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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20250304BHJP
【FI】
G06Q30/0601 308
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023544808
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 JP2021031738
(87)【国際公開番号】W WO2023032000
(87)【国際公開日】2023-03-09
【審査請求日】2024-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】内村 淳
(72)【発明者】
【氏名】加増 康代
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-055594(JP,A)
【文献】特開2004-326208(JP,A)
【文献】特開2015-153194(JP,A)
【文献】特開2016-024758(JP,A)
【文献】特開2013-054593(JP,A)
【文献】特開2016-126749(JP,A)
【文献】国際公開第2020/158177(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会員登録を行って顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報と、会員登録を行っておらず、前記顧客属性情報を登録せず、前記顔情報を登録した顧客である第2の顧客の前記顔情報とを含む顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、
店舗で撮影された画像と前記顔情報とを照合し、前記第1の顧客及び前記第2の顧客を前記画像内で検出する検出手段と、
前記画像内で検出された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を特定し、前記顧客情報に登録する行動監視手段と、
会員登録を行っておらず前記顔情報が登録されていない未登録人物が前記画像内で検出された場合、前記画像に含まれる前記未登録人物の顔画像に基づき前記顔情報を生成し、前記第2の顧客の前記顔情報として前記顧客情報に登録する第2の顧客登録手段と、
を有する処理装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記画像と前記第2の顧客の前記顔情報とを照合し、2回目以降の来店である前記第2の顧客を前記画像内で検出し、
前記行動監視手段は、複数回の来店各々で特定された前記第2の顧客の店内行動を互いに紐付けて前記顧客情報に登録する請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記顧客情報に登録された店内行動に基づき前記第1の顧客及び前記第2の顧客に付与されたポイントを管理するポイント管理手段と、
前記第1の顧客による前記ポイントの利用を許可し、前記第2の顧客による前記ポイントの利用を許可しないポイント利用管理手段と、
を有する請求項1又は2に記載の処理装置。
【請求項4】
前記第2の顧客に付与されたポイントを示すとともに、所定の手続きを行うことで前記ポイントが利用できるようになることを示す案内情報を前記第2の顧客に通知する案内手段をさらに有する請求項3に記載の処理装置。
【請求項5】
前記所定の手続きは、
前記顧客属性情報の登録、所定条件を満たす前記顔情報の登録、及び前記登録された店内行動を前記店舗が利用することに同意する意思表示の中の少なくとも一つを含む請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記案内手段は、
店舗内に設置された撮像手段が生成した顧客画像と前記顧客情報に含まれる前記顔情報とを照合することで、前記顧客画像に含まれる前記第2の顧客を特定し、
特定した前記第2の顧客に付与されたポイントに関する前記案内情報を表示装置に表示させる請求項4又は5に記載の処理装置。
【請求項7】
申請者の前記顧客属性情報及び顔画像を含む登録申請情報を取得する登録申請受付手段と、
前記登録申請情報に含まれる前記申請者の前記顧客属性情報と、前記登録申請情報に含まれる顔画像に基づき生成された前記顔情報を、前記第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報として前記顧客情報に登録する第1の顧客登録手段と、
前記登録申請情報に含まれる前記顔画像と、前記顧客情報に含まれる前記第2の顧客の前記顔情報とを照合し、前記登録申請情報を送信した前記申請者が前記第2の顧客として前記顧客情報に登録されているか判断する判断手段と、
前記申請者が前記第2の顧客として前記顧客情報に登録されている場合、前記第2の顧客として登録されている時に前記申請者に紐付けて前記登録された店内行動を、前記第1の顧客として前記顧客情報に登録された前記申請者の顧客識別情報に紐付けて登録する引継手段と、
を有する請求項1から6のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項8】
前記顧客情報に登録された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を解析する解析手段をさらに有する請求項1から7のいずれか1項に記載の処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
会員登録を行って顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報と、会員登録を行っておらず、前記顧客属性情報を登録せず、前記顔情報を登録した顧客である第2の顧客の前記顔情報とを含む顧客情報を記憶しておき、
店舗で撮影された画像と前記顔情報とを照合し、前記第1の顧客及び前記第2の顧客を前記画像内で検出する検出工程と、
前記画像内で検出された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を特定し、前記顧客情報に登録する行動監視工程と、
会員登録を行っておらず前記顔情報が登録されていない未登録人物が前記画像内で検出された場合、前記画像に含まれる前記未登録人物の顔画像に基づき前記顔情報を生成し、前記第2の顧客の前記顔情報として前記顧客情報に登録する第2の顧客登録工程と、
を実行する処理方法。
【請求項10】
コンピュータを、
会員登録を行って顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報と、会員登録を行っておらず、前記顧客属性情報を登録せず、前記顔情報を登録した顧客である第2の顧客の前記顔情報とを含む顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段、
店舗で撮影された画像と前記顔情報とを照合し、前記第1の顧客及び前記第2の顧客を前記画像内で検出する検出手段、
前記画像内で検出された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を特定し、前記顧客情報に登録する行動監視手段、
会員登録を行っておらず前記顔情報が登録されていない未登録人物が前記画像内で検出された場合、前記画像に含まれる前記未登録人物の顔画像に基づき前記顔情報を生成し、前記第2の顧客の前記顔情報として前記顧客情報に登録する第2の顧客登録手段、
として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、来店した顧客を顔認証技術で特定し、特定した顧客の店内行動の検出結果をその顧客に紐付けて登録し、登録データに基づきマーケティング分析やプロモーション支援等を行う技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-257488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
データ分析の観点からは、より多くの情報を収集することが好ましい。しかし、特許文献1に記載の技術の場合、収集できる情報は、事前に顔情報を登録している顧客の情報に限られる。特許文献1に記載の技術は、この点において改良の余地があった。
【0005】
本発明は、より多くの顧客の情報を収集できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報と、前記顧客属性情報を登録せず、前記顔情報を登録した顧客である第2の顧客の前記顔情報とを含む顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、
店舗で撮影された画像と前記顔情報とを照合し、前記第1の顧客及び前記第2の顧客を前記画像内で検出する検出手段と、
前記画像内で検出された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を特定し、前記顧客情報に登録する行動監視手段と、
前記顔情報が登録されていない未登録人物が前記画像内で検出された場合、前記画像に含まれる前記未登録人物の顔画像に基づき前記顔情報を生成し、前記第2の顧客の前記顔情報として前記顧客情報に登録する第2の顧客登録手段と、
を有する処理装置が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、
コンピュータが、
顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報と、前記顧客属性情報を登録せず、前記顔情報を登録した顧客である第2の顧客の前記顔情報とを含む顧客情報を記憶しておき、
店舗で撮影された画像と前記顔情報とを照合し、前記第1の顧客及び前記第2の顧客を前記画像内で検出する検出工程と、
前記画像内で検出された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を特定し、前記顧客情報に登録する行動監視工程と、
前記顔情報が登録されていない未登録人物が前記画像内で検出された場合、前記画像に含まれる前記未登録人物の顔画像に基づき前記顔情報を生成し、前記第2の顧客の前記顔情報として前記顧客情報に登録する第2の顧客登録工程と、
を実行する処理方法が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、
コンピュータを、
顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報と、前記顧客属性情報を登録せず、前記顔情報を登録した顧客である第2の顧客の前記顔情報とを含む顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段、
店舗で撮影された画像と前記顔情報とを照合し、前記第1の顧客及び前記第2の顧客を前記画像内で検出する検出手段、
前記画像内で検出された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を特定し、前記顧客情報に登録する行動監視手段、
前記顔情報が登録されていない未登録人物が前記画像内で検出された場合、前記画像に含まれる前記未登録人物の顔画像に基づき前記顔情報を生成し、前記第2の顧客の前記顔情報として前記顧客情報に登録する第2の顧客登録手段、
として機能させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より多くの顧客の情報を収集できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の処理装置のハードウエア構成の一例を示す図である。
図2】本実施形態の処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図3】本実施形態の処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図4】本実施形態の処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図5】本実施形態の処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】本実施形態の処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図7】本実施形態の処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】本実施形態の処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
図9】本実施形態の処理装置が処理する情報の一例を模式的に示す図である。
図10】本実施形態の処理装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0012】
<第1の実施形態>
「概要」
本実施形態の処理装置は、店舗で撮影された画像を利用して次の処理を行う。まず、処理装置は、顔認証技術を利用して、事前に顔情報を登録している顧客を上記画像内で検出する。そして、検出した顧客の店内行動を特定し、その顧客に紐づけて登録する。例えば会員登録等した顧客の顔情報が事前に登録されている。
【0013】
また、処理装置は、顔情報が登録されていない未登録人物が上記画像内で検出された場合、上記画像に含まれる未登録人物の顔画像に基づき顔情報を生成し、生成した顔情報を新たな顧客識別情報に紐付けて登録する。当該処理により、会員登録等で顔情報を登録していない顧客の顔情報の登録が実現される。以降、当該顧客は、上記顔認証技術を利用した処理により上記画像内で検出され、店内行動が登録されることとなる。
【0014】
このような本実施形態の処理装置によれば、会員登録等で事前に顔情報を登録した顧客の情報のみならず、会員登録等で事前に顔情報を登録していない顧客の情報も収集できる。
【0015】
「ハードウエア構成」
次に、処理装置のハードウエア構成の一例を説明する。
【0016】
図1は、処理装置10のハードウエア構成例を示す図である。処理装置10が備える各機能部は、任意のコンピュータのCPU(Central Processing Unit)、メモリ、メモリにロードされるプログラム、そのプログラムを格納するハードディスク等の記憶ユニット(あらかじめ装置を出荷する段階から格納されているプログラムのほか、CD(Compact Disc)等の記憶媒体やインターネット上のサーバ等からダウンロードされたプログラムをも格納できる)、ネットワーク接続用インターフェイスを中心にハードウエアとソフトウエアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。
【0017】
図1に示すように、処理装置10は、プロセッサ1A、メモリ2A、入出力インターフェイス3A、周辺回路4A、バス5Aを有する。周辺回路4Aには、様々なモジュールが含まれる。処理装置10は、周辺回路4Aを有さなくてもよい。なお、処理装置10は物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成されてもよいし、物理的及び論理的に一体となった1つの装置で構成されてもよい。物理的及び/又は論理的に分かれた複数の装置で構成される場合、複数の装置各々が上記ハードウエア構成を備えることができる。
【0018】
バス5Aは、プロセッサ1A、メモリ2A、周辺回路4A及び入出力インターフェイス3Aが相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。プロセッサ1Aは、例えばCPU、GPU(Graphics Processing Unit)などの演算処理装置である。メモリ2Aは、例えばRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などのメモリである。入出力インターフェイス3Aは、入力装置、外部装置、外部サーバ、外部センサ等から情報を取得するためのインターフェイスや、出力装置、外部装置、外部サーバ等に情報を出力するためのインターフェイスなどを含む。入力装置は、例えばキーボード、マウス、マイク等である。出力装置は、例えばディスプレイ、スピーカ、プリンター、メーラ等である。プロセッサ1Aは、各モジュールに指令を出し、それらの演算結果をもとに演算を行うことができる。
【0019】
「機能構成」
次に、処理装置10の機能構成を説明する。処理装置10は、各店舗に対応して設置された店舗サーバであってもよいし、複数の店舗を管理するセンターに対応して設置されたセンターサーバであってもよい。
【0020】
図2に、処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、処理装置10は、顧客情報記憶部11と、検出部12と、行動監視部13と、第2の顧客登録部14とを有する。
【0021】
顧客情報記憶部11は、第1の顧客及び第2の顧客の顧客情報を記憶する。
【0022】
第1の顧客は、顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である。例えば、会員登録等により、第1の顧客の顧客属性情報及び顔情報が顧客情報記憶部11に登録される。第1の顧客の顧客情報は、少なくとも顧客属性情報及び顔情報を含む。
【0023】
顧客属性情報は、顧客に関する情報であり、氏名、住所、電話番号、年齢、電子メールアドレス等を含むことができる。なお、顧客属性情報は、その他の情報を含んでもよいし、ここで例示した情報の一部を含まなくてもよい。
【0024】
顔情報は、顔画像に基づき生成される情報であり、顔の特徴量であってもよいし、顔画像そのものであってもよい。
【0025】
会員登録等を希望する顧客は、端末装置を操作し、専用のアプリケーションやウェブページを介して、自身の顧客属性情報及び顔画像を処理装置10に送信する。処理装置10は、受信した顧客属性情報及び顔画像が所定の登録条件を満たす場合、新たに発行された顧客識別情報に紐付けて、受信した顧客属性情報と、受信した顔画像に基づき生成された顔情報とを顧客情報記憶部11に登録する。
【0026】
顧客が操作する端末装置は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ等である。登録条件は、「同じ氏名、住所、電話番号の組み合わせが登録されていない」、「顔画像における顔の大きさが基準以上」、「顔画像から抽出された特徴量が基準を満たす」等である。
【0027】
第2の顧客は、顧客属性情報を登録せず、顔情報を登録した顧客である。後述する第2の顧客登録部14により、第2の顧客の顔情報が顧客情報記憶部11に登録される。第2の顧客の顧客情報は、少なくとも顔情報を含み、顧客属性情報を含まない。
【0028】
図3に、第1の顧客の顧客情報の一例を模式的に示す。図示する顧客情報は、顧客識別情報と、氏名と、住所と、電話番号と、顔画像と、顔情報と、店内行動履歴とを含む。店内行動履歴については後述する。
【0029】
図4に、第2の顧客の顧客情報の一例を模式的に示す。図示する顧客情報は、顧客識別情報と、顔画像と、顔情報と、店内行動履歴とを含む。店内行動履歴については後述する。
【0030】
図3及び図4を比較すると、第1の顧客の顧客情報と第2の顧客の顧客情報は、顧客属性情報(氏名、住所、電話番号等)を含むか否かにおいて相違する。
【0031】
また、第1の顧客の顧客情報と第2の顧客の顧客情報は、いずれも顔画像及び顔情報を含む点で共通するが、その取得手段において相違する。上述の通り、第1の顧客の顔画像及び顔情報は、会員登録等のために顧客自身が送信してきた顔画像に基づき生成される。そして、第1の顧客の顔画像には、「顔画像における顔の大きさが基準以上」、「顔画像から抽出された特徴量が基準を満たす」等の一定の条件を課すことができる。
【0032】
一方、第2の顧客の顔画像及び顔情報は、店舗で撮影された画像に基づき生成される(詳細は後述する)。そして、第2の顧客の顔画像には、上述した第1の顧客の顔画像に課される条件は課されない。
【0033】
図2に戻り、検出部12は、店舗で撮影された画像(以下、「店舗画像」と呼ぶ)と、顧客情報記憶部11に記憶されている顔情報とを照合し、第1の顧客及び第2の顧客を店舗画像内で検出する。店舗画像と照合される顔情報は、第1の顧客の顔情報及び第2の顧客の顔情報の両方を含む。当該照合は、従来のあらゆる顔認証技術を利用して実現される。
【0034】
店舗画像は、店内に設置された1つ又は複数のカメラにより生成される。カメラは、動画像を撮影してもよいし、静止画像を撮影してもよい。複数のカメラの一部が動画像を撮影し、他の一部が静止画像を撮影してもよい。カメラの設置位置は様々であり、店舗の出入口、店舗の売場、会計処理が行われる場所等が例示されるが、これらに限定されない。
【0035】
行動監視部13は、店舗画像内で検出された第1の顧客及び第2の顧客の店内行動を特定し、その顧客に紐付けて顧客情報に登録する。
【0036】
店内行動の特定は、従来のあらゆる技術を利用して実現される。例えば、行動監視部13は、店内画像を解析し、顧客が手に取った商品を特定してもよい。その他、行動監視部13は、店内画像を解析し、顧客が買い物かごに入れた商品を特定してもよい。その他、行動監視部13は、POS(point of sales)レジスター付近を撮影した店内画像とPOSレジスターに登録された情報との対応関係を時刻情報等に基づき特定することで、顧客が購入した商品を特定してもよい。その他、行動監視部13は、店内画像を解析し、店内での顧客の移動軌跡を特定してもよい。その他、行動監視部13は、店内画像を解析し、店内で顧客が立ち止まった位置を特定してもよい。その他、行動監視部13は、店内画像を解析し、店内で顧客が試した商品(試食、視聴、試運転等)を特定してもよい。その他、行動監視部13は、POSレジスター付近を撮影した店内画像及び商品を持ち帰り用の袋に詰める場所を撮影した店内画像を解析し、購入した商品を持ち帰るための袋を持参しているか否かを特定してもよい。なお、ここで例示した特定する店内行動及び特定手段はあくまで一例であり、これらに限定されない。
【0037】
行動監視部13は、各顧客の店内行動を各顧客に紐付けて登録する。図3及び図4に示す店内行動履歴は、行動監視部13が各顧客に紐付けて登録した各顧客の店内行動を示す情報である。図示するように、店内で行われた行動に、その行動が検出された日付や時刻を紐付けて登録してもよい。
【0038】
図2に戻り、第2の顧客登録部14は、顔情報が登録されていない未登録人物が店舗画像内で検出された場合、店舗画像に含まれる未登録人物の顔画像に基づき顔情報を生成する。そして、第2の顧客登録部14は、生成した顔情報を第2の顧客の顔情報として、新たに発行された顧客識別情報に紐付けて、顧客情報記憶部11が記憶する顧客情報に登録する。店舗画像から未登録人物を検出する処理は、従来技術に準じて実現できる。例えば、従来の人物検出技術で店舗画像から検出した人物の中の、マッチングする顔情報が顧客情報記憶部11に記憶されていない人物を、未登録人物として検出することができる。
【0039】
次に、図5のフローチャートを用いて、処理装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0040】
まず、処理装置10は、店舗に設置されたカメラが生成した店舗画像を取得すると(S10)、その店舗画像と、顧客情報記憶部11に記憶されている顔情報を照合し、店舗画像内で第1の顧客及び第2の顧客を検出する処理を行う(S11)。
【0041】
店舗画像内で第1及び第2の顧客が検出された場合(S1の「第1及び第2の顧客を検出」)、処理装置10は、その顧客の店内行動を特定し、特定した店内行動を示す情報を、その顧客の顧客識別情報に紐付けて顧客情報に登録する(S13)。
【0042】
一方、顔情報が登録されていない未登録人物が検出された場合(S1の「未登録人物を検出」)、処理装置10は、S14の処理を行う。S14では、処理装置10は、店舗画像に含まれる未登録人物の顔画像に基づき顔情報を生成する。そして、処理装置10は、生成した顔情報を第2の顧客の顔情報として、新たに発行された顧客識別情報に紐付けて、顧客情報記憶部11が記憶する顧客情報に登録する。
【0043】
その後、処理装置10は、新たに顔情報を登録した第2の顧客の店内行動を特定し、特定した店内行動を示す情報を、その顧客の顧客識別情報に紐付けて顧客情報に登録する(S15)。
【0044】
なお、店舗画像内で複数の人物が検出された場合、処理装置10は、検出された人物毎に、S12乃至S15の処理を実行することができる。
【0045】
「作用効果」
本実施形態の処理装置10は、会員登録等で事前に顔情報を登録した顧客が店舗画像内で検出された場合、その顧客の店内行動を特定し、その顧客に紐付けて登録することができる。また、本実施形態の処理装置10は、顔情報を登録していない未登録人物が店舗画像内で検出された場合、店舗画像に基づきその未登録人物の顔情報を生成し、生成した顔情報を、新たに発行した顧客識別情報に紐付けて登録することができる。そして、以降、その顔情報を用いてその未登録人物を店舗画像内で検出し、その未登録人物の店内行動を特定し、その未登録人物の顧客識別情報に紐付けて登録することができる。
【0046】
このような本実施形態の処理装置10によれば、会員登録等で事前に顔情報を登録した顧客の情報のみならず、会員登録等で事前に顔情報を登録していない顧客の情報も収集できる。結果、より多くの顧客の情報を収集できるようになる。
【0047】
<第2の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、第2の顧客の登録情報、具体的には顔情報及び店内行動を示す情報を、当該登録がなされた来店時以降もそのまま記憶し続ける。すなわち、会員登録等で顔情報を登録していない顧客は、来店の度に第2の顧客として登録されるのでなく、一度第2の顧客として登録されると、第2の顧客としての登録状態が維持される。
【0048】
このため、2回目以降の来店時には、第2の顧客は「事前に顔情報を登録している顧客」として店舗画像内で検出されることとなる。また、複数の店舗を有する事業体が顧客の登録情報を複数の店舗で共有する場合、ある店舗に来店した際に第2の顧客として登録された顧客がその後に他の店舗に来店すると、この顧客は「事前に顔情報を登録している顧客」として店舗画像内で検出されることとなる。
【0049】
このような本実施形態の処理装置10によれば、会員登録等で事前に顔情報を登録していない顧客による複数回の来店各々における店内行動を示す情報を、1人の顧客の情報としてまとめて蓄積することができる。以下、詳細に説明する。
【0050】
顧客情報記憶部11は、第2の顧客の顧客情報を、登録がなされた来店時以降もそのまま記憶し続ける。このため、第2の顧客の2回目以降の来店時には、その第2の顧客の顧客情報が既に顧客情報記憶部11に記憶されている状態となる。結果、第2の顧客の2回目以降の来店時には、その第2の顧客は未登録人物として検出されない。
【0051】
検出部12は、上述のような顧客情報記憶部11に記憶されている第2の顧客の顧客情報を用いて、店舗画像と第2の顧客の顔情報とを照合し、店舗画像から第2の顧客を検出する。結果、検出部12は、2回目以降の来店である第2の顧客を店舗画像内で検出することができる。
【0052】
行動監視部13は、複数回の来店各々で特定された第2の顧客の店内行動を示す情報を、その第2の顧客の顧客識別情報に紐付けて登録する。結果、複数回の来店各々で特定された第2の顧客の店内行動を示す情報が、互いに紐付けて(同一の顧客識別情報に紐付けて)顧客情報に登録されることとなる。
【0053】
本実施形態の処理装置10のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0054】
本実施形態の処理装置10によれば、第1の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の処理装置10によれば、会員登録等で事前に顔情報を登録していない顧客による複数回の来店各々に関する情報を、1人の顧客の情報としてまとめて蓄積することができる。
【0055】
<第3の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、第2の顧客として登録されている顧客が、会員登録等により顧客属性情報及び顔情報を登録し、第1の顧客として登録されると、第2の顧客として登録されていた時に登録された情報(店内行動を示す情報等)をそのままその顧客に引き継がせる処理を実行する。以下、詳細に説明する。
【0056】
図6に、本実施形態の処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、本実施形態の処理装置10は、登録申請受付部18、第1の顧客登録部19、判断部20及び引継部21を有する点で、第1及び第2の実施形態と異なる。
【0057】
登録申請受付部18は、顧客属性情報及び顔画像を含む登録申請情報を取得する。例えば、会員登録等を希望する顧客は、端末装置を操作し、専用のアプリケーションやウェブページを介して、自身の顧客属性情報及び顔画像を含む登録申請情報を処理装置10に送信する。登録申請受付部18は、このようにして端末装置から送信されてきた登録申請情報を取得する。顧客が操作する端末装置は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ等である。
【0058】
第1の顧客登録部19は、登録申請情報に含まれる申請者の顧客属性情報と、登録申請情報に含まれる顔画像に基づき生成された顔情報を、第1の顧客の顧客属性情報及び顔情報として、新たに発行された顧客識別情報に紐付けて顧客情報に登録する。
【0059】
第1の顧客登録部19は、登録申請情報に含まれる顧客属性情報及び顔画像が所定の登録条件を満たす場合、上述した「第1の顧客の顧客属性情報及び顔情報として、新たに発行された顧客識別情報に紐付けて顧客情報に登録する処理」を実行してもよい。登録条件は、「同じ氏名、住所、電話番号の組み合わせが登録されていない」、「顔画像における顔の大きさが基準以上」、「顔画像から抽出された特徴量が基準を満たす」等である。
【0060】
判断部20は、登録申請情報に含まれる顔画像と、顧客情報記憶部11が記憶する顧客情報に含まれる第2の顧客の顔情報とを照合し、登録申請情報を送信した申請者が第2の顧客として顧客情報に登録されているか判断する。登録申請情報に含まれる顔画像とマッチングする第2の顧客の顔情報が登録されている場合、判断部20は、登録申請情報を送信した申請者が第2の顧客として顧客情報に登録されていると判断する。一方、登録申請情報に含まれる顔画像とマッチングする第2の顧客の顔情報が登録されていない場合、判断部20は、登録申請情報を送信した申請者が第2の顧客として顧客情報に登録されていないと判断する。
【0061】
引継部21は、登録申請情報を送信した申請者が第2の顧客として顧客情報に登録されている場合、第2の顧客として登録されている時にその申請者に紐付けて登録された店内行動を示す情報を、第1の顧客として顧客情報に登録されたその申請者の顧客識別情報に紐付けて登録する。当該処理により、第2の顧客として顧客情報に登録されていた時に登録された情報(店内行動を示す情報等)が、第1の顧客として登録された後もその顧客に引き継がれることとなる。
【0062】
次に、図7のフローチャートを用いて、処理装置10の処理の流れの一例を説明する。
【0063】
処理装置10は、顧客属性情報及び顔画像を含む登録申請情報を取得すると(S20)、登録申請情報に含まれる申請者の顧客属性情報と、登録申請情報に含まれる顔画像に基づき生成された顔情報を、第1の顧客の顧客属性情報及び顔情報として、新たに発行された顧客識別情報に紐付けて顧客情報に登録する(S21)。なお、処理装置10は、登録申請情報に含まれる顧客属性情報及び顔画像が所定の登録条件を満たす場合、上述した「第1の顧客の顧客属性情報及び顔情報として、新たに発行した顧客識別情報に紐付けて顧客情報に登録する処理」を実行してもよい。
【0064】
次いで、処理装置10は、登録申請情報に含まれる顔画像と、顧客情報記憶部11が記憶する顧客情報に含まれる第2の顧客の顔情報とを照合し、登録申請情報を送信した申請者が第2の顧客として顧客情報に登録されているか判断する(S22)。
【0065】
登録申請情報に含まれる顔画像とマッチングする第2の顧客の顔情報が登録されている場合(S23のYes)、処理装置10は、登録申請情報を送信した申請者が第2の顧客として顧客情報に登録されていると判断する。そして、処理装置10は、登録申請情報に含まれる顔画像とマッチングした第2の顧客の登録情報(店内行動を示す情報等)を、S21で新たに発行された第1の顧客の顧客識別情報に紐付けて登録する(S24)。なお、処理装置10は、S24の処理に応じて、登録申請情報に含まれる顔画像とマッチングした第2の顧客の情報(店内行動を示す情報、顔情報、第2の顧客としての顧客識別情報等)を、顧客情報記憶部11から削除してもよい。
【0066】
登録申請情報に含まれる顔画像とマッチングする第2の顧客の顔情報が登録されていない場合(S23のNo)、処理装置10は、登録申請情報を送信した申請者が第2の顧客として顧客情報に登録されていないと判断する。この場合、S24の処理は行われない。
【0067】
本実施形態の処理装置10のその他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様である。
【0068】
本実施形態の処理装置10によれば、第1及び第2の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の処理装置10によれば、第2の顧客として登録されていた顧客が第1の顧客として登録された場合、第2の顧客として登録されていた時に登録された情報(店内行動を示す情報等)をその顧客に引き継がせることができる。結果、より多くの顧客の情報をより多く収集できるようになる。
【0069】
<第4の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、顧客情報記憶部11に記憶された店内行動を示す情報に基づき、第1の顧客及び第2の顧客の両方にポイントを付与する。そして、処理装置10は、第1の顧客のみ、付与されたポイントの利用を許可する。また、処理装置10は、付与されたポイントを第2の顧客に通知するとともに、所定の手続きを行うとそのポイントが利用できるようになる旨を第2の顧客に通知することで、第1の顧客としての登録を促す。以下、詳細に説明する。
【0070】
図8に、本実施形態の処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、本実施形態の処理装置10は、ポイント管理部15、ポイント利用管理部16及び案内部17を有する点で、第1乃至第3の実施形態と異なる。なお、図示しないが、本実施形態の処理装置10は、登録申請受付部18、第1の顧客登録部19、判断部20及び引継部21を有してもよい。
【0071】
ポイント管理部15は、顧客情報に登録された店内行動に基づき第1の顧客及び第2の顧客に付与されたポイントを管理する。図9に、ポイント管理部15が管理する情報の一例を模式的に示す。図示する例では、顧客識別情報と、付与されたポイントとが互いに紐付けて登録されている。
【0072】
ポイント管理部15は、予め定められた基準で、各顧客にポイントを付与する。例えば、ポイント管理部15は、来店回数、店内滞在時間、商品を試した回数、買い物をした回数、支払金額、キャンペーン商品の前で立ち止まった回数、キャンペーン商品の前を通過した回数、キャンペーン商品を購入した回数、購入した商品を持ち帰るための袋を持参した回数等に基づき、ポイントを付与してもよい。ポイント管理部15は、来店回数が多いほど、店内滞在時間が多いほど、商品を試した回数が多いほど、買い物をした回数が多いほど、支払金額が多いほど、キャンペーン商品の前で立ち止まった回数が多いほど、キャンペーン商品の前を通過した回数が多いほど、キャンペーン商品を購入した回数が多いほど、また購入した商品を持ち帰るための袋を持参した回数が多いほど、多くのポイントを付与することができる。
【0073】
ポイント利用管理部16は、第1の顧客によるポイントの利用を許可する。なお、ポイント管理部16は、第2の顧客によるポイントの利用を許可しない。ポイントの利用方法は、特段制限されない。例えば、ポイントを商品に変換できてもよいし、ポイントを電子マネーに変換できてもよいし、ポイントを利用して店舗での支払いができてもよい。このようなポイントの利用は、従来のあらゆる技術を利用して実現される。ポイント利用管理部16は、ポイント利用時に、顧客識別情報の提示を要求する。ポイント管理部16は、当該顧客識別情報に基づき、ポイント利用を希望する顧客が第1の顧客であることを確認できる。
【0074】
案内部17は、第2の顧客に案内情報を通知する。案内情報は、その第2の顧客に付与されたポイントを示す。また、案内情報は、所定の手続きを行うことでそのポイントが利用できるようになること、又は、所定の手続きを行えば利用可能になるポイントがある旨を示す。
【0075】
所定の手続きは、顧客属性情報の登録、所定条件を満たす顔情報の登録、及び第2の顧客に紐付けて登録された店内行動を示す情報を店舗が利用することに同意する意思表示の中の少なくとも一つを含む。また、所定の手続きは、会員登録等であってもよい。
【0076】
案内部17は、店舗内に設置された装置を介して、第2の顧客に対する案内情報の通知を行うことができる。案内部17は、店舗内に設置された装置が備えるカメラ(撮像手段)が生成した顧客画像と顧客情報に含まれる第2の顧客の顔情報とを照合することで、その顧客画像に含まれる第2の顧客を特定する。そして、案内部17は、特定した第2の顧客に付与されたポイントを示す案内情報を、その装置が備える表示装置に表示させる。店舗内に設置された装置は、POSレジスター、デジタルサイネージ等が例示されるが、これらに限定されない。その他、案内部17は、店内に設置された複数のカメラ(撮像手段)及び店内に設置された複数の表示装置を用いて、第2の顧客に向けた案内情報の提示を実現してもよい。具体的には、案内部17は、複数のカメラ(監視カメラ等)が生成した画像の中から第2の顧客を検出することで第2の顧客の位置を特定する。そして案内部17は、特定した第2の顧客の位置の近傍に設置された表示装置に案内情報を表示する。
【0077】
なお、本実施形態の処理装置10が第3の実施形態の構成を有する場合、第2の顧客が第1の顧客として登録されると、第2の顧客として登録されている間に付与されたポイントが第1の顧客として登録された後もその顧客に引き継がれてもよい。
【0078】
本実施形態の処理装置10のその他の構成は、第1乃至第3の実施形態と同様である。
【0079】
本実施形態の処理装置10によれば、第1乃至第3の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の処理装置10によれば、店内行動に基づき顧客にポイントを付与することができる。このため、顧客の来店を促進することができる。
【0080】
また、本実施形態の処理装置10によれば、会員登録等で事前に顔情報を登録した顧客のみならず、会員登録等で事前に顔情報を登録していない顧客に対してもポイントを付与することができる。このため、会員登録等で事前に顔情報を登録していない顧客の来店も促進することができる。
【0081】
また、本実施形態の処理装置10によれば、会員登録等で事前に顔情報を登録していない顧客によるポイントの利用は、所定の手続きを行った後に制限できる。このため、所定の手続きが行われることを促進することができる。
【0082】
<第5の実施形態>
本実施形態の処理装置10は、顧客情報として登録された第1の顧客及び第2の顧客の店内行動を解析し、マーケティング分析やプロモーション支援等を行う。以下、詳細に説明する。
【0083】
図10に、本実施形態の処理装置10の機能ブロック図の一例を示す。図示するように、本実施形態の処理装置10は、解析部22を有する点で、第1乃至第4の実施形態と異なる。なお、図示しないが、本実施形態の処理装置10は、登録申請受付部18、第1の顧客登録部19、判断部20及び引継部21を有してもよい。また、本実施形態の処理装置10は、ポイント管理部15、ポイント利用管理部16及び案内部17を有してもよい。
【0084】
解析部22は、顧客情報に登録された第1の顧客及び第2の顧客の店内行動を解析する。
【0085】
例えば、解析部22は、複数の顧客の店内行動をまとめて統計処理し、店舗に来た顧客が行う店内行動の傾向を算出してもよい。例えば、各日時、各時間帯にどのような店内行動を行う顧客が来店しているか算出してもよい。また、解析部22は、顧客毎に店内行動を統計処理し、各顧客が行う店内行動の傾向を算出してもよい。そして、解析部22は、算出結果に基づき、店舗の戦略(発注の最適化、商品陳列方法の最適化等)や、各顧客に対して行うアクション(商品推薦、広告提示等)等を決定してもよい。
【0086】
例えば、解析部22は、来店頻度が閾値以上の顧客を優良顧客として特定することができる。そして、解析部22は、優良顧客の店内行動を統計処理し、来店タイミングの傾向(曜日、時間帯等)や、購入する商品の傾向を特定することができる。この場合、優良顧客が来店するタイミングでその優良顧客が購入する商品が品切れとならないように発注を行うことで、販売機会の逸失を回避することができる。
【0087】
また、購入する商品の傾向に基づき各顧客に推薦する商品や、各顧客に提示する広告を決定することで、販売促進が期待される。
【0088】
ここで、解析部22による解析の具体例を説明する。なお、ここでの具体例はあくまで一例であり、これに限定されない。
【0089】
各顧客の店内行動を解析することで、例えば以下のような傾向等を算出することができる。
【0090】
・顧客Aが火曜日に店舗Aに来店する確率はX%
・顧客Aは、パンの陳列棚の前にてt分以上停止したが、商品を購入しないことがあった。この時に、商品Aは店舗Aに陳列されていなかった。
・他店舗にて商品Aの購入実績あり。商品Aが陳列されている時に購入される確率はY%。
【0091】
以上より、解析部22は、店舗Aにおいて火曜日に商品Aを発注した場合、顧客Aが商品Aを購入する確率を算出することができる。また、他の顧客に対して同様の解析を行うことで、店舗Aにおいて火曜日に商品Aを発注した場合、他の顧客が商品Aを購入する確率を算出することができる。そして、解析部22は、それらの算出結果に基づき、店舗Aにおいて火曜日に商品Aを発注することや、その個数などを算出することができる。
【0092】
また、解析部22は、商品Aが購入される時間帯の傾向を算出することができる。例えば、商品Aが正午前後に購入される可能性Z%を算出することができる。また、解析部22は、POSレジスターのデータを解析し、商品Aと一緒に購入される商品の傾向を算出することができる。例えば、コーヒーが商品Aと同時に購入される可能性M%を算出することができる。また、解析部22は、商品Aを購入する傾向がある顧客の商品Aが陳列されていない時(売り切れ状態の時、又はその店舗でそもそも扱っていない)の店内行動に基づき、商品Aが陳列されていないときの顧客の行動の傾向を算出することができる。
【0093】
そして、解析部22は、算出結果に基づき、店舗Aにおいて商品Aを発注するタイミングや、その個数などを算出することができる。
【0094】
本実施形態の処理装置10のその他の構成は、第1乃至第4の実施形態と同様である。
【0095】
本実施形態の処理装置10によれば、第1乃至第4の実施形態と同様の作用効果が実現される。また、本実施形態の処理装置10によれば、登録した各顧客の店内行動に基づき、マーケティング分析やプロモーション支援等を行うことができる。
【0096】
<変形例>
上述した実施形態では、処理装置10は、顧客からのアクション(顧客属性情報及び顔画像の登録)に応じて顧客を第1の顧客として登録した。変形例として、処理装置10は、第2の顧客として登録されている顧客の顧客属性情報がその他の方法で取得されたことに応じて、その第2の顧客を第1の顧客として登録してもよい。
【0097】
例えば、会計処理時に、会員証等の提示に基づき顧客の顧客属性情報がPOSレジスターに取得された場合、処理装置10は、その取得された顧客の顧客属性情報を取得する。また、処理装置10は、会計処理時に会員証を読み取る際に取得(撮影)されたその顧客の顔画像をさらに取得する。そして、処理装置10は、当該顔画像と、顧客情報記憶部11に記憶された第2の顧客の顔情報とを照合することで、会計処理を行っている顧客が第2の顧客であることを特定する。次いで、処理装置10は、特定された第2の顧客に紐づいて顧客情報記憶部11に登録されていた情報と、会員証から読み取られた情報とを紐づけて第1の顧客として登録し直す。顧客情報記憶部11に記憶されるその第1の顧客の顔情報は、第2の顧客として登録されていた時の顔情報がそのまま引き継がれても良いし、会員証の読み取り時に撮影した顔画像が登録されてもよい。
【0098】
なお、本明細書において、「取得」とは、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータを取りに行くこと(能動的な取得)」、たとえば、他の装置にリクエストまたは問い合わせして受信すること、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等、および、ユーザ入力に基づき、又は、プログラムの指示に基づき、「自装置に他の装置から出力されるデータを入力すること(受動的な取得)」、たとえば、配信(または、送信、プッシュ通知等)されるデータを受信すること、また、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、及び、「データを編集(テキスト化、データの並び替え、一部データの抽出、ファイル形式の変更等)などして新たなデータを生成し、当該新たなデータを取得すること」の少なくともいずれか一方を含む。
【0099】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報と、前記顧客属性情報を登録せず、前記顔情報を登録した顧客である第2の顧客の前記顔情報とを含む顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段と、
店舗で撮影された画像と前記顔情報とを照合し、前記第1の顧客及び前記第2の顧客を前記画像内で検出する検出手段と、
前記画像内で検出された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を特定し、前記顧客情報に登録する行動監視手段と、
前記顔情報が登録されていない未登録人物が前記画像内で検出された場合、前記画像に含まれる前記未登録人物の顔画像に基づき前記顔情報を生成し、前記第2の顧客の前記顔情報として前記顧客情報に登録する第2の顧客登録手段と、
を有する処理装置。
2. 前記検出手段は、前記画像と前記第2の顧客の前記顔情報とを照合し、2回目以降の来店である前記第2の顧客を前記画像内で検出し、
前記行動監視手段は、複数回の来店各々で特定された前記第2の顧客の店内行動を互いに紐付けて前記顧客情報に登録する1に記載の処理装置。
3. 前記顧客情報に登録された店内行動に基づき前記第1の顧客及び前記第2の顧客に付与されたポイントを管理するポイント管理手段と、
前記第1の顧客による前記ポイントの利用を許可し、前記第2の顧客による前記ポイントの利用を許可しないポイント利用管理手段と、
を有する1又は2に記載の処理装置。
4. 前記第2の顧客に付与されたポイントを示すとともに、所定の手続きを行うことで前記ポイントが利用できるようになることを示す案内情報を前記第2の顧客に通知する案内手段をさらに有する3に記載の処理装置。
5. 前記所定の手続きは、
前記顧客属性情報の登録、所定条件を満たす前記顔情報の登録、及び前記登録された店内行動を前記店舗が利用することに同意する意思表示の中の少なくとも一つを含む4に記載の処理装置。
6. 前記案内手段は、
店舗内に設置された撮像手段が生成した顧客画像と前記顧客情報に含まれる前記顔情報とを照合することで、前記顧客画像に含まれる前記第2の顧客を特定し、
特定した前記第2の顧客に付与されたポイントに関する前記案内情報を表示装置に表示させる4又は5に記載の処理装置。
7. 前記顧客属性情報及び顔画像を含む登録申請情報を取得する登録申請受付手段と、
前記登録申請情報に含まれる前記申請者の前記顧客属性情報と、前記登録申請情報に含まれる顔画像に基づき生成された前記顔情報を、前記第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報として前記顧客情報に登録する第1の顧客登録手段と、
前記登録申請情報に含まれる前記顔画像と、前記顧客情報に含まれる前記第2の顧客の前記顔情報とを照合し、前記登録申請情報を送信した申請者が前記第2の顧客として前記顧客情報に登録されているか判断する判断手段と、
前記申請者が前記第2の顧客として前記顧客情報に登録されている場合、前記第2の顧客として登録されている時に前記申請者に紐付けて前記登録された店内行動を、前記第1の顧客として前記顧客情報に登録された前記申請者の顧客識別情報に紐付けて登録する引継手段と、
を有する1から6のいずれかに記載の処理装置。
8. 前記顧客情報に登録された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を解析する解析手段をさらに有する1から7のいずれかに記載の処理装置。
9. コンピュータが、
顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報と、前記顧客属性情報を登録せず、前記顔情報を登録した顧客である第2の顧客の前記顔情報とを含む顧客情報を記憶しておき、
店舗で撮影された画像と前記顔情報とを照合し、前記第1の顧客及び前記第2の顧客を前記画像内で検出する検出工程と、
前記画像内で検出された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を特定し、前記顧客情報に登録する行動監視工程と、
前記顔情報が登録されていない未登録人物が前記画像内で検出された場合、前記画像に含まれる前記未登録人物の顔画像に基づき前記顔情報を生成し、前記第2の顧客の前記顔情報として前記顧客情報に登録する第2の顧客登録工程と、
を実行する処理方法。
10. コンピュータを、
顧客属性情報及び顔情報を登録した顧客である第1の顧客の前記顧客属性情報及び前記顔情報と、前記顧客属性情報を登録せず、前記顔情報を登録した顧客である第2の顧客の前記顔情報とを含む顧客情報を記憶する顧客情報記憶手段、
店舗で撮影された画像と前記顔情報とを照合し、前記第1の顧客及び前記第2の顧客を前記画像内で検出する検出手段、
前記画像内で検出された前記第1の顧客及び前記第2の顧客の店内行動を特定し、前記顧客情報に登録する行動監視手段、
前記顔情報が登録されていない未登録人物が前記画像内で検出された場合、前記画像に含まれる前記未登録人物の顔画像に基づき前記顔情報を生成し、前記第2の顧客の前記顔情報として前記顧客情報に登録する第2の顧客登録手段、
として機能させるプログラム。
【符号の説明】
【0100】
10 処理装置
11 顧客情報記憶部
12 検出部
13 行動監視部
14 第2の顧客登録部
15 ポイント管理部
16 ポイント利用管理部
17 案内部
18 登録申請受付部
19 第1の顧客登録部
20 判断部
21 引継部
22 解析部
1A プロセッサ
2A メモリ
3A 入出力I/F
4A 周辺回路
5A バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10