、符号S1は、消防法による規定に基づく金属製配管2の根入れ(管長、地盤面から65cm以上)の部分を示す。符号S2は、金属製配管2における地上側の部分であって、金属管のみで構成される部分を示している。符号S3は、金属製配管2と合成樹脂配管3より構成される部分を示している。二重配管1の部分S3は、二重配管1の地中側端部(融着ソケット5、6を用いている側の端部)近傍に位置する樹脂カバー部材7(
図5参照)を含んでいる。
【0022】
次に、
図2を参照して、二重配管1について説明する。
図1、
図2における二重配管1は、上述した様に、金属製配管2(例えば鋼管)を合成樹脂配管3内に設けて構成されている。そして二重配管1は、合成樹脂配管3の中に金属製配管2を挿入して構成されており、或いは、金属製配管2の外周面に樹脂を被覆して構成されている。
図2において、二重配管1が地上側(
図1で上方)に立ち上がる端部(
図2の上端)近傍の領域と、二重配管1における合成樹脂配管4(
図5)側(
図2の右下の端部側)近傍は、金属製配管2のみで構成される。そして、二重配管1において、立ち上がる端部(
図2の上端)近傍の領域と、二重配管1における合成樹脂配管4側(
図2の右下の端部側)側近傍の中間における湾曲した部分(エルボ管の部分)は、金属製配管2と合成樹脂管3により構成されている。
二重配管1が金属製配管2と合成樹脂配管3により構成されている部分の両端部近傍のそれぞれには、金属製配管2と合成樹脂配管3を接合して一体化するための接合部2A、2Bが設けられている。接合部2A、2Bの機能については後述する。
二重配管1が金属製配管2と合成樹脂配管3で構成され、合成樹脂配管3の中に金属製配管2が入っている(或いは金属製配管2に合成樹脂が被覆されている)ので、万が一の火災が生じた場合等において、地上側が高熱に晒されても、金属製配管2は破損や溶融せずに燃え残り、管としての機能を保全(或いは担保)するので、給油所(或いは給油設備)の安全性が保たれる。
【0023】
ここで、二重配管1を製造する際に、金属製配管2に合成樹脂配管3を被せたのみでは(或いは、金属製配管2上に合成樹脂を被覆したのみでは)、合成樹脂配管3(或いは樹脂)が硬化すると、金属製配管2の長手方向について収縮する。
合成樹脂配管3(或いは金属製配管2上に被覆した合成樹脂)が長手方向に収縮すると、当該合成樹脂配管3(或いは合成樹脂)が金属製配管2の外周面上をスリップ或いは摺動して、樹脂配管或いは樹脂のスリップ或いは摺動によって金属製配管2と樹脂層(合成樹脂配管3或いは合成樹脂)の境界領域に気道(空気の流路)が形成されてしまう。
その様な空気流路が形成されてしまうと、金属製配管2と樹脂層(合成樹脂配管3或いは合成樹脂)の境界にエアが侵入し、当該空気流路(気道)に水が侵入して、金属製配管2が錆びてしまう可能性がある。そのため、二重配管1における金属製配管2の防錆機能が発揮されなくなってしまう。
【0024】
それに対して図示の実施形態では、合成樹脂配管3(或いは被覆された合成樹脂)が硬化した際に、長手方向に収縮して金属製配管2の外周面上をスリップ或いは摺動しない様に、金属製配管2の外周面において、合成樹脂配管3との接続部側の両端部近傍の領域にそれぞれ接合部2A、2Bを形成している。
図2では、当該接合部2A、2Bとして金属製配管2の外周面に溝Dが形成される。
金属製配管2に合成樹脂配管3を被せる際に、合成樹脂配管3の内周面の樹脂は接合部2A、2Bにおける溝Dに侵入して、接合部2A、2Bにおいて金属製配管2と合成樹脂配管3は一体化する。金属製配管2の外周部に合成樹脂を被覆した場合には、金属製配管2を合成樹脂で被覆するときに合成樹脂が接合部2A、2Bの溝Dに侵入するので、金属製配管2を被覆する合成樹脂は接合部2A、2B(溝D)において金属製配管2と一体化する。
合成樹脂が接合部2A、2Bである溝Dと一体化する結果、合成樹脂が硬化しても金属製配管2の長手方向へ収縮しない。そのため、金属製配管2の外周部をスリップ或いは摺動することが防止され、金属製配管2と合成樹脂の境界部に空気流路が形成されることはない。そして空気流路が形成されないので、金属製配管2と合成樹脂の境界部に水が侵入して、二重配管1における金属製配管2を錆びさせることが防止されるので、二重配管1における防錆作用が保持される。
すなわち、金属製配管2の接合部2A、2Bを形成することにより、樹脂が接合部2A、2Bの溝(凹部等)内に侵入して硬化して、合成樹脂配管3(或いは金属製配管2に被覆される合成樹脂:以下、同様)が硬化する際に、金属製配管2の長手方向における合成樹脂の硬化収縮を抑制し、金属製配管2の外面と合成樹脂配管3の内面との境界における密着性を向上して、当該境界に水が侵入することを確実に防止出来る。
【0025】
図2に示す接合部2A、2Bとして形成される溝Dの断面形状は特に限定される訳ではない。例えば、
図3(A)~(D)で示す様な各種断面形状を有する溝Dにより、金属製配管2の両端部近傍における接合部2A、2Bを構成することが出来る。
図3(A)には溝Dとして凹部D1が示されており、凹部D1は半径方向内方(
図3(A)の下方)の幅寸法よりも半径方向外方(
図3(A)の上方)の幅寸法の方が大きい断面形状(上底が下底よりも大きい台形の断面形状)を有している。そのため、凹部D1内に合成樹脂配管3の樹脂が確実に侵入し(回り込み)、上述した樹脂の硬化収縮を少なくする効果を確実に発揮することが出来る。ここで、半径方向とは、金属製配管2の半径方向を意味している。
さらに、
図3(A)の凹部D1は加工性に優れている。ただし、凹部D1は半径方向外方(
図3(A)の上方)に開いた形状であるため、後述する
図3(B)、(C)の場合に比較して、金属製配管2と合成樹脂配管3の密着度は低い。
図3(A)では、凹部D1が金属製配管2の外周面に複数(例えば3~5個)設けられており、密着性を向上させている。また、凹部D1は金属製配管2の全周に亘って形成されているが、円周方向に断続的に形成されていても良く、或いは、凹部D1は金属製配管2の円周方向或いは長手方向(中心軸方向)の同一線上に形成されておらず、アットランダムに形成されていても良い。
凹部D1の上述した変形例(図示せず)については、後述する
図3(B)~(D)の場合も同様である。
【0026】
溝Dとして、
図3(B)に示す凹部D2を選択しても良い。凹部D2は断面四角形状に形成されている。
図3(B)の凹部D2は、加工性に優れている。また、凹部D2については、金属製配管2と合成樹脂配管3との接着面積が増加し、密着性に優れる。
【0027】
溝Dとして、
図3(C)に示す凹部D3を選択しても良い。凹部D3は半径方向外方(
図3(C)で上方)の幅寸法よりも半径方向内方(
図3(C)で下方)の幅寸法が大きい断面形状(下底が上底よりも大きい台形の断面形状))を有している。
接合部2A、2Bとして
図3(C)の凹部D3を形成した場合、凹部D3が合成樹脂側(
図3(C)で上方)に狭まった形状であるため、
図3(A)、(B)、(D)の場合に比較して金属製配管2と合成樹脂配管3の密着度が高い。そして、溝Dの変形を抑制する効果も生じる。しかし、凹部D3の加工の労力は、
図3(A)、(B)、(D)の場合に比較して大きい。
【0028】
溝Dとして、
図3(D)に示す凹部D4を選択することも可能である。
図3(D)の凹部D4を選択した場合、その加工性は
図3(A)~(D)の中で最も優れており、製造コストを節約することが出来る。
ただし、凹部D4が合成樹脂配管3側(
図3(D)で上方)に開いた形状であるため、金属製配管2と合成樹脂配管3の密着度に関しては比較的低い。
【0029】
金属製配管2の合成樹脂配管3との接続部側の両端部近傍の領域に形成する接合部2A、2Bとしては、
図3で示す凹部D1~D4のみならず、金属製配管2の外周面における凸部で構成することも可能である。
例えば
図4(A)で示す様に、断面半円形状の隆起T1(凸部)を金属製配管2の外周面に形成して、接合部2A、2Bを構成することが出来る。隆起T1を形成するに際しては、例えば円環を金属製配管2(の外周部において)の長手方向に等間隔に複数配置しても良いし、金属製配管2に雄ネジを形成して構成することも出来る。
また、
図4(A)の突起T1(凸部)は、金属製配管2の全周に亘って形成することも出来るが、円周方向の一部に形成しても良く、円周方向に断続的に形成しても良い。
それに加えて、接合部2A、2Bを構成する凸部を、
図4(B)に示す様に、いわゆる「半割ナット」で構成することも出来る。「半割ナット」で構成した突起T2は、金属製配管2の長手方向で一箇所に配置しても良いが、複数箇所に配置することも出来る。
【0030】
図4に示す様に、接合部2A、2Bを凸部で構成した場合には、金属製配管2の長手方向に収縮しようとする樹脂が凸部を超えて収縮する恐れがある。そのため、樹脂が凸部を超えて長手方向に収縮するのを抑制する手段を設けることが好ましい。また、金属製配管上に凸部を加工すると、当該凸部を被覆する樹脂の厚さが薄くなり、当該凸部における二重配管1の強度が低下する恐れがある。さらに、金属製配管上に凸部を加工する労力は、金属製配管上に凹部を加工する労力よりも大きい。そのため、図示の実施形態では、接合部2A、2Bとして溝(凹部)を形成している。
ここで、金属製配管2と合成樹脂配管3との接合部2A、2Bとして
図3、
図4で示す構成に限定される訳ではなく、例えば、複数の微小な凹部、或いは凸部を点在させて構成する(いわゆる「ディンプル状」に構成する)ことが出来る。
発明者の実験によれば、
図3に示す凹部D1~D4は金属製配管2の長手方向に3~5本形成されているのが好ましいことが確認されている。
【0031】
図2において、金属製配管2と合成樹脂配管3との接合部2A、2Bを構成する溝D(凹部)は金属製配管2の端部(両端部)ではなく、長手方向において端部から反対側端部側(内側)に進んだ領域に形成されている。合成樹脂製配管3が金属製配管2の長手方向に収縮することが、金属製配管2の端部では生じないからである。金属製配管2の端部は、成型時には金型で押さえ付けられており、金属製配管2における金型で押さえ付けられる部分には、二重配管1を構成する際に合成樹脂配管3は被せられず、或いは金属製配管2を被覆する樹脂が回らない。そのため、金属製配管2における金型で押さえ付けられる金属製配管2の端部部分(合成樹脂配管3が被せられない部分:樹脂が回らない部分)であって、合成樹脂配管3が存在しない。
図示の実施形態では、合成樹脂配管3が存在しない当該部分、換言すれば地下タンクに連通する合成樹脂配管4(
図5参照)側の接合部2A(
図2で右方端部近傍の接合部)に隣接する方の領域には、長手方向寸法が短い樹脂カバー部材7(合成樹脂短管、
図5参照、
図2では図示しない)が挿入されている。
金属製配管2の樹脂カバー部材7を挿入する部分については合成樹脂配管3が存在しないので、合成樹脂配管3の硬化による(金属製配管2の長手方向における)収縮を防止する必要がない。そのため、金属製配管2において、樹脂の鋼管長手方向の伸縮を防止するための接合部2A、2B(溝等)は、金属製配管2の端部近傍の「合成樹脂配管3が被せられる領域」或いは「金属製配管2を被覆する樹脂が回る領域」において、当該領域の端部側の部分に形成される。
【0032】
図5は接続機構10を示し、接続機構10は、二重配管1と図示しない地下タンクに連通する合成樹脂配管4との接続部分の構造である。
図5において、二重配管1を構成する金属製配管2と合成樹脂配管3は溝(凹部)を形成した接合部2Aにより接合されている。金属製配管2の外周部において、接合部2Aよりも地下タンクに連通する合成樹脂配管4側(
図5で右側)の領域には、合成樹脂配管3に隣接して樹脂カバー部材7が被せられており、樹脂カバー部材7より地下タンク側(
図5で右側)に隣接して合成樹脂配管4が配置されている。
接続機構10は第1の継手(5:第1ソケット)及び第2の継手(6:第2ソケット)を備えており、第1ソケット5及び第2ソケット6は、二重配管1における合成樹脂配管3と地下タンクに連通する合成樹脂配管4との連結を行う機能を有している。
【0033】
図5において、電気融着継手である第1ソケット5及び第2ソケット6は、図示しない電源にコイル8を接続して電流を供給することにより、コイル8を発熱して、コイル8近傍の合成樹脂を溶融し、溶融した合成樹脂で接続しようとする配管の各々と一体化し、以て、配管を接続する機能を有する。
図5において、符号9は電極を示している。
図5において、第1ソケット5により、二重配管1の合成樹脂配管3と樹脂カバー部材7(金属製配管端部の樹脂短管)とを電気融着により接続している。そして、第2ソケット6により、樹脂カバー部材7と地下タンクに連通する合成樹脂配管4を接続する。その結果、第1ソケット5、第2ソケット6と樹脂カバー部材7を介して、二重配管1の合成樹脂配管3と、図示しない地下タンクに連通する合成樹脂配管4とが、電気融着により確実に接続される。
そして、第1ソケット5、第2ソケット6により、二重配管1の合成樹脂配管3と地下タンクに連通する合成樹脂配管4とが電気融着により接続されることにより、溶着の場合に生じるリスク、すなわち、経年劣化により樹脂が膨張し、連結部が破損し、漏洩が生じるリスク、を回避することが出来る。さらに、電気融着継手である第1及び第2のソケット5、6を用いることにより、接続作業の労力を減少させることが出来る。
そして、電気融着継手である第1及び第2のソケット5、6を用いる図示の実施形態ではフランジ継手を必要としない。そして、二重配管と地下タンクに連通する合成樹脂配管をフランジ継手で接続した従来構造に比較して、電気融着継手である第1及び第2のソケット5、6で二重配管1の合成樹脂配管3と地下タンクに連通する合成樹脂配管4とを接続している図示の実施形態では、接続箇所からの漏洩リスクは遥かに小さい。
【0034】
ここで、二重配管1及び地下タンクに連通する合成樹脂配管4について、地下埋設施工の際等において、配管内を加圧して配管検査(加圧検査)を行う場合の様に、高圧が作用する場合が存在する。
その様な場合には、
図5の矢印PIで示す様に、金属製配管2と樹脂カバー部材7との境界に高圧が作用して、
図5の矢印ARで示す様に、樹脂カバー部材7及び/又は合成樹脂配管3を金属製配管2から剥離しようとする、或いは拡径しようとする圧力が作用する。
しかし、合成樹脂配配管3及び樹脂カバー部材7の外側には第1ソケット5が設けられており、第1ソケット5は樹脂カバー部材7及び合成樹脂配管3と電気融着により一体にしているため、樹脂カバー部材7及び/又は合成樹脂配管3を金属製配管2から剥離する力ARが作用しても、第1ソケット5により抑えられ、樹脂カバー部材7及び合成樹脂配管3が金属製配管2から剥離してしまうことが防止される。
なお、
図5で示す以外の構成(明確には図示されていない構成)において、第2ソケット6により、樹脂カバー部材7が金属製配管2から剥離するのを防止する場合も存在する。
【0035】
上述した様に、第1ソケット5(或いは第2ソケット6)により、二重配管1と地下タンクに連通する合成樹脂配管4との接合部分は半径方向内方(矢印ARの逆方向)に抑えられる。それに加えて、
図2を参照して説明した様に、図示の実施形態では合成樹脂配管3の金属製配管2の長手方向(
図5では左右方向)の樹脂硬化による収縮が防止されるため、合成樹脂配管3には金属製配管2の半径方向内方(矢印ARの逆方向)に収縮する力が生じる。
その結果、二重配管1と地下タンクに連通する合成樹脂配管4との接合部分は、第1ソケット5或いは第2ソケット6により半径方向内方(矢印ARの逆方向)に抑えられ、且つ、合成樹脂配管3が半径方向内方に収縮する力によっても抑えられるので、二重配管1と地下タンクに連通する合成樹脂配管4との接合部分における接合強度が強固になり、金属製配管2から樹脂カバー部7及び/又は合成樹脂配管3が剥離することが防止され、合成樹脂配管3と地下タンクに連通する合成樹脂配管4との接合強度も強固になる。
【0036】
図1~
図5の第1実施形態で用いられる二重配管1を製造するに際しては、先ず、金属製配管2の外周面において、両端部近傍の領域に合成樹脂配管3との接合部2A、2B(
図2参照)を設定し、当該接合部2A、2Bに溝D(
図3参照)を従来公知の方法により加工する。また、金属製配管2を被覆している油の膜を除去して、金属製配管表面から樹脂が剥離するのを防止する。ここで、接合部2A、2Bの加工と、金属製配管2の油膜の除去は、何れが先であっても良く、或いは、同時に行っても良い。
そして、
図2で示す様な形状に金属製配管2(油の膜を除去した金属製配管)を湾曲して(ベンド管として形成して)、樹脂で被覆し或いは合成樹脂配管3を被せる。樹脂を被覆するに際しては、公知の浸漬(いわゆる「どぶ漬け」、浸漬)等の方法を採用出来る。
ここで、油の膜を除去してから合成樹脂で被覆するまでに長期間が経過し、例えば金属製配管2が鋼管である場合には錆びてしまう恐れがある場合には、油の膜を除去した後、公知の防錆処理を別途施す等の処理が必要である。
【0037】
図6は本発明の第2実施形態を示している。
図1~
図5の第1実施形態は、本発明を給油施設の注油管に適用する場合を示している。それに対して
図6の第2実施形態は、注油施設における地下燃料貯蔵タンク(図示せず)側の空気を安全に排出するための通気管について、本発明を適用した実施形態である。
図6において、
図1~
図5と同様な部材には同様な符号を付して、重複説明を省略する。
図6で示す第2実施形態で用いられる二重配管1は、金属製の図示しない管本体(第1実施形態の金属製配管2に相当)の外周に図示しない合成樹脂の管体(第1実施形態の合成樹脂配管3に相当)を備えている。
図示しない地下の燃料貯蔵タンク(地下タンク)から合成樹脂配管4が連通しており、合成樹脂配管4は融着ソケット5、6(電気融着継手)を介して二重配管1に接続している。
二重配管1は湾曲して(エルボ管として)地上側に延在しており、鋼管継手14を介して図示しない大気開口に連通している。図示しない大気開放口の設置位置は、地上から所定高さを確保して設定される。
【0038】
図6に示す第2実施形態のその他の構成及び作用効果は、
図1~
図5の第1実施形態と同様である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
【符号の説明】
【0039】
1・・・二重配管
2・・・金属製配管
2A、2B・・・接合部
3・・・合成樹脂配管
4・・・地下タンクに連通する合成樹脂配管
5・・・第1の継手(第1の電気融着継手:第1ソケット)
6・・・第2の継手(第2の電気融着継手:第2ソケット)
7・・・樹脂カバー部材
10・・・接続機構
100・・・給油施設
D、D1、D2、D3、D4・・・凹部
T、T1、T2・・・凸部