(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】配達管理システム、配達管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20250304BHJP
G06Q 10/0833 20230101ALI20250304BHJP
【FI】
B65G61/00 550
B65G61/00 520
G06Q10/0833
(21)【出願番号】P 2022534939
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(86)【国際出願番号】 JP2021019731
(87)【国際公開番号】W WO2022009546
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2024-04-15
(31)【優先権主張番号】P 2020118333
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】津田 隼輔
(72)【発明者】
【氏名】萩森 肇
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-225048(JP,A)
【文献】特表2018-538705(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0006288(US,A1)
【文献】特開2016-137963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
G06Q 10/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達員の動作を撮影した画像、または、配達員の動作を測定したセンサ値に基づいて、配置場所への配達物の配置を検知する検知手段と、
前記検知手段が配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する生成手段と、を備える、
配達管理システム。
【請求項2】
配達員またはロボットが配達物から離れたことに基づいて、配置場所への配達物の配置を検知する検知手段と、
前記検知手段が配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する生成手段と、を備える、
配達管理システム。
【請求項3】
前記検知手段は、前記配置場所へ配達物を置く行為、配達物が置かれた状態、及び、置かれる直前の状態のうち、少なくとも何れか1つを検知することで、前記配置を検知する、
請求項1
または2に記載の配達管理システム。
【請求項4】
前記生成手段は、前記配置場所に関する情報を示す前記確証画像を生成する、
請求項1乃至
3の何れか1項に記載の配達管理システム。
【請求項5】
配達リストに含まれる宛先に関する情報と、前記確証画像が示す前記配置場所に関する情報と、照合する照合手段をさらに備える、
請求項
4に記載の配達管理システム。
【請求項6】
前記確証画像が示す、宛先に関する情報と、前記配置場所に関する情報とを照合する照合手段、をさらに備える
請求項
4に記載の配達管理システム。
【請求項7】
配達員の動作を撮影した画像、または、配達員の動作を測定したセンサ値に基づいて、配置場所への配達物の配置を検知し、
配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する
配達管理方法。
【請求項8】
配達員またはロボットが配達物から離れたことに基づいて、配置場所への配達物の配置を検知し、
配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する
配達管理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
配達員の動作を撮影した画像、または、配達員の動作を測定したセンサ値に基づいて、配置場所への配達物の配置を検知する処理と、
配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する処理とを実行させるプログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
配達員またはロボットが配達物から離れたことに基づいて、配置場所への配達物の配置を検知する処理と、
配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する処理とを実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配達管理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物を効率的に届けるために、受取人の指定する配置場所に配達員が配達物を置いておくサービスが提供されている。このようなサービスでは配達物を利用者へ直接手渡さないため、指定した場所に配達されたかを知りたいという受取人のニーズがある。そこで、配達員が配達物を置いた場所の画像を撮影し、受取人などへ送信することが行われる。
【0003】
特許文献1には、荷物が配達されたことを運送業者が管理するための配達物受領管理システムが開示されている。荷物の配達者はボックスIDが表示された荷物受取ボックスを撮影する。撮影した画像は、配達者が所持する通信端末でサーバに送信される。
【0004】
特許文献2には、配送物品の物品識別子を読み込んだ時点の位置情報を用いて、配送物品が正常に送達されたか確認する物品送達確認システムが開示されている。
【0005】
特許文献3には、配送人が、配送完了時の状態を撮影し、撮影データを配送会社に送信し、撮影データから配送完了を判断し、配送完了を配送人に通知する荷物配送方法が開示されている。
【0006】
特許文献4には、車両の荷室に荷物を配送する際のセキュリティ向上のために、撮影装置と、荷室が解錠されることに関連する所定の撮影開始タイミングで撮影を開始させる制御部とを含む、ウェアラブルデバイスが開示されている。ウェアラブルデバイスは荷物を配送するユーザが携行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-058334号公報
【文献】特開2017-013923号公報
【文献】特開2006-225048号公報
【文献】特開2019-094167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1-3において、撮影や識別子の読み込みは配達員の手を煩わせることとなる。また、特許文献1-3において、配達物の配置の確証となる画像は得られない。
【0009】
特許文献4において、車両の荷室に荷物を配送する場合は、荷物を配置したことが判別可能な画像を取得することができるが、特許文献4に開示された施解錠装置がない場合に、配達物の配置の確証となる画像を取得することができない。
【0010】
本開示は、配達員の手を煩わせずに、配達物の配置の確証となる画像を生成できる配達管理システム、確証取得方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示に係る配達管理システムは、配置場所への配達物の配置を検知する検知手段と、前記検知手段が配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する生成手段と、を備える。
【0012】
本開示に係る配達管理方法は、配置場所への配達物の配置を検知し、配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する。
【0013】
本開示に係るプログラムは、コンピュータに、配置場所への配達物の配置を検知する処理と、配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、配達員を煩わせずに、配達物の配置の確証となる画像を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】第1実施形態に係る配達管理システム1の構成を示すブロック図である。
【
図2】配達管理システム1の最小構成の例を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る配達管理装置100の動作を例示するフローチャートである。
【
図4A】検知部101が配達物を置く行為を検知したときの状態の例を示す図である。
【
図4B】第1実施形態に係る確証画像の例を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係る配達管理システム1の構成を示すブロック図である。
【
図6A】第2実施形態に係る配達リストの例を示す図である。
【
図6B】第2実施形態に係る確証画像の例を示す図である。
【
図7】第2実施形態に係る配達管理システム1の動作を例示するシーケンス図である。
【
図8】第3実施形態に係る配達管理装置100の構成を示すブロック図である。
【
図9】第3実施形態に係る配達管理装置100の動作を例示するフローチャートである。
【
図10】第3実施形態に係る配達リストの例を示す図である。
【
図11】第3実施形態に係る確証画像の例を示す図である。
【
図12】第3実施形態に係る確証画像の例を示す図である。
【
図13A】検知部101が郵便物の配置を検知したときの状態の例を示す図である。
【
図13B】第3実施形態の変形例1に係る確証画像の例を示す図である。
【
図14A】第3実施形態の変形例2に係る配達リストの例を示す図である。
【
図14B】検知部101が新聞紙の郵便箱への配置を検知するときの状態を表す図である。
【
図14C】第3実施形態の変形例2に係る確証画像の例を示す図である。
【
図15】コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
第1実施形態において、配達物を配達する配達員は、運んできた配達物を所定の配置場所に配置する。配置場所は、玄関ドアの横、ポストの中、荷物受取ボックスの中など、配達員または配達サービスの利用者が適宜選択することができる。配達物は、包装物、郵便物、新聞紙、広告、その他の物品を含む。運送業者は、配達員に受取人への配達を依頼し、配達状況を管理する。
【0017】
(構成)
図1は、第1実施形態に係る配達管理システム1の構成を示すブロック図である。配達管理システム1は、配達管理装置100と、ウェアラブルデバイス20とを含む。
【0018】
配達管理装置100は、配達員が身に着けるウェアラブルデバイス20と有線または無線により通信可能に接続される。配達管理装置100は、例えば、配達員が携帯する端末に備えられてもよく、配達員による配達を管理する運送業者のサーバに備えられてもよい。
【0019】
ウェアラブルデバイス20は、カメラ21と通信部22とを備える。ウェアラブルデバイス20は配達員の頭、胸、肩、腕、手首など任意の位置に取り付けられる。カメラ21は配達物の配置場所が判別可能な画像が撮影できる位置及び向きに設けられる。カメラ21は例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を用いて撮影を行う。撮影により得られる画像は、静止画または動画の何れであってもよい。カメラ21は例えば、配達員が業務を行っている間、撮影を続けてもよい。通信部22は、カメラ21が撮影した画像のデータを配達管理装置100に送信する。
【0020】
図2は、配達管理システム1の最小構成の例を示すブロック図である。配達管理システム1の最小構成は、配達管理装置100となる。
【0021】
配達管理装置100は、検知部101と、生成部102とを備える。検知部101は、配置場所へ配達物の配置を検知する。配置場所へ配達物の配置を検知するとは、例えば、配達物を配置場所に置く行為を検知すること、配達物が配置場所に置かれた状態、または、配達物が配置場所に置かれる直前の状態を検知することである。あるいは、配達物を置く前、置いた後の動作を検知することであってもよい。以下、それぞれの検知の例について詳しく説明する。
【0022】
1)配達物を置く行為の検知
配達物の配置を検知する例として、検知部101が、配達物を配置場所に置く行為を検知する方法について説明する。
【0023】
検知部101は、上述のカメラ21から取得した画像に基づいて、既知の画像認識技術や画像分析技術により、配達物を置く時の配達員の動作を検出する。検知部101は、例えば、配達員の手、腕、足または腰のいずれかの動作を検出してもよい。配達物を置く時の動作は、例えば、配達員が、郵便箱に配達物を投入する動作、荷物受取ボックスに配達物を入れる動作、配達物を下に降ろす動作を含む。
【0024】
また、検知部101は、画像認識技術により動作を検出する代わりに、配達員の動作を測定する加速度センサ、ジャイロセンサ、または磁気センサ等のセンサ値に基づいて、配達物を置く時の動作を検出してもよい。センサはウェアラブルデバイス20と一体に設けられてもよいし、ウェアラブルデバイス20とは別に配達員の身体、手袋、あるいは服に取り付けられてもよい。
【0025】
2)配達物が置かれた状態の検知
配達物の配置を検知する例として、検知部101が、配達物が置かれた状態を検知する方法について説明する。
【0026】
検知部101は、カメラ21から取得した画像に基づいて、既知の画像認識技術や画像分析技術により、配達員の手と配達物を検出し、配達員の手が配達物から離れた状態を検知し、配達物が置かれた状態の検知としてもよい。なお、検知部101は、配達員の手袋等に設けられた接触センサの測定値に基づいて、配達員の手が配達物から離れた状態を検知してもよい。
また、カメラ21にTOF(Time of Flight)センサを設けることで、検知部101は、取得した画像から配達物の表面と、床や台などの配達物の配置面を検出し、配達物が所定の場所に置かれた状態を検知してもよい。検知部101は、配達物の表面と配達物の配置面までの距離が所定時間に上変わらない場合、配達物が置かれたと判定してもよい。
【0027】
さらに、検知部101は、配達物から配達員が所定の距離離れたことを検出することで、配達物が置かれた状態を検知してもよい。所定の距離は、例えば配達物から50cm以上など、適宜設定される。配達員と配達物の距離は、例えばカメラ21が撮影した画像に基づいて、画像中の配達物の大きさが小さくなることを画像認識技術や画像分析技術により測定してもよい。また、カメラ21にTOFセンサを設け、配達物からカメラ21までの距離を測定してもよい。また、配達物にRF(Radio Frequency)タグを付け、タグリーダを配達員が所持することで、配達員が配達物から離れたことを測定してもよい。検知部101は例えば、上述のカメラ21や、タグリーダから、配達員が配達物から所定の距離離れたことの通知を受信してもよい。
【0028】
3)配達物が置かれる直前の状態の検知
検知部101は、配達物が置かれた状態を検知する代わりに、配達物が置かれる直前の状態を検知してもよい。検知部101は、配達物が置かれる直前の状態として、例えば、画像認識技術により、配達物を郵便箱の前に掲げた状態、配達物の一部が郵便箱に投入された状態、または、荷物受取ボックスが開けられた状態で配達物がボックス内へ運ばれている状態を検知する。
【0029】
4)配達物を置く前、置いた後の動作の検知
検知部101は、配達物を置く前に配達員が行う動作を検出することで、配達物を置く行為を検知してもよい。また、検知部101は、配達物を置いた後に配達員が行う動作を検知することで、配達物が置かれた状態を検知してもよい。置く前と、置いた後の動作は、置く時の動作を検知する方法と同様の方法を採用して検知してもよい。
【0030】
置く前に行う動作として、検知部101は、配達員が配達物を郵便箱に入れる前に行う、腕をひねる動作、配達物を郵便箱に入れやすくする動作などを検出してもよい。配達物が新聞である場合、郵便箱に新聞を投入しやすくする動作は、例えば新聞を折る動作、新聞を叩いて平らにする動作を含む。また、置いた後の動作として、検知部101は、配置完了後に配達物を指さす動作を検出してもよい。
【0031】
また、検知部101は、配達員の声を音声認識技術により認識することで、配達物を置く行為、または、配達物が置かれた状態を検知してもよい。検知部101は、例えば、「ここに配置します。」または「配置が完了しました。」などの配達員の音声を認識することで、配達物を置く行為、配達物が置かれた状態をそれぞれ検知する。
【0032】
検知部101が検知する配達員の動作は、配達員が行う上述の動作を、基本動作および派生動作として一般化して、検知できるように設定されてもよい。あるいは、検知部101が検知する動作は、配達員ごとに予め設定されてもよい。配達員ごとの動作を予め記憶することで、精度よく動作を検出することが可能になる。
【0033】
生成部102は、検知部101が配達物の配置を検知したときに撮影された配置場所の確証画像を生成する。具体的には、生成部102は、カメラ21が撮影した画像を取得する。さらに、生成部102は、検知部101から、配達物を置く行為を検知したことの通知を受け取る。生成部102は、例えば、取得した画像のうち、検知部101が配達物の配置を検知したときに撮影された画像を選択する。例えば、画像が撮影された時間と、配達物の配置を検知した時間に基づいて、画像が選択される。生成部102は、選択した画像に基づいて、確証画像を生成する。なお、生成部102は、取得した画像から配達物を識別し、配達物を含むように確証画像を生成してもよい。
【0034】
(動作)
次に、第1の実施形態に係る配達管理システム1の動作について、最小構成である配達管理装置100を用いて説明する。
【0035】
以下、第1実施形態に係る配達管理装置100の動作について、
図3を用いて説明する。
図3は、第1実施形態に係る配達管理装置100の動作を例示するフローチャートである。
【0036】
配達管理装置100は、カメラ21を含むウェアラブルデバイス20と通信可能に接続される。ウェアラブルデバイス20は、例えば、配達員の胸の位置に取り付けられ、カメラ21は、配達物の配置場所が判別可能な画像が撮影できる位置及び向きに設けられる。カメラ21は、例えば、配達員が配達車両から離れることを契機として撮影を開始し、配達員が配達車両に戻ると撮影を終了する。ウェアラブルデバイス20は通信部22を介して、カメラ21が撮影した画像のデータを配達管理装置100に送信する。
【0037】
配達員が配達物を持って、所定の宛先に配達物を届けると、検知部101は、配達員による配置場所への配達物の配置を検知する(ステップS101)。例えば、検知部101は、配達物を置く行為を検知する。
図4Aは、検知部101が配達員による配達物の配置を検知したときの、玄関先の状態の例を示す図である。
図4Aにおいて、配達員は配達物を玄関先に配置を完了している。
【0038】
生成部102は、配達物の配置が検知されたときの配置場所の確証画像を生成する(ステップS102)。
図4Bは、
図4Aの状態のときに撮影した画像から生成された確証画像の例を示す図である。
図4Bに示す確証画像には、配達物とその周辺の状態が含まれる。
【0039】
(効果)
第1実施形態によれば、配達員を煩わせずに、配達物の配置の確証となる画像を取得できる。その理由は、生成部102が、配置が検知された時の配置場所を撮影した確証画像を生成するからである。
【0040】
さらに、第1実施形態によれば、受取人が受取用ユニットを用意していない場合にも配置の確証となる画像を取得できる。その理由は、検知部101が、配達員による配達物の配置を検知し、生成部102が、配置が検知された時の配置場所を撮影した確証画像を生成するからである。
【0041】
(変形例)ロボットによる配達
本開示において、配達物の配達はロボットが行ってもよい。本開示において、配達員についての説明は、適宜、ロボットに置き換えられてもよい。配達するロボットは、無人地上車両、無人航空機(ドローン)を含む。変形例において、配達管理装置100は、ロボットに搭載されてもよく、ロボットを管理する運送業者のサーバに備えられてもよい。配達管理装置100は、例えば、ロボットに設けられるカメラ21と有線または無線により通信可能に接続される。
【0042】
ロボットは、GPS(Global Positioning System)などによりロボットの位置情報を取得する。ロボットは、道路、建物の外観、建物の内装の画像などをマップに対応づけて予め記憶し、記憶された画像とカメラ21で撮影された画像とを比較して、現在の位置情報を取得してもよい。位置情報には高さに関する情報が含まれていてもよい。ロボットは宛先の位置情報に基づいて、宛先まで配達物を運ぶ。ロボットが宛先に到着すると、ロボットは所定の配置場所に配達物を配置する。配置場所は、例えば、玄関ドアの前などである。
【0043】
飛行型ドローンが配達物を配達する場合、ドローンは配達物を建物のバルコニーに配置してもよい。この時、ドローンは飛行高度を測定してもよい。ドローンは建物を撮影した画像に基づく画像認識処理により、例えば、建物の1階を基準とした飛行高度を算出してもよい。また、ドローンはTOFセンサを用いて地面からの距離を測定してもよい。高さを測定する基準は適宜設定される。ドローンがGPS以外の方法で高さを測定することで、GPS以外の方法を用いない場合と比べて、ドローンはより正確な高さを測定することができる。したがってドローンは配達物を建物の正しい高さまで運ぶことができる。
【0044】
配達員が配達をする場合と同様に、配達管理装置100は、ロボットによる配達物の配置を検知する。また配達管理装置100は、配置が検知されたときの配置場所の確証画像を生成する。
【0045】
検知部101は、配達物を配置するとき、または、配置が完了したときにロボットが出力する信号を検出することで、配達物の配置を検知してもよい。また、検知部101は、ロボットが配達物を把持するアームを配達物から放したこと検出して、配達物が置かれた状態を検知してもよい。
【0046】
検知部101は、ロボットが配達物から所定の距離離れたことを検出することで配達物が置かれた状態を検知してもよい。これにより、生成部102は、ロボットが配達物から所定の距離離れてから撮影された配置場所の確証画像を生成することができる。したがって、生成部102は、配達物とその周囲の様子を含む確証画像を生成できる。周囲の様子を含む確証画像からは、本開示の第3実施形態の説明において後述する配置場所に関する情報の取得が可能であってもよい。例えば、バルコニーに配置された受取人の所有物などは配置場所の目印となる。確証画像からは、例えば位置情報が取得可能であってもよい。
【0047】
(変形例)配置場所の周囲の撮影
カメラ21は、360度カメラなどのように広い画角を有していてもよい。カメラ21は配置場所とその周辺を含む、建物の外観を撮影してもよい。生成部102は、確証画像として、建物の外観を含む画像を生成してもよい。これにより、受取人(または運送業者等)は、建物の外観と配置場所との相対的な位置に基づいて、配達物が正しい位置に配置されたか確認することができる。例えば、カメラ21は、建物の側面の全体を撮影してもよい。
【0048】
生成部102は、確証画像中の配置場所に色を付したり、配置場所を矢印で示したりすることで、配置場所をマッピングした確証画像を生成してもよい。生成部102は、配置場所以外の建物の外観にモザイク処理を施した確証画像を生成してもよい。これにより、例えばカメラ21が隣の家の外観を含む画像を撮影した場合に、プライバシーに配慮した確証画像を生成することが可能になる。
【0049】
[第2実施形態]
(構成)
第2実施形態に係る配達管理システム1について説明する。
図5は、第2実施形態に係る配達管理システム1の構成を示すブロック図である。配達管理システム1は、第1実施形態に係る配達管理装置100、並びに、ウェアラブルデバイス20、及び、配達員端末200、表示端末300、並びに、サーバ400を備える。
【0050】
第2実施形態の配達管理システム1において、ウェアラブルデバイス20、配達管理装置100、配達員端末200は、それぞれ通信可能に接続される。また、配達員端末200は、サーバ400と通信可能に接続され、サーバ400は、表示端末300と通信可能に接続される。
【0051】
以下、第2実施形態に係る配達管理システム1の構成を詳細に説明するが、配達管理装置100とウェアラブルデバイス20について、第1実施形態の説明と同様の構成は説明を省略する場合がある。
【0052】
配達員端末200は配達員が携帯する端末である。配達員端末200は、例えばスマートフォン、携帯電話、タブレット端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)といった小型のコンピュータであってもよく、パーソナルコンピュータであってもよい。
【0053】
ウェアラブルデバイス20と配達員端末200は一体の物であってもよく、別に設けられてもよい。カメラ21によって撮影された画像は、通信部22を介して配達管理装置100または配達員端末200へ送られてもよい。
【0054】
配達員端末200は、サーバ400から配達リストを受信し、記憶してもよい。配達リストとは、例えば、配達員が担当する配達物を識別する情報と、配達物の宛先に関する情報とを含むリストである。配達物を識別する情報とは、数字や文字で表される配達物識別子であってもよい。宛先に関する情報とは、受取人の住所、名前、または、電話番号を含んでもよい。配達リストには品目に関する情報が含まれていてもよい。
図6Aは、配達リストの例を示す図である。配達員は配達リストに基づいて配達物を配達する。
【0055】
配達管理装置100は、生成した確証画像を配達員端末200に送信してもよい。配達員端末200は、確証画像を受信し、受信した確証画像をサーバ400に送信してもよい。
【0056】
サーバ400は、配達リストを生成し、生成した配達リストを各配達員の携帯する配達員端末200に出力してもよい。サーバ400は、確証画像を受信し、記憶する。さらに、サーバ400は、表示端末300に、配置場所の確証画像を出力する。
【0057】
表示端末300は、運送業者、配達員、送り主、または、受取人の何れかが確証画像を確認するために用いられる。表示端末300は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、または、ディスプレイ付きインターホンのディスプレイなどである。
【0058】
表示端末300は、サーバに確証画像の出力を要求する。さらに、表示端末300は、要求して出力された確証画像を受信して表示する。運送業者の表示端末300は、全ての配達員の確証画像を要求できる。配達員の表示端末300は、配達員が担当する配達物に関する確証画像を要求する。送り主と受取人の表示端末300は、自らが送る配達物または受け取る配達物に関する確証画像を要求する。
【0059】
(動作)
以下、第2実施形態に係る配達管理システム1の動作について、
図7を用いて説明する。
図7は、第2実施形態に係る配達管理システム1の動作を例示するシーケンス図である。
【0060】
配達員端末200は、サーバ400から配達リストを受信する。配達員は、配達員端末200が示す配達リストに記載された住所に次々に移動する。配達リストの住所に配達員が接近したことを配達員端末200が検知したとき、配達管理システム1は画像取得処理を開始する。住所への接近は、GPSなどの位置情報とマップを使って検知される。配達員端末200は、ウェアラブルデバイス20に撮影を開始するよう指示し、ウェアラブルデバイス20は撮影を開始する(ステップS201)。ウェアラブルデバイス20は撮影した画像を配達管理装置100に送信する。送信する画像が静止画の場合、ウェアラブルデバイス20は、配達員端末200から撮像終了指示を受付けるまで静止画の撮影と送信を所定の時間間隔で繰り返す。時間間隔は任意であるが、10秒以内とすることが好ましい。送信する画像が動画の場合、ウェアラブルデバイス20は、配達員端末200から撮像終了指示を受付けるまで動画の撮影と送信を続ける。
【0061】
配達管理装置100の検知部101は、配達物の配置を検知する(ステップS202)。次に配達管理装置100の生成部102は、検知部101が配置を検知したときの配置場所の確証画像を生成する(ステップS203)。配達管理装置100は、生成された確証画像を配達員端末200に送信する。
【0062】
配達員端末200は、サーバ400に確証画像を出力する(ステップS204)。サーバ400は、受信した確証画像を保存する(ステップS205)。
【0063】
配達員端末200は、配達リストに記載された住所から配達員が離れたことを検知したとき、ウェアラブルデバイス20に撮影を終了するよう指示し、ウェアラブルデバイス20は撮影を終了する(ステップS206)。なお、配達完了を示す情報を配達員が配達員端末200に登録することによって、撮影終了の指示がウェアラブルデバイス20に送信されてもよい。以上により画像取得処理は終了する。
【0064】
次に、表示端末300が、サーバ400に確証画像を要求すると、配達管理システム1は画像表示処理を開始する。サーバ400は要求を受けて、要求された確証画像を表示端末300に送信する。表示端末300は、受信した確証画像を表示する(ステップS207)。以上により画像表示処理は終了する。
【0065】
(効果)
第2実施形態によれば、配達物の配置の確証となる画像を確認することができる。その理由は、配達管理装置100が生成した確証画像を、サーバ400が表示端末300に出力するからである。
【0066】
配達員が利用する表示端末300に確証画像を含む配達リストが出力されると、配達員は確証画像の有無により、配達物の配置を行ったか否かを一見で確認することができる。運送業者が利用する表示端末300に確証画像が出力されると、運送業者の管理者は、配達員が配達を行ったか否か、および、業務上定められたルールに従って配置を行ったか判断することが可能になる。送り主が利用する表示端末300に確証画像が出力されると、送り主は、配達物が途中で紛失されることなく配置されたことを確認することができる。受取人が利用する表示端末300に確証画像が出力されると、受取人は正しい宛先に配達物が配置されていることを確認することができる。
【0067】
(変形例)
第2実施形態において、配達員端末200がサーバ400に確証画像を送信する場合について説明したが、配達管理装置100は、配達員端末200を介さずにサーバ400に確証画像を送信してもよい。
【0068】
配達員端末200またはサーバ400は、検知部101から配置を検知したことの通知を受け取り、さらに、受取人の携帯端末、または、受取人の家に設けられたインターホンへ、配置に関する通知を送信してもよい。
【0069】
配達員端末200は、GPSなどにより配達員の位置情報を取得してもよい。取得した位置情報に基づいて、配達リストに記載された住所に配達員が接近したことを配達員端末200が検知したとき、配達員端末200は、カメラ21を起動させ撮影を開始するよう制御してもよい。配達員端末200は、カメラ21が撮影した画像をサーバ400へ送信してもよい。これにより、配達物の配置の前後の様子をサーバ400に送信することができる。配達員端末200は、配置場所以外のエリアを撮影した画像の解像度を下げてサーバ400へ送信してもよい。これにより、通信量を低減することができ、さらには、プライバシーに配慮することができる。
【0070】
さらに、配達員端末200は、配置が検知されたときに取得した位置情報をサーバ400に送信してもよい。サーバ400は、取得された位置情報と確証画像を関連付けて記憶する。
【0071】
配達リストには、確証画像の取得の要否に関する情報が含まれていてもよい。送り主や受取人によっては、配置場所の撮影を希望しない人もいる。また、受取人が直接配達物を受け取る場合や、受取人の立ち合いの元、配達物を置く場合は、配置の確証が不要となる。したがって、配達員端末200は、配達リストに基づいて確証画像の要否を判定してもよい。配達員端末200は、確証画像が不要であると判定した場合、カメラ21を起動させないよう制御してもよい。
【0072】
サーバ400は、確証画像を受信したとき、確証画像が含まれるよう配達リストを更新してもよい。
図6Bは、確証画像を含む配達リストの例を示す図である。例えば運送業者の表示端末300に、更新された
図6Bの配達リストを出力すると、運送業者は、確証画像を容易に確認することができる。
【0073】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る配達管理装置100について説明する。第3実施形態に係る配達管理装置100は、第1、2実施形態に係る配達管理システム1の配達管理装置100が、配置場所の確認を行うために、照合部103をさらに備える。
図8は、第3実施形態に係る配達管理装置100の構成を示すブロック図である。なお、第3実施形態に係る照合部103は、配達員端末200、または、サーバ400が備えてもよい。
【0074】
以下の説明において、第1実施形態、または、第2実施形態と同様の構成については説明を省略することがある。
【0075】
第3実施形態において、生成部102は、配置場所に関する情報を示す確証画像を生成する。配置場所に関する情報とは、配置場所の目印に関する情報である。配置場所に関する情報は、配置場所を特定する情報を含む。位置情報は配置場所を特定する情報に含まれる。玄関先に配置する場合は、配置場所に関する情報は、玄関の表札またはドアに掲示された名前または部屋番号、および玄関に配置された飾りを含む。また、郵便箱に配達物を入れる場合、配置場所に関する情報は、郵便箱に表示された名前または部屋番号を含む。
【0076】
生成部102は、カメラ21から取得した画像から配達物を認識してもよい。このとき、生成部102は、配達物と、配置場所に関する情報の両方が映る確証画像を生成してもよい。
【0077】
照合部103は、確証画像が示す配置場所に関する情報と、配達リストに含まれる情報とを照合することで、配置場所を確認する。確証画像が示す情報と、配達リストに含まれる情報が一致する場合、配達管理装置100は、配置が完了したことをサーバ400に送信してもよい。
【0078】
照合部103は、配達員端末200に照合結果を出力してもよい。配達員端末200は、照合結果を表示してもよい。これにより、配達員に配置場所が正しいか否かを通知することが可能になる。また、配置場所が間違っていた場合、配達員は配達物の再配置をすることが可能になる。照合結果をサーバ400に送ると、配置場所が間違っていた場合、サーバ400、または、運送業者は、配達員に再配置を指示することが可能になる。
【0079】
一例において、生成部102は、画像認識技術により、配達物の配置が検知されたときに撮影された画像から、配置場所に関する情報として、表札を認識する。生成部102は、認識した表札が含まれるよう、確証画像を生成する。照合部103は、生成部102から確証画像を取得し、画像認識処理により表札に表示された名前を認識してもよい。照合部103は、確証画像が示す名前と、配達リストに含まれる名前とを照合する。
【0080】
他の例において、照合部103は、郵便箱を撮影した確証画像を取得し、画像認識処理により、郵便箱に表示された部屋番号を認識してもよい。照合部103は、確証画像が示す部屋番号と、配達リストに含まれる住所の部屋番号を照合してもよい。
【0081】
他の例において、照合部103は、配置場所の付近に貼付された、配置場所の識別子を印刷したラベルを、配置場所の目印に関する情報として照合に用いてもよい。配置場所の識別子は、文字列や文字列を符号化したコード等である。ラベルは、表札、郵便箱、荷物受取ボックス、玄関ドア、玄関の壁等に貼付される。
図12は、配置場所の識別子と、識別子の近くに配置された配達物を含む確証画像の例を示す図である。照合部103は、配達リストに含まれる配置場所の識別子と、確証画像が示す識別子とを照合してもよい。水道、ガス、または電気のメーターの前に配達物を置く場合、メーターに付された識別子を配置場所の識別子として用いてもよい。
【0082】
照合部103は、配置が検知されたときに配達員端末200またはロボットが取得した位置情報と、配達リストに含まれる宛先の位置情報とをさらに照合してもよい。
【0083】
なお、サーバ400には、配置場所に関する情報は、宛先に関連付けて予め記憶されていてもよい。照合部103は、サーバ400に記憶された配置場所に関する情報を参照し、確証画像が示す配置場所に関する情報を照合してもよい。なお、配置場所に関する情報は、配置の前に配達員端末200に記憶されていてもよい。配置場所に関する情報が配達員端末200に表示されれば、配達員は配達物を配置すべき場所を予め知ることができる。
【0084】
(動作)
以下、第3実施形態に係る配達管理装置100の動作について、
図9を用いて説明する。
図9は、第3実施形態に係る配達管理装置100の動作を例示するフローチャートである。
【0085】
図10は、第3実施形態に係る配達リストの例を示す図である。配達管理装置100は、配達リストから配達員が配達しようとする配達物の識別子を取得する。配達員端末200は、配達員が配達しようとする配達物の選択を受け付け、選択された識別子を配達管理装置100に通知してもよい。また、配達員端末200は、配達物に付された配達物の識別子を読み取って、読み取った識別子を検知部101に通知してもよい。配達員端末200は、配達員の位置情報に基づいて、配達員が配達しようとする配達物を判定してもよい。
【0086】
以下の例において、配達員が配達物識別子「3」に係る配達物を配置する場合について説明する。検知部101は、配達員が配置場所に配達物を置く行為を検知する(ステップS301)。
【0087】
生成部102は、配達物の配置が検知されたときの配置場所の確証画像を、配置場所に関する情報を含むように生成する(ステップS302)。
図11は、生成される確証画像の例を示す図である。
【0088】
照合部103は、確証画像が示す配置場所に関する情報を取得する。例えば、
図11の確証画像から、照合部103は画像認識技術を用いてドアに掲示された部屋番号「201」を取得する。さらに、照合部103は、配達員端末200から取得した配達物の識別子に基づいて、配達リストに含まれる配置場所に関する情報を取得する。例えば、照合部103は、
図10の配達リストから、配達物識別子「3」の配達物の宛先が201号室であることを取得する。次に、照合部103は、確証画像が示す部屋番号と、配達リストに含まれる宛先の部屋番号とを照合する(ステップS303)。確証画像が示す配置場所に関する情報と、配達リストに含まれる情報とが一致する場合(ステップS304:Yes)、配達管理装置100は動作を終了する。
【0089】
確証画像と配達リストの情報が一致せず、配達員が配達物を再配置する場合(ステップS304:No)、配達管理装置100は再度ステップS301~S303を実行する。
【0090】
(効果)
第3実施形態によれば、配達リストに含まれる宛先に関する情報と、確証画像が示す配置場所に関する情報との照合により、配達物が間違った住所に配置されていないか確認することが可能になる。
【0091】
(変形例1)配達物に付された宛先と配置場所の照合
第3実施形態において、照合部103は確証画像が示す情報と配達リストに含まれる情報との照合を行う場合について説明した。しかし、変形例1において、照合部103は、確証画像が示す配達物に付された宛先に関する情報と、確証画像が示す配置場所に関する情報とを照合してもよい。宛先に関する情報は、住所、宛名、または、これらを符号化したものであったものを含む。
【0092】
図13Aに示すように、配達員が郵便箱に郵便物を配置する場合を例に説明する。生成部102は、配達員による配達物を配置する行為が検知されると、
図13Bに示す確証画像を生成する。この場合、生成部102は、配達物に付された宛先を示す情報を認識し、宛先に関する情報を示す確証画像を生成する。
【0093】
照合部103は、確証画像に基づく画像認識処理により、配置場所に関する情報として、郵便箱に表示された名前「SUZUKI」を取得する。さらに、照合部103は、確証画像に基づく画像認識処理により、宛先に関する情報として、郵便物に記載された宛名「鈴木」を取得する。次に、照合部103は、取得した郵便箱の名前と、郵便物の名前を照合する。
【0094】
変形例1によれば、確証画像が示す宛先に関する情報と、配置場所に関する情報との照合により、配達物に付された宛先に配達物が配達されたことを確認することができる。
【0095】
(変形例2)配達物の銘柄と配置場所の照合
変形例2において、照合部103は、確証画像が示す配達物の銘柄に関する情報と配達リストに含まれる銘柄に関する情報を照合してもよい。変形例2に係る配達管理システム1は、新聞、乳製品など、宛先の記載のない配達物の銘柄を、配達員が区別して、複数の宛先に配達する場合に適用することができる。
【0096】
以下において、新聞配達員が複数社の新聞を、配達リストに従って宛先毎に配達する場合を例に説明する。
図14Aは、変形例2に係る配達リストの例を示す図である。配達リストは、受取人の住所、受取人の名前、配達物の銘柄、及び、配達が完了したか否かを含む。
図14Bは、検知部101が新聞紙の郵便箱への配置を検知するときの状態を表す図である。例えば、郵便箱には名前が表示され、新聞には銘柄を示す情報が表示される。
【0097】
図14Cは、変形例2に係る確証画像の例を示す図である。照合部103は、宛先に関する情報である確証画像が示す名前と、配達リストに含まれる名前とを照合する。さらに、照合部103は、配達リストに含まれる銘柄と、確証画像が示す配達物の銘柄を照合する。照合部103は、照合結果を配達員端末200、または、サーバ400に送信する。
【0098】
変形例2によれば、確証画像が示す配達物の銘柄に関する情報と配達リストに含まれる銘柄に関する情報との照合により、正しい銘柄の商品を配置場所に配置したか確認することが可能になる。
配達リストはさらに、配置場所に配置する配達物の個数を含んでいてもよい。照合部103は、確証画像から認識される配達物の個数と配達リストに含まれる配達物の個数を照合してもよい。配達物が新聞である場合、照合部103は、確証画像中の新聞の厚みに基づいて、新聞の部数を認識してもよい。
【0099】
配達員は、配置する配達物の数を間違えたり、異なる銘柄の配達物を配置したり、配置ミスをすることがある。そこで、配達されなかった配達物や余分な配達物を保管する収集所を設けてもよい。収集所は例えばコンビニエンスストアである。受取人は、受取人が使用する表示端末300に、収集所において確証画像を表示させ、配置ミスがあったことを示し、収集所において、配達物を受け取る。表示端末300は、確証画像を表示する代わりに、照合部103の照合結果を表示することで、配置ミスがあったことを示してもよい。収集所を用いれば、配達員は配達物を再配達する必要がない。
【0100】
[ハードウェア構成]
上述した各実施形態において、配達管理装置100の各構成要素は、機能単位のブロックを示している。配達管理装置100、配達員端末200、表示端末300、サーバ400を含む、各装置の各構成要素の一部又は全部は、コンピュータ500とプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0101】
図15は、コンピュータ500のハードウェア構成の例を示すブロック図である。
図15を参照すると、コンピュータ500は、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、プログラム504、記憶装置505、ドライブ装置507、通信インタフェース508、入力装置509、入出力インタフェース511、及び、バス512を含む。
【0102】
プログラム504は、各装置の各機能を実現するための命令(instruction)を含む。プログラム504は、予め、ROM502やRAM503、記憶装置505に格納される。CPU501は、プログラム504に含まれる命令を実行することにより、各装置の各機能を実現する。例えば、配達管理装置100のCPU501がプログラム504に含まれる命令を実行することにより、配達管理装置100の機能を実現する。また、RAM503は、各装置の各機能において処理されるデータを記憶してもよい。例えば、コンピュータ500のRAM503に、配達管理装置100における確証画像を記憶してもよい。
【0103】
ドライブ装置507は、記録媒体506の読み書きを行う。通信インタフェース508は、通信ネットワークとのインタフェースを提供する。入力装置509は、例えば、マウスやキーボード等であり、運送業者または受取人等からの情報の入力を受け付ける。出力装置510は、例えば、ディスプレイであり、運送業者または受取人等へ情報を出力(表示)する。入出力インタフェース511は、周辺機器とのインタフェースを提供する。バス512は、これらハードウェアの各構成要素を接続する。なお、プログラム504は、通信ネットワークを介してCPU501に供給されてもよいし、予め、記録媒体506に格納され、ドライブ装置507により読み出され、CPU501に供給されてもよい。
【0104】
なお、
図15に示されているハードウェア構成は例示であり、これら以外の構成要素が追加されていてもよく、一部の構成要素を含まなくてもよい。
【0105】
各装置の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素毎にそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
【0106】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部は、プロセッサ等を含む汎用又は専用の回路(circuitry)や、これらの組み合わせによって実現されてもよい。これらの回路は、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0107】
また、各装置の各構成要素の一部又は全部が複数のコンピュータや回路等により実現される場合、複数のコンピュータや回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
【0108】
また、配達管理システム1の少なくとも一部がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてよい。すなわち、配達管理装置100を実現するための機能の少なくとも一部が、ネットワーク経由で実行されるソフトウェアによって実行されてよい。
【0109】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、本開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。また、各実施形態における構成は、本開示のスコープを逸脱しない限りにおいて、互いに組み合わせることが可能である。
【0110】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
[付記1]
配置場所への配達物の配置を検知する検知手段と、
前記検知手段が配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する生成手段と、を備える、
配達管理システム。
[付記2]
前記検知手段は、前記配置場所へ配達物を置く行為を検知することで、前記配置を検知する、
付記1に記載の配達管理システム。
[付記3]
前記検知手段は、配達員の動作を撮影した画像、または、配達員の動作を測定したセンサ値に基づいて、前記行為を検知する、
付記2に記載の配達管理システム。
[付記4]
前記検知手段は、配達物が置かれた状態を検知することで、前記配置を検知する、
付記1乃至3の何れかに記載の配達管理システム。
[付記5]
前記検知手段は、配達員の動作を撮影した画像、または、配達員の動作を測定したセンサ値に基づいて、前記置かれた状態を検知する、
付記4に記載の配達管理システム。
[付記6]
前記検知手段は、置かれる直前の状態を検知することで、前記配置を検知する、
付記1乃至5の何れかに記載の配達管理システム。
[付記7]
前記検知手段は、配達員の動作を撮影した画像、または、配達員の動作を測定したセンサ値に基づいて、前記置かれる直前の状態を検知する、
付記6に記載の配達管理システム。
[付記8]
前記検知手段は、配達員またはロボットが配達物から離れたことに基づいて、前記配達物の配置を検知する、
付記1乃至7の何れかに記載の配達管理システム。
[付記9]
前記生成手段は、前記配置場所に関する情報を示す前記確証画像を生成する、
付記1乃至8の何れかに記載の配達管理システム。
[付記10]
前記確証画像が示す前記配置場所に関する情報は、表札に関する情報、郵便箱に関する情報、前記配置場所の識別子、または、位置情報の何れかである、
付記9に記載の配達管理システム。
[付記11]
配達リストに含まれる宛先に関する情報と、前記確証画像が示す前記配置場所に関する情報と、照合する照合手段をさらに備える、
付記9または付記10に記載の配達管理システム。
[付記12]
前記確証画像が示す、宛先に関する情報と、前記配置場所に関する情報とを照合する照合手段、をさらに備える
付記9または付記10に記載の配達管理システム。
[付記13]
配置場所への配達物の配置を検知し、
配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する
配達管理方法。
[付記14]
コンピュータに、配置場所への配達物の配置を検知する処理と、
配置を検知したときの前記配置場所を撮影した確証画像を生成する処理とを実行させるプログラムを非一時的に記録する記録媒体。
【0111】
この出願は、2020年7月9日に出願された日本出願特願2020-118333を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【符号の説明】
【0112】
1 配達管理システム
100 配達管理装置
101 検知部
102 生成部
103 照合部
20 ウェアラブルデバイス
200 配達員端末
300 表示端末
400 サーバ
500 コンピュータ