(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】溶接管理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20250304BHJP
【FI】
G06Q50/08
(21)【出願番号】P 2024113408
(22)【出願日】2024-07-16
【審査請求日】2024-07-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 集会名 一般社団法人 神奈川県溶接協会主催 会員企業向けの研修を目的とした見学会 開催日 令和6年2月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛来 将明
(72)【発明者】
【氏名】大島 俊汰郎
【審査官】菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/106816(WO,A1)
【文献】特開2021-010944(JP,A)
【文献】特表2023-515855(JP,A)
【文献】特開2021-033626(JP,A)
【文献】特開2022-103018(JP,A)
【文献】特開2023-104320(JP,A)
【文献】特開2016-110391(JP,A)
【文献】特開2019-042759(JP,A)
【文献】特開2020-106574(JP,A)
【文献】国際公開第2022/259290(WO,A1)
【文献】「溶接作業を見える化する統合溶接管理システムと溶接モニタリング装置を発売」[online],日本,パナソニックホールディングス株式会社,2022年04月,<検索日:2024年9月10日検索><インターネット:URL: https://news.panasonic.com/jp/press/jn220405-2>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接計画の作成、作成された前記溶接計画に基づく溶接施工の準備及び準備された前記溶接施工に基づく溶接作業という、前記溶接計画作成から前記溶接作業までの一連の作業工程を行う際に用いられる溶接情報を管理する溶接管理システムであって、
当該溶接管理システムは、
記憶部に記憶された
前記溶接情報へアクセス可能な管理装置と、
前記管理装置を介して前記溶接情報へアクセス
する1以上の
携帯端末装置と、
を有し、
当該携帯端末装置は、
姿勢を検出する姿勢検出部と、画像を記録する録画部と、音声を処理する音声処理部と、
前記溶接情報の内、少なくとも溶接士、溶接資格、溶接施工要領書、溶接材料、溶接機器及び溶接の不具合に関する情報毎に設けられた複数のアイコンを同時に表示する第一表示画面を表示する表示部と、
前記表示部に対する操作者の操作に応じて前記溶接情報に含まれている情報を前記管理装置へリクエストし、当該リクエストに応じて前記管理装置から送られた情報を前記表示部に表示するよう前記表示部を制御する制御部と、
を有し、
前記
制御部は、
前記溶接計画の作成の際、前記表示部に表示された前記第一表示画面で前記溶接士の情報に対応付けられた前記アイコンを選択する操作が行われた場合、溶接資格を保有する全溶接士に関し、溶接士の氏名、溶接士を一意に識別する識別子、所属、グループ及び保有する溶接資格の種類を示す職種のみを示す第一溶接資格情報を表示する第一溶接情報表示画面を表示させ、
前記第一溶接情報表示画面で表示される溶接資格を有する全溶接士から一の溶接士を選択する操作が行われた場合、前記選択された一の溶接士についての前記第一溶接資格情報、前記溶接資格の詳細情報及び保有する溶接資格の有効期限を含む第二溶接資格情報を表示する第二溶接情報表示画面を表示させ、
前記溶接計画の作成の際、前記表示部に表示された前記第一表示画面で前記溶接資格の情報に対応付けられた前記アイコンを選択する操作が行われた場合、溶接資格を有する全溶接士に関する前記第二溶接資格情報と、所望の溶接士を検索するための検索画面へ切り替えるための第1画像と、前記溶接資格毎に溶接資格を保有する溶接士の数を表示するための資格一覧画面へ切り替えるための第2画像と、を同時に表示する第三溶接情報表示画面を前記表示部へ表示させ、
前記第1画像に対する操作が行われた場合、前記検索画面を前記表示部に表示させ、前記検索画面で溶接士を検索した場合、検索された溶接士に関する第二溶接情報表示画面を前記表示部に表示させ、
前記第2画像に対する操作が行われた場合、全溶接資格に関し、資格保有者の人数を表示する第四溶接情報表示画面を前記表示部に表示させ、前記第四溶接情報表示画面中で表示されている一の溶接資格の溶接資格者数を選択する操作が行われた場合、選択された溶接資格を有する溶接士の情報を前記表示部に表示させ、
前記溶接施工の準備の際に前記表示部に表示された前記第一表示画面で前記溶接施工要領書の情報に対応付けられたアイコンを選択する操作が行われた場合、前記管理装置から送られた情報が表す溶接施工に係る母材、溶接継手、溶接方法、シールドガス、溶接材料に関する情報を溶接施工要領毎に表示する溶接施工情報表示画面を前記表示部に表示させ、前記溶接施工情報表示画面で一の溶接施工要領を選択する操作が行われた場合、選択された溶接施工要領に従った溶接作業で発生した不具合情報を含む画面を前記表示部に表示させ、
前記溶接施工の準備の際に前記表示部に表示された前記第一表示画面で前記溶接機器の情報に対応付けられたアイコンを選択する操作が行われた場合、前記管理装置から送られた溶接機器及び当該溶接機器の運用状況と、当該溶接機器の配置位置を表示するための配置位置画面へ切り替えるための画像とを同時に表示する溶接機器情報表示画面を前記表示部に表示させ、前記配置位置画面へ切り替えるための画像を選択する操作が行われた場合、前記溶接機器の配置位置を示す配置位置画面を前記表示部に表示させ、
前記溶接作業の際に前記姿勢検出部が記録した前記溶接士の姿勢、前記録画部が録画した映像、前記音声処理部が録音した音声の少なくともいずれか一つを、前記管理装置を介して不具合の情報として前記記憶部に記憶させ、
前記表示部に表示された前記第一表示画面で、溶接の不具合に関する情報に対応付けられたアイコンを選択する操作が行われた場合、溶接作業で発生した不具合の部品、不具合が発生した作業を行った溶接士、不具合の内容、不具合の原因に係る情報を含む不具合詳細情報を表示する画面を前記表示部に表示させる
溶接管理システム。
【請求項2】
前記溶接機器情報表示画面は、溶接機器の修理依頼を行うための画面へ切り替えるための画像を
含み、当該画像を選択する操作が行われた場合、溶接機器の修理依頼を行うための修理依頼画面を前記表示部に表示させる
請求項
1に記載の溶接管理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記修理依頼画面に表示された修理依頼申請画像に対する操作が行われた場合、溶接機器の修理依頼のメッセージを所定の宛先へ送信する
請求項
2に記載の溶接管理システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記複数のアイコンの内、前記溶接材料の情報に対応付けられたアイコンを選択する操作が行われた場合、前記管理装置から送られた情報が表す溶接材料の種類、銘柄、サイズの一覧を前記表示部に表示させる
請求項1に記載の溶接管理システム。
【請求項5】
前記第一表示画面は、ガスボンベの情報に対応付けられたアイコンと、消耗品の情報に対応付けられたアイコンと、を含む請求項1に記載の溶接管理システム。
【請求項6】
溶接における電圧値、電流値、パス間温度の測定値を記録する測定器を有し、
前記
携帯端末装置は、
前記測定器が記録した測定値を取得し、
前記第一表示画面は、前記測定値を前記管理装置へ記録させるためのアイコンを含み、当該アイコンを選択する操作が行われた場合、前記測定値を前記管理装置へ送信する
請求項1に記載の溶接管理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の溶接管理システムに用いられる携帯端末装置の前記制御部に、
表示部に対する操作に応じて、記憶部に記憶された溶接情報へアクセス可能な管理装置を介して前記溶接情報に含まれている情報をリクエストする機能と、
前記溶接情報の内、少なくとも溶接士、溶接資格、溶接施工要領書、溶接材料、溶接機器及び溶接の不具合に関する情報毎に設けられた複数のアイコンを同時に表示する第一表示画面を表示させる機能と、
前記複数のアイコンの内、操作者により選択する操作が行われた一のアイコンに対応する情報を
前記管理装置へ要求するリクエストを送信し、当該リクエストに応じて
前記管理装置から送られた情報に応じて前記表示部の表示を変化させる機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接管理システム、端末装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
溶接業者が行う溶接作業では、溶接の受注を受けてから溶接作業者による溶接作業までの間で例えば溶接計画作成、溶接施工準備、溶接作業などの作業があり、各作業をそれぞれの担当者が検討・準備しながら実行する。各作業で必要な情報は様々であり、作業に必要な情報も工場内のデータベースに格納されている情報や、紙書類で保管されている情報などがあって様々である。また、例えば溶接計画作成の作業は工場のオフィスで行われるが、溶接作業は工場で行われ、それぞれ作業する場所が異なり、各作業の担当者が必要な情報へアクセスして作業を行なうには手間と時間を要している。また、溶接作業の内容は少量、多品種におよぶ場合があり、それらの溶接に対応可能な溶接資格者の選定や、溶接作業のための溶接機器及び溶接材料の確保、管理は複雑なものとなっている。
【0003】
特許文献1には、溶接作業者が有する携帯端末と溶接情報を管理する管理サーバとが連携して溶接作業の管理を行なう溶接管理システムが開示されており、このシステムにおいては、溶接箇所の近傍に貼り付けされたICタグへの記録手段を有する携帯端末を用いて、溶接の施工管理項目に関する情報を含む溶接情報をICタグへ記録し、管理サーバは、溶接完了後に回収されたICタグに記録された溶接情報を読み取り、読み取った溶接情報をデータベースに記録して溶接作業を管理している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された溶接管理システムによれば、溶接作業者が行った作業を確実に記録して管理することができる。しかしながら、特許文献1に開示された溶接管理システムは、ICタグに記録された溶接情報を読み取ってデータベースに記録することで溶接作業を管理しているに過ぎず、溶接の受注を受けてから溶接作業者による溶接作業までの上流から下流まで全体的な管理を効率良く行うことはできていない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、溶接の依頼から実施までの作業を効率良く実施可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る溶接管理システムは、記憶部に記憶された溶接情報へアクセス可能な管理装置と、前記管理装置を介して前記溶接情報へアクセス可能な1以上の端末装置と、を有する溶接管理システムであって、前記端末装置は、前記溶接情報に対応付けられたアイコン群を表示する表示部と、前記表示部に対する操作者の操作に応じて前記溶接情報に含まれている情報を前記管理装置へリクエストし、当該リクエストに応じて前記管理装置から送られた情報を前記表示部に表示するよう前記表示部を制御する制御部と、を有し、前記アイコン群は、前記溶接情報の内、溶接士、溶接資格、溶接施工要領書、溶接材料、溶接機器及び溶接の不具合に関する情報毎に設けられた複数のアイコンを含んでおり、前記制御部は、前記複数のアイコンの内、操作者により選択する操作が行われた一のアイコンに対応する情報を前記管理装置へ要求するリクエストを送信し、当該リクエストに応じて前記管理装置から送られた情報に応じて前記表示部の表示を変化させる。
【0008】
本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記制御部は、前記溶接士の情報に対応付けられたアイコンを選択する操作が行われた場合、当該アイコンに対応する情報を前記管理装置へリクエストし、当該リクエストに応じて前記管理装置から送られた溶接資格を保有する全溶接士の氏名、各溶接士が保有する溶接資格を示す情報を含む一覧情報を前記表示部に表示させ、前記表示部に表示される前記一覧情報から、一の溶接士を選択する操作が行われた場合、選択された溶接士の情報を前記管理装置へリクエストし、当該リクエストに応じて前記管理装置から送られた前記選択された一の溶接士の情報を前記表示部に表示させてもよい。
【0009】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記表示部で表示される前記一覧情報には、前記各溶接士が保有する溶接資格を示す情報と共に、当該保有する溶接資格の有効期限の情報が含まれていてもよい。
【0010】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記制御部は、前記複数のアイコンの内、前記溶接資格の情報に対応付けられたアイコンを選択する操作が行われた場合、当該情報を前記管理装置へリクエストし、当該リクエストに応じて前記管理装置から送られた溶接資格を保有する全溶接士の氏名、前記溶接士が有する溶接資格の種別情報及び前記溶接資格の有効状態に関する情報を含む一覧情報と、当該一覧情報で表示される溶接士から所望の溶接士を検索するための検索画面へ切り替えるための第1画像と、前記溶接資格毎に溶接資格を保有する溶接士の数を表示するための資格一覧画面へ切り替えるための第2画像と、を前記表示部へ表示させ、前記第1画像に対する操作が行われた場合、前記検索画面を前記表示部に表示させ、前記第2画像に対する操作が行われた場合、前記資格一覧画面を前記表示部に表示させ、前記検索画面で溶接士を検索した場合、検索された溶接士が有する溶接資格の情報を前記表示部に表示させ、前記資格一覧画面で表示された溶接資格から一の溶接資格を選択する操作が行われた場合、選択された溶接資格を有する溶接士の情報を前記表示部に表示させてもよい。
【0011】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記制御部は、前記複数のアイコンの内、前記溶接施工要領書の情報に対応付けられたアイコンを選択する操作が行われた場合、前記管理装置から送られた情報が表す溶接施工に係る母材、溶接継手、溶接方法、シールドガス、溶接材料を溶接施工要領毎に前記表示部に一覧表示させてもよい。
【0012】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記制御部は、前記一覧表示において一の溶接施工要領を選択する操作が行われた場合、選択された溶接施工要領に従った溶接で発生した不具合の情報を前記管理装置へリクエストし、当該要求に応じて前記管理装置から送られた情報を前記表示部に表示させてもよい。
【0013】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記制御部は、前記複数のアイコンの内、前記溶接機器の情報に対応付けられたアイコンを選択する操作が行われた場合、前記管理装置から送られた溶接機器及び当該溶接機器の運用状況と、当該溶接機器の配置位置を表示するための配置位置画面へ切り替えるための画像とを前記表示部に表示させ、当該画像を選択する操作が行われた場合、前記溶接機器の配置位置を前記表示部に表示させてもよい。
【0014】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記制御部は、前記溶接機器と、当該溶接機器の運用状況に加えて、溶接機器の修理依頼を行うための画面へ切り替えるための画像を前記表示部に表示させ、当該画像を選択する操作が行われた場合、溶接機器の修理依頼を行うための修理依頼画面を前記表示部に表示させてもよい。
【0015】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記制御部は、前記修理依頼画面に表示された修理依頼申請画像に対する操作が行われた場合、溶接機器の修理依頼のメッセージを所定の宛先へ送信してもよい。
【0016】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記制御部は、前記複数のアイコンの内、前記溶接材料の情報に対応付けられたアイコンを選択する操作が行われた場合、前記管理装置から送られた情報が表す溶接材料の種類、銘柄、サイズの一覧を前記表示部に表示させてもよい。
【0017】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記アイコン群は、ガスボンベの情報に対応付けられたアイコンと、消耗品の情報に対応付けられたアイコンと、を含んでいてもよい。
【0018】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、前記端末装置は、溶接士が携帯可能な携帯端末装置であって、姿勢検出部、録画部、及び音声処理部を有し、前記姿勢検出部が記録した前記溶接士の姿勢、前記録画部が録画した映像、前記音声処理部が録音した音声の少なくともいずれか一つを、前記管理装置を介して不具合の情報として前記記憶部に記憶させ、前記制御部は、前記複数のアイコンの内、前記不具合の情報に対応付けられた、アイコンを選択する操作が行われた場合、不具合の情報の一覧を前記表示部に表示させてもよい。
【0019】
また、本発明の一側面に係る溶接管理システムにおいては、溶接における電圧値、電流値、パス間温度の測定値を記録する測定器を有し、前記端末装置は、前記測定器が記録した測定値を取得し、前記アイコン群は、前記測定値を前記管理装置へ記録させるためのアイコンを含み、当該アイコンを選択する操作が行われた場合、前記測定値を前記管理装置へ送信してもよい。
【0020】
本発明の一側面に係る端末装置は、画像を表示する表示部と、前記表示部に対する操作に応じて、溶接情報を保有する外部装置に対して前記溶接情報に含まれている情報をリクエストする制御部と、を有し、前記制御部は、前記溶接情報に含まれている溶接士、溶接資格、溶接施工要領書、溶接材料、溶接機器及び溶接の不具合に関する情報毎に設けられた複数のアイコンを前記表示部に表示させ、前記制御部は、前記複数のアイコンの内、操作者により選択する操作が行われた一のアイコンに対応する情報を要求するリクエストを送信し、当該リクエストに応じて送られた情報に応じて前記表示部の表示を変化させる。
【0021】
本発明の一側面に係るプログラムは、コンピュータに、表示部に対する操作に応じて、記憶部に記憶された溶接情報へアクセス可能な管理装置を介して前記溶接情報に含まれている情報をリクエストする機能と、前記溶接情報に含まれている溶接士、溶接資格、溶接施工要領書、溶接材料、溶接機器及び溶接の不具合に関する情報毎に設けられた複数のアイコンを前記表示部に表示させる機能と、前記複数のアイコンの内、操作者により選択する操作が行われた一のアイコンに対応する情報を要求するリクエストを送信し、当該リクエストに応じて送られた情報に応じて前記表示部の表示を変化させる機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、溶接の依頼から実施までの作業を効率良く実施できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、溶接の受注を受けた業者で行われる作業の流れの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る溶接管理システムの構成を示す図である。
【
図3】
図3は、管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、溶接情報に含まれる情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、管理装置で実現する機能を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、携帯端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、携帯端末装置で実現する機能を示す機能ブロック図である。
【
図8】
図8は、携帯端末装置、端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、端末装置で表示される、溶接資格を保有している全溶接士の一覧を示す画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、端末装置で表示される、全溶接資格の一覧を示す画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、端末装置で表示される、溶接士を検索する画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、端末装置で表示される、選択された所望の溶接士が保有する溶接資格の情報を示す画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、携帯端末装置で表示される溶接施工要領書の一例を示す図である。
【
図17】
図17は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図18】
図18は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図21】
図21は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図22】
図22は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図23】
図23は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図24】
図24は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図25】
図25は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【
図26】
図26は、携帯端末装置で表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一又は対応する要素には適宜同一の符号を付している。
【0025】
[実施形態]
まず、本発明に係る溶接管理システムを使用する溶接業者が溶接の依頼を受けてから溶接作業を行なうまでの流れについて説明する。
図1は、溶接の依頼を受けた溶接業者の工場で行われる作業の流れの一例を示す図である。
【0026】
溶接業者は、依頼主から製品の溶接依頼を受けると、依頼主側の仕様や製品に係る図面等の資料を依頼主から入手する。溶接業者側では、まず溶接管理技術者が依頼主からの依頼に応じて、溶接管理システムを利用して溶接計画を作成する(ステップS1)。溶接管理技術者は、溶接計画の作成に際し、依頼主から得た資料を確認し、製品の溶接に対応する適合規格や、製品の溶接に要する資機材の確認、溶接検査の検討、溶接後熱処理の検討、溶接継手設計等を行なう。溶接管理技術者は、資機材の確認においては、製品の溶接に要する溶接資格、溶接施工要領、溶接機器、溶接材料、溶接ガス、溶接で使用される消耗品の確認を行なう。なお、溶接管理技術者は、製品の溶接に対応する溶接資格を有する有資格者及び溶接施工要領を有しているか確認し、有資格者及び溶接施工要領が不足している場合には、対応する溶接資格、溶接施工要領の取得計画を作成する。また、溶接管理技術者は、製品の溶接に要する溶接材料、溶接機器、溶接ガス、消耗品等が不足している場合には、不足している物の調達指示を行なう。溶接管理技術者は、資機材の確認を終えると、依頼主から得た資料に基づいて溶接施工要領書を作成し、職長へ溶接作業を指示する。
【0027】
溶接管理技術者からの指示を受けた職長は、溶接管理システムを利用し、溶接施工要領書に基づいて溶接施工の準備を行なう(ステップS2)。具体的には、職長は、例えば溶接施工要領書で指示される溶接作業を実施するのに必要な溶接資格を有する溶接士を配員する。また、職長は、溶接施工要領書で指示される溶接作業を実施するための溶接機器の準備、溶接材料の払い出し指示、溶接ガスの払い出し指示、消耗品の払い出し指示を行なう。これらの払い出し指示は、溶接機器、溶接材料、溶接ガス、消耗品の管理を行なう図示省略した管理センターへ送られ、管理センターは、払い出し指示に応じて溶接機器、溶接材料、溶接ガス、消耗品を払い出す。
【0028】
職長により配員された溶接士は、溶接管理システムを利用して溶接作業を行なう(ステップS3)。ここで溶接士は、溶接管理システムを使用して溶接施工要領書を確認する。また、溶接士は、溶接施工要領書で指示される溶接作業を実施するために必要な溶接資格を有しているかを、溶接管理システムを使用して確認する。溶接士は、溶接作業に必要な資格を有している場合、払い出しされた溶接機器、溶接材料、溶接ガス、消耗品を用いて溶接施工要領書に従って溶接作業を行なう。溶接士は、溶接作業を終えると、溶接した製品の品質確認と、作業完了の報告や納品等の管理を行なう(ステップS4)。
【0029】
図2は、前述の一連の作業に用いられる溶接管理システム1の構成を示す図である。溶接管理システム1は、前述の作業に要する溶接情報を有し、それぞれの作業で要する情報を溶接管理技術者、職長、溶接士が行った操作に応じて表示するシステムである。溶接管理システム1は、管理装置10、携帯端末装置11A、11B、端末装置12A、12Bを含む。なお、
図2においては、携帯端末装置11A、11B及び端末装置12A、12Bを図示しているが、溶接管理システム1は、2以上の携帯端末装置を含む構成であってもよく、また、2以上の端末装置を含む構成であってもよい。
【0030】
通信ネットワークNWは、インターネット回線網や携帯電話回線網などから構成される通信ネットワークである。携帯端末装置11A、11Bは、携帯可能なコンピュータ装置であり、例えば、タブレット端末又はスマートフォンである。携帯端末装置11A、11Bは、溶接士が携帯して操作する。なお、携帯端末装置11A、11Bは、溶接管理技術者や職長が操作してもよい。携帯端末装置11A、11Bは、無線通信が可能であり、溶接士が行った操作に応じて通信ネットワークNWを介して管理装置10と通信を行なう。携帯端末装置11A、11Bは、操作者の操作に応じて管理装置10へ情報を要求し、管理装置10から送信される情報を表示する。また、携帯端末装置11A、11Bは、管理装置10と通信を行なうことにより、携帯端末装置11A、11Bが記録した情報を管理装置10へ送信し、送信した情報を管理装置10に記憶させる。携帯端末装置11A、11Bは、本発明に係る端末装置の一例である。
【0031】
端末装置12A、12Bは、コンピュータ装置であり、例えばデスクトップ型のパーソナルコンピューターである。端末装置12A、12Bは、例えば溶接管理技術者や職長が操作する。端末装置12A、12Bは、有線での通信が可能であり、通信ネットワークNWを介して管理装置10と通信を行なう。端末装置12A、12Bは、溶接管理技術者又は職長が行った操作に応じて管理装置10へ情報を要求し、管理装置10から送信される情報を表示する。端末装置12A、12Bは、本発明に係る端末装置の一例である。
【0032】
管理装置10は、コンピュータ装置であり、Webサーバの機能と、アプリケーションサーバの機能を備えている。管理装置10は、前述の作業に要する複数の情報の集合である溶接情報を記憶している。管理装置10は、携帯端末装置11A、11B、端末装置12A、12Bと通信を行い、記憶している溶接情報に含まれている情報を携帯端末装置11A、11B、端末装置12A、12Bへ送信する。また、管理装置10は、携帯端末装置11A、11B、端末装置12A、12Bから送信される情報を記憶する。
【0033】
図3は、管理装置10の構成を示すブロック図である。管理装置10は、プロセッサ101、メモリ102、ストレージ103、及び通信I/F104が、バス105に接続されて構成されている。メモリ102は、例えばRAM(Random Access Memory)であり、揮発性メモリ又は不揮発性メモリで構成されている。メモリ102は、プロセッサ101が演算処理を行う際の作業スペースとなり、プロセッサ101の演算処理の結果などを記憶する。通信I/F104は、有線により情報通信を行う通信モジュールを含んで構成されている。通信I/F104は、通信ネットワークNWを経由して、携帯端末装置11A、11Bや端末装置12A、12Bと通信を行う。記憶部の一例であるストレージ103は、ROM(Read Only Memory)と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置により構成される。ストレージ103のROMは、プロセッサ101が演算処理を行なうために使用するプログラムを記憶する。ストレージ103の補助記憶装置は、前述の作業に要する溶接情報103aを記憶する。
【0034】
図4は、ストレージ103に記憶される溶接情報103aの一例を示す図である。溶接情報103aは、溶接管理技術者、職長、溶接士が行う作業に関連する複数の情報を含み、例えば、溶接資格情報d1、溶接施工要領書情報d2、溶接機器情報d3、溶接材料情報d4、ガスボンベ情報d5、消耗品情報d6、不具合情報d7、溶接教育情報d8、溶接用語情報d9などを含む。
【0035】
溶接資格情報d1は、溶接資格を有する溶接士の氏名、溶接士を一意に識別する識別子(W-No.)、溶接士の所属、溶接士が所属するグループ、溶接士の職種、溶接士が有する資格内容(例えば規格、材質、溶接法、板厚、裏当、種別、認定証番号、有効期限、ステータス、申請開始日、申請期限日、試験日、状態)の情報を含む。溶接資格情報d1は、本発明に係る溶接士の情報の一例であり、溶接資格の情報の一例でもある。
【0036】
溶接施工要領書情報d2は、溶接施工要領書の電子ファイル、商品区分、溶接施工要領書を識別する識別子(WPS No.)、溶接施工要領書に記載された内容(例えば母材、母材板厚、溶着金属厚さ、溶接継手、溶接方法、シールドガス、溶材の銘柄、予熱、直後熱、工事番号)の情報を含む。溶接施工要領書情報d2は、本発明に係る溶接施工要領書の情報の一例である。
【0037】
溶接機器情報d3は、管理センターで管理している溶接機器毎に、溶接機器の管理番号、溶接機器の名称、溶接機器の型式、溶接機器の仕様、溶接機器の年式、溶接機器の運用タイプ、溶接機器の管理者、溶接機器の管理者が所属するチーム、溶接機器の設置場所、溶接機器の最新点検日、溶接機器の点検結果、溶接機器の状態の情報を含む。溶接機器情報d3は、本発明に係る溶接機器の情報の一例である。
【0038】
溶接材料情報d4は、管理センターで管理している溶接材料毎に溶接材料を一意に識別する識別子(No.)、溶接材料の種類、溶接材料の銘柄、溶接材料のサイズ、溶接材料のメーカー、管理センターにおける溶接材料の在庫数、溶接材料の単位、溶接材料の梱包単位、溶接材料の最小払出量、溶接材料の溶材区分、溶接材料の表示順の情報を含む。溶接材料情報d4は、本発明に係る溶接材料の情報の一例である。
【0039】
ガスボンベ情報d5は、管理センターで管理しているガスボンベを識別する識別子(種別No.)、ガスボンベの銘柄、ガスボンベの最小梱包単位、管理センターにおける各ガスボンベの在庫数、各ガスボンベの状況の情報を含む。
【0040】
消耗品情報d6は、管理センターで管理されている消耗品の名称や、管理センターにある消耗品の在庫数の情報を含む。
【0041】
不具合情報d7は、溶接作業員が行った溶接作業で発生した不具合に関する情報であり、不具合の内容が記載された文書の番号、不具合の内容、不具合が発生した商品の区分、不具合が発生した作業の工事番号、不具合が発生した部品名称、不具合が発生した作業を行なった溶接士、不具合が発生した溶接作業の板厚、不具合が発生した溶接作業の材質、不具合の原因などの情報を含む。不具合情報d7は、本発明に係る不具合の情報の一例である。
【0042】
溶接教育情報d8は、例えば、溶接や溶接作業を学ぶためのコンテンツの情報を含む。溶接用語情報d9は、溶接に関連する用語と、当該用語の解説の情報を含む。
【0043】
プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、ストレージ103からプログラムを読み出し、メモリ102を作業スペースとして実行する。プロセッサ101がプログラムを実行することにより、管理装置10の機能が実現する。
【0044】
図5は、プロセッサ101がプログラムを実行することによりプロセッサ101で実現する機能を示す機能ブロック図である。応答部101aは、携帯端末装置11A、11B、端末装置12A、12Bからのリクエストを受信する。また、応答部101aは、リクエストに対応した情報をストレージ103から取得し、取得した情報を、リクエストを送信した携帯端末装置11A、11B、端末装置12A、12Bへ送信する。
【0045】
図6は、携帯端末装置11Aの構成を示すブロック図である。なお、携帯端末装置11Bは、携帯端末装置11Aと同じ構成であるため、以下の説明では、代表して携帯端末装置11Aの構成を説明し、携帯端末装置11Bの説明を省略する。携帯端末装置11Aは、プロセッサ201、メモリ202、ストレージ203、通信I/F204、操作部205、録画部206、音声処理部207、および姿勢検出部208が、バス209に接続されて構成されている。メモリ202は、例えばRAMであり、揮発性メモリ又は不揮発性メモリで構成されている。メモリ202は、プロセッサ201が演算処理を行う際の作業スペースとなり、プロセッサ201の演算処理の結果などを記憶する。通信I/F204は、無線により情報通信を行う通信モジュールを含んで構成されている。通信I/F204は、通信ネットワークNWを経由して管理装置10と通信を行う。
【0046】
操作部205は、例えば液晶ディスプレイである表示装置とポインティングデバイスを組み合わせたタッチパネルであり、表示装置で画像を表示し、例えばタッチパッドであるポインティングデバイスにより操作者の操作を受け付ける。表示装置は、本発明に係る表示部の一例であり、ポインティングデバイスは、本発明に係る操作部の一例である。録画部206は、カメラと画像処理回路を有しており、カメラで撮影された静止画や動画をデジタルデータとして記録する。音声処理部207は、マイク、スピーカ、音声処理回路を備えており、マイクで収音した音声を録音してデジタルデータとして記録し、音声処理回路で処理された音声をスピーカから放音する。姿勢検出部208は、例えばモーションセンサであり、携帯端末装置11Aを所持している溶接士の姿勢を検出する。
【0047】
ストレージ203は、不揮発性メモリにより構成される。ストレージ203は、アプリケーションプログラムを記憶する。なお、このアプリケーションプログラムは、端末装置12A、12Bにも記憶され、端末装置12A、12Bにて実行される。
【0048】
プロセッサ201は、例えばCPUであり、ストレージ203からアプリケーションプログラムを読み出し、メモリ202を作業スペースとして実行する。プロセッサ201は、本発明に係る端末装置が有する制御部の一例である。プロセッサ201がアプリケーションプログラムを実行することにより、操作者の操作に応じて管理装置10へアクセスし、管理装置10から提供される情報を表示する機能が実現する。
【0049】
図7は、プロセッサ201がプログラムを実行することによりプロセッサ201で実現する機能を示す機能ブロック図である。送受信部201aは、操作部205で行われた操作に応じて、情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。また、送受信部201aは、送信したリクエストへの応答として管理装置10から送信された情報を受信する。表示制御部201bは、リクエストへの応答として送受信部201aが受信した情報を操作部205に表示させる。
【0050】
次に実施形態の動作例について説明する。
図8は、アプリケーションプログラムを実行することにより端末装置12A、12B、携帯端末装置11A、11Bで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、管理装置10が有する溶接情報103aにアクセスするためのアイコンi1~i11が表示される。なお、各アイコンi1~i9は、所望の以下の情報を管理装置10にリクエストし、管理装置10がリクエストに応じて送信した情報を表示するためのものである。アイコンi10、i11は、管理装置10又はNW上の情報にアクセスして表示するためのものである。
【0051】
アイコンi1~i11と、アイコンを操作することによりリクエストされて表示される情報との関係は以下の通りである。
アイコンi1:端末装置を操作している操作者が保有している溶接資格の情報
アイコンi2:溶接資格を保有している溶接士一覧の情報
アイコンi3:溶接情報103aに登録されている全溶接士が保有している溶接資格に関する情報
アイコンi4:溶接情報103aに格納されている溶接施工要領書に関する情報
アイコンi5:溶接情報103aに格納されている溶接機器に関する情報
アイコンi6~i8:溶接情報103aに格納されている溶接材料、ガスボンベ、消耗品に関する情報
アイコンi9:溶接情報103aに格納されている、過去の溶接作業において発生した不具合に関する情報
アイコンi10:溶接に係る教育コンテンツ(溶接の方法の動画、溶接資格に関する資料等)に係る情報
アイコンi11:各種の溶接用語の情報や当該用語を説明している外部情報
【0052】
例えば、端末装置12Aにおいて、溶接管理技術者が資格データベースのアイコンi3をクリックする操作を行うと、端末装置12Aは、クリックされたアイコンi3に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この端末装置12Aからのリクエストに応じて溶接資格情報d1へアクセスし、溶接資格情報d1に基づいて、溶接士と、当該溶接士が有する溶接資格に関する情報を、例えば
図9のように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、端末装置12Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを端末装置12Aへ送信する。
【0053】
図9は、この画面データを受信した端末装置12Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、溶接資格情報d1に含まれている溶接資格を有する溶接士の氏名、溶接士を一意に識別する識別子(W-No.)、溶接士の所属、溶接士が所属するグループ、溶接士の職種、溶接士が有する資格内容(規格、材質、溶接法、板厚、裏当、種別、認定証番号、有効期限、ステータス、申請開始日、申請期限日、試験日、状態)が、溶接士毎に一覧形式で表示される。また、
図9においては、溶接業者に属する溶接士が有する溶接資格の一覧画面を表示するための「資格一覧検索」ボタンB1、所望の溶接士を検索する画面を表示するための「人物検索」ボタンB2、溶接士の一覧を所属で絞り込むためのコンボボックスCB1、溶接士の一覧を職種で絞り込むためのコンボボックスCB2、溶接士の一覧を氏名で絞り込むためのコンボボックスCB3、溶接士の一覧を種別で絞り込むためのコンボボックスCB4が表示される。
【0054】
図9に示す画面において、溶接管理技術者が操作部205のタッチパネルに表示された「資格一覧検索」ボタンB1をクリックする操作を行うと、端末装置12Aは、クリックされたボタンに対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。「資格一覧検索」のボタンの画像は、本発明に係る第2画像の一例である。管理装置10は、この端末装置12Aからのリクエストに応じて溶接資格情報d1へアクセスし、溶接資格情報d1に基づいて、例えば
図10に示すような溶接業者に属する溶接士が有する溶接資格の一覧画面を表示するための画面データを生成する。管理装置10は、端末装置12Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを端末装置12Aへ送信する。
【0055】
図10は、この画面データを受信した端末装置12Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、溶接業者に属する溶接士が有する溶接資格が一覧形式で表示され、溶接資格毎に資格保有者の人数が合計保有数の列に表示される。溶接管理技術者は、溶接計画を作成する際に、この溶接資格の一覧により、製品の溶接に対応する溶接資格を有する溶接士が社内にいるか確認することができる。
【0056】
なお、
図10において表示された合計保有数の列に表示されている人数のいずれかの箇所をクリックする操作が溶接管理技術者により行われた場合、端末装置12Aは、クリックされた行に表示されている溶接資格に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この端末装置12Aからのリクエストに応じて溶接資格情報d1へアクセスし、溶接資格情報d1に基づいて、クリックされた行に表示されている溶接資格を有する溶接士の一覧画面を表示するための画面データを生成する。管理装置10は、端末装置12Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを端末装置12Aへ送信する。この画面データを受信した端末装置12Aは、クリックされた行に表示されている溶接資格を有する溶接士を
図9と同様のフォーマットで表示する。この画面では、特定の溶接資格を有する溶接士の氏名が一覧形式で表示されるため、溶接管理技術者や職長は、社内において特定の溶接資格を有する溶接士を知ることができ、溶接施工要領書で指示される溶接作業を実施可能な溶接士を選定して配員することができる。
【0057】
次に、例えば、
図9に示す画面において溶接管理技術者が「人物検索」ボタンB2をクリックする操作を行うと、端末装置12Aは、人物検索の画面データを管理装置10へ要求するリクエストを管理装置10へ送信する。「人物検索」ボタンB2の画像は、本発明に係る第1画像の一例である。管理装置10は、この端末装置12Aからのリクエストに応じて、例えば
図11に示すような検索画面を表示するための画面データを端末装置12Aへ送信する。
【0058】
図11は、この画面データを受信した端末装置12Aで表示される検索画面の一例を示す図である。この検索画面では、氏名を入力又は選択するためのコンボボックスCB5、所属を入力するための入力欄、職種を入力するための入力欄、個人番号を入力するための入力欄、グループを入力するための入力欄が表示される。例えば、この検索画面において、コンボボックスCB5に溶接士の氏名を入力又はプルダウンボタンをクリックして所望の溶接士を選択する操作が行われると、端末装置12Aは、入力された又は選択された氏名に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この端末装置12Aからのリクエストに応じて溶接資格情報d1へアクセスし、溶接資格情報d1に基づいて、入力された氏名の溶接士が有する溶接資格を
図12に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、端末装置12Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを端末装置12Aへ送信する。
【0059】
なお所望の溶接士の検索は、特に上述したような「人物検索」ボタンB2から検索するものなくても良く、
図9において表示されているコンボボックスCB3において溶接士の氏名を入力又はプルダウンボタンをクリックして所望の溶接士を選択する事で検索するものであっても良い。また、上述したような専用のボタンから検索するものでなくても良く、例えば
図9に示されている氏名の列に表示されている所望の溶接士の氏名を選択する操作で検索するものであっても良い。このような検索は、溶接士の検索に限られず、他の情報(例えば溶接資格の種別、溶接士の所属や所属などでも同様な検索により選択するものであっても良い。但し、上述のようなボタンからの検索の方が、氏名全体を画面上でスクロール等して表示切替し、確認する手間が省けるため効率化の観点では好ましい。
【0060】
図12は、この画面データを受信した端末装置12Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、入力された氏名の社員が有する溶接資格が一覧形式で表示されため、溶接管理技術者や職長は、社内の溶接士が有する溶接資格を確認することができる。
【0061】
次に、溶接管理技術者が溶接士一覧のアイコンi2をクリックする操作を行ったときの動作例について説明する。溶接管理技術者がアイコンi2をクリックする操作を行うと、端末装置12Aは、クリックされたアイコンi2に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この端末装置12Aからのリクエストに応じて溶接資格情報d1へアクセスし、溶接資格情報d1に基づいて、溶接士を例えば
図13に示すように一覧形式で表示するための画面データを生成する。管理装置10は、端末装置12Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを端末装置12Aへ送信する。
【0062】
図13は、この画面データを受信した端末装置12Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、溶接資格情報d1に含まれている溶接資格を有する溶接士の氏名、溶接士を一意に識別する識別子(W-No.)、所属、グループ、保有する溶接資格の種類を示す職種が一覧形式で表示される。溶接管理技術者は、この一覧により、溶接士の氏名や所属している部署を確認することができる。
【0063】
なお、
図13に示す一覧を確認し、所望の一の溶接士の氏名の部分をクリックする事で溶接士のいずれかを選択する操作が行われた場合、端末装置12Aは、選択された溶接士に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この端末装置12Aからのリクエストに応じて、溶接資格情報d1へアクセスし、溶接資格情報d1に基づいて、選択された溶接士が有する溶接資格を表示するための画面データを生成する。管理装置10は、端末装置12Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを端末装置12Aへ送信する。この画面データを受信した端末装置12Aでは、
図12と同様に、選択された溶接士が有する溶接資格が一覧形式で表示されため、溶接管理技術者や職長は、社内の溶接士が有する溶接資格を確認することができる。
【0064】
次に、職長が溶接施工要領書のアイコンi4をタップする操作を行ったときの動作例について説明する。携帯端末装置11Aにおいて、職長がアイコンi4をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたアイコンi4に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて溶接施工要領書情報d2へアクセスし、溶接施工要領書に関する情報を例えば
図14に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、端末装置12Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを携帯端末装置11Aへ送信する。
【0065】
図14は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、溶接施工要領書情報d2に含まれている、溶接施工要領書を識別する識別子(WPS No.)、溶接施工要領書に記載された内容(母材、母材板厚、溶着金属厚さ、溶接継手、溶接方法、シールドガス、溶材の銘柄、予熱、直後熱、工事番号)、溶接施工要領書の電子ファイルへのリンクを示すアイコンi12が、溶接施工要領書毎に一覧形式で表示される。アイコンi12は、本発明に係る第3画像の一例である。また、
図14においては、溶接施工要領の一覧を溶接方法で絞り込むためのコンボボックスCB6、溶接施工要領の一覧を商品区分で絞り込むためのコンボボックスCB7、溶接施工要領の一覧を工事番号で絞り込むためのコンボボックスCB8、溶接施工要領の一覧を母材で絞り込むためのコンボボックスCB9、溶接施工要領の一覧を溶接継手で絞り込むためのコンボボックスCB10、溶接施工要領の一覧を銘柄で絞り込むための入力欄IN1、及び溶接施工要領の一覧を板厚で絞り込むための入力欄IN2が表示される。
【0066】
図14に示す画面において、職長がいずれかの行をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされた行に対応する溶接施工要領書の情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて溶接施工要領書情報d2へアクセスし、溶接施工要領書情報d2に基づいて、タップされた行に対応する溶接施工要領書の内容を例えば
図15に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、端末装置12Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを携帯端末装置11Aへ送信する。
【0067】
図15は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、タップされた行に対応する溶接施工要領書の内容が表示される。職長は、溶接施工要領書に基づいて溶接施工の準備を行なう際に、この画面により、溶接施工要領書の内容を確認することができる。
【0068】
図15に示す画面において、アイコンi13をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたアイコンi13に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて溶接施工要領書情報d2へアクセスし、携帯端末装置11Aで表示されていた内容の溶接施工要領書の電子ファイルを携帯端末装置11Aへ送信する。
【0069】
この電子ファイルを受信した携帯端末装置11Aは、電子ファイルの内容を表示する。
図16は、この受信した電子ファイルの内容を表示する画面の一例を示す図である。この画面では、溶接管理技術者が作成した溶接施工要領書が表示されるため、職長は、溶接施工要領書を確認することができる。なお、本実施形態では、
図14に示した画面においてアイコンi12をタップした場合にも、
図15に示す画面において、アイコンi13をタップした場合と同様に携帯端末装置11Aと管理装置10とが通信を行い、
図16に示す画面が表示される。
【0070】
次に、職長が溶接機器管理のアイコンi5をタップする操作を行ったときの動作例について説明する。携帯端末装置11Aにおいて、職長がアイコンi5をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたアイコンi5に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて溶接機器情報d3へアクセスし、溶接機器に関する情報を例えば
図17に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、携帯端末装置11Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを携帯端末装置11Aへ送信する。
【0071】
図17は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、溶接業者が有し、管理センターで管理されている溶接機器が一覧形式で表示される。また、この画面では、「運用中」ボタンB3、「廃却済」ボタンB4、「溶接機器マップ」ボタンB5、「溶接機情報更新」ボタンB6、「修理依頼」ボタンB7、「年次点検」ボタンB8、「溶接機取説」ボタンB9、及び「溶接機 年式別運用状況分析」ボタンB10が表示される。この画面では、溶接機器毎に使用中の数、休止中の数、廃却待ちの溶接機器の数が表示されるため、職長は、溶接施工要領書に従った溶接作業を行なうのに必要な溶接機器の状態を知ることができる。
【0072】
図17に示す画面において、職長が「運用中」ボタンB3をタップする操作を行った場合、携帯端末装置11Aは、溶接機器の情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて溶接機器情報d3へアクセスし、状態が使用中、休止中、修理中である溶接機器に関する情報を、例えば
図18に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、携帯端末装置11Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを携帯端末装置11Aへ送信する。
【0073】
図18は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、廃却待ち以外の溶接機器が一覧形式で表示される。この画面では、溶接業者が所有して運用中の溶接機器が一覧形式で表示されるため、職長は、溶接施工要領書に基づいて溶接施工の準備を行なう際に、溶接作業を実施するために使用可能な溶接機器があるか確認することができる。
【0074】
また、例えば、
図17に示す画面において職長が「溶接機器マップ」ボタンB5をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたボタンに対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。「溶接機器マップ」ボタンB5の画像は、本発明に係る第4画像の一例である。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて、溶接機器情報d3の溶接機器の設置場所の情報に基づいて、溶接機器の配置位置を示すマップを、例えば
図19に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、携帯端末装置11Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを携帯端末装置11Aへ送信する。
【0075】
図19は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される、溶接機器の配置位置を示す画面の一例を示す図である。この画面では、名称の欄に示された溶接機器の配置位置が地図形式で表示される。この画面では、溶接機器の配置位置が表示されるため、職長は、溶接作業を実施するための溶接機器がどこにあるか把握することができる。
【0076】
また、例えば、
図17に示す画面において職長が「溶接機 年式別運用状況分析」ボタンB10をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたボタンに対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて溶接機器情報d3にアクセスし、溶接機器の運用状況を例えば
図20に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、携帯端末装置11Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを携帯端末装置11Aへ送信する。
【0077】
図20は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される、溶接機器の運用状況を示す画面の一例を示す図である。この画面では、過去の溶接機器の運用状況が年代毎に表示されるため、職長は、溶接機器の台数や運用状況を知ることができる。
【0078】
また、例えば、
図17に示す画面において職長が「修理依頼」ボタンB7をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたボタンに対応した画面データを要求するリクエストを管理装置10へ送信する。「修理依頼」ボタンB7の画像は、本発明に係る第5画像の一例である。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて溶接機器の修理依頼を行う修理依頼画面を、例えば
図21に示すように表示するための画面データを携帯端末装置11Aへ送信する。
【0079】
図21は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される修理依頼画面の一例を示す図である。この画面で職長が修理を要する溶接機器の情報を入力し、「修理依頼申請」ボタンB11をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、入力された情報を管理装置10へ送信する。「修理依頼申請」ボタンB11の画像は、本発明に係る修理依頼申請画像の一例である。管理装置10は、この携帯端末装置11Aから送信された情報に応じて、溶接機器情報d3において、職長が修理を要するとした溶接機器の状態の情報を修理中に更新する。また、「修理依頼申請」ボタンB11をタップする操作が行われると、携帯端末装置11Aは、修理を要する溶接機器の修理依頼のメッセージをアプリケーションプログラムが有するメッセージ機能で担当部署へ送信する。
【0080】
次に、職長が溶接材料管理のアイコンi6をタップする操作を行ったときの動作例について説明する。携帯端末装置11Aにおいて、アイコンi6をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたアイコンi5に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて溶接材料情報d4へアクセスし、溶接材料に関する情報を例えば
図22に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、携帯端末装置11Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを端末装置12Aへ送信する。
【0081】
図22は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、溶接材料情報d4に含まれている溶接材料を一意に識別する識別子(No.)、溶接材料の種類、溶接材料の銘柄、溶接材料のサイズ、溶接材料のメーカー、管理センターにおける溶接材料の在庫数、溶接材料の単位、溶接材料の梱包単位、溶接材料の最小払出量、溶接材料の溶材区分、溶接材料の表示順が、溶接材料毎に一覧形式で表示される。また、この画面では、「受入&払出実行履歴」ボタンB12、「受入登録」ボタンB13、「払出申請」ボタンB14、溶接材料の一覧を溶接材料の種類で絞り込むためのコンボボックスCB11、溶接材料の一覧を溶接材料の銘柄で絞り込むためのコンボボックスCB12が表示される。この画面では、管理センターが保有している溶接材料が一覧形式で表示されるため、職長は、溶接施工要領書で指示される溶接作業を実施するための溶接材料の在庫を確認することができる。
【0082】
次に、例えば、
図22に示す画面において職長が「払出申請」ボタンB14をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、溶接材料の払い出しを行なうための画面の画面データを要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて溶接材料の払い出しを行なうための、例えば
図23に示す画面の画面データを生成し、携帯端末装置11Aへ送信する。
【0083】
図23は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、溶接材料の種類を選択するためのコンボボックスCB13、溶接材料の銘柄を選択するためのコンボボックスCB14、溶接材料のサイズを選択するためのコンボボックスCB15、溶接材料の数量を選択するためのコンボボックスCB16などが表示される。例えば、この画面において、払い出しを行なう溶接材料の種類、銘柄、サイズ、数量の情報をコンボボックスで入力すると、携帯端末装置11Aは、溶接材料の払い出し依頼のメッセージをアプリケーションプログラムが有するメッセージ機能で管理センターの担当者へ送信する。この画面では、管理センターが保有している溶接材料の払い出しを依頼できるため、職長は、溶接施工要領書で指示される溶接作業を実施するための溶接材料の払い出しを行なうことができる。
【0084】
次に、職長がガスボンベ管理のアイコンi7をタップする操作を行ったときの動作例について説明する。携帯端末装置11Aにおいて、職長がアイコンi7をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたアイコンi6に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからの要求に応じてガスボンベ情報d5へアクセスし、ガスボンベに関する情報を例えば
図24に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、携帯端末装置11Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを端末装置12Aへ送信する。
【0085】
図24は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、ガスボンベ情報d5に含まれているガスボンベを識別する識別子(種別No.)、ガスボンベの銘柄、ガスボンベの最小梱包単位、管理センターにおける各ガスボンベの在庫数、各ガスボンベの状況が、ガスボンベの銘柄毎に一覧形式で表示される。この画面では、管理センターが保有しているガスボンベを確認できるため、職長は、溶接施工要領書で指示される溶接作業を実施するためのガスボンベの確認を行なうことができる。
【0086】
次に、職長が消耗品管理のアイコンi8をタップする操作を行ったときの動作例について説明する。携帯端末装置11Aにおいて、職長がアイコンi8をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたアイコンi8に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて消耗品情報d6へアクセスし、消耗品に関する情報を例えば
図25に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、携帯端末装置11Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを端末装置12Aへ送信する。
【0087】
図25は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、消耗品情報d6に含まれている消耗品の名称や、消耗品の在庫数が表示される。この画面では、管理センターが保有している消耗品の在庫を確認できるため、職長は、溶接施工要領書で指示される溶接作業を実施するための消耗品の在庫確認を行なうことができる。
【0088】
次に、溶接士が不具合事例のアイコンi9をタップする操作を行ったときの動作例について説明する。携帯端末装置11Aにおいて、溶接士が不具合事例のアイコンi9をタップする操作を行うと、携帯端末装置11Aは、タップされたアイコンi9に対応する情報を要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて不具合情報d7へアクセスし、溶接作業において発生した不具合に関する情報を例えば
図26に示すように表示するための画面データを生成する。管理装置10は、携帯端末装置11Aからのリクエストの応答として、生成した画面データを携帯端末装置11Aへ送信する。
【0089】
図26は、この画面データを受信した携帯端末装置11Aで表示される画面の一例を示す図である。この画面では、不具合情報d7に含まれている不具合の内容が記載された文書の番号、不具合の内容、不具合が発生した商品の区分、不具合が発生した作業の工事番号、不具合が発生した部品名称、不具合が発生した作業を行なった溶接士、不具合が発生した溶接作業の板厚、不具合が発生した溶接作業の材質、不具合の原因が表示される。この画面では、過去に溶接作業で発生した不具合を確認できるため、溶接士は、自身が行う溶接作業で発生した不具合事例を確認することができる。
【0090】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0091】
上述した実施形態では、溶接情報103aは、管理装置10のストレージ103に記憶されているが、ネットワークNWに接続されたストレージに記憶されていてもよい。この場合、管理装置10は、外部のストレージに記憶されている溶接情報103aへネットワークNWを介してアクセスする。
【0092】
本発明においては、溶接管理アプリを実行している携帯端末装置11A、11Bにおいて、溶接士が溶接作業を行っているときの姿勢や動画像、音声のデータを記録してもよい。また、溶接士は、溶接作業において不具合が発生したときの姿勢や動画像、音声のデータを姿勢検出部208、録画部206、音声処理部207で記録し、記録したデータを携帯端末装置11A、11Bから管理装置10へ送信して管理装置10に記憶させるようにしてもよい。また、管理装置10は、携帯端末装置11A、11Bから送信された姿勢や動画像、音声のデータを不具合情報d7に含ませるようにしてもよい。
【0093】
姿勢や動画像、音声のデータを不具合情報d7が含む場合、例えば、
図26に示す画面で不具合の事例を選択する操作が行われると、携帯端末装置11Aは、選択された不具合に対応するデータを要求するリクエストを管理装置10へ送信する。管理装置10は、この携帯端末装置11Aからのリクエストに応じて不具合情報d7へアクセスし、姿勢や動画像、音声のデータを携帯端末装置11Aへ送信する。このデータを受信した携帯端末装置11Aは、動画像のデータや音声のデータを再生する。この変形例によれば、溶接士は、不具合が発生したときの溶接作業の動画像や音声を確認し、不具合の内容を知ることができる。
【0094】
本発明においては、溶接士が溶接作業を行っているときの母材の温度、溶接時の電流値、電圧値、パス間温度を測定し、測定した温度、電流値、電圧値、パス間温度を携帯端末装置11A、11Bで取得してもよい。また、溶接士は、これらの測定結果のデータを携帯端末装置11A、11Bから管理装置10へ送信して管理装置10に記憶させるようにしてもよい。
図27は、この変形例を実現する構成を示すブロック図である。
【0095】
溶接機30は、例えば半自動溶接機である。測定器20は、溶接時の電流値、電圧値、パス間温度の測定結果を記録する測定器である。測定器20は、母材40と溶接機30に接続されており、母材40と溶接機30との間の電圧を測定し、測定した電圧を記録する。クランプメータ21は、溶接機30から母材40へ流れる電流の電流値を測定する。クランプメータ21の測定結果は、測定器20に記録される。温度センサ22は、母材40に設けられてパス間温度を測定する温度センサである。温度センサ22の測定結果は、測定器20に記録される。
【0096】
測定器20は、記録した電流値、電圧値、パス間温度の測定結果を無線通信によって携帯端末装置11Aへ送信する。携帯端末装置11Aでは、記録したデータを管理装置10へ送信して管理装置10に記憶させる。記録したデータを管理装置10へ送信する際には、溶接作業に紐づく工事番号や溶接作業を行なった溶接士の氏名を、溶接作業に係る溶接施工要領書を識別する識別子(WPS No.)を入力し、データを入力された情報と紐づけて記録するのが好ましい。この変形例によれば、溶接作業時の電流値、電圧値、パス間温度を記録として残すことができる。また、記録されたデータは、溶接作業の記録として依頼主へ提供することも可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 溶接管理システム
10 管理装置
11A、11B 携帯端末装置
12A、12B 端末装置
20 測定器
21 クランプメータ
22 温度センサ
30 溶接機
【要約】
【課題】溶接の依頼から実施までの作業を効率良く実施可能にする。
【解決手段】本発明に係る溶接管理システムは、記憶部に記憶された溶接情報へアクセス可能な管理装置と、管理装置を介して溶接情報へアクセス可能な1以上の端末装置と、を有する溶接管理システムであって、端末装置は、画像を表示する表示部と、表示部に対する操作に応じて溶接情報に含まれている情報を管理装置へリクエストする制御部と、を有し、制御部は、溶接情報の内、溶接士、溶接資格、溶接施工要領書、溶接材料、溶接機器、溶接の不具合に関する情報毎に設けられたアイコンを表示部に表示させ、操作者により行われた一のアイコンを選択する操作に応じて、選択されたアイコンに対応する情報を管理装置へ要求するリクエストを送信し、当該リクエストに応じて管理装置から送られた情報を表示部に表示させる。
【選択図】
図2