(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20250304BHJP
【FI】
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2020201326
(22)【出願日】2020-12-03
【審査請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金谷 凌
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-331216(JP,A)
【文献】特開2011-191886(JP,A)
【文献】特開2017-111731(JP,A)
【文献】特開2020-107272(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0096041(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
帳票の種別の設定対象となる帳票画像と、
ユーザが前記帳票画像の種別を判別するために参照する、ユーザによって選択可能な画像であって、帳票の種別毎に予め複数登録されている登録画像と、前記帳票画像に帳票の種別を設定する設定操作子と、を同じ画面に表示し、
前記複数の登録画像を参照したユーザが前記設定操作子に対応付けた帳票の種別を前記帳票画像に設定する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記複数の登録画像のうち、ユーザによって選択された登録画像が表す帳票の種別を前記設定操作子に対応付ける
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、ユーザの指示に従って、前記複数の登録画像をスクロールしながら前記画面に順次表示し、前記画面に表示している登録画像が表す帳票の種別を前記設定操作子に対応付ける
請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、ユーザが前記帳票画像を選択するための選択操作子を更に前記画面に表示し、
前記帳票画像が複数存在する場合、ユーザによる前記選択操作子の操作によって選択された前記帳票画像を前記画面に表示する
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、複数の前記帳票画像のうち、何れの帳票の種別も設定されていない前記帳票画像を前記画面に表示する
請求項4記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
帳票の種別の設定対象となる帳票画像と、
ユーザが前記帳票画像の種別を判別するために参照する、ユーザによって選択可能な画像であって、帳票の種別毎に予め複数登録されている登録画像と、前記帳票画像に帳票の種別を設定する設定操作子と、を同じ画面に表示し、
前記複数の登録画像を参照したユーザが前記設定操作子に対応付けた帳票の種別を前記帳票画像に設定する処理を実行させる
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、読込まれた文書画像の書式判別を行い、文書書式ごとに仕分けをする装置であって、書式判別したい文書画像と、文書書式が既知の登録文書画像との類似度に基づいて、書式判別したい文書画像の書式を判別する判別手段と、前記判別手段による判別の結果に対してユーザによる確認が必要か否かを判定するための判定情報を、前記書式判別した文書画像に対応付けて保持する保持手段と、前記保持手段に保持された判定情報に基づいてユーザによる確認が必要であると判定された文書画像を提示して、仕分けの確認、修正を促すユーザインターフェース手段と、を備える情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
書類自体を保存しても書類に記載された情報が活用されにくいことから、書類の画像データに対してOCR(Optical Character Recognition)処理を行い、書類の情報を電子化して処理する情報処理装置が知られている。
【0005】
書類の画像データが予め定められた形式を有する帳票の画像データ、すなわち帳票画像であった場合、情報処理装置が、帳票画像と帳票の種別毎に予め登録された複数の登録画像とを比較して、帳票画像の種別を判別することがある。
【0006】
この場合、情報処理装置では種別が判別できない種別不明の帳票画像や、誤った種別に判別された帳票画像が発生することがあるため、情報処理装置による帳票画像の種別の判別結果を、人間が登録画像を参照しながら訂正している。
【0007】
しかしながら、従来の帳票画像に対する種別の訂正作業では、ユーザは、例えば複数の登録画像のうち、帳票画像との類似度が高い登録画像から順に1枚ずつ登録画像を画面に表示し、帳票画像と画面に表示された登録画像を見比べて帳票画像の種別を設定している。したがって、ユーザは、帳票画像の種別と同じ種別と思われる登録画像が表示された画面が表示されるまで、登録画像が表示された画面を切り替える操作を行う必要があった。
【0008】
本発明は、画面を切り替えながら複数の登録画像を参照して帳票画像に対する種別を設定する場合と比較して、帳票画像に種別を設定する際のユーザの操作量を削減できる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、帳票の種別の設定対象となる帳票画像と、帳票の種別毎に予め登録されている複数の登録画像と、前記帳票画像に帳票の種別を設定する設定操作子と、を同じ画面に表示し、前記複数の登録画像を参照したユーザが前記設定操作子に対応付けた帳票の種別を前記帳票画像に設定する。
【0010】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記複数の登録画像のうち、ユーザによって選択された登録画像が表す帳票の種別を前記設定操作子に対応付ける。
【0011】
第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザの指示に従って、前記複数の登録画像をスクロールしながら前記画面に順次表示し、前記画面に表示している登録画像が表す帳票の種別を前記設定操作子に対応付ける。
【0012】
第4態様に係る情報処理装置は、第1態様~第3態様の何れかの態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、ユーザが前記帳票画像を選択するための選択操作子を更に前記画面に表示し、前記帳票画像が複数存在する場合、ユーザによる前記選択操作子の操作によって選択された前記帳票画像を前記画面に表示する。
【0013】
第5態様に係る情報処理装置は、第4態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、複数の前記帳票画像のうち、何れの帳票の種別も設定されていない前記帳票画像を前記画面に表示する。
【0014】
第6態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、帳票の種別の設定対象となる帳票画像と、帳票の種別毎に予め登録されている複数の登録画像と、前記帳票画像に帳票の種別を設定する設定操作子と、を同じ画面に表示し、前記複数の登録画像を参照したユーザが前記設定操作子に対応付けた帳票の種別を前記帳票画像に設定する処理を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
第1態様、及び第6態様によれば、画面を切り替えながら複数の登録画像を参照して帳票画像に対する種別を設定する場合と比較して、帳票画像に種別を設定する際のユーザの操作量を削減できる、という効果を有する。
【0016】
第2態様によれば、ユーザが設定操作子を操作することなく、設定操作子に帳票画像の種別を対応付けることができる、という効果を有する。
【0017】
第3態様によれば、登録画像をスクロール表示させるだけで、設定操作子に帳票画像の種別を対応付けることができる、という効果を有する。
【0018】
第4態様によれば、登録画像が表示される画面から他の画面に移行することなく、異なる帳票画像を画面に表示することができる、という効果を有する。
【0019】
第5態様によれば、登録画像が表示される画面から他の画面に移行することなく、種別が不明の帳票画像のみを画面に表示することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】情報処理装置を構成するコンピュータにおける電気系統の要部構成例を示す図である。
【
図4】情報処理装置によって実行される種別の設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】各々の帳票画像に種別が設定された確認訂正画面の一例を示す図である。
【
図8】各々の帳票画像がレコードに分類された確認訂正画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、同じ構成要素及び同じ処理には全図面を通して同じ符号を付与し、重複する説明を省略する。
【0022】
図1は、本実施形態に係る帳票システム10の概略構成を示す図である。
【0023】
図1に示すように、帳票システム10は、情報処理装置20と、クライアント端末40と、入力装置60とを含む。これらの装置は、図示しない通信回線に接続されており、通信回線を介して互いに通信可能である。この通信回線には一例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等が適用される。
【0024】
情報処理装置20は、入力装置60を通じて入力された、複数枚の帳票を含む書類の画像データに対してOCR(Optical Character Recognition)処理を行い、OCR処理の結果を予め定めた出力先に出力する一連の処理の流れを管理する。情報処理装置20の具体的な構成及び作用については、後述する。
【0025】
クライアント端末40は、情報処理装置20に対して、OCR処理に関する各種の指示を送信する。この各種の指示には、一例として、画像データの情報の読取りを開始させる指示、及び画像データの情報を読取った結果を表示させる指示等が含まれる。また、クライアント端末40は、受け付けた各種の指示に応じて情報処理装置20が行ったOCR処理の結果、及びOCR処理に関する通知等の各種の情報を表示する。クライアント端末40には、一例として、サーバコンピュータ、又はパーソナルコンピュータ(PC:Personal Computer)等の汎用的なコンピュータ装置が適用される。
図1では、クライアント端末40を一台だけ図示しているが、これに限らず、クライアント端末40が複数台用意されて、一例として、処理別にクライアント端末40が使い分けられてもよい。
【0026】
入力装置60は、OCR処理の対象となる画像データを情報処理装置20に入力する。入力装置60には、一例として、サーバコンピュータ、又はPC等の汎用的なコンピュータ装置、並びにスキャン機能、プリンタ機能、及びFAX機能等を有する画像形成装置等が適用される。なお、入力装置60に加えて、クライアント端末40からも情報処理装置20へ画像データが入力可能であってもよい。
【0027】
次に、帳票システム10の概要について説明する。
【0028】
帳票システム10は、情報処理装置20が、入力装置60を通じて入力された画像データに対してOCR処理を行い、OCR処理の結果を予め定めた出力先に出力するシステムである。
【0029】
情報処理装置20は、OCR処理において、(1)業務設計及び運用検証、(2)データ入力、(3)データ読取り、(4)帳票判別確認訂正、(5)読取り結果確認訂正、(6)業務チェック、(7)データ出力、及び(8)差し戻し、の各種処理を管理する。本実施形態においては、単に画像データから文字及び記号等を読取る処理だけでなく、文字の修正等の後処理も含めて、OCR処理と呼ぶ。
【0030】
各種処理の管理の一例として、(1)業務設計及び運用検証、(2)データ入力、(3)データ読取り、(6)業務チェック、及び(7)データ出力の処理は、それぞれ、情報処理装置20により自動で実行される。また、各種処理の管理の一例として、(4)帳票判別確認訂正、及び(5)読取り結果確認訂正の処理は、それぞれ、クライアント端末40を通じたユーザによる入力により受け付けられる。また、各種処理の管理の一例として、(8)差し戻しの処理は、情報処理装置20により自動で実行される場合と、クライアント端末40を通じたユーザによる入力により受け付けられる場合とがある。
【0031】
(1)業務設計及び運用検証の処理では、読取り定義設定、出力設定、及び業務チェック設定を含んだジョブルールが作成される。読取り定義設定では、一例として、「(3)データ読取り」の処理において画像データの情報を読取る範囲である読取り範囲が設定される。より具体的には、一例として、キーとして抽出される項目の右付近からバリューである項目値を読取るというような定義が設定されうる。出力設定では、一例として、「(7)データ出力」の処理において出力する出力データのファイル形式、及び出力先が設定される。業務チェック設定では、一例として、「(6)業務チェック」の処理において検出対象とする帳票における必須の入力項目、及び入力可能な文字数等の書式等が設定される。
【0032】
(2)データ入力の処理では、入力装置60からの画像データの入力を受け付ける。入力を受け付けた画像データは、「(3)データ読取り」の処理の実行単位であるジョブとして登録される。
【0033】
(3)データ読取りの処理では、「(1)業務設計及び運用検証」の処理で作成されたジョブルールの中からユーザにより選択された、実行されるジョブ用のジョブルールを用いて、当該ジョブ内の画像データの情報の読取りが行われる。一例として、この処理では、当該ジョブ内の画像データに含まれる帳票の判別(以下、「帳票判別」とする)及び読取り範囲内の文字及び記号の読取りが行われる。
【0034】
(4)帳票判別確認訂正の処理では、「(3)データ読取り」の処理で行われた帳票判別の結果を基にジョブ内の画像データが、ジョブ内に含まれる帳票を示すレコードに分類される。その後、この処理では、分類されたレコードを表示させ、ユーザによる帳票判別の確認訂正を受け付ける。
【0035】
(5)読取り結果確認訂正の処理では、「(3)データ読取り」の処理で行われた読取り範囲内の文字及び記号の読取り結果を表示させ、ユーザによる読取り結果の確認訂正を受け付ける。
【0036】
(6)業務チェックの処理では、「(1)業務設計及び運用検証」の処理で作成されたジョブルールの中からユーザにより選択された、当該ジョブ用のジョブルールに含まれる業務チェック設定により、先行する各処理におけるエラーが検出される。検出結果は、ユーザに提示されてもよい。
【0037】
(7)データ出力の処理では、「(1)業務設計及び運用検証」の処理で作成されたジョブルールの中からユーザにより選択された、当該ジョブ用のジョブルールに含まれる出力設定を用いて出力データを作成し、作成した出力データが予め定めた出力先に出力される。
【0038】
(8)差し戻しの処理では、OCR処理において実行された処理から、一段階又は複数段階前の処理に差し戻される。差し戻しは、一例として、「(4)帳票判別確認訂正」及び「(5)読取り結果確認訂正」等の各種処理の実行中に、クライアント端末40からユーザにより指示される。また、差し戻しは、一例として、「(6)業務チェック」と「(7)データ出力」との処理の間に行われる管理者によるチェックの結果に応じて、管理者のクライアント端末40から指示される。
【0039】
上記のOCR処理において、「(1)業務設計及び運用検証」の処理は、「(3)データ読取り」以降の処理が行われる前、すなわち帳票システム10の運用前に実行される。さらに、「(1)業務設計及び運用検証」の処理は、「(3)データ読取り」以降の処理が行われている帳票システム10の運用中に実行されてもよい。一例として、帳票システム10の運用前に「(1)業務設計及び運用検証」の処理において作成したジョブルールを、帳票システム10の運用中の「(5)読取り結果確認訂正」の処理の結果に応じて適宜修正することができる。
【0040】
以降では、帳票に対応する各々の画像データを「帳票画像1」という。また、「ジョブルール」とは、
図1における「(3)データ読取り」の処理で1度に情報を読取る帳票画像1の読取り単位であるジョブに対して、その処理内容を定義したデータである。なお、情報処理装置20は、入力装置60から受け付けた帳票画像1の各々を、
図1における「(3)データ読取り」の処理で1度に情報を読取る読取り対象としていることから、ジョブとは、情報処理装置20での処理対象として、入力装置60から1度に受け付けた帳票画像1の集合体でもある。
【0041】
図1における「(3)データ読取り」の処理における帳票判別は、帳票画像1と、帳票の種別毎に予め登録されている見本画像(以降、「登録画像3」という)を比較し、複数の登録画像3のうち、帳票画像1と最も類似している登録画像3の種別を帳票画像1の種別として判別している。帳票画像1と登録画像3の類似度の算出には、例えば特徴ベクトルやテンプレートを用いたパターンマッチングによる手法、及び比較対象となる画像同士を入力として、その類似度を出力するように機械学習されたニューラルネットワークを用いる手法など、公知のアルゴリズムが適用される。
【0042】
本実施形態に係るジョブは、同じ種別の帳票の帳票画像1だけを複数取りまとめた帳票画像1の集合体であってもよいが、ここでは一例として、「帳票A-1」及び「帳票A-2」というように複数の種別の帳票を1セットとする申請書の帳票画像1を複数セット取りまとめた帳票画像1の集合体として説明を行う。すなわち、ジョブには複数種別の帳票画像1が含まれている。1セットに含まれる複数種別の帳票画像1の集合体を「レコード」という。
【0043】
次に、情報処理装置20における「(4)帳票判別確認訂正」の処理について詳細に説明する。
【0044】
上記において、情報処理装置20は、「(3)データ読取り」の処理で行われた帳票判別の結果を基にジョブ内の帳票画像1をレコード単位に分類して表示し、帳票判別に対するユーザの確認訂正を受け付けることを説明した。
【0045】
図2は、ユーザによる帳票判別の確認訂正を受け付けるための確認訂正画面2の一例を示す図である。情報処理装置20は、OCR処理を行ったユーザが使用するクライアント端末40に確認訂正画面2を表示する。
【0046】
図2の例では、「申請書D2-001」というジョブに含まれる各々の帳票画像1が、
図1の「(3)データ読取り」の処理で行われた帳票判別の結果と共に表示領域2Aに表示されている。更に、各々の帳票画像1にはジョブ内における帳票画像1の並び順に沿ってページ番号2Nが表示されている。
【0047】
帳票画像1の中には、「(3)データ読取り」の処理で枠の配置及び文字等を正しく読取れないほど不鮮明な帳票画像1や、対応する登録画像3が予め登録されていない未知の形式の帳票画像1が存在することがある。この場合、帳票画像1の種別として「不明」が表示される。すなわち、帳票画像1の種別が「不明」であるとは、当該帳票画像1に何れの種別も設定されていない状態を表す。
【0048】
また、確認訂正画面2では、どの帳票画像1がどの帳票画像1と組み合わされて1セットとなっているのかを表示するため、帳票画像1を枠線2Mでレコード単位に囲んで表示している。
図2に示す確認訂正画面2の例では、「帳票A-1」と「帳票A-2」の帳票画像1の組み合わせが1つのレコードとして表示されている。なお、種別が不明の帳票画像1や、種別が「帳票A-1」と「帳票A-2」の帳票画像1が順に並んでいないような場合にはレコード分類が困難となる。したがって、こうした帳票画像1は、枠線2Mによるレコードの分類表示が行われないまま確認訂正画面2に表示される。
【0049】
一方、ジョブに含まれるすべての帳票画像1が表示領域2Aに表示しきれない場合は、ユーザがスクロールバー2Bを操作して、表示しきれていない残りの帳票画像1を確認訂正画面2に表示する。
【0050】
ユーザは、確認訂正画面2に表示されている帳票画像1のうち、特に種別が不明の帳票画像1やレコードに分類されていない帳票画像1(以降、「要確認の帳票画像1」という)の確認が必要である。そのため、表示された複数の帳票画像1の中から要確認の帳票画像1を優先的に探し出したいことがある。
【0051】
しかしながら、確認訂正画面2の表示領域2Aに表示される帳票画像1の枚数が多くなるにつれて、ユーザがスクロールバー2Bを操作しながら表示領域2Aを目視して、複数の帳票画像1の中から要確認の帳票画像1を探し出すのは、スクロールバー2Bの操作量が増えることも相まって手間のかかる作業となる。したがって、確認訂正画面2には検索ボタン2C、2Dが表示されている。
【0052】
ユーザが検索ボタン2Cを押下すると、情報処理装置20は、マウス等で現在選択されている帳票画像1より前にある要確認の帳票画像1、すなわち選択中の帳票画像1のページ番号2Nより小さいページ番号2Nが付与された要確認の帳票画像1であって、選択中の帳票画像1のページ番号2Nとの差分が最も小さいページ番号2Nが付与された要確認の帳票画像1を複数の帳票画像1の中から検索して、表示領域2Aに表示する。
【0053】
ユーザが検索ボタン2Dを押下すると、情報処理装置20は、マウス等で現在選択されている帳票画像1より後ろにある要確認の帳票画像1、すなわち選択中の帳票画像1のページ番号2Nより大きいページ番号2Nが付与された要確認の帳票画像1であって、選択中の帳票画像1のページ番号2Nとの差分が最も小さいページ番号2Nが付与された要確認の帳票画像1を複数の帳票画像1の中から検索して、表示領域2Aに表示する。
【0054】
ジョブに含まれる要確認の帳票画像1が1枚だけであれば、要確認の帳票画像1が選択された状態でユーザが検索ボタン2C、2Dを押下しても、表示領域2Aにおける帳票画像1の表示は変化しない。
【0055】
なお、ユーザが帳票画像1を選択するとは、ユーザがマウス等で意図的に帳票画像1を選択する行為の他、例えばユーザがスクロールバー2Bを操作して表示領域2Aに帳票画像1を表示する行為も含まれる。すなわち表示領域2Aに表示されている帳票画像1は、ユーザによって選択された帳票画像1の一例でもある。
【0056】
ユーザは種別が不明の帳票画像1を確認した場合、後ほど詳細に説明する設定画面4で登録画像3を参照しながら、種別が不明の帳票画像1に対して種別を設定する。
【0057】
ジョブルールには、情報処理装置20での各処理における処理内容が定義されていることから、「(4)帳票判別確認訂正」の処理に対して、情報処理装置20がジョブに含まれる帳票画像1の種別を判別するために参照した複数の登録画像3が定義されている。したがって、ユーザが確認訂正画面2の比較ボタン2Fを押下すると、情報処理装置20が帳票画像1の種別の判別に用いた複数の登録画像3が、後ほど詳細に説明する設定画面4に表示される。
【0058】
また、ユーザはレコードの分類に誤りがある帳票画像1を確認した場合、帳票画像1が、当該帳票画像1と共に1セット分の帳票画像1を構成する他の帳票画像1に対して正しい並び順となるように、帳票画像1に対してドラッグアンドドロップ操作を行って帳票画像1の並び順を変更する。帳票画像1の並び順が変更された場合、情報処理装置20は、変更された新たな帳票画像1の並び順に従って、帳票画像1のページ番号2Nを更新する。
【0059】
その上で、ユーザが再分類ボタン2Eを押下した場合、情報処理装置20は、確認訂正画面2上における新たな帳票画像1の並び順に従って、ジョブに含まれる帳票画像1をレコード単位に再分類する。情報処理装置20は、レコード単位に再分類した帳票画像1をレコード毎に枠線2Mで囲むことで、新たな分類結果を確認訂正画面2に表示する。
【0060】
当然のことながら、種別が不明の帳票画像1はレコードに分類できないため、レコードの分類にも誤りが見られる。したがって、ユーザは、種別が不明の帳票画像1に対して正しい種別を設定した場合にも再分類ボタン2Eを押下して、ジョブに含まれる帳票画像1をレコード単位に再分類する。
【0061】
なお、ジョブには種別の判別対象として予め登録画像3に登録されている帳票以外の書類の画像が帳票画像1として誤って紛れ込んでいることがある。こうした帳票画像1の種別は不明に設定され、かつ、レコード単位に分類されないため、ユーザは不要な帳票画像1をジョブから削除した上で、再分類ボタン2Eを押下すればよい。
【0062】
情報処理装置20は、こうした要確認の帳票画像1の確認訂正に関する情報を情報領域2Kに表示する。
【0063】
種別が不明の帳票画像1がジョブに含まれる場合、情報処理装置20は情報領域2Kに、例えば「判別できないページがありました。不明ページの確認、修正をお願いします。」といった、帳票画像1の種別の確認及び訂正をユーザに促す情報を表示する。この場合、情報処理装置20は例えば「不明なページ:1ページ」というように、ジョブ内において種別が不明の帳票画像1の枚数を情報領域2Kに表示し、種別が不明の帳票画像1に対してユーザが種別が設定する毎に、種別が不明の帳票画像1の枚数を減らして情報領域2Kに表示してもよい。
【0064】
種別が不明の帳票画像1に対してユーザが種別を設定した場合、情報処理装置20は情報領域2Kに、例えば「種別が不明のページの確認が終わったので「再分類」ボタンを押してください。帳票をレコード単位に再分類します」といった、次にどのような操作を行えばよいかをユーザに知らせる操作ガイダンスを表示する。
【0065】
また、レコードに分類されていない帳票画像1がジョブに含まれる場合には、情報処理装置20は情報領域2Kに、例えば「レコード単位に分類できなかったページがあります。何れかの対処を行ってください。(1)ページを削除して再分類を行う、(2)ページを移動して再分類を行う。」といった、帳票画像1におけるレコードの確認及び訂正をユーザに促す情報を表示する。
【0066】
この場合、情報処理装置20は、例えば「レコード化できていないページ:1ページ」というように、ジョブ内においてレコードの分類に誤りのある帳票画像1の枚数を情報領域2Kに表示してもよい。また、情報処理装置20は、再分類ボタン2Eが押下される毎に、レコードの分類に誤りのある帳票画像1の枚数を更新して情報領域2Kに表示してもよい。なお、ユーザがドラッグアンドドロップ操作を行い、既にレコード化されている帳票画像1の並べ替えを行った場合、並べ替えが行われた帳票画像1を含むレコードが一時的に解除される。したがって、情報処理装置20は、ユーザの操作によって既存のレコード分類が解除される毎に、レコードの分類に誤りのある帳票画像1の枚数を増加して情報領域2Kに表示してもよい。
【0067】
ユーザは、ジョブに含まれるすべての帳票画像1について種別の設定及びレコードの分類が正しく行われていることを確認した場合、確定ボタン2Gを押下して、ジョブに含まれる各々の帳票画像1に対する帳票判別及びレコード分類を確定する。当該操作についても、ジョブから種別が不明の帳票画像1がなくなり、かつ、すべての帳票画像1がレコード単位に分類された場合、情報処理装置20は情報領域2Kに、例えば「帳票判別の確認作業を完了します。OKボタンを押してください。」と表示して、次に行う操作をユーザに知らせるようにしてもよい。
【0068】
ユーザは、ジョブに含まれる各々の帳票画像1の帳票判別及びレコード分類を確定させることなく確認訂正画面2を閉じる場合には、キャンセルボタン2Hを押下する。また、ユーザは、一時的に「(4)帳票判別確認訂正」の処理を中断し、その後再開するような場合には一時保存ボタン2Jを押下して、一時保存ボタン2J押下時における帳票画像1に設定された種別及びレコード分類の状態を記憶装置に保存する。
【0069】
一方、ユーザが操作ボタン2Lを押下した場合、帳票画像1の確認訂正に関する操作メニューがドロップダウンリストに表示される。ドロップダウンリストには、例えば「リセット」及び「再実行」を含む操作メニューが表示される。
【0070】
操作メニューにおけるリセットとは、帳票画像1に設定されている種別、及びレコードの分類をすべて解除し、情報処理装置20が帳票判別を行う前の状態に戻すことをいう。
【0071】
操作メニューにおける再実行とは、例えば現在選択されているジョブルール以外の他のジョブルールを選択し、新たに選択したジョブルールに基づいて帳票判別を再実行することをいう。使用するジョブルールはユーザが指定する。
【0072】
ジョブルールを変更すると、ジョブルールの変更に従い、例えばジョブに含まれる帳票画像1の種別を判別するために情報処理装置20が参照する登録画像3が変更されるため、ジョブルール変更前と比べて帳票判別の精度が向上する場合がある。したがって、例えばリセットを行った後に再実行を行い、情報処理装置20に他のジョブルールに従った帳票判別を行わせるような場合に操作ボタン2Lが利用される。
【0073】
こうした帳票判別を実行する情報処理装置20は、例えばコンピュータ30を用いて構成される。
【0074】
図3は、情報処理装置20を構成するコンピュータ30における電気系統の要部構成例を示す図である。
【0075】
コンピュータ30は、
図1に示した各処理を担うプロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)31、コンピュータ30を情報処理装置20として機能させる情報処理プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)32、CPU31の一時的な作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)33、不揮発性メモリ34、及び入出力インターフェース(I/O)35を備える。CPU31、ROM32、RAM33、不揮発性メモリ34、及びI/O35はバス36を介して各々接続されている。
【0076】
不揮発性メモリ34は、不揮発性メモリ34に供給される電力が遮断されても、記憶した情報が維持される記憶装置の一例であり、例えば半導体メモリが用いられるがハードディスクを用いてもよい。登録画像3のように、情報処理装置20の電源が遮断されても記憶し続ける必要のある情報は不揮発性メモリ34に記憶される。
【0077】
I/O35には、例えば通信ユニット37、入力ユニット38、及び表示ユニット39が接続される。
【0078】
通信ユニット37は通信回線に接続され、通信回線に接続された、例えば入力装置60やクライアント端末40を含む外部装置との間でデータ通信を行う通信プロトコルを備える。
【0079】
入力ユニット38は、ユーザの指示を受け付けてCPU31に通知する装置であり、例えばボタン、タッチパネル、キーボード、及びマウス等が用いられる。
【0080】
表示ユニット39は、CPU31によって処理された情報を視覚的に表示する装置の一例であり、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。
【0081】
情報処理装置20が通信ユニット37を経由してクライアント端末40からユーザの指示を受け付けると共に、情報処理装置20で処理した情報を、通信ユニット37を経由してクライアント端末40に表示する場合、必ずしも入力ユニット38及び表示ユニット39は必要ない。
【0082】
なお、不揮発性メモリ34はコンピュータ30に内蔵されている必要はなく、例えばコンピュータ30に着脱可能な可搬型の記憶装置であってもよい。また、不揮発性メモリ34をコンピュータ30ではなく、外部装置に備えるようにしてもよい。この場合、コンピュータ30は、通信ユニット37を経由して外部装置の不揮発性メモリ34に記憶された情報を読込むと共に、通信ユニット37を経由して外部装置の不揮発性メモリ34に情報を書込む。
【0083】
次に、情報処理装置20の帳票判別において種別が不明と判別された帳票画像1に対する種別の設定処理について説明する。
【0084】
図4は、ユーザが確認訂正画面2で種別が不明である何れか1枚の帳票画像1を選択し、比較ボタン2Fを押下した場合に、情報処理装置20のCPU31によって実行される種別の設定処理の一例を示すフローチャートである。種別の設定処理を規定する情報処理プログラムは、例えば情報処理装置20のROM32に予め記憶されている。情報処理装置20のCPU31は、ROM32に記憶される情報処理プログラムを読込み、種別の設定処理を実行する。
【0085】
まず、ステップS10において、CPU31は、種別が不明の帳票画像1に対してユーザが種別を設定するための画面である設定画面4を、クライアント端末40の表示装置に表示する。
【0086】
図5は設定画面4の一例を示す図である。設定画面4には、種別が不明の帳票画像1と、ジョブルールに定義された複数の登録画像3が表示される。
図5の設定画面4の例では、ジョブルールに定義された複数の登録画像3を一度に設定画面4に表示しきれないため、CPU31はスクロールバー4Bを表示して、ユーザが設定画面4で複数の登録画像3を参照できるようにしている。
【0087】
なお、登録画像3を設定画面4に複数表示する表示形態に制約はなく、CPU31は登録画像3をサムネイル化して、すべての登録画像3を一度に設定画面4に表示してもよい。登録画像3がサムネイルで表示されると、登録画像3の内容がわかりにくくなる場合がある。したがって、CPU31は、ユーザによって指定された登録画像3のサムネイルを拡大表示してもよい。当然のことながら、
図5の設定画面4に表示されているような、サムネイルで表示されていない登録画像3に対しても、ユーザが拡大指示を行った場合、CPU31はユーザによって指定された登録画像3を拡大表示してもよい。
【0088】
また、CPU31は、帳票画像1と登録画像3を同じ大きさで表示し、ユーザが帳票画像1に対してドラッグ操作を行った場合、移動する帳票画像1と重なり合った位置にある後ろの画像が透過して見えるように帳票画像1を透過表示してもよい。この場合、帳票画像1と登録画像3が共に同じ種別の帳票を表しているのであれば、帳票画像1及び登録画像3における各々の帳票の枠線等の位置が一致するため、ユーザは、帳票画像1と登録画像3を重ね合わされた結果から帳票画像1と登録画像3の類似度を確認し、帳票画像1の種別を設定することができる。
【0089】
更に、CPU31は、
図1の「(3)データ読取り」の処理における帳票判別で算出した、設定画面4に表示される帳票画像1と各々の登録画像3との類似度を数値化して設定画面4に表示してもよい。
【0090】
CPU31は、種別の設定対象である帳票画像1と複数の登録画像3の他、設定ボタン4A、検索ボタン4C、検索ボタン4D、確定ボタン4E、及びキャンセルボタン4Fを同じ設定画面4に表示する。
【0091】
設定ボタン4Aは、設定画面4に表示された帳票画像1に種別を設定する設定操作子の一例であり、ユーザが設定ボタン4Aを押下すると、CPU31は、
図1の「(3)データ読取り」の処理で帳票判別を行うために用いた各々の登録画像3の種別を表示したドロップダウンリストを表示する。
【0092】
図6は、ユーザが設定ボタン4Aを押下した場合に表示されるドロップダウンリストの一例を示す図である。
【0093】
ドロップダウンリストの「帳票A-1」、「帳票A-2」、「帳票A-3」、「帳票B-1」、及び「帳票B-2」は、ジョブルールに定義された登録画像3の種別を表す文字列である。
【0094】
ユーザは設定画面4に表示された帳票画像1と各々の登録画像3を比較し、設定ボタン4Aのドロップダウンリストから、設定画面4に表示された帳票画像1の種別と思われる文字列を選択する。
【0095】
なお、設定ボタン4Aのドロップダウンリストにある「添付」とは、帳票画像1が登録画像3で表されているような帳票の画像ではなく、例えば免許証やパスポートのように本人確認資料として帳票に添付された添付書類の画像であることを意味する。帳票画像1が添付書類の画像であれば、ユーザは設定ボタン4Aのドロップダウンリストから「添付」を選択する。これによりCPU31は、「添付」が設定された帳票画像1を無視してレコード分類を行うことになる。
【0096】
また、設定ボタン4Aのドロップダウンリストにある「削除」とは、帳票とは関係のない書類の画像を削除するための設定である。CPU31は、「削除」が設定された帳票画像1をジョブから削除してレコード分類を行うことになる。
【0097】
設定ボタン4Aのドロップダウンリストにある「不明」は、帳票画像1の種別が不明であることを設定ボタン4Aのドロップダウンリストに表示するためだけの表示用の種別であり、ユーザは選択することができない。
【0098】
ユーザが設定ボタン4Aのドロップダウンリストから帳票画像1の種別を選択すると、
図4のステップS20において、CPU31は、設定ボタン4Aのドロップダウンリストの表示を中止し、ユーザがドロップダウンリストから選択した種別を、設定ボタン4Aと対応付ける。例えばユーザがドロップダウンリストから「帳票A-1」の種別を選択した場合、
図5に示すように、設定ボタン4Aには「帳票A-1」が表示される。すなわち、設定ボタン4Aには、設定ボタン4Aに対応付けられた種別が表示される。
【0099】
この後、ユーザは、帳票画像1の種別を選択した種別に確定させるため確定ボタン4Eを押下する。
【0100】
したがって、ステップS30において、CPU31は、ユーザが確定ボタン4Eを押下したか否かを判定する。ユーザが確定ボタン4Eを押下した場合にはステップS40に移行する。
【0101】
ステップS40において、CPU31は、ユーザが選択した種別、すなわち設定ボタン4Aに対応付けられている種別を、種別が不明と判別された帳票画像1の種別として帳票画像1に設定する。
【0102】
一方、ステップS30の判定処理でユーザが確定ボタン4Eを押下していないと判定された場合には、ステップS50に移行する。
【0103】
ユーザは選択した種別をいつでも変更できるため、ステップS50において、CPU31は、ユーザが再び設定ボタン4Aを押下し、これまで選択していた種別とは異なる別の種別を設定ボタン4Aのドロップダウンリストから選択したか否かを判定する。
【0104】
ユーザが新たな種別を選択していない場合にはステップS30に移行して、CPU31は、引き続きユーザによる確定ボタン4Eの押下状況を監視する。
【0105】
一方、ユーザが新たな種別を選択した場合にはステップS20に移行する。これにより、設定ボタン4Aにはユーザが選択した新たな種別が対応付けられ、ユーザが選択した新たな種別が設定ボタン4Aに表示される。この状態でユーザが確定ボタン4Eを押下すると、CPU31は、設定ボタン4Aに対応付けられている新たな種別を、種別が不明と判別された帳票画像1の種別として帳票画像1に設定する。
【0106】
以上により、
図4に示した種別の設定処理を終了する。
【0107】
なお、ユーザによってキャンセルボタン4Fが押下された場合、CPU31は、帳票画像1に種別を設定することなく設定画面4を閉じて確認訂正画面2を表示する。
【0108】
上記では、ユーザが設定ボタン4Aのドロップダウンリストから帳票画像1の種別を選択する例について説明したが、ユーザが登録画像3を選択しても、帳票画像1の種別を選択することができる。具体的には、CPU31は、設定画面4に表示した複数の登録画像3のうち、ユーザが選択した登録画像3の種別と同じ種別を設定ボタン4Aに対応付けてもよい。この場合、ユーザが設定ボタン4Aを押下してドロップダウンリストから帳票画像1の種別を選択しなくても、設定画面4に表示されている登録画像3を選択するだけで、選択した登録画像3の種別が設定ボタン4Aに対応付けられる。
【0109】
また、ユーザが登録画像3を選択する場合、例えばマウス等で登録画像3を押下して選択してもよいが、ユーザが何れの登録画像3を選択しているのか特定できる方法であれば、登録画像3の選択方法に制約はない。
【0110】
例えば
図5に示す設定画面4のように、CPU31がユーザによるスクロールバー4Bの操作に従い、各々の登録画像3を設定画面4に順次スクロール表示する場合、CPU31は、設定画面4に表示されている登録画像3をユーザによって選択された登録画像3とみなしてもよい。したがって、設定画面4の表示に伴い、最初に表示された登録画像3の種別が初期値として選択される。ユーザによって選択された登録画像3の種別は設定ボタン4Aに対応付けられるため、ユーザが設定画面4のスクロールバー4Bを操作して登録画像3をスクロール表示すると、登録画像3の表示に連動して設定ボタン4Aに対応付けられる種別も変化する。その結果、登録画像3の表示に連動して設定ボタン4Aに表示される種別も変化する。これにより、ユーザはスクロールバー4Bを操作するだけで、帳票画像1の種別を選択することができる。
【0111】
なお、スクロール操作によって複数の登録画像3が設定画面4に表示される場合、CPU31は、例えばスクロール表示を行う領域の中央部というように、予め定めた範囲に表示されている登録画像3をユーザによって選択された登録画像3とみなせばよい。
【0112】
一方、ユーザが検索ボタン4Cを押下した場合、
図2に示した確認訂正画面2の検索ボタン2Cと同様に、設定画面4に表示中の帳票画像1より前にある種別が不明の帳票画像1をジョブ内の帳票画像1の中から検索して設定画面4に表示する。また、ユーザが検索ボタン4Dを押下した場合、
図2に示した確認訂正画面2の検索ボタン2Dと同様に、設定画面4に表示中の帳票画像1より後ろにある種別が不明の帳票画像1をジョブ内の帳票画像1の中から検索して設定画面4に表示する。
【0113】
すなわち、検索ボタン4C、4Dは、ユーザが帳票画像1を選択するための選択操作子の一例であり、ユーザは、確認訂正画面2に画面を切り替えることなく設定画面4上の操作だけで、種別が不明の帳票画像1を選択して設定画面4に順次表示することができる。
【0114】
なお、ユーザが検索ボタン4C、4Dを押下した場合の動作は一例である。種別が設定されている帳票画像1であっても、必ずしも正しい種別が設定されているとは限らないため、ユーザが検索ボタン4C、4Dを押下した場合、CPU31は、設定画面4に表示している帳票画像1のページ番号2Nとページ番号2Nが隣り合う前又は後ろの帳票画像1を選択して設定画面4に表示してもよい。
【0115】
図7は、
図2に示した種別が不明の帳票画像1(ページ番号2Nが3ページ目の帳票画像1)に対して
図4に示した種別の設定処理を実行し、設定画面4で「帳票A-1」の種別を帳票画像1に設定した後の確認訂正画面2の一例を示す図である。
【0116】
種別が不明の帳票画像1に対して種別が設定されたことで、
図7に示すように、不明なページが0ページになったことが情報領域2Kに表示される。
【0117】
以上の処理により、ページ番号2Nが3ページ目の帳票画像1には「帳票A-1」の種別が設定されたが、まだレコードの再分類は行われていない。したがって、ユーザは確認訂正画面2の再分類ボタン2Eを押下して、ジョブに含まれる帳票画像1をレコード単位に再分類する。
【0118】
図8は、
図7に示した確認訂正画面2において、ユーザが再分類ボタン2Eを押下した後の確認訂正画面2の一例を示す図である。
【0119】
図8に示す確認訂正画面2の例では、種別が「帳票A-1」に設定された3ページ目の帳票画像1と、4ページ目の帳票画像1が1つのレコードとして分類されたことが表示されている。これに伴い、レコード化できていないページが0ページになったことが情報領域2Kに表示される。
【0120】
なお、CPU31は、すべての帳票画像1に種別が設定され、かつ、レコード分類が行われるまではユーザが確定ボタン2Gを押下できないように、確定ボタン2Gを無効化しておいてもよい。
【0121】
以上、実施形態を用いて情報処理装置20の一態様について説明したが、開示した情報処理装置20の形態は一例であり、情報処理装置20の形態は実施形態に記載の範囲に限定されない。本開示の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術的範囲に含まれる。例えば、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、
図4に示した種別の設定処理の順序を変更してもよい。
【0122】
また、上記の実施形態において、一例として種別の設定処理をソフトウェアで実現する形態について説明した。しかしながら、
図4に示したフローチャートと同等の処理をハードウェアで処理させるようにしてもよい。この場合、種別の設定処理をソフトウェアで実現した場合と比較して処理の高速化が図られる。
【0123】
上記の実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU31)や、専用のプロセッサ(例えば GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0124】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記の実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0125】
上記の実施形態では、ROM32に情報処理プログラムが記憶されている例について説明したが、情報処理プログラムの記憶先はROM32に限定されない。本開示の情報処理プログラムは、コンピュータ30で読取り可能な記憶媒体に記録された形態で提供することも可能である。例えば情報処理プログラムをCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)及びDVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)のような光ディスクに記録した形態で提供してもよい。また、情報処理プログラムを、USB(Universal Serial Bus)メモリ及びメモリカードのような可搬型の半導体メモリに記録した形態で提供してもよい。ROM32、不揮発性メモリ34、CD-ROM、DVD-ROM、USB、及びメモリカードは非一時的(non-transitory)記憶媒体の一例である。
【0126】
更に、情報処理装置20は、通信ユニット37を通じて、通信回線に接続された外部装置から情報処理プログラムをダウンロードし、ダウンロードした情報処理プログラムを記憶装置に記憶してもよい。この場合、情報処理装置20のCPU31は、外部装置からダウンロードした情報処理プログラムを記憶装置から読込んで種別の設定処理を実行する。
【符号の説明】
【0127】
1 帳票画像、2 確認訂正画面、2A 表示領域、2B (確認訂正画面の)スクロールバー、2C(2D) (確認訂正画面の)検索ボタン、2E 再分類ボタン、2F 比較ボタン、2G (確認訂正画面の)確定ボタン、2H (確認訂正画面の)キャンセルボタン、2J 一時保存ボタン、2K 情報領域、2L 操作ボタン、2M 枠線、2N ページ番号、3 登録画像、4 設定画面、4A 設定ボタン、4B (設定画面の)スクロールバー、4C、4D (設定画面の)検索ボタン、4E (設定画面の)確定ボタン、4F (設定画面の)キャンセルボタン、10 帳票システム、20 情報処理装置、30 コンピュータ、31 CPU、32 ROM、33 RAM、34 不揮発性メモリ、35 I/O、36 バス、37 通信ユニット、38 入力ユニット、39 表示ユニット、40 クライアント端末、60 入力装置