(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、プログラム、及び点検システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/01 20060101AFI20250304BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20250304BHJP
G06Q 10/20 20230101ALI20250304BHJP
G08B 13/12 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
G08B25/01 C
G08B25/04 E
G06Q10/20
G08B13/12
(21)【出願番号】P 2023542077
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 JP2021030139
(87)【国際公開番号】W WO2023021598
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】辻 聡
【審査官】山下 浩平
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/070222(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/149192(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/024388(WO,A1)
【文献】国際公開第2021/152787(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 23/00 - 31/00
G06Q 10/20
G08B 13/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定する制御手段と、
前記制御手段により決定された設備に基づく情報を出力する出力手段と、
を有
し、
前記制御手段は、
前記取得手段により取得されたデータに基づいて、異常が発生した領域を推定し、
推定した領域内に設置されている各設備の種別に応じて登録されているデータと、前記第1測定データと前記第2測定データとの少なくとも一方に基づくデータとの類似度に基づいて、検査の対象とする設備の種別を決定し、
推定した領域内に設置されている各設備のうち、検査の対象とする種別の施設を、検査の対象の設備として決定する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、光ファイバセンサにより測定された前記第1測定データと前記第2測定データとを取得し、
前記第1測定データ及び前記第2測定データには、音及び振動の少なくとも一方の測定データが含まれる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1地点を示す情報には前記第1地点の高さを示す情報が含まれ、
前記第2地点を示す情報には前記第2地点の高さを示す情報が含まれ、
前記制御手段は、前記取得手段により取得されたデータに基づいて、異常が発生した3次元での領域を推定する、
請求項
1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記出力手段は、
前記制御手段により決定された設備の点検を指示するコマンドを、自律移動する点検装置へ送信する、
請求項1から
3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得し、
取得したデータに基づいて、異常が発生した領域を推定し、
推定した領域内に設置されている各設備の種別に応じて登録されているデータと、前記第1測定データと前記第2測定データとの少なくとも一方に基づくデータとの類似度に基づいて、検査の対象とする設備の種別を決定し、
推定した領域内に設置されている各設備のうち、検査の対象とする種別の施設を、検査の対象の設備として決定し、
決定した設備に基づく情報を出力する、
情報処理方法。
【請求項6】
第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得し、
取得したデータに基づいて、異常が発生した領域を推定し、
推定した領域内に設置されている各設備の種別に応じて登録されているデータと、前記第1測定データと前記第2測定データとの少なくとも一方に基づくデータとの類似度に基づいて、検査の対象とする設備の種別を決定し、
推定した領域内に設置されている各設備のうち、検査の対象とする種別の施設を、検査の対象の設備として決定し、
決定した設備に基づく情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
光ファイバセンサと、情報処理装置と、自律移動する点検装置とを有し、
前記情報処理装置は、
第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記光ファイバセンサにより前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定する制御手段と、
前記制御手段により決定された設備の点検を指示するコマンドを、自律移動する点検装置へ送信する出力手段と、
を有
し、
前記制御手段は、
前記取得手段により取得されたデータに基づいて、異常が発生した領域を推定し、
推定した領域内に設置されている各設備の種別に応じて登録されているデータと、前記第1測定データと前記第2測定データとの少なくとも一方に基づくデータとの類似度に基づいて、検査の対象とする設備の種別を決定し、
推定した領域内に設置されている各設備のうち、検査の対象とする種別の施設を、検査の対象の設備として決定する、
点検システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体、及び点検システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバセンサ等のセンサを用いて各種設備の異常を検出する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、例えば、異常が発生した設備を適切に特定できない場合があるという問題点がある。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、異常が発生した設備を適切に特定できる情報処理装置、情報処理方法、プログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体、及び点検システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る第1の態様では、情報処理装置が、第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定する制御手段と、前記制御手段により決定された設備に基づく情報を出力する出力手段と、を有する。
【0007】
また、本開示に係る第2の態様では、第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得し、取得したデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定し、決定した設備に基づく情報を出力する、情報処理方法が提供される。
【0008】
また、本開示に係る第3の態様では、第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得し、取得したデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定し、決定した設備に基づく情報を出力する、処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。
【0009】
また、本開示に係る第4の態様では、光ファイバセンサと、情報処理装置と、自律移動する点検装置とを有する点検システムが提供される。この点検システムにおいて、前記情報処理装置は、第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記光ファイバセンサにより前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得する取得手段と、前記取得手段により取得されたデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定する制御手段と、前記制御手段により決定された設備の点検を指示するコマンドを、自律移動する点検装置へ送信する出力手段と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
一側面によれば、異常が発生した設備を適切に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る生成処理を行う情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る点検システムの構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る情報処理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る設備DBの一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る種別DBの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の原理は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明される。これらの実施形態は、例示のみを目的として記載されており、本開示の範囲に関する制限を示唆することなく、当業者が本開示を理解および実施するのを助けることを理解されたい。本明細書で説明される開示は、以下で説明されるもの以外の様々な方法で実装される。
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。
以下、図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。
【0013】
(実施の形態1)
<構成>
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の構成について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置10の構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、取得部11、制御部12、及び出力部13を有する。これら各部は、情報処理装置10にインストールされた1以上のプログラムと、情報処理装置10のプロセッサ101、及びメモリ102等のハードウェアとの協働により実現されてもよい。
【0014】
取得部11は、情報処理装置10内部の記憶部、または外部装置から各種の情報を取得する。取得部11は、例えば、第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得する。
【0015】
制御部12は、取得部11により取得されたデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定する。出力部13は、制御部12により決定された設備に基づく情報を出力する。
【0016】
(実施の形態2)
次に、
図2を参照し、実施形態に係る点検システム1の構成について説明する。
<システム構成>
図2は、実施形態に係る点検システム1の構成例を示す図である。
図2の例では、点検システム1は、情報処理装置10、光ファイバセンサ20を有する。また、点検システム1は、点検装置30A、及び点検装置30B(以下で、区別する必要がない場合は、単に「点検装置30」とも称する。)を有する。なお、情報処理装置10、光ファイバセンサ20、及び点検装置30の数は
図2の例に限定されない。なお、本開示の技術は、例えば、変電所、プラント、工場、オフィス、及び物流倉庫等の各種施設の点検(保守)等に用いることができる。
【0017】
図2の例では、情報処理装置10、光ファイバセンサ20、及び点検装置30は、ネットワークNにより通信できるように接続されている。ネットワークNの例には、例えば、インターネット、移動通信システム、無線LAN(Local Area Network)、BLE等の近距離無線通信、LAN、及びバス等が含まれる。移動通信システムの例には、例えば、第5世代移動通信システム(5G)、第4世代移動通信システム(4G)、第3世代移動通信システム(3G)等が含まれる。
【0018】
情報処理装置10は、例えば、サーバ、クラウド、パーソナルコンピュータ、またはスマートフォン等の装置でもよい。情報処理装置10は、施設に設置されている各種設備の異常検知、及び点検装置30を用いる各種サービスを提供する。情報処理装置10は、例えば、異常が発生した設備を点検装置30に点検させる。
【0019】
図2の例では、施設の敷地の外周に沿って光ファイバセンサ20の光ファイバケーブルが敷設されている。なお、光ファイバセンサ20の光ファイバケーブルの敷設位置は、
図2の例に限定されない。
【0020】
光ファイバセンサ20は、情報伝達媒体である光ファイバケーブル21を有する。また、光ファイバセンサ20は、光ファイバケーブル21の一端に接続されたセンシング装置22と、光ファイバケーブル21の他端に接続された終端装置23を有する。終端装置23は、センシング装置22から出力されたセンシング信号の反射を抑制する終端処理を行う装置である。
【0021】
センシング装置22は、光ファイバケーブル21に対して、パルス波のセンシング信号を出力する。そして、センシング装置22は、光ファイバケーブル21のすべての位置からのセンシング信号に対する反射信号(戻り光)を時系列で測定する。なお、光ファイバケーブル21で、振動や音が印加された場合、及び温度が変化した場合、戻り光の光強度が変化する。センシング装置22は、センシング信号を出力してから、光強度が変化した戻り光を観測するまでの往復時間に基づいて、光ファイバケーブル21において振動や音が印加された位置を算出する。
【0022】
センシング装置22は、所定距離(例えば、1m)間隔の複数の地点で、振動や音の印加を同時に測定する。また、光ファイバケーブル21の最遠端からの戻り光と、次に出力するセンシング信号の光が混在しなくなる時間間隔でセンシング信号を出力することで、各位置で印加される振動や音の時間経過に応じた変化(時間推移)を測定できる。また、光ファイバケーブル21は、各地点で異なる高さで敷設されてもよい。これにより、異常が発生した箇所の3次元の位置を推定できる。
【0023】
光ファイバセンサ20を用いることにより、例えば、複数のマイクまたは複数の振動センサを用いる場合と比較して、敷設の工事が容易になる。また、通信用の光ファイバケーブル21が既に敷設されている場合、当該光ファイバケーブル21を通信用と設備の保守用とで共用することができるため、新たな敷設工事が不要となる。また、光ファイバケーブル21には電気が流れないため、可燃性ガスが存在する可能性がある施設でも用いることができる。なお、実施形態に係る点検システム1では、光ファイバセンサ20に代えてまたは加えて、複数のマイクと複数の振動センサとの少なくとも一方を用いてもよい。
【0024】
点検装置30は、変電所、発電所、工場、及び化学プラント等の各種の施設を点検するためのセンサを有する装置である。点検装置30は、施設の周辺を自律して移動しながら点検を行う機能を有してもよい。この場合、点検装置30は、例えば、車輪または脚により地上を移動する自律走行ロボットでもよい。また、点検装置30は、例えば、飛行により移動するドローン(無人航空機)または気球等でもよい。
【0025】
<ハードウェア構成>
図3は、実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図3の例では、情報処理装置10(コンピュータ100)は、プロセッサ101、メモリ102、通信インターフェイス103を含む。これら各部は、バス等により接続されてもよい。メモリ102は、プログラム104の少なくとも一部を格納する。通信インターフェイス103は、他のネットワーク要素との通信に必要なインターフェイスを含む。
【0026】
プログラム104が、プロセッサ101及びメモリ102等の協働により実行されると、コンピュータ100により本開示の実施形態の少なくとも一部の処理が行われる。メモリ102は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプのものであってもよい。メモリ102は、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体でもよい。また、メモリ102は、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光学メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を使用して実装されてもよい。コンピュータ100には1つのメモリ102のみが示されているが、コンピュータ100にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ101は、任意のタイプのものであってよい。プロセッサ101は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、および非限定的な例としてマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサの1つ以上を含んでよい。コンピュータ100は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0027】
本開示の実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装されてもよく、一方、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。
【0028】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に有形に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能命令を含み、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上のデバイスで実行され、本開示のプロセスまたは方法を実行する。プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態で望まれるようにプログラムモジュール間で結合または分割されてもよい。プログラムモジュールのマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散デバイス内で実行できる。分散デバイスでは、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方のストレージメディアに配置できる。
【0029】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供される。プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャートおよび/または実装するブロック図内の機能/動作が実行される。プログラムコードは、完全にマシン上で実行され、一部はマシン上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部はマシン上で、一部はリモートマシン上で、または完全にリモートマシンまたはサーバ上で実行される。
【0030】
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例には、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、光ディスク媒体、半導体メモリ等が含まれる。磁気記録媒体には、例えば、フレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ等が含まれる。光磁気記録媒体には、例えば、光磁気ディスク等が含まれる。光ディスク媒体には、例えば、ブルーレイディスク、CD(Compact Disc)-ROM(Read Only Memory)、CD-R(Recordable)、CD-RW(ReWritable)等が含まれる。半導体メモリには、例えば、ソリッドステートドライブ、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory)等が含まれる。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0031】
<処理>
次に、
図4から
図6を参照し、実施形態に係る情報処理装置10の処理の一例について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置10の処理の一例を示すフローチャートである。
図5は、実施形態に係る設備DB501の一例を示す図である。
図6は、実施形態に係る種別DB601の一例を示す図である。
【0032】
ステップS1において、情報処理装置10の取得部11は、光ファイバケーブル21の所定の各位置で測定された振動または音の振幅(強度)の推移の測定データと、当該所定の各位置を示す情報を光ファイバセンサ20から取得する。当該所定の各位置を示す情報には、例えば、当該所定の各位置の緯度、経度、及び高さの情報が含まれていてもよい。なお、当該所定の各位置を示す情報は、例えば、センシング装置22に予め登録されていてもよい。
【0033】
続いて、情報処理装置10の制御部12は、取得部11により取得されたデータに基づいて、異常が発生した領域を推定する(ステップS2)。ここで、情報処理装置10は、まず、例えば、AI(Artificial Intelligence)等を用いて、光ファイバセンサ20により測定された振動または音の推移が異常であるか否かを判定してもよい。
【0034】
そして、異常であると判定した場合、情報処理装置10は、例えば、振動または音の発生源から光ファイバケーブル21の所定の各位置まで振動または音が伝搬した時間の差(到来時間差)をそれぞれ算出してもよい。そして、情報処理装置10は、算出した各到来時間差に基づいて、当該所定の各位置から当該発生源までの距離の差を算出してもよい。そして、情報処理装置10は、例えば、算出した距離の差に基づいて、当該発生源が位置する2次元または3次元の領域を推定してもよい。
【0035】
続いて、情報処理装置10の制御部12は、設備DB(Data Base)501及び種別DB601を参照し、推定した領域内に設置されている各設備のうち、取得部11により取得された測定データに基づいて検査の対象とする設備を決定する(ステップS3)。これにより、例えば、異常が発生した設備を適切に特定できる。
【0036】
図5の例では、設備DB501には、設備IDに対応付けて、種別ID、及び設置位置の情報が管理者(オペレータ)等により予め記録(登録)されている。なお、設備DB501は、情報処理装置10の内部の記録装置に記録されていてもよいし、情報処理装置10の外部のDBサーバ等に記録されていてもよい。設備IDは、設備(機器)の識別情報である。種別IDは、設備の種別(機種)の識別情報である。設置位置は、設備が設置されている位置を示す情報である。設置位置には、例えば、緯度、経度、及び高さの情報が含まれていてもよい。
【0037】
図6の例では、種別DB601には、種別IDに対応付けて、1以上の異常データが管理者(オペレータ)等により予め記録(登録)されている。なお、種別DB601は、情報処理装置10の内部の記録装置に記録されていてもよいし、情報処理装置10の外部のDBサーバ等に記録されていてもよい。異常データは、例えば、種別IDに係る種別の設備で過去に異常が発生した際に光ファイバセンサ20等により測定された、振動または音の推移を示す波形のデータでもよい。
【0038】
情報処理装置10は、まず、異常な振動または音の発生源が位置すると推定した領域内に設置されている各設備IDを設備DB501から抽出してもよい。そして、情報処理装置10は、抽出した各設備IDの種別IDに対応付けられている各異常データを種別DB601から抽出してもよい。
【0039】
そして、情報処理装置10は、光ファイバセンサ20で測定された測定データの波形と、抽出した各異常データの波形との類似度をそれぞれ算出してもよい。ここで、情報処理装置10は、光ファイバセンサ20で測定された各地点の測定データのうち、振幅の最大値が最も大きい地点の測定データを用いて類似度をそれぞれ算出してもよい。また、情報処理装置10は、例えば、測定データの波形と異常データの波形との相関係数等を、類似度として算出してもよい。
【0040】
そして、情報処理装置10は、算出した類似度が閾値以上である種別の各設備を、検査(点検)の対象の設備として決定してもよい。また、情報処理装置10は、算出した類似度が最も高い種別の各設備を、検査(点検)の対象の設備として決定してもよい。
【0041】
続いて、情報処理装置10の出力部13は、制御部12により決定された検査対象設備に基づく情報を出力する(ステップS4)。ここで、情報処理装置10は、例えば、決定された検査対象設備の点検を指示するコマンドを、自律移動する点検装置30へ送信してもよい。この場合、当該コマンドには、例えば、検査対象設備の設置場所等の情報が含まれてもよい。
【0042】
そして、自律走行ロボット、無人航空機、または気球を有する点検装置30は、指示された検査対象設備の設置場所へ自律的に移動し、カメラで撮影した検査対象設備の周辺の画像等を監視センター等へ送信してもよい。
【0043】
<変形例>
情報処理装置10は、一つの筐体に含まれる装置でもよいが、本開示の情報処理装置10はこれに限定されない。情報処理装置10の各部は、例えば1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。また、情報処理装置10の少なくとも一部の処理は、例えば、点検装置30により実現されてもよい。また、情報処理装置10は、例えば、点検装置30の筐体内に内蔵されていてもよい。これらのような情報処理装置10についても、本開示の「情報処理装置」の一例に含まれる。
【0044】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0045】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定する制御手段と、
前記制御手段により決定された設備に基づく情報を出力する出力手段と、
を有する情報処理装置。
(付記2)
前記取得手段は、光ファイバセンサにより測定された前記第1測定データと前記第2測定データとを取得し、
前記第1測定データ及び前記第2測定データには、音及び振動の少なくとも一方の測定データが含まれる、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記制御手段は、各設備の機種に応じて登録されているデータと、前記第1測定データと前記第2測定データとの少なくとも一方に基づくデータとの類似度に基づいて、検査の対象とする設備を決定する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記制御手段は、
前記取得手段により取得されたデータに基づいて、異常が発生した領域を推定し、
推定した領域内に設置されている各設備のうち、前記第1測定データと前記第2測定データとの少なくとも一方に基づいて、検査の対象とする設備を決定する、
付記1から3の少なくとも一項に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記第1地点を示す情報には前記第1地点の高さを示す情報が含まれ、
前記第2地点を示す情報には前記第2地点の高さを示す情報が含まれ、
前記制御手段は、前記取得手段により取得されたデータに基づいて、異常が発生した3次元での領域を推定する、
付記4に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記出力手段は、
前記制御手段により決定された設備の点検を指示するコマンドを、自律移動する点検装置へ送信する、
付記1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記7)
第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得し、
取得したデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定し、
決定した設備に基づく情報を出力する、
情報処理方法。
(付記8)
第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得し、
取得したデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定し、
決定した設備に基づく情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
(付記9)
光ファイバセンサと、情報処理装置と、自律移動する点検装置とを有し、
前記情報処理装置は、
第1地点を示す情報と、第2地点を示す情報と、前記光ファイバセンサにより前記第1地点で測定された第1測定データと、前記第2地点で測定された第2測定データと、を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得されたデータに基づいて、検査の対象とする設備を決定する制御手段と、
前記制御手段により決定された設備の点検を指示するコマンドを、自律移動する点検装置へ送信する出力手段と、
を有する、
点検システム。
【符号の説明】
【0046】
1 点検システム
10 情報処理装置
11 取得部
12 制御部
13 出力部
20 光ファイバセンサ
21 光ファイバケーブル
22 センシング装置
23 終端装置
30 点検装置