(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】電子装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/50 20230101AFI20250303BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20250303BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20250303BHJP
F16M 13/02 20060101ALI20250303BHJP
【FI】
H04N23/50
H04N5/222 100
G03B17/56 A
F16M13/02 T
(21)【出願番号】P 2023518268
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 US2021044208
(87)【国際公開番号】W WO2022060476
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-06-27
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オウ,シンディー・ゴク-トラン
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-521397(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0259832(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0004401(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0343402(US,A1)
【文献】特開2015-101250(JP,A)
【文献】特開2007-082920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/50
H04N 5/222
G03B 17/56
F16M 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、
ヘッドアセンブリを備え、前記ヘッドアセンブリは、
後方筐体部材を含み、前記後方筐体部材は、
第1の中心軸のまわりに概ね対称である概ねカップの形状を形成し、前記概ねカップの形状は、開放端と前記開放端の反対側に丸みのあるキャップとを有し、
前記開放端から前記丸みのあるキャップに向かって先細になる先細の直径を有し、前記ヘッドアセンブリはさらに、
前記後方筐体部材の前記開放端を覆うように前記開放端に組付けられる前方筐体部材を含み、前記前方筐体部材は、概ね円盤の形状を有し、前記後方筐体部材内に位置する前記電子装置のカメラのカメラレンズに位置合わせされ、前記電子装置はさらに、
両端である第1の端部および第2の端部を有する細長い円筒形のシャフトを有するステムを備え、前記ステムの前記第1の端部は、前記後方筐体部材の側面に位置しておりかつ前記後方筐体部材の前記開放端に近接している穴を通じて前記ヘッドアセンブリに取付けられ、前記ステムの前記第1の端部は、前記ステムに対する前記ヘッドアセンブリの回動運動を可能にするように前記ヘッドアセンブリとのヒンジを形成し、前記電子装置はさらに、
第2の中心軸のまわりに概ね対称でありかつ実質的に平らな底面を有するドーム形状を有するスタンドアセンブリを備え、前記スタンドアセンブリは、前記ステムに前記スタンドアセンブリの前記第2の中心軸と非直交角度を形成させるように、前記スタンドアセンブリの前記第2の中心軸からオフセットされた前記スタンドアセンブリ上の位置で前記ステムの前記第2の端部に取付けられる、電子装置。
【請求項2】
前記前方筐体部材
の前面は非平面である、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記前方筐体部材は、前記前方筐体部材と同心であって前記カメラレンズに位置合わせされる開口部を含む、請求項1または請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記前方筐体部材は、第1の材料と、前記第1の材料とは異なる第2の材料とを含む
、請求項
3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記第2の材料は、前記開口部の周りに外周部を形成し、前記開口部に向かって内側に傾斜する外面を含む、請求項4に記載の電子装置。
【請求項6】
前記第1の材料は、前記第2の材料に向かって外側に傾斜する外面を含む、請求項4または請求項5に記載の電子装置。
【請求項7】
前記第1の材料は赤外線半透明であり、前記第2の材料は赤外線不透明である、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記後方筐体部材の前記丸みのあるキャップに位置するアパーチャを介して前記ヘッドアセンブリに接続される電力ケーブルをさらに含む
、請求項
1から請求項7のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項9】
前記後方筐体部材は、前記後方筐体部材内に位置するスピーカモジュールによって生成される音波を前記ヘッドアセンブリから放出させるための経路を設けるために、前記丸みのあるキャップに1つ以上の穴を規定する
、請求項
1から請求項8のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項10】
前記底面は前記前方筐体部材の直径よりも小さい直径を有する
、請求項
1から請求項9のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項11】
前記ステムの前記第1の端部は、球状であり、前記ステムに対する前記ヘッドアセンブリの前記回動運動を可能にするように前記ヘッドアセンブリ内に固定される
、請求項
1から請求項10のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項12】
前記ステムに対する前記ヘッドアセンブリの前記回動運動はパンおよびチルトを含む、請求項11に記載の電子装置。
【請求項13】
前記ヒンジは、前記スタンドアセンブリに対する前記ヘッドアセンブリの第1の位置を可能にし、前記第1の位置は、前記スタンドアセンブリの前記底面によって規定される平面に実質的に平行である、前記ヘッドアセンブリの前記後方筐体部材の前記
第1の中心軸を含む
、請求項
1から請求項12のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項14】
前記ヒンジは、前記スタンドアセンブリに対する前記ヘッドアセンブリの第2の位置を可能にし、前記第2の位置は、前記ステムの長手方向軸に実質的に直交する前記後方筐体部材の前記
第1の中心軸を含む、請求項13に記載の電子装置。
【請求項15】
前記スタンドアセンブリは、前記スタンドアセンブリの様々な状態のための様々な高さをもたらす取外し可能に組付けられたベースプレートを含み、
前記様々な高さは、
前記スタンドアセンブリの卓上状態のための第1の高さと、
前記スタンドアセンブリの壁状態のための第2の高さとを含み、前記第2の高さは前記第1の高さよりも高く、
前記ベースプレートは、前記壁状態で組付けられると、容積部を規定するとともに、前記電子装置の電力ケーブルの一部分を前記容積部内に隠して拘束するように前記電力ケーブルを前記容積部を経由して引き回すための経路を設ける
、請求項
1から請求項7のいずれか1項に記載の電子装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
技術が発展するにつれて電子装置の製造を低コストで維持することが困難になる可能性がある。場合によっては、製造コストを削減することは、装置の構成要素の複雑さを抑制すること/または組付けプロセスで用いられるステップ数を削減することを含む可能性もある。フォームファクタが小さい装置によっては、内部構成要素を組付けるためにオペレータおよび工具にとって利用可能な筐体内の空間が制限されているものもある。カメラ装置(例えば、ウェブカメラ、セキュリティカメラ)に関しては、棚または壁を含む様々な表面にカメラ装置を装着するために様々な構成要素が必要となる可能性がある。結果として、特定の表面上に装着したときにカメラのクリアランスまたは関節運動が不充分になる恐れがある。1つの解決策として、水平面上に装置を配置する場合と比較して、ユーザが装置を壁に装着するための切換え用の追加の構成要素を設けることが挙げられる。しかしながら、追加の構成要素によって製造コストが増えてしまう可能性があり、場合によっては、ユーザによる組付けが必要になったり、構成要素が紛失する可能性が生じたりすることにより、ユーザ経験が損なわれる可能性がある。
【発明の概要】
【0002】
概要
本明細書は、調整可能なスタンドを備えたカメラ装置について記載する。当該カメラ装置は、ヒンジを形成するステムによって共に回動可能に接続されたヘッドアセンブリとスタンドアセンブリとを含む。ステムは、スタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの360度のパン範囲および45度のチルト範囲をもたらす。スタンドアセンブリは、卓上状態および壁状態を含む様々な構成状態でカメラ装置を構成するようにヘッドアセンブリに対して回転可能に移動させることができる。卓上状態は水平面上に載せるために低背であり、壁状態は高背であり、これにより、ヘッドアセンブリとスタンドアセンブリが取付けられる垂直面との間に追加のクリアランスをもたらす。壁状態では、カメラ装置のケーブルを、スタンドアセンブリを経由して引き回してスタンドアセンブリによって拘束することができる。
【0003】
いくつかの局面では、電子装置が開示される。電子装置は、ヘッドアセンブリ、ステム、およびスタンドアセンブリを含み得る。ヘッドアセンブリは、後方筐体部材および前方筐体部材を含み得る。後方筐体部材は概ねカップの形状を形成し得る。この概ねカップの形状は、第1の中心軸のまわりに概ね対称であり、開放端と当該開放端の反対側に丸みのあるキャップとを有する。後方筐体部材はまた、開放端から丸みのあるキャップに向かって先細になる先細の直径を有し得る。前方筐体部材は、後方筐体部材の開放端に組付けられて当該開放端を覆い得る。前方筐体部材は、概ね円盤の形状を有し得るとともに、後方筐体部材内に位置する電子装置のカメラのカメラレンズに位置合わせされ得る。ステムは、両端である第1の端部および第2の端部を有する細長い円筒形のシャフトを有し得る。ステムの第1の端部は、後方筐体部材の側面に位置しておりかつ後方筐体部材の開放端に近接している穴を通じてヘッドアセンブリに取付けられ得る。ステムの第1の端部はまた、ステムに対するヘッドアセンブリの回動運動を可能にするように当該ヘッドアセンブリとのヒンジを形成し得る。スタンドアセンブリは、第2の中心軸のまわりに概ね対称であるドーム形状を有し得るとともに、実質的に平らな底面も有し得る。スタンドアセンブリは、ステムにスタンドアセンブリの第2の中心軸と非直交角度を形成させるように、スタンドアセンブリの第2の中心軸からオフセットされたスタンドアセンブリ上の位置でステムの第2の端部に取付けられ得る。
【0004】
他の局面では、カメラ装置が開示される。カメラ装置はヘッドアセンブリおよびスタンドアセンブリを含み得る。ヘッドアセンブリは、後方筐体部材、前方筐体部材、およびカメラサブアセンブリを含む。後方筐体部材は、開放端と反対側の丸みのある閉鎖端とを備えた概ねカップの形状を有する。前方筐体部材は、概ね円盤の形状を有し、ヘッドアセンブリの開放端を覆うように構成されている。カメラサブアセンブリは、後方筐体部材内に位置決めされており、シーンの画像または映像の取込みを可能にするように前方筐体部材におけるアパーチャまたは透明領域に位置合わせされる。スタンドアセンブリは、ドーム状シェルを形成するベース筐体部材と、ベース筐体部材内に位置決めされた重りブロックとを含む。スタンドアセンブリはまた、スタンドアセンブリをヘッドアセンブリに接続するヒンジをもたらすように構成されたステムを含む。ステムはまた、スタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの45度のチルト範囲および360度のパン範囲を実質的にもたらすように構成される。一例では、後方筐体部材はカップ形状を有し、前方筐体部材は円盤形状を有する。この例では、ステムはまた、スタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの45度のチルト範囲および360度のパン範囲をもたらすように構成される。また、ヘッドアセンブリの開放端は後方筐体部材の開放端であり得る。従って、一例では、前方筐体部材は後方筐体部材の開放端を覆う。
【0005】
さらに他の局面では、カメラ装置が開示される。カメラ装置は、ヘッドアセンブリと、スタンドアセンブリと、ヘッドアセンブリをスタンドアセンブリに回動可能に接続するヒンジとを含む。ヘッドアセンブリは、少なくとも、シーンの画像を取込むためのカメラサブアセンブリを有する。スタンドアセンブリは、ヘッドアセンブリを支持して表面に装着するように構成される。ヒンジは、スタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの360度のパン範囲をもたらすように構成される。ヒンジはまた、カメラ装置を様々な表面に取付けるための複数の構成状態を可能にするように構成されており、複数の構成状態は、実質的に水平な表面のための卓上状態と、実質的に垂直な表面のための壁状態とを含む。加えて、ヒンジは、ヒンジの長手方向軸を中心としたヘッドアセンブリに対するスタンドアセンブリの約180度の回転に基づいて、卓上状態と壁状態との間を移行するように構成される。一例では、ヒンジは、水平面のための卓上状態と垂直面のための壁状態とを含みカメラ装置を様々な表面に取付けるための複数の構成状態を可能にするとともに、ヒンジの長手方向軸を中心としたヘッドアセンブリに対するスタンドアセンブリの180度の回転に基づいて卓上状態と壁状態との間を移行するように構成され得る。
【0006】
さらに他の局面では、カメラ装置用のスタンドアセンブリが開示される。一例では、スタンドアセンブリは、本明細書に記載のカメラ装置に含まれ得る。スタンドアセンブリは、筐体、ベースプレート、およびベースキャップを含む。ベースプレートは、筐体内に位置決めされるとともに、開放端と実質的に平らな閉鎖端とを備えた概ねカップの形状を有する。ベースプレートは、開放端のリムの周囲に分散された複数の突起を含む。ベースキャップは、筐体内に位置決めされるとともに、ベースプレート上の突起を収容するように構成された複数のチャネルを有する。複数のチャネルは、互いに実質的に平行な第1のチャネルおよび第2のチャネルを含み、当該第1のチャネルおよび第2のチャネルは、少なくとも2つのチャネルの長手方向に対して直交する方向に互いからオフセットされている。第1のチャネルはスタンドアセンブリのための低背を可能にし、第2のチャネルはスタンドアセンブリのための高背を可能にする。
【0007】
この概要は、調整可能なスタンドを備えたカメラ装置の簡略化された概念を紹介するために提供されるものであり、以下の詳細な説明においてさらに説明されている。この概要は、特許請求される主題の本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する際に用いることを意図するものでもない。
【0008】
図面の簡単な説明
調整可能なスタンドを備えたカメラ装置の1つ以上の局面の詳細を添付の図面を参照しつつ本明細書にて記載する。同様の特徴および構成要素を参照するために添付の図面全体を通じて同じ番号を用いる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的な電子装置およびそのいくつかの構成要素の分解図を示す図である。
【
図2】
図1の電子装置を示す例示的な右立面図である。
【
図4】
図3の電子装置を線4-4に沿って示す断面図である。
【
図5】スタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの例示的な位置を様々な装着位置で示す図である。
【
図6】
図1の電子装置のスタンドアセンブリとその分解図とを示す図である。
【
図7A】第1の状態であるスタンドアセンブリの一部分の例示的な実現例を示す図である。
【
図7B】第2の状態であるスタンドアセンブリの一部分の例示的な実現例を示す図である。
【
図8A】卓上状態においてベースキャップに組付けられたベースプレートを示す等角図である。
【
図8B】卓上状態に関してベースプレートおよびベースキャップを示す分解図である。
【
図9A】壁状態においてベースキャップに組付けられたベースプレートを示す等角図である。
【
図9B】壁状態に関してベースプレートおよびベースキャップを示す分解図である。
【
図10】壁状態で構成されたスタンドアセンブリを示す正面図である。
【
図11】壁状態で構成されて壁に取付けられた電子装置の側面を示す右立面図である。
【
図12A】卓上状態で構成されたスタンドアセンブリを示す正面図である。
【
図12B】
図12Aのスタンドアセンブリを線12B-12Bに沿って示す右断面図である。
【
図13】スタンドアセンブリの別の構成を示す例示的な分解図である。
【
図14B】
図14Aのスタンドアセンブリを線14B-14Bに沿って示す右断面図である。
【
図15C】
図15の前方筐体部材を線15C-15Cに沿って示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
本明細書は、調整可能なスタンドを備えたカメラ装置(例えば、セキュリティカメラ)について記載する。本明細書に記載のカメラ装置は、スタンドを備えた多くの従来のカメラ装置と比べて、ロバスト性、簡素性、およびコンパクト性が改善されている。カメラ装置は、様々な関節を用いて複数の様々な構成状態で構成することができる。加えて、カメラ装置は調整可能なスタンドアセンブリを含む。当該調整可能なスタンドアセンブリは、ヘッドアセンブリに回動可能に接続されるとともに、複数の様々な構成状態を切替えるようにヘッドアセンブリに対して回転可能に移動させることができる。例えば、一構成状態は、カメラ装置がテーブル、棚、または別の水平面上に置かれ得る卓上状態を含み得る。ユーザがスタンドアセンブリをヘッドアセンブリに対して約180度回転させる場合、カメラ装置は壁状態で構成されて、壁に固定され得る。この態様では、卓上状態と壁状態とを切替えるための余分な構成要素が不要となる。
【0011】
加えて、スタンドアセンブリは、卓上状態では低背となり、壁状態では高背となるように調整可能な高さを含む。壁状態で高背となることで、ヘッドアセンブリと壁との間に追加のクリアランスをもたらしてヘッドアセンブリが壁に接触するのを防ぐ。スタンドアセンブリの高さは、スタンドアセンブリの筐体内に位置決めされたベースプレートとベースキャップとの間のツイストロック接続に基づいて調整することができる。ベースプレートはベースプレートの両側に切欠きを含んでおり、壁状態で高背になるとベースプレートとベースキャップとの間に容積部がもたらされる。従って、壁状態では、カメラ装置のケーブルは、切欠きおよび容積部を経由して引き回すことができ、これにより、ケーブルの一部分を隠して拘束する。
【0012】
調整可能なスタンドを備えた上述のカメラ装置の特徴および概念は任意の数の様々な環境において実現可能であり、いくつかの局面について以下の例の文脈において説明する。
【0013】
例示的な装置
図1は、例示的な電子装置100(例えば、セキュリティカメラ)と、そのいくつかの構成要素の分解
図102とを示す。
図2は、
図1の電子装置の例示的な右立面
図200を示す。
図3は、
図1の電子装置の正面
図300を示す。
図4は、
図3の電子装置を線4-4に沿って示す断面
図400である。以下では、
図1~
図4のいずれかに示す電子装置100の様々な構成要素または部品が参照され得る。
【0014】
電子装置100は、いくつかの局面では、音声によって起動される仮想アシスタントを使用し得る。電子装置100は、(例えば、無線ルータを介して)インターネット104に接続し、様々な機能をサポートし得る。様々な機能とは、具体的には、音声および/または映像データ(画像またはストリーミング映像を含む)を取込むこと、取込んだデータをオンラインストレージに送信すること、取込んだデータをローカルメモリに保存すること、音声(例えば、音楽、ニュース、ポッドキャスト、スポーツ)をストリーミングすること、仮想アシスタントと対話してタスク(例えば、インターネット検索、イベントおよびアラームのスケジューリング、ホームオートメーションの制御、モノのインターネット(internet-of-things:IoT))装置の制御)を実行すること等を含む。
【0015】
電子装置100は、前方筐体部材106(例えば、前方カバー)および後方筐体部材108を含む1つ以上の筐体部材によって形成される筐体と、(ミッドフレーム110とも称される)構造ミッドフレーム110と、カメラサブアセンブリ112と、少なくともメインロジックボード(main logic board:MLB)114、カメラボード116および赤外線(infrared:IR)ボード118を含む複数のプリント回路基板(printed circuit board:PCB)とを含む。追加のPCBが用いられてもよい。PCBは様々な集積回路(integrated circuit:IC)構成要素を含み得る。様々なIC構成要素は、システムオンチップ(system-on-chip:SoC)IC装置と、プロセッサと、発光ダイオード(light-emitting diode:LED)、マイクロフォン、またはタッチ入力、ボタン押し操作もしくは音声コマンド等の入力を検出するためのセンサのためのIC構成要素とを含む。電子装置100はまた、ヒートシンク120と、スピーカモジュール122と、ケーブル124(例えば、電力ケーブル)とを含む。電子装置100は、スタンドアセンブリ126も含み得る。いくつかの局面では、電子装置100は、ステム128(例えば、ボールステム)、ブラケット130(例えば、ボールステムブラケット)、およびブーツ132(例えば、ボールステムブーツ)によって形成される概ね球状のボールジョイント等のヒンジを含み得る。ブラケット130は、ブーツ132およびステム128を適所に固定するためにミッドフレーム110に装着される。特に、ブラケット130は、摩擦界面を制御するためにブーツ132の前半分を拘束するように構成される。ブーツ132は、ステム128の球状端部に圧迫を加えて摩擦を発生させるように構成される。ミッドフレーム110は、実質的にC字形を形成するように先端が切取られた球状の一部分を反転させた形状を成すヒンジ支持面(例えば、凹面)を含む。このような態様で、ミッドフレーム110はステム128の球状端部と協働的に接続し得る。
【0016】
電子装置100はさらに、締結具134(例えば、ねじ、ボルト、接着剤、感圧接着剤(pressure-sensitive adhesive:PSA))等の取外し可能な組付け構成要素を含み得る。ヒートシンク120とともに、電子装置100は、高い熱伝導性を有する1つ以上の追加の熱制御構成要素(例えば、ヒートスプレッダ136、熱伝導材料(thermal interface material:TIM)、例えば、サーマルゲル、サーマルペースト、熱接着剤、サーマルテープ等)を含み得る。
【0017】
筐体部材106および108はプラスチック材料を含み得るとともに、例えばプラスチック射出成形技術を用いて形成され得る。筐体部材106および108は、
図1に示す例示的な幾何学的形状を含む任意の好適な幾何学的形状を含み得る。例えば、後方筐体部材108は、シェル138(例えば、中空の円筒形または概ね円筒形のシェル)を形成し得るものであって、その円筒の一端に丸みのあるキャップ140(例えば、概ね球状のキャップ)を備える。
図2は、後方筐体部材108の例示的な側面図を示しており、シェル138のうちその後端にキャップ140がかぶせられた先細の直径を図示する。これにより、シェル138の反対側の端部が開放されたままとなる。このようにして、後方筐体部材108は、開放端と反対側の丸みのある閉鎖端とを備えた概ねカップの形状を形成する。本明細書に記載の例は、概ね円筒形のシェルおよび概ね球状のキャップを示しているが、シェルおよびキャップのために代替的な形状が実現されてもよい。例えば、後方筐体部材108は、楕円形、正方形、長方形、三角形、または非対称形状を含む任意の好適な形状の断面を有する長円形のシェルまたは他の任意の好適な形状のシェルを形成してもよい。
【0018】
後方筐体部材108は、電子装置100の様々な構成要素を収容するための空隙を規定する。図示の例では、後方筐体部材108は、滑らかで(継ぎ目がない)外見的に見た目良く設計された単一の堅い部品であるが、低コストで製造することもできる。代替的には、後方筐体部材108は、一緒に組付けられた複数の部品を含んでもよい。前方筐体部材106は、概ね円盤の形状を有し得るとともに、シェルの開放端(前方)を覆うように構成され得る。前方筐体部材106は、任意の好適な締結具によって、またはPSA、1つ以上のクリップもしくはスナップ、ねじ、ボルト等を含む締結具の組合せによって、ミッドフレーム110に組付けられ得る。前方筐体部材106はまた、アパーチャまたは透明領域を含み得る。アパーチャまたは透明領域は、カメラサブアセンブリ112が当該アパーチャまたは透明領域を介してシーンの画像または映像を視認して取込むことを可能にするように、カメラサブアセンブリ112に位置合わせされる。
【0019】
構造ミッドフレーム110は、後方筐体部材108内に摺動可能に挿入されて電子装置100のための構造フレームを形成するように構成される。いくつかの局面では、構造ミッドフレーム110は、電子装置100の内部構成要素の大部分が筐体ではなくミッドフレーム110に組付けられるように形成される。電子装置100の内部構成要素は、筐体の外側にミッドフレームサブアセンブリを作り出すためにミッドフレーム110に組付けることができる。このミッドフレームサブアセンブリは、組付けられた構成要素を筐体内に封入する前にテストすることができ、これにより、分解によって筐体を破損させるリスクなしに改良、調整および修復を行なうことが可能となる。電子装置100の構成要素の大部分がミッドフレーム110に組付けられる(例えば、装着される)ので、筐体は、低コストで外見的に見た目良く成形可能な幾何学形状で形成することができる。ミッドフレーム110は、ポリカーボネート材料(例えば、75%の使用後リサイクル可能なポリカーボネート、95%の使用後リサイクル可能なポリカーボネート)または他の熱可塑性ポリマー等の任意の好適な材料を用いた射出成形等の任意の好適な技術を用いて形成されてもよい。ミッドフレーム110はまた、ヒンジの一部を形成する領域を含んでもよい。例えば、当該領域は、概ね球状のボールジョイントを反転させたものを含んでもよい。ミッドフレーム110のこのような領域は硬い接触面を備えることで、ブーツ132内のステム128の球状端部のしわまたは他の動きを防止し、より安定した感触のヒンジをもたらし得る。
【0020】
図4を参照すると、カメラサブアセンブリ112は、電子装置100の視野内の画像を取込み得るとともに、ミッドフレーム110に装着され得る。いくつかの局面では、カメラサブアセンブリ112は、カメラサブアセンブリ112がミッドフレーム110の外周部内に位置決めされるとともにミッドフレーム110に同軸に位置決めされるかまたは中心軸(例えば、軸402)をミッドフレーム110と共有するように、ミッドフレーム110に同心円状に装着され得る。
図1を再び参照すると、カメラサブアセンブリ112はカメラボード116の第1の側に装着され得る。カメラボード116の第1の側は、カメラボード116のうちメインロジックボード114が電気的に接続され得る第2の側とは反対側にある。いくつかの実現例では、ヒートスプレッダ136は、カメラボード116とメインロジックボード114との間に位置決めされ得る。
図4に示すように、カメラサブアセンブリ112は、電子装置100の前面に近接して位置決めされるとともに、前方筐体部材106に当接し得る。前方筐体部材106は、カメラサブアセンブリ112がその視野内のシーンの画像および/または映像を取込むことを可能にするようにカメラサブアセンブリ112に位置合わせされたアパーチャまたは透明部分を含む。
【0021】
図1に示すPCB(例えば、メインロジックボード114、カメラボード116、IRボード118)は、例えば、FR4等のガラス強化エポキシ材料から形成されてもよい。場合によっては、PCBは、単層の導電性トレースを含んでもよく、単層基板であってもよい。他の例では、PCBは、誘電体材料の層によって分離される複数層の導電性トレースを含む多層基板であってもよい。
図4に示すように、PCBの各々は、ミッドフレーム110に直接的または間接的に装着(例えば、ミッドフレームに組付けられる別の構成要素に装着)されてもよい。従って、PCBは、ミッドフレーム110に装着されるが筐体には装着されない。
図1に示す例では、PCBの各々は、ミッドフレーム110に直接装着されることとなる。
【0022】
図1を再び参照すると、メインロジックボード114は、電子装置100の後方に向かって開口するミッドフレーム110の後方開口部に近接して(例えば、後方筐体部材108のキャップ140に近接して)ミッドフレーム110に組付けられてもよい。いくつかの局面では、メインロジックボード114は、ヒートシンク120とミッドフレーム110との間に位置決めされ得る。また、メインロジックボード114は、ヒートシンク120とヒートスプレッダ136との間に位置決めされてもよい。メインロジックボード114は、例えば、フレキシブルプリント回路(flexible printed circuit:FPC)142を介してカメラボード116に電気的に接続され得るとともに、ヒートスプレッダ136によってカメラボード116から分離され得る。
【0023】
カメラボード116は、ミッドフレーム110の後方開口部に近接してミッドフレーム110の内部においてミッドフレーム110に組付けられてもよい。カメラボード116はカメラサブアセンブリ112に接続され得る。加えて、カメラボード116は、例えば、フレキシブルフラットケーブル(flexible flat cable:FFC)144を介してIR基板118に電気的に接続されてもよい。カメラボード116は、カメラサブアセンブリ112とメインロジックボード114との間に位置決めされてもよい。また、カメラボード116は、ヒートスプレッダ136とミッドフレーム110との間に位置決めされてもよい。
【0024】
IRボード118は、ミッドフレーム110に組付けられ得るとともに、電子装置100の視野内の動き検出および/または視野内の顔の顔面検出を含む様々な機能を管理するための回路を含み得る。一例では、IRボード118は、ねじを含む1つ以上の締結具を用いてミッドフレーム110に装着されてもよい。IRボード118は、動き検出または顔認識のために使用可能であり得るIR照明器およびIRセンサに電気的に接続され得る。IRボード118は、ミッドフレーム110の前方開口部に近接して装着され得る。ミッドフレーム110の前方開口部は、カメラボード116がIRボード118とヒートスプレッダ136との間に位置するように、電子装置100の前方に向かって(例えば、前方筐体部材106に近接して)開口している。
【0025】
ヒートシンク120およびヒートスプレッダ136は、SoC ICデバイス、メモリデバイス、プロセッサ等を含むPCB上の放熱構成要素からエネルギを伝達および拡散させるように実装され得る。ヒートスプレッダ136は、メインロジックボード114とカメラボード116との間に位置決めされて、メインロジックボード114および/またはカメラボード116上の1つ以上の発熱するIC構成要素(例えば、SoC IC構成要素、メモリIC構成要素、音声増幅器、および音声インダクタ)によって生成される熱を伝達および拡散させ得る。ヒートシンク120は、ミッドフレーム110から見てメインロジックボード114の反対側に位置決めされて、メインロジックボード114上の1つ以上の発熱するIC構成要素によって生成される熱を電子装置100の後端および側面に向けて伝達および拡散させ得る。メインロジックボード114は、メインロジックボード114上に装着されたIC構成要素を遮蔽する遮蔽カバーを含み得る。遮蔽カバーは、メインロジックボード114のうちヒートスプレッダ136に面する第2の側とは反対側の第1の側に装着され得る。メインロジックボード114上のIC構成要素によって生成された熱をヒートシンク120に分散させるために、熱伝導材料が遮蔽カバー上に分配されてもよい。
【0026】
スピーカモジュール122は、ヒートシンク120に組付けられ得るとともに、ヒートシンク120がスピーカモジュール122とミッドフレーム110との間に位置するように位置決めされ得る。このような態様で、スピーカモジュール122は、電子装置100の背面に向かって(例えば、後方筐体部材108のキャップ140に向かって)音波を出力し得る。
図4を参照すると、後方筐体部材108のキャップ140は、音波を筐体から放出させるための経路を設けるためにスピーカモジュール122に位置合わせされた1つ以上の穴404(例えば、穿孔)を含み得る。スピーカモジュール122は、ヒートシンク120を貫通するかまたはその周囲を通る1つ以上のワイヤを介してメインロジックボード114に電気的に接続され得る。
【0027】
図1を再び参照すると、ケーブル124はメインロジックボード114に組付けられてもよい。
図2に示すように、ケーブル124は、キャップ140の穴202等の後方筐体部材108の穴を通って長手方向に延びるように位置決めされてもよい。
図1に戻って、ケーブル124はクリップ146で組付けられてもよく、これにより、ケーブル124が後方筐体部材108の穴202を通って空隙内から後方筐体部材108の外側に向かって長手方向に動くのを阻止する。組付け中、例えば、ケーブル124の一部分は、後方筐体部材108の外側から後方筐体部材108の穴202を通って空隙内に挿入され得る。ケーブル124を穴202に通し、後方筐体部材108の開放端にも通して過度に延在させることで、ケーブル124が後方筐体部材108の外側で(例えば、後方筐体部材108の開放端を越えて)メインロジックボード114に組付けられることを可能にする。ケーブル124をメインロジックボード114に組付けて、さらにミッドフレーム110に組付けた後、当該ケーブル124を穴202を通じて反対方向に移動させて、空隙から部分的に出るようにする。クリップ146は、当該クリップ146がケーブル124に係合する位置を越えてケーブル124が後方筐体部材108から出ていくのを防ぐことによって、ケーブル124の一部を空隙内に保持する。後方筐体部材108は、ステム128をスタンドアセンブリ126まで貫通させることを可能にし得る追加の穴(例えば、穴148)を含み得る。いくつかの局面では、穴148は、後方筐体部材108の側面に位置しており、かつ後方筐体部材108の開放端に近接している。
【0028】
いくつかの局面では、後方筐体部材108およびそこに組付けられた構成要素は、電子装置100のヘッドまたはヘッドアセンブリ412と称することもある。スタンドアセンブリ126は電子装置100のベースとも称され得る。ベースおよびヘッドはヒンジを介して回動可能に接続される。いくつかの局面では、スタンドアセンブリ126はドーム形状を有する。また、スタンドアセンブリの直径はヘッドアセンブリ412の直径よりも小さい。
【0029】
スタンドアセンブリ126は、電子装置100を支持するために共に組付けられた様々な構成要素を含み得る。
図4に示す例では、スタンドアセンブリ126はヒンジのステム128に接続され得る。ステム128は、細長い円筒形シャフト406と、第1の端部408(例えば、球状端部)と、第1の端部408から見てシャフト406の反対側の端部上に第2の端部410(例えば、ねじ付き端部)とを含む。シャフト406は、後方筐体部材108の穴148を通して挿入され、第1の端部408は、ミッドフレーム110とブーツ132とブラケット130と後方筐体部材108との間に位置決めされる。このようにして、ステム128の第1の端部408がヘッドアセンブリ412内に固定され、ヘッドアセンブリ412がステム128に対して回動式に移動可能となる。スタンドアセンブリ126は、電子装置100を支持するために、壁、テーブルまたは天井等の任意の好適な表面に装着され得るかまたは組付けられ得る底面414を含む。底面414は、実質的に平面であって楕円形状を有し得る。いくつかの局面では、底面414は、前方筐体部材106の直径よりも小さい直径を有し得る。さらに、スタンドアセンブリ126は、ヒンジのステム128に取外し可能に接続され得る。第1の端部408は、ヘッドアセンブリ412とのヒンジを形成し、ステム128に対して(および/またはスタンドアセンブリ126に対して)ヘッドアセンブリ412の回動運動を可能にする。いくつかの局面では、ヘッドアセンブリ412の回動運動は穴148の外周部によって境界が定められている。さらに、ステム128の第1の端部408が球状を有しているので、ヘッドアセンブリ412の回動運動はパン、チルト、またはパンおよびチルトの両方を含む。
【0030】
図5は、様々な装着位置にあるベース(例えば、スタンドアセンブリ126)に対するヘッドアセンブリ(例えば、ヘッドアセンブリ412)の例示的な位置(例えば、位置500-1、500-2、500-3、および500-4)を示す。図示の例では、電子装置100は、卓上状態(例えば、位置500-1および500-2)ならびに壁状態(例えば、位置500-3および500-4)で示されている。ヘッドアセンブリ412は、卓上状態および壁状態の各々で関節運動することができる。両方の状態で関節運動できることにより、電子装置100を装着するための柔軟性が提供される。本明細書に記載のヒンジ(例えば、ステム128とブラケット130とブーツ132とミッドフレーム110との組合わせ)を実装することにより、ユーザは、ヘッドアセンブリ412に対してスタンドアセンブリ126を回転させて、卓上状態から壁状態へ、および壁状態から卓上状態へと切換えることができる。さらに、卓上状態および壁状態の各々は、(同じではないが)約45度のチルト範囲および約360度のパン範囲をもたらすことによって充分な関節運動を可能にする。
【0031】
位置500-1では、スタンドアセンブリ126は、実質的に水平な表面502上に載るように向きが定められ、ヘッドアセンブリ412は、実質的に水平な向きで位置決めされる。位置500-1は、カメラ(例えば、
図4のカメラサブアセンブリ112)が実質的に水平に向くことを可能にするために、電子装置100が例えば卓上、調理台または机の上に置かれるときに使用され得る。例えば、ヘッドアセンブリ412は、スタンドアセンブリ126の底面414によって規定される平面と実質的に(例えば、平行に)位置合わせされた中心軸504を含んでもよい。電子装置100が棚(例えば、表面506)上に配置される場合、ヘッドアセンブリ412は角度508で下方を向くように回動式に移動させることができる。卓上の装着位置では、角度508は、表面502または表面506に対して実質的に平行である、ベースの底面414によって規定される平面(または、表面502もしくは表面506によって規定される水平面)の下方で実質的に0度から45度のチルトの範囲内にあり得る。このようにして、ヘッドアセンブリ412は、カメラサブアセンブリ112の視野510がカメラサブアセンブリ112の真下かつ棚の前方に容積部を含むことを可能にするような向きにされ得る。さらに、位置500-2では、ヘッドアセンブリ412の中心軸504はステム128の長手方向軸(例えば、長手方向軸512)に対して実質的に直交し得る。
【0032】
電子装置100を壁状態(例えば、壁装着位置)に移行させるために、ステム128の長手方向軸512を中心としてヘッドアセンブリ412に対してベースを約180度回転させることにより、ヒンジがスタンドアセンブリ126をヘッドアセンブリ412に接続する位置に起因して、ベースの底面414をその以前の位置に対して実質的に直交させることが可能となる。位置500-3および位置500-4に示すように、電子装置100は、壁装着位置で向きが定められ、傾斜面(例えば、壁514などの実質的に垂直な表面)に組付けられる。壁装着位置では、電子装置100は、概して、高い位置、例えば、天井付近、シーンの上方、およびシーン内の被写体の上方に配置され得る。壁装着位置でこのように高い位置にあるため、ヘッドアセンブリ412は、卓上装着位置の場合と比較して、水平面の下方でより大きい角度にまで回動式に動かされ得る。例えば、ヘッドアセンブリ412は、角度516と角度518との間で回動式に移動可能であり、これにより、スタンドアセンブリ126が垂直壁に組付けられたときに水平面の下方で約25度~約70度のチルト範囲が規定され得る。このように、ヘッドアセンブリ412は、カメラサブアセンブリ112の視野510がスタンドアセンブリ126の下方において壁514の近くに容積部を含むことを可能にするように向きが定められてもよい。カメラサブアセンブリ112の視野510の外側においてスタンドアセンブリ126の下方に小さな領域(例えば、盲点)が生じることもあり得るが、ヒンジは、盲点のサイズを小さくするようにヘッドアセンブリ412をベースに対して位置決めすることを可能にする。
【0033】
例示的なスタンドアセンブリ
図6は、
図1の電子装置100のスタンドアセンブリ126およびその例示的な分解
図600を示す。スタンドアセンブリ126は、ステム128と、ベース筐体部材602と、重りブロック604と、ベースキャップ606と、ベースプレート608とを含む。スタンドアセンブリはまた、表面上への積載または表面への装着のための摩擦および支持をもたらす脚部610を含み得る。いくつかの局面では、ステム128は、ねじ付き締結具612(例えば、ナット)および1つ以上のワッシャ614を介してベース筐体部材602に機械的に取付けられてもよい。加えて、ベースキャップ606は、1つ以上の締結具616(例えばねじ)を介して重りブロック604に機械的に固定されてもよい。
【0034】
ステム128は、スタンドアセンブリ126とヘッド(例えば、ヘッドアセンブリ412)との間の360度の1回転を可能にするヒンジとして機能する。ステム128は、当該ステム128の長手方向軸512がスタンドアセンブリ126の中心軸(例えば、中心軸618)と交差するが中心軸618とは直交しないように向きが定められる。一例において、ステム128の長手方向軸512は、実質的に20度~50度の範囲内の非直交角度をスタンドアセンブリ126の中心軸618と形成する。ステム128はスタンドアセンブリ126の中心軸618からオフセットされているので、ヒンジは、スタンドアセンブリ126がヘッドアセンブリ412に対して約180度回転することと、底面414(例えば、脚部610の底面)の向きを第1の向き(例えば水平面)から第1の向きに対してほぼ直交する第2の向き(例えば垂直面)に変更する(例えば、
図5で説明するように、ヘッドアセンブリ412に対するスタンドアセンブリ126の向きを卓上状態から壁状態に変更するかまたはその逆に変更する)こととを可能にする一方で、依然として様々な向きでのヘッドアセンブリ412の関節運動を可能にする。
【0035】
スタンドアセンブリ126はドーム状シェルを形成する(例えば、ベース筐体部材は、開放端と反対側の丸みのある閉鎖端とを備えた概ねカップの形状を形成する)。スタンドアセンブリ126のドーム形状は中心軸618に関して概ね対称である。重りブロック604は、ベース筐体部材602の内側に嵌まり込み、電子装置100に安定性をもたらすように構成されており、これにより、電子装置100が、多くの既存のカメラよりも小さいフォームファクタおよび小さいフットプリントを有することが可能となる。従って、重りブロック604は、安定性を高めるために電子装置100のヘッドアセンブリ412に対するカウンタウェイトとして作用する。いくつかの実現例では、重りブロック604は、ベース筐体部材602の内部湾曲を実質的に補完するような形状にされてもよい。加えて、重りブロック604は、1つ以上の構成要素(例えば、ねじ付き締結具612、ステム128のねじ付き端部)を収容するように構成された1つ以上の凹部(例えば凹部620)を含み得る。
【0036】
いくつかの局面では、ねじ付き締結具612およびワッシャ614は、ステム128をベース筐体部材602に固定するために用いられる。一例では、ステム128は、ベース筐体部材602の穴内に位置決めされるとともに、ベース筐体部材602内のねじ付き締結具612に取付けられる。従って、ステム128は、この例ではベース筐体部材602に取付けられる。本明細書に記載の他の例では、ステム128は重りブロック604に固定されるかまたは取付けられる。
【0037】
ベースキャップ606は、重りブロック604のうちベース筐体部材602の反対側で当該重りブロック604に取付けられるように構成されている。一例では、ベースキャップ606は、実質的に平らな閉鎖端と開放端とを備えた概ねカップの形状(例えば、円筒形シェル)を有する。ベースキャップ606は、重りブロック604の一部がベースキャップ606によって形成される空隙622内に位置決めされるような態様で重りブロック604に組付けられ得る。これらを一緒に組付ける時、ベースキャップ606はベース筐体部材602の開放端に近接して位置決めされるのに対して、重りブロック604はベース筐体部材602の閉鎖端に近接して位置決めされる。この配置では、重りブロック604はベース筐体部材602とベースキャップ606との間にある。いくつかの局面では、ベースキャップ606は、1つ以上の締結具(例えば締結具616)を介して重りブロックに取付けられる。
【0038】
ベースプレート608は、ベースキャップ606に取外し可能に組付けられるように構成される。ベースプレート608は、開放端および実質的に平らな閉鎖端を備えた概ねカップの形状(例えば、円筒形シェル)を有する。ベースプレート608は、ベースキャップ606の一部がベースプレート608によって形成される空隙624内に位置決めされるような態様でベースキャップ606に組付けられる。これらを一緒に組付ける際、ベースキャップ606は、ベース筐体部材602とベースプレート608との間に位置決めされる。
【0039】
本明細書に記載のとおり、ベースキャップ606は、2つの異なる位置でのベースプレート608の取付けを可能にする特徴を含むが、これはスタンドアセンブリ126の全体的高さに影響を及ぼす。脚部610は、ベースプレート608の底面に取付けられる。いくつかの局面では、脚部610は接着剤によって取付けられる。脚部610は、脚部610がベース筐体部材602の開放端と面一になっている状態からオフセットされるように、ベース筐体部材602の開放端に近接して位置決めされ得る。脚部610は、安定性のために表面に対して摩擦をもたらす任意の好適な材料で形成され得る。
【0040】
図7Aは、第1の状態にあるスタンドアセンブリ126の一部分の例示的な実現例700を示す。
図7Bは、第2の状態にあるスタンドアセンブリ126の一部分の例示的な実現例710を示す。例示的な実現例700および710は、重りブロック604とベースキャップ606とベースプレート608と脚部610とのアセンブリを含む。
【0041】
図7Aに示す第1の状態は卓上状態と称され得る。
図7Bに示す第2の状態は壁状態と称され得る。第1の状態は第2の状態よりも低背である(例えば、高さ702は高さ712よりも低い)。従って、壁状態は、卓上状態と比べてスタンドアセンブリ126の高さ(および電子装置100の全体の高さ)を増加させる。さらなる詳細について
図8Aから
図11を参照して説明する。
【0042】
図8Aは、卓上状態においてベースキャップ606に組付けられたベースプレート608の等角
図800を示す。
図8Bは、卓上状態に関してベースプレート608およびベースキャップ606の分解
図820を示す。ベースプレート608およびベースキャップ606は、複数の突起と嵌合する複数のチャネルに基づいて、ツイストロック(例えば、差込み型コネクタ)を介して互いに取外し可能に取付けられてもよい。
【0043】
図示の例では、ベースプレート608は、当該ベースプレート608の内面804からベースプレート608の内側(例えば、空隙620)に向かって延在する1つ以上の突起802(例えば、リブまたはピン)を含む。突起802は、均等な分布または不均等な分布を含む任意の好適な態様でベースプレート608の内径の周囲に分散されてもよい。ベースプレート608は、4つのリブを有するものとして示されているが、任意の好適な数の突起802が用いられてもよい。
【0044】
図示の例を続けて参照すると、ベースキャップ606は、突起802を収容してベースプレート608をベースキャップ606に固定するように構成されたチャネル806(例えば、スロット)を含む。チャネル806のうち少なくとも2つは、ベースキャップ606の外面上の凹部の一部として形成され得る。代替的には、チャネル806のうち少なくとも2つは、ベースキャップ606の外面から延在してチャネル806を規定する突起部材によって形成されてもよい。2つのチャネルは、スタンドアセンブリ126のための2つの異なる組付け状態(例えば、卓上状態および壁状態)をもたらすように直交して(互いに平行であるが長手方向軸を共有せずに)積層され得る。特に、チャネルは、ベースプレート608がスタンドアセンブリ126の様々な状態のために様々な高さをもたらすことを可能にする。図示していないが、代替的な実現例は、ベースキャップ606上の突起を収容するように構成されたチャネルを有するベースプレート608を含み得る。
【0045】
破線矢印808によって示すように、ベースプレート608の突起802を第1のチャネル806-1(例えば、ベースキャップ606の頂部に最も近いチャネル806)に挿入することにより、スタンドアセンブリ126を卓上状態で構成して、高さ810を有する電子装置100のために低背のベースをもたらす。卓上状態は、卓上もしくは棚の装着位置、または別の概ね水平な表面のために使用され得る。
【0046】
ここで、壁状態でベースキャップ606に組付けられたベースプレート608の等角
図900を示す
図9Aについて検討する。
図9Bは、壁状態に対するベースプレート608およびベースキャップ606の分解
図920を示す。ベースプレート608の突起802を第2のチャネル806-2(例えば、ベースキャップ606の底部に最も近いチャネル806)に挿入することにより、破線矢印902で示すように、スタンドアセンブリ126を壁状態で構成し、これにより、高さ904を有する電子装置100のための高背のベースをもたらす。比較すると、壁状態(
図9A)での高背ベースの高さ904は、卓上状態(
図8A)での低背ベースの高さ810よりも、第2のチャネル806-2と第1のチャネル806-1との間のオフセット(例えば、距離908)によって定義される量(例えば、距離906)だけ大きい。壁状態の方が高さ(例えば、高さ904)がより高いので、電子装置100が壁に組付けられたときにヘッドアセンブリ412と壁(例えば、壁514)との間に追加のクリアランスがもたらされる。
【0047】
壁状態は、ベースキャップ606とベースプレート608との間に追加の空間(例えば、容積部910)をもたらし、この追加の空間には、ベースプレート608の両側にある切抜き部(例えば、切欠き912)を介してアクセス可能であることに留意されたい。壁状態では、容積部910および切欠き912はケーブル124(
図2に示す)を引き回すための経路をもたらす。この例を
図10および
図11に示す。
【0048】
例えば、
図10は、壁状態で構成されたスタンドアセンブリ126の正面
図1000を示す。図示のように、ケーブル124は、切欠き912と壁状態によってもたらされる容積部910とを経由して引き回される。スタンドアセンブリ126はまた、スタンドアセンブリ126を傾斜面(例えば、
図5の壁514)に装着するための1つ以上の締結具1002(例えば、ねじ、ボルト)を含み得る。例えば、締結具1002は、ベースプレート608を壁に固定するためにベースプレート608に穴を通じて嵌め込まれてもよい。
【0049】
引き続き、
図11は、壁状態で構成されて壁(例えば、壁514)に取付けられた電子装置100の側面を示す右立面
図1100を示す。図示のように、スタンドアセンブリ126の壁状態は、ヘッドアセンブリ412と壁514との間に追加のクリアランス(例えば、距離1102)をもたらして、ヘッドアセンブリ412が壁514に接触するのを防止するとともに、電子装置100が壁状態であるときにヘッドアセンブリ412がより多く関節運動することも可能にする。比較すると、電子装置100が卓上状態で構成されたときに壁514に装着された場合、ヘッドアセンブリ412および/またはケーブル124が壁514に衝突する可能性があり、結果としてヘッドアセンブリ412の関節運動がより少なく(例えば、チルトの範囲が少なく)なる可能性がある。また、ケーブル124をスタンドアセンブリ126を経由して引き回すことで、スタンドアセンブリ126が壁514に取付けられたときにクリーナアセンブリがもたらされる。
図10および
図11に示すように、スタンドアセンブリ126を経由してケーブル124を引き回すことで、ケーブル124の一部が隠されるとともにケーブル124が拘束される。
【0050】
図12Aは、卓上状態で構成されたスタンドアセンブリ126の正面
図1200を示す。
図12Bは、
図12Aのスタンドアセンブリ126を線12B-12Bに沿って示す右断面
図1210である。図示した例に示すとともに上述したように、ステム128は、ベース筐体部材602内に位置決めされるネジ付き締結具612によってベース筐体部材602に固定される。別の例では、ステム128は、例えば重りブロック604内のねじ付きインサートを介して重りブロック604に直接取付けられてもよい。重りブロック604は、ベース筐体部材602内に嵌合し、ベース筐体部材602の内面の形状を実質的に補完するように形作られている。重りブロック604の一部はベースキャップ606内に位置決めされる。ベースプレート608は、ベースプレート608がベース筐体部材602の開口部(例えば、ドーム状シェルの端縁1212によってもたらされる開口部)とほぼ面一となる卓上状態で低背をもたらすツイストロック方式で、ベース筐体部材602内でベースキャップ606に取外し可能に組付けられる。
【0051】
図13は、スタンドアセンブリ126の別の構成の例示的な分解
図1300を示す。この構成は、ベース筐体部材602のための様々な材料(例えばプラスチックよりも構造的に音が小さい材料および/または衝撃(例えば床への落下)時に破損するかもしくは割れる可能性のある材料)に対応するように実現され得る。例示的な材料として木材、セラミック、発泡体などが含まれ得る。ベース筐体部材602はプラスチック材料と比較して構造上の一体性が低い(例えば、ベース筐体部材602は、電子装置100を硬い表面上に落とした場合に生じる衝撃力に基づいて割れ易い)ため、ステム128はベース筐体部材602に固定されない。むしろ、ステム128は、細長いシャフト(例えば、シャフト1302は
図4のシャフト406よりも長い)を有しており、この細長いシャフトが重りブロックの穴を通じて挿入され、重りブロック604の反対側でねじ付き締結具(例えば、ねじ付き締結具612)に締結される。
【0052】
図示の例では、スペーサ(例えばスペーサ1304)は、重りブロック604とステム128の第1の端部408(例えば球状端部)との間に位置決めされてよく、この場合シャフト1302はスペーサ1304を貫通する。スペーサ1304は、可撓性のシリコーンまたは剛性のプラスチックもしくは金属を含む任意の好適な材料であり得る。可撓性シリコーンまたは同様の材料を用いることにより、電子装置100の全体重量を減らして、ステム128によってベース筐体部材602に加えられる歪みを低減させ得る。重りブロック604は、スペーサ1304を支持するように構成された表面(例えば、表面1306)を含み得る。さらに、ベース筐体部材602は、ステム128を貫通させるための穴1308を含む。いくつかの局面では、穴1308は、スペーサ1304の外径に実質的に一致する直径を有する。このようにして、ベース筐体部材602は、ステム128とスペーサ1304との間で圧縮されないので、穴1308に近接していても圧縮力を受けない。従って、図示したスタンドアセンブリ126の構成は、ステム128によってベース筐体部材602に対してもたらされる歪みを低減させるのに役立ち得る。また、
図13には、ベースキャップ606、ベースプレート608、脚部610および締結具616が示されている。
【0053】
上述の例を続けて説明すると、
図14Aは、
図13のスタンドアセンブリ126の上面
図1400を示す。
図14Bは、
図14Aのスタンドアセンブリ126を線14B-14Bに沿って示す右断面
図1420である。
図14Aは、スタンドアセンブリ126を上面図で見たときに概ね楕円の形状を有するものとして示す。
図14Bに示すように、ステム128は、ねじ付き締結具
612を介して、ベース筐体部材602にではなく重りブロック604に固定される。さらに、スペーサ1304は、ベース筐体部材602の外面と実質的に面一である。ベース筐体部材602は、ベース筐体部材602に対する歪みを低減させる任意の好適な方法で重りブロック604に取付けられ得る。例えば、筐体は、ベース筐体部材602の内面と重りブロック604の外面との間の付勢力により重りブロック604に取付けられてもよい。いくつかの局面では、ベース筐体部材602は重りブロック604上に「スナップ嵌合」され得る。
【0054】
【0055】
本明細書に記載の前方筐体部材106は、一般に、様々な外見上の見た目のために、およびIRグレアを防止するために、レンズに近接して配置されるいくつかのより小型の構成要素を備えた大型の装飾的部品を有する多部品アーキテクチャを含む多くの既存のカメラ製品と比べて、含まれる部品の数が少ない。IRグレアは、前方カバーの材料に結合しカバーに沿って進んでカメラレンズ内に漏れるIR光を含む。このIRグレアは画像にぼやけを生じさせる。いくつかの既存のカメラ製品は、IR漏れを防止するために用いられる複数の追加のシリコンシールとともにカメラレンズの周りに位置決めされた別個の部品(例えば、ベゼル)を含む。
【0056】
ベゼルおよび追加のシリコンシールを有する既存のカメラ製品とは対照的に、本明細書に記載の前方筐体部材106は、別個のベゼルおよび/または追加のシリコンシールを用いることなくカメラレンズ内へのIR漏れ(例えば、IRグレア)を防止するダブルショット成形で形成される。このダブルショット成形により、前方カバーに用いられる部品点数を減らし、部品の制御をより容易にし、制御する必要がある間隙の数を減らす。
【0057】
図15Aに示すように、前方筐体部材106は、カメラレンズ(例えば、
図1のカメラサブアセンブリ112のレンズ)に位置合わせされるように構成されて同心円状に位置決めされた中央開口部1502を備えた概ね楕円(例えば、円)の形状を有する。前方筐体部材106は、化学的に結合された第1の材料1504および第2の材料1506を有する単一片を含む。いくつかの局面では、前方筐体部材106は、射出成形、特にダブルショット成形によって形成され、これにより、2つのプラスチック樹脂(例えば、第1の材料1504および第2の材料1506)が互いに分子結合を形成することを可能にして、2つの材料の間で継ぎ目がなく隙間のない移行をもたらし得る。第1の材料1504はIR半透明材料であり、IR光が第1の材料1504を通過することを可能にする。例えば、第1の材料1504は、IR光源の前方に位置決めされてもよく、IR光源からの(例えば、暗視または顔認識のための)IR光は第1の材料1504を通過し得る。第2の材料1506はIR不透明材料であり、IR光が第2の材料1506を通過するのを遮断または防止する。第2の材料1506は、カメラレンズの周囲を取り囲んでおり、これにより、カメラレンズ内へのIRグレアを防止する。このように、第2の材料1506は、IRグレア防止のためのIR遮断ベゼルとして作用する。前方筐体部材106は、カメラサブアセンブリ112(
図1)の視野510(
図5)との干渉を軽減するとともに後方筐体部材108内に位置しておりかつ前方筐体部材106の裏側に近接しているIR照明器およびIRセンサの視野を向上させるために、非平面である前面を有する。さらに、
図15Cに示すように、第2の材料1506は、カメラレンズの視野との干渉を低減するために中心開口部1502に向かって内側に傾斜する外面1508を含む。第1の材料1504は、第2の材料1506向かって(例えば、中心開口部1502に向かって)外側に傾斜する外面1510を含む。
図15Cにおける断面
図1520の一部1522を拡大して
図15Dに示す。
【0058】
図15Dに示すように、第1の材料1504および第2の材料1506が互いに結合され、結果として第1の材料1504と第2の材料1506との間の隙間はゼロ(例えば、隙間なし)になる。いくつかの例では、ダブルショット成形は、第1の材料1504と第2の材料1506との間に継ぎ目または線を残さない。IR光は、IR不透明材料(例えば、第2の材料1506)と接触するまでIR半透明材料(例えば、第1の材料1504)内で跳ね返り回る可能性があり、これにより、IR光がさらに通過してカメラレンズ(例えば、前方筐体部材106の中心開口部1502に位置合わせされたカメラサブアセンブリ112のカメラレンズ)内に漏れ出すのが阻止される。また、第2の材料1506は、前方筐体部材106をカメラサブアセンブリ112のカメラレンズと位置合わせするのに用いられる位置合わせ面1532を第2の材料の内径上に含む。加えて、本明細書に記載の前方筐体部材106は、多くの既存の装置の典型的な多部品(例えば、2部品)アーキテクチャ間に外見上設けられる隙間を排除することによって、知覚される品質を向上させ、これにより製造コストも低減させ得る。
【0059】
いくつかの例を以下に提供する。
一例はカメラ装置を含む。カメラ装置はヘッドアセンブリを含む。ヘッドアセンブリは、開放端と反対側の丸みのある閉鎖端とを備えた概ねカップの形状を有する後方筐体部材と、ヘッドアセンブリの開放端を覆うように構成された概ね円盤状の前方筐体部材と、後方筐体部材内に位置決めされたカメラサブアセンブリとを含み、カメラサブアセンブリは、シーンの画像または映像の取込みを可能にするように前方筐体部材におけるアパーチャまたは透明領域に位置合わせされており、カメラ装置はさらに、スタンドアセンブリを含み、当該スタンドアセンブリは、ドーム形状のシェルを形成するベース筐体部材と、ベース筐体部材内に位置決めされた重りブロックと、スタンドアセンブリをヘッドアセンブリに接続するヒンジを設けるように構成されたステムとを含み、当該ステムは、スタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの45度のチルト範囲および360度のパン範囲を実質的にもたらすように構成される。
【0060】
ステムは、後方筐体部材の側面でかつ後方筐体部材の開放端に近接してヘッドアセンブリに接続される第1の端部を含み得る。
【0061】
ステムの第1の端部は、ヘッドアセンブリのためのボールジョイントをもたらすように実質的に球状であり得る。
【0062】
ステムは、第1の端部の反対側にあってベース筐体部材内に位置決めされたねじ付き締結具に接続される第2の端部を含み得る。ステムは、スタンドアセンブリの中心軸と非直交角度を形成する長手方向軸を含む。
【0063】
角度は、実質的に20度~50度の範囲内であり得る。
ねじ付き締結具は、ベース筐体部材と重りブロックとの間に位置決めされ得る。
【0064】
ステムは、重りブロックにおける穴を貫通し、第1の端部から見て重りブロックの反対側でねじ付き締結具に接続し得る。
【0065】
ステムは、第1の端部の反対側にあって重りブロックに接続される第2の端部を含み得る。
【0066】
スタンドアセンブリはさらに、開放端と実質的に平らな閉鎖端とを備えた概ねカップの形状を有するベースキャップを含み得る。ベースキャップは重りブロックに組付けられ、重りブロックは、ベースキャップとベース筐体部材との間に位置決めされる。
【0067】
スタンドアセンブリはさらに、開放端と実質的に平らな閉鎖端とを備えた概ねカップの形状を有するベースプレートを備え得る。ベースプレートはベースキャップに組付けられ、ベースキャップは重りブロックとベースプレートとの間に位置付決めされる。
【0068】
スタンドアセンブリはさらに、ベースプレートの底面に取付けられて表面に対して摩擦をもたらすように構成された脚部を備え得る。
【0069】
カメラ装置はさらに、後方筐体部材内に位置決めされてカメラ装置のための構造フレームを形成するミッドフレームを備え得る。ミッドフレームは、カメラ装置の複数の構成要素を構造的に支持するように構成される。
【0070】
カメラサブアセンブリはミッドフレームに組付けられてもよい。
前方筐体部材はミッドフレームに組付けられてもよい。
【0071】
前方筐体部材は、赤外線半透明であってIR光源の前方に位置決めされる第1の材料と、赤外光に対して不透明であって第1の材料とカメラサブアセンブリのカメラレンズとの間に位置決めされる第2の材料とを含み得る。第2の材料は、赤外光が第1の材料からカメラレンズ内へと通過することを防止するように構成される。
【0072】
前方筐体部材は、第1の材料と第2の材料とを化学的に結合するダブルショット成形によって形成され得る。
【0073】
第1の材料および第2の材料は、第1の材料と第2の材料との間に継ぎ目および隙間のない移行をもたらすように互いに接合され得る。
【0074】
カメラ装置はさらに、ミッドフレームに組付けられてミッドフレームとヒートシンクとの間に位置決めされるメインロジックボードと、カメラサブアセンブリのカメラボードであって、メインロジックボードと前方筐体部材との間でミッドフレームに組付けられるカメラボードと、前方筐体部材とカメラボードとの間でミッドフレームに組付けられる赤外線ボードとを含み得る。
【0075】
カメラ装置はさらに、後方筐体部材の閉鎖端に近接して位置決めされて空隙を規定するヒートシンクと、ヒートシンクによって規定された空隙内に位置決めされるスピーカモジュールとを含み得る。
【0076】
スタンドアセンブリは、ヘッドアセンブリの直径よりも小さい直径を有し得る。
別の例はカメラ装置を含む。カメラ装置は、シーンの画像を取込むための少なくともカメラサブアセンブリを有するヘッドアセンブリと、ヘッドアセンブリを支持して表面に装着するように構成されたスタンドアセンブリと、ヘッドアセンブリをスタンドアセンブリに回動可能に接続するヒンジとを含み、当該ヒンジは、スタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの360度のパン範囲をもたらし、カメラ装置を様々な表面に取付けるための複数の構成状態を可能にし、複数の構成状態は、実質的に水平な表面のための卓上状態と、実質的に垂直な表面のための壁状態とを含み、当該ヒンジはさらに、ヒンジの長手方向軸を中心としたヘッドアセンブリに対するスタンドアセンブリの約180度の回転に基づいて卓上状態と壁状態との間を移行する。
【0077】
ヒンジはさらに、複数の構成状態の各々でスタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの約45度のチルト範囲をもたらすように構成され得る。
【0078】
ヒンジはさらに、スタンドアセンブリが実質的に水平な表面上に載っているかまたは装着されているときに水平面の下方でゼロ度から45度の間のチルト範囲を有するための卓上状態と、スタンドアセンブリが垂直面に装着されているときに水平面の下方で25度~70度のチルト範囲を有するための壁状態とを可能にするように構成され得る。
【0079】
ヒンジは、細長いシャフトによって第2の端部に接続された第1の端部を有するステムを含み得る。ステムの第1の端部は、ヘッドアセンブリとのヒンジを形成してスタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの回動運動を可能にする球状を有し得る。
【0080】
カメラサブアセンブリは、ヘッドアセンブリの前端に近接してヘッドアセンブリ内に位置決めされ得る。ステムの第1の端部は、前端に近接した位置でヘッドアセンブリに取付けられ得る。
【0081】
ステムの第2の端部はスタンドアセンブリに取付けられ得る。
スタンドアセンブリは、様々な表面に取付け可能な底面を含み得る。スタンドアセンブリは、底面に垂直な中心軸を含み得る。ステムは、スタンドアセンブリに組付けられたときにスタンドアセンブリの中心軸と交差して中心軸と非直交角度を形成する長手方向軸を含み得る。
【0082】
非直交角度は、実質的に20度~50度の範囲内であり得る。
スタンドアセンブリは、中心軸のまわりに概ね対称であるドーム形状を有し得る。
【0083】
ヘッドアセンブリは、カメラサブアセンブリを収容する前方筐体部材および後方筐体部材を含み得る。後方筐体部材は、開放端と、開放端の反対側にある丸みのある閉鎖端とを備えた概ねカップの形状を有し得る。前方筐体部材は、概ね円盤の形状を有し得るとともに、後方筐体部材の開放端に位置決めされて開放端を覆う。
【0084】
スタンドアセンブリは、概ねカップの形状を有するベースプレートであって当該ベースプレートのリムの周囲に複数の突起が分散されているベースプレートと、ベースプレート上の複数の突起を収容するように構成された複数のチャネルを有するベースキャップとを含み得る。複数のチャネルは、卓上状態のための低背ベースおよび壁状態のための高背ベースを可能にするように互いに平行であって直交して積層された少なくとも2つのチャネルを含む。
【0085】
ベースキャップおよびベースプレートは、複数の突起と、複数のチャネルのうちの少なくともいくつかと、に基づいてツイストロックによって取外し可能に取付けられ得る。
【0086】
壁状態のための高背ベースは、卓上状態のための低背ベースを超える高さを有し得る。
ベースプレートは、ベースプレートの両側に少なくとも2つの切欠きを備え得る。高背ベースは、ベースプレートとベースキャップとの間に容積部を設け得る。カメラ装置はケーブルを含み得る。ケーブルは、少なくとも2つの切欠きおよび容積部を経由して引き回されることで拘束される。
【0087】
カメラ装置が表面に取付けられる場合、壁状態は、ヘッドアセンブリと表面との間に追加のクリアランスをもたらして、ヘッドアセンブリが表面に接触するのを防止し得る。
【0088】
さらに別の例は、ヘッドアセンブリを備えた電子装置を含み、ヘッドアセンブリは、第1の中心軸のまわりに概ね対称であるとともに開放端と当該開放端の反対側に丸みのあるキャップとを有する概ねカップの形状を形成する後方筐体部材を含み、後方筐体部材は、開放端から丸みのあるキャップに向かって先細になる先細の直径を有し、ヘッドアセンブリはさらに、後方筐体部材の開放端を覆うように当該開放端に組付けられる前方筐体部材を含み、前方筐体部材は、概ね円盤の形状を有するとともに、後方筐体部材内に位置する電子装置のカメラのカメラレンズに位置合わせされ、当該電子装置はさらに、両端である第1の端部および第2の端部を有する細長い円筒形のシャフトを有するステムを含み、当該ステムの第1の端部は、後方筐体部材の側面に位置しておりかつ当該後方筐体部材の開放端に近接している穴を通じて当該ヘッドアセンブリに取付けられ、当該ステムの第1の端部は、当該ステムに対する当該ヘッドアセンブリの回動運動を可能にするように当該ヘッドアセンブリとのヒンジを形成し、当該電子装置はさらに、第2の中心軸のまわりに概ね対称であり実質的に平らな底面を有するドーム形状を有するスタンドアセンブリを含み、スタンドアセンブリは、ステムにスタンドアセンブリの第2の中心軸と非直交角度を形成させるように、スタンドアセンブリの第2の中心軸からオフセットされたスタンドアセンブリ上の位置でステムの第2の端部に取付けられている。
【0089】
前方筐体部材の前面は非平面であり得る。
前方筐体部材は、前方筐体部材と同心であってカメラレンズに位置合わせされた開口部を含み得る。
【0090】
前方筐体部材は、第1の材料と、当該第1の材料とは異なる第2の材料とを含み得る。
第2の材料は、開口部の周りに外周を形成し得るとともに、開口部に向かって内側に傾斜する外面を含み得る。
【0091】
第1の材料は、第2の材料に向かって外側に傾斜する外面を含み得る。
第1の材料は赤外線半透明であり得るとともに、第2の材料は赤外線不透明であり得る。
【0092】
電子装置はさらに、後方筐体部材における丸みのあるキャップに位置するアパーチャを介してヘッドアセンブリに接続された電力ケーブルを含み得る。
【0093】
後方筐体部材は、後方筐体部材内に位置するスピーカモジュールによって生成される音波をヘッドアセンブリから放出させるための経路を設けるために、丸みのあるキャップに1つ以上の穴を規定し得る。
【0094】
底面は、前方筐体部材の直径よりも小さい直径を有し得る。
ステムの第1の端部は、球状であり得るとともに、ステムに対するヘッドアセンブリの回動運動を可能にするようにヘッドアセンブリ内に固定され得る。
【0095】
ステムに対するヘッドアセンブリの回動運動は、パンおよびチルトを含み得る。
ヒンジは、スタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの第1の位置を可能にし得る。第1の位置は、スタンドアセンブリの底面によって規定される平面に対して実質的に平行である、ヘッドアセンブリの後方筐体部材の中心軸を含む。
【0096】
ヒンジは、スタンドアセンブリに対するヘッドアセンブリの第2の位置を可能にし得る。第2の位置は、ステムの長手方向軸に対して実質的に直交する後方筐体部材の中心軸を含む。
【0097】
スタンドアセンブリは、スタンドアセンブリの様々な状態のための様々な高さをもたらす取外し可能に組付けられたベースプレートを含み得る。様々な高さは、スタンドアセンブリの卓上状態のための第1の高さと、スタンドアセンブリの壁状態のための第2の高さとを含む。第2の高さは第1の高さよりも高い。ベースプレートは、壁状態で組付けられると、容積部を規定するとともに、電子装置の電力ケーブルの一部分を容積部内に隠して拘束するように当該電力ケーブルを容積部を経由して引き回すための経路を設ける。