(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】支払処理システム、支払処理方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/08 20120101AFI20250304BHJP
【FI】
G06Q20/08
(21)【出願番号】P 2022509393
(86)(22)【出願日】2021-02-15
(86)【国際出願番号】 JP2021005414
(87)【国際公開番号】W WO2021192716
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2024-01-12
(31)【優先権主張番号】P 2020057433
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】津田 隼輔
(72)【発明者】
【氏名】萩森 肇
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-051511(JP,A)
【文献】特開2018-160108(JP,A)
【文献】特開2012-243171(JP,A)
【文献】特開2018-163533(JP,A)
【文献】特開2018-136731(JP,A)
【文献】国際公開第2019/181499(WO,A1)
【文献】米国特許第09911290(US,B1)
【文献】米国特許第10304053(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数顧客を関連付ける顧客関連付け手段と、
店舗において前記複数顧客のそれぞれが取得した商品を特定する商品特定手段と、
前記複数顧客の全てについて前記店舗から出たことが判定された場合に、前記複数顧客が取得した商品に対する、前記複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理をまとめて行う、或いは、前記複数顧客の各々が前記店舗から出たことが判定された場合に、当該顧客が取得した商品に対する、前記支払者である顧客による支払処理を行う、支払処理手段と、
を備える支払処理システム。
【請求項2】
前記顧客関連付け手段は、前記店舗内の所定のエリアにおいて、所定のタイミングに滞在した複数顧客を関連付ける、
請求項1に記載の支払処理システム。
【請求項3】
前記顧客関連付け手段は、前記店舗内の所定のエリアにおいて、同じ振る舞いをした複数顧客を関連付ける、
請求項2に記載の支払処理システム。
【請求項4】
前記顧客関連付け手段は、前記店舗に連続して入った複数顧客を関連付ける、
請求項1に記載の支払処理システム。
【請求項5】
前記顧客関連付け手段は、前記複数顧客のうちの決済情報が登録されている顧客を、前記支払者に設定し、
前記支払処理手段は、前記支払者の前記決済情報を用いて支払処理を行う、
請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の支払処理システム。
【請求項6】
前記顧客関連付け手段は、前記複数顧客のうちに前記決済情報が登録されている顧客が複数いる場合は、当該決済情報が登録されている顧客のうちの前記支払者として設定する顧客の指定を受け付ける、
請求項5に記載の支払処理システム。
【請求項7】
前記顧客関連付け手段は、前記複数顧客のうちに前記決済情報が登録されている顧客がいない場合は、前記支払者として設定する顧客の指定、及び、当該顧客の決済情報の入力を受け付ける、
請求項5に記載の支払処理システム。
【請求項8】
支払処理装置が、
複数顧客を関連付け、
店舗において前記複数顧客のそれぞれが取得した商品を特定し、
前記複数顧客の全てについて前記店舗から出たことが判定された場合に、前記複数顧客が取得した商品に対する、前記複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理をまとめて行う、或いは、前記複数顧客の各々が前記店舗から出たことが判定された場合に、当該顧客が取得した商品に対する、前記支払者である顧客による支払処理を行う、
支払処理方法。
【請求項9】
複数顧客を関連付ける処理と、
店舗において前記複数顧客のそれぞれが取得した商品を特定する処理と、
前記複数顧客の全てについて前記店舗から出たことが判定された場合に、前記複数顧客が取得した商品に対する、前記複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理をまとめて行う、或いは、前記複数顧客の各々が前記店舗から出たことが判定された場合に、当該顧客が取得した商品に対する、前記支払者である顧客による支払処理を行う処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、支払処理システム、支払処理方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な店舗では、顧客は棚から購入したい商品を取得した後にPOS(Point Of Sales)端末(レジスタともいう)まで移動し、店員が商品をPOS端末に読み込ませて支払を行う。また、顧客自身が購入したい商品をPOS端末に読み込ませる場合もある。顧客が複数の商品を購入する場合には、POS端末に全ての商品を読み込ませるために長い時間が掛かる。
【0003】
店舗における商品に対する支払を効率化するための技術として、特許文献1には、画像認識により、顧客が棚から取得した商品を検出する支払処理装置が開示されている。特許文献1に係る支払処理装置は、予め登録されたクレジットカード番号又は銀行口座番号により、検出した商品に対する支払を行う。
【0004】
また、特許文献1の支払処理装置では、複数の顧客がグループで買い物を行う方法として、予め登録されている支払者と、登録されていない同伴者が関連づけられる。特許文献1には、同伴者が取得した商品についても、その同伴者に関連付けられた支払者が支払することが開示されている。この場合、同伴者により取得された商品に対する支払は、支払者が店舗にいる間に同伴者により商品が取得されるたび、又は、支払者が退店する時に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された技術では、支払者が退店すると、同伴者は買い物を続けることができない。
【0007】
本開示の目的は、上述の課題を解決し、複数の顧客がグループで買い物をする場合に、支払者が店舗を出た後も同伴者が買い物を続けることができる支払処理装置、支払処理方法、及び、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る支払処理システムは、店舗において複数顧客を関連付ける顧客関連付け手段と、前記店舗において前記複数顧客のそれぞれが取得した商品を特定する商品特定手段と、前記複数顧客の全てについて前記店舗から出たことが判定された場合に、前記複数顧客が取得した商品に対する、前記複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理をまとめて行う、或いは、前記複数顧客の各々が前記店舗から出たことが判定された場合に、当該顧客が取得した商品に対する、前記支払者である顧客による支払処理を行う、支払処理手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様に係る支払処理方法は、店舗において複数顧客を関連付け、前記店舗において前記複数顧客のそれぞれが取得した商品を特定し、前記複数顧客の全てについて前記店舗から出たことが判定された場合に、前記複数顧客が取得した商品に対する、前記複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理をまとめて行う、或いは、前記複数顧客の各々が前記店舗から出たことが判定された場合に、当該顧客が取得した商品に対する、前記支払者である顧客による支払処理を行う。
【0010】
本開示の一態様に係る記録媒体は、店舗において複数顧客を関連付ける処理と、前記店舗において前記複数顧客のそれぞれが取得した商品を特定する処理と、前記複数顧客の全てについて前記店舗から出たことが判定された場合に、前記複数顧客が取得した商品に対する、前記複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理をまとめて行う、或いは、前記複数顧客の各々が前記店舗から出たことが判定された場合に、当該顧客が取得した商品に対する、前記支払者である顧客による支払処理を行う処理と、をコンピュータに実行させるプログラムを非一時的に記録する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、複数の顧客がグループで買い物をする場合に、支払者が店舗を出た後も同伴者が買い物を続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1施形態に係る支払処理システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る支払処理装置100の構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る会員情報の例を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係る顧客情報の例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係るグループ確認画面の例を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係るグループ情報の例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る店舗の様子を示す概略図である。
【
図8】第1実施形態に係る取得商品情報の例を示す図である。
【
図9】第1実施形態に係る顧客情報生成・関連付け処理を示すフローチャートである。
【
図10】第1実施形態に係る商品特定処理を示すフローチャートである。
【
図11】第1実施形態に係る支払実行処理の例を示すフローチャートである。
【
図12】第1実施形態に係る支払実行処理の他の例を示すフローチャートである。
【
図13】第1実施形態に係る支払者への通知画面の例を示す図である。
【
図14】第1実施形態に係る支払者への通知画面の他の例を示す図である。
【
図15】第2実施形態に係る支払処理装置100の構成を示すブロック図である。
【
図16】第2実施形態に係る関連付けエリアの例を示す図である。
【
図17】第2実施形態に係る顧客情報生成処理を示すフローチャートである。
【
図18】第2実施形態に係る関連付け処理を示すフローチャートである。
【
図19】第3実施形態に係る支払処理システム2の構成を示すブロック図である。
【
図20】コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を説明するが、本開示は各実施形態に限定されるものではない。なお、以下で説明する図面で、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
【0014】
〔第1実施形態〕
[構成]
図1は、第1施形態に係る支払処理システム1の構成を示すブロック図である。支払処理システム1は、複数のカメラ10、及び、支払処理装置100を含む。カメラ10と、支払処理装置100とは、ローカルエリアネットワーク、インターネット等の任意のネットワーク40を介して、有線接続及び無線接続の少なくとも一方によって接続される。なお、カメラ10と、支払処理装置100とは、直接接続されていてもよい。
【0015】
カメラ10は、撮像装置である。カメラ10は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等のイメージセンサを含む。
【0016】
カメラ10は、店舗の入り口付近や、店舗において商品が陳列されている場所(以下、売り場とも記載)、店舗の出口付近等、店舗の複数の位置に設けられる。入り口付近に設けられるカメラ10は、店舗に入る顧客を撮像する。売り場に設けられるカメラ10は、売り場に存在する顧客及び商品を撮像する。出口付近に設けられるカメラ10は、店舗を出る顧客を撮像する。店舗には、店舗内のいずれの場所に存在する顧客及び商品をも撮像可能な配置で、任意の数のカメラ10が設けられる。
【0017】
カメラ10は、撮像により取得した画像を含む画像データを支払処理装置100に送信する。
【0018】
支払処理装置100は、カメラ10によって取得された画像に基づき、商品を取得した顧客、及び、当該取得された商品を特定し、当該商品に対する支払い処理を行う。
【0019】
支払処理装置100は、単一、又は、複数のコンピュータ上で実現される。支払処理装置100は、店舗に設置されてもよい。また、支払処理装置100は、コンピュータ資源の集合であるクラウド上で実現されてもよい。
【0020】
図2は、第1実施形態に係る支払処理装置100の構成を示すブロック図である。支払処理装置100は、顧客情報生成部110、顧客関連付け部120、商品特定部130、及び、支払処理部140を備える。また、支払処理装置100は、記憶部として、会員情報記憶部150、顧客情報記憶部160、グループ情報記憶部170、及び、取得商品情報記憶部180を備える。
【0021】
会員情報記憶部150は、会員情報を記憶する。会員情報は、店舗に登録済みの顧客である会員に関する情報である。
図3は、第1実施形態に係る会員情報の例を示す図である。会員情報は、
図3に示すように、例えば、各会員の会員ID(identifier)、当該会員の特徴情報、及び、決済情報を含む。
【0022】
会員IDは、会員を識別するための識別子である。
【0023】
特徴情報は、店舗に入った顧客が会員であることを、顧客の画像データを用いて判定するための情報である。特徴情報は、会員の顔を含む領域の画像データそのものでもよく、或いは会員の顔を含む領域の画像データから算出した特徴量でもよい。
【0024】
決済情報は、買い物の支払処理に利用される情報であり、例えば、会員のクレジットカードの番号や銀行口座の番号である。
【0025】
会員情報記憶部150への会員情報の登録は、任意の方法によって行われる。
【0026】
顧客情報生成部110は、店舗に入る顧客について、後述する顧客IDを発行するとともに、顧客情報を生成する。
【0027】
顧客情報生成部110は、店舗に入る顧客が会員であるかどうかを判定する。顧客情報生成部110は、例えば、店舗の入り口付近に設けられたカメラ10から、顧客の画像データを取得する。次に、顧客情報生成部110は、当該画像データから得られる顧客の特徴情報と、会員情報記憶部150から読み出した会員情報に含まれる各会員の特徴情報とを用いて、店舗に入る顧客が会員(登録済みの顧客)であるかどうかを判定する。
【0028】
なお、顧客情報生成部110は、店舗に入る顧客が会員であるかどうかの判定を、顧客の画像データ以外の情報を用いて行ってもよい。例えば、顧客情報生成部110は、店舗に入る顧客が会員であるかどうかの判定を、虹彩、静脈、指紋等の生体情報を用いて行ってもよい。この場合、会員情報の特徴情報には、これらの生体情報に係る特徴情報が設定される。顧客情報生成部110は、店舗の入り口付近に設定された、生体情報の読み取り装置を用いて顧客の生体情報を取得し、取得した生体情報から得られる特徴情報と、会員情報の特徴情報とを用いて、店舗に入る顧客が会員であるかどうかを判定する。
【0029】
また、顧客情報生成部110は、店舗に入る顧客が会員であるかどうかの判定を、顧客が提示した会員証や顧客が所持する携帯端末に表示された画面から取得した会員IDを用いて行ってもよい。この場合、会員情報には、特徴情報が含まれていなくてもよい。顧客情報生成部110は、店舗の入り口付近に設定された、図示しないバーコードリーダやカメラを用いて、顧客の会員IDを取得する。
【0030】
また、顧客情報生成部110は、店舗に入る顧客が会員であるかどうかの判定を、顧客が所持する携帯端末から、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信によって取得した、会員IDを用いて行ってもよい。
【0031】
顧客情報生成部110は、さらに、店舗に入った顧客について、顧客IDを発行し、顧客情報を生成する。顧客IDは、顧客を識別するための識別子である。なお、顧客IDとして、上述の会員IDが用いられてもよい。顧客情報は、店舗に入った(店舗に滞在中の)顧客に関する情報である。
図4は、第1実施形態に係る顧客情報の例を示す図である。顧客情報は、
図4に示すように、例えば、各顧客の顧客ID、当該顧客の特徴情報、決済情報、及び、退店フラグを含む。
【0032】
特徴情報は、滞在中の顧客を、当該顧客の画像データを用いて判定するための情報である。特徴情報は、上述の会員情報の特徴情報と同様に、顧客の顔を含む領域の画像データそのものでもよく、或いは顧客の顔を含む領域の画像データから算出した特徴量でもよい。特徴情報には、店舗の入り口付近に設けられたカメラ10から取得した顧客の画像データから得られる特徴情報が設定される。また、顧客が会員の場合、特徴情報には、会員情報の特徴情報(会員の画像データから得られる特徴情報)が設定されてもよい。
【0033】
決済情報は、顧客に係る買い物の支払処理に利用される情報であり、例えば、顧客のクレジットカードの番号や銀行口座の番号である。店舗に入った顧客が会員であった場合、決済情報には、会員情報の決済情報が設定される。決済情報は、顧客が店舗に入った後に入力され、設定されてもよい。店舗に入った顧客が会員でなかった場合、決済情報は設定されなくてもよい。
【0034】
退店フラグは、顧客が店舗から出たか(退店済み(y))か否か(退店済みでない(n))を示すフラグである。顧客情報が生成されたタイミングでは、退店フラグには、「退店済みでない(n)」が設定される。
【0035】
顧客情報生成部110は、顧客が店舗に入るたびに、生成した顧客情報を、顧客情報記憶部160に保存するとともに、顧客関連付け部120に入力する。
【0036】
顧客情報記憶部160は、顧客情報生成部110により生成された顧客情報を記憶する。
【0037】
顧客関連付け部120は、グループで買い物をする顧客が一緒に(連続して)店舗に入るときに、グループに属する顧客を特定し、後述するグループ情報を生成する。
【0038】
顧客関連付け部120は、連続して店舗に入った複数の顧客であって、先頭の顧客の入店時に指定された人数の顧客を、同じグループに属する顧客と判定する。ここで、人数の指定は、例えば、店舗の入り口に設定された、図示しない入出力装置(例えば、端末装置)により、先頭の顧客、或いは、店員により行われる。
【0039】
また、顧客関連付け部120は、グループに属する各顧客の顧客IDを特定する。ここで、顧客関連付け部120は、顧客情報生成部110から、顧客が店舗に入るたびに入力される顧客情報に基づき、顧客IDを特定する。
【0040】
さらに、顧客関連付け部120は、グループの支払者を決定する。ここで、顧客関連付け部120は、グループに属する顧客のうちの、顧客情報生成部110から入力された顧客情報において、決済情報が設定されている顧客を支払者に決定する。
【0041】
なお、顧客関連付け部120は、店舗の入り口に設けられた、図示しない入出力装置(例えば、端末装置)に、グループ確認画面をグループに属する顧客に対して表示し、グループと決定した支払者を承認するための入力を受け付けてもよい。
図5は、第1実施形態に係るグループ確認画面の例を示す図である。
図5のグループ確認画面では、グループに属する各顧客の顔画像が配置され、支払者が示されている。また、当該グループと支払者を承認するための承認ボタンが示されている。
【0042】
また、グループに属する顧客の顧客情報において決済情報が設定されている顧客が複数いる場合、顧客関連付け部120は、グループ確認画面において、決済情報が設定されている顧客を支払者候補として示し、支払者とする顧客の指定を受け付けてもよい。
【0043】
また、グループに属する顧客の顧客情報において決済情報が設定されている顧客がいない場合、顧客関連付け部120は、グループ確認画面において、支払者とする顧客の指定、及び、当該支払者の決済情報の入力を受け付けてもよい。この場合、顧客関連付け部120は、指定された顧客の顧客情報における決済情報に、入力された決済情報を設定する。
【0044】
そして、顧客関連付け部120は、グループ情報を生成する。グループ情報は、グループに属する複数の顧客を関連付ける情報である。
【0045】
図6は、第1実施形態に係るグループ情報の例を示す図である。グループ情報は、
図6に示すように、例えば、各グループのグループID、当該グループの支払者ID、及び、同伴者IDを含む。グループIDは、グループを識別するための識別子である。グループIDは、顧客関連付け部120により発行される。支払者IDは、グループに属する顧客のうちの支払者である顧客の顧客IDである。同伴者IDは、グループに属する顧客のうちの支払者以外の顧客(以下、同伴者とも記載)の顧客IDである。
【0046】
顧客関連付け部120は、生成したグループ情報を、グループ情報記憶部170に保存する。
【0047】
グループ情報記憶部170は、顧客関連付け部120により生成されたグループ情報を記憶する。
【0048】
商品特定部130は、店舗内に設けられたカメラ10によって取得された画像データに基づき、商品を取得した顧客、及び、当該取得された商品を特定する。
【0049】
図7は、第1実施形態に係る店舗の様子を示す概略図である。店舗には棚20が設置されており、棚20には1つ以上の商品が並べられる。また、棚20の近傍において、顧客の顔及び商品を含む領域を撮像できる位置にカメラ10が設けられる。
【0050】
商品特定部130は、商品を含む領域の画像データをカメラ10から取得し、当該画像データから商品の特徴情報を取得する。商品特定部130は、商品の特徴情報を用いて、棚20から商品が取り出されることを検出する。商品特定部130は、例えば、時系列で連続する複数の画像データの間で、商品の特徴情報が棚20に対応する領域の中から外へ(或いは接する位置から接しない位置へ)移動することを検出することによって、商品が取り出されることを検出する。画像データ中の棚20に対応する領域は、画像データ中の座標として予め記録されてもよく、画像データから棚20を画像認識することによって決定されてもよい。また、商品特定部130は、画像データから商品が顧客のバッグ(又は買い物かご)に入れられることを検出することによって、顧客による商品の取得を検出してもよい。
【0051】
商品特定部130は、さらに、商品を取り出した顧客(すなわち商品取得者)の顔を含む領域の画像データをカメラ10から取得する。商品を取り出した顧客は、例えば取り出された商品に最も近い顧客である。また、商品特定部130は、顧客の手を含む領域の画像データをカメラ10から取得し、当該手の位置や動きに基づいて商品を取り出した顧客を特定してもよい。商品特定部130は、当該画像データから顧客の特徴情報を取得する。商品特定部130は、商品取得者の特徴情報と取り出された商品の特徴情報とを関連付ける。
図7において、顧客C1の特徴情報FC1及び商品I1の特徴情報FI1が模式的に破線の枠として示されている。
【0052】
商品特定部130は、商品取得者の特徴情報を、顧客情報記憶部160から読み出した顧客情報の特徴情報と比較することによって、商品取得者がいずれの顧客であるかを判定する。顧客の特徴情報に基づいて顧客を判定するために、周知の画像認識技術を用いることができる。
【0053】
商品特定部130は、取得商品情報を生成する。取得商品情報は、顧客が棚20から取得した商品を示す情報である。
図8は、第1実施形態に係る取得商品情報の例を示す図である。取得商品情報は、例えば、
図8に示すように、商品を取得した顧客の顧客ID、及び、当該取得した商品の商品IDを含む。
【0054】
商品特定部130は、生成した取得商品情報を、取得商品情報記憶部180に保存する。
【0055】
取得商品情報記憶部180は、商品特定部130により生成された取得商品情報を記憶する。
【0056】
支払処理部140は、グループ情報に含まれる支払者、及び、同伴者のそれぞれが取得した商品の、支払者による支払処理を行う。
【0057】
支払処理部140は、店舗の出口付近に設けられるカメラ10からの画像データに基づいて、店舗を出る顧客を特定する。ここで、支払処理部140は、画像データから得られる特徴情報と、顧客情報記憶部160から読み出した顧客情報の特徴情報とに基づき、顧客を特定する。
【0058】
そして、支払処理部140は、グループ情報記憶部170から読み出したグループ情報を参照し、特定された顧客が属しているグループを特定する。さらに、支払処理部140は、グループ情報を参照し、特定された顧客が、特定されたグループにおける支払者か同伴者かを判定する。
【0059】
支払者、及び、同伴者は、別々に店舗から出てもよいし、一緒に店舗から出てもよい。別々に出る場合、支払者が先に出てもよいし、同伴者が先に出てもよい。
【0060】
支払処理部140は、例えば、グループに属する全ての顧客(支払者、及び、全ての同伴者)が店舗を出たと判定されたときに、グループに属する全ての顧客(支払者、及び、全ての同伴者)が取得した商品に対する、支払者による決済処理をまとめて行ってもよい。この場合、支払処理部140は、グループ情報を参照し、特定された顧客が属するグループの顧客を抽出し、当該顧客の顧客情報の退店フラグを参照することにより、グループに属する全ての顧客が店舗を出たかどうかを判定する。
【0061】
或いは、支払処理部140は、グループの支払者が店舗を出たと判定されたときに、支払者が取得した商品に対する、支払者による決済処理を行ってもよい。そして、支払処理部140は、当該グループの各同伴者が店舗を出たと判定されたときに、当該同伴者が取得した商品に対する、支払者による決済処理を行ってもよい。
【0062】
支払処理部140は、取得商品情報記憶部180から読み出した取得商品情報を参照し、支払者又は同伴者である顧客が取得した商品の商品IDを取得する。また、支払処理部140は、店舗を出る顧客が同伴者の場合、グループ情報を参照し、同伴者が属するグループの支払者を特定する。また、支払処理部140は、顧客情報記憶部160から読み出した顧客情報を参照し、支払者の決済情報を取得する。そして、支払処理部140は、取得した商品IDの商品について、取得した支払者の決済情報を用いた決済処理を行う。
【0063】
支払処理部140は、店舗を出た顧客の顧客情報の退店フラグを「y」に設定(更新)する。
【0064】
[動作]
以下、第1実施形態に係る支払処理装置の動作について、図を用いて説明する。
【0065】
ここでは、
図3のような会員情報が、会員情報記憶部150に保存されていると仮定する。そして、
図3の会員情報における会員M1の顧客と、会員でない2人の顧客との3人の顧客が、グループで買い物をするために、一緒に(連続して)店舗に入ると仮定する。
【0066】
(顧客情報生成・関連付け処理)
図9は、第1実施形態に係る顧客情報生成・関連付け処理を示すフローチャートである。顧客情報生成・関連付け処理は、グループで買い物をする顧客が店舗に入るときに実行される。
【0067】
顧客関連付け部120は、グループの人数の指定を受け付ける(ステップS101)。例えば、顧客関連付け部120は、人数「3」を受け付ける。
【0068】
グループの顧客が店舗に入ると、顧客情報生成部110は、店舗に入った顧客が会員かどうかを判定する(ステップS102)。例えば、顧客情報生成部110は、
図3の会員情報に基づき、一人目の顧客が会員M1であると判定する。
【0069】
顧客情報生成部110は、店舗に入った顧客について、顧客情報を生成する(ステップS103)。顧客関連付け部120は、生成された顧客情報を取得する。例えば、顧客情報生成部110は、
図4のように、会員M1に対応する顧客C1の顧客情報を生成する。顧客C1の決済情報には、
図3の会員情報における会員M1の決済情報が設定される。顧客関連付け部120は、顧客C1の顧客情報を取得する。
【0070】
そして、指定された人数の顧客が店舗に入るまで、ステップS102~S103の処理が繰り返される(ステップS104)。例えば、顧客情報生成部110は、二人目、三人目の顧客はそれぞれ会員でないと判定し、
図4のように、顧客C2、C3の顧客情報を生成する。顧客関連付け部120は、顧客C2、C3の顧客情報を取得する。
【0071】
指定された人数が店舗に入ると(ステップS104/YES)、顧客関連付け部120は、グループの支払者を決定する(ステップS105)。例えば、顧客関連付け部120は、
図4の顧客情報において決済情報が設定されている、顧客C1を支払者に決定する。
【0072】
顧客関連付け部120は、グループ情報を生成する(ステップS106)。例えば、顧客関連付け部120は、
図6のように、グループG1について、支払者C1、同伴者C2、C3が設定されたグループ情報を生成する。
【0073】
(商品特定処理)
図10は、第1実施形態に係る商品特定処理を示すフローチャートである。商品特定処理は、顧客情報生成・関連付け処理の後で、グループに属する各顧客が、店舗において、購入しようとする商品を取得するたびに実行される。
【0074】
商品特定部130は、商品を取得した顧客、及び、当該取得された商品を特定する(ステップS111)。例えば、商品特定部130は、商品I1を取得した顧客C1を特定する。
【0075】
商品特定部130は、取得商品情報を生成(更新)する(ステップS112)。例えば、商品特定部130は、
図8のように、取得商品情報を生成(更新)する。
【0076】
(支払実行処理)
図11は、第1実施形態に係る支払実行処理の例を示すフローチャートである。支払実行処理は、グループで買い物をする顧客が店舗から出るたびに実行される。
【0077】
ここでは、顧客C1、C2、及び、C3が、C1、C2、C3、の順番で、別々に、店舗から出ると仮定する。
【0078】
支払処理部140は、店舗を出る顧客を特定する(ステップS141)。支払処理部140は、顧客が属しているグループを特定する(ステップS142)。支払処理部140は、グループの全顧客が店を出たかどうかを判定する(ステップS143)。ステップS143において、グループの全顧客が店舗を出た場合(ステップS143/Yes)、支払処理部140は、全顧客が取得した商品について支払者による支払処理を行う(ステップS144)。グループの全顧客が店舗を出ていない場合(ステップS143/No)、支払処理は実行されない。支払処理部140は、店舗を出る顧客の顧客情報における退店フラグを「y」に設定する(ステップS145)。
【0079】
例えば、顧客C1、C2の後に、顧客C3が店舗を出るとき、支払処理部140は、
図6のグループ情報に基づき、顧客C3の属するグループG1を特定する。この時点で、
図4の顧客情報において、グループG1に属する他の顧客C1、C2の退店フラグは「y」であり、顧客C1が店舗を出ることにより、グループの全顧客が店舗を出ることになる。支払処理部140は、
図8の取得商品情報から、顧客C1、C2、C3が取得した商品のIDとしてI1、I2、I3を取得する。支払処理部140は、
図4の顧客情報から、支払者C1の決済情報A1を取得する。支払処理部140は、決済情報A1を用いて、商品I1、I2、I3に対する決済処理を行う。
【0080】
図12は、第1実施形態に係る支払実行処理の他の例を示すフローチャートである。
【0081】
支払処理部140は、店舗を出る顧客を特定する(ステップS151)。支払処理部140は、顧客が属しているグループを特定する(ステップS152)。支払処理部140は、顧客が支払者かどうかを判定する(ステップS153)。ステップS153において、顧客が支払者である場合(ステップS153/Yes)、支払処理部140は、顧客が取得した商品について支払者による支払処理を行う(ステップS154)。ステップS153において、顧客が支払者でない(同伴者である)場合(ステップS153/No)、支払処理部140は、同伴者が取得した商品について支払者による支払処理を行う(ステップS155)。支払処理部140は、店舗を出る顧客の顧客情報における退店フラグを「y」に設定する(ステップS156)。
【0082】
例えば、顧客C2が店舗を出るとき、支払処理部140は、
図6のグループ情報に基づき、顧客C2の属するグループG1を特定する。支払処理部140は、
図8の取得商品情報から、顧客C2が取得した商品I2を取得する。支払処理部140は、
図4の顧客情報から、支払者C1の決済情報A1を取得する。支払処理部140は、決済情報A1を用いて、商品I3に対する決済処理を行う。
【0083】
以上により、第1実施形態の動作が完了する。
【0084】
[効果]
第1実施形態によれば、複数の顧客がグループで買い物をする場合に、支払者が店舗を出た後も同伴者が買い物を続けることができる。その理由は、以下による。すなわち、支払処理装置100の顧客関連付け部120が、店舗に入った複数顧客を関連付け、商品特定部130が、店舗において複数顧客のそれぞれが取得した商品を特定する。そして、支払処理部140が、複数顧客の全てについて店舗から出たことが検出された場合に、複数顧客が取得した商品に対する、複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理をまとめて行うためである。或いは、支払処理部140が、複数顧客の各々が店舗から出たことが検出された場合に、当該顧客が取得した商品に対する、複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理を行うためである。これにより、同伴者は、支払者が店舗を出るスケジュールに縛られることなく、支払者が店舗を出た後に取得した商品を、支払者の支払いにより購入できる。
【0085】
〔変形例1〕
商品特定部130は、カメラ10によって取得された画像データに基づいて、商品、及び、当該商品を取得した顧客を特定した。しかしながら、これに限らず、商品特定部130は、商品、及び、当該商品を取得した顧客を特定するためのその他周知の技術を用いることができる。例えば、商品特定部130は、店舗に設けられるカメラ、赤外線センサ、圧力センサ、重量センサ、及び音センサのうち少なくとも1つから取得される情報又は情報の組み合わせによって、商品、及び、当該商品を取得した顧客を特定してもよい。
【0086】
〔変形例2〕
顧客情報は、顧客の携帯端末の情報(電話番号、メールアドレス等)を含んでいてもよい。携帯端末の情報は、例えば、顧客への各種通知に用いられる。支払処理部140は、例えば、支払者の携帯端末に、支払処理を行うための通知を出力する。支払処理部140は、例えば、支払処理が行われた場合に、支払を行った商品、当該商品を取得した顧客、商品の代金の合計等を通知する。
【0087】
図13及び
図14は、第1実施形態に係る支払者への通知画面の例を示す図である。例えば、支払処理部140は、
図13や
図14のような通知画面を、支払者の携帯端末に送信する。
【0088】
〔変形例3〕
顧客情報は、上述の顧客の携帯端末の情報に加えて、グループの顧客が取得する商品の合計代金の上限を含んでいてもよい。また、グループ情報が、当該合計代金の上限を含んでいてもよい。合計代金の上限は、例えば、支払者により設定される。商品特定部130は、合計代金が上限を超えた場合、支払者の携帯端末に通知を出力する。
【0089】
なお、商品特定部130は、合計代金の上限を超える商品を取得した顧客の携帯端末に通知を出力してもよい。また、商品特定部130は、合計代金の上限を超える商品を取得した顧客に向けて、当該商品の電子棚札、又は、当該商品が載置されているエリア付近のサイネージ装置に、通知を出力してもよい。
【0090】
上記通知は、例えば、各種表示装置に表示される「ただいま取得した商品を購入すると、設定された上限金額を超えます」などのメッセージである。
【0091】
〔変形例4〕
支払処理部140は、商品を取得して店舗を出ようとする顧客がグループに属しておらず、かつ、当該顧客の顧客情報に決済情報が登録されていない場合に、出口付近においてアラートを出力する、或いは、管理者等にアラートを出力してもよい。また、この場合、支払処理部140は、出口に設けられたゲートを、当該顧客が店舗から出られないように制御してもよい。
【0092】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、グループで買い物をする顧客が一緒に(連続して)店舗に入るときに、同じグループに属する顧客を判定した。第2実施形態では、グループで買い物をする顧客が店舗内の関連付けエリアに滞在しているときに、同じグループに属する顧客を判定する点で、第1実施形態と異なる。第2実施形態では、グループで買い物をする顧客が一緒に店舗に入る必要はなく、別々に店舗に入ることができる。
【0093】
[構成]
図15は、第2実施形態に係る支払処理装置100の構成を示すブロック図である。支払処理装置100は、第1実施形態の顧客関連付け部120の代わりに、顧客関連付け部121を備える。
【0094】
顧客関連付け部121は、グループで買い物をする顧客が店舗内の関連付けエリアに滞在しているときに、グループに属する顧客を特定し、グループ情報を生成する。
【0095】
図16は、第2実施形態に係る関連付けエリアの例を示す図である。関連付けエリアは、例えば、当該エリア付近に設けられたカメラ10により撮像される範囲である。関連付けエリアは、例えば、印がつけられた床により示されてもよく、カーテン、柵、パネル、又は、壁によって仕切られたエリアであってもよい。
【0096】
顧客関連付け部121は、関連付けエリア付近に設けられたカメラ10から顧客の画像データを取得する。顧客関連付け部121は、当該画像データから得られる顧客の特徴情報と、顧客情報記憶部160から読み出した顧客情報に含まれる各顧客の特徴情報とを用いて、関連付けエリアに滞在している各顧客を特定する。
図16の例では、顧客C1~C3の特徴情報FC1~FC3が模式的に破線の枠として示されている。
【0097】
顧客関連付け部121は、例えば、指定されたタイミングに、関連付けエリアに滞在している顧客を、グループに属する顧客として特定する。ここで、タイミングは、例えば、関連付けエリア付近に設けられた、図示しない入出力装置を通して、店員や顧客により指定される。
【0098】
なお、顧客関連付け部121は、関連付けエリア内において、同じ振る舞いをした顧客を、グループに属する顧客として特定してもよい。具体的には、顧客関連付け部121は、既知の画像認識技術により、同じポーズをしている複数の顧客や、手をつなぎ、又は、肩を組んで、連結している複数の顧客を認識し、これらの顧客をグループに属する顧客として特定する。これにより、関連付けエリアがパネルや壁で仕切られていない場合であっても、意図せずに画像に映り込んだ顧客がグループの顧客として特定されることを防ぐことができる。
【0099】
顧客関連付け部121は、第1実施形態の顧客関連付け部120と同様に、グループの支払者を決定し、関連付けエリア付近に設けられた、図示しない入出力装置に、グループ確認画面を表示し、支払者を承認するための入力を受け付ける。顧客関連付け部121は、グループ情報を生成し、グループ情報記憶部170に保存する。
【0100】
[動作]
以下、第2実施形態に係る支払処理装置の動作について、図を用いて説明する。
【0101】
ここでは、第1実施形態と同様に、
図3の会員情報における会員M1の顧客と、会員でない2人の顧客との3人の顧客が、グループで買い物をすると仮定する。ただし、3人の顧客は、第1実施形態と異なり、別々のタイミングで店舗に入り、買い物の途中で関連付けエリアに集合すると仮定する。
【0102】
(顧客情報生成処理)
図17は、第2実施形態に係る顧客情報生成処理を示すフローチャートである。顧客情報生成処理は、例えば、顧客が店舗に入るたびに実行される。
【0103】
顧客が店舗に入ると、顧客情報生成部110は、上述のステップS102と同様に、店舗に入った顧客が会員かどうかを判定する(ステップS201)。顧客情報生成部110は、上述のステップS103と同様に、店舗に入った顧客について、顧客情報を生成する(ステップS202)。
【0104】
例えば、顧客情報生成部110は、
図4のように、顧客C1、C2、C3の顧客情報を生成する。
【0105】
(商品特定処理)
第2実施形態に係る支払処理装置の商品特定処理を示すフローチャートは、第1実施形態(
図10)と同様となる。第2実施形態では、商品特定処理は、グループに属する別々のタイミングで店舗に入った各顧客が、購入しようとする商品を取得するたびに実行される。
【0106】
例えば、商品特定部130は、
図8のように、取得商品情報を生成(更新)する。
【0107】
(関連付け処理)
図18は、第2実施形態に係る関連付け処理を示すフローチャートである。関連付け処理は、関連付けエリアにグループに属する顧客がいるタイミングで、関連付けエリア付近に設けられた入出力装置を通して店員や顧客により指定されたタイミングで実行される。関連付け処理は、グループに属する各顧客が、購入しようとする商品を取得する前でもよいし、後でもよい。また、購入しようとする商品の取得を続けている途中でもよい。
【0108】
ここでは、顧客C1、C2、C3が、関連付けエリアに滞在していると仮定する。
【0109】
顧客関連付け部121は、関連付けエリアに滞在している顧客を、グループに属する顧客として特定する(ステップS221)。例えば、顧客関連付け部121は、関連付けエリアに滞在している顧客C1、C2、C3をグループに属する顧客として特定する。
【0110】
顧客関連付け部121は、ステップS106と同様に、グループの支払者を決定する(ステップS222)。例えば、顧客関連付け部121は、
図4の顧客情報において決済情報が設定されている、顧客C1を支払者に決定する。
【0111】
顧客関連付け部121は、ステップS107と同様に、グループ情報を生成する(ステップS223)。例えば、顧客関連付け部121は、
図6のようなグループ情報を生成する。
【0112】
(支払処理)
第2実施形態に係る支払処理装置の支払処理を示すフローチャートは、第1実施形態(
図11)と同様となる。
【0113】
例えば、支払処理部140は、
図6のグループ情報、
図8の取得商品情報、及び、
図4の顧客情報に基づき、支払者C1の決済情報A1を用いて、商品I1、I2、I3に対する支払処理を行う。
【0114】
[効果]
第2実施形態によれば、複数の顧客がグループで買い物をする場合に、支払者が店舗に入る前に同伴者が買い物を始めることができる。その理由は、顧客関連付け部121が、店舗内の所定のエリアにおいて、所定のタイミングに滞在した複数顧客を関連付けるためである。これにより、同伴者は、支払者が店舗に入るスケジュールに縛られることなく、支払者が店舗に入る前に取得した商品を、支払者の支払いにより購入できる。
【0115】
〔第3実施形態〕
第3実施形態について説明する。
【0116】
図19は、第3実施形態に係る支払処理システム2の構成を示すブロック図である。
【0117】
支払処理システム2は、顧客関連付け部120、商品特定部130、及び、支払処理部140を含む。顧客関連付け部120、商品特定部130、及び、支払処理部140は、本開示における顧客関連付け手段、商品特定手段、及び、支払処理手段の一実施形態である。
【0118】
顧客関連付け部120は、複数顧客を関連付ける。例えば、顧客関連付け部120は、連続して店舗に入った、指定された人数の複数顧客を関連付ける。
【0119】
商品特定部130は、店舗において複数顧客のそれぞれが取得した商品を特定する。例えば、商品特定部130は、店舗内に設けられたカメラによって取得された画像データに基づき、商品を取得した顧客、及び、当該取得された商品を特定する。
【0120】
支払処理部140は、複数顧客の全てについて店舗から出たことが検出された場合に、複数顧客が取得した商品に対する、複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理をまとめて行う。或いは、支払処理部140は、複数顧客の各々が店舗から出たことが検出された場合に、当該顧客が取得した商品に対する、複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理を行う。例えば、支払処理部140は、複数顧客が関連付けられた際に指定された支払者の決済情報を用いて、支払処理を行う。
【0121】
[効果]
第3実施形態によれば、複数の顧客がグループで買い物をする場合に、支払者が店舗を出た後も同伴者が買い物を続けることができる。その理由は、以下による。すなわち、支払処理システム2の顧客関連付け部120が、複数顧客を関連付け、商品特定部130が、店舗において複数顧客のそれぞれが取得した商品を特定する。そして、支払処理部140が、複数顧客の全てについて店舗から出たことが検出された場合に、複数顧客が取得した商品に対する、複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理をまとめて行うためである。或いは、支払処理部140が、複数顧客の各々が店舗から出たことが検出された場合に、当該顧客が取得した商品に対する、複数顧客のうちの支払者である顧客による支払処理を行うためである。
【0122】
〔変形例〕
(ハードウェア構成)
上述した各実施形態において、支払処理装置100、及び、支払処理システム2の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。各装置の各構成要素の一部又は全部は、コンピュータ500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0123】
図20は、コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図20を参照すると、コンピュータ500は、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、プログラム504、記憶装置505、ドライブ装置507、通信インタフェース508、入力装置509、入出力インタフェース511、及び、バス512を含む。
【0124】
プログラム504は、各装置の各機能を実現するための命令(instruction)を含む。プログラム504は、予め、ROM502やRAM503、記憶装置505に格納される。CPU501は、プログラム504に含まれる命令を実行することにより、各装置の各機能を実現する。例えば、支払処理装置100のCPU501がプログラム504に含まれる命令を実行することにより、支払処理装置100は、顧客情報生成部110、顧客関連付け部120、商品特定部130、及び、支払処理部140の機能を実現する。また、RAM503は、各装置の各機能において処理されるデータを記憶してもよい。例えば、管理サーバ400のRAM503が、登録情報、顧客情報、グループ情報、及び、取得商品情報を記憶してもよい。
【0125】
ドライブ装置507は、記録媒体506の読み書きを行う。通信インタフェース508は、通信ネットワークとのインタフェースを提供する。入力装置509は、例えば、マウスやキーボード等であり、管理者等からの情報の入力を受け付ける。出力装置510は、例えば、ディスプレイであり、管理者等へ情報を出力(表示)する。入出力インタフェース511は、周辺機器とのインタフェースを提供する。入出力インタフェース511には、上述の、カメラ10が接続される。バス512は、これらハードウェアの各構成要素を接続する。なお、プログラム504は、通信ネットワークを介してCPU501に供給されてもよいし、予め、記録媒体506に格納され、ドライブ装置507により読み出され、CPU501に供給されてもよい。
【0126】
なお、
図20に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の構成要素が追加されていてもよく、一部の構成要素を含まなくてもよい。
【0127】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0128】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、プロセッサ等を含む汎用又は専用の回路(circuitry)や、これらの組み合わせによって実現されてもよい。これらの回路は、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0129】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部が複数のコンピュータや回路等により実現される場合、複数のコンピュータや回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0130】
また、支払処理装置100の少なくとも一部がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてよい。すなわち、支払処理装置100を実現するための機能の少なくとも一部が、ネットワーク経由で実行されるソフトウェアによって実行されてよい。
【0131】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施形態における構成は、本開示のスコープを逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
【0132】
この出願は、2020年3月27日に出願された日本出願特願2020-057433を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【符号の説明】
【0133】
100 支払処理装置
10 カメラ
20 棚
110 顧客情報生成部
120 顧客関連付け部
130 商品特定部
140 支払処理部
150 会員情報記憶部
160 顧客情報記憶部
170 グループ情報記憶部
180 取得商品情報記憶部