IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特許7643318画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム
<>
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図1
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図2
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図3
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図4
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図5
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図6
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図7
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図8
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図9
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図10
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図11
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図12
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図13
  • 特許-画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/02 20060101AFI20250304BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20250304BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
B65H7/02
G03G21/00 388
G06F3/12 303
G06F3/12 332
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021201882
(22)【出願日】2021-12-13
(65)【公開番号】P2023087477
(43)【公開日】2023-06-23
【審査請求日】2024-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市
(72)【発明者】
【氏名】辻本 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】木俣 明則
(72)【発明者】
【氏名】林 健一
(72)【発明者】
【氏名】神保 典幸
(72)【発明者】
【氏名】梅田 史郎
【審査官】小川 克久
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-013487(JP,A)
【文献】特開2012-123269(JP,A)
【文献】特開2020-097170(JP,A)
【文献】特開2009-271139(JP,A)
【文献】特開2020-101739(JP,A)
【文献】特開2021-079659(JP,A)
【文献】特開2021-059451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/02
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによる操作を契機として、画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を検出する検出手段と、
前記シートの銘柄に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記検出手段が検出したシートの物性値に関する情報と、前記受付手段が受け付けたシートの銘柄に関する情報とを関連付けて、記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記シートの銘柄に関する情報は、シートの銘柄情報を含む請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記記憶手段に記憶されているシートの物性値に関する情報とシートの銘柄に関する情報は、外部装置経由で他の画像形成装置に転送可能である請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記受付手段は、バーコード読み取り機能を有する携帯情報端末からの転送により、バーコードの読み取りにより得られた前記シートの銘柄に関する情報を受け付ける請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
操作表示部を備え、
前記受付手段は、前記操作表示部からのユーザー入力に基づいて前記シートの銘柄に関する情報を受け付ける請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記受付手段は、音声入力、カメラによる撮影、画像読取装置による読み取りの少なくともいずれかに基づいて、前記シートの銘柄に関する情報を受け付ける請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記携帯情報端末からの転送は、近距離無線通信手段であるBLUETOOTH(登録商標)、赤外線通信、NFC通信、無線WIFIのうちの少なくともいずれかによって行われる請求項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記受付手段により受け付けられたシートの銘柄に関する情報は、サービスマンが問題点情報を連絡するために紙出力媒体に出力されるマシン管理リストに記述される請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記受付手段により受け付けられたシートの銘柄に関する情報は、サービスマンが問題点情報を連絡するメールに記載される請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記記憶手段に記憶された前記シートの物性値に関する情報と、前記シートの銘柄に関する情報とを、外部装置に送信する送信手段を備えている請求項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
ユーザーによる操作を契機として画像形成装置の検出手段により検出された、画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を取得する第1の取得手段と、
前記画像形成装置の受付手段により入力が受け付けられた、前記シートの銘柄に関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段が取得したシートの物性値に関する情報と、前記第2の取得手段が取得したシートの銘柄に関する情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項12】
画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を、ユーザーによる画像形成装置の操作を契機として前記画像形成装置の検出手段が検出するステップと、
前記シートの銘柄に関する情報の入力を受付手段が受け付けるステップと、
前記検出手段が検出したシートの物性値に関する情報と、前記受付手段が受け付けたシートの銘柄に関する情報とを関連付けて、制御手段が記憶手段に記憶させるステップと、
を備えたことを特徴とする情報収集方法。
【請求項13】
画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を、ユーザーによる操作を契機として画像形成装置の検出手段が検出する検出ステップと、
前記シートの銘柄に関する情報の入力を受け付ける受付ステップと、
前記検出ステップで検出したシートの物性値に関する情報と、前記受付ステップで取得したシートの銘柄に関する情報とを関連付けて、記憶手段に記憶させる制御ステップと、
を前記画像形成装置のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
ユーザーによる操作を契機として画像形成装置の検出手段により検出された、画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
前記画像形成装置の受付手段により入力が受け付けられた、前記シートの銘柄に関する情報を取得する第2の取得ステップと、
前記第1の取得ステップで取得したシートの物性値に関する情報と、前記第2の取得ステップで取得したシートの銘柄に関する情報とを関連付けて記憶手段に記憶するステップと、
を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
【請求項15】
前記シートの銘柄に関する情報は、シートの銘柄情報を含む請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項16】
ユーザーによる操作を契機として画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された物性値に対応する前記シートの銘柄に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記検出手段が検出したシートの物性値に関する情報と、前記受付手段が受け付けたシートの銘柄に関する情報とを関連付けて、記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
前記シートの銘柄に関する情報は、シートの銘柄情報を含む請求項16に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、あるいはMFPと称される多機能デジタル複合機等の画像形成装置、画像が形成されるシートの種類についての情報を収集する情報処理装置、情報収集方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置として、画像が形成される記録媒体であるシート(用紙を含む)の種類(シート種または紙種)を、光学センサ等を用いて自動的に判別するものが提供されている。
【0003】
このようなシート種判別を行う画像形成装置は、一般的に、メーカーが設定されたシート種判定閾値等の所定の条件に基づいてシート種判別を行っている。しかし、その所定の条件は、メーカーが入手したシート種情報で設定されていることが多く、メーカーが把握していなかったシート種をユーザーが使用していた場合、その所定の条件では対応ができていないため、間違ったシート種判別が行われてしまう場合がある。したがって、把握していないシート種の情報を集め、検出精度を上げることが重要である。
【0004】
特許文献1には、転写紙の商品名からのプロセス条件を遠隔地管理システムから呼び出してプリントを実行する画像形成装置が開示されている。具体的には、画像形成動作条件を規定する動作制御値設定手段に設定するために、商品名毎にその紙種に応じて画像形成に適した前記設定値データを記憶するための設定値記憶手段と、転写紙の商品名を取得する商品名取得手段とを具備し、転写紙の商品名毎に適した設定値データを、複数の画像形成装置を遠隔地管理することができる遠隔地管理システムから、通信回線を介して取得して前記設定値記憶手段に記憶する機能を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-271139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の画像形成装置では、メーカーが把握していないシート種のデータについて対応できるものではなかった。このため、メーカーが把握していないシート種の情報を集め、シート種の検出精度を上げることができる画像形成装置の提供が望まれている。
【0007】
この発明は、このような技術的背景に鑑みてなされたものであって、メーカーが把握していないシート種の情報を収集し、シート種の検出精度の向上に寄与できる画像形成装置、情報処理装置、情報収集方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は以下の手段によって達成される。
(1)ユーザーによる操作を契機として、画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を検出する検出手段と、
前記シートの銘柄に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記検出手段が検出したシートの物性値に関する情報と、前記受付手段が受け付けたシートの銘柄に関する情報とを関連付けて、記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(2)前記シートの銘柄に関する情報は、シートの銘柄情報を含む前項1に記載の画像形成装置。
(3)前記記憶手段に記憶されているシートの物性値に関する情報とシートの銘柄に関する情報は、外部装置経由で他の画像形成装置に転送可能である前項1または2に記載の画像形成装置。
(4)前記受付手段は、バーコード読み取り機能を有する携帯情報端末からの転送により、バーコードの読み取りにより得られた前記シートの銘柄に関する情報を受け付ける前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
(5)操作表示部を備え、
前記受付手段は、前記操作表示部からのユーザー入力に基づいて前記シートの銘柄に関する情報を受け付ける前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
(6)前記受付手段は、音声入力、カメラによる撮影、画像読取装置による読み取りの少なくともいずれかに基づいて、前記シートの銘柄に関する情報を受け付ける前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
(7)前記携帯情報端末からの転送は、近距離無線通信手段であるBLUETOOTH(登録商標)、赤外線通信、NFC通信、無線WIFIのうちの少なくともいずれかによって行われる前項に記載の画像形成装置。
(8)前記受付手段により受け付けられたシートの銘柄に関する情報は、サービスマンが問題点情報を連絡するために紙出力媒体に出力されるマシン管理リストに記述される前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
(9)前記受付手段により受け付けられたシートの銘柄に関する情報は、サービスマンが問題点情報を連絡するメールに記載される前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
(10)前記記憶手段に記憶された前記シートの物性値に関する情報と、前記シートの銘柄に関する情報とを、外部装置に送信する送信手段を備えている前項1~のいずれかに記載の画像形成装置。
(11)ユーザーによる操作を契機として画像形成装置の検出手段により検出された、画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を取得する第1の取得手段と、
前記画像形成装置の受付手段により入力が受け付けられた、前記シートの銘柄に関する情報を取得する第2の取得手段と、
前記第1の取得手段が取得したシートの物性値に関する情報と、前記第2の取得手段が取得したシートの銘柄に関する情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
(12)画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を、ユーザーによる画像形成装置の操作を契機として前記画像形成装置の検出手段が検出するステップと、
前記シートの銘柄に関する情報の入力を受付手段が受け付けるステップと、
前記検出手段が検出したシートの物性値に関する情報と、前記受付手段が受け付けたシートの銘柄に関する情報とを関連付けて、制御手段が記憶手段に記憶させるステップと、
を備えたことを特徴とする情報収集方法。
(13)画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を、ユーザーによる操作を契機として画像形成装置の検出手段が検出する検出ステップと、
前記シートの銘柄に関する情報の入力を受け付ける受付ステップと、
前記検出ステップで検出したシートの物性値に関する情報と、前記受付ステップで取得したシートの銘柄に関する情報とを関連付けて、記憶手段に記憶させる制御ステップと、
を前記画像形成装置のコンピュータに実行させるためのプログラム。
(14)ユーザーによる操作を契機として画像形成装置の検出手段により検出された、画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を取得する第1の取得ステップと、
前記画像形成装置の受付手段により入力が受け付けられた、前記シートの銘柄に関する情報を取得する第2の取得ステップと、
前記第1の取得ステップで取得したシートの物性値に関する情報と、前記第2の取得ステップで取得したシートの銘柄に関する情報とを関連付けて記憶手段に記憶するステップと、
を情報処理装置に実行させるためのプログラム。
(15)前記シートの銘柄に関する情報は、シートの銘柄情報を含む前項11に記載の情報処理装置。
(16)ユーザーによる操作を契機として画像形成に供されるシートの物性値に関する情報を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された物性値に対応する前記シートの銘柄に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記検出手段が検出したシートの物性値に関する情報と、前記受付手段が受け付けたシートの銘柄に関する情報とを関連付けて、記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
(17)前記シートの銘柄に関する情報は、シートの銘柄情報を含む前項16に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0009】
前項(1)に記載の発明によれば、検出手段が検出したシートの物性値に関する情報と、取得手段が取得したシートの銘柄に関する情報とが、画像形成装置の記憶手段に記憶される。このため、メーカーが把握していないシート種が使用された場合、検出されたシートの物性値に関する情報とシートの銘柄に関する情報とが記憶手段に記憶され、蓄積されていくから、メーカーが把握していないシート種の情報を収集することができる。その結果、不明なシート種が少なくなり、シート種の検出精度の向上に寄与することができる。
【0010】
前項(2)に記載の発明によれば、シートの物性値に関する情報と、シートの銘柄に関する情報とが関連付けて記憶されるから、両方の情報の取り扱いが簡易になる。
【0011】
前項(3)に記載の発明によれば、シートの銘柄に関する情報には、シートの銘柄、入力されたシート種情報、シート種の判定閾値のうちの少なくともいずれかが含まれる。
【0012】
前項(4)に記載の発明によれば、記憶手段に記憶されているシートの物性値に関する情報とシートの銘柄に関する情報を、外部装置経由で他の画像形成装置に転送することができる。
【0013】
前項(5)に記載の発明によれば、シート種を判別する学習機能によりシート種判別結果を補正する補正手段を備え、補正手段により補正されたシート種判別結果を記憶手段に記憶させるから、シート種の検出精度をさらに向上できる。
【0014】
前項(6)に記載の発明によれば、学習機能に基づいて補正手段がシートである封筒の判別結果を補正する場合は、超音波センサで検出した電圧値が補正される。
【0015】
前項(7)に記載の発明によれば、学習機能に基づいて同一種類と判別されたシートにおいて、補正量が異なる場合には、補正量を平均化した補正、または標準偏差の算出によるばらつきを考慮した補正を行うことで、精度の高い補正を行うことができる。
【0016】
前項(8)に記載の発明によれば、学習手段及び補正手段は、画像形成装置のエッジ端末に備えられ、エッジ端末でシート種判別結果をリアルタイムで補正することができる。
【0017】
前項(9)に記載の発明によれば、機械学習アルゴリズムの推論モデルを用いて強化学習する学習機能により、アルゴリズムを補正してファームウェアを自動的にアップデートすることができる。
【0018】
前項(10)に記載の発明によれば、ユーザーはファームウェアの自動的アップデートの可否を選択することができる。
【0019】
前項(11)に記載の発明によれば、バーコード読み取り機能を有する携帯情報端末からの転送により、バーコードの読み取りにより得られたシートの銘柄に関する情報を取得することができる。
【0020】
前項(12)に記載の発明によれば、操作表示部からのユーザー入力に基づいてシートの銘柄に関する情報を取得することができる。
【0021】
前項(13)に記載の発明によれば、音声入力、カメラによる撮影、画像読取装置による読み取りの少なくともいずれかに基づいて、シートの銘柄に関する情報を取得することができる。
【0022】
前項(14)に記載の発明によれば、バーコードの読み取りにより得られたシートの銘柄に関する情報の携帯情報端末からの転送を、近距離無線通信手段であるBLUETOOTH(登録商標)、赤外線通信、NFC通信、無線WIFIのうちの少なくともいずれかによって行うことができる。
【0023】
前項(15)に記載の発明によれば、取得されたシートの銘柄に関する情報は、サービスマンが問題点情報を連絡するために紙出力媒体に出力されるマシン管理リストに記述されるから、サービスマンは、取得されたシートの銘柄に関する情報を紙出力媒体で確認できる。
【0024】
前項(16)に記載の発明によれば、シートの銘柄に関する情報は、サービスマンが問題点情報を連絡するメールに記載されるから、サービスマンは、取得されたシートの銘柄に関する情報をメールで確認できる。
【0025】
前項(17)に記載の発明によれば、画像形成装置は、記憶手段に記憶されたシートの物性値に関する情報と、シートの銘柄に関する情報とを、外部装置に送信することができる。
【0026】
前項(18)に記載の発明によれば、メーカーが把握していないシート種が使用された場合、検出されたシートの物性値に関する情報とシートの銘柄に関する情報とが情報処理装置の記憶手段に記憶され、蓄積されていくから、メーカーが把握していないシート種の情報を収集することができる。
【0027】
前項(19)に記載の発明によれば、シート種を判別する学習機能によりシート種判別結果を補正する補正手段を備え、補正手段により補正されたシート種判別結果を記憶手段に記憶させるから、シート種の検出精度をさらに向上できる。
【0028】
前項(20)に記載の発明によれば、機械学習アルゴリズムの推論モデルを用いて強化学習する学習機能により、補正機能を実現するアルゴリズムを補正してファームウェアを自動的にアップデートするとともに、アップデートされたファームウェアを前記画像形成装置に送信することができる。
【0029】
前項(21)に記載の発明によれば、メーカーが把握していないシート種が使用された場合、検出されたシートの物性値に関する情報とシートの銘柄に関する情報とを収集することができる。
【0030】
前項(22)に記載の発明によれば、画像形成に供されるシートの物性値に関する情報と、取得したシートの銘柄に関する情報を取得し、記憶手段に記憶させる処理を、画像形成装置のコンピュータに実行させることができる。
【0031】
前項(23)に記載の発明によれば、画像形成に供されるシートの物性値に関する情報と、取得したシートの銘柄に関する情報を取得し、記憶手段に記憶させる処理を、情報処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図2】画像形成装置本体の制御系の構成図である。
図3】坪量検知センサーの構成図である。
図4】閾値テーブルに記載された閾値の構成についての説明図である。
図5】閾値テーブルの設定例についての説明図である。
図6図5に示した閾値テーブルに規定された各閾値を示すグラフである。
図7】A及びBはシート種類設定画面Sc1を示す図である。
図8】画像形成装置によるシート種類判別処理の手順の例を示すフローチャートである。
図9】用紙銘柄情報の入力画面を示す図である。
図10】(A)~(C)は用紙銘柄情報の入力手順を説明するための図である。
図11】用紙銘柄情報の入力に際しての画像形成装置の動作を示すフローチャートである。
図12】シート種類設定画面Sc1のスタートボタンBn2が押下された場合における画像形成装置による画像形成処理の手順の例を示すフローチャートである。
図13】この発明の他の実施形態を説明するための図である。
図14図13で説明した用紙銘柄情報の入力・転送処理を実施する際の画像形成装置、携帯情報端末、外部記憶装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置100の概略構成について説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置100の概略構成例を示す図である。
【0035】
画像形成装置100は、電子写真方式で画像形成を行う複合機(MFP:MultiFunction Peripheral)である。なお、画像形成装置100の画像形成方式は電子写真方式に限定されず、インクジェット方式等の他の方式であってもよい。また、画像形成装置100は、複合機ではなく、画像形成のみを行う装置であってもよい。
【0036】
図1に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置本体1と、給紙キャビネット部2と、操作表示部3と、カバー部4と、を備える。
【0037】
画像形成装置本体1は、電源10と、制御部11と、給紙トレイ12-1及び12-2と、画像形成部20と、レジストローラー25と、坪量検知センサー26と、排紙トレイ27と、を備える。
【0038】
電源10は、画像形成装置100を構成する各部に電力を供給する。制御部11は、画像形成装置100を構成する各部の動作を制御する。給紙トレイ12-1及び12-2は、シート(用紙)が収容されるトレイである。本実施形態では、画像形成装置本体1の下部に、給紙トレイ12-3及び12-4を備える給紙キャビネット部2も設けられる。給紙トレイ12-1~12-4には、それぞれ紙種やサイズ等の異なるシートが収容される。以下の説明において、給紙トレイ12-1~12-4をそれぞれ区別する必要がない場合には、これらを給紙トレイ12と総称する。
【0039】
画像形成部20は、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色のトナー画像を形成するためのイメージングユニット21Y,21M,21C及び21Kと、中間転写ユニット22と、2次転写ローラー23と、定着部24と、を備える。
【0040】
イメージングユニット21Yは、感光体ドラム211Yと、感光体ドラム211Yを中心として配置される帯電チャージャ、現像器(それぞれ、図中に円形で表示)と、を備える。イメージングユニット21Yは、不図示のレーザー走査光学ユニットから照射される光によって感光体ドラム211Y上に描画される静電潜像を、マイナスに帯電したトナーを現像器から感光体ドラムに移動させることにより現像し、イエローのトナー画像を形成する。
【0041】
なお、イメージングユニット21M,21C,21Kの構成は、イメージングユニット21Yと同一であるため、ここではこれらの構成についての説明は省略する。また、以下の説明において、感光体ドラム211Y,211M,211C及び211Kのそれぞれを区別する必要がない場合には、これらを感光体ドラム211と総称する。
【0042】
中間転写ユニット22は、回転駆動される中間転写ベルト221と、1次転写ローラー222Y,222M,222C,222Kと、を備える。以下の説明において、1次転写ローラー222Y,222M,222C及び222Kのそれぞれを区別する必要がない場合には、これらを1次転写ローラー222と総称する。
【0043】
中間転写ユニット22は、イメージングユニット21の各感光体ドラム211と対向する位置に配置された1次転写ローラー222から付与される電界により、各感光体ドラム211上に形成されたトナー画像を、中間転写ベルト221上に1次転写して合成する。合成された画像は、2次転写ローラー23にてシート(記録材の一例)に転写される。
【0044】
定着部24は、加熱ローラー241及び加圧ローラー242を備える。加熱ローラー241及び加圧ローラー242は当接してニップを形成する。加熱ローラー241は、不図示のIH(Induction Heating)やハロゲンヒータ(図示略)等により加熱される。加熱ローラー241は、加圧ローラー242の回転に従動して回転する。シートがニップに送り込まれると、シートは加熱ローラー241により加熱される。その結果、シートにトナーが定着する。また、定着部24は、例えばサーミスタである不図示の温度検出部を含む。トナーが定着したシートは、排紙トレイ27に排出される。
【0045】
レジストローラー25は、シートの搬送路Tpを搬送されるシートの上部及び下部に設けられたローラーである。レジストローラー25は、シートの上部に設けられたローラーと下部に設けられたローラーとのニップにシートの端部を当接させることにより、搬送路Tp上を搬送されるシートの斜行や回転などを補正する。搬送路Tpのシート搬送方向におけるレジストローラー25の上流には、坪量検知センサー26が設けられる。坪量検知センサー26(物性値検知部の一例)は、搬送路Tp上を搬送されるシートの坪量を検知する。坪量検知センサー26については、後述の図3を参照して詳述する。
【0046】
操作表示部3は、例えば、操作入力部(入力部の一例)としてのタッチセンサと、表示部としての表示パネルとが一体に形成されたタッチパネルで構成される。なお、操作入力部と表示部とは、例えば、マウスやキーボードと、表示パネル等のように、別々に構成されてもよい。操作表示部3には、後述の表示制御部16による制御に基づいて、シート種類設定画面Sc1(図7参照)を表示させる。
【0047】
シート種類設定画面Sc1は、シート種類判別部17によって判別されたシートの種類と、坪量検知センサー26によって検知された坪量から推定されるシートの種類とが、選択可能な形態でボタンとして表示される画面である。シート種類設定画面Sc1は、画像形成装置100のサービスマン(保守員)やユーザー管理者などのユーザーによって、シートの種類を学習する学習モードへの移行が指示された場合に、操作表示部3(図1参照)の表示部(又は不図示の端末装置の表示部等)に表示される。
【0048】
学習モードによるシート種類の学習は、例えば、給紙トレイ12に新たな種類のシートがセットされ、表示部に表示された不図示の学習モード開始ボタン等がユーザー押下された場合に行われる。シート種類設定画面Sc1については、後述の図7を参照して詳述する。
【0049】
カバー部4は、ADF(Auto Document Feeder)部41と、IR(Image Reader)ユニット部42と、を備える。ADF部41は、不図示の給紙部にセットされた原稿を読み込んで、不図示の原稿台に送る。IRユニット部42は、原稿給紙台上の原稿から画像を光学的に読み取り、読み取った画像をA/D変換して画像データ(スキャンデータ)を生成する。
<画像形成装置本体の制御系の構成>
次に、図2を参照して、画像形成装置本体1の制御系の構成について説明する。図2は、画像形成装置本体1の制御系の構成例を示すブロック図である。
【0050】
図2に示すように、画像形成装置本体1は、制御部11と、記憶部13と、通信I/F(Interface)部14と、画像処理部15と、画像形成部20と、表示制御部16と、シート種類判別部17と、閾値補正部18と、を備える。
【0051】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)111と、RAM(Random Access Memory)112と、ROM(Read Only Memory)113と、を含む。CPU111は、ROM113に記憶されているシステムプログラムや画像形成プログラム、シート種類判別プログラムなどの各種プログラムを読み出してRAM112に展開し、展開したプログラムに従って画像形成装置100の各部の動作を制御する。
【0052】
RAM112は、CPU111により実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
【0053】
ROM113は、半導体メモリ等の不揮発性メモリ等により構成され、画像形成装置100に対応するシステムプログラム、該システムプログラム上で実行可能なシート画像形成プログラム、種類判別プログラム等を記憶する。これらのプログラムは、コンピュータが読取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPU111は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。つまり、ROM113は、コンピュータによって実行されるプログラムを格納した、コンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。
【0054】
記憶部13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等で構成される。記憶部13には、印刷ジョブに含まれる原稿画像データや、閾値テーブルTなどが記憶される。閾値テーブルTは、シートの種類と、該シートの坪量の上限値及び下限値とが対応付けられたテーブルである。閾値テーブルTについては、後述の図4図6を参照して詳述する。なお、ROM113に記憶される各種プログラムは、記憶部13に記憶されてもよい。すなわち、記憶部13も、コンピュータによって実行されるプログラムを格納した、コンピュータ読取可能な非一過性の記録媒体の一例として用いられる。
【0055】
通信I/F部14は、不図示のネットワークを介して接続される不図示の端末装置との間で行われる印刷ジョブ等の各種データの送受信動作を制御する。
【0056】
画像処理部15は、不図示の端末装置から送信された印刷ジョブに含まれる原稿画像データにRIP(Raster Image Processor)処理を施して印刷用画像データに変換する。そして、画像処理部15は、印刷ジョブに含まれる印刷設定の内容に基づいて、印刷用画像データに各種画像処理を施す。画像形成部20については、図1を参照して説明済みであるため、ここではその説明は省略する。
【0057】
表示制御部16は、操作表示部3(図1参照)の表示部に、シート種類設定画面Sc1(図7図8参照)等の各種画面を表示させる制御を行う。
【0058】
シート種類判別部17は、不図示のケーブル等を介して坪量検知センサー26と接続されており、坪量検知センサー26から送信されるシートの坪量に基づいて、閾値テーブルTを参照して、シートの種類を判別する。
【0059】
閾値補正部(条件変更部の一例)18は、シート種類設定画面Sc1(図7参照)を介してユーザー(サービスマン、ユーザー管理者等)によって選択されたボタンに対応付けられたシート種類が、シート種類判別部17によって判別されたシート種類と異なっていた場合、閾値の補正処理を行う。
【0060】
具体的には、閾値補正部18は、シート種類判別部17がシート種類の判別に用いた、坪量検知センサー26によって検知された坪量(第1の物性値の一例)と、ユーザーによって選択されたボタンに対応付けられたシート種類の坪量(第2の物性値の一例)との差分を算出する。そして、閾値補正部18は、算出した差分をシフト量として、坪量検知センサー26によって検知された坪量を、ユーザーによって選択されたボタンに対応付けられたシート種類の坪量に一致させる方向に、閾値テーブルT(図1参照)内の閾値を増減させることによって、閾値を補正する。
【0061】
なお、閾値補正部18は、閾値ではなく、坪量検知センサー26によるシートの検知(センシング)条件を変更してもよい。もしくは、閾値補正部18は、坪量検知センサー26が検知した透過光L3又は反射光L2(図3参照)を坪量に換算する場合に用いられる閾値(第2の閾値の一例)を変更してもよい。
<坪量検知センサーの構成>
次に、図3を参照して、坪量検知センサー26の構成について説明する。図3は、坪量検知センサー26の構成例を示す図である。
【0062】
図3に示すように、坪量検知センサー26は、透過用光源261a及び261bと、反射光源用基準板262と、反射用光源263と、受光部264と、を備える。透過用光源261aは、例えば近赤外線を照射するLED(Light Emitting Diode)で構成され、透過用光源261bは、青色光を照射するLED等により構成される。受光部264は、受光素子としてのフォトダイオード264aを備える。
【0063】
反射光源用基準板262は、受光部264による測定値の補正を行う際に使用される板である。反射用光源263は、緑色光を照射するLED等により構成される。フォトダイオード264aは、透過用光源261a、261bから照射されて、搬送路Tp上を搬送されるシートを透過した透過光L3と、反射用光源263から照射された照射光L1がシート上で反射された反射光L2と、を受光する。そして、フォトダイオード264aは、受光した透過光L3の透過率(物性値の一例)、及び、受光した反射光L2の反射率(物性値の一例)を測定し、測定値をシート種類判別部17(図1参照)に出力する。
【0064】
なお、図3においては、透過用光源261a及び261bが下側、反射用光源263が上側に配置されているが、実際には、図1に示すように、縦方向に通紙するシートに対して透過用光源261a及び261bが右側、反射用光源263が左側に配置される。
【0065】
図1に示すように、坪量検知センサー26がレジストローラー25の上流側に配置されることにより、レジストローラー25のニップにシートの先端部が当接してシートの搬送が停止した状態で、坪量検知センサー26がシートの坪量を検出することができる。
<閾値の構成>
次に、図4を参照して、閾値テーブルTに記載された閾値の構成について説明する。図4は、閾値の構成例を示すグラフである。
【0066】
図4に示すグラフの横軸は公称坪量(g/m2)であり、縦軸は坪量検知センサー26によって検知される検知坪量(g/m2)である。グラフに示される2本の太字実線の縦線のうち、左側の縦線は公称坪量下限値Thl1を示し、右側の縦線は公称坪量上限値Thu1を示す。一方、グラフに示される2本の太字実線の横線のうち、上側の縦線は検知坪量上限値Thu2を示し、下側の縦線は検知坪量下限値Thl2を示す。そして、公称坪量下限値Thl1、公称坪量上限値Thu1、検知坪量上限値Thu2及び検知坪量下限値Thl2の4つの実線に囲まれた矩形の領域が、この種類の用紙の判別に使用される閾値の範囲を示す。
【0067】
また、グラフに示される2本の破線の横線のうち、上側の破線は検知坪量可変上限値Thvuを示し、下側の破線は検知坪量可変下限値Thvlを示す。検知坪量上限値Thu2を補正する場合には、検知坪量可変上限値Thvuを最大値として増加させることが可能であり、検知坪量下限値Thl2を補正する場合には、検知坪量可変下限値Thvlを最小値として減少させることが可能である。
【0068】
なお、本実施形態では、検知坪量下限値Thl2及び検知坪量上限値Thu2は、それぞれ、シートの種類に応じた画像形成条件の切り替えが行われる際の、各種類のシートに対応する坪量区分の上限値及び下限値に対応した値に設定される。しかしながら、検知坪量下限値Thl2及び/又は検知坪量上限値Thu2は、ユーザーの業務形態等に合わせてユーザーが任意の値に設定してもよい。
【0069】
また、検知坪量下限値Thl2及び/又は検知坪量上限値Thu2には、画像形成装置100にシートを複数枚通紙させた場合における、坪量検知センサー26によるシートの坪量の検知結果の平均値が設定されてもよい。もしくは、坪量検知センサー26による複数回の検知結果を用いて標準偏差を算出した場合における、該標準偏差を考慮した値に設定されてもよい。例えば、坪量検知センサー26によって得られた複数個の検知結果のうち、標準偏差が低い検出結果を用いて、検知坪量下限値Thl2及び/又は検知坪量上限値Thu2が設定されてもよい。
<閾値テーブルの設定例>
次に、図5を参照して、閾値テーブルTの設定例について説明する。図5は、閾値テーブルTの設定例を示す表である。
【0070】
図5の表の左側には、閾値可変範囲の下限値及び上限値と、シート種類とを示し、右側には、検知坪量の閾値範囲の下限値及び上限値を示す。図5には、国内(日本)仕向、米国(インチ)仕向、欧州仕向の各画像形成装置100に設定される閾値の例を示している。なお、図5には、日本、米国、欧州における閾値が閾値テーブルTにすべて表示されている例を示すが、実際には、画像形成装置100が出荷される国における閾値のみが表示されるものとする。
【0071】
例えば、図5に示す閾値テーブルTには、シート種類の「薄紙」に区分される検知坪量の下限値は、日本、米国、欧州のいずれにおいても“58.7(g/m2)”であり、閾値可変範囲の下限値は“52(g/m2)”、上限値は“59(g/m2)”であることが示されている。
【0072】
また、シート種類の「普通紙」に区分される検知坪量の下限値は、日本、米国、欧州のいずれにおいても“58.8(g/m2)”であることが示されている。閾値可変範囲の上限値は、日本及び欧州においては“96.2(g/m2)”であり、米国においては“98.3(g/m2)”であることが示されている。
【0073】
図6は、図5に示した閾値テーブルTに規定された各閾値を示すグラフである。図6Aは、日本仕向の画像形成装置100に適用される閾値の例を示すグラフであり、図6Bは、米国仕向の画像形成装置100に適用される閾値の例を示すグラフである。図6Cは、欧州仕向の画像形成装置100に適用される閾値の例を示すグラフである。
【0074】
図5の示した閾値テーブルTに示されていたように、検知坪量の閾値範囲は、日本仕向、米国仕向、欧州仕向のそれぞれにおいて異なるため、図6に示す、閾値範囲を示す矩形の幅や高さも、日本仕向、米国仕向、欧州仕向のそれぞれにおいて異なっていることが分かる。
【0075】
図5に戻って説明を続ける。図5に示す閾値テーブルTの検知坪量の下限値は、図4に示すグラフにおける検知坪量下限値Thl2であり、検知坪量の上限値は、図4に示すグラフにおける検知坪量上限値Thu2である。また、図5に示す閾値テーブルTにおける閾値可変範囲の下限値は、図4に示すグラフにおける検知坪量下限値Thl2であり、閾値可変範囲の上限値は、図4に示すグラフにおける検知坪量上限値Thu2である。
【0076】
例えば、日本仕向の画像形成装置100に通紙されたシートの種類が“普通紙”である場合、坪量検知センサー26によって検知される坪量は、検知坪量下限値Thl2の“58.8(g)”から、検知坪量上限値Thu2の“96.2(g/m2)”までの範囲に収まることが想定される。しかしながら、坪量検知センサー26の検知結果が、“薄紙”に区分される閾値範囲内の値である“52(g/m2)”であったとする。この場合、シート種類判別部17は、シートの種類は“薄紙”であると誤判定する。
【0077】
本実施形態では、このような場合、シート種類設定画面Sc1(図7参照)に、シート種類の判別結果は“薄紙”であったこと、及び、他のシート種類の選択肢を、ボタンによって示す。そして、ユーザーに対して、正しいシートの種類の入力を促す。
<シート種類設定画面の構成>
次に、図7を参照して、シート種類設定画面Sc1の構成について説明する。図7は、シート種類設定画面Sc1の構成例を示す図である。図7Aは、シート種類判別部17によって判別されたシート種類を示すボタンが強調表示された、シート種類設定画面Sc1の構成例を示す図である。図7Bは、ユーザーによって選択されたシート種類のボタンが強調表示された、シート種類設定画面Sc1の構成例を示す図である。
【0078】
図7A及びBに示すように、シート種類設定画面Sc1は、紙種設定ボタン表示領域Ar1と、坪量検知結果表示領域Ar2と、坪量シフト量表示領域Ar3と、学習モードボタンBn1と、スタートボタンBn2と、ストップボタンBn3と、を有する。
【0079】
紙種設定ボタン表示領域Ar1には、種類の異なる様々な紙種(シート種類)の名称が示された複数のボタンが表示される。図7Aに示す例では、“Thin Paper”のボタンが強調表示されている。これは、シート種類判別部17によって判別されたシートの種類が薄紙(Thin Paper)であったことを示す。
【0080】
シートの種類の学習モードを実行しているユーザー(サービスマン、ユーザー管理者等)は、強調表示されたシート種類が、実際のシートの種類と異なっている場合、正しいシート種類が表示されたボタンを選択することができる。図7Bには、ユーザーによって “Plain Paper”のボタンが押下された状態が示されている。強調表示されたシート種類が、実際のシートの種類と一致している場合、ユーザーは、ボタンを選択し直さなくてもよい。
【0081】
坪量検知結果表示領域Ar2には、坪量検知センサー26(図3参照)によって検知された坪量(g/m2)が表示される。ユーザーは、坪量検知センサー26に表示された坪量を判断材料として、シート種類判別部17による判別結果が正しいか否かを判断することができる。
【0082】
坪量シフト量表示領域Ar3には、判別結果のシート種類のシートの坪量と、ユーザーによって選択されたシート種類のシートの坪量との差分が、坪量シフト量として表示される。坪量シフト量表示領域Ar3への坪量シフト量は、学習モードボタンBn1の押下後に、閾値補正部18によって、シート種類判別部17による判別結果と、ユーザーによって選択されたボタンに対応するシート種類とが異なっていると判定された場合に表示される。
【0083】
なお、図7A及びBには、シート種類設定画面Sc1に坪量検知結果表示領域Ar2及び坪量シフト量表示領域Ar3が両方とも表示される表示される例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。坪量検知結果表示領域Ar2及び坪量シフト量表示領域Ar3のいずれか一つが表示されてもよく、いずれも表示されなくてもよい。
【0084】
学習モードボタンBn1は、ユーザーによって押下された場合に、閾値補正部18による差分(シフト量)の算出及び補正処理を開始させるボタンである。
【0085】
スタートボタンBn2は、印刷ジョブを開始させるボタンである。ストップボタンBn3は、学習モードを終了させたり、スタートボタンBn2の押下に基づいて開始した印刷ジョブを停止させたりするボタンである。
【0086】
例えば、坪量検知センサー26によって坪量が“52(g/m2)”と検知され、シート種類判別部17によって、シートの種類は“薄紙”であると判定されたとする。この場合、図7Aに示すように、薄紙を示す“Thin Paper”のボタンが強調表示される。しかしながら、実際のシートの種類は普通紙である場合、ユーザーは、図7Bに示すように、普通紙を示す“Plain Paper”のボタンを選択した上で、学習モードボタンBn1を押下する。
【0087】
これにより、閾値補正部18は、普通紙の検知坪量の下限値である“58.8(g/m2)”(図5の国内仕向の閾値の下限値)と、検知閾値である“52(g/m2)”との差分である“6.8(g/m2)”を算出する。そして、閾値補正部18は、差分の“6.8(g/m2)”をシフト量として“58.8(g/m2)”から減算し、普通紙の検知坪量の下限値を、減算の結果得られた“52(g/m2)”に補正する。この補正に基づき、薄紙の検知閾値の上限値は、“51.9(g/m2)”に補正される。
【0088】
なお、本実施形態では、閾値補正部18が、坪量検知センサー26による検知坪量と、ユーザーによって選択されたシート種類に対応付けられた坪量との差分を用いて閾値を補正する例を挙げたが、本発明はこれに限定されない。例えば、閾値補正部18は、閾値の上限値及び下限値により示される範囲を所定数に分割して得られる各ステップを変更の単位として、閾値を変更しても良い。これにより、閾値変更部18による閾値補正処理をより簡易なものとすることができる。
【0089】
<シート種類判別方法>
次に、画像形成装置100によるシート種類判別方法について、図8を参照して説明する。図8は、画像形成装置100によるシート種類判別処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0090】
画像形成装置100によるシート判別処理は、新たに使用するシートを給紙トレイ12(図1参照)にセットしたユーザーによって、操作表示部3の画面に表示された不図示の学習モード開始ボタンが押下されたことを契機として開始する。
【0091】
まず、画像形成装置100の制御部11(図2参照)は、学習モード開始ボタンの押下を検知する(ステップS1)。次いで、表示制御部16は、操作表示部3にシート種類設定画面Sc1(図7参照)を表示させる(ステップS2)。次いで、制御部11は、給紙トレイ12からシートを給紙して、レジストローラー25の方向にシートの搬送を開始する制御を行う(ステップS3)。
【0092】
次いで、シートを検知した坪量検知センサー26は、シートの坪量を検知する(ステップS4)。次いで、シート種類判別部17は、坪量検知センサー26による検知坪量に基づいて、シートの種類を判別する(ステップS5)。次いで、表示制御部16は、シート種類設定画面Sc1の紙種設定ボタンにおいて、ステップS5でシート種類判別部17が判別した種類のボタンを強調表示する(ステップS6)。
【0093】
次いで、表示制御部16は、ステップS4で坪量検知センサー26が検知した坪量を、シート種類設定画面Sc1の坪量検知結果表示領域Ar2(図7参照)に表示させる(ステップS7)。次いで、制御部11は、ユーザーによって、シート種類設定画面Sc1の学習モードボタンBn1が押下されたか否かを判定する(ステップS8)。ステップS8で学習モードボタンBn1は押下されていないと判定された場合(ステップS8がNO判定の場合)、制御部11は、ステップS8の判定を続ける。
【0094】
一方、ステップS8で、学習モードボタンBn1は押下されたと判定された場合(ステップS8がYES判定の場合)、閾値補正部18は、ユーザーによって選択されたシート種類と、シート種類判別部17が判別したシート種類とは一致しているか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9で、シート種類は一致していると判定された場合(ステップS9がYES判定の場合)、画像形成装置100によるシート種類判別処理は終了する。つまり、ユーザーによって選択されたシート種類と、シート種類判別部17が判別したシート種類とが一致していた場合、閾値補正部18による閾値補正処理は行われない。
【0095】
一方、ステップS9で、シート種類は一致していないと判定された場合(ステップS9がNO判定の場合)、閾値補正部18は、坪量検知センサー26による検知坪量と、ユーザーによって選択されたシート種類のシートの坪量との差分を算出する(ステップS10)。次いで、閾値補正部18は、算出した差分をシフト量としてシート種類判別用の閾値の補正を行い、補正後の閾値を記憶部13内の閾値テーブルT(図5参照)に保存する(ステップS11)。
【0096】
次いで、制御部11は、閾値が補正されたシート種類を、印刷(画像形成)対象のシートの種類として設定する(ステップS12)。ステップS12の処理後、画像形成装置100によるシート種類判別処理は終了する。
【0097】
なお、学習機能に基づいて同一種類と判別された複数のシートについて、閾値補正部18による補正量が異なっている場合には、閾値補正部18は補正量を平均化した補正を行っても良い。あるいは標準偏差の算出によるばらつきを考慮した補正を行っても良い。このような処理により、精度の高い補正を行うことができる。
【0098】
また、坪量検知センサー26により坪量を検知する場合を説明したが、超音波発信部と受信部からなる超音波センサにより、シートが封筒かどうかを判別しても良い。封筒の判別結果を補正する場合は、超音波センサの受信部で検出した電圧値を補正すれば良い。この場合も、学習機能に基づいて同一種類の封筒と判別された複数のシートについて、電圧値の補正量が異なっている場合は、補正量を平均化した補正を行っても良いし、標準偏差の算出によるばらつきを考慮した補正を行っても良い。
【0099】
図8で説明した学習機能による閾値の補正等が完了したのち、シートの銘柄に関する情報の収集処理を行う。シートの銘柄に関する情報として、この実施形態では用紙銘柄情報(シートの銘柄情報)を例示するが、シート種情報やシート種の判定閾値であっても良く、用紙銘柄情報、シート種情報、シート種の判定閾値の少なくともいずれかであるのが望ましい。
【0100】
用紙銘柄情報を入力する為に、図9に示すように、操作表示部3に表示されたシート種類設定画面Sc1に、用紙銘柄情報入力ボタンBn4が用意されており、そのボタンBn4を押すことで用紙銘柄情報入力モードとなる。
【0101】
用紙銘柄情報の入力は、図10(A)に示すように、用紙300の包装紙に紙種情報としてバーコード情報がある場合は、携帯情報端末400でバーコードを読み取り、用紙300の商品コード(EAN/JAN等)の10進数情報を読み取る。読み取った後に同図(B)に示すように、携帯情報端末400を画像形成装置100に近付けて、画像形成装置100が装備している無線通信(NFC通信)手段にて、携帯情報端末400から画像形成装置100に商品コードを転送する。なお、転送手段として、NFC通信のほか、BLUETOOTH(登録商標)、赤外線通信、無線WIFI等の近距離無線通信を使用しても良い。
【0102】
商品コードを受信した画像形成装置100は、図8の処理で得たシートの物性値に関する情報と用紙銘柄情報とを関連付けてセットで記憶部13等に記憶する。シートの物性値に関する情報とは、シートの物性値と、物性値から換算された坪量等が含まれ、この実施形態では、坪量検知センサー26等による紙種/センシング情報、坪量シフト量(STEP数)、紙種間違い補正量(STEP数)等が含まれる。
【0103】
なお、画像形成装置100に内蔵された記憶部13ではなく、画像形成装置100に外付けされたUSBメモリ等の外部メモリや、画像形成装置100に拡張オプションとして外付けされるファイアリー(Fiery)と称されるようなプリントサーバーや、CSRA/CSRC(複合機の遠隔診断システム)以外の記憶サーバーやクラウドサーバーに記憶しても良い。
【0104】
用紙300の包装紙に紙種情報としてバーコード情報が無い場合は、画像形成装置100の操作表示部3の画面上でソフトキーボード等により用紙銘柄情報を入力しても良い。入力後は、物性値と用紙銘柄情報とが関連付けられてセットで記憶部13に記憶される。
【0105】
記憶後、望ましくは、サービスマンがトラブル情報を開発部門に情報として提出するマシン管理リストにも、紙種銘柄情報を記載するようにする。マシン管理リストの出力形式には紙出力形式とCSV形式の2通りがある。
【0106】
こうして、画像形成装置100には、坪量検知センサー26等による紙種/センシング情報、坪量シフト量(STEP数)、紙種間違い補正量(STEP数)等の物性値に関する情報と用紙銘柄情報が収集される。
【0107】
その後、画像形成装置100は、図10(C)に示すように、物性値に関する情報と用紙銘柄情報をセットにして、上述のCSRA/CSRCと称される情報処理装置である外部記憶装置(サーバー端末)500に転送する。外部記憶装置500はパーソナルコンピュータ等からなり、プログラムに従って動作することにより、物性値に関する情報と用紙銘柄情報を取得し、セットにして図示しない記憶部に記憶する。
【0108】
なお、携帯情報端末400から電話回線やWIFI通信を経由して、直接に外部記憶装置(サーバー端末)500にデータを転送しても良い。
【0109】
このようにして、情報を外部記憶装置500に転送することで、外部記憶装置500には世界中ないし広範囲の地域から収集された、坪量検知センサー26等による紙種/センシング情報、坪量シフト量(STEP数)、紙種間違い補正量(STEP数)等の物性値に関する情報と用紙銘柄情報が収集される。
【0110】
外部記憶装置500には、それらのデータから現状の紙種検知処理のアルゴリズムの見直しが出来る強化学習アルゴリズムを有するファームウェア(FW)が搭載されており、必要な場合はファームウェアのバージョンアップを行ってアルゴリズムを補正する。また、画像形成装置100の現状のファームウェアについてもバージョンアップが必要な場合は、画像形成装置100のファームウェアのバージョンアップを自動的に行ってアルゴリズムを補正できるように、バージョンアップ後のファームウェアを画像形成装置100に送信する。なお、ファームウェアを自動的にアップデートするかどうかの選択手段を画像形成装置100に設け、ユーザー(サービスマン、管理者を含む)等がファームウェアの自動アップデートを選択した場合にのみ、ファームウェアのバージョンアップを自動的に行う構成であっても良い。
【0111】
画像形成装置100の開発部門では、一極集中であらゆるシート種の情報(用紙銘柄情報)を収集するのは困難である。そこで、本実施形態のように、ユーザーが使用するシート種の情報を優先して収集することで、効率的に紙種判別のアルゴリズムの開発、分析を行うことができる。
【0112】
図11は、上記のような用紙銘柄情報の入力に際しての画像形成装置100の動作を示すフローチャートである。この動作は、画像形成装置100の制御部11のCPU111がROM112等に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0113】
シート種類設定画面Sc1の用紙銘柄情報入力ボタンBn4の押下を検知すると(ステップS21)、用紙銘柄情報入力モードに移行し、商品コード情報を携帯情報端末400から受信したかどうかを判断する(ステップS22)。受信した場合(ステップS22でYES)、ステップS23に進む。受信していなければ(ステップS22でNO)、操作表示部3に表示されたソフトキーボードにて用紙銘柄情報の入力を受け付けたのち(ステップS27)、ステップS23に進む。
【0114】
ステップS23では、坪量検知センサー26等による紙種/センシング情報、坪量シフト量(STEP数)、紙種間違い補正量(STEP数)等の物性値と用紙銘柄情報を関連付けて、セットで記憶部13に記憶する。
【0115】
次いで、マシン管理リストに用紙銘柄情報を記載した後(ステップS24)、物性値に関する情報と用紙銘柄情報を、外部記憶装置500に転送する(ステップS25)。
【0116】
その後、必要に応じて、ファームウェアのバージョンアップを行う(ステップS26)。
【0117】
以上説明した処理では、用紙銘柄情報の入力方法として、バーコードを読み取った携帯情報端末400からの商品コードの転送入力と、ソフトキーボードによる用紙銘柄情報の入力を例示したが、他の入力方法として、画像形成装置100にマイク等の音声入力手段を設け、用紙銘柄情報を音声入力しても良い。また、画像形成装置100に備え付けられたカメラで用紙銘柄情報を撮影することで、入力しても良いし、画像読取装置であるIRユニット部42によって包装紙の用紙銘柄情報の画像を読み取って入力してもよい。
【0118】
図12は、シート種類設定画面Sc1のスタートボタンBn2が押下された場合における画像形成装置100による画像形成処理の手順の例を示すフローチャートである。
【0119】
まず、画像形成装置100の制御部11(図2参照)は、図8に示したシート種類判別処理の判別結果に基づいて、プロセス制御(画像形成条件)の設定値を設定する(ステップS21)。つまり、“薄紙”、“普通紙”等のシート種類に応じた各種設定値が設定される。
【0120】
次いで、画像形成装置100の制御部11は、プロセス制御に基づく画像形成処動作を開始する(ステップS22)。次いで、画像が形成されたシートが排紙トレイ27(図1参照)から排出される(ステップS23)。ステップS23の処理後、画像形成装置100による画像形成処理は終了する。
【0121】
上述した実施形態では、閾値補正部18は、シート種類設定画面Sc1を介して入力されたシートの種類と、シート種類判別部17により判別されたシートの種類とが異なる場合に、坪量検知センサー26が検知した物性値と、入力されたシートに対応付けられた物性値との差分を算出し、該差分をシフト量として条件を補正する。したがって、本実施形態によれば、補正量をユーザーに指定させたりすることなく、シートの種類の判別に用いられる条件をより適切に補正できるようになる。
【0122】
図13は、この発明の他の実施形態を説明するための図である。この実施形態では、携帯情報端末400に用紙銘柄情報を入力すると共に、携帯端末400が画像形成装置100から物性値に関する情報を取得し、物性値に関する情報と用紙銘柄情報を関連付けて外部記憶装置500に転送するものである。
【0123】
携帯情報端末400には、学習モードボタンBn10と用紙銘柄情報ボタンBn11を含む操作画面が表示されている。画像形成装置100が紙種検知を実行する際に、サービスマン等のユーザーが携帯情報端末400の画面上の学習モードボタンBn10を押すことで、画像形成装置100の学習モードアプリが起動し、図8に示した学習機能による処理が可能となる。勿論、画像形成装置100の操作画面に表示された前述の学習モードボタンBn1を押しても良い。
【0124】
画像形成装置100は、図8の処理により、坪量検知センサー26等による紙種検知を行い、紙種/センシング情報、坪量シフト量(STEP数)、紙種間違い補正量(STEP数)等の物性値に関する情報を検出する。検出後、画像形成装置100は検出した物性値に関する情報を携帯情報端末400に送信することで、携帯情報端末400は物性値に関する情報を取得する。
【0125】
次に、ユーザーが携帯情報端末400の画面上の用紙銘柄情報ボタンBn11を押すと、携帯情報端末400は用紙銘柄情報入力モードとなる。この状態で、携帯情報端末400に備えられたカメラで用紙300の包装紙に付されているバーコードを読み取り、用紙300の商品コードの10進数情報を読み取る。こうして携帯情報端末400に入力された用紙300の商品コードと、画像形成装置100から取得した物性値に関する情報を関連付けてセットにして、携帯情報端末400の図示しない記憶部に記憶する。なお、銘柄情報の入力は前述したように、携帯情報端末400の画面上でのソフトキーボード等による入力であっても良いし、音声入力等であっても良い。
【0126】
その後、携帯情報端末400は、物性値に関する情報と用紙銘柄情報をセットにして、外部記憶装置(サーバー端末)500に転送する。
【0127】
このように、この実施形態では、ユーザーは携帯情報端末400での操作により、物性値に関する情報と用紙銘柄情報を外部記憶装置500に転送することができる。
【0128】
図14は、図13で説明した用紙銘柄情報の入力・転送処理を実施する際の画像形成装置100、携帯情報端末400、外部記憶装置(サーバー端末)500の動作を示すフローチャートである。各装置の動作は、それぞれのCPUが動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0129】
携帯情報端末400上の学習モードボタンBn10が押されることで(ステップS41)、または画像形成装置100の操作画面上の学習モードボタンBn1が押されることで(ステップS31)、画像形成装置100の学習モードアプリが起動される。
【0130】
学習モードの起動後、画像形成装置100は、用紙を通紙し、物性値に関する情報を検知したのち(ステップS32)、検知結果を携帯情報端末400に送信する(ステップS33)。
【0131】
画像形成装置100からの送信により、携帯情報端末400は物性値に関する情報を取得する(ステップS42)。
【0132】
次に、ユーザーが用紙銘柄情報ボタンBn11を押したのち、携帯情報端末400のカメラを起動し、カメラで用紙300の包装紙に付されているバーコードを読み取り(ステップS43)、読み取ったバーコードから商品コードの10進数情報(銘柄情報)を読み取る(ステップS44)。その後、物性値に関する情報と用紙銘柄情報をセットにして外部記憶装置500に送信する(ステップS45)。
【0133】
外部記憶装置500は、携帯情報端末400から送信されてきた物性値に関する情報と用紙銘柄情報を受信して取得し(ステップS51)、図示しない記憶部に格納する。
【0134】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることはない。例えば、画像形成装置100が、機械学習アルゴリズム(AI)の推論モデルを用いて強化学習する機能を備えるとともに、強化学習機能によりファームウェアを自動的にアップデートしても良い。この場合も、ユーザー(サービスマン、管理者を含む)等がファームウェアの自動アップデートを選択した場合にのみ、ファームウェアのバージョンアップを自動的に行う構成であっても良い。
【0135】
また、学習機能及び補正機能が画像形成装置に内蔵されている場合を説明したが、学習機能及び補正機能を画像形成装置の近くのエッジ端末に備えさせ、エッジ端末によりリアルタイムで坪量や封筒検知電圧の補正を行っても良い。この場合も、機械学習アルゴリズム(AI)の推論モデルを用いて強化学習する機能をエッジ端末が備えるとともに、強化学習機能によりファームウェアを自動的にアップデートしても良い。
【符号の説明】
【0136】
100 画像形成装置
1 画像形成装置本体
2 給紙キャビネット部
3 操作表示部
11 制御部
13 記憶部
16 表示制御部
17 シート種類判別部
18 閾値補正部
20 画像形成部
26 坪量検知センサー
111 CPU
113 ROM
261a及び261b 透過用光源
262 反射光源用基準板
263 反射用光源
264 受光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14