(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】乾燥検知機能を有する非ニコチン電子ベイピング装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/57 20200101AFI20250303BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20250303BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20250303BHJP
【FI】
A24F40/57
A24F40/50
A24F40/53
(21)【出願番号】P 2023502610
(86)(22)【出願日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 US2021037324
(87)【国際公開番号】W WO2022015446
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2024-03-28
(32)【優先日】2020-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517453405
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サーヴィシーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ギャラガー・ニール
(72)【発明者】
【氏名】ベイチ・テランス・セオドア
(72)【発明者】
【氏名】サンダー・ランガラージ・エス
(72)【発明者】
【氏名】キーン・ジャレット
(72)【発明者】
【氏名】ラウ・レイモンド・ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ホーズ・エリック
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/150922(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/57
A24F 40/50
A24F 40/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒータを含む非ニコチン電子ベイピング装置の動作を制御する方法であって、
前記ヒータに流れる電流に基づいて、前記ヒータの抵抗値が安定したことを検出するステップと、
前記ヒータの前記抵抗値が安定したことの検出に応答して、時間窓の間の前記ヒータの複数の抵抗値を決定するステップと、
前記複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値と前記複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値との間における前記ヒータの抵抗値の変化率を算出するステップと、
前記ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたかどうかを判断するステップと、
前記ヒータの抵抗値の変化率が前記抵抗値の変化率閾値を超えたと判断することに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置における前記ヒータへの電力を無効にするステップと、を備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記ヒータに対する複数の抵抗値を先入れ先出し(FIFO)メモリに格納するステップをさらに備え、
前記ヒータに対する複数の抵抗値のうち前記第1の抵抗値は、前記FIFOメモリに格納されている最も古い抵抗値であり、
前記ヒータに対する複数の抵抗値のうち前記第2の抵抗値は、前記FIFOメモリに格納されている最新の抵抗値である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記非ニコチン電子ベイピング装置の非ニコチンポッドアセンブリのメモリから前記抵抗値の変化率閾値を取得するステップをさらに備える、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記検出するステップは、前記ヒータの抵抗値が安定化したことを、前記ヒータを通る電流と濡れ電流閾値とに基づいて検出する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記ヒータの抵抗値の変化率が前記抵抗値の変化率閾値を超えると判断することに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置におけるドライパフ状態の表示を出力するステップをさらに備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
非ニコチンポッドアセンブリが、前記無効にするステップ後の第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたかどうかを判断するステップ;および
前記非ニコチンポッドアセンブリが、前記無効にするステップ後の前記第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されていないことを判断されたことに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置の電源をオフにするステップをさらに備える、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
非ニコチンポッドアセンブリが、前記無効にするステップ後の第1の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたかどうかを判断するステップ;および
前記非ニコチンポッドアセンブリが、前記無効にするステップ後の前記第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたことを判断されたことに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置のドライパフ状態に関連する障害をクリアすることによって、前記非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに復帰させるステップをさらに備える、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
別の非ニコチンポッドアセンブリが、前記復帰させるステップ後の第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたかどうかを判断するステップ;および
前記別の非ニコチンポッドアセンブリが前記復帰させるステップ後の前記第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されていると判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置をベイプ可能にするステップをさらに備える、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法において、
別の非ニコチンポッドアセンブリが、前記復帰させるステップ後の第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたかどうかを判断するステップ;および
前記別の非ニコチンポッドアセンブリが前記復帰させるステップ後の前記第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されていないと判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置の電源をオフにするステップをさらに備える、方法。
【請求項10】
ヒータを含む非ニコチン電子ベイピング装置を制御する方法であって、
時間窓の間の前記ヒータの複数の抵抗値を決定するステップと、
前記複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値と前記複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値との間における前記ヒータの抵抗値の変化率を算出するステップと、
前記ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたかどうかを検出するステップと、
前記ヒータの抵抗値の変化率が前記抵抗値の変化率閾値を超えたことを検出することに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置におけるドライパフ状態の表示を出力するステップと、を備える、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記ヒータに対する複数の抵抗値を先入れ先出し(FIFO)メモリに格納するステップをさらに備え、
前記ヒータに対する複数の抵抗値のうち前記第1の抵抗値は、前記FIFOメモリに格納されている最も古い抵抗値であり、
前記ヒータに対する複数の抵抗値のうち前記第2の抵抗値は、前記FIFOメモリに格納された最新の抵抗値である、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法において、
前記非ニコチン電子ベイピング装置の非ニコチンポッドアセンブリのメモリから前記抵抗値の変化率閾値を取得するステップをさらに備える、方法。
【請求項13】
請求項10に記載の方法において、
前記ヒータに流れる電流に基づいて、前記ヒータの抵抗値が安定したことを検出するステップ;および
前記ヒータの抵抗値が安定したことを検出したことに応答して、前記時間窓の間の前記ヒータの複数の抵抗値を決定するステップをさらに備える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記検出するステップは、前記ヒータの抵抗値が安定化したことを、前記ヒータを通る電流と濡れ電流閾値とに基づいて検出する、方法。
【請求項15】
請求項10に記載の方法において、
非ニコチンポッドアセンブリが、前記出力するステップ後の第1の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたかどうかを判断するステップ;および
前記非ニコチンポッドアセンブリが、前記出力するステップ後の前記第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されていなことを判断されたことに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置の電源をオフにするステップをさらに備える、方法。
【請求項16】
請求項10に記載の方法において、
前記ヒータの抵抗値の変化率が前記抵抗値の変化率閾値を超えると判断することに応答して、前記ヒータへの電力を無効にするステップと、
非ニコチンポッドアセンブリが、前記無効にするステップ後の第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたかどうかを判断するステップ;および
前記非ニコチンポッドアセンブリが、前記無効にするステップ後の前記第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたことを判断されたことに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置のドライパフ状態に関連する障害をクリアすることによって、前記非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに復帰させるステップをさらに備える、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
別の非ニコチンポッドアセンブリが、前記復帰させるステップ後の第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたかどうかを判断するステップ;および
前記別の非ニコチンポッドアセンブリが前記復帰させるステップ後の前記第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されていると判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置をベイプ可能にするステップをさらに備える、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
別の非ニコチンポッドアセンブリが、前記復帰させるステップ後の第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたかどうかを判断するステップ;および
前記別の非ニコチンポッドアセンブリが、前記復帰させるステップ後の前記第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されていないと判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置の電源をオフにするステップをさらに備える、方法。
【請求項19】
非ニコチン電子ベイピング装置を制御する方法であって、
前記非ニコチン電子ベイピング装置でドライパフ状態を検出した後、第1の時間間隔が経過する前に非ニコチンポッドアセンブリが取り外されたかどうかを判断するステップ;および
前記第1の時間間隔の満了前に前記非ニコチンポッドアセンブリが取り外されたと判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置における前記ドライパフ状態に関連する障害をクリアすることによって、前記非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに復帰させるステップを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、
別の非ニコチンポッドアセンブリが、前記復帰させるステップ後の第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたかどうかを判断するステップ;および
前記別の非ニコチンポッドアセンブリが、前記復帰させるステップ後の前記第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されていると判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置をベイプ可能にするステップをさらに備える、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法において、
前記非ニコチン電子ベイピング装置のヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えるかどうかに基づいて、前記非ニコチン電子ベイピング装置における前記ドライパフ状態を検出するステップをさらに備える、方法。
【請求項22】
非ニコチン電子ベイピング装置であって、
ヒータに流れる電流に基づいて、前記ヒータの抵抗値が安定したことを検出し、
前記ヒータの抵抗値が安定したことの検出に応答して、時間窓の間のヒータの複数の抵抗値を決定し、
前記複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値と前記複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値との間の前記ヒータの抵抗値の変化率を算出し、
前記ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたかどうかを判断し、
前記ヒータの抵抗値の変化率が前記抵抗値の変化率閾値を超えたと判断することに応答して、前記ヒータへの電力を無効にする、ように構成される処理回路を備える、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項23】
請求項22に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記ヒータに対する複数の抵抗値を記憶するように構成された先入れ先出し(FIFO)メモリをさらに備え、
前記ヒータに対する複数の抵抗値のうち前記第1の抵抗値は、前記FIFOメモリに格納されている最も古い抵抗値であり、
前記ヒータに対する複数の抵抗値のうち前記第2の抵抗値は、前記FIFOメモリに格納された直近の抵抗値である、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項24】
請求項22に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
抵抗閾値の変化率を記憶するメモリを含む非ニコチンポッドアセンブリをさらに備え、
前記処理回路は、前記非ニコチンポッドアセンブリ内の前記メモリから前記抵抗値の変化率閾値を取得するように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項25】
請求項22に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、前記ヒータを通る電流と濡れ電流閾値とに基づいて、前記ヒータの抵抗値が安定したことを検出するように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項26】
請求項22に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、前記ヒータの抵抗値の変化率が前記抵抗値の変化率閾値を超えたと判断することに応答して、ドライパフ状態の表示を出力するように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項27】
請求項22に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
非ニコチンポッドアセンブリが、前記ヒータへの電力を無効にした後の第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたかどうかを判断し、
前記非ニコチンポッドアセンブリが、前記ヒータへの電力を無効にした後の前記第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されていないと判断することに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置の電源をオフにするように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項28】
請求項22に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
非ニコチンポッドアセンブリが、前記ヒータへの電力を無効にした後の第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたかどうかを判断し、
前記非ニコチンポッドアセンブリが、前記ヒータへの電力を無効にした後の前記第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたと判断することに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置でドライパフ状態に関連する障害をクリアすることによって、前記非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに復帰させるように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項29】
請求項28に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
前記非ニコチン電子ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後、第2の閾値時間間隔内に、別の非ニコチンポッドアセンブリが前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたかどうかを判断し、
前記非ニコチン電子ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後、前記第2の閾値時間間隔内に前記別の非ニコチンポッドアセンブリが前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたと判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置でのベイプを可能にするように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項30】
請求項28に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
前記非ニコチン電子
ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後、第2の閾値時間間隔内に、別の非ニコチンポッドアセンブリが前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたかどうかを判断し、
前記非ニコチン電子ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後、前記第2の閾値時間間隔内に前記別の非ニコチンポッドアセンブリが前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されていないと判断することに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置の電源をオフにするように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項31】
請求項22に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
非ニコチンプレベイパー製剤を貯蔵するように構成された非ニコチンリザーバ;および
前記ヒータを備え、
前記ヒータは、前記非ニコチンリザーバから引き出された前記非ニコチンプレベイパー製剤を加熱するように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項32】
非ニコチン電子ベイピング装置であって、
前記非ニコチン電子ベイピング装置に以下を行わせるように構成された処理回路を備え、
前記処理回路は、
時間窓の間のヒータの複数の抵抗値を決定し、
前記複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値と前記複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値との間の前記ヒータの抵抗値の変化率を算出し、
前記ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたかどうかを検出し、
前記ヒータの抵抗値の変化率が前記抵抗値の変化率閾値を超えたと検出することに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置におけるドライパフ状態の表示を出力するように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項33】
請求項32に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記ヒータの複数の抵抗値を格納するように構成された先入れ先出し(FIFO)メモリをさらに備え、
前記ヒータに対する複数の抵抗値のうち前記第1の抵抗値は、前記FIFOメモリに格納されている最も古い抵抗値であり、
前記ヒータに対する複数の抵抗値のうち前記第2の抵抗値は、前記FIFOメモリに格納された最新の抵抗値であることを特徴とする、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項34】
請求項32に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
抵抗閾値の変化率を記憶するメモリを含む非ニコチンポッドアセンブリをさらに備え、
前記処理回路は、前記非ニコチンポッドアセンブリ内の前記メモリから前記抵抗値の変化率閾値を取得するように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項35】
請求項32に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
前記ヒータに流れる電流に基づいて、前記ヒータの抵抗値が安定したことを検出し、
前記ヒータの抵抗値が安定したことを検出したことに応答して、前記時間窓の間の前記ヒータの複数の抵抗値を決定するように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項36】
請求項35に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、前記ヒータを通る電流と濡れ電流閾値とに基づいて、前記ヒータの抵抗値が安定したことを検出するよう構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項37】
請求項32に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
前記ドライパフ
状態の表示を出力した後、第1の閾値時間間隔内に、非ニコチンポッドアセンブリが非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたかどうかを判断し、
前記ドライパフ状態の表示を出力した後、前記第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチンポッドアセンブリが前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されていないと判断することに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置の電源をオフにするように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項38】
請求項32に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
前記ヒータの抵抗値変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたと判断したことに応答して、前記ヒータへの電力を無効にし、
非ニコチンポッドアセンブリが、前記ヒータへの電力を無効化した後の第1の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたかどうかを判断し、
前記非ニコチンポッドアセンブリが、前記ヒータへの電力を無効にした後の前記第1の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたと判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置で前記ドライパフ状態に関連する障害をクリアすることによって、前記非ニコチン電子
ベイピング装置を動作モードに復帰させるように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項39】
請求項38に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
前記非ニコチン電子ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後、第2の閾値時間間隔内に、別の非ニコチンポッドアセンブリが前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたかどうかを判断し、
前記非ニコチン電子ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後、前記第2の閾値時間間隔内に前記別の非ニコチンポッドアセンブリが前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたと判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置でのベイプを可能にするように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項40】
請求項38に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
前記非ニコチン電子ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後、第2の閾値時間間隔内に、別の非ニコチンポッドアセンブリが前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されているかどうかを判断し、
前記非ニコチン電子ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後、前記第2の閾値時間間隔内に前記別の非ニコチンポッドアセンブリが前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されていないと判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置の電源をオフにするように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項41】
非ニコチン電子ベイピング装置であって、
処理回路を備え、
前記処理回路は、
前記非ニコチン電子ベイピング装置でドライパフ状態を検出した後、第1の時間間隔が経過する前に、非ニコチンポッドアセンブリが取り外されたかどうかを判断し、
前記非ニコチンポッドアセンブリが前記第1の時間間隔の満了前に取り外されたと判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置における前記ドライパフ状態に関連する障害をクリアすることによって、前記非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに復帰させるように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項42】
請求項41に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
別の非ニコチンポッドアセンブリが、前記非ニコチン電子ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後の第2の閾値時間間隔内に、前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたかどうかを判断し、
前記別の非ニコチンポッドアセンブリが、前記非ニコチン電子ベイピング装置を前記動作モードに復帰させた後、前記第2の閾値時間間隔内に前記非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたと判断されることに応答して、前記非ニコチン電子ベイピング装置のベイプを可能にするように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【請求項43】
請求項41に記載の非ニコチン電子ベイピング装置において、
前記処理回路は、
前記非ニコチン電子ベイピング装置のヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えるかどうかに基づいて、前記非ニコチン電子ベイピング装置で前記ドライパフ
状態を検出するように構成される、非ニコチン電子ベイピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1つ以上の例示的な実施形態は、非ニコチン電子ベイピング(non-nicotine e-vaping)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非ニコチン電子ベイピング装置(または非ニコチンe-vapingデバイス)は、非ニコチンプレベイパー製剤材料を気化して蒸気を生成するヒータを含む。非ニコチン電子ベイピング装置は、電源、ヒータを含む非ニコチンカートリッジまたは非ニコチン電子ベイピングタンク、および非ニコチンプレベイパー製剤材料を保持することができる非ニコチンリザーバを含むいくつかの非ニコチン電子ベイピング要素を含んでもよい。
【0003】
[サマリー]
1つ以上の例示的な実施形態は、異なるパラメータに対して定義された動作限界内に非ニコチン電子ベイピング装置を維持するために非ニコチン電子ベイピング装置の1つ以上の要素を制御するように構成されたドライパフと自動シャットダウン制御システムを提供する。
【0004】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、非ニコチン電子ベイピング装置のパラメータは、ヒータの温度、ヒータの抵抗値の変化率、それらの組み合わせ、またはそのようなものを含んでもよい。1つ以上の例示的な実施形態では、自動シャットダウン制御システムは、非ニコチン電子ベイピング装置におけるドライパフ条件の存在を検出することに応答して、非ニコチン電子ベイピング装置の1つ以上のサブシステム又は要素を自動的にシャットダウン又は無効化してもよい。シャットダウンまたは無効にした後、1つ以上のサブシステムまたは要素の再アクティブ化または再有効化は、(例えば、アダルトベイパーによって)是正措置を必要とするかもしれない。
【0005】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、ヒータを含む非ニコチン電子ベイピング装置の動作を制御する方法を提供し、この方法は、時間窓の間にヒータの複数の抵抗値を決定することと、複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値と、複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値との間のヒータの抵抗値の変化率を算出することと、ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたかどうかを判断することと、ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたと判断したことに応じてヒータへの電力を無効とすること、とを含む。
【0006】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態は、以下のように構成された処理回路を含む非ニコチン電子ベイピング装置を提供する:時間窓の間のヒータの複数の抵抗値を決定し、複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値と複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値との間のヒータの抵抗値の変化率を算出し、ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたかどうかを判断し、ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたとの判断に応答してヒータの電力を無効とすること。
【0007】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ヒータに対する複数の抵抗値は、先入れ先出し(FIFO)メモリに格納されてもよい。ヒータに対する複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値は、FIFOメモリに記憶されている最も古い抵抗値であってもよく、ヒータに対する複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値は、FIFOメモリに記憶されている最新の抵抗値であってもよい。
【0008】
抵抗値の変化率閾値は、非ニコチン電子ベイピング装置の非ニコチンポッドアセンブリのメモリから取得することができる。
【0009】
ヒータの抵抗値が安定したかどうかは、ヒータを流れる電流に基づいて検出されてもよい。時間窓の間のヒータのための複数の抵抗値は、ヒータの抵抗値が安定したことを検出することに応答して、決定されてもよい。
【0010】
ヒータの抵抗値が安定したかどうかは、ヒータに流れる電流と濡れ電流の閾値から判断することができる。
【0011】
ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたと判断することに応答して、非ニコチン電子ベイピング装置におけるドライパフ状態の表示が出力される場合がある。
【0012】
非ニコチン電子ベイピング装置は、非ニコチンポッドアセンブリがヒータへの電力を無効にした後、第1の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されていないと判断することに応答して、電源がオフになってもよい。
【0013】
非ニコチン電子ベイピング装置は、非ニコチンポッドアセンブリがヒータへの電力を無効にした後、第1の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されたと判断することに応答して、非ニコチン電子ベイピング装置でドライパフ状態に関連する障害をクリアすることによって動作モードに復帰されることがある。
【0014】
非ニコチン電子ベイピング装置でのベイプは、非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに復帰した後、別の非ニコチンポッドアセンブリが第2の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたと判断されることに応答して、有効化されてよい。
【0015】
非ニコチン電子ベイピング装置は、非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに復帰した後、別の非ニコチンポッドアセンブリが第2の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイプ装置に挿入されていないと判断することに応答して、電源をオフとしてもよい。
【0016】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態は、ヒータを含む非ニコチン電子ベイピング装置を制御するための方法を提供し、該方法は以下を含む。時間窓の間にヒータの複数の抵抗値を決定することと、複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値と複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値との間のヒータの抵抗値の変化率を算出することと、ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えるかどうかを判断することと、ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えると判断することに応答し、非ニコチン電子ベイピング装置のドライパフの状態の表示を出力することとを備える。
【0017】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態は、非ニコチン電子ベイピング装置に以下を行わせるように構成された処理回路を含む非ニコチン電子ベイピング装置を提供する。時間窓の間のヒータの複数の抵抗値を決定し、複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値と複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値との間のヒータの抵抗値の変化率を算出し、ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えるかどうかを判断し、ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えると判断することに応答して非ニコチン電子ベイプ装置におけるドライパフの状態の表示を出力する。
【0018】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ヒータに対する複数の抵抗値は、先入れ先出し(FIFO)メモリに格納されてもよい。ヒータに対する複数の抵抗値のうちの第1の抵抗値は、FIFOメモリに記憶された最も古い抵抗値であってもよく、ヒータに対する複数の抵抗値のうちの第2の抵抗値は、FIFOメモリに記憶された最新の抵抗値であってもよい。
【0019】
抵抗値の変化率閾値は、非ニコチン電子ベイピング装置の非ニコチンポッドアセンブリのメモリから取得することができる。
【0020】
ヒータの抵抗値が安定したかどうかは、ヒータに流れる電流に基づいて判断してもよく、ヒータの抵抗値が安定したと判断したことに応答して、時間窓の間のヒータの複数の抵抗値が決定されてもよい。
【0021】
ヒータの抵抗値が安定したかどうかは、ヒータに流れる電流と濡れ電流の閾値から判断することができる。
【0022】
非ニコチン電子ベイピング装置は、非ニコチン電子ベイピング装置でドライパフ状態の表示を出力した後、第1の閾値時間間隔内に非ニコチンポッドアセンブリが非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されていないと判断することに応答して、電源をオフとしてもよい。
【0023】
ヒータへの電力は、ヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたことを検出することに応答して無効化されてもよく、非ニコチン電子ベイピング装置は、非ニコチンポッドアセンブリがヒータへの電力を無効にした後の第1の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイピング装置から取り外されていると判断することに応答して非ニコチン電子ベイピング装置におけるドライパフ状態に関連する障害をクリアすることによって動作モードへ復帰されることができる。
【0024】
非ニコチン電子ベイピング装置でのベイプは、非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに復帰した後、別の非ニコチンポッドアセンブリが第2の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されたと決定することに応答して、有効化されてよい。
【0025】
非ニコチン電子ベイピング装置は、非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに復帰した後、別の非ニコチンポッドアセンブリが第2の閾値時間間隔内に非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されていないと判断することに応答して、電源をオフとしてもよい。
【0026】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態は、非ニコチン電子ベイピング装置を制御する方法を提供し、この方法は、非ニコチン電子ベイピング装置でドライパフ状態を検出した後、第1の時間間隔が経過する前に非ニコチンポッドアセンブリが取り外されたかどうかを判断することと、非ニコチンポッドアセンブリが第1の時間間隔が経過する前に取り外されたと判断されるのに応答して非ニコチン電子ベイピング装置でドライパフの状態に関連した障害をクリアして動作モードに非ニコチン電子ベイピング装置を復帰させること、とを含む。
【0027】
少なくとも1つの他の例の実施形態は、非ニコチン電子ベイピング装置でドライパフ条件を検出した後、非ニコチンポッドアセンブリが第1の時間間隔が経過する前に取り外されているかどうかを判断し、第1の時間間隔が経過する前に削除されていることを判断されることに応答して、非ニコチン電子ベイピング装置でドライパフの条件に関連する障害をクリアすることによって、動作モードに戻すように構成された処理回路を含む、非ニコチン電子ベイピング装置を提供する。
【0028】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、非ニコチン電子ベイピング装置を動作モードに戻した後の第2の閾値時間間隔内に別の非ニコチンポッドアセンブリが非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されているかどうかを判断してもよく、非ニコチン電子ベイピング装置でのベイプが、動作モードに非ニコチン電子ベイピング装置を戻した後の第2の閾値時間間隔内で別の非ニコチンポッドアセンブリが非ニコチン電子ベイピング装置に挿入されていると判断するのに応答し可能にすることができる。
【0029】
非ニコチン電子ベイピング装置におけるドライパフ状態は、非ニコチン電子ベイピング装置のヒータの抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超えたかどうかに基づいて検出されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴及び利点は、添付の図面と併せて詳細な説明を検討することにより、より明らかになるであろう。添付の図面は、単に例示のために提供されており、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記しない限り、縮尺通りに描かれているとみなされるべきではない。分かりやすくするために、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【0031】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態による非ニコチン電子ベイピング装置の正面図である。
【0032】
【
図2】
図2は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の側面図である。
【0033】
【
図3】
図3は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の背面図である。
【0034】
【
図4】
図4は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の近位端図である。
【0035】
【
図5】
図5は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の遠位端図である。
【0036】
【
図6】
図6は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の透視図である。
【0037】
【0038】
【
図8】
図8は、
図6の非ニコチン電子ベイピング装置の断面図である。
【0039】
【
図9】
図9は、
図6の非ニコチン電子ベイピング装置の装置本体の透視図である。
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【
図15】
図15は、
図14におけるマウスピース、ばね、保持構造、およびベゼル構造の拡大透視図である。
【0046】
【
図16】
図16は、
図14におけるフロントカバー、フレーム、及びリアカバーを含む部分分解斜視図である。
【0047】
【
図17】
図17は、
図6の非ニコチン電子ベイピング装置の非ニコチンポッドアセンブリの透視図である。
【0048】
【0049】
【0050】
【
図20】
図20は、コネクタモジュールを有しない
図19の非ニコチンポッドアセンブリの透視図である。
【0051】
【0052】
【0053】
【
図23】
図23は、
図22のウィック、ヒータ、電気リード線、およびコンタクトコアを含む分解斜視図である。
【0054】
【
図24】
図24は、
図17の非ニコチンポッドアセンブリの第1の筐体部を含む分解斜視図である。
【0055】
【
図25】
図25は、
図17の非ニコチンポッドアセンブリの第2の筐体部を含む部分分解斜視図である。
【0056】
【0057】
【
図27】
図27は、
図22のコネクタモジュールのウィック、ヒータ、電気リード線、及びコンタクトコアを除いた透視図である。
【0058】
【0059】
【
図29】
図29は、1つ以上の例示的な実施形態による非ニコチン電子ベイピング装置の装置本体および非ニコチンポッドアセンブリの電気系統を示す図である。
【0060】
【
図30】
図30は、例示的な実施形態によるドライパフ及び自動シャットダウン制御システムを示す単純なブロック図である。
【0061】
【
図31】
図31は、例示的な実施形態による乾燥度検出方法を示すフローチャートである。
【0062】
【
図32】
図32は、パフの開始時にドライパフ状態が存在する場合(「ドライパフ(Dry Puff)」)、パフ中にドライパフ状態が発生する場合(「ドライパフ(Drying Puff)」)、およびドライパフ状態が存在しない場合(「標準パフ」)の抵抗対時間のグラフを示す図である。
【0063】
【
図33】
図33は、例示的な実施形態による、ドライパフ状態などのハードポッド障害事象の検出に応答してベイプ機能のシャットダウン後の非ニコチン電子ベイピング装置の動作の例示的な方法を示すフローチャートである。
【0064】
【
図34】
図34は、例示的な実施形態によるヒータ電圧測定回路を示す図である。
【0065】
【
図35】
図35は、例示的な実施形態によるヒータ電流測定回路を示す図である。
【0066】
【
図36】
図36は、いくつかの例示的な実施形態によるポッド温度測定回路を示す図である。
【0067】
【
図37】
図37は、いくつかの他の例示的な実施形態によるポッド温度測定回路を示す図である。
【0068】
【
図38】
図38は、いくつかの例示的な実施形態による加熱エンジン制御回路を示す回路図である。
【0069】
【
図39】
図39は、いくつかの他の例示的な実施形態による加熱エンジン制御回路を示す回路図である。
【0070】
【
図40】
図40は、いくつかの例示的な実施形態による温度感知トランスデューサを示す図である。
【0071】
【
図41】
図41は、いくつかの他の例示的な実施形態による温度感知トランスデューサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
いくつかの詳細な例示的実施形態が本明細書に開示されている。しかしながら、本明細書に開示された特定の構造的及び機能的な詳細は、例示的な実施形態を説明する目的のために単に代表的なものである。しかしながら、例示的な実施形態は、多くの代替形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された例示的な実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0073】
したがって、例示的な実施形態は、様々な変更および代替形態が可能であるが、その例示的な実施形態は、図面に例示的に示され、ここでは詳細に説明されることになる。しかしながら、例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、例示的な実施形態は、そのすべての変更、等価物、および代替物を網羅するものであることを理解されたい。図の説明を通じて、同様の番号は、同様の要素を指す。
【0074】
ある要素または層が、他の要素または層の「上に(on)ある」、「接続されている(connected to)」、「結合されている(coupled to)」、「取り付けられている(attached to)」、「隣接している(adjacent to)」、または「覆っている(covering)」と呼ばれる場合、それは他の要素または層の上に直接、接続されている、結合されている、取り付けられている、隣接している、または覆っていてもよいし、介在する要素または層が存在していてもよいことを理解すべきである。一方、ある要素が他の要素や層に「直接載っている(directly on)」、「直接つながっている(directly connected to)」、「直接結合している(directly coupled to)」と言われる場合は、介在する要素や層が存在しないこととなる。本明細書では、同一番号は同一要素を意味する。本明細書では、「および/または(and/or)」という用語は、関連する記載項目の1つまたは複数の任意のおよびすべての組み合わせまたはサブコンビネーションを含む。
【0075】
本明細書では、様々な要素、領域、層、および/またはセクションを説明するために、第1、第2、第3などの用語が使用されることがあるが、これらの要素、領域、層、および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解する必要がある。これらの用語は、1つの要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する第1の要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶことができる。
【0076】
本明細書では、説明を容易にするために、空間的に相対的な用語(例えば、「下方に(beneath)」、「下方に(below)」、「下方に(lower)」、「上方に(above)」、「上方に(upper)」など)を使用して、図に示されているように、ある要素または機能と他の要素または機能との関係を説明することができる。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用時や操作時におけるデバイスの異なる向きを包含することを意図していることを理解すべきである。例えば、図中のデバイスを裏返した場合、他の要素や特徴の「下方(below)」や「下方(beneath)」と記載された要素は、他の要素や特徴の「上方(above)」に向けられることになる。したがって、「下方(below)」という用語は、上と下の両方の向きを包含する可能性がある。また、デバイスは他の方向に向けてもよく(90度回転させてもよいし、他の方向に向けてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0077】
本明細書で使用されている用語は、様々な例示的な実施形態を説明するためだけのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に示す場合を除き、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される用語「含む(includes)」、「含む(including)」、「備える(comprises)」および/または「備える(comprising)」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作および/または要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0078】
本明細書中で、「約(about)」および「実質的に(substantially)」という言葉が数値と関連して使用されている場合、他に明示的に定義されていない限り、関連する数値には、記載された数値の周囲に±10%の公差が含まれることが意図される。
【0079】
特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野における通常の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書で定義されるものを含む用語は、関連する技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的にそのように定義されない限り、理想化されたまたは過度に形式的な意味で解釈されないことがさらに理解されよう。
【0080】
本明細書で使用する「非ニコチン電子ベイピング装置(non-nicotine electronic vaping device)」または「非ニコチン電子ベイピング装置(non-nicotine e-vaping device)」は、非ニコチン電子蒸気装置(non-nicotine e-vapor apparatus)および/または非ニコチン電子ベイピング装置(non-nicotine e-vaping apparatus)を使用して、時々言及され、同義と見なされることがある。
【0081】
図1は、例示的な実施形態による非ニコチン電子ベイピング装置の正面図である。
図2は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の側面図である。
図3は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の背面図である。
図1~3を参照すると、非ニコチン電子ベイピング装置500は、非ニコチンポッドアセンブリ300を受け入れるように構成された装置本体100を含む。非ニコチンポッドアセンブリ300は、非ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたモジュール物品である。「非ニコチンプレベイパー製剤」は、蒸気に変換され得る材料または材料の組み合わせである。例えば、非ニコチンプレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然又は人工フレーバー、及び/又はグリセリン及びプロピレングリコールなどの非ニコチン蒸気形成剤を含む液体、固体、及び/又はゲル製剤であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0082】
例示的な実施形態では、非ニコチンプレベイパー製剤は、タバコを含まず、またタバコに由来するものでもない。非ニコチンプレベイパー製剤の非ニコチン化合物は、抽出物、油、アルコール、チンキ、懸濁液、分散液、コロイド、一般的な非中性(弱酸性又は弱塩基性)溶液、又はそれらの組み合わせを含む液体又は部分液体の一部であってもよいし、それらに含まれていてもよい。非ニコチンプレベイパー製剤の調製中、非ニコチン化合物は、非ニコチンプレベイパー製剤の他の成分に注入、混入、または他の方法で組み合わされてもよい。
【0083】
例示的な実施形態では、非ニコチン化合物は、室温(例えば、72°F)以下を含む比較的低い温度で、長期間にわたってゆっくりとした自然な脱炭酸プロセスを受ける。さらに、非ニコチン化合物は、1気圧などの比較的低い圧力で一定期間(数分または数時間)、特に約175°F以上の範囲の高温にさらされた場合、著しく上昇した脱炭酸プロセス(例えば、50%脱炭酸以上)を受ける可能性がある。約240°F以上の高温は、比較的高い脱炭酸率で急速または瞬間的な脱炭酸を引き起こすことができるが、さらに高温にすると、非ニコチン化合物(複数可)の化学特性の一部または全部の劣化を引き起こすことがある。
【0084】
例示的な実施形態では、非ニコチン化合物は、薬用植物(例えば、医学的に認められた治療効果を提供する植物の天然に存在する成分)由来であってもよい。薬用植物は、大麻植物であってもよく、成分は、少なくとも1つの大麻由来の成分であってもよい。カンナビノイド(例えば、フィトカンナビノイド)及びテルペン類は、大麻由来の成分の一例である。カンナビノイドは、体内の受容体と相互作用し、様々な作用をもたらす。そのため、カンナビノイドは、様々な薬効目的で使用されている。カンナビス由来材料は、1種以上のカンナビス植物からの葉および/または花材、または1種以上のカンナビス植物からの抽出物を含んでもよい。例えば、大麻植物の1つ以上の種は、カンナビス・サティバ、カンナビス・インディカ、及びカンナビス・ルデラリスを含んでもよい。いくつかの例示的な実施形態では、非ニコチンプレベイパー製剤は、60~80%(例えば、70%)のカンナビス・サティバ及び20~40%(例えば、30%)のカンナビス・インディカである、又はカンナビス及び/又はカンナビス由来の構成要素の混合物を含んでいる。
【0085】
大麻由来のカンナビノイドの非限定的な例としては、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)、テトラヒドロカンナビノール(THC)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジオール(CBD)、カンナビノール(CBN)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビクロメン(CBC)及びカンナビゲロール(CBG)等が挙げられる。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)はテトラヒドロカンナビノール(THC)の前駆体であり、カンナビジオール酸(CBDA)はカンナビジロール(CBD)の前駆体である。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)及びカンナビジオール酸(CBDA)は、加熱を介して、それぞれテトラヒドロカンナビノール(THC)及びカンナビジオール(CBD)に変換され得る。例示的な実施形態では、ヒータからの熱は、非ニコチンプレベイパー製剤中のテトラヒドロカンナビノール酸(THCA)をテトラヒドロカンナビノール(THC)に変換するための脱炭酸、及び/又は非ニコチンプレベイパー製剤中のカンナビジオール酸(CBDA)をカンナビジオール(CBD)に変換するための脱炭酸を引き起こしてもよい。
【0086】
テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)およびテトラヒドロカンナビノール(THC)の両方が非ニコチンプレベイパー製剤中に存在する例では、脱炭酸およびその結果生じる変換により、テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)の減少およびテトラヒドロカンナビノール(THC)の増加が引き起こされるであろう。テトラヒドロカンナビノール酸(THCA)の少なくとも50%(例えば、少なくとも87%)は、気化を目的とする非ニコチンプレベイパー製剤の加熱中に、脱炭酸プロセスを介して、テトラヒドロカンナビノール(THC)に変換されてもよい。同様に、カンナビジオール酸(CBDA)及びカンナビジオール(CBD)の両方が非ニコチンプレベイパー製剤中に存在する実施例では、脱炭酸及びその結果の変換は、カンナビジオール酸(CBDA)の減少及びカンナビジオール(CBD)の増加を引き起こすであろう。カンナビジオール酸(CBDA)の少なくとも50%(例えば、少なくとも87%)は、気化を目的とする非ニコチンプレベイパー製剤の加熱中に、脱炭酸プロセスを介して、カンナビジオール(CBD)に変換されてもよい。
【0087】
非ニコチンプレベイパー製剤は、医学的に認められた治療効果(例えば、痛み、吐き気、てんかん、精神疾患の治療)を提供する非ニコチン化合物を含んでもよい。治療方法の詳細は、2017年12月18日に出願された、「VAPORIZING DEVICES AND METHODS FOR DELIVERING A COMPOUND USING THE SAME」と題された米国出願第15/845,501号に記載されており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれるものとする。
【0088】
例示的な実施形態では、少なくとも1つのフレバラントは、非ニコチンプレベイパー製剤の総重量を基準にして、約0.2%~約15%(例えば、約1%~12%、約2%~10%、または約5%~8%)の範囲の量で存在する。少なくとも1つのフレバラントは、天然フレバラント、人工フレバラント、または天然フレバラントと人工フレバラントの組み合わせのうちの少なくとも1つであってよい。少なくとも1つのフレバラントは、大麻風味化合物の代わりに、又は大麻風味化合物に加えて、揮発性大麻風味化合物(フラボノイド)又は他の風味化合物を含んでもよい。例えば、少なくとも1つのフレバラントは、メントール、ウィンターグリーン、ペパーミント、シナモン、クローブ、それらの組み合わせ、及び/又はそれらの抽出物を含んでもよい。さらに、他のハーブフレーバー、フルーツフレーバー、ナッツフレーバー、酒フレーバー、ローストフレーバー、ミントフレーバー、香ばしいフレーバー、それらの組み合わせ、及び他の任意の所望のフレーバーを提供するために、フレバラントが含まれてもよい。
【0089】
ベイプ中、非ニコチン電子ベイピング装置500は、非ニコチンプレベイパー製剤を加熱して蒸気を発生させるように構成される。本明細書で言及されるように、「非ニコチン蒸気」は、本明細書に開示される例示的な実施形態のいずれかによる任意の非ニコチン電子ベイピング装置から生成又は出力される任意の物質である。
【0090】
図1及び
図3に示すように、非ニコチン電子ベイピング装置500は、長手方向に延び、その幅よりも大きい長さを有している。さらに、
図2に示すように、非ニコチン電子ベイピング装置500の長さは、その厚さよりも大きいことも特徴である。さらに、非ニコチン電子ベイピング装置500の幅は、その厚みよりも大きくてもよい。x-y-z直交座標系を仮定すると、非ニコチン電子ベイピング装置500の長さはy方向で測定されてもよく、幅はx方向で測定されてもよく、厚さはz方向で測定されてもよい。非ニコチン電子ベイピング装置500は、例示的な実施形態はこれに限定されないが、その正面図、側面図、及び背面図に基づいてテーパ状の端部を有する実質的に直線状の形態を有していてもよい。
【0091】
装置本体100は、フロントカバー104、フレーム106、及びリアカバー108を含む。フロントカバー104、フレーム106、及びリアカバー108は、非ニコチン電子ベイピング装置500の動作に関連する機械的要素、電子的要素、及び/又は回路を囲む装置筐体を形成している。例えば、装置本体100の装置筐体は、非ニコチン電子ベイピング装置500に電力を供給するように構成された電源を囲むことができ、これは、非ニコチンポッドアセンブリ300に電流を供給することを含むことができる。装置本体100の装置筐体は、非ニコチン電子ベイピング装置500を制御するための1つ以上の電気システムも含んでもよい。例示的な実施形態による電気システムについては、後でより詳細に説明する。さらに、組み立てられたとき、フロントカバー104、フレーム106、及びリアカバー108は、装置本体100の可視部分の大部分を構成してもよい。
【0092】
フロントカバー104(例えば、第1のカバー)は、ベゼル構造112を収容するように構成された一次開口部を規定する。一次開口部は、ベゼル構造112の形状に応じて他の形状が可能であるが、丸みを帯びた長方形の形状を有していてもよい。ベゼル構造112は、非ニコチンポッドアセンブリ300を受容するように構成された貫通孔150を規定する。貫通孔150は、例えば
図9に関連して本明細書でより詳細に論じられる。
【0093】
フロントカバー104はまた、ライトガイド配置を収容するように構成された二次開口部を規定する。二次開口部は、スロット(例えば、丸みを帯びたエッジを有する細長い長方形)に類似していてもよいが、ライトガイド配置の形状に応じて他の形状も可能である。例示的な実施形態では、ライトガイド配置は、ライトガイド筐体114及びボタン筐体122を含む。ライトガイド筐体114は、ライトガイドレンズ116を露出するように構成され、ボタン筐体122は、第1のボタンレンズ124及び第2のボタンレンズ126(例えば、
図16)を露出するように構成される。第1のボタンレンズ124とボタン筐体122の上流部分とは、第1のボタン118を形成してもよい。同様に、第2のボタンレンズ126及びボタン筐体122の下流部分は、第2のボタン120を形成してもよい。ボタン筐体122は、単一の構造の形態であってもよいし、2つの別々の構造の形態であってもよい。後者の形態であれば、第1のボタン118と第2のボタン120は、押されたときに、より独立した感触で動くことができる。
【0094】
非ニコチン電子ベイピング装置500の動作は、第1のボタン118及び第2のボタン120によって制御されてもよい。例えば、第1のボタン118は電源ボタンであってもよく、第2のボタン120は強度ボタンであってもよい。ライトガイド配置に関連して2つのボタンが図面に示されているが、利用可能な機能及び所望のユーザインタフェースに応じて、より多くの(又はより少ない)ボタンが提供されてもよいことが理解されるべきである。
【0095】
フレーム106(例えば、ベースフレーム)は、装置本体100(及び全体としての非ニコチン電子ベイピング装置500)の中心的な支持構造である。フレーム106は、シャーシと呼ばれることもある。フレーム106は、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端の間の一対の側部とを含む。近位端及び遠位端は、それぞれ、下流端及び上流端と呼ばれることもある。本明細書において、「近位」(及び逆に「遠位」)は、ベイプ中のアダルトベイパーとの関係においてであり、「下流」(及び逆に「上流」)は、蒸気の流れとの関係においてである。さらなる強度および安定性のために、サイドセクションの対向する内面間(例えば、フレーム106の長さの約中間)に橋渡し部が設けられてもよい。フレーム106は、モノリシック構造となるように一体的に形成されていてもよい。
【0096】
構造の材料に関して、フレーム106は、合金またはプラスチックで形成されてもよい。合金(例えば、ダイキャストグレード、マシナブルグレード)は、アルミニウム(Al)合金または亜鉛(Zn)合金であってもよい。プラスチックは、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、またはそれらの組み合わせ(PC/ABS)であってもよい。例えば、ポリカーボネートは、LUPOY SC1004Aであってもよい。さらに、フレーム106は、機能的及び/又は美的理由のために(例えば、高級な外観を提供するために)表面仕上げを提供されてもよい。例示的な実施形態において、フレーム106(例えば、アルミニウム合金で形成される場合)は、陽極酸化されてもよい。別の実施形態では、フレーム106(例えば、亜鉛合金で形成された場合)は、硬質エナメルでコーティングされてもよいし、塗装されてもよい。別の実施形態において、フレーム106(例えば、ポリカーボネートで形成される場合)は、メタライズされてもよい。さらに別の実施形態では、フレーム106(例えば、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンで形成される場合)は電気メッキされてもよい。フレーム106に関する構造の材料は、フロントカバー104、リアカバー108、及び/又は非ニコチン電子ベイピング装置500の他の適切な部品にも適用できることを理解されたい。
【0097】
リアカバー108(例えば、第2のカバー)はまた、ベゼル構造112を収容するように構成された開口部を規定する。開口部は、ベゼル構造112の形状に応じて他の形状も可能であるが、丸みを帯びた長方形の形状を有していてもよい。例示的な実施形態では、リアカバー108の開口部は、フロントカバー104の一次開口部よりも小さい。加えて、図示しないが、非ニコチン電子ベイピング装置500の前面の導光体配置に加えて(又はその代わりに)、非ニコチン電子ベイピング装置500の背面に導光体配置(例えば、ボタンを含む)を設けてもよいことが理解されるべきである。
【0098】
フロントカバー104及びリアカバー108は、スナップフィット配置を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。例えば、フロントカバー104及び/又はリアカバー108は、フレーム106の対応する嵌合部材と連動するように構成されたクリップを含んでもよい。非限定的な実施形態では、クリップは、フレーム106の対応する嵌合部材(例えば、ベベルエッジを有する突起)を受け入れるように構成されたオリフィスを有するタブの形態であってよい。あるいは、フロントカバー104及び/又はリアカバー108は、干渉嵌め(プレスフィット又は摩擦嵌めと呼ばれることもある)を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。しかしながら、フロントカバー104、フレーム106、及びリアカバー108は、他の適切な配置及び技術を用いて結合されてもよいことが理解されるべきである。
【0099】
装置本体100はまた、マウスピース102を含む。マウスピース102は、フレーム106の近位端に固定されてもよい。さらに、
図2に示すように、フレーム106がフロントカバー104とリアカバー108との間に挟まれる例示的な実施形態では、マウスピース102は、フロントカバー104、フレーム106、及びリアカバー108に隣接していてもよい。さらに、非限定的な実施形態では、マウスピース102は、バヨネット接続を介して装置筐体と接合されてもよい。
【0100】
図4は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の近位端図である。
図4を参照すると、マウスピース102の出口面は、複数の蒸気出口を規定している。非限定的な実施形態では、マウスピース102の出口面は楕円形であってよい。さらに、マウスピース102の出口面は、楕円形状の出口面の長軸に対応する第1のクロスバーと、楕円形状の出口面の短軸に対応する第2のクロスバーとを含んでもよい。さらに、第1のクロスバー及び第2のクロスバーは、垂直に交差し、マウスピース102の一体的に形成された部分であってもよい。出口面は、4つの蒸気出口を規定するように示されているが、例示的な実施形態はそれに限定されないことを理解されたい。例えば、出口面は、4つ未満の(例えば、1つ、2つ)蒸気出口、又は4つ以上の(例えば、6つ、8つ)蒸気出口を規定してもよい。
【0101】
図5は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の遠位端図である。
図5を参照すると、非ニコチン電子ベイピング装置500の遠位端は、ポート110を含む。ポート110は、非ニコチン電子ベイピング装置500内の内部電源を充電するように、外部電源から(例えば、USBケーブルを介して)電流を受けるように構成される。さらに、ポート110は、別の非ニコチン電子ベイピング装置又は他の電子デバイス(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)にデータを送信し、及び/又はそこから(例えば、USBケーブルを介して)データを受信するようにも構成され得る。さらに、非ニコチン電子ベイピング装置500は、電話などの別の電子デバイスと、その電子デバイスにインストールされたアプリケーションソフトウェア(アプリ)を介して無線通信するように構成されてもよい。そのような例では、アダルトベイパーは、アプリを介して非ニコチン電子ベイピング装置500を制御するか、そうでなければインターフェース(例えば、非ニコチン電子ベイピング装置の位置を特定する、使用情報を確認する、動作パラメータを変更する)してよい。
【0102】
図6は、
図1の非ニコチン電子ベイピング装置の透視図である。
図7は、
図6におけるポッド入口の拡大図である。
図6~7を参照すると、そして簡単に上述したように、非ニコチン電子ベイピング装置500は、非ニコチンのプレベイパー製剤を保持するように構成された非ニコチンポッドアセンブリ300を含む。非ニコチンポッドアセンブリ300は、上流端(これはライトガイド配置に面する)及び下流端(これはマウスピース102に面する)を有する。非限定的な実施形態では、上流端は、下流端から非ニコチンポッドアセンブリ300の対向面である。非ニコチンポッドアセンブリ300の上流端は、ポッド入口322を規定する。装置本体100は、非ニコチンポッドアセンブリ300を受け入れるように構成された貫通孔(例えば、
図9の貫通孔150)を規定している。例示的な実施形態では、装置本体100のベゼル構造112は、貫通孔を規定し、上流リムを含む。特に
図7に示すように、ベゼル構造112の上流リムは、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通孔内に着座したときにポッド入口322を露出するように角度を付けられている(例えば、内側にくぼんでいる)。
【0103】
例えば、フロントカバー104の輪郭に沿うのではなく(非ニコチンポッドアセンブリ300の前面と比較的面一になるように、したがって、ポッド入口322を見えなくするように)、ベゼル構造112の上流リムは、ポッド入口322に周囲空気を導くように構成されたスクープの形態である。この角度付き/スクープ構成は、非ニコチン電子ベイピング装置500の空気入口(例えば、ポッド入口322)の閉塞を低減又は防止するのに役立ち得る。スクープの深さは、非ニコチンポッドアセンブリ300の上流端面の半分未満(例えば、4分の1未満)が露出するようなものであってもよい。さらに、非限定的な実施形態において、ポッド入口322は、スロットの形態である。さらに、装置本体100が第1の方向に延在するとみなされる場合、スロットは第2の方向に延在するとみなされてもよく、第2の方向は第1の方向に対して横方向である。
【0104】
図8は、
図6の非ニコチン電子ベイピング装置の断面図である。
図8では、断面は、非ニコチン電子ベイピング装置500の長手方向軸に沿って撮影されている。示されるように、装置本体100及び非ニコチンポッドアセンブリ300は、非ニコチン電子ベイピング装置500の動作に関連する機械要素、電子要素、及び/又は回路を含み、これらは、本明細書においてより詳細に議論され、及び/又は参照により本明細書に組み入れられる。例えば、非ニコチンポッドアセンブリ300は、内部の密封された非ニコチンリザーバから非ニコチンプレベイパー製剤を放出するように作動するように構成された機械的要素を含んでもよい。非ニコチンポッドアセンブリ300はまた、非ニコチンポッドアセンブリ300の挿入及び着座を容易にするために装置本体100と係合するように構成された機械的側面を有してもよい。
【0105】
さらに、非ニコチンポッドアセンブリ300は、装置本体100との間で情報を記憶、受信、および/または送信するように構成された電子要素および/または回路を含む「スマートポッド」であってよい。このような情報は、装置本体100と共に使用するために非ニコチンポッドアセンブリ300を認証するために使用されてもよい(例えば、未承認/偽造の非ニコチン用ポッドアセンブリの使用を防止するために)。さらに、情報は、非ニコチンポッドアセンブリ300のタイプを識別するために使用されてもよく、次いで、識別されたタイプに基づくベイププロファイルと相関される。ベイププロファイルは、非ニコチンプレベイパー製剤の加熱のための一般的なパラメータを定めるように設計されてもよく、ベイプ前及び/又はベイプ中にアダルトベイパーによって調整、改質、又は他の調整を受けることができる。
【0106】
非ニコチンポッドアセンブリ300はまた、非ニコチン電子ベイピング装置500の動作に関連し得る他の情報を装置本体100と通信することができる。関連する情報の例は、非ニコチンポッドアセンブリ300内の非ニコチンプレベイパー製剤のレベル及び/又は非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100に挿入されてアクティベートされてから経過した時間の長さを含んでもよい。例えば、非ニコチンポッドアセンブリ300が、ある期間以上前(例えば、6ヶ月以上前)に装置本体100に挿入されてアクティベートされた場合、非ニコチン電子ベイピング装置500はベイプを許可せず、非ニコチンポッドアセンブリ300がまだ十分なレベルの非ニコチンプレベイパー製剤を含んでいても、アダルトベイパーは、新しい非ニコチンポッドアセンブリに変更するように促されることがある。
【0107】
装置本体100は、非ニコチンポッドアセンブリ300を係合、保持、および/または作動させるように構成された機械的要素(例えば、相補構造)を含んでもよい。さらに、装置本体100は、ベイプ中に非ニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給するように構成された内部電源(例えば、バッテリー)を充電するための電流を受け取るように構成された電子要素及び/又は回路を含んでもよい。さらに、装置本体100は、非ニコチンポッドアセンブリ300、異なる非ニコチン電子ベイピング装置、他の電子装置(例えば、電話、タブレット、コンピュータ)、及び/又はアダルトベイパーと通信するように構成された電子要素及び/又は回路を含んでもよい。通信される情報は、ポッド固有のデータ、現在のベイピングの詳細、および/または過去のベイピングのパターン/履歴を含んでもよい。アダルトベイパーは、触覚(例えば、振動)、聴覚(例えば、ビープ音)、及び/又は視覚(例えば、色付き/点滅するライト)であるフィードバックでそのような通信を通知されてもよい。充電及び/又は情報の通信は、ポート110を使用して(例えば、USBケーブルを介して)行われてもよい。
【0108】
図9は、
図6の非ニコチン電子ベイピング装置の装置本体の透視図である。
図9を参照すると、装置本体100のベゼル構造112は、貫通孔150を規定している。貫通孔150は、非ニコチンポッドアセンブリ300を受け入れるように構成される。非ニコチンポッドアセンブリ300の貫通孔150内への挿入及び着座を容易にするために、ベゼル構造112の上流リムは、第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bを含む。貫通孔150は、角が丸くなった長方形の形状を有していてもよい。例示的な実施形態では、第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bは、ベゼル構造112と一体的に形成され、上流リムの2つの丸みを帯びた角部に位置する。
【0109】
ベゼル構造112の下流側壁は、第1の下流開口部、第2の下流開口部、及び第3の下流開口部を規定してよい。第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bを含む保持構造は、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bがそれぞれベゼル構造112の第1の下流開口部及び第2の下流開口部を通って貫通孔150の中に突き出るようにベゼル構造112に係合される。さらに、マウスピース102の遠位端は、第1の下流突出部130aと第2の下流突出部130bとの間にあるように、ベゼル構造112の第3の下流開口部を通り、貫通孔150の中に延在する。
【0110】
図10は、
図9の装置本体を示す正面図である。
図10を参照すると、装置本体100は、貫通孔150の上流側に配置された装置電気コネクタ132を含む。装置本体100の装置電気コネクタ132は、貫通孔150内に着座する非ニコチンポッドアセンブリ300と電気的に係合するように構成される。その結果、ベイプ中に装置本体100から装置電気コネクタ132を介して非ニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給することができる。さらに、装置電気コネクタ132を介して、装置本体100及び非ニコチンポッドアセンブリ300にデータを送信及び/又は非ニコチンポッドアセンブリ300からデータを受信することができる。
【0111】
図11は、
図10における貫通孔の拡大透視図である。
図11を参照すると、第1の上流突出部128a、第2の上流突出部128b、第1の下流突出部130a、第2の下流突出部130b、及びマウスピース102の遠位端は、貫通孔150内に突出している。例示的な実施形態において、第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bは静止構造(例えば、静止ピボット)であり、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bは牽引可能構造(例えば、格納可能な部材)である。例えば、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bは、非ニコチンポッドアセンブリ300の挿入を容易にするために、引き込み状態に一時的に移行する(及び引き込み状態に可逆的に戻る)ように構成されつつ、引き込み状態にデフォルトするように構成(例えば、ばね仕掛け)されていてもよい。
【0112】
特に、装置本体100の貫通孔150に非ニコチンポッドアセンブリ300を挿入する場合、非ニコチンポッドアセンブリ300の上流端面の凹部が、最初に第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bと係合し、その後、非ニコチンポッドアセンブリ300の下流端面の凹部が第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bと係合するまでの、(第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bの周りの)非ニコチンポッドアセンブリの首振り動作が行われてもよい。このような例では、非ニコチンポッドアセンブリ300の(枢動中の)回転軸は、装置本体100の長手方向軸に対して直交していてもよい。さらに、扱いやすいように偏っていてもよい第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bは、非ニコチンポッドアセンブリ300が貫通孔150に枢動しているときに引っ込み、弾力的に伸びて非ニコチンポッドアセンブリ300の下流端面における凹部と係合することができる。さらに、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bと非ニコチンポッドアセンブリ300の下流端面における凹部との係合は、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通孔150に適切に装着されることをアダルトベイパーに通知するために触覚及び/又は聴覚フィードバック(例えば、可聴クリック)を生成し得る。
【0113】
図12は、
図10における装置電気コンタクトの拡大透視図である。装置本体100の装置電気コンタクトは、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通孔150内に着座したときに、非ニコチンポッドアセンブリ300のポッド電気コンタクトと係合するように構成される。
図12を参照すると、装置本体100の装置電気コンタクトは、装置電気コネクタ132を含む。装置電気コネクタ132は、電力コンタクトとデータコンタクトとを含む。装置電気コネクタ132の電力コンタクトは、装置本体100から非ニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給するように構成される。図示されているように、装置電気コネクタ132の電力コンタクトは、第1の対の電力コンタクトと第2の対の電力コンタクト(これらは、リアカバー108よりもフロントカバー104に近くなるように配置される)とを含む。電源コンタクトの第1の対(例えば、第1の上流突出部128aに隣接するペア)は、電源コンタクトの第2の対とは異なる単一の一体構造であってよく、組み立てられたときに、貫通孔150内に延びる2つの突出部を含むものである。同様に、第2の対の電力コンタクト(例えば、第2の上流突出部128bに隣接する対)は、第1の対の電力コンタクトとは異なる単一の一体構造であってよく、組み立てられたときに、貫通孔150の中に延在する2つの突起を含むものである。装置電気コネクタ132の第1の対のパワーコンタクト及び第2の対のパワーコンタクトは、既定として貫通孔150内に突出し、バイアスに打ち勝つ力を受けると貫通孔150から(例えば、独立して)引っ込むように、扱いやすく取り付けられ、バイアスをかけられてもよい。
【0114】
装置電気コネクタ132のデータコンタクトは、非ニコチンポッドアセンブリ300と装置本体100との間でデータを伝送するように構成されている。図示されているように、装置電気コネクタ132のデータコンタクトは、5つの突起の列(これらは、フロントカバー104よりもリアカバー108に近くなるように配置される)を含む。装置電気コネクタ132のデータコンタクトは、組み立てられると貫通孔150の中に延びる別個の構造であってもよい。装置電気コネクタ132のデータコンタクトはまた、デフォルトとして貫通孔150内に伸長し、バイアスに打ち勝つ力を受けると貫通孔150から(例えば、独立して)引っ込むように、扱いやすくマウントされバイアスがかけられていてもよい。例えば、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通孔150に挿入されると、非ニコチンポッドアセンブリ300のポッド電気コンタクトが装置本体100の対応する装置電気コンタクトに押し当てられることになる。その結果、装置電気コネクタ132のパワーコンタクトおよびデータコンタクトは、装置本体100の中に引っ込む(例えば、少なくとも部分的に引っ込む)が、その弾力的配置により対応するポッド電気コンタクトに対して押し続け、それによって、装置本体100と非ニコチンポッドアセンブリ300の間の適切な電気接続を確保するのを助ける。さらに、そのような接続は、装置本体100と非ニコチンポッドアセンブリ300との間の電力および/または信号を確実かつ正確に転送および/または通信できるように、機械的に安全であり、最小限の接触抵抗を有することもできる。装置本体100の装置電気接点に関連して様々な態様を論じてきたが、例示的な実施形態はそれに限定されず、他の構成が利用されてもよいことが理解されるべきである。
【0115】
図13は、
図12におけるマウスピースを含む部分分解図である。
図13を参照すると、マウスピース102は、保持構造140を介して装置筐体と係合するように構成される。例示的な実施形態では、保持構造140は、主にフレーム106とベゼル構造112の間にあるように位置している。示されるように、保持構造140は、保持構造140の近位端がフレーム106の近位端を通って延びるように、装置筐体内に配置される。保持構造140は、フレーム106の近位端をわずかに超えて延びていてもよいし、実質的にそれと均等であってもよい。保持構造140の近位端は、マウスピース102の遠位端を受け入れるように構成される。保持構造140の近位端は雌端であってもよく、一方、マウスピースの遠位端は雄端であってもよい。
【0116】
例えば、マウスピース102は、バヨネット接続で保持構造140に結合されてもよい(例えば、可逆的に結合されてもよい)。そのような例では、保持構造140の雌端は、一対の対向するL字型スロットを規定してもよく、一方、マウスピース102の雄端は、保持構造140のL字型スロットと係合するように構成された対向する半径方向部材134(例えば、半径ピン)を有してもよい。保持構造140のL字型スロットの各々は、長手方向部分と円周方向部分とを有する。任意選択で、周方向部分の末端は、マウスピース102の半径方向部材134が不注意に係合解除される可能性を低減又は防止するのに役立つセリフ部分を有していてもよい。非限定的な実施形態では、L字型スロットの長手方向部分は、装置本体100の長手方向軸に沿って平行に延び、L字型スロットの周方向部分は、装置本体100の長手方向軸(例えば、中心軸)の周りに延びている。その結果、マウスピース102を装置筐体に結合するために、
図13に示すマウスピース102は、最初に90度回転して、半径方向部材134を保持構造140のL字型スロットの長手方向部分の入口に整合させる。次いで、半径方向部材134が、周方向部分のそれぞれとの接合部に達するまでL字型スロットの長手方向部分に沿ってスライドするように、マウスピース102が保持構造140の中に押し込まれる。この時点で、マウスピース102は、次に、半径方向部材134が、それぞれの終端部に達するまで円周方向部分を横切って移動するように回転される。各終端部にセリフ部分が存在する場合、マウスピース102が装置筐体に適切に結合されたことをアダルトベイパーに通知するために、触覚及び/又は聴覚フィードバック(例えば、可聴クリック)が生成され得る。
【0117】
マウスピース102は、ベイプ中に非ニコチンベイパーが流れる蒸気通路136を規定している。蒸気通路136は、貫通孔150(これは、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100内に着座する場所である)と流体連通している。蒸気通路136の近位端は、フレア状部分を含んでもよい。さらに、マウスピース102は、エンドカバー138を含んでもよい。エンドカバー138は、その遠位端から近位端に向かって先細りになっていてもよい。エンドカバー138の出口面は、複数の蒸気出口を規定する。エンドカバー138に4つの蒸気出口が示されているが、例示的な実施形態はこれに限定されないことを理解されたい。
【0118】
図14は、
図9のベゼル構造を含む部分分解斜視図である。
図15は、
図14のマウスピース、ばね、保持構造、及びベゼル構造の拡大透視図である。
図14~15を参照すると、ベゼル構造112は、上流側壁及び下流側壁を含む。ベゼル構造112の上流側壁は、コネクタ開口部146を規定する。コネクタ開口部146は、装置本体100の装置電気コネクタ132を露出させるか、または受け入れるように構成される。ベゼル構造112の下流側壁は、第1の下流開口部148a、第2の下流開口部148b、及び第3の下流開口部148cを規定している。ベゼル構造112の第1の下流開口部148a及び第2の下流開口部148bは、保持構造140の第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bをそれぞれ受け入れるように構成される。ベゼル構造112の第3の下流開口部148cは、マウスピース102の遠位端部を受け入れるように構成されている。
【0119】
図14に示すように、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bは、保持構造140の凹面側にある。
図15に示すように、第1のポスト142a及び第2のポスト142bは、保持構造140の対向する凸面側にある。第1のポスト142a及び第2のポスト142bには、それぞれ第1のばね144a及び第2のばね144bが配置される。第1のばね144a及び第2のばね144bは、保持構造140をベゼル構造112に対して偏らせるように構成される。
【0120】
組み立てられると、ベゼル構造112は、コネクタ開口部146に隣接する一対のタブを介してフレーム106に固定されてもよい。さらに、保持構造140は、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bがそれぞれ第1の下流開口部148a及び第2の下流開口部148bを通って延びるように、ベゼル構造112に付勢することになる。マウスピース102は、マウスピース102の遠位端が保持構造140を通って延びるとともに、ベゼル構造112の第3の下流開口部148cを通って延びるように、保持構造140に結合されることになる。第1のばね144a及び第2のばね144bは、フレーム106と保持構造140との間にあることになる。
【0121】
非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通孔150に挿入されているとき、非ニコチンポッドアセンブリ300の下流端は、保持構造140の第1の下流突出部130aおよび第2の下流突出部130bに押し付けられる。その結果、保持構造140の第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bは、(第1のばね144a及び第2のばね144bの圧縮によって)装置本体100の貫通孔150から弾力的に降伏及び後退し、それによって、非ニコチンポッドアセンブリ300の挿入が進行することができる。例示的な実施形態では、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bが装置本体100の貫通孔150から完全に引き込まれると、保持構造140の変位によって、第1のポスト142a及び第2のポスト142bの端部がフレーム106の内側端面に当接し得る。さらに、マウスピース102は保持構造140に結合されているので、マウスピース102の遠位端は貫通孔150から引っ込むことになり、したがって、マウスピース102の近位端(例えば、エンドカバー138を含む可視部分)も装置筐体から離れる対応距離だけ移動することになる。
【0122】
非ニコチンポッドアセンブリ300の第1の下流凹部及び第2の下流凹部がそれぞれ第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bと係合可能な位置に達するように非ニコチンポッドアセンブリ300が十分に挿入されるとは、第1のばね144a及び第2のばね144bの圧縮による蓄積エネルギーによって、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bが弾力的に伸長し、非ニコチンポッドアセンブリ300の第1の下流凹部及び第2の下流凹部にそれぞれ係合するようになるであろう。さらに、係合は、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通孔150内に適切に装着されていることをアダルトベイパーに通知するために、触覚及び/又は聴覚フィードバック(例えば、可聴クリック)を生成することができる。
【0123】
図16は、
図14のフロントカバー、フレーム、及びリアカバーを含む部分分解斜視図である。
図16を参照すると、非ニコチン電子ベイピング装置500の動作に関連する様々な機械的要素、電子的要素、及び/又は回路がフレーム106に固定されてもよい。フロントカバー104及びリアカバー108は、スナップフィット配置を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。例示的な実施形態では、フロントカバー104及びリアカバー108は、フレーム106の対応する嵌合部材と連動するように構成されたクリップを含む。クリップは、フレーム106の対応する嵌合部材(例えば、面取りされたエッジを有する突起)を受け入れるように構成されたオリフィスを有するタブの形態であってよい。
図16において、フロントカバー104は、それぞれ4つのクリップを有する2つの列を有する(フロントカバー104について合計8つのクリップを有する)。同様に、リアカバー108は、それぞれ4つのクリップを有する2つの列を有する(リアカバー108のために合計8つのクリップ)。フレーム106の対応する嵌合部材は、フレーム106の内側側壁上にあってもよい。その結果、フロントカバー104とリアカバー108が一緒にスナップされるとき、係合したクリップと嵌合部材は見えないようにすることができる。あるいは、フロントカバー104及び/又はリアカバー108は、干渉嵌合を介してフレーム106と係合するように構成されてもよい。しかしながら、フロントカバー104、フレーム106、及びリアカバー108は、他の適切な配置及び技術を用いて結合されてもよいことが理解されるべきである。
【0124】
図17は、
図6の非ニコチン電子ベイピング装置の非ニコチンポッドアセンブリの透視図である。
図18は、
図17の非ニコチンポッドアセンブリの別の透視図である。
図19は、
図18の非ニコチンポッドアセンブリの別の透視図である。
図17~19を参照すると、非ニコチン電子ベイピング装置500のための非ニコチンポッドアセンブリ300は、非ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成されたポッド本体を含んでいる。ポッド本体は、上流端と下流端とを有する。ポッド本体の上流端は、キャビティ310(
図20)を規定する。ポッド本体の下流端は、上流端のキャビティ310と流体連通しているポッド出口304を規定する。コネクタモジュール320は、ポッド本体のキャビティ310内に着座するように構成される。コネクタモジュール320は、外面及び側面の面を含む。コネクタモジュール320の外部面は、ポッド本体の外部を形成する。
【0125】
コネクタモジュール320の外部面は、ポッド入口322を規定する。ポッド入口322(ベイプ中に空気が入る)は、ポッド出口304(ベイプ中に非ニコチン蒸気が出る)と流体的に連通している。ポッド入口322は、
図19において、スロットの形態であるとして示されている。しかしながら、例示的な実施形態はそれに限定されず、他の形態も可能であることを理解されたい。コネクタモジュール320がポッド本体のキャビティ310内に着座すると、コネクタモジュール320の外部面は見えるままであるが、コネクタモジュール320の側面は、所定の角度に基づいてポッド入口322を通して部分的にしか見えないようにほとんど隠された状態となる。
【0126】
コネクタモジュール320の外面は、少なくとも1つの電気コンタクトを含む。少なくとも1つの電気コンタクトは、複数の電力コンタクトを含んでもよい。例えば、複数の電力コンタクトは、第1の電力コンタクト324a及び第2の電力コンタクト324bを含んでもよい。非ニコチンポッドアセンブリ300の第1の電力コンタクト324aは、装置本体100の装置電気コネクタ132の第1の電力コンタクトの対(例えば、
図12における第1の上流突出部128aに隣接する対)と電気的に接続するように構成される。同様に、非ニコチンポッドアセンブリ300の第2の電力コンタクト324bは、装置本体100の装置電気コネクタ132の第2の電力コンタクトの対(例えば、
図12の第2の上流突出部128bに隣接する対)と電気的に接続するよう構成される。さらに、非ニコチンポッドアセンブリ300の少なくとも1つの電気コンタクトは、複数のデータコンタクト326を含む。非ニコチンポッドアセンブリ300の複数のデータコンタクト326は、装置電気コネクタ132のデータコンタクト(例えば、
図12における5つの突起の列)と電気的に接続するように構成される。非ニコチンポッドアセンブリ300に関連して2つの電力コンタクト及び5つのデータコンタクトが示されているが、装置本体100の設計に応じて他の変形が可能であることを理解されたい。
【0127】
例示的な実施形態では、非ニコチンポッドアセンブリ300は、前面、前面の反対側の後面、前面と後面との間の第1の側面、第1の側面の反対側の第2の側面、上流端面、及び上流端面の反対側の下流端面を含む。側面および端面の角(例えば、第1側面面と上流端面との角、上流端面と第2側面面との角、第2側面面と下流端面との角、下流端面と第1側面面との角)は、丸みを帯びていてもよい。しかし、場合によっては、角部が角ばっていてもよい。さらに、前面の周縁は、レッジの形態であってもよい。コネクタモジュール320の外面は、非ニコチンポッドアセンブリ300の上流側端面の一部であるとみなすことができる。非ニコチンポッドアセンブリ300の前面は、後面より広く、長くてもよい。そのような例では、第1の側面の面および第2の側面の面は、互いに対して内側に角度がつけられていてもよい。上流端面及び下流端面も、互いに対して内側に角度を付けられてもよい。角度のついた面を有するため、非ニコチンポッドアセンブリ300の挿入は、一方向(例えば、装置本体100の前面側(フロントカバー104に関連する側)から)に行われるようになる。その結果、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100に不適切に挿入される可能性を低減又は防止することができる。
【0128】
図示されているように、非ニコチンポッドアセンブリ300のポッド本体は、第1の筐体部302と第2の筐体部308とを含む。第1の筐体部302は、ポッド出口304を規定する下流端部を有する。ポッド出口304の縁は、任意に、陥没した領域またはくぼんだ領域であってよい。そのような例では、この領域は入り江に似ていてもよく、非ニコチンポッドアセンブリ300の後面に隣接するリムの側面は開いていてもよく、前面に隣接するリムの側面は、第1の筐体部302の下流端の隆起した部分によって囲まれていてもよい。隆起した部分は、マウスピース102の遠位端のためのストッパとして機能してもよい。その結果、ポッド出口304のためのこの構成は、リムの開放側を介してマウスピース102(例えば、
図11)の遠位端の受け入れ及び位置合わせを容易にし、その後に第1の筐体部302の下流端の隆起部分に対して着座させることができる。非限定的な実施形態では、マウスピース102の遠位端は、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通孔150内に適切に挿入されたときにポッド出口304の周りにシールを作るのを助けるために弾力性材料を含む(またはそれから形成される)こともできる。
【0129】
第1の筐体部302の下流端は、さらに、少なくとも1つの下流凹部を規定する。例示的な実施形態では、少なくとも1つの下流凹部は、第1の下流凹部306a及び第2の下流凹部306bの形態である。ポッド出口304は、第1の下流凹部306aと第2の下流凹部306bとの間にあってもよい。第1の下流凹部306a及び第2の下流凹部306bは、装置本体100の第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bにそれぞれ係合するように構成される。
図11に示すように、装置本体100の第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bは、貫通孔150の下流側壁の隣接する角部に配置されてもよい。また、第1の下流凹部306aおよび第2の下流凹部306bのそれぞれは、V字型の切り欠きの形態であってもよい。このような例では、装置本体100の第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bの各々は、第1の下流凹部306a及び第2の下流凹部306bの対応するV字状切欠と係合するように構成された楔状構造の形態であってもよい。第1の下流凹部306aは、下流端面及び第1の側面の角部に接していてもよく、第2の下流凹部306bは、下流端面及び第2の側面の角部に接していてもよい。その結果、第1の下流凹部306a及び第2の下流凹部306bのうち、第1の側面及び第2の側面に隣接する端部はそれぞれ開放されていてもよい。このような例では、
図18に示すように、第1の下流凹部306a及び第2の下流凹部306bの各々は、3面凹部であってもよい。
【0130】
第2の筐体部308は、キャビティ310(
図20)を規定する上流端部を有する。キャビティ310は、コネクタモジュール320(
図21)を受け入れるように構成される。さらに、第2の筐体部308の上流端は、少なくとも1つの上流凹部を規定する。例示的な実施形態では、少なくとも1つの上流凹部は、第1の上流凹部312a及び第2の上流凹部312bの形態である。ポッド入口322は、第1の上流凹部312aと第2の上流凹部312bとの間であってもよい。第1の上流凹部312a及び第2の上流凹部312bは、装置本体100の第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bにそれぞれ係合するように構成される。
図12に示すように、装置本体100の第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bは、貫通孔150の上流側壁の隣接する角部に配置されてもよい。第1の上流凹部312a及び第2の上流凹部312bの各々の深さは、第1の下流凹部306a及び第2の下流凹部306bの各々の深さよりも大きくてもよい。また、第1の上流凹部312a及び第2の上流凹部312bの各々の末端は、第1の下流凹部306a及び第2の下流凹部306bの各々の末端よりも丸みを帯びていても良い。例えば、第1の上流凹部312a及び第2の上流凹部312bのそれぞれは、U字型の窪みの形態であってもよい。このような例では、装置本体100の第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bの各々は、第1の上流凹部312a及び第2の上流凹部312bの対応するU字形のくぼみに係合するように構成された丸いノブの形態であってよい。第1の上流凹部312aは、上流側端面及び第1の側面の角と略一致してもよく、第2の上流凹部312bは、上流側端面及び第2の側面の角と略一致してもよい。その結果、第1の上流凹部312a及び第2の上流凹部312bのうち、第1の側面及び第2の側面に隣接する端部は、それぞれ開放されていてもよい。
【0131】
第1の筐体部302は、非ニコチンプレベイパー製剤を保持するように構成された非ニコチンリザーバを内部に規定してもよい。非ニコチンリザーバは、非ニコチンポッドアセンブリ300が作動して非ニコチンリザーバから非ニコチンプレベイパー製剤を放出するまで、非ニコチンプレベイパー製剤を密封するように構成され得る。密閉の結果、非ニコチンプレベイパー製剤は、環境だけでなく、非ニコチンプレベイパー製剤と潜在的に反応し得る非ニコチンポッドアセンブリ300の内部要素からも隔離され得るので、非ニコチンプレベイパー製剤の貯蔵寿命及び/又は感覚特性(例えば風味)に対する悪影響の可能性を低減又は防止することができる。第2の筐体部308は、非ニコチンポッドアセンブリ300をアクティベートし、アクティベート後に非ニコチンリザーバから放出される非ニコチンプレベイパー製剤を受け取り加熱するように構成された構造を含んでもよい。
【0132】
非ニコチンポッドアセンブリ300は、非ニコチンポッドアセンブリ300の装置本体100への挿入の前に、アダルトベイパーによって手動で作動させられてもよい。あるいは、非ニコチンポッドアセンブリ300は、非ニコチンポッドアセンブリ300の装置本体100への挿入の一部としてアクティベートされてもよい。例示的な実施形態では、ポッド本体の第2の筐体部308は、非ニコチンポッドアセンブリ300のアクティベートの間に非ニコチンリザーバから非ニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成された穿孔器を含む。穿孔器は、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bの形態であってよく、本明細書においてより詳細に議論されるであろう。
【0133】
非ニコチンポッドアセンブリ300を手動で起動するために、アダルトベイパーは、非ニコチンポッドアセンブリ300を装置本体100の貫通孔150に挿入する前に、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bを内側に(例えば、同時に又は順次)押圧してもよい。例えば、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bは、その端部が非ニコチンポッドアセンブリ300の上流端面と実質的に面一になるまで手動で押圧されてもよい。例示的な実施形態では、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bの内方への動きは、非ニコチンリザーバのシールを穿孔させるか又は他の方法で侵入させて、そこから非ニコチンプレベイパー製剤を放出させるようにする。
【0134】
あるいは、非ニコチンポッドアセンブリ300の装置本体100への挿入の一部として非ニコチンポッドアセンブリ300を起動するために、非ニコチンポッドアセンブリ300は、第1の上流凹部312a及び第2の上流凹部312bがそれぞれ第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bに噛み合うように(例えば、上流係合)初期位置決めがされる。装置本体100の第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bの各々は、第1の上流凹部312a及び第2の上流凹部312bの対応するU字形のくぼみと係合するように構成された丸いノブの形態であってもいいので、非ニコチンポッドアセンブリ300は、続いて第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bについて比較的容易に回動して装置本体100の貫通孔150に入れることができる。
【0135】
非ニコチンポッドアセンブリ300の枢動に関して、回転軸は、第1の上流突出部128a及び第2の上流突出部128bを通って延び、装置本体100の長手方向軸に対して直交するように方向付けられると見なすことができる。非ニコチンポッドアセンブリ300の最初の位置決め及びその後の枢動の間、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bは貫通孔150の上流側壁に接触し、非ニコチンポッドアセンブリ300が貫通孔150内に進行すると第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bが第2の筐体部308内に(例えば、同時に)押し込まれて、伸展状態から後退状態に移行することになる。非ニコチンポッドアセンブリ300の下流端が貫通孔150の下流側壁付近に到達して第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bに接触すると、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bが後退して弾力的に伸長(例えば、スプリングバック)すると、非ニコチンポッドアセンブリ300の位置決めにより、装置本体100の第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bが、非ニコチンポッドアセンブリ300の第1の下流凹部306a及び第2の下流凹部306bにそれぞれ係合する(例えば、下流側の係合)。
【0136】
上述したように、例示的な実施形態によれば、マウスピース102は、保持構造140(第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bはその一部である)に固定される。このような例では、貫通孔150からの第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bの後退は、同じ方向(例えば、下流方向)に対応する距離だけマウスピース102の同時移動を引き起こすことになる。逆に、非ニコチンポッドアセンブリ300が十分に挿入されて下流方向の係合が容易になると、マウスピース102は、第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bと同時にスプリングバックする。第1の下流突出部130a及び第2の下流突出部130bによる弾力的な係合に加えて、マウスピース102の遠位端は、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通孔150内に適切に装着されると、非ニコチンポッドアセンブリ300に対して偏る(そして、比較的蒸気密なシールを形成するようにポッド出口304と整列する)ようにも構成される。
【0137】
さらに、下流係合は、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100の貫通孔150内に適切に装着されたことを示すために、可聴クリック及び/又は触覚フィードバックを生成してもよい。適切に着座すると、非ニコチンポッドアセンブリ300は、装置本体100に機械的、電気的、及び流体的に接続されることになる。本明細書の非限定的な実施形態では、非ニコチンポッドアセンブリ300の上流係合が下流係合の前に起こるように説明されているが、下流係合が上流係合の前に起こるように、適切な嵌合、起動、及び/又は電気的配置が逆になってもよいことが理解されるべきである。
【0138】
図20は、コネクタモジュールがない
図19の非ニコチンポッドアセンブリの透視図である。
図20を参照すると、第2の筐体部308の上流端は、キャビティ310を規定している。上述したように、キャビティ310は、コネクタモジュール320を(例えば、干渉嵌合を介して)受容するように構成される。例示的な実施形態では、キャビティ310は、第1の上流凹部312aと第2の上流凹部312bとの間に位置し、また、第1のアクティベーションピン314aと第2のアクティベーションピン314bとの間に位置する。コネクタモジュール320がない場合、インサート342(
図24)及び吸収性材料346(
図25)は、キャビティ310の凹部開口部を通して見える。インサート342は、吸収性材料346を保持するように構成される。吸収性材料346は、非ニコチンポッドアセンブリ300が作動したときに非ニコチンリザーバから放出される非ニコチンプレベイパー製剤の量を吸収し保持するように構成されている。インサート342及び吸収性材料346は、本明細書においてより詳細に議論される。
【0139】
図21は、
図19のコネクタモジュールの透視図である。
図22は、
図21のコネクタモジュールの別の透視図である。
図21~
図22を参照すると、コネクタモジュール320の一般的な枠組みは、モジュール筐体354及びフェースプレート366を含む。さらに、コネクタモジュール320は、外面及び側面を含む複数の面を有し、外面は側面に隣接している。例示的な実施形態において、コネクタモジュール320の外面は、フェースプレート366、第1のパワーコンタクト324a、第2のパワーコンタクト324b、及びデータコンタクト326の上流面により構成されている。コネクタモジュール320の側面は、モジュール筐体354の一部である。コネクタモジュール320の側面は、第1のモジュール入口330及び第2のモジュール入口332を規定する。さらに、側面に隣接する2つの側方面(これもモジュール筐体354の一部である)は、コネクタモジュール320がポッド本体のキャビティ310内に着座したときに干渉嵌めを容易にするように構成されたリブ構造(例えば、クラッシュリブ)を含んでもよい。例えば、2つの側面の各々は、フェースプレート366から離れる方向に先細りになる一対のリブ構造を含んでもよい。その結果、モジュール筐体354は、コネクタモジュール320がポッド本体のキャビティ310内に押し込まれると、キャビティ310の側壁に対するリブ構造の摩擦を介して増大する抵抗に遭遇することになる。コネクタモジュール320がキャビティ310内に着座すると、フェースプレート366は、第2の筐体部308の上流端と実質的に同一平面になることがある。また、コネクタモジュール320の側面(第1のモジュール入口330及び第2のモジュール入口332を規定する)は、キャビティ310の側壁に面することになる。
【0140】
コネクタモジュール320のフェースプレート366は、キャビティ310の対応する側面と組み合わせて、ポッド入口322を規定する溝付きエッジ328を有してもよい。しかしながら、例示的な実施形態はそれに限定されないことを理解されたい。例えば、コネクタモジュール320のフェースプレート366は、ポッド入口322を完全に規定するように代替的に構成されてもよい。コネクタモジュール320の側面(第1のモジュール入口330及び第2のモジュール入口332を規定する)とキャビティ310の側面(側面に面する)とは、その間に中間空間を規定している。中間空間は、ポッド入口322から下流にあり、第1のモジュール入口330及び第2のモジュール入口332から上流にある。したがって、例示的な実施形態では、ポッド入口322は、中間空間を経由して第1のモジュール入口330及び第2のモジュール入口332の両方と流体連通している。第1のモジュール入口330は、第2のモジュール入口332より大きくてもよい。そのような例では、ベイプ中にポッド入口322によって流入する空気が受け取られるとき、第1のモジュール入口330は流入する空気の一次流れ(例えば、より大きな流れ)を受け取ってよく、一方、第2のモジュール入口332は流入する空気の二次流れ(例えば、より小さな流れ)を受け取ってよい。
【0141】
図22に示すように、コネクタモジュール320は、非ニコチンプレベイパー製剤をヒータ336に移送するように構成されたウィック338を含む。ヒータ336は、ベイプ中に非ニコチンプレベイパー製剤を加熱して蒸気を発生させるように構成されている。ヒータ336は、コンタクトコア334を介してコネクタモジュール320に搭載されてもよい。ヒータ336は、コネクタモジュール320の少なくとも1つの電気コンタクトに電気的に接続されている。例えば、ヒータ336の一端(例えば、第1端)は、第1の電力コンタクト324aに接続されてもよく、ヒータ336の他端(例えば、第2端)は、第2の電力コンタクト324bに接続されてもよい。例示的な実施形態において、ヒータ336は、折り畳まれた加熱要素を含む。そのような例では、ウィック338は、折り畳まれた加熱要素によって保持されるように構成された平面的な形態を有してよい。コネクタモジュール320がポッド本体のキャビティ310内に着座すると、ウィック338は、(非ニコチンポッドアセンブリ300が作動したときに)吸収性材料346内にあるであろう非ニコチンプレベイパー製剤が毛細管現象を介してウィック338に移行するように吸収性材料346と流動的に連絡するよう構成される。
【0142】
図23は、
図22のウィック、ヒータ、電気リード、およびコンタクトコアを含む分解斜視図である。
図23を参照すると、ウィック338は、毛細管現象のために設計された孔/間隙を有する繊維質のパッド又は他の構造体であってもよい。さらに、ウィック338は、例示的な実施形態はこれに限定されないが、不規則な六角形の形状を有していてもよい。ウィック338は、六角形の形状に製造されてもよいし、より大きなシート状の材料からこの形状に切断されてもよい。ウィック338の下部は、ヒータ336の巻線部に向かって先細りになっているので、非ニコチンプレベイパー製剤がウィック338の(ヒータ336からの距離による)気化を継続的に回避する部分にある可能性を低減又は回避することができる。
【0143】
例示的な実施形態において、ヒータ336は、そこに電流が印加されるとジュール加熱(これは、オーミック/抵抗加熱としても知られている)を受けるように構成される。より詳細に述べると、ヒータ336は、1つ以上の導体で形成されてもよく、電流がそこを通過するときに熱を生成するように構成される。電流は、装置本体100内の電源(例えば、バッテリー)から供給され、第1の電力コンタクト324a及び第1の電気リード340aを介して(又は第2の電力コンタクト324b及び第2の電気リード340bを介して)ヒータ336に伝達されてもよい。
【0144】
ヒータ336に適した導体としては、鉄系合金(例えば、ステンレス鋼)および/またはニッケル系合金(例えば、ニクロム)が挙げられる。ヒータ336は、そこから巻線パターンを切断するために型押しされる導電性シート(例えば、金属、合金)から製造されてもよい。巻線パターンは、水平セグメントが平行に延びながら前後にジグザグに動くように、水平セグメントと交互に配置された曲線セグメントを有していてもよい。さらに、巻線パターンの水平セグメントの各々の幅は、巻線パターンの隣接する水平セグメント間の間隔と実質的に等しくてもよいが、例示的な実施形態はこれに限定されない。図面に示されたヒータ336の形態を得るために、巻線パターンは、ウィック338を把持するように折り畳まれてもよい。
【0145】
ヒータ336は、第1の電気リード340a及び第2の電気リード340bでコンタクトコア334に固定されてもよい。コンタクトコア334は、絶縁材料で形成され、第1の電気リード340aを第2の電気リード340bから電気的に分離するように構成される。例示的な実施形態では、第1の電気リード340a及び第2の電気リード340bはそれぞれ、コンタクトコア334の対応する雄部材と係合するように構成された雌開口部を規定している。一旦係合すると、ヒータ336の第1の端部及び第2の端部は、それぞれ第1の電気リード340a及び第2の電気リード340bに固定されてもよい(例えば、溶接、はんだ付け、ろう付け)。その後、コンタクトコア334は、モジュール筐体354の対応するソケット内に(例えば、干渉嵌合を介して)装着されてもよい。コネクタモジュール320の組み立てが完了すると、第1の電気リード340aは、ヒータ336の第1の端部を第1の電力コンタクト324aと電気的に接続し、一方、第2の電気リード340bは、ヒータ336の第2の端部を第2の電力コンタクト324bと電気的に接続することになる。ヒータおよび関連構造は、2017年10月11日に出願された「Folded Heater For Non-nicotine electronic vaping device」と題する米国出願第15/729,909号(Atty. Dkt. No. 24000-000371-US)でより詳細に説明されており、その内容全体は参照により本書に組み込まれるものとする。
【0146】
図24は、
図17の非ニコチンポッドアセンブリの第1の筐体部を含む分解斜視図である。
図24を参照すると、第1の筐体部302は、蒸気チャネル316を含む。蒸気チャネル316は、ヒータ336によって生成された非ニコチン蒸気を受け取るように構成され、ポッド出口304と流体連通している。例示的な実施形態では、蒸気チャネル316は、ポッド出口304に向かって延びるにつれてサイズ(例えば、直径)が徐々に大きくなってもよい。さらに、蒸気チャネル316は、第1の筐体部302と一体的に形成されてもよい。ラップ318、インサート342、およびシール344が、第1の筐体部302の上流端に配置され、非ニコチンポッドアセンブリ300の非ニコチンリザーバを規定する。例えば、ラップ318は、第1の筐体部302のリム上に配置されてもよい。インサート342は、インサート342の周面と第1の筐体部302の内面との界面が液密(例えば、液密及び/又は気密)であるように、リムに沿って(例えば、干渉嵌合を介して)第1の筐体部302の内面と係合するように第1の筐体部302内に着座していてもよい。さらに、シール344は、非ニコチンリザーバ内の非ニコチンプレベイパー製剤の流体密(例えば、液密及び/又は気密)封じ込めを行うように、インサート342の上流側に取り付けられて、インサート342内の非ニコチンリザーバの流出口を閉鎖している。
【0147】
例示的な実施形態では、インサート342は、(
図24に示すように)上流側から突出するホルダ部分と、(
図24では見えないように)下流側から突出するコネクタ部分とを含んでいる。インサート342のホルダ部分は、吸収性材料346を保持するように構成され、インサート342のコネクタ部分は、第1の筐体部302の蒸気チャネル316と係合するように構成される。インサート342のコネクタ部分は、蒸気チャネル316内に着座するように構成されてもよく、したがって、蒸気チャネル316の内部と係合するように構成されてもよい。あるいは、インサート342のコネクタ部分は、蒸気チャネル316を受け、したがって、蒸気チャネル316の外部と係合するように構成されてもよい。インサート342はまた、非ニコチンポッドアセンブリ300の作動中にシール344が(
図24に示すように)穿刺されると、非ニコチンのプレベイパー製剤が流れる非ニコチンリザーバ出口を規定する。インサート342のホルダ部分及びコネクタ部分は、例示的な実施形態はこれに限定されないが、非ニコチンリザーバ出口(例えば、第1及び第2の非ニコチンリザーバ出口)の間であってもよい。さらに、インサート342は、ホルダ部分及びコネクタ部分を通って延びる蒸気導管を規定する。その結果、インサート342が第1の筐体部302内に着座すると、インサート342の蒸気導管は、ベイプ中にヒータ336によって生成された非ニコチン蒸気のために非ニコチンリザーバを通ってポッド出口304に至る連続経路を形成するように蒸気チャネル316と整合し、これと流体的に連通することになる。
【0148】
シール344は、インサート342内の非ニコチンリザーバ出口を覆うように、インサート342の上流側に取り付けられる。例示的な実施形態では、シール344は、シール344がインサート342に取り付けられたときに、(インサート342の上流側から突出する)ホルダ部分を収容するための適切なクリアランスを提供するように構成された開口(例えば、中央開口)を規定する。
図24において、シール344は、穿刺された状態で示されていることを理解されたい。特に、非ニコチンポッドアセンブリ300の第1のアクティベーションピン314aおよび第2のアクティベーションピン314bによって穿刺されると、シール344の2つの穿刺部分がフラップとして(
図24に示すように)非ニコチンリザーバに押し込まれ、したがって、シール344に2つの穿刺開口(例えば、中央開口の各側に1つ)を形成することになる。シール344における穿孔された開口部のサイズ及び形状は、インサート342における非ニコチンリザーバの出口のサイズ及び形状に対応し得る。これに対して、穿刺されていない状態のとき、シール344は、平面的な形態を有し、1つの開口部(例えば、中央開口部)だけを有することになる。シール344は、早期に/不用意に破られることを避けるように、非ニコチンポッドアセンブリ300の通常の動き及び/又は取り扱いの間、そのままの状態を維持するのに十分に強いように設計されている。例えば、シール344は、コーティングされた箔(例えば、アルミニウムで裏打ちされたトリタン)であってもよい。
【0149】
図25は、
図17の非ニコチンポッドアセンブリの第2の筐体部を含む部分分解斜視図である。
図25を参照すると、第2の筐体部308は、非ニコチンプレベイパー製剤を放出し、受け取り、加熱するように構成された様々な要素を含むように構造化されている。例えば、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bは、第1の筐体部302内の非ニコチンリザーバを穿刺して非ニコチンプレベイパー製剤を放出するように構成されている。第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bの各々は、第2の筐体部308の対応する開口部を通って延びる遠位端部を有する。例示的な実施形態では、第1のアクティベーションピン314aおよび第2のアクティベーションピン314bの遠位端は組み立て後に見えるが(例えば、
図17)、第1のアクティベーションピン314aおよび第2のアクティベーションピン314bの残りの部分は非ニコチンポッドアセンブリ300内で視界から隠されている。さらに、第1のアクティベーションピン314aおよび第2のアクティベーションピン314bの各々は、非ニコチンポッドアセンブリ300のアクティベートの前にシール344に隣接し、かつその上流にあるように配置された近位端部を有する。第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bが第2の筐体部308に押し込まれて非ニコチンポッドアセンブリ300をアクティベートすると、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bの各々の近位端は、インサート342を通って進み、その結果、シール344に穴を開け、非ニコチンプレベイパー製剤を非ニコチンリザーバから放出させるであろう。第1のアクティベーションピン314aの動きは、第2のアクティベーションピン314bの動きと独立していてもよい(逆もまた然りである)。第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bは、本明細書でより詳細に説明される。
【0150】
吸収性材料346は、インサート342のホルダ部分(
図24に示すように、インサート342の上流側から突出している)と係合するように構成されている。吸収性材料346は、例示的な実施形態はこれに限定されないが、環状の形態を有していてもよい。
図25に描かれるように、吸収性材料346は、中空の円筒に類似していてもよい。そのような例では、吸収性材料346の外径は、ウィック338の長さに実質的に等しく(又はわずかに大きく)なってもよい。吸収性材料346の内径は、干渉嵌合をもたらすように、インサート342のホルダ部分の平均外径より小さくてもよい。吸収性材料346との係合を容易にするために、インサート342のホルダ部分の先端は、テーパ状であってもよい。さらに、
図25では見えないが、第2の筐体部308の下流側は、吸収性材料346を受け取り、支持するように構成された凹部を規定してもよい。そのような凹みの例は、キャビティ310と流体連通し、かつキャビティ310の下流側にある円形チャンバであってもよい。吸収性材料346は、非ニコチンポッドアセンブリ300が起動されたときに非ニコチンリザーバから放出される非ニコチンプレベイパー製剤の量を受け取り、保持するように構成される。
【0151】
ウィック338は、非ニコチンプレベイパー製剤が毛細管現象によって吸収性材料346からヒータ336に引き込まれ得るように、吸収性材料346と流体連通しているように非ニコチンポッドアセンブリ300内に配置される。ウィック338は、吸収性材料346の上流側(例えば、
図25に示す図に基づく吸収性材料346の底部)に物理的に接触してもよい。さらに、ウィック338は、例示的な実施形態はこれに限定されないが、吸収性材料346の直径と整列していてもよい。
【0152】
図25に示されるように(以前の
図23と同様に)、ヒータ336は、ウィック338の対向する表面を掴んで熱接触を確立するように、折り畳まれた構成を有していてもよい。ヒータ336は、ベイプ中にウィック338を加熱して蒸気を発生させるように構成される。このような加熱を促進するために、ヒータ336の第1の端部は、第1の電気リード340aを介して第1のパワーコンタクト324aに電気的に接続されてもよく、一方、ヒータ336の第2の端部は、第2の電気リード340bを介して第2のパワーコンタクト324bに電気的に接続されてもよい。その結果、装置本体100内の電源(例えば、電池)から電流が供給され、第1のパワーコンタクト324aおよび第1の電気リード340aを介して(または第2のパワーコンタクト324bおよび第2の電気リード340bを介して)ヒータ336に伝達されてもよい。なお、第1の電気リード340aおよび第2の電気リード340b(
図23では別々に示されている)は、(
図25に示すように)コンタクトコア334に係合されてもよい。第2の筐体部308のキャビティ310内に着座するように構成されたコネクタモジュール320の他の態様の関連する詳細については、上述(例えば、
図21~22に関連して)しており、簡潔さの観点から、このセクションでは繰り返さないことにする。ベイプ中、ヒータ336によって生成された非ニコチン蒸気は、インサート342の蒸気導管を通って、第1の筐体部302の蒸気チャネル316を通り、非ニコチンポッドアセンブリ300のポッド出口304から出て、マウスピース102の蒸気通路136を通って蒸気出口(複数)に引き出される。
【0153】
図26は、
図25のアクティベーションピンの分解斜視図である。
図26を参照すると、アクティベーションピンは、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bの形態であってよい。2つのアクティベーションピンが本明細書の非限定的な実施形態に関連して示され議論されているが、代替的に、非ニコチンポッドアセンブリ300は1つのアクティベーションピンのみを含んでもよいことが理解されるべきである。
図26において、第1のアクティベーションピン314aは、第1のブレード348a、第1のアクチュエータ350a、及び第1のOリング352aを含んでもよい。同様に、第2のアクティベーションピン314bは、第2のブレード348b、第2のアクチュエータ350b、及び第2のOリング352bを含んでもよい。
【0154】
例示的な実施形態において、第1のブレード348a及び第2のブレード348bは、それぞれ、第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bの上部部分(例えば、近位部分)に取り付け又は取り付けられるように構成される。取り付け又は取付けは、スナップフィット接続、干渉フィット(例えば、摩擦フィット)接続、接着剤、又は他の適切な結合技術を介して達成されてもよい。第1のブレード348a及び第2のブレード348bの各々の上部は、尖った先端に向かって上方にテーパする1つ又は複数の曲線状又は凹状のエッジを有していてもよい。例えば、第1のブレード348a及び第2のブレード348bの各々は、その間に凹状のエッジを有する2つの尖った先端と、各尖った先端に隣接する湾曲したエッジを有していてもよい。凹状のエッジと湾曲したエッジの曲率半径は同じであってもよいが、それらの円弧の長さは異なっていてもよい。第1のブレード348a及び第2のブレード348bは、所望のプロファイルを有するように切断されるか又は他の方法で成形され、その最終形態に曲げられるシートメタル(例えば、ステンレス鋼)で形成されてもよい。別の実施例では、第1のブレード348a及び第2のブレード348bは、プラスチックで形成されてもよい。
【0155】
平面図に基づいて、第1のブレード348a、第2のブレード348b、並びにそれらが取り付けられる第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bの部分のサイズ及び形状は、インサート342内の非ニコチンリザーバアウトレットのサイズ及び形状に対応してもよい。さらに、
図26に示すように、第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bは、第1のブレード348a及び第2のブレード348bが非ニコチンリザーバの中に進むと、シール344の2つの穿刺部分を非ニコチンリザーバの中に押すように構成された突起縁(例えば、互いに向き合う曲がった内側唇)を含んでもよい。非限定的な実施形態において、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bが非ニコチンポッドアセンブリ300に完全に挿入されるとき、(
図24に示されるように、シール344の2つの穿刺部分からの)2つのフラップは、インサート342の非ニコチンリザーバの出口の湾曲した側壁と、第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bの突起縁の対応する湾曲との間に存在しうる。その結果、シール344の2つの穿刺された開口部が(2つの穿刺された部分からの2つのフラップによって)閉塞される可能性が低減または防止され得る。さらに、第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bは、非ニコチンリザーバから吸収性材料346に向かって非ニコチンプレベイパー製剤を案内するように構成されてもよい。
【0156】
第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bの各々の下部(例えば、遠位部分)は、第2の筐体部308の底部(例えば、上流端)を通って延びるように構成される。この第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bの各々の棒状部分は、シャフトと呼ばれることもある。第1のOリング352a及び第2のOリング352bは、第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bのそれぞれのシャフトに設けられた環状の溝に着座していてもよい。第1のOリング352a及び第2のOリング352bは、流体密シールを提供するために、第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bのシャフト、並びに第2の筐体部308の対応する開口部の内面に係合するように構成される。その結果、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bが内側に押されて非ニコチンポッドアセンブリ300をアクティベートするとき、第1のOリング352a及び第2のOリング352bは、それぞれのシールを維持しながら第2の筐体部308の対応する開口部内で第1のアクチュエータ350a及び第2のアクチュエータ350bのそれぞれのシャフトと共に移動しうる。それによって、第1のアクティベーションピン314a及び第2のアクティベーションピン314bによる第2の筐体部308内の開口部を通る非ニコチンプレベイパー製剤の漏れを低減又は防止するのを助ける。第1のOリング352a及び第2のOリング352bは、シリコーンで形成されてもよい。
【0157】
図27は、ウィック、ヒータ、電気リード、およびコンタクトコアを除いた
図22のコネクタモジュールの透視図である。
図28は、
図27のコネクタモジュールの分解斜視図である。
図27~28を参照すると、モジュール筐体354及びフェースプレート366は、概して、コネクタモジュール320の外部骨組みを形成している。モジュール筐体354は、第1のモジュール入口330と、溝付きエッジ356とを規定する。モジュール筐体354の溝付きエッジ356は、第2のモジュール入口332(これは、バイパス構造358によって規定される)を露出させる。しかしながら、溝付きエッジ356はまた、(例えば、フェースプレート366と組み合わせて)モジュール入口を規定しているとみなすことができることを理解されたい。フェースプレート366は、第2の筐体部308のキャビティ310の対応する側面と共に、ポッド入口322を規定する溝付きエッジ328を有する。さらに、フェースプレート366は、第1のコンタクト開口部、第2のコンタクト開口部、および第3のコンタクト開口部を規定する。第1のコンタクト開口部及び第2のコンタクト開口部は、正方形状であって、それぞれ第1のパワーコンタクト324a及び第2のパワーコンタクト324bを露出するように構成されてもよく、第3のコンタクト開口部は、長方形状であって、複数のデータコンタクト326を露出するように構成されるが、例示的実施形態はこれらに限定されるものではない。
【0158】
第1のパワーコンタクト324a、第2のパワーコンタクト324b、プリント回路基板(PCB)362、及びバイパス構造358は、モジュール筐体354及びフェースプレート366によって形成される外枠内に配置される。プリント回路基板(PCB)362は、その上流側(
図28では隠れている)に複数のデータコンタクト326を含み、その下流側にセンサ364を含む。バイパス構造358は、第2のモジュール入口332及びバイパス出口360を規定する。
【0159】
組立中、第1のパワーコンタクト324a及び第2のパワーコンタクト324bは、フェースプレート366の第1のコンタクト開口部及び第2のコンタクト開口部を通してそれぞれ見えるように位置決めされる。さらに、プリント回路基板(PCB)362は、その上流側の複数のデータコンタクト326がフェースプレート366の第3のコンタクト開口部を通して見えるように位置決めされる。プリント回路基板(PCB)362は、第1のパワーコンタクト324a及び第2のパワーコンタクト324bの後面に重なってもよい。バイパス構造358は、センサ364が第2のモジュール入口332及びバイパス出口360によって規定される空気流路内にあるように、プリント回路基板(PCB)362上に配置される。組み立てられたとき、バイパス構造358及びプリント回路基板(PCB)362は、第1のパワーコンタクト324a及び第2のパワーコンタクト324bの蛇行構造によって少なくとも4つの側面で囲まれていると見なすことができる。例示的な実施形態において、第1のパワーコンタクト324a及び第2のパワーコンタクト324bの分岐した端部は、第1の電気リード340a及び第2の電気リード340bに電気的に接続するように構成される。
【0160】
ベイプ中に流入空気がポッド入口322によって受け取られるとき、第1のモジュール入口330は流入空気の一次流れ(例えば、より大きな流れ)を受け取ってよく、一方、第2のモジュール入口332は流入空気の二次流れ(例えば、より小さな流れ)を受け取ってよい。入ってくる空気の二次的な流れは、センサ364の感度を向上させることができる。バイパス出口360を通ってバイパス構造358を出た後、二次流れは一次流れと再結合して、ヒータ336及びウィック338に遭遇するようにコンタクトコア334に引き込まれ、それを通る結合された流れを形成する。非限定的な実施形態において、一次流れは、流入する空気の60~95%(例えば、80~90%)であってもよく、一方、二次流れは、流入する空気の5~40%(例えば、10~20%)であってもよい。
【0161】
第1のモジュール入口330は、ドロー抵抗(RTD;resistance-to-draw)ポートであってもよく、第2のモジュール入口332は、バイパスポートであってもよい。このような構成では、非ニコチン電子ベイピング装置500のドロー抵抗は、(ポッド入口322のサイズを変更するのではなく)第1のモジュール入口330のサイズを変更することによって調整されてもよい。例示的な実施形態では、第1のモジュール入口330のサイズは、ドロー抵抗が25~100mmH2Oの間(例えば、30~50mmH2Oの間)にあるように選択されてもよい。例えば、第1のモジュール入口330の直径が1.0mmであれば、88.3mmH2Oのドロー抵抗をもたらすことができる。別の例では、第1のモジュール入口330について1.1mmの直径は、73.6mmH2Oのドロー抵抗をもたらす可能性がある。別の例では、第1のモジュール入口330に対する1.2mmの直径は、58.7mmH2Oのドロー抵抗をもたらす可能性がある。さらに別の例では、第1のモジュール入口330について1.3mmの直径は、43.8mmH2Oのドロー抵抗をもたらす可能性がある。注目すべきは、第1のモジュール入口330のサイズは、その内部配置のために、非ニコチンポッドアセンブリ300の外部美観に影響を与えることなく調整され得、それによって、様々なRTD(resistance-to-draw)を有するポッドアセンブリに対してより標準的な製品設計が可能になると同時に、流入空気の不注意による遮断の可能性を低減することである。
【0162】
図29は、1つ以上の例示的な実施形態による非ニコチン電子ベイピング装置の装置本体および非ニコチンポッドアセンブリの電気システムを示す図である。
【0163】
図29を参照すると、電気システムは、装置本体電気システム2100及び非ニコチンポッドアセンブリ電気システム2200を含む。装置本体電気システム2100は、装置本体100に含まれてもよく、非ニコチンポッドアセンブリ電気システム2200は、
図1~28に関して上述した非ニコチン電子ベイピング装置500の非ニコチンポッドアセンブリ300に含まれてもよい。
【0164】
図29に示す例示的な実施形態では、非ニコチンポッドアセンブリ電気システム2200は、ヒータ336、1つまたは複数のポッドセンサ2220、および不揮発性メモリ(NVM)2205を含む。NVM2205は、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)集積回路(IC)であってもよい。1つ以上のポッドセンサ2220は、温度感知トランスデューサを含んでもよい。
【0165】
非ニコチンポッドアセンブリ電気システム2200は、装置本体100と非ニコチンポッドアセンブリ300との間で電力及び/又はデータを転送するための本体電気/データインターフェース(図示せず)をさらに含んでもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、例えば
図17に示される電気コンタクト324a、324b及び326は、本体電気/データインターフェースとして機能してもよい。
【0166】
装置本体電気システム2100は、コントローラ2105、電源2110、装置センサまたは測定回路2125、加熱エンジン制御回路(加熱エンジン停止回路とも呼ばれる)2127、ベイパーインジケータ2135、オンプロダクトコントロール2150(例えば、
図1に示すボタン118及び120)、メモリ2130、及びクロック回路2128を含んでいる。装置本体電気システム2100は、装置本体100と非ニコチンポッドアセンブリ300との間で電力及び/又はデータを転送するためのポッド電気/データインターフェース(図示せず)をさらに含んでもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、例えば
図12に示される装置電気コネクタ132は、ポッド電気/データインターフェースとして機能してもよい。
【0167】
電源2110は、非ニコチン電子ベイピング装置500の装置本体100及び非ニコチンポッドアセンブリ300に電力を供給するための内部電源であってよい。電源2110からの電力の供給は、電力制御回路(図示せず)を介してコントローラ2105によって制御されてもよい。電力制御回路は、電源2110からの電力出力を調整するための1つ又は複数のスイッチ又はトランジスタを含んでもよい。電源2110は、リチウムイオン電池又はその変種(例えば、リチウムイオンポリマー電池)であってもよい。
【0168】
コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500の全体的な動作を制御するように構成されてもよい。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、コントローラ2105は、論理回路を含むハードウェアなどの処理回路;ソフトウェアを実行するプロセッサなどのハードウェア/ソフトウェアの組み合わせ;またはそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、処理回路は、より具体的には、中央処理装置(CPU)、算術論理装置(ALU)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコンピュータ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、プログラマブル論理ユニット、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0169】
図29に示す例示的な実施形態では、コントローラ2105は、汎用入力/出力(GPIO)、集積回路(I
2C)インターフェース、シリアル周辺インターフェースバス(SPI)インターフェースなどの入力/出力(I/O)インターフェース、マルチチャンネル・アナログ/デジタル変換器(ADC)、およびクロック入力端子を含むマイクロコントローラとして図示される。しかし、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではない。少なくとも1つの例示的な実施形態において、コントローラ2105は、マイクロプロセッサであってもよい。
【0170】
コントローラ2105は、装置センサ2125、加熱エンジン制御回路2127、ベイパーインジケータ2135、メモリ2130、オンプロダクトコントロール2150、クロック回路2128および電源2110に通信可能に結合される。
【0171】
加熱エンジン制御回路2127は、GPIOピンを介してコントローラ2105に接続されている。メモリ2130は、SPIピンを介してコントローラ2105に接続されている。クロック回路2128は、コントローラ2105のクロック入力端子に接続されている。ベイパーインジケータ2135は、I2CインターフェースピンおよびGPIOピンを介してコントローラ2105に接続されている。装置センサ2125は、マルチチャネルADCのそれぞれのピンを介してコントローラ2105に接続される。
【0172】
クロック回路2128は、コントローラ2105が非ニコチン電子ベイピング装置500のアイドル時間、ベイプ長、アイドル時間とベイプ長の組み合わせなどを追跡できるようにするための、発振回路などのタイミング機構であってよい。クロック回路2128はまた、非ニコチン電子ベイピング装置500のシステムクロックを生成するように構成された専用の外部クロッククリスタルを含んでもよい。
【0173】
メモリ2130は、1つ以上のシャットダウンログを格納するように構成された不揮発性メモリであってよい。一例では、メモリ2130は、1つ以上のシャットダウンログを1つ以上のテーブルに格納してもよい。メモリ2130及びそこに記憶される1つ又は複数のシャットダウンログについては、後でより詳細に説明する。一例では、メモリ2130は、フラッシュメモリなどの電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)であってよい。
【0174】
依然として
図29を参照すると、装置センサ2125は、センサまたは測定情報を示す信号をコントローラ2105に提供するように構成された複数のセンサまたは測定回路を含んでもよい。
図29に示される例では、装置センサ2125は、ヒータ電流測定回路21258、ヒータ電圧測定回路21252、およびポッド温度測定回路21250を含む。
【0175】
ヒータ電流測定回路21258は、ヒータ336を通る電流を示す(例えば、電圧)信号を出力するように構成されてもよい。ヒータ電流測定回路21258の例示的な実施形態は、
図35に関してより詳細に後述される。
【0176】
ヒータ電圧測定回路21252は、ヒータ336を横切る電圧を示す(例えば、電圧)信号を出力するように構成されてもよい。ヒータ電圧測定回路21252の例示的な実施形態は、
図34に関してより詳細に後述される。
【0177】
ポッド温度測定回路21250は、非ニコチンポッドアセンブリ300の1つ以上の要素の抵抗および/または温度を示す信号を出力する(例えば、電圧)ように構成されてもよい。ポッド温度測定回路21250の例示的な実施形態は、
図36および
図37に関してより詳細に後述される。
【0178】
上述したように、ポッド温度測定回路21250、ヒータ電流測定回路21258及びヒータ電圧測定回路21252は、マルチチャネルADCのピンを介してコントローラ2105に接続される。非ニコチン電子ベイピング装置500の特性及び/又はパラメータ(例えば、ヒータ336の電圧、電流、抵抗、温度等)を測定するために、コントローラ2105のマルチチャネルADCは、それぞれの装置センサによって測定される所定の特性及び/又はパラメータに適したサンプリングレートで装置センサ2125からの出力信号をサンプリングしてもよい。
【0179】
図29には示されていないが、ポッドセンサ2220は、
図28に示されたセンサ364も含んでもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、センサ364は、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)流量または圧力センサ、または熱線風速計などの空気の流れを測定するように構成された別のタイプのセンサであってもよい。
【0180】
加熱エンジン制御回路2127は、GPIOピンを介してコントローラ2105に接続されている。加熱エンジン制御回路2127は、ヒータ336への電力を制御することによって、非ニコチン電子ベイピング装置500の加熱エンジンを制御(有効化及び/又は無効化)するように構成される。より詳細に後述するように、加熱エンジン制御回路2127は、コントローラ2105からの制御信号(本明細書ではデバイスパワー状態信号と呼ばれることもある)に基づいて加熱エンジンを無効化することができる。
【0181】
非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100に挿入されると、コントローラ2105はまた、I2Cインターフェースを介して少なくともNVM2205およびポッドセンサ2220に通信可能に結合される。一例では、コントローラ2105は、NVM2205から非ニコチンポッドアセンブリ電気システム2200の動作パラメータを取得してもよい。
【0182】
コントローラ2105は、ベイパーインジケータ2135を制御して、アダルトベイパーに非ニコチン電子ベイピング装置500のステータス及び/又は動作を示してもよい。ベイパーインジケータ2135は、ライトガイド(例えば、
図1に示すライトガイド配置)を介して少なくとも部分的に実装されてもよく、コントローラ2105がアダルトベイパーによって押されたボタンを感知したときに作動してもよいパワーインジケータ(例えば、LED)を含んでもよい。ベイパーインジケータ2135はまた、バイブレータ、スピーカー、または他のフィードバック機構を含んでもよく、アダルトベイパーが制御するベイピングパラメータの現在の状態(例えば、非ニコチン蒸気量)を示してもよい。
【0183】
依然として
図29を参照すると、コントローラ2105は、加熱プロファイル(例えば、体積、温度、風味などに基づく加熱)に従って非ニコチンプレベイパー製剤を加熱するためにヒータ336への電力を制御してもよい。加熱プロファイルは、経験的データに基づいて決定されてもよく、非ニコチンポッドアセンブリ300のNVM2205に格納されてもよい。
【0184】
図30は、例示的な実施形態によるドライパフ及び自動シャットダウン制御システム2300を示す単純なブロック図である。簡潔さのために、ドライパフ及び自動シャットダウン制御システム2300は、本明細書において、自動シャットダウン制御システム2300と呼ばれることがある。
【0185】
図30に示される自動シャットダウン制御システム2300は、コントローラ2105で実装されてもよい。一例では、自動シャットダウン制御システム2300は、コントローラ2105で実行されるデバイスマネージャ有限状態マシン(FSM)ソフトウェア実装の一部として実装されてもよい。
図30に示す例では、自動シャットダウン制御システム2300は、乾燥検出モジュール2610を含む。しかしながら、自動シャットダウン制御システム2300は、他の様々なサブシステムモジュールを含んでもよいことが理解されるべきである。
【0186】
図30を参照すると、自動シャットダウン制御システム2300、より一般的にはコントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500におけるドライパフ条件を識別し、コントローラ2105に非ニコチン電子ベイピング装置500の一つ以上のサブシステムを制御させて、ドライパフ条件の識別に応答して一つ以上の結果的行動を実行させてもよい。ドライパフ条件は、時にドライパフフォルト又はドライパフフォルト条件と呼ばれることがある。ドライパフ条件の識別は、非ニコチンポッドアセンブリ300の閾値パラメータ、1つ以上のポッドセンサ2220からのポッドセンサ情報、装置本体電気システム2100の1つ以上のセンサ2125からのセンサ情報、それらの任意の組み合わせなどの情報および/または入力に基づいてもよい。ドライパフ状態は、非ニコチン電子ベイピング装置500におけるハードポッド障害事象の一例である。ハードポッド障害事象は、非ニコチン電子ベイピング装置500でベイプ機能を再有効化するために是正措置(例えば、非ニコチンポッドアセンブリの交換)を必要とする可能性があるイベントである。
【0187】
コントローラ2105は、後でより詳細に説明するように、1つまたは複数の制御信号を出力する(またはそれぞれの信号をアサートまたはデアサートする)ことによって1つまたは複数のサブシステムを制御することができる。場合によっては、コントローラ2105から出力される制御信号は、装置電力状態信号、装置電力状態命令、または装置電力制御信号と呼ばれることがある。少なくとも1つの例示的な実施形態では、コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500におけるドライパフ状態を検出することに応答して、非ニコチン電子ベイピング装置500におけるベイピング機能をシャットダウンするために加熱エンジン制御回路2127に1または複数の制御信号を出力してよい。
【0188】
1つ以上の例示的な実施形態によれば、非ニコチン電子ベイピング装置500における結果的なアクションの種類は、ドライパフ条件及び/又は非ニコチン電子ベイピング装置500の現在の動作に基づくことができる。複数の結果的アクションは、ドライパフ条件などの障害事象に応答して、連続的に実行されてもよい。一例では、結果的な動作は、以下を含むことができる。
(i) 非ニコチン電子ベイピング装置500が低電力状態に切り替わるオートオフ動作(例えば、電源ボタンを使用して非ニコチン電子ベイピング装置をオフにすることと同等である)。
(ii) ヒータオフ操作で、ヒータ336への電力が遮断または無効化し、現在のパフを終了させるが、それ以外はベイプの準備が整ったままとすること;または
(iii) ベイプサブシステムを(例えば、ヒータ336への全ての電力を無効にすることによって)無効とし、それによって、是正措置(例えば、非ニコチンポッドアセンブリを交換する)が取られるまでベイプを防止する、ベイプオフ動作。
【0189】
上述のように、自動シャットダウン制御システム2300は、乾燥検出サブシステム2610(乾燥度検出サブシステムモジュール、回路又は回路とも称される)を含む。乾燥検出サブシステム2610を通じて、コントローラ2105は、ウィック338の湿潤度(又は乾燥度)を監視して、非ニコチン電子ベイピング装置500におけるドライパフ条件の存在を検出する。上述のように、ドライパフ状態が検出されると、コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500の1つ以上のサブシステムまたは要素をシャットダウンまたは無効化することができる。
【0190】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、コントローラ2105は、ベイプ中の時間の経過に伴うヒータ336の抵抗の変化率に基づいて、ウィック338の湿潤性を監視する。少なくとも1つの例示的な実施形態では、コントローラ2105は、ポッド温度測定回路21250からヒータ336の抵抗値を示す1つ以上の信号を受信してもよい。
【0191】
別の例示的な実施形態では、コントローラ2105は、ヒータ電流測定回路21258及び/又はヒータ電圧測定回路21252からの信号に基づいて、ヒータ336の抵抗を計算してもよい。
【0192】
1つ以上の例示的な実施形態によれば、時間窓にわたるヒータ336の抵抗値の変化率が抵抗値の変化率閾値を超える場合、コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500においてドライパフ状態が存在する(例えば、ウィック338が乾燥している)と決定する。コントローラ2105は、非ニコチンポッドアセンブリ電気システム2200内のNVM2205から抵抗閾値の変化率値を取得してもよい。抵抗値の変化率閾値は、経験的データ、非ニコチンプレベイパー製剤、ヒータ336の構造、それらのサブコンビネーション、それらの組み合わせなどに基づいて、非ニコチンポッドアセンブリ300の製造業者によって設定されてもよい。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、抵抗値の変化率閾値は、約0.1%と25.5%の間(約0.1%刻み)であってよい。一例では、抵抗値の変化率は、316Lグレードのステンレス鋼から構築されたヒータの場合、約2.0%であってよい。
【0193】
一例では、ヒータ336の標準温度プロファイルを維持するのに十分な流量で非ニコチンプレベイパー製剤がウィック338に供給されていないため、ドライパフ状態が存在する可能性がある。したがって、抵抗の変化率は、ウィック338への非ニコチンプレベイパー製剤の流量を示すことができ、乾燥検出サブシステム2610は、ウィック338への非ニコチンプレベイパー製剤の流速に基づいてドライパフ状態が存在するかどうかを決定するように構成されていると特徴付けることができる。さらに、ドライパフ状態は、非ニコチンポッドアセンブリ300内の非ニコチンプレベイパー製剤の枯渇に起因する場合がある。したがって、ドライパフ状態の検出は、枯渇したおよび/または空の非ニコチンポッドアセンブリを示すこともある。
【0194】
コントローラ2105は、判定がベイプ中の直近のタイムスライスにわたって行われるように、ヒータ336の抵抗のN個のサンプルのスライド式測定ウィンドウを利用してもよい。これは、コントローラ2105が、アダルトベイパーによる比較的長い負圧の適用に対応することを可能にする一方で、負圧が適用されている間にヒータ336の抵抗が比較的急速に変化し始めるドライパフ状態のより迅速な検出を提供することも可能である。
【0195】
ドライパフ状態を検出することに応答して、コントローラ2105は、加熱エンジン制御回路2127を制御して、ヒータ336への電力を遮断し(ヒータオフ)、及び/又は非ニコチン電子ベイピング装置500でのベイプを無効にする(ベイプオフ)ことができる。
【0196】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、約100サンプル(N=100)を記憶する先入れ先出し(FIFO)メモリは、ヒータ336の抵抗が1ms「ティック」で定期的に更新(例えば、再計算)される約100ミリ秒(ms)のスライド式測定ウィンドウを設定するために使用されてもよい。FIFOメモリは、コントローラ2105に内蔵されてもよいし、
図29に示されるメモリ2130に含まれてもよい。
【0197】
少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、スライディングウィンドウは、ヒータ336の抵抗測定が比較的安定するまで開始しないことがあり、さもなければ、FIFOに挿入されたスプリアス値がプロセスの後半で偽陽性を引き起こす可能性がある。抵抗測定は、予想される測定誤差が抵抗の変化率閾値より小さい動作状態に到達したとき、比較的安定しているとみなされる。一例では、ヒータ336を流れる電流が「濡れ」電流閾値(例えば、約100ミリアンペア(mA))を超えると、ヒータ336の抵抗値は比較的安定になり得る。コントローラ2105は、ヒータ電流測定回路21258からの信号に基づいてヒータ336を通る電流を監視することによって、「濡れ」電流閾値が達成されたことを決定してもよい。
【0198】
図31は、例示的な実施形態による乾燥検出方法を示すフローチャートである。例示の目的のために、
図31に示されるフローチャートは、
図29に示される電気システムに関して説明される。しかしながら、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではないことが理解されるべきである。むしろ、例示的な実施形態は、他の非ニコチン電子ベイピング装置及びその電気システムに適用可能である。さらに、
図31に示される例示的な実施形態は、コントローラ2105によって実行される動作に関して説明される。しかしながら、例示的な実施形態は、自動シャットダウン制御システム2300及び/又は乾燥検出サブシステム2610が
図31に示す機能/動作の1つ以上を実行することに関して同様に説明され得ることを理解されたい。
【0199】
図31を参照すると、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100に挿入され、非ニコチン電子ベイピング装置500がパワーオンされると、ステップS2702で、コントローラ2105は、非ニコチンポッドアセンブリ電気システム2200でNVM2205に格納されている抵抗閾値(抵抗変化率パラメータともいう)Δ%R_THRESHOLDを取得する。
【0200】
ステップS2704において、コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500にベイピング条件が存在するか否かを判断する。少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、コントローラ2105は、センサ364からの出力に基づいて、非ニコチン電子ベイピング装置500にベイピング条件が存在するかどうかを決定することができる。一例では、センサ364からの出力が、非ニコチン電子ベイピング装置500のマウスピース102における閾値を超える負圧の適用を示す場合、コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500にベイピング条件が存在すると決定してよい。
【0201】
ステップS2704でコントローラ2105がベイプ状態を検出した場合、ステップS2705でコントローラ2105は、ベイプのためにヒータ336に電力を印加するように加熱エンジン制御回路2127を制御する。ヒータ336に電力を印加するための加熱エンジン制御回路2127の制御例については、
図38および
図39に関して後で詳しく説明する。
【0202】
ステップS2706において、コントローラ2105は、ヒータ336の抵抗値が安定したかどうかを判断する。上述したように、コントローラ2105は、ヒータ336を通る電流が「濡れ」電流閾値(例えば、約100ミリアンペア(mA))に達すると、ヒータ336の抵抗が安定したと判断してよい。コントローラ2105は、ヒータ電流測定回路21258からの出力信号に基づいて、ヒータ336を通る電流が「濡れ」電流閾値に到達したと判断してもよい。
【0203】
ステップS2706でヒータ336の抵抗値が安定したと判断した場合、コントローラ2105は、ヒータ336の抵抗値測定値を1ms間隔(1ms「tick」)でFIFOメモリに格納し始める。
【0204】
ステップS2710において、コントローラ2105は、FIFOメモリが満杯であるか(例えば、閾値数のサンプルが収集されたか)否かを判断する。一例では、FIFOメモリは、ヒータ336の抵抗の約100サンプルが格納されたとき(例えば、ステップS2706でヒータ336の抵抗が安定したと判定された約100ms後)、満杯であってもよい。
【0205】
コントローラ2105は、FIFOメモリが満杯であると判断した場合、ステップS2712において、FIFOメモリに格納された最初の抵抗値Rt_0(t0における)と最後の(最新の)抵抗値Rt_N-1(tN-1における)との間の抵抗値の変化率Δ%Rを計算する。
【0206】
ステップS2714で、コントローラ2105は、算出した抵抗値の変化率Δ%Rと、ステップS2702でNVM2205から取得した抵抗値の変化率閾値Δ%R_THRESHOLDを比較する。
【0207】
計算された抵抗値の変化率Δ%Rが抵抗値の変化率閾値Δ%R_THRESHOLDより大きい場合、ステップS2716で、コントローラ2105は、加熱エンジン制御回路2127を制御して、ヒータ336をシャットダウン(例えば、電源を切断)させる。一例では、コントローラ2105は、加熱エンジン制御回路2127を制御して、ベイプオフ動作を実行してもよい。上述したように、ベイプオフ動作は、ヒータ336への全てのエネルギーを無効にし、それによって、(例えば、アダルトベイパーによって)是正措置が取られるまでベイプを防止することができる。より詳細に後述するように、コントローラ2105は、論理高レベルを有するベイプシャットダウン信号COIL_SHDNを出力することによって(
図38)、及び/又はベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMをデアサートする(又は出力を停止する)ことによって(
図39)、ヒータ336に対するすべてのエネルギーを無効にするように加熱エンジン制御回路2127を制御してもよい。少なくとも1つの実施例では、少なくともベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMは、パルス幅変調(PWM)信号であってよい。例示的な修正動作についても、後でより詳細に説明する。
【0208】
ステップS2714に戻り、算出された抵抗値の変化率Δ%Rが抵抗値の変化率閾値Δ%R_THRESHOLD以下であれば、S2708に戻り、上述したように処理を継続する。
【0209】
ステップS2710に戻り、コントローラ2105が、FIFOメモリがまだ満杯になっていないと判断した場合、処理はステップS2708に戻り、上述したように継続される。
【0210】
ステップS2706に戻り、コントローラ2105が、ヒータ336の抵抗値がまだ安定していないと判断した場合、コントローラ2105は、ヒータ336の抵抗値の監視を継続する。ヒータ336の抵抗値が安定したら、処理はステップS2708に進み、上述したように継続される。
【0211】
ステップS2704に戻り、コントローラ2105が、ベイプ条件がまだ存在しないと判断した場合、コントローラ2105は、ベイプ条件についてセンサ364の出力の監視を継続する。ベイプ条件が検出されると、プロセスは、上述したように継続される。
【0212】
図32は、パフの開始時にドライパフ状態が存在する場合(「ドライパフ(Dry Puff)」)、パフ中にドライパフ状態が発生する場合(「ドライパフ(Drying Puff)」)、およびドライパフ状態が存在しない場合(「標準パフ」)の抵抗対時間のグラフを示す図である。
【0213】
図32に示すように、パフの開始時にドライパフ条件が存在する場合、抵抗は時間と共により急激に増加する。この例では、コントローラ2105は、最初の時間間隔の終わりにおけるヒータ336の抵抗値の変化率Δ%Rが抵抗値の変化率閾値Δ%R_THRESHOLDよりも大きいので、最初のサンプリング間隔(例えば、約100ms)の終わりに非ニコチン電子ベイピング装置500のベイプ機能をシャットダウンしてもよい。
【0214】
パフ中にドライパフ状態が存在し始めると、ヒータ抵抗はより急激に増加し始める(グラフの傾きが大きくなる)。この場合、コントローラ2105は、FIFO内の最も古いヒータ抵抗と最も新しいヒータ抵抗との間のヒータ336の抵抗値の変化率Δ%Rが抵抗値の変化率閾値Δ%R_THRESHOLDを超えると時間tSHUTOFFベでベイプ機能をシャットダウンさせる。
【0215】
ドライパフ条件が存在しない(標準パフ条件が存在する)場合、負圧の印加の停止に応答して、または閾値時間間隔の満了後に、パフは終了し、ヒータ336への電力は切断される。この場合、ベイプオフ動作ではなく、ヒータオフ動作が実行されてもよい。
【0216】
上述したように、ドライパフ状態は、非ニコチン電子ベイピング装置500におけるハードポッド障害事象の一例である。
【0217】
図33は、例示的な実施形態による、ドライパフ条件などのハードポッド障害事象を検出することに応答して、ベイプ機能のシャットダウン(ベイプオフ動作)後の非ニコチン電子ベイピング装置の動作方法の一例を示すフローチャートである。例示的な目的のために、
図33に示される例示的な実施形態は、ドライパフ条件に関して説明される。しかしながら、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではない。
【0218】
また、例示の目的で、
図33に示すフローチャートは、
図29に示す電気システムに関して説明される。しかしながら、例示的な実施形態はこの例に限定されるべきではないことを理解されたい。むしろ、例示的な実施形態は、他の非ニコチン電子ベイピング装置及びその電気システムに適用可能である。さらに、
図33に示される例示的な実施形態は、コントローラ2105によって実行される動作に関して説明される。しかしながら、例示的な実施形態は、自動シャットダウン制御システム2300及び/又は乾燥検出サブシステム2610が
図33に示される機能/動作の1つ以上を実行することに関して同様に説明され得ることを理解されたい。
【0219】
図33を参照すると、ステップS3804で、コントローラ2105は、ドライパフ条件の発生をメモリ2130にログ記録する。一例では、コントローラ2105は、イベント(ドライパフ条件又はドライパフイベント)の識別子を、結果的な動作(例えば、ベープオフ動作)及びイベント及び結果的な動作が発生した時刻と関連付けて記憶してもよい。
【0220】
ステップS3806において、コントローラ2105は、ベイパーインジケータ2135を制御して、ドライパフ状態が検出されたことを示す表示を出力させる。一例では、表示は、アダルトベイパーに対する音、視覚表示及び/又は触覚フィードバックの形態であってよい。例えば、表示は、点滅する赤色LED、遠隔電子デバイス上の接続された「App」に(例えば、Bluetoothを介して)送信されるエラーコードを含むソフトウェアメッセージであってよく、これは、その後、アダルトベイパーに是正措置に関する情報を提供するApp内の通知をトリガすることができ、それらの任意の組み合わせ、又は同様のものであってもよい。
【0221】
ステップS3808において、コントローラ2105は、アダルトベイパーにドライパフ状態を示した後(例えば、それに応答して)、非ニコチンポッドアセンブリ300が除去閾値時間間隔内に(満了前に)装置本体100から除去されたかどうか(是正措置)を判断する。少なくとも1つの例示的な実施形態では、コントローラ2105は、非ニコチンポッドアセンブリの5つのコンタクト326のセットが取り外されたことを確認することによって、非ニコチンポッドアセンブリ300が装置本体100からデジタル的に取り外されたことを決定してもよい。別の例では、コントローラ2105は、非ニコチンポッドアセンブリ300の電気コンタクト324a、324b及び/又は326が装置本体100の装置電気コネクタ132から取り外されたことを感知することによって、非ニコチンポッドアセンブリが装置本体100から取り外されたと決定してもよい。少なくとも1つの例では、コントローラ2105は、非ニコチンポッドアセンブリ300の電気コンタクト324a、324bおよび/または326と装置本体100の装置電気コネクタ132との間の無限抵抗を検出することによって、非ニコチンポッドアセンブリ300の電気コンタクト324a、324bおよび/または326が装置本体100の装置電気コネクタ132から切り離されたことを感知し得る。
【0222】
コントローラ2105が、アダルトベイパーにドライパフ状態を示した後(例えば、それに応答して)、非ニコチンポッドアセンブリ300が取り外し閾値時間間隔内に装置本体100から取り外されたと判断した場合、ステップS3814でコントローラ2105は、通常動作(非障害状態)に戻るように非ニコチン電子ベイピング装置500を制御する。この場合、非ニコチンポッドアセンブリ300が取り外されたので、ヒータ336へのエネルギーは依然として無効であるが、非ニコチン電子ベイピング装置500は、新しい非ニコチンポッドアセンブリが挿入されると、アダルトベイパーによる負圧の適用に応じてベイプする他の準備が整っている。
【0223】
ステップS3812で、コントローラ2105は、ステップS3814で、非ニコチンポッドアセンブリ300を取り外し、非ニコチン電子ベイピング装置500を通常動作に戻した後、挿入閾値時間間隔内に(満了前に)新しい非ニコチンポッドアセンブリが装置本体100に挿入されたかどうかを決定する。少なくとも1つの例では、挿入閾値時間間隔は、約5分と約120分との間の長さを有してよい。挿入閾値時間間隔は、アダルトベイパーによってこの範囲内の長さに設定されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、コントローラ2105は、非ニコチンポッドアセンブリ300の電気コンタクト324a及び324bと装置本体100の装置電気コネクタ132との間のヒータ336の抵抗(例えば、約0.5オームから約5.0オームの間)を感知することによって新しい非ニコチンポッドアセンブリが装置本体100に挿入されたと判断してもよい。さらなる例示的な実施形態では、コントローラ2105は、非ニコチンポッドアセンブリ300の電気コンタクト326と装置本体100の装置電気コネクタ132との間の非ニコチンポッドアセンブリ300に含まれるプルアップ抵抗の存在を感知することによって、新しい非ニコチンポッドアセンブリが装置本体100に挿入されたと判断してもよい。
【0224】
コントローラ2105が、新しい非ニコチンポッドアセンブリが挿入閾値時間間隔内に装置本体100に挿入されたと判断した場合、ステップS3810で、コントローラ2105は、加熱エンジン制御回路2127を制御して、ベイプモジュールを再有効化する(例えば、ヒータ336への電力印加を可能にする)。より詳細に後述するように、コントローラ2105は、論理ローレベルを有するベイプシャットダウン信号COIL_SHDNを出力すること(
図38)および/またはベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWM(
図39)をアサートすることによって、ベイプモジュールを再びイネーブルするよう加熱エンジン制御回路2127を制御してもよい。
【0225】
ステップS3812に戻り、コントローラ2105が、新しい非ニコチンポッドアセンブリが挿入閾値時間間隔内に装置本体100に挿入されていないと判断した場合、ステップS3816で、コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500が電源オフになるか低電力モードになるオートオフ動作を実行するために別の1以上の制御シグナルを出力する。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、通常のソフトウェア自動オフの文脈で、コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500のすべてのまたは実質的にすべての周辺機器をオフにし、コントローラ2105がスリープ状態に入るように、多数または複数のGPIO制御線(信号)を出力してよい。
【0226】
ここでステップS3808に戻ると、非ニコチンポッドアセンブリ300が除去閾値時間間隔内に除去されない場合、プロセスはステップS3816に進み、上述したように継続される。
【0227】
図34は、ヒータ電圧測定回路21252の実施形態例を示す図である。
【0228】
図34を参照すると、ヒータ電圧測定回路21252は、入力電圧信号COIL_OUTを受け取るように構成された端子と接地との間に分圧構成で接続された抵抗3702および抵抗3704を含む。入力電圧信号COIL_OUTは、ヒータ336に入力される電圧(の入力端子の電圧)である。抵抗3702と抵抗3704との間のノードN3716は、オペアンプ(Op-Amp)3708の正入力に結合される。コンデンサ3706は、ノードN3716とグラウンドとの間に接続され、オペアンプ3708の正入力への入力電圧を安定化させるためのローパスフィルタ回路(R/Cフィルタ)を形成している。このフィルタ回路は、ヒータ336への通電に用いられるPWM信号によって誘発されるスイッチングノイズによる不正確さを低減し、電流と電圧の両方に対して同じ位相応答/群遅延を有することもできる。
【0229】
ヒータ電圧測定回路21252は、抵抗3710、3712及びコンデンサ3714をさらに含む。抵抗3712は、ノードN3718と、出力電圧信号COIL_RTNを受信するように構成された端子との間に接続される。出力電圧信号COIL_RTNは、ヒータ336から出力される電圧(の出力端子の電圧)である。
【0230】
抵抗3710とコンデンサ3714は、ノードN3718とオペアンプ3708の出力の間に並列に接続されている。また、ノードN3718には、オペアンプ3708の負入力が接続されている。抵抗3710、3712とコンデンサ3714は、ローパスフィルタ回路構成で接続されている。
【0231】
ヒータ電圧測定回路21252は、オペアンプ3708を利用して、入力電圧信号COIL_OUTと出力電圧信号COIL_RTNとの間の電圧差を測定し、ヒータ336にかかる電圧を表す、スケーリングされたヒータ電圧測定信号COIL_VOLを出力する。ヒータ電圧測定回路21252は、コントローラ2105によるデジタルサンプリングおよび測定のために、スケーリングされたヒータ電圧測定信号COIL_VOLをコントローラ2105のADCピンに出力する。
【0232】
オペアンプ3708のゲインは、電圧測定のダイナミックレンジを改善するために、周囲の受動電気素子(例えば、抵抗およびコンデンサ)に基づいて設定されてもよい。一例では、オペアンプ3708のダイナミックレンジは、最大電圧出力がADCの最大入力範囲(例えば、約1.8V)に一致するように、電圧をスケーリングすることによって達成されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、スケーリングは、1Vあたり約267mVであってよく、したがって、ヒータ電圧測定回路21252は、約1.8V/0.267V=6.74Vまで測定してもよい。
【0233】
図35は、
図29に示したヒータ電流測定回路21258の実施形態例を示す図である。
【0234】
図35を参照すると、出力電圧信号COIL_RTNは、グラウンドに接続された4端子(4T)測定抵抗3802に入力される。4端子測定抵抗3802にわたる差動電圧は、オペアンプ3806によってスケーリングされ、ヒータ336を通る電流を示すヒータ電流測定信号COIL_CURを出力する。ヒータ電流測定信号COIL_CURは、コントローラ2105でヒータ336を通る電流のデジタルサンプリングおよび測定のために、コントローラ2105のADCピンに出力される。
【0235】
図35に示す例示的な実施形態では、4端子測定抵抗3802は、「ケルビン電流測定」技術を使用して電流測定における誤差を低減するために使用されてもよい。この例では、電流測定経路を電圧測定経路から分離することで、電圧測定経路のノイズを低減することができる。
【0236】
オペアンプ3806のゲインは、測定のダイナミックレンジを向上させるように設定されてもよい。この例では、オペアンプ3806のスケーリングは、約0.577V/Aであってよく、したがって、ヒータ電流測定回路21258は、最大でほぼ次の通り測定することができる。
.
【0237】
より詳細に
図35を参照すると、4端子測定抵抗3802の第1の端子は、出力電圧信号COIL_RTNを受信するために、ヒータ336の端子に接続される。4端子測定抵抗3802の第2の端子は、グラウンドに接続されている。4端子測定抵抗3802の第3の端子は、抵抗3804、コンデンサ3808及び抵抗3810を含むローパスフィルタ回路(R/Cフィルタ)に接続されている。ローパスフィルタ回路の出力は、オペアンプ3806の正入力に接続される。ローパスフィルタ回路は、ヒータ336に通電するために印加されるPWM信号によって誘発されるスイッチングノイズによる不正確さを低減し、また、電流および電圧の両方に対して同じ位相応答/群遅延を有することができる。
【0238】
ヒータ電流測定回路21258は、さらに、抵抗3812および3814と、コンデンサ3816とを含む。抵抗3812、3814とコンデンサ3816は、4端子測定抵抗3802の第4の端子、オペアンプ3806のマイナス入力、オペアンプ3806の出力にローパスフィルタ回路構成で接続されており、オペアンプ3806のマイナス入力にローパスフィルタ回路の出力が接続されている。
【0239】
オペアンプ3806は、ヒータ電流測定信号COIL_CURとして差動電圧をコントローラ2105のADCピンに出力し、コントローラ2105によるヒータ336を流れる電流のサンプリングと測定に使用される。
【0240】
少なくともこの例示的な実施形態によれば、抵抗3804および3810ならびにコンデンサ3808を含むローパスフィルタ回路が4端子測定抵抗3802の端子に接続され、抵抗3812および3814ならびにコンデンサ3816を含むローパスフィルタ回路が4端子測定抵抗3802の他の端子に接続されていることを除いて、ヒータ電流測定回路21258の構成はヒータ電圧測定回路21252の構成と同様である。
【0241】
コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500で使用される「ティック」時間に対応する時間窓(例えば、約1ms)上の複数のサンプル(例えば、電圧の)を平均し、平均をスケーリング値の適用を通じてヒータ336にわたる電圧及び電流の数学表現に転換してもよい。スケーリング値は、それぞれのオペアンプで実装される利得設定に基づいて決定されてもよく、これは、非ニコチン電子ベイピング装置500のハードウェアに固有のものであってもよい。
【0242】
コントローラ2105は、測定ノイズを減衰させるために、例えば、3タップ移動平均フィルタを用いて変換された電圧および電流の測定値をフィルタリングしてもよい。コントローラ2105は、次に、フィルタリングされた測定値を使用して、以下を計算してもよい。
・ヒータ336の抵抗R
HEATER
・ヒータ336に印加される電力P
HEATER
・電源電流
ここで
である。
Efficiencyは、すべての動作条件にわたってヒータ336に供給される電力P
inの比率である。一例では、Efficiencyは少なくとも85%であってよい。
【0243】
1つ以上の例示的な実施形態によれば、
図34及び/又は35に示される回路の受動素子の利得設定は、出力信号範囲をコントローラ2105の入力範囲に一致させるように調整されてもよい。
【0244】
図36及び
図37は、例示的な実施形態によるポッド温度測定回路を示す図である。
【0245】
図36を参照すると、ポッド温度測定回路21250Aは、ドライバステージ3902Aおよび測定ステージ3904Aを含む。ドライバステージ3902Aは、ポッド温度測定制御信号HW_ENBに応答して、ポッドセンサ2220に電力を供給するためにポッド温度測定電力信号HW_POWERを生成するように構成されている。ポッド温度測定電力信号HW_POWERは、PWM信号であってもよい。測定ステージ3904Aは、コントローラ2105におけるDAC(図示せず)からのDAC比較信号HW_DACと、ポッドセンサ2220からのポッドセンサ信号SP_HWとに基づいてポッド温度測定出力信号HW_SIGNALを生成するよう構成される。ポッド温度測定出力信号HW_SIGNALは、非ニコチンポッドアセンブリ300の1つまたは複数の要素の温度を示す差動電圧信号であってもよい。ポッドセンサ2220の例示的な実施形態への入力およびそこからの出力は、後でより詳細に説明される。
【0246】
図36に関してより詳細に述べると、ドライバステージ3902Aは、コントローラ2105からポッド温度測定制御信号HW_ENBを受信する。この例では、ポッド温度測定制御信号HW_ENBは、ポッドセンサ2220からのポッドセンサ信号SP_HWに基づいて電力を変化させるためにコントローラ2105によって調節されたデューティサイクルを有するPWM信号であってよい。ポッド温度測定制御信号HW_ENBがアサート(アクティブ)されると、ドライバステージ3902Aは有効とされてポッド温度測定電力信号HW_POWERを出力してもよく、さもなければドライバステージ3902Aの出力が無効とされてもよい。
【0247】
ポッド温度測定制御信号HW_ENBは、低ドロップアウト電圧レギュレータ(LDO)U10のイネーブル端子ENに入力され、低電流駆動強度プロセッサ信号であるポッド温度測定制御信号HW_ENBを高電流駆動強度PWM信号であるポッド温度測定電力信号HW_POWERに変換している。
【0248】
ポッド温度測定制御信号HW_ENBが不定状態である場合にドライバステージ3902Aの出力が無効になるように、LDO U10のイネーブル端子ENとグランドとの間に抵抗R80がプルダウン抵抗として接続されている。
【0249】
ドライバステージ3902Aは、コンデンサC43およびC44をさらに含む。コンデンサC44は、LDO U10の入力端子INと電圧源に接続され、非ニコチンリザーバおよびフィルタを提供し、ポッド温度測定電力信号HW_POWERがそのオン電圧に達する速度を向上させることができる。コンデンサC43は、出力端子と接地との間に接続され、ポッド温度測定電力信号HW_POWERのためのフィルタリングおよび非ニコチンリザーバを提供する。
【0250】
抵抗R60およびR61は、分圧回路の形態のフィードバックネットワーク39028を形成する。フィードバックネットワーク39028は、フィードバック電圧をLDO U10の調整またはフィードバック端子ADJに出力する。LDO U10は、フィードバック端子ADJに入力されたフィードバック電圧に基づいて、ポッド温度測定電力信号HW_POWERの精密電圧出力を設定する。少なくともいくつかの例示的な実施形態によれば、ポッド温度測定電力信号HW_POWERの精密電圧出力とフィードバック電圧V
ADJ出力との間の関係は、次式で与えられる。
この例では、抵抗R60およびR61の抵抗値は既知であり、電圧V
ADJも、LDO U10の種類に基づいて既知である。
【0251】
測定ステージ3904Aでは、ポッドセンサ2220からのポッドセンサ信号SP_HWを、抵抗R66を介してオペアンプU11Aの負入力に入力し、コントローラ2105でのADCによる測定のために、ポッドセンサ信号SP_HWの電圧をゲインスケールしている。オペアンプU11Aは、抵抗R66の抵抗値と、オペアンプU11Aの負入力と出力との間に接続された抵抗R67の抵抗値に応じてゲインが設定された反転増幅器である。コンデンサC47は、抵抗R67と並列に接続され、ポッドセンサ信号SP_HWから高周波ノイズを除去するためのローパスフィルタ回路を形成している。
【0252】
コントローラ2105におけるDACからのDAC比較信号HW_DACは、抵抗R63及びR64を含む分圧回路39042を介して、オペアンプU11Aの正入力に入力される。DAC比較信号HW_DACは、オペアンプU11Aの基準電圧レベルを設定し、実質的にオペアンプU11Aに印加する差動電圧を選択し、オペアンプU11Aの飽和を抑制または防止するものである。すなわち、DAC比較信号HW_DACは、オペアンプU11Aが出力するポッド温度測定出力信号HW_SIGNALの飽和を抑制するためのオペアンプU11Aの動作点を設定する。分圧器39042は、DACの各ステップの電圧を下げて、より細かいレンジ設定の制御を行う。抵抗R63とR64の比は、バランス抵抗とポッドセンサ2220(例えば、その最大温度時)を近似させることができる。コンデンサC46は、抵抗R64と並列に接続され、DAC比較信号HW_DACからのノイズをフィルタリングするためのローパスフィルタ回路を形成している。抵抗R69は,分圧器39042の出力とオペアンプU11Aの正入力との間に接続されている。
【0253】
ポッドセンサ2220からのポッドセンサ信号SP_HWは、比較的小さな電圧レベル(例えば、約2mV)を有していてもよく、したがって、オペアンプU11Aの比較的高いゲインは、ポッド温度測定信号HW_SIGNALをコントローラ2105におけるADCの動的信号範囲(例えば、約1.8V)に一致させるのに使用されてもよい。従って、オペアンプU11Aは、ポッドセンサ信号SP_HWを増幅し、増幅した信号をポッド温度測定出力信号HW_SIGNALとして、コントローラ2105でサンプリングして測定するためにADCに出力する。
【0254】
図37を参照すると、ポッド温度測定回路21250Bは、ドライバステージ3902B及び測定ステージ3904Bを含む。
図37に示す例示的な実施形態では、ドライバステージ3902B及び測定ステージ3904Bは、ドライバステージ3902Bが測定バランシング抵抗R93をさらに含み、キャパシタC43のキャパシタンスがポッドセンサ信号SP_HWの立ち上がり/立ち下がり時間を増加するように値を減少させてもよいことを除いて、それぞれ
図36で示したドライバステージ3902A及び測定ステージ3904Aに類似している。少なくとも1つの例では、測定バランシング抵抗R93は、約3オームの抵抗を有してよく、非ニコチンポッドアセンブリ300のコストを低減するために、非ニコチンポッドアセンブリ電気システム2200から装置本体アセンブリ電気システム2100に移動されてもよい。さらに、少なくとも
図37に示す例示的な実施形態では、受動素子は、出力信号範囲がコントローラ2105の入力信号範囲に一致するように利得設定を構成するように配置及び調整されてもよい。
【0255】
図38は、いくつかの例示的な実施形態による加熱エンジン制御回路を示す回路図である。
図38に示される加熱エンジン制御回路は、
図29に示される加熱エンジン制御回路2127の一例である。
【0256】
図38を参照すると、加熱エンジン制御回路2127Aは、非ニコチンポッドアセンブリ300内のヒータ336に通電するパワーFET(加熱エンジン駆動回路または回路とも呼ばれる、
図38には示されていないヒータパワー制御回路)を制御するために、パワーレール(例えば、約7Vパワーレール(7V_CP))を1つまたは複数のゲートドライバ集積回路(IC)へ供給するよう構成されたCMOSチャージポンプU2を含む。
【0257】
動作例では、チャージポンプU2は、コントローラ2105からのベイプシャットダウン信号COIL_SHDN(デバイスパワー状態信号;ベイプイネーブル信号とも呼ばれる)に基づいて制御(選択的に作動または非作動に)される。
図38に示す例では、チャージポンプU2は、ベイプシャットダウン信号COIL_SHDNが論理ローレベルを有する出力に応答して活性化され、コイルシャットダウン信号COIL-SHDNが論理ハイレベルを有する出力に応答して非活性化される。チャージポンプU2の活性化後にパワーレール7V_CPが安定化すると(例えば、セトリング時間間隔が経過した後)、コントローラ2105は、ヒータ活性化信号GATE_ONを有効にしてヒータ電力制御回路及びヒータ336に電力を供給してもよい。
【0258】
少なくとも1つの例示的な実施形態によれば、コントローラ2105は、コントローラ2105によってベイプシャットダウン信号COIL_SHDNが無効にされる(論理低レベルに遷移する)まで、ヒータ336へのすべての電力を無効にするために論理高レベルを有するベイプシャットダウン信号COIL_SHDNを出力(有効)にしてベイプオフ動作を実行してもよい。
【0259】
コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500におけるベイピング条件の存在を検出することに応答して、論理高レベルを有するヒータ活性化信号GATE_ON(別のデバイス電力状態信号)を出力してもよい。この例示的な実施形態では、トランジスタ(例えば、電界効果トランジスタ(FET)である)Q5及びQ7A'は、コントローラ2105がヒータ活性化信号GATE_ONを論理高レベルにイネーブルしたときに活性化される。コントローラ2105は、論理ローレベルを有するヒータ活性化信号GATE_ONを出力して、ヒータ336への電力を無効化し、それによってヒータオフ動作を実行することができる。
【0260】
トランジスタQ5及びQ7A'がヒータ活性化信号GATE_ONに応答しないパワーステージの障害が発生した場合、コントローラ2105は、論理ハイレベルを有するベイプシャットダウン信号COIL_SHDNを出力してゲートドライバへの電力を遮断し、これによってヒータ336への電力も遮断することによってベイプ遮断動作を実行してもよい。
【0261】
別の例では、コントローラ2105が適切にブートできず、ベイプシャットダウン信号COIL_SHDNが不確定な状態を有する結果となった場合、加熱エンジン制御回路2127Aは、ベイプシャットダウン信号COIL_SHDNを論理ハイレベルに自動的に引き込み、ヒータ336への電力を自動的に切断する。
【0262】
図38に関してより詳細に説明すると、コンデンサC9、チャージポンプU2及びコンデンサC10は、正電圧ダブラー構成で接続されている。コンデンサC9は、チャージポンプU2の端子C―とC+の間に接続され、チャージポンプU2の非ニコチンのリザーバとして機能する。チャージポンプU2の入力電圧端子VINは、ノードN3801で電圧源BATTに接続され、コンデンサC10は、ノードN3802でグラウンドとチャージポンプU2の出力電圧端子VOUTの間に接続されている。コンデンサC10は、チャージポンプU2からの出力に対してフィルタと非ニコチンリザーバを提供し、これにより、チャージポンプU2からの電圧出力をより安定させることができる。
【0263】
コンデンサC11は、ノードN3801とグラウンドとの間に接続され、チャージポンプU2への入力電圧のフィルタおよび非ニコチンリザーバとなる。
【0264】
抵抗R10は正電圧源とシャットダウン端子SHDNとの間に接続されている。抵抗R10は、ベイプシャットダウン信号COIL_SHDNが不確定状態である場合に、シャットダウン端子SHDNへの入力を確実にハイにし、それによってチャージポンプU2の出力(VOUT)を無効にしてヒータ336への電力を遮断するプルアップ抵抗として機能する。
【0265】
抵抗R43は、ノードN3804において、グラウンドとトランジスタQ7A'のゲートとの間に接続される。抵抗R43は、ヒータ活性化信号GATE_ONが不確定状態である場合、トランジスタQ7A'が高インピーダンス(OFF)状態であることを保証し、それによってパワーレール7V_CPを無効にしてヒータ336への電力を遮断するプルダウン抵抗として機能する。
【0266】
抵抗R41は、トランジスタQ5のゲートとトランジスタQ7A'のドレインとの間のノードN3802とノードN3803との間に接続されている。抵抗R41は,トランジスタQ5がより確実にスイッチオフするためのプルダウン抵抗として機能する。
【0267】
トランジスタQ5は、パワーレール7V_CPをチャージポンプU2のVOUT端子から選択的に分離するように構成される。トランジスタQ5のゲートはノードN3803に接続され、トランジスタQ5のドレインはノードN3802でチャージポンプU2の出力電圧端子VOUTに接続され、トランジスタQ5のソースはパワーレール7V_CPの出力端子として機能する。この構成により、コンデンサC10は負荷を分離することでより早く動作電圧に到達し、ベイプシャットダウン信号COIL_SHDNとヒータ起動信号GATE_ONが共に正しい状態でなければヒータ336に電力を供給できないというフェールセーフを実現することができる。
【0268】
トランジスタQ7Aは、ヒータ活性化信号GATE_ONに基づいてトランジスタQ5の動作を制御するように構成されている。例えば、ヒータ活性化信号GATE_ONが論理ハイレベル(例えば、~2V以上)であるとき、トランジスタQ7Aはその低インピーダンス(ON)状態にあり、これによりトランジスタQ5のゲートが接地され、それによってトランジスタQ5が低インピーダンス(ON)状態に遷移することになる。この場合、加熱エンジン制御回路2127Aは、パワーレール7V_CPを加熱エンジン駆動回路(図示せず)に出力し、それによってヒータ336への電力供給が可能となる。
【0269】
ヒータ活性化信号GATE_ONが論理低レベルであれば、トランジスタQ7Aは高インピーダンス(OFF)状態に遷移し、その結果、抵抗R41を介してトランジスタQ5のゲートが放電し、それによってトランジスタQ5が高インピーダンス(OFF)状態に遷移する。この場合、パワーレール7V_CPは出力されず、加熱エンジン駆動回路(およびヒータ336)への電力は遮断される。
【0270】
図38に示す例では、トランジスタQ5がハイインピーダンス(OFF)状態になるためには、ソース電圧と同程度のゲート電圧(~7V)を必要とするため、コントローラ2105はトランジスタQ5を直接制御しない。トランジスタQ7Aは、コントローラ2105からの低い電圧に基づいてトランジスタQ5を制御する機構を提供する。
【0271】
図39は、例示的な実施形態による他の加熱エンジン制御回路を示す回路図である。
図39に示す加熱エンジン制御回路は、
図29に示す加熱エンジン制御回路2127の別の実施例である。
【0272】
図39を参照して、加熱エンジン制御回路2127Bは、レールコンバータ回路39020(昇圧コンバータ回路ともいう)およびゲートドライバ回路39040を含む。レールコンバータ回路39020は、ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWM(ベイプシャットダウン信号ともいう)に基づいて、ゲートドライバ回路39040に電力供給するための電圧信号9V_GATE(電力信号または入力電圧信号ともいう)を出力するよう構成される。レールコンバータ回路39020は、9V_GATE出力を調整するためにベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMを使用し、ソフトウェアで定義されてもよい。
【0273】
ゲートドライバ回路39040は、レールコンバータ回路39020からの入力電圧信号9V_GATEを利用して、加熱エンジン駆動回路3906を駆動する。
【0274】
図39に示す例示的な実施形態では、レールコンバータ回路39020は、ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMがアサートされている(present)場合にのみ入力電圧信号9V_GATEを発生させる。コントローラ2105は、ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMをデアサート(停止又は終了)することによって、9Vレールを無効にしてゲートドライバ回路39040への電力を遮断してもよい。
図38に示す例示的な実施形態におけるベイプシャットダウン信号COIL_SHDNと同様に、ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMは、非ニコチン電子ベイピング装置500においてベイプオフ操作を行うための装置状態電力信号として機能してもよい。この例では、コントローラ2105は、ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMをデアサートすることによってベイプオフ動作を実行し、それによってゲートドライバ回路39040、加熱エンジン駆動回路3906及びヒータ336への全ての電力を無効化してもよい。その後、コントローラ2105は、レールコンバータ回路39020にベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMを再びアサートすることによって、非ニコチン電子ベイピング装置500でのベイプを有効としてもよい。
【0275】
図38のヒータ活性化信号GATE_ONと同様に、コントローラ2105は、非ニコチン電子ベイピング装置500におけるベイピング条件を検出することに応答して、加熱エンジン駆動回路3906及びヒータ336への電力を有効にするために論理高レベルを有する第1のヒータイネーブル信号GATE_ENBを出力してもよい。コントローラ2105は、加熱エンジン駆動回路3906及びヒータ336への電力を無効にするために、論理ローレベルを有する第1のヒータイネーブル信号GATE_ENBを出力し、それによってヒータオフ動作を実行することができる。
【0276】
図39のレールコンバータ回路39020をより詳細に参照すると、電圧源BATTとグラウンドとの間にコンデンサC36が接続されている。コンデンサC36は、レールコンバータ回路39020の非ニコチンリザーバとして機能する。
【0277】
インダクタL1006の第1の端子は、電圧源BATTとコンデンサC36との間のノードNode1に接続される。インダクタL1006は、レールコンバータ回路39020の主蓄電素子として機能する。
【0278】
インダクタL1006の第2の端子、トランジスタ(例えば、エンハンスメントモードMOSFET)Q1009のドレイン、及びコンデンサC1056の第1の端子は、ノードNode2において接続される。トランジスタQ1009のソースは、グラウンドに接続され、トランジスタQ1009のゲートは、コントローラ2105からベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMを受信するように構成される。
【0279】
図39に示す例では、トランジスタQ1009がレールコンバータ回路39020の主スイッチング素子として機能する。
【0280】
トランジスタQ1009のゲートとグラウンドとの間に抵抗R29が接続されてプルダウン抵抗として働き、ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMが不確定状態のときに、トランジスタQ1009がより確実にスイッチオフしてヒータ336の動作が防止されるようにする。
【0281】
コンデンサC1056の第2の端子は、ノードNode3において、ツェナーダイオードD1012のカソードとツェナーダイオードD1013のアノードとに接続されている。ツェナーダイオードD1012のアノードは、グラウンドに接続されている。
【0282】
ツェナーダイオードD1013のカソードは、コンデンサC35の端子と、ノードNode4において抵抗R1087及びR1088を含む分圧回路の入力とに接続されている。コンデンサC35の他方の端子は、グラウンドに接続されている。また、ノードNode4の電圧は、レールコンバータ回路39020から出力される出力電圧9V_GATEである。
【0283】
ノードNode5の分圧回路の出力には,抵抗R1089が接続されている。
【0284】
例示的な動作では、ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMがアサートされ論理ハイレベルになると、トランジスタQ1009は低インピーダンス状態(ON)に切り替わり、それによって電圧源BATTおよびコンデンサC36からインダクタL1006およびトランジスタQ1009を介してグラウンドへ電流が流れるようにする。これにより、インダクタL1006にエネルギーが蓄積され、電流は時間と共に直線的に増加する。
【0285】
ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMがロジックローレベルの場合、トランジスタQ1009はハイインピーダンス状態(OFF)に切り替わる。このとき、インダクタL1006は電流の流れを維持し(線形に減衰)、ノードNode2の電圧は上昇する。
【0286】
ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMのデューティサイクルは、所定の負荷に対する電圧上昇量を決定する。従って、ベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMは、ノードNode5の分圧回路が出力するフィードバック信号COIL_VGATE_FBをフィードバックとして用いてコントローラ2105により閉ループで制御される。上述したスイッチングは、比較的高いレート(例えば、約2MHz、しかし、要求されるパラメータ及び素子値に応じて異なる周波数が使用されてもよい)で発生する。
【0287】
依然として
図39のレールコンバータ回路39020を参照すると、コンデンサC1056は、DCレベルを除去するためのDCブロックを提供するACカップリングコンデンサである。コンデンサC1056は、電池寿命を節約するためにベイプイネーブル信号COIL_VGATE_PWMが低いとき(例えば、非ニコチン電子ベイピング装置500がスタンバイモードのとき)、電圧源BATTからインダクタL1006及びダイオードD1013を介してゲートドライバ回路39040に流れる電流をブロックする。コンデンサC1056の静電容量は、スイッチング周波数で比較的低インピーダンス経路を提供するように選択されてもよい。
【0288】
ツェナーダイオードD1012は、スイッチング信号のグラウンドレベルを確立する。コンデンサC1056がDCレベルを除去するので、ノードNode3における電圧は通常バイポーラであってもよい。一例として、ツェナーダイオードD1012は、信号の負の半サイクルをグランドより約0.3V低い電圧にクランプすることができる。
【0289】
コンデンサC35は、レールコンバータ回路39020の出力非ニコチンリザーバとして機能する。ツェナーダイオードD1013は、トランジスタQ1009がONのとき、コンデンサC35からの電流がコンデンサC1056およびトランジスタQ1009を流れるのを阻止する。
【0290】
インダクタL1006からの減衰電流がツェナーダイオードD1013とコンデンサC35の間のノードNode4に電圧上昇を生じさせると、電流はコンデンサC35に流れ込む。コンデンサC35は、インダクタL1006にエネルギーを蓄積している間、9V_GATE電圧を維持する。
【0291】
抵抗R1087とR1088を含む分圧回路は、コントローラ2105のADCで測定するための許容レベルまで電圧を低下させる。この低減された電圧信号は、フィードバック信号COIL_VGATE_FBとして出力される。
【0292】
図39に示す回路では、フィードバック信号COIL_VGATE_FB電圧は約0.25倍でスケーリングされ、したがって9V出力電圧はコントローラ2105でADCに入力するために約2.25Vに減少する。
【0293】
抵抗R1089は、レールコンバータ回路39020の出力(例えば、ノードNode4)において過電圧障害に対する電流制限を行い、コントローラ2105におけるADCを保護する。
【0294】
レールコンバータ回路39020からゲートドライバ回路39040に9V出力電圧信号9V_GATEが出力され、ゲートドライバ回路39040に電力が供給される。
【0295】
ここでゲートドライバ回路39040をより詳細に参照すると、ゲートドライバ回路39040は、とりわけ、コントローラ2105からの低電流信号(複数可)を、加熱エンジン駆動回路3906のトランジスタ(例えば、MOSFET)のスイッチングを制御するための高電流信号へ変換するよう構成された集積ゲートドライバU2003を含む集積ゲートドライバU2003はまた、コントローラ2105からの電圧レベルを、加熱エンジン駆動回路3906のトランジスタが必要とする電圧レベルに変換するように構成される。
図39に示す例示的な実施形態では、集積ゲートドライバU2003は、ハーフブリッジドライバである。しかしながら、例示的な実施形態は、この例に限定されるべきではない。
【0296】
より詳細には、レールコンバータ回路39020からの9V出力電圧は、抵抗R2012及びコンデンサC2009を含むフィルタ回路を介して、ゲートドライバ回路39040に入力される。抵抗R2012とコンデンサC2009を含むフィルタ回路は、ノードNode6において、集積ゲートドライバU2003のVCC端子(4番ピン)とツェナーダイオードS2002のアノードに接続されている。コンデンサC2009の第2の端子は、グラウンドに接続されている。ツェナーダイオードD2002のアノードは、ノードNode7において、コンデンサC2007の第1の端子と、集積ゲートドライバU2003の昇圧端子BST(1番ピン)とに接続される。コンデンサC2007の第2の端子は、ノードNode8において、集積ゲートドライバU2003のスイッチングノード端子SWN(7番ピン)および加熱エンジン駆動回路3906(例えば、2つのMOSFETの間)に接続される。
図39に示す例示的な実施形態では、ツェナーダイオードD2002とコンデンサC2007は、入力電圧端子VCCと集積ゲートドライバU2003の昇圧端子BSTとの間に接続されたブートストラップチャージポンプ回路の一部を形成している。コンデンサC2007は、レールコンバータ回路39020からの9V入力電圧信号9V_GATEに接続されているため、ダイオードD2002を介して電圧信号9V_GATEとほぼ等しい電圧まで充電される。
【0297】
なお、
図39を参照して、集積ゲートドライバU2003のハイサイドゲートドライバ端子DRVH(8番ピン)、ローサイドゲートドライバ端子DRVL(5番ピン)およびEP端子(9番ピン)も加熱エンジン駆動回路3906に接続されている。
【0298】
抵抗R2013とコンデンサC2010は、集積ゲートドライバU2003の入力端子IN(2番ピン)に接続されたフィルタ回路を形成している。フィルタ回路は、入力端子に入力される第2のヒータイネーブル信号COIL_Zから高周波ノイズを除去するように構成される。なお、第2のヒータイネーブル信号COIL_Zは、コントローラ2105からのPWM信号であってもよい。
【0299】
抵抗R2014は、フィルタ回路とノードNode9の入力端子INとに接続されている。抵抗R2014はプルダウン抵抗として使用され、第2のヒータイネーブル信号COIL_Zがフローティング(または不定)であれば、集積ゲートドライバU2003の入力端子INを論理ローレベルに保持して加熱エンジン駆動回路3906およびヒータ336の作動を防止するような抵抗である。
【0300】
コントローラ2105からの第1のヒータイネーブル信号GATE_ENBは、集積ゲートドライバU2003のOD端子(3番ピン)に入力される。集積ゲートドライバU2003のOD端子には、抵抗R2016がプルダウン抵抗として接続されており、コントローラ2105からの第1のヒータイネーブル信号GATE_ENBがフローティング(または不定)であれば、集積ゲートドライバU2003のOD端子を論理ローレベルに保持して加熱エンジン駆動回路3906及びヒータ336の起動を防止するように構成されている。
【0301】
図39に示す例示的な実施形態では、加熱エンジン駆動回路3906は、電圧源BATTとグラウンドとの間に直列に接続されたトランジスタ(例えば、MOSFET)39062および39064を含むトランジスタ(例えば、MOSFET)回路を含んでいる。トランジスタ39064のゲートは、集積ゲートドライバU2003のローサイドゲートドライバ端子DRVL(5番ピン)に接続され、トランジスタ39064のドレインは、ノードNode8で集積ゲートドライバU2003のスイッチングノード端子SWN(7番ピン)に接続され、トランジスタ39064のソースはグラウンドGNDに接続されている。
【0302】
ローサイドゲートドライバ端子DRVLから出力されるローサイドゲート駆動信号がハイのとき、トランジスタ39064はローインピーダンス状態(ON)となり、これによりノードNode8はグラウンドに接続される。
【0303】
上述したように、コンデンサC2007は、レールコンバータ回路39020からの9V入力電圧信号9V_GATEに接続されているため、ダイオードD2002を介して9V入力電圧信号9V_GATEと同等または実質的に同等の電圧に充電される。
【0304】
ローサイドゲートドライバ端子DRVLから出力されるローサイドゲート駆動信号がローであるとき、トランジスタ39064はハイインピーダンス状態(OFF)に切り替わり、ハイサイドゲートドライバ端子DRVH(8番ピン)は集積ゲートドライバU2003内の昇圧端子BSTに内部接続されている。その結果、トランジスタ39062はローインピーダンス状態(ON)となり、これにより、スイッチングノードSWNを電圧源BATTに接続して、スイッチングノードSWN(Node8)を電圧源BATTの電圧に引き込むことができる。
【0305】
この場合、ノードNode7は、昇圧電圧V(BST)≒V(9V_GATE)+V(BATT)に引き上げられ、これにより、トランジスタ39062のゲート-ソース間電圧は、電圧源BATTからの電圧にかかわらず(または独立して)9V入力電圧信号9V_GATEの電圧(例えば、V(9V_GATE))と同一または実質的に同一にされることができる。その結果、スイッチングノードSWN(ノード8)は、バッテリ電圧源BATTからの電圧出力とは実質的に独立しているヒータ336への電圧出力を生成するために使用され得る高電流スイッチング信号を提供する。
【0306】
図40及び
図41は、
図29に示すポッドセンサ2220に含まれる温度感知トランスデューサの例示的な実施形態である。
【0307】
図40を参照すると、温度感知トランスデューサ3600Aは、抵抗R3602及びセンサトランスデューサR3604を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態では、抵抗R3602は、約3オームの固定抵抗値を有してよい。センサトランスデューサR3604は、温度によって変化する可変抵抗値を有する抵抗であってもよい。抵抗R3602及びセンサトランスデューサR3604は、センサトランスデューサR3604にわたる電圧(測定ノードN3606における電圧)が、スケーリングのためにポッド温度測定回路21250に出力され、その後非ニコチンポッドアセンブリ300又は非ニコチンポッドアセンブリ300の一つ以上の要素の温度の測定に使用されてよいように、電圧分割回路に配置される。
【0308】
例示的な動作では、ポッド温度測定回路21250A(
図36)のドライバステージ3902Aは、ポッド温度測定電力信号HW_POWERを温度感知トランスデューサ3600Aに適用し、ポッド温度測定回路21250Aの測定ステージ3904Aは、測定ノードN3606でポッドセンサ信号SP_HWの感知した電圧をスケールし、コントローラ2105にスケールした電圧を、ポッド温度測定出力信号HW_SIGNALとして出力する。次に、コントローラ2105は、ポッド温度測定出力信号HW_SIGNALに基づいて、非ニコチンポッドアセンブリ300または非ニコチンポッドアセンブリ300の1つ以上の要素の温度を決定する。
【0309】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ポッド温度測定電力信号HW_POWERの電圧は固定されてもよく、したがって、ポッド温度測定回路21250Aは、抵抗R3602の抵抗が既知の抵抗であるので、抵抗R3602及びR3604を介して電流も計算することができる。
【0310】
図41に示す例示的な実施形態を参照すると、温度感知トランスデューサ3600Bは、
図37に関して上述したように、抵抗R3602が温度感知トランスデューサ3600Bから省略され、
図37のポッド温度測定回路21250Bのドライバステージ3902Bに再配置されていることを除いて、
図40の温度感知トランスデューサ3600Aに類似している。抵抗R3602をポッド温度測定回路21250Bのドライバステージ3902Bに再配置することによって、非ニコチンポッドアセンブリ電気システム2200のコスト及び/又は装置本体100と非ニコチンポッドアセンブリ300との間のインターフェースに必要な端子の数が減少することができる。さらに、
図41に示す例示的な実施形態におけるセンサトランスデューサR3606の抵抗は、温度感知トランスデューサ3600Bによる電流消費を低減するために、
図40におけるセンサトランスデューサR3604の抵抗より大きくてもよい。
【0311】
例示的な実施形態が本明細書に開示されているが、他の変形が可能であることが理解されるべきである。そのような変形は、本開示の精神及び範囲から逸脱するものとみなされるべきではなく、当業者にとって明白であるような全てのそのような修正は、以下の請求項の範囲内に含まれることを意図している。