(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】光電子構造素子、光電子配置構造体および方法
(51)【国際特許分類】
H10H 20/856 20250101AFI20250303BHJP
【FI】
H10H20/856
(21)【出願番号】P 2021546773
(86)(22)【出願日】2020-02-11
(86)【国際出願番号】 EP2020053498
(87)【国際公開番号】W WO2020165185
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】102019103365.9
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019110499.8
(32)【優先日】2019-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019111767.4
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2020/052191
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エルヴィン ラング
(72)【発明者】
【氏名】ユーリア シュトルツ
(72)【発明者】
【氏名】フーベアト ハルプリッター
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ラウシュ
(72)【発明者】
【氏名】ズィーモン シュヴァーレンベアク
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】韓国特許第10-0713226(KR,B1)
【文献】特開2004-228297(JP,A)
【文献】特開2005-244220(JP,A)
【文献】特開2013-110154(JP,A)
【文献】特開2019-009438(JP,A)
【文献】特開2005-346066(JP,A)
【文献】特開2018-063975(JP,A)
【文献】国際公開第2018/179540(WO,A1)
【文献】特開2016-208012(JP,A)
【文献】特開2018-191006(JP,A)
【文献】特表2017-535966(JP,A)
【文献】特開2009-260357(JP,A)
【文献】特開2009-141254(JP,A)
【文献】特開2013-048282(JP,A)
【文献】特開2017-152655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10H 20/00-20/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子配置構造体であって、
- フラットなキャリア基板と、
- 前記フラットなキャリア基板の実装面に
、第1の面が配置され、
かつ、それぞれ異なる波長の光を放出するように構成された、少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子であって、
前記
縦型の光電子構造素子は、光がキャリア基板平面を横切って前記フラットなキャリア基板から離れる方向に放出されるように構成されている、
縦型の光電子構造素子と、
前記少なくとも3つの縦型の光電子構造素子の各々が、前記第1の面に第1のコンタクトを有し、前記第1の面とは反対側に第2のコンタクトを有し、
- 前記フラットなキャリア基板の前記実装面に配置され、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子の放出面から空間的に間隔を空けられている、リフレクタ素子であって、
前記リフレクタ素子は、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子を覆い、かつ、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子が発する光を前記フラットなキャリア基板の方向に反射するように構成されている、リフレクタ素子と
を有しており、
前記フラットなキャリア基板は、前記リフレクタ素子から反射された光が前記フラットなキャリア基板を伝搬して、前記実装面とは反対側の前記フラットなキャリア基板のディスプレイ面に出射するように、少なくとも部分的に透明に構成されており、
前記リフレクタ素子が、
透明なカバー層を用いて前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子の
それぞれの前記第2のコンタクトに対する電気的コンタクトを形成して
おり、前記少なくとも3つの縦型の光電子構造素子の側壁は、前記リフレクタ素子の材料を有していない、か
つ、
前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子が、前記リフレクタ素子に面している側に、コンタクト領域を有しており、当該コンタクト領域は、共通の電気的コンタクトのために透明なカバー層で覆われて
おり、前記透明なカバー層は、前記側壁まで延びていない、
光電子配置構造体。
【請求項2】
前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子から反射された光を散乱させるために、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子に向いた前記リフレクタ素子の側にディフューザ層が設けられており、かつ/またはリフレクタ材料がディフューザ粒子を有している、請求項1記載の光電子配置構造体。
【請求項3】
前記ディフューザ層および/または前記ディフューザ粒子が、Al
2O
3および/またはTiO
2を有している、請求項2記載の光電子配置構造体。
【請求項4】
前記リフレクタ素子が、円形、多角形または放物線状に前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子を取り囲んでいる、請求項1から3までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項5】
前記リフレクタ素子が、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子が発する光の少なくとも90%が、前記キャリア基板平面に対して45°~90°の角度で前記フラットなキャリア基板の前記実装面に入射するように構成および形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項6】
前記フラットなキャリア基板が、ポリアミド、透明なプラスチック、樹脂またはガラスを有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項7】
前記リフレクタ素子が、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子の反射層として形成されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項8】
前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子のメサエッジにおける光の反射を減衰または除去するために、パッシベーション層が追加で設けられている、請求項1から7までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項9】
前記フラットなキャリア基板の前記実装面および/または前記ディスプレイ面に、前記リフレクタ素子の外側で光吸収コーティングが設けられている、請求項1から8までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項10】
前記フラットなキャリア基板の前記ディスプレイ面が、凹凸部および/または粗面化された構造を有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項11】
前記フラットなキャリア基板の前記ディスプレイ面に、前記リフレクタ素子と対向するようにカラーフィルタ素子が配置されており、
前記カラーフィルタ素子は、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子の原色スペクトルを通過させ、相違する色スペクトルを減衰させる、請求項1から10までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項12】
前記フラットなキャリア基板に、光整形構造体が導入されており、前記光整形構造体は、異なる屈折率を有している第1の領域および第2の領域を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項13】
前記フラットなキャリア基板の前記ディスプレイ面に、光整形構造体および/または光変換構造体が配置されており、前記光整形構造体および/または光変換構造体は第1の領域および第2の領域を有している、請求項1から12までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項14】
前記第1の領域が変換材料を含んでいる、請求項12または13記載の光電子配置構造体。
【請求項15】
前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子を取り囲み、前記
縦型の光電子構造素子とリフレクタ材料との間の空間を埋める変換材料を含んでいる、請求項1から14までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項16】
前記フラットなキャリア基板の前記ディスプレイ面に変換材料を含んでいる、請求項1から15までのいずれか1項記載の光電子配置構造体。
【請求項17】
それぞれ、請求項1から16までのいずれか1項記載の光電子配置構造体を複数有している、ディスプレイ配置構造体。
【請求項18】
請求項1から16までのいずれか1項記載の光電子配置構造体を備えた、自動車用照明器具。
【請求項19】
光学画素素子を製造する方法であって、以下のステップ:
- 少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子を、フラットなキャリア基板の実装面に取り付けるステップ
であって、前記少なくとも3つの縦型の光電子構造素子の第1の面を、前記キャリア基板の実装面に配置し、前記少なくとも3つの縦型の光電子構造素子の各々が、前記第1の面に第1のコンタクトを有し、前記第1の面とは反対側に第2のコンタクトを有する、ステップと、
- リフレクタ素子を作製するステップであって、
前記リフレクタ素子は、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子上に、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子が発する光が前記フラットなキャリア基板の方向に向けて反射されるように光反射層として形成されている、ステップと
- 前記リフレクタ素子を、前記フラットなキャリア基板の前記実装面に、前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子の放出面から空間的に間隔を空けるように配置するステップと
を有し、
前記リフレクタ素子が、
透明なカバー層を用いて前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子の
それぞれの前記第2のコンタクトに対する電気的コンタクトを形成しており、
前記少なくとも3つの縦型の光電子構造素子の側壁は、前記リフレクタ素子の材料を有しておらず、
前記少なくとも3つの
縦型の光電子構造素子が、前記リフレクタ素子に面している側に、コンタクト領域を有しており、当該コンタクト領域は、共通の電気的コンタクトのために透明なカバー層で覆われて
おり、前記透明なカバー層は、前記側壁まで延びていない、
方法。
【請求項20】
請求項1から16までのいずれか1項記載の光電子配置構造体を備えたディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、以下の独国出願:2019年2月11日付け独国特許出願公開第102019103365.9号明細書、2019年4月23日付け独国特許出願公開第102019110499.8号明細書および2019年5月7日付け独国特許出願公開102019111767.4号明細書の優先権、ならびに2020年1月29日付け国際出願PCT/EP2020/052191号明細書の優先権を主張するものであり、これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
背景技術
今日、発光ダイオードまたは一般的な光電子構造素子は、非常にさまざまな用途において欠かせないものとなっている。ディスプレイや一般的な映像表示装置だけでなく、大面積の表示装置、広告スペースまたはビデオウォール用にも使用されている。しかしながら、このような構造素子を用いた系は、オフィスエリアまたはプライベート空間の照明エリアにも益々使用されるようになってきている。なぜなら、個別に駆動制御することでさまざまなクリエイティブな照明コンセプトを実現することができるからである。
【0003】
さらに、例えばオートモーティブ分野などの代表的な照明用途もある。表示装置などの他に、例えば画素化アレイで実現され得るヘッドライトなどの照明器具も挙げられる。これらの照明器具は、光学系を追加して場合により光の案内を可能にし、他の道路利用者の目を眩ませないように設計する必要がある。これらの用途の多くは、基板またはバックプレーン上に多数の光電子構造素子が行と列とに配置されている点で共通しており、この場合、光の案内と光の取り出しのために更なる手段が適用されていてもよい。
【0004】
さらに、低消費電力を同時に保ちながら可能な限り良好な光の取り出しを達成することが求められている。そのため、光電子構成素子で生成された光は、可能な限り効率的に取り出され、放射される必要がある。以下の出願では、上述の使用を考慮した上でこの主題を取り扱っている。
【0005】
概要
縦型もしくは横型のLED構造に基づくさまざまなデザインが、ディスプレイ、表示デバイスさらには照明器具の製造に適している。この場合、スイッチング時間が短く、同時に十分な電流搬送能力を有することが特に重要である。同時に、放射された光は既に可能な限りコリメートされて出射するべきである。
【0006】
横型の光電子構造素子が使用される場合、通常、アノードおよびカソードの両コンタクトは、別々の金属製リードフレーム(Zuleitungsbahnen)を用いて実現され、両コンタクトはチップの下側に位置する。カソードおよびアノードの両方とも、金属製リードフレームが各画素に配線されている。縦型の光電子構造素子チップが使用される場合、チップの下面に位置するアノードコンタクトは、別々の金属製リードフレームを用いて実現され、一方、各チップの上側に位置するカソードコンタクトはコモンカソードによって実現される。いずれの場合も、寄生容量を低く抑えるために、リード線を可能な限り短くする必要がある。
【0007】
先に説明したように、光電子構造素子は、モノリシックに、あるいは個別に製造され、次いで基板上で後加工される。バックプレーン(バックプレーンアセンブリの場合;モノリシック構造では、これが基板を兼ねることもあれば、成長用基板がバックプレーンに置き換えられることもある)は、駆動制御用電子回路を内蔵している。駆動制御に関して、IC回路を搭載したパッシブマトリクスバックプレーンと、TFT回路を搭載したアクティブマトリクスバックプレーンとは区別される。発光ダイオードを駆動制御するIC回路を搭載したパッシブマトリクスバックプレーンでは、通常、カソードおよびアノードのリード線は、画素に直接にもしくはサブ画素に配線されている。画素もしくはサブ画素の駆動制御は、マイクロ集積回路を介して行われる。
【0008】
アクティブマトリクスバックプレーンが実装される場合、集積TFT回路(TFT=薄膜トランジスタ)を使って個々の画素が駆動制御される。この出願では、高いスイッチング時間を得るためにリード線を短くできる、さまざまな配置構造体が提案されている。さらに、カソードおよびアノードのそれぞれの共通接続が実現される。ここで開示される配置構造体およびコンセプトは、さまざまな用途に適している。これらには、例えば、オートモーティブ用、ディスプレイさらにはビデオウォールなどの表示装置用、そして一般的にはさまざまな照明器具用の用途が含まれている。この場合、光電子構造素子が別個に、あるいはモノリシックに構成されていてもよく、そのエッジ長さを例えば200μm~500μmあるいは500μm超の範囲にすることが不可欠である。この範囲であれば、構造素子の加工または転写が容易にできる。
【0009】
特定の用途では、指向性を持つ光または放射線が重要である。これらの用途では、隣り合う素子間の漏話(Uebersprechen)を防ぐという態様に加えて、光に指向性を持たせる、すなわち、光を特定の方向に向けて照射するべきである。オートモーティブ分野では、結果として得られる光円錐が上流の光学系によって制御される可能性があるため、この態様は重要である。散乱光によって対向車側は目が眩むことがあるが、指向性を持つ放射線で軽減される。
【0010】
一方、ディスプレイあるいは多くの表面ディスプレイでは、定義された放射パターンが達成されるべきである。光電子構造素子もしくはLEDにおいて生成される光は、隣り合う光電子構造素子と相互作用するべきではなく、他方では所定の電流強度での光効率を最適化するために、光を取り出すことも望ましい。以下の態様では、反射層やその他の措置によって、光電子構造素子もしくはかかる素子を備えた配置構造体の放射パターンの改善を図るさまざまな措置が提示される。
【0011】
光電子構造素子の中には、横方向に光を放射するものもある。この効果は、隣り合う構造素子に漏話が発生して干渉したり、他の効果が起こったりして、視覚的印象を悪化させるため、好ましくない場合が多い。それに、散乱光は、場合によりレンズやその他の光整形素子によって、望ましくない方向に向けられることもある。最後に、生成された光のうち、可能な限り多くの割合を利用可能にすることが望ましい。そのうえ、多くの用途では、ディスプレイのランベルト放射パターンが求められる。すなわち、特に、どの方向からディスプレイを見ても同じ明るさであることが望ましい。チップの強い端面発光により、非ランベルト放射パターンが得られる。
【0012】
光電子構造素子は、特に縦型設計、すなわちチップの上面と下面に1つずつコンタクトを備えた設計で実現される。いわゆる縦型LEDを基板に電気的に接続するためには、(基板に面していないかまたは上側の)LEDの第2のコンタクトに、いわゆる「トップコンタクト」を堆積してパターニングしなければならない。この場合、同様にチップの周りには平坦化層および/またはパッシベーション層が使用されている。しかしながら、ここで言及しておきたいのは、本発明、特に反射構造体は、縦型の光電子構造素子の構造形態に限定されるものではないということである。むしろ、以下の態様、例えばリフレクタ構造体の配置構造体は、コンタクトが同じ側に配置された光電子構造素子(いわゆる横型LED)でも実現可能である。
【0013】
第1の態様によれば、少なくとも1つの光電子構造素子を有する光電子配置構造体を製造する方法が提案される。この構造素子は、特に発光ダイオードであってもよく、その光は、活性層と平行な成分で少なくとも部分的に横方向にも出てくる。この方法では、基板の片面に第1のコンタクト領域と第2のコンタクト領域とがパターニングされる。光電子構造素子も同様に基板上に施与されるか、またはそこで複数の半導体層からのパターニングにより基板上に生成される。
【0014】
次いで、第1の金属ミラー層と第2の金属ミラー層とが施与され、第1の金属ミラー層は、光電子構造素子の第2のコンタクトに設けられたコンタクト層を第2のコンタクト領域と電気的に接続し、第2の金属ミラー層は、基板上に配置されたリフレクタ構造体上に形成されている。リフレクタ構造体は、後のパターニングされた平坦化層から得ることができる。いくつかの態様では、リフレクタ構造体が光電子構造素子を離間して囲んでいる。別の態様では、平坦化層の一部が光電子構造素子を取り囲むようにパターニングされていてもよい。
【0015】
提案される配置構造体は、一態様では、特に第1の金属ミラー層によって電気的に接触された光電子構造素子と、これを特に取り囲んでいる、第2の金属ミラー層でコーティングされたリフレクタ構造体とを有している。
【0016】
第2の態様によれば、少なくとも1つの光電子構造素子を有する配置構造体であって、基板の片面に縦型の光電子構造素子の第1のコンタクトが第1のコンタクト領域に接続されている配置構造体が提案される。基板の同じ面で、基板に面していない縦型の光電子構造素子の第2のコンタクトが、コンタクト層、特に半透明のコンタクト層および第1の金属ミラー層によって、第2のコンタクト領域に接続されている。さらに、その側部フランク(Seitenflanken)に第2の金属ミラー層を有し、光電子構造素子を離間して取り囲むリフレクタ構造体が形成されている。いくつかの態様では、リフレクタ構造体は反射性の側壁を含んでいる。これらは光の方向を変えるために角度をつけることができる。他の態様では、側壁は、非線形の勾配、例えば、正方形または放物線状の勾配を有していてもよい。
【0017】
第2のコンタクトもしくはトップコンタクトの処理を利用して、同じステップで基板上に光取り出し構造体を作り出すことができる。この場合、特に、トップコンタクトは、光電子構造素子の第2のコンタクト、コンタクト層、第1の金属ミラー層および第2のコンタクト領域によって形成される。ここでは、第1の金属ミラー層によって、光電子構造素子の第2のコンタクトに設けられたコンタクト層が、第2のコンタクト領域に電気的に接続されている。
【0018】
ここでは、第2の金属ミラー層によってコーティングされたリフレクタ構造体によって、光取り出し構造体が形成される。更なる光取り出し構造体は、配置構造体、特に光電子構造素子のビーム経路に配置されたレンズによって提供されていてもよい。このように、レンズは、構造体で反射した後に光がレンズに当たるか、または構造素子から直接に光がレンズに当たるように配置されている。
【0019】
トップコンタクトを作り出すためには、まず光電子構造素子が平坦化層に埋め込まれる。これは、基板上の第2のコンタクトもしくはトップコンタクト(上側コンタクト)用の第2のコンタクト領域でフォトリソグラフィにより露出させることができる。このパターニングプロセスは、同じステップで平坦化層から基板上にリフレクタ、特にリフレクタの構造を形成するために利用される。透明なコンタクト層を堆積させた後、第2のコンタクトと第2のコンタクト領域との間の金属ブリッジとして、金属ミラー層のパターニングされた施与を実施することができる。これが必要なのは、コンタクト層が大きな高低差を埋めるのに適していないからである。このメタライゼーションプロセスを利用して、同時にリフレクタ構造体をミラーコーティングすることができる。
【0020】
このようにして、従来のようにリフレクタを形成するための別個のリソグラフィプロセスが不要となるため、ディスプレイの製造が安価かつ迅速に行えるようになる。トップコンタクトの金属ミラー層を有する平坦化層からリフレクタを準備することで、効率およびコントラストが向上し、追加で処理する手間を省いてディスプレイの放射パターンを改善することができる。
【0021】
反射層もしくはミラーに関する上記で提示されている態様は、既に示したとおり、他のデザインのLEDおよび光電子構造素子、例えば、以下に示される周回構造を備えた縦型LEDにも適用または追加することができる。
【0022】
第1の態様によれば、基板と、この基板の片面に固定された光電子構造素子とを備えたデバイスが提案される。これは、基板に面していない側に、ミラーコーティングによって電気制御用コンタクトに電気的に接続された電気的コンタクトを有し、ミラーコーティングは、構造素子に面している基板表面を少なくとも部分的に覆っている。
【0023】
このように、ミラーコーティングは2つの機能を担っている。一方では、光を放射方向に向ける役割を果たし、他方では電流輸送を担っている。共通のカバーコンタクトもしくは共通のカバー電極により、ディスプレイなどのさまざまな用途の高速スイッチング時間を実現することができる。これにより、例えば発光の角度依存性およびコントラストなどの光学パラメーターの向上と一緒に、特にパネル効率を向上させるパルス幅変調調光器のコンセプトを提供することが可能となる。
【0024】
かかる配置構造体を製造する方法では、まず、表面に多数のコンタクトを有する基板を準備し、これらのコンタクトのうちの1つに光電子構造素子を装着する。この装着には、本開示でも部分的に提示している従来の転写・装着技術を使用することができる。光電子構造素子は、縦型の構造素子として実装されており、一方の基板表面にも同様にコンタクトを含む。基板表面には、基板表面の電気制御用コンタクトと電気的に接続され、その表面を少なくとも部分的に覆うミラーコーティング層が形成される。最後のステップでは、ミラーコーティング層と電気的に接触する透明なカバー電極が、更なるコンタクト上に形成される。
【0025】
さらに、ミラーコーティングの使用によって、電流拡散、電流搬送能力の向上およびスイッチング時間の短縮なども、キャビティ構造と組み合わせることで実現できる。この場合、このようなキャビティは、取り出し効率、発光の角度依存性およびコントラストを向上させる役割も果たす。このためにいくつかの態様では、基板は、光電子構造素子を取り囲む凸部を含んでいる。あるいは凸部の代わりに、光電子構造素子が配置されている基板表面にキャビティが設けられていてもよい。1つの光電子構造素子に加えて、3つの光電子構造素子も、サブ画素として集合的に画素を形成するように取り囲んだり、配置したりしてもよい。
【0026】
いずれの場合も、キャビティまたは凸部の任意に面取りされた側面にはミラーコーティングが備わっている。この構造は上記と同様である。これらの側面の基板表面との角度は、所望の特性に応じて異なる値を取り得る。特に、この角度は、側部フランクが放物線状または他の非線形の勾配になるように変更することもできる。いくつかの態様では、本願で開示されているミラー周回構造を使用することができる。凸部の高さまたはキャビティの深さは、光電子構造素子が凸部またはキャビティの上面と同じ高さになるように選択される。これにより、カバー電極を閉じることができる。これは、ミラーコーティングが上面に配置され、カバー電極がミラーコーティング層に載置される場合に特に好都合である。このように、カバー電極は、いくつかの態様では、透明なキャリア構造体を形成する。
【0027】
いくつかの態様では、光電子構造素子の間の空間、あるいは凸部またはキャビティ内の領域が透明な絶縁層で充填されており、そうして、この絶縁層が構造素子を取り囲んでいる。特に、透明な絶縁層は、構造素子の逆向きのコンタクトの高さで閉じているため、カバー電極は絶縁材料の上に載置されている。
【0028】
いくつかの態様では、基板表面および場合によっては周回構造体に配置されたミラー面は、1つだけでなく複数の構造素子も取り囲んでいる。これらは、1つのチップが故障しても、そのつど他のチップが機能を引き継ぐことができるように、冗長性のあるチップとして構成されていてもよい。周方向に配置されたミラー面により、より均一な放射が発生する。同様に、周方向に配置されたミラー面の内部には、異なる波長の光を生成するための複数の構造素子が配置されていてもよい。ミラー周回面は、映像表示デバイスの異なる画素を互いに分離し、画素間の光漏話を低減することができる。ここに提示されるこのような分離は、画素化アレイでも実現可能であり、例えば自動車の照明器具に用いられる。
【0029】
ミラーコーティングは、カバー電極および基板の制御コンタクトと直列に接続され、特にAl、Ag、AgPdCu、Nd、Nb、La、Au、Cu、Pd、Pt、Mg、Mo、Cr、Ni、Os、Sn、Znおよびこれらの合金または組み合わせからなる高反射材料を含む。これらはまた電流を効果的に拡大する。カバー電極は、透明な導電性酸化物層、特にITO、IGZOからなる材料を有していてもよい。カバー電極材料の他の例としては、例えば、金属酸化物、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、アルミニウムドープ(AZO)、Zn2SnO4、CdSnO3、ZnSnO3、In4Sn3O12などの透明な導電性酸化物、または異なる透明な導電性酸化物の混合物を挙げることができる。
【0030】
透明な絶縁層は、SiOまたは本明細書で述べた他の絶縁性の透明な材料を含んでいてもよい。
【0031】
更なる構成によれば、カバー電極とミラーコーティングとの直接の電気的コンタクトは、カバー電極の表面とミラーコーティング面とを、特に凸部の表面または凹部もしくはキャビティの端部で重ねて接触させることで構築されていてもよい。このようにして、信頼性の高い低インピーダンスのコンタクトを提供することができる。特に、かかるキャビティまたは凸部が複数で直列に配置されている場合、カバー電極は複数のミラーコーティング層に載置されていてもよい。これにより、カバー電極に広い範囲で、かつ複数の位置で電流を導入することができる。
【0032】
いくつかの態様では、ミラーコーティング層は、基板の表面に沿って、特に1つ以上の光電子構造素子の周りに部分的に広がっている。これにより、基板表面でも広い範囲で反射が高められる。
【0033】
接触を確実にするために、いくつかの態様では、カバー電極とミラーコーティングとの直接の電気的コンタクトは、平坦化層および/または絶縁層を介したミラーコーティング材料のスルーホールビアまたはビアによって設けられる。カバー電極の導電性酸化物とバックプレーン/基板上のコンタクト領域との間の金属性コンタクトを実現するための追加のプロセスステップは省略されている。例えば、ITOのカバーコンタクトからACFボンディング用のCrAlコンタクト領域までの簡単なブリッジを構築することができる。これにより、更なるコスト削減が可能になる。このスルーホールビアは開口部として実装されることもある。しかしながら、他の構成では、トレンチなどの構造を透明な絶縁層に設けてもよく、その内壁にコンタクト用の導電性反射層が施与される。これにより、一方では良好な電気的コンタクトが得られ、他方では反射構造体が形成され、一部の領域で良好な光の反射が得られることに加え、光漏話も低減される。
【0034】
絶縁層が画素の縁部で面取りされ、そこにミラーコーティング層が露出する場合もある。カバー電極は、この傾斜面に沿って広がり、ミラーコーティング層に接触する。このようにして、コンパクトな構造様式をさらに提供することができる。開口部のフランク部または内壁は、所望の放射パターンに応じた角度を有している。これらは、本明細書で開示されているものに対応し得る。このようにして、遷移エッジでの更なる材料破損を回避することができる。
【0035】
他の態様では、複数のこの配置構造体を行と列とに配置して含む画素またはモジュールの製造が関係している。各画素は、キャビティの中に埋め込まれていてもよいし、凸部で取り囲まれていてもよい。そのため、カバー電極は、複数のこのような配置構造体の共通接続部として使用することができる。さらに、カバー電極に取り出し構造体を設けることもできる。さらに、このようなカバー電極はキャリア構造体を形成することもでき、この構造体を介して光が取り出される。
【0036】
代替的な構造体として、光をさらにコリメートするのに適した、特にフォトニック構造体について言及する必要がある。カバー電極には変換体を設けることもできる。このようにして、例えば青色の光を生成する光電子構造素子を使用し、この光を変換層で変換することができる。この場合、別の画素への光漏話を回避するために、カバー電極上に更なる反射構造体を組み立てることができる。さらに、変換された光をコリメートするフォトニック構造体も考えられる。
【0037】
これまでの光取り出しの改善面では、特に放射された光の方向性が注目されていた。しかしながら、多くの用途は、ランベルト放射パターンが求められる。つまり、発光面はその面積の中で均一な放射照度を有することが理想的であり、その結果、放射強度の分布は垂直方向で円形になることを意味している。見る人にとって、この面積は見る角度が変わっても同じように明るく見える。加えて、このような均一な分布は、下流側の光整形素子によって簡単に再度整形することができる。
【0038】
そこで、フラットなキャリア基板と少なくとも1つの光電子構造素子とを有し、背面で取り出すために構成されている配置構造体が提案されている。この場合、光電子構造素子は、光を生成するための発光ダイオードなどの素子を形成している。フラットなキャリア基板とは、例えば、シリコンウェハ、LTPSまたはIGZOなどの半導体材料、絶縁材料、または表面上に並置された多数の光電子構造素子を受け入れることができる適切なフラットなキャリア構造体と理解される。
【0039】
かかるキャリア基板の機能は、特に、IC、電子機器、光電子構造素子用の電源、電気的コンタクト、リード線および端子などの機能要素を受け入れることであるが、特に発光する発光ダイオードまたは光電子構造素子も収容する。ここで、キャリア基板は、リジッドでもフレキシブルであってもよい。キャリア基板の典型的な寸法は、例えば0.5~1.1mmの厚さであり得る。それ以外に、厚さ15μmの範囲のポリイミド基板も知られている。
【0040】
キャリア基板の実装面には、少なくとも1つの光電子構造素子が配置されている。言い換えれば、キャリア基板は、ここでは実装面およびディスプレイ面または光出射面と呼ばれる2つの対向する主表面を有している。実装面とは、少なくとも1つの光電子構造素子を受け入れるか、または光電子構造素子が取り付けられているキャリア基板の指定された表面を意味している。いくつかの態様では、キャリア基板は、場合により更なる光学的もしくは電気的・機械的な部品または層を有していてもよい。
【0041】
ディスプレイ面とは、キャリア基板の面のうち、見る人の方を向いている、もしくは構造素子で生成された光が出てくる面を表している。さらに、キャリア基板平面は、キャリア基板の2つの主表面に平行して同一平面上に広がっていると説明される。少なくとも1つの光電子構造素子は、光がキャリア基板平面を横切ってキャリア基板から離れる方向に放出されるように構成されている。ただし、この特性は、キャリア基板の実装面の方向にも光成分が直接にまたは間接的に放出されることを排除するものではない。
【0042】
配置構造体はさらに、フラットなリフレクタ素子を含んでいる。これは、反射によって、配置構造体の表面上で光のより均一な空間分布が可能になるという考えに基づいている。このため、リフレクタ素子は、少なくとも1つの光電子構造素子に対して実装面に空間的に配置され、少なくとも1つの光電子構造素子から発せられた光がキャリア基板の方向に反射されるように、その形状および特性が構成されている。
【0043】
言い換えれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つの光電子構造素子の周囲で、構造素子の放出された光が放出される領域に配置される。リフレクタ素子は、一実施例によれば、別個に適用されるプレハブ式のマイクロ素子であってもよい。あるいはキャビティの側壁と反射層とでリフレクタ素子が実現されていてもよい。上記のキャビティとミラーコーティング層との態様は、かかるリフレクタ素子の一構成形態を形成する。かかるリフレクタ素子の典型的な寸法は、構成変形例に応じて、直径が200μm~700μmの範囲、特に300μm~600μmの範囲にあり得る。一態様によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つの光電子構造素子の反射コーティングまたは層として構成されている。これに関して、一実施例によれば、少なくとも1つの光電子構造素子は、その表面に例えばIGZOなどの透明または部分的に透明なコーティングを有していてよく、当該コーティング上にさらに反射層が適用されている。
【0044】
この配置構造体は、特にディスプレイのピクセルを生成するために、またはオートモーティブ分野の照明用途にも適している。
【0045】
反射層は、例えば、金属性で構成されていてもよいし、金属を混ざった状態で有していてもよい。ここで、高い歩留まりを実現するためには、少なくとも1つの光電子構造素子が発する光のうち、可能な限り多くの割合が反射されることが求められる。キャリア基板は、少なくとも部分的に透明に構成されており、リフレクタ素子で反射した光がキャリア基板の実装面の表面に当たり、キャリア基板を通って伝搬するようになっている。この光は、キャリア基板の反対側のディスプレイ面から少なくとも部分的に出射するため、見る人によりピクセルとして知覚され得る。
【0046】
言い換えれば、放出された光は、キャリア基板の反対側のディスプレイ面で背面または後方に取り出される。反射効果、屈折効果および場合によっては減衰効果により、より均一な照明および輝度のより均質な分布を達成することができる。一実施例によれば、リフレクタ素子は、ランベルト放射パターンが達成されるように配置および構成されている。
【0047】
一態様では、リフレクタ素子は、少なくとも1つの光電子構造素子に面している側に追加のディフューザ層を有している。これは特に、少なくとも1つの光電子構造素子から反射された光を散乱させることを目的としている。代替的または追加的に、リフレクタ材料はディフューザ粒子を有している。拡散とは、周囲の空間領域における光の更なる散乱または分布を達成することを意味している。これにより、さらに光の散乱または分布に有利な影響を与え、特にキャリア基板のディスプレイ面で、光の強さをより均一または均一に分布させることができる。
【0048】
ディフューザ層は、リフレクタ素子上の追加の層と理解してもよく、全体的に均一であってもよいが、中断されていたり、部分的にのみ適用されていたりしていてもよい。一態様では、ディフューザ層および/またはディフューザ粒子は、Al2O3および/またはTiO2を有している。これらの材料は、その構造上の特性から、放出された光の拡散を補助することができる。ディフューザ層は、リフレクタの表面にのみ適用されていてもよいが、ディフューザ粒子は、例えば、リフレクタ全体の材料の一部として混合されてもよく、したがって、製造がより容易であり得る。
【0049】
一態様によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つの光電子構造素子もしくは発光ダイオードを円形、多角形または放物線状に取り囲んでいる。これは、少なくとも1つの光電子構造素子が多くの場合に空間的に広い放射パターンを有しているという点に鑑みてのことである。つまり、光が小さな領域から出発して広い角度で放出されることを意味している。そのため、この放出された光のうち、可能な限り多くの割合がリフレクタ素子で検知され、キャリア基板の表示面の方向に向きを変えられるか反射されることが好ましい。これに関連して、例えば、少なくとも1つの光電子構造素子が、第1の発光ダイオードと、冗長性のために設けられた第2の発光ダイオードとを含むことが提案されていてもよい。後者は、製造上の問題が発生した場合に、第1の発光ダイオードの機能を引き継ぐことができる。このように、両方の光電子構造素子を取り囲むリフレクタ素子により、動作中にどちらの光電子構造素子が作動していても、均一な放射光束が提供される。他の態様では、リフレクタ素子は、動作中に異なる色を放出する少なくとも3つの個別の光電子構造素子を取り囲んでいる。そのため、ディスプレイ、表示デバイス、画素化アレイなどのデバイスの各画素に対応してリフレクタ素子が設けられていてもよい。
【0050】
少なくとも1つの光電子構造素子の放射パターンに応じて、一実施例によれば、円弧状、円形、ドーム状、キャップ状などのリフレクタ素子の形状が考えられる。これにより、同様に一実施例によれば、リフレクタ素子は、一体的にまたは複数のピースで構成されていてもよく、または切欠き部または中断部を備えていてもよい。別の例では、リフレクタ素子は、光の波長に応じて異なる反射特性を有している。これは、例えば、リフレクタ素子の構造体またはその構造的性質によって達成される。
【0051】
一実施例によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つの光電子構造素子の上でキャリア基板平面に対して少なくとも部分的に平行に配置された平面として形成されている。一態様によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つの光電子構造素子の電気的コンタクトを形成している。ここで考慮すべき点は、リフレクタ素子が、例えば金属性で構成されているため、光電子構造素子用の接続用コンタクトとしての同時使用が想定され得ることである。このために、一実施例によれば、端子の1つである光電子構造素子との電気的接触が企図される。
【0052】
一態様によれば、リフレクタ素子は、少なくとも1つの光電子構造素子が発する光の少なくとも90%が、キャリア基板平面に対して45°~90°の角度でキャリア基板の実装面に入射するように構成および形成されている。一実施例によれば、この割合は少なくとも95%であり、別の例では、少なくとも80%である。この考えの背景にあるのが、可能な限り高い歩留まりへの要求である。つまり、少なくとも1つの光電子構造素子から発せられる光のうち、可能な限り多くの割合がキャリア基板のディスプレイ面に出てくる必要があることを意味している。
【0053】
フラットな透明基板または部分的に透明な基板で発生し得る効果の1つに、全反射がある。つまり、実装面の表面に鋭角に入射した光は、より密度の高いキャリア基板の媒体に入る際に屈折することを意味している。その結果、実装面と表示側との間で光がキャリア基板内で複数回反射し、界面に対して鋭角すぎるためにキャリア基板からそれ以上出てこない。これらの割合は、通常は損失と見なされる。これらの損失を回避するためには、光が可能な限り広い角度、理想的には垂直方向でキャリア基板の実装面の表面に当たることが望ましいとされ得る。したがって、リフレクタ素子は、これらの角度関係をもたらし、特に画素素子間のクロストークを低減するように構成されている。一態様では、キャリア基板は、ポリイミドまたはガラスを有している。ポリイミドは、特にフレキシブルディスプレイに使用することができる材料である。ガラスは、機械的に非常に安定したリジッドディスプレイのベース材料となり得る。
【0054】
一態様では、少なくとも1つの光電子構造素子のメサエッジにおける反射を減衰または除去するために、パッシベーション層が追加で設けられている。メサエッジとは、少なくとも1つの光電子構造素子の境界となる、一般的に急勾配の壁または輪郭を意味すると理解される。これは、その表面がキャリア基板平面を横切るように配置されている。クロストークを回避するために、それぞれの隣り合う画素素子に向かって光が入り込まないことが望ましい。したがって、この方向に出射する光成分は、対応する減衰層またはパッシベーション層によって排除されるか、または少なくとも減衰されることが有用とされる。ここでの利点は、コントラストの向上と光漏話の低減であり得る。
【0055】
一態様では、キャリア基板の実装面および/またはディスプレイ面に、リフレクタ素子の外側で光吸収コーティングが設けられている。コントラストを向上させ、暗色の印象をよくするために、構造素子の間の非活性領域、特に異なる画素が光を通さなかったり、光を減衰させたりすることは、原則的に望ましいと見なすことができる。そのため、光吸収コーティングはリフレクタ素子の外側に配置されている。一態様によれば、キャリア基板のディスプレイ面は、粗面部もしくは凹凸部および/または粗面化された構造を有している。この構造は、それぞれの関連する光のスペクトルの波長に対して散乱効果または拡散効果をもたらすようなものである。これにより、例えば、キャリア基板を透過した光のうち、ディスプレイ面で取り出される割合が高くなるという利点が生じ得る。この粗い構造は、より効果的な取り出しを可能にする、より好ましい構造的な角度条件を作り出す。
【0056】
一態様によれば、キャリア基板のディスプレイ面に、リフレクタ素子と対向するようにカラーフィルタ素子が配置されている。このカラーフィルタ素子は、少なくとも1つの光電子構造素子の原色スペクトルを通過させ、一方で他の色スペクトルを減衰させることができる。隣り合う異なる色の画素素子の光成分を除去することで、色再現性およびコントラストを向上させることができるという利点がある。
【0057】
さらに、光学画素素子の製造方法が提案される。ここでは、まず少なくとも1つの光電子構造素子が、フラットなキャリア基板の実装面に取り付けられる。その後、例えば、少なくとも1つの光電子構造素子の反射層として、リフレクタ素子が作り出される。あるいは構造素子の周囲を囲む側壁でリフレクタ素子を形成し、透明なカバー電極に接続することもできる。この場合、透明なカバー電極はフラットなキャリア基板も形成する。一実施例によれば、少なくとも1つの光電子構造素子がキャリア基板に取り付けられる前に、キャリア基板のディスプレイ面にパターニングおよび/または粗面化のための処理が行われる。この利点は、より感度の高い電子部品および光学部品を実装面に適用する前の段階で、それぞれの表面を仕上げることができるという点に見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
以下の部分では、上記で言及し、要約したいくつかの態様について、さまざまな構成や例を用いて、より詳細に説明する。
【
図1】周回リフレクタ構造体を有する光電子構造素子の提案された製造方法の一構成例のさまざまなステップを示す図である。
【
図2】コンセプト案のいくつかの態様に従った、2つの光電子構造素子とその間に配置されたリフレクタ構造体とを有するデバイスもしくはアレイの第1の構成例を横断面で示す図である。
【
図3】提案された原理による配置構造体の第1の構成例の一部を平面図として示したものである。
【
図4】提案されたデバイスと、その間に配置され、反射構造体で覆われているリフレクタ構造体との第2の構成例を横断面で示す図である。
【
図5】提案された電気的に接触した光電子構造素子の第1の構成例の横断面を表した図である。
【
図6】提案されたデバイスまたはアレイの第3の構成例におけるコンセプト案の更なる態様を横断面図で示したものである。
【
図7】提案されたデバイスまたはアレイの第4の構成例を横断面で示す図である。
【
図8】更なる態様を説明するための、デバイスの構成の平面図である。
【
図9】提案されたデバイスの更なる構成例の平面図である。
【
図10】提案されたアレイまたはデバイスに配置された光電子構造素子の構成例を横断面で示す図である。
【
図11】提案されたアレイまたはデバイスに配置された光電子構造素子の構成例を横断面で示す図である。
【
図12】提案されたアレイまたはデバイスに配置された光電子構造素子の構成例を横断面で示す図である。
【
図14】例えば画素を形成するためのコンセプト案のいくつかの態様に従った、周回構造とカバー電極とを備えた3つの縦型の光電子構造素子の配置構造体を表した図である。
【
図15】追加の変換体および光取り出し構造体を有する、
図14に類似した更なる構成を示しており、したがって、本開示の更なる態様を実現した図である。
【
図17】複数の配置構造体とカバー電極とを備えたアレイの一部分の横断面図である。
【
図18】提案された原理の更なる態様に従った、複数の光電子構造素子と透明なカバー電極とを備えた画素の第2の構成例である。
【
図20】配置構造体の第3の構成例を横断面で示す図であり、これも同様に透明なカバー電極を備えた複数の光電子構造素子を含んでいる。
【
図22】コンセプト案に従った画素の更なる構成を示す図である。
【
図24】提案された原理に従って画素を製造するための異なるステップを有するプロセスフローを示す図である。
【
図25】コンセプト案のいくつかの態様に従った、球状リフレクタ素子と駆動制御電子回路とを有する光電子配置構造体を示す図である。
【
図26】コンセプト案のいくつかの態様に従った、層として構成されたリフレクタ素子とパッシベーション層とを有する光電子配置構造体の第2の構成を示す図である。
【
図27】コンセプト案のいくつかの態様に従った、キャリア基板のディスプレイ面と実装面とに光吸収コーティングを施した光電子配置構造体の第3の構成を示す図である。
【
図28】キャリア基板のディスプレイ面を粗面化した画素素子としての光電子配置構造体を示す図である。
【
図29】クロストークを最小限に抑えるための光吸収層と、キャリア基板のディスプレイ面にカラーフィルタ素子とを備えた、本明細書で開示されているいくつかの態様に従った構成を示す図である。
【
図30】クロストークを最小限に抑えるための光吸収層と、キャリア基板のディスプレイ面にカラーフィルタ素子とを備えた、本明細書で開示されているいくつかの態様に従った構成を示す図である。
【
図31】コンセプト案のいくつかの態様に従った、キャリア基板の実装面にIGZOまたはLTPSベースの駆動制御電子回路と、任意のディフューザ層とを備えた光電子配置構造体の例示的な構成を示す図である。
【
図32】コンセプト案のいくつかの態様に従った、キャリア基板の実装面にIGZOまたはLTPSベースの駆動制御電子回路と、任意のディフューザ層とを備えた光電子配置構造体の例示的な構成を示す図である。
【
図33】異なる色の3つの光電子構造素子とリフレクタ素子とを備えたセルの横断面図と平面図である。
【
図34】前の構成に記載の光電子配置構造体の製造方法を示す図である。
【0059】
詳細な説明
特定の用途では、指向性を持つ光または放射線が重要である。これらの用途では、隣り合う素子間の漏話を防ぐという態様に加えて、光に指向性を持たせる、すなわち、光を特定の方向に向けて照射するべきである。オートモーティブ分野では、結果として得られる光円錐が上流の光学系によって制御される可能性があるため、この態様は重要である。散乱光によって対向車側は目が眩むことがあるが、指向性を持つ放射線で軽減される。
【0060】
他方、ディスプレイさらにはビデオウォールなどの映像表示用途では、隣り合う画素における光の漏話を回避する必要がある。光電子構造素子から横方向に光が出射することが時としてあり、漏話の結果、ディスプレイまたはビデオウォールのコントラストが低下することになる。同様に、屈折率の急激な変化によって横方向に放出または放射された光が構造体を出ないことも時としてある。さらに、多くの用途では、ディスプレイをどの方向から見ても同じ明るさに見えるように、ディスプレイの放射パターンがランベルト型であることが求められる。そのため、活性層または光電子構造素子の周囲に反射層もしくはミラーを設けることで、放射パターンを改善することが提案されている。言い換えれば、光電子構造素子に周回ミラーを設けることで、放射パターンを向上させることができる。
【0061】
図2は、提案された配置構造体の第1の構成例をY-Z横断面図で示したものである。これは、例えば、本願に記載されている方法によって製造することができる。Y-Z横断面図において、基板1上には、電気的に接触した2つの光電子構造素子3aおよび3bが作製されており、基板1上の2つの加工済み光電子構造素子3aと3bとの間の中央領域には、リフレクタ構造体4bが形成されている。リフレクタ構造体4bのフランク角度は、求められる光取り出しに合わせられる。例えば、フランク部は、光電子構造素子とリフレクタ構造体4bとの間の距離に強く依存し得る。電気的に接触した2つの光電子構造素子3bは、中央のコーティングされたリフレクタ構造体4bとともに、それぞれ光電子配置構造体OBを形成している。構造素子3aとは対照的に、構造素子3bは他の波長の光を発することができる。参照符号4a’は囲い込み部を示す。本構成では、更なる構造素子、例えば3つの構造素子を配置して、これらがディスプレイの画素のサブ画素を形成できることは自明である。
【0062】
この構成例では、基板1上に構成要素をエピタキシャル的に成長させているが、これらを別途作製してから基板1上に載置することも可能である。製造プロセスの一環として、光電子構造素子の第1の金属ミラー層6aとともに、リフレクタ構造体4bのフランク部に第2の金属ミラー層6bがコーティングされ、図に示した構造体が得られている。
【0063】
リフレクタ構造体4bは平坦化層4から作製されている。同様に、各光電子構造素子は、第2のコンタクト領域2bから構造素子の第2のコンタクトのコンタクト層5まで、それぞれの金属ブリッジとしてつながる第1の金属ミラー層6aを含んでいる。第2の金属ミラー層6bは、リフレクタ構造体4bのフランク部のみを覆っており、さらに、基板1上の導体トラックとの短絡を回避するために、第2の金属ミラー層6bでは、基板1の近傍の領域を空けておいてもよい。基板1は、本願に記載されているように、光電子構造素子を駆動制御するための電気構造体をさらに含んでいてもよい。基板がSiまたは他の一般的に光電子構造素子と相容れない材料からなるか、またはそれらを含んでいる場合は、整合層も設けられている。つまり、光電子構造素子は、キャリア1上に直接に作製されたものか、キャリアに転写されたものを意味している。例えば、スタンププロセスを用いたさまざまな転写プロセスがこれらに適している。
【0064】
図3は、提案された光電子配置構造体OBの第1の構成例を、X-Y平面の平面図として示している。この平面図は、図
2に記載の周回リフレクタ構造体を備えた左の光電子構造素子を表し得る。この光電子構造素子はサブ画素であり、別のものと一緒にディスプレイまたはビデオウォールのそれぞれ1つの画素を形成している。後者は、複数の行と列とに配置された別の画素である。
【0065】
この場合、各画素は同じ構造の配置構造体および光電子構造素子を含んでおり、それらを適宜電気的に接続することで個別に駆動制御する。
図2および
図3によれば、光電子デバイスOBは、第2の金属ミラー層6bでコーティングされたリフレクタ構造体4bを有しており、これが光電子構造素子を取り囲んでいる。このために、光電子構造素子は中央に配置されている。例えば、矩形、円形または三角形もしくは多角形などの他の幾何学的形状も同様に可能である。
【0066】
ここで、構造素子3aに面しているリフレクタ構造体4bのフランク部は、第2の金属ミラー層6bによって覆われている。平面図では、構造素子3aの周囲にX-Y平面に沿って囲い込み部4a’が示されており、この囲い込み部4a’は、リフレクタ構造体4bと同様に、平坦化層4の材料から形成されていた。コンタクト層5から出発して、第1の金属ミラー層6aは、特にストリップの形で、基板1上に形成された第2のコンタクト領域2bまで延びており、この領域2bは、封止またはカプセル化のためのコーティング7で覆われていてもよい。例示的に、電気導体トラック9が示されており、これに第2のコンタクト領域2bが電気的に接続されていてもよい。金属ミラー層6aおよび6bは、同じ材料または同じ層スタックを有していてもよい。
【0067】
図4は、提案されたアレイの第2の構成例をY-Z平面の横断面図で示したものである。図
2とは対照的に、ここでは、リフレクタ構造体4bが、その元々の自由表面全体に沿って第2の金属ミラー層6bで覆われている。すなわち、側面だけでなく、基板1に面していない主表面も、連続した第2の金属ミラー層6bで覆われている。
図4の光電子構造素子は、図
2と同じように構成されている。
【0068】
図5は、光電子構造素子の本質的な態様をY-Z平面に沿った横断面図で再度示したものである。X-Y平面に沿って延びる基板1の一方の面には、第1のコンタクト2aが光電子構造素子の半導体層3aに接続されている。層3aには活性ゾーンも存在している。第2のコンタクトが、第1の金属ミラー層6aに導電的に接続された透明な層5によって形成されている。X-Y平面に沿って、本体3aの周囲には、これと機械的に接触する形で、電気絶縁性の囲い込み部4a’が形成されており、これに沿って、コンタクト層5および第1の金属ミラー層6aが、特にストリップ状に延びている。
【0069】
基板1は、それ自体が半導体であってもよく、駆動制御のための電気構造体を含んでいてもよい。あるいはパッシブマトリクスバックプレーンまたはアクティブマトリクスバックプレーンとして作製されていてもよく、例えば、ガラス、ポリイミドまたはPCB(プリント回路基板;Leiterplatten)を有していてもよい。基板近傍のコンタクト用の第1のコンタクト領域2aは、例えば、Mo、Cr、Al、ITO、Au、Ag、Cuおよびこれらの合金を有していてもよい。基板1に面していない光電子構造素子3aの第2のコンタクト用の第2のコンタクト領域2bも同様に、例えば、Mo、Cr、Al、ITO、Au、Ag、Cuおよびこれらの合金を有していてもよい。
【0070】
ここに示している光電子構造素子は、同じ材料系または異なる材料系で実現されており、動作時には異なる色に発光する。例えば、基板1上に赤色、緑色および青色(RGB)、赤色、緑色、青色および白色(RGBW)を配置することができる。変換材料を使用することで、同じ発光ダイオードでも異なる光を生成することができる。参照符号4a’は、トップコンタクト用のコンタクト層5を設けることができる囲い込み部4a’を提供するための平坦化層4の残りの部分を示している。囲い込み部4a’は、任意に、例えばスピンオン誘電体またはフォトレジスト(Fotolack)を用いて、本体3aの半導体層のメサエッジを不動態化することもできる。
【0071】
図6は、提案された配置構造体の第3の構成例をY-Z平面に沿った横断面図で示したものである。
図2に記載の第1の構成例および
図4に記載の第2の構成例とは対照的に、ここではリフレクタ構造体4bは形成されていない。一方、接触した光電子構造素子3a,3bの封止/カプセル化および/または光取り出しのためにコーティング7が形成されている。ここでは、放射パターンを向上させるために、層7がパターニングされており(図示せず)、上側からフォトニック結晶構造体を有している。層7は、他の構造体から電気的に絶縁されている。コーティング7は、散乱粒子または変換材料を有していてもよい。コーティング7は、通常、光電子構造素子の製造後に施与され、次いで平坦化される。
【0072】
図7は、提案されている配置構造体の第4の構成例をY-Z平面に沿った横断面図で示したものである。この描写は、図
6と同様である。これを補足する形で、接触した発光体3a,3bの封止/カプセル化および/または光取り出しのために設けられたコーティング7の下で、光電子構造素子3a,3bの間に黒色のポッティング部8が形成されている。ここでは、コーティングされたリフレクタ構造体4bは示されていない。これらのリフレクタ構造体4bは、ここでは示されていないアレイの他の領域に形成されていてもよい。
【0073】
図8は、それぞれがまとまって4つの画素を形成する、複数のこのような配置構造体を備えたディスプレイまたは照明器具の一部分の構成例を平面図で示したものである。本構成例では、特にリフレクタ構造体4bの形状と配置に注目している。
図8によれば、光電子構造素子を有する各サブ画素は、第2の金属ミラーコーティング6bを有するリフレクタ構造体4bによって個々に縁取られている。この例では、リフレクタ構造体4bとそれぞれの光電子構造素子との間の距離は、チップエッジ長さの2倍となっている。しかしながら、他の距離も可能であり、特にサブ画素は僅か数μmの距離でリフレクタ構造体に囲まれていてもよい。
【0074】
各画素は、赤色、青色、緑色の光を発する3つのサブ画素3a,3bおよび3cを含んでいる。画素は同じ形で構成されており、行と列とに配置されている。このようにして、画素は、ディスプレイまたはかかるディスプレイのモジュールの一部分を形成している。周期的なサブ画素の配置構造体により発生することがある、発光時の目に見えるアーティファクトを回避するために、サブ画素3a,3bおよび3cは、ここに示されている描写とは異なり、別様にまたは順列的に配置されていてもよい。さらに、リフレクタ構造体4bの形状は、正方形のアウトラインに限定されない。
【0075】
図9は、提案されたアレイの第6の構成例を平面図で示したものである。この場合、リフレクタ構造体4bは、例えば光電子構造素子3a,3b,3cと一緒に、画素全体を囲むように構成されている。このように距離が異なるため、コーティングされたリフレクタ構造体4bのフランク角度は、
図8の構成とは異なっている。必要に応じて、場合によっては中央に配置されたリフレクタ構造体のフランク角度も周囲のフレームと異なるものにすることができる。しかしながら、いずれの構成でも、このような構造体がかなり多く組み合わせられ、画素として形成されることに留意すべきである。
【0076】
図10~図
11は、サブ画素として構成し、組み合わせ、リフレクタ構造体で取り囲むことが可能な光電子構造素子の更なる構成例を示している。
【0077】
図10では、光電子構造素子は、囲い込み部4aの側部フランクに金属ミラー層6cが追加で形成されている。側部フランクは角錐台を形成し、上部に向かって先細りなっている。さらに、金属ミラー層は、コンタクト5用の接点としての役割も果たし得る。
図11は、既に説明した第2の構成例を示している。
図12は第3の構成例を示している。この例では、リフレクタ構造体4aのフランク部も同様に面取りされているが、キャリア1からの距離が長くなるにつれて周長が大きくなるようになっている。側面の形状とその急峻度とによって、本体から出る光の取り出しが調整される。
【0078】
図13は、
図12に従った第3の構成に基づく更なる構成例を平面図で示したものである。この例では、リフレクタ構造体4aに施与された第2の金属ミラー層6cは、黒色の層8、特に黒色のポッティングによって囲まれ、縁取られている。これは、例えば、特に、リフレクタ構造体4aの基部における基板1の近傍にまで及んでいることもある。さらに、表面上には封止および光取り出しのためのコーティング7が堆積されている。リフレクタ構造体4aのフランク部は、第2の金属ミラー層6cで覆われている。コンタクト層5から出発して、第1の金属ミラー層6aは、特にストリップの形で、基板1上に形成された第2のコンタクト領域2bまで延びており、この領域2bは、封止またはカプセル化のための光学的に透明なコーティング7で覆われていてもよい。例示的に、電気導体トラック9が示されており、これに第2のコンタクト領域2bが電気的に接続されていてもよい。金属ミラー層6aおよび6cは、同じ材料または同じ層スタックを有していてもよい。
【0079】
図1は、光電子配置構造体OBおよび光電子構造素子を製造するための提案された方法の一構成例を示している。ここで示したステップは、多数の個々の光電子構造素子にも適用可能であり、これらを大量にまとめて製造可能である。
【0080】
第1のステップS1では、基板またはキャリアの片面に第1のコンタクト領域2aと第2のコンタクト領域2bとが設けられる。キャリア自体は回路などの内部構造体を有していてもよい。コンタクト領域は、特に、フォトレジスト層をパターニングし、その後露出していない領域を除去することで、基板の一部が露出するように製造することができる。その上にコンタクト領域2a,2bが堆積され、金属性層が堆積される。同様に、一方のコンタクト領域には本体3aが施与されている。本体3aは、光を生成するための活性層を介在させた2つの反対にドーピングされた半導体層を含んでいる。いくつかの態様では、この本体を別個に製造した後、転写プロセスを用いてこの領域に移すことができる。別の態様では、基板1の表面に層を施与し、パターニングすることで本体が形成される。
【0081】
第2のステップS2では、平坦化層4を施与して、本体3を完全に取り囲むリフレクタ構造体4bを形成する。必要に応じて、層4は、本体3aの表面と平坦になるように平坦化される。引き続き、層4は、本体3の周りに囲い込み部4’が生じるようにパターニングされる。この囲い込み部は、第2のコンタクト領域2bまで実質的に続いている。さらに、より遠ざかった位置に外縁部4bが構築される。外縁部の側部フランクは面取りされている。フランク急峻度を利用して、光の取り出しもしくは反射の方向を制御することができる。ステップS4では、本体3aの表面とそれに隣り合う領域にコンタクト面5が施与される。これは、透明でありながら導電性のある材料を含んでいる。
【0082】
最後に、第5のステップS5では、電気的に接続する金属ミラー層6aをコンタクト層5に施与する。金属ミラー層は、囲い込み部4a’を超えて第2のコンタクト領域2bまで延在して、それと接触している。さらに、リフレクタ構造体4bの側部フランクには、第2の金属ミラー層6bが同時に施与される。パターニングして加工することで、周回ウェブ4の表面には金属が残らない。他の構成では、両側部フランクの金属ミラー層の間の電気的な接続を得るために、これはパターニングされていてもよい。
【0083】
上で提示されている反射性ミラーの態様は、光電子構造素子の他の設計にも適用可能であり、例えば、以下に示す周回構造を備えた縦型の光電子構造素子にも適用可能である。これに関して、図14は、共通のカバー電極と周回構造とを備えた画素セルの構成を示しており、一方では適切な電流誘導により高速なスイッチング時間を可能にし、他方ではミラーコーティングにより生成された光を主放射方向に放射する。図14に従った配置構造体には、3つの縦型の光電子構造素子が備わっており、第1の構造素子1が赤色の光を、第2の構造素子が緑色の光を、第3の構造素子が青色の光を提供する。このようにして、各光電子構造素子は、画素セルのサブ画素を形成する。個々の構造素子は、簡明性のために一列に示しているが、例えば三角形の形など、他の配置構造体も考えられる。さらに、構造素子は同じ大きさである。一構成では、構造素子は、200μm~750μmの範囲のエッジ長さを有し、その高さは、例えば、好ましくは10μm~100μmとすることができる。各構造素子は別個に製造され、次いでさまざま転写プロセスによって基板3に移される。これは、構成に応じて大きさが異なる可能性もあるので、便宜上のためのものである。しかしながら、更なるプロセスステップが追加の措置を必要としないように、構造素子は同じ高さを有していることが望ましい。光電子構造素子は縦型構造で構成されており、すなわち、図示しているように上下の異なる面に2つのコンタクトを有している。
【0084】
光電子構造素子は、共通の基板3上に配置されている。さらに、光電子構造素子は、その第1のコンタクトが、基板上または基板の中の図示されていないコンタクトに電気的に接続されている。基板自体は、半導体基板あるいはバックプレーンなどであってもよい。基板の中には、光電子構造素子のコンタクトに配線されているリード線が配置されている。リード線の他に、電源および/または駆動制御電子回路が基板に形成されていてもよい。構造素子の大きさの関係で、このための十分なスペースがある。一部の用途では、例えば、照明用途では、発生する熱を放出することができる措置をさらに準備する必要がある。ディスプレイまたは電力消費の少ない用途では、構造体および供給線の一部がTFT技術で設計されていてもよい。
【0085】
その3つの光電子構造素子を備えた画素セルは、キャビティ内に埋め込まれたり、外縁部で囲まれたりしている。このような外縁部は、例えば
図8および図9においても見られる。図
14の左側と右側には、基板3上に凸部29が形成されている。このような空洞部または凹部を提供する凸部29は、例えば、ポリイミドなどの非導電性材料を有していてもよい。これらは光電子構造素子を四方から取り囲み、ひいては画素の外縁部などの光電子配置構造体を形成する。
【0086】
側壁は僅かに面取りされており、表面の法線に対してある角度で延びている。側壁は、ここで示した側面の線形プロファイルの他に、放物線状のプロファイルを示すこともある。
【0087】
さらに、作製された凸部29と基板3との間には、機械的強度をより高めるために、更なる電気絶縁層25が設けられている。絶縁層もしくは凸部29上には導電性ミラーコーティング層7が施与されている。これは、凸部29の側面だけでなく、基板表面の領域に沿って、光電子構造素子の間にも及んでいる。ただし、ここではミラーコーティング層の間隔を空けているので、ダイとの短絡または不用意な接触が回避される。さらに、領域13の凸部の上面にもミラーコーティングが設けられている。ミラーコーティング7は、金属ミラーとして構成されており、特にAl、AgおよびAgPdCuなどを有していてもよい。更なる材料は、Al、Ag、Nd、Nb、La、Au、Cu、Pd、Pt、Mg、Mo、Cr、Ni、Os、Sn、Znからの金属もしくは合金、またはそれらの合金もしくは組み合わせであってもよい。
【0088】
それから、凸部の間もしくはキャビティ内および光電子構造素子の空間15は、透明な非導電性材料21で満たされ、光電子構造素子の第2のコンタクト5の高さまで達する。材料21は絶縁層を形成している。絶縁層は、スピンオングラスなどの技術によって施与することができる。次いで、必要に応じて、絶縁材料をコンタクト5とミラーコーティング層の高さまで材料除去し、それらを露出させて平坦な表面を形成することができる。最後に、構造素子の第2のコンタクト5と絶縁層21との上に、透明な導電層を作製し、カバー電極11を提供する。この透明な層は、例えば、ITOおよび/またはIGZOなどを有していてもよい。カバー電極材料の更なる例は、例えば金属酸化物、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、アルミニウムドープ(AZO)、Zn2SnO4、CdSnO3、ZnSnO3、In4Sn3O12などの透明な導電性酸化物、または異なる透明な導電性酸化物の混合物であってもよい。
【0089】
カバー電極11は、絶縁層21全体を覆うように延びており、領域13ではミラーコーティング層と重なり合っている。下層の金属ミラー7と広い範囲で直接に接触することにより、良好な電流結合が発生するため、電流が透明な導電層11を通って進まなければならない距離は短くて済む。そのため、透明な導電層11のシート抵抗が一般的に大きくても、それほど影響はない。カバー電極11が施与される表面は平坦な表面であることから、材料を簡単にスパッタリングしたり、トップコンタクトプロセスである「スピンオングラス(SOG)」で施与したりすることができる。これにより、ITOカバー電極11を平面的にコーティングすることが可能となり、例えば、いわゆる熱衝撃試験において、エッジの剥離が回避されるようになる。しかしながら、この製造においては、ミラーコーティング7とコンタクト5との両方が材料11に露出し、直接に接触していることが好都合である。
【0090】
図16は、図14に従った構成形態を平面図で示したものである。この配置構造体の中央には、3つの光電子構造素子が直列に組み立てられている。これらは、カバー電極11によって接触し、当該カバー電極11は、ミラーコーティング7または金属ミラー層とのオーバーラップ領域13において電気的に接触されている。凸部もしくはキャビティにより形成される外縁部は実質的に正方形である。この結果、外側の2つの光電子構造素子の凸部からの距離が小さくなる。一構成では、外縁部をむしろ長方形に形成することが好都合であり得る。これは、図16において、凸部が配置され、カバー電極がミラーコーティングと接触している破線の領域13aによって示されている。これにより、光電子構造素子と外縁部との間の距離がより均一になる。
【0091】
図17は、複数の画素P1,P2,P3...Pnが一列に沿って配置されている配置構造体を示している。画素Pは、光漏話が少なくとも低減されるように、凸部によって互いに切り離されている。横断面図で見ると、各画素に対して3つの光電子構造素子1が形成されており、これらの光電子構造素子1は、動作時に異なる波長の光を放出するように形成されている。これらは、基板3とカバー電極11との間に固定され、電気的に接触している。カバー電極11とミラーコーティング7との直接の電気的接触は、図14に記載の構成形態に従って形成されている。
【0092】
ミラーコーティング7は、画素を切り離している凸部のそれぞれのカバー電極11と電気的に接続されている。画素セルと画素行の外側では、基板3の左端の制御コンタクト9にミラーコーティングが配線されている。制御コンタクト9は、更なる接触が可能なコンタクト領域を形成している。他の例では、コンタクト9は、更なる回路および駆動制御用素子が配置されている基板に配線されている。金属性ミラーコーティングによってシート抵抗が低くなるため、リード線全体の電圧降下が総じて減少する。適切にルーティングされた電流誘導により、寄生容量が減少し、光電子構造素子の駆動制御のためのスイッチング時間が効果的に短縮され得る。図17に示した画素配置構造体により、画素間の光散乱ひいてはいわゆる光漏話をさらに最小化することができる。
【0093】
図18は、提案されたデバイスの更なる構成を示している。ここでは、図14~図17と同じ参照符号が、同じ特徴を示している。本構成では、基板上に凸部もしくはキャビティが設けられておらず、すなわち、ミラーコーティングとリード線とが基板3の表面に沿って実質的に平面的に延びている。3つの光電子構造素子1が基板3上に配置されており、図示していないコンタクトと電気的に接続されている。光電子構造素子を取り囲むミラーコーティング7は、透明でありながら電気的に絶縁された層25によって、基板3から電気的に分離されている。構造素子1(R,GおよびB)は、絶縁層21で取り囲まれている。これは透明で、基板上の各方向にある光電子構造素子のコンタクト5の高さまで及んでいる。光電子構造素子1の上部コンタクトは、透明なITOカバーコンタクトとして構成されたカバー電極11によって電気的に接触されており、絶縁層上に載置されている。さらに、ミラーコーティング層7の上には複数の導電性スルーホールビアが構築されており、ミラーコーティング層7とカバー電極11とが電気的に接触している。さらにシート抵抗を低く抑えるために、スルーホールビアには金属が充填されている。
【0094】
いくつかの態様では、スルーホールビアは単に絶縁層の開口部である。しかしながら、絶縁層には、ミラーコーティング層7まで達するトレンチなどが設けられていてもよい。これらを画素の周囲に少なくとも部分的に形成し、引き続き反射材料を充填すれば、良好な電流結合に加えて、光の案内も達成することができる。本構成では、光電子構造素子の高さは、これらが同じ高さであれば、キャビティまたは凸部の高さに合わせる必要がないため、あまり重要ではない。
【0095】
図19はまた、図18に示した構造を平面図で示したものである。画素は、ダイの中心から画素の縁部までの距離がほぼ同じになるように正方形に構成されている。参照符号5は、光電子構造素子1の透明なカバー電極11への電気的コンタクト5を示している。ここでも、光電子構造素子の周りの領域をミラーコーティング7(図示せず)で取り囲むことができる。
【0096】
図20は、提案されているデバイスの更なる構成例を横断面図で示したものである。この例によれば、カバー電極11は、ITOカバーコンタクトとして形成されており、このITOカバーコンタクト自体は、各光電子構造素子R,GおよびBのコンタクト5上に平面的に施与されている。各構造素子の周囲を絶縁層21が取り囲んでいる。しかしながら、画素の縁部領域では、絶縁層が材料除去されており、サイドエッジが傾斜して延びている。これにより、ミラーコーティング層7まで達する開口部19が形成され、より大きな、すなわち点状だけではない領域で露出することになる。この露出領域が大きいほど、その後のカバー電極11とのコンタクト領域が大きくなる。
【0097】
言い換えれば、2つの画素間の領域と、ミラーコーティング層7の上の領域とで、平坦な絶縁層が除去される。これは、例えばRIEを用いたエッチングプロセスによって行うことができる。作製された開口部19は、扁平な開口角を持つフランク部23を有している。開放後にカバー電極11は絶縁層に施与されるため、絶縁層の平坦な表面と側面との全体に広がることになる。あるいは絶縁層の上端でカバー電極11と接触する側面に金属層を施与してもよい。
【0098】
より厚みのある絶縁層21の場合、開口部19とその側部フランクとは、上側の角度が比較的扁平になるように、すなわち、比較可能に逆平面の円錐形となるように構成されていることが望ましい。扁平な折り曲げ角により、開口部19のエッジ部でのITO層11の「剥離」が回避される。側部フランクとミラーコーティング層7との間の角度にも同じことが言える。
【0099】
作製された画素素子は、このような接点とオーバーラップ部13とを数箇所に、特に周方向に有しており、サブ画素もしくは画素も同様に囲い込まれている。さらに、開口部には更なる後続の層、例えば散乱層、またはクリアコート層を異なる屈折率で提供することができ、本構成例では、例えば、チップのサイドエッジから放出される光の横方向の導波路を光の取り出しに利用することができ、隣り合う画素にまで伝搬しないことから、コントラストの向上につながる。
【0100】
図21は、図20に記載の構成を平面図で示したものである。マイクロ発光ダイオードダイ1によってそれぞれ提供される3つのサブ画素は、基板3に面していない側に電気的コンタクト5を有している。これらは、透明なカバー電極11によって、画素の外側と電気的に結合され得る。
【0101】
図22は、デバイスの更なる構成例を示している。3つの光電子構造素子1は直列に配置されている。構造素子のそれぞれは、本構成では角錐台として構成されている。高さが増すにつれ、その基底面は僅かに減少する。このように、光電子構造素子の側部フランクは僅かに面取りされている。
【0102】
各光電子構造素子1の側部フランクの表面は、薄い透明な絶縁層26で覆われている。しかしながら、これは上側の第2のコンタクト5には及んでいないことから、露出している。無機絶縁層26は、例えば、化学気相成長法によって作製されていてもよい。あるいは層26は、SiNx、SiOx、Al2O3、TiO2、HfO2、TaO2およびZrO2などのALD系(原子層堆積、Atomic Layer Deposition)の層で作製されていてもよい。この無機層は、多層、具体的にはALD-CVD-ALDまたはCVD-ALDまたはALD-CVDからなっていてもよい。ALD層は、本質的に多層スタック(いわゆるナノ積層体)からなっていてもよい。この場合、このようなALDナノ積層体は、例えば2つの異なるALD層とALD材料との多層スタックからなっており、例えば、個別の層は、典型的には、僅か3nm~10nmの厚さであり、具体的にはA-B-A-B-Aなどに従って形成されている。
【0103】
基板3の近傍では、電気絶縁層25上に、構造素子1の近傍にも形成されているミラーコーティング7が施与されている。ダイから十分な間隔を空けて、画素の左右の側で絶縁層26に開口部20が形成されている。したがって、ミラーコーティング層7はそこで露出している。最後に、導電性の透明な材料からなるカバー電極が上面と側部フランクとに施与されている。これは、絶縁層26の開口部の上にも広がっていることから、広い範囲で金属性層7と接続することになる。このようにして、カバー電極11とミラーコーティング7との直接の電気的接触を作り出すことができる。
【0104】
図23は、図22に記載の配置構造体を平面図で示したものである。図23によれば、3つのサブ画素または光電子構造素子1は、その電気的コンタクト5が基板3に面しておらず、透明なカバー電極11によって電気的に接触可能なように配置されている。
【0105】
図15は、追加の構造体を有する構成を提示している。この配置構造体は図14の構成と類似しているため、再度説明することは省く。しかしながら、その構成とは異なり、ここでは同じ種類の3つの光電子構造素子Bが基板に施与され、電気的に接触されている。光電子構造素子Bは、動作時に青色の波長の光を発するように構成されている。カバー電極11上にはパターニングされた絶縁層30が施与されている。これにより、光電子構造素子からの光の取り出しが改善される。本構成では、同じ種類の光電子構造素子を使用しているため、RGBの画素を得るためには、光を他の色に変換する必要がある。
【0106】
このために層30の上には、光を適切な波長に変換するための変換材料が施与されている。これは、詳細には、左の青色光電子構造素子の上に位置する第1の変換層31である。真ん中に配置された光電子構造素子の上には、緑色の変換層32が設けられている。最後に、右の光電子構造素子の上には、更なる透明な層33が配置されている。この層自体は必要ないが、透明な層があることで平坦な表面が構築される。変換材料には、無機色素または量子ドットが含まれている。光漏話を低減するために、個々の変換層、もしくは変換層32は、透明な層とは、薄い反射層34によって分離されている。他の構造素子からの光も、真下に配置された構造素子よりも変換層に入る可能性があるが、低背設計または構造素子間の導体トラック構造を増やすことで、これを減らすことができる。さらに、取り出し層30は、急峻な角度で層30に入射する光、すなわち実質的に下から入射する光をより多く取り出すようにパターニングされていてもよい。ここでは、画素がかなり接近して一緒に配置されている。距離を少し大きくしたり、直列以外の配置構造体にしたりすることで、変換体と反射層31~34とを、それらが画素上に均一に分布するように配置することができる。こうして、最外周の反射層34も凸部の上に位置することになる。
【0107】
変換構造体の上には、1つ以上のさらにパターニングされた層35があり、この層は(ここでは図示されていない)部分的に変換構造体内にも延びている。変換された光は、構造体35に良好に結合することができる。パターニングされた層35は、光のコリメートと整形の役割を果たし、変換された光または変換されなかった光が実質的に急峻に、すなわち好ましくは基板表面に直角に出射するようにする。パターニングされた層35は、例えば、光が表面に平行に伝搬するための仮想バンドギャップを提供するフォトニック構造体を有していてもよい。これにより、光がコリメートされる。
【0108】
ここに示した画素のいくつかを行と列とに配置することで、個別に駆動制御可能なディスプレイまたはディスプレイアレイを形成することができる。これらの配置構造体により、例えば自動車用の画素化照明アレイを作り出すこともできる。
【0109】
図24は、光電子配置構造体を製造するための提案された方法の一構成例を示している。第1のステップS1では、表面に多数のコンタクトを有する基板が準備される。基板は、上述したように、更なるリード線、駆動制御素子またはスイッチング素子を含んでいてもよい。一態様では、その後に取り付けられる光電子構造素子を囲むように基板上に凸部を作り、そうすることで配置構造体を隣り合う素子から光学的に分離することができる。
【0110】
ステップS2では、1つ以上の光電子構造素子を基板上に取り付け、その第1のコンタクトによって、基板上または基板内のコンタクトに電気的に接続する。光電子構造素子は、縦型構造で構成されており、すなわち、光電子構造素子のコンタクトは互いに向かい合っている。光電子構造素子は直列に配置することができるが、その他の配置も可能である。
【0111】
ステップS3では、基板表面の電気制御コンタクトに電気的に接続され、少なくとも部分的に表面を覆うミラーコーティング層を基板表面に堆積させる。ここで、ミラーコーティング層は、少なくとも部分的に、特に、特に光電子構造素子に面している凸部またはキャビティの側壁に堆積させることができる。最後に、ステップS3では、ミラーコーティング層と電気的に接触する透明なカバー電極を更なるコンタクトに施与する。
【0112】
カバー電極の剥離を回避するために、さらに、ステップS2またはS3では、ミラーコーティング層を施与した後、または光電子構造素子を取り付けた後、これらを絶縁層で取り囲むことをさらに規定している。この絶縁層の高さは、光電子構造素子の高さに対応していることから、平坦な表面が構築される。絶縁層の作製は、スピンオングラスなど、透明な非導電層を作製するために本明細書で開示されている措置によって行われる。光電子構造素子とミラーコーティング層との上部コンタクトまで絶縁層を材料除去することにより、平坦な表面が作り出される。このステップには、機械的または化学的な手法が含まれ得る。次いで、透明な絶縁層の上にカバー電極が施与される。
【0113】
この接触は、凸部の領域または少なくとも1つの光電子構造素子に面していないキャビティの端部において、カバー電極面とミラーコーティングとの重なり合うコンタクトにおいて行うことができる。あるいは絶縁層に一連のスルーホールビアを設け、そこに金属を充填することで、カバー電極とミラーコーティング層との間で接続を生じさせることもできる。スルーホールビアは、ミラーコーティング層を露出させるトレンチであってもよい。
【0114】
更なるステップでは、フォトニック結晶または準結晶構造を有しかつ基板の表面に平行に照射される光を抑制または低減するように構成された1つ以上のパターニングされた層をカバー電極上に施与することができる。あるいはカバー電極自体に、光の取り出しを向上させたり、光をコリメートさせたり、放射の向きを基板表面から遠ざかる方向に向けたりたりするためのパターニングが施されていてもよい。最後に、光電子構造素子の上に変換材料を施与することが可能である。
【0115】
以下の態様は、放射された光の指向性を直接に改善することとは異なる別の観点に関わるものである。以下の例は、ランベルト放射体の作製を目的としている。しかしながら、他の形状のリフレクタ素子がビーム整形に影響を与えることは、当業者には明らかである。そのため、特別な構成では、背面取り出しを有し、同時に指向性を持っていてもよい配置構造体が作製される。
【0116】
図25は、本発明による光電子配置構造体10がリフレクタ素子18を備えている構成例を示している。まず、ここでもキャリア基板12が提供されており、このキャリア基板12の実装面20には、多数の光電子構造素子16が並置されていることが多い。通常、キャリア基板12上には、個々の光電子構造素子16を制御するのに用いられる駆動制御電子回路24が設けられている。このために、駆動制御電子回路24と個々の光電子構造素子16との間に導電性接続部(図示せず)が設けられていてもよい。他のケースでは、以下でさらに示すように、キャリア基板を透明にしたり、新たな光整形のための構造体をさらに持たせたりすることもできる。
【0117】
ここでは、リフレクタ素子18はドーム状に構成されており、少なくとも光電子構造素子16が光14を放出する側で当該構造素子16を取り囲んでいる。例えば、構造素子16がキャリア基板12から離れる方向に光14を発した場合、この光は、光電子構造素子16に向くリフレクタ素子18の表面に当たり、そこで反射され、キャリア基板12の実装面20に向けて送り返される。光は、場合によっては実装面20の界面で屈折しながら、キャリア基板12の横断面を介してキャリア基板12のディスプレイ面22の方向に伝搬し、場合によっては屈折または回折を繰り返しながら、そこで取り出される。
【0118】
有利には、リフレクタ素子18は、光14がキャリア基板平面28に対して可能な限り垂直な入射角26でキャリア基板12の実装面20に入射するような形状および特性を目的に合わせて有していることが望ましい。これは特に、キャリア基板12内での全反射による損失や、キャリア基板12のディスプレイ面22から取り出されたときの不都合な角度を最小限に抑えるためのものである。この入射角26は、隣り合う画素素子10間の漏話もしくはクロストークを最小限に抑えるためにも、可能な限り小さいことが望ましい。
【0119】
図26は、光電子構造素子16の上または周囲にリフレクタ素子18を層として備えた画素素子の形をした本発明による配置構造体10の更なる例を示している。この構成変形例は、リフレクタ素子18を、例えば金属層として構造素子16の表面に直接に加工することができるという点で好都合であり得る。リフレクタ素子18には、さまざまな材料を検討することができ、例えば、金属材料、金属合金または金属酸化物の他、利用可能な製造方法を用いて調達可能な他の適切な化合物も挙げられる。キャリア基板と同じ材料で光電子構造素子を直接に形成することによって、同様の構成が提供される。さらに、リフレクタ素子は特定の形状および構成を有している。しかしながら、前述の図のさまざまな態様は、特に、
図25~
図26に示した構成や、本願で開示されている構成とも組み合わせることができる。例えば、リフレクタ素子18は、反射性の周方向に施与された層の構成に置き換えることができる。したがって、キャリア基板はカバー電極に施与されている。
【0120】
さらに、構造素子16とリフレクタ素子18の層との間のメサエッジ30には、パッシベーション層32が設けられている。このパッシベーション層32は、光吸収性または少なくとも光遮断性を有しており、光電子構造素子がキャリア基板平面28の方向もしくはメサエッジ30の方向に発した光14が減衰または吸収されるようになっている。これにより、隣り合う素子10に向かって光14が入り込み、クロストークを招くことが防がれる。さらに、パッシベーション層32は、放出された光14のビーム整形を行うように構成されていてもよい。
【0121】
図27は、キャリア基板12のディスプレイ面20および実装面22に光吸収コーティング34を備えた本発明による画素素子を示している。この構成例は、キャリア基板12の実装面20に配置された光電子構造素子16を取り囲むように、球状のリフレクタ素子18を有している。この態様によれば、キャリア基板12は、光14がキャリア基板12内を伝搬できるように、透明または少なくとも部分的に透明に構成されている。
【0122】
本構成例によれば、ディスプレイの暗色の印象やコントラストを向上させるために、光吸収層34が設けられており、この光吸収層34は、ここではキャリア基板12上のリフレクタ素子18の外側で、実装面20および/またはディスプレイ面22に施与されている。これは、一方では、画素素子の所望の活性領域外への光14の取り出しを防ぐことができる。他方では、有利な効果として、キャリア基板12内を伝搬する光14が、ディスプレイ面22の所望の領域外に取り出されず、吸収または減衰されることが挙げられる。見る人にとって、これらの光吸収層34は、明らかに不活性または黒色もしくは暗色として識別することができ、活性な発光領域と比較して改善された光学的な境目により、ディスプレイのコントラスト特性の改善を図ることができる。
【0123】
図28は、本発明による配置構造体10の更なる構成変形例を簡略化して示している。その基本的な構造において、配置構造体10は、
図25~
図27に既に示されている例に対応している。ここでは、リフレクタ素子18に取り囲まれている光電子構造素子16がキャリア基板12上に設けられている。リフレクタ素子18での光14の反射により、光14はキャリア基板12を伝搬し、キャリア基板12のディスプレイ面22に達する。
【0124】
この場合、キャリア基板12を通過した光14のうち、可能な限り大きな割合がディスプレイ面22を介してキャリア基板12から取り出されることが望ましい。この場合、粗面化された表面36により、光14の取り出しを向上させるができる。より一般的には、ディスプレイ面22の表面は、互いに角度のついた追加の微細構造を有するパターニング部を有しており、この微細構造は、キャリア基板平面28に平行な向きとはその角度を異にすることで、追加の取り出しをもたらすことができる。
【0125】
図29は、キャリア基板12のディスプレイ面にカラーフィルタ素子38を設け、光吸収コーティング34を施した本発明による配置構造体10を示している。この構成は、例えば自動車の照明器具において、例えば白色またはその他の色の光を生成するのに適している。
【0126】
配置構造体10の基本的な構造はこれまでの図とほぼ同じであり、ここでも同様にリフレクタ素子18の領域外でキャリア基板12の実装面20とディスプレイ面22の両方に光吸収層34が設けられている。さらに、ここではカラーフィルタ素子38が設けられており、キャリア基板12のディスプレイ面22にリフレクタ素子18と対向して配置されている。
【0127】
例えば、赤色の光電子構造素子には、対応する赤色のカラーフィルタ素子38が設けられていてもよい。同じことが、緑色のカラーフィルタ素子38には緑色の構造素子を、ならびに例えば、青色のカラーフィルタ素子38には青色のLEDを、それぞれの関連するエミッタチップ16と一緒に用いることにも適用される。より低い反射率と改善された黒色の印象とを、ここでの利点として見なすことができる。ここでも、光吸収層34は、キャリア基板12内を伝搬する望ましくない光成分14に対して吸収効果を有している。
【0128】
代替的な構成では、再度
図29を参照すると、素子38は、第1の波長の光を第2の波長に変換する色変換素子であってもよい。光電子構造素子16が放射し、リフレクタ素子18で反射された光は、変換素子に入射して、そこで変換される。このようにして、各原色さらには白色光も、異なる変換色素を使った構造によって作り出すことができる。
【0129】
図30は、隣り合う2つの配置構造体10がキャリア基板上に配置されているアレイ10の更なる構成例を示している。2つの画素素子10の間には、キャリア基板の異なる表面のそれぞれに光吸収層34が設けられている。これは、特にクロストークを最小限に抑えるために設けられていてもよい。構造素子16の配置や構造によっては、構造素子16と周りを取り囲むリフレクタ素子18との間に空間ができ、これはアパーチャもしくはアパーチャ縁部としての役割を果たすことができる。つまり、光14がキャリア基板平面28に対して小さな角度でこのアパーチャから出て、キャリア基板12を斜めに通過して隣り合う画素素子10に向かうことができることを意味し得る。
【0130】
この漏話またはクロストークを防ぐために、2つの配置構造体10の間もしくは2つの隣り合うリフレクタ素子18の間には光吸収層34が設けられている。これらは、キャリア基板12の実装面20だけでなく、キャリア基板12のディスプレイ面22にも配置されていてよい。これらの光吸収層34は、望ましくない光成分14を減衰または除去し、このようにしてディスプレイのコントラストを向上させることができる。
【0131】
図31では、本発明による画素素子10の形をした配置構造体の駆動制御電子回路24の態様が参照される。これは、キャリア基板の一部として構成され、例えば、トランジスタ構造体がキャリア基板の一部として設けられている。一実施例では、キャリア基盤として基板12が設けられている。駆動制御電子回路24がIGZOに基づき構成される場合、一実施例によれば、駆動制御電子回路24はリフレクタ素子18の内部領域内に配置できることも考えられる(ここでは図示せず)。この可能性は、特にIGZO材料の少なくとも部分的な光透過性に基づいている。更なる例によれば、駆動制御電子回路24のベースとして、またキャリア基板12の材料としてLTPSが使用される。LTPSは、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly Silicon)の略で、どちらかと言えば光吸収特性は高いが、IGZOよりも優れた電気的特性を有することができる。
【0132】
基板12の材料としては、例えばアモルファスシリコン、さらにはIGZOまたはLTPSなどのさまざまな材料が考慮に入れられる。IGZOは、インジウムガリウム亜鉛酸化物の略で、光に対して部分的に透明な性質を有し、比較的安価に製造することができる。
【0133】
LTPSは、p型トランジスタとn-トランジスタの両方に使用でき、それに対して、IGZOはp型トランジスタにしか適していない。LTPSに基づく駆動制御電子回路24の配置構造体は、結果的に、ここではリフレクタ素子18の外側に提供されることになる。更なる選択肢としては、いわゆるICの使用に目を向けることができる。これらは、シリコンベースの基板と一緒に使われることが多く、一般に光吸収特性を有している。
【0134】
しかしながら、リフレクタ構造体は、基板(ここでは図示せず)の一部であってもよく、その場合、基板には駆動制御素子が含まれることになる。これに関連して、その場合、構造素子16はキャビティに埋め込まれており、その側壁がリフレクタ素子18を形成することになる。
【0135】
一実施例によれば、駆動制御素子は、リフレクタ18の上のリフレクタ素子18の領域の外側、または少なくとも外側で、基板12から見て側部20の上または上側に配置されることになる。エミッタチップ16の接触は、例えば、キャリア基板12上の金属製のコンタクトパッドだけでなく、透明なITO(酸化インジウムスズ)を介しても実現することができる。
【0136】
図32は、リフレクタ素子18上にディフューザ層40を部分的にコーティングした本発明による配置構造体10を示している。本構成例に示す配置構造体10の特徴は、リフレクタ素子18の特別な構成に見ることができる。これに関して、リフレクタ素子18の横方向の内面(ここでは、具体的には領域18B)にディフューザ層40が設けられている。このディフューザ層40は、放出された光14の偏向を増加させ、キャリア基板12の方向への光14の偏向をより強めることを目的としている。この場合、エミッタチップの垂直方向直上にあるリフレクタの領域18Aに、より薄いディフューザ層40を設けるか、またはディフューザ層40を全く設けないことが有利であり得る。
【0137】
特に、このディフューザ層40は、この領域18Aでは、キャリア基板平面28に対して横方向に放出された光を可能な限り直接に反射させて戻して、ほぼ垂直方向にキャリア基板12の実装面20に向けて集束させるために平坦または平面に構成されていてもよい。この際、これまでのLED技術と比較して、光電子構造素子はその特性や構造上、ランベルト放射パターンに近いため、比較的薄いディフューザ層40でも十分な場合がある。これに使用できる材料は、例えば、Al2O3またはTiO2である。
【0138】
図33は、画素セルの形をした更なる構成を横断面図および平面図で示している。画素セルは、3つの個々の光電子構造素子16r,16gおよび16bを含んでいる。これらは、動作時に赤色、緑色および青色のそれぞれの原色を発するように構成されている。本構成例では、3つの光電子構造素子を直角三角形の角部に配置している。しかしながら、例えば一列に並べるなど、他の配置も可能である。各構造素子は、縦型LEDとして形成されており、すなわち、キャリア基板に面していないLEDの側に共通のコンタクトが配置されている。光電子構造素子は、個別に駆動制御可能である。同様に、例えば、冗長性を有するまたは有さない個々のディスプレイモジュールまたは照明器具モジュールとしての構成も考えられる。右側の図では、このために、共通の透明なカバーコンタクト17が設けられており、このカバーコンタクトは、光電子構造素子を完全に、または少なくとも部分的に覆い、そうすることで電気的に接触する。光電子構造素子の側壁は絶縁されており、カバー電極17とは接続していない。さらに、3つの光電子構造素子の各々を取り囲むようにして、画素全体を形成するリフレクタ素子18が設けられている。
【0139】
このようにリフレクタ素子の方向に放射された光は、キャリア基板によって反射され、キャリア基板に部分的に導入されたフォトニック構造体19に当たる。フォトニック構造体19は、放射された光の向きを新たに変えて、コリメートされた光束として放射するように構成されている。ここで示した構造体19の他に、キャリア構造体のこの領域にレンズを施与することもできる。
【0140】
用途に応じてフォトニック構造体を省くことも可能である。オートモーティブ用途では、ランベルト放射パターンの方が望ましい場合があり、その場合、この構造体は省かれる。拡張現実の分野では、強い指向性の方が求められる場合もあり、これはフォトニック構造体を追加することで実現される。フォトニック構造体に加えて、変換材料も構造体と一緒に、または構造体の代わりに設けられていてもよい。オートモーティブ分野では、白色や他の色の光を使った指向性を持った光の用途が可能である。
【0141】
最後に、図34は、配置構造体10を製造する方法100を示している。この方法では、まず、1つ以上の光電子構造素子が、フラットなキャリア基板の実装面に取り付けられる110。この取り付けに先行して、対応する転写が行われる。これに関する構成は、本願に開示されている。
【0142】
その後、ステップ120では、例えば光電子構造素子の反射層として、リフレクタ素子が作製される。一実施例によれば、ステップ110の前に、キャリア基板12のディスプレイ面22が加工されて、ディスプレイ面22の表面に粗面36もしくは粗い微細パターニング部が作り出される。
【0143】
以下では、例示的な主題として、さまざまなデバイスおよび配置構造体、ならびに製造、処理および操作する方法が再度記載される。以下の主題は、提案された原理とコンセプトのさまざまな態様と構成を提示しており、これらはさまざまな方法で組み合わせることができる。このような組み合わせは、以下で示すものに限定されない。
【0144】
1.少なくとも1つの光電子配置構造体を製造する方法であって、以下のステップ:
- 基板1の表面上に第1のコンタクト領域および第2のコンタクト領域を作り出すステップと、
- 縦型の光電子構造素子を準備し、当該構造素子の第1のコンタクトを上記第1のコンタクト領域に接続するステップと、
- 上記光電子構造素子を離間して周りを取り囲むリフレクタ構造体を上記基板上に作製するステップと、
- 第1の金属ミラー層を作製するステップであって、上記第1の金属ミラー層が、上記光電子構造素子の第2のコンタクトに取り付けられたコンタクト層と上記第2のコンタクト領域とを電気的に接続するように作製するステップと、
- 上記光電子構造素子に面している第2の金属ミラー層を、上記周りを取り囲むリフレクタ構造体上に作製するステップと
を有する、方法。
【0145】
2.さらに、
上記リフレクタ構造体を形成するために平坦化層を施与するステップと、
任意に、上記第2のコンタクト領域の上の上記平坦化層を除去して、上記第2のコンタクト領域を上記第1の金属ミラー層にアクセス可能な状態にしておくステップと
を含む、主題1記載の方法。
【0146】
3.上記平坦化層をパターニングして、機械的に接触する形で上記光電子構造素子を囲む上記リフレクタ構造体を形成するステップと、
上記電気的に接続する第1の金属ミラー層を、特に上記第2の金属ミラー層と電気的に導通した状態で、上記リフレクタ構造体に追加で施与するステップと
を含む、主題2記載の方法。
【0147】
4.囲い込み部が、発光体を、特に上記光電子構造素子のエッジ長さの2倍超の間隔で囲んでいる、主題3記載の方法。
【0148】
5.上記第2の金属ミラー層を、上記基板に面していない上記リフレクタ構造体の主表面に施与するステップ
を含む、主題3記載の方法。
【0149】
6.上記第2の金属ミラー層を、上記リフレクタ構造体のフランク部に施与することを特徴とする、主題1から5までのいずれか1つ記載の方法。
【0150】
7.光取り出しを、上記リフレクタ構造体の上記フランク部の傾斜角度によって調整する、主題6記載の方法。
【0151】
8.上記基板からの距離が長くなるにつれて上記リフレクタ構造体の周長が長くなるように、上記リフレクタ構造体の上記フランク部を作製するステップ、または
上記基板からの距離が長くなるにつれて上記リフレクタ構造体の周長が短くなるように、上記リフレクタ構造体の上記フランク部を作製するステップ
を含む、主題7記載の方法。
【0152】
9.黒色層、特にポッティング層を、上記リフレクタ構造体の上記フランク部の間に、特に上記フランク部の高さまで、上記基板に設けるステップをさらに含む、主題1から8までのいずれか1つ記載の方法。
【0153】
10.さらに、
- 上記基板または上記黒色層、特に上記第1の金属ミラー層より上の高さまで、密封、カプセル化および/または光学的に取り出すためのコーティングを施与し、任意にパターニングするステップ
を含む、主題1から9までのいずれか1つ記載の方法。
【0154】
11.フォトリソグラフィによって上記層を中間にパターニングする、主題1から10までのいずれか1つ記載の方法。
【0155】
12.光電子配置構造体であって、
- 第1のコンタクト領域および第2のコンタクト領域を有する基板と、
- 少なくとも1つの縦型の光電子構造素子であって、当該縦型の光電子構造素子の第1のコンタクトが、基板の一方の側で上記第1のコンタクト領域と接続されており、上記基板に面していない縦型の光電子構造素子の第1のコンタクトが、透明なコンタクト層および第1の金属ミラー層によって上記第2のコンタクト領域に接続されている、光電子構造素子と、
- 上記縦型の光電子構造素子の周りを取り囲むリフレクタ構造体であって、第2の金属ミラー層が当該リフレクタ構造体に取り付けられている、リフレクタ構造体と
を含む、光電子配置構造体。
【0156】
13.上記リフレクタ構造体が、X-Y平面に沿って機械的に接触する形で上記縦型の光電子構造素子を囲っており、特に上記第1の金属ミラー層が上記第2の金属ミラー層と電気的に導通している、主題12記載の光電子配置構造体。
【0157】
14.機械的に接触する形で上記縦型の光電子構造素子を囲む囲い込み部を有し、上記リフレクタ構造体が、上記囲い込み部を、特に上記縦型の光電子構造素子のエッジ長さの1~10倍、特に3倍超の間隔で取り囲んでおり、上記第1の金属ミラー層および上記コンタクト層は、さらに上記囲い込み部に設けられていることを特徴とする、主題12または13記載の光電子配置構造体。
【0158】
15.それぞれ3つの光電子構造素子が1つの画素の各サブ画素を形成している、主題12から14までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0159】
16.上記透明なコンタクト層が、上記縦型の光電子構造素子を越えて上記リフレクタ構造体の上側まで延在している透明なカバー電極である、主題12から15までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0160】
17.上記縦型の光電子構造素子の上に少なくとも部分的に配置された変換材料をさらに含む、主題12から16までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0161】
18.異なる屈折率の第1の領域および第2の領域を有する光整形構造体、特にマイクロレンズまたはフォトニック構造体をさらに含み、
- 上記透明なコンタクト層に施与されているか、または
- 上記透明なコンタクト層と光電子構造素子との間に配置されているか、または
- 上記第1の領域および第2の領域のうちの1つが、少なくとも部分的に上記縦型の光電子構造素子の半導体材料の中に延在しているか、もしくは上記縦型の光電子構造素子によって形成されているか、もしくは上記変換材料によって形成されている、主題12から17までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0162】
19.上記周りを取り囲むリフレクタ構造体によってキャビティが形成されており、当該キャビティ内には上記縦型の光電子構造素子が配置されており、上記キャビティ内の残りの空間には変換材料、特に量子ドットが充填されている、主題12から18までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0163】
20.上記周りを取り囲むリフレクタ構造体と上記縦型の光電子構造素子との間の領域が反射層で少なくとも部分的に覆われている、光電子配置構造体。
【0164】
21.上記光電子構造素子が、上記周りを取り囲む構造体より低い高さを有している、光電子配置構造体。
【0165】
22.主題12から21までのいずれか1つ記載の複数の光電子配置構造体を備えた、または主題1から11までのいずれか1つ記載の方法に従って製造され、行と列とに組み合わされて画素を形成するように配置されている複数の光電子配置構造体を備えたデバイスであって、複数の画素がそれぞれ上記リフレクタ構造体によって取り囲まれており、上記リフレクタ構造体の側壁は面取りされ、かつ金属ミラー層を備えている、デバイス。
【0166】
23.キャリア基板上に配置され、リフレクタ構造体で取り囲まれた3つの縦型に構成された光電子構造素子を備えた、主題12から21までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体を備えた画素。
【0167】
24.ビデオウォールまたは照明器具、特に自動車の照明器具における、主題12から20までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体の使用。
【0168】
25.基板と、上記基板の片側に固定された少なくとも1つの光電子構造素子とを備えた光電子配置構造体であって、
- 上記基板に面している側には、第1の電気的コンタクトを有しており、
- 上記基板に面していない側には、ミラーコーティングによって上記基板の表面の電気制御用コンタクトに電気的に接続された第2の電気的コンタクトを有しており、
- 上記ミラーコーティングは、上記少なくとも1つの構造素子に面している上記基板表面を少なくとも部分的に覆っている、光電子配置構造体。
【0169】
26.さらに、
上記第2の電気的コンタクトを覆うように広がっており、上記ミラーコーティングによって上記電気的コンタクトに接続する透明なカバー電極を含み、上記ミラーコーティングは、少なくとも部分的に上記カバー電極の下に配置され、上記カバー電極とは離間している、主題25記載の光電子配置構造体。
【0170】
27.上記制御用コンタクトが上記カバー電極の下に配置されておらず、上記ミラーコーティングが少なくとも1つの領域でカバー電極の下に延びていない、主題25または26記載の光電子配置構造体。
【0171】
28.上記ミラーコーティングが、特に以下の金属のうちの少なくとも1つ:Al、Ag、AgPdCu、Nd、Nb、La、Au、Cu、Pd、Pt、Mg、Mo、Cr、Ni、Os、Sn、Zn、および前述の組み合わせを含む金属ミラーを有している、主題25から27までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0172】
29.上記カバー電極が、導電性酸化物層、特にIGZO、金属酸化物、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化カドミウム、インジウムドープ酸化スズ(ITO)、アルミニウムドープ(AZO)、Zn2SnO4、CdSnO3、ZnSnO3、In4Sn3O12または異なる透明導電性酸化物の混合物からなる材料を有している、主題25から28までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0173】
30.上記基板が、上記少なくとも1つの光電子構造素子の周りを少なくとも部分的に取り囲む外縁部を有し、上記外縁部の上側に上記ミラーコーティングが配置されており、上記ミラーコーティングはその箇所で上記カバー電極面に電気的に接続されている、主題25から29までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0174】
31.上記基板が、上記少なくとも1つの光電子構造素子が配置されたキャビティを有しており、上記キャビティは、上記少なくとも1つの光電子構造素子の高さに実質的に対応する深さを有している、主題25から30までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0175】
32.上記少なくとも1つの光電子構造素子の周囲には、実質的に上記光電子構造素子の高さ以下の高さである絶縁性の平面絶縁層が設けられている、主題25から31までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0176】
33.上記絶縁性の平面絶縁層が、上記カバー電極層と上記ミラーコーティング層との間、特に光電子構造素子と周りを取り囲む外縁部との間の基板の上に少なくとも部分的に延びている、主題25から32までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0177】
34.上記ミラーコーティングが、上記光電子構造素子に面している上記外縁部の側面に少なくとも部分的に広がっており、上記側面は、特に上記基板の表面に対して面取りされた角度で広がっている、主題239から252までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0178】
35.上記カバー電極と上記ミラーコーティングとの直接の上記電気的接触が、上記絶縁層を介したミラーコーティング材料のスルーホールビアまたはビアによって提供されている、主題25から34までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0179】
36.上記絶縁層が、少なくとも1つの領域において光電子構造素子から離間して面取りされており、上記カバー電極はその箇所で上記ミラーコーティングの方向に向かって延在している、主題25から35までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0180】
37.面取りされた領域のフランク部が平坦なリード角を有している、主題36記載の光電子配置構造体。
【0181】
38.上記光電子構造素子の上記第1のコンタクトが、上記基板の表面のコンタクトに直接に接続されている、主題25から37までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0182】
39.主題25から38までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体を備えた画素であって、それぞれ赤色の光、緑色の光および青色の光を提供する光電子構造素子が基板上に固定されており、上記光電子配置構造体の第2の電気的コンタクトが透明な導電性カバー電極を介して導電性ミラーコーティング層に接合されている、画素。
【0183】
40.上記光電子構造素子が共通の外縁部で取り囲まれているか、または共通のキャビティ内に配置されている、主題39記載の画素。
【0184】
41.上記光電子構造素子の間の基板上の領域が、反射層、特に上記ミラーコーティング層で少なくとも部分的に覆われている。主題39または40記載の画素。
【0185】
42.上記光電子構造素子が、透明かつ非導電性の材料に埋め込まれている、主題39から41までのいずれか1つ記載の画素。
【0186】
43.上記基板が、上記光電子構造素子のそれぞれを個別にかつ単独で駆動制御するように構成されたリード線を有している、主題39から42までのいずれか1つ記載の画素。
【0187】
44.上記基板が、TFT構造と、各光電子構造素子に個別に電流供給するための電気リード線とを有している、主題39から43までのいずれか1つ記載の画素。
【0188】
45.上記透明なカバー電極の上または中に光整形パターニング層をさらに含み、上記光整形パターニング層は、レンチキュラー素子、フォトニック結晶または準結晶構造を有しており、上記基板の表面に平行に放射される光を抑制または低減するように構成されている、主題39から44までのいずれか1つ記載の画素。
【0189】
46.上記透明なカバー電極が、特に光をコリメートして上記基板表面から離れる向きに放射させるように、または光を取り出すようにパターニングされている、主題39から45までのいずれか1つ記載の画素。
【0190】
47.光を変換するための変換材料が、少なくとも上記光電子構造素子のうちの1つの上および/または上記光電子構造素子の周囲に配置されており、上記変換材料は、特に絶縁層によって上記透明なカバー電極から電気的に絶縁されていてもよい、主題39から46までのいずれか1つ記載の画素。
【0191】
48.行と列とに個別に駆動制御可能に配置されている、主題39から47までのいずれか1つ記載の複数の画素を有するディスプレイまたはディスプレイモジュールであって、ここで、特に、一列に配置された画素が、共通のカバー層と共通の電気制御用コンタクトとを有している、ディスプレイまたはディスプレイモジュール。
【0192】
49.上記画素が、上記基板上に配置された凸部によって互いに分離されている、主題48記載のディスプレイまたはディスプレイモジュール。
【0193】
50.上記基板が、互いに分離された複数のキャビティを有しており、それぞれ、複数の画素のうちの1個が上記キャビティのうちの1つに配置されている、主題48または49記載のディスプレイまたはディスプレイモジュール。
【0194】
51.少なくともいくつかのキャビティに、光を変換するための変換材料、特に量子ドットが導入されている、主題48から50までのいずれか1つ記載のディスプレイまたはディスプレイモジュール。
【0195】
52.上記凸部の側壁または上記キャビティ間の側壁が、反射層、特にミラーコーティング層を有している、主題50記載のディスプレイまたはディスプレイモジュール。
【0196】
53.上記基板が、画素を個別にアドレス指定して駆動制御するように構成された、特に前述または後述の主題のいずれか1つ記載の導電性構造体を有している、主題48から52までのいずれか1つ記載のディスプレイまたはディスプレイモジュール。
【0197】
54.前述の主題のいずれか1つ記載の複数の光電子配置構造体または画素を備えた照明器具、特に自動車における照明器具。
【0198】
55.光電子配置構造体を製造する方法であって、以下のステップ:
- 表面に多数のコンタクトを有する基板を準備するステップと、
- 少なくとも1つの、特に縦型の、光電子構造素子を、上記コンタクトのうちの1つに取り付けるステップであって、上記光電子構造素子は、上記基板表面に面していない側に更なるコンタクトを有している、ステップと、
- 上記基板表面の電気制御用コンタクトに電気的に接続されかつ上記表面を少なくとも部分的に覆うミラーコーティング層を上記基板表面に準備するステップと、
上記ミラーコーティング層と電気的に接触する上記更なるコンタクト上に、透明なカバー電極を形成するステップと
を含む、方法。
【0199】
56.上記基板が、少なくとも1つの光電子構造素子を少なくとも部分的に取り囲む凸部を有している、主題55記載の方法。
【0200】
57.上記ミラーコーティング層を、少なくとも部分的に、特に少なくとも1つの上記光電子構造素子に面している上記凸部または上記キャビティの側壁に施与する、主題55または56記載の方法。
【0201】
58.さらに、
- 上記基板表面に、少なくとも1つの光電子構造素子を取り囲むように透明な絶縁層を施与するステップであって、上記カバー電極を上記透明な絶縁層上に施与する、ステップ
を含む、主題55から57までのいずれか1つ記載の方法。
【0202】
59.さらに、以下のステップのうちの少なくとも1つ:
- 上記凸部の領域または上記少なくとも1つの光電子構造素子に面していない上記キャビティの端部に、上記カバー電極面とミラーコーティング面とが重なり合うコンタクトを形成するステップ;または
- 透明な絶縁層を貫通するスルーホールビアを形成し、上記スルーホールビアを充填することで、上にある上記カバー電極が上記ミラーコーティング層に接触するようにするステップ;または
- 上記透明な絶縁層の面取りされた側に、上記透明なカバー電極と上記ミラーコーティング層とを接触させる導電性接続部を施与するステップ
を含む、主題55から58までのいずれか1つ記載の方法。
【0203】
60.さらに、
- 上記光電子構造素子の間で上記基板表面の一部をミラーコーティングするステップ、特に上記光電子構造素子の間で上記基板表面に上記ミラーコーティング層を施与するステップ
を含む、主題55から59までのいずれか1つ記載の方法。
【0204】
61.さらに、
上記透明なカバー電極上にパターニング層を形成するステップであって、上記パターニング層は、フォトニック結晶または準結晶構造を有しており、上記基板の表面に平行に放射される光を抑制または低減するように構成されている、ステップ
を含む、主題55から60までのいずれか1つ記載の方法。
【0205】
62.さらに、
上記透明なカバー電極をパターニングすることで、特に、光をコリメートして上記基板表面から離れる向きに放射させるか、または光を取り出すステップ
を含む、主題55から61までのいずれか1つ記載の方法。
【0206】
63.さらに、
上記光電子構造素子のうちの少なくとも1つの上に、光を変換するための変換材料を施与するステップであって、上記変換材料は、特に絶縁層によって上記透明なカバー電極から電気的に絶縁される、ステップ
を含む、主題55から62までのいずれか1つ記載の方法。
【0207】
64.光電子構造素子であって、
- p型ドープ層と、
- n型ドープ層と、
- p型ドープ層とn型ドープ層との間に配置された活性領域と
からなる層スタックであって、
上記層スタックは、主表面を超えて隆起し、上記活性領域は、上記主表面から見て、上記層スタックの中心の上に配置されており、上記層スタックは、上記主表面から縮小する直径を有している、層スタックと、
上記層スタックの表面を覆う反射層と
を含む、光電子構造素子。
【0208】
65.上記層スタックが半球または放物線状または楕円状の形状を有している、主題64記載の光電子構造素子。
【0209】
66.上記反射層に隣り合う上記活性層の領域が、増加したバンドギャップを有している、主題64または65記載の光電子構造素子。
【0210】
67.上記反射層に隣り合う上記活性層の領域が、量子井戸インターミキシングを有している、主題64から66までのいずれか1つ記載の光電子構造素子。
【0211】
68.上記反射層が、上記活性領域と、上記表面領域に隣り合う上記層スタックの層との間に誘電体を有している、主題64から67までのいずれか1つ記載の光電子構造素子。
【0212】
69.光電子配置構造体であって、
- フラットなキャリア基板と、
- 上記キャリア基板の実装面に配置された少なくとも1つの光電子構造素子、特に主題64から68までのいずれか1つ記載の光電子構造素子であって、
上記光電子構造素子は、光がキャリア基板平面を横切って上記キャリア基板から離れる方向に放出されるように構成されている、光電子構造素子と、
- フラットなリフレクタ素子であって、
上記リフレクタ素子は、上記少なくとも1つの光電子構造素子が発する光を上記キャリア基板の方向に反射するように、上記少なくとも1つの光電子構造素子に対して上記実装面に空間的に配置および構成されている、リフレクタ素子と
を有しており、
上記キャリア基板は、上記リフレクタ素子から反射された光が上記キャリア基板を伝搬して、上記実装面とは反対側の上記キャリア基板のディスプレイ面に出射するように、少なくとも部分的に透明に構成されている、光電子配置構造体。
【0213】
70.上記少なくとも1つの光電子構造素子から反射された光を散乱させるために、上記少なくとも1つの光電子構造素子に向いた上記リフレクタ素子の側にディフューザ層が設けられており、かつ/またはリフレクタ材料がディフューザ粒子を有している、主題69記載の光電子配置構造体。
【0214】
71.上記ディフューザ層および/または上記ディフューザ粒子が、Al2O3および/またはTiO2を有している、主題70記載の光電子配置構造体。
【0215】
72.上記リフレクタ素子が、円形、多角形または放物線状に上記少なくとも1つの光電子構造素子を取り囲んでいる、主題69から71までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0216】
73.上記リフレクタ素子が、上記少なくとも1つの光電子構造素子の電気的コンタクトを形成している、主題69から72までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0217】
74.上記リフレクタ素子が、上記少なくとも1つの光電子構造素子が発する光の少なくとも90%が、上記キャリア基板平面に対して45°~90°の角度で上記キャリア基板の上記実装面に入射するように構成および形成されている、主題69から73までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0218】
75.上記少なくとも1つの光電子構造素子が、リフレクタ素子に取り囲まれた3つの構造素子を含んでいる、主題69から74までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0219】
76.上記少なくとも3つの構造素子が、上記リフレクタ素子に面している側に、共通の電気的コンタクトのために透明なカバー層で覆われたコンタクト領域を有している、主題63記載の光電子配置構造体。
【0220】
77.上記キャリア基板が、ポリアミド、透明なプラスチック、樹脂またはガラスを有している、主題69から76までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0221】
78.上記リフレクタ素子が、上記少なくとも1つの光電子構造素子の反射層として形成されている、主題69から77までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0222】
79.上記少なくとも1つの光電子構造素子のメサエッジにおける光の反射を減衰または除去するために、パッシベーション層が追加で設けられている、主題69から78までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0223】
80.上記キャリア基板の実装面および/またはディスプレイ面に、上記リフレクタ素子の外側で光吸収コーティングが設けられている、主題69から79までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0224】
81.上記キャリア基板の上記ディスプレイ面が、凹凸部および/または粗面化された構造を有している、主題69から80までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0225】
82.上記キャリア基板の上記ディスプレイ面に、上記リフレクタ素子と対向するようにカラーフィルタ素子が配置されており、
上記カラーフィルタ素子は、上記少なくとも1つの光電子構造素子の原色スペクトルを通過させ、相違する色スペクトルを減衰させる、主題69から81までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0226】
83.上記キャリア基板に、後述の主題のいずれか1つ記載の特徴を有する光整形構造体、特にフォトニック構造体が導入されており、上記構造体は、第1の領域および第2の領域を異なる屈折率で有している、主題69から82までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0227】
84.上記キャリア基板の上記ディスプレイ面に、光整形構造体および/または光変換構造体が配置されており、上記構造体は第1の領域および第2の領域を有している、主題69から83までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0228】
85.第1の領域が変換材料を含んでいる、主題83または84記載の光電子配置構造体。
【0229】
86.上記少なくとも1つの光電子構造素子を取り囲み、光電子構造素子とリフレクタ材料との間の空間を埋める変換材料を含んでいる、主題69から85までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0230】
87.上記キャリア基板の上記ディスプレイ面に変換材料を含んでいる、主題69から86までのいずれか1つ記載の光電子配置構造体。
【0231】
88.それぞれ、前述の主題のいずれか1つ記載の複数の光電子配置構造体を有している、ディスプレイ配置構造体、特にビデオウォール。
【0232】
89.前述の主題のいずれか1つ記載の光電子配置構造体を備えた、自動車用照明器具。
【0233】
89.光学画素素子を製造する方法であって、以下のステップ:
- 少なくとも1つの光電子構造素子を、フラットなキャリア基板の実装面に取り付けるステップと、
- リフレクタ素子を作製するステップであって、
上記リフレクタ素子は、上記少なくとも1つの光電子構造素子上に、上記少なくとも1つの光電子構造素子が発する光が上記キャリア基板の方向に向けて反射されるように光反射層として形成されている、ステップと
を有する、方法。
【0234】
例示的な構成形態を用いた説明は、示されたさまざまな構成をそれらの構成に限定するものではない。むしろ、本開示では、互いに組み合わせ可能ないくつかの態様を示している。例えば、プロセスに関連する態様は、光の取り出しに主眼を置いた態様と組み合わせることもできる。このことは、上に示したさまざまな主題からも明らかになる。
【0235】
したがって、本発明は、任意の特徴および任意の特徴の組み合わせを含み、特に、この特徴または組み合わせが例示的な構成形態で明示的に指定されていない場合でも、主題および特許請求の範囲における特徴の任意の組み合わせを含む。