(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250304BHJP
G06Q 10/04 20230101ALI20250304BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/04
(21)【出願番号】P 2021033236
(22)【出願日】2021-03-03
【審査請求日】2024-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】児島 一郁
(72)【発明者】
【氏名】谷 真宏
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-225128(JP,A)
【文献】特許第6261815(JP,B1)
【文献】特開2018-173985(JP,A)
【文献】国際公開第2018/186235(WO,A1)
【文献】特開2014-206829(JP,A)
【文献】特開2019-101803(JP,A)
【文献】特開2018-180573(JP,A)
【文献】特開2021-009489(JP,A)
【文献】特開2019-023851(JP,A)
【文献】特開2019-057246(JP,A)
【文献】特開2019-144988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する投稿情報取得手段と、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段と、
前記投稿情報
に基づき生成した情報と前記センサ情報
に基づき生成した情報を統合して、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段と、
前記区画情報を出力する出力手段と、
を有
し、
前記センサが生成したデータは、画像であり、
前記投稿情報は、投稿者の位置及びこれから向かう目的地の少なくとも一方を示すものであり、
前記区画情報生成手段は、前記画像の解析結果及び前記投稿情報に基づき、複数の前記観察区画各々における混雑状況を示す前記区画情報を生成する情報提供装置。
【請求項2】
前記区画情報生成手段は、
前記センサが設置されていない前記観察区画各々の前記混雑状況を、前記センサが設置されている前記観察区画の前記画像に基づき推定する
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記区画情報生成手段は、前記投稿情報に基づき、複数の前記観察区画を含むエリアにおける混雑状況を推定した後、推定した前記エリアの混雑状況に基づき複数の前記観察区画各々の混雑状況を推定する
請求項1又は2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記区画情報生成手段は、前記投稿情報に基づき投稿者の今後の移動経路を推定し、
推定した前記移動経路に基づき、複数の前記観察区画各々の混雑状況を推定する
請求項1から3のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する投稿情報取得手段と、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段と、
前記投稿情報と前記センサ情報とに基づき、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段と、
前記区画情報を出力する出力手段と、
を有
し、
前記観察区画は、観察対象の施設であり、
前記センサが生成したデータは、画像であり、
前記区画情報生成手段は、前記画像に基づき推定された前記観察対象の施設に関連する位置の混雑状況、及び前記投稿コンテンツで特定された流行品と前記観察対象の施設との関連度に基づき、前記観察対象の施設の将来の混雑状況を示す前記区画情報を生成する情報提供装置。
【請求項6】
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する投稿情報取得手段と、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段と、
前記投稿情報
に基づき生成した情報と前記センサ情報
に基づき生成した情報を統合して、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段と、
前記区画情報を出力する出力手段と、
を有
し、
前記センサが生成したデータは、画像、気温データ、湿度データ、照度データ、風速データ、及びエアコンの稼働状況を示すデータの中の少なくとも1つを含み、
前記区画情報生成手段は、前記センサ情報及び前記投稿コンテンツで示される暑さ状況に基づき、複数の前記観察区画各々の熱中症の危険度を示す前記区画情報を生成する情報提供装置。
【請求項7】
前記出力手段は、地図上に前記区画情報をマッピングした画像を出力する
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記区画情報生成手段は、前記投稿情報と前記センサ情報の両方に基づき前記区画情報を生成する請求項1から7のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
コンピュータが、
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得し、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得し、
前記投稿情報
に基づき生成した情報と前記センサ情報
に基づき生成した情報を統合して、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成し、
前記区画情報を出力
し、
前記センサが生成したデータは、画像であり、
前記投稿情報は、投稿者の位置及びこれから向かう目的地の少なくとも一方を示すものであり、
前記コンピュータは、前記画像の解析結果及び前記投稿情報に基づき、複数の前記観察区画各々における混雑状況を示す前記区画情報を生成する情報提供方法。
【請求項10】
コンピュータを、
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する投稿情報取得手段、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段、
前記投稿情報
に基づき生成した情報と前記センサ情報
に基づき生成した情報を統合して、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段、
前記区画情報を出力する出力手段、
として機能させ
、
前記センサが生成したデータは、画像であり、
前記投稿情報は、投稿者の位置及びこれから向かう目的地の少なくとも一方を示すものであり、
前記区画情報生成手段は、前記画像の解析結果及び前記投稿情報に基づき、複数の前記観察区画各々における混雑状況を示す前記区画情報を生成するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、地域に特化した情報を公開する情報共有システムを開示している。当該情報共有システムは、情報提供者が登録した情報を公開したり、センサが生成した情報を公開したりする。
【0003】
非特許文献1乃至3は、熱中症の危険度に関わる暑さ指数を詳細に説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【文献】環境省、"熱中症予防情報サイト-暑さ指数(WBGT)の詳しい説明-"、[online]、[令和2年12月4日検索]、インターネット<URL: https://www.wbgt.env.go.jp/doc_observation.php>
【文献】環境省、"熱中症予防情報サイト-暑さ指数(WBGT)について学ぼう-の詳しい説明"、[online]、[令和2年12月4日検索]、インターネット<URL:https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_lp.php>
【文献】厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課提出資料、"熱中症を防ごう"、[online]、[令和2年12月4日検索]、インターネット<URL:https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/ic_rma/2301/mat05_3.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の「情報提供者が登録した情報を公開する手段」の場合、登録の頻度が少ないと、ユーザに提供される情報が少なくなり、ユーザの満足度が低くなる。地域に特化した情報を提供する技術においては、情報の登録者がその地域に関連した人に絞られるため、登録頻度を高めることが難しい場合がある。
【0007】
また、特許文献1に開示の「センサが生成した情報を公開する手段」の場合、センサの設置数が少ないと、情報開示される場所が限られ、ユーザの満足度が低くなる。地域内のあらゆる場所をカバーするようにセンサを設置することは、費用や設置後のメンテナンス等を考慮すると難しい場合がある。
【0008】
本発明は、地域に特化した情報を提供する技術において、十分な量の情報を提供し、ユーザの満足度を高めることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する投稿情報取得手段と、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段と、
前記投稿情報と前記センサ情報とに基づき、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段と、
前記区画情報を出力する出力手段と、
を有する情報提供装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得し、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得し、
前記投稿情報と前記センサ情報とに基づき、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成し、
前記区画情報を出力する情報提供方法が提供される。
【0011】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する投稿情報取得手段、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段、
前記投稿情報と前記センサ情報とに基づき、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段、
前記区画情報を出力する出力手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【0012】
また、本発明によれば、
位置情報を含みインターネット上に投稿された投稿コンテンツと、センサが生成したデータ及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報と、に基づき複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段と、
地図上に前記区画情報をマッピングした画像を出力する出力手段と、
を有する情報提供装置が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、地域に特化した情報を提供する技術において、十分な量の情報を提供し、ユーザの満足度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態の情報提供装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態の情報提供装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態の観察区画の一例を説明するための図である。
【
図4】本実施形態の情報提供装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態の情報提供装置の作用効果を説明するための図である。
【
図6】本実施形態の情報提供装置の作用効果を説明するための図である。
【
図7】本実施形態の情報提供装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
<第1の実施形態>
「概要」
本実施形態の情報提供装置は、地域に関連した情報として、「インターネット上に投稿された投稿コンテンツ」と、「その地域に設置されたセンサが生成したデータ」とを取得する。そして、情報提供装置は、取得した投稿コンテンツやセンサデータを組み合わせて新たな情報を生成し、ユーザに向けて出力する。
【0017】
取得した情報だけを単にそのままユーザに向けて出力する場合、出力できる情報の量は取得した情報の量に限られる。これに対し、複数種類の情報を取得し、それらを組み合わせて新たな情報を生成する場合、取得した情報の量を超えて情報を出力することが可能となる。例えば、センサで検知できない位置の状況を、周辺のセンサのデータや投稿コンテンツに基づき予測することで、センサで検知できない位置の情報を補完できる。結果、地域内のあらゆる場所の情報を開示することが可能となる。また、センサで検知できない位置の状況を、周辺のセンサのデータや投稿コンテンツ等複数の情報に基づき予測することで、より信頼度の高い情報を補完できる。結果、量のみでなく、質的にも優れた情報を提供し、ユーザの満足度を高めることができる。
【0018】
「機能構成」
次に、情報提供装置の構成を詳細に説明する。まず、情報提供装置のハードウエア構成の一例を説明する。
図1は、情報提供装置のハードウエア構成例を示す図である。情報提供装置が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0019】
図1に示すように、情報提供装置は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。情報提供装置は、周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、情報提供装置は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよいし、物理的及び論理的に一体となった1つの装置で構成されてもよい。前者の場合、各装置を構成する複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0020】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0021】
図2に、情報提供装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、情報提供装置10は、投稿情報取得部11と、センサ情報取得部12と、区画情報生成部13と、出力部14とを有する。
【0022】
投稿情報取得部11は、インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する。投稿情報は、さらに投稿タイミング(日時等)を示す情報を含んでもよい。
【0023】
投稿コンテンツは、テキストデータ、画像(静止画像、動画像)等である。投稿情報取得部11は、例えばソーシャルメディアやSNS(social networking service)、地域に関連する主体のホームページ等に投稿された投稿コンテンツを取得する。
【0024】
位置情報は、投稿者の位置(現在又過去に滞在した位置)や、これから向かう目的地等を示す情報である。投稿情報取得部11は、例えば投稿コンテンツのメタデータ(ジオタグ等)に含まれる投稿位置を示す位置情報を取得してもよい。また、投稿情報取得部11は、投稿コンテンツとして取得した画像のメタデータに含まれる撮影位置を示す位置情報を取得してもよい。また、投稿情報取得部11は、投稿コンテンツとして取得した画像の背景に基づき当該画像の撮影位置を特定し、特定した撮影位置を位置情報として取得してもよい。また、投稿情報取得部11は、投稿コンテンツとして取得したテキストデータの中から、位置に関するワード(住所、地名、施設名等)を抽出し、抽出した位置に関するワードを位置情報として取得してもよい。なお、投稿情報取得部11は、投稿コンテンツとして取得したテキストデータの文言を解析することで、上記手法で取得した位置情報が現在の位置、過去の位置、及びこれから向かう目的地のいずれを示すものであるか推測することができる。
【0025】
センサ情報取得部12は、センサが生成したデータ、及びセンサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得する。センサ情報は、さらにデータを生成したタイミング(日時等)を示す情報を含んでもよい。センサは、観察対象の地域に設置されたものでもよいし、ユーザが所持する端末(スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット端末、携帯ゲーム機、携帯電話、カーナビゲーションシステム等)に備えられたものでもよい。
【0026】
センサは、画像を生成するイメージセンサ、気温データを生成する温度センサ、湿度データを生成する湿度センサ、照度データを生成する照度センサ、風速データを生成する風速センサ、エアコンの稼働状況を示すデータを生成する監視センサ、車や道路に設置され、プローブ情報(交通量や速度)を生成するセンサ、カーナビに設定されているルート情報を取得するセンサ、人の位置情報や加速度情報を生成するセンサ(ビーコンやGPSセンサ)、環境音や人の往来に基づく音等を取得するマイクの中の少なくとも1つを含む。センサの一例であるカメラには、可視光カメラ、赤外線カメラ、ステレオカメラ等が例示される。カメラは二次元的な画像情報を取得するものであってもよいし、二次元的な画像情報に加えて奥行き情報を取得するものであってもよい。センサは、データの生成を継続する。なお、イメージセンサで生成される画像は、動画像であってもよいし、所定の時間間隔で繰り返し生成された複数の静止画像であってもよい。
【0027】
センサ情報取得部12は、観察対象の地域に設置されたセンサが生成したデータを取得する。センサ情報取得部12は、センサが生成したデータを、任意の通信ネットワークを介してリアルタイム処理で取得してもよい。また、センサ情報取得部12は、センサが生成したデータを、任意の手法によりバッチ処理で取得してもよい。いずれを採用するかは、ユーザに提供される区画情報(区画情報生成部13により生成される情報)の内容等に応じて決定することができる。観察対象の地域は、1つの区や市や町、1つの商店街、1つのテーマパーク、1つの駅、1つの街頭、1つの大規模商業施設、1つの空港、1つのプラットホーム、1つのレジャー施設、1つのスポーツ施設、1つのスタジアム等が例示されるが、これらに限定されない。
【0028】
区画情報生成部13は、投稿情報とセンサ情報とに基づき、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する。
【0029】
まず、複数の観察区画について説明する。本実施形態では、観察対象の地域内で複数の観察区画が設定される。当該設定の仕方は様々であるが、以下一例を説明する。
【0030】
-観察区画設定例1-
当該例では、
図3に示すように、観察対象の地域Sが複数の区画(縦横の点線で分けられた区画)に分割される。そして、全ての区画を観察区画Aとしてもよいし、複数の区画の中から任意の手法で抽出した一部を観察区画Aとしてもよい。観察対象の地域Sを複数の区画に分割する方法は特段制限されず、あらゆる手法を採用できる。区画の大きさを小さくするほど、より粒度の細かい情報を提供することができる。一方で、区画の大きさを小さくするほど、コンピュータの処理負担が大きくなったり、また複数の区画の区画情報を互いに異なったものとするためにはより多くのセンサが必要になるなどの問題もある。区画の大きさをどのようにするかは、要求性能や利用可能な資源の状況等に基づき決定することができる。
【0031】
-観察区画設定例2-
当該例では、観察対象の地域内に存在する施設単位で、観察区画が設定される。すなわち、観察対象の地域内に存在する施設の全て又は一部が、観察区画として設定される。施設の一例には、店舗、駅、都市、街頭、大規模商業施設、空港、ターミナル駅、プラットホーム、レジャー施設、スポーツ施設、スタジアム等が挙げられる。
【0032】
次に、区画情報について説明する。区画情報は、各観察区画の状況を示す情報である。区画情報が示す各観察区画の状況は、例えば各観察区画の混雑状況、各観察区画の将来の混雑状況の予測結果、各観察区画の熱中症の危険度等が例示されるが、これらに限定されない。
【0033】
各観察区画の区画情報は、「センサが生成した各観察区画のデータ」、「センサが生成した各観察区画に関連する他の観察区画のデータ」、「観察対象の地域に関連する投稿情報」及び「その他の情報」の中の少なくとも1つに基づき生成される。
【0034】
「センサが生成した各観察区画のデータ」は、各観察区画内を撮影するように設置されたカメラが生成したデータや、各観察区画内に設置されたセンサが生成したデータ等である。
【0035】
「センサが生成した各観察区画に関連する他の観察区画のデータ」は、各観察区画に関連する他の観察区画内を撮影するように設置されたカメラが生成したデータや、各観察区画に関連する他の観察区画内に設置されたセンサが生成したデータ等である。「各観察区画に関連する他の観察区画」は、各観察区画と所定の位置関係となっている観察区画であり、例えば各観察区画に隣接している観察区画や、各観察区画までの距離(最短距離等)が閾値以下である観察区画等が例示される。
【0036】
「観察対象の地域に関連する投稿情報」は、観察対象の地域に関連する位置情報を含む投稿情報である。観察対象の地域に関連する位置情報は、観察対象の地域内の位置を示す位置情報である。
【0037】
「その他の情報」は、観察対象の地域に関連する上記例示したもの以外の情報である。その詳細は、以下の実施形態で説明する。
【0038】
区画情報生成部13は、上記複数のデータを組み合わせて、各観察区画の混雑状況、各観察区画の将来の混雑状況の予測結果、各観察区画の熱中症の危険度等の区画情報を生成する。なお、その詳細は、以下の実施形態で説明する。
【0039】
出力部14は、区画情報生成部13が生成した複数の観察区画各々の区画情報を出力する。
【0040】
一例として、出力部14は、地図上に区画情報をマッピングした画像を出力することができる。例えば、出力部14は、
図3に示すような画像において、各観察区画Aの色を各観察区画Aの状況(混雑状況、将来の混雑状況、熱中症の危険度等)に応じた色で表示してもよい。その他、出力部14は、
図3に示すような画像において、各観察区画Aに対応付けて、各観察区画Aの状況に応じたマークや文字や数字等を表示してもよい。その他、出力部14は、
図3に示すような画像において、1つの観察区画Aを指定するユーザ操作(カーソルの位置を所定の観察区画に合わせる操作、カーソルの位置を所定の観察区画に合わせてクリックする操作、所定の観察区画をタッチする操作等)を受付けると、それに応じて指定された観察区画Aの状況を示す情報(テキストデータ、画像データ等)を画面表示してもよい。
【0041】
その他、出力部14は、予め登録されているユーザに向けて、区画情報を提示してもよい。例えば、メールでの送信、アプリやウェブページのログイン後のページに表示、アプリのプッシュ通知等が例示されるが、これらに限定されない。
【0042】
次に、
図4のフローチャートを用いて、情報提供装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0043】
投稿情報取得部11は、インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する(S10)。また、センサ情報取得部12は、センサが生成したデータ、及びセンサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得する(S11)。S10及びS11は、並行して行われてもよいし、任意の順で順次行われてもよい。
【0044】
区画情報生成部13は、S10で取得された投稿情報と、S11で取得されたセンサ情報とに基づき、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する(S12)。そして、出力部14は、S12で生成された区画情報を出力する(S13)。
【0045】
S10乃至S13はリアルタイム処理で行われてもよいし、バッチ処理で行われてもよい。各観察区画の混雑状況や熱中症の危険度等を区画情報として生成し、出力する場合、リアルタイム処理が好ましい。各観察区画の将来の混雑状況の予測結果を区画情報として生成し、出力する場合、リアルタイム処理でもよいし、バッチ処理でもよい。
【0046】
「作用効果」
本実施形態の情報提供装置は、地域に関連した情報として、「インターネット上に投稿された投稿コンテンツ」と、「その地域に設置されたセンサが生成したデータ」とを取得する。そして、情報提供装置は、取得した投稿コンテンツやセンサデータを組み合わせて新たな情報を生成し、ユーザに向けて出力する。
【0047】
取得した情報だけを単にそのままユーザに向けて出力する場合、出力できる情報の量は取得した情報の量に限られる。これに対し、複数種類の情報を取得し、それらを組み合わせて新たな情報を生成する場合、取得した情報の量を超えて情報を出力することが可能となる。例えば、センサで検知できない位置の状況を、周辺のセンサのデータや投稿情報に基づき予測することで、センサで検知できない位置の情報を補完できる。結果、地域内のあらゆる場所の情報を開示することが可能となる。また、センサで検知できない位置の状況を、周辺のセンサのデータや投稿情報等複数の情報に基づき予測することで、より信頼度の高い情報を補完できる。結果、量のみでなく、質的にも優れた情報を提供し、ユーザの満足度を高めることができる。
【0048】
<第2の実施形態>
本実施形態の情報提供装置10は、上述した観察区画設定例1で
図3に示すように複数の観察区画Aを設定し、各観察区画Aの混雑状況を示す区画情報を生成して出力する。以下、詳細に説明する。
【0049】
センサ情報取得部12は、カメラが生成した画像をセンサ情報として取得する。
【0050】
投稿情報取得部11は、投稿者の位置及びこれから向かう目的地の少なくとも一方を示す投稿情報を取得する。
【0051】
区画情報生成部13は、画像の解析結果及び投稿情報に基づき、複数の観察区画各々における混雑状況を示す区画情報を生成する。以下、区画情報を生成する処理を詳細に説明する。
【0052】
区画情報生成部13は、以下の算出式に基づき観察区画内の人の数を推定することができる。
【0053】
(時刻tにおける第1の観察区画内の人の数)=(時刻t-1における第1の観察区画内の人の数)+(時刻t-1から時刻tに代わるタイミングで第1の観察区画に流入する人の数)-(時刻t-1から時刻tに代わるタイミングで第1の観察区画から流出する人の数)
【0054】
区画情報生成部13は、算出した人数を、各観察区画の混雑状況を示す区画情報として出力部14に入力してもよい。そして、出力部14は、各観察区画の混雑状況を示す区画情報として、算出された各観察区画の人数を出力してもよい。
【0055】
その他、区画情報生成部13は、算出した人数を所定のルールで他の指標に変換し、変換した指標を各観察区画の混雑状況を示す区画情報として出力部14に入力してもよい。そして、出力部14は、各観察区画の混雑状況を示す区画情報として、算出された各観察区画の指標を出力してもよい。変換のルールは、例えば「人数X1未満:空いている、人数X1以上X2未満:やや混雑、人数X2以上X3未満:混雑、人数X3以上:非常に混雑」等が例示されるが、これに限定されない。
【0056】
ここで、上記算出式の各要素の算出例を説明する。
【0057】
-各観察区画に流入する人の数及び各観察区画から流出する人の数の算出例-
区画情報生成部13は、センサ情報及び投稿情報各々に基づき各観察区画における流入人数及び流出人数を算出した後、それらを統合して、各観察区画における流入人数及び流出人数を算出する。
【0058】
まず、センサ情報に基づき流入人数及び流出人数を算出する処理を説明する。区画情報生成部13は、センサ情報取得部12が取得した観察対象の地域内の画像を解析し、画像内で人を検出するとともに、検出した人各々の移動方向や移動速度を算出する。そして、区画情報生成部13は、算出結果に基づき、各タイミングにおける各観察区画の流入人数及び流出人数を算出する。
【0059】
その他、ビーコン等のセンサを設置しておき、ビーコン設置位置の通過時間と通過順から各ユーザーの移動方向・速度を計算し、計算結果に基づき各観察区画の流入人数及び流出人数を算出してもよい。また、携帯電話の基地局への接続台数等や電波強度を取得し、それらの情報に基づき各観察区画にいる人数を算出してもよい。また、交通量調査等の過去の調査結果からその時期、時刻における観察区画間の流入人数及び流出人数の傾向を利用してもよい。さらに、観察区画にいる人が所持している携帯端末(スマートフォン、携帯電話等)に搭載されているカメラで生成された画像を任意の手段で取得し、当該画像を解析して、人の検出、移動方向や移動速度の算出、及び各観察区画の流入人数及び流出人数の算出を行ってもよい。この場合、複数のユーザから取得した画像を組み合わせて(死角を補完しあって)利用してもよい。
【0060】
次に、投稿情報に基づき算出する処理を説明する。まず、区画情報生成部13は、投稿情報に基づき投稿者の今後の移動経路を推定する。例えば、区画情報生成部13は、投稿情報に含まれる投稿者の位置、及びこれから向かう目的地に基づき、当該投稿者の位置から当該目的地までの経路を探索し、その結果をその投稿者の今後の移動経路として推定する。経路探索は、既存手法を利用して実現できる。なお、観光地や商店街等においては、その中での人の移動軌跡がパターン化している場合がある。この場合、区画情報生成部13は、このパターン化された人の移動軌跡に基づき、投稿者の今後の移動経路を推定してもよい。具体的には、区画情報生成部13は、この移動軌跡通りに投稿者が移動すると推定する。
【0061】
そして、区画情報生成部13は、投稿者の位置及びその時の時刻と、上記推定した移動経路に基づき、投稿者が各タイミングで存在する観察区画を特定する。そして、その特定結果に基づき、区画情報生成部13は、各タイミングにおける各観察区画の流入人数及び流出人数を算出する。
【0062】
なお、区画情報生成部13は、投稿者の投稿コンテンツに基づき、投稿者の同行者の数を推定してもよい。例えば、投稿コンテンツとして取得したテキストデータの文言を解析したり、投稿された画像を解析したりすることで、同行者の数を推定してもよい。そして、区画情報生成部13は、投稿者の移動軌跡に基づく各観察区画の流入人数及び流出人数の算出において、同行者の数を加えてもよい。すなわち、第1の投稿者が第1のタイミングで第1の観察区画から第2の観察区画に移動すると推定するとともに、第1の投稿者の同行者を2人と推定した場合、第1の投稿者の情報に基づき、第1のタイミングで第1の観察区画から第2の観察区画に移動する人の数を「3」カウントアップする。
【0063】
次に、センサ情報に基づき算出した各観察区画の流入人数及び流出人数と、投稿情報に基づき算出した各観察区画の流入人数及び流出人数とを統合し、各観察区画の流入人数及び流出人数を算出する処理を説明する。
【0064】
区画情報生成部13は、例えばセンサ情報及び投稿情報に基づき算出した各観察区画の流入人数を足し合わせて、各観察区画の流入人数を算出してもよい。その他、区画情報生成部13は、センサ情報及び投稿情報に基づき算出した各観察区画の流入人数各々に所定の重み係数をかけた値を足し合わせて、各観察区画の流入人数を算出してもよい。そして、区画情報生成部13は、上記と同様にして、各観察区画の流出人数を算出してもよい。なお、上記算出方法で算出した値は、実際の各観察区画の流入人数及び流出人数と一致しない可能性がある。しかし、混雑状況の目安を十分な精度で推定できる程度の値を得ることはできる。
【0065】
-時刻0における各観察区画内の人の数の算出例-
上記算出式に基づき各観察区画内の人の数を推定する場合、時刻t0における各観察区画内の人数を推定する必要がある。以下、具体例を説明する。なお、ここでは、混雑状況の目安を十分な精度で推定できる程度の値を得ることができればよく、算出される値は必ずしも正確な値でなくてもよい。
【0066】
-算出例1-
区画情報生成部13は、各観察区画内を撮影した時刻0の画像を解析して人を検出し、検出した人の数をカウントすることで、時刻0における各観察区画内の人の数を算出することができる。当該例は、カメラが設置されている観察区画に適用可能である。
【0067】
-算出例2-
カメラが設置されていても、観察区画内の全てを含むように画像が生成されない場合がある。この場合、上記算出例1で得られた結果の精度が十分なものにならない。そこで、区画情報生成部13は、上記算出例1で得られた値と、投稿情報に基づき算出した値とを統合することで、より精度の高い値を算出する。
【0068】
ここで、投稿情報に基づき時刻0における各観察区画内の人の数の算出する処理を説明する。まず、区画情報生成部13は、投稿情報に基づき時刻0における投稿者の位置を特定する。なお、投稿コンテンツのメタデータを利用することで、投稿者の位置をより細かい粒度で特定できるが、投稿コンテンツの内容(例:「いま渋谷」、「今〇〇公園」)に基づき投稿者の位置を特定する場合、その粒度は大きくなる。区画情報生成部13は、より多くの投稿者の情報を利用するため、投稿者の位置を、比較的広いエリア(地名や施設名など)で特定する。すなわち、区画情報生成部13は、投稿者がどのエリアにいるかを特定する。各エリアは、複数の観察区画を含む。この処理により、区画情報生成部13は、各エリアの混雑状況(滞在人数)を算出することができる。
【0069】
なお、区画情報生成部13は、投稿者の投稿コンテンツに基づき、投稿者の同行者の数を推定してもよい。例えば、投稿コンテンツとして取得したテキストデータの文言を解析したり、投稿された画像を解析したりすることで、同行者の数を推定してもよい。そして、区画情報生成部13は、各タイミングにおける各エリアの滞在人数の算出において、同行者の数を加えてもよい。
【0070】
その他、区画情報生成部13は、投稿された画像を解析し、その画像に写り込んでいる人の数を算出してもよい。そして、区画情報生成部13は、各タイミングにおける各エリアの滞在人数の算出において、画像に写り込んでいる人の数をさらに加えてもよい。
【0071】
上記処理で各エリアの混雑状況(滞在人数)を算出した後、区画情報生成部13は、算出した各エリアの混雑状況(滞在人数)に基づき、各エリアに含まれる複数の観察区画各々の混雑状況(滞在人数)を算出する。例えば、区画情報生成部13は、各エリアの滞在人数を、各エリアに含まれる複数の観察区画に均等に割り振ってもよい。その他、複数の観察区画各々に設定された按分係数に基づき、各エリアの滞在人数を、各エリアに含まれる複数の観察区画に按分してもよい。
【0072】
次に、センサ情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数と、投稿情報に基づき算出した時刻0における各観察区画の人の数とを統合し、時刻0における各観察区画内の人の数を算出する処理を説明する。
【0073】
区画情報生成部13は、例えばセンサ情報及び投稿情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数を足し合わせて、時刻0における各観察区画内の人の数を算出してもよい。その他、区画情報生成部13は、センサ情報及び投稿情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数に所定の重み係数をかけた値を足し合わせて、時刻0における各観察区画内の人の数を算出してもよい。
【0074】
-算出例3-
区画情報生成部13は、上記算出例1で得られた値と、その他の情報に基づき算出した値とを統合することで、より精度の高い値を算出する。
【0075】
その他の情報は、予め任意の手段で得られた所定のエリアに存在する人の数(時間帯毎)の傾向である。任意の統計手段で、当該データが生成され、情報提供装置10に与えられる。なお、各エリアは、複数の観察区画を含む。
【0076】
そして、区画情報生成部13は、時刻0における各エリアの滞在人数を、各エリアに含まれる複数の観察区画に均等に割り振ることで、複数の観察区画各々の滞在人数を算出する。その他、区画情報生成部13は、複数の観察区画各々に設定された按分係数に基づき、各時間帯における各エリアの滞在人数を、各エリアに含まれる複数の観察区画に按分することで、複数の観察区画各々の滞在人数を算出してもよい。
【0077】
次に、センサ情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数と、上記その他の情報に基づき算出した時刻0における各観察区画の人の数とを統合し、時刻0における各観察区画内の人の数を算出する処理を説明する。
【0078】
区画情報生成部13は、例えばセンサ情報及び投稿情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数を足し合わせて、時刻0における各観察区画内の人の数を算出してもよい。その他、区画情報生成部13は、センサ情報及び投稿情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数に所定の重み係数をかけた値を足し合わせて、時刻0における各観察区画内の人の数を算出してもよい。
【0079】
-算出例4-
区画情報生成部13は、上記算出例1で得られた値と、その他の情報に基づき算出した値とを統合することで、より精度の高い値を算出する。
【0080】
その他の情報は、当日のイベント情報に基づき予測された所定のエリアに存在する人の数(時間帯毎)である。過去の実績等に基づき、当該データが生成され、情報提供装置10に与えられる。なお、各エリアは、複数の観察区画を含む。
【0081】
そして、区画情報生成部13は、時刻0における各エリアの滞在人数を、各エリアに含まれる複数の観察区画に均等に割り振ることで、複数の観察区画各々の滞在人数を算出する。その他、区画情報生成部13は、複数の観察区画各々に設定された按分係数に基づき、各時間帯における各エリアの滞在人数を、各エリアに含まれる複数の観察区画に按分することで、複数の観察区画各々の滞在人数を算出してもよい。
【0082】
次に、センサ情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数と、上記その他の情報に基づき算出した時刻0における各観察区画の人の数とを統合し、時刻0における各観察区画内の人の数を算出する処理を説明する。
【0083】
区画情報生成部13は、例えばセンサ情報及び投稿情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数を足し合わせて、時刻0における各観察区画内の人の数を算出してもよい。その他、区画情報生成部13は、センサ情報及び投稿情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数に所定の重み係数をかけた値を足し合わせて、時刻0における各観察区画内の人の数を算出してもよい。
【0084】
-算出例5-
区画情報生成部13は、上記算出例1で得られた値と、投稿情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数と、その他の情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数とを統合することで、より精度の高い値を算出する。
【0085】
投稿情報に基づき時刻0における各観察区画内の人の数を算出する処理は、算出例2で説明した通りである。その他の情報に基づき時刻0における各観察区画内の人の数を算出する処理は、算出例3及び4で説明した通りである。
【0086】
次に、センサ情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数と、投稿情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数と、その他の情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数とを統合し、時刻0における各観察区画内の人の数を算出する処理を説明する。
【0087】
区画情報生成部13は、例えばセンサ情報、投稿情報及びその他の情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数を足し合わせて、時刻0における各観察区画内の人の数を算出してもよい。その他、区画情報生成部13は、センサ情報、投稿情報及びその他の情報に基づき算出した時刻0における各観察区画内の人の数に所定の重み係数をかけた値を足し合わせて、時刻0における各観察区画内の人の数を算出してもよい。
【0088】
-算出例6-
当該例は、カメラが設置されていない観察区画に適用される。当該例では、各観察区画に関連する他の観察区画の画像に基づき、時刻0における各観察区画内の人の数を算出する。例えば、区画情報生成部13は、他の観察区画の画像に基づき算出された時刻0における他の観察区画内の人の数(算出例1で算出された値)を、時刻0における各観察区画内の人の数としてもよい。その他、区画情報生成部13は、他の観察区画の画像に基づき算出された時刻0における他の観察区画内の人の数(算出例1で算出された値)に所定の係数をかけた値を、時刻0における各観察区画内の人の数としてもよい。
【0089】
また、区画情報生成部13は、上記方法で得られた値を、上記算出例2乃至5と同様にして修正した値を、時刻0における各観察区画内の人の数としてもよい。
【0090】
なお、本実施形態の情報提供装置10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0091】
ここで、本実施形態の情報提供装置10の変形例を説明する。
【0092】
-変形例1-
情報提供装置10は、上述のようにして算出した混雑状況を利用して、ルート検索サービスを提供してもよい。すなわち、情報提供装置10は、ユーザ端末から現在地及び目的地を示す情報を取得すると、混雑状況が所定レベル以上の観察区画を避けた経路を検索し、ユーザ端末に返信する。現在地から目的地までの経路検索は、既存手法を利用して実現できる。
【0093】
図5を用いて、本変形例で実現される作用効果を説明する。図示する各マスは、観察区画に対応する。複数の情報(上述したセンサ情報、投稿情報、その他の情報)各々に基づき各観察区画の混雑状況が算出され、各情報に基づく算出結果が複数のマス上にマッピングされている。具体的には、各情報に基づき混雑状況が所定レベル以上と判断されたマスが、各情報に対応した模様で塗りつぶされている。塗りつぶしの重なりが多い箇所ほど、混雑していることを示す。なお、この表示は、出力部14による区画情報の出力方法の一例である。
【0094】
図示するように現在地(図示するS)及び目的地(図示するG)が設定された場合、一点鎖線矢印で示される最短経路は、混雑している観察区画を通る。このため、情報提供装置10は、当該ルートを検索結果とせず、図中実線矢印で示すような混雑している観察区画を通らない経路を検索して、出力する。
【0095】
-変形例2-
情報提供装置10は、ユーザ端末から現在地を示す情報を取得すると、現在地の混雑状況が所定レベル以上であるか判断してもよい。そして、現在地の混雑状況が所定レベル以上である場合、情報提供装置10は、所定のインセンティブを提示して他の場所への移動を促す旨の通知をユーザ端末に対して返信してもよい。通知は、ユーザが所持する端末を介した方法(アプリのプッシュ通知や電子メール等)で行ってもよい。
【0096】
インセンティブの内容は特段制限されないが、情報提供装置10は、ユーザの属性に応じて提示するインセンティブの内容を異ならせてもよい。なお、ユーザの属性は、予め情報提供装置10に登録されている。そして、情報提供装置10は、例えばユーザ端末から受信したログイン情報(ユーザID(identifier)等)に基づき各ユーザ端末のユーザ及び属性を特定することができる。
【0097】
この場合、情報提供装置10は、上記通知から所定時間以内に他の場所への移動が確認されると、そのユーザに所定のインセンティブを付与することができる。情報提供装置10は、例えばユーザ端末から受信した現在地を示す情報に基づき、上記移動の有無を確認することができる。
【0098】
-変形例3-
区画情報生成部13は、車や道路に設置されたプローブ情報(交通量、速度等)や、カーナビに設置された目的地までの経路情報等を任意の手段で取得し、当該情報に基づき、各観察区画に流入する人の数、各観察区画から流出する人の数、時刻0における各観察区画内の人の数を算出する。そして、上記と同様の手法で、センサ情報や投稿情報等に基づき算出された値と統合する。
【0099】
-変形例4-
区画情報生成部13は、街中に設置されたビーコンやユーザ端末から取得したユーザの現在位置を示す情報や加速度情報等に基づき、各観察区画に流入する人の数、各観察区画から流出する人の数、時刻0における各観察区画内の人の数を算出する。そして、上記と同様の手法で、センサ情報や投稿情報等に基づき算出された値と統合する。
【0100】
以上、本実施形態の情報提供装置10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の情報提供装置10によれば、観察対象の地域の混雑状況を詳細に把握することが可能となる。
【0101】
<第3の実施形態>
本実施形態の情報提供装置10は、上述した観察区画設定例1で
図3に示すように複数の観察区画Aを設定し、各観察区画Aの熱中症の危険度を示す区画情報を生成して出力する。以下、詳細に説明する。
【0102】
センサ情報取得部12は、カメラが生成した画像、温度センサが生成した気温データ、湿度センサが生成した湿度データ、照度センサが生成した照度データ、風速センサが生成した風速データ、監視センサが生成したエアコンの稼働状況を示すデータの中の少なくとも1つをセンサ情報として取得する。
【0103】
区画情報生成部13は、センサ情報及び投稿コンテンツで示される暑さ状況に基づき、複数の観察区画各々の熱中症の危険度を示す区画情報を生成する。以下、区画情報を生成する処理を詳細に説明する。
【0104】
区画情報生成部13は、以下の算出式に基づき観察区画の熱中症の危険度を算出することができる。
【0105】
(熱中症の危険度[℃])=(暑さ指数[℃])+(補正指数[℃])
【0106】
出力部14は、各観察区画の熱中症の危険度を示す区画情報として、当該式で算出された各観察区画の値を出力してもよい。
【0107】
その他、区画情報生成部13は、当該式で算出した値を所定のルールで他の指標に変換し、変換した指標を各観察区画の熱中症の危険度を示す区画情報として出力部14に入力してもよい。そして、出力部14は、各観察区画の熱中症の危険度を示す区画情報として、算出された各観察区画の指標を出力してもよい。変換のルールは、例えば「熱中症の危険度Y1[℃]未満:安全、熱中症の危険度Y1[℃]以上Y2[℃]未満:やや危険、熱中症の危険度Y2[℃]以上Y3[℃]未満:危険、熱中症の危険度Y3[℃]以上:非常に危険」等が例示されるが、これに限定されない。
【0108】
ここで、上記算出式の各要素の算出例を説明する。
【0109】
-暑さ指数の算出例-
区画情報生成部13は、非特許文献1及び2に開示の手法で暑さ指数を算出できる。センサが設置されている観察区画は、そのセンサで生成されたセンサ情報に基づき、暑さ指数を算出できる。センサが設置されていない観察区画は、各観察区画に関連する他の観察区画のセンサで生成されたセンサ情報に基づき、暑さ指数を算出できる。暑さ指数の単位は「℃」であり、値が大きいほど熱中症の危険度は高くなる。
【0110】
-補正指数の算出例-
区画情報生成部13は、画像(センサ情報)又は投稿情報に基づき補正指数を算出できる。その他、区画情報生成部13は、画像(センサ情報)及び投稿情報各々に基づき補正指数を算出し、それらを足し合わせて補正指数を算出できる。補正指数の単位は「℃」であり、値が大きいほど熱中症の危険度は高くなる。
【0111】
-画像に基づき補正指数を算出する例-
区画情報生成部13は、各観察区画を撮像した画像を解析し、暑い時に観察される人物の仕草や動きや外観の特徴を検出する。検出対象である動作や外観の特徴は、手や物で扇ぐ仕草、汗をぬぐう仕草、ふらつき、脱力した状態、顔面が蒼白、顔面が真っ赤、所定レベル以上の発汗等が例示されるが、これらに限定されない。区画情報生成部13は、観察区画毎、かつ、所定の単位時間毎に(例、5分毎、10分毎、30分毎、1位時間毎)、検出した回数、又は上記仕草等で検出された人の数をカウントする。そして、区画情報生成部13は、カウント数と、所定の演算式とに基づき、観察区画毎かつ単位時間毎に補正指数を算出する。当該演算式の詳細は設計的事項であるが、カウント数が大きいほど、補正指数が大きくなるように定義される。また、区画情報生成部13は、検出した動作や外観の特徴毎に上記カウントを行い、当該カウント数と重み付け値(検出した動作や外観の特徴に応じた重み付け値)との積と、所定の演算式とに基づき、観察区画毎かつ単位時間毎に補正指数を算出してもよい。汗をぬぐう仕草等のような深刻度の低いものほど重み付け値は小さくなり、ふらつき等のような深刻度の高いものほど重み付け値は大きくなる。
【0112】
なお、区画情報生成部13は、画像が生成されない観察区画においては、各観察区画に関連する他の観察区画の画像に基づき算出された補正指数、またはその値に所定の係数をかけた値を、その観察区画の補正指数として算出することができる。
【0113】
-投稿情報に基づき補正指数を算出する例-
区画情報生成部13は、投稿情報に基づき投稿者の位置を特定する。具体的には、区画情報生成部13は、投稿者がどのエリアにいるかを特定する。各エリアは、複数の観察区画を含む。当該エリアについては、第2の実施形態で説明したので、ここでの説明は省略する。
【0114】
また、区画情報生成部13は、投稿コンテンツとして取得したテキストデータの文言を解析し、暑さに関するワードを抽出する。抽出するワードは、例えば「暑い」、「暑すぎ」、「フラフラ」する等が例示されるが、これらに限定されない。そして、区画情報生成部13は、エリア毎、かつ、所定の単位時間毎に(例、5分毎、10分毎、30分毎、1位時間毎)、各エリアで投稿された投稿コンテンツから上記ワードが抽出された回数をカウントする。そして、区画情報生成部13は、カウント数と、所定の演算式とに基づき、補正指数を算出する。なお、当該演算式の詳細は設計的事項であるが、カウント数が大きいほど、補正指数が大きくなるように定義される。当該補正指数は、エリアに含まれるすべての観察区画に適用される。
【0115】
次に、
図6を用いて、出力部14が出力する情報の一例を説明する。図示する各マスは、観察区画に対応する。複数の情報(上述したセンサ情報、投稿情報、その他の情報)各々に基づき各観察区画の熱中症の危険度が算出され、各情報に基づく算出結果が複数のマス上にマッピングされている。具体的には、各情報に基づき熱中症の危険度が所定レベル以上と判断されたマスが、各情報に対応した模様で塗りつぶされている。塗りつぶしの重なりが多い箇所ほど、熱中症の危険度が高いことを示す。
【0116】
なお、本実施形態の情報提供装置10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0117】
ここで、本実施形態の情報提供装置10の変形例を説明する。
【0118】
-変形例1-
区画情報生成部13は、画像内で検出した人各々の行動内容や衣服を画像解析で特定し、特定結果に基づき、検出した人毎に熱中症の危険度を算出する。具体的には、上記手法で算出したその人が存在する観察区画の熱中症の危険度に、検出した人各々の行動や衣服に応じて算出された値を加算して、各々の熱中症の危険度を算出する。当該補正の方法は、非特許文献3に開示されている。熱中症の危険度が上がる衣服(帽子をかぶっていない、厚手の服を着ている等)であるほど、加算される値は大きくなる。また、熱中症の危険度が上がる行動(激しい運動、肉体労働等)ほど、加算される値は大きくなる。
【0119】
出力部14は、検出した人の熱中症の危険度が所定レベル以上である場合、その人に対して警告する。
【0120】
例えば、ユーザ(情報提供装置10の当該警告サービスを受けるユーザ)の顔情報(外観の特徴量)が予め登録されるように構成されている場合(当該警告サービスがそのように設計されている場合)、情報提供装置10は、顔認識技術等を利用して、画像内で検出した人が予め登録されているユーザであるか判断してもよい。そして、画像内で検出した人が予め登録されているユーザである場合、出力部14は、ユーザが所持する端末を介した方法(アプリのプッシュ通知や電子メール等)で、そのユーザに対する警告を実現してもよい。
【0121】
その他、出力部14は、警告対象の人が存在する場所の近くに設置された出力装置(スピーカ、ディスプレイ等)を介して、警告情報を出力してもよい。
【0122】
その他、出力部14は、所定の通知相手に、熱中症の危険度が所定レベル以上である人を報告してもよい。所定の通知相手は、観察対象の地域の管理者、巡回スタッフ、警備員等である。通知内容には、熱中症の危険度が所定レベル以上である人の画像、属性、所在位置、熱中症の危険度等が含まれてもよい。出力部14は、所定の通知相手が所持する端末を介した方法(アプリのプッシュ通知や電子メール等)で、所定の通知相手への報告を実現してもよい。
【0123】
なお、出力部14は、混雑状況が一定以上である区画において、登録ユーザが存在すると判定された場合、当該ユーザの所持する端末に対して、警告を実施してもよい。そして、通知される警告には、
図6のような観察区画の状況を示すマップの表示を含んでもよい。
【0124】
-変形例2-
出力部14は、熱中症の危険度が所定レベル以上の観察区画が存在する場合、その観察区画を含む観察対象の地域の管理者や予め登録したユーザに、その旨を通知する。当該通知は、ユーザが所持する端末を介した方法(アプリのプッシュ通知や電子メール等)で行ってもよい。その他、情報提供装置10は、所定のSNSやソーシャルメディアに、その旨を示す情報を投稿してもよい。
【0125】
-変形例3-
区画情報生成部13は、上記補正指数を、属性(性別、年代)が類似するグループ毎に生成してもよい。すなわち、区画情報生成部13は、画像を解析して画像から検出した人物の属性を検出し、属性が類似するグループ毎に、上述した「検出した回数、又は上記仕草等で検出された人の数」のカウントを行う。そして、区画情報生成部13は、グループ毎のカウント数に基づき、グループ毎に補正指数を算出する。
【0126】
また、区画情報生成部13は、投稿者のアカウント情報から、投稿者の属性を特定する。そして、区画情報生成部13は、属性が類似するグループ毎に、上述した「所定のキーワードが抽出された回数」のカウントを行う。そして、区画情報生成部13は、グループ毎のカウント数に基づき、グループ毎に補正指数を算出する。
【0127】
そして、区画情報生成部13は、センサ情報及び投稿情報に基づき生成したグループ毎の補正指数を、上記と同様の手法で統合する。この例の場合、区画情報生成部13は、属性が類似する人のグループ毎に、熱中症の危険度を算出する。そして、出力部14は、グループ毎の熱中症の危険度を出力する。
【0128】
-変形例4-
区画情報生成部13は、予め登録された情報に基づき所定のイベントが行われているエリアを特定し、そのエリアに含まれる観察区画の熱中症の危険度[℃]に、イベント開催に応じた所定の補正指数を加える。
【0129】
-変形例5-
区画情報生成部13は、観察区画内の監視センサが生成したエアコンの稼働状況を示すデータに基づき、その観察区画の熱中症の危険度[℃]に加える補正指数を算出する。そのエアコンが設置された建物外の気温や湿度が基準値以上であるにも関わらず、エアコンの稼働状況が基準レベル以下である場合、その建物内の熱中症の危険度は高くなる。そこで、このような場合、区画情報生成部13は、0より大の補正指数を決定する。区画情報生成部13は、建物外の気温や湿度が高いほど、またエアコンの稼働状況が低い(設定温度が高い、風量が弱い等)ほど、大きい補正指数を決定する。
【0130】
-変形例6-
区画情報生成部13は、監視センサが生成したエアコンの稼働状況を示すデータに基づき、そのエアコンが設置された建物に隣接する観察区画(外部空間)の熱中症の危険度[℃]に加える補正指数を算出する。エアコンが設置された建物に隣接する観察区画は、そのエアコンの稼働が上がるほど、そのエアコンの稼働により発生した熱により、熱中症の危険度が高くなる。そこで、区画情報生成部13は、エアコンの稼働状況が高い(設定温度が低い、風量が強い等)ほど、大きい補正指数を決定する。
【0131】
-変形例7-
区画情報生成部13は、画像を解析し、観察区画内における日陰の割合を算出し、その割合に応じてその観察区画の熱中症の危険度[℃]に加える補正指数を算出する。区画情報生成部13は、日陰の割合が基準値以下である場合、0より大の補正指数を決定する。そして、区画情報生成部13は、日陰の割合が小さいほど、大きい補正指数を決定する。
【0132】
なお、画像が生成されない観察区画においては、各観察区画に関連する他の観察区画の画像に基づき算出された補正指数、またはその値に所定の係数をかけた値を、その観察区画の補正指数として算出することができる。影の向きが時間帯毎に変更することを考慮し、所定の係数は時間帯毎に異なってもよい。
【0133】
-変形例8-
区画情報生成部13は、湿度センサが生成した湿度データ、照度センサが生成した照度データ、及び、風速センサが生成した風速データの中の少なくとも1つに基づき、各観察区画の熱中症の危険度[℃]に加える補正指数を算出する。区画情報生成部13は、湿度が基準値以上、照度が基準値以上、風速が基準値以下の中の少なくとも1つを満たす場合、0より大の補正指数を決定する。そして、区画情報生成部13は、湿度が高いほど、照度が高いほど、風速が低いほど、大きい補正指数を決定する。
【0134】
なお、これらのセンサ情報が生成されない観察区画においては、各観察区画に関連する他の観察区画のセンサ情報に基づき算出された補正指数、またはその値に所定の係数をかけた値を、その観察区画の補正指数として算出することができる。
【0135】
-変形例9-
当該変形例では、情報提供装置10は、観察対象の地域に設置されたエアコンやミスト装置等の暑さ制御装置を遠隔操作可能になっている。そして、出力部14は、熱中症の危険度が所定レベル以上である観察区画に設置された暑さ制御装置、またはその周辺(その観察区画から所定の距離以内)に設置された暑さ制御装置を稼働させる。
【0136】
以上、本実施形態の情報提供装置10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の情報提供装置10によれば、観察対象の熱中症の危険度を詳細に把握することが可能となる。
【0137】
<第4の実施形態>
本実施形態の情報提供装置10は、上述した観察区画設定例2で観察対象の地域内に存在する施設(店舗、駅等)単位で観察区画を設定し、各観察区画の将来の混雑状況を示す区画情報を生成して出力する。以下、詳細に説明する。
【0138】
センサ情報取得部12は、カメラが生成した画像をセンサ情報として取得する。
【0139】
区画情報生成部13は、画像に基づき推定された観察対象の施設に関連する位置の混雑状況、及び投稿コンテンツで特定された流行品と観察対象の施設との関連度に基づき、観察対象の施設の将来の混雑状況を示す区画情報を生成する。以下、区画情報を生成する処理を詳細に説明する。
【0140】
区画情報生成部13は、以下の算出式に基づき画観察対象の施設の将来の混雑状況を推定することができる。
【0141】
(予測来客数)=(流行品との関連度)×(観察対象の施設に関連する位置の混雑状況/競合施設数)×(1/混雑地点からの距離に応じた係数)×(平均来店数に基づく係数)
【0142】
区画情報生成部13は、算出した予測来客数を、各観察区画の将来の混雑状況を示す区画情報として出力部14に入力してもよい。そして、出力部14は、入力された各観察区画の区画情報(予測来客数)を各施設に通知してもよい。
【0143】
その他、区画情報生成部13は、算出した予測来客数を所定のルールで他の指標に変換し、変換した指標を各観察区画の将来の混雑状況を示す区画情報として出力部14に入力してもよい。そして、出力部14は、入力された各観察区画の区画情報(変換後の指標)を各施設に通知してもよい。変換のルールは、例えば「人数X1未満:空いている、人数X1以上X2未満:やや混雑、人数X2以上X3未満:混雑、人数X3以上:非常に混雑」等が例示されるが、これに限定されない。
【0144】
出力部14は、メールでの送信、アプリやウェブページのログイン後のページに表示、アプリのプッシュ通知等の手段を利用して、各施設への通知を実現することができる。なお、通知は、各施設に関連付く端末に対する通知であってもよい。
【0145】
ここで、上記算出式の各要素の算出例を説明する。
【0146】
-流行品との関連度の算出例-
当該関連度は、1又は0となる。区画情報生成部13は、予め登録されている各施設の情報(業種、取扱商品等)に基づき、各施設の当該関連度を決定する。例えば、区画情報生成部13は、流行品を取り扱っている施設の当該関連度を1とし、流行品を取り扱っていない施設の当該関連度を0としてもよい。その他、区画情報生成部13は、流行品を取り扱う業種に該当する施設の当該関連度を1とし、流行品を取り扱わない業種に該当する施設の当該関連度を0としてもよい。
【0147】
次に、流行品を特定する処理を説明する。区画情報生成部13は、投稿情報に基づき、流行品を特定することができる。例えば、区画情報生成部13は、直近の所定期間内の投稿コンテンツを解析して投稿コンテンツに含まれる単語の出現回数を算出し、出現回数が基準値以上となった単語で示される商品を流行品として特定してもよい。なお、区画情報生成部13は、観察対象の地域に関連する位置情報を含む投稿情報のみを解析して、上記出現回数の算出及び流行品の特定を行ってもよいし、位置情報に縛られずあらゆる投稿情報を解析して当該処理を行ってもよい。
【0148】
-観察対象の施設に関連する位置の混雑状況の算出例-
区画情報生成部13は、観察対象の施設を含むエリアの混雑状況(人数)を、観察対象の施設に関連する位置の混雑状況として算出する。観察対象の施設を含むエリアの混雑状況(人数)は、第2の実施形態で説明した所定のエリアの混雑状況(人数)を算出する処理を採用して実現することができる。現在の混雑状況を推定することで、数分後から数時間後の各施設の来客数を推定することができる。
【0149】
-競合施設数の算出例-
区画情報生成部13は、予め登録されている各施設の情報(業種、取扱商品等)に基づき、第1の流行品に対する各施設の上記関連度を決定する。そして、区画情報生成部13は、関連度「1」を決定した施設の数を、第1の流行品における競合施設数として算出する。
【0150】
-混雑地点からの距離に応じた係数の算出例-
区画情報生成部13は、観察対象の施設を含むエリアの中で、混雑状況が基準レベル以上の地点を特定する。なお、混雑状況が基準レベル以上の地点が複数ある場合、区画情報生成部13は、複数の地点を特定する。例えば、区画情報生成部13は、エリア内に設置された複数のカメラ各々が生成した画像から検出された人数が基準値以上の地点を、混雑状況が基準レベル以上の地点として特定する。そして、区画情報生成部13は、特定された地点からの距離に応じた係数を決定する。距離は、予め登録された各施設の位置情報と、カメラの設置位置情報とに基づき算出することができる。係数の決定の仕方は設計的事項であるが、距離が大きいほど係数が大きくなるように決定する。
【0151】
-平均来店数に基づく係数の算出例-
区画情報生成部13は、予め登録されている各施設の情報(過去実績に基づき算出れた平均来店数)に基づき、各施設の当該係数を決定する。係数の決定の仕方は設計的事項であるが、平均来店数が多い施設ほど、係数が大きくなるように決定する。例えば、区画情報生成部13は、複数の競合施設の平均来店数の合計の中の各施設の平均来店数の割合に基づき、各施設の係数を決定してもよい。
【0152】
なお、本実施形態の情報提供装置10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0153】
ここで、本実施形態の情報提供装置10の変形例を説明する。
【0154】
-変形例1-
区画情報生成部13は、上記「観察対象の施設に関連する位置の混雑状況」として、将来(数時間後、翌日等)の混雑状況を推定する。そして、区画情報生成部13は、当該「観察対象の施設に関連する位置の混雑状況」に基づき、将来の(数時間後、翌日等)の各施設の来客数を推定する。
【0155】
将来の混雑状況の推定は、あらゆる技術を利用して実現できる。例えば、そこに来る人の人数に影響し得る要因(天気、気温、湿度、月、曜日、季節、周辺のイベント、そのエリア内の施設の予約数、数時間前のそのエリアの人数、前日のそのエリアの人数等)と実際に来た人数とを紐付けた過去の実績データに基づく機械学習で、上記要因からそこに来る人を推定する推定モデルを生成し、当該推定モデルに基づき予測してもよい。
【0156】
以上、本実施形態の情報提供装置10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の情報提供装置10によれば、観察対象である施設の将来の混雑状況を詳細に把握することが可能となる。
【0157】
<変形例>
ここで、情報提供装置10の変形例を説明する。
図7に、変形例の情報提供装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、変形例の情報提供装置10は、区画情報生成部13と出力部14を有する。そして、変形例の情報提供装置10は、投稿情報取得部11とセンサ情報取得部12を有さない点で、上記第1乃至第4の実施形態と異なる。区画情報生成部13及び出力部14の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。当該変形例の情報提供装置10においても、上記第1乃至第4の実施形態と同様の作用効果が実現される。
【0158】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0159】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0160】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する投稿情報取得手段と、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段と、
前記投稿情報と前記センサ情報とに基づき、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段と、
前記区画情報を出力する出力手段と、
を有する情報提供装置。
2. 前記出力手段は、地図上に前記区画情報をマッピングした画像を出力する1に記載の情報提供装置。
3. 前記センサが生成したデータは、画像であり、
前記投稿情報は、投稿者の位置及びこれから向かう目的地の少なくとも一方を示すものであり、
前記区画情報生成手段は、前記画像の解析結果及び前記投稿情報に基づき、複数の前記観察区画各々における混雑状況を示す前記区画情報を生成する1又は2に記載の情報提供装置。
4. 前記区画情報生成手段は、
前記センサが設置されていない前記観察区画各々の前記混雑状況を、前記センサが設置されている前記観察区画の前記画像に基づき推定する3に記載の情報提供装置。
5. 前記区画情報生成手段は、前記投稿情報に基づき、複数の前記観察区画を含むエリアにおける混雑状況を推定した後、推定した前記エリアの混雑状況に基づき複数の前記観察区画各々の混雑状況を推定する3又は4に記載の情報提供装置。
6. 前記区画情報生成手段は、前記投稿情報に基づき投稿者の今後の移動経路を推定し、
推定した前記移動経路に基づき、複数の前記観察区画各々の混雑状況を推定する3から5のいずれかに記載の情報提供装置。
7. 前記観察区画は、観察対象の施設であり、
前記センサが生成したデータは、画像であり、
前記区画情報生成手段は、前記画像に基づき推定された前記観察対象の施設に関連する位置の混雑状況、及び前記投稿コンテンツで特定された流行品と前記観察対象の施設との関連度に基づき、前記観察対象の施設の将来の混雑状況を示す前記区画情報を生成する1に記載の情報提供装置。
8. 前記センサが生成したデータは、画像、気温データ、湿度データ、照度データ、風速データ、及びエアコンの稼働状況を示すデータの中の少なくとも1つを含み、
前記区画情報生成手段は、前記センサ情報及び前記投稿コンテンツで示される暑さ状況に基づき、複数の前記観察区画各々の熱中症の危険度を示す前記区画情報を生成する1に記載の情報提供装置。
9. コンピュータが、
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得し、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得し、
前記投稿情報と前記センサ情報とに基づき、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成し、
前記区画情報を出力する情報提供方法。
10. コンピュータを、
インターネット上に投稿された投稿コンテンツ、及び位置情報を含む投稿情報を取得する投稿情報取得手段、
センサが生成したデータ、及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報を取得するセンサ情報取得手段、
前記投稿情報と前記センサ情報とに基づき、複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段、
前記区画情報を出力する出力手段、
として機能させるプログラム。
11. 位置情報を含みインターネット上に投稿された投稿コンテンツと、センサが生成したデータ及び前記センサの設置位置情報を含むセンサ情報と、に基づき複数の観察区画各々に関する区画情報を生成する区画情報生成手段と、
地図上に前記区画情報をマッピングした画像を出力する出力手段と、
を有する情報提供装置。
【符号の説明】
【0161】
10 情報提供装置
11 投稿情報取得部
12 センサ情報取得部
13 区画情報生成部
14 出力部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス