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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20250304BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20250304BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06F3/0481
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021043746
(22)【出願日】2021-03-17
(65)【公開番号】P2022143298
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内海 洋平
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-102709(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0035697(US,A1)
【文献】特開2012-164113(JP,A)
【文献】特開2001-022749(JP,A)
【文献】特開2004-199406(JP,A)
【文献】特開2004-206658(JP,A)
【文献】特開2008-204469(JP,A)
【文献】特開2020-150343(JP,A)
【文献】特開2004-021631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 3/0481
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
データ作成者によって作成された、付加情報を有する元データをデータ送信者から受け付け、
複数のユーザがアクセス可能なメモリ領域である共有領域であって、当該共有領域に記憶されたデータに関する作業を複数のユーザが協同して実行可能となる共有領域に前記元データが記憶された場合に、前記元データから前記付加情報が除去された付加情報除去データを生成し、
前記データ作成者及び前記データ送信者の少なくとも一方であるデータ管理者以外の利用者であるデータ利用者からの前記元データの要求があった場合に、前記付加情報除去データを前記データ利用者に提供する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記データ管理者からの前記元データの要求があった場合に、前記付加情報を有する前記元データを前記データ管理者に提供する、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記元データには複数の付加情報が付加されており、
前記複数の付加情報の少なくとも1つには、前記データ利用者へ当該付加情報を公開することを示す公開設定情報が付与されており、
前記プロセッサは、
前記データ利用者からの前記元データの要求があった場合に、前記公開設定情報が付与された前記付加情報は除去されず、前記公開設定情報が付与されていない前記付加情報は除去された前記付加情報除去データを前記データ利用者に提供する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記公開設定情報が付与された前記付加情報を前記元データに付加するための第1操作子と、前記公開設定情報が付与されない前記付加情報を前記元データに付加するための第2操作子とを有するアプリケーションを前記データ管理者に提供する、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記データ利用者からの前記元データの要求を受け付けるに先立って、前記元データを複製して前記元データの複製である複製データから前記付加情報を除去して前記付加情報除去データを生成し、
前記元データが有する前記付加情報に前記公開設定情報が付与される度に、前記元データを複製し、得られた複製データから、前記公開設定情報が付与されていない前記付加情報が除去された前記付加情報除去データを生成し直す、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記公開設定情報が付与された前記付加情報には、当該付加情報を閲覧可能な前記データ利用者を示す閲覧可能者情報が付与されており、
前記プロセッサは、
前記データ利用者からの前記元データの要求があった場合に、当該データ利用者が閲覧可能であることを示す前記閲覧可能者情報が付与された前記付加情報は除去されず、当該データ利用者が閲覧不可であることを示す前記閲覧可能者情報が付与された前記付加情報は除去された前記付加情報除去データを前記データ利用者に提供する、
ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータに、
データ作成者によって作成された、付加情報を有する元データをデータ送信者から受け付けさせ、
複数のユーザがアクセス可能なメモリ領域である共有領域であって、当該共有領域に記憶されたデータに関する作業を複数のユーザが協同して実行可能となる共有領域に前記元データが記憶された場合に、前記元データから前記付加情報が除去された付加情報除去データを生成させ、
前記データ作成者及び前記データ送信者の少なくとも一方であるデータ管理者以外の利用者であるデータ利用者からの前記元データの要求があった場合に、前記付加情報除去データを前記データ利用者に提供させる、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、アノテーションに対して、当該アノテーションの表示/非表示を指定する条件情報を付すことで、当該アノテーションを利用する各利用者に対して互いに異なるアノテーションを表示させるアノテーション制御方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6002256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来、利用者からの要求があった場合に、当該要求に対応するデータを当該利用者に提供する情報処理装置が知られている。これにより、複数の利用者は、情報処理装置からデータをダウンロードして利用することができる。
【0005】
複数の利用者に提供され得るデータが付加情報を有している場合がある。付加情報とは、例えば、注釈情報(データを開いたユーザがデータの内容と共に視認可能なデータ、例えば電子文書に付された付箋などのアノテーション)あるいは属性情報(データのメタ情報)などである。
【0006】
ここで、当該データを作成したデータ作成者、あるいは、当該データを情報処理装置に記憶させたデータ送信者(以後、データ作成者及びデータ送信者の少なくとも一方をデータ管理者と呼ぶ、データ作成者とデータ送信者が同一人物であってもよい)としては、当該データに付加された付加情報をデータ管理者以外の利用者であるデータ利用者に見られたくない場合がある。例えば、付加情報に機密情報が含まれている場合などである。
【0007】
データ管理者は、データ利用者に見られたくない付加情報をデータ利用者に対して非表示とする設定を行うことが考えられる。しかしながら、付加情報を非表示とする設定を行うようにした場合、設定ミスなどによってデータ利用者が当該付加情報を見ることができてしまうおそれがある。したがって、データ利用者に対して提供されるデータには、付加情報が付加されていない(換言すれば除去されている)のが望ましい。
【0008】
複数の利用者がデータを利用可能としつつ、当該データに付加された付加情報をデータ利用者に見られないようにするため、データ管理者は、付加情報を有する元データと、元データの複製から付加情報を除去したデータを用意して2つのデータを情報処理装置に記憶させておくことが考えられる。この場合、情報処理装置は、データ利用者に対しては付加情報が除去された複製データを提供し、データ管理者に対しては付加情報を有する元データを提供する。しかしながら、この場合、2つのデータを用意して情報処理装置に記憶させるという手間をデータ管理者に取らせてしまうという問題が発生する。
【0009】
本発明の目的は、データ管理者が、元データと、元データから付加情報が除去されたデータと用意して情報処理装置に記憶させる場合に比して、複数の利用者がデータを利用可能としつつ、当該データに付加された付加情報をデータ利用者に見られないようにするためのデータ管理者の手間を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に係る発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、データ作成者によって作成された、付加情報を有する元データをデータ送信者から受け付け、複数のユーザがアクセス可能なメモリ領域である共有領域であって、当該共有領域に記憶されたデータに関する作業を複数のユーザが協同して実行可能となる共有領域に前記元データが記憶された場合に、前記元データから前記付加情報が除去された付加情報除去データを生成し、前記データ作成者及び前記データ送信者の少なくとも一方であるデータ管理者以外の利用者であるデータ利用者からの前記元データの要求があった場合に、前記付加情報除去データを前記データ利用者に提供する、ことを特徴とする情報処理装置である
求項に係る発明は、前記プロセッサは、前記データ管理者からの前記元データの要求があった場合に、前記付加情報を有する前記元データを前記データ管理者に提供する、ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置である。
請求項に係る発明は、前記元データには複数の付加情報が付加されており、前記複数の付加情報の少なくとも1つには、前記データ利用者へ当該付加情報を公開することを示す公開設定情報が付与されており、前記プロセッサは、前記データ利用者からの前記元データの要求があった場合に、前記公開設定情報が付与された前記付加情報は除去されず、前記公開設定情報が付与されていない前記付加情報は除去された前記付加情報除去データを前記データ利用者に提供する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項に係る発明は、前記プロセッサは、前記公開設定情報が付与された前記付加情報を前記元データに付加するための第1操作子と、前記公開設定情報が付与されない前記付加情報を前記元データに付加するための第2操作子とを有するアプリケーションを前記データ管理者に提供する、ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置である。
請求項に係る発明は、前記プロセッサは、前記データ利用者からの前記元データの要求を受け付けるに先立って、前記元データを複製して前記元データの複製である複製データから前記付加情報を除去して前記付加情報除去データを生成し、前記元データが有する前記付加情報に前記公開設定情報が付与される度に、前記元データを複製し、得られた複製データから、前記公開設定情報が付与されていない前記付加情報が除去された前記付加情報除去データを生成し直す、ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置である。
請求項に係る発明は、前記公開設定情報が付与された前記付加情報には、当該付加情報を閲覧可能な前記データ利用者を示す閲覧可能者情報が付与されており、前記プロセッサは、前記データ利用者からの前記元データの要求があった場合に、当該データ利用者が閲覧可能であることを示す前記閲覧可能者情報が付与された前記付加情報は除去されず、当該データ利用者が閲覧不可であることを示す前記閲覧可能者情報が付与された前記付加情報は除去された前記付加情報除去データを前記データ利用者に提供する、ことを特徴とする請求項に記載の情報処理装置である。
請求項に係る発明は、コンピュータに、データ作成者によって作成された、付加情報を有する元データをデータ送信者から受け付けさせ、複数のユーザがアクセス可能なメモリ領域である共有領域であって、当該共有領域に記憶されたデータに関する作業を複数のユーザが協同して実行可能となる共有領域に前記元データが記憶された場合に、前記元データから前記付加情報が除去された付加情報除去データを生成させ、前記データ作成者及び前記データ送信者の少なくとも一方であるデータ管理者以外の利用者であるデータ利用者からの前記元データの要求があった場合に、前記付加情報除去データを前記データ利用者に提供させる、ことを特徴とする情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1又はに係る発明によれば、データ管理者が、元データと、元データから付加情報が除去されたデータと用意して情報処理装置に記憶させる場合に比して、複数の利用者がデータを利用可能としつつ、当該データに付加された付加情報をデータ利用者に見られないようにするためのデータ管理者の手間を軽減することができる
求項に係る発明によれば、データ管理者は、付加情報を有する元データを利用することができる。
請求項に係る発明によれば、元データに含まれる複数の付加情報の一部をデータ利用者に公開することができる。
請求項に係る発明によれば、データ作成者は、第1操作子を操作することで公開設定情報が付与された付加情報を元データに付加し、第2操作子を操作することで公開設定情報が付与されない付加情報を元データに付加することができる。
請求項に係る発明によれば、データ利用者からの元データの要求に先立って、付加情報除去データを用意しておくことができる。
請求項に係る発明によれば、元データに含まれる複数の付加情報の一部を適切なデータ利用者に公開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成概略図である。
図2】管理者端末の構成概略図である。
図3】利用者端末の構成概略図である。
図4】サーバの構成概略図である。
図5】付加情報を有する元文書の表示例を示す図である。
図6】除去文書生成部及び文書提供部の処理内容を示す概念図である。
図7】付加情報除去文書の第1の表示例を示す図である。
図8】元文書の編集画面の第1の例を示す図である。
図9】元文書の編集画面の第2の例を示す図である。
図10】付加情報除去文書の第2の表示例を示す図である。
図11】サーバの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム10の構成概略図である。本実施形態に係る情報処理システム10は、データ管理者が利用する管理者端末12、データ利用者が利用する利用者端末14、及び、情報処理装置としてのサーバ16を含んで構成される。管理者端末12、利用者端末14、及びサーバ16は、例えばインターネット回線やLAN(Local Area Network)などを含む通信回線18を介して互いに通信可能に接続される。
【0014】
サーバ16は、利用者としてのユーザを認証した上で、当該ユーザに対してデータ管理サービスを提供する。すなわち、サーバ16はデータ管理サーバであり、情報処理システム10はデータ管理システムであると言える。データ管理サービスとは、ユーザから受信したデータを管理し、ユーザからデータの要求があった場合に当該データを当該ユーザに提供するサービスである。ここで、データを作成するユーザをデータ作成者と呼び、データをサーバ16に送信するユーザをデータ送信者と呼ぶ。本実施形態では、データ作成者とデータ送信者が同一人物であるとするが、データ作成者とデータ送信者は別々の人物であってもよい。上述のデータ管理者とは、データ作成者及びデータ送信者の少なくとも一方を意味する。また、上述のデータ利用者とは、データ管理者以外のユーザを意味する。また、ユーザとは、データ作成者、データ送信者、及びデータ利用者を含む概念である。
【0015】
なお、図1には、利用者端末14が1つのみ示されているが、情報処理システム10には、複数のデータ利用者が利用する複数の利用者端末14を含んでいてよい。また、データ作成者とデータ送信者が別々の人物である場合、情報処理システム10には、管理者端末12に代えて、データ作成者が利用する作成者端末、及び、データ送信者が利用する送信者端末を含んでいてもよい。
【0016】
データ作成者により作成され、データ送信者が管理者端末12からサーバ16に送信してサーバ16で管理されるデータは、付加情報を有している。付加情報とは、データ本体に付加される情報である。付加情報には、注釈情報及び属性情報が含まれる。注釈情報とは、ユーザが当該データを開いたときにデータ内容と共に当該ユーザが利用する端末のディスプレイに表示される情報である。注釈情報としては、例えばデータに付加されるアノテーション(テキスト情報)がある。属性情報とは、データのメタ情報(プロパティ)であり、ユーザがデータを開いたときに表示されない情報であってもよい。属性情報としては、例えばデータの名称やデータの作成者を示す情報がある。付加情報は、データ作成者によりデータに付加されてもよく、データ作成者がデータを作成した際に、管理者端末12(又は作成者端末)によって自動付与されるものであってもよい。
【0017】
本実施形態では、サーバ16は、データとしての電子文書を管理する文書管理サーバである。したがって、情報処理システム10は文書管理システムであると言える。本実施形態ではデータが電子文書であることから、以後、データ作成者を文書作成者と、データ送信者を文書送信者と、データ管理者を文書管理者と、データ利用者を文書利用者と呼ぶ。なお、サーバ16で管理されるデータとしては電子文書に限られない。例えば、画像データや音楽データなどであってもよい。
【0018】
図2は、管理者端末12の構成概略図である。管理者端末12は、例えばパーソナルコンピュータや、スマートフォンなどのタブレット端末であるが、管理者端末12としては、以下に説明する機能を発揮する限りにおいてどのようなコンピュータであってもよい。
【0019】
通信インターフェース20は、例えばネットワークアダプタなどを含んで構成される。通信インターフェース20は、通信回線18を介してサーバ16と通信する機能を発揮する。
【0020】
入力インターフェース22は、例えばタッチパネル、ボタン、マウス、あるいはキーボードなどを含んで構成される。入力インターフェース22は、文書管理者の指示を管理者端末12に入力するために用いられる。
【0021】
ディスプレイ24は、例えば液晶パネルを含んで構成される。ディスプレイ24には、種々の表示画面が表示される。特に、ディスプレイ24には、サーバ16から提供される電子文書が表示される。
【0022】
メモリ26は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、eMMC(embedded Multi Media Card)、ROM(Read Only Memory)あるいはRAM(Random Access Memory)などを含んで構成される。
【0023】
プロセッサ28は、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)など)、及び、専用の処理装置(例えばGPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ28としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。プロセッサ28は、管理者端末12の各部を制御する。
【0024】
図3は、利用者端末14の構成概略図である。利用者端末14の構成は管理者端末12と同様であるため、通信インターフェース30、入力インターフェース32、ディスプレイ34、メモリ36、及びプロセッサ38についての説明は省略する。
【0025】
図4は、サーバ16の構成概略図である。サーバ16は、例えばサーバコンピュータなどにより構成される。なお、サーバ16は複数のコンピュータから構成されるようにしてもよい。すなわち、以下に説明するサーバ16が発揮する機能は、複数のコンピュータの協働により実現されてもよい。
【0026】
通信インターフェース40は、例えばネットワークアダプタなどを含んで構成される。通信インターフェース40は、通信回線18を介して管理者端末12及び利用者端末14と通信する機能を発揮する。
【0027】
メモリ42は、例えば、HDD、SSD、eMMC、ROMあるいはRAMなどを含んで構成される。メモリ42には、サーバ16の各部を機能させるための情報処理プログラムが記憶される。また、図4に示すように、メモリ42には、ユーザDB(データベース)44、文書DB46、及び共有領域48が定義される。
【0028】
ユーザDB44には、予めサーバ16(換言すればサーバ16が提供する文書管理サービス)にユーザ登録したユーザを識別するユーザID、当該ユーザを認証するための認証情報(例えばパスワードなど)、当該ユーザが属するグループ(例えば部、課、プロジェクトなど)、及び、当該ユーザのロール(例えば部長、プロジェクトリーダなどの役職)などが関連付けられて記憶される。ユーザDB44に記憶される各情報は、サーバ16あるいは文書管理サービスにユーザ登録する際に、当該ユーザによってサーバ16に入力される。
【0029】
文書DB46には、文書送信者から送信されてきた電子文書を識別する文書IDと、当該電子文書の文書管理者のユーザIDとが関連付けられて記憶される。本実施形態では、文書IDと、文書作成者及び文書送信者のユーザIDとが関連付けられて記憶される。文書送信者は、サーバ16に電子文書を送信する際に、サーバ16から認証を受ける(文書送信者がサーバ16にログインする)から、サーバ16は、各電子文書を送信した文書送信者を識別することができる。また、サーバ16は、電子文書の属性情報に基づいて、各電子文書の文書作成者を識別することができる。このように識別された文書送信者あるいは文書作成者(すなわち文書管理者)を示すユーザIDが、当該電子文書の文書IDに関連付けられて文書DB46に記憶される。
【0030】
共有領域48とは、複数のユーザがアクセス可能である領域である。後述するプロセッサは、文書送信者から送信されてきた電子文書を共有領域48に記憶させる。共有領域48に電子文書が記憶されると、複数のユーザが当該電子文書にアクセス可能となる。これにより、各ユーザは、当該電子文書を自分の端末にダウンロードして利用することができる。共有領域48に記憶された電子文書は、複数のユーザに対して公開されている、と言える。
【0031】
また、共有領域48は、複数のユーザが協同して電子文書に関する作業を実行可能な共有の作業領域であってもよい。この場合、共有領域48はインターネット上のリソースであり、当該リソースに複数のユーザがアクセスすることで、当該リソース上において複数のユーザが協同して作業を実行することができる。
【0032】
プロセッサ50は、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPUなど)、及び、専用の処理装置(例えばGPU、ASIC、FPGA、あるいは、プログラマブル論理デバイスなど)の少なくとも1つを含んで構成される。プロセッサ50としては、1つの処理装置によるものではなく、物理的に離れた位置に存在する複数の処理装置の協働により構成されるものであってもよい。プロセッサ50は、メモリ42に記憶された情報処理プログラムに従って、認証部52、文書管理部54、除去文書生成部56、及び文書提供部58としての機能を発揮する。
【0033】
認証部52は、サーバ16にアクセスしてきたユーザを認証する。具体的には、認証部52は、ユーザに対してユーザID及び認証情報の入力を求め、ユーザDB44を参照し、入力されたユーザID及び認証情報を照合することで、ユーザ認証を行う。
【0034】
文書管理部54は、認証部52により認証されたユーザ、特に、文書送信者から、電子文書を受け付ける。上述のように、本実施形態において文書管理部54が受け付ける電子文書には付加情報が付加されている。以後、文書送信者から受け付けた、付加情報を有する電子文書を元データとしての「元文書」と呼ぶ。1つの元文書に複数の付加情報が付加されていてもよい。なお、本実施形態では、文書送信者が管理者端末12からサーバ16に元文書を送信することで、文書管理部54が文書送信者から元文書を受け付けるが、文書送信者が直接サーバ16に元文書を入力するようにしてもよい。
【0035】
文書管理部54は、文書送信者から受け付けた元文書をメモリ42に記憶させ、当該元文書を複数のユーザが利用可能な状態に置く。本実施形態では、文書管理部54は、元文書を共有領域48に記憶させる。それと共に、文書管理部54は、元文書の文書IDと、当該元文書を送信した文書送信者のユーザID、及び、元文書の属性情報から得られた当該元文書の文書作成者のユーザIDとを関連付けて文書DB46に記憶させる。
【0036】
図5は、付加情報を有する元文書60の表示例を示す図である。図5の例では、元文書60が管理者端末12のディスプレイ24に表示されている例である。図5の例では、元文書60には付加情報として2つのアノテーション62が付加されているから、元文書60のデータ本体と共に2つのアノテーション62が表示されている。なお、上述のように、元文書60には元文書を開いたときに表示されない付加情報が付加されていてもよい。ここで、例えばアノテーション62に機密情報などが含まれる場合、当該アノテーション62はデータ利用者には見られたくない情報となる。
【0037】
また、文書管理部54は、文書管理者に対して、元文書60を編集するためのアプリケーションを提供することができる。文書管理者は、当該アプリケーションを管理者端末12で実行することで、元文書60を編集することができる。図5に示された画面は、そのようなアプリケーションによって元文書60を開いたときの編集画面である。
【0038】
除去文書生成部56は、メモリ42(本実施形態では共有領域48)に記憶された元文書60に基づいて、付加情報が削除された付加情報除去データとしての付加情報除去文書を生成する。
【0039】
図6は、除去文書生成部56(及び後述の文書提供部58)の処理内容を示す概念図である。本実施形態では、除去文書生成部56は、共有領域48に記憶された元文書60を複製して複製データとしての複製文書を得て、当該複製文書から付加情報を除去して除去文書64を生成する。この方法によれば、共有領域48には、元文書60と除去文書64の両方が記憶されることになる。
【0040】
また、除去文書生成部56は、共有領域48に記憶された元文書60から付加情報を除去して除去文書64を生成するようにしてもよい。この方法では、除去文書64が生成された後、共有領域48には元文書60は記憶されておらず、除去文書64が記憶されている状態となる。この場合、除去文書生成部56は、除去文書64と、除去した付加情報とを関連付けてメモリ42に記憶させておくとよい。このようにしておけば、後述の文書提供部58は、メモリ42に記憶された当該情報に基づいて、除去文書64に対して付加情報を付加する(戻す)ことにより元文書60を復元し、文書管理者に対して復元した元文書60を提供することができる。
【0041】
除去文書生成部56は、文書送信者から元文書60を受信してから、当該元文書60が文書利用者に提供されるまでの間であれば、任意のタイミングで除去文書64を生成することができる。例えば、除去文書生成部56は、文書利用者から当該元文書60の要求があった場合に、除去文書64を生成することができる。あるいは、除去文書生成部56は、文書利用者からの当該元文書60の要求に先立って、除去文書64を生成することができる。例えば、除去文書生成部56は、文書送信者から元文書60を受信したときに除去文書64を生成することができる。
【0042】
文書提供部58は、認証部52により認証されたユーザから電子文書の要求があった場合に、当該ユーザに対して当該要求に係る電子文書を提供する。本実施形態では、文書提供部58は、ユーザが利用する端末(管理者端末12又は利用者端末14)に電子文書を送信することで、ユーザに対して電子文書を提供するが、ユーザが直接サーバ16を操作した場合、サーバ16のディスプレイ(不図示)に電子文書を表示させることで電子文書をユーザに提供するようにしてもよい。
【0043】
特に、文書提供部58は、ユーザから元文書60の要求があった場合、文書DB46を参照し、当該ユーザが当該元文書60の文書管理者ではない場合、すなわち、当該ユーザが文書利用者である場合、図6に示すように、除去文書生成部56が当該元文書60に基づいて生成した、付加情報が除去された除去文書64を当該文書利用者に提供する。
【0044】
図7は、利用者端末14のディスプレイ34に表示された除去文書64を示す図である。除去文書64は付加情報を有していないから、当然に、ディスプレイ34には除去文書64のデータ本体は表示されるが付加情報は表示されない。また、除去文書64は、注釈情報のみならず属性情報も有していないから、文書利用者が除去文書64のプロパティを表示させようとしても、当該属性情報は表示されない。
【0045】
一方、当該ユーザが当該元文書60の文書管理者である場合、文書提供部58は、付加情報を有する当該元文書60を当該文書管理者(すなわち当該文書管理者が利用する管理者端末12)に提供する。管理者端末12のディスプレイ24に元文書60が表示された例は図5に示した通りである。なお、文書提供部58は、文書管理者からの指示に応じて、除去文書64を文書管理者に提供するようにしてもよい。これにより、文書管理者は、元文書60を要求した文書利用者がどのように除去文書64を見るのかを確認することができる。
【0046】
このように、文書提供部58は、文書利用者に対しては付加情報が除去された除去文書64を提供するから、文書管理者が付加情報を文書利用者に見られたくない場合であっても、文書利用者は付加情報を見ることができない。特に、本実施形態では、除去文書64はそもそも付加情報を有していないことから、付加情報を有する元文書60を文書利用者に提供した上で当該付加情報を非表示とする場合に比して、文書利用者に付加情報が見られてしまう可能性が低減される。
【0047】
本実施形態では、サーバ16(特に除去文書生成部56)が元文書60に基づいて除去文書64を生成している。したがって、文書管理者としては、サーバ16に元文書60を送信するだけでよく、除去文書64を用意してサーバ16に送信する必要がない。したがって、文書管理者が元文書60及び除去文書64を用意してサーバ16に記憶させる場合に比して、文書利用者が除去文書64を利用可能としつつ、当該元文書60に付加された付加情報を文書利用者に見られないようにするための文書管理者の手間が軽減される。
【0048】
元文書60に複数の付加情報が付加されている場合、複数の付加情報の少なくとも1つには公開設定情報が付与されていてもよい。公開設定情報とは、文書利用者に対して当該付加情報を公開することを示す情報である。本実施形態では、公開設定情報は、文書管理者によって付与される。なお、公開設定情報は、管理者端末12又は文書管理部54によって付与されてもよい。例えば、文書管理部54は、付加情報の項目(例えばアノテーション62、属性情報のファイル名、属性情報のファイル作成者など)に応じて、付加情報に公開設定情報を付与するようにしてもよい。また、文書管理部54は、アノテーション62のテキスト内容の解析結果に応じて(例えば「公開可」などの文字列を含んでいるなど)、付加情報に公開設定情報を付与するようにしてもよい。
【0049】
図8は、管理者端末12のディスプレイ24に表示された元文書60の編集画面の第1の例を示す図である。上述のように、元文書60を編集するためのアプリケーションは文書管理部54から提供される。本実施形態では、当該編集画面において、元文書60に付されたアノテーション62には、それぞれ公開設定アイコン70が表示される。文書管理者が公開設定アイコン70を操作(例えばクリック)すると、当該アノテーション62に対する公開設定情報の付与/非付与を切り替えることができる。また、公開設定アイコン70は、当該アノテーション62に公開設定情報が付与されているか否かを示すものでもある。具体的には、公開設定情報が付与されたアノテーション62と、公開設定情報が付与されていないアノテーション62には、互いに異なる表示態様の公開設定アイコン70が表示される。例えば、図8に示すように、公開設定情報が付与されているアノテーション62aには、公開マークが示された公開設定アイコン70aが表示され、公開設定情報が付与されていないアノテーション62bには、非公開マークが示された公開設定アイコン70bが表示される。
【0050】
図8に示された状態から公開設定アイコン70aを1回操作すると、公開設定アイコン70aは非公開マークに切り替わり、アノテーション62aから公開設定情報が除去される。また、図8に示された状態から公開設定アイコン70bを1回操作すると、公開設定アイコン70bは公開マークに切り替わり、アノテーション62bに公開設定情報が付与される。
【0051】
図9は、元文書60の編集画面の第2の例を示す図である。図9に示すように、文書管理部54から提供される元文書60を編集するためのアプリケーションには、公開設定情報が付与された付加情報を元文書60に付与するための第1操作子としての公開付加情報付与ボタン72aと、公開設定情報が付与されない付加情報を元文書60に付与するための第2操作子としての非公開付加情報付与ボタン72bとを有していてもよい。これにより、文書管理者は、公開付加情報付与ボタン72aを操作するだけで、元文書60に公開設定情報が付与された付加情報(例えばアノテーション62a)を付与することができる。すなわち、付加情報に公開設定情報を付与するための文書管理者の手間が軽減される。
【0052】
元文書60が、公開設定情報が付与された付加情報を有している場合、除去文書生成部56は、公開設定情報が付与された付加情報は除去されず、公開設定情報が付与されていない付加情報は除去された除去文書64を生成する。その上で、文書提供部58は、文書利用者から当該元文書60の要求があった場合に、公開設定情報が付与された付加情報は除去されず、公開設定情報が付与されていない付加情報は除去された除去文書64を文書利用者に提供する。
【0053】
図10は、図8に示すように公開設定情報が付与された付加情報を有する元文書60を文書利用者が要求した場合に、利用者端末14のディスプレイ34における除去文書64の表示例を示す図である。当該元文書60に付されたアノテーション62aには公開設定情報が付与されていたから、除去文書生成部56により生成された除去文書64には、アノテーション62aは除去されない。したがって、ディスプレイ34には、アノテーション62aを含む除去文書64が表示され、文書利用者にアノテーション62aが公開される(文書利用者がアノテーション62aを見ることができる)。
【0054】
このように、付加情報に公開設定情報を付与することより、文書利用者から複数の付加情報を含む元文書60の要求があった場合、その一部の付加情報を有する除去文書64を当該文書利用者に提供することができる。
【0055】
なお、元文書60に複数の付加情報が付加されている場合、除去文書64とは、その一部の付加情報が除去された文書(一部の付加情報が残った)を含む概念である。すなわち、除去文書64とは、元文書60が有する全ての付加情報が除去された文書のみを意味するものではない。
【0056】
また、文書利用者からの元文書60の要求を受け付けるに先立って、除去文書生成部56が、予め元文書60の複製文書から付加情報を除去して除去文書64を生成している場合、除去文書生成部56は、文書管理者によって元文書60が編集されて当該元文書60が有する付加情報に公開設定情報が付与される度に、元文書60を複製し、複製文書から公開設定情報が付与されていない付加情報が除去された除去文書64(換言すれば公開設定情報が付与された付加情報が除去されずに残された除去文書64)を生成し直す。これにより、いつ文書利用者から当該元文書60の要求が来たとしても、文書管理者が公開設定情報を付与した付加情報を有し、公開設定情報が付与されていない付加情報を除去した除去文書64を文書利用者に提供することができる。
【0057】
また、公開設定情報が付与された付加情報には、さらに、当該付加情報を閲覧可能な文書利用者を示す閲覧可能者情報が付与されていてもよい。閲覧可能者情報としては、例えば、当該付加情報を閲覧可能な文書利用者のユーザIDを示すものであってもよいし、当該付加情報を閲覧可能なユーザグループ(例えばある部に属するユーザなど)を示すものであってもよいし、当該付加情報を閲覧可能なロール(例えば部長やあるプロジェクトのプロジェクトリーダなど)を示すものであってもよい。
【0058】
本実施形態では、閲覧可能者情報は、文書管理者によって付与される。なお、閲覧可能者も、文書管理部54によって付与されてもよい。例えば、文書管理部54は、当該元文書60の文書管理者の属性に応じて、付加情報に閲覧可能者情報を付与するようにしてもよい。例えば、文書管理部54は、当該文書管理者と同じ会社に属する文書利用者が閲覧可能であることを示す閲覧可能者情報を当該アノテーション62に付与することができる。また、例えば、文書管理部54は、アノテーション62として元文書60に付加されたテキストの解析結果、及び、当該元文書60の文書管理者の属性に応じて、付加情報に閲覧可能者情報を付与するようにしてもよい。例えば、アノテーション62に「社外秘」などの文字列が含まれている場合、当該文書管理者と同じ会社に属する文書利用者が閲覧可能であることを示す閲覧可能者情報を当該アノテーション62に付与することができる。
【0059】
公開設定情報に閲覧可能者情報が付与されている場合、除去文書生成部56は、文書利用者から元文書60の要求があった場合に、ユーザDB44を参照して、当該文書利用者が閲覧可能であることを示す閲覧可能者情報が付与された付加情報は除去されず、当該文書利用者が閲覧不可であることを示す閲覧可能者情報が付与された付加情報は除去された除去文書64を生成する。そして、文書提供部58は、当該除去文書64を当該文書利用者に提供する。
【0060】
これにより、公開設定情報が付与されている付加情報であっても、当該付加情報に付与された当該閲覧可能者情報が、元文書60を要求した文書利用者が当該付加情報を閲覧不可能であることを示している場合には、当該付加情報は当該文書利用者には公開されない。つまり、付加情報に閲覧可能者情報を付与することで、文書利用者から複数の付加情報を含む元文書60の要求があった場合、その一部の付加情報を有する元文書60を適切な(閲覧可能者情報が示す)文書利用者に提供することができる。
【0061】
本実施形態に係るサーバ16の概要は以上の通りである。以下、図11に示すフローチャートに従って、サーバ16の処理の流れを説明する。図11のフローチャートの開始時点において、複数の付加情報が付加された元文書60が文書管理者によってサーバ16に送られ、当該元文書60が共有領域48に記憶されているとする。
【0062】
ステップS10において、サーバ16は、認証したユーザから元文書60の要求を受け付ける。
【0063】
ステップS12において、文書提供部58は、ステップS10で認証したユーザのユーザIDと、文書DB46とに基づいて、ステップS10でサーバ16に元文書60を要求したユーザが文書管理者であるか否かを判定する。
【0064】
元文書60を要求したユーザが文書管理者である場合はステップS14に進み、文書提供部58は、付加情報を有する元文書60を当該文書管理者に提供して処理を終了する。元文書60を要求したユーザが文書管理者でない場合、すなわち、元文書60の要求を送信したユーザが文書利用者である場合はステップS16に進む。
【0065】
ステップS16において、除去文書生成部56は、元文書60を複製して複製文書を生成する。その上で、複製文書から一旦全ての付加情報を削除する。
【0066】
ステップS18において、除去文書生成部56は、元文書60が有する複数の付加情報のうち1つの付加情報を選択する。
【0067】
ステップS20において、除去文書生成部56は、ステップS18で選択した付加情報に公開設定情報が付与されているか否かを判定する。公開設定情報が付与されていない場合は、ステップS22及びS24の処理をバイパスしてステップS26に進む。公開設定情報が付与されている場合はステップS22に進む。
【0068】
ステップS22において、除去文書生成部56は、ステップS18で選択した付加情報に付与された閲覧可能者情報が、ステップS10で元文書60を要求した文書利用者が当該付加情報を閲覧可能であることを示しているか否かを判定する。当該文書利用者が当該付加情報を閲覧不可能であることを閲覧可能者情報が示している場合は、ステップS24の処理をバイパスしてステップS26に進む。当該文書利用者が当該付加情報を閲覧可能であることを閲覧可能者情報が示している場合、又は、当該付加情報に閲覧可能者情報が付与されていない場合は、ステップS24に進む。
【0069】
ステップS24において、除去文書生成部56は、ステップS18で選択した付加情報を複製文書に付加する(戻す)。
【0070】
ステップS26において、除去文書生成部56は、元文書60が有する付加情報であって、ステップS18~S24の処理を行っていない未処理の付加情報があるか否かを判定する。未処理の付加情報が有る場合は、ステップS18に戻り、再度のステップS18において、元文書60が有する他の付加情報が選択され、選択された付加情報についてステップS20~S24の処理が繰り返される。未処理の付加情報が無い場合はステップS28に進む。
【0071】
ステップS28において、文書提供部58は、ステップS10で元文書60を要求した文書利用者に対して、ステップS16~S24の処理によって除去文書生成部56により生成された除去文書64を提供する。
【0072】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
10 情報処理システム、12 管理者端末、14 利用者端末、16 サーバ、18 通信回線、20,30,40 通信インターフェース、22,32 入力インターフェース、24,34 ディスプレイ、26,36,42 メモリ、28,38,50 プロセッサ、44 ユーザDB、46 文書DB、48 共有領域、52 認証部、54 文書管理部、56 除去文書生成部、58 文書提供部、60 元文書、62 アノテーション、64 除去文書、70 公開設定アイコン、72a 公開付加情報付与ボタン、72b 非公開付加情報付与ボタン。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図9
図10
図11