(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】制御装置、スピーカ制御方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20250304BHJP
H04R 27/00 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
H04R3/00 310
H04R27/00 J
(21)【出願番号】P 2023506599
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(86)【国際出願番号】 JP2021010859
(87)【国際公開番号】W WO2022195773
(87)【国際公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 隆史
(72)【発明者】
【氏名】松井 孝宏
(72)【発明者】
【氏名】山口 慧
【審査官】稲葉 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-123505(JP,A)
【文献】特開2017-147512(JP,A)
【文献】特開2012-138040(JP,A)
【文献】特開2010-26551(JP,A)
【文献】特開2015-164252(JP,A)
【文献】特開2020-61617(JP,A)
【文献】特開2014-21848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 3/00-3/14
H04R 27/00-27/04
H04R 1/00-1/46
G09G 5/00-5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の中の人の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報を用いて、前記店舗の中の互いに異なる位置に設置された複数のスピーカを制御する制御手段と、
を備え、
前記複数のスピーカは、前記店舗内の第1部分領域に対して指向性を有する第1のスピーカと、前記店舗内で指向性を有さない第2のスピーカとを含み、
前記制御手段は、
前記第1部分領域に人がいないことを前記位置情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の音データを供給せず、かつ、前記第2のスピーカに第2の音データを供給し、
前記第1部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第2のスピーカの音量を下げ、かつ、前記第1のスピーカに前記第1の音データを供給する、制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置において、
前記制御手段は、
前記第1のスピーカおよび前記第2のスピーカに対して同一の制御を行う共通モードと、
前記第1のスピーカおよび前記第2のスピーカを互いに独立して制御する独立モードと、を有し、
前記独立モードにおいて、前記位置情報を用いて
前記複数のスピーカを制御する、制御装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の制御装置において、
前記位置情報は、前記店舗の中を示す画像データを用いて生成されている、制御装置。
【請求項4】
請求項
3に記載の制御装置において
、
前記位置情報は、さらに、前記
第1部分領域にいる前記人の属性を含んでおり、
前記人の属性は、前記画像データを用いて生成されており、
前記制御手段は、前記人の属性を用いて、前記音データを選択する、制御装置。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記複数のスピーカは、前記店舗内の第2部分領域に対して指向性を有する第3のスピーカを含み、
前記制御手段は、
前記第1部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第1のスピーカに
前記第1
の音データを供給し
前記第2部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第
3のスピーカに
前記第2
の音データを供給する、制御装置。
【請求項6】
店舗の中を示す画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データを処理することにより、前記店舗の中の人に関する情報である人情報を生成する画像処理手段と、
前記人情報を用いて、前記店舗の中に設置された複数のスピーカを互いに独立して制御する制御手段と、
を備え
、
前記複数のスピーカは、前記店舗内の第1部分領域に対して指向性を有する第1のスピーカと、前記店舗内で指向性を有さない第2のスピーカとを含み、
前記制御手段は、
前記第1部分領域に人がいないことを前記人情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の音データを供給せず、かつ、前記第2のスピーカに第2の音データを供給し、
前記第1部分領域に人がいることを前記人情報が示しているとき、前記第2のスピーカの音量を下げ、かつ、前記第1のスピーカに前記第1の音データを供給する、制御装置。
【請求項7】
コンピュータが、
店舗の中の人の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得処理と、
前記位置情報を用いて、前記店舗の中の互いに異なる位置に設置された複数のスピーカを制御する制御処理と、
を行い、
前記複数のスピーカは、前記店舗内の第1部分領域に対して指向性を有する第1のスピーカと、前記店舗内で指向性を有さない第2のスピーカとを含み、
前記制御処理において、前記コンピュータは、
前記第1部分領域に人がいないことを前記位置情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の音データを供給せず、かつ、前記第2のスピーカに第2の音データを供給し、
前記第1部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第2のスピーカの音量を下げ、かつ、前記第1のスピーカに前記第1の音データを供給する、制御方法。
【請求項8】
コンピュータが、
店舗の中を示す画像データを取得する画像データ取得処理と、
前記画像データを処理することにより、前記店舗の中の人に関する情報である人情報を生成する画像処理と、
前記人情報を用いて、前記店舗の中に設置された複数のスピーカを互いに独立して制御する制御処理と、
を行
い、
前記複数のスピーカは、前記店舗内の第1部分領域に対して指向性を有する第1のスピーカと、前記店舗内で指向性を有さない第2のスピーカとを含み、
前記制御処理において、前記コンピュータは、
前記第1部分領域に人がいないことを前記人情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の音データを供給せず、かつ、前記第2のスピーカに第2の音データを供給し、
前記第1部分領域に人がいることを前記人情報が示しているとき、前記第2のスピーカの音量を下げ、かつ、前記第1のスピーカに前記第1の音データを供給する、制御方法。
【請求項9】
請求項1~
5のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記複数のスピーカと、
を有するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、スピーカ制御方法、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗の中には、音楽や音声案内を流すために、複数のスピーカが配置されていることが多い。これら複数のスピーカからは同一の音声が出力される場合がほとんどである。
【0003】
なお、特許文献1には、音を使って被支援者を案内するナビゲーション装置が開示されている。このナビゲーション装置は、まずトリガ音をスピーカから出力し、トリガ音を聞いた人の反応を検出する。そしてこの反応により、その人が被支援者であるか否かを判断する。そして、ナビゲーション装置は、被支援者に対して、誘導音を出力する。誘導音は、被支援者を、パラメトリックスピーカのスウィートスポットに誘導するための音である。被支援者がスウィートスポットに移動すると、ナビゲーション装置は、パラメトリックスピーカから案内音を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
店舗において顧客などの人に情報を提供することは有効である。本発明者は、音声を使って人に情報を提供した場合に、その情報を人に認識しやすくするための技術を検討した。本発明の目的の一つは、音声で提供された情報を店舗の中の人に認識させやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、店舗の中の人の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報を用いて、前記店舗の中の互いに異なる位置に設置された複数のスピーカを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、複数のスピーカについて、供給される音データの種類、音量、及び前記音データが当該スピーカに供給されるタイミングの少なくとも一つである制御対象を、前記位置情報を用いて制御する、制御装置が提供される。
【0007】
本発明によれば、店舗の中を示す画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データを処理することにより、前記店舗の中の人に関する情報である人情報を生成する画像処理手段と、
前記人情報を用いて、前記店舗の中に設置された複数のスピーカを互いに独立して制御する制御手段と、
を備える制御装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、コンピュータが、
店舗の中の人の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得処理と、
前記位置情報を用いて、前記店舗の中の互いに異なる位置に設置された複数のスピーカを制御する制御処理と、
を行い、
前記制御処理において、前記コンピュータは、複数のスピーカについて、供給される音データの種類、音量、及び前記音データが当該スピーカに供給されるタイミングの少なくとも一つである制御対象を、前記位置情報を用いて制御する、制御方法が提供される。
【0009】
本発明によれば、コンピュータが、
店舗の中を示す画像データを取得する画像データ取得処理と、
前記画像データを処理することにより、前記店舗の中の人に関する情報である人情報を生成する画像処理と、
前記人情報を用いて、前記店舗の中に設置された複数のスピーカを互いに独立して制御する制御処理と、
を行う制御方法が提供される。
【0010】
本発明によれば、コンピュータに、
店舗の中の人の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得機能と、
前記位置情報を用いて、前記店舗の中の互いに異なる位置に設置された複数のスピーカを制御する制御機能と、
を持たせ、
前記制御機能は、複数のスピーカについて、供給される音データの種類、音量、及び前記音データが当該スピーカに供給されるタイミングの少なくとも一つである制御対象を、前記位置情報を用いて制御する、プログラムが提供される。
【0011】
本発明によれば、コンピュータに、
店舗の中を示す画像データを取得する画像データ取得機能と、
前記画像データを処理することにより、前記店舗の中の人に関する情報である人情報を生成する画像処理機能と、
前記人情報を用いて、前記店舗の中に設置された複数のスピーカを互いに独立して制御する制御機能と、
を持たせるプログラムが提供される。
【0012】
本発明によれば、上記した制御装置と、上記した複数のスピーカと、を含むシステムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、店舗の中の人は、音声で提供された情報を認識しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0015】
【
図1】第1の実施形態に係る制御装置の使用環境を説明するための図である。
【
図3】音データ記憶部が記憶しているデータの第1例を示す図である。
【
図4】音データ記憶部が記憶しているデータの第2例を示す図である。
【
図5】制御装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図6】制御装置が行う処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】第2の実施形態に係る制御装置の使用環境を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る制御装置10の使用環境を説明するための図である。制御装置10は、システムの一部となっている。このシステムは、制御装置10の他に、複数のスピーカを含んでいる。制御装置10は、複数のスピーカ(本図に示す例ではスピーカ22,24)を互いに独立して制御する。ここで独立して行われる制御は、供給される音データの選択、音データを供給するタイミング、及び音量の少なくとも一つが含まれる。
【0018】
複数のスピーカは、同一の店舗に、互いに離れて設置されている。店舗の中に複数の階がある場合、上記した複数のスピーカは同一の階に配置されている。またこの店舗には、人の位置を示す情報(以下、位置情報と記載)を生成するためのセンサが設けられている。このセンサの一例は撮像装置である。この場合、位置情報は、この撮像装置が生成した画像データを処理することにより、生成される。そして制御装置10は、この位置情報を用いて、上記した複数のスピーカを制御する。
【0019】
本実施形態において、スピーカ22,24は、いずれも指向性を有している。スピーカ22,24の一例は、パラメトリックスピーカである。スピーカ22からの音が聞こえる範囲(以下、部分領域42と記載)に人がいることを位置情報が示している場合、制御装置10は、スピーカ22に第1の音データを供給する。また、スピーカ24からの音が聞こえる範囲(以下、部分領域44と記載)に人がいることを位置情報が示している場合、制御装置10は、スピーカ24に第2の音データを供給する。第1の音データ及び第2の音データは、例えば商品に関する情報を示している。一例として、第1の音データは、部分領域42の近くに配置されている商品に関する情報であり、第2の音データは、部分領域44の近くに配置されている商品に関する情報である。
【0020】
なお、部分領域42,44は、例えば、レジカウンターの前、顧客が操作する端末の前、及び所定の商品棚の前の少なくとも一つを含んでいる。ここで、顧客が操作する端末の一例は、キオスク端末、現金自動預け払い機(ATM)、又はセルフ型のPOS端末である。
【0021】
本図に示す例において、店舗には、部分領域42を撮像範囲に含む撮像装置32と、部分領域44を撮像範囲に含む撮像装置34と、が設けられている。そして制御装置10は、撮像装置32が生成した画像データに人が含まれていた場合、スピーカ22に第1の音データを供給する。また制御装置10は、撮像装置34が生成した画像データに人が含まれていた場合、スピーカ24に第2の音データを供給する。なお、撮像装置32,34が生成する画像データのフレームレートは、例えば5フレーム/秒以上であるが、これより多くてもよいし、少なくてもよい。
【0022】
なお、制御装置10は、撮像装置32が生成した画像データのうちの特定の領域に人が存在していた場合に、スピーカ22に第1の音データを供給してもよい。また、制御装置10は、撮像装置34が生成した画像データのうちの特定の領域に人が存在していた場合に、スピーカ24に第2の音データを供給してもよい。
【0023】
また、一つの撮像装置の撮像範囲に部分領域42,44の双方が含まれている場合、制御装置10は、この撮像装置が生成した画像データを処理することにより、人が部分領域42にいるか否かを判断するとともに、人が部分領域44にいるか否かを判断してもよい。
【0024】
また、位置情報を生成するためのセンサは、赤外線センサなどの人感センサであってもよい。この場合、店舗の複数の場所に人感センサが設けられる。これらの人感センサは、人を検知すると、当該人感センサの識別情報を制御装置10に出力する。制御装置10は、人感センサの識別情報を、当該人感センサの検知範囲を示す情報に対応付けて記憶している。このため、制御装置10は、受信した人感センサの識別情報を用いて、上記した位置情報を生成できる。
【0025】
図2は、制御装置10の機能構成の一例を示す図である。本図に示す例において、制御装置10は、位置情報取得部110及び制御部120を備えている。
【0026】
位置情報取得部110は、位置情報を取得する。本図に示す例において、位置情報取得部110は、画像取得部及び画像処理部を兼ねており、店舗に設置された撮像装置(例えば撮像装置32,34)が生成した画像データをリアルタイムで取得及び処理することにより、上記した位置情報を生成する。なお、撮像装置32,34の代わりに上記した複数の人感センサが用いられている場合、位置情報取得部110は、受信した人感センサの識別情報を用いて、上記した位置情報を生成する。
【0027】
なお、画像取得部及び画像処理部が制御装置10の外部に設けられている場合、位置情報取得部110は、この画像処理部が生成した位置情報を取得する。
【0028】
制御部120は、位置情報取得部110が生成または取得した位置情報を用いて、店舗内の複数のスピーカ(例えばスピーカ22,24)を互いに独立して制御する。ここで行われる制御の対象(以下、制御対象と記載)は、上記したように、供給される音データの選択、音データを供給するタイミング、及び音量の少なくとも一つが含まれる。
【0029】
例えば制御部120は、スピーカ22に対応する部分領域42に人がいることを位置情報が示している場合、スピーカ22に第1の音データを供給する。また制御部120は、スピーカ24に対応する部分領域44に人がいることを位置情報が示している場合、制御装置10は、スピーカ24に第2の音データを供給する。
【0030】
また、上記した画像処理により、人の属性が特定できることがある。人の属性は、例えば、性別、年齢層、服装、姿勢、ジェスチャー、発汗状態(例えば汗をかいているか否か)、及び顔認識のマスターとなる情報(以下、顔認識情報と記載)の少なくとも一つである。姿勢及びジェスチャーの一例は、その人が寒いと感じている時の姿勢及び/又は動作、その人が暑いと感じている時の姿勢及び/又は動作である。この場合、上記した位置情報は、さらに、人の属性も含む。そして制御部120は、スピーカに供給する音データ(例えば上記した第1の音データ又は第2の音データ)を選択するとき、そのスピーカに対応する部分領域にいる人の属性を用いてもよい。言い換えると、制御部120は、人の属性に応じて、スピーカに出力する音データを変更してもよい。また人の属性に顔認識情報が含まれている場合、この顔認識情報を用いることにより、特定の人に対して特定の音データを出力するようにしてもよい。
【0031】
スピーカに供給される音データは、音データ記憶部130に記憶されている。そして制御部120は、音データ記憶部130から音データを読み出してスピーカに供給する。本図に示す例において、音データ記憶部130は制御装置10の一部となっている。ただし音データ記憶部130は、制御装置10の外部に位置していてもよい。
【0032】
なお、制御装置10は、複数のスピーカに対して同一の制御を行う共通モードと、複数のスピーカを互いに独立して制御する独立モードと、を有していてもよい。この場合、制御装置10は、独立モードの場合に、上記した位置情報を用いて、上記した制御対象を、複数のスピーカの間で互いに独立して制御する。
【0033】
図3は、音データ記憶部130が記憶しているデータの第1例を示す図である。本図に示す例において、音データ記憶部130は、複数のスピーカ別に、当該スピーカに供給される音データを記憶している。これにより、制御部120は、スピーカ別に音データを音データ記憶部130から読み出すことができる。
【0034】
図4は、音データ記憶部130が記憶しているデータの第2例を示す図である。本図に示す例において、音データ記憶部130は、音データを人の属性別に記憶している。さらに詳細には、音データ記憶部130は、複数のスピーカ別に、当該スピーカに供給される音データ及び当該音データに対応する属性を記憶している。これにより、制御部120は部分領域42(又は部分領域44)に入ってきた人の属性に応じた音データを音データ記憶部130から読み出し、スピーカ22(又はスピーカ24)に供給するすことができる。例えば、制御部120は、年齢層や性別に応じた商品に関する情報を含む音データを選択する。また、属性が姿勢、ジェスチャー、及び発汗状態の少なくとも一つを含んでいる場合、制御部120は、それに応じた商品に関する情報を含む音データを選択してもよい。例えば、ジェスチャー、及び発汗状態の少なくとも一つから、その人が暑いと感じていると推定できる場合、制御部120は、冷たい商品(飲料又は食品)に関する音データを選択する。また、その人が寒いと感じていると推定できる場合、制御部120は、暖かい商品(飲料又は食品)に関する音データを選択する。なお、制御部120は、部分領域42(又は部分領域44)に入ってきた人の年齢層に応じて、スピーカ22(又はスピーカ24)の音量を制御してもよい。例えば制御部120は、年齢層が高くなるにつれて音量を大きくする。
【0035】
図5は、制御装置10のハードウェア構成例を示す図である。制御装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0036】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0037】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0038】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0039】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は制御装置10の各機能(例えば位置情報取得部110及び制御部120)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は音データ記憶部130としても機能する。
【0040】
入出力インタフェース1050は、制御装置10と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。例えば制御装置10は、入出力インタフェース1050を介して撮像装置及びスピーカと通信してもよい。なお、図示していないが、入出力インタフェース1050の数は、接続される入出力機器の数に応じて増減してもよい。例えば
図1に示す例において、入出力インタフェース1050は、4つ設けられてもよい。
【0041】
ネットワークインタフェース1060は、制御装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。制御装置10は、ネットワークインタフェース1060を介して撮像装置及びスピーカと通信してもよい。
【0042】
図6は、制御装置10が行う処理の一例を示すフローチャートである。制御装置10は、本図に示す処理を繰り返し行っている。
【0043】
撮像装置32,34は、画像データを生成すると、その画像データをすぐに制御装置10に送信する。この際、撮像装置32,34は、当該撮像装置を識別する情報も送信する。制御装置10の位置情報取得部110は、画像データを取得する(ステップS110)と、この画像データを処理することにより、上記した位置情報を生成する。この際、位置情報取得部110は、必要に応じて、人の属性を示す情報も生成する(ステップS120)。制御部120は、ステップS120で生成された情報を用いて、スピーカ22,24を互いに独立して制御する(ステップS130)。ここで行われる制御の詳細は、
図1及び
図2を用いて説明した通りである。
【0044】
以上、本実施形態によれば、制御装置10は、店舗内の人の位置に応じて、店舗内に設置された複数のスピーカ(例えばスピーカ22,24)を互いに独立して制御する。ここで行われる制御は、供給される音データの選択、音データを供給するタイミング、及び音量の少なくとも一つが含まれる。このため、店舗の中の人は、音声で提供された情報を認識しやすい。
【0045】
(第2実施形態)
図7は、本実施形態に係る制御装置10の使用環境を説明するための図である。本実施形態に係る制御装置10の使用環境は、指向性を有するスピーカ22,24に加えて、店舗に少なくとも一つのスピーカ26が設けられている点を除いて、
図1に示した使用環境と同様である。
【0046】
スピーカ26は指向性を有しておらず、スピーカ22,24と比較して広い範囲に音声を届けることができる。スピーカ26からの音声が届く範囲には、部分領域42,44も含まれている。
【0047】
そして制御装置10の制御部120は、部分領域42(又は部分領域44)における人の有無によって、スピーカ22(又はスピーカ24)、及びスピーカ26を互いに独立して制御する。
【0048】
例えば制御部120は、部分領域42,44のいずれにも人が存在していないことを位置情報が示しているとき、スピーカ26に音データを供給する。この音データは、スピーカ22に供給される第1の音データ及びスピーカ24に供給される第2の音データのいずれとも異なる。スピーカ26に供給される音データは、店員がその時にマイクに入力している音声でもよいし、音データ記憶部130から読み出されていてもよい。また、制御部120は、スピーカ22,24のいずれにも音データを供給しない。
【0049】
そして部分領域42,44の少なくとも一方に人が存在していることを位置情報が示しているとき、制御部120は、スピーカ26への音データの供給を停止する、又はスピーカ26の音量を下げる。さらに制御部120は、部分領域42に人が存在しているときにはスピーカ22に第1の音データを供給し、部分領域44に人が存在しているときにはスピーカ24に第2の音データを供給する。
【0050】
なお、スピーカ24は設けられていなくてもよい。この場合、制御装置10は、指向性を有する一つのスピーカ22と、指向性を有さないスピーカ24とを制御する。またこの場合、撮像装置34も設けられていなくてもよい。
【0051】
本実施形態によれば、人は、部分領域42,44に入っていないときにはスピーカ26が出す音声を認識することができる。この際、スピーカ22,24は音声を出していない。また、その人は、部分領域42(又は部分領域44)に入ったとき、スピーカ22(又はスピーカ24)が出す音声を認識することができる。この際、スピーカ26は音声を出していない、又はスピーカ26の音量は下がっている。したがって、店舗の中の人は、音声で提供された情報を認識しやすい。また、部分領域42(又は部分領域44)に入った人に限定して情報を提供することができる。
【0052】
なお、本実施形態において、制御部120は、撮像装置32,34、またはその他の撮像装置(ただし店内を撮像している)が生成した画像データを処理した結果を用いて、スピーカ26を含む複数のスピーカを、互いに独立して制御してもよい。例えば、制御部120は、画像データを処理することにより、店舗の中の人に関する情報(例えば属性情報のみの場合もあれば、人の位置情報及び属性情報の双方を含む場合もある)を生成する。そして制御部120は、この情報を用いて複数のスピーカを互いに独立して制御する。ここで制御対象は、各スピーカに供給される音データ、各スピーカに音データが供給されるタイミング、及び各スピーカの音量、の少なくとも一つである。
【0053】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0054】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0055】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.店舗の中の人の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報を用いて、前記店舗の中の互いに異なる位置に設置された複数のスピーカを制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、複数のスピーカについて、供給される音データの種類、音量、及び前記音データが当該スピーカに供給されるタイミングの少なくとも一つである制御対象を、前記位置情報を用いて制御する、制御装置。
2.上記1に記載の制御装置において、
前記制御手段は、
前記複数のスピーカに対して同一の制御を行う共通モードと、前記複数のスピーカを互いに独立して制御する独立モードと、を有し、
前記独立モードにおいて、前記位置情報を用いて前記制御対象を制御する、制御装置。
3.上記1又は2に記載の制御装置において、
第1の前記スピーカは指向性を有しており、第2の前記スピーカは指向性を有していない制御装置。
4.上記3に記載の制御装置において、
前記店舗には、前記第1のスピーカに対応する第1部分領域が設定されており、
前記制御手段は、
前記第1部分領域に人がいないことを前記位置情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の前記音データを供給せず、かつ、前記第2のスピーカに第2の前記音データを供給し、
前記第1部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第2のスピーカに前記第2の音データを供給しない又は前記第2のスピーカの音量を下げ、かつ、前記第1のスピーカに前記第1の音データを供給する、制御装置。
5.上記1~4のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記位置情報は、前記店舗の中を示す画像データを用いて生成されている、制御装置。
6.上記5に記載の制御装置において、
第1の前記スピーカは指向性を有しており、
前記店舗には、前記第1のスピーカに対応する部分領域が設定されており、
前記位置情報は、さらに、前記部分領域にいる前記人の属性を含んでおり、
前記人の属性は、前記画像データを用いて生成されており、
前記制御手段は、前記人の属性を用いて、前記音データを選択する、制御装置。
7.上記1~6のいずれか一項に記載の制御装置において、
第1の前記スピーカ及び第2の前記スピーカは指向性を有しており、
前記店舗には、前記第1のスピーカに対応する第1部分領域、及び前記第2のスピーカに対応する第2部分領域が設定されており、
前記制御手段は、
第1部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の前記音データを供給し
第2部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第2のスピーカに第2の前記音データを供給する、制御装置。
8.店舗の中を示す画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データを処理することにより、前記店舗の中の人に関する情報である人情報を生成する画像処理手段と、
前記人情報を用いて、前記店舗の中に設置された複数のスピーカを互いに独立して制御する制御手段と、
を備える制御装置。
9.8に記載の制御装置において、
前記制御手段は、前記複数のスピーカそれぞれについて、当該スピーカに供給される音データ、当該スピーカに前記音データが供給されるタイミング、及び当該スピーカの音量の少なくとも一つを、互いに独立して制御する、制御装置。
10.コンピュータが、
店舗の中の人の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得処理と、
前記位置情報を用いて、前記店舗の中の互いに異なる位置に設置された複数のスピーカを制御する制御処理と、
を行い、
前記制御処理において、前記コンピュータは、複数のスピーカについて、供給される音データの種類、音量、及び前記音データが当該スピーカに供給されるタイミングの少なくとも一つである制御対象を、前記位置情報を用いて制御する、制御方法。
11.上記10に記載の制御方法において、
前記制御処理において、前記コンピュータは、
前記複数のスピーカに対して同一の制御を行う共通モードと、前記複数のスピーカを互いに独立して制御する独立モードと、を有し、
前記独立モードにおいて、前記位置情報を用いて前記制御対象を制御する、制御方法。
12.上記10又は11に記載の制御方法において、
第1の前記スピーカは指向性を有しており、第2の前記スピーカは指向性を有していない制御方法。
13.上記12に記載の制御方法において、
前記店舗には、前記第1のスピーカに対応する第1部分領域が設定されており、
前記制御処理において、前記コンピュータは、
前記第1部分領域に人がいないことを前記位置情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の前記音データを供給せず、かつ、前記第2のスピーカに第2の前記音データを供給し、
前記第1部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第2のスピーカに前記第2の音データを供給しない又は前記第2のスピーカの音量を下げ、かつ、前記第1のスピーカに前記第1の音データを供給する、制御方法。
14.上記10~13のいずれか一項に記載の制御方法において、
前記位置情報は、前記店舗の中を示す画像データを用いて生成されている、制御方法。
15.上記14に記載の制御方法において、
第1の前記スピーカは指向性を有しており、
前記店舗には、前記第1のスピーカに対応する部分領域が設定されており、
前記位置情報は、さらに、前記部分領域にいる前記人の属性を含んでおり、
前記人の属性は、前記画像データを用いて生成されており、
前記制御処理において、前記コンピュータは、前記人の属性を用いて、前記音データを選択する、制御方法。
16.上記10~15のいずれか一項に記載の制御方法において、
第1の前記スピーカ及び第2の前記スピーカは指向性を有しており、
前記店舗には、前記第1のスピーカに対応する第1部分領域、及び前記第2のスピーカに対応する第2部分領域が設定されており、
前記制御処理において、前記コンピュータは、
第1部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の前記音データを供給し
第2部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第2のスピーカに第2の前記音データを供給する、制御方法。
17.コンピュータが、
店舗の中を示す画像データを取得する画像データ取得処理と、
前記画像データを処理することにより、前記店舗の中の人に関する情報である人情報を生成する画像処理と、
前記人情報を用いて、前記店舗の中に設置された複数のスピーカを互いに独立して制御する制御処理と、
を行う制御方法。
18.17に記載の制御方法において、
前記制御処理において、前記コンピュータは、前記複数のスピーカそれぞれについて、当該スピーカに供給される音データ、当該スピーカに前記音データが供給されるタイミング、及び当該スピーカの音量の少なくとも一つを、互いに独立して制御する、制御方法。
19.コンピュータに、
店舗の中の人の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得機能と、
前記位置情報を用いて、前記店舗の中の互いに異なる位置に設置された複数のスピーカを制御する制御機能と、
を持たせ、
前記制御機能は、複数のスピーカについて、供給される音データの種類、音量、及び前記音データが当該スピーカに供給されるタイミングの少なくとも一つである制御対象を、前記位置情報を用いて制御する、プログラム。
20.上記19に記載のプログラムにおいて、
前記制御機能は、
前記複数のスピーカに対して同一の制御を行う共通モードと、前記複数のスピーカを互いに独立して制御する独立モードと、を有し、
前記独立モードにおいて、前記位置情報を用いて前記制御対象を制御する、プログラム。
21.上記19又は20に記載のプログラムにおいて、
第1の前記スピーカは指向性を有しており、第2の前記スピーカは指向性を有していないプログラム。
22.上記21に記載のプログラムにおいて、
前記店舗には、前記第1のスピーカに対応する第1部分領域が設定されており、
前記制御機能は、
前記第1部分領域に人がいないことを前記位置情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の前記音データを供給せず、かつ、前記第2のスピーカに第2の前記音データを供給し、
前記第1部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第2のスピーカに前記第2の音データを供給しない又は前記第2のスピーカの音量を下げ、かつ、前記第1のスピーカに前記第1の音データを供給する、プログラム。
23.上記19~22のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
前記位置情報は、前記店舗の中を示す画像データを用いて生成されている、プログラム。
24.上記23に記載のプログラムにおいて、
第1の前記スピーカは指向性を有しており、
前記店舗には、前記第1のスピーカに対応する部分領域が設定されており、
前記位置情報は、さらに、前記部分領域にいる前記人の属性を含んでおり、
前記人の属性は、前記画像データを用いて生成されており、
前記制御機能は、前記人の属性を用いて、前記音データを選択する、プログラム。
25.上記19~24のいずれか一項に記載のプログラムにおいて、
第1の前記スピーカ及び第2の前記スピーカは指向性を有しており、
前記店舗には、前記第1のスピーカに対応する第1部分領域、及び前記第2のスピーカに対応する第2部分領域が設定されており、
前記制御機能は、
第1部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第1のスピーカに第1の前記音データを供給し
第2部分領域に人がいることを前記位置情報が示しているとき、前記第2のスピーカに第2の前記音データを供給する、プログラム。
26.コンピュータに、
店舗の中を示す画像データを取得する画像データ取得機能と、
前記画像データを処理することにより、前記店舗の中の人に関する情報である人情報を生成する画像処理機能と、
前記人情報を用いて、前記店舗の中に設置された複数のスピーカを互いに独立して制御する制御機能と、
を持たせるプログラム。
27.上記26に記載のプログラムにおいて、
前記制御機能は、前記複数のスピーカそれぞれについて、当該スピーカに供給される音データ、当該スピーカに前記音データが供給されるタイミング、及び当該スピーカの音量の少なくとも一つを、互いに独立して制御する、プログラム。
28.上記1~7のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記複数のスピーカと、
を含むシステム。
【符号の説明】
【0056】
10 制御装置
22,24,26 スピーカ
32,34 撮像装置
42,44 部分領域
110 位置情報取得部
120 制御部
130 音データ記憶部