(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】撮像素子および半導体素子
(51)【国際特許分類】
H10F 39/18 20250101AFI20250303BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20250303BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20250303BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20250303BHJP
H10D 88/00 20250101ALI20250303BHJP
H10D 84/83 20250101ALI20250303BHJP
H10D 30/60 20250101ALI20250303BHJP
【FI】
H10F39/18 F
H01L21/88 J
H01L21/90 B
H10D88/00 B
H10D84/83 E
H10D30/60 G
(21)【出願番号】P 2021507296
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(86)【国際出願番号】 JP2020010981
(87)【国際公開番号】W WO2020189534
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】P 2019048551
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 慎一
(72)【発明者】
【氏名】山下 浩史
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-032687(JP,A)
【文献】特開2014-022561(JP,A)
【文献】国際公開第2017/169884(WO,A1)
【文献】特開2015-162668(JP,A)
【文献】特開2017-027982(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10F 39/18
H01L 21/3205
H01L 21/768
H10D 88/00
H10D 84/83
H10D 30/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部とを有する第1半導体基板と、
絶縁層を介して前記第1半導体基板に積層され、前記電荷保持部に保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する増幅トランジスタを有する第2半導体基板と
を備え、
前記増幅トランジスタは、前記第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と
対向するとともに前記電荷保持部と電気的に接続されたゲート電極を有し、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を、前記第2半導体基板の表面と平行な第1方向から挟み込むダブルゲート構造となっており、
前記第1半導体基板は、複数の前記光電変換部と、複数の前記電荷保持部とを有し、
前記第2半導体基板は、複数の前記増幅トランジスタを有し、
前記第1半導体基板は、前記複数の光電変換部を前記光電変換部ごとに分離する素子分離部を有し、
前記増幅トランジスタは、前記素子分離部と対向する位置に形成されており、
前記複数の電荷保持部は、複数のグループに等分されており、
前記複数の増幅トランジスタは、前記グループごと等分されており、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を前記第1方向から挟み込む第1部分電極および第2部分電極を含み、
各前記グループにおいて、前記複数の電荷保持部は、前記第1部分電極および前記第2部分電極のいずれか一方の下端と直接または接続部を介して連結されることにより、対応する前記増幅トランジスタと電気的に接続されている
撮像素子。
【請求項2】
光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部とを有する第1半導体基板と、
絶縁層を介して前記第1半導体基板に積層され、前記電荷保持部に保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する増幅トランジスタを有する第2半導体基板と
を備え、
前記増幅トランジスタは、前記第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と
対向するとともに前記電荷保持部と電気的に接続されたゲート電極を有し、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を、前記第2半導体基板の表面と平行な第1方向から挟み込むとともに、前記第2半導体基板の表面と交差する第2方向において前記ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と対向するトライゲート構造となっており、
前記第1半導体基板は、複数の前記光電変換部と、複数の前記電荷保持部とを有し、
前記第1半導体基板は、前記複数の光電変換部を前記光電変換部ごとに分離する素子分離部を有し、
前記増幅トランジスタは、前記素子分離部と対向する位置に形成されており、
前記複数の電荷保持部は、複数のグループに等分されており、
前記複数の増幅トランジスタは、前記グループごと等分されており、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を前記第1方向から挟み込む第1部分電極および第2部分電極と、前記第2方向において前記ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と対向するとともに前記第1部分電極および前記第2部分電極に接する第3部分電極とを含み、
各前記グループにおいて、前記複数の電荷保持部は、前記第1部分電極および前記第2部分電極のいずれか一方の下端と直接または接続部を介して連結されることにより、対応する前記増幅トランジスタと電気的に接続されている
撮像素子。
【請求項3】
前記増幅トランジスタは、前記チャネル領域、前記ソース領域および前記ドレイン領域が同一の極性を持つジャンクションレストランジスタである
請求項1または請求項2に記載の撮像素子。
【請求項4】
前記増幅トランジスタは、前記第1方向に並んで配置された、複数組の前記チャネル領域、前記ソース領域および前記ドレイン領域を有し、
前記増幅トランジスタにおいて、前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を介して各前記チャネル領域と対向配置されている
請求項1または請求項2に記載の撮像素子。
【請求項5】
前記ゲート電極は、不純物がドープされたポリシリコン、シリサイド化されたシリコン、もしくは仕事関数を制御する金属材料によって形成されている。
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の撮像素子。
【請求項6】
光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部とを有する第1半導体基板と、
絶縁層を介して前記第1半導体基板に積層され、前記電荷保持部に保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する増幅トランジスタを有する第2半導体基板と
を備え、
前記増幅トランジスタは、前記第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と
対向するとともに前記電荷保持部と電気的に接続されたゲート電極を有し、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を、前記第2半導体基板の表面と平行な第1方向から挟み込むダブルゲート構造となっており、
前記第1半導体基板は、複数の前記光電変換部と、複数の前記電荷保持部とを有し、
前記第2半導体基板は、複数の前記増幅トランジスタを有し、
前記第1半導体基板は、前記複数の光電変換部を前記光電変換部ごとに分離する素子分離部を有し、
前記増幅トランジスタは、前記素子分離部と対向する位置に形成されており、
前記複数の電荷保持部は、複数のグループに等分されており、
前記複数の増幅トランジスタは、前記グループごと等分されており、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を前記第1方向から挟み込む第1部分電極および第2部分電極を含み、
各前記グループにおいて、前記複数の電荷保持部は、前記第1部分電極および前記第2部分電極のいずれか一方の下端と直接または接続部を介して連結されることにより、対応する前記増幅トランジスタと電気的に接続されている
半導体素子。
【請求項7】
光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部とを有する第1半導体基板と、
絶縁層を介して前記第1半導体基板に積層され、前記電荷保持部に保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する増幅トランジスタを有する第2半導体基板と
を備え、
前記増幅トランジスタは、前記第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と
対向するとともに前記電荷保持部と電気的に接続されたゲート電極を有し、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を、前記第2半導体基板の表面と平行な第1方向から挟み込むとともに、前記第2半導体基板の表面と交差する第2方向において前記ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と対向するトライゲート構造となっており、
前記第1半導体基板は、複数の前記光電変換部と、複数の前記電荷保持部とを有し、
前記第1半導体基板は、前記複数の光電変換部を前記光電変換部ごとに分離する素子分離部を有し、
前記増幅トランジスタは、前記素子分離部と対向する位置に形成されており、
前記複数の電荷保持部は、複数のグループに等分されており、
前記複数の増幅トランジスタは、前記グループごと等分されており、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を前記第1方向から挟み込む第1部分電極および第2部分電極と、前記第2方向において前記ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と対向するとともに前記第1部分電極および前記第2部分電極に接する第3部分電極とを含み、
各前記グループにおいて、前記複数の電荷保持部は、前記第1部分電極および前記第2部分電極のいずれか一方の下端と直接または接続部を介して連結されることにより、対応する前記増幅トランジスタと電気的に接続されている
半導体素子。
【請求項8】
前記
増幅トランジスタは、前記チャネル領域、前記ソース領域および前記ドレイン領域が同一の極性を持つジャンクションレストランジスタである
請求項6または請求項7に記載の半導体素子。
【請求項9】
前記
増幅トランジスタは、前記第1方向に並んで配置された、複数組の前記チャネル領域、前記ソース領域および前記ドレイン領域を有し、
前記
増幅トランジスタにおいて、前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を介して各前記チャネル領域と対向配置されている
請求項6または請求項7に記載の半導体素子。
【請求項10】
前記ゲート電極は、不純物がドープされたポリシリコン、シリサイド化されたシリコン、もしくは仕事関数を制御する金属材料によって形成されている
請求項6ないし請求項9のいずれか一項に記載の半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、撮像素子および半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2次元構造の撮像素子の1画素あたりの面積の微細化は、微細プロセスの導入と実装密度の向上によって実現されてきた。近年、撮像素子の更なる小型化および画素の高密度化を実現するため、3次元構造の撮像素子が開発されている。3次元構造の撮像素子では、例えば、複数の光電変換部を有する半導体基板と、各光電変換部で得られた電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する増幅トランジスタを有する半導体基板とが互いに積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、下側の半導体基板と上側の半導体基板とを配線で接続する場合、配線長が長くなり、寄生容量の増加によって効率変換が劣化するおそれがある。これは、撮像素子だけに限らず、半導体素子全般に生じ得る問題である。従って、効率変換の低下を抑制することの可能な撮像素子および半導体素子を提供することが望ましい。
【0005】
本開示の一実施の形態に係る撮像素子は、第1半導体基板と、絶縁層を介して前記第1半導体基板に積層された第2半導体基板とを備えている。第1半導体基板は、光電変換部と、光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部とを有している。第2半導体基板は、電荷保持部に保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する増幅トランジスタを有している。増幅トランジスタは、第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介してチャネル領域と対向するとともに電荷保持部と電気的に接続されたゲート電極を有している。
【0006】
本開示の一実施の形態に係る撮像素子では、第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介してチャネル領域と対向するとともに電荷保持部と電気的に接続されたゲート電極を有する増幅トランジスタが設けられている。これにより、増幅トランジスタと電荷保持部とを接続する配線長を短くすることができ、寄生容量を低減することができる。
【0007】
本開示の一実施の形態に係る半導体素子は、第1トランジスタもしくは光電変換部を有する第1半導体基板と、絶縁層を介して第1半導体基板に積層され、第2トランジスタを有する第2半導体基板とを備えている。第2トランジスタは、第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介してチャネル領域と対向するとともに第1半導体基板と電気的に接続されたゲート電極を有する。
【0008】
本開示の一実施の形態に係る半導体素子では、第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介してチャネル領域と対向するとともに電荷保持部と電気的に接続されたゲート電極を有する増幅トランジスタが設けられている。これにより、第2トランジスタと第1半導体基板とを接続する配線長を短くすることができ、寄生容量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施の形態に係る撮像素子の概略構成の一例を表す図である。
【
図2】
図1のセンサ画素および読み出し回路の回路構成の一例を表す図である。
【
図3】
図1のセンサ画素の断面構成の一例を表す図である。
【
図4】
図3の断面構成の一部を拡大して表す図である。
【
図5】
図4のSec1,Sec2における断面構成の一例を表す図である。
【
図6】
図4のSec2における断面構成の一変形例を表す図である。
【
図8】
図4のSec2における断面構成の一変形例を表す図である。
【
図10】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図11】
図4のSec2における断面構成の一変形例を表す図である。
【
図12】
図11のRST、SELの垂直方向の断面構成例を表す図である。
【
図13】
図4のSec2における断面構成の一変形例を表す図である。
【
図14】
図13のRST、SELの垂直方向の断面構成例を表す図である。
【
図15】
図13のRST、SELの垂直方向の断面構成例を表す図である。
【
図16】
図1のセンサ画素および読み出し回路の回路構成の一例を表す図である。
【
図17】
図16の回路を備えた撮像素子のSec2における断面構成の一例を表す図である。
【
図18】
図16の回路を備えた撮像素子のSec2における断面構成の一変形例を表す図である。
【
図19】
図16の回路を備えた撮像素子のSec2における断面構成の一変形例を表す図である。
【
図20】
図16の回路を備えた撮像素子のSec2における断面構成の一変形例を表す図である。
【
図21】
図16の回路を備えた撮像素子のSec2における断面構成の一変形例を表す図である。
【
図22】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図23】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図24】
図1のセンサ画素および読み出し回路の回路構成の一変形例を表す図である。
【
図25】
図1のセンサ画素および読み出し回路の回路構成の一変形例を表す図である。
【
図26】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図27】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図29】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図30】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図33】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図34】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図35】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図36】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図37】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図38】
図4の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図43】
図2の回路構成の一変形例を表す図である。
【
図44】
図43の回路構成を備えたセンサ画素の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図45】上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子を備えた撮像システムの概略構成の一例を表す図である。
【
図46】
図45の撮像システムにおける撮像手順の一例を表す図である。
【
図47】車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図48】車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【
図49】内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【
図50】カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図51】上記実施の形態等の撮像素子の構成を半導体素子に適用した例を表す図である。
【
図52】上記実施の形態等の撮像素子の構成を半導体素子に適用した例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態(撮像素子)
AMPのゲートが垂直面に形成されている例(
図1~
図5)
2.変形例(撮像素子)
変形例A:4端子構造となっている例(
図6)
変形例B:ダブルゲート構造となっている例(
図7~
図9)
変形例C:トライゲート構造となっている例(
図10)
変形例D:RST,SELのゲートも垂直面に形成されている例(
図11~
図15)
変形例E:FDGが形成されている例(
図16~
図21)
変形例F:AMPを素子分離部上に設けた例(
図22、
図23)
変形例G:複数のAMPを並列接続し、
接続パッドを介してFDとAMPを接続した例(
図24~
図32)
変形例H:FDを共有した例(
図33~
図38)
変形例I:AMPのゲートを直接FDに接続した例(
図39~
図42)
変形例J:読み出し回路がセンサ画素ごとに1つずつ
設けられている例(
図43、
図44)
3.適用例
上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子を
撮像システムに適用した例(
図45、
図46)
4.応用例
応用例1…上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子を
移動体に応用した例(
図47、
図48)
応用例2…上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子を
手術システムに応用した例(
図49、
図50)
5.その他の適用例
上記実施の形態等の撮像素子の構成を半導体素子に適用した例
(
図51、
図52)
【0011】
<1.実施の形態>
[構成]
本開示の一実施の形態に係る撮像素子1について説明する。撮像素子1は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等からなる裏面照射型のイメージセンサである。撮像素子1は、被写体からの光を受光して光電変換し、画像信号を生成することで画像を撮像する。撮像素子1は、入射光に応じた画素信号を出力する。
【0012】
裏面照射型のイメージセンサとは、被写体からの光が入射する受光面と、各画素を駆動させるトランジスタ等の配線が設けられた配線層との間に、被写体からの光を受光し、電気信号に変換するフォトダイオード等の光電変換部が設けられている構成のイメージセンサである。なお、本開示は、CMOSイメージセンサへの適用に限られるものではない。
【0013】
図1は、本開示の一実施の形態に係る撮像素子1の概略構成の一例を表したものである。撮像素子1は、3つの基板(第1基板10、第2基板20、第3基板30)を備えている。撮像素子1は、3つの基板(第1基板10、第2基板20、第3基板30)を貼り合わせて構成された3次元構造の撮像装置である。第1基板10、第2基板20および第3基板30は、この順に積層されている。
【0014】
第1基板10は、光電変換を行う複数のセンサ画素12が行列状に配置された画素領域13を有している。画素領域13は、半導体基板11に形成されている。第2基板20は、センサ画素12から出力された電荷に基づく画素信号を出力する複数の読み出し回路22を有している。複数の読み出し回路22は、半導体基板21に形成されており、例えば、1つのセンサ画素12ごとに1つずつ割り当てられている。第2基板20は、行方向に延在する複数の画素駆動線23と、列方向に延在する複数の垂直信号線24とを有している。第3基板30は、画素信号を処理するロジック回路32を有している。ロジック回路32は、半導体基板31に形成されている。ロジック回路32は、例えば、垂直駆動回路33、カラム信号処理回路34、水平駆動回路35およびシステム制御回路36を有している。ロジック回路32(具体的には水平駆動回路35)は、センサ画素12ごとの出力電圧Voutを外部に出力する。
【0015】
垂直駆動回路33は、例えば、複数のセンサ画素12を行単位で順に選択する。カラム信号処理回路34は、例えば、垂直駆動回路33によって選択された行の各センサ画素12から出力される画素信号に対して、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)処理を施す。カラム信号処理回路34は、例えば、CDS処理を施すことにより、画素信号の信号レベルを抽出し、各センサ画素12の受光量に応じた画素データを保持する。水平駆動回路35は、例えば、カラム信号処理回路34に保持されている画素データを順次、外部に出力する。システム制御回路36は、例えば、ロジック回路32内の各ブロック(垂直駆動回路33、カラム信号処理回路34および水平駆動回路35)の駆動を制御する。
【0016】
図2は、センサ画素12および読み出し回路22の一例を表したものである。以下では、
図2に示したように、4つのセンサ画素12が1つの読み出し回路22を共有している場合について説明する。ここで、「共有」とは、4つのセンサ画素12の出力が共通の読み出し回路22に入力されることを指している。
【0017】
各センサ画素12は、互いに共通の構成要素を有している。
図2には、各センサ画素12の構成要素を互いに区別するために、各センサ画素12の構成要素の符号の末尾に識別番号(1,2,3,4)が付与されている。以下では、各センサ画素12の構成要素を互いに区別する必要のある場合には、各センサ画素12の構成要素の符号の末尾に識別番号を付与するが、各センサ画素12の構成要素を互いに区別する必要のない場合には、各センサ画素12の構成要素の符号の末尾の識別番号を省略するものとする。
【0018】
各センサ画素12は、例えば、フォトダイオードPDと、フォトダイオードPDと電気的に接続された転送トランジスタTRと、転送トランジスタTRを介してフォトダイオードPDから転送された電荷を一時的に保持するフローティングディフュージョンFDとを有している。フォトダイオードPDは、本開示の「光電変換部」の一具体例に相当する。フォトダイオードPDは、光電変換を行って受光量に応じた電荷を発生する。フォトダイオードPDのカソードが転送トランジスタTRのソースに電気的に接続されており、フォトダイオードPDのアノードが基準電位線(例えばグラウンド)に電気的に接続されている。転送トランジスタTRのドレインがフローティングディフュージョンFDに電気的に接続され、転送トランジスタTRのゲートは画素駆動線23に電気的に接続されている。転送トランジスタTRは、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。
【0019】
1つの読み出し回路22を共有する各センサ画素12のフローティングディフュージョンFDは、互いに電気的に接続されるとともに、共通の読み出し回路22の入力端に電気的に接続されている。読み出し回路22は、例えば、リセットトランジスタRSTと、選択トランジスタSELと、増幅トランジスタAMPとを有している。なお、選択トランジスタSELは、必要に応じて省略してもよい。リセットトランジスタRSTのソース(読み出し回路22の入力端)がフローティングディフュージョンFDに電気的に接続されており、リセットトランジスタRSTのドレインが電源線VDDおよび増幅トランジスタAMPのドレインに電気的に接続されている。リセットトランジスタRSTのゲートは画素駆動線23(
図1参照)に電気的に接続されている。増幅トランジスタAMPのソースが選択トランジスタSELのドレインに電気的に接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに電気的に接続されている。選択トランジスタSELのソース(読み出し回路22の出力端)が垂直信号線24に電気的に接続されており、選択トランジスタSELのゲートが画素駆動線23(
図1参照)に電気的に接続されている。
【0020】
転送トランジスタTRは、転送トランジスタTRがオン状態となると、フォトダイオードPDの電荷をフローティングディフュージョンFDに転送する。転送トランジスタTRのゲート(転送ゲートTG)は、例えば、後述の
図3に示したように、半導体基板11の表面からpウェル層42を貫通してPD41に達する深さまで延在している。リセットトランジスタRSTは、フローティングディフュージョンFDの電位を所定の電位にリセットする。リセットトランジスタRSTがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を電源線VDDの電位にリセットする。選択トランジスタSELは、読み出し回路22からの画素信号の出力タイミングを制御する。増幅トランジスタAMPは、画素信号として、フローティングディフュージョンFDに保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する。増幅トランジスタAMPは、ソースフォロア型のアンプを構成しており、フォトダイオードPDで発生した電荷のレベルに応じた電圧の画素信号を出力するものである。増幅トランジスタAMPは、選択トランジスタSELがオン状態となると、フローティングディフュージョンFDの電位を増幅して、その電位に応じた電圧を、垂直信号線24を介してカラム信号処理回路34に出力する。リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELは、例えば、CMOSトランジスタである。
【0021】
なお、選択トランジスタSELが、電源線VDDと増幅トランジスタAMPとの間に設けられていてもよい。この場合、リセットトランジスタRSTのドレインが電源線VDDおよび選択トランジスタSELのドレインに電気的に接続されている。選択トランジスタSELのソースが増幅トランジスタAMPのドレインに電気的に接続されており、選択トランジスタSELのゲートが画素駆動線23(
図1参照)に電気的に接続されている。増幅トランジスタAMPのソース(読み出し回路22の出力端)が垂直信号線24に電気的に接続されており、増幅トランジスタAMPのゲートがリセットトランジスタRSTのソースに電気的に接続されている。
【0022】
図3は、撮像素子1の垂直方向の断面構成の一例を表したものである。
図3には、撮像素子1において、センサ画素12と対向する箇所の断面構成が例示されている。
図4は、撮像素子1における第1基板10および第2基板20の接続箇所を拡大して表したものである。撮像素子1は、第1基板10、第2基板20および第3基板30をこの順に積層して構成されており、さらに、第1基板10の裏面側(光入射面側)に、カラーフィルタ40および受光レンズ50を備えている。カラーフィルタ40および受光レンズ50は、それぞれ、例えば、センサ画素12ごとに1つずつ設けられている。つまり、撮像素子1は、裏面照射型の撮像装置である。
【0023】
第1基板10は、半導体基板11上に絶縁層46を積層して構成されている。絶縁層46は、本開示の「絶縁層」の一具体例に相当する。絶縁層46は、例えば、SiO2や、SiNなどの無機絶縁材料によって構成されている。第1基板10は、層間絶縁膜51の一部として、絶縁層46を有している。絶縁層46は、半導体基板11と、後述の半導体基板21との間隙に設けられている。つまり、半導体基板21は、絶縁層46を介して半導体基板11に積層されている。半導体基板11は、シリコン基板で構成されている。半導体基板11は、例えば、表面の一部およびその近傍に、pウェル層42を有しており、それ以外の領域(pウェル層42よりも深い領域)に、pウェル層42とは異なる導電型のPD41を有している。pウェル層42は、p型の半導体領域で構成されている。PD41は、pウェル層42とは異なる導電型(具体的にはn型)の半導体領域で構成されている。半導体基板11は、pウェル層42内に、pウェル層42とは異なる導電型(具体的にはn型)の半導体領域として、フローティングディフュージョンFDを有している。
【0024】
第1基板10(半導体基板11)は、フォトダイオードPD、転送トランジスタTRおよびフローティングディフュージョンFDをセンサ画素12ごとに有している。第1基板10は、半導体基板11の表面側(光入射面側とは反対側、第2基板20側)の部分に、転送トランジスタTRおよびフローティングディフュージョンFDが設けられた構成となっている。第1基板10(半導体基板11)は、各センサ画素12を分離する素子分離部43を有している。素子分離部43は、半導体基板11の法線方向(半導体基板11の表面に対して垂直な方向)に延在して形成されている。素子分離部43は、互いに隣接する2つのセンサ画素12の間に設けられている。素子分離部43は、互いに隣接するセンサ画素12同士を電気的に分離する。素子分離部43は、例えば、酸化シリコンによって構成されている。素子分離部43は、例えば、半導体基板11を貫通している。
【0025】
第1基板10は、例えば、さらに、素子分離部43の側面であって、かつ、フォトダイオードPD側の面に接するpウェル層44を有している。pウェル層44は、フォトダイオードPDとは異なる導電型(具体的にはp型)の半導体領域で構成されている。第1基板10は、例えば、さらに、半導体基板11の裏面に接する固定電荷膜45を有している。固定電荷膜45は、半導体基板11の受光面側の界面準位に起因する暗電流の発生を抑制するため、負に帯電している。固定電荷膜45は、例えば、負の固定電荷を有する絶縁膜によって形成されている。そのような絶縁膜の材料としては、例えば、酸化ハフニウム、酸化ジルコン、酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化タンタルが挙げられる。固定電荷膜45が誘起する電界により、半導体基板11の受光面側の界面にホール蓄積層が形成される。このホール蓄積層によって、界面からの電子の発生が抑制される。カラーフィルタ40は、半導体基板11の裏面側に設けられている。カラーフィルタ40は、例えば、固定電荷膜45に接して設けられており、固定電荷膜45を介してセンサ画素12と対向する位置に設けられている。受光レンズ50は、例えば、カラーフィルタ40に接して設けられており、カラーフィルタ40および固定電荷膜45を介してセンサ画素12と対向する位置に設けられている。
【0026】
第2基板20は、半導体基板21上に絶縁層52を積層して構成されている。絶縁層52は、例えば、SiO2や、SiNなどの無機絶縁材料によって構成されている。第2基板20は、層間絶縁膜51の一部として、絶縁層52を有している。絶縁層52は、半導体基板21と、半導体基板31との間隙に設けられている。半導体基板21は、シリコン基板で構成されている。第2基板20(半導体基板21)は、4つのセンサ画素12ごとに、1つの読み出し回路22を有している。第2基板20は、半導体基板21の表面側(第3基板30側)の部分に読み出し回路22が設けられた構成となっている。第2基板20は、半導体基板11の表面側に半導体基板21の裏面を向けて第1基板10に貼り合わされている。第2基板20は、さらに、半導体基板21と同一の層内に、半導体基板21を貫通する絶縁層53を有している。絶縁層53は、例えば、SiO2や、SiNなどの無機絶縁材料によって構成されている。第2基板20は、層間絶縁膜51の一部として、絶縁層53を有している。絶縁層53は、増幅トランジスタAMPの側面や、後述の貫通配線47,48の側面などを覆うように設けられている。
【0027】
第1基板10および第2基板20からなる積層体は、層間絶縁膜51と、層間絶縁膜51内に設けられた複数の接続部54を有している。上記積層体は、センサ画素12ごとに、1つの接続部54を有している。接続部54は、半導体基板21の法線方向に延びている。第1基板10および第2基板20は、複数の接続部54によって互いに電気的に接続されている。具体的には、接続部54は、フローティングディフュージョンFDと、増幅トランジスタAMPのゲート電極74(後述)の下端とに連結されており、対応するフローティングディフュージョンFDおよび増幅トランジスタAMPのゲート電極74に電気的に接続されている。
【0028】
第1基板10および第2基板20からなる積層体は、さらに、層間絶縁膜51内に設けられた貫通配線47,48(後述の
図5参照)を有している。上記積層体は、センサ画素12ごとに、1つの貫通配線47と、1つの貫通配線48とを有している。貫通配線47,48は、それぞれ、半導体基板21の法線方向に延びており、層間絶縁膜51のうち、絶縁層53を含む箇所を貫通して設けられている。第1基板10および第2基板20は、貫通配線47,48によって互いに電気的に接続されている。具体的には、貫通配線47は、半導体基板11のpウェル層42と、第2基板20内の配線とに電気的に接続されている。貫通配線48は、転送ゲートTGおよび画素駆動線23に電気的に接続されている。
【0029】
第2基板20は、例えば、絶縁層52内に、読み出し回路22や半導体基板21と電気的に接続された複数の接続部59を有している。第2基板20は、さらに、例えば、絶縁層52上に配線層56を有している。配線層56は、例えば、絶縁層57と、絶縁層57内に設けられた複数の画素駆動線23および複数の垂直信号線24を有している。配線層56は、さらに、例えば、絶縁層57内に複数の接続配線55を読み出し回路22ごとに1つずつ有している。接続配線55は、増幅トランジスタAMPのゲート電極74と、リセットトランジスタRSTのソースとを互いに電気的に接続している。ここで、貫通配線47,48の総数は、第1基板10に含まれるセンサ画素12の総数よりも多く、第1基板10に含まれるセンサ画素12の総数の2倍となっている。また、貫通配線47,48および接続部54の総数は、第1基板10に含まれるセンサ画素12の総数よりも多く、第1基板10に含まれるセンサ画素12の総数の3倍となっている。
【0030】
配線層56は、さらに、例えば、絶縁層57内に複数のパッド電極58を有している。各パッド電極58は、例えば、Cu(銅)、Al(アルミニウム)などの金属で形成されている。各パッド電極58は、配線層56の表面に露出している。各パッド電極58は、第2基板20と第3基板30との電気的な接続と、第2基板20と第3基板30との貼り合わせに用いられる。複数のパッド電極58は、例えば、画素駆動線23および垂直信号線24ごとに1つずつ設けられている。ここで、パッド電極58の総数(または、パッド電極58とパッド電極64(後述)との接合の総数は、第1基板10に含まれるセンサ画素12の総数よりも少ない。
【0031】
第3基板30は、例えば、半導体基板31上に層間絶縁膜61を積層して構成されている。なお、第3基板30は、後述するように、第2基板20に、表面側の面同士で貼り合わされていることから、第3基板30内の構成について説明する際には、上下の説明が、図面での上下方向とは逆となっている。半導体基板31は、シリコン基板で構成されている。第3基板30は、半導体基板31の表面側の部分にロジック回路32が設けられた構成となっている。第3基板30は、さらに、例えば、層間絶縁膜61上に配線層62を有している。配線層62は、例えば、絶縁層63と、絶縁層63内に設けられた複数のパッド電極64を有している。複数のパッド電極64は、ロジック回路32と電気的に接続されている。各パッド電極64は、例えば、Cu(銅)で形成されている。各パッド電極64は、配線層62の表面に露出している。各パッド電極64は、第2基板20と第3基板30との電気的な接続と、第2基板20と第3基板30との貼り合わせに用いられる。また、パッド電極64は、必ずしも複数でなくてもよく、1つでもロジック回路32と電気的に接続が可能である。第2基板20および第3基板30は、パッド電極58,64同士の接合によって、互いに電気的に接続されている。つまり、転送トランジスタTRのゲート(転送ゲートTG)は、接続部54と、パッド電極58,64とを介して、ロジック回路32に電気的に接続されている。第3基板30は、半導体基板21の表面側に半導体基板31の表面を向けて第2基板20に貼り合わされている。
【0032】
図3、
図4に示したように、第1基板10と第2基板20とは、接続部54によって互いに電気的に接続されている。また、
図3に示したように、第2基板20と第3基板30とは、パッド電極58,64同士の接合によって互いに電気的に接続されている。ここで、読み出し回路22は第2基板20に形成され、ロジック回路32は第3基板30に形成されていることから、第2基板20と第3基板30とを互いに電気的に接続するための構造を、第1基板10と第2基板20とを互いに電気的に接続するための構造と比べて、配置や接続のためのコンタクトの数などをより自由なレイアウトで形成することが可能である。従って、第2基板20と第3基板30とを互いに電気的に接続するための構造として、パッド電極58,64同士の接合を用いることができる。
【0033】
図5は、撮像素子1の水平方向の断面構成の一例を表したものである。
図5の上側の図は、
図3の断面Sec1での断面構成の一例を表す図であり、
図5の下側の図は、
図3の断面Sec2での断面構成の一例を表す図である。
図5には、2×2の4個のセンサ画素12を4組、第1方向Hおよび第2方向Vに並べた構成が例示されており、なお、
図5の上側の断面図では、
図3の断面Sec1での断面構成の一例を表す図に、半導体基板11の表面構成の一例を表す図が重ね合わされるとともに、絶縁層46が省略されている。また、
図5の下側の断面図では、
図3の断面Sec2での断面構成の一例を表す図に、半導体基板21の表面構成の一例を表す図が重ね合わされている。
【0034】
図5に示したように、複数の接続部54、複数の貫通配線48および複数の貫通配線47は、第1基板10の面内において第1方向H(
図5の左右方向)に帯状に並んで配置されている。なお、
図5には、複数の接続部54、複数の貫通配線48および複数の貫通配線47が第1方向Hに2列に並んで配置されている場合が例示されている。第1方向Hは、マトリクス状の配置された複数のセンサ画素12の2つの配列方向(例えば行方向および列方向)のうち一方の配列方向(例えば列方向)と平行となっている。読み出し回路22を共有する4つのセンサ画素12において、4つのフローティングディフュージョンFDは、例えば、素子分離部43を介して互いに近接して配置されている。読み出し回路22を共有する4つのセンサ画素12において、4つの転送ゲートTGは、4つのフローティングディフュージョンFDを囲むように配置されており、例えば、4つの転送ゲートTGによって円環形状となる形状となっている。つまり、第1基板10に含まれる複数のフローティングディフュージョンFDは、複数のグループに等分されている。
【0035】
絶縁層53は、第1方向Hに延在する複数のブロックで構成されている。半導体基板21は、第1方向Hに延在するとともに、絶縁層53を介して第1方向Hと直交する第2方向Vに並んで配置された複数の島状のブロック21Aで構成されている。各ブロック21Aには、例えば、複数組のリセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELが設けられている。4つのセンサ画素12(つまり、4つのフローティングディフュージョンFD)によって共有される1つの読み出し回路22は、例えば、4つのセンサ画素12と対向する領域内にある、リセットトランジスタRST、増幅トランジスタAMPおよび選択トランジスタSELによって構成されている。4つのセンサ画素12によって共有される1つの読み出し回路22は、例えば、絶縁層53の左隣りのブロック21A内の増幅トランジスタAMPと、絶縁層53の右隣りのブロック21A内のリセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELとによって構成されている。つまり、複数の読み出し回路22は、上述のグループごとに等分されており、上述のグループごとに1つずつ割り当てられている。
【0036】
互いに隣接する4つの接続部54は、例えば、増幅トランジスタAMPのゲート電極74の下端に接しており、増幅トランジスタAMPのゲート電極74と電気的に接続されている。互いに隣接する4つの接続部54は、さらに、例えば、増幅トランジスタAMPのゲート電極74、接続配線55および接続部59を介して、リセットトランジスタRSTのゲートに電気的に接続されている。つまり、4つのフローティングディフュージョンFDは、ゲート電極74の下端と、接続部54を介して連結されることにより、対応する増幅トランジスタAMPと電気的に接続されている。なお、フローティングディフュージョンFDが、ゲート電極74の下端に直接、連結されることにより、対応する増幅トランジスタAMPと電気的に接続されてもよい。
【0037】
次に、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELについて説明する。
【0038】
本実施の形態では、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELは、例えば、
図4、
図5に示したように、プレーナ型となっている。一方、増幅トランジスタAMPは、例えば、
図4、
図5に示したように、半導体基板21に対する選択エッチングにより形成された開口の内側面内にチャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73を有している。つまり、増幅トランジスタAMPは、半導体基板21の表面と交差する面内にチャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73を有している。増幅トランジスタAMPは、さらに、チャネル領域71に接するゲート絶縁膜76を有しており、このゲート絶縁膜76を介してチャネル領域71と対向するゲート電極74を有している。つまり、増幅トランジスタAMPは、垂直ゲート型となっている。増幅トランジスタAMPは、例えば、チャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73が同一の極性を持つジャンクションレストランジスタであってもよい。
【0039】
ゲート電極74は、例えば、不純物がドープされたポリシリコン、シリサイド化されたシリコン、もしくは仕事関数を制御する金属材料などによって形成されている。ゲート電極74は、チャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73の形成されている面と平行な方向(つまり、半導体基板21の厚さ方向)に延在している。つまり、増幅トランジスタAMPでは、チャネル幅が、第1基板10に形成されたセンサ画素12のサイズに制約されない。ゲート電極74は、さらに、絶縁層46内にまで延在している。ゲート電極74の下端は、複数の接続部54に接しており、1つの読み出し回路22によって共有される複数のフローティングディフュージョンFDと電気的に接続されている。つまり、ゲート電極74と、フローティングディフュージョンFDとを電気的に接続する配線が、配線層56を介さずに、ゲート電極74と、フローティングディフュージョンFDとの最短距離で形成されている。
【0040】
なお、ゲート電極74において、チャネル領域71と対向する部分と、複数の接続部54に接続された部分とが、一括で形成されていてもよいし、製造過程で別々に形成されていてもよい。ゲート電極74において、チャネル領域71と対向する部分と、複数の接続部54に接続された部分とが製造過程で別々に形成される場合、ゲート電極74において、チャネル領域71と対向する部分と、複数の接続部54に接続された部分とが、互いに同一の材料で形成されていてもよいし、互いに異なる材料で形成されていてもよい。
【0041】
また、本実施の形態では、チャネル領域71の上面には、選択エッチングに使用されるハードマスク75が残存しており、ハードマスク75はゲート絶縁膜としては機能しない。
【0042】
[製造方法]
次に、撮像素子1の製造方法について説明する。
【0043】
まず、半導体基板11に、pウェル層42や、素子分離部43、pウェル層44を形成する。次に、半導体基板11に、フォトダイオードPD、転送トランジスタTRおよびフローティングディフュージョンFDを形成する。これにより、半導体基板11に、センサ画素12が形成される。その後、半導体基板11上に、絶縁層46を形成する。
【0044】
このとき、例えば、リソグラフィやドライエッチングを用いて、複数の接続部54と、複数の接続部54の上部に接する、ゲート電極74の一部(以下、「ゲート電極層74’」と称する。)とを絶縁層46内に形成しておく。各接続部54やゲート電極層74’を形成する際に生じた余分な材料を除去する際には、例えば、ドライエッチングやCMPなどを用いる。このようにして、第1基板10が形成される。
【0045】
次に、第1基板10(絶縁層46)上に、半導体基板21を貼り合わせる。このとき、必要に応じて、半導体基板21を薄肉化する。この際、半導体基板21の厚さを、読み出し回路22の形成に必要な膜厚にする。また、この際に、半導体基板21に含まれる不純物濃度を調整するための注入を行ってもよい。
【0046】
次に、半導体基板21の表面に、所定のパターン形状のハードマスク75を形成する。続いて、半導体基板21に対して、ハードマスク75を介したドライエッチングを行うことにより、増幅トランジスタAMPのチャネル領域71を形成する。このとき、半導体基板21をオーバーエッチングすることにより、絶縁層46内のゲート電極層74’の表面を露出させる。チャネル領域71は、半導体基板21に形成した開口の内側面に位置している。
【0047】
次に、半導体基板21に形成した開口の内側面を酸化または成膜することにより、ゲート絶縁膜76を形成する。このとき、ゲート絶縁膜76は、例えば、SiO2や、SiN、HfO2などの高誘電率絶縁材料で形成されている。続いて、ゲート絶縁膜76を含む表面全体に、例えば、不純物のドープされたポリシリコン、シリサイド化されたSi(シリコン)もしくは仕事関数を制御する金属材料などの導電性材料を用いて成膜した後、成膜した導電性材料を、セルフアラインでエッチングする。これにより、チャネル領域71の側面には導電性材料が残り、半導体基板21の上面や、半導体基板21の開口の底面では、導電性材料が除去される。このとき、ゲート電極層74’の表面を覆う酸化膜も除去される。その結果、半導体基板21の開口の底面には、ゲート電極層74’の表面が露出する。
【0048】
次に、残った導電性材料や、ゲート電極層74’の表面を含む表面全体に、例えば、不純物のドープされたポリシリコン、シリサイド化されたSi(シリコン)、W(タングステン)またはCu(銅)などの低抵抗材料を用いて成膜する。続いて、例えば、リソグラフィやドライエッチングを用いて、低抵抗材料を選択的に除去する。これにより、増幅トランジスタAMPのゲート電極74などが形成される。このとき、不要な箇所に形成されたゲート絶縁膜76を除去する。
【0049】
次に、例えば、イオン注入や、固相拡散などを用いて、増幅トランジスタAMPのソース領域72およびドレイン領域73を形成する。これにより、半導体基板21の開口の側面のうち、ゲート電極74などで被覆されていない箇所に、増幅トランジスタAMPのソース領域72およびドレイン領域73が形成される。
【0050】
次に、増幅トランジスタAMPなどを埋め込むように、絶縁層53,52を成膜する。続いて、絶縁層52の所定の箇所に開口を設けた後、絶縁層52の開口を含む表面全体に、例えば、不純物のドープされたポリシリコン、シリサイド化されたSi(シリコン)、W(タングステン)またはCu(銅)などの低抵抗材料を用いて成膜する。続いて、例えば、リソグラフィやドライエッチングを用いて、低抵抗材料を選択的に除去する。これにより、複数の接続部59や、複数の接続配線55、複数の貫通配線47,48が形成される。
【0051】
その後は、通常の方法を用いて、複数の接続配線55上に、配線層56を形成する。これにより、第2基板20が形成される。さらに、通常の方法を用いて、半導体基板31上に、層間絶縁膜61および配線層62を形成した後、第3基板30を、配線層62側を配線層56に向けて、第2基板20に貼り合わせる。これにより、第2基板20と第3基板30との電気的な接続がなされる。最後に、カラーフィルタ40および受光レンズ50を第1基板10の裏面(受光面)に貼り合わせる。このようにして、本実施の形態に係る撮像素子1が製造される。
【0052】
[効果]
次に、本実施の形態に係る撮像素子1の効果について説明する。
【0053】
従来、2次元構造の撮像素子の1画素あたりの面積の微細化は、微細プロセスの導入と実装密度の向上によって実現されてきた。近年、撮像素子の更なる小型化および画素の高密度化を実現するため、3次元構造の撮像素子が開発されている。3次元構造の撮像素子では、例えば、複数の光電変換部を有する半導体基板と、各光電変換部で得られた電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する増幅トランジスタを有する半導体基板とが互いに積層されている。しかしながら、下側の半導体基板と上側の半導体基板とを配線で接続する場合、配線長が長くなり、寄生容量の増加によって効率変換が劣化するおそれがある。
【0054】
一方、本実施の形態では、半導体基板21の表面と交差する面内にチャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73を有し、かつ、ゲート絶縁膜76を介してチャネル領域71と対向するとともにフローティングディフュージョンFDと電気的に接続されたゲート電極74を有する増幅トランジスタAMPが設けられている。これにより、増幅トランジスタAMPとフローティングディフュージョンFDとを接続する配線長を短くすることができ、寄生容量を低減することができる。その結果、効率変換の低下を抑制することができる。
【0055】
また、本実施の形態では、ゲート電極74は、チャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73の形成されている面と平行な方向(つまり、半導体基板21の厚さ方向)に延在している。これにより、増幅トランジスタAMPでは、チャネル幅が、第1基板10に形成されたセンサ画素12のサイズに制約されないので、チャネル幅を長くして、増幅トランジスタAMPのオン抵抗を小さくすることができ、低ノイズ化を図ることができる。また、増幅トランジスタAMPでは、チャネル領域を拡大することができることから、変換効率を向上させることができる。
【0056】
また、本実施の形態では、ゲート電極74の下端は、複数の接続部54に接しており、1つの読み出し回路22によって共有される複数のフローティングディフュージョンFDと電気的に接続されている。これにより、ゲート電極74と、フローティングディフュージョンFDとを電気的に接続する配線を、配線層56を介さずに、ゲート電極74と、フローティングディフュージョンFDとの最短距離で形成することができる。その結果、配線容量を小さくすることができ、効率変換の低下を抑制することができる。
【0057】
ゲート電極92は、チャネル領域91を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込むとともに、半導体基板21の表面と交差する方向においてゲート絶縁膜93を介してチャネル領域91と対向するトライゲート構造となっていてもよい。ゲート電極92は、チャネル領域91を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込む第1部分電極92Aおよび第2部分電極92Bと、これら第1部分電極92Aおよび第2部分電極92Bと電気的に接続されるとともにゲート絶縁膜93を介してチャネル領域91と対向する第3部分電極92Cとにより構成されている。この場合には、チャネル幅が2倍以上に増やせ更にオン抵抗を下げることができる。更なるノイズ低減効果も期待できる。
【0058】
[変形例A]
上記実施の形態では、増幅トランジスタAMPは、完全空乏型の3端子(ゲート、ソースおよびドレイン)デバイス構造となっていた。しかし、上記実施の形態において、半導体基板21が、例えば、
図6に示したように、チャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73の周囲にウェル領域25を有している場合には、第2基板20に対して、ウェル領域25に接する接続部59を設け、この接続部59を増幅トランジスタAMPの4番目の端子としてもよい。このようにした場合には、接続部59を介してウェル領域25の電位を固定することができるので、増幅トランジスタAMPの基板浮遊効果を抑えることができ、特性ばらつきを抑制することができる。
【0059】
[変形例B]
上記実施の形態に係る増幅トランジスタAMPにおいて、ゲート電極74が、例えば、
図7、
図8、
図9に示したように、チャネル領域71を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込むダブルゲート構造となっていてもよい。
図9には、
図7の増幅トランジスタの平面構成例が示されている。このとき、増幅トランジスタAMPは、例えば、チャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73が同一の極性を持つジャンクションレストランジスタであってもよい。また、ゲート電極74は、チャネル領域71を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込む第1部分電極74Aおよび第2部分電極74Bと、これら第1部分電極74Aおよび第2部分電極74Bと電気的に接続された第3部分電極74Cとにより構成されている。このようにした場合には、チャネル幅が2倍に増えオン抵抗を更に下げることができ、またノイズ低減を行うことができる。
【0060】
[変形例C]
上記実施の形態に係る増幅トランジスタAMPにおいて、ゲート電極74が、例えば、
図8、
図10に示したように、チャネル領域71を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込むとともに、半導体基板21の表面と交差する方向においてゲート絶縁膜76を介してチャネル領域71と対向するトライゲート構造となっていてもよい。このとき、増幅トランジスタAMPは、例えば、チャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73が同一の極性を持つジャンクションレストランジスタであってもよい。また、ゲート電極74は、チャネル領域71を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込む第1部分電極74Aおよび第2部分電極74Bと、これら第1部分電極74Aおよび第2部分電極74Bと電気的に接続されるとともにゲート絶縁膜76を介してチャネル領域71と対向する第3部分電極74Cとにより構成されている。このようにした場合には、チャネル幅を2倍以上に増やせ更にオン抵抗を下げることができる。更なるノイズ低減効果も期待できる。
【0061】
[変形例D]
上記実施の形態および変形例A~Cにおいて、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELも、例えば
図11、
図12に示したように、
図4に記載の増幅トランジスタAMPと同様の垂直ゲート構造となっていてもよい。なお、
図12は、
図11のリセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELの垂直方向の断面構成例を表したものである。
【0062】
リセットトランジスタRSTは、例えば、
図12に示したように、半導体基板21に対する選択エッチングにより形成された開口の内側面内にチャネル領域81、ソース領域およびドレイン領域を有している。つまり、リセットトランジスタRSTは、半導体基板21の表面と交差する面内にチャネル領域81、ソース領域およびドレイン領域を有している。リセットトランジスタRSTは、さらに、チャネル領域81に接するゲート絶縁膜83を有しており、このゲート絶縁膜83を介してチャネル領域81と対向するゲート電極82を有している。なお、チャネル領域81の上面には、選択エッチングに使用されるハードマスク75が残存しており、ハードマスク75はゲート絶縁膜としては機能しない。
【0063】
ゲート電極82は、例えば、不純物がドープされたポリシリコン、シリサイド化されたシリコン、もしくは仕事関数を制御する金属材料などによって形成されている。ゲート電極82は、チャネル領域81、ソース領域およびドレイン領域の形成されている面と平行な方向(つまり、半導体基板21の厚さ方向)に延在している。つまり、リセットトランジスタRSTでは、チャネル幅が、第1基板10に形成されたセンサ画素12のサイズに制約されない。
【0064】
選択トランジスタSELは、例えば、
図12に示したように、半導体基板21に対する選択エッチングにより形成された開口の内側面内にチャネル領域91、ソース領域およびドレイン領域を有している。つまり、選択トランジスタSELは、半導体基板21の表面と交差する面内にチャネル領域91、ソース領域およびドレイン領域を有している。選択トランジスタSELは、さらに、チャネル領域91に接するゲート絶縁膜93を有しており、このゲート絶縁膜93を介してチャネル領域91と対向するゲート電極92を有している。なお、チャネル領域91の上面には、選択エッチングに使用されるハードマスク75が残存しており、ハードマスク75はゲート絶縁膜としては機能しない。
【0065】
ゲート電極92は、例えば、不純物がドープされたポリシリコン、シリサイド化されたシリコン、もしくは仕事関数を制御する金属材料などによって形成されている。ゲート電極92は、チャネル領域91、ソース領域およびドレイン領域の形成されている面と平行な方向(つまり、半導体基板21の厚さ方向)に延在している。つまり、選択トランジスタSELでは、チャネル幅が、第1基板10に形成されたセンサ画素12のサイズに制約されない。
【0066】
このように、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELも、
図4に記載の増幅トランジスタAMPと同様の垂直ゲート構造となっている場合には、製造過程において、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELを共通のプロセスで形成することができ、製造プロセスを簡素化することができる。また、この場合には、リセットトランジスタRSTや選択トランジスタSELのゲート電極を、他の配線(例えば、リセットトランジスタRSTや選択トランジスタSELを駆動するための配線)と直接接続することが可能となる。
【0067】
また、上記実施の形態および変形例A~Cにおいて、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELも、例えば
図13、
図14に示したように、
図7に記載の増幅トランジスタAMPと同様の垂直ゲート構造となっていてもよい。なお、
図14は、
図13のリセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELの垂直方向の断面構成例を表したものである。
【0068】
リセットトランジスタRSTは、例えば、
図14に示したように、半導体基板21に対する選択エッチングにより形成された開口の内側面内にチャネル領域81、ソース領域およびドレイン領域を有している。つまり、リセットトランジスタRSTは、半導体基板21の表面と交差する面内にチャネル領域81、ソース領域およびドレイン領域を有している。リセットトランジスタRSTは、さらに、チャネル領域81に接するゲート絶縁膜83を有しており、このゲート絶縁膜83を介してチャネル領域81と対向するゲート電極82を有している。
【0069】
ゲート電極82は、チャネル領域81を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込むダブルゲート構造となっている。ゲート電極82は、チャネル領域81を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込む第1部分電極82Aおよび第2部分電極82Bと、これら第1部分電極82Aおよび第2部分電極82Bと電気的に接続された第3部分電極82Cとにより構成されている。この場合には、チャネル幅が2倍に増えオン抵抗を更に下げることができ、またノイズ低減を行うことができる。
【0070】
選択トランジスタSELは、例えば、
図14に示したように、半導体基板21に対する選択エッチングにより形成された開口の内側面内にチャネル領域91、ソース領域およびドレイン領域を有している。つまり、選択トランジスタSELは、半導体基板21の表面と交差する面内にチャネル領域91、ソース領域およびドレイン領域を有している。選択トランジスタSELは、さらに、チャネル領域91に接するゲート絶縁膜93を有しており、このゲート絶縁膜93を介してチャネル領域91と対向するゲート電極92を有している。
【0071】
ゲート電極92は、チャネル領域91を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込むダブルゲート構造となっている。ゲート電極92は、チャネル領域91を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込む第1部分電極92Aおよび第2部分電極92Bと、これら第1部分電極92Aおよび第2部分電極92Bと電気的に接続された第3部分電極92Cとにより構成されている。この場合には、チャネル幅が2倍に増えオン抵抗を更に下げることができ、またノイズ低減を行うことができる。
【0072】
このように、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELも、
図7に記載のダブルゲート型の増幅トランジスタAMPと同様の構造となっている場合には、製造過程において、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELを共通のプロセスで形成することができ、製造プロセスを簡素化することができる。また、この場合には、リセットトランジスタRSTや選択トランジスタSELのゲート電極を、他の配線(例えば、リセットトランジスタRSTや選択トランジスタSELを駆動するための配線)と直接接続することが可能となる。
【0073】
また、上記実施の形態および変形例A~Cにおいて、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELも、例えば
図13、
図15に示したように、
図10に記載の増幅トランジスタAMPと同様の垂直ゲート構造となっていてもよい。なお、
図15は、
図13のリセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELの垂直方向の断面構成例を表したものである。
【0074】
リセットトランジスタRSTは、例えば、
図15に示したように、半導体基板21に対する選択エッチングにより形成された開口の内側面内にチャネル領域81、ソース領域およびドレイン領域を有している。つまり、リセットトランジスタRSTは、半導体基板21の表面と交差する面内にチャネル領域81、ソース領域およびドレイン領域を有している。リセットトランジスタRSTは、さらに、チャネル領域81に接するゲート絶縁膜83を有しており、このゲート絶縁膜83を介してチャネル領域81と対向するゲート電極82を有している。
【0075】
ゲート電極82は、チャネル領域81を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込むとともに、半導体基板21の表面と交差する方向においてゲート絶縁膜83を介してチャネル領域81と対向するトライゲート構造となっていてもよい。ゲート電極82は、チャネル領域81を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込む第1部分電極82Aおよび第2部分電極82Bと、これら第1部分電極82Aおよび第2部分電極82Bと電気的に接続されるとともにゲート絶縁膜83を介してチャネル領域81と対向する第3部分電極82Cとにより構成されている。この場合には、チャネル幅が2倍以上に増やせ更にオン抵抗を下げることができる。更なるノイズ低減効果も期待できる。
【0076】
選択トランジスタSELは、例えば、
図15に示したように、半導体基板21に対する選択エッチングにより形成された開口の内側面内にチャネル領域91、ソース領域およびドレイン領域を有している。つまり、選択トランジスタSELは、半導体基板21の表面と交差する面内にチャネル領域91、ソース領域およびドレイン領域を有している。選択トランジスタSELは、さらに、チャネル領域91に接するゲート絶縁膜93を有しており、このゲート絶縁膜93を介してチャネル領域91と対向するゲート電極92を有している。
【0077】
ゲート電極92は、チャネル領域91を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込むとともに、半導体基板21の表面と交差する方向においてゲート絶縁膜93を介してチャネル領域91と対向するトライゲート構造となっていてもよい。ゲート電極92は、チャネル領域91を、半導体基板21の表面と平行な方向から挟み込む第1部分電極92Aおよび第2部分電極92Bと、これら第1部分電極92Aおよび第2部分電極92Bと電気的に接続されるとともにゲート絶縁膜93を介してチャネル領域81と対向する第3部分電極92Cとにより構成されている。この場合には、チャネル幅が2倍以上に増やせ更にオン抵抗を下げることができる。更なるノイズ低減効果も期待できる。
【0078】
このように、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELも、増幅トランジスタAMPと同様の構造となっている場合には、製造過程において、増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRSTおよび選択トランジスタSELを共通のプロセスで形成することができ、製造プロセスを簡素化することができる。また、この場合には、リセットトランジスタRSTや選択トランジスタSELのゲート電極を、他の配線(例えば、リセットトランジスタRSTや選択トランジスタSELを駆動するための配線)と直接接続することが可能となる。
【0079】
[変形例E]
上記実施の形態および変形例A~Dにおいて、撮像素子1は、例えば、
図16に示したように、FD転送トランジスタFDGを有していてもよい。この場合、FD転送トランジスタFDGは、例えば、リセットトランジスタRSTのソースと増幅トランジスタAMPのゲートとの間に設けられている。
【0080】
FD転送トランジスタFDGは、変換効率を切り替える際に用いられる。一般に、暗い場所での撮影時には画素信号が小さい。Q=CVに基づき、電荷電圧変換を行う際に、フローティングディフュージョンFDの容量(FD容量C)が大きければ、増幅トランジスタAMPで電圧に変換した際のVが小さくなってしまう。一方、明るい場所では、画素信号が大きくなるので、FD容量Cが大きくなければ、フローティングディフュージョンFDで、フォトダイオードPDの電荷を受けきれない。さらに、増幅トランジスタAMPで電圧に変換した際のVが大きくなりすぎないように(言い換えると、小さくなるように)、FD容量Cが大きくなっている必要がある。これらを踏まえると、FD転送トランジスタFDGをオンにしたときには、FD転送トランジスタFDG分のゲート容量が増えるので、全体のFD容量Cが大きくなる。一方、FD転送トランジスタFDGをオフにしたときには、全体のFD容量Cが小さくなる。このように、FD転送トランジスタFDGをオンオフ切り替えることで、FD容量Cを可変にし、変換効率を切り替えることができる。
【0081】
上記実施の形態において、FD転送トランジスタFDGは、例えば、
図17に示したように、リセットトランジスタRSTや選択トランジスタSELと共通の構成(プレーナ型)となっている。また、上記変形例Aにおいて、FD転送トランジスタFDGは、例えば、
図18に示したように、リセットトランジスタRSTや選択トランジスタSELと共通の構成(プレーナ型)となっている。また、上記変形例B,Cにおいて、FD転送トランジスタFDGは、例えば、
図19に示したように、リセットトランジスタRSTや選択トランジスタSELと共通の構成(プレーナ型)となっている。また、上記変形例Dにおいて、FD転送トランジスタFDGは、例えば、
図20、
図21に示したように、増幅トランジスタAMPと共通の構成(垂直ゲート型)となっている。
【0082】
[変形例F]
上記実施の形態および変形例A~Eにおいて、増幅トランジスタAMPは、例えば、
図22、
図23に示したように、素子分離部43と対向する位置に形成されていてもよい。この場合、増幅トランジスタAMPが上述のダブルゲート構造またはトライゲート構造となっているときには、第1部分電極74Aおよび第2部分電極74Bのそれぞれを、1または複数の接続部54に接続することができ、1または複数の接続部54を介して1または複数のフローティングディフュージョンFDに電気的に接続することができる。つまり、4つのフローティングディフュージョンFDが、第1部分電極74Aもしくは第2部分電極74Bの下端と、接続部54を介して連結されることにより、対応する増幅トランジスタAMPと電気的に接続されている。なお、フローティングディフュージョンFDが、第1部分電極74Aもしくは第2部分電極74Bの下端に直接、連結されることにより、対応する増幅トランジスタAMPと電気的に接続されてもよい。その結果、複数のフローティングディフュージョンFDの電気的な接続を、増幅トランジスタAMPのゲート電極74によって行うことができ、別途、配線を設ける必要がない。従って、寄生容量を低減することができる。その結果、効率変換の低下を抑制することができる。
【0083】
また、本変形例において、複数のフローティングディフュージョンFDは、第1部分電極74Aおよび第2部分電極74Bのいずれか一方と接することにより、対応する増幅トランジスタAMPと電気的に接続されている。これにより、複数のフローティングディフュージョンFDの電気的な接続を、増幅トランジスタAMPのゲート電極74によって行うことができ、別途、配線を設ける必要がない。従って、寄生容量を低減することができる。その結果、効率変換の低下を抑制することができる。
【0084】
また、本変形例では、増幅トランジスタAMPを素子分離部43と非対向の位置に形成した場合と比べて、半導体基板21における、素子分離部43と非対向の位置に、増幅トランジスタAMP以外の素子を形成することができる。その結果、半導体基板21における集積度を高めることができるので、撮像素子1を小型化することができる。
【0085】
[変形例G]
上記実施の形態および変形例A~Fにおいて、読み出し回路22は、例えば、
図24、
図25、
図26、
図27、
図28に示したように、互いに並列に接続された複数の増幅トランジスタAMPを有していてもよい。「互いに並列に接続された複数の増幅トランジスタAMP」は、所定の方向に並んで配置された、複数組のチャネル領域71、ソース領域72およびドレイン領域73と、ゲート絶縁膜76を介して各チャネル領域71と対向配置されたゲート電極74とを有する1つの増幅トランジスタであるとも言える。
図26には、ダブルゲート型の2つの増幅トランジスタAMPが互いに並列に接続されている例が示されており、
図27には、トライゲート型の2つの増幅トランジスタAMPが互いに並列に接続されている例が示されている。
図28には、
図26、
図27に記載の、互いに並列に接続された2つの増幅トランジスタAMPの平面構成例が示されている。互いに並列に接続された2つの増幅トランジスタAMPにおいて、一方の増幅トランジスタAMPと、他方の増幅トランジスタAMPとは、例えば、
図28に示したように、第1部分電極74Aを共有している。
【0086】
この場合、読み出し回路22は、上述のグループごとに1つずつ割り当てられた複数の接続パッド77を有していてもよい。この場合、さらに、各上述のグループにおいて、複数のフローティングディフュージョンFDは、接続パッド77を介して、対応する増幅トランジスタAMPと電気的に接続されていてもよい。これにより、接続部59をフローティングディフュージョンFDに接続する場合と比べて、フローティングディフュージョンFDを小さくすることができる。その結果、撮像素子1を小型化することができる。
【0087】
本変形例に係る読み出し回路22において、互いに並列に接続された複数の増幅トランジスタAMPからなる複数組の増幅トランジスタ群が、例えば、
図29、
図30、
図31、
図32に示したように、接続配線55によって互いに並列に接続されていてもよい。
図29には、ダブルゲート型の2組の増幅トランジスタ群が互いに並列に接続されている例が示されており、
図30には、トライゲート型の2組の増幅トランジスタ群が互いに並列に接続されている例が示されている。
図31には、
図29、
図30に記載の増幅トランジスタ群と、選択トランジスタSELの平面構成例が示されている。
図32には、
図31の平面構成の一変形例が示されている。
図32には、
図31のプレーナ型の選択トランジスタSELの代わりに、垂直ゲート型の選択トランジスタSELが設けられている場合の平面構成例が示されている。
図31、
図32に示したように、2つの増幅トランジスタ群および選択トランジスタSELは、互いに別個のブロック
21に形成されている。
【0088】
このようにした場合には、上述のグループに属するセンサ画素12(フローティングディフュージョンFD)の数を容易に増やすことができる。上記実施の形態および変形例A~Fに係る読み出し回路22において、2×2画素共有となっていたものを、例えば、2×4画素共有にすることができる。
【0089】
[変形例H]
上記実施の形態および変形例A~Gに係る読み出し回路22において、素子分離部43が、例えば、
図33、
図34、
図35、
図36、
図37、
図38に示したように、半導体基板11を貫通せず、半導体基板11の受光面(裏面)から、半導体基板11の上面(フローティングディフュージョンFDなどを形成する面)に到達しない深さにまで形成されていてもよい。
図33には、ダブルゲート型の2組の増幅トランジスタ群が互いに並列に接続されている例が示されており、
図34には、トライゲート型の2組の増幅トランジスタ群が互いに並列に接続されている例が示されている。
図35には、ダブルゲート型の増幅トランジスタAMPの第1部分電極74Aおよび第2部分電極74Bの双方がフローティングディフュージョンFDに接している場合が例示されており、
図36には、トライゲート型の増幅トランジスタAMPの第1部分電極74Aおよび第2部分電極74Bの双方がフローティングディフュージョンFDに接している場合が例示されている。
図37には、ダブルゲート型の2組の増幅トランジスタ群が互いに並列に接続されている例が示されており、
図38には、トライゲート型の2組の増幅トランジスタ群が互いに並列に接続されている例が示されている。
【0090】
このようにした場合には、複数のフォトダイオードPDのうち互いに隣接する複数のフォトダイオードPDは、フローティングディフュージョンFDを共有することが可能となる。このとき、複数の増幅トランジスタAMPは、複数のフォトダイオードPDによって共有されたフローティングディフュージョンFDごとに等分されており、複数のフォトダイオードPDによって共有されたフローティングディフュージョンFDごとに1つずつ割り当てられている。さらに、ゲート電極74は、複数のフォトダイオードPDによって共有されたフローティングディフュージョンFDと電気的に接続される。これにより、フローティングディフュージョンFDが共有されない場合と比べて、半導体基板11における集積度を高めることができるので、撮像素子1を小型化することができる。
【0091】
[変形例I]
上記実施の形態および変形例A~Hに係る読み出し回路22において、増幅トランジスタAMPのゲート電極74が、例えば、
図39、
図40、
図41、
図42に示したように、直接、フローティングディフュージョンFDに接していてもよい。このとき、増幅トランジスタAMPのゲート電極74は、積層方向に延在しており、増幅トランジスタAMPのゲート電極74の下端が、直接、ローティングディフュージョンFDに接している。なお、
図39には、
図22に記載の断面構成の一変形例が記載されている。
図40には、
図23に記載の断面構成の一変形例が記載されている。
図41には、
図33に記載の断面構成の一変形例が記載されている。
図42には、
図34に記載の断面構成の一変形例が記載されている。このようにした場合には、増幅トランジスタAMPのゲート電極74と、フローティングディフュージョンFDとを接続する接続部54を省略することができるので、接続部54を省略した分だけ、製造工程を削減することができる。また、フローティングディフュージョンFDから増幅トランジスタAMPのゲート電極74への振動伝達距離が短くなるので、信号伝送が早くなり、ノイズを低減することができる。
【0092】
[変形例J]
上記実施の形態および変形例A~Iに係る読み出し回路22において、読み出し回路22が、例えば、
図43に示したように、センサ画素12ごとに1つずつ設けられていてもよい。この場合に、増幅トランジスタAMPのゲート電極74が、例えば、
図44に示したように、直接、フローティングディフュージョンFDに接していてもよい。このとき、増幅トランジスタAMPのゲート電極74は、積層方向に延在しており、増幅トランジスタAMPのゲート電極74の下端が、直接、ローティングディフュージョンFDに接している。このようにした場合には、増幅トランジスタAMPのゲート電極74と、フローティングディフュージョンFDとを接続する接続部54を省略することができるので、接続部54を省略した分だけ、製造工程を削減することができる。また、フローティングディフュージョンFDから増幅トランジスタAMPのゲート電極74への振動伝達距離が短くなるので、信号伝送が早くなり、ノイズを低減することができる。
【0093】
[変形例K]
上記実施の形態および変形例A~Jに係る第2基板20では、読み出し回路22を構成することのできる増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST、選択トランジスタSELは、同じ半導体基板21に形成されていた。しかし、例えば、上記実施の形態および変形例A~Jに係る第2基板20において、読み出し回路22に含まれる少なくとも1つのトランジスタを半導体基板21に形成し、残りのトランジスタを半導体基板11および21とは異なる、半導体基板21Aに形成してもよい。このとき、第2基板20は、図示しないが、例えば、半導体基板21上に、絶縁層52,57、接続部59、接続配線55を形成し、さらに半導体基板21Aを積層することにより形成されてもよい。半導体基板21Aは、層間絶縁膜51との位置関係において、半導体基板11側とは反対側の領域内に積層され、所望のトランジスタを形成することができる。一例として、半導体基板21に増幅トランジスタAMPを形成し、リセットトランジスタRST及び/又は選択トランジスタSELを半導体基板21Aに形成することができる。
【0094】
また、上記実施の形態および変形例A~Jに係る第2基板20に対して、新たな半導体基板を複数設け、それぞれに、読み出し回路22に含まれる所望のトランジスタを設けてもよい。一例として、半導体基板21に増幅トランジスタAMPを形成することができる。さらに、半導体基板21上に絶縁層、接続部、接続配線を積層し、その上に半導体基板21Aを積層し、半導体基板21AにリセットトランジスタRSTを形成することができる。半導体基板21A上に絶縁層、接続部、接続配線を積層し、その上に半導体基板21Bを積層し、半導体基板21Bに選択トランジスタSELを形成することができる。半導体基板21、21A,21Bに形成するトランジスタは、読み出し回路22を構成するいずれのトランジスタでもよい。
【0095】
このように、第2基板20に複数の半導体基板を設けることにより、1つの読み出し回路22が占める半導体基板21の面積を小さくすることができる。各読み出し回路22の面積を小さくしたり、各トランジスタを微細化したりすることが出来れば、チップの面積を小さくすることも可能になる。また、読み出し回路22を構成することのできる増幅トランジスタAMP、リセットトランジスタRST、選択トランジスタSELのうち、所望のトランジスタの面積を拡大することができる。特に、増幅トランジスタAMPの面積を拡大することで、ノイズ低減効果も期待できる。
【0096】
<3.適用例>
図45は、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子1を備えた撮像システム2の概略構成の一例を表したものである。
【0097】
撮像システム2は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、スマートフォンやタブレット型端末等の携帯端末装置などの電子機器である。撮像システム2は、例えば、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子1、光学系141、シャッタ装置142、制御回路143、DSP回路144、フレームメモリ145、表示部146、記憶部147、操作部148および電源部149を備えている。撮像システム2において、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子1、DSP回路144、フレームメモリ145、表示部146、記憶部147、操作部148および電源部149は、バスライン150を介して相互に接続されている。
【0098】
光学系141は、1枚または複数枚のレンズを有して構成され、被写体からの光(入射光)を撮像素子1に導き、撮像素子1の受光面に結像させる。シャッタ装置142は、光学系141および撮像素子1の間に配置され、制御回路143の制御に従って、撮像素子1への光照射期間および遮光期間を制御する。撮像素子1は、光学系141およびシャッタ装置142を介して受光面に結像される光に応じて、一定期間、信号電荷を蓄積する。撮像素子1に蓄積された信号電荷は、画素信号(画像データ)として、制御回路143から供給される駆動信号(タイミング信号)に従ってDSP回路144に転送される。つまり、撮像素子1は、光学系141およびシャッタ装置142を介して入射された像光(入射光)を受光し、受光した像光(入射光)に応じた画素信号をDSP回路144に出力する。制御回路143は、撮像素子1の転送動作、および、シャッタ装置142のシャッタ動作を制御する駆動信号を出力して、撮像素子1およびシャッタ装置142を駆動する。
【0099】
DSP回路144は、撮像素子1から出力される画素信号(画像データ)を処理する信号処理回路である。フレームメモリ145は、DSP回路144により処理された画像データを、フレーム単位で一時的に保持する。表示部146は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、撮像素子1で撮像された動画又は静止画を表示する。記憶部147は、撮像素子1で撮像された動画又は静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。操作部148は、ユーザによる操作に従い、撮像システム2が有する各種の機能についての操作指令を発する。電源部149は、撮像素子1、DSP回路144、フレームメモリ145、表示部146、記憶部147および操作部148の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0100】
次に、撮像システム2における撮像手順について説明する。
【0101】
図46は、撮像システム2における撮像動作のフローチャートの一例を表す。ユーザは、操作部148を操作することにより撮像開始を指示する(ステップS101)。すると、操作部148は、撮像指令を制御回路143に送信する(ステップS102)。制御回路143は、撮像指令を受信すると、シャッタ装置142および撮像素子1の制御を開始する。撮像素子1(具体的にはシステム制御回路32d)は、制御回路143による制御によって、所定の撮像方式での撮像を実行する(ステップS103)。シャッタ装置142は、制御回路143による制御によって、撮像素子1への光照射期間および遮光期間を制御する。
【0102】
撮像素子1は、撮像により得られた画像データをDSP回路144に出力する。ここで、画像データとは、フローティングディフュージョンFDに一時的に保持された電荷に基づいて生成された画素信号の全画素分のデータである。DSP回路144は、撮像素子1から入力された画像データに基づいて所定の信号処理(例えばノイズ低減処理など)を行う(ステップS104)。DSP回路144は、所定の信号処理がなされた画像データをフレームメモリ145に保持させ、フレームメモリ145は、画像データを記憶部147に記憶させる(ステップS105)。このようにして、撮像システム2における撮像が行われる。
【0103】
本適用例では、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子1が撮像システム2に適用される。これにより、撮像素子1を小型化もしくは高精細化することができるので、小型もしくは高精細な撮像システム2を提供することができる。
【0104】
<4.応用例>
[応用例1]
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0105】
図47は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0106】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。
図47に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0107】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0108】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0109】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0110】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であってもよいし、赤外線等の非可視光であってもよい。
【0111】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0112】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0113】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0114】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0115】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。
図47の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0116】
図48は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0117】
図48では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0118】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0119】
なお、
図48には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0120】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0121】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0122】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0123】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0124】
以上、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、撮像部12031に適用され得る。具体的には、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子1は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部12031の効率変換の低下を抑制することができるので、高画質な移動体制御システムを提供することができる。
【0125】
[応用例2]
図49は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0126】
図49では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0127】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0128】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0129】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0130】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0131】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0132】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0133】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0134】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0135】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0136】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0137】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0138】
図50は、
図49に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0139】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0140】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0141】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0142】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0143】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0144】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0145】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0146】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0147】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0148】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0149】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0150】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0151】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0152】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0153】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0154】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0155】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、内視鏡11100のカメラヘッド11102に設けられた撮像部11402に好適に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、撮像部11402の効率変換の低下を抑制することができるので、高画質な内視鏡11100を提供することができる。
【0156】
以上、実施の形態およびその変形例、適用例ならびに応用例を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形が可能である。なお、本明細書中に記載された効果は、あくまで例示である。本開示の効果は、本明細書中に記載された効果に限定されるものではない。本開示が、本明細書中に記載された効果以外の効果を持っていてもよい。
【0157】
<5.その他の適用例>
本開示は、例えば、撮像素子に限られるものではなく、例えば、半導体素子にも適用可能である。例えば、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子1の構成要素を、半導体素子に適用することが可能である。
【0158】
例えば、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子1の構成要素を、例えば、
図51に示したような半導体素子3にも適用することが可能である。
【0159】
半導体素子3は、半導体基板310、絶縁層330、半導体基板320および絶縁層340をこの順に積層した積層体である。半導体基板310,320は、例えば、シリコン基板である。絶縁層330,340は、例えば、SiO2や、SiNなどの無機絶縁材料によって構成されている。半導体基板320は、半導体基板320と同一の層内に、半導体基板320を貫通する絶縁層350を有している。絶縁層350は、例えば、SiO2や、SiNなどの無機絶縁材料によって構成されている。
【0160】
半導体基板310は、例えば、トランジスタ311を有している。トランジスタ311は、本開示の「第1トランジスタ」の一具体例に相当する。半導体基板320は、絶縁層330を介して半導体基板310に積層され、例えば、上記実施の形態等に記載に増幅トランジスタAMPと共通の構成を有するトランジスタ321と、トランジスタ322とを有している。トランジスタ321は、本開示の「第2トランジスタ」の一具体例に相当する。トランジスタ321のゲート電極321Bと、トランジスタ322のソースもしくはドレインとは、例えば、絶縁層340内に設けられた接続部341,342や、絶縁層340上に設けられた配線343などによって電気的に接続されている。ゲート電極321Bは、不純物がドープされたポリシリコン、シリサイド化されたシリコン、もしくは仕事関数を制御する金属材料によって形成されている。
【0161】
トランジスタ321は、例えば、半導体基板320に対する選択エッチングにより形成された開口の内側面内にチャネル領域321A、ソース領域およびドレイン領域を有している。つまり、トランジスタ321は、半導体基板320の表面と交差する面内にチャネル領域321A、ソース領域およびドレイン領域を有している。トランジスタ321は、さらに、チャネル領域321Aに接するゲート絶縁膜321Dを有しており、このゲート絶縁膜321Dを介してチャネル領域321Aと対向するゲート電極321Bを有している。
【0162】
ゲート電極321Bは、チャネル領域321A、ソース領域およびドレイン領域の形成されている面と平行な方向(つまり、半導体基板320の厚さ方向)に延在している。ゲート電極321Bは、さらに、絶縁層330内にまで延在している。ゲート電極321Bの下端は、接続部331に接しており、接続部331を介してトランジスタ311のソースもしくはドレインと電気的に接続されている。つまり、ゲート電極321Bと、トランジスタ311のソースもしくはドレインとを電気的に接続する配線が、絶縁層340内を介さずに、ゲート電極321Bと、トランジスタ311のソースもしくはドレインとの最短距離で形成されている。
【0163】
なお、ゲート電極321Bは、例えば、
図7に記載のゲート電極74と同様に、チャネル領域を、半導体基板320の表面と平行な方向から挟み込むダブルゲート構造となっていてもよい。このとき、トランジスタ321は、例えば、チャネル領域321A、ソース領域およびドレイン領域が同一の極性を持つジャンクションレストランジスタであってもよい。また、ゲート電極321Bは、例えば、
図10に記載のゲート電極74と同様に、チャネル領域321Aを、半導体基板320の表面と平行な方向から挟み込むとともに、半導体基板320の表面と交差する方向においてゲート絶縁膜321Dを介してチャネル領域321Aと対向するトライゲート構造となっていてもよい。このとき、トランジスタ321は、例えば、チャネル領域321A、ソース領域およびドレイン領域が同一の極性を持つジャンクションレストランジスタであってもよい。
【0164】
また、ゲート電極321Bにおいてチャネル領域321Aと対向する部分と、接続部331とが、一括で形成されていてもよいし、製造過程で別々に形成されていてもよい。ゲート電極321Bにおいてチャネル領域321Aと対向する部分と、接続部331とが製造過程で別々に形成される場合、ゲート電極321Bにおいてチャネル領域321Aと対向する部分と、接続部331とが、互いに同一の材料で形成されていてもよいし、互いに異なる材料で形成されていてもよい。
【0165】
また、半導体基板320が、例えば、
図26、
図27、
図29、
図30に記載の増幅トランジスタAMPと同様に、互いに並列に接続された複数のトランジスタ321を有していてもよい。「互いに並列に接続された複数のトランジスタ321」は、所定の方向に並んで配置された、複数組のチャネル領域321A、ソース領域およびドレイン領域と、ゲート絶縁膜321Dを介して各チャネル領域321Aと対向配置されたゲート電極321Bとを有する1つのトランジスタであるとも言える。
【0166】
また、例えば、上記実施の形態およびその変形例に係る撮像素子1の構成要素を、例えば、
図52に示したような半導体素子4にも適用することが可能である。半導体素子4は、半導体素子3においてトランジスタ311の代わりにフォトダイオード312が設けられた構成となっている。フォトダイオード312は、接続部331と電気的に接続されている。
【0167】
また、本開示は、以下のような構成を取ることも可能である。
(1)
光電変換部と、前記光電変換部から転送された電荷を保持する電荷保持部とを有する第1半導体基板と、
絶縁層を介して前記第1半導体基板に積層され、前記電荷保持部に保持された電荷のレベルに応じた電圧の信号を生成する増幅トランジスタを有する第2半導体基板と
を備え、
前記増幅トランジスタは、前記第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と対向するとともに前記電荷保持部と電気的に接続されたゲート電極を有する
撮像素子。
(2)
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を、前記第2半導体基板の表面と平行な第1方向から挟み込むダブルゲート構造となっている
(1)に記載の撮像素子。
(3)
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を、前記第2半導体基板の表面と平行な第1方向から挟み込むとともに、前記第2半導体基板の表面と交差する第2方向において前記ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と対向するトライゲート構造となっている
(1)に記載の撮像素子。
(4)
前記増幅トランジスタは、前記チャネル領域、前記ソース領域および前記ドレイン領域が同一の極性を持つジャンクションレストランジスタである
(1)ないし(3)のいずれか1つに記載の撮像素子。
(5)
前記増幅トランジスタは、前記第1方向に並んで配置された、複数組の前記チャネル領域、前記ソース領域および前記ドレイン領域を有し、
前記増幅トランジスタにおいて、前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を介して各前記チャネル領域と対向配置されている
(1)ないし(4)のいずれか1つに記載の撮像素子。
(6)
前記ゲート電極は、不純物がドープされたポリシリコン、シリサイド化されたシリコン、もしくは仕事関数を制御する金属材料によって形成されている
(1)ないし(5)のいずれか1つに記載の撮像素子。
(7)
前記第1半導体基板は、前記複数の光電変換部を前記光電変換部ごとに分離する素子分離部を有し、
前記増幅トランジスタは、前記素子分離部と対向する位置に形成されている
(2)に記載の撮像素子。
(8)
前記複数の電荷保持部は、複数のグループに等分されており、
前記複数の増幅トランジスタは、前記グループごとに等分されており、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を前記第1方向から挟み込む第1部分電極および第2部分電極を含み、
各前記グループにおいて、前記複数の電荷保持部は、前記第1部分電極および前記第2部分電極のいずれか一方の下端と直接または接続部を介して連結されることにより、対応する前記増幅トランジスタと電気的に接続されている
(7)に記載の撮像素子。
(9)
前記複数の電荷保持部は、複数のグループに等分されており、
前記複数の増幅トランジスタは、前記グループごとに等分されており、
当該撮像素子は、前記グループごとに割り当てられた複数の接続パッドを更に備え、
各前記グループにおいて、前記複数の電荷保持部は、前記接続パッドを介して、対応する前記増幅トランジスタと電気的に接続されている
(7)に記載の撮像素子。
(10)
前記複数の光電変換部のうち互いに隣接する複数の前記光電変換部は、前記電荷保持部を共有しており、
前記複数の増幅トランジスタは、複数の前記光電変換部によって共有された前記電荷保持部ごとに等分されており、
前記ゲート電極は、複数の前記光電変換部によって共有された前記電荷保持部と電気的に接続されている
(7)に記載の撮像素子。
(11)
前記第1半導体基板は、前記複数の光電変換部を前記光電変換部ごとに分離する素子分離部を有し、
前記増幅トランジスタは、前記素子分離部と対向する位置に形成されている
(3)に記載の撮像素子。
(12)
前記複数の電荷保持部は、複数のグループに等分されており、
前記複数の増幅トランジスタは、前記グループごとに等分されており、
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を前記第1方向から挟み込む第1部分電極および第2部分電極と、前記第2方向において前記ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と対向するとともに前記第1部分電極および前記第2部分電極に接する第3部分電極とを含み、
各前記グループにおいて、前記複数の電荷保持部は、前記第1部分電極および前記第2部分電極のいずれか一方の下端と直接または接続部を介して連結されることにより、対応する前記増幅トランジスタと電気的に接続されている
(11)に記載の撮像素子。
(13)
前記複数の電荷保持部は、複数のグループに等分されており、
前記複数の増幅トランジスタは、前記グループごとに等分されており、
当該撮像素子は、前記グループごとに割り当てられた複数の接続パッドを更に備え、
各前記グループにおいて、前記複数の電荷保持部は、前記接続パッドを介して、対応する前記増幅トランジスタと電気的に接続されている
(11)に記載の撮像素子。
(14)
前記複数の光電変換部のうち互いに隣接する複数の前記光電変換部は、前記電荷保持部を共有しており、
前記複数の増幅トランジスタは、複数の前記光電変換部によって共有された前記電荷保持部ごとに等分されており、
前記ゲート電極は、複数の前記光電変換部によって共有された前記電荷保持部と電気的に接続されている
(11)に記載の撮像素子。
(15)
第1トランジスタもしくは光電変換部を有する第1半導体基板と、
絶縁層を介して前記第1半導体基板に積層され、第2トランジスタを有する第2半導体基板と
を備え
前記第2トランジスタは、前記第2半導体基板の表面と交差する面内にチャネル領域、ソース領域およびドレイン領域を有し、かつ、ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と対向するとともに前記第1半導体基板と電気的に接続されたゲート電極を有する
半導体素子。
(16)
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を、前記第2半導体基板の表面と平行な第1方向から挟み込むダブルゲート構造となっている
(15)に記載の半導体素子。
(17)
前記ゲート電極は、前記チャネル領域を、前記第2半導体基板の表面と平行な第1方向から挟み込むとともに、前記第2半導体基板の表面と交差する第2方向において前記ゲート絶縁膜を介して前記チャネル領域と対向するトライゲート構造となっている
(15)に記載の半導体素子。
(18)
前記第2トランジスタは、前記チャネル領域、前記ソース領域および前記ドレイン領域が同一の極性を持つジャンクションレストランジスタである
(15)に記載の半導体素子。
(19)
前記第2トランジスタは、前記第1方向に並んで配置された、複数組の前記チャネル領域、前記ソース領域および前記ドレイン領域を有し、
前記第2トランジスタにおいて、前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁膜を介して各前記チャネル領域と対向配置されている
(15)に記載の半導体素子。
(20)
前記ゲート電極は、不純物がドープされたポリシリコン、シリサイド化されたシリコン、もしくは仕事関数を制御する金属材料によって形成されている
(15)に記載の半導体素子。
【0168】
本開示の一実施の形態に係る撮像素子によれば、増幅トランジスタと電荷保持部とを接続する配線長を短くすることができ、寄生容量を低減することができるようにしたので、効率変換の低下を抑制することができる。
【0169】
本開示の一実施の形態に係る半導体素子によれば、第2トランジスタと第1半導体基板とを接続する配線長を短くすることができ、寄生容量を低減することができるようにしたので、効率変換の低下を抑制することができる。
【0170】
なお、本技術の効果は、ここに記載された効果に必ずしも限定されず、本明細書中に記載されたいずれの効果であってもよい。
【0171】
本出願は、日本国特許庁において2019年3月15日に出願された日本特許出願番号第2019-048551号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0172】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。