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特許7643071清掃管理システム、清掃管理方法、及び清掃管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】清掃管理システム、清掃管理方法、及び清掃管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20250304BHJP
   G06Q 10/0631 20230101ALI20250304BHJP
【FI】
G06Q50/12
G06Q10/0631
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021025030
(22)【出願日】2021-02-19
(65)【公開番号】P2022127091
(43)【公開日】2022-08-31
【審査請求日】2023-12-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】梅垣 遼平
(72)【発明者】
【氏名】阿瀬 雅彦
【審査官】三吉 翔子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-285773(JP,A)
【文献】特開2001-337713(JP,A)
【文献】特開2005-197264(JP,A)
【文献】特開2006-235939(JP,A)
【文献】特開2009-048580(JP,A)
【文献】特開2015-108867(JP,A)
【文献】特開2020-003895(JP,A)
【文献】特開2002-373235(JP,A)
【文献】特開2021-012615(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃対象の清掃作業の難易度を示す清掃難易度を算出する第1算出処理部と、
清掃作業員の清掃作業の能力のレベルを示す作業能力レベルを算出する第2算出処理部と、
前記第1算出処理部により算出される清掃対象の清掃難易度と、前記第2算出処理部により算出される清掃作業員の作業能力レベルとに基づいて、清掃作業員に対して当該清掃作業員が担当する清掃対象を割り当てる割当処理を実行する割当処理部と、
を備え、
前記割当処理部は、前記清掃対象ごとに前記清掃難易度と前記作業能力レベルとに基づいて所要作業時間を算出し、前記清掃作業員ごとに、割り当てた一又は複数の前記清掃対象のそれぞれの前記所要作業時間を合計した合計作業時間を算出し、前記各合計作業時間の差が所定時間を超える場合に前記割当処理をやり直し、前記各合計作業時間の差が前記所定時間以内になるまで前記各清掃作業員に対する前記割当処理を繰り返し実行し、
さらに、前記割当処理部は、前記各清掃対象の前記所要作業時間に対して上限時間を設定し、前記清掃対象の前記所要作業時間が前記上限時間以上となる場合に、前記作業能力レベルが高い他の前記清掃作業員に当該清掃対象を割り当てる、清掃管理システム。
【請求項2】
前記割当処理部は、各清掃作業員に対応する前記合計作業時間のうち最小の前記合計作業時間と最大の前記合計作業時間との差が所定時間以内になるように前記割当処理を実行する、
請求項1に記載の清掃管理システム。
【請求項3】
前記第1算出処理部は、複数の清掃対象のそれぞれに対して前記清掃難易度を算出し、
前記割当処理部は、清掃作業員の作業能力レベルに応じた前記清掃難易度の前記清掃対象を優先的に当該清掃作業員に割り当てる、
請求項1又は2に記載の清掃管理システム。
【請求項4】
第1清掃作業員の作業能力レベルが第2清掃作業員の作業能力レベルよりも高く、かつ第1清掃対象の清掃難易度が第2清掃対象の清掃難易度よりも高い場合に、前記割当処理部は、前記第1清掃作業員に前記第1清掃対象を割り当て、前記第2清掃作業員に前記第2清掃対象を割り当てる、
請求項1~のいずれかに記載の清掃管理システム。
【請求項5】
清掃難易度ごとに作業能力レベルに応じた前記所要作業時間を予め設定する設定処理部をさらに備え、
前記割当処理部は、前記第1算出処理部により算出される清掃対象の清掃難易度と、前記第2算出処理部により算出される清掃作業員の作業能力レベルとに応じた前記所要作業時間に基づいて、前記割当処理を実行する、
請求項1~のいずれかに記載の清掃管理システム。
【請求項6】
前記設定処理部は、前記作業能力レベルが異なる複数の清掃作業員が、過去に前記清掃難易度が異なる複数の清掃対象を清掃作業した実績に基づいて、前記所要作業時間を設定する、
請求項に記載の清掃管理システム。
【請求項7】
前記第1算出処理部は、清掃対象の清掃範囲、清掃対象の種別、清掃対象に備え付ける備品に関する備品情報、及び、清掃対象に対する所定の要求情報に基づいて、当該清掃対象の清掃難易度を算出する、
請求項1~のいずれかに記載の清掃管理システム。
【請求項8】
前記第2算出処理部は、清掃作業員が過去に担当した清掃対象の数、清掃作業のやり直し指示に応じて清掃作業員が再度清掃作業を行った回数、清掃作業員の経験値情報に基づいて、当該清掃作業員の作業能力レベルを算出する、
請求項1~のいずれかに記載の清掃管理システム。
【請求項9】
一又は複数のプロセッサーが、
清掃対象の清掃作業の難易度を示す清掃難易度を算出する第1算出ステップと、
清掃作業員の清掃作業の能力のレベルを示す作業能力レベルを算出する第2算出ステップと、
前記第1算出ステップにより算出される清掃対象の清掃難易度と、前記第2算出ステップにより算出される清掃作業員の作業能力レベルとに基づいて、清掃作業員に対して当該清掃作業員が担当する清掃対象を割り当てる割当処理を実行する割当ステップと、
を実行し、
前記割当ステップにおいて、前記清掃対象ごとに前記清掃難易度と前記作業能力レベルとに基づいて所要作業時間を算出し、前記清掃作業員ごとに、割り当てた一又は複数の前記清掃対象のそれぞれの前記所要作業時間を合計した合計作業時間を算出し、前記各合計作業時間の差が所定時間を超える場合に前記割当処理をやり直し、前記各合計作業時間の差が前記所定時間以内になるまで前記各清掃作業員に対する前記割当処理を繰り返し実行し、
さらに、前記割当ステップにおいて、前記各清掃対象の前記所要作業時間に対して上限時間を設定し、前記清掃対象の前記所要作業時間が前記上限時間以上となる場合に、前記作業能力レベルが高い他の前記清掃作業員に当該清掃対象を割り当てる、清掃管理方法。
【請求項10】
清掃対象の清掃作業の難易度を示す清掃難易度を算出する第1算出ステップと、
清掃作業員の清掃作業の能力のレベルを示す作業能力レベルを算出する第2算出ステップと、
前記第1算出ステップにより算出される清掃対象の清掃難易度と、前記第2算出ステップにより算出される清掃作業員の作業能力レベルとに基づいて、清掃作業員に対して当該清掃作業員が担当する清掃対象を割り当てる割当処理を実行する割当ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための清掃管理プログラムであって、
前記割当ステップにおいて、前記清掃対象ごとに前記清掃難易度と前記作業能力レベルとに基づいて所要作業時間を算出し、前記清掃作業員ごとに、割り当てた一又は複数の前記清掃対象のそれぞれの前記所要作業時間を合計した合計作業時間を算出し、前記各合計作業時間の差が所定時間を超える場合に前記割当処理をやり直し、前記各合計作業時間の差が前記所定時間以内になるまで前記各清掃作業員に対する前記割当処理を繰り返し実行し、
さらに、前記割当ステップにおいて、前記各清掃対象の前記所要作業時間に対して上限時間を設定し、前記清掃対象の前記所要作業時間が前記上限時間以上となる場合に、前記作業能力レベルが高い他の前記清掃作業員に当該清掃対象を割り当てる、清掃管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃対象の清掃作業を管理する清掃管理システム、清掃管理方法、及び清掃管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ホテルなどの宿泊施設では、宿泊客がチェックアウトした後に清掃作業員が部屋の清掃作業を行う。各清掃作業員は、自身に割り当てられた部屋の清掃作業を順次行う。従来、宿泊施設全体の清掃作業の効率を向上させる技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-67509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、清掃作業に要する作業時間は、清掃対象である部屋の広さ、清掃作業員の作業能力のレベルなどの要因により変動する。このため、従来の方法により清掃作業の計画を作成すると、清掃作業員ごとに作業時間がばらつき清掃作業の効率が低下する問題が生じる。
【0005】
本発明の目的は、清掃対象の清掃作業の効率を向上させることが可能な清掃管理システム、清掃管理方法、及び清掃管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の局面に係る清掃管理システムは、清掃対象の清掃作業の難易度を示す清掃難易度を算出する第1算出処理部と、清掃作業員の清掃作業の能力のレベルを示す作業能力レベルを算出する第2算出処理部と、前記第1算出処理部により算出される清掃対象の清掃難易度と、前記第2算出処理部により算出される清掃作業員の作業能力レベルとに基づいて、清掃作業員に対して当該清掃作業員が担当する清掃対象を割り当てる割当処理を実行する割当処理部と、を備えるシステムである。
【0007】
上記構成によれば、清掃員に清掃対象を自動的に割り当てることができるため、清掃リーダーが手動で割り当てる場合と比較して作業負担を軽減することができる。また、清掃難易度及び作業能力レベルに応じて割当処理が実行されるため、清掃リーダーの主観によらず、各清掃員に適切な清掃対象を割り当てることができる。また、各清掃員の作業時間のばらつきを抑えることができる。よって、清掃対象の清掃作業の効率を向上させることが可能となる。
【0008】
本発明に係る経路情報提供システムでは、前記第1算出処理部は、複数の清掃対象のそれぞれに対して前記清掃難易度を算出し、前記割当処理部は、清掃作業員の作業能力レベルに応じた前記清掃難易度の前記清掃対象を優先的に当該清掃作業員に割り当てる。
【0009】
また、本発明に係る経路情報提供システムでは、第1清掃作業員の作業能力レベルが第2清掃作業員の作業能力レベルよりも高く、かつ第1清掃対象の清掃難易度が第2清掃対象の清掃難易度よりも高い場合に、前記割当処理部は、前記第1清掃作業員に前記第1清掃対象を割り当て、前記第2清掃作業員に前記第2清掃対象を割り当てる。
【0010】
これにより、例えば清掃難易度が高い清掃対象を作業能力レベルが高い清掃作業員に優先的に割り当てることができるため、清掃対象の所要作業時間を短縮することができる。
【0011】
また、本発明に係る経路情報提供システムでは、清掃難易度ごとに作業能力レベルに応じた所要作業時間を予め設定する設定処理部をさらに備え、前記割当処理部は、前記第1算出処理部により算出される清掃対象の清掃難易度と、前記第2算出処理部により算出される清掃作業員の作業能力レベルとに応じた前記所要作業時間に基づいて、前記割当処理を実行する。また、前記設定処理部は、前記作業能力レベルが異なる複数の清掃作業員が、過去に前記清掃難易度が異なる複数の清掃対象を清掃作業した実績に基づいて、前記所要作業時間を設定する。
【0012】
これにより、過去の清掃実績に応じた所要作業時間に基づいて清掃員に清掃対象を割り当てることができるため、清掃対象の清掃作業が完了する時刻を適切に予想することができる。
【0013】
また、本発明に係る経路情報提供システムでは、前記割当処理部は、第1清掃作業員が担当する一又は複数の清掃対象の全ての清掃作業に要する第1合計作業時間と、第2清掃作業員が担当する一又は複数の清掃対象の全ての清掃作業に要する第2合計作業時間との差が所定時間以内になるように、前記第1清掃作業員及び前記第2清掃作業員に対する前記割当処理を実行する。
【0014】
これにより、各清掃員の作業時間のばらつきを抑えることができる。よって、各清掃員の清掃作業が完了する時刻(タイミング)を合わせることができる。
【0015】
また、本発明に係る経路情報提供システムでは、前記第1算出処理部は、清掃対象の清掃範囲、清掃対象の種別、清掃対象に備え付ける備品に関する備品情報、及び、清掃対象に対する所定の要求情報の少なくともいずれかに基づいて、当該清掃対象の清掃難易度を算出する。これにより、清掃対象の清掃難易度を適切に算出することができる。
【0016】
また、本発明に係る経路情報提供システムでは、前記第2算出処理部は、清掃作業員が過去に担当した清掃対象の数、清掃作業のやり直し指示に応じて清掃作業員が再度清掃作業を行った回数、清掃作業員の経験値情報の少なくともいずれかに基づいて、当該清掃作業員の作業能力レベルを算出する。これにより、清掃員の過去の清掃実績から作業能力レベルを適切に算出することができる。
【0017】
本発明の他の局面に係る清掃管理方法は、一又は複数のプロセッサーが、清掃対象の清掃作業の難易度を示す清掃難易度を算出する第1算出ステップと、清掃作業員の清掃作業の能力のレベルを示す作業能力レベルを算出する第2算出ステップと、前記第1算出ステップにより算出される清掃対象の清掃難易度と、前記第2算出ステップにより算出される清掃作業員の作業能力レベルとに基づいて、清掃作業員に対して当該清掃作業員が担当する清掃対象を割り当てる割当処理を実行する割当ステップと、を実行する方法である。
【0018】
本発明の他の局面に係る清掃管理プログラムは、清掃対象の清掃作業の難易度を示す清掃難易度を算出する第1算出ステップと、清掃作業員の清掃作業の能力のレベルを示す作業能力レベルを算出する第2算出ステップと、前記第1算出ステップにより算出される清掃対象の清掃難易度と、前記第2算出ステップにより算出される清掃作業員の作業能力レベルとに基づいて、清掃作業員に対して当該清掃作業員が担当する清掃対象を割り当てる割当処理を実行する割当ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、清掃対象の清掃作業の効率を向上させることが可能な清掃管理システム、清掃管理方法、及び清掃管理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の実施形態に係る清掃管理システムの全体構成を示す図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る清掃管理システムの具体的構成を示すブロック図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る清掃管理システムで使用される清掃員情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る清掃管理システムで使用される清掃対象情報の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る清掃管理システムで使用される設定情報の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る清掃管理システムで使用される清掃指示情報の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る清掃管理システムで使用される作業時間情報の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る清掃管理システムで使用される清掃員別割当情報の一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係るスタッフ端末に表示される清掃指示ページの一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係るリーダー端末に表示される清掃管理ページの一例を示す図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係るリーダー端末に表示される清掃割当ページの一例を示す図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係るリーダー端末に表示される割当一覧ページの一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る清掃員端末に表示される清掃管理ページの一例を示す図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る清掃員端末に表示される作業一覧ページの一例を示す図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る清掃員端末に表示される作業報告ページの一例を示す図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る清掃管理システムで実行される清掃管理処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0022】
[清掃管理システム1]
図1に示すように、本発明の実施形態に係る清掃管理システム1は、管理サーバー2とスタッフ端末3とリーダー端末4と清掃員端末5とを含む。管理サーバー2、スタッフ端末3、リーダー端末4、及び清掃員端末5は、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。清掃管理システム1は、複数の清掃対象を含む施設に導入される。前記施設は、ホテル、旅館等の宿泊施設、ショッピングモール、複合施設、商業ビルなどの商業施設、役所などの公共施設など種々の施設である。前記清掃対象は、清掃作業を要する所定の場所(清掃作業領域)である。本実施形態では、前記施設の一例として、宿泊施設(ホテルH1)を挙げ、前記清掃対象の一例として、部屋、トイレを挙げる。
【0023】
ホテルH1の各清掃作業員(以下、「清掃員」という。)は、自身に割り当てられた清掃対象について順次清掃作業を行う。複数の清掃員を統括する役割を担う清掃リーダーは、各清掃員に清掃対象を割り当てたり、各清掃員に清掃に関する特別指示(詳細は後述する)を行ったり、各清掃員の清掃作業のチェックを行ったりする。清掃リーダーは、複数人であってもよい。また、ホテルH1のスタッフ(フロントスタッフ、管理者など)は、宿泊客のチェックイン状況及びチェックアウト状況などを確認して、清掃対象の清掃の要否、清掃対象に対する特別指示(詳細は後述する)などを登録して、日ごとの清掃指示書(図9参照)を作成する。
【0024】
管理サーバー2は、スタッフ、清掃リーダー、清掃員による各種端末における操作を受け付けてホテルH1の清掃作業を管理する。また、管理サーバー2は、清掃員の勤怠管理を行う。また、管理サーバー2は、清掃作業に関する各種情報をスタッフ、清掃リーダー、清掃員に提示する。管理サーバー2は、ホテルH1内に設置されてもよいし、ホテルH1外に設置されてもよい。
【0025】
スタッフはスタッフ端末3を操作し、清掃リーダーはリーダー端末4を操作し、清掃員は清掃員端末5を操作する。例えば、スタッフは、管理サーバー2から提供されてスタッフ端末3に表示される操作画面(操作ページ)において各種登録操作を行なって前記清掃指示書を作成する。清掃リーダーは、管理サーバー2から提供されてリーダー端末4に表示される操作画面(操作ページ)において、各清掃員に清掃対象を割り当てる操作を行ったり、清掃に関する特別指示を登録したり、清掃作業のチェックを行ったりする。清掃員は、管理サーバー2から提供されて清掃員端末5に表示される操作画面(操作ページ)において、清掃対象及び特別指示を確認したり、清掃作業の完了報告を行ったりする。各清掃員は、個別に清掃員端末5を所持しながら清掃作業を行う。
【0026】
清掃管理システム1には、一又は複数のスタッフ端末3と、一又は複数のリーダー端末4と、複数の清掃員端末5とが含まれる。
【0027】
本実施形態では、管理サーバー2単体が本発明に係る清掃管理システムに相当するが、本発明に係る清掃管理システムは、管理サーバー2、スタッフ端末3、リーダー端末4、及び清掃員端末5のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、管理サーバー2、スタッフ端末3、リーダー端末4、及び清掃員端末5の構成要素が協働して後述する清掃管理処理(図16参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る清掃管理システムとして捉えることが可能である。例えば、管理サーバー2、リーダー端末4、及び清掃員端末5が本発明に係る清掃管理システムを構成してもよい。
【0028】
[管理サーバー2]
図2に示されるように、管理サーバー2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備えるサーバーである。なお、管理サーバー2は、1台のコンピュータに限らず、複数台のコンピュータが協働して動作するコンピュータシステムであってもよい。また、管理サーバー2で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。管理サーバー2は、各種施設に対して清掃管理サービスを提供し、清掃管理サービスサイトを運営する。
【0029】
通信I/F24は、管理サーバー2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介してスタッフ端末3、リーダー端末4、清掃員端末5などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0030】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0031】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。具体的に、記憶部22には、清掃員情報D1、清掃対象情報D2、設定情報D3、清掃指示情報D4、作業時間情報D5、清掃員別割当情報D6などのデータが記憶される。
【0032】
清掃員情報D1には、各清掃員に関する情報が含まれる。図3は、清掃員情報D1の一例を示す図である。図3に示すように、清掃員情報D1には、清掃員ごとに、「ID」、「清掃員名」、「清掃部屋数」、「再清掃回数」、「平均作業時間」、「作業能力レベル」などの情報が含まれる。前記IDは、清掃員の識別情報であり、前記清掃員名は、清掃員の名前である。前記清掃部屋数は、清掃員が過去に清掃を行った清掃対象の数、すなわち清掃回数の合計数(実績数)である。前記再清掃回数は、清掃員が清掃をやり直した回数である。例えば、清掃員が清掃した部屋を清掃リーダーがチェックを行った結果、清掃作業が不十分であり清掃リーダーが清掃員に対して清掃作業のやり直しを指示(再清掃指示)した場合に、清掃員は再度清掃作業を行う。前記平均作業時間は、清掃員が過去に清掃対象の清掃作業に要した作業時間の平均時間、すなわち一つの清掃対象当たりの平均作業時間である。
【0033】
前記作業能力レベルは、清掃員の清掃作業の能力のレベルを示す情報である。なお、作業能力レベル「5」は作業能力が最も高く、作業能力レベル「1」は作業能力が最も低いことを表している。制御部21は、清掃員が過去に担当した清掃対象の数(前記清掃部屋数)、清掃作業のやり直し指示に応じて清掃員が再度清掃作業を行った回数(前記再清掃回数)、清掃員の経験値情報(経験年数など)の少なくともいずれかに基づいて、当該清掃員の作業能力レベルを算出する。例えば、制御部21は、前記作業能力レベルを5段階で評価して清掃員情報D1に登録する。制御部21は、各清掃員の清掃実績に応じて清掃員情報D1を適宜更新する。
【0034】
清掃対象情報D2には、清掃対象に関する情報が含まれる。図4は、清掃対象情報D2の一例を示す図である。図4に示すように、清掃対象情報D2には、清掃対象ごとに、「清掃対象」、「清掃範囲」、「アメニティ情報」、「清掃対象種別」、「平均作業時間」などの情報が含まれる。前記清掃対象は、清掃場所であり、ここではホテルH1内の全ての部屋の部屋番号、トイレなどが登録される。前記清掃範囲は、清掃対象の広さ(大きさ)を示す情報である。前記アメニティ情報は、部屋に備え付けるアメニティグッズ(本発明の備品の一例)の数量、大きさ、種別などの情報である。前記清掃対象種別は、清掃対象の種別の情報であり、例えば、部屋のタイプ(シングルルーム、ツインルーム、スイートルームなど)である。前記平均作業時間は、清掃対象の過去の清掃作業に要した作業時間の平均時間である。制御部21は、各清掃対象の清掃実績に応じて前記平均作業時間を適宜更新する。
【0035】
設定情報D3には、清掃難易度及び作業能力レベルに応じて予め設定される設定情報が含まれる。図5は、設定情報D3の一例を示す図である。図5に示すように、設定情報D3には、「清掃難易度」、「作業能力レベル」、「所要作業時間」などの情報が含まれる。前記清掃難易度は、清掃対象の清掃作業の難易度を示す情報である。例えば、部屋の広さが広い程、前記清掃難易度は高くなる。また例えば、部屋のグレードが高い程、前記清掃難易度は高くなる。また例えば、部屋に備え付けるアメニティグッズの数が多い程、前記清掃難易度は高くなる。また例えば、「部屋にエクストラベッドを搬入する」など特別指示の数が多い程、前記清掃難易度は高くなる。このように、清掃対象を清掃する際の難易度は部屋の状況などにより変化する。設定情報D3には、3段階の清掃難易度が予め設定される。なお、清掃難易度「3」は難易度が最も高く、清掃難易度「1」は難易度が最も低いことを表している。
【0036】
前記作業能力レベルは、清掃員の清掃作業の能力のレベルを示す情報であり、5段階で予め設定される。前記所要作業時間は、清掃対象を清掃する際に要する作業時間である。前記所要作業時間は、清掃難易度ごとに作業能力レベルに応じた時間が予め設定される。例えば、清掃難易度が低い部屋を作業能力レベルが高い清掃員が清掃作業を行う場合には、短時間で清掃作業を行うことが可能であるため短時間が設定される。これに対して、清掃難易度が高い部屋を作業能力レベルが低い清掃員が清掃作業を行う場合には、清掃作業に長時間を要するため長時間が設定される。制御部21は、作業能力レベルが異なる複数の清掃員が、過去に清掃難易度が異なる複数の清掃対象を清掃作業した実績に基づいて、前記所要作業時間を設定する。制御部21は、過去の清掃実績に応じて設定情報D3を予め登録し、また適宜更新する。
【0037】
清掃指示情報D4には、清掃指示に関する情報が含まれる。図6は、清掃指示情報D4の一例を示す図である。図6に示すように、清掃指示情報D4には、「清掃対象」、「清掃要否」、「特別指示情報」、「宿泊者情報」、「CI/CO予定日時」などの情報が含まれる。前記清掃対象は、ホテルH1内の清掃対象となる部屋、トイレの情報である。例えば、ホテルH1の全ての部屋(客室)、各階に設置されている全てのトイレの情報が登録される。前記清掃要否は、清掃対象の清掃作業の要否を示す情報である。例えば、ホテルH1のスタッフは、スタッフ端末3に表示される清掃指示ページP1(図9参照)において清掃作業を要する清掃対象(例えば部屋番号)のチェックボックスにチェックを入れる操作を行なう。制御部21は、スタッフによる前記操作を受け付けて清掃対象の要否を清掃指示情報D4に登録する。
【0038】
前記特別指示情報は、清掃対象に対する特別指示の情報である。例えば、ホテルH1のスタッフは、スタッフ端末3に表示される清掃指示ページP1(図9参照)において清掃作業を要する清掃対象を選択して、特別指示を入力する操作を行なう。図9に示す例では、205号室の部屋が選択され、特別指示として「エクストラベッドを搬入する」が入力された状態を示している。制御部21は、スタッフによる前記操作を受け付けて清掃対象の特別指示の情報を清掃指示情報D4に登録する。また、制御部21は、前記特別指示の数を清掃指示ページP1(図9参照)に表示させる。
【0039】
前記宿泊者情報は、宿泊者に関する情報であり、例えば宿泊者の名前、宿泊人数などである。前記CI/CO予定日時は、宿泊者がホテルH1にチェックインする予定日時及びチェックアウトする予定日時の情報である。制御部21は、宿泊予約の管理データ(不図示)を参照して前記宿泊情報及び前記CI/CO予定日時を取得して清掃指示情報D4に登録する。また、制御部21は、前記宿泊情報及び前記CI/CO予定日時を清掃指示ページP1(図9参照)に表示させる。
【0040】
作業時間情報D5には、清掃対象の所要作業時間に関する情報が含まれる。図7は、作業時間情報D5の一例を示す図である。図7に示すように、作業時間情報D5には、「清掃対象」、「清掃難易度」、「清掃員名」、「所要作業時間」などの情報が含まれる。前記清掃対象は、清掃作業を要する清掃対象を表す情報であり、例えばスタッフにより選択された清掃対象の情報が登録される。前記清掃難易度は、清掃対象に対して制御部21により算出される清掃作業の難易度を示す情報である。制御部21は、清掃対象の清掃範囲、清掃対象の種別、清掃対象に備え付ける備品(アメニティグッズ)に関する備品情報、及び、清掃対象に対する所定の要求情報(特別指示)の少なくともいずれかに基づいて、当該清掃対象の清掃難易度を算出する。制御部21は、清掃対象ごとに清掃難易度を算出して作業時間情報D5に登録する。
【0041】
前記清掃員名は、清掃対象の清掃作業を担当する清掃員の名前である。制御部21は、清掃員に対して当該清掃員が担当する清掃対象を割り当てる割当処理(詳細は後述する)を実行すると、作業時間情報D5において各清掃対象に対応付けて清掃員の名前を登録する。
【0042】
前記所要作業時間は、清掃対象を清掃する際に要する作業時間である。制御部21は、設定情報D3を参照して、前記清掃難易度及び前記清掃員の作業能力レベルに対応する所要作業時間を取得して作業時間情報D5に登録する。例えば、201号室の清掃難易度が「2」であり、清掃員A1の作業能力レベルが「3」(図3参照)である場合、201号室の前記所要作業時間は「14分」(図5参照)となる。制御部21は、前記割当処理を実行すると、各清掃対象に対して、前記清掃難易度、前記清掃員名、及び前記所要作業時間を登録する。
【0043】
清掃員別割当情報D6には、清掃員ごとの清掃対象の情報が含まれる。図8は、清掃員別割当情報D6の一例を示す図である。図8に示すように、清掃員別割当情報D6には、清掃員ごとに、割り当てられた清掃対象の情報と合計作業時間の情報とが含まれる。制御部21は、前記割当処理を実行すると、清掃員ごとに、一又は複数の清掃対象の情報(部屋番号など)と、各清掃対象の所要作業時間(図7参照)を合計した合計作業時間の情報とを清掃員別割当情報D6に登録する。制御部21による前記割当処理の具体的な構成は後述する。
【0044】
なお、他の実施形態として、清掃員情報D1、清掃対象情報D2、設定情報D3、清掃指示情報D4、作業時間情報D5、清掃員別割当情報D6の一部又は全部が、管理サーバー2から通信網N1を介してアクセス可能な他のサーバーに記憶されてもよい。この場合、管理サーバー2の制御部21は、前記他のサーバーから前記情報を取得して、後述の清掃管理処理(図16参照)などの各処理を実行してもよい。
【0045】
また、記憶部22には、スタッフ端末3に表示される清掃指示ページP1(図9参照)、リーダー端末4に表示される清掃管理ページP2(図10参照)、清掃割当ページP3(図11参照)、及び割当一覧ページP4(図12参照)、清掃員端末5に表示される清掃管理ページP5(図13参照)、作業一覧ページP6(図14参照)、及び作業報告ページP7(図15参照)などの各種のウェブページを生成するためのレイアウトデータ及び画像データなども記憶される。なお、本実施形態において、管理サーバー2の制御部21は、前記各種のウェブページを生成してそのウェブページの情報をスタッフ端末3、リーダー端末4、及び清掃員端末5に送信することにより、スタッフ端末3、リーダー端末4、及び清掃員端末5のそれぞれに前記各種のウェブページを表示させることが可能である。また、他の実施形態として、管理サーバー2の制御部21は、スタッフ端末3、リーダー端末4、及び清掃員端末5のそれぞれに前記各種のウェブページを表示するために必要なデータを送信することにより、スタッフ端末3の制御部31、リーダー端末4の制御部41、及び清掃員端末5の制御部51のそれぞれに前記各種のウェブページの表示を実行させてもよい。
【0046】
さらに、記憶部22には、制御部21に後述の清掃管理処理(図16参照)を実行させるための清掃管理プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記清掃管理プログラムは、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、管理サーバー2が備えるCDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。
【0047】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより管理サーバー2を制御する。
【0048】
ところで、清掃作業に要する作業時間は、清掃対象である部屋の広さ、清掃員の作業能力レベルなどの要因により変動する。このため、従来の方法により清掃作業の計画を作成すると、部屋ごとに作業時間がばらつき清掃対象の清掃作業の効率が低下する問題が生じる。これに対して、本実施形態に係る管理サーバー2は、清掃対象の清掃作業の効率を向上させることが可能である。
【0049】
具体的には、制御部21は、図2に示すように、設定処理部211、第1算出処理部212、第2算出処理部213、割当処理部214、提示処理部215などの各種の処理部を含む。なお、制御部21は、前記CPUで前記清掃管理プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記清掃管理プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0050】
設定処理部211は、清掃難易度ごとに作業能力レベルに応じた所要作業時間を予め設定する。具体的には、設定処理部211は、部屋の広さ、部屋のグレード、部屋に備え付けるアメニティグッズの数、特別指示の数など、清掃対象の部屋の状況に対応する3段階の清掃難易度を予め設定する。また、設定処理部211は、清掃員の過去の清掃部屋数、再清掃回数、経験値情報(経験年数など)など清掃員の作業能力に対応する5段階の作業能力レベルを予め設定する。そして、設定処理部211は、前記清掃難易度ごとに前記作業能力レベルに応じた所要作業時間を予め設定する。例えば、設定処理部211は、作業能力レベルが異なる複数の清掃員が、過去に清掃難易度が異なる複数の清掃対象を清掃作業した実績に基づいて、前記所要作業時間を設定する。設定処理部211は、各清掃難易度と各作業能力レベルと所要作業時間とを互いに関連付けた設定情報D3(図5参照)を記憶部22に記憶する。設定処理部211は、本発明の設定処理部の一例である。
【0051】
第1算出処理部212は、清掃対象の現在の清掃難易度を算出する。具体的には、ホテルH1のスタッフがスタッフ端末3に表示される清掃指示ページP1(図9参照)において清掃作業を要する清掃対象を選択した場合に、第1算出処理部212は、選択された清掃対象の現在の清掃難易度を算出する。例えば、第1算出処理部212は、選択された清掃対象の清掃範囲(例えば広さ)、清掃対象の種別(例えば部屋タイプ)、清掃対象に備え付ける備品(アメニティグッズ)に関する備品情報(例えばアメニティグッズの数)、及び、清掃対象に対する所定の要求情報(例えば特別指示の数)の少なくともいずれかに基づいて、当該清掃対象の清掃難易度(「1」、「2」、又は「3」)を算出する。制御部21は、清掃対象ごとに清掃難易度を算出して作業時間情報D5(図7参照)に登録する。なお、選択される清掃対象は、一つであってもよいし複数であってもよい。第1算出処理部212は、本発明の第1算出処理部の一例である。
【0052】
第2算出処理部213は、清掃員の作業能力レベルを算出する。具体的には、第2算出処理部213は、清掃員の過去の清掃部屋数、再清掃回数、及び経験値情報(経験年数など)の少なくともいずれかに基づいて、当該清掃員の作業能力レベル(「1」~「5」)を算出する。第2算出処理部213は、清掃員ごとに作業能力レベルを算出して清掃員情報D1(図3参照)に登録する。また、第2算出処理部213は、ホテルH1のスタッフが清掃指示ページP1(図9参照)において清掃指示書を作成する場合に、清掃対象日(図9では「2021年1月18日」)に勤務する清掃員を勤怠管理データ(勤務シフト)から特定し、特定した清掃員の現時点の作業能力レベルを算出する。第2算出処理部213の構成によれば、清掃員の過去の清掃実績から現在の作業能力レベルを判定することができる。第2算出処理部213は、本発明の第2算出処理部の一例である。
【0053】
割当処理部214は、清掃員に対して当該清掃員が担当する清掃対象を割り当てる割当処理を実行する。具体的には、割当処理部214は、第1算出処理部212により算出される清掃対象の清掃難易度と、第2算出処理部213により算出される清掃員の作業能力レベルとに基づいて、割当処理を実行する。例えば、割当処理部214は、清掃難易度が高い清掃対象を作業能力レベルが高い清掃員に優先的に割り当てる。例えば205号室は部屋が広く、アメニティグッズの数が多く、かつ前記特別指示(「エクストラベッドを搬入する」)があるため、第1算出処理部212は清掃難易度として最も高い「3」を算出する。この場合、割当処理部214は、清掃対象日に勤務予定の清掃員のうち作業能力レベルが最も高い清掃員A3に、205号室を割り当てる。また、制御部21は、205号室の所要作業時間として、設定情報D3(図5参照)に基づいて、清掃難易度「3」及び作業能力レベル「5」に対応する「10分」を取得する。
【0054】
このように、第1清掃員の作業能力レベルが第2清掃員の作業能力レベルよりも高く、かつ第1清掃対象の清掃難易度が第2清掃対象の清掃難易度よりも高い場合に、割当処理部214は、第1清掃員に第1清掃対象を割り当て、第2清掃員に第2清掃対象を割り当てる。これにより、清掃難易度が高い清掃対象について、所要作業時間を短縮することができ、また清掃不備などの問題なく清掃作業を完了させることができる。
【0055】
また、割当処理部214は、第1算出処理部212により算出される清掃対象の清掃難易度と、第2算出処理部213により算出される清掃員の作業能力レベルとに応じた前記所要作業時間に基づいて、前記割当処理を実行する。例えば、清掃難易度が高い清掃対象を作業能力レベルが低い清掃員が担当した場合、所要作業時間が長くなる。前記所要作業時間が所定時間以上となる場合には、割当処理部214は、より作業能力レベルが高い清掃員に前記清掃対象を割り当てる。このように、一つの清掃対象の所要作業時間に対して上限時間を設定してもよい。
【0056】
ここで、複数の清掃員がそれぞれ複数の清掃対象を清掃作業する場合、各清掃員が同じ又は近い時刻に清掃作業を完了することが望ましい。そこで、割当処理部214は、第1算出処理部212により算出される清掃対象の清掃難易度と、第2算出処理部213により算出される清掃員の作業能力レベルとに応じた前記所要作業時間に基づいて、前記割当処理を実行する。具体的には、割当処理部214は、第1清掃員が担当する一又は複数の清掃対象の全ての清掃作業に要する第1合計作業時間と、第2清掃員が担当する一又は複数の清掃対象の全ての清掃作業に要する第2合計作業時間との差が所定時間以内になるように、第1清掃員及び第2清掃員に対する前記割当処理を実行する。前記所定時間は、限定されず、本実施形態では例えば「5分」に設定される。
【0057】
割当処理部214は、清掃指示ページP1(図9参照)において選択された複数の選択対象を、清掃対象日に勤務予定の清掃員A1~A5に、各清掃員に対応する各合計作業時間の差が5分以内になるように割り当てる。図8に示す清掃員別割当情報D6は、割当処理部214による割当処理の結果を示している。図8に示す例では、清掃員A1~A5に対応する各合計作業時間の最大差(清掃員A1の「48分」と清掃員A3の「51分」の差)が3分であり、上記条件を満たしている。この場合、割当処理部214は、前記割当処理を終了する。これにより、各清掃員が清掃担当する清掃対象が確定する。割当処理部214は、本発明の割当処理部の一例である。
【0058】
提示処理部215は、各種情報をスタッフ端末3、リーダー端末4、及び清掃員端末5に提示する。例えば、提示処理部215は、スタッフが清掃指示書を作成する場合にスタッフ端末3に清掃指示ページP1(図9参照)を表示させる。また例えば、提示処理部215は、清掃対象が選択された場合にリーダー端末4に清掃管理ページP2(図10参照)を表示させる。清掃管理ページP2には、清掃対象の詳細情報を表示させる選択ボタンK1、清掃員に清掃対象を割り当てる割当処理を実行する選択ボタンK2、登録された特別指示(図9参照)の情報を表示させる選択ボタンK3、清掃完了の報告内容を表示させる選択ボタンK4、忘れ物の登録情報を表示させる選択ボタンK5などが表示される。また、選択ボタンK1,K3,K4,K5には、それぞれに対応する件数(登録件数)が表示され、また当該件数が適宜更新される。
【0059】
ここで、清掃リーダーは、登録された18室の清掃対象を清掃員に割り当てる割当処理を実行する場合に、リーダー端末4に表示された清掃管理ページP2において選択ボタンK2を押下する。選択ボタンK2が押下されると、提示処理部215は、リーダー端末4に清掃割当ページP3(図11参照)を表示させる。清掃割当ページP3には、前記割当処理を自動的に行うための選択ボタンK6(自動割当ボタン)が表示される。清掃リーダーが清掃割当ページP3において選択ボタンK6を押下すると、割当処理部214は前記割当処理を実行する。提示処理部215は、前記割当処理の結果(図8参照)を清掃割当ページP3に表示させる。図11に示す清掃割当ページP3には、前記割当処理の結果の一例を示している。ここでは、清掃員A1~A5のそれぞれの清掃担当の件数が表示される。図11に示す清掃割当ページP3において、清掃リーダーが清掃員A3を選択すると、提示処理部215は、リーダー端末4に清掃員A3の割当一覧ページP4(図12参照)を表示させる。図12に示す割当一覧ページP4には、清掃員A3に割り当てられた5室の清掃対象の情報が表示される。なお、清掃リーダーが割当一覧ページP4の選択ボタンK7を押下すると清掃員A3に割り当てられた5室の清掃対象が解除される。なお、清掃リーダーは、清掃割当ページP3において、手動により各清掃員に清掃対象を割り当てたり、自動で割り当てられた清掃対象を手動で変更したりする操作を行うことも可能である。
【0060】
また、提示処理部215は、割当処理が実行された場合に各清掃員端末5に清掃管理ページP5を表示させる。図13は、清掃員A3の清掃員端末5に表示される清掃管理ページP5の一例を示している。清掃管理ページP5には、清掃員A3が担当する5室の清掃対象に関する情報が表示される。清掃員A3が清掃員端末5に表示された清掃管理ページP5の選択ボタンK1を押下すると、提示処理部215は、清掃員端末5に作業一覧ページP6(図14参照)を表示させる。図14に示す作業一覧ページP6には、清掃員A3に割り当てられた5室の清掃対象の情報が表示される。また、清掃対象に特別指示が登録されていることを示す画像Meが表示される。
【0061】
清掃員A3は、清掃作業を開始する場合に作業一覧ページP6において清掃対象の選択ボタンK8を選択する。提示処理部215は、選択された清掃対象の作業報告ページP7(図15参照)を清掃員端末5に表示させる。清掃員A3は作業報告ページP7において清掃内容を確認して清掃作業を行う。清掃員A3は、例えば205号室の清掃を完了した場合、作業報告ページP7において、チェックボックスK9に特別指示の作業を完了したことを示すチェックを入れて清掃完了ボタンK10を押下する。
【0062】
提示処理部215は、清掃員端末5を介して清掃完了報告を受け付けるとリーダー端末4に清掃完了報告を送信する。また、提示処理部215は、リーダー端末4に表示される清掃管理ページP2(図10参照)の選択ボタンK1の表示欄を更新する。例えば、提示処理部215は、「未清掃」の数を「17室」に更新し、「インスぺ前」の数を「1室」に更新する。なお、「インスぺ前」は、清掃員が清掃対象の清掃作業を完了後、清掃リーダーが清掃対象をチェック(インスペクション)する前の状態を示す略語である。なお、提示処理部215は、同様に、清掃員A3の清掃員端末5に表示される清掃管理ページP2(図13参照)の「未清掃」の数を「4室」に更新し、「インスぺ前」の数を「1室」に更新する。
【0063】
清掃リーダーは、例えば205号室の清掃完了報告を受け取ると、205号室の清掃チェックを行う。清掃チェックにより清掃作業の問題点(不備など)が見つからなかった場合には、清掃リーダーは、リーダー端末4において清掃完了を入力する。提示処理部215は、リーダー端末4の清掃管理ページP2(図10参照)及び清掃員端末5の清掃管理ページP2(図13参照)において、「インスぺ前」の数を「0室」に更新し、「清掃完了」の数を「1室」に更新する。
【0064】
一方、清掃チェックにより清掃作業の問題点(不備など)が見つかった場合には、清掃リーダーは、リーダー端末4において清掃作業のやり直し指示(再清掃指示)を入力する。前記再清掃指示には、問題点に関するコメントが含まれる。制御部21は、リーダー端末4を介して前記再清掃指示を受け付けると清掃員情報D1(図3参照)の再清掃回数などを更新する。また、提示処理部215は、205号室を担当する清掃員A3の清掃員端末5に再清掃指示を出力する。清掃員A3は、前記再清掃指示を受け取ると205号室の清掃をやり直して再び清掃完了報告を入力する。このようにして、清掃リーダーは、リーダー端末4を利用して各清掃員に清掃対象を割り当てて各清掃員の清掃作業を管理し、各清掃員は、清掃員端末5を利用して、自身に割り当てられた清掃対象の清掃作業を行う。
【0065】
[スタッフ端末3]
図2に示されるように、スタッフ端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信I/F34などを備える。スタッフ端末3は、例えば、タブレット端末又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0066】
通信I/F34は、スタッフ端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2、リーダー端末4、清掃員端末5などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0067】
操作表示部33は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0068】
記憶部32は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)などの通信プロトコルに従って管理サーバー2などの外部装置との間で通信処理を制御部31に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0069】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりスタッフ端末3を制御する。
【0070】
具体的に、制御部31は、記憶部32に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部311として機能する。ブラウザ処理部311は、管理サーバー2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部33に表示させ、操作表示部33に対する操作を管理サーバー2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、スタッフ端末3は、制御部31によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0071】
例えば、スタッフ端末3では、清掃管理システム1で提供される清掃管理サービスの清掃管理サービスサイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部31が、管理サーバー2から前記清掃管理サービスサイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部33に前記清掃管理サービスサイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、情報検索サイトにおける検索結果からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、スタッフ端末3に管理サーバー2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、スタッフ端末3の利用者(スタッフ)が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部33に前記清掃管理サービスサイトのウェブページが表示される。
【0072】
例えば、ホテルH1のスタッフは、前記清掃管理サービスを利用する際に、スタッフ端末3に表示された前記清掃管理サービスサイトのログインページ(不図示)にログイン情報(ID、パスワード)を入力する。前記ログイン情報が認証されると、制御部31は、スタッフ端末3にスタッフ用の各種ウェブページ(例えば清掃指示ページP1(図9参照))を表示させる。
【0073】
[リーダー端末4]
図2に示されるように、リーダー端末4は、制御部41、記憶部42、操作表示部43、及び通信I/F44などを備える。リーダー端末4は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。
【0074】
通信I/F44は、リーダー端末4を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2、スタッフ端末3、清掃員端末5などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0075】
操作表示部43は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0076】
記憶部42は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部42には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTPなどの通信プロトコルに従って管理サーバー2などの外部装置との間で通信処理を制御部41に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0077】
制御部41は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部41は、前記ROM又は記憶部42に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することによりリーダー端末4を制御する。
【0078】
具体的に、制御部41は、記憶部42に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部411として機能する。ブラウザ処理部411は、管理サーバー2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部43に表示させ、操作表示部43に対する操作を管理サーバー2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、リーダー端末4は、制御部41によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部41に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0079】
例えば、リーダー端末4では、清掃管理システム1で提供される清掃管理サービスの清掃管理サービスサイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部41が、管理サーバー2から前記清掃管理サービスサイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部43に前記清掃管理サービスサイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、情報検索サイトにおける検索結果からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、リーダー端末4に管理サーバー2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、リーダー端末4の利用者(清掃リーダー)が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部43に前記清掃管理サービスサイトのウェブページが表示される。
【0080】
例えば、ホテルH1の清掃リーダーは、前記清掃管理サービスを利用する際に、リーダー端末4に表示された前記清掃管理サービスサイトのログインページ(不図示)にログイン情報(ID、パスワード)を入力する。前記ログイン情報が認証されると、制御部41は、リーダー端末4に清掃リーダー用の各種ウェブページ(例えば清掃管理ページP2(図10参照)、清掃割当ページP3(図11参照)、割当一覧ページP4(図12参照))を表示させる。
【0081】
[清掃員端末5]
図2に示されるように、清掃員端末5は、制御部51、記憶部52、操作表示部53、及び通信I/F54などを備える。清掃員端末5は、例えば携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、又はパーソナルコンピューターのような情報処理装置である。なお、清掃員端末5は、リーダー端末4と同一の機能をさらに備えてもよいし、リーダー端末4と同一の情報処理装置であってもよい。
【0082】
通信I/F54は、清掃員端末5を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して管理サーバー2、スタッフ端末3、リーダー端末4などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0083】
操作表示部53は、各種のウェブページなどの情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0084】
記憶部52は、各種の情報を記憶するHDD、SSD又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部52には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTPなどの通信プロトコルに従って管理サーバー2などの外部装置との間で通信処理を制御部51に実行させるための制御プログラムである。また、前記ブラウザプログラムは、管理サーバー2との間で予め定められた通信プロトコルに従って通信処理を実行するための専用アプリケーションであることも考えられる。
【0085】
制御部51は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部51は、前記ROM又は記憶部52に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより清掃員端末5を制御する。
【0086】
具体的に、制御部51は、記憶部52に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部511として機能する。ブラウザ処理部511は、管理サーバー2から通信網N1を介して提供されるウェブページを操作表示部53に表示させ、操作表示部53に対する操作を管理サーバー2に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。すなわち、清掃員端末5は、制御部51によって前記ブラウザプログラムが実行されることにより、管理サーバー2の操作用端末として機能することが可能である。なお、制御部51に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0087】
例えば、清掃員端末5では、清掃管理システム1で提供される清掃管理サービスの清掃管理サービスサイトに対応する所定のURLへのアクセス要求を行うためのユーザー操作が行われた場合に、制御部51が、管理サーバー2から前記清掃管理サービスサイトのウェブページのデータを取得して、操作表示部53に前記清掃管理サービスサイトのウェブページを表示させる。なお、例えば前記所定のURLへのアクセス要求は、予め登録されたウェブサイトの一覧からの選択操作、情報検索サイトにおける検索結果からの選択操作、又はテキスト入力操作などによって行われる。また、清掃員端末5に管理サーバー2に対応する専用アプリケーションがインストールされている場合には、清掃員端末5の利用者(清掃員)が当該専用アプリケーションを起動する操作を行うことにより操作表示部53に前記清掃管理サービスサイトのウェブページが表示される。
【0088】
例えば、ホテルH1の清掃員は、前記清掃管理サービスを利用する際に、清掃員端末5に表示された前記清掃管理サービスサイトのログインページ(不図示)にログイン情報(ID、パスワード)を入力する。前記ログイン情報が認証されると、制御部51は、清掃員端末5に清掃員用の各種ウェブページ(例えば清掃管理ページP5(図13参照)、作業一覧ページP6(図14参照)、作業報告ページP7(図15参照))を表示させる。
【0089】
[清掃管理処理]
以下、図16を参照しつつ、清掃管理システム1において実行される清掃管理処理について説明する。具体的に、本実施形態では、管理サーバー2の制御部21によって前記清掃管理処理が実行される。
【0090】
なお、本発明は、前記清掃管理処理に含まれる一又は複数のステップを実行する清掃管理方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記清掃管理処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記清掃管理処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部21によって前記清掃管理処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該清掃管理処理における各ステップを分散して実行する清掃管理方法も他の実施形態として考えられる。前記清掃管理方法は、本発明の清掃管理方法の一例である。
【0091】
先ず、ステップS1において、制御部21は、清掃リーダーから割当処理の指示(割当指示)を受け付けたか否かを判定する。制御部21が前記割当指示を受け付けると(S1:Yes)、処理はステップS2に移行する。制御部21は前記割当指示を受け付けるまで待機する(S1:No)。例えば、清掃リーダーは、ホテルH1のスタッフにより登録された18室の清掃対象(図9参照)を清掃員に割り当てる割当処理を実行する場合に、リーダー端末4に表示された清掃管理ページP2(図10参照)において選択ボタンK2を押下する。選択ボタンK2が押下されると、制御部21は、リーダー端末4に清掃割当ページP3(図11参照)を表示させる。清掃割当ページP3において清掃リーダーが選択ボタンK6(自動割当ボタン)を押下すると、制御部21は、前記割当指示を受け付ける。
【0092】
ステップS2において、制御部21は、清掃対象を抽出する。具体的には、制御部21は、ホテルH1内の全ての清掃対象から、スタッフにより登録された18室の清掃対象(図9参照)を抽出する。
【0093】
次にステップS3において、制御部21は、抽出した各清掃対象の清掃難易度を算出する。具体的には、制御部21は、清掃対象の清掃範囲(例えば広さ)、清掃対象の種別(例えば部屋タイプ)、清掃対象に備え付ける備品(アメニティグッズ)に関する備品情報(例えばアメニティグッズの数)、及び、清掃対象に対する所定の要求情報(例えば特別指示の数)の少なくともいずれかに基づいて、当該清掃対象の現在の清掃難易度(「1」、「2」、又は「3」)を算出する。制御部21は、清掃対象ごとに清掃難易度を算出して作業時間情報D5(図7参照)に登録する。ステップS2は、本発明の第1算出ステップの一例である。
【0094】
次にステップS4において、制御部21は、清掃員を抽出する。具体的には、制御部21は、勤怠管理データ(勤務シフト)などを参照して、清掃対象日(図9では「2021年1月18日」)に勤務予定の清掃員(ここでは清掃員A1~A5)を抽出する。
【0095】
次にステップS5において、制御部21は、抽出した各清掃員の作業能力レベルを算出する。具体的には、制御部21は、清掃員の過去の清掃部屋数、再清掃回数、及び経験値情報(経験年数など)の少なくともいずれかに基づいて、当該清掃員の現在の作業能力レベル(「1」~「5」)を算出する。制御部21は、清掃員ごとに作業能力レベルを算出して清掃員情報D1(図3参照)に登録する。ステップS5は、本発明の第2算出ステップの一例である。
【0096】
次にステップS6において、制御部21は、割当処理を実行する。具体的には、制御部21は、算出した清掃対象の清掃難易度と清掃員の作業能力レベルとに基づいて、割当処理を実行する。例えば、制御部21は、清掃難易度が高い清掃対象を作業能力レベルが高い清掃員に優先的に割り当てる。
【0097】
例えば、制御部21は、第1清掃員の作業能力レベルが第2清掃員の作業能力レベルよりも高く、かつ第1清掃対象の清掃難易度が第2清掃対象の清掃難易度よりも高い場合に、第1清掃員に第1清掃対象を割り当て、第2清掃員に第2清掃対象を割り当てる。ここでは、制御部21は、18室の清掃対象を5人の清掃員A1~A5に割り当てる。
【0098】
次にステップS7において、制御部21は、各清掃対象の所要作業時間を算出する。具体的には、制御部21は、設定情報D3(図5参照)を参照して、清掃対象ごとに、清掃難易度及び作業能力レベルに対応する所要作業時間を取得する。
【0099】
次にステップS8において、制御部21は、各清掃員の合計作業時間の差が所定時間以内であるか否かを判定する。具体的には、制御部21は、清掃員ごとに、割り当てた清掃対象の所要作業時間を合計した合計作業時間を算出し(図8参照)、各合計作業時間の差が所定時間(例えば「5分」)以内であるか否かを判定する。各清掃員の合計作業時間の差が所定時間以内である場合(S8:Yes)、処理はステップS9に移行する。一方、各清掃員の合計作業時間の差が所定時間を超える場合(S8:No)、処理はステップS6に戻る。ステップS6に戻ると、制御部21は、割当処理をやり直す。例えば、制御部21は、各清掃員に割り当てた清掃対象を変更する。このように、制御部21は、各清掃員の合計作業時間の差が所定時間以内になるまで前記割当処理を繰り返す。ステップS6~S8は、本発明の割当ステップの一例である。
【0100】
ステップS9では、制御部21は、割当処理の結果をリーダー端末4及び清掃員端末5に提示する。具体的には、制御部21は、リーダー端末4に清掃割当ページP3(図11参照)及び割当一覧ページP4(図12参照)を表示させる。また、制御部21は、清掃員の操作に応じて、清掃員端末5に清掃管理ページP5(図13参照)及び作業一覧ページP6(図14参照)を表示させる。以上のようにして、制御部21は、前記清掃管理処理を実行する。
【0101】
以上説明したように、本実施形態に係る清掃管理システム1は、清掃対象の清掃作業の難易度を示す清掃難易度を算出し、清掃員の清掃作業の能力のレベルを示す作業能力レベルを算出する。また、清掃管理システム1は、算出した清掃対象の清掃難易度と清掃員の作業能力レベルとに基づいて、清掃員に対して当該清掃員が担当する清掃対象を割り当てる割当処理を実行する。
【0102】
これにより、清掃員に清掃対象を自動的に割り当てることができる。清掃リーダーは、割当処理の結果を確認して、必要な場合に変更(調整)操作をすればよい。このため、清掃リーダーが手動で割り当てる場合と比較して作業負担を軽減することができる。また、清掃難易度及び作業能力レベルに応じて割当処理が実行されるため、清掃リーダーの主観によらず、各清掃員に適切な清掃対象を割り当てることができる。また、清掃難易度及び作業能力レベルに応じた所要作業時間を考慮して各清掃員に清掃対象を割り当てることにより、各清掃員の作業時間のばらつきを抑えることができる。よって、ホテルH1全体の清掃作業の効率を向上させることが可能となる。
【0103】
本発明の清掃管理システムは、上述の実施形態に限定されない。清掃管理システム1において、スタッフ端末3がリーダー端末4の機能を備え、リーダー端末4が省略されてもよい。また、リーダー端末4がスタッフ端末3の機能を備え、スタッフ端末3が省略されてもよい。また、清掃管理システム1において、管理サーバー2がスタッフ端末3及びリーダー端末4の機能を備え、スタッフ端末3及びリーダー端末4が省略されてもよい。
【0104】
また、上述の実施形態は、本発明の清掃管理システムが宿泊施設に適用される場合を例に挙げたが、本発明の清掃管理システムは、清掃対象を備える種々の施設に適用することができる。
【符号の説明】
【0105】
1 :清掃管理システム
2 :管理サーバー
3 :スタッフ端末
4 :リーダー端末
5 :清掃員端末
211 :設定処理部
212 :第1算出処理部
213 :第2算出処理部
214 :割当処理部
215 :提示処理部
図1
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