(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-02-28
(45)【発行日】2025-03-10
(54)【発明の名称】統合されたエネルギー貯蔵ユニットを備えた表面下のエネルギー貯蔵システムおよび関連する方法
(51)【国際特許分類】
E01C 5/06 20060101AFI20250303BHJP
B60L 53/12 20190101ALN20250303BHJP
【FI】
E01C5/06
B60L53/12
(21)【出願番号】P 2024554161
(86)(22)【出願日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 US2023064085
(87)【国際公開番号】W WO2023173052
(87)【国際公開日】2023-09-14
【審査請求日】2024-11-11
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524338889
【氏名又は名称】エノベーティブ パテント ホールディング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ ランズベリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェロルド エル.ボッツ
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0102730(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第113306415(CN,A)
【文献】特表2015-536124(JP,A)
【文献】特表2024-533254(JP,A)
【文献】特開昭64-39202(JP,A)
【文献】再公表特許第2014/147857(JP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第0289868(EP,A2)
【文献】特表2014-504225(JP,A)
【文献】特表2018-510598(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0098723(US,A1)
【文献】中国実用新案第206873789(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 5/06
B60L 53/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面下のエネルギー貯蔵システムであって、
車両を運行する表面を画定するように配置された複数の道路ハウジングであって、各道路ハウジングは、
エネルギー貯蔵アセンブリに複数の空洞を画定するハウジングと、
前記複数の空洞を囲み、前記複数の空洞の間に延びる複数のチャネルと、
前記複数の空洞内にそれぞれ搭載され、電気的に相互に結合された複数のエネルギー貯蔵ユニットと、を含む前記エネルギー貯蔵アセンブリと、
前記エネルギー貯蔵アセンブリの
真上で、車両を運行する前記表面を提供する少なくとも1つの層
であって、前記少なくとも1つの層は、車両を運行する前記表面を画定するオーバー層を含む、前記少なくとも1つの層と、を備える、前記複数の道路ハウジングと、
前記複数の道路ハウジング内の前記複数のエネルギー貯蔵ユニットに結合されたエネルギー貯蔵管理コントローラと、
を備えることを特徴とする表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項2】
各道路ハウジングは、前記エネルギー貯蔵アセンブリの下に排水チャネルをさらに備える、請求項1に記載の表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項3】
各道路ハウジングは、前記排水チャネルの下に支持アセンブリをさらに備える、
請求項2に記載の表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項4】
前記支持アセンブリは、前記排水チャネルに接する支持層と、前記支持層から延びる複数の垂直脚とを備える、
請求項3に記載の表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの層は、車両を運行する前記表面上の交通からエネルギーを生成するように構成され、前記エネルギー貯蔵管理コントローラに結合されるトランスデューサ層を備える、請求項1に記載の表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項6】
各道路ハウジングは、前記エネルギー貯蔵アセンブリに結合された分配導管をさらに備える、請求項1に記載の表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項7】
前記ハウジングが少なくとも1つの長手方向空洞を画定し、前記エネルギー貯蔵アセンブリが前記少なくとも1つの長手方向空洞内に少なくとも1つの充電デバイスを備える、請求項1に記載の表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの層は
、車両を運行する前記表面のための前記オーバー層に設けられた少なくとも1つの視覚的インジケータを
さらに備える、請求項1に記載の表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの層は、車両を運行する前記表面を除氷するための加熱要素層を備える、請求項1に記載の表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項10】
前記複数のエネルギー貯蔵ユニットのそれぞれが、バッテリおよびコンデンサのうちの1つを備える、請求項1に記載の表面下のエネルギー貯蔵システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の表面下のエネルギー貯蔵システムを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、道路建設の分野に関し、より具体的には、道路エネルギー貯蔵システムおよび関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2022年3月11日に出願された先行出願の同時係属中の出願第63/269,187号に基づいており、その主題全体が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
世界の天然資源は限られている。実際、炭化水素燃料などのこれらの天然資源の多くは補充できず、補充に数年、数十年、または数世紀かかかる。この程度まで、世界は炭化水素燃料に大きく依存するようになり、炭化水素燃料は驚くべき速度で枯渇し、ある時点で完全になくなる可能性がある。炭化水素燃料の供給が枯渇し続けるにつれて、需要は増加し続けている。この状態は、最終的にこれらの炭化水素燃料の取得コストが法外なものになることにつながる。さらに、炭化水素燃料の使用は温室効果ガスを発生させ、環境に悪影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0004】
一般に、表面下のエネルギー貯蔵システムは、車両を運行する表面を画定するように配置された複数の道路ハウジングを備える。各道路ハウジングは、その中に複数の空洞を画定するハウジングと、複数の空洞内にそれぞれ搭載され、電気的に相互に結合される複数のエネルギー貯蔵ユニットとを備えるエネルギー貯蔵アセンブリを備える。各道路ハウジングはまた、エネルギー貯蔵アセンブリの上に少なくとも1つの層を含み、車両を運行する表面を提供する。表面下のエネルギー貯蔵システムはまた、複数の道路ハウジング内の複数のエネルギー貯蔵ユニットに結合されたエネルギー貯蔵管理コントローラを備える。
【0005】
特に、ハウジングは、その周囲に複数のチャネルを画定し得る。各道路ハウジングは、エネルギー貯蔵アセンブリの下に排水チャネルと、排水チャネルの下に支持アセンブリとをさらに備え得る。支持アセンブリは、排水チャネルに当接する支持層と、支持層から延びる複数の垂直脚とを備え得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの層は、車両を運行する表面上の交通からエネルギーを生成するように構成され、エネルギー貯蔵管理コントローラに結合されるトランスデューサ層を備え得る。各道路ハウジングは、エネルギー貯蔵アセンブリに結合された分配導管をさらに備え得る。
【0007】
また、ハウジングは、少なくとも1つの長手方向空洞を画定し得、エネルギー貯蔵アセンブリは、少なくとも1つの長手方向空洞内に少なくとも1つの充電デバイスを備え得る。少なくとも1つの層は、車両を運行する表面を画定し、車両を運行する表面のためにオーバー層によって設けられた少なくとも1つの視覚的インジケータを備えるオーバー層、または車両を運行する表面を除氷するための加熱要素層を備え得る。例えば、複数のエネルギー貯蔵ユニットの各々は、バッテリおよびコンデンサのうちの1つを備える。
【0008】
別の態様は、車両を運行する表面を画定するように配置された表面下のエネルギー貯蔵システム用の道路ハウジングデバイスを対象とする。各道路ハウジングは、その中に複数の空洞を画定するハウジングと、複数の空洞内にそれぞれ搭載され、電気的に相互に結合される複数のエネルギー貯蔵ユニットとを備えるエネルギー貯蔵アセンブリを備える。道路ハウジングデバイスは、エネルギー貯蔵アセンブリの上に少なくとも1つの層をさらに含み、車両を運行する表面を提供し、エネルギー貯蔵管理コントローラは、エネルギー貯蔵アセンブリに結合される。
【0009】
さらに別の態様は、地下エネルギー貯蔵システムを製造するための方法を対象とする。この方法は、車両を運行する表面を画定するために複数の道路ハウジングを配置することを含む。各道路ハウジングは、その中に複数の空洞を画定するハウジングと、複数の空洞内にそれぞれ搭載され、電気的に相互に結合される複数のエネルギー貯蔵ユニットとを備えるエネルギー貯蔵アセンブリを備える。各道路ハウジングはまた、エネルギー貯蔵アセンブリの上に少なくとも1つの層を含み、車両を運行する表面を提供する。方法はまた、エネルギー貯蔵管理コントローラを複数の道路ハウジング内の複数のエネルギー貯蔵ユニットに結合することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図を参照して、以下の本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】本開示による、道路エネルギー貯蔵システムの第1の実施形態の概略図である。
【
図2】本開示による、道路エネルギー貯蔵システムの第2の実施形態の概略図である。
【
図3】本開示による、道路エネルギー貯蔵システムの第3の実施形態の概略図である。
【
図4】本開示による、道路エネルギー貯蔵システムの第4の実施形態の概略図である。
【
図5】本開示による、道路エネルギー貯蔵システムの第5の実施形態の概略図である。
【
図6】本開示による、表面下のエネルギー貯蔵システムの斜視図である。
【
図7】
図6の表面下のエネルギー貯蔵システムからの道路ハウジングの斜視図である。
【
図8】
図6の表面下のエネルギー貯蔵システムからの道路ハウジングの分解図である。
【
図9】
図6の表面下のエネルギー貯蔵システムからの外側ハウジングの斜視図である。
【
図10】
図6の表面下のエネルギー貯蔵システムからの外側ハウジングの拡大斜視図である。
【
図11】
図6の表面下のエネルギー貯蔵システムからの内側ハウジングの斜視図である。
【
図12】
図6の表面下のエネルギー貯蔵システムからの内側ハウジングの拡大斜視図である。
【
図13】
図6の表面下のエネルギー貯蔵システムからの内側ハウジングおよびエネルギー貯蔵ユニットの斜視図である。
【
図14】
図6の表面下のエネルギー貯蔵システムからの支持層の斜視図である。
【
図15】本開示による、線15-15に沿った表面下のエネルギー貯蔵システムからの道路ハウジングの第2の実施形態の概略断面図である。
【
図16】本開示による、線16-16に沿った表面下のエネルギー貯蔵システムからの道路ハウジングの第2の実施形態の概略断面図である。
【
図17】本開示による、表面下のエネルギー貯蔵システムの第3の実施形態の斜視図である。
【
図18】
図17の表面下のエネルギー貯蔵システムからのアクセスポートの斜視図である。
【
図19】横方向延長部を有する
図17の表面下のエネルギー貯蔵システムからのアクセスポートの斜視図である。
【
図20】垂直延長部を有する
図17の表面下のエネルギー貯蔵システムからのアクセスポートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
再生可能エネルギーは、例えば、水力発電、風力発電、太陽光発電、火力発電、および潮汐発電を含み得る。これらの発電源は、天然資源のすぐ近くにある。生成されたこのエネルギーの多くは、需要の低い期間に送電網に供給され、生成されたエネルギーは貯蔵能力の不足により失われ、未使用および/または無駄になる可能性がある。再生可能エネルギー生産分野における現在のニーズの1つは、より多くのエネルギー貯蔵アプローチである。
【0012】
炭化水素燃料を再生可能エネルギーに置き換えるだけでなく、炭化水素燃料を動力源とする自動車ではなく電気自動車(EV)を導入することも有益である。これらの車両は公共交通機関の未来だが、充電ステーションが限られていることや、いわゆる「航続距離不安」など、これまで社会に広く受け入れられるまでには多くの障害がある。
【0013】
センサ技術の登場により、電気自動車をワイヤレスで充電したり、事故や交通停止などの道路上の障害物をドライバーに警告したりするための道路の強化が数多く行われている。太陽光発電を統合した道路にはいくつかのアプローチがあり、路面で電気を生成するのを助ける。これらは素晴らしいコンセプトとアイデアであるが、全国的な「ストレージグリッド」がなければ、太陽光発電の道路は収集したエネルギーをローカルの電力網に分配することしかできない。 また、道路用の道路センサやワイヤレス充電ソリューションは、電力網に依存し、動作を継続する。
【0014】
開示された道路エネルギー貯蔵システム(RESS)は、需要が低いときにグリッドエネルギーを貯蔵し、需要が増加したときにフィードバックするための利用可能な場所となるアプローチである。同じ概念が再生可能エネルギー源にも当てはまる。路面の下にアクセス可能なストレージによりエネルギーが無駄にならないつまり、すべてのエネルギーは必要になるまで保存される場所があるということである。現今の道路が多人数乗車車両(HOV)レーンを備えているように、EV充電レーンがある時代が来ている。EVは、長距離の乗車で一度も停車する必要なく、目的地までの移動中にノンストップで充電することができる。
【0015】
より多くのエネルギー貯蔵オプションが利用可能になれば、再生可能エネルギーはエネルギー生産の有益な源としてより広く受け入れられる可能性がある。ニーズは大きく、全国および世界中の路面の量は、エネルギー貯蔵場所に無限の機会を提供する。
【0016】
ここで、本開示は、本発明のいくつかの実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下により詳細に説明される。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指し、ベース100の参照番号は、代替の実施形態で同様の要素を示すために使用される。
【0017】
最初に
図1を参照して、本発明による道路エネルギー貯蔵システム100を説明する。理解されるように、道路エネルギー貯蔵システム100は、車両が走行するための道路として機能する。道路エネルギー貯蔵システム100は、例示的に5×8のグリッドに配置された複数の道路ハウジング101a~101nを含む。各道路ハウジング101a~101nは、その中に空洞を画定するモジュラー構造を備える。理解されるように、複数の道路ハウジング101a~101nのモジュール性は、道路に適合するように設置された配置のカスタマイズを可能にする。さらに、道路エネルギー貯蔵システム100の一部が修理を必要とする場合、損傷したモジュラー道路ハウジング101a~101nを容易に交換することができる。
【0018】
モジュラー構造は、側壁と、空洞に面する下部表面および車両を運行する路面を画定する上部表面を備える取り外し可能な上部カバーとを含む。モジュラー構造は、例えば、ポリマープラスチック(例えば、HDPE)、樹脂材料、セラミック材料、ファブリック材料などの弾性のある機械的に強力な材料を含み得る。モジュラー構造は、道路表面に関する運輸省の規制に準拠している可能性がある。例えば、上部表面は、閾値の滑り止め機能を有し得る。
【0019】
道路エネルギー貯蔵システム100は、複数の道路ハウジング101a~101nの空洞内にそれぞれ搭載され、電気的に相互に結合された複数のエネルギー貯蔵ユニット102a~102nを備える。複数のエネルギー貯蔵ユニット102a~102nのそれぞれは、例えば、リチウムイオンバッテリセルデバイス、個々のリチウムイオンバッテリセルのアセンブリ、ニッケルカドミウムバッテリセルデバイス、または容量性ベースのエネルギー貯蔵デバイスのうちの少なくとも1つを備え得る。いくつかの実施形態では、空洞は、1つまたは複数の標準サイズのバッテリセル(すなわち、市販の既製バッテリセル)を受け入れるようにサイズ設定される。有益なことに、市販の既製バッテリセルは、道路エネルギー貯蔵システム100で使用することができる。
【0020】
特に、道路エネルギー貯蔵システム100は、例示的に、複数の道路ハウジング101a~101nの間に延びる複数のチャネル103a~103nを備える。複数のチャネル103a~103nのそれぞれは、モジュラー構造の同じ弾性の機械的に強力な材料を含み得る。いくつかの実施形態では、複数のチャネル103a~103nのそれぞれは恒久的に密封され、他の実施形態では、複数のチャネル103a~103nのそれぞれは、メンテナンス動作中にアクセスするための取り外し可能な上部を含む。
【0021】
道路エネルギー貯蔵システム100は、複数のエネルギー貯蔵ユニット102a~102nの間に結合された導電性接続を備え、これらはそれぞれ複数のチャネル103a~103nによって支えられている。例えば、複数の導電性接続のそれぞれは、導電性ワイヤを含み得る。いくつかの実施形態では、道路エネルギー貯蔵システム100は、電力グリッドインフラストラクチャに結合するための電気接続を含む。
【0022】
道路エネルギー貯蔵システム100は、複数の道路ハウジング101a~101nの間に複数の排水機能104a~104bを備える。いくつかの実施形態では、複数の排水機能104a~104bもまた、複数のチャネル103a~103n内にそれぞれ設けられている。他の実施形態では、複数の排水機能104a~104bは、複数のチャネル103a~103nとは別個である。理解されるように、複数の排水機構104a~104bは、雨水および氷の融解を道路表面から既存の雨水設備に導くように構成されている。いくつかの実施形態では、複数のチャネル103a~103nは、下水/排水、水、電気通信、ガスなどの追加の設備機構を設けるように構成される。
【0023】
道路エネルギー貯蔵システム100は、複数のエネルギー貯蔵ユニットに結合されたエネルギー貯蔵管理システム(例えば、図示のバッテリ管理システム(BMS)105)をさらに含む。エネルギー貯蔵管理システム105は、複数のエネルギー貯蔵ユニット102a~102nの複数のバッテリ健全性特性を監視するように構成される。エネルギー貯蔵管理システム105は、完全な電流制御に基づいて、複数のエネルギー貯蔵ユニット102a~102nに対してアクティブ/パッシブ負荷バランシングを提供するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、道路エネルギー貯蔵システム100は、複数の道路ハウジング101a~101nと共にそれぞれ設けられた複数の加熱要素を備える。複数の加熱要素は、氷結を防止するために道路表面を加熱するように構成される。複数の加熱要素は、複数のエネルギー貯蔵ユニット102a~102nを介して電力供給され得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、道路エネルギー貯蔵システム100は、複数のエネルギー貯蔵ユニット102a~102nからの直流(DC)電力を交流(AC)電力に変換するように構成された電力変換回路を備える。例えば、AC電力は、電力網インフラストラクチャに送電され得る。
【0026】
道路エネルギー貯蔵システム100は、エネルギー貯蔵管理システム105に結合されたコントローラ106を備える。コントローラ106は、集積回路デバイスを備え得、エネルギー管理システム機能、監視制御、およびデータ取得システム機能、ならびに充電バランシング機能を提供するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、道路エネルギー貯蔵システム100は、複数の道路ハウジング101a~101nの上部表面に設けられる無線充電機構を備える。無線充電機構は、道路エネルギー貯蔵システム100上を走行している間に電気自動車を充電するように構成される。いくつかの実施形態では、道路エネルギー貯蔵システム100は、道路表面に隣接するプラグイン充電ステーションを備える。プラグイン充電ステーションは、電力インフラストラクチャグリッドおよび複数のエネルギー貯蔵ユニット102a~102nの組み合わせによって電力供給される。
【0028】
ここで、
図2をさらに参照して、道路エネルギー貯蔵システム200の別の実施形態を説明する。道路エネルギー貯蔵システム200のこの実施形態では、
図1に関して上述した要素は、100より拡張されており、ほとんどはここでさらに説明する必要がない。この実施形態は、この道路エネルギー貯蔵システム200が例示的に異なるグリッド構造を含むという点で前の実施形態とは異なる。特に、グリッド構造の外側の列は、複数の道路ハウジング201a~201nのそれぞれの空洞内にエネルギー貯蔵ユニットを含まない。この実施形態では、空の空洞を使用して、エネルギー貯蔵管理システム205およびコントローラ206の回路を収容することができる。いくつかのアプリケーションでは、雨水および他の機構のための構造は、空の空洞内に収容され得る。
【0029】
ここで、
図2をさらに参照して、道路エネルギー貯蔵システム300の別の実施形態を説明する。車道エネルギー貯蔵システム300のこの実施形態では、
図1に関して上述した要素は、200より拡張されており、ほとんどはここでさらに説明する必要がない。この実施形態は、この道路エネルギー貯蔵システム300が例示的にEV充電レール307を含むという点で前の実施形態とは異なる。EV充電レール307は、道路エネルギー貯蔵システム300上を走行するEVを充電するための所望の車両交通車線と整列するように配置される(すなわち、道路にEV充電車線を提供する)。道路エネルギー貯蔵システム300は、例示的に、複数のエネルギー貯蔵ユニット302a~302nに隣接する複数の太陽光発電セル310a~310gを備える。例えば、複数の太陽光発電セル310a~310gは、フォトボルタイクセルを含む。複数の太陽光発電セル310a~310gは、DC電力信号を生成するように構成され、複数のエネルギー貯蔵ユニット302a~302nを充電する。道路エネルギー貯蔵システム300は、例示的に、全体に散在する複数の排水ポート308a~308bを含む。
【0030】
ここで、
図4をさらに参照して、道路エネルギー貯蔵システム400の別の実施形態を説明する。道路エネルギー貯蔵システム400のこの実施形態では、
図1に関して上述した要素は、300より拡張されており、ほとんどはここでさらに説明する必要がない。この実施形態は、この道路エネルギー貯蔵システム400が例示的に、複数の道路ハウジング401a~401nの間に複数の視覚表示装置411a~411n(例えば、図示の発光ダイオード(LED)インジケータ)を含むという点で、前の実施形態とは異なる。複数の視覚表示装置411a~411nは、道路エネルギー貯蔵システム400上を走行する車両の運転者に対して視覚表示(すなわち、道路信号表示のナビゲーション)を生成するように構成される。
【0031】
ここで、
図5をさらに参照して、道路エネルギー貯蔵システム500の別の実施形態を説明する。道路エネルギー貯蔵システム500のこの実施形態では、
図1に関して上述した要素は、400より拡張されており、ほとんどはここでさらに説明する必要がない。この実施形態は、この道路エネルギー貯蔵システム500が、例示的に、各道路ハウジング501a~501nと各道路ハウジング501a~501nとの間のグリッド形式で複数のチャネル503a~503nを含むという点で、前の実施 形態とは異なる。
【0032】
図6~8を参照すると、表面下のエネルギー貯蔵システム600は、車両を運行する表面602を画定するように配置された複数の道路ハウジング601a~601nを備える。表面下のエネルギー貯蔵システム600は、例えば、高速道路、車道、堤防、路肩、歩道などの様々な表面用途に統合され得ることを理解されたい。例示される例では、複数の道路ハウジング601a~601nは、5つの個々のユニットを含むが、理解されるように、数および配置は、用途ごとに変化し得る。
【0033】
追加の
図9~13を参照すると、各道路ハウジング601a~601nは、ハウジング604を備えるエネルギー貯蔵アセンブリ603を備える。ハウジング604は、アプリケーションのための十分な機械的強度を有する剛性材料を含み得る。特に、ハウジング604は、例示的に、内部ハウジング605と、内部ハウジングを取り囲む外部ハウジング606とを備える。外側ハウジング606は、その周囲に複数のチャネル607a~607dと、内側ハウジング605を収容する内側凹部608とを例示的に画定する。複数のチャネル607a~607dは、エネルギー貯蔵アセンブリ603内でケーブル(例えば、電気的およびデータ伝送)を配線するための導管を提供し得る。内側ハウジング605は、その中に複数の空洞610a~610nを画定する。
【0034】
図10に最もよく示されているように、外側ハウジング606は、複数のチャネル607a~607dと外側ハウジングの外面との間に複数の外側通路611a~611fを例示的に画定し、外部配線アクセスを提供する。
図11~
図12に最もよく示されているように、内側ハウジング605は、複数の空洞610a~610nの間に複数の内部通路612a~612hを例示的に画定し、それらの間に配線アクセスを提供する。
【0035】
各道路ハウジング601a~601nは、複数の空洞610a~610n内にそれぞれ搭載され、電気的に相互に結合された複数のエネルギー貯蔵ユニット613a~613nを例示的に備える。いくつかの実施形態では、複数の空洞610a~610nは、データ接続によってデジタル的に結合され、または機械的に結合される。例えば、複数のエネルギー貯蔵ユニット613a~613nのそれぞれは、バッテリおよびコンデンサのうちの1つを備える。
【0036】
また、内側ハウジング605は、例示的に、複数の空洞610a~610nの間に第1および第2の長手方向空洞614a~614bを例示的に画定し、第1の長手方向空洞と第2の長手方向空洞との間に中間チャネル615とを画定し、追加の配線アクセスを提供する。エネルギー貯蔵アセンブリ603は、第1および第2の長手方向空洞614a~614b内に第1および第2の充電デバイス616a~616b(例えば、無線充電アンテナまたは物理的接続レールおよびアーム)を例示 的に備える。他の実施形態では、第1および第2の充電デバイス616a~616bは、単一の充電デバイスを含み得る。
【0037】
ここで
図14をさらに参照すると、各道路ハウジング601a~601nは、エネルギー貯蔵アセンブリ603の下に排水チャネル617、および排水チャネルの下に支持アセンブリ620をさらに備える。排水チャネル617は、例示的に、中央の長手方向通路を有する長方形のボックスを含み、コンクリートまたは金属材料などの剛性材料を含み得る。支持アセンブリ620は、例示的に、排水チャネル617に隣接する支持層621と、支持層から延びる複数の垂直脚622a~622d(すなわち、杭)とを備える。支持アセンブリ620は、剛性材料、例えば、コンクリートを含んでもよい。
【0038】
表面下のエネルギー貯蔵システム600はまた、複数の道路ハウジング601a~601n内の複数のエネルギー貯蔵ユニット613a~613nに結合されたエネルギー貯蔵管理コントローラ623を含む。理解されるように、エネルギー貯蔵管理コントローラ623は、バッテリ管理ユニットを含み得る。
【0039】
図8に最もよく見られるように、各道路ハウジング601a~601nは、例示的に、エネルギー貯蔵アセンブリ603の上に複数の層624a~624dを備え、車両を運行する表面602を提供する。いくつかの実施形態では、複数の層624a~624dのうちの1つまたは複数は、車両を運行する表面602上の交通からエネルギーを生成するように構成され、エネルギー貯蔵管理コントローラ623に結合されたトランスデューサ層を含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、複数の層624a~624dのうちの1つまたは複数は、車両を運行する表面602を画定するオーバー層を含み、オーバー層によって運ばれる車両を運行する表面用の少なくとも1つの視覚インジケータ(例えば、LED交通制御ライト)を含み得る。いくつかの実施形態では、複数の層624a~624dのうちの1つまたは複数は、車両を運行する表面602を除氷するための加熱要素層を含み得る。
【0041】
さらに別の態様は、表面下のエネルギー貯蔵システム600を製造するための方法を対象とする。この方法は、複数の道路ハウジング601a~601nを配置することを含み、車両を運行する表面602を画定する。各道路ハウジング601a~601nは、その中に複数の空洞610a~610nを画定するハウジング604と、複数の空洞内にそれぞれ搭載され、電気的に相互に結合された複数のエネルギー貯蔵ユニット613a~613nとを備えるエネルギー貯蔵アセンブリ603を備える。各道路ハウジング601a~601nは、エネルギー貯蔵アセンブリ603の上に複数の層624a~624dを備え、車両を運行する表面602を提供する。この方法はまた、エネルギー貯蔵管理コントローラ623を、複数の道路ハウジング601a~601n内の複数のエネルギー貯蔵ユニット613a~613nに結合することを含む。
【0042】
ここで、
図15~16をさらに参照して、道路ハウジング701の別の実施形態を説明する。道路ハウジング701のこの実施形態では、
図6~14に関して既に説明した要素が100より拡張されており、そのほとんどはここでさらに説明する必要がない。この実施形態は、この道路ハウジング701が例示的にエネルギー貯蔵アセンブリ703の上に複数の層を含み、追加の機能を提供するという点で前の実施形態とは異なる。順次下向きに進むと、複数の層の最上層は、車両を運行する表面702を提供するための硬化樹脂層725を備える。複数の層の次の層は、フォトボルタイク(PV)セル層726を含む。PVセル層726は、エネルギー貯蔵管理コントローラ723に結合された複数のPVセルを備える。複数の層の次の層は、加熱要素層727を備える。加熱要素層727は、熱伝導性担持層によって担持される抵抗加熱素子を含み得る。加熱要素層727は、PVセル層726および硬化樹脂層725を通って熱放射を上方に伝達するように構成され、車両を運行する表面702を除氷する。
【0043】
複数の層の次の層は、センシング層730を備える。センシング層730は、表面702上の車両の動きを監視するように構成された複数の位置センシング回路を含み得る。いくつかの実施形態では、複数の位置センシング回路は、エネルギー貯蔵管理コントローラ723と協働して、車両内の自律走行ハードウェアとデータを共有する。複数の層の次の層は、導電性ファブリック層731、およびファイバガラス層732を含む。ファイバガラス層732は、ハウジング704の上部に置かれる。
【0044】
ここで、
図17~
図20をさらに参照して、表面下のエネルギー貯蔵システム800の別の実施形態について説明する。表面下のエネルギー貯蔵システム800のこの実施形態では、
図6~15に関して既に説明した要素が200より拡張されており、そのほとんどはここでさらに説明する必要がない。この実施形態は、この表面下のエネルギー貯蔵システム800が、例示的に、エネルギー貯蔵アセンブリ803に結合された第1および第2の分配導管833a~833bを有する道路ハウジング801を含むという点で、前の実施形態とは異なる。第1および第2の分配導管833a~833bは、表面下のエネルギー貯蔵システム800の長手方向の縁に沿って延在している。
【0045】
図18に最もよく見られるように、第1および第2の分配導管833a~833bの各々は、例示的に、複数のアクセスポート834a~834bを備える。
図19に示されるようないくつかの用途では、第1および第2の分配導管833a~833bのうちの1つは、例示的に、複数のアクセスポート834a~834bのうちの1つに結合された横方向延長部835を備える。
図20に示されるような他の用途では、第1および第2の分配導管833a~833bのうちの1つは、例示的に、複数のアクセスポート834a~834bのうちの1つに結合された垂直延長部837を備える。道路エネルギー貯蔵システム100、200、300、400、500の特徴は、表面下のエネルギー貯蔵システム600、700、800、およびその逆と組み合わせられ得ることを理解されたい。
【0046】
以下では、表面下のエネルギー貯蔵システム600の例示的な実施形態を説明する。
【0047】
交通分野では新しい技術や車両の選択肢が開発され続けるにつれて、既存のアスファルト道路にこれらを組み込むことが望まれ、必要とされる可能性がある。これらすべての技術に個別に対応するために道路を開通させることはますます困難になり、そうなると道路は「スライス」され、スイスチーズのようになってしまうだろう。そのため、多くの自治体および/または道路管理局は、道路が建設または作業のために開通するときはいつでも、すべての道路/アスファルトの修復を「縁石から縁石まで」実行する必要があることを義務付けており、既存の道路の修正、改良、または変更に関連するコストの増加につながる。
【0048】
モジュール式の多層道路アプローチの利点の1つは、それが設置された後、古い/既存のアスファルト道路を置き換えるために必要な層と、実際の道路に段階的な変更を加えることなく単一の独立したモジュール化された層を適応または調整する手段を提供し、それによって道路規制のトリガーと高価な開通/掘削および修復を排除することである。
【0049】
これにより、アスファルトの修理や交換を必要とせずに、広範囲で高価で侵入的なインフラストラクチャの変更を必要とせずに、柔軟性、適応性、拡張性、およびモジュール性が提供される。これにより、新しい技術のさらなる利点が社会および/または交通機関または自治体にもたらされる。
【0050】
エネルギーソリューション
RESSのいくつかの実施形態では、道路プラットフォームは、道路表面に配置されたソーラーパネル、走行車両の重量からエネルギーを捕捉する圧力プレート機構、および様々な他の形態のエネルギー捕捉源から再生可能エネルギーを捕捉し得る。RESSはまた、捕捉したエネルギーを「オンボード」で利用可能なエネルギー貯蔵ユニット(ESU)に貯蔵することができる。エネルギーの創出と貯蔵だけでなく、既存および将来のエネルギー源の伝送も重要であり、これには大規模なインフラストラクチャの開発およびメンテナンス(すなわち、電気用の配線、水素用の配管)が必要である。
【0051】
RESSの一実施形態では、RESSは、様々なエネルギー伝送手段に対応するエネルギー伝送層を含む。相互接続された道路セグメントは、伝送機構(例えば、導管、パイプなど)を収容するための隔離されたチャネルを提供する。別の実施形態は、エネルギー貯蔵層内にエネルギーを貯蔵し、これを頭上の道路照明または広告(例えば、電動看板)に利用することができる。
【0052】
表面ソリューション
商品やサービスを配送するドライバーが不足していることに加えて、寒い州や地域では除雪用の除雪車を運転するドライバーが不足している。この不足は、道路が雪に覆われるため、すべての交通機関にとって懸念事項であり、雪を除去し、可能性のある滑り止め剤(塩、砂、ブライン溶液など)を塗布して、移動中の交通に安全な走行路面を提供する必要がある。除雪車の運転者が少ないと、安全でない道路が発生し、多くの事故や死亡事故が発生する可能性がある。
【0053】
RESSの一実施形態では、RESSには表面層が含まれており、この表面には降水量および温度センサと、道路上の凍結した降水を溶かすために必要なときにオンにして動作するように特別に設計された加熱要素が組み合わされている。これにより、雪や氷の積もりを防ぎ、吹雪の中でも滑りにくい路面を提供して、除雪の必要性を軽減または排除する。これにより、交通機関は地域社会で必要とされている場所に人的資源を集中させることができる。モジュラーRESSおよび地方機関のこの共同の取り組みは、ドライバー不足のギャップを埋め、現在よりも高いレベルの安全性を自動車一般に提供することができる。
【0054】
テレマティクスソリューション
世界中の商品やサービスの配送には、車両やそれらの車両を運転するために多数の人が必要である。そのため、現在、この増え続ける車両群を操作できる人材が不足している。この不足は、商品やサービスの配送に問題を引き起こしており、ドライバーの数が不足しているため、需要と供給に基づいて配送コストが上昇している。自動車メーカーは、拡大しつつあるこの大きなギャップを埋めるために、個人用だけでなく、大規模なトラック輸送車両向けにも自律走行車や自動運転車の方向に動いている。テストが行われている間、異常事態の際に車両を操作したり介入したりする人が物理的に車両内にいない状態で道路を使用する車両群の安全性について、確かに懸念感がある。
【0055】
多くの自律走行車は衛星技術を利用しており、衛星技術には雲量、天候への影響、または車両との通信を妨げる可能性のある頭上の障害物に基づく制限がある。自律走行車への進化に加えて、手動運転車両の数も増加し続け、交通渋滞や道路事故を引き起こしている。
【0056】
RESSの実施形態では、RESSは、高度な交通管理システム(TMS)に組み込むことができる、貴重なデータを提供する自律車両および手動車両と通信することができるセンサ層を含む。TMSは、前方の車両の速度を把握し、道路状況に基づいて速度を調整し、車両がよりスムーズに流れるように交通を調整することによって、自律走行車またはオペレータが道路を走行するのを助けることができる。さらに、センサ技術層は、頭上の障害物または天候関連による車両との通信への影響によって生じる問題を排除する。
【0057】
RESSの一実施形態では、RESSは、全体的な道路利用および車両重量を監視する機能を提供するセンサを有するセンサ層を含む。この情報は、道路の使用料と通行料の徴収料金の割り当てに使用することができる。このセンサ情報は、メンテナンスが必要なときの相対的なタイミングを推定するためにも使用できる。センサ層の別の実施形態には、車両速度を監視するセンサが組み込まれる。この情報は、速度違反に関して当局によって使用される可能性がある。センサ層の別の実施形態には、埋め込まれたLEDまたは同様のライトが組み込まれている。各層内で、これらのライトは、道路名、速度制限などの貴重な静的交通情報を示すようにプログラムすることができる。TMSと組み合わせることで、これらのライトは、車線閉鎖、迂回路、一般的な道路の危険など、常に変化する状況に基づいて動的な情報を提供することができる。
【0058】
センサ層の別の実施形態は、それが道路情報を車両に直接提供し、これを車両内部ディスプレイに表示し、オペレータに警告することができる(すなわち、車線閉鎖、迂回路など)ことである。RESSの一実施形態では、RESSは、特定の位置依存情報をオペレータに提供するセンサ層を含む。例えば、車両の位置に基づいて、近隣の地元企業が通過する車両に自社の製品やサービスを広告するために料金を支払うことができ、それによって情報が車両の内部ディスプレイに表示されることが想定される。センサ層の別の実施形態は、埋め込まれたワイヤガイダンスなどを収容するための特定のチャネルを提供することができ、自動車は、道路を走行している間に位置合わせの目的で使用することができ、それによって、GPSおよび車両の経路を監視および調整する他の手段が不要になる。
【0059】
最初に
図14を参照すると、RESSは、既存の道路および提案された道路がRESSを収容してRESSの設置をサポートするために変更される場合に遭遇する局所変数に適合するように設計および構築される足場/杭を有する基礎層を備える。これらの変数には、土壌状態および地質、地域の地下水位、地震活動などがあり、道路の運用に影響を及ぼす可能性がある。必要な基礎層の厚さ、足場の深さ、足場の柔軟性、振動性能などを決定し、完全に設置され、動作可能なRESSを保護するために設計が実行される。
【0060】
建物、橋梁、インフラなどの建設では、基礎と足場の重要性はいくら強調してもしすぎることはない。構造物の全体の重量と荷重はこの基礎にかかっており、何年も何世紀にも耐えられるように設計された必要な構造を備えている必要がある。正しく設計されていれば、RESSのこの重要な側面に障害が発生することはなく、これは、イノベーションの全体的な負荷と、今後何年にもわたって表面に沿って移動する車両の重量負荷をサポートする。
【0061】
各種土壌条件の破壊メカニズムを考慮して、局所地帯の地震活動を補う必要がある。液化可能な土壌と液化不可能な土壌は、さまざまな荷重に対処する方法に大きな違いがある。これらの考慮事項は、足場/杭の設計および建設中に考慮される。
【0062】
車両が走行する既存の道路と同様に、車両が走行するアスファルト層は、仕上げられたコンクリート層またはアスファルト層とともに、様々な粗さの石の複数の層によって支えられている。これらすべての中間層は、地球の基盤上にある基礎基盤の上に存在する。RESSの基礎層は、現在の道路と同じ基盤上に配置され、基礎層の安定性を高めるために杭/足場によるさらなるサポートが行われる。基盤の安定性に基づいて、基礎層は、RESSイノベーションの重量負荷と、RESS表面に沿って移動する車両交通の追加負荷をサポートするために必要な最適な厚さに設計される。足場/杭と基礎層の組み合わせは、冗長性と安全性の一形態を提供し、本格的な運用が開始された後のイノベーションの長寿命化に自信をもたらす。
【0063】
図8を参照すると、RESSは、それが液相に「溶融」されると、あらゆる形態の降水、雨、雪、みぞれなどを捕捉するための排水貯蔵リザーバを備える。排水貯蔵リザーバは、基礎層の上に配置され、システムの安定性のためにこの基礎層に固定される。この排水貯蔵リザーバの構成は、道路の表面の重量負荷に対応するために、リザーバ全体に構造的支持を組み込むように設計される。
【0064】
これらのリザーバが満杯になると、液体内容物は1つのRESSユニットから隣接するユニットに輸送され、これらの貯リザーバのレベルのバランスを取ったり、均等化したりして、受水域、灌漑ニーズ、または低水量または干ばつ条件下での地元の水道当局のニーズに将来的に分配するために液体を貯蔵する。RESSの液体貯蔵機能の主な利点は、道路を使用する運転者にとって危険な走行状態を引き起こす可能性のある「ハイドロプレーン」状態を引き起こす道路の局所的な浸水を最小限に抑えるおよび/または排除することである。これらの排水貯蔵貯リザーバの内容物の積み出し(offloading)は、局所的な水位が監視され、それらの受水域が氾濫レベルまで容量オーバーにならないように、さまざまな配管、ポンプ、バルブを通じて、地域の受け入れ水域に制御することができる。RESSのネットワークに基づいて、これらの捕捉された液体を持続的に保持するのに十分な貯蔵容量が潜在的にあり、局所的な洪水を防ぐために、それらの水が地元の地下水位に自然に消散することを可能にする流量で排出および積み出しすることができる。
【0065】
図9~10を参照すると、RESSは、ベースハウジングアセンブリおよびケーブルチャネルを備え、これは、様々な設計のRESS動作モジュールを収容するための「オープントレイ」構成を提供する。さらに、ベースハウジングアセンブリおよびケーブルチャネルは、隣接するRESSとの接続と通信、RESS動作モジュールと外部電力網への内部接続のための主要なシステムになる。ケーブルチャネルは、データ線、ACケーブルとコネクタ、DCケーブルとコネクタ、絶縁スイッチ/回路ブレーカなどを収容し、RESSを複数のユニットおよび/またはローカル電力網にリンクするのに役立つ。
【0066】
ベースハウジングアセンブリおよびケーブルチャネルアセンブリは、内部および外部に多数の「パンチアウト」を有し、これにより、RESSの動作モジュールとの相互接続が可能になり、設置目的および/または欠陥ユニットの抽出および交換、またはこれらの動作モジュールの一般的な予防メンテナンスのために、動作モジュールをベースハウジングアセンブリおよびケーブルチャネルから接続または切断する。「パンチアウト」を使用すると、個々のRESSユニットを隣接するRESSユニットおよび複数のRESSユニットのシステム全体に接続することもできる。これらの利用可能な「パンチアウト」により、RESSを、国の送電網システムやRESSユニットのローカルな再生可能エネルギー源などの外部電源に接続することもできる。これらの「パンチアウト」により、光ファイバーなどのデータ転送ケーブルを、ケーブルチャネルおよびRESSの動作モジュールに「供給」することもできる。
【0067】
ベースハウジングアセンブリおよびケーブルチャネルは、排水貯蔵リザーバの上に直接配置され、このユニットに固定され、全体的なイノベーションの安定性を提供する。ベースハウジングアセンブリ、ケーブルチャネル、およびRESS動作ユニットが、RESSの安全な動作に影響を与える可能性のある湿気および/または水に接触しないように適切に分離および保護するために、十分なガスケットおよび/またはシーリングシステムが設置される。
【0068】
図8~10を参照すると、本発明によるRESSは、RESSの動作モジュールを備える。RESSの動作モジュールは、さまざまな構造の多数のESUを収容するさまざまな空洞および/または区画で構成される。RESSの動作モジュールの区画には、相互接続チャネルまたはダクトがあり、ケーブルで多数のESUを接続して、互いに接続し、ボード上のエネルギー管理システム(EMS)に接続することができる。
【0069】
動作モジュールは、多数の制御システムを収容するための空洞および/または区画を含み、RESSのコンポーネントおよびセンサ技術を監視する。RESSの動作モジュールには、ワイヤレス、「ピックアップ」充電レールとの完全な接触、または将来開発される可能性のあるEV用の他の高度な充電方法など、高度なEV充電技術を収容するための空洞および/または区画が含まれる。
【0070】
RESSの動作モジュールには、多数のRESSを道路上のESUに接続できるようにする相互接続チャネルまたはダクトが含まれる。相互に接続できるRESSユニットの数と道路上のエネルギー貯蔵グリッドのサイズは、RESSに個別に含まれるESUの種類と使用されるESUの利用可能な貯蔵容量に依存する。
【0071】
RESSユニットの設計における重要な考慮事項は、これらのシステムは長期間動作するように設計されるものの、すべての電子デバイスと同様に、設置場所(In Situ)または「現場外(Off Site)」を問わず、ある時点でメンテナンスが必要になるという認識である。ユニットを扱うことができるように、数マイルにわたる道路全体またはコミュニティを閉鎖または無効にすることなく、これらのユニットを個別に保守する能力は重要である。そのため、これらのRESSユニットは、ベースハウジングアセンブリおよびケーブルチャネル内の外部チャネルが、動作モジュールが接続する配電ネットワークを収容するように構成される。主/国内電力網または内部DCエネルギー網には、ユニット上で手動でアクティブ化するか、ブルートゥース(登録商標)またはデータ伝送ケーブルを使用してリモートで実行することができる絶縁スイッチ/サーキットブレーカがあり、シャットダウンして動作モジュールを無効にして「シャットオフ」にするか、完全に通電解除してユニットを所定の位置に開いて修理するか、モジュールをベースハウジングアセンブリとケーブルチャネルから「プラグを抜いて」取り外し、完全に機能する交換モジュールを挿入して差し込み、絶縁スイッチ/回路ブレーカをオンにして交換ユニットはすぐにネットワークと通信し、この動作モジュールをネットワーク/システム/グリッドに追加するための構成手順を実行する。このプロセスとRESSユニットの独自の機能は、ユニットが「切り替えられる」際の道路のダウンタイムと一般の運転者への不便を最小限に抑える。
【0072】
「スタンドアローン」であり、RESS表面層に組み込まれていない新しいセンサ技術を追加すると、メンテナンスが必要な場合は、修理/交換のために道路から欠陥のあるセンサまたはケーブルを掘削して抽出する必要がある。前述のように、既存のアスファルトを切断するたびに「縁石から縁石まで」の完全なアスファルト修復が必要になる場合、これらのタイプの操作は非常に非実用的であることが証明される。これは、RESS動作モジュールの開発と設計、およびプラグアンドプレイ構成で考慮されている重要な事実である。
【0073】
図13を参照すると、RESSは、利用可能な空洞および/または区画に挿入されるESUのサンプルを有するRESSの動作モジュールを備える。RESSの動作モジュールには、ベースハウジングアセンブリとケーブルチャネルに配置および設置されているときに動作モジュールをサポートするクッションユニットが含まれる。これらのクッションユニットは、RESSの表面に沿って移動する交通によって引き起こされる振動の大部分を吸収するように設計されており、動作モジュールに含まれるESUおよび制御システムへの損傷を最小限に抑えるか、または排除する。
【0074】
RESSは、ESUが空洞および/または区画に挿入されたRESSの動作モジュールを備える。
図7~8を参照すると、RESSは、RESSが実装のために設計されているように、任意のローカル条件に対応するために必要に応じて変更することができる。RESSは、道路とそれらを利用する交通と運転手に追加の機能と利点を提供するために、RESSに組み込まれるいくつかの表面層を示している。
【0075】
このイノベーションの下で組み込まれることが提案されている層は、道路表面に接触する太陽光から太陽エネルギーを捕捉する道路ソーラーパネルなどの革新的な再生可能エネルギー技術を組み込むことができる。この捕捉されたエネルギーは、必要に応じて、RESSに搭載されたESUに送電したり、現場外の電力網に分配したりすることができる。
【0076】
このイノベーションの下で組み込まれることが提案されている層は、道路の表面上で移動する車両の重量からエネルギーを捕捉する圧力プレートなどの革新的な再生可能エネルギー技術を組み込むことができる。この捕捉されたエネルギーは、必要に応じて、RESSに搭載されたESUに送電したり、現場外の電力網に分配したりすることができる。
【0077】
このイノベーションの下で組み込まれることが提案された層は、加熱要素を組み込んで、凍結温度レベルを上回る路面の表面温度を維持し、道路に降るすべての降水が液相のまま路面から移動し、搭載された排水貯蔵リザーバから現場外の地元の受水域に向けられることを可能にすることができる。このイノベーションの下で組み込まれることが提案された層は、現在および将来のさまざまなセンサ技術を組み込むことができ、スマートな道路が運転者と相互作用して、道路の遅延、道路上の障害物の差し迫った安全上の問題などを通知することができる。
【0078】
RESSの表面および/または最上層は、交通の車線を描くための線、車線変更の制限、潜在的な道路工事および/または道路メンテナンスのための差し迫った車線閉鎖などを作成するために利用することができる埋め込まれた照明要素を含む。RESSの道路表面は、すべての地方、州、連邦の輸送機関および標準化組織によって義務付けられているように、必要かつ要求される摩擦/牽引力を提供する表面を提供し、移動中の車両を道路表面に保持し、ブレーキがかかるときに必要な停止距離を提供する表面を提供する。
【0079】
図5を参照すると、RESSは、より多くの表面排水ポートまたは開口部を備え、搭載された排水貯蔵リザーバに供給されるより良いオフロード排水を可能にするRESS動作モジュールの代替構成を備える。RESSは、異なるサイズのESUを収容するための空洞および/または区画の代替構成を提供するRESS動作モジュールの代替構成を含み、より多くのESUまたはより少ないESUを許可して、設計および構成可能なRESSごとに許容されるエネルギー貯蔵量を最大化する。RESSは、RESS動作モジュールの代替構成を備え、ESUを相互接続し、ESUを監視、充電、または放電する搭載された制御システムに接続するための代替ケーブルチャネルまたはダクトを提供する。
【0080】
図3を参照すると、RESSは、RESSの道路表面層上の搭載された道路ソーラーパネルの一般的な構成およびレイアウトを示す。RESSには、無線充電プレートを使用するオプションや、RESSの表面に沿って移動する電気自動車に取り付けられた充電「ピックアップ」が直接接触する充電レールを組み込む第2のオプションなど、様々な電気自動車充電オプションが組み込まれている。RESSの柔軟性により、将来の革新的な電気自動車充電オプションが可能になる。
【0081】
図15~16を参照すると、RESSは、ローカルの利用可能な条件に基づいて設計または構成され得る代替レイアウトを有する。これらの図では、既存の基盤が適切に圧縮され、地震活動の可能性がない場合、RESSは既存の道路基盤上に直接配置することができ、設計された基礎の必要性がなくなる可能性がある。これらのオプションは、場所の変数がコンパイルされ、設計が計算されたときに、サイト固有の決定に基づいている。
【0082】
図7を参照すると、RESSは完全に構築され、サービスのために準備される。RESSが設置されると、RESSの表面が隣接する道路および/または路肩の高さに合うように、既存の道路を粉砕または掘削するために必要なすべての準備を行う必要がある。場合によっては、RESSは既存の道路の上に単純に敷設するだけでよく、粉砕および/または掘削は必要ない。ここでは、既存の道路がRESSをサポートするために必要な基盤を提供する。これらの決定は、地方の変数と地方の交通当局および機関とのやり取りを通じて決定され、地方、州、または連邦の要件に準拠する。
【0083】
図6を参照して、RESSは、サービスのために構築および準備され、エネルギー貯蔵システムグリッドを構成するために複数のシステムが設置されている。複数のシステムが相互に接続され、システムの剛性に基づいているため、RESSプレートの間に拡張ジョインおよびジョイントを設計および設置して、凍結/解凍サイクルから土壌状態に影響を与える季節の変化や温度変化の間に路面を適切に拡張および収縮させる必要がある。伸縮ジョイントは、システムの過度の劣化を引き起こすことなく、システムのわずかな動きを可能にする。
【0084】
図4を参照すると、RESSは、道路上に配置されるように代表的な住宅街に完全に構築され設置され、ローカルグリッドエネルギー、住宅用太陽エネルギー、車載用太陽エネルギー、移動車両の重量から捕捉された圧力プレートエネルギーなどを捕捉する。このRESSは、RESSに近接して利用可能な余分なエネルギーを収容するために必要なエネルギー貯蔵を提供する。
【0085】
RESSに含まれる貯蔵エネルギーは、地域の電力網や近隣住民が利用することができ、「停電」が発生した場合に、そのような貯蔵エネルギーを地域の住宅および電力網にフィードバックして、インフラが修復され、完全に稼働するまで地域の電力網および電力当局をサポートする。その時点で、RESSから電力網へのエネルギーの送電は、停止する。電力がRESSに搭載されたESUからローカル電力網に流れている間、RESSは、電気コンポーネント、システム、ハードウェア、ソフトウェア、および負荷分散システムを介して、地域の電力網および住宅に供給する放電モードで個々のESUからのエネルギーフローを指示する機能を持ち、同時に、住宅用太陽エネルギー、車載道路太陽エネルギー、移動車両の重量から捕捉された圧力プレートエネルギーなどのさまざまな他の形態の再生可能エネルギー源で枯渇したおよび/または低いESUを再充電する。
【0086】
RESSに含まれる貯蔵されたエネルギー、およびエネルギーは、搭載されたシステムの連続運転に必要なエネルギーとして充電および放電の形でエネルギー貯蔵システムに出入りし、緊急事態にかかわらず、通常の日常運転中に電気コンポーネント、システム、ハードウェア、およびソフトウェアを使用して電気自動車の非接触または接触充電を行う。
【0087】
RESSには、電気コンポーネント、システム、ハードウェア、およびソフトウェアが含まれており、全体的なシステム動作が可能な設計で接続される。この設計では、主にESUの充電/放電を実現し、すべてのESUの充電をマイクロ電力網またはマクロ電力網全体でバランスさせて、すべてのESUがほぼフル充電レベルになるようにする。エネルギーは、RESSの表面に沿って移動するEVを充電するために使用される場合、および気温が氷点下になったときに道路に凍結した降水がないように搭載された加熱要素を動作させるために利用される場合、エネルギーが利用される。エネルギーは、データの取得、データの共有、および取得されたデータを使用してハードウェア/ソフトウェアを制御するために使用される組み込みセンサ技術を動作させる。ハードウェア/ソフトウェアは、取得した情報と選択された比較ソフトウェア アルゴリズムの結果に基づいて修正アクションを実行する車載、隣接、および/または現場外の制御システムに指示および/または通知を実行する。
【0088】
図8を参照すると、RESSは、それが液相に「溶融」されると、あらゆる形態の降水、雨、雪、みぞれなどを捕捉するための排水貯蔵リザーバを備える。本明細書で説明したように、さらなる説明として、ESUの観測およびセンシングされた温度が適切な動作温度を超えた場合に、任意のESUに冷却媒体を提供する必要が生じた場合、捕捉および貯蔵された降水を利用してEMSを支持することができる。ポンプおよび/または再循環システムを組み込むことで、この集められた降水を吸い上げ、それを空洞/区画に分配してESUを冷却することができる。
【0089】
このイノベーションの下で組み込まれることが提案された層は、加熱要素を組み込んで、凍結温度レベルを上回る路面の表面温度を維持し、道路に降るすべての降水が液相のまま路面から移動し、上記のように搭載された排水貯蔵リザーバから現場外の地元の受水域に向けられることを可能にすることができる。加熱要素がRESSシステムに備える重要な安全機能に基づいて、この特定の表面プレートに冗長層または複数の加熱要素層が設けられ、何らかの理由で1つの加熱要素層が誤動作するか、オンにならないか、または所望の温度に加熱されない場合、二次/冗長加熱要素層が作動して元のまたは一次加熱要素層を置き換える。アラーム通知は、監督制御およびデータ取得(SCADA)システムを介してRESSによって制御室に送信され、修理/メンテナンス作業員がスケジュールされ、不具合のあるRESSに派遣されて状況を是正し、加熱要素層全体を取り除き、不具合のあるユニットを修復および修理のために現場外にしながら、完全に機能するユニットに交換する。高速道路当局はRESSのこの有益な機能に依存しているため、自動車運転者を保護するには冗長性が必須となる。
【0090】
RESSスマート道路に組み込まれている機能のいくつかの重要性に基づいて、搭載されたESUの管理システムに基づいて、RESSが一般の運転者に明白かつ現在の脅威を引き起こす可能性のある差し迫ったまたは潜在的な壊滅的な状態、すなわちESUが過熱し、安全な動作温度に冷却できず、これらのESUが燃焼して発火する可能性があることを示す兆候がある場合、SCADAシステムはアラームを鳴らし、「シャットダウン」または「無効化/切断」などのRESS動作モジュールを即座に是正措置を講じて、さらなる誤動および/または過熱および潜在的な火災発生を防止する。このイベントが発生すると、動作モジュールが非アクティブである間、加熱要素を収容する道路表面層は完全に機能したままであり、同じRESS上のエネルギー源が無効にされている間、SCADAシステムは隣接するRESSユニットを「通知」し、スイッチを遠隔操作してオンボードエネルギーフローを遮断し、それらの隣接するRESSから加熱要素に電力を供給するスイッチを開くことにより、下にある動作モジュールが非アクティブであっても、表面全体が氷点下より上に保たれる。これにより、緊急対応技術者は、プロセス中に安全な走行面を維持しながら、欠陥のある操作モジュールを抽出して交換するのに十分な時間を確保できる。
【0091】
この同じ有益な機能を電気自動車充電システムに適用して、これらのシステムのいずれかがいつでも電源なしになるのを防ぐことができる。SCADAシステムのインテリジェンスは、個別に、集合的に、そして全体的に、RESSシステムのあらゆる側面のニーズを観察し、調整するのに役立つ。
【0092】
RESSは、主に車両および貨物を輸送する走行中の道路で利用されるが、設計のこの実施形態は、道路肩、道路間の中央分離帯、出入口ランプなどの道路当局が所有するすべての領域/管轄区域または地役権でも利用されると想定され、モジュラーシステム設計に基づいて、RESS独自の個別のコンポーネントをカスタマイズして、道路肩、道路間の中央分離帯、出入口ランプなどの特徴に対応し、適切なエンジニアリング設計によって決定された個々の基盤地質および表面荷重に適合させることができる。
【0093】
RESSは、完全にモジュール化された設計であり、完全に設計されたユニットとしてすべての個々のコンポーネントと組み合わせることも、個々のコンポーネントを独立して利用し、他のコンポーネントから分離するために「分割」することもできる。既存の道路基盤が、基礎層および/または足場/杭でRESSをさらに支持する必要がないほど十分な支持を有する場所、のような場合、RESSのこの層は、設計の実施形態から除去されてもよく、他のすべての層は、その不在下で使用されてもよい。
【0094】
既存の道路の表層が、既存の道路の標高と一致または「合わせる」する必要性に基づいて、RESS全体を収容するのに十分なカバーの深さを有していない、橋または他の道路構造の上に道路が延びて交差する領域では、RESS表面層のみでこの道路領域を「橋渡し」または「スパン」することが望ましい場合がある。これは、地元の高速道路当局がRESSに依存してメンテナンスフリーであり、除雪作業を必要としないため、道路を雪や氷のない状態に保つために、氷点時および/または氷点下の表面温度を十分に高く保つ必要がある橋の交差点では重要である。これらの別々に独立して配備された表面プレートは、両端で最も近い複合RESSに接続され、意図した目的を果たすために適切に通電される。これらの同じ表面層は、カバーの十分な深さが基盤からのこの高さの増加を可能にする場合、道路ソーラーパネルを組み込むことができる場合がある。
【0095】
道路の路肩、道路間の中央分離帯、入口/出口ランプなどでは、加熱要素層、足場および/または杭を有する基礎層、または圧力プレート層の必要性がなくてもよく、再びRESSのモジュール設計に基づいて、この実施形態の特定の構成要素は、対処されているアプリケーションのニーズおよび要件に対応するために混合および一致させることができる。
【0096】
RESSは、完全にモジュール化された設計であり、完全に設計されたユニットとしてすべての個々のコンポーネントと組み合わせることも、個々のコンポーネントを独立して利用し、他のコンポーネントから分離するために「分割」することもできる。RESS設計の一実施形態では、道路肩、道路間の中央分離帯、出入口ランプなどの「オフロード」場所にある可能性がある場合、エネルギーを増加させることが望ましい場合があり、および/またはRESSベースハウジングアセンブリおよびケーブルチャネル、RESS動作モジュールおよび表面層の「積み重ね」を可能にするための利用可能なフットプリントがあり、フットプリントが特定の用途のエネルギーを最大化することを可能にするために、他の上に1つずつ積み重ねられる。
【0097】
RESSは完全にモジュール化された設計で、角度、曲がり、複数車線から単一車線への移行、車線の幅など、RESSユニットで置き換えられる道路インフラストラクチャの既存のレイアウトに合わせて、必要に応じてあらゆる幾何学的レイアウトに合わせてカスタマイズできる。例えば、提示される長方形モデルの代わりに、三角形、円形、菱形などの代替の幾何学的形状を作成し、任意の既存の道路の形状、サイズ、および設計に適合するように構成することができる。ESU、EV充電プレート、センサなどの数および/または量は任意であり、利用可能な車道空間を満たすために選択された特定のレイアウトおよび幾何学形状に対応するように設計時に決定されることが理解される。道路ESUの物理的なサイズと寸法は任意であり、利用可能な道路スペースを満たすために選択された特定のレイアウトと形状に合わせて設計時に決定されることが理解される。
【0098】
社会の交通手段としての自動車の出現と、これらの車両の動力源として化石燃料の利用により、よりスムーズで便利な移動を実現するために道路が作られた。時間の経過とともに、これらの道路は劣化しており、車両が走行できる状態に保つためのメンテナンスが必要になる。このメンテナンスの費用は、明らかに道路を最も多く利用する人々が負担すべきものである。このため、化石燃料、すなわちガソリン、ディーゼルなどの購入に税金が含まれることが決定され、徴収された税金は道路のメンテナンスに使用されていた。明らかに、道路を最も使用している人々はより多くの燃料を購入し、それによって道路の使用量の増加をカバーし、道路のメンテナンスを分担するためにより多くの燃料税を支払っていた。近年、電気自動車の登場に伴い、道路を維持するためのこの燃料税ベースの収益システムは、ある時点で道路の将来のニーズを満たすことができない金銭的価値を減少させることになった。地域社会や交通機関がこの懸念と問題に取り組むにつれて、道路使用量課金(RUC)の形で新しいパラダイムが出現し、車両は走行する道路の長さに応じて課金されるようになった。これらの多くは、様々なセンサ技術によって監視される。このニーズを理解すると、エネルギーの生成、路面の維持、運転者や安全/ナビゲーションアプリケーションおよびソフトウェアとの通信を支援するさまざまなエネルギー捕捉源、加熱要素、センサ技術を含むRESSの表面層を有効に活用することで、道路の使用状況を追跡し、道路のメンテナンスに必要な収益を集めるための追加センサを組み込むことができることが理解される。
【0099】
RESSスマート道路には、個別に監視する必要がある複数のESUが個別に設置される。現在市場で利用可能なエネルギー貯蔵装置の範囲とそれらの構造および化学的性質に基づいて、それぞれがこれらのユニットの耐用年数を延長するために監視されるべき独自のメトリック要件を持っている。設置されている制御システムは、ESUの容量、公称エネルギー(すなわち、ESUの完全な充電から完全な放電までに生成/提供できるエネルギー)、ESUの電力供給、ESUがその質量に対して貯蔵できる特定のエネルギーまたはエネルギー量、充電および放電時間がスケーリングされるCレートまたは時間、ESUのサイクル(充電/放電/充電レート)、サイクル寿命またはESUがその予想寿命内に提供できるサイクル数、100%の完全放電を想定したESUの放電深度、任意の特定の時点でのESUの充電レベルを示す充電状態、およびESU内で電子が転送される充電効率を表すクーロン効率などを理解する。これらのすべてのメトリックおよびその他の指標は、ESU管理システムによって各個々のESUセル上で継続的に監視され、搭載されたSCADAシステムに伝達されて、負荷分散システムとローカルかつ個別に連携し、搭載されたESUと共有するのに十分な電荷および/または余分なエネルギーを持つ隣接ESUからのエネルギーフローを提供する。搭載されているESUセル全体が完全に充電された場合にのみ、余分なエネルギーが内部DCグリッドに分配され、隣接するRESSユニットとローカルまたはグローバルに共有されるため、全体的な目標は完全に充電されたRESSグリッドになる。
【0100】
本開示の一実施形態では、RESSスマート道路を走行する電気自動車をサポートするために、車載ワイヤレス充電機能および直接接触充電機能が搭載される。そのため、これらの充電メカニズムは、車載ESUから直接電力を引き出して、電気自動車とそのバッテリを充電してサポートするために必要なエネルギーを供給し、走行中に道路から出て道路充電オプションを見つける必要性を排除または最小限に抑える。RESSスマート道路のこの有益な機能は、完全に実装されると、道路とRESSにより、走行距離が数十、数百、数千マイルであっても、走行中、これらのバッテリと電気自動車をノンストップで充電できるため、電気自動車は車両のバッテリ容量と走行距離によって制限されなくなり、完全に充電されたバッテリで想定される走行距離が可能になる。EVの所有に対する躊躇や、EVをサポートするインフラの不足に対する懸念は、RESSスマート道路により、EVの走行中や移動中にEVに無限のエネルギーが供給することで、軽減される。EV所有者には、RESSスマート道路システムを使用している間の車両の充電に対して、同等かつ承認された料金が請求される。EVが完全に充電されている場合、および/またはEV所有者が道路を使用している間にEVを充電したくない場合、EV所有者はEVのスイッチを操作するだけでこの機能を無効にできる。
【0101】
車両が道路を走行している間、車両の使用状況は監視され、必要に応じて地方、州、および連邦政府機関と共有され、RESSの維持および保守のための使用料/税金を評価するよう要請される。センサ技術、トランスポンダ、RFIDコードなどの相互作用によるスマートな道路この技術の各レベルには、階層内の各下位レベルから収集されたすべてのデータを取得し、このデータを使用/処理してチェーンの上下に全体的なRESSグリッドをサポートする全体的なSCADAシステムがある。理想的には、このシステムの相互接続性に基づいて、潜在的に全国的に完全に実装されると、エネルギーは、通りから通りへ、近隣から近隣へ、郡から郡へ、州から州へ、そして国全体に流れ、すべての地域にエネルギーが供給され、化石燃料への全体的な依存がなくなることが保証される。
【0102】
その日に、ニューヨークで壊滅的な嵐が発生し、電力網がノックアウトされ、コミュニティに暖房、電気、エネルギー、通信などがない場合、RESS内の蓄積されたリソースと地下サービスネットワークは、コネチカット州やニュージャージー州などの遠隔州に十分な備蓄を持ち、エネルギーとリソースを利用してニューヨークの枯渇したESUへの道路を通って転送することができる。ニュージャージー州とコネチカット州で利用可能な電力網と再生可能エネルギー源からのエネルギーは、コネチカット州とニュージャージー州で枯渇したESUの再充電を開始し、システムは地域と国全体をサポートし続ける。道路はあらゆる場所で州境を越えて通っており、全体としてこの国全体と世界を結び付けている。それらは私たち全員を結びつけ、RESSの出現と包括的な目標は、これらのまったく同じ道路が、現在含まれている新しく構築されたインフラストラクチャを通じて、移動面ではなく、コミュニティと国をサポートする手段を提供できるようにすることである。
【0103】
前述の説明および関連する図面に示された教示の恩恵を受ける当業者であれば、本開示の多くの変更および他の実施形態を思いつくであろう。したがって、本開示は、開示された特定の実施形態に限定されるべきではなく、変更および実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解される。
【要約】
表面下のエネルギー貯蔵システムには、車両を運行する表面を画定するように配置された道路ハウジングが含まれる。各道路ハウジングは、空洞を画定するハウジングと、空洞内にそれぞれ搭載され電気的に結合されるエネルギー貯蔵ユニットとを有するエネルギー貯蔵アセンブリを有する。各道路ハウジングはまた、エネルギー貯蔵アセンブリの上に少なくとも1つの層を備え、車両を運行する表面を提供する。表面下のエネルギー貯蔵システムはまた、道路ハウジング内のエネルギー貯蔵ユニットに結合されたエネルギー貯蔵管理コントローラを備える。