(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】ヘッドロック装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/04 20060101AFI20250304BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
G03G15/04 111
G03G21/16 147
(21)【出願番号】P 2021137430
(22)【出願日】2021-08-25
【審査請求日】2024-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大地
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-156321(JP,A)
【文献】特開2014-191290(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0247717(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1979353(CN,A)
【文献】独国特許出願公開第04213243(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 13/04
G03G 13/045
G03G 13/056
G03G 15/00
G03G 15/04 -15/043
G03G 15/047
G03G 15/056
G03G 21/16 -21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)装置本体内において移動自在に配設され、露光装置と連携させられ、移動に伴って露光装置を複数の位置に置く保持部材と、
(b)該保持部材と装置本体のフレームとの間に配設され、前記露光装置を、露光装置がロックされるロック位置に置くためのロック部材とを有するとともに、
(c)該ロック部材は、付勢部材によって、露光装置のロックが解除される方向に付勢され
、前記露光装置がロック位置に置かれたときに前記フレームと係合させられることを特徴とするヘッドロック装置。
【請求項2】
前記ロック部材は、前記フレームに形成されたフレーム孔の内周縁と係合させられる係合突起を備える請求項
1に記載のヘッドロック装置。
【請求項3】
(a)前記ロック部材は、前記保持部材に形成された支持軸に対して回動自在に配設され、
(b)前記付勢部材は、ロック部材の回動に伴って変形させられる弾性部である請求項
2に記載のヘッドロック装置。
【請求項4】
(a)前記係合突起に、前記フレーム孔の内周縁と係合させられる係合面が形成され、
(b)該係合面と前記フレーム孔の内周縁との間の摩擦力によって前記ロック部材に発生させられるトルクが、前記付勢部材による付勢力によって前記ロック部材に発生させられるトルクより大きくされる請求項3に記載のヘッドロック装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のヘッドロック装置を有する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッドロック装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、電子写真式のプリンタには、画像形成ユニットが配設され、該画像形成ユニットにおいて、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面が露光装置としてのLEDヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、該静電潜像がトナーによって現像されてトナー像が形成され、該トナー像が転写ローラによって用紙に転写されるようになっている。
【0003】
そして、プリンタに配設された定着器において前記トナー像が用紙に定着させられることによって画像が形成され、印刷が行われる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、LEDヘッドを所定の位置に移動させた状態でプリンタのメンテナンスを行う必要が生じた場合に、LEDヘッドをロックしたり、LEDヘッドのロックを解除したりするためのヘッドロック装置の操作性を向上させる必要がある。
【0006】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、画像形成装置のメンテナンスを行う際のヘッドロック装置の操作性を向上させることができるヘッドロック装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのために、本発明のヘッドロック装置においては、装置本体内において移動自在に配設され、露光装置と連携させられ、移動に伴って露光装置を複数の位置に置く保持部材と、該保持部材と装置本体のフレームとの間に配設され、前記露光装置を、露光装置がロックされるロック位置に置くためのロック部材とを有する。
【0008】
そして、該ロック部材は、付勢部材によって、露光装置のロックが解除される方向に付勢され、前記露光装置がロック位置に置かれたときに前記フレームと係合させられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ヘッドロック装置においては、装置本体内において移動自在に配設され、露光装置と連携させられ、移動に伴って露光装置を複数の位置に置く保持部材と、該保持部材と装置本体のフレームとの間に配設され、前記露光装置を、露光装置がロックされるロック位置に置くためのロック部材とを有する。
【0010】
そして、該ロック部材は、付勢部材によって、露光装置のロックが解除される方向に付勢され、前記露光装置がロック位置に置かれたときに前記フレームと係合させられる。
【0011】
この場合、露光装置がロック位置に置かれると、ロック部材は、付勢部材によって、露光装置のロックが解除される方向に付勢されるので、画像形成装置のメンテナンスを行う際に露光装置をロックしたり、露光装置のロックを解除したりするためのヘッドロック装置の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態におけるヘッドロック装置の力学モデルを説明するための図である。
【
図2】本発明の実施の形態におけるプリンタの第1の斜視図である。
【
図3】本発明の実施の形態におけるプリンタの第2の斜視図である。
【
図4】本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【
図5】本発明の実施の形態におけるフロントカバーを開いたときのプリンタの状態を示す第1の斜視図である。
【
図6】本発明の実施の形態における装置本体から画像形成ユニットを取り外したときのプリンタの状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の実施の形態におけるフロントカバーを開いたときのプリンタの状態を示す第2の斜視図である。
【
図8】本発明の実施の形態におけるフロントカバーを開いたときの左側壁側の連携機構の状態を示す図である。
【
図9】本発明の実施の形態におけるフロントカバーを閉じたときの左側壁側の連携機構の状態を示す図である。
【
図10】本発明の実施の形態における左側壁側の連携機構の要部斜視図である。
【
図11】本発明の実施の形態における左側壁側の連携機構のインナパネルへの取付状態を説明するための要部分解図である。
【
図12】本発明の実施の形態における装置本体内におけるヘッドホルダの配設状態を示す斜視図である。
【
図13】本発明の実施の形態におけるLEDヘッドが露光位置に置かれたときのプリンタの状態を示す斜視図である。
【
図14】本発明の実施の形態におけるLEDヘッドが退避位置に置かれたときのプリンタの状態を示す斜視図である。
【
図15】本発明の実施の形態におけるヘッドホルダの斜視図である。
【
図16】本発明の実施の形態におけるLEDヘッドがヘッドホルダによって保持された状態を示す正面図である。
【
図17】本発明の実施の形態におけるLEDヘッドがヘッドホルダによって保持された状態を示す断面図である。
【
図18】本発明の実施の形態におけるカムの正面図である。
【
図19】本発明の実施の形態におけるカムの平面図である。
【
図20】本発明の実施の形態におけるロックレバーの正面図である。
【
図21】本発明の実施の形態におけるロックレバーの平面図である。
【
図22】本発明の実施の形態におけるLEDヘッドが露光位置に置かれたときのヘッドロック装置の状態を示す正面図である。
【
図24】本発明の実施の形態におけるLEDヘッドがロック位置に置かれたときのヘッドロック装置の状態を示す正面図である。
【
図26】本発明の実施の形態におけるLEDヘッドのロックが解除されたときのヘッドロック装置の状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0014】
図2は本発明の実施の形態におけるプリンタの第1の斜視図、
図3は本発明の実施の形態におけるプリンタの第2の斜視図、
図4は本発明の実施の形態におけるプリンタの概念図である。なお、
図2及び3において、X軸正方向はプリンタ10における後方向であり、X軸負方向はプリンタ10における前方向であり、Y軸正方向はプリンタ10における左方向であり、Y軸負方向はプリンタ10における右方向であり、Z軸正方向はプリンタ10における上方向であり、Z軸負方向はプリンタ10における下方向である。
【0015】
図において、10はプリンタ、Bdはプリンタ10の本体、すなわち、装置本体、Csは、プリンタ10の装置外装としての、装置本体Bdを包囲する筐体である。
【0016】
該筐体Csは、前壁Wf、背壁Wr、前壁Wfの正面から見て左側に配設された第1の壁部材としての、かつ、第1の側壁としての左側壁Ws1、前壁Wfの正面から見て右側に配設された第2の壁部材としての、かつ、第2の側壁としての右側壁Ws2、及び頂壁Wtを備える。
【0017】
前記前壁Wfの上半部Wfaから頂壁Wtの前半部WtbにかけてフロントカバーPfが開閉自在に配設され、該フロントカバーPfを開くことによって、プリンタ10の第1の操作者としてのプリンタ操作者が、装置本体Bdにアクセスし、画像形成ユニット(現像装置)20を、装置本体Bdに対して装脱したり、装置本体Bdに取り付けたり、ジャムを発生させた媒体としての用紙Pを取り出したり、プリンタ10の第2の操作者としての保守・管理者が、装置本体Bd内の各部位の保守を行う等のメンテナンスを行ったりすることができる。また、前記前壁Wfの下半部に、媒体収容部としての用紙カセット22のフロントパネル22fが開閉自在に配設される。なお、本実施の形態においては、用紙Pとしてカット紙が使用されるようになっているが、カット紙に代えてロール紙、ファンフォールディング紙等を使用することもできる。
【0018】
前記頂壁Wtにおける前壁Wf及び右側壁Ws2に隣接する部分には操作パネル65が配設される。該操作パネル65は、プリンタ10の状態を表示するためのLED画面等から成る表示部66、及びプリンタ操作者がプリンタ10への指示を入力するためのスイッチ、キー等から成る操作部67を備える。なお、操作パネル65がタッチパネルによって形成される場合、操作パネル65は表示部として機能するとともに、操作部としても機能する。また、頂壁Wtにおける中央部から背壁Wrにかけて、媒体積載部としてのスタッカskが形成され、該スタッカskに臨ませて、画像が形成された用紙Pを装置本体Bd外に排出するための排出口Hh1が形成され、該排出口Hh1に、排出部材としての排出ローラ対26が回転自在に配設される。
【0019】
さらに、頂壁Wtにおける左側壁Ws1に隣接する部分にトップカバーPtが開閉自在に配設され、プリンタ操作者は、該トップカバーPtを開くことによって左側壁Ws1内にアクセスすることができる。
【0020】
そして、前記筐体Cs内において、前記画像形成ユニット20及び前記用紙カセット22が装置本体Bdに対して着脱自在に配設されるとともに、露光装置としてのLEDヘッド21が、上下方向に移動自在に、かつ、着脱自在に配設され、画像形成ユニット20の下方に転写部材としての転写ローラ24が回転自在に配設され、画像形成ユニット20に隣接させて定着装置としての定着器25が配設される。
【0021】
画像形成ユニット20は、本体部20a、及び現像剤としてのトナーを収容する現像剤収容部としてのトナー収容部17を備える。前記本体部20a内におけるトナー収容部17の下方に現像剤貯蔵部としてのトナー貯蔵部18が形成され、該トナー貯蔵部18に、トナー収容部17から供給されたトナーが貯蔵される。
【0022】
前記画像形成ユニット20は、像担持体としての感光体ドラム11、該感光体ドラム11と対向させて回転自在に配設され、感光体ドラム11にトナーを付着させて現像剤像としてのトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ12、該現像ローラ12にトナーを供給する現像剤供給部材としての供給ローラ13、前記感光体ドラム11と対向させて回転自在に配設され、感光体ドラム11の表面を一様に帯電させる帯電装置としての帯電ローラ14、先端を前記現像ローラ12に押し当てて配設され、現像ローラ12上に供給されたトナーを薄層化し、トナー層を形成する現像剤規制部材としての現像ブレード19、前記感光体ドラム11上の転写残現像剤としての残留トナーを掻き取り、除去するクリーニング部材としてのクリーニングブレード15、及び該クリーニングブレード15によって掻き取られ、除去された残留トナーを廃棄現像剤である廃トナーとして搬送する廃棄現像剤搬送路としての廃トナー搬送路16を備える。
【0023】
前記LEDヘッド21は、本体部20aの上方において感光体ドラム11と対向させて配設され、帯電ローラ14によって帯電させられた感光体ドラム11を画像データに基づいて露光し、感光体ドラム11の表面に潜像としての静電潜像を形成する。前記現像ローラ12は、トナーを静電潜像に付着させることによって感光体ドラム11を露光し、感光体ドラム11上にトナー像を形成する。
【0024】
前記転写ローラ24は、前記本体部20aの下方において感光体ドラム11と対向させて配設され、感光体ドラム11上のトナー像を、用紙カセット22から供給された用紙Pに転写する。
【0025】
前記定着器25は、第1の定着部材としての加熱ローラR1、及び第2の定着部材としての加圧ローラR2を備え、加熱ローラR1内に、図示されないハロゲンランプ等の発熱体が配設される。定着器25において、用紙Pに転写されたトナー像が、加熱ローラR1によって加熱され、加圧ローラR2によって加圧されて、用紙Pに定着させられる。
【0026】
また、
図4において、27は、フィルム等によって形成され、先端を現像ローラ12に押し当てて配設されたシール部材であり、該シール部材27は、トナー貯蔵部18内のトナーが本体部20a外に漏れるのを防止する。
【0027】
前記感光体ドラム11、現像ローラ12、供給ローラ13、帯電ローラ14及び転写ローラ24はそれぞれ矢印方向に回転させられる。
【0028】
前記用紙カセット22内の用紙Pは、繰出しローラ23によって媒体搬送路Rt1に矢印A方向に繰り出され、搬送部材としての搬送ローラm1によって搬送され、感光体ドラム11と転写ローラ24との間(ニップ部)を矢印B方向に搬送されてトナー像が転写され、定着器25においてトナー像が定着させられて画像が形成される。続いて、用紙Pは、矢印C方向に搬送され、前記排出ローラ対26によって排出口Hh1を介して矢印D方向に(装置本体Bd外に)排出され、スタッカskに積載される。
【0029】
ところで、例えば、プリンタ操作者が、前記フロントカバーPfを開き、装置本体Bdに対して画像形成ユニット20を装脱する際に、誤ってLEDヘッド21に触れたり、LEDヘッド21に衝撃を加えたりすると、LEDヘッド21が損傷してしまう。そこで、本実施の形態においては、フロントカバーPfが開かれるのに伴って、後述される連携機構33(
図8)によってLEDヘッド21が移動させられ、退避位置に置かれるようになっている。
【0030】
図5は本発明の実施の形態におけるフロントカバーを開いたときのプリンタの状態を示す第1の斜視図、
図6は本発明の実施の形態における装置本体から画像形成ユニットを取り外したときのプリンタの状態を示す斜視図、
図7は本発明の実施の形態におけるフロントカバーを開いたときのプリンタの状態を示す第2の斜視図、
図8は本発明の実施の形態におけるフロントカバーを開いたときの左側壁側の連携機構の状態を示す図、
図9は本発明の実施の形態におけるフロントカバーを閉じたときの左側壁側の連携機構の状態を示す図、
図10は本発明の実施の形態における左側壁側の連携機構の要部斜視図、
図11は本発明の実施の形態における左側壁側の連携機構のインナパネルへの取付状態を説明するための要部分解図、
図12は本発明の実施の形態における装置本体内におけるヘッドホルダの配設状態を示す斜視図、
図13は本発明の実施の形態におけるLEDヘッドが露光位置に置かれたときのプリンタの状態を示す斜視図、
図14は本発明の実施の形態におけるLEDヘッドが退避位置に置かれたときのプリンタの状態を示す斜視図、
図15は本発明の実施の形態におけるヘッドホルダの斜視図、
図16は本発明の実施の形態におけるLEDヘッドがヘッドホルダによって保持された状態を示す正面図、
図17は本発明の実施の形態におけるLEDヘッドがヘッドホルダによって保持された状態を示す断面図である。なお、
図5~9において、X軸正方向はプリンタ10における後方向であり、X軸負方向はプリンタ10における前方向であり、Y軸正方向はプリンタ10における左方向であり、Y軸負方向はプリンタ10における右方向であり、Z軸正方向はプリンタ10における上方向であり、Z軸負方向はプリンタ10における下方向である。
【0031】
図において、10はプリンタ、Wfは前壁、Wrは背壁、Ws1は左側壁、Ws2は右側壁、Wtは頂壁、Pfはフロントカバー、Wfaは前壁Wfの上半部、Wtbは頂壁Wtの前半部、Bdは装置本体、21はLEDヘッド、30は保護部材としての目隠し板金、31は、フロントカバーPfの所定の箇所、本実施の形態においては、上半部Wfaの左右側縁に突出させて形成された係合部としての突起、33は、左側壁Ws1及び右側壁Ws2にそれぞれ配設され、プリンタ操作者によるフロントカバーPfの操作に伴ってLEDヘッド21を移動させる連携機構である。
【0032】
前記目隠し板金30は、左右方向に延在させて、かつ、装置本体Bdに対して移動不能に配設され、第3の連携部材としての後述されるヘッドホルダ45、ケーブルとしての可撓性印刷ケーブル(FFC)53等から成る露光ユニットを覆うとともに、前記ヘッドホルダ45によって保持されたLEDヘッド21及び可撓性印刷ケーブル53を保護する。
【0033】
前記左側壁Ws1及び右側壁Ws2は、二重構造を有し、それぞれ、装置本体Bdの第1のフレームとしてのインナパネルIn1、In2、及びインナパネルIn1、In2を覆う、装置本体Bdの第2のフレームとしてのアウタパネルOu1、Ou2を備え、インナパネルIn1、In2とアウタパネルOu1、Ou2との間において、前記連携機構33がインナパネルIn1、In2に取り付けられる。
【0034】
次に、連携機構33について説明する。
【0035】
なお、左側壁Ws1に配設された連携機構33、及び右側壁Ws2に配設された連携機構33は、保持部材としての、かつ、被案内部材としての後述されるカム41の形状が異なるだけで構造はほぼ同じであるので、
図8~11においては、左側壁Ws1に配設された連携機構33だけを図示して説明し、右側壁Ws2に配設された連携機構33については図示及び説明を省略する。
【0036】
本実施の形態においては、プリンタ操作者がフロントカバーPfを開くのに伴って、各連携機構33によってヘッドホルダ45が上方に移動させられ、LEDヘッド21が、目隠し板金30の後方の所定の位置に置かれ、目隠し板金30によって保護される。
【0037】
そのために、各連携機構33は、フロントカバーPfの開閉に伴って前後方向(X軸方向)に移動自在に配設された第1の連携部材としてのカム部材35、該カム部材35の移動に伴って装置本体Bdに対して揺動自在に配設された第2の連携部材としてのレバー部材36、及び装置本体Bdの左側壁Ws1及び右側壁Ws2間に延在させて配設され、レバー部材36の揺動に伴って上下方向(Z軸方向)に移動自在に配設された前記ヘッドホルダ45を備える。
【0038】
前記カム部材35はカム41を備え、該カム41の前端に、前記突起31と当接させられる当接面s1が形成され、カム41の前端から後端にかけて被係合部としてのシャフト溝dt1が貫通させて形成され、該シャフト溝dt1より後端側に、上下方向に延びる案内部としての長穴h1が形成される。そして、前記左側壁Ws1及び右側壁Ws2のインナパネルIn1、In2における前記シャフト溝dt1に対応する位置に、前後方向に所定の間隔を置いてそれぞれアウタパネルOu1、Ou2に向けて突出させて、係合部材としての、かつ、案内部材としての一対のガイドシャフトps1、ps2が形成される。前記カム41はガイドシャフトps1、ps2に沿って移動自在に配設され、カム41が移動する間、ガイドシャフトps1、ps2はシャフト溝dt1内に収容される。
【0039】
したがって、ガイドシャフトps1、ps2がシャフト溝dt1内を移動するのに伴って、カム41が案内され、カム部材35は前後方向に移動させられる。なお、ガイドシャフトps1、ps2がシャフト溝dt1から外れないように、ガイドシャフトps1、ps2の先端に、固定部材としてのEリングegがスペーサとしてのワッシャwsを介して係止させられる。
【0040】
前記レバー部材36は「く」字状の形状を有するレバー43を備え、該レバー43のカム部材35側の端部に、前記長穴h1に沿って移動させられる係止部材としてのガイドシャフトps3が前記カム41に向けて突出させて形成され、レバー43の中央部に、筒状の形状を有するスリーブSL1が、インナパネルIn1、In2側及びアウタパネルOu1、Ou2側に向けて突出させて形成され、レバー43のヘッドホルダ45側の端部に、前記スリーブSL1から径方向外方に向けて延在させて案内部としての長穴h2が形成される。そして、前記インナパネルIn1、In2における前記スリーブSL1に対応する位置に、レバー部材36を支持する揺動軸sh1が、それぞれアウタパネルOu1、Ou2に向けて突出させて、かつ、スリーブSL1を貫通させて配設される。また、スリーブSL1におけるインナパネルIn1、In2側に突出する部分に、第1の付勢部材としてのトーションスプリングsp1が外嵌され、該トーションスプリングsp1の一端がレバー部材36の所定の箇所に、他端がインナパネルIn1、In2の所定の箇所に係止させられる。これにより、レバー部材36は矢印E方向(
図8及び9における時計回り方向)に付勢され、それに伴い、カム部材35は前方に向けて付勢される。
【0041】
前記各カム部材35が前後方向に移動させられると、前記ガイドシャフトps3が長穴h1に沿って移動させられ、レバー部材36が装置本体Bdに対して揺動させられる。
【0042】
前記ヘッドホルダ45は、
図15~17に示されるように、左右方向に延在させて形成された本体部75、及び該本体部75の両端、すなわち、前記左側壁Ws1及び右側壁Ws2側の各端部に、本体部75から垂下させて形成された保持部45a、45bを備え、該保持部45a、45b間の領域Ar1にLEDヘッド21が収容され、保持される。
【0043】
そのために、前記保持部45a、45bは、本体部75から垂下させて形成された係止片am1、am2を備え、LEDヘッド21は、両端において立ち上げて形成された被係止部21a、21bを備える。前記係止片am1、am2の爪ne1、ne2を被係止部21a、21bに係止させることによって、ヘッドホルダ45によってLEDヘッド21が保持される。
【0044】
前記ヘッドホルダ45の各保持部45a、45bより中央寄りの保持部45a、45bに隣接する箇所に、付勢部材ホルダとしてのスプリング座sph1、sph2が垂下させて形成され、該スプリング座sph1、sph2に第2の付勢部材としての、かつ、接地部材としてのヘッド接地ばね55が配設される。該ヘッド接地ばね55は、LEDヘッド21を接地させるとともに、所定の付勢力でLEDヘッド21を感光体ドラム11(
図4)に向けて付勢する。
【0045】
また、前記保持部45a、45bの端面に、一対のホルダボスbs1、bs2が所定の間隔を置いてインナパネルIn1、In2に向けて突出させて形成され、インナパネルIn1、In2に、上下方向(Z軸方向)に延在させてガイド溝dt2が形成される。
【0046】
したがって、ヘッドホルダ45は、各ホルダボスbs1、bs2をガイド溝dt2に沿って摺動させながら、また、各ホルダボスbs1、bs2のうちの一方、本実施の形態においては、下方のホルダボスbs1を前記長穴h2に沿って摺動させながら、上下方向に移動させられる。
【0047】
前記レバー部材36が装置本体Bdに対して揺動させられると、前記各ホルダボスbs1が長穴h2に沿って移動させられ、ヘッドホルダ45は、目隠し板金30の後方でガイド溝dt2に沿って上下方向に移動させられ、LEDヘッド21がヘッドホルダ45とともに上下方向に移動させられる。
【0048】
本実施の形態においては、プリンタ10に上位装置としての図示されないホストコンピュータから印刷データが送られ、図示されない制御部において印刷データが編集されて画像データが生成され、該画像データがLEDヘッド21に送られ、LEDヘッド21が駆動される。そのために、プリンタ10の装置本体Bd内には、前記制御部を構成する基板としての制御基板51が配設され、該制御基板51とLEDヘッド21とが、前記可撓性印刷ケーブル53を介して電気的に接続される。可撓性印刷ケーブル53は、LEDヘッド21から後方に向けて湾曲して延び、続いて前方に湾曲して上方に延び、さらに後方に向けて延び、制御基板51に接続される。
【0049】
次に、前記連携機構33の動作について説明する。
【0050】
図8に示されるようにプリンタ操作者によってフロントカバーPfが開かれると、前記トーションスプリングsp1が付勢力によってカム部材35を前方に移動させ、レバー部材36が矢印E方に回動させられる。これにより、ヘッドホルダ45は上方に移動させられ、LEDヘッド21が、露光位置から退避させられ、退避位置に置かれ、
図14に示されるように退避位置において目隠し板金30によって覆われる。
【0051】
したがって、例えば、プリンタ操作者が装置本体Bdに対して画像形成ユニット20を装脱する際に、誤ってLEDヘッド21に触れたり、LEDヘッド21に衝撃を加えたりすることがないので、LEDヘッド21が損傷するのを防止することができる。
【0052】
フロントカバーPfが閉じられると、前記突起31がトーションスプリングsp1の付勢力に抗してカム部材35を後方に移動させ、レバー部材36が
図8及び9における反時計回り方向に回動させられる。これにより、ヘッドホルダ45は下方に移動させられ、LEDヘッド21が、
図13に示されるように、前記感光体ドラム11(
図4)の表面を露光する露光位置に置かれる。
【0053】
ところで、例えば、プリンタ10の保守・管理者が、ヘッドホルダ45、可撓性印刷ケーブル53等から成る露光ユニットを、取り外し、点検した後に再び取り付けたり、交換したりして露光ユニットの保守を行う等の、プリンタ10のメンテナンスを行うことがある。その場合、保守作業が複雑であるので、保守作業の手順を誤ると露光ユニットが破損してしまうことがある。
【0054】
そこで、LEDヘッド21の移動方向における所定の位置、本実施の形態においては、前記露光位置よりわずかに下方にロック位置が設定されるとともに、前記各連携機構33と前記筐体Csの所定の箇所、本実施の形態においては、インナパネルIn1、In2との間にヘッドロック装置が配設され、保守・管理者が、プリンタ10のメンテナンスを行う際にヘッドロック装置を作動させることによって、LEDヘッド21をロック位置に置いてロックすることができるようになっている。したがって、LEDヘッド21は、ロック位置に置かれてロックされると、移動不能になり、上方の退避位置等に移動することがなく、安定した状態に置かれるので、露光ユニットの保守作業が簡素化される。
【0055】
次に、左側壁Ws1側の連携機構33に形成されたヘッドロック装置について説明する。
【0056】
図1は本発明の実施の形態におけるヘッドロック装置の力学モデルを説明するための図、
図18は本発明の実施の形態におけるカムの正面図、19は本発明の実施の形態におけるカムの平面図、
図20は本発明の実施の形態におけるロックレバーの正面図、
図21は本発明の実施の形態におけるロックレバーの平面図、
図22は本発明の実施の形態におけるLEDヘッドが露光位置に置かれたときのヘッドロック装置の状態を示す正面図、
図23は
図22のX-X断面図、
図24は本発明の実施の形態におけるLEDヘッドがロック位置に置かれたときのヘッドロック装置の状態を示す正面図、
図25は
図24のY-Y断面図、
図26は本発明の実施の形態におけるLEDヘッドのロックが解除されたときのヘッドロック装置の状態を示す正面図、
図27は
図26のZ-Z断面図である。なお、
図18~27において、X軸正方向はプリンタ10における後方向であり、X軸負方向はプリンタ10における前方向であり、Y軸正方向はプリンタ10における左方向であり、Y軸負方向はプリンタ10における右方向であり、Z軸正方向はプリンタ10における上方向であり、Z軸負方向はプリンタ10における下方向である。
【0057】
図において、33は連携機構、41はカム、43はレバー、45はヘッドホルダ、dt1はシャフト溝、h1は長穴、45はヘッドホルダ、In1はインナパネル、ps1~3はガイドシャフト、bs1、bs2はホルダボス、71は、前記カムとインナパネルIn1との間に配設され、LEDヘッド21(
図8)を前記ロック位置に置くためのロック部材としてのロックレバーである。なお、前記カム41及びロックレバー71によって、LEDヘッド21をロックするためのヘッドロック装置が構成される。
【0058】
前記カム41は、当接面s1が形成された前端から長穴h1が形成された後端にかけて延在させて配設され、前端から中央部にかけて高さ方向における幅が狭くされた第1のカム部41a、中央部から後端にかけて高さ方向における幅が広くされた第2のカム部41b、及び中央部において第1、第2のカム部41a、41b間を結び、幅が変化させられた第3のカム部41cを備え、前記シャフト溝dt1が、カム41の前端から長穴h1までのカム41のほぼ全体にわたって延在させられる。
【0059】
また、前記カム41は、第1、第3のカム部41a、41cにおいて厚くされ、第1、第3のカム部41a、41cの上面Saにおいてロックレバー71を揺動自在に支持する。そのために、前記上面Saにおける所定の箇所、本実施の形態においては、第1のカム部41aの後端部分に、ロックレバー71を支持するための支持軸sh2が上方に向けて突出させて形成される。該支持軸sh2の上端における前半部に、ロックレバー71がカム41から抜け落ちるのを防止するための、半円形の形状を有する突出縁eg1が前方に突出させて形成される。
【0060】
そして、前記上面Saにおける所定の箇所、本実施の形態においては、第1のカム部41aの前端部分におけるアウタパネルOu1側(Y軸正方向側)の縁部に、前記ロックレバー71の、
図23における時計周り方向における回動範囲を規制するための第1の規制部としての規制突起73が形成され、上面Saにおける所定の箇所、本実施の形態においては、第3のカム部41cの後端部分に、前記ロックレバー71の、図における反時計周り方向における回動範囲を規制するための第2の規制部としての規制突起74が形成される。
【0061】
前記規制突起73は、前後方向に所定の長さ及び所定の高さで形成された平坦な形状を有し、前記規制突起74は、「L」字状の形状を有するとともに、前後方向に所定の長さ及び所定の高さで形成された平坦な形状を有する突起部74a、及び該突起部74aから第3のカム部41cのインナパネルIn1側に向けて形成されたリブ74bを備える。
【0062】
前記ロックレバー71は、樹脂材料によって形成され、前記支持軸sh2を収容し、支持軸sh2に外嵌される軸受け部76、該軸受け部76から前方に向けて、前記第1のカム部41aに沿って延在させられる第1の腕部Ap1、及び前記軸受け部76から後方に向けて、前記第3のカム部41cに沿って延在させられる第2の腕部Ap2を備える。
【0063】
前記軸受け部76は、支持軸sh2を収容する支持軸収容穴h3を備え、該支持軸収容穴h3は、支持軸収容穴h3の前半側に形成され、支持軸sh2の外径よりわずかに大きい内径を有し、支持軸sh2を揺動自在に支持する支持部ha、及び支持軸収容穴h3の後半側に形成され、支持軸sh2の外径より十分に大きい内径を有し、ロックレバー71を支持軸sh2から取り外すための径大部hbを備える。前記支持軸sh2を支持部ha内に位置させると、支持軸sh2の突出縁eg1と支持部haの内周縁とが係合させられるので、ロックレバー71がカム41から抜け落ちることがない。
【0064】
また、前記第1の腕部Ap1の長さ方向における所定の箇所、本実施の形態においては、前端fegの近傍に、インナパネルIn1側に向けて突出させて係合突起78が形成される。該係合突起78は、山形形状を有し、LEDヘッド21がロック位置に置かれたときに、インナパネルIn1の所定の位置に形成されたフレーム孔h4内に進入し、インナパネルIn1と係合させられる。
【0065】
そのために、係合突起78の前方の傾斜面が「L」字状に切り欠かれ、切欠き部81が形成される。該切欠き部81は、インナパネルIn1に対して所定の角度で前方斜め右方に延在させて形成され、フレーム孔h4の内周縁と係合させられる係合面Sb、及び該係合面Sbとほぼ直交させて形成され、インナパネルIn1と当接させられる当接面Scから成る。
【0066】
さらに、前記第1の腕部Ap1のアウタパネルOu1側の面に、ロックレバー71が
図23における時計周り方向に回転させられたときに規制突起73と当接し、ロックレバー71の回動範囲を規制する被規制部p1が形成される。また、前記第2の腕部Ap2の後端部には、前記インナパネルIn1に沿って後方に向けて突出させて形成された突起部から成り、前記ロックレバー71が図における反時計回り方向に回転させられたときに規制突起74に押し付けられ、ロックレバー71の回動範囲を規制する被規制部p2、及び該被規制部P2と平行に後方に向けて突出させられ、前記被規制部p2が規制突起74に押し付けられたときに変形させられ、被規制部P2に押し付けられる第3の付勢部材としての弾性部p3が形成される。
【0067】
図9に示されるようにフロントカバーPfが閉じられて、
図13に示されるようにLEDヘッド21が露光位置に置かれると、
図23に示されるように、係合突起78が、フレーム孔h4より前方の位置においてインナパネルIn1に当接させられる。
【0068】
また、プリンタ10(
図2)の保守・管理者が、露光ユニットの保守を行う等のプリンタ10のメンテナンスを行うためにフロントカバーPfを開くと、
図8に示されるようにLEDヘッド21が退避位置に置かれる。
【0069】
そして、保守・管理者が、ロックレバー71の前端fegを押してロックレバー71及びカム41を後方に移動させ、LEDヘッド21をロック位置に置くと、係合突起78がフレーム孔h4と対向させられ、続いて、保守・管理者が、ロックレバー71に外力を加え、前記弾性部p3の付勢力に抗してロックレバー71を
図25における反時計回り方向に回動させると、係合突起78がフレーム孔h4内に進入させられる。そして、前記当接面ScがインナパネルIn1と当接させられた状態で保守・管理者がロックレバー71から手を離すと、前記トーションスプリングsp1(
図10)によってカム41及びロックレバー71が前方に移動させられ、前記係合面Sbにフレーム孔h4の内周縁が押し当てられ、係合突起78がインナパネルIn1と係合させられる。
【0070】
このとき、ロックレバー71の第2の腕部Ap2において弾性部p3が、変形させられ、被規制部p2に押し付けられ、これに伴ってロックレバー71が
図25における時計回り方向に付勢されるが、係合面Sbにフレーム孔h4の内周縁が押し当てられることによって摩擦力が発生するので、係合突起78がインナパネルIn1と係合させられる状態が維持される。
【0071】
係合突起78がインナパネルIn1と係合させられたときのヘッドロック装置の力学モデルは
図1に示されるようになる。
【0072】
すなわち、係合面Sbに発生する摩擦力をFdとし、支持軸sh2の軸心、すなわち、ロックレバー71の回転中心をEとし、前記切欠き部81の係合面Sbと当接面Scとの交点をDとし、前記回転中心Eと交点Dとを結ぶ直線EDに対して垂直な方向と係合面Sbとの成す角度をθとすると、直線EDに対して垂直な方向に発生する摩擦力Fdの分力Faは、
Fa=Fd×cosθ
になる。
【0073】
そして、直線EDの長さをLedとすると、回転中心Eにおいてロックレバー71を反時計周りに回転させようとするトルクTr1
Tr1=Fa×Led
が発生させられる。
【0074】
また、弾性部p3と規制突起74との接点をGとし、該接点Gにおける弾性部p3の付勢力によって、前記回転中心Eと接点Gとを結ぶ直線EGに対して垂直な方向に発生する力をFgとし、直線EGの長さをLegとすると、前記回転中心Eにおいてロックレバー71を時計周りに回転させようとするトルクTr2
Tr2=Fg×Leg
が発生させられる。
【0075】
したがって、トルクTr1がトルクTr2より大きくなるように、回転中心E、交点D及び接点Gの位置、角度θ、弾性部p3の形状等を設定することによって、係合突起78がインナパネルIn1と係合させられる状態が維持され、LEDヘッド21がロック位置においてロックされた状態が維持される。
【0076】
そして、保守・管理者が、プリンタ10のメンテナンスを終了し、ロックレバー71の前端fegをさらに押し、ロックレバー71及びカム41をわずかに後方に移動させると、前記係合面Sbがフレーム孔h4の内周縁から離れ、摩擦力Fdが発生しなくなり、トルクTr1が発生しなくなるので、弾性部p3の付勢力によってロックレバー71は
図27に示されるように時計周りに回転させられる。したがって、係合突起78がインナパネルIn1と係合させられなくなり、LEDヘッド21のロックが解除される。
【0077】
このように、本実施の形態においては、LEDヘッド21がロック位置に置かれると、ロックレバー71は、弾性部p3によってLEDヘッド21のロックが解除される方向に付勢されるので、プリンタ10のメンテナンスを行う際に、LEDヘッド21をロックしたり、LEDヘッド21のロックを解除したりするためのヘッドロック装置の操作性を向上させることができる。
【0078】
本実施の形態においては、一つの画像形成ユニット20を備えたプリンタ10について説明したが、本発明を、複数の画像形成ユニットを備えたプリンタに適用することもできる。
【0079】
また、本実施の形態におけるプリンタ10は、トナー像を直接用紙Pに転写する直接転写方式のプリンタであるが、本発明を、トナー像を中間転写部材としてのベルトに転写し、ベルト上のトナー像を用紙Pに転写する中間転写方式のプリンタに適用することもできる。
【0080】
さらに、本実施の形態においては、LEDヘッド21が上下方向に移動させられるようになっているが、LEDヘッド21を、回動自在に配設したり、揺動自在に配設したりすることもできる。
【0081】
また、本発明を、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0082】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0083】
21 LEDヘッド
41 カム
71 ロックレバー
Bd 装置本体
In1、In2 インナパネル
p3 弾性部