(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】転送制御装置、転送制御方法、転送制御プログラム、切替システム、切替方法、および転送システム
(51)【国際特許分類】
H04L 45/00 20220101AFI20250304BHJP
H04H 20/26 20080101ALI20250304BHJP
H04N 21/262 20110101ALI20250304BHJP
【FI】
H04L45/00
H04H20/26
H04N21/262
(21)【出願番号】P 2020206536
(22)【出願日】2020-12-14
【審査請求日】2023-11-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】須藤 陽介
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-193184(JP,A)
【文献】特開2017-191976(JP,A)
【文献】特開2003-018113(JP,A)
【文献】特開2017-092580(JP,A)
【文献】国際公開第2012/043358(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
H04L 41/00-69/40
H04H 20/26
H04N 21/262
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御する切替制御部と、
前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する転送制御部と
を備え、
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される放送素材を、前記第一の受信装置に放送素材を転送する転送装置が変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される放送素材を切り替えることができる手段であり、
前記転送制御部は、前記第一の受信装置が前記切替前素材を転送している状態で、前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、
前記切替制御部は、前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行う
ことを特徴とする転送制御装置。
【請求項2】
前記切替タイミングは、放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、放送スケジュールにおいてあらかじめ定められている、放送素材の切り替えのタイミングであり、
前記転送制御部は、前記切替タイミングより所定時間前に、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行う
ことを特徴とする請求項1に記載の転送制御装置。
【請求項3】
前記切替タイミングは、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する臨時切替指示が入力された場合、前記臨時切替指示が入力されてから所定時間後のタイミングであり、
前記転送制御部は、前記臨時切替指示が入力された場合に、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行う
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転送制御装置。
【請求項4】
受信した放送素材を切替手段に転送する第一の受信装置および第二の受信装置と、
前記第一の受信装置から入力される前記放送素材と前記第二の受信装置から入力される前記放送素材のいずれかを出力先装置へ転送する切替手段と
を備え、
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される放送素材を、前記第一の受信装置に放送素材を転送する転送装置が変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される放送素材を切り替えることができる手段であり、
前記第一の受信装置および前記第二の受信装置は、前記放送素材の転送の開始を指示する転送開始指示を受信した場合に、指示された前記放送素材の受信を開始し、
前記切替手段は、前記出力先装置へ転送する前記放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、前記出力先装置に転送する前記放送素材を切り替える
ことを特徴とする切替システム。
【請求項5】
前記切替手段は、
SDI(Serial Digital Interface)信号で伝送される放送素材を切り替える手段である
ことを特徴とする請求項4に記載の切替システム。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の転送制御装置と、
第一の受信装置と、
第二の受信装置と、
切替手段と
を備え
、
前記第一の受信装置は、切替前素材を前記切替手段に転送し、
前記第二の受信装置は、前記転送制御装置の転送制御部から、切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を受信した場合に、切替後素材の前記切替手段への転送を開始し、
前記切替手段は、前記転送制御装置の切替制御部から、出力先装置へ転送する放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、前記出力先装置に転送する放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替える
ことを特徴とする転送システム。
【請求項7】
請求項4または請求項5に記載の切替システムと、
転送制御装置と
を備え
、
前記転送制御装置は、
出力先装置へ転送する放送素材を、前記切替システムの第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、前記切替システムの第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御する切替制御部と、
前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する転送制御部と
を備え、
前記転送制御部は、前記第一の受信装置が前記切替前素材を転送している状態で、前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、
前記切替制御部は、前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行う
ことを特徴とする転送システム。
【請求項8】
出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御し、
前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する
転送制御装置が、
前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、
前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行
い、
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される放送素材を、前記第一の受信装置に放送素材を転送する転送装置が変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される放送素材を切り替えることができる手段である
ことを特徴とする転送制御方法。
【請求項9】
第一の受信装置および第二の受信装置が、放送素材の転送の開始を指示する転送開始指示を受信した場合に、指示された前記放送素材の受信を開始し、受信した前記放送素材を切替手段に転送し、
前記切替手段が、前記第一の受信装置から入力される前記放送素材と前記第二の受信装置から入力される前記放送素材のいずれかを出力先装置へ転送し、前記出力先装置へ転送する前記放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、前記出力先装置に転送する前記放送素材を切り替え
、
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される放送素材を、前記第一の受信装置に放送素材を転送する転送装置が変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される放送素材を切り替えることができる手段である
ことを特徴とする切替方法。
【請求項10】
コンピュータに、
出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御する切替制御機能と、
前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する転送制御機能と
を実現させ、
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される放送素材を、前記第一の受信装置に放送素材を転送する転送装置が変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される放送素材を切り替えることができる手段であり、
前記転送制御機能は、前記第一の受信装置が前記切替前素材を転送している状態で、前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、
前記切替制御機能は、前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行う
ことを特徴とする転送制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、転送制御装置、転送制御方法、転送制御プログラム、切替システム、切替方法、および転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
放送マスター送出システムは、日時に基づく所定のタイミングで番組を送出するためのシステムである。放送マスター送出システムは、入力元装置から入力された放送素材を、出力先装置を介して、送信所などに向けて送出する。
【0003】
なお、放送素材とは、たとえば、映像や音声やアンシラリデータなどを含む放送用コンテンツに応じた情報である。また、入力元装置は、たとえば、素材バンクや編集装置(スタジオ)や屋外で使用される中継用カメラなどから、放送素材を受信する装置である。また、出力先装置は、たとえば、送信所、放送局、素材バンクなどに向けて放送素材を送信する装置である。
【0004】
放送マスター送出システムでは、SDI(Serial Digital Interface)とよばれる放送独自の形式の信号で、放送素材が伝送されてきた。この場合、出力先装置へ出力される放送素材の切り替えは、SDI信号で伝送されている放送素材を切り替えることによって行われる。SDI信号で伝送されている放送素材の切り替えは、シームレスに行われることが可能である。つまり、SDI信号で伝送されている放送素材を切り替える場合、局内で伝送される放送素材や受信機で再生される放送用コンテンツには切れ目が発生せず、放送品質が担保される。
【0005】
一方、IP(Internet Protocol)技術の発展に伴い、放送局において、IPベースの通信ネットワークを用いたシステムの構築が促進されている。IPベースのネットワークアーキテクチャを採用すれば、たとえば、汎用のルータおよびスイッチといった、IPベースの通信機器を用いて、高速かつ大容量の通信ネットワークを低コストで構築することが可能となる。
【0006】
図21に、IPネットワークを用いた素材伝送システムの構成例を示す。
【0007】
転送装置は、たとえば、汎用のIPルータである。汎用のIPルータには、IGMP(Internet Group Management Protocol)機能が搭載されていることが多い。素材伝送システムでは、このIGMP機能を使用して、出力先装置の各々に送信する放送素材を切り替えることができる(特許文献1)。
【0008】
受信装置は、放送素材の受信を開始する場合、受信を希望する放送素材が入力されているマルチキャストグループへの参加を要求するJoinパケットを、転送装置へ送信する。これにより、受信装置は、マルチキャストグループ宛に入力元装置が入力している放送素材を受信することが可能になる。また、受信装置は、放送素材の受信を停止する場合、マルチキャストグループからの離脱を要求するLeaveパケットを転送装置へ送信する。
【0009】
受信装置は、出力先装置に送信する放送素材を切り替える場合、LeaveパケットとJoinパケットとを転送装置へ送信する。転送装置は、Leaveパケットを受信すると、切り替え前の放送素材の転送を停止する。また、転送装置は、Joinパケットを受信すると、切り替え後の放送素材の転送を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、この方法では、切り替え前の放送素材の転送の停止から切り替え後の放送素材の転送の開始までの間、放送素材が転送されない。その結果、局内で伝送される放送素材や受信機で再生される放送用コンテンツに切れ目が発生する可能性がある。
【0012】
また、切れ目が発生しないように、Joinパケットの後にLeaveパケットを送信する方法も考えられる。しかし、この方法では、切り替え前の放送素材と切り替え後の放送素材の両方が転送されている状態が発生する。切り替え前の放送素材と切り替え後の放送素材の両方が転送されている状態になると、本来、一つの放送素材を転送するための通信帯域が、二つの放送素材の転送のために使用される。そのため、通信帯域が圧迫され、転送中の放送素材にパケットロスが発生する可能性がある。パケットロスが発生すると、転送されている放送素材に欠損が発生することになるため、放送用コンテンツに乱れが発生する可能性がある。
【0013】
本発明の目的は、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることを可能にする、転送制御装置、転送制御方法、転送制御プログラム、切替システム、切替方法、および転送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様において、転送制御装置は、出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御する切替制御部と、前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する転送制御部とを備え、前記転送制御部は、前記第一の受信装置が前記切替前素材を転送している状態で、前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、前記切替制御部は、前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行うことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の他の態様において、転送制御方法は、出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御し、前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する転送制御装置が、前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行うことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の他の態様において、転送制御プログラムは、コンピュータに、出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御する切替制御機能と、前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する転送制御機能とを実現させ、前記転送制御機能は、前記第一の受信装置が前記切替前素材を転送している状態で、前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、前記切替制御機能は、前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行うことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の他の態様において、切替システムは、受信した放送素材を切替手段に転送する第一の受信装置および第二の受信装置と、前記第一の受信装置から入力される前記放送素材と前記第二の受信装置から入力される前記放送素材のいずれかを出力先装置へ転送する切替手段とを備え、前記第一の受信装置および前記第二の受信装置は、前記放送素材の転送の開始を指示する転送開始指示を受信した場合に、指示された前記放送素材の受信を開始し、前記切替手段は、前記出力先装置へ転送する前記放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、前記出力先装置に転送する前記放送素材を切り替えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の他の態様において、切替方法は、第一の受信装置および第二の受信装置が、放送素材の転送の開始を指示する転送開始指示を受信した場合に、指示された前記放送素材の受信を開始し、受信した前記放送素材を切替手段に転送し、前記切替手段が、前記第一の受信装置から入力される前記放送素材と前記第二の受信装置から入力される前記放送素材のいずれかを出力先装置へ転送し、前記出力先装置へ転送する前記放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、前記出力先装置に転送する前記放送素材を切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第一の実施形態の転送制御装置の構成例を示す図である。
【
図2】本発明の第一の実施形態の切替システムの構成例を示す図である。
【
図3】本発明の第一の実施形態の転送制御装置の動作例を示す図である。
【
図4】本発明の第一の実施形態の切替システムの動作例を示す図である。
【
図5】本発明の第二の実施形態の転送制御装置および切替システムを含むシステムの構成例を示す図である。
【
図6】本発明の第二および第三の実施形態の切替システムの構成例を示す図である。
【
図7】本発明の第二の実施形態の転送制御装置の構成例を示す図である。
【
図8】本発明の第二の実施形態の転送制御装置および切替システムの動作例を示す図である。
【
図9】本発明の第三の実施形態の転送制御装置および切替システムを含むシステムの構成例を示す図である。
【
図10】本発明の第三の実施形態の転送制御装置の構成例を示す図である。
【
図11】本発明の第四の実施形態の転送制御装置および切替システムを含むシステムの構成例を示す図である。
【
図12】本発明の第四の実施形態の切替システムの構成例を示す図である。
【
図13】本発明の第四の実施形態の転送制御装置および切替システムの動作例を示す図である。
【
図14】本発明の第四の実施形態の転送制御装置および切替システムの動作例を示す図である。
【
図15】本発明の第五の実施形態の転送制御装置および切替システムを含むシステムの構成例を示す図である。
【
図16】本発明の第五の実施形態の転送制御装置の構成例を示す図である。
【
図17】本発明の第五の実施形態の転送制御装置および切替システムの動作例を示す図である。
【
図18】本発明の第五の実施形態の転送制御装置および切替システムの動作例を示す図である。
【
図19】本発明の第五の実施形態の転送制御装置および切替システムの動作例を示す図である。
【
図20】本発明の各実施形態のハードウェア構成例を示す図である。
【
図21】IPネットワークを用いた素材伝送システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第一の実施形態]
本発明の第一の実施の形態について説明する。
【0022】
図1に本実施形態の転送制御装置10の構成例を示す。本実施形態の転送制御装置10は、転送制御部11と切替制御部12とを含む。
【0023】
転送制御部11は、第二の受信装置による放送素材の転送を制御する。転送制御部11は、第一の受信装置が切替前素材を転送している状態で、切替タイミングより前に、切替手段への切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、第二の受信装置に行う。切替タイミングは、出力先装置へ転送される放送素材を、切替前素材から切替後素材へ切り替えるべきタイミングである。出力先装置は、放送素材の出力先となり得る装置である。
【0024】
切替制御部12は、出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御する。切替制御部12は、切替タイミングにおいて、出力先装置へ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を切替手段に行う。
【0025】
このように転送制御装置10を構成することによって、転送制御装置10は、第一の受信装置が切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置に行う。また、転送制御装置10は、切替タイミングにおいて、出力先装置へ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を切替手段に行う。これにより、転送制御装置10は、切替前素材と切替後素材とが切替手段に転送されている状態で、切替手段が出力先装置に転送する放送素材を切り替えることが可能になる。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0026】
次に、
図2に本実施形態の切替システム40の構成例を示す。本実施形態の切替システム40は、第一の受信装置41と第二の受信装置42と切替手段43とを含む。
【0027】
第一の受信装置41および第二の受信装置42は、受信した放送素材を切替手段に転送する。また、第一の受信装置41および第二の受信装置42は、放送素材の転送の開始を指示する転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始する。
【0028】
切替手段43は、第一の受信装置41から入力される放送素材と第二の受信装置42から入力される放送素材のいずれかを出力先装置へ転送する。切替手段43は、出力先装置へ転送する放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、出力先装置に転送する放送素材を切り替える。
【0029】
このように切替システム40を構成することによって、第一の受信装置41および第二の受信装置42は、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を切替手段に転送する。また、切替手段43は、切替指示を受信した場合に、出力先装置に転送する放送素材を、第一の受信装置41から入力される放送素材と第二の受信装置42から入力される放送素材のいずれかに切り替える。これにより、切替システム40は、第一の受信装置41および第二の受信装置42が放送素材を切替手段に転送している状態で、切替手段が出力先装置に転送する放送素材を切り替えることが可能になる。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0030】
次に、
図3に本実施形態の転送制御装置10の動作の例を示す。
【0031】
転送制御部11は、第一の受信装置が切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置に行う(ステップS101)。
【0032】
切替制御部12は、切替タイミングにおいて、出力先装置へ転送される放送素材の切替指示を切替手段に行う(ステップS102)。
【0033】
転送制御装置10は、このように動作することによって、第一の受信装置が切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置に行う。また、転送制御装置10は、切替タイミングにおいて、出力先装置へ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を切替手段に行う。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0034】
次に、
図4に本実施形態の切替システム40の動作の例を示す。
【0035】
第一の受信装置41および第二の受信装置42は、放送素材の転送の開始を指示する転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を切替手段に転送する(ステップS201)。
【0036】
切替手段43は、第一の受信装置41から入力される放送素材と第二の受信装置42から入力される放送素材のいずれかを出力先装置へ転送する。切替手段43は、出力先装置へ転送する放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、出力先装置に転送する放送素材を切り替える(ステップS202)。
【0037】
切替システム40がこのように動作することによって、第一の受信装置41および第二の受信装置42は、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を切替手段に転送する。また、切替手段43は、切替指示を受信した場合に、出力先装置に転送する放送素材を、第一の受信装置41から入力される放送素材と第二の受信装置42から入力される放送素材のいずれかに切り替える。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0038】
以上で説明したように、本発明の第一の実施形態では、転送制御装置10は、第一の受信装置が切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置に行う。また、転送制御装置10は、切替タイミングにおいて、出力先装置へ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を切替手段に行う。また、第一の受信装置41および第二の受信装置42は、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を切替手段に転送する。また、切替手段43は、切替指示を受信した場合に、出力先装置に転送する放送素材を、第一の受信装置41から入力される放送素材と第二の受信装置42から入力される放送素材のいずれかに切り替える。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0039】
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施の形態における転送制御装置20および切替システム50-iについて説明する。本実施形態では、出力先装置に転送する放送素材を放送スケジュールに従って切り替える場合について説明する。
【0040】
まず、
図5に本実施形態の転送制御装置20および切替システム50-i(iは1以上m以下の整数)を含む転送システムの構成例を示す。転送装置82には、入力元装置81-j(jは1以上n以下の整数)が接続される。また、転送装置82には切替システム50-i(iは1以上m以下の整数)が接続される。また、切替システム50-iには、転送制御装置20が接続される。また、切替システム50-iには、出力先装置83-iが接続される。
【0041】
出力先装置83-iは、放送素材の出力先となり得る装置、たとえば、送信所や素材バンクなどに向けて放送素材を送信する装置である。また、入力元装置81-jは、放送素材の入力元となり得る装置、たとえば、素材バンクや編集装置や屋外で使用されるカメラなどから、放送素材を受信する装置である。
【0042】
転送制御装置20は、入力元装置81-jから出力先装置83-iへの放送素材の転送を制御する。本実施形態の場合、転送制御装置20は、放送スケジュールを把握している装置、たとえば、APS(Automatic Program control System:自動番組制御装置)や、APSと接続された装置である。転送制御装置20は、切替システム50-iに対して、出力先装置83-iへ転送する放送素材の切り替えに関する指示を行う。
【0043】
切替システム50-iは、転送制御装置20からの指示に従って、出力先装置83-iへ転送する放送素材を切り替える。
【0044】
転送装置82は、入力元装置81-jから切替システム50-iへ放送素材を転送する。転送装置82は、たとえば、汎用のIPルータである。転送装置82は、切替システム50-iからLeaveメッセージやJoinメッセージを受信する。転送装置82は、切替システム50-iからLeaveメッセージを受信した場合、切替システム50-iへ転送している放送素材の転送を停止する。また、転送装置82は、切替システム50-iからJoinメッセージを受信した場合、Joinメッセージに含まれるマルチキャストグループアドレスに宛てて放送素材を入力する入力元装置81-jから切替システム50-iへの放送素材の転送を開始する。
【0045】
次に、
図6に、本実施形態の切替システム50-iの構成例を示す。本実施形態の切替システム50-iは、第一の受信装置51-i、第二の受信装置52-iおよび切替手段53-iを含む。なお、第一の受信装置51-iは、切替前素材を受信中の受信装置である。また、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切り替えにおける、切り替え前に転送されている放送素材を切替前素材、切り替え後に転送される放送素材を切替後素材という。
【0046】
第一の受信装置51-iと第二の受信装置52-iは、転送装置82から受信した放送素材を切替手段53-iに転送する。第一の受信装置51-iと第二の受信装置52-iは、放送素材の転送の開始を指示する転送開始指示を転送制御装置20から受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始する。具体的には、第一の受信装置51-iと第二の受信装置52-iは、転送開始指示を受信した場合、Joinメッセージを転送装置82に送信する。
【0047】
また、第一の受信装置51-iと第二の受信装置52-iは、放送素材の転送の停止を指示する転送停止指示を転送制御装置20から受信した場合に、指示された放送素材の受信を停止する。具体的には、第一の受信装置51-iと第二の受信装置52-iは、転送停止指示を受信した場合、Leaveメッセージを転送装置82に送信する。
【0048】
切替手段53-iは、第一の受信装置51-iから入力される放送素材と第二の受信装置52-iから入力される放送素材のいずれかを、出力先装置83-iへ転送する。切替手段53-iは、出力先装置83-iへ転送する放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替える。
【0049】
切替手段53-iは、第一の受信装置51-iによって転送される放送素材を転送装置82が変更するのに必要な時間より短い時間で、切替手段53-iによって後段に転送される放送素材を切り替えることができる手段である。たとえば、切替手段53-iは、SDI信号で伝送されている放送素材を切り替える手段であってもよい。この場合、第一の受信装置51-iと第二の受信装置52-iからの出力や出力先装置83-iへの入力は、SDI信号である。
【0050】
切替手段53-iは、SDI信号を切り替えることによって出力先装置83-iへ転送する放送素材を切り替える場合、切り替えによる放送素材の途絶時間を短くすることができる。第一の受信装置51-iと第二の受信装置52-iの一方が切替前素材を、他方が切替後素材を受信している状態で切替手段53-iが切替指示を受信すれば、切替手段53-iは、出力先装置83-iへ転送される放送素材の途絶時間を短くすることができる。
【0051】
このように切替システム50-iを構成することによって、第一の受信装置51-iおよび第二の受信装置52-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を切替手段に転送する。また、切替手段53-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置に転送する放送素材を、第一の受信装置51-iから入力される放送素材と第二の受信装置52-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。これにより、切替システム50-iは、第一の受信装置51-iおよび第二の受信装置52-iが放送素材を切替手段53-iに転送している状態で、切替手段53-iが出力先装置に転送する放送素材を切り替えることが可能になる。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0052】
次に、
図7に本実施形態の転送制御装置20の構成例を示す。転送制御装置20は、転送制御部21と切替制御部22とを含む。
【0053】
転送制御部21は、第一の受信装置51-iが切替前素材を切替手段53-iへ転送している状態で、切替後素材の切替手段53-iへの転送の開始を指示する転送開始指示を第二の受信装置52-iに送信する。
【0054】
転送開始指示のタイミングは、出力先装置83-iへ転送される放送素材を切替前素材から切替後素材へ切り替える切替タイミングより前である。本実施形態の場合、切替タイミングは、放送スケジュールにおいて、出力先装置83-iへ出力する放送素材を、切替前素材から切替後素材へ切り替えるべきタイミングである。転送制御部21は、切替タイミングより前に、第二の受信装置52-iに対して、切替後素材の転送の開始を指示する。
【0055】
また、転送制御部21は、切替手段53-iでの切り替え後に、切替前素材を転送していた第一の受信装置51-iへ、転送停止指示を送信してもよい。
【0056】
切替制御部22は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を切替手段53-iに行う。切替手段53-iは、第一の受信装置51-iから入力される切替前素材から第二の受信装置52-iから入力される切替後素材へ、出力先装置83-iへ転送される放送素材を切り替える。
【0057】
なお、上記では、第一の受信装置51-iが切替前素材を受信していることを前提として説明を行った。しかし、出力先装置83-iへ転送される放送素材が切り替えられた後は、次の切り替えにとっては、第二の受信装置52-iが切替前素材を受信している状態となる。そのため、転送制御装置20は、放送素材の切り替えの都度、第一の受信装置51-iと第二の受信装置52-iに交互に、切替後素材を転送させる。
【0058】
このように転送制御装置20を構成することによって、転送制御装置20は、第一の受信装置51-iが切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置52-iに行う。また、転送制御装置20は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を切替手段53-iに行う。これにより、転送制御装置20は、切替前素材と切替後素材とが切替手段53-iに転送されている状態で、切替手段53-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0059】
次に、
図8を用いて、本実施形態の転送制御装置20および切替システム50-iの動作例について説明する。
【0060】
転送制御装置20は、第一の受信装置51-iが切替前素材を切替手段53-iへ転送している状態で(ステップS301)、切替手段53-iへの切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を第二の受信装置52-iに送信する(ステップS302)。
【0061】
転送開始指示のタイミングは、出力先装置83-iへ転送される放送素材を切替前素材から切替後素材へ切り替える切替タイミングより前である。本実施形態の場合、切替タイミングは、放送スケジュールにおいて、出力先装置83-iへ出力する放送素材を、切替前素材から切替後素材へ切り替えるべきタイミングである。転送制御装置20は、切替タイミングより前に、第二の受信装置52-iに対して、切替後素材の転送開始指示を行う。
【0062】
第二の受信装置52-iは、転送開始指示を転送制御装置20から受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始する。具体的には、第二の受信装置52-iは、転送開始指示を受信した場合、転送開始指示で指示された放送素材のマルチキャストグループアドレスを含むJoinメッセージを転送装置82に送信する(ステップS303)。
【0063】
転送装置82は、第二の受信装置52-iからJoinメッセージを受信した場合、第二の受信装置52-iへの切替後素材の転送を開始する(ステップS304)。より具体的には、転送装置82は、Joinメッセージに含まれるマルチキャストグループアドレスで示される切替後素材を入力する入力元装置81-jから第二の受信装置52-iへ、切替後素材を転送する。第二の受信装置52-iは、転送装置82から受信した放送素材を切替手段53-iに転送する(ステップS305)。
【0064】
転送制御装置20は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を、切替手段53-iに行う(ステップS306)。切替手段53-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iへ転送される放送素材を、第二の受信装置52-iが転送している切替後素材へ切り替える(ステップS307)。
【0065】
転送制御装置20は、ステップS307における放送素材の切り替えの完了後に、放送素材の転送の停止を指示する転送停止指示を第一の受信装置51-iへ送信する(ステップS308)。第一の受信装置51-iは、転送停止指示を受信すると、転送装置82へLeaveメッセージを送信する(ステップS309)。転送装置82は、第一の受信装置51-iからLeaveメッセージを受信すると、第一の受信装置51-iへの切替前素材の転送を停止する(ステップS310)。第一の受信装置51-iは、切替前素材の受信が停止するので、出力先装置83-iへの切替前素材の転送を停止する(ステップS311)。
【0066】
転送制御装置20および切替システム50-iがこのように動作することによって、転送制御装置20は、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置52-iに行う。また、転送制御装置20は、切替タイミングにおいて、切替指示を切替手段53-iに行う。また、第一の受信装置51-iおよび第二の受信装置52-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を切替手段53-iに転送する。また、切替手段53-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の受信装置51-iから入力される放送素材と第二の受信装置52-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0067】
以上で説明したように、本発明の第二の実施形態では、転送制御装置20は、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置52-iに行う。また、転送制御装置20は、切替タイミングにおいて、切替指示を切替手段53-iに行う。また、第一の受信装置51-iおよび第二の受信装置52-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を切替手段53-iに転送する。また、切替手段53-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の受信装置51-iから入力される放送素材と第二の受信装置52-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0068】
[第三の実施形態]
次に、本発明の第三の実施の形態における転送制御装置30および切替システム50-iについて説明する。本実施形態では、APSで予定されている放送スケジュールとは異なる、緊急放送などの臨時素材を出力先装置に転送する場合について説明する。
【0069】
まず、
図9に、本実施形態の転送制御装置30および切替システム50-iを含む転送システムの構成例を示す。
【0070】
入力元装置81-j、転送装置82、切替システム50-iおよび出力先装置83-iについては、第二の実施形態と同様のため、説明を省略する。また、本実施形態の切替システム50-iの構成例については、第二の実施形態の切替システム50-iの構成例(
図6)と同様のため、説明を省略する。
【0071】
本実施形態の転送制御装置30は、入力元装置81-jから出力先装置83-iへの放送素材の転送を制御する。転送制御装置30は、切替システム50-iに対して、出力先装置83-iへ転送する放送素材の切り替えに関する指示を行う。本実施形態では、転送制御装置30は、臨時切替指示が入力される装置である。臨時切替指示は、臨時放送など、APSで予定されているタイミングとは異なるタイミングで行われる、出力先装置83-iへ出力する放送素材の切り替えを指示する指示である。臨時切替指示は、たとえば、転送制御装置30に対する利用者の操作に応じて、転送制御装置30に入力される。なお、転送制御装置30は、APSであってもよいし、APSとは異なる装置であってもよい。
【0072】
また、臨時切替指示は、出力先装置83-iに転送されている放送素材に異常が発生した場合に転送制御装置30に入力されてもよい。異常発生を契機に放送素材の切り替えが行われる場合、切替後素材は、切替前素材と同一の放送素材であってもよいし、異常発生時用の放送素材であってもよい。
【0073】
次に、
図10に、本実施形態の転送制御装置30の構成例を示す。本実施形態の転送制御装置30は、転送制御部31と切替制御部32とを含む。
【0074】
転送制御部31は、第二の実施形態の転送制御装置20の転送制御部21とほぼ同様である。同様の部分については説明を省略する。本実施形態の転送制御部31は、臨時切替指示を受信すると、第二の受信装置52-iへ転送開始指示を送信する。
【0075】
また、転送制御部31は、切替手段53-iでの切り替え後に、第一の受信装置51-iへ転送停止指示を送信してもよい。また、切替後素材(臨時用の放送素材)の送出後に、切替前素材の送出に戻る場合などには、転送制御部31は、第一の受信装置51-iへ転送停止指示を送信しなくてもよい。
【0076】
切替制御部32は、第二の実施形態の転送制御装置20の切替制御部22とほぼ同様である。同様の部分については説明を省略する。本実施形態の場合、切替制御部32は、臨時切替指示が入力されてから所定時間(たとえば、数10ms程度)後のタイミングで、切替手段53-iへ切替指示を送信する。
【0077】
このように転送制御装置30を構成することによって、転送制御装置30は、第一の受信装置51-iが切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置52-iに行う。また、転送制御装置30は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を切替手段53-iに行う。これにより、転送制御装置30は、切替前素材と切替後素材とが切替手段53-iに転送されている状態で、切替手段53-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0078】
次に、
図8を用いて、本実施形態の転送制御装置30および切替システム50-iの動作例について説明する。本実施形態の動作例は、
図8の転送制御装置20を転送制御装置30に置き換えたものと同様である。
【0079】
転送制御装置30は、第一の受信装置51-iが切替前素材を切替手段53-iへ転送している状態で(ステップS301)、切替後素材の切替手段53-iへの転送の開始を指示する転送開始指示を第二の受信装置52-iに送信する(ステップS302)。本実施形態の場合、転送制御装置30は、臨時切替指示を受信した場合に、転送開始指示を送信する。
【0080】
第二の受信装置52-iは、転送開始指示を転送制御装置30から受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始する。具体的には、第二の受信装置52-iは、転送開始指示を受信した場合、転送開始指示で指示された放送素材のマルチキャストグループアドレスを含むJoinメッセージを転送装置82に送信する(ステップS303)。
【0081】
転送装置82は、第二の受信装置52-iからJoinメッセージを受信した場合、第二の受信装置52-iへの切替後素材の転送を開始する(ステップS304)。より具体的には、転送装置82は、Joinメッセージに含まれるマルチキャストグループアドレスで示される切替後素材を入力する入力元装置81-jから第二の受信装置52-iへ、切替後素材を転送する。第二の受信装置52-iは、転送装置82から受信した放送素材を切替手段53-iに転送する(ステップS305)。
【0082】
転送制御装置30は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を、切替手段53-iに行う(ステップS306)。本実施形態の場合、切替タイミングは、臨時切替指示が入力されてから所定時間後のタイミングである。切替手段53-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iへ転送される放送素材を切り替える(ステップS307)。
【0083】
転送制御装置30は、ステップS307における放送素材の切り替えの完了後に、放送素材の転送の停止を指示する転送停止指示を第一の受信装置51-iへ送信する(ステップS308)。第一の受信装置51-iは、転送停止指示を受信すると、転送装置82へLeaveメッセージを送信する(ステップS309)。転送装置82は、第一の受信装置51-iからLeaveメッセージを受信すると、第一の受信装置51-iへの切替前素材の転送を停止する(ステップS310)。第一の受信装置51-iは、切替前素材の受信が停止するので、出力先装置83-iへの切替前素材の転送を停止する(ステップS311)。
【0084】
なお、出力先装置83-iから送出される放送素材を、臨時用の放送素材から、APSで予定されている放送素材に戻す場合には、臨時用の放送素材を切替前素材、APSで予定されている放送素材を切替後素材とし、
図8と同様の動作を行う。
【0085】
また、上記では、第一の受信装置51-iが切替前素材を受信していることを前提として説明を行った。しかし、出力先装置83-iへ転送される放送素材が切り替えられた後は、次の切り替えにとっては、第二の受信装置52-iが切替前素材を受信している状態となる。そのため、転送制御装置30は、放送素材の切り替えの都度、第一の受信装置51-iと第二の受信装置52-iに交互に、切替後素材を転送させる。
【0086】
転送制御装置30および切替システム50-iがこのように動作することによって、転送制御装置30は、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置52-iに行う。また、転送制御装置30は、切替タイミングにおいて、切替指示を切替手段53-iに行う。また、第一の受信装置51-iおよび第二の受信装置52-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を切替手段53-iに転送する。また、切替手段53-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の受信装置51-iから入力される放送素材と第二の受信装置52-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0087】
以上で説明したように、本発明の第三の実施形態では、転送制御装置30は、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置52-iに行う。また、転送制御装置30は、切替タイミングにおいて、切替指示を切替手段53-iに行う。また、第一の受信装置51-iおよび第二の受信装置52-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を切替手段53-iに転送する。また、切替手段53-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の受信装置51-iから入力される放送素材と第二の受信装置52-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0088】
[第四の実施形態]
次に、本発明の第四の実施の形態における転送制御装置20、転送制御装置30および切替システム60-iについて説明する。本実施形態では、APSで予定されている放送スケジュールによる放送素材の切り替えと、臨時素材への切り替えの両方を行う場合について説明する。
【0089】
まず、
図11に、本実施形態の転送制御装置20、転送制御装置30および切替システム60-iを含む転送システムの構成例を示す。
【0090】
入力元装置81-j、転送装置82および出力先装置83-iについては、第二の実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0091】
転送制御装置20および転送制御装置30は、切替システム60-i(iは1以上m以下の整数)に接続される。転送制御装置20は、放送スケジュールによる放送素材の切り替えを制御する。転送制御装置30は、臨時切替指示による放送素材の切り替えを制御する。転送制御装置20と転送制御装置30とは、同じ装置であってもよい。
【0092】
切替システム60-iは、転送制御装置20と転送制御装置30からの指示に従って、出力先装置83-iへ転送する放送素材を切り替える。
【0093】
次に、
図12に、本実施形態の切替システム60-iの構成例を示す。本実施形態の切替システム60-iは、第一の受信装置61-i、第二の受信装置62-i、第一の切替手段63-i、第三の受信装置64-iおよび第二の切替手段65-iを含む。
【0094】
第一の受信装置61-iは、第二の実施形態の切替システム50-iの第一の受信装置51-iと同様のため、説明を省略する。また、第二の受信装置62-iは、第二の実施形態の切替システム50-iの第二の受信装置52-iと同様のため、説明を省略する。第一の受信装置61-iおよび第二の受信装置62-iは、放送スケジュールによる放送素材の転送に使用される。
【0095】
ここでは、第一の受信装置61-iが、切替前素材を受信しているとする。また、第二の受信装置62-iが、放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合の、切替後素材を受信するとする。なお、放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行った後は、次の切り替えにとっては、第二の受信装置62-iが切替前素材を受信している状態となる。
【0096】
第一の切替手段63-iは、第一の受信装置61-iから入力される放送素材と第二の受信装置62-iから入力される放送素材のいずれかを、第二の切替手段65-iへ転送する。第一の切替手段63-iは、転送制御装置20から切替指示を受信した場合に、第二の切替手段65-iに転送する放送素材を切り替える。
【0097】
第三の受信装置64-iは、第三の実施形態の切替システム50-iの第二の受信装置52-iに相当する。第三の受信装置64-iは、臨時切替指示による放送素材用である。第三の受信装置64-iは、転送装置82から受信した放送素材を第二の切替手段65-iに転送する。第三の受信装置64-iは、転送開始指示を転送制御装置30から受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始する。また、第三の受信装置64-iは、転送停止指示を転送制御装置30から受信した場合に、放送素材の受信を停止する。
【0098】
第二の切替手段65-iは、第一の切替手段63-iから入力される放送素材と第三の受信装置64-iから入力される放送素材のいずれかを、出力先装置83-iへ転送する。第二の切替手段65-iは、転送制御装置30から切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替える。
【0099】
第一の切替手段63-iおよび第二の切替手段65-iは、受信装置によって転送される放送素材を転送装置82が変更するのに必要な時間より短い時間で、後段に転送する放送素材を切り替えることができる手段である。たとえば、第一の切替手段63-iおよび第二の切替手段65-iは、SDI信号を切り替える手段であってもよい。
【0100】
このように切替システム60-iを構成することによって、第一の受信装置61-iおよび第二の受信装置62-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を第一の切替手段63-iに転送する。また、第一の切替手段63-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の受信装置61-iから入力される放送素材と第二の受信装置62-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。これにより、切替システム60-iは、第一の受信装置61-iおよび第二の受信装置62-iが放送素材を第一の切替手段63-iに転送している状態で、第一の切替手段63-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0101】
また、第三の受信装置64-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を第二の切替手段65-iに転送する。また、第二の切替手段65-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の切替手段63-iから入力される放送素材と第三の受信装置64-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。これにより、切替システム60-iは、第一の切替手段63-iおよび第三の受信装置64-iが放送素材を第二の切替手段65-iに転送している状態で、第二の切替手段65-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0102】
そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0103】
次に、
図7を用いて、本実施形態の転送制御装置20の構成例について説明する。本実施形態の転送制御装置20は、転送制御部21と切替制御部22とを含む。
【0104】
転送制御部21は、第一の受信装置61-iが切替前素材を第一の切替手段63-iへ転送している状態で、切替後素材の出力先装置83-iへの転送の開始を指示する転送開始指示を第二の受信装置62-iに送信する。
【0105】
転送開始指示のタイミングは、出力先装置83-iへ転送される放送素材を切替前素材から切替後素材へ切り替える切替タイミングより前である。本実施形態の場合、切替タイミングは、放送スケジュールにおいて、出力先装置83-iへ出力する放送素材を、切替前素材から切替後素材へ切り替えるべきタイミングである。転送制御部21は、切替タイミングより前に、第二の受信装置62-iに対して、切替後素材の転送の開始を指示する。
【0106】
また、転送制御部21は、第一の切替手段63-iでの切り替え後に、切替前素材を転送していた第一の受信装置61-iへ、転送停止指示を送信してもよい。
【0107】
切替制御部22は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を第一の切替手段63-iに行う。第一の切替手段63-iは、第一の受信装置61-iから入力される切替前素材から第二の受信装置62-iから入力される切替後素材へ、第二の切替手段65-iへ転送される放送素材を切り替える。
【0108】
なお、第一の受信装置61-iが切替前素材を受信していることを前提として説明を行った。しかし、第二の切替手段65-iへ転送される放送素材が切り替えられた後は、次の切り替えにとっては、第二の受信装置62-iが切替前素材を受信している状態となる。そのため、転送制御装置20は、放送素材の切り替えの都度、第一の受信装置61-iと第二の受信装置62-iに交互に、切替後素材を転送させる。
【0109】
次に、
図10を用いて、本実施形態の転送制御装置30の構成例について説明する。本実施形態の転送制御装置30は、転送制御部31と切替制御部32とを含む。
【0110】
転送制御部31は、第一の受信装置61-iが第一の切替手段63-iへ、第一の切替手段63-iが第二の切替手段65-iへ、切替前素材を転送している状態で、転送開始指示を第三の受信装置64-iに送信する。転送開始指示は、切替後素材の第二の切替手段65-iへの転送の開始を第三の受信装置64-iに指示する。転送制御部31は、臨時切替指示が入力されると、第三の受信装置64-iへ転送開始指示を送信する。
【0111】
また、転送制御部31は、第二の切替手段65-iでの切り替え後に、切替前素材を転送していた第一の受信装置61-iへ、転送停止指示を送信してもよい。また、切替後素材(臨時用の放送素材)の送出後に、切替前素材の送出に戻る場合などには、転送制御部31は、第一の受信装置61-iへ転送停止指示を送信しなくてもよい。
【0112】
切替制御部32は、臨時切替指示を受信してから所定時間後に、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を第二の切替手段65-iに行う。第二の切替手段65-iは、第一の切替手段63-iから入力される切替前素材から第三の受信装置64-iから入力される切替後素材に、出力先装置83-iへ転送される放送素材を切り替える。
【0113】
このように転送制御装置20を構成することによって、転送制御装置20は、第一の受信装置61-iが切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を第二の受信装置62-iに行う。また、転送制御装置20は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を第一の切替手段63-iに行う。これにより、転送制御装置20は、切替前素材と切替後素材とが第一の切替手段63-iに転送されている状態で、第一の切替手段63-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0114】
また、このように転送制御装置30を構成することによって、転送制御装置30は、第一の受信装置61-iが切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第三の受信装置64-iに行う。また、転送制御装置30は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を第二の切替手段65-iに行う。これにより、転送制御装置30は、切替前素材と切替後素材とが第二の切替手段65-iに転送されている状態で、第二の切替手段65-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0115】
そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0116】
次に、
図8、
図13および
図14を用いて、本実施形態の転送制御装置20、転送制御装置30および切替システム60-iの動作例について説明する。
図13および
図14は、臨時切替指示による放送素材の切り替えに関する動作例である。
【0117】
まず、放送スケジュールによる放送素材の切り替えに関する動作例について説明する。本実施形態の転送制御装置20および切替システム60-iの動作例は、
図8の第一の受信装置51-i、第二の受信装置52-iおよび切替手段53-iを、第一の受信装置61-i、第二の受信装置62-iおよび第一の切替手段63-iに置き換えた動作例と同様である。
【0118】
転送制御装置20は、放送スケジュールにおける放送素材の切り替えのタイミングより前に、第二の受信装置62-iへ転送開始指示を送信する(
図8のステップS302)。また、転送制御装置20は、放送スケジュールにおける放送素材の切り替えのタイミングで、第一の切替手段63-iへ切替指示を送信する(ステップS306)。
【0119】
次に、
図13を用いて、臨時切替指示が入力された場合の転送制御装置30および切替システム60-iの動作例について説明する。
【0120】
転送制御装置30は、臨時切替指示が入力された場合、第三の受信装置64-iへ、切替後素材の転送開始指示を送信する(ステップS402)。また、転送制御装置30は、臨時切替指示から所定時間後に、第二の切替手段65-iへ切替指示を送信する(ステップS406)。
【0121】
次に、
図14を用いて、転送制御装置20と転送制御装置30と切替システム60-iの動作例について説明する。
図14に示す動作例は、臨時で送出されていた切替前素材から、APSで予定されている放送スケジュールによる切替後素材に、出力先装置83-iへ転送される放送素材を切り替える場合の動作例である。
【0122】
切替前素材は、第三の受信装置64-iによって転送されている(ステップS501)。転送制御装置20または転送制御装置30は、切替タイミングより所定時間前に、第二の受信装置62-iへ、切替後素材の転送開始指示を送信する(ステップS502)。
【0123】
切替タイミングは、たとえば、放送スケジュールにおけるNEXTイベントの開始のタイミングや、臨時放送の終了を指示する臨時放送終了指示の入力から所定時間後のタイミングである。放送スケジュールにおけるNEXTイベントの開始のタイミングで臨時放送を終了する場合、転送制御装置20は、NEXTイベントの開始タイミングより所定時間前に、第二の受信装置62-iへ転送開始指示を送信する。また、臨時切替指示の入力から所定時間後のタイミングで臨時放送を終了する場合、転送制御装置30は、臨時放送終了指示が入力されたタイミングで、第二の受信装置62-iへ転送開始指示を送信する。
【0124】
そして、転送制御装置20または転送制御装置30は、切替タイミングにおいて、切替指示を第二の切替手段65-iや第一の切替手段63-iに送信する(ステップS506)。転送制御装置20または転送制御装置30は、第二の受信装置62-iが転送している切替後素材が出力先装置83-iに転送されるように切替指示を行う。
【0125】
なお、臨時切替指示による放送素材の切り替えの前に送出されていた放送素材(放送素材Aとする)の送出に戻す場合には、転送制御装置30および切替システム50-iは、
図13のステップS408からステップS411の動作を行わなくてもよい。この場合、第一の受信装置61-iが放送素材Aを転送中であるため、転送制御装置20、転送制御装置30および切替システム60-iは、
図14のステップS502からS504の動作を行わない。そして、転送制御装置30は、臨時放送終了指示が入力されたタイミングで、第二の切替手段65-iへ、第一の受信装置61-iが転送している放送素材Aへの切り替えを指示する切替指示を送信する(ステップS507)。
【0126】
転送制御装置20、転送制御装置30および切替システム60-iがこのように動作することによって、転送制御装置20は、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置62-iに行う。また、転送制御装置20は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替指示を第一の切替手段63-iに行う。これにより、転送制御装置20は、切替前素材と切替後素材とが第一の切替手段63-iに転送されている状態で、第一の切替手段63-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0127】
また、転送制御装置30は、第一の受信装置61-iが切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第三の受信装置64-iに行う。また、転送制御装置30は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替指示を第二の切替手段65-iに行う。これにより、転送制御装置30は、切替前素材と切替後素材とが第二の切替手段65-iに転送されている状態で、第二の切替手段65-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0128】
また、第一の受信装置61-iおよび第二の受信装置62-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を第一の切替手段63-iに転送する。また、第一の切替手段63-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の受信装置61-iから入力される放送素材と第二の受信装置62-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。これにより、切替システム60-iは、第一の受信装置61-iおよび第二の受信装置62-iが放送素材を第一の切替手段63-iに転送している状態で、第一の切替手段63-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0129】
また、第三の受信装置64-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を第二の切替手段65-iに転送する。また、第二の切替手段65-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の切替手段63-iから入力される放送素材と第三の受信装置64-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。これにより、切替システム60-iは、第一の切替手段63-iおよび第三の受信装置64-iが放送素材を第二の切替手段65-iに転送している状態で、第二の切替手段65-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0130】
そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0131】
以上で説明したように、本発明の第四の実施形態では、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0132】
[第五の実施形態]
次に、本発明の第五の実施の形態における転送制御装置70および切替システム60-iについて説明する。本実施形態では、放送素材の転送に異常が発生した場合の対処を、第四の実施形態の機能に加えて転送制御装置70が行う場合について、説明する。
【0133】
まず、
図15に、本実施形態の転送制御装置70および切替システム60-iを含む転送システムの構成例を示す。
図15は、
図11の転送制御装置20と転送制御装置30とを転送制御装置70に置き換えた構成である。入力元装置81-j、転送装置82、切替システム60-iおよび出力先装置83-iについては、第四の実施形態と同様である。
【0134】
転送制御装置70は、第四の実施形態の転送制御装置20と同様に、放送スケジュールに従った放送素材の切り替えを行う。また、転送制御装置70は、転送制御装置30と同様に、臨時切替指示に従った放送素材の切り替えを行う。また、本実施形態では、転送制御装置70は、さらに、送出されている信号に異常があった場合の対処を行う。
【0135】
次に、
図16に、本実施形態の転送制御装置70の構成例を示す。転送制御装置70は、転送制御部71および切替制御部72を含む。
【0136】
転送制御部71は、第一の受信装置61-iが切替前素材を第一の切替手段63-iへ転送している状態で、切替後素材の出力先装置83-iへの転送の開始を指示する転送開始指示を第二の受信装置62-iに送信する。転送制御部71は、放送スケジュールにおいて、出力先装置83-iへ出力する放送素材を、切替前素材から切替後素材へ切り替える切替タイミングより前に、第二の受信装置62-iに対して、切替後素材の転送の開始を指示する。
【0137】
また、転送制御部71は、第一の受信装置61-iが切替前素材を第一の切替手段63-iへ転送し、第一の切替手段63-iが切替前素材を第二の切替手段65-iへ転送している状態で、転送開始指示を第三の受信装置64-iに送信する。転送開始指示は、切替後素材の第二の切替手段65-iへの転送の開始を指示する。また、転送制御部71は、臨時切替指示が入力された場合に、第三の受信装置64-iへ転送開始指示を送信する。
【0138】
さらに、本実施形態では、放送スケジュールに従って放送素材の切り替えを行う場合に、転送制御部71は、放送スケジュールにおける切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、第二の受信装置62-iに加えて第三の受信装置64-iに送信する。(この方法を第一の方法とよぶ。)
このようにすると、放送スケジュールに従って放送素材の切り替えを行う場合には、第三の受信装置64-iは、第二の受信装置62-iが転送している放送素材と同じ放送素材を転送する。また、第三の受信装置64-iは、臨時切替指示に従って放送素材の切り替えを行う場合には、臨時放送用の放送素材を転送する。
【0139】
なお、転送制御部71は、異常発生が検知された場合に、第三の受信装置64-iに対して、第一の受信装置61-iが転送している放送素材と同じ放送素材を転送させてもよい。(この方法を第二の方法とよぶ。)
このようにすると、第三の受信装置64-iは、異常発生が検知された場合には、第一の受信装置61-iが転送している放送素材と同じ素材を転送する。また、第三の受信装置64-iは、臨時切替指示に従って放送素材の切り替えを行う場合には、臨時放送用の放送素材を転送する。
【0140】
切替制御部72は、放送スケジュールに従った放送素材の切り替えの切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替指示を第一の切替手段63-iに行う。第一の切替手段63-iは、出力先装置83-iへ転送される放送素材を、第一の受信装置61-iが転送している切替前素材から、第二の受信装置62-iが転送している切替後素材に切り替える。
【0141】
また、切替制御部72は、臨時切替指示が入力されてから所定時間後に、出力先装置83-iへ転送される放送素材を切り替える切替指示を第二の切替手段65-iに行う。第二の切替手段65-iは、出力先装置83-iへ転送される放送素材を、第一の受信装置61-iが転送している切替前素材から、第三の受信装置64-iが転送している切替後素材に切り替える。
【0142】
また、切替制御部72は、上記の第一の方法で転送が行われている場合、異常発生が検知された場合に、第二の切替手段65-iに対して切替指示を送信する。この場合の切替指示は、出力先装置83-iへ転送される放送素材を、出力先装置83-iへ転送されている切替前素材から、第三の受信装置64-iが転送している放送素材に切り替える指示である。出力先装置83-iへ転送されている切替前素材は、第一の受信装置61-iまたは第二の受信装置62-iによって転送されている。
【0143】
切替制御部72は、上記の第二の方法で転送が行われている場合、異常発生が検知されてから所定時間後に、第二の切替手段65-iに対して切替指示を送信する。この場合の切替指示は、上記第一の方法で転送が行われている場合の切替指示と同様である。
【0144】
このように転送制御装置70を構成することによって、転送制御装置70は、第一の受信装置61-iが切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を第二の受信装置62-iに行う。また、転送制御装置70は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を第一の切替手段63-iに行う。これにより、転送制御装置20は、切替前素材と切替後素材とが第一の切替手段63-iに転送されている状態で、第一の切替手段63-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0145】
また、このように転送制御装置70を構成することによって、転送制御装置70は、第一の受信装置61-iが切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第三の受信装置64-iに行う。また、転送制御装置70は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の、切替前素材から切替後素材への切り替えを指示する切替指示を第二の切替手段65-iに行う。これにより、転送制御装置70は、切替前素材と切替後素材とが第二の切替手段65-iに転送されている状態で、第二の切替手段65-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0146】
そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0147】
次に、
図17から
図19を用いて本実施形態の転送制御装置70および切替システム60-iの動作例について説明する。
図17は、上記第一の方法で転送を行う場合の、異常発生時の対処に関する動作例である。また、
図18は、上記第二の方法で転送を行う場合の、異常発生時の対処に関する動作例である。また、本実施形態の転送制御装置70および切替システム60-iは、第四の実施形態の転送制御装置20、転送制御装置30および切替システム60-iの動作(
図13、
図14)も行う。第四の実施形態で説明した動作については説明を省略する。
【0148】
まず、第一の方法で転送を行う場合の、異常発生時の対処に関する動作例について説明する。この説明では、動作開始時、第一の受信装置61-iから出力先装置83-iへ放送素材が転送されているものとする。
【0149】
転送制御装置70は、放送スケジュールに従った放送素材の切り替えのタイミングより前に、第二の受信装置62-iと第三の受信装置64-iへ、切替後素材の転送開始指示を送信する(
図17のステップS601)。転送開始指示を受信した第二の受信装置62-iと第三の受信装置64-iとは、転送装置82へJoinメッセージを送信する(ステップS602)。転送装置82は、Joinメッセージを受信すると、第二の受信装置62-iと第三の受信装置64-iへの切替後素材の転送を開始する(ステップS603)。第二の受信装置62-iと第三の受信装置64-iとは、切替後素材を転送する(ステップS604、S605)。
【0150】
次に、転送制御装置70は、放送スケジュールに従った放送素材の切り替えのタイミングで、第一の切替手段63-iへ、切替指示を送信する(ステップS606)。ステップS606において、転送制御装置70は、出力先装置83-iへ転送する放送素材を第二の受信装置62-iが転送している放送素材に切り替えるよう指示する切替指示を送信する。切替指示を受信した第一の切替手段63-iは、出力先装置83-iに向けて転送する放送素材を、第一の受信装置61-iが転送している放送素材から、第二の受信装置62-iが転送している放送素材に切り替える(ステップS607)。
【0151】
出力先装置83-iに転送されている放送素材に異常が発生したことが検知されると(ステップS608)、転送制御装置70は、切替指示を、第二の切替手段65-iに送信する(ステップS609)。ステップS609において、転送制御装置70は、出力先装置83-iに転送する素材を第三の受信装置64-iが転送している放送素材に切り替えるよう指示する切替指示を、第二の切替手段65-iに送信する。切替指示を受信した第二の切替手段65-iは、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第三の受信装置64-iが転送している放送素材に切り替える(ステップS610)。
【0152】
次に、第二の方法で転送を行う場合の、異常発生時の対処に関する動作例について説明する。この説明では、動作開始時、第一の受信装置61-iから出力先装置83-iへ放送素材が転送されているものとする。
【0153】
転送制御装置70は、放送スケジュールに従った放送素材の切り替えのタイミングより前に、第二の受信装置62-iへ、切替後素材の転送開始指示を送信する(
図18のステップS701)。転送開始指示を受信した第二の受信装置62-iは、転送装置82へJoinメッセージを送信する(ステップS702)。転送装置82は、Joinメッセージを受信すると、第二の受信装置62-iへの切替後素材の転送を開始する(ステップS703)。第二の受信装置62-iは、切替後素材を転送する(ステップS704)。
【0154】
次に、転送制御装置70は、放送スケジュールに従った放送素材の切り替えのタイミングで、第一の切替手段63-iへ、切替指示を送信する(ステップS705)。ステップS705において、転送制御装置70は、出力先装置83-iへ転送する放送素材を第二の受信装置62-iが転送している放送素材に切り替えるよう指示する切替指示を送信する。切替指示を受信した第一の切替手段63-iは、出力先装置83-iに向けて転送する放送素材を、第一の受信装置61-iが転送している放送素材から、第二の受信装置62-iが転送している放送素材に切り替える(ステップS706)。
【0155】
出力先装置83-iに転送されている放送素材に異常が発生したことが検知されると(
図19のステップS707)、転送制御装置70は、転送開始指示を、第三の受信装置64-iに送信する(ステップS708)。ステップS708において、転送制御装置70は、出力先装置83-iへ転送されている放送素材と同じ放送素材の転送開始を指示する転送開始指示を送信する。なお、この場合、出力先装置83-iへ転送されている放送素材は、ステップS705における切替後素材であり、第二の受信装置62-iによって転送されている。
【0156】
転送開始指示を受信すると、第三の受信装置64-iは、Joinメッセージを転送装置82に送信する(ステップS709)。Joinメッセージを受信すると、転送装置82は、第三の受信装置64-iへの、出力先装置83-iへ転送されている放送素材と同じ放送素材の転送を開始する(ステップS710)。第三の受信装置64-iは、出力先装置83-iへ転送されている放送素材と同じ放送素材の転送を行う(ステップS711)。
【0157】
次に、転送制御装置70は、出力先装置83-iに転送する素材を第三の受信装置64-iが転送している放送素材に切り替えるよう指示する切替指示を、第二の切替手段65-iに送信する(ステップS712)。切替指示を受信した第二の切替手段65-iは、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第三の受信装置64-iが転送している放送素材に切り替える(ステップS713)。
【0158】
転送制御装置70および切替システム60-iがこのように動作することによって、転送制御装置70は、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第二の受信装置62-iに行う。また、転送制御装置70は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替指示を第一の切替手段63-iに行う。これにより、転送制御装置70は、切替前素材と切替後素材とが第一の切替手段63-iに転送されている状態で、第一の切替手段63-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0159】
また、転送制御装置70は、第一の受信装置61-iが切替前素材を切替手段へ転送している状態で、切替タイミングより前に、切替後素材の転送開始指示を第三の受信装置64-iに行う。また、転送制御装置70は、切替タイミングにおいて、出力先装置83-iへ転送される放送素材の切替指示を第二の切替手段65-iに行う。これにより、転送制御装置70は、切替前素材と切替後素材とが第二の切替手段65-iに転送されている状態で、第二の切替手段65-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0160】
また、第一の受信装置61-iおよび第二の受信装置62-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を第一の切替手段63-iに転送する。また、第一の切替手段63-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の受信装置61-iから入力される放送素材と第二の受信装置62-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。これにより、切替システム60-iは、第一の受信装置61-iおよび第二の受信装置62-iが放送素材を第一の切替手段63-iに転送している状態で、第一の切替手段63-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0161】
また、第三の受信装置64-iは、転送開始指示を受信した場合に、指示された放送素材の受信を開始し、受信した放送素材を第二の切替手段65-iに転送する。また、第二の切替手段65-iは、切替指示を受信した場合に、出力先装置83-iに転送する放送素材を、第一の切替手段63-iから入力される放送素材と第三の受信装置64-iから入力される放送素材のいずれかに切り替える。これにより、切替システム60-iは、第一の切替手段63-iおよび第三の受信装置64-iが放送素材を第二の切替手段65-iに転送している状態で、第二の切替手段65-iが出力先装置83-iに転送する放送素材を切り替えることが可能になる。
【0162】
そのため、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0163】
以上で説明したように、本発明の第五の実施形態では、出力先装置に転送される放送素材が切り替えられることによる、出力先装置に転送される放送素材の途絶時間を短くすることが可能になる。
【0164】
[ハードウェア構成例]
上述した本発明の各実施形態における転送制御装置(10、20、30、70)および切替システム(40、50、60)(以下、転送制御装置等とよぶ)を、一つの情報処理装置(コンピュータ)を用いて実現するハードウェア資源の構成例について説明する。なお、転送制御装置等は、物理的または機能的に少なくとも二つ以上の複数の情報処理装置が用いられて実現されてもよい。また、転送制御装置等は、専用の装置として実現されてもよいし、汎用の装置が用いられてもよい。また、転送制御装置等の一部の機能のみを情報処理装置を用いて実現してもよい。
【0165】
図20は、本発明の各実施形態の転送制御装置等を実現可能な情報処理装置のハードウェア構成例を概略的に示す図である。情報処理装置90は、通信インタフェース91、入出力インタフェース92、演算装置93、記憶装置94、不揮発性記憶装置95およびドライブ装置96を含む。
【0166】
たとえば、
図1の転送制御部11および切替制御部12は、演算装置93で実現することが可能である。
【0167】
通信インタフェース91は、各実施形態の転送制御装置等が、有線および無線のうち少なくとも一方で外部装置と通信するための通信手段である。なお、転送制御装置等を、少なくとも二つの情報処理装置を用いて実現する場合、それらの装置の間を通信インタフェース91経由で相互に通信可能なように接続してもよい。
【0168】
入出力インタフェース92は、入力デバイスの一例であるキーボードや、出力デバイスとしてのディスプレイ等のマンマシンインタフェースである。
【0169】
演算装置93は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やマイクロプロセッサ等の演算処理装置や複数の電気回路によって実現される。演算装置93は、たとえば、不揮発性記憶装置95に記憶された各種プログラムを記憶装置94に読み出し、読み出したプログラムに従って処理を実行することが可能である。
【0170】
記憶装置94は、演算装置93から参照可能な、RAM(Random Access Memory)等のメモリ装置であり、プログラムや各種データ等を記憶する。記憶装置94は、揮発性のメモリ装置であってもよい。
【0171】
不揮発性記憶装置95は、たとえば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、等の、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラムやデータ等を記憶することが可能である。
【0172】
ドライブ装置96は、たとえば、後述する記録媒体97に記録されているデータの読み込みやデータの書き込みを処理する装置である。
【0173】
記録媒体97は、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体フラッシュメモリ等、データを記録可能な任意の記録媒体である。
【0174】
本発明の各実施形態は、たとえば、
図20に例示した情報処理装置90により転送制御装置等を構成し、この転送制御装置等に対して、上記各実施形態において説明した機能を実現可能なプログラムを供給することにより実現してもよい。
【0175】
この場合、転送制御装置等に対して供給したプログラムを、演算装置93が実行することによって、実施形態を実現することが可能である。また、転送制御装置等のすべてではなく、一部の機能を情報処理装置90で構成することも可能である。
【0176】
さらに、上記プログラムを記録媒体97に記録しておき、転送制御装置等の出荷段階、あるいは運用段階等において、適宜上記プログラムが不揮発性記憶装置95に格納されるよう構成してもよい。なお、この場合、上記プログラムの供給方法は、出荷前の製造段階、あるいは運用段階等において、適当な治具を利用して転送制御装置等内にインストールする方法を採用してもよい。また、上記プログラムの供給方法は、インターネット等の通信回線を介して外部からダウンロードする方法等の一般的な手順を採用してもよい。
【0177】
なお、上述する各実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。
【0178】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0179】
(付記1)
出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御する切替制御部と、
前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する転送制御部と
を備え、
前記転送制御部は、前記第一の受信装置が前記切替前素材を転送している状態で、前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、
前記切替制御部は、前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行う
ことを特徴とする転送制御装置。
【0180】
(付記2)
前記切替タイミングは、放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、放送スケジュールにおいてあらかじめ定められている、放送素材の切り替えのタイミングであり、
前記転送制御部は、前記切替タイミングより所定時間前に、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行う
ことを特徴とする付記1に記載の転送制御装置。
【0181】
(付記3)
前記切替タイミングは、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する臨時切替指示が入力された場合、前記臨時切替指示が入力されてから所定時間後のタイミングであり、
前記転送制御部は、前記臨時切替指示が入力された場合に、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行う
ことを特徴とする付記1または付記2に記載の転送制御装置。
【0182】
(付記4)
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される放送素材を変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される放送素材を切り替えることができる手段である
ことを特徴とする付記1から付記3のいずれかに記載の転送制御装置。
【0183】
(付記5)
前記切替手段は、SDI(Serial Digital Interface)信号で伝送される、前記切替前素材と前記切替後素材とを切り替える
ことを特徴とする付記4に記載の転送制御装置。
【0184】
(付記6)
前記第二の受信装置は、前記切替後素材の前記切替手段への転送の開始を、IGMP(Internet Group Management Protocol)機能に基づいて行う
ことを特徴とする付記1から付記5のいずれかに記載の転送制御装置。
【0185】
(付記7)
前記転送制御部は、
放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行い、
前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する臨時切替指示が入力された場合、前記切替後素材の前記転送開始指示を第三の受信装置に行い、
前記切替制御部は、
放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、前記第一の受信装置が転送している前記切替前素材から前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を第一の切替手段に行い、
前記臨時切替指示が入力された場合、前記第一の受信装置が転送している前記切替前素材から前記第三の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を第二の切替手段に行い、
前記第一の切替手段は、前記第一の受信装置および前記第二の受信装置と前記第二の切替手段との間で、前記出力先装置へ転送される放送素材を切り替え、
前記第二の切替手段は、前記第一の切替手段および前記第三の受信装置と前記出力先装置との間で、前記出力先装置へ転送される放送素材を切り替える
ことを特徴とする付記1から付記6のいずれかに記載の転送制御装置。
【0186】
(付記8)
前記転送制御部は、放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、さらに前記第三の受信装置に、前記切替後素材の前記転送開始指示を行い、
前記切替制御部は、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材に異常が発生したことが検知された場合に、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材から前記第三の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を前記第二の切替手段に行う
ことを特徴とする付記7に記載の転送制御装置。
【0187】
(付記9)
前記転送制御部は、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材に異常が発生したことが検知された場合に、前記第三の受信装置に、前記切替後素材の前記転送開始指示を行い、
前記切替制御部は、前記異常が発生したことが検知されてから所定時間後に、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材から前記第三の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を前記第二の切替手段に行う
ことを特徴とする付記8に記載の転送制御装置。
【0188】
(付記10)
受信した放送素材を切替手段に転送する第一の受信装置および第二の受信装置と、
前記第一の受信装置から入力される前記放送素材と前記第二の受信装置から入力される前記放送素材のいずれかを出力先装置へ転送する切替手段と
を備え、
前記第一の受信装置および前記第二の受信装置は、前記放送素材の転送の開始を指示する転送開始指示を受信した場合に、指示された前記放送素材の受信を開始し、
前記切替手段は、前記出力先装置へ転送する前記放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、前記出力先装置に転送する前記放送素材を切り替える
ことを特徴とする切替システム。
【0189】
(付記11)
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される前記放送素材を変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される前記放送素材を切り替えることができる手段である
ことを特徴とする付記10に記載の切替システム。
【0190】
(付記12)
前記切替手段は、SDI信号で伝送される、前記放送素材を切り替える
ことを特徴とする付記11に記載の切替システム。
【0191】
(付記13)
前記第一の受信装置および前記第二の受信装置は、前記放送素材の受信の開始を、IGMP機能に基づいて行う
ことを特徴とする付記10から付記12のいずれかに記載の切替システム。
【0192】
(付記14)
付記1から付記9のいずれかに記載の転送制御装置と、
前記第一の受信装置と、
前記第二の受信装置と、
前記切替手段と
を備えることを特徴とする転送システム。
【0193】
(付記15)
付記10から付記13のいずれかに記載の切替システムと、
前記転送開始指示と前記切替指示をと行う転送制御装置と
を備えることを特徴とする転送システム。
【0194】
(付記16)
出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御し、
前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する
転送制御装置が、
前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、
前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行う
ことを特徴とする転送制御方法。
【0195】
(付記17)
前記切替タイミングは、放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、放送スケジュールにおいてあらかじめ定められている、放送素材の切り替えのタイミングであり、
前記転送制御方法は、前記切替タイミングより所定時間前に、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行う
ことを特徴とする付記16に記載の転送制御方法。
【0196】
(付記18)
前記切替タイミングは、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する臨時切替指示が入力された場合、前記臨時切替指示が入力されてから所定時間後のタイミングであり、
前記転送制御方法は、前記臨時切替指示が入力された場合に、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行う
ことを特徴とする付記16または付記17に記載の転送制御方法。
【0197】
(付記19)
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される放送素材を変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される放送素材を切り替えることができる手段である
ことを特徴とする付記16から付記18のいずれかに記載の転送制御方法。
【0198】
(付記20)
前記切替手段は、SDI信号で伝送される、前記切替前素材と前記切替後素材とを切り替える
ことを特徴とする付記19に記載の転送制御方法。
【0199】
(付記21)
前記第二の受信装置は、前記切替後素材の前記切替手段への転送の開始を、IGMP機能に基づいて行う
ことを特徴とする付記16から付記20のいずれかに記載の転送制御方法。
【0200】
(付記22)
放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行い、
前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する臨時切替指示が入力された場合、前記切替後素材の前記転送開始指示を第三の受信装置に行い、
放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、前記第一の受信装置が転送している前記切替前素材から前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を第一の切替手段に行い、
前記臨時切替指示が入力された場合、前記第一の受信装置が転送している前記切替前素材から前記第三の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を第二の切替手段に行い、
前記第一の切替手段は、前記第一の受信装置および前記第二の受信装置と前記第二の切替手段との間で、前記出力先装置へ転送される放送素材を切り替え、
前記第二の切替手段は、前記第一の切替手段および前記第三の受信装置と前記出力先装置との間で、前記出力先装置へ転送される放送素材を切り替える
ことを特徴とする付記16から付記21のいずれかに記載の転送制御方法。
【0201】
(付記23)
放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、さらに前記第三の受信装置に、前記切替後素材の前記転送開始指示を行い、
前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材に異常が発生したことが検知された場合に、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材から前記第三の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を前記第二の切替手段に行う
ことを特徴とする付記22に記載の転送制御方法。
【0202】
(付記24)
前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材に異常が発生したことが検知された場合に、前記第三の受信装置に、前記切替後素材の前記転送開始指示を行い、
前記異常が発生したことが検知されてから所定時間後に、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材から前記第三の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を前記第二の切替手段に行う
ことを特徴とする付記23に記載の転送制御方法。
【0203】
(付記25)
第一の受信装置および第二の受信装置が、放送素材の転送の開始を指示する転送開始指示を受信した場合に、指示された前記放送素材の受信を開始し、受信した前記放送素材を切替手段に転送し、
前記切替手段が、前記第一の受信装置から入力される前記放送素材と前記第二の受信装置から入力される前記放送素材のいずれかを出力先装置へ転送し、前記出力先装置へ転送する前記放送素材の切り替えを指示する切替指示を受信した場合に、前記出力先装置に転送する前記放送素材を切り替える
ことを特徴とする切替方法。
【0204】
(付記26)
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される前記放送素材を変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される前記放送素材を切り替えることができる手段である
ことを特徴とする付記25に記載の切替方法。
【0205】
(付記27)
前記切替手段は、SDI信号で伝送される、前記放送素材を切り替える
ことを特徴とする付記26に記載の切替方法。
【0206】
(付記28)
前記第一の受信装置および前記第二の受信装置は、前記放送素材の受信の開始を、IGMP機能に基づいて行う
ことを特徴とする付記25から付記27のいずれかに記載の切替方法。
【0207】
(付記29)
コンピュータに、
出力先装置へ転送する放送素材を、第一の受信装置が転送している放送素材である切替前素材から、第二の受信装置が転送する放送素材である切替後素材へ切り替える切替手段を制御する切替制御機能と、
前記第二の受信装置による放送素材の転送を制御する転送制御機能と
を実現させ、
前記転送制御機能は、前記第一の受信装置が前記切替前素材を転送している状態で、前記出力先装置へ転送される放送素材を前記切替前素材から前記切替後素材へ切り替えるべきタイミングである切替タイミングより前に、前記切替後素材の転送の開始を指示する転送開始指示を、前記第二の受信装置に行い、
前記切替制御機能は、前記切替タイミングにおいて、前記出力先装置へ転送される放送素材の、前記切替前素材から前記切替後素材への切り替えを指示する切替指示を前記切替手段に行う
ことを特徴とする転送制御プログラム。
【0208】
(付記30)
前記切替タイミングは、放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、放送スケジュールにおいてあらかじめ定められている、放送素材の切り替えのタイミングであり、
前記転送制御機能は、前記切替タイミングより所定時間前に、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行う
ことを特徴とする付記29に記載の転送制御プログラム。
【0209】
(付記31)
前記切替タイミングは、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する臨時切替指示が入力された場合、前記臨時切替指示が入力されてから所定時間後のタイミングであり、
前記転送制御機能は、前記臨時切替指示が入力された場合に、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行う
ことを特徴とする付記29または付記30に記載の転送制御プログラム。
【0210】
(付記32)
前記切替手段は、前記第一の受信装置によって転送される放送素材を変更するのに必要な時間より短い時間で、前記切替手段によって後段に転送される放送素材を切り替えることができる手段である
ことを特徴とする付記29から付記31のいずれかに記載の転送制御プログラム。
【0211】
(付記33)
前記切替手段は、SDI信号で伝送される、前記切替前素材と前記切替後素材とを切り替える
ことを特徴とする付記32に記載の転送制御プログラム。
【0212】
(付記34)
前記第二の受信装置は、前記切替後素材の前記切替手段への転送の開始を、IGMP機能に基づいて行う
ことを特徴とする付記29から付記33のいずれかに記載の転送制御プログラム。
【0213】
(付記35)
前記転送制御機能は、
放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、前記切替後素材の前記転送開始指示を前記第二の受信装置に行い、
前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する臨時切替指示が入力された場合、前記切替後素材の前記転送開始指示を第三の受信装置に行い、
前記切替制御機能は、
放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、前記第一の受信装置が転送している前記切替前素材から前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を第一の切替手段に行い、
前記臨時切替指示が入力された場合、前記第一の受信装置が転送している前記切替前素材から前記第三の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を第二の切替手段に行い、
前記第一の切替手段は、前記第一の受信装置および前記第二の受信装置と前記第二の切替手段との間で、前記出力先装置へ転送される放送素材を切り替え、
前記第二の切替手段は、前記第一の切替手段および前記第三の受信装置と前記出力先装置との間で、前記出力先装置へ転送される放送素材を切り替える
ことを特徴とする付記29から付記34のいずれかに記載の転送制御プログラム。
【0214】
(付記36)
前記転送制御機能は、放送スケジュールによる放送素材の切り替えを行う場合、さらに前記第三の受信装置に、前記切替後素材の前記転送開始指示を行い、
前記切替制御機能は、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材に異常が発生したことが検知された場合に、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材から前記第三の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を前記第二の切替手段に行う
ことを特徴とする付記35に記載の転送制御プログラム。
【0215】
(付記37)
前記転送制御機能は、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材に異常が発生したことが検知された場合に、前記第三の受信装置に、前記切替後素材の前記転送開始指示を行い、
前記切替制御機能は、前記異常が発生したことが検知されてから所定時間後に、前記第二の受信装置が転送している前記切替後素材から前記第三の受信装置が転送している前記切替後素材への、前記出力先装置へ転送される放送素材の切り替えを指示する前記切替指示を前記第二の切替手段に行う
ことを特徴とする付記36に記載の転送制御プログラム。
【符号の説明】
【0216】
10、20、30、70 転送制御装置
11、21、31、71 転送制御部
12、22、32、72 切替制御部
40、50-i、60-i 切替システム
41、51-i、61-i 第一の受信装置
42、52-i、62-i 第二の受信装置
43、53-i 切替手段
63-i 第一の切替手段
64-i 第三の受信装置
65-i 第二の切替手段
81-j 入力元装置
82 転送装置
83-i 出力先装置
90 情報処理装置
91 通信インタフェース
92 入出力インタフェース
93 演算装置
94 記憶装置
95 不揮発性記憶装置
96 ドライブ装置
97 記録媒体