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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】駆動ユニット、及びロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 17/00 20060101AFI20250304BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20250304BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
B25J17/00 E
B25J19/00 F
H02K7/116
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021157610
(22)【出願日】2021-09-28
(65)【公開番号】P2023048346
(43)【公開日】2023-04-07
【審査請求日】2024-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】▲浜▼ 秀典
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/010598(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/078423(WO,A1)
【文献】特開昭61-131891(JP,A)
【文献】特開平8-276392(JP,A)
【文献】特開平2-303791(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔が設けられる回転軸、当該回転軸を回転させる駆動部、及び当該駆動部の少なくとも一部を覆うケースを有するモーターと、
前記回転軸の一方の端部に係合する入力部、前記モーターに取付けられる取付部、及び前記回転軸の回転を減速して出力する出力部を有する減速機と、
前記モーターの前記ケースに固定され、外部に接続する第1配線と接続する第1コネクターと、
前記減速機の前記取付部に固定され、外部に接続する第2配線と接続する第2コネクターと、
前記貫通孔を通り前記第1コネクター及び前記第2コネクターに接続する内部配線と、を備えることを特徴とする駆動ユニット。
【請求項2】
前記内部配線は信号線と電力線とを有し、
前記第1コネクターと前記第2コネクターとは、それぞれ信号線用端子及び電力線用端子を有して、前記内部配線の前記信号線と前記電力線とに接続することを特徴とする、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記ケースに少なくとも一部が覆われ、前記回転軸の前記モーター側に設置され、前記回転軸の回転を検出する回転検出器と、
前記回転検出器からの信号を取り込むと共に、前記第1コネクターと別体で構成される回転検出基板と、を有し、
前記回転検出基板は、前記第1コネクターと接続されて、前記内部配線の前記信号線と接続することを特徴とする、請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記駆動部は、前記ケースに少なくとも一部が覆われ、前記回転軸の回転を検出する回転検出器と、
前記回転検出器からの信号を取り込むと共に、前記第1コネクターに一体で構成される回転検出基板と、を有し、
前記回転検出基板は、前記内部配線の前記信号線と接続することを特徴とする、請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項5】
前記回転軸の回転を検出する回転検出器と、
前記回転検出器からの信号を取り込むと共に、前記減速機側に設置される回転検出基板と、を有し、
前記回転検出基板は、前記第2コネクターと接続されて、前記内部配線の前記信号線と接続することを特徴とする、請求項2に記載の駆動ユニット。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の駆動ユニットと、
第1筐体を有して前記第1配線を内部に通す第1部材と、
第2筐体を有して前記第2配線を内部に通し、前記第1部材に対して相対的に回転する第2部材と、を備え、
前記モーターは、前記第1部材に固定され、
前記出力部は、前記第2部材に固定されることを特徴とするロボット。
【請求項7】
前記第2部材は、開口部を有し、
前記第2コネクターは、前記開口部の領域に配置されることを特徴とする、請求項6に記載のロボット。
【請求項8】
前記回転軸の回転の中心軸に沿う方向において、前記モーターの前記ケースと前記減速機の前記取付部との間に取付けプレートを有し、
前記取付けプレートは、前記第1部材に取り付いていることを特徴とする、請求項6または請求項7に記載のロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動ユニット、及びロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、減速機を備えた駆動ユニットが多関節ロボット等に複数用いられている。特許文献1の減速機構内蔵アクチュエーター(駆動ユニットに相当)では、多関節ロボットの先端側のハンドや、先端側の減速機構内蔵アクチュエーター等に接続される信号線や電力線は、各減速機構内蔵アクチュエーターの出力軸に形成される中空部を通して配線されていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-2062号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、減速機構内蔵アクチュエーターを用いて多関節ロボットを組立てる場合や、多関節ロボットの減速機構内蔵アクチュエーターを交換する場合には、信号線や電力線が中空部を通して配線されているため、信号線や電力線を各減速機構内蔵アクチュエーターの中空部に引き入れたり、引き抜いたりする必要があり、組立て作業や交換作業が煩雑となっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
駆動ユニットは、貫通孔が設けられる回転軸、当該回転軸を回転させる駆動部、及び当該駆動部の少なくとも一部を覆うケースを有するモーターと、前記回転軸の一方の端部に係合する入力部、前記モーターに取付けられる取付部、及び前記回転軸の回転を減速して出力する出力部を有する減速機と、前記モーターの前記ケースに固定され、外部に接続する第1配線と接続する第1コネクターと、前記減速機の前記取付部に固定され、外部に接続する第2配線と接続する第2コネクターと、前記貫通孔を通り前記第1コネクター及び前記第2コネクターに接続する内部配線と、を備える。
【0006】
ロボットは、上述する駆動ユニットと、第1筐体を有して前記第1配線を内部に通す第1部材と、第2筐体を有して前記第2配線を内部に通し、前記第1部材に対して相対的に回転する第2部材と、を備え、前記モーターは、前記第1部材に固定され、前記出力部は、前記第2部材に固定される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態に係るロボットの概略構成を示す側面図。
図2】駆動ユニットの概略構成を示す断面図。
図3】駆動ユニットの概略構成を示す断面図。
図4】第2実施形態に係る駆動ユニットの概略構成を示す断面図。
図5】駆動ユニットの概略構成を示す断面図。
図6】第3実施形態に係る駆動ユニットの概略構成を示す部分断面図。
図7】第4実施形態に係る駆動ユニットの概略構成を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について図面に従って説明する。なお、各図面における各部材は、説明の便宜上、必要に応じて寸法を適宜誇張して図示しており、各部材間の寸法比は実際の寸法比とは必ずしも一致しない。
【0009】
1.第1実施形態
本実施形態に係るロボット1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るロボット1の概略構成を示す側面図である。図1に示すロボット1は、スカラ(SCARA:Selective Compliance Assembly Robot Arm)ロボット(水平多関節ロボット)である。
【0010】
ロボット1は、精密機器やこれを構成する部品の給材、除材、搬送、組立等の作業を行うことができる。なお、以下の説明においてはXYZ座標系を設定し、このXYZ座標系を参照しつつ各部材の位置関係を説明する。この際、鉛直方向をZ軸方向とし、水平方向で、かつ、基台10の長さ方向をY軸方向とし、水平方向で、かつ、基台10の幅方向をX軸方向とする。また、Z軸方向で重力方向を下方向、下側と言い、重力方向と反対方向を上方向、上側と言う。
【0011】
ロボット1は、基台10と、第1アーム11と、第1駆動ユニット2と、を備える。基台10は、ロボット1を任意の設置箇所に取り付ける部分である。基台10は、例えば、図示省略する床面にボルト等によって固定される。なお、基台10の設置箇所は、特に限定されず、例えば、床、壁、天井、移動可能な台車上などが挙げられる。
【0012】
第1アーム11は、基台10に搭載された第1駆動ユニット2を介して、基台10の上端部に連結している。第1アーム11は、基台10に対して鉛直方向(Z軸方向)に沿う第1軸J1回りに回転可能となっている。なお、本実施形態では、回転とは、図1に示すように、中心軸に対して回転方向が時計回り方向及び反時計回り方向の回転をいう。
【0013】
また、ロボット1は、第2アーム12と、第2駆動ユニット3と、を備える。第2アーム12は、第2アーム12に搭載された第2駆動ユニット3を介して、第1アーム11の先端部に連結されている。第2アーム12は、第1アーム11に対して鉛直方向(Z軸方向)に沿う第2軸J2回りに回転可能となっている。
【0014】
第2アーム12の先端部には、作業ヘッド13が配置されている。作業ヘッド13は、第2アーム12の先端部に同軸的に配置されたスプラインナット14及びボールネジナット15と、スプラインナット14及びボールネジナット15に挿通されたスプラインシャフト16とを備える。スプラインシャフト16は、第2アーム12に対して、鉛直方向(Z軸方向)に沿う第3軸J3回りに回転可能であり、かつ、上下方向に移動(昇降)可能となっている。
【0015】
スプラインシャフト16の下側の先端部17には、図示省略するエンドエフェクターが連結される。エンドエフェクターとしては、特に限定されず、例えば、被搬送物を把持するもの、被加工物を加工するものなどが挙げられる。
【0016】
第2アーム12内に配置された各電子部品(例えば、第2駆動ユニット3等)に接続される複数の電力系の配線(以降、電力線と呼称する)の内、本実施形態では、後述する駆動部の駆動や送受信構成部50(図1図2)等を駆動する電力線以外の配線は、第2アーム12と基台10とを連結する管状の配線引回し部18内を通って基台10内に案内される。そして、複数の電力系の配線は、基台10内でまとめられることによって、第1駆動ユニット2に接続される配線と共に、基台内に設置される制御装置19まで引き回される。制御装置19は、ロボット1を統括制御する。
【0017】
なお、本実施形態では、第1駆動ユニット2、第2駆動ユニット3を介して双方向に通信を行う信号系の配線(以降、信号線と呼称する)が、電力線と同様に制御装置19まで引き回される。本実施形態では、信号線は、光ファイバーを用いて行っている。光通信に関しては後述する。第1駆動ユニット2、第2駆動ユニット3の駆動は、この制御装置19によって制御される。
【0018】
このようなロボット1では、第1駆動ユニット2が、第1アーム11を基台10に対して回転させる駆動力を、基台10側から第1アーム11側へ伝達する。また、第2駆動ユニット3が、第2アーム12を第1アーム11に対して回転させる駆動力を、第2アーム12側から第1アーム11側へ伝達する。
【0019】
駆動ユニットについて説明する。
駆動ユニットとしての第1駆動ユニット2と第2駆動ユニット3とは、同様の構成であるため、以下では、第1駆動ユニット2のみを説明する。
【0020】
図2図3は、本実施形態に係る駆動ユニット(第1駆動ユニット2)の概略構成を示す断面図である。なお、図2図3では、第1軸J1を通りXZ平面に平行な断面を示している。また、図2は、主に、第1駆動ユニット2のモーター20、減速機30、基台10、第1アーム11に対して符号を付記した図であり、図3は、主に、第1駆動ユニット2の送受信構成部50に対して符号を付記した図である。
【0021】
第1駆動ユニット2は、概略、モーター20と、減速機30と、支持部材40と、送受信構成部50と、を備えている。
【0022】
支持部材40は、モーター20を支持する部位であるモーター支持部41と、減速機30を支持する部位である減速機支持部43と、本実施形態では、第1駆動ユニット2のモーター20を基台10の基台筐体101に取り付ける部位である取付けプレート45とを有している。なお、モーター支持部41と減速機支持部43とは、一体的に1つの部品で構成されている。取付けプレート45は、一体に構成されるモーター支持部41と減速機支持部43に対して、別体に構成されている。
【0023】
モーター支持部41は、後述するモーター20の回転軸22の回転の中心軸Aを中心にした概円筒状に形成されている。減速機支持部43は、モーター支持部41の径方向外側にフランジ状に突出して形成されている。また、減速機支持部43には、支持部材40の取付けプレート45と、後述する剛性歯車35の取付部351とを減速機支持部43に固定する挿通孔431が、外周に沿って所定の間隔で形成されている。
【0024】
取付けプレート45は、中心軸Aを中心にした環状に形成され、内側の領域が減速機30を支持部材40の減速機支持部43と共に固定する支持部451と、外側の領域がモーター20を第1部材としての基台10に固定する取付部453とを備えている。また、取付けプレート45の支持部451には、本実施形態では、取付けプレート45及び剛性歯車35の取付部351を支持部材40の減速機支持部43に固定するための挿通孔452が、減速機支持部43の挿通孔431に対応して形成されている。また、取付けプレート45の取付部453には、本実施形態では、基台10を構成する基台筐体101に第1駆動ユニット2のモーター20を固定するための挿通孔454が、外周に沿って所定間隔で形成されている。
【0025】
モーター20の構成と動作について説明する。
モーター20は、いわゆるサーボモーターを用いている。具体的には、ACサーボモーターを用いている。なお、モーター20としては、例えば、DCサーボモーター等が挙げられる。モーター20は、図2に示すように、ローター21と、ステーター23と、第1ケース24と、第2ケース25と、第3ケース26と、回転検出器としての光学式のエンコーダー28と、回転検出基板としてのエンコーダー基板29と、を備えている。また、モーター20は、ベアリング271,272を備えている。
【0026】
本実施形態では、回転検出器としてエンコーダー28を用いているが、これには限定されず、例えば、回転角度を2相の交流電圧(アナログ信号)として出力するレゾルバや、磁界を検出してその大きさに比例したアナログ信号を出力するホールセンサー等を用いることができる。
【0027】
第1ケース24、第2ケース25、第3ケース26、及び、支持部材40のモーター支持部41は、モーター20を取り囲むケースを兼ねている。
【0028】
図2に示すように、モーター支持部41と第2ケース25の中心部には、ベアリング271,272が設置されている。なお、ローター21を構成する回転軸22の回転の中心軸Aは、本実施形態では、第1アーム11の回転の中心となる第1軸J1と同一としている。
【0029】
ベアリング271,272は、内輪と外輪とを含んで構成される転がり軸受けである。回転軸22の両端側は、ベアリング271,272の内輪にそれぞれ締まり嵌めで固定される。一方のベアリング271の外輪は、支持部材40のモーター支持部41に支持される。また、他方のベアリング272の外輪は、第2ケース25に支持される。なお、第1ケース24、第2ケース25、第3ケース26は、モーター支持部41に固定される。
【0030】
モーター20の回転軸22は、ベアリング271,272を介して、モーター支持部41及び第2ケース25に支持され、中心軸A周りに回転する。回転軸22は、ベアリング271側の端部で、減速機30と連結し、駆動力を減速機30に伝達する。また、回転軸22は、ベアリング272側の端部で、回転軸22の回転を検出する回転検出器としてのエンコーダー28が回転軸22の外周面に設置されている。このため、回転軸22の回転に合せてエンコーダー28が回転する。
【0031】
なお、エンコーダー28からの信号を取り込む回転検出基板としてのエンコーダー基板29が、エンコーダー28が取り付けられる回転軸22の部位よりも下側端部で、回転軸22の外周面を取り囲むように、基板支持部261に固定されている。また、エンコーダー28、エンコーダー基板29は、第3ケース26に囲まれる。
【0032】
ローター21は、回転軸22と磁石211とを備えている。回転軸22は、中心軸Aの方向に沿って縮径された円柱状に形成されている。また、回転軸22には、中心軸Aの方向に沿って形成される中空の貫通孔221が形成されている。回転軸22は、鉄等の軟磁性材料で構成されている。
【0033】
磁石211は、回転軸22の中心軸A周りに沿った外周面に固定されている。磁石211は、環状に形成され、周方向に複数並べられ、複数の磁極が形成された多極構造を有している。磁石211は、例えば、6つの磁石片で構成され、極性は周方向でNSNSNSとなるように構成されている。磁石211はステーター23に囲まれる。
【0034】
ステーター23は、ローター21(回転軸22、磁石211)を中心軸A周りに囲む。ステーター23は、円筒状に形成され、周方向に所定間隔で配置され、それぞれコアとなる鉄芯231の周りにコイル232を備えている。
【0035】
このように構成されるモーター20に対して、ステーター23に交流電流を流した場合、ステーター23は電磁石となり、交流のため電流の向きと大きさが交互に切り替わることにより、ステーター23はN極やS極に切り替わる。それに伴い、ローター21の磁石211を引き付けたり反発させたりすることで、ローター21(回転軸22)が回転する。
【0036】
なお、ステーター23(鉄芯231、コイル232)は、回転軸22を回転させる駆動部として機能する。また、第1ケース24は、ローター21およびステーター23の少なくとも一部を囲んでいる、すなわち、駆動部の少なくとも一部を覆っている。
【0037】
減速機30の構成と動作について説明する。
減速機30は、通称、波動歯車減速機と呼ばれる波動歯車機構を用いた減速機である。減速機30は、モーター20の回転軸22から入力された駆動力の回転を減速して出力する。そして、減速機30の出力側では、減速比に比例したトルクを得ることができる。
【0038】
図2に示すように、減速機30は、波動発生器31と、可撓性の外歯歯車としての可撓性歯車33と、内歯歯車で構成される剛性歯車35と、を備える。波動発生器31は、本実施形態では、回転軸22の一方の端部に係合する入力部として働く。また、可撓性歯車33は、本実施形態では、回転軸22の回転を減速して出力する出力部として働く。また、剛性歯車35は、本実施形態では、モーター20に取付けられる取付部として働く。
【0039】
本実施形態では、剛性歯車35を取付部として、可撓性歯車33を出力部として機能させている。しかし、これには限定されず、可撓性歯車33を取付部として、また、剛性歯車35を出力部として機能させることでもよい。
【0040】
剛性歯車35は、中心軸Aの径方向に、実質的に撓まない剛体で構成された歯車であって、内歯352を備える環状の内歯歯車である。本実施形態では、剛性歯車35は、平歯車である。すなわち、内歯352は、中心軸Aに対して平行な歯スジを備える。なお、内歯352の歯スジは、中心軸Aに対して傾斜していてもよい。すなわち、剛性歯車35は、ハスバ歯車又はヤマバ歯車であってもよい。
【0041】
剛性歯車35は、剛性歯車35を支持部材40の減速機支持部43に取付ける取付部351と、ロボット1のアーム(図1では、第1アーム11)に連結させる連結部354との2つの部位で構成されている。
【0042】
取付部351は、中心軸Aの径方向内側で下側端部に、上述した内歯352を備えて形成される。取付部351には、支持部材40の減速機支持部43に、取付けプレート45の支持部451を介して取付ける取付用ネジ孔353が形成されている。取付用ネジ孔353は、挿通孔431,452に相対して形成されている。連結部354には、本実施形態では、第1アーム11と連結するための固定用ネジ孔355が形成されている。
【0043】
なお、取付部351と連結部354とは、ベアリング356により連結されており、取付部351に対して連結部354が回転可能に構成されている。なお、ベアリング356は、いわゆるクロスローラーベアリングであり、回転軸に対して+45°と-45°との角度で交互にローラーが配置され、ラジアルとスラストの両方の荷重を受けられる軸受けである。
【0044】
可撓性歯車33は、剛性歯車35の内側に挿通されている。この可撓性歯車33は、中心軸Aの径方向に撓み変形可能な可撓性の筒状部331を備える歯車である。また、可撓性歯車33は、剛性歯車35の内歯352に噛み合う外歯332を備える外歯歯車である。また、可撓性歯車33の歯数は、剛性歯車35の歯数よりも少ない。
【0045】
可撓性歯車33は、筒状部331に加え、筒状部331の上側端部から中心軸Aの径方向外側に伸びる鍔部333を備えたシルクハット型の形状に構成されている。外歯332は、筒状部331の下側端部において中心軸Aの径方向外側に形成される。可撓性歯車33には、減速機30を第1アーム11に固定すると共に、剛性歯車35の連結部354に固定する挿通孔334が、鍔部333の外周に沿って所定間隔で形成されている。なお、挿通孔334は、固定用ネジ孔355に相対して形成されている。
【0046】
波動発生器31は、波動発生部311と固定部318とを備える。固定部318は、例えば、ネジまたはボルトで構成され、波動発生部311と、モーター20の回転軸22とを中心軸Aの径方向から固定する。
【0047】
波動発生部311は、本体部312と、本体部312の外周に装着されるベアリング313と、を備える。本体部312は、中心軸Aの方向から見た場合、外周が楕円形又は長円形に形成されている。
【0048】
ベアリング313は、可撓性の内輪315及び外輪316と、これらの間に配置されている複数のボール317と、を備える転がり軸受である。内輪315は、本体部312の外周に嵌め込まれ、本体部312の外周面に沿って楕円形又は長円形に弾性変形している。それに伴って、外輪316も楕円形又は長円形に弾性変形している。また、内輪315の外周面及び外輪316の内周面は、それぞれ、複数のボール317を周方向に沿って案内させつつ転動させる軌道面となっている。また、複数のボール317は、周方向での互いの間隔を一定に保つように図示省略する保持器により保持されている。
【0049】
以上の構成により、波動発生器31は、可撓性歯車33の内側に位置し、中心軸Aの周りに回転可能となる。そして、波動発生部311は、可撓性歯車33の筒状部331の内周面に接し、筒状部331を、長軸及び短軸とする楕円形又は長円形に撓めて外歯332を剛性歯車35の内歯352に部分的に噛み合わせる。ここで、可撓性歯車33及び剛性歯車35は、中心軸A周りに回転可能に互いに内外で噛み合わされる。
【0050】
このような減速機30において、波動発生器31に、上述したモーター20からの駆動力が入力されると、可撓性歯車33及び剛性歯車35は、互いの噛み合い位置を周方向に移動させながら、歯数差に起因して中心軸A周りに相対的に回転する。これにより、駆動源であるモーター20の回転軸22から、波動発生器31に入力された駆動力の回転が減速され、可撓性歯車33から出力される。そして、出力側では、減速比に比例したトルクを得ることができる。すなわち、波動発生器31を入力側、可撓性歯車33を出力側とする減速機30を実現することができる。
【0051】
本実施形態では、可撓性歯車33と噛み合う剛性歯車35の取付部351が、支持部材40に固定される構成のため、可撓性歯車33が剛性歯車35の連結部354と共に回転する構成となる。従って、本実施形態では、モーター20からの駆動力が波動発生器31に入力され、波動発生器31が回転した場合、可撓性歯車33は、剛性歯車35(取付部351)との互いの噛み合い位置を周方向に移動させ、歯数差に起因して中心軸A周りに相対的に回転する。なお、波動発生器31の回転方向と、可撓性歯車33の回転方向とは逆方向となる。
【0052】
本実施形態における第1駆動ユニット2の組立て方法の一例について簡単に説明する。
なお、モーター20の組立てに関しては省略する。また、組立ての順序については下記には限定されない。
【0053】
最初に、モーター20を、支持部材40(モーター支持部41)に組付ける。このとき、モーター20の第1ケース24は、モーター支持部41と当接する。また、予めモーター20の回転軸22に内輪が締まり嵌めで固定されているベアリング271の外輪が、モーター支持部41の内周面に支持される。
【0054】
次に、支持部材40において、別体となっている取付けプレート45を減速機支持部43の上側に設置する。この場合、減速機支持部43に形成される挿通孔431と、取付けプレート45の支持部451に形成される挿通孔452とが重なるように位置を調整する。
【0055】
次に、減速機30の波動発生器31の本体部312と、モーター20の回転軸22とが、固定部318により、中心軸Aの径方向から固定される。なお、固定方法は特に限定されないが、ネジ又はボルトによる固定以外に、接着剤、溶接などによる固定であってもよい。
【0056】
次に、サブ組立てとして、剛性歯車35に可撓性歯車33を組立てる。詳細には、剛性歯車35の取付部351の内周面に沿って、上方向から、可撓性歯車33の筒状部331を挿入する。そして、可撓性歯車33の鍔部333を連結部354の上面に当接させる。これにより、可撓性歯車33の外歯332と、剛性歯車35の内歯352とが、断面的に向かい合った状態となる。
【0057】
次に、サブ組立てを行った剛性歯車35と可撓性歯車33とを上方から波動発生器31の外周面に係合させる。これにより、可撓性歯車33の筒状部331が、波動発生器31の外周面(ベアリング313の外輪316の外周面)沿って弾性変形して係合し、可撓性歯車33の外歯332と剛性歯車35の内歯352とが部分的に噛み合う状態とする。この場合、剛性歯車35の取付部351に形成される取付用ネジ孔353と、取付けプレート45の挿通孔452とが重なるように位置を調整する。
【0058】
次に、ボルトB1を減速機支持部43の下側から、減速機支持部43の挿通孔431、取付けプレート45の挿通孔452に挿通させて、剛性歯車35の取付用ネジ孔353に螺合させる。これにより、取付けプレート45も含めて、支持部材40に剛性歯車35の取付部351を取付ける。
この組立てにより、モーター20と減速機30とが固定される。
【0059】
なお、上述の組立てにより、モーター20と減速機30とが固定された状態で、後述する送受信構成部50が設置された状態、詳細には、貫通孔221への内部配線58の設置、及び第1コネクター51、第2コネクター55の設置が行われることで、第1駆動ユニット2の組立が完了した状態となる。この状態では、内部配線58は、第1コネクター51及び第2コネクター55に接続した状態となっている。なお、この状態は、後述する第1コネクター51への第1配線53(第1コネクト部531)の接続や、後述する第2コネクター55への第2配線57(第2コネクト部571)の接続は行われていない状態である。
【0060】
ロボット1への第1駆動ユニット2の組立てについて説明する。
第1駆動ユニット2は、本実施形態では、第1部材としての基台10に対し、第2部材としての第1アーム11を相対的に回転させる駆動ユニットである。
【0061】
第1駆動ユニット2は、本実施形態では、モーター20を、第1部材としての基台10に固定する。詳細には、第1駆動ユニット2において、支持部材40の取付けプレート45を、基台10を構成する第1筐体としての基台筐体101に固定する。
【0062】
基台筐体101には、取付けプレート45の外径に合せた形状(例えば、段差部102)を有し、挿通孔454に相対して固定用ネジ孔103が形成されている。支持部材40の基台10への固定は、支持部材40(取付けプレート45)を基台筐体101の上方向から、段差部102に位置させた後、ボルトB2を上方向から挿通孔454に挿通させて、固定用ネジ孔103に螺合させることにより固定する。これにより、第1配線53は、第1部材としての基台10の内部を引き回される。
【0063】
また、第1駆動ユニット2は、本実施形態では、出力部としての可撓性歯車33を、第2部材としての第1アーム11に固定する。詳細には、第1駆動ユニット2において、減速機30の可撓性歯車33を、第1アーム11を構成する第2筐体としての第1アーム筐体111に固定する。
【0064】
第1アーム筐体111には、後述する開口部112の他、可撓性歯車33の外径に合せた形状(例えば、段差部113)を有し、挿通孔334に相対して挿通孔114が形成されている。可撓性歯車33の第1アーム11への固定は、可撓性歯車33(鍔部333)を第1アーム筐体111の下方向から、段差部113に位置させた後、ボルトB3を上方向から挿通孔114,334に挿通させて、固定用ネジ孔355に螺合させることにより固定する。これにより、第2配線57は、第2部材としての第1アーム11の内部を引き回される。
【0065】
以上の組立てにより、本実施形態では、床面などに固定される基台10から、基台10に固定されたモーター20の回転による駆動力が波動発生器31に入力され、波動発生器31が回転した場合、可撓性歯車33に固定される第1アーム11が基台10に対して中心軸A(第1軸J1)周りに回転する。
【0066】
送受信構成部50の構成と動作について説明する。
送受信構成部50は、第1駆動ユニット2を構成する部分であり、信号線及び電力線を引き回す部分である。
【0067】
送受信構成部50の動作として、第1駆動ユニット2において、例えば、モーター20の回転数を検出する場合、制御装置19からの回転数検出指示の信号を光通信により受信し、第1駆動ユニット2で検出したモーター20の回転数のデータを光通信により制御装置19に送信する。これにより、制御装置19は、第1アーム11の回転角度を適正に制御及び動作させることができる。また、本実施形態では、第2アーム12に設置される第2駆動ユニット3と制御装置19との送受信においても、第1駆動ユニット2の送受信構成部50を介して行われる。
【0068】
また、図1に示すロボット1のエンドエフェクターとして、物を把持するハンド(図示省略)等を備え、ハンドに設けられた把持力を測定する触覚センサー等の力覚センサーの信号を制御装置19に送信する場合等には、第2駆動ユニット3と第1駆動ユニット2とを介して行われる。また、図1に示すスプラインシャフト16にカメラが設置されている場合等には、カメラで撮像した画像信号を制御装置19に送信する場合等にも、第2駆動ユニット3と第1駆動ユニット2とを介して行われる。なお、信号線の数が増える場合には、光の波長を変えて、必要な本数分の通信を行うことでよい。
【0069】
送受信構成部50の動作として、例えば、第1駆動ユニット2において、モーター20を駆動させる場合、制御装置19からの駆動用電力(例えば、交流電流)は、第1配線53(第1電力線533)を介して、第1コネクター51に伝達され、駆動用電力をステーター23(コイル232)へ供給してモーター20を回転させる。
【0070】
また、例えば、第2駆動ユニット3において、モーター20を駆動させる場合、制御装置19からの駆動用電力(例えば、交流電流)は、第1駆動ユニット2を介して、第2駆動ユニット3の第2コネクター55に伝達される。そして、第2駆動ユニット3の内部配線58(電力線582)を介して第1コネクター51に伝達された後、駆動用電力をステーター23(コイル232)へ供給してモーター20を回転させる。
【0071】
送受信構成部50は、第1コネクター51、第1配線53、第2コネクター55、第2配線57、内部配線58を有して構成されている。
【0072】
送受信構成部50は、回転軸22に設けた中空の貫通孔221に内部配線58を設置し、信号や電力の通信が行えるように構成されている。内部配線58は、信号線581と電力線582とを有している。信号線581は、本実施形態では光ファイバーで構成されている。電力線582は、通常の導線で構成されている。
【0073】
また、信号線581と電力線582とは、長さ方向に揃えられ、固定された状態に構成されている。本実施形態では、内部配線58は、両端部において、第1コネクター51と第2コネクター55とに接続している。そして、回転軸22の貫通孔221に設置された内部配線58は、回転軸22の回転には従動せず固定された状態となる。
【0074】
図3に示すように、第1コネクター51は、第1送受信回路基板511、内部配線58側の信号線用端子512と電力線用端子513、第1配線53側の信号線用端子514と電力線用端子515を有して構成されている。第1コネクター51は、回転軸22の下端部22a側で、モーター20の第3ケース26の下面側に固定されている。
【0075】
第1コネクター51は、内部配線58側の信号線用端子512を有して、内部配線58の信号線581と接続する。また、第1コネクター51は、内部配線58側の電力線用端子513を有して、内部配線58の電力線582と接続する。
【0076】
第1コネクター51は、外部に接続する第1配線53と接続されている。ここで、「外部」とは、本実施形態では、制御装置19に相当する。
【0077】
第1送受信回路基板511は、エンコーダー基板29と接続され、エンコーダー基板29と電気信号を送受信する。本実施形態のエンコーダー基板29は、第1送受信回路基板511(第1コネクター51)と別体に構成されている。また、第1送受信回路基板511は、駆動部としてのステーター23と接続され、ステーター23(コイル232)への電力供給を行う。
【0078】
第1コネクター51の内部配線58側の信号線用端子512は、第1送受信回路基板511を介して、内部配線58の信号線581の一方の端部となる下側端部に接続する発光素子と受光素子(いずれも図示省略)とを備えている。第1コネクター51の内部配線58側の電力線用端子513は、第1送受信回路基板511を介して、内部配線58の電力線582の一方の端部となる下側端部に接続するコネクト部(図示省略)を備えている。
【0079】
第1コネクター51(第1送受信回路基板511)を第3ケース26の下面側に固定した場合、内部配線58の信号線581の一端部と、内部配線58側の信号線用端子512とが光通信可能に接続される。また、第1コネクター51(第1送受信回路基板511)を第3ケース26の下面側に固定した場合、内部配線58の電力線582の一端部と、内部配線58側の電力線用端子513とが導通可能に接続される。
【0080】
第1コネクター51の第1配線53側の信号線用端子514は、第1送受信回路基板511を介して、第1配線53の第1信号線532の端部に接続する発光素子と受光素子(いずれも図示省略)とを備えている。第1コネクター51の第1配線53側の電力線用端子515は、第1送受信回路基板511を介して、第1配線53の第1電力線533の端部に接続するコネクト部(図示省略)を備えている。
【0081】
第1配線53は、第1信号線532と第1電力線533とを有している。第1配線53は制御装置19に接続されている。第1信号線532は、内部配線58の信号線581と同様に光ファイバーで構成される。第1電力線533は、内部配線58の電力線582と同様に導線で構成される。
【0082】
第1配線53の第1信号線532と第1電力線533との端部は、第1コネクト部531として構成されている。そして、第1配線53は、第1コネクト部531により、第1コネクター51(第1送受信回路基板511)に脱着可能となっている。
【0083】
第1配線53を第1コネクター51に装着した場合、第1信号線532の端部と、第1コネクター51の第1配線53側の信号線用端子514とが光通信可能に接続される。また、第1配線53を第1コネクター51に装着した場合、第1電力線533の端部と、第1コネクター51の第1配線53側の電力線用端子515とが導通可能に接続される。
【0084】
送受信構成部50の動作として、例えば、第1送受信回路基板511は、第1駆動ユニット2において、モーター20の回転数を検出する場合、制御装置19からの回転数検出指示の信号を、第1配線53(第1信号線532)を介して、第1コネクター51の第1配線53側の信号線用端子514(受光素子)により受信する。
【0085】
そして、第1送受信回路基板511は、受信した光信号を電気信号に変換してエンコーダー基板29に送信する。エンコーダー基板29は、エンコーダー28からの回転数のデータを受信して、第1送受信回路基板511に送信する。第1送受信回路基板511は、エンコーダー基板29から受信した回転数のデータを光信号に変換して、第1配線53側の信号線用端子514(発光素子)により送信する。
【0086】
そして、第1配線53の第1信号線532は、信号線用端子514(発光素子)から送信された光信号を制御装置19に送信する。これにより、制御装置19は、第1アーム11の回転角度を適正に制御及び動作させることができる。
【0087】
また、送受信構成部50の動作として、例えば、第1送受信回路基板511は、第1駆動ユニット2において、モーター20を駆動させる場合、制御装置19からの駆動用電力(例えば、交流電流)を、第1配線53(第1電力線533)を介して、第1コネクター51の第1配線53側の電力線用端子515により伝達される。そして、第1送受信回路基板511は、伝達された駆動用電力をステーター23(コイル232)へ供給する。これにより、モーター20を回転させる。
【0088】
なお、第1送受信回路基板511は、第1配線53から入力する光信号を、第1配線53側の信号線用端子514(受光素子)で受信し、受信した光信号を、内部配線58側の信号線用端子512(発光素子)から、内部配線58(信号線581)に送信する。
【0089】
また、逆に、第1送受信回路基板511は、内部配線58(信号線581)から入力する光信号を、内部配線58側の信号線用端子512(受光素子)で受信し、受信した光信号を、第1配線53側の信号線用端子514(発光素子)から、第1配線53(第1信号線532)に送信する。
【0090】
なお、第1送受信回路基板511は、第1配線53から入力する電力信号を、第1配線53側の電力線用端子515で受信し、受信した電力信号を、内部配線58側の電力線用端子513から、内部配線58(電力線582)に送信する。
【0091】
第2コネクター55は、第1コネクター51と略同様に、第2送受信回路基板551、内部配線58側の信号線用端子552と電力線用端子553、第2配線57側の信号線用端子554と電力線用端子555を有して構成されている。第2コネクター55は、図2図3に示すように、回転軸22の上端部22b側で、減速機30の取付部としての剛性歯車35の取付部351に有する支持部材357に固定されている。言い換えると、第2コネクター55は、減速機30の取付部としての剛性歯車35に固定されている。
【0092】
第2コネクター55は、図3に示すように、内部配線58側の信号線用端子552を有して、内部配線58の信号線581と接続する。また、第2コネクター55は、内部配線58側の電力線用端子553を有して、内部配線58の電力線582と接続する。
【0093】
また、第2コネクター55は、第1駆動ユニット2の出力側を固定する第1アーム11の後述する第1アーム筐体111に形成される開口部112の領域に配置されている。第2コネクター55は、外部に接続する第2配線57と接続されている。ここで、「外部」とは、本実施形態では、第2駆動ユニット3の第2コネクター55に相当する。
【0094】
第2コネクター55の内部配線58側の信号線用端子552は、第2送受信回路基板551を介して、内部配線58の信号線581の他方の端部となる上側端部に接続する発光素子と受光素子(いずれも図示省略)とを備えている。第2コネクター55の内部配線58側の電力線用端子553は、第2送受信回路基板551を介して、内部配線58の電力線582の他方の端部となる上側端部に接続するコネクト部(図示省略)を備えている。
【0095】
第2コネクター55(第2送受信回路基板551)を支持部材357に固定した場合、内部配線58の信号線581の他端部と、内部配線58側の信号線用端子552とが光通信可能に接続される。また、第2コネクター55(第2送受信回路基板551)を支持部材357に固定した場合、内部配線58の電力線582の他端部と、内部配線58側の電力線用端子553とが導通可能に接続される。
【0096】
第2コネクター55の第2配線57側の信号線用端子554は、第2送受信回路基板551を介して、第2配線57の第2信号線572の端部に接続する発光素子と受光素子(いずれも図示省略)とを備えている。第2コネクター55の第2配線57側の電力線用端子555は、第2送受信回路基板551を介して、第2配線57の第2電力線573の端部に接続するコネクト部(図示省略)を備えている。
【0097】
第2配線57は、第2信号線572と第2電力線573とを有している。第2配線57は、第2駆動ユニット3の第2コネクター55に接続されている。第2信号線572は、内部配線58の信号線581と同様に光ファイバーで構成される。第2電力線573は、内部配線58の電力線582と同様に導線で構成される。
【0098】
第2配線57の第2信号線572と第2電力線573との端部は、第2コネクト部571として構成されている。そして、第2配線57は、第2コネクト部571により、第2コネクター55(第2送受信回路基板551)に脱着可能となっている。
【0099】
第2配線57を第2コネクター55に装着した場合、第2信号線572の端部と、第2コネクター55の第2配線57側の信号線用端子554とが光通信可能に接続される。また、第2配線57を第2コネクター55に装着した場合、第2電力線573の端部と、第2コネクター55の第2配線57側の電力線用端子555とが導通可能に接続される。
【0100】
送受信構成部50の動作として、例えば、第2送受信回路基板551は、第1駆動ユニット2において、制御装置19からの第2駆動ユニット3のモーター20の回転数を検出する回転数検出指示の信号を、第1配線53(第1信号線532)、内部配線58(信号線581)を経由させて、内部配線58側の信号線用端子552(受光素子)を介して受信する。そして、第2送受信回路基板551は、受信した信号を、第2配線57側の信号線用端子554(発光素子)により第2配線57(第2信号線572)に送信する。そして、第2配線57の第2信号線572は、第2配線57側の信号線用端子554(発光素子)から送信された光信号を第2駆動ユニット3の第2コネクター55に送信する。
【0101】
第1駆動ユニット2を交換する場合について簡単に説明する。
図2に示すように、第1駆動ユニット2を交換する場合には、第1駆動ユニット2を基台10及び第1アーム11から取外すことになる。
【0102】
最初に、第1駆動ユニット2において、第1コネクター51に接続している第1コネクト部531を、第1コネクター51から引き抜くことで、第1配線53を第1駆動ユニット2から取外す。同様に、第1駆動ユニット2において、第2コネクター55に接続している第2コネクト部571を、第2コネクター55から引き抜くことで、第2配線57を第1駆動ユニット2から取外す。
【0103】
次に、ボルトB2を取外すことにより、基台筐体101と支持部材40との固定を解除する。また、ボルトB3を取外すことにより、第1アーム筐体111と可撓性歯車33との固定を解除する。
以上により、第1駆動ユニット2を基台10及び第1アーム11から取外すことができる。
【0104】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0105】
本実施形態の第1駆動ユニット2は、貫通孔221が設けられる回転軸22、回転軸22を回転させる駆動部(ローター21およびステーター23)、及び駆動部(ローター21およびステーター23)の少なくとも一部を覆うケース(第1ケース24)を有するモーター20を備えている。また、第1駆動ユニット2は、回転軸22の一方の端部に係合する入力部(波動発生器31)、モーター20に取付けられる取付部(剛性歯車35)、及び回転軸22の回転を減速して出力する出力部(可撓性歯車33)を有する減速機30を備えている。また、第1駆動ユニット2は、モーター20のケース(第3ケース26)に固定され、外部に接続する第1配線53と接続する第1コネクター51と、減速機30の取付部(剛性歯車35)に固定され、外部に接続する第2配線57と接続する第2コネクター55と、を備えている。そして、第1駆動ユニット2は、貫通孔221を通り第1コネクター51及び第2コネクター55に接続する内部配線58を備えている。
この構成により、回転軸22の貫通孔221を通り第1コネクター51及び第2コネクター55に接続する内部配線58を介して、信号や電力の送受信を行うことができる。
なお、第1駆動ユニット2を交換する場合には、第1コネクター51に接続する第1配線53(第1コネクト部531)を引き抜き、また、第2コネクター55に接続する第2配線57(第2コネクト部571)を引き抜く。その後、ボルトB2,B3を取外すことにより、第1駆動ユニット2と基台10、及び第1駆動ユニット2と第1アーム11の固定を解除する。これにより、交換する第1駆動ユニット2を取り外すことができる。そして、新たな第1駆動ユニット2を基台10及び第1アーム11に固定して、第1コネクター51に第1配線53(第1コネクト部531)を差し込み、第2コネクター55に第2配線57(第2コネクト部571)を差し込みことで交換することができる。
従って、第1駆動ユニット2を用いて多関節ロボットを組立てる場合や、第1駆動ユニット2を交換する場合には、従来のように信号線や電力線(内部配線58に相当)を各駆動ユニットの貫通孔に引き入れたり、引き抜いたりする必要が無いため、組立て作業や交換作業を容易に行うことができる。
従来のロボットは、駆動ユニットを交換することを想定しておらず、基台から駆動ユニットの中空部を通ってハンドやスプラインシャフトのカメラまで1つの信号線により接続されている。そのため、駆動ユニットを交換しようとしても、信号線がハンド等に取り付いたままでは交換できず、信号線をハンド等から取り外す作業やハンド等に取り付ける作業を行う必要がある。また、信号線が別の駆動ユニットの中空部を通っている場合には、別の駆動ユニットから信号線を引き抜く作業や信号線を差し込む作業についても行う必要がある。このように煩雑な作業が必要であった従来の駆動ユニットと比べて、第1駆動ユニットに第1コネクター51および第2コネクター55を設けることにより、第1駆動ユニット2について上述の配線の作業を行うだけで交換することが可能となる。
【0106】
本実施形態の第1駆動ユニット2において、内部配線58は信号線581と電力線582とを有している。そして、第1コネクター51と第2コネクター55とは、それぞれ信号線用端子及び電力線用端子を有して、内部配線58の信号線581と電力線582とに接続する。
なお、第1コネクター51の信号線用端子は、内部配線58側の信号線用端子512を有して、信号線581に接続する。また、第1コネクター51の電力線用端子は、内部配線58側の電力線用端子513を有して、電力線582に接続する。
また、第2コネクター55の信号線用端子は、内部配線58側の信号線用端子552を有して、信号線581に接続する。また、第2コネクター55の電力線用端子は、内部配線58側の電力線用端子553を有して、電力線582に接続する。
この構成により、第1コネクター51と第2コネクター55とは、それぞれの信号線用端子と電力線用端子とにより、内部配線58の信号線581と電力線582とに接続することができるため、信号線、電力線の双方において組立て作業を簡略化することができる。
【0107】
本実施形態の第1駆動ユニット2は、回転検出器(エンコーダー28)の一部が少なくとも第3ケース26に覆われ、回転軸22のモーター20側に設置されて、回転軸22の回転を検出する。また、第1駆動ユニット2は、回転検出基板(エンコーダー基板29)が、第1コネクター51と別体で構成され、エンコーダー28からの信号を取り込む。そして、回転検出基板(エンコーダー基板29)は、第1コネクター51と接続されて、内部配線58の信号線581と接続している。
この構成により、回転検出器(エンコーダー28)、回転検出基板(エンコーダー基板29)、第1コネクター51、内部配線58の信号線581との接続が、第1コネクター51と回転検出基板(エンコーダー基板29)とが別体で構成されていても、配線用のスペースを小さくすることができる。
【0108】
本実施形態の第1駆動ユニット2において、ケースとしての支持部材40は、回転軸22の回転の中心軸Aに沿う方向において、モーター20のケース(支持部材40)と減速機30の取付部351との間に取付けプレート45を有し、取付けプレート45は、他の部材(例えば、第1部材としての基台10)に取り付いている。
この構成により、取付けプレート45を有することにより、第1駆動ユニット2を他の部材(例えば、第1部材としての基台10)と固定させることができる。なお、取付けプレート45を他の部材の形状に合わせることにより、固定する他の部材との取付けの自由度が向上する。
【0109】
本実施形態のロボット1は、上述した第1駆動ユニット2と、第1筐体としての基台筐体101を有して第1配線53を内部に通す第1部材としての基台10と、第2筐体としての第1アーム筐体111を有して第2配線57を内部に通し、第1部材に対して相対的に回転する第2部材としての第1アーム11と、を備えている。そして、第1駆動ユニット2のモーター20は、第1部材(基台10)に固定され、出力部(可撓性歯車33)は、第2部材(第1アーム11)に固定される。
この構成により、交換が容易な第1駆動ユニット2を有すると共に、第1部材(基台10)に対して、第2部材(第1アーム11)を相対的に回転させるロボット1を実現することができる。
【0110】
本実施形態のロボット1において、第2部材(第1アーム11)は、開口部112を有し、第2コネクター55は、開口部112の領域に配置される。
この構成により、開口部112を介して、第2コネクター55から第2部材(第1アーム11)の内部に、第2配線57を通すことができるため、別途、コネクター等が必要なく、構成を簡略化することができる。
【0111】
2.第2実施形態
本実施形態では、ロボット1への第2駆動ユニット3の組立てについて説明する。
図4図5は、本実施形態に係る駆動ユニット(第2駆動ユニット3)の概略構成を示す断面図である。なお、図4図5は、第2軸J2を通りXZ平面に平行な断面を示している。また、図4は、主に、第2駆動ユニット3の減速機30、第1アーム11、第2アーム12に対して符号を付記した図であり、図5は、主に、第2駆動ユニット3の送受信構成部50に対して符号を付記した図である。
【0112】
第2駆動ユニット3は、第1実施形態で説明したように、第1駆動ユニット2と同様に構成されるため、以降では、異なる部分を主に説明する。なお、同様の構成部には同様の符号を付記している。
【0113】
第1実施形態の第1駆動ユニット2は、第1部材としての基台10に対し、第2部材としての第1アーム11を相対的に回転させる駆動ユニットである。本実施形態の第2駆動ユニット3は、第1部材としての第2アーム12に対し、第2部材としての第1アーム11を相対的に回転させる駆動ユニットである。なお、第1アーム11は第1軸J1回りに回転し、第2アーム12は第2軸J2回りに回転する。
【0114】
このように互いに回転するため、第2駆動ユニット3は、第2部材としての第1アーム11に対し、第1部材としての第2アーム12を相対的に回転させる駆動ユニットであるとしても同様である。言い換えると、第2アーム12は、第1アーム11に対して第2軸J2回りに回転可能となっている。
【0115】
本実施形態では、モーター20を、第1部材としての第2アーム12に固定する。詳細には、第2駆動ユニット3において、支持部材40の取付けプレート45を、第2アーム12を構成する第2アーム筐体121に固定する。
【0116】
第2アーム筐体121には、取付けプレート45の外径に合せた形状(例えば、段差部122)を有し、挿通孔454に相対して固定用ネジ孔123が形成されている。支持部材40の第2アーム筐体121への固定は、支持部材40(取付けプレート45)を第2アーム筐体121の下方向から、段差部122に位置させた後、ボルトB2を下方向から挿通孔454に挿通させて、固定用ネジ孔123に螺合させることにより固定する。これにより、第1配線53は、第1部材としての第2アーム12の内部を引き回される。
【0117】
また、第2駆動ユニット3は、本実施形態では、出力部としての可撓性歯車33を、第2部材としての第1アーム11に固定する。詳細には、第2駆動ユニット3において、減速機30の可撓性歯車33を、第1アーム11を構成する第1アーム筐体111に固定する。
【0118】
第1アーム筐体111には、後述する開口部115の他、可撓性歯車33の外径に合せた形状(例えば、段差部116)を有し、挿通孔334に相対して挿通孔117が形成されている。可撓性歯車33の第1アーム11への固定は、可撓性歯車33(鍔部333)を第1アーム筐体111の上方向から、段差部116に位置させた後、ボルトB3を下方向から挿通孔117,334に挿通させて、固定用ネジ孔355に螺合させることにより固定する。これにより、第2配線57は、第2部材としての第1アーム11の内部を引き回される。
【0119】
この組立てにより、本実施形態では、第2アーム12に固定されたモーター20の回転による駆動力が波動発生器31に入力され、波動発生器31が回転した場合、可撓性歯車33に固定される第1アーム11が第2アーム12に対して中心軸A(第2軸J2)周りに回転する。第1アーム11が固定されているとした場合、第2アーム12が中心軸A(第2軸J2)周りに回転する。
【0120】
送受信構成部50の構成と動作について説明する。
第2駆動ユニット3の送受信構成部50も、第1実施形態の送受信構成部50と同様に構成されている。また、第2駆動ユニット3の第2コネクター55は、第2駆動ユニット3の出力側を固定する第1アーム11の第1アーム筐体111に形成される開口部115の領域に配置されている。
【0121】
そして、図5に示すように、第2コネクター55は、外部に接続する第2配線57(第2コネクト部571)と接続されている。ここで、「外部」とは、本実施形態では、第1駆動ユニット2の第2コネクター55に相当する。なお、第2駆動ユニット3の第2コネクター55に接続する第2配線57は、第1駆動ユニット2の第2配線57に接続し、最終的に第1駆動ユニット2の第2コネクター55に接続する。
【0122】
第2駆動ユニット3の第1コネクター51は、外部に接続する第1配線53(第1コネクト部531)と接続されている。ここで、「外部」とは、本実施形態では、ロボット1のエンドエフェクターとして、ハンド(図示省略)等を備える場合には、力覚センサーの情報を送受信する回路基板(図示省略)に相当する。
【0123】
第2駆動ユニット3における送受信構成部50の動作として、例えば、制御装置19からの第2駆動ユニット3のモーター20の回転数を検出する回転数検出指示の信号を受ける場合を説明する。
【0124】
最初に、回転数検出指示の信号を、第1駆動ユニット2の第2配線57(第2信号線572)を介して受信する。詳細には、第2駆動ユニット3の第2コネクター55は、第2配線57(第2信号線572)から入力する光信号を信号線用端子554で受け、第2送受信回路基板551は、信号線用端子552を発光させ、内部配線58(信号線581)に光信号を出力する。
【0125】
そして、第1コネクター51は信号線用端子512により、内部配線58(信号線581)による光信号を受光して入力し、第1送受信回路基板511は、受信した光信号を電気信号に変換してエンコーダー基板29に送信する。第1送受信回路基板511は、エンコーダー基板29から受信した回転数のデータを信号線用端子512で光信号に変換して、内部配線58(信号線581)に出力する。
【0126】
第2駆動ユニット3の第2コネクター55は、内部配線58(信号線581)から入力する光信号を信号線用端子552で受光し、第2送受信回路基板551は、信号線用端子554から第2配線57(第2信号線572)に出力する。この光信号が、第1駆動ユニット2を介して制御装置19に送信される。
【0127】
また、第2駆動ユニット3における送受信構成部50の動作として、例えば、ロボット1がハンド(図示省略)等を備えて、力覚センサーの情報を制御装置19に送信する場合を簡単に説明する。
【0128】
この場合、第2駆動ユニット3の第1コネクター51は、力覚センサーの情報を送受信する回路基板(図示省略)から出力された光信号を、第1配線53(第1信号線532)を介して信号線用端子514で受信し、信号線用端子512から内部配線58(信号線581)に出力する。第2駆動ユニット3の第2コネクター55は、内部配線58(信号線581)から入力する光信号を、信号線用端子552で受信し、信号線用端子554から第2配線57(第2信号線572)に出力する。この光信号が、第1駆動ユニット2を介して制御装置19に送信される。
【0129】
また、第2駆動ユニット3における送受信構成部50の動作として、例えば、モーター20を駆動させる場合を簡単に説明する。
【0130】
この場合、制御装置19からの第2駆動ユニット3のモーター20を駆動する駆動用電力(例えば、交流電流)を、第1駆動ユニット2を経由して第2駆動ユニット3の第2コネクター55(電力線用端子555)に伝達される。そして、第2駆動ユニット3の内部配線58(電力線582)を介して第1コネクター51に伝達された後、駆動用電力をステーター23(コイル232)へ供給してモーター20を回転させる。
【0131】
第2駆動ユニット3を交換する場合について簡単に説明する。
図4に示すように、第2駆動ユニット3を交換する場合には、第2駆動ユニット3を第2アーム12及び第1アーム11から取外すことになる。
【0132】
最初に、第2駆動ユニット3において、第1コネクター51に接続している第1コネクト部531を、第1コネクター51から引き抜くことで、第1配線53を第2駆動ユニット3から取外す。同様に、第2駆動ユニット3において、第2コネクター55に接続している第2コネクト部571を、第2コネクター55から引き抜くことで、第2配線57を第2駆動ユニット3から取外す。
【0133】
次に、ボルトB2を取外すことにより、第2アーム筐体121と支持部材40との固定を解除する。また、ボルトB3を取外すことにより、第1アーム筐体111と可撓性歯車33との固定を解除する。
以上により、第2駆動ユニット3を第2アーム12及び第1アーム11から取外すことができる。
【0134】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0135】
3.第3実施形態
図6は、本実施形態に係る駆動ユニット(第1駆動ユニット2A)の概略構成を示す部分断面図である。
第1実施形態では、第1駆動ユニット2を構成するエンコーダー基板29と第1コネクター51の第1送受信回路基板511(第1コネクター51)とは、別体で構成されている。しかし、本実施形態の第1駆動ユニット2Aでは、図6に示すように、第1コネクター51Aにおいて、第1実施形態でのエンコーダー基板29と第1送受信回路基板511とが一体に構成されて、新たな第1送受信回路基板511Aを構成している。
【0136】
そのため、第1送受信回路基板511Aは、エンコーダー基板29としての機能、例えば、第1実施形態では、第1送受信回路基板511の信号を受けて、エンコーダー28からの信号を第1送受信回路基板511に送信する機能等を有している。第1実施形態のエンコーダー基板29と第1送受信回路基板511とは一体で構成され、新たな第1送受信回路基板511Aを構成すると共に、内部配線58の信号線581と接続している。言い換えると、第1実施形態のエンコーダー基板29は、本実施形態の第1コネクター51Aに一体で構成されている。なお、この構成は、第2駆動ユニット3においても適用することができる。
【0137】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる他、以下の効果を得ることができる。
【0138】
本実施形態の第1駆動ユニット2Aにおいて、第1実施形態のエンコーダー基板29と第1送受信回路基板511とは一体で構成され、エンコーダー基板を含む、新たな第1送受信回路基板511Aを構成すると共に、内部配線58の信号線581と接続している。
この構成により、エンコーダー28から第1送受信回路基板511Aまでの中心軸Aに沿う距離を短くすることができることで、第1駆動ユニット2Aの中心軸Aに沿う方向における小型化を図ることができる。また、配線用のスペースを第1実施形態と比べて、更に小さくすることができる。
【0139】
4.第4実施形態
図7は、本実施形態に係る駆動ユニット(第1駆動ユニット2B)の概略構成を示す部分断面図である。
第1実施形態では、第1駆動ユニット2を構成するエンコーダー28とエンコーダー基板29とは、モーター20側の回転軸22の端部に設置されている。しかし、本実施形態の第1駆動ユニット2Bでは、図7に示すように、エンコーダー28Bとエンコーダー基板29Bとを、減速機30側となる回転軸22の端部に設置している。
【0140】
図7に示すように、本実施形態の回転検出器としてのエンコーダー28Bは、回転軸22の減速機30側の端部に設置されており、回転軸22の回転を検出する。また、回転検出基板としてのエンコーダー基板29Bは、エンコーダー28Bが設置される回転軸22での位置よりも上端部22b側に設置されている。なお、エンコーダー28B及びエンコーダー基板29Bの機能は、第1実施形態のエンコーダー28及びエンコーダー基板29の機能と同様である。
【0141】
エンコーダー基板29Bは、減速機30の固定部としての剛性歯車35の取付部351に有する支持部材357から突出して構成される支持部材358に固定される。また、エンコーダー基板29Bは、第2コネクター55(第2送受信回路基板551)と接続されて、内部配線58の信号線581と接続している。なお、この構成は、第2駆動ユニット3においても適用することができる。
【0142】
本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる他、以下の効果を得ることができる。
【0143】
本実施形態の第1駆動ユニット2Bにおいて、回転検出器としてのエンコーダー28Bは、回転軸22の減速機30側に設置され、回転軸22の回転を検出する。また、回転検出基板としてのエンコーダー基板29Bは、エンコーダー28Bからの信号を取り込むと共に、減速機30側に設置される。そして、エンコーダー基板29Bは、第2コネクター55と接続されて、内部配線58の信号線581と接続している。
この構成により、エンコーダー28B及びエンコーダー基板29Bの第1駆動ユニット2Bにおける配置の自由度を向上させることができる。
【0144】
5.変形例1
本実施形態では、基台10や第1アーム11から第1駆動ユニット2を取外すことを説明しているが、その他に、第1駆動ユニット2自体をモーター20と減速機30とに分離して再度組付けることも行うことができる。その場合、第1コネクター51と第2コネクター55との間が内部配線58で接続されているため、光軸のアライメント調整を行う必要がない。
【0145】
6.変形例2
本実施形態では、内部配線58の信号線581、第1配線53の第1信号線532、第2配線57の第2信号線572は、光ファイバーで構成されている。しかし、これには限られず、通常の導線(リード線)で構成されて電気信号を伝達することでもよい。
【0146】
7.変形例3
本実施形態では、駆動ユニット(第1駆動ユニット2や第2駆動ユニット3)を組込むロボットとして、水平多関節ロボットを取り上げて説明している。しかし、これには限られず、駆動ユニット(第1駆動ユニット2や第2駆動ユニット3)を組込むロボットとして、垂直多関節ロボットであってもよく、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0147】
1…ロボット、2…第1駆動ユニット、3…第2駆動ユニット、10…基台、11…第1アーム、12…第2アーム、20…モーター、21…駆動部としてのローター、22…回転軸、23…駆動部としてのステーター、24…ケースとしての第1ケース、25…ケースとしての第2ケース、26…ケースとしての第3ケース、28…回転検出器としてのエンコーダー、29…回転検出基板としてのエンコーダー基板、30…減速機、31…入力部としての波動発生器、33…出力部としての可撓性歯車、35…取付部としての剛性歯車、40…ケースとしての支持部材、45…取付けプレート、50…送受信構成部、51…第1コネクター、53…第1配線、55…第2コネクター、57…第2配線、58…内部配線、101…基台筐体、111…第1アーム筐体、112…開口部、115…開口部、121…第2アーム筐体、221…回転軸の貫通孔、512、552…内部配線側の信号線用端子、513、553…内部配線側の信号線用端子、581…信号線、582…電力線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7