(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20250304BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 650
A63F5/04 620
A63F5/04 611B
(21)【出願番号】P 2022061617
(22)【出願日】2022-04-01
【審査請求日】2024-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591142507
【氏名又は名称】株式会社北電子
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大平 祥太朗
【審査官】岡崎 彦哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-205028(JP,A)
【文献】特開2021-178254(JP,A)
【文献】特開2013-085864(JP,A)
【文献】特開2014-171707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の識別情報を変動表示可能な変動表示手段と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるために操作可能な停止操作手段と、を有する遊技機において、
前記停止操作手段に対する操作態様に関連して所定の報知を実行可能な報知手段と、
前記停止操作手段に対して、第1の操作態様と第2の操作態様とのうちいずれの操作態様で操作が行われたかを判定可能な判定手段と、
遊技の進行に関連する特定演出を制御可能な演出制御手段と、
を備え、
前記所定の報知には、第1の報知と、前記第1の報知とは異なる第2の報知と、が含まれ、
前記報知手段は、
前記判定手段によって前記第1の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合には、前記第1の報知および第2の報知のいずれも実行不能とし、
前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定され、かつ、所定条件が成立していない場合には、前記第1の報知を実行可能とし、
前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定され、かつ、前記所定条件が成立している場合には、前記第2の報知を実行可能とし、
前記所定条件は、今回のゲームよりも前のゲームにおいて前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合に成立可能であ
り、
前記演出制御手段は、
前記所定の報知の実行に基づいて、前記特定演出が実行される確率を変更可能である
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記所定条件は、今回のゲームよりも前のゲームにおいて前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された後、特定条件が成立した場合には、今回のゲームにおいて前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合であっても成立しない
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記所定条件は、今回のゲームよりも前のゲームにおいて前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された後、所定期間遊技が行われなかった場合には、今回のゲームにおいて前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合であっても成立しない
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記第1の操作態様で前記停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合の方が、前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合よりも所定単位ゲーム数あたりに消費される遊技価値が多くなるように構成される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記変動表示手段に停止表示される識別情報に関連する当選役を決定する決定手段を備え、
前記停止操作手段は複数の操作手段から構成され、
前記決定手段は、
前記停止操作手段を構成する複数の操作手段への操作順序が特定の操作順序である場合に前記変動表示手段に第1特定識別情報が停止可能となる第1特定当選役を前記当選役として決定可能とし、
前記停止操作手段を構成する複数の操作手段への操作順序がいずれの操作順序であっても前記変動表示手段に第2特定識別情報が停止可能となる第2特定当選役を前記当選役として決定可能とし、
前記報知手段は、前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合には、前記決定手段によって前記当選役として前記第1特定当選役および前記第2特定当選役のいずれが決定された場合であっても、前記第1の報知を実行可能とする
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【請求項6】
遊技者による所定操作に基づき、当該遊技者が前記停止操作手段を前記第1の操作態様で操作したことに関わる個別遊技データを生成可能な個別遊技データ生成手段と、
前記個別遊技データ生成手段が生成した個別遊技データを特定可能な情報を外部に出力可能な外部出力手段と、
を備えた
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機として、複数の図柄が表された複数のリールを備え、遊技者の開始操作に基づき該複数のリールを変動表示させてゲームを開始し、遊技者の停止操作に基づき複数のリールを停止させてゲームを終了して、ゲームの結果に応じて、遊技者にメダルを払い出すようにしたスロットマシンが知られている。
このようなスロットマシンにおいては、抽選対象として、停止ボタンが受け付ける操作の順序を問わずに対応する図柄の組合せが導出可能な第1の抽選対象と、停止ボタンが予め指定された順序で操作を受け付けたときに対応する図柄の組合せが導出可能な第2の抽選対象と、を少なくとも有し、報知手段は、第1の抽選対象に当選した場合、第1の順序を報知し、第2の抽選対象に当選した場合、第1の順序を報知しないというスロットマシンが提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技機は、改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、複数の識別情報を変動表示可能な変動表示手段と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるために操作可能な停止操作手段と、を有する遊技機において、前記停止操作手段に対する操作態様に関連して所定の報知を実行可能な報知手段と、前記停止操作手段に対して、第1の操作態様と第2の操作態様とのうちいずれの操作態様で操作が行われたかを判定可能な判定手段と、遊技の進行に関連する特定演出を制御可能な演出制御手段と、を備え、前記所定の報知には、第1の報知と、前記第1の報知とは異なる第2の報知と、が含まれ、前記報知手段は、前記判定手段によって前記第1の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合には、前記第1の報知および第2の報知のいずれも実行不能とし、前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定され、かつ、所定条件が成立していない場合には、前記第1の報知を実行可能とし、前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定され、かつ、前記所定条件が成立している場合には、前記第2の報知を実行可能とし、前記所定条件は、今回のゲームよりも前のゲームにおいて前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合に成立可能であり、前記演出制御手段は、前記所定の報知の実行に基づいて、前記特定演出が実行される確率を変更可能な構成とした。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】遊技機における遊技機の外観を示す概略正面図である。
【
図2】遊技機における遊技機の制御構成を示すブロック図である。
【
図3】遊技機における遊技状態の移行を説明するための図である。
【
図4】遊技機における1ゲーム毎のゲームポイントの加算値を説明するための図である。
【
図5】遊技機における疑似ボーナス状態の天井ポイント数の選択確率を説明するための図表である。
【
図6】遊技機における疑似ボーナス状態の移行が決定した場合のメイン表示器での画像を示す図である。
【
図7】遊技機における主制御装置でのペナルティ処理を示すフローチャートである。
【
図8】遊技機における第1の報知および第2の報知が行われた場合のメイン表示器での画像を示す図である。
【
図9】遊技機における通常遊技状態中に当選演出が行われた場合のメイン表示器での画像を示す図である。
【
図10】遊技機における携帯端末との連携遊技を説明するための図である。
【
図11】遊技機において第1の操作態様が所定回数連続して実行された場合に付与される特典を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、本発明の実施形態にかかる遊技機の適例としてのスロットマシンについて説明を行う。
【0008】
本発明に係る遊技機の実施形態について、
図1~
図17を参照して説明する。
【0009】
まず、スロットマシン1の全体構成について、
図1~
図2を参照して説明する。
スロットマシン1は、遊技場等に設置されるものである。
図1~
図2に示すように、スロットマシン1は、前扉1a、ベットボタン2a、返却ボタン2c、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、メダル投入口2、スタートレバー3、リール4、停止ボタン5、表示窓6、メダル払出装置7、メダル払出口7b、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、前面パネル19、ランプ11、ナビランプ12、有利区間ランプ13、確率設定装置14、表示器装飾枠15、ドラムユニット4d、外部出力端子18、主制御装置10、副制御装置20を備える。
【0010】
なお、主制御装置10、副制御装置20は、各々に記憶部、制御部が備えられ、各種演算処理、各種制御が可能な装置であり、コンピュータの概念に含まれる。各記憶部は、スロットマシン1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶する半導体メモリ素子等の記憶装置を備える。各制御部は、CPU等を備える。各制御部は、各記憶部に記憶された各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、本実施形態の各種機能を実現している。
【0011】
[遊技機の外観を示す概略正面図]
図1に示すように、スロットマシン1の前面には前扉1aが配設される。
前扉1aは、前扉1aの後方側に配設され島設備(図示省略)に取り付けられる本体(図示省略)の一側(前方視左側)に開閉可能に軸着され、片開形式で前方側に開閉可能に構成される。なお、以降、スロットマシン1を手前側から見た状態で左右方向を示す。
【0012】
スロットマシン1を手前側から見た状態で、前扉1aの上部における左右方向の中央の位置にはメイン表示器8が配置される。メイン表示器8は、後述するように演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
前扉1aの上部であってメイン表示器8の前方には、中央に開口部を有する表示器装飾枠15が配設され、メイン表示器8は、表示器装飾枠15の開口部から表示面が前方に臨んだ状態で配設される。
【0013】
メイン表示器8の左右の各々には、スピーカ9が配設され、例えば、メイン表示器8で表示される演出に対応する効果音を出力可能となっている。
また、メイン表示器8の左右の各々には、LED等からなるランプ11が配設され、例えば、役の入賞時の光や、メイン表示器8で表示される演出に対応する発光態様の光を出力可能となっている。
【0014】
メイン表示器8の右側には、操作手段(演出操作手段)として例示する上部演出ボタン2fが配設される。
上部演出ボタン2fは、前後方向に移動する押圧式のボタンであり、上部演出ボタン2fの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、上部演出ボタン2fの操作情報として副制御装置20に出力される。また、上部演出ボタン2fの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により上部演出ボタン2fの操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0015】
スロットマシン1における前扉1aの上下方向中央には、表面に装飾や各種機能表示が施された平板状の前面パネル19が配設される。
前面パネル19の後方には、変動表示手段としてのリール4を備えたドラムユニット4dが配設される。
また、前面パネル19の略中央には、リール4に付された図柄(識別情報)を前方から視認可能な透光性を有する部材からなる表示窓6が形成される。
【0016】
リール4は、左右方向に並んで配設される左リール4a、中リール4b、右リール4cから構成され、各リール4a~4cの回転軸は左右方向に延在して、回転中心が同一に設定されている。リール4(4a~4c)は、周面に連続する図柄(識別情報)を有し、これらの図柄が表示窓6を透して機外から識別可能に構成され、リール4が一方向に回転することにより、表示窓6内において、例えば、図柄が上から下に変動表示可能となっている。各リール4a~4cには、複数の図柄(例えば20個)が表されていて、図柄の種類は、例えば、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「BAR」、「7」等である。
なお、リール4の形態は、これに限定されず、例えば、周面の図柄の個数は20個以外でもよい。
【0017】
前面パネル19における表示窓6の上部には、後述する停止ボタン5の停止順序を報知可能なナビランプ12a、12b、12cが各リール4a、4b、4cに対応して配設される。
また、前面パネル19における表示窓6の下部左側には、例えば、LEDから構成される有利区間ランプ13が配設される。有利区間ランプ13は、有利区間(後述する)中に点灯するように制御される。
【0018】
なお、スロットマシン1は、有利区間ランプ13に代えて、例えば、メダルの払出数を表示する払出数表示部等を構成する7セグメントディスプレイ(「7セグ」ともいう)の「ドット」部分等を、点灯するように制御してもよい。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよいし、有利区間ランプ13に代えて遊技者にとって有利な状態(疑似ボーナス状態等)中に点灯するランプを設けるようにしてもよい。
【0019】
前面パネル19における表示窓6(リール4)の右側には、サブ表示器17が配置される。
サブ表示器17は、演出(演出画像)に係る情報等、複数の情報を表示可能な液晶表示器等から構成され、表示手段を構成する。
また、サブ表示器17は、メイン表示器8よりも表示面積が小さくなっているが、メイン表示器8よりもリール4に近い位置に配設されていて、リール4の回転や停止状態を見ながら、表示されている画像を視認することが容易となっている。
また、サブ表示器17は、タッチパネル式の表示器で構成され、遊技者による画面へのタッチ操作により、演出内容に関する種々の操作を可能としていて、例えば、演出モードを切り替えるための切替操作や、詳細は後述するが携帯端末で発行されたパスワードの入力操作等を可能としている。
【0020】
前面パネル19の下方には、前方に突出する段部が形成され、段部の上面にメダル投入口2、操作手段として例示するベットボタン2a、操作手段(演出操作手段)として例示する演出ボタン2dが配設されている。
メダル投入口2は、遊技者がメダル(遊技媒体)を投入する部分である。メダル投入口2の内部には、メダル投入口2に投入されたメダルを検出するセンサ等であるメダルセレクタ2b(メダル検出手段)が備えられている。
ベットボタン2aは、ゲームの開始条件となるベット数の入力を遊技者が行うための押圧式のボタンであり、1操作によりスロットマシン1で許容された最大ベット数を入力可能となっている。
【0021】
演出ボタン2dは、上下方向に移動する押圧式のボタンであり、演出ボタン2dの押圧操作は、非接触型のセンサ等によって検出されて、演出ボタン2dの操作情報として副制御装置20に出力される。また、演出ボタン2dの内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光源の発光により対応する演出ボタン2dの操作が有効である旨を報知可能にしている。演出ボタン2dは、前述した上部演出ボタン2fよりもリール4に対して近い位置に配設されている。
【0022】
段部の前面には、スタートレバー3、返却ボタン2cおよび操作手段(停止操作手段)として例示する停止ボタン5が配設される。
スタートレバー3は、ゲームを開始させるために遊技者が操作するレバーであり、ベット数の入力後、スタートレバー3が有効となりゲームが開始可能となる。
返却ボタン2cは、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、設定されたベット数のキャンセルや、クレジットメダルとして記憶されたメダルの払い出しを行う際に操作されるボタンである。
停止ボタン5は、回転するリール4を停止するためのボタンであり、前後方向に移動する押圧式のボタンで構成され、左リール4a、中リール4b、右リール4cに対応して左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5cが操作手段として横方向に所定間隔で配設される。
また、各停止ボタン5の内部には、LED等からなる発光源(図示省略)が備えられ、発光色の変更(赤→青)により各停止ボタン5の操作が有効である旨を報知可能にしている。
【0023】
スロットマシン1における前扉1aの下方には、メダル払出装置7から払い出されたメダルが排出されるメダル払出口7bが配設される。
【0024】
[遊技機の制御構成を示すブロック図]
図2は、本実施形態におけるスロットマシン1における制御系のブロック図を示している。
図2に示すように、スロットマシン1には、役の抽選や遊技の進行制御等を行う主制御装置10と、主制御装置10と通信可能に構成され主制御装置10からの制御情報に基づき各種演出制御等を行う副制御装置20と、を備えている。主制御装置10と副制御装置20との制御情報の伝達は、主制御装置10から副制御装置20に対して一方向のみに制限され、副制御装置20から主制御装置10への不正な信号の入力を防止している。
【0025】
主制御装置10は、ベットボタン2a、メダルセレクタ2b、返却ボタン2c、スタートレバー3、停止ボタン5、確率設定装置14(設定手段)、外部出力端子18、メダル払出装置7、ドラムユニット4dおよび有利区間ランプ13と通信ケーブルで接続されており各機器を制御可能となっている。また、主制御装置10には、記憶部(記憶手段)、制御部が備えられている。
【0026】
設定手段としての確率設定装置14は、特別遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)の移行難易度(当選確率)を複数段階(例えば、6段階)に変更することで、遊技者にとっての有利度合いを複数段階で設定変更可能にするもので、主制御装置10は、確率設定装置14における確率設定操作に基づき、特別遊技状態の移行難易度の異なる複数の設定値のうちの何れか1つの設定値に設定する処理を行う。
確率設定装置14で設定される設定値は、設定1が最も高い移行難易度で、大きい数字ほど移行難易度が低くなり設定6が最も低い移行難易度となっている。したがって、設定1が最も遊技者に不利な設定(有利度合いが最も低い設定)であり、大きい数字ほど遊技者に有利になり設定6が最も遊技者に有利な設定(有利度合いが最も高い設定)となっている。
【0027】
確率設定装置14における設定値を変更する手順としては、設定キー(図示略)を確率設定装置14のキー挿入口に挿入して所定方向に設定キーを回転させた状態で、スロットマシン1の電源を投入することで、設定変更モードに移行させ、当該設定変更モードへの移行により、設定確認表示器(図示略)にその時点の設定値が表示され、設定変更ボタンの操作により所望の設定値への変更操作を行った後、例えば、スタートレバー3の操作により、設定値への変更が行われるものとなっている。
【0028】
また、確率設定装置14でのその時点の設定値も確認可能となっていて、電源投入後に確率設定装置14のキー挿入口に設定キーを挿入して所定方向に回転させることで、その時点の設定値が設定確認表示器に表示されるものとなっている。
【0029】
なお、特別遊技状態の当選確率を確率設定装置14の設定値に影響を受けずに、固定の確率値で制御するようにしてもよい。
また、確率設定装置14における設定値により、CZ状態やAT状態の移行確率を変化させるようにすることで、遊技者の有利度合いを複数段階で変化可能としてもよい。
また、特別遊技状態の他に、所定の小役(例えば、ベル役)の当選確率を複数段階(例えば、6段階)に変更可能にしてもよい。
【0030】
外部出力端子18は、遊技店に設置された管理装置(図示略)や呼出装置(図示略)に対して、スロットマシン1における遊技に関わる情報を出力するもので、スロットマシン1での実行ゲーム数、メダル投入数、メダル払出数、遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、後述する疑似ボーナス状態、AT状態)の発生回数や移行期間等の各種データを収集するための情報を主制御装置10の制御により出力するものである。
【0031】
ドラムユニット4dは、リール4a~4cと、リール4a~4cの各々を回転させるステッピングモータ(図示省略)とを一体的に備えた装置である。
メダル払出装置7は、メダルセレクタ2bに投入されたメダルを払い出し前のメダルとして回収するメダル貯留部(図示省略)を有し、メダル貯留部に貯留されたメダルをメダル払出口7bに払い出す装置である。メダル払出装置7には払い出されたメダルを検出するセンサが備えられる。
メダルセレクタ2bは、メダル投入口2の下流側に備えられ、メダル投入口2から投入されたメダルを検出するセンサが備えられる。
【0032】
主制御装置10の記憶部は、遊技に関する遊技プログラム、小役や疑似ボーナス状態の抽選を行うためのテーブル等の各種情報等を記憶する。
また、主制御装置10は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、これにより、スロットマシン1の遊技の進行に関する処理等を行う。
【0033】
主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づき、ゲームの開始処理や、乱数発生器(図示省略)からの乱数をサンプリングする処理等を行う。そして、サンプリングされた乱数に基づき役の抽選処理を行う。また、記憶部の制御プログラムに従って、例えば、所定タイミングで乱数を更新することで、乱数の生成処理を行い、生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態の移行抽選処理等を行う。
【0034】
すなわち、主制御装置10は、ゲームの実行に対応して、変動表示手段(リール4)に停止表示される識別情報に関連する小役(当選役)や、疑似ボーナス状態等の特典を付与するか否かを抽選(決定)する抽選手段(決定手段)を備えているのである。
また、乱数を使用した抽選パターンは、前述したパターン以外でもよく、ソフト的に生成された乱数に基づき役の抽選を行い、乱数発生器で生成された乱数に基づき疑似ボーナス状態等の移行抽選を行うようにしてもよいし、全ての抽選をソフト的に生成された乱数、或いは乱数発生器で生成された乱数で行うようにしてもよい。
【0035】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号に基づきリール4の回転制御を行う。主制御装置10は、各リール4a、4b、4cに備えられているセンサ(図示省略)からの信号に基づき、各リール4a、4b、4cの回転位置を検出して、各リール4a、4b、4c上の図柄の回転位置を把握可能となっている。そして、停止ボタン5からの信号に基づき、所望の図柄を表示窓6内に停止させる制御を行う。
【0036】
また、主制御装置10は、スタートレバー3等の操作部の操作に応じて、内部抽選処理等をともなうゲーム進行処理、記憶部に記憶した各種情報の管理、また、メダル払出装置7等の装置を制御することにより、スロットマシン1の遊技を実現する。
【0037】
副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、スピーカ9、メイン表示器8、ランプ11、ナビランプ12、サブ表示器17と、通信ケーブルで接続されており通信可能である。副制御装置20は、主制御装置10からの制御情報に応じて、これらの装置を制御する。また、副制御装置20には、記憶部、制御部が備えられている。
【0038】
副制御装置20の記憶部は、演出に関するプログラム、演出画像データ、音声データ等の各種情報等を記憶する。
副制御装置20は、制御部およびプログラムが記憶された記憶部によって動作し、主制御装置10からのコマンド(制御情報)に応じて、スロットマシン1の遊技に同期した演出等の処理を行う。例えば、遊技状態の移行を示す演出画像、効果音の出力、ランプ演出等を、メイン表示器8、ランプ11、スピーカ9等を制御して行う。
【0039】
また、副制御装置20は、演出ボタン2d、上部演出ボタン2f、サブ表示器17のタッチパネルからの信号に基づき、各演出の切替タイミング等を制御可能となっている。
主制御装置10および副制御装置20のうちの何れか一方或いは両方で、本発明における、報知手段、判定手段は、制御手段、決定手段、個別遊技データ生成手段、外部出力手段が構成される。
【0040】
このようなスロットマシン1は、主制御装置10による制御により、以下のようなスロットマシン遊技を実行可能に構成されている。
【0041】
ゲームの開始にあたり、メダル投入口2からのメダルを投入、或いはベットボタン2aの操作によりクレジットメダルからベット数の設定を行う。
そして、ベット数が所定数(例えば、3枚)になったときに、ゲームの開始条件の一つが成立して、1回のゲームを実行可能な権利を保有するゲーム開始可能な状態となる。
【0042】
このゲーム開始可能な状態では、スタートレバー3の操作が有効な状態となる。この有効な状態において、スタートレバー3が傾動操作されると、ゲームの開始条件の全てが成立して、ゲームが開始され、複数の図柄の表されたリール4a~4cが変動を開始するとともに、リプレイ役、小役などの複数の役(ハズレを含む)や、疑似ボーナス状態の移行に対する今回ゲームの抽選結果をリール4の停止前に事前に決定する内部抽選処理が実行される。
内部抽選処理では、複数の当選役の中から今回ゲームの当選役を所定の当選確率に基づいて抽選により決定する。例えば、抽選によりリプレイ役やベル役等の抽選結果が導出される。
【0043】
また、主制御装置10は、スタートレバー3からの信号を受信しても、前回のゲームでのリール4の回転開始からの経過時間が所定時間(例えば、4.1秒)経過していない場合には、リール4の回転開始を一時的に待機(待機時間を挿入)させてリール4の回転開始を遅延させることで、単位時間(例えば、1分間)当たりのゲームの実行回数が所定数(例えば、14回)以内となるようにゲーム数を制限する制限制御を行う。すなわち、主制御装置10は、単位時間当たりのゲームの実行回数を所定数以内に制限可能なゲーム数制限手段を備えている。この制御により、1ゲームに要する最短実行時間が所定時間(例えば、4.1秒)に規定されることとなる。
なお、上記最短実行時間を監視する期間は、ゲーム間におけるリール4の回転開始時点を基準に設定する以外でもよく、例えば、停止ボタン5を有効とする時点を基準にしてもよく、単位時間当たりのゲーム回数を監視できれば何れの時点を基準にしてもよい。
【0044】
各リール4a~4cは、表示手段の一例であり、各リール4a~4cの周面には、複数の図柄(リプレイ、ベル、スイカ、チェリー、BAR、7)が所定の配列で表されており、停止状態から徐々に回転速度を上げた後、一定の速度で回転する定常回転に達する。
このような定常回転に達すると、各リール4a~4cに対応して設けられた停止ボタン5a~5cが押圧操作可能な状態となる。
【0045】
この状態で各停止ボタン5a~5cが押圧操作されると、その操作タイミングと内部抽選処理の抽選結果とにより許容される図柄の組合せで停止するように、各リール4a~4cが停止制御される。
各リール4a~4cの停止制御(引込停止制御)は、各々に引き込み範囲が設定されていて、停止操作が行われた時点の図柄から逆回転方向(上方向)にある所定数(例えば、4個)の図柄が引き込み可能となり、この引き込み範囲にある図柄の何れかに限り有効ライン上に停止可能となる。
【0046】
停止状態では、リール4a~4cそれぞれに表された上下方向に連続する3つの図柄が表示窓6から機外に臨むように停止(停止表示)し、このときの停止表示態様に基づいて入賞の有無が判定される。
入賞の判定は、表示窓6内の各リール4の中段図柄を結ぶ中段の入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて判定される。したがって、例えば、斜めのライン上に所定の図柄が揃った場合でも、実際にはそのときに中段に停止している、揃っていない図柄の組合せで入賞が判定されることとなる。
【0047】
小役、リプレイ役等の当選役の入賞は、このような入賞ライン上の図柄の組合せに基づいて判定される。
小役には、例えば、ベル役、スイカ役、チェリー役がある。
【0048】
ベル役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる二つのベル役が設けられている。例えば、対応する図柄の組合せを、入賞ライン上の「左リール4a・中リール4b・右リール4c」の順(以下同様)に、それぞれ「ベル・リプレイ・ベル」とする共通ベル役と、「ベル・ベル・ベル」とする押し順ベル役を設けることができる。
【0049】
共通ベル役は、停止ボタン5a~5cに対する操作順序(押し順という)に関係なく対応する図柄の組合せ(「ベル・リプレイ・ベル」)が停止する小役で、押し順ベル役は、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である。
【0050】
さらに、押し順ベル役には、6通りある押し順(例えば、「5a→5b→5c」,「5c→5b→5a」など)のうちの1通りの押し順(特定の押し順)によって、停止ボタン5a~5cが操作されることで、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示される6つの押し順ベル役1~6が設けられている。このような押し順ベル役1~6は、他の5通りの押し順(特定の押し順以外の押し順)によって停止ボタン5a~5cが操作されると、対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止表示されず、「ベル・ベル・リプレイ」などの他の図柄の組合せ(「ベルこぼし目」という)が停止表示されることになる。
【0051】
なお、押し順ベル役に当選したときに、2、3番目に操作する停止ボタン5を問わず、最初に操作する停止ボタン5のみが特定の押し順に従っていれば、押し順ベル役に対応する図柄の組合せが停止するようにリール4の停止制御を行うようにしてもよい。また、押し順ベルは、6通りに限らず、3通りの押し順ベル1~3を設けてもよい。
【0052】
スイカ役は、対応する図柄の組合せを「スイカ・スイカ・スイカ」とする小役(レア役)であり、「スイカ・スイカ・スイカ」が上段ライン若しくは下段ラインに停止する弱スイカ役と、「スイカ・スイカ・スイカ」が右上がりライン若しくは右下がりラインに停止する強スイカ役とがある。
チェリー役は、対応する図柄の組合せを「チェリー・ANY・ANY」とする小役(レア役)であり、「チェリー」が左リール4aの上段又は下段に停止する弱チェリー役と、「チェリー」が左リール4aの中段に停止する強チェリー役とがある。
【0053】
リプレイ役には、対応する図柄の組合せがそれぞれ異なる2つのリプレイ役が設けられ、対応する図柄の組合せを、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」とする通常リプレイ役(以下、リプレイ役と称する)と、「リプレイ・ベル・ベル」とするチャンスリプレイ役(チャンス役)とが設けられている。
「リプレイ・ベル・ベル」(チャンス目)は、チャンスリプレイ役の当選時に停止表示する図柄の組合せであり、スイカ役およびチェリー役とともに、内部抽選処理において当選確率が比較的低い、所謂レア役として設定されていて、そのうちの弱スイカ役と弱チェリー役は、弱レア役として設定され、弱スイカ役と弱チェリー役以外は、強レア役として設定されている。
なお、押し順ベル役以外の小役やリプレイ役は、停止ボタン5の押し順に関係なく入賞することとなる。
【0054】
また、主制御装置10および副制御装置20は、押し順ベル役に関する遊技状態として、AT(アシストタイム)を発生可能となっている。ATは、押し順ベル役が当選した場合に、当選した押し順ベル役の押し順を、メイン表示器8およびナビランプ12により報知(押し順ナビを実行)する状態である。
すなわち、主制御装置10および副制御装置20は、ゲームの結果として特定結果(「ベル・ベル・ベル」)を導出するための操作情報(特定操作情報)を報知する制御を実行可能とするのである。
したがって、ATの発生により遊技者が容易にメダルを獲得することが可能であり、後述する疑似ボーナス状態中に制御される。
なお、ナビランプ12を、副制御装置20を介さずに主制御装置10により直接駆動制御可能な構成としてもよい。
【0055】
以上説明したような図柄の組合せに基づいて、小役、リプレイ役の当選がそれぞれ判定され、判定の結果、その図柄の組合せが上記それぞれに対応する図柄の組合せであるときに、入賞が成立して各入賞の成立に応じた遊技価値が付与される。
例えば、ベル役、チェリー役、スイカ役などの小役に対応する図柄の組合せの停止により、小役入賞の成立が判定され、メダル払出装置7が駆動制御されることにより、メダル払出口7bを介して所定数のメダルが払い出される。
【0056】
具体的には、ベル役(共通ベル役、押し順ベル役)において、対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、8枚のメダルが払い出される。
また、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、メダルは払い出されない。
なお、押し順ベル役の当選時に、特定の押し順以外の押し順(5通りの押し順)で停止ボタン5a~5cを操作したときには、8枚よりも少ない枚数(例えば、1枚)のメダルを払い出してもよいし、特定の押し順以外の一部の押し順では、8枚よりも少ない枚数(例えば、1枚)のメダルを払い出して、それ以外の押し順では、メダルを払い出さないようにしてもよい。
また、ベル役については、後述するAT状態中において、遊技者が保有するメダルが増加するような当選確率に設定されている。
【0057】
また、弱スイカ役および強スイカ役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、2枚のメダルが払い出される。
また、弱チェリー役および強チェリー役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合には、1枚のメダルが払い出される。
なお、各役に対応する図柄の組合せが停止表示した場合に払い出されるメダルの数は、上記した枚数以外でもよい。
【0058】
また、リプレイ役およびチャンスリプレイ役に対応する図柄の組合せの停止表示により、リプレイ役およびチャンスリプレイ役が判定され、次回ゲームにおいてメダルの投入を行うことなく(ベット数の設定なしで)、前ゲームで設定したベット数と同様のベット数でのゲームが可能となる。
【0059】
また、各小役およびリプレイ役の当選確率は、各設定値において、ベル役>リプレイ役>弱チェリー役>弱スイカ役>チャンスリプレイ役>強チェリー役>強スイカ役の関係性、つまり、ベル役が最も当選し易く、強スイカ役が最も当選し難く設定されているものとする。
なお、各役の当選確率の関係性は、上記したもの以外でもよい。
【0060】
以上のように、本実施形態のスロットマシン1においては、主制御装置10は、ゲームの実行に基づき、特定の押し順に従うことにより対応する図柄の組合せ(「ベル・ベル・ベル」)が停止する小役である押し順ベル役を当選可能とするのである。
すなわち、決定手段(抽選手段)としての主制御装置10は、停止操作手段(停止ボタン5)を構成する複数の操作手段(左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5c)への操作順序が特定の操作順序(特定の押し順)である場合に変動表示手段(リール4)に第1特定識別情報(「ベル・ベル・ベル」)が停止可能となる第1特定当選役(例えば、押し順ベル役1)を当選役として決定可能とするのである。
【0061】
また、主制御装置10は、ゲームの実行に基づき、停止ボタン5の操作順序に関係なく対応する図柄の組合せ(例えば、「ベル・ベル・ベル」、「スイカ・スイカ・スイカ」等)が停止する役(例えば、共通ベル役、スイカ役等)を当選可能とするのである。
すなわち、決定手段(抽選手段)としての主制御装置10は、停止操作手段(停止ボタン5)を構成する複数の操作手段(左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5c)への操作順序がいずれの操作順序であっても変動表示手段(リール4)に第2特定識別情報(例えば、「ベル・ベル・ベル」)が停止可能となる第2特定当選役(例えば、共通ベル役)を前記当選役として決定可能とするのである。
【0062】
また、本実施形態のスロットマシン1においては、6通りある押し順ベル役の当選確率が全て同一とはなっておらず、左リール4aを最初に停止させる押し順ベル役1および2(「5a→5b→5c」、「5a→5c→5b」)の当選確率(例えば、0.8/6.0)よりも、左リール4aを最初に停止させない押し順ベル役3~6(「5b→5a→5c」、「5b→5c→5a」、「5c→5a→5b」、「5c→5b→5a」)の当選確率(例えば、1.0/6.0)が高くなるような役の抽選が行われる。
したがって、左リール4aを最初に停止させる押し順でゲームを実行した場合には、左リール4aを最初に停止させない押し順(所謂変則押し)でゲームを実行した場合よりも、押し順ベル役が入賞する確率が低くなるのである。
なお、各押し順ベル役の当選確率は、左リール4aを最初に停止させる押し順ベル役1および2よりも、左リール4aを最初に停止させない押し順ベル役3~6の方が高くなっていれば何れの当選確率でもよい。
【0063】
[遊技機における遊技状態の移行]
次に、本実施形態におけるスロットマシン1での遊技状態の移行について
図3を参照して説明する。
本実施形態におけるスロットマシン1においては、3枚のメダルを費やして(3ベットして)ゲームを実行する3ベットゲームを実行可能としているが、
図3は、主制御装置10の制御により実現される、3ベットゲームの実行時の遊技状態の移行態様を示している。
なお、本実施形態においては、3ベットゲームの実行時にのみ、遊技状態の移行制御を行うようにしていて、それ以外のゲーム(例えば、2ベットゲーム)では遊技状態を移行させない制御を行っているが、ゲームの実行自体を3ベット時のみ許容し、それ以外のベット数ではゲームの実行を禁止するようにしてもよい。
以降は、3ベットゲームを「ゲーム」と称する。
【0064】
図3に示すように、本実施形態のスロットマシン1の遊技は、通常遊技状態、疑似ボーナス状態の複数の遊技状態において実行される。主制御装置10は、所定の移行条件が成立することに基づいて、一の遊技状態から他の遊技状態へと移行するように制御可能となっている。
【0065】
また、本実施形態の主制御装置10は、上記遊技状態とは別に、遊技区間として通常区間および有利区間のいずれかに制御することが可能な区間制御手段を備えている。
通常区間は、押し順ナビが実行されることのない遊技区間であり、有利区間が終了された後、次ゲームが開始されることで開始され、有利区間移行条件が成立することで終了される。
通常区間では、有利区間ランプ13は消灯状態に制御される。
【0066】
また、通常区間では、有利区間移行条件が成立すること、例えば、内部抽選において所定の役(例えば、ベル役)に当選することで、有利区間に移行させることが決定される。
なお、通常区間における所定のレア役の当選に基づき、疑似ボーナス状態の移行条件を成立させてもよく、この場合には有利区間移行条件の成立後に疑似ボーナス状態に移行させることが好ましい。したがって、有利区間移行条件の成立後に押し順ナビが実行されることとなるので、通常区間においては押し順ナビは行われないこととなる。
また、主制御装置10のリセット時には通常区間に制御される。
【0067】
有利区間は、押し順ナビが実行されることのある遊技区間であり、押し順ナビが実行され得ることで通常区間に比較して遊技者にとって有利な遊技区間である。
また、有利区間は、通常区間において有利区間移行条件が成立した後、次ゲームが開始されることで開始され、所定の有利区間終了条件が成立することで終了される。
有利区間では、有利区間ランプ13は点灯状態に制御される。
【0068】
なお、有利区間への移行後、押し順ナビの実行により遊技者が保有するメダル数が増加する遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)となった時点で、有利区間ランプ13の点灯状態を開始してもよい。
また、有利区間へ移行した場合でも有利区間ランプ13を点灯させないようにしてもよいし、有利区間へ移行した場合でも疑似ボーナス状態に移行した場合にのみ点灯させるようにしてもよい。
また、有利区間ランプ13を設けなくてもよいが、代わりに主制御装置10で制御される疑似ボーナス状態ランプを設けて、疑似ボーナス状態中に疑似ボーナス状態ランプを点灯させることが好ましい。
【0069】
また、有利区間は、当該有利区間中における有利区間の終了条件の成立に基づき、通常区間に移行するものとなっている。
有利区間の終了条件としては、例えば、スロットマシン1(主制御装置10)がリセット(設定変更時も含む)された場合等が例示される。
なお、基本的には疑似ボーナス状態の終了時には有利区間は継続するものとなっているが、疑似ボーナス状態終了時の一部で有利区間の終了条件を成立させるようにしてもよい。
【0070】
さらに、スロットマシン1には、遊技者が獲得するメダル数を制限するための制限機能であるリミッタ機能(所謂リミッタ)が設けられていて、リミッタ機能が作動した場合にも有利区間の終了条件が成立するものとなっている。
例えば、1回の有利区間における差枚数(払い出されたメダル数―投入されたメダル数)が上限枚数(例えば、+2400枚)を超えた場合にリミッタ機能が作動するものとなっている。
【0071】
なお、1回の有利区間における遊技者が獲得した純増枚数が上限枚数(例えば、+2400枚)を超えた場合にリミッタ機能を作動させるようにしもよい。
また、リミッタ機能の作動条件として、上記以外に1回の有利区間におけるゲーム数(有利区間ゲーム数)が上限ゲーム数(例えば、3000ゲーム)に到達した場合を設けるようにしてもよい。
そして、上記した何れかの有利区間の終了条件が成立した場合に有利区間が終了するものとなっている。
【0072】
また、本実施形態のスロットマシン1では、ゲームの実行に基づき、上記押し順ナビの実行不能区間である通常区間と、押し順ナビの実行可能区間である有利区間の移行制御を行うようにしている。そして、スロットマシン1の初期状態では通常区間に制御されるとともに、通常区間におけるゲームの実行時に、所定の移行条件が成立(例えば、ベル役に当選)した場合に、有利区間への移行が行われる。
【0073】
(通常遊技状態)
通常遊技状態は、スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合等で滞在する遊技状態であり、遊技者にとっては不利な状態である。
図3に示すように、主制御装置10は、通常遊技状態に滞在中には、疑似ボーナス状態への移行抽選等の疑似ボーナス状態への移行に関わる処理を行う。
スロットマシン1の主制御装置10がリセットされた場合等の通常遊技状態においては、遊技区間が通常区間に制御されていて、通常遊技状態中における有利区間移行条件が成立した場合に遊技区間が通常区間から有利区間に移行する。
【0074】
・通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行処理(
図3の矢印a)
通常遊技状態(有利区間)中におけるゲームの実行によりゲームポイントが付与され、このゲームポイント数が予め定められた回数(特別回数:天井ポイント数)となった場合に通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行が行われる。
すなわち、主制御装置10は、遊技状態を遊技者に遊技な特別遊技状態に制御可能な制御手段を構成するのである。
【0075】
ゲームポイントの付与数は、詳細は後述するが通常遊技状態中のゲームにおける停止ボタン5の操作順序で決定され、遊技者による停止ボタン5の操作順序に応じて、付与されるゲームポイント数が変化するものとなっている。
天井ポイント数は、遊技区間が通常区間から有利区間へ移行時、疑似ボーナス状態の終了時に決定され、詳細は後述するが、次回の疑似ボーナス状態に対する天井ポイント数が設定されるものとなっている。
【0076】
また、通常遊技状態中におけるゲームの実行により、所定の役の当選時に疑似ボーナス状態への移行抽選が行われ、所定の確率で移行抽選に当選した場合にも通常遊技状態から疑似ボーナス状態への移行が行われる。
【0077】
より具体的には、主制御装置10が特定の抽選結果として所定のレア役の当選に基づいて予め疑似ボーナス状態への移行抽選処理を行う。例えば、チャンス役、あるいは強チェリー役当選時の所定の確率(例えば、20%)で疑似ボーナス状態への移行処理を行う。
【0078】
また、通常遊技状態において、所定のレア役の当選時に疑似ボーナス状態に当選する確率は、設定手段としての確率設定装置14における設定値に応じて変更可能となっていて、例えば、強チェリー役当選時には、設定1では10%、設定2では12%、設定3では14%、設定4では16%、設定5では18%、設定6では20%の各確率で疑似ボーナス状態に移行するようになっている。
【0079】
なお、疑似ボーナス状態への移行、すなわち、特典を付与するか否かの決定は、天井ポイント数の消化や、抽選手段によるレア役の抽選以外で行うようにしてもよい。例えば、所定の役(例えば、ベル役)の当選(あるいは実際の成立回数)が所定回数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよいし、役の抽選に応じて所定のポイントを加算させるようにするとともに、当選した役の種類や、役に当選した状態に応じて加算させるポイントを変更可能にして、このポイントが所定数となった時点で疑似ボーナス状態への移行を決定したり、その時点で疑似ボーナス状態の抽選を行ったりしてもよい。
【0080】
(疑似ボーナス状態)
特別遊技状態としての疑似ボーナス状態は、当該疑似ボーナス状態中のゲームにおいて、遊技者に有利な操作態様の報知として、押し順ベル役に対する押し順ナビが実行されることで、メダルの獲得が極めて容易な遊技状態である。
【0081】
また、疑似ボーナス状態には、20ゲーム間継続するレギュラー疑似ボーナス状態と、50ゲーム間継続するビッグ疑似ボーナス状態とが設けられていて、疑似ボーナス状態の移行時に何れかの疑似ボーナス状態に移行させるかの抽選が行われる。
なお、疑似ボーナス状態の種類は上記以外でもよく、また、1種類の疑似ボーナス状態を発生させるものでもよい。
また、疑似ボーナス状態の種類の決定は、疑似ボーナス状態の移行時以外でもよく、前回疑似ボーナス状態の終了時に、次回の疑似ボーナス状態の種類を予め決定するようにしてもよい。
【0082】
疑似ボーナス状態中においては、押し順ナビが実行されることとなるが、各押し順ベル役の当選確率は、押し順ナビに従って遊技者がゲームを実行すればメダルが増加する値となっている。したがって、通常遊技状態中においては、遊技者が任意に選択する押し順により単位ゲームあたりのメダルの獲得数が変化するものとなるが、疑似ボーナス状態中においては、押し順ナビに従うだけで多数のメダルを獲得可能となるのである。
【0083】
また、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームでは、主制御装置10の制御により、スタートレバー3の操作から停止ボタン5の操作が有効となるまでの期間が、通常のゲームよりも延長され、この期間に、リール4を正回転させた後、リール4において特別の図柄組合せを一旦停止させたのちに再度正回転させる、所謂リール演出が行われる疑似遊技(報知疑似遊技)が実行され、疑似ボーナス状態が発生したことが報知される。
このとき一時的に停止する特別の図柄組合せは、ビッグ疑似ボーナス状態のときは「7・7・7」となり、レギュラー疑似ボーナス状態のときは「7・7・BAR」となり、疑似ボーナス状態の種類がリール4上で報知されることとなる。
【0084】
なお、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームで報知疑似遊技を実行して特別の図柄組合せ(「7・7・7」等)を一旦停止させるのではなく、所定役(例えば、リプレイ役)の当選した次ゲームで疑似ボーナス状態を開始するものとして、当該所定役の当選時には、所定の押し順(例えば、「5c→5b→5a」)によりリール4を停止させた場合に特別の図柄組合せが停止するようにリール4の停止制御を行い、上記所定の役に当選した場合に上記所定の押し順を報知することで、疑似ボーナス状態が開始する1ゲーム前に特別の図柄組合せを形成可能としてもよい。
【0085】
報知疑似遊技が行われる期間は、例えば、15秒に設定され、この間は、停止ボタン5の操作が無効となるので、リール4が作動していてもゲームの進行が不能な状態となっている。
そして、報知疑似遊技の終了時には、特別の図柄組合せ(「7、7、7」等)が一旦停止(自動停止)することとなるので、疑似ボーナス状態は、遊技内容的には押し順ナビが実行される状態となっているが、見た目上は所謂ボーナス状態(リアルボーナス状態)が発生したようなものとなるのである。
【0086】
また、報知疑似遊技が終了すると、リール4が正回転での回転を自動的に開始するとともに、停止ボタン5の操作が有効となり本遊技が開始され、この時点から、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームの停止操作が通常のゲームと同様に可能となる。
また、リール演出中においては、副制御装置20の制御により、メイン表示器8において、リール演出に対応する演出画像として疑似ボーナス状態の発生を報知する表示が行われる。
【0087】
・疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行処理(
図3の矢印b)
疑似ボーナス状態において、予め設定されている継続ゲーム数(20ゲームもしくは50ゲーム)が実行された場合に疑似ボーナス状態が終了して、遊技状態が通常遊技状態に移行する。
なお、疑似ボーナス状態の終了時には遊技区間は有利区間のままとなるが、疑似ボーナス状態の終了により通常遊技状態へ移行した場合の一部で、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させないようにしてもよい。
【0088】
また、疑似ボーナス状態から通常遊技状態への移行時に、主制御装置10および副制御装置20の制御により、確率設定装置14で設定された設定値を示唆可能な設定関連情報(設定示唆情報)を報知手段(メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9)により報知してもよい。例えば、メイン表示器8やサブ表示器17において、複数のキャラクタのうちから所定のキャラクタを表示し、この表示するキャラクタを確率設定装置14の各設定値に応じて予め設定された選択確率に応じて選択することで、表示されたキャラクタによりある程度設定値を予測することが可能となる。
【0089】
以上のように、本実施形態のスロットマシン1においては、遊技状態として通常遊技状態と疑似ボーナス状態の2種類のみを発生可能としているが、遊技状態として、所定期間通常遊技状態よりも疑似ボーナス状態の移行確率を高めたCZ状態(所謂チャンスゾーン)を発生可能としてもよい。
また、疑似ボーナス状態以外にも、押し順ナビが実行される遊技者にとって有利な状態としてAT状態を発生可能として、疑似ボーナス状態中における所定条件の成立により、AT状態の移行権利を付与して、疑似ボーナス状態終了後にAT状態に移行させるようにしてもよい。
また、AT状態の継続期間を、当該AT状態中のゲーム結果に応じて延長可能とすることで、AT状態を疑似ボーナス状態よりも遊技者にとって有利にするようにしてもよい。
以上のように実施形態のスロットマシン1における遊技状態の移行が行われる。
【0090】
[ゲームポイントに応じた疑似ボーナス状態の移行処理]
次に、
図4~
図6を参照して、本実施形態のスロットマシン1におけるゲームポイントに応じた疑似ボーナス状態の移行処理ついて説明する。
前述したように、本実施形態のスロットマシン1においては、通常遊技状態中のゲームの実行に応じてゲームポイントを付与し、この付与されたゲームポイントの総数が所定数に達した場合に、遊技状態を疑似ボーナス状態に移行させるようにしている。
【0091】
まず、
図4を参照して、1ゲーム毎のゲームポイントの付与数について説明する。
主制御装置10においては、通常遊技状態中におけるゲームの実行に基づいて、疑似ボーナス状態の移行に関わるゲームポイントを付与するような制御を行うようにしている。
また、主制御装置10は、ゲームポイントを付与する際に、ゲームにおける停止ボタン5の操作順序(リール4の停止順序)に応じて、付与(加算)する値を変化させるようにしている。
なお、ゲームポイントの付与は、そのゲームにおける役の抽選結果に関係なく実行される。
【0092】
図4に示すように、ゲームにおける停止ボタン5の操作順序が、第1の操作態様としての「左→中→右」(左停止ボタン5a→中停止ボタン5b→右停止ボタン5c)、あるいは「左→右→中」(左停止ボタン5a→右停止ボタン5c→中停止ボタン5b)のうちの何れかであった場合には、100%の確実でその時点のゲームポイント数に「2」が加算されるようなゲームポイントの付与が行われる。
また、ゲームにおける停止ボタン5の操作順序が、第2の操作態様としての「左→中→右」あるいは「左→右→中」以外の所謂変則押しであった場合には、100%の確実でその時点のゲームポイント数に「1」が加算されるようなゲームポイントの付与が行われる。
【0093】
このようなゲームポイントの付与が行われる結果、最初に左停止ボタン5aを操作する第1の操作態様でゲームを進行した場合には、最初に左停止ボタン5aを操作しない第2の操作態様(変則押し)でゲームを進行した場合よりも、ゲーム終了時点付与されるゲームポイントが多くなるのである。
前述したように、左リール4aを最初に停止させる押し順ベル役1および2の当選確率は、左リール4aを最初に停止させない押し順ベル役3~6の当選確率よりも低く設定されていることから、第1の操作態様でゲームを進行させた場合には、第2の操作態様でゲームを進行させた場合よりも、押し順ベル役の入賞確率は低くなるが、その反面、多くのゲームポイントが付与されることとなるのである。
【0094】
なお、1ゲーム毎のゲームポイントの加算値は、第2の操作態様でゲームを進行させた場合よりも第1の操作態様でゲームを進行させた場合の方が多くなれば上記以外でもよく、例えば、第1の操作態様でゲームを進行させた場合にはゲームポイントに「3」以上の値を加算するようにしてもよい。
また、1ゲーム毎のゲームポイントの付与は、ゲーム実行時の役の抽選結果に関係なく実行されるが、例えば、レア役に当選した場合には、ゲームポイントの加算値を「3」等の通常よりも多くの値を加算するようにしてもよい。
また、レア役当選時には、停止ボタン5の押し順に関係なく「2」以上の加算値を付与するようにしてもよい。
ただし、この場合には、レア役当選したゲーム開始時に、レア役に当選したことを報知可能な演出をメイン表示器8等において実行することが好ましく、このようにすれば、ゲーム開始時にレア役に当選したことを遊技者が認識することとなり、変則押しによりレア役に対応する図柄組合せを停止させることが可能となる。
【0095】
次に、
図5を参照して、本実施形態のスロットマシン1における、通常遊技状態でのゲーム実行時の天井ポイント数の抽選について説明する。
主制御装置10は、通常遊技状態における通常区間において、有利区間移行条件が成立(例えば、ベル役に当選)した場合、および疑似ボーナス状態終了後の次ゲームが開始された場合に、次回の疑似ボーナス状態を発生させるための天井ポイント数を選択するようにしている。
【0096】
そして、通常遊技状態におけるゲームの実行により獲得したゲームポイント数が、選択設定された天井ポイント数に到達した場合に、特典の付与として疑似ボーナス状態を発生するようにしている。
本実施形態においては、通常遊技状態中における所定の役(例えば、レア役)の当選時の移行抽選に当選した場合にも疑似ボーナス状態を発生可能としているが、主としてゲームポイント数が天井ポイント数に達した場合に疑似ボーナス状態を発生するようにしている。
したがって、通常遊技状態中におけるゲームポイント数の獲得状況が疑似ボーナス状態の発生に対して非常に重要となるのである。
【0097】
また、主制御装置10は、天井ポイント数を決定するに際して、天井ポイント数を大まかに決定するための所定ゲームポイント数範囲が規定されたゾーンを先ずは決定し、決定されたゾーン中におけるゲームポイント数範囲内から1のゲームポイント数を選択することで天井ポイント数を決定するようにしている。
上記ゾーンは、ゾーン1~4までの4種類が予め設定されていて、各々のゾーンは所定間隔を空けて設定されている。したがって、この4種類のゾーン中に実際のゲームポイント数が到達した場合には、疑似ボーナス状態が発生する可能性が高まることとなり、所定の周期毎に遊技者の期待感が高まることとなるのである。
【0098】
各ゾーンでの天井ポイント数の選択範囲は、ゾーン1では50ポイント~100ポイントとなり、ゾーン2では250ポイント~299ポイントとなり、ゾーン3では450ポイント~499ポイントとなり、ゾーン4では750ポイント~800ポイントとなっている。
【0099】
したがって、例えば、ゾーン1が選択された場合には、比較的ゲームポイント数の少ない天井ポイント数が決定されることとなり遊技者に有利な態様でゲームが進行することとなるが、一方で、ゾーン4が選択された場合には、比較的ゲームポイント数の多い天井ポイント数が決定されることとなり遊技者に不利な態様でゲームが進行することとなるのである。
ただし、ゾーン4が選択された場合でも、最大値が800ポイントに設定されているので、最大値のゲームポイント数が実行されるまでには疑似ボーナス状態は必ず発生することとなる。例えば、全て第2の操作態様でゲームを進行させた場合でも、800ゲーム以内には必ず疑似ボーナス状態が発生することとなる。
【0100】
また、主制御装置10は、通常区間から有利区間への移行時、および疑似ボーナス状態終了後の次ゲーム実行時に、遊技モードを決定する処理を行うようにしている。
遊技モードは、上記ゾーン1~4の何れかを選択可能な通常モードと、ゾーン1のみ選択することとなる天国モードとが設定され、通常区間から有利区間への移行時に、確率設定装置14での設定値に基づき何れかの遊技モードを選択するようにしている。
したがって、天国モードが選択された際には、必ず100ゲームポイント以内に疑似ボーナス状態が発生することとなるのである。
なお、天国モードの選択確率は、確率設定装置14での設定値が高くなる程高くなるように設定されている。
【0101】
図5は、通常区間から有利区間への移行時、および疑似ボーナス状態終了後の次ゲーム実行時に、上記各ゾーンが選択される確率を示している。
主制御装置10では、まずゾーン選択用乱数の抽出により、図示する各確率でゾーンを選択決定し、その後、天井ポイント数決定用乱数の抽出により、各選択されたゾーン内において天井ポイント数を選択決定するようにしている。
なお、各選択されたゾーン内における天井ポイント数の選択は均等に行われるが、偏りのある選択結果となるように選択してもよい。
【0102】
まず、
図5(a)は、通常モードが選択された場合において、天井ポイント数を選択するためのゾーンの選択確率を示している。
図5(a)に示すように、例えば、確率設定装置14での設定値が設定1の場合には、15%の確率でゾーン1が選択され、15%の確率でゾーン2が選択され、30%の確率でゾーン3が選択され、40%の確率でゾーン4が選択されるような選択制御が行われる。
【0103】
また、詳細な説明は省略するが、確率設定装置14での設定値が設定2~6の場合にも、
図5(a)に示す各確率で何れかのゾーンが選択決定されることとなる。
【0104】
そして、図示は省略するが、各ゾーンが決定された後、ゾーン内において設定されている天井ポイント数を決定するための抽選が行われ、最終的に今回の天井ポイント数が決定されることとなる。
例えば、ゾーン1が決定された場合には、50ゲームポイント~100ゲームポイントのうちから何れかのゲーム数が天井ポイント数として決定されるのである。
【0105】
次に、
図5(b)は、天国モードが選択された場合において、天井ポイント数を選択するためのゾーンの選択確率を示している。
図5(b)に示すように、天国モードにおいては、確率設定装置14での設定値に関わらず、全てゾーン1が選択されるような選択制御が行われる。
そして、通常モードと同様に、各ゾーンが決定された後、ゾーン内において設定されている天井ポイント数を決定するための抽選が行われ、最終的に今回の天井ポイント数が決定されることとなる。
【0106】
以上のように天井ポイント数が決定されることから、天国モードが選択された場合には、100ゲーム以内の天井ポイント数が必ず選択されることとなるのである。
また、通常モードが選択された場合には、確率設定装置14での設定値が高いほど、少ない天井ポイント数が選択される確率が高くなるのである。
【0107】
前述したように、ゲームポイント数の増加率は、ゲーム実行時に第2の操作態様としての変則押しでゲームを進行させた場合よりも、左停止ボタン5aを最初に停止させる第1の操作態様でゲームを進行させた方が高くなるので、第1の操作態様でゲームを進行させた方が第2の操作態様でゲームを進行させるよりも、早期にゲームポイント数が天井ポイント数に到達することとなり、疑似ボーナス状態が早期に発生することとなるのである。
【0108】
すなわち、制御手段としての主制御装置10は、第1の操作態様で停止操作手段(停止ボタン5)が操作されるゲームが所定回数実行される場合の方が、第2の操作態様で停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合よりも、特別遊技状態(疑似ボーナス状態)を発生する割合が高くなるように制御可能としているのである。
したがって、通常遊技状態中において、第1の操作態様でゲームを進行させる場合(第1の操作態様で停止ボタン5を操作させる場合)の方が、第2の操作態様でゲームを進行させる場合(第2の操作態様で停止ボタン5を操作させる場合)よりも、遊技者にとって有利となり、遊技者の期待感を向上させることが可能となるのである。
また、遊技者に対して、第1の停止操作態様でのゲームの進行を促進することが可能となるのである。
【0109】
一方で、主制御装置10は、メダルの獲得率を、第2の操作態様でゲームを進行させた場合の方が第1の操作態様でゲームを進行させた場合よりも高くなるように制御している。
すなわち、第1の操作態様で停止操作手段(停止ボタン5)が操作されるゲームが所定回数実行される場合の方が、第2の操作態様で停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合よりも所定単位ゲーム数あたりに消費される遊技価値(メダル)が多くなるようにしているのである。
したがって、第1の操作態様でゲームを進行させた場合には、第2の操作態様でゲームを進行させた場合よりも遊技価値の消費量が多くなるので、遊技店が不利益となることを防止可能となるのである。
また、遊技者は、メダルの獲得率の高い第2の操作態様でゲームを進行させることも可能となるので、ゲームの進行態様に対して複数の選択肢を遊技者に提供することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
【0110】
ただし、第2の操作態様でゲームを進行させた場合には、疑似ボーナス状態の発生は遅くはなるが、その間に比較的多くのメダルを獲得する可能性が高くなってしまうことから、限られた営業時間において効率よく利益を得られないといった遊技店側の問題点が生じてしまう。
本実施形態においては、全てのゲームにおいて第1の操作態様でゲームを進行させる場合の方が、全てのゲームにおいて第2の操作態様でゲームを進行させる場合よりも、遊技者にとって有利となるように、ゾーンの選択率およびメダルの獲得率が設定されている。
したがって、遊技者は第1の操作態様でゲームを進行することとなり、遊技者が長期間第2の操作態様でゲームを進行することにより生ずる遊技店側の問題点を防止可能となるのである。
【0111】
なお、各ゾーンの選択確率は上記以外でもよく、例えば、設定値が偶数値の場合には、奇数値の場合よりも、少ない天井ポイント数は選択され辛いが、多い天井ポイント数も選択され辛いような傾向となり、設定値が奇数値の場合には、偶数値の場合よりも、少ない天井ポイント数は選択され易いが、多い天井ポイント数も選択され易いような傾向となるようにして、設定値の偶奇に応じて天井ポイント数の選択率に特徴を持たせるようにしてもよい。
【0112】
また、通常区間における有利区間移行条件を成立させるゲーム、および疑似ボーナス状態終了後の次のゲームにおいて、レア役に当選した場合に、レア役以外の役に当選した場合よりも、少ない天井ポイント数となるゾーンが選択される確率を高め、さらに、ゾーン3やゾーン4の比較的多いゲーム数が選択される確率を低めるようにしてもよい。
【0113】
また、本実施形態のスロットマシン1においては、ゲームポイント数が天井ゲーム数に到達した場合に、遊技状態を疑似ボーナス状態に移行させるようにしているが、ゲームポイント数が天井ゲーム数に到達した場合に、疑似ボーナス状態に移行させるか否かの抽選を行うようにしてもよい。
したがって、ゲームポイント数が天井ゲーム数に到達した場合でも、必ずしも疑似ボーナス状態に移行するのではなく、その時の移行抽選に当選した場合に疑似ボーナス状態に移行することとなる。
この場合でも、通常遊技状態中のゲームにおいて、第1の操作態様でゲームを進行させた場合には、第2の操作態様でゲームを進行させた場合よりもゲームポイント数の増加率が高まるので、遊技者にとって有利に疑似ボーナス状態の移行抽選が行われることとなるのである。
【0114】
また、詳細は後述するが、変則押しが行われた場合にはペナルティフラグ(第1ペナルティフラグあるいは第2ペナルティフラグ)が設定されることとなるが、ペナルティフラグが設定されていない場合には、設定されている場合よりも、通常遊技状態中のゲームにおける疑似ボーナス状態の移行抽選に当選する確率を高めるようにしてもよい。
例えば、通常遊技状態中のゲームにおいて、レア役に当選した場合における疑似ボーナス状態当選確率を、ペナルティフラグが設定されていない場合には、設定されている場合よりも高めるようにしてもよいのである。
このようにした場合でも、第1の操作態様で停止操作手段(停止ボタン5)が操作されるゲームが所定回数実行される場合の方が、第2の操作態様で停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合よりも、特別遊技状態(疑似ボーナス状態)が発生する割合が高くなるのである。
【0115】
また、通常遊技状態中のゲームにおいて特別遊技状態(例えば、疑似ボーナス状態)の移行抽選を行うように構成し、変則押しが行われた場合に、特別遊技状態の移行抽選に当選した結果を無効とするようにしてもよい。
また、この場合、特別遊技状態の移行抽選に当選した結果を全て無効としてもよいし、所定の確率で無効としてもよい。
例えば、通常遊技状態中のゲーム開始時(スタートレバー3の操作時)において、疑似ボーナス状態の移行抽選を行うものとし、このゲーム開始時の疑似ボーナス状態の移行抽選において当選となる抽選結果が導出された際に、当該ゲームにおいて変則押しが行われた場合には、当選となっている抽選結果を全てあるいは所定確率で無効とするのである。
【0116】
この場合、疑似ボーナス状態に当選したことの報知は、ゲーム開始時に実行せずに、ゲーム終了時点以降(最後の停止ボタン5がオフとなった時点あるいはそれ以降のゲームにける所定時期)において実行することが好ましい。例えば、ゲーム開始時の疑似ボーナス状態の移行抽選に当選し、当該ゲームにおいて変則押しでの操作態様が行われた場合には、疑似ボーナス状態の当選を無効(報知も無効)にし、変則押し以外の操作態様が行われた場合には、疑似ボーナス状態の当選を有効にして、当該ゲームの終了時点で疑似ボーナス状態の当選を報知すればよい。
このようにした場合でも、第1の操作態様で停止操作手段(停止ボタン5)が操作されるゲームが所定回数実行される場合の方が、第2の操作態様で停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合よりも、特別遊技状態(疑似ボーナス状態)が発生する割合が高くなるのである。
【0117】
次に、
図6を参照して、遊技状態が通常遊技状態から疑似ボーナス状態に移行する際の報知について説明する。
前述したように、本実施形態のスロットマシン1においては、通常遊技状態中のゲームにおいて、ゲームポイント数が天井ポイント数に到達した場合、もしくは、レア役に当選して疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、次ゲームから遊技状態が疑似ボーナス状態に移行することとなる。
【0118】
そして、本実施形態においては、ゲームポイント数が天井ポイント数に到達したゲーム終了後、もしくは疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲーム終了後に、メイン表示器8に疑似ボーナス状態に移行することを報知する演出画像を表示するようにしている。
すなわち、本実施形態のスロットマシン1においては、疑似ボーナス状態に移行することが決定された際に即座にその旨を報知する所謂一発告知タイプの遊技機に分類されるのである。
【0119】
図6は、主制御装置10からの制御情報の受信に基づき副制御装置20の制御により実行される、疑似ボーナス状態に移行することが決定された際のメイン表示器8での演出画像を示している。
まず、
図6(a)は、ゲームポイント数が天井ポイント数に到達したゲーム、もしくは疑似ボーナス状態の移行抽選に当選したゲーム、すなわち次ゲームから疑似ボーナス状態に移行することとなるゲーム実行中のメイン表示器8での演出画像を示している。
図6(a)に示すように、通常遊技状態中においては、メイン表示器8の画面主要部に、所定のキャラクタを模した画像であって通常遊技状態中であることを報知するキャラクタ画像30aが表示される。
なお、メイン表示器8の画面には、図示は省略するが、その他キャラクタ画像30aの背景となる背景画像(例えば、草原の背景)が表示される。
【0120】
そして、当該ゲーム終了後には、
図6(b)に示すように、メイン表示器8の画面におけるキャラクタ画像30aの右側に、キャラクタからのセリフを模した画像(吹き出し画像)であって疑似ボーナス状態に移行することを報知する、「大当り」の文字情報を含む疑似ボーナス状態報知画像31が表示されて報知演出が実行される。
また、メイン表示器8における疑似ボーナス状態報知画像31の表示に対応して、上記報知演出としてスピーカ9から所定の効果音が出力されるとともに、ランプ11において所定の装飾発光が実行される。
したがって、上記報知演出の実行により、遊技者は、次ゲームから疑似ボーナス状態に移行することを認識するのである。
【0121】
なお、報知演出は、遊技者が疑似ボーナス状態に移行することを認識できれば上記以外でもよく、例えば、疑似ボーナス状態の移行を報知するための専用の発光表示手段を設けて、この発光表示手段を発光させることで疑似ボーナス状態の移行を報知するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態に移行する1ゲーム前のゲーム終了後に報知演出を実行するようにしているが、疑似ボーナス状態に移行した最初のゲームのゲーム開始時に報知演出を実行するようにしてもよい。
また、疑似ボーナス状態の移行(発生)の報知に関して、所謂一発告知タイプを採用しているが、疑似ボーナス状態に移行する所定期間(例えば、30ゲーム)前に前兆演出を例えばメイン表示器8において実行し、前兆演出の最終段階で疑似ボーナス状態に移行することを前兆演出の結果とともに報知するようにしてもよい。
以上のように、ゲームポイントに応じた疑似ボーナス状態の移行処理が行われる。
【0122】
[ペナルティ報知機能]
次に、
図7~
図9を参照してペナルティ報知機能について説明する。
本実施形態のスロットマシン1においては、前述したように、停止ボタン5の操作を第2の操作態様で実行させてゲームを進行させた場合には、第1の操作態様でゲームを進行させた場合よりも、疑似ボーナス状態の移行に関して遊技者に不利に制御されることから、遊技者による第2の操作態様でのゲームの進行を抑制するためのペナルティ報知機能を設けるようにしている。
【0123】
例えば、主制御装置10により第2の操作態様でのゲームの進行を判定して、第2の操作態様での停止ボタン5の操作が行われた場合に、報知手段としての副制御装置20によりメイン表示器8において所定の画像を表示することで、遊技者に対して不利なゲームの進行が行われていることを認識させるようなペナルティ報知を実行するようにしている。
また、上記ペナルティ報知は、第2の操作態様の実行状況に応じて複数段階に変更可能としていて、第2の操作態様の実行当初では第1段階でのペナルティ報知を実行し、その後も継続的に第2の操作態様が実行された場合には、報知態様を変更することでペナルティ報知を第2段階に変更するようにしている。
主制御装置10では、上記ペナルティ報知を実行するために、まず以下のようなペナルティ処理を実行するようにしている。
【0124】
図7は、主制御装置10で実行されるペナルティ処理を示している。
ペナルティ処理が実行されると、まず、ステップS1で、通常遊技状態中でのゲームが実行されたか否かの判定を行う。
通常遊技状態中でのゲームが実行された場合は、ステップS2に移行し、遊技状態中でのゲームが実行されていない場合は、本ペナルティ処理を終了する。
したがって、ゲームが実行された場合でも遊技状態が通常遊技状態以外の場合は、本処理は実行されないこととなる。
【0125】
次に、ステップS2で、ペナルティフラグがセットされているか否かの判定を行う。
ペナルティフラグは、第2の操作態様の実行により、既にペナルティ報知が行われているか否かを判定するためのフラグであり、ペナルティフラグがセットされている場合、すなわち既にペナルティ報知が行われている場合はステップS6に移行し、ペナルティフラグがセットされていない場合、すなわち未だペナルティ報知が行われていない場合はステップS3に移行する。
なお、ペナルティフラグには、第1段階のペナルティ報知を行うための第1ペナルティフラグと、第2段階のペナルティ報知を行うための第2ペナルティフラグとがあり、何れかのペナルティフラグがセットされている場合に、ステップS6に移行することとなる。
【0126】
次に、ステップS3で、第2の操作態様である変則押しによる停止ボタン5の操作が行われたか否かの判定を行う。
変則押しが行われた場合には、ステップS4に移行し、変則押しが行われていない場合(第1の操作態様が行われた場合)には、本ペナルティ処理を終了する。
なお、ステップS3の処理は、停止ボタン5の操作態様を判定するので、ゲーム終了時に実行される。
【0127】
次に、ステップS4で、第1の報知を実行する処理を行う。
第1の報知は、ペナルティ報知における第1段階の報知であり、詳細は後述するが、メイン表示器8において所定の画像を表示することで、第2の操作態様によりゲームが進行されたことを遊技者に認識させるための報知である。
次に、ステップS5で、第1ペナルティフラグをセット(設定)する処理を行う。
したがって、ペナルティフラグ(第1ペナルティフラグあるいは第2ペナルティフラグ)が設定されていない状態で、第2の操作態様が実行された場合に、第1ペナルティフラグが設定されるとともに、次ゲームから第1段階のペナルティ報知として第1の報知が行われることとなる。
また、変則押しではなく第1の操作態様によりゲームが進行されている状態においては、ペナルティ報知は行われないのである。
また、ステップS3での判定は、ゲームにおける役の抽選結果を参照せずに行われることから、第1の報知および第1ペナルティフラグの設定は、ゲームにおける役の抽選結果に関係なく実行されることとなる。
【0128】
なお、ペナルティフラグ(第1ペナルティフラグあるいは第2ペナルティフラグ)が設定されていない状態で、第2の操作態様が実行された場合に、第1の報知を行うとともに第1ペナルティフラグを設定するようにしているが、ペナルティフラグが設定されていない状態で、第2の操作態様が2回連続して実行された場合に、第1の報知の実行および第1ペナルティフラグの設定を行うようにしてもよい。
また、ペナルティフラグが設定されていない状態で、所定数(例えば、5回)のゲームが実行される間に第2の操作態様が所定回数(例えば、2回)実行された場合に、第1の報知の実行および第1ペナルティフラグの設定を行うようにしてもよい。
その後、本ペナルティ処理を終了する。
【0129】
一方、ステップS2においてペナルティフラグがセットされていると判定された場合には、ステップS6で、セットされているペナルティフラグが第2ペナルティフラグか否かを判定する処理を行う。
セットされているペナルティフラグが第2ペナルティフラグであった場合には、ステップS14に移行し、第2ペナルティフラグでなかった場合、すなわち第1ペナルティフラグであった場合には、ステップS7に移行する。
【0130】
次に、ステップS7で、特定条件が成立したか否かを判定する処理を行う。
特定条件は、例えば、疑似ボーナス状態の発生、確率設定装置14での設定変更、主制御装置10のリセット、通常遊技状態中に所定時間(例えば、3分)ゲームが実行されなかった場合(呼び込み表示が行われた場合)、返却ボタン2cの操作時等で成立し、特定条件が成立していた場合は、ステップS12に移行し、特定条件が成立していない場合は、ステップS8に移行する。
【0131】
次に、ステップS8で、第2の操作態様である変則押しによる停止ボタン5の操作が行われたか否かの判定を行う。
変則押しが行われた場合には、ステップS9に移行し、変則押しが行われていない場合(第1の操作態様が行われた場合)には、ステップS11に移行する。
【0132】
次に、ステップS9で、第1の報知を終了する処理を行い、その後、ステップS10で、第2の報知を実行する処理を行う。
すなわち、第1ペナルティフラグがセットされて既に第1の報知が実行されている状態において、次のゲームにおいても第2の操作態様が実行された場合には、第1段階のペナルティ報知として第1の報知を終了するとともに、第2段階のペナルティ報知として第2の報知を実行するのである。
なお、ゲーム実行時の操作態様の判定は、ゲーム終了時に行われるので、第1の報知から第2の報知への切り替えは、判定対象となったゲームの次のゲーム開始時に行われることとなる。
また、ステップS8での判定は、ゲームにおける役の抽選結果を参照せずに行われることから、第2の報知および第2ペナルティフラグの設定は、ゲームにおける役の抽選結果に関係なく実行されることとなる。
【0133】
次に、ステップS11で、第1ペナルティフラグをリセットする処理と、第2ペナルティフラグをセットする処理を行う。
したがって、第2の操作態様でのゲームの進行が2連続して行われた場合に、第1ペナルティフラグがリセットされるとともに、第2ペナルティフラグがセットされることとなる。
【0134】
なお、第1ペナルティフラグが設定されていて第1の報知が行われている状態で、次のゲームで第2の操作態様が実行された場合、すなわち2ゲーム連続で第2の操作態様が実行された場合に、第2の報知に切り替えるようにしているが、第1ペナルティフラグが設定されている状態で、第2の操作態様が2回以上連続して実行された場合に、第2ペナルティフラグをセットするとともに第2の報知に切り替えるようにしてもよい。
また、第1ペナルティフラグを設定した後、所定数(例えば、5回)のゲームが実行される間を、第2ペナルティフラグをセットするための監視期間とし、この監視期間中に第2の操作態様が所定回数(例えば、2回)実行された場合に、第2ペナルティフラグをセットするとともに第2の報知に切り替えるようにしてもよい。
すなわち、今回のゲームよりも以前の所定期間中に実行されたゲームにおいて、第2の操作態様が実行されている状態で、今回のゲームにおいて第2の操作態様が実行された場合に、第2の報知に切り替えればよいのである。
その後、本ペナルティ処理を終了する。
【0135】
一方、ステップS7において特定条件が成立していると判定された場合、あるいはステップS8において変則押しが行われたと判定された場合には、ステップS12で、第1の報知を終了する処理を行う。
次に、ステップS13で、第1ペナルティフラグをリセット(解除)する処理を行う。
【0136】
したがって、第1ペナルティフラグがセットされて第1の報知が行われている間に、変則押しが行われずに第1の操作態様でのゲームが進行された場合には、第1の報知が終了されるとともに、第1ペナルティフラグがリセットされるのである。
また、第1ペナルティフラグがセットされて第1の報知が行われた後に、第2の操作態様でのゲームの進行が行われた場合でも、特定条件が成立していた場合には、第2ペナルティフラグはセットされないこととなるのである。
その後、本ペナルティ処理を終了する。
【0137】
一方、ステップS6において設定されているペナルティフラグが第2ペナルティフラグであると判定された場合、ステップS14で、第2の操作態様である変則押しによる停止ボタン5の操作が行われたか否かの判定を行う。
変則押しが行われた場合には、本ペナルティ処理を終了し、変則押しが行われていない場合(第1の操作態様が行われた場合)には、ステップS15に移行する。
したがって、変則押しが行われた場合には、第2の報知の終了処理(ステップS15)が行われないこととなるので、以降のゲームにおいて変則押しが行われる毎に第2の報知が継続して行われることとなる。
【0138】
次に、ステップS15で、第2の報知を終了する処理を行い、その後、ステップS16で、第2ペナルティフラグをリセット(解除)する処理を行う。
したがって、第2ペナルティフラグがセットされて第2の報知が行われている間に、変則押しが行われずに第1の操作態様でのゲームが進行された場合には、第2ペナルティフラグがリセットされるとともに、次ゲームから第2の報知が終了されることとなる。
また、この時点では、既に第1の報知も終了されているので、全てのペナルティ報知が終了することとなる。
なお、第2ペナルティフラグがセットされて第2の報知が行われている間に、変則押しが行われずに第1の操作態様でのゲームが進行された場合に、第2の報知を第1の報知に変更(ペナルティ報知を第2段階から第1段階に変更)するとともに、第2ペナルティフラグをリセットし第1ペナルティフラグをセットするようにしてもよい。
その後、本ペナルティ処理を終了する。
【0139】
以上のように、主制御装置10は、通常遊技状態中のゲームにおいて、左停止ボタン5aを最初に停止操作する第1の操作態様が行われたか否か、および左停止ボタン5aを最初に停止操作しない変則押しである第2の操作態様が行われたか否かを判定可能としているのである。
すなわち、主制御装置10は、停止操作手段としての停止ボタン5に対して、第1の操作態様と第2の操作態様とのうちいずれの操作態様で操作が行われたかを判定可能な判定手段を備えるのである。
また、後述するようにペナルティ報知はメイン表示器8において実行されるので、副制御装置20(報知制御手段)およびメイン表示器8(報知実行手段)は、主制御装置10からの制御情報に基づき、ペナルティ報知を実行可能な報知手段を構成するのである。
【0140】
そして、副制御装置20は、変則押しではなく第1の操作態様によりゲームが進行されている状態においては、メイン表示器8におけるペナルティ報知(第1の報知あるいは第2の報知)を実行しないのである。
すなわち、報知手段としての副制御装置20およびメイン表示器8は、判定手段によって第1の操作態様で停止操作手段が操作されたと判定された場合には、第1の報知および第2の報知のいずれも実行不能とするのである。
【0141】
また、報知手段としての副制御装置20およびメイン表示器8は、第2の操作態様としての変則押しによりゲームが進行された場合に、所定条件の成立として第2ペナルティフラグがセットされていない場合には、ペナルティ報知として第1の報知を実行し、第2ペナルティフラグがセットされている場合には、ペナルティ報知として第2の報知を実行するのである。
【0142】
したがって、遊技者にとって不利な操作態様でゲームが進行された場合に、そのことを知らせることが可能となり、遊技者が不利な状態のままゲームを継続してしまうことを防止可能となるのである。
また、ペナルティ報知は段階的に実行されることから、第1段階では通常遊技状態中に実行されている各種演出を阻害することなく不利な操作態様でゲームが進行されていることを遊技者に認識させることが可能となるし、第1段階では不利な操作態様でゲームが進行されていることに気付かなくても、第2段階への変更によりそのことを確実に認識させることが可能となるのである。
【0143】
また、主制御装置10は、今回のゲームよりも前のゲームにおいて第2の操作態様で停止ボタン5が操作されたと判定された場合に、所定条件を成立させるための第2ペナルティフラグを設定するのである。
したがって、段階的なペナルティ報知を確実に実行することが可能となるのである。
【0144】
また、主制御装置10は、第1ペナルティフラグがセットされて第1の報知が行われた後に、第2の操作態様でのゲームの進行が行われた場合でも、特定条件が成立していた場合には、第2ペナルティフラグをセットしない制御を行うのである。
すなわち、主制御装置10は、今回のゲームよりも前のゲームにおいて判定手段(主制御装置10)によって第2の操作態様で停止操作手段(停止ボタン5)が操作されたと判定された後、特定条件が成立した場合には、今回のゲームにおいて判定手段によって第2の操作態様で停止操作手段が操作されたと判定された場合であっても、所定条件を成立させるための第2ペナルティフラグを設定しないのである。
【0145】
したがって、例えば、疑似ボーナス状態の発生、確率設定装置14での設定変更、主制御装置10のリセット、通常遊技状態中に所定時間(例えば、3分)ゲームが実行されなかった場合(呼び込み表示が行われた場合)、返却ボタン2cの操作時等において、ペナルティ報知が実行されることで、遊技者に不快感を与えてしまうことを防止可能となるのである。
【0146】
また、主制御装置10は、第2の操作態様の判定は、ゲームにおける役の抽選結果に関係なく実行し、副制御装置20は、第2の操作態様が実行された場合に、第1の報知を実行するのである。
すなわち、報知手段は、判定手段(主制御装置10)によって第2の操作態様で停止操作手段(停止ボタン5)が操作されたと判定された場合には、決定手段によって当選役として第1特定当選役(押し順ベル役)および第2特定当選役(例えば、共通ベル役)のいずれが決定された場合であっても、第1の報知を実行可能とするのである。
したがって、当選した役に関係なく第1の報知を確実に実行することが可能となるのである。
【0147】
次に、
図8を参照して、上記したペナルティ報知が実行された場合における、メイン表示器8での演出画像について説明する。
図8は、ペナルティ報知が実行されていない状態から、第1段階のペナルティ報知としての第1の報知が実行され、その後、第2段階のペナルティ報知としての第2の報知が実行された場合におけるメイン表示器8での演出画像を示している。
なお、副制御装置20では、主制御装置10からの制御情報に基づき、メイン表示器8においてペナルティ報知に関わる各種演出画像を表示するようにしている。
したがって、副制御装置20(報知制御手段)とメイン表示器8(報知実行手段)により、本発明における報知手段が構成される。
【0148】
まず、
図8(a)に示すように、通常遊技状態中において、ペナルティ報知が実行されていない場合には、前述したように、メイン表示器8の画面主要部に、所定のキャラクタを模した画像であって通常遊技状態中であることを報知するキャラクタ画像30aが表示される。
なお、メイン表示器8の画面には、図示は省略するが、その他キャラクタ画像30aの背景となる背景画像(例えば、草原の背景)が表示される。
【0149】
上記状態でのゲームにおいて、第2の操作態様(例えば、図示の「5c→5a→5b」の操作態様)での停止ボタン5の停止操作が行われた場合には、第1ペナルティフラグが設定されるとともに、次ゲームから第1段階目のペナルティ報知として第1の報知が実行されることとなる。
【0150】
そして、
図8(b)に示すように、次ゲームが開始されると、キャラクタ画像30aが縮小された縮小キャラクタ画像30bに変化するとともに、画面の左下方向に移動表示される。
また、背景画像が特別背景画像32に変更されることとなる。
したがって、キャラクタ画像30aから縮小キャラクタ画像30bへの変更、および背景画像が特別背景画像32への変更により第1の報知が実行されることとなる。
なお、特別背景画像32は、背景画像が通常の背景画像から変化したことを遊技者が認識できれば何れでもよく、例えば、昼間の草原の背景から、夜の草原の背景に変化するものでもよい。
【0151】
そして、
図8(c)に示すように、第1の報知が実行されている状態でのゲームにおいて、再度第2の操作態様(例えば、図示の「5b→5a→5c」の操作態様)での停止ボタン5の停止操作が行われた場合、すなわち2連続で第2の操作態様が行われた場合には、第2ペナルティフラグが設定されるとともに、次ゲームから第2段階目のペナルティ報知として第2の報知が実行されることとなる。
【0152】
そして、
図8(d)に示すように、次ゲームが開始されると、特別背景画像32上に縮小キャラクタ画像30bが表示された状態のまま、画面の略中央部に、キャラクタからのセリフを模した画像(吹き出し画像)であって操作態様に関する注意を示す、「左から押した方がお得だよ」の文字情報を含む操作注意画像33が追加表示されることとなる。
したがって、操作注意画像33の追加表示により第2の報知が実行されることとなる。
また、図示は省略するが、第1あるいは第2の報知が実行されている間に、第1の操作態様が実行された場合、あるいは特定条件が成立した場合には、次ゲームから
図8(a)に示す通常の画像に復帰することとなる。
【0153】
なお、操作注意画像33は、第2の操作態様でゲームを進行すると遊技者が不利となることを報知あるいは示唆するものであれば何れでもよく、例えば、文字情報以外の記号情報でもよい。
また、本実施形態においては、第2の報知を、第1の報知時に表示されていた画像に加えて操作注意画像33を追加表示することで実行するようにしているので、第2の報知の実行時には第1の報知時に表示されていた画像も残っているが、この時点では第1の報知は終了していることとなる。
【0154】
以上のように、第1の報知および第2の報知が実行された場合には、メイン表示器8において夫々対応する演出画像が表示されることとなる。
したがって、第2の操作態様でのゲームの進行が行われたことを、メイン表示器8において遊技者に明確に認識させることが可能となるのである。
また、第1の報知は、通常表示されているキャラクタの画像の大きさや表示位置を変更するとともに、背景を変更することで実行されることから、ゲームの進行にそれほど影響を与えずに何ら違和感なく第1の報知を実行することが可能となるのである。
【0155】
一方、第2の報知は、上記第1の報知に加えて、遊技者にとって不利なゲームが行われていることを報知する文字情報が表示されることから、第1の報知が実行されたにもかかわらず、第2の操作態様でゲームを進行させた遊技者に対して、確実に遊技者にとって不利なゲームが行われていること認識させることが可能となるのである。
すなわち、段階的にペナルティ報知を行うことで、演出内容への影響を抑えつつ効果的に遊技者にとって不利なゲームが行われていること認識させることが可能となるのである。
【0156】
なお、本実施形態においては、第2の報知を、第1の報知時に表示されていた画像に加えて操作注意画像33を追加表示することで実行するようにしているが、第1の報知と第2の報知を全く異なる画像を表示することで実行するようにしてもよい。
また、メイン表示器8において第1の報知および第2の報知を実行するようにしているが、サブ表示器17で第1の報知および第2の報知を実行するようにしてもよい。
また、メイン表示器8とサブ表示器17の両方で第1の報知および第2の報知を実行するようにしてもよく、例えば、第1の報知をサブ表示器17で実行し、第2の報知をメイン表示器8、あるいはメイン表示器8とサブ表示器17の両方で実行するようにしてもよい。
【0157】
また、ランプ11の発光態様により、第1の報知および第2の報知を実行するようにしてもよい。
また、メイン表示器8とランプ11の両方で第1の報知および第2の報知を実行するようにしてもよく、例えば、第1の報知をランプ11で実行し、第2の報知をメイン表示器8、あるいはメイン表示器8とランプ11の両方で実行するようにしてもよい。
【0158】
また、スピーカ9からの音出力により、第1の報知および第2の報知を実行するようにしてもよい。
また、メイン表示器8とスピーカ9の両方で第1の報知および第2の報知を実行するようにしてもよく、例えば、第1の報知をスピーカ9で実行し、第2の報知をメイン表示器8、あるいはメイン表示器8とスピーカ9の両方で実行するようにしてもよい。
また、リール4を停止させた際に出力される停止音について、第1の操作態様の場合には、心地よい音階(例えば「ド・レ・ミ」)で発生させ、第2の操作態様の場合には、不快な音階(例えば「シ・ラ・ファ」)のように、遊技を行う上で、しっくり来ない音程による停止音を発生させることで、第2の操作態様が遊技者にとって不利であることを報知してもよい。この場合、疑似ボーナス状態中等は、どのような押し順でも同じ停止音とすることが好ましい。
【0159】
次に、
図9を参照して、レア役当選時に実行される当選演出について説明する。
本実施形態のスロットマシン1においては、通常遊技状態中のゲームにおいて、レア役に当選した場合に、例えば、メイン表示器8において、レア役に当選したことを報知する1ゲーム完結型の当選演出を実行するようにしている。
また、レア役に当選した場合には、前述したように、疑似ボーナス状態の移行抽選も行われることから、当選演出の演出態様(表示態様)を変更することで、疑似ボーナス状態の移行抽選を示唆するような当選演出を実行可能としている。
さらに、本実施形態のスロットマシン1においては、ペナルティ報知の実行の有無に応じて、当選演出の演出態様の選択率を変更することで、ペナルティ報知が実行されている場合と、実行されていない場合とで、異なる当選演出を実行可能としている。
【0160】
まず、
図9(a)を参照して、ペナルティ報知が実行されていない状態において、レア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合のメイン表示器8での演出画像について説明する。
図9(a)に示すように、ペナルティ報知(第1の報知および第2の報知)が実行されていない状態においては、キャラクタ画像30aおよび昼間の草原の背景が表示されることとなるが、このときのゲームにおいて、レア役に当選した場合には、メイン表示器8の画面主要部に、例えば、キャラクタからのセリフを模した画像(吹き出し画像)であって疑似ボーナス状態の移行当選期待度を示唆する、「激アツ」の文字情報を含む第1当選演出画像35aが表示されることとなる。
また、メイン表示器8における第1当選演出画像35aの表示に対応して、当選演出としてスピーカ9から所定の効果音が出力されるとともに、ランプ11において所定の装飾発光が実行される。
【0161】
当選演出が実行された場合に表示される当選演出画像には、文字情報が「激アツ」と、「チャンス」の2種類が予め設けられていて、疑似ボーナス状態の移行抽選結果に応じて何れかの画像が選択されることとなる。
例えば、ペナルティ報知が実行されていない状態でレア役に当選した際には、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、20%の確率で「チャンス」が選択され、80%の確率で「激アツ」が選択される。
一方、上記同様の状態で、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、80%の確率で「チャンス」が選択され、20%の確率で「激アツ」が選択される。
したがって、「チャンス」が表示された場合よりも「激アツ」が表示された場合の方が、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選している確率が極めて高まるのである。
【0162】
次に、
図9(b)は、ペナルティ報知(第1の報知)が実行されている状態において、レア役(例えば、強チェリー役)に当選した場合のメイン表示器8での演出画像を示している。
図9(b)に示すように、ペナルティ報知(第1の報知)が実行されている状態においては、縮小キャラクタ画像30bおよび特別背景画像32が表示されることとなるが、このときのゲームにおいて、レア役に当選した場合には、メイン表示器8の画面主要部に、例えば、「チャンス」の文字情報を含む第2当選演出画像35bが表示される。
また、メイン表示器8における第2当選演出画像35bの表示に対応して、当選演出としてスピーカ9から所定の効果音が出力されるとともに、ランプ11において所定の装飾発光が実行される。
【0163】
ペナルティ報知(第1の報知)が実行されている状態において表示される当選演出画像には、ペナルティ報知が実行されていない場合と同様に、文字情報が「激アツ」と、「チャンス」の2種類が予め設けられているが、画像の選択率がペナルティ報知が実行されていない場合と異なる選択率で選択されることとなる。
例えば、ペナルティ報知が実行されている状態でレア役に当選した際には、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選した場合には、40%の確率で「チャンス」が選択され、60%の確率で「激アツ」が選択される。
一方、上記同様の状態で、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選しなかった場合には、40%の確率で「チャンス」が選択され、60%の確率で「激アツ」が選択される。
【0164】
したがって、ペナルティ報知が実行されている場合でも、「チャンス」が表示された場合よりも「激アツ」が表示された場合の方が、疑似ボーナス状態の移行抽選に当選している確率が高まることとなるが、ペナルティ報知が実行されていない場合よりも、「激アツ」が表示されても疑似ボーナス状態に当選していない確率が高まり、逆に、「チャンス」が表示されても疑似ボーナス状態に当選している確率が高まることとなるのである。
すなわち、ペナルティ報知が実行されていない場合の方が、ペナルティ報知が実行されている場合よりも、疑似ボーナス状態に当選していることに対する信頼度の高い当選演出が実行されるのである。
なお、上記では第1の報知が実行されている場合を例示しているが、第2の報知が実行されている場合も上記同様の当選演出の選択制御が行われる。
【0165】
以上のように、本実施形態のスロットマシン1においては、副制御装置20は、ペナルティ報知の実行の有無に応じて、当選演出の表示態様を変更可能とするのである。
したがって、遊技内容がより多彩化して遊技の興趣性を向上させることが可能となるのである。
また、ペナルティ報知が実行されていない場合の方が、ペナルティ報知が実行されている場合よりも、疑似ボーナス状態に当選していることに対する信頼度の高い当選演出が実行されるので、ペナルティ報知が実行されていない場合の方が、より遊技者にとって有益な情報が表示されるので、遊技者は、通常遊技状態中において、第2の操作態様でゲームを進行しないように遊技を行うこととなるのである。
【0166】
なお、ペナルティ報知が実行されていない場合の方が、ペナルティ報知が実行されている場合よりも、信頼度の高い当選演出が実行されれば、各当選演出の選択率は上記以外でもよい。
以上のように、本実施形態におけるペナルティ報知機能が実現される。
【0167】
[携帯端末との連携機能]
次に、
図10、
図11を参照して、本実施形態のスロットマシン1における携帯端末との連携機能について説明する。
本実施形態のスロットマシン1においては、遊技者が保有する携帯端末との連携機能を有していて、例えば、スロットマシン1で遊技した結果である遊技者個別の遊技データを自己の携帯端末で確認可能としている。
【0168】
まず、
図10を参照して、遊技者保有の携帯端末との連携機能の概略について説明する。
遊技者が上記連携機能を利用する場合には、まず、専用のソフトを自己の携帯端末装置40において取り入れた後、専用ソフト上で入手したパスワードを、スロットマシン1のタッチパネル式のサブ表示器17において入力して遊技を開始する。
なお、遊技者は上記パスワードの入力を行うに際して、サブ表示器17において所定のパスワード入力開始操作を行うことでパスワードの入力画面を表示し、その後入力画面上でパスワードの入力を行う。
そして、スロットマシン1では、パスワードの入力により、該当遊技者についての個別遊技データの収集を開始することとなる。
すなわち、パスワードを入力した副制御装置20は、主制御装置10からのゲームに関わる情報の入力に基づき、その時点から個別遊技データの収集を開始するのである。
【0169】
遊技者が当該スロットマシン1での遊技を終了する場合には、スロットマシン1のサブ表示器17で発行されたQRコード(登録商標)を携帯端末装置40で読み取って、自身の個別遊技データを入手することとなる。
すなわち、副制御装置20では、例えば、サブ表示器17での遊技の終了操作の入力に基づき、それまで取集していた個別遊技データを特定可能な情報をQRコードで出力するのである。
また、遊技者が次回の遊技を行う際には、入手した個別遊技データと関連したパスワードが発行され、次回以降の個別遊技データは、同一機種のスロットマシン1で遊技した全ての個別遊技データも入手可能となっている。
【0170】
スロットマシン1の副制御装置20では、上記個別遊技データとして、ゲームを実行する際の停止ボタン5の操作態様に関わるデータも収集可能としていて、例えば、第1の操作態様でゲームを進行したゲーム回数を計数して、第1の操作態様での連続ゲーム回数を生成可能となっている。
そして、遊技の終了時に発行されるQRコードには、個別遊技データとして生成した第1の操作態様での連続ゲーム回数を特定可能な情報も含まれ、遊技者保有の携帯端末装置40に対して第1の操作態様での連続ゲーム回数を特定可能な情報を出力するのである。
【0171】
また、携帯端末装置40においては、専用ソフト上で第1の操作態様での連続ゲーム回数に関わる各種条件(ミッション)が予め設定されていて、各条件をクリアした場合に、所定のサービスを携帯端末装置40において提供可能としている。
第1の操作態様での連続ゲーム回数に関わる条件としては、例えば、条件1(順押しミッション1)として、第1の操作態様での連続ゲーム回数が1000回に達した場合、条件2(順押しミッション2)として、第1の操作態様での連続ゲーム回数が2000回に達した場合等がある。
【0172】
そして、例えば、条件1(順押しミッション1)をクリアした場合には、
図11に示すように、携帯端末装置40の画面において、特典画像41を表示することでサービスが提供されることとなるのである。
なお、特典画像41としては、遊技者が満足する画像や、遊技者に有益な情報を提供可能な画像等の遊技者が第1の操作態様でのゲームを実行する動機付けとなるものであれば何れでもよく、例えば、通常では入手できない画像でもよいし、遊技した遊技機における確率設定装置14での設定値を示唆する画像でもよい。
【0173】
以上のように、本実施形態のスロットマシン1においては、副制御装置20は、パスワードの入力操作等に基づき、遊技者によるスロットマシン1でのゲーム結果である個別遊技データを収集可能としているのである。
また、副制御装置20では、個別遊技データとして、第1の操作態様での連続ゲーム回数も生成可能としているのである。
すなわち、副制御装置20は、遊技者による所定操作(パスワードの入力操作等)に基づき、当該遊技者が停止操作手段(停止ボタン5)を第1の操作態様で操作したことに関わる個別遊技データを生成可能な個別遊技データ生成手段を備えるのである。
【0174】
また、副制御装置20は、遊技の終了に際してサブ表示器17においてQRコードを発行することで、遊技者所有の携帯端末装置40に対して、生成した個別遊技データを特定可能な情報を出力するのである。
すなわち、副制御装置20は、個別遊技データ生成手段(副制御装置20)が生成した個別遊技データを特定可能な情報を外部に出力可能な外部出力手段を備えるのである。
したがって、例えば、遊技者所有の携帯端末装置40において、個別遊技データを参照したり、個別遊技データを利用した各種サービスを実現したりすることが可能となるのである。
また、個別遊技データには、第1の操作態様での連続ゲーム回数も含まれることから、第1の操作態様での連続ゲーム回数を利用したサービスを実現することが可能となり、遊技者による第2の操作態様でのゲームの実行を抑制することが可能となるのである。
【0175】
なお、本実施形態においては、スロットマシン1から遊技者保有の携帯端末装置40に対して、QRコードを発行することで、第1の操作態様での連続ゲーム回数を特定可能な情報を出力しているが、第1の操作態様での連続ゲーム回数を特定可能な情報を出力するものであれば上記以外でもよい。
また、副制御装置20において、第1の操作態様での連続ゲーム回数に関わる各種条件(ミッション)を予め設定して、各条件がクリアされた場合に、所定のサービスに関わる画像をサブ表示器17において表示するようにしてもよい。すなわち、サブ表示器17において特典を付与可能な画像を表示してもよいのである。
【0176】
また、遊技者に特典を付与する条件としては、上記したもの以外でもよく、例えば、所定数のゲームが実行された間において、特定数以上第1の操作態様が実行された場合等の、第1の操作態様の連続実行を条件にしないものでもよい。
また、遊技者に付与する特典としては、画像の表示以外でもよく、例えば、専用ソフト上での遊技レベルを所定段階上げるものでもよい。
また、第1の操作態様が所定回数連続して実行された場合に、所定数のポイントを付与し、このポイントが特定数に達した場合に、遊技者に対する特典として、例えば、確率設定装置14での設定値を示唆する画像を表示するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態における携帯端末との連携機能が実現される。
【0177】
以上、本実施形態のスロットマシン1について説明したが、ペナルティ報知を特別遊技状態中に実行するようにしてもよい。例えば、第2の操作態様でゲームを進行した状態(ペナルティフラグがセットされた状態)で、そのまま疑似ボーナス状態に移行した場合や、最終的に疑似ボーナス状態に移行するまでに所定回数以上第2の操作態様が実行された場合に、疑似ボーナス状態中の押し順を指示するボイスを不機嫌そうなトーンのボイスに変化するようにしてもよい。
【0178】
また、第1の操作態様でゲームを進行させた場合には、リプレイ役の入賞時に遊技者に分かり易い図柄組合せ(例えば、「リプレイ・リプレイ・リプレイ」)が停止するが、第2の操作態様でゲームを進行させた場合には、リプレイ役の入賞時に遊技者に分かり辛い図柄組合せ(例えば、「ベル・チェリー・BAR」)が停止するようにすることで、第1の操作態様でゲームを進行させた方が、役の入賞時に図柄組合せが分かり易く遊技しやすいと認識させるようにしてもよい。
【0179】
また、所謂リアルボーナスを発生可能なボーナス役を設けるとともに、強チェリー役当選時に必ずボーナス役にも当選して、弱チェリー役当選時には所定確率でボーナス役に当選可能とし、強チェリー役とボーナス役が重複当選した際には、操作態様に関わらず左リール4aの中段にチェリー図柄が停止し、弱チェリー役に当選した場合には、ボーナス役との重複当選の有無に関わらず、第2の操作態様が行われた場合には左リール4aの中段にチェリー図柄を停止するようにしてもよい。
すなわち、第1の操作態様でゲームを進行させた場合の方が、ボーナス役の当選を早期に認識可能にリール4の停止制御を行うようにしてもよい。
【0180】
また、第1の操作態様でゲームを進行させた場合に限り、スイカ役やチェリー役の強弱を判別できるようにリール4の停止制御を行うことで、第1の操作態様でのゲームの進行を促進するようにしてもよい。
例えば、第1の操作態様でゲームを進行させた場合には、強スイカ役当選時は上段平行ラインにスイカ役に対応する図柄組合せを停止させ、弱スイカ役当選時は斜めラインにスイカ役に対応する図柄組合せを停止させるが、第2の操作態様でゲームを進行させた場合には、どちらのスイカ役でも斜めラインに対応する図柄組合せを停止させるようにしてもよい。
また、役の強弱に設定差を設けるようにして、強弱を見抜かないと設定差も見抜けないという構成にしてもよい。
【0181】
以上説明したように、本発明においては、複数の識別情報を変動表示可能な変動表示手段(リール4)と、前記変動表示手段の変動表示を停止させるために操作可能な停止操作手段(停止ボタン5)と、を有する遊技機(スロットマシン1)において、前記停止操作手段に対する操作態様に関連して所定の報知を実行可能な報知手段(副制御装置20、メイン表示器8)と、前記停止操作手段に対して、第1の操作態様と第2の操作態様とのうちいずれの操作態様で操作が行われたかを判定可能な判定手段(主制御装置10)と、を備え、前記所定の報知には、第1の報知と、前記第1の報知とは異なる第2の報知と、が含まれ、前記報知手段は、前記判定手段によって前記第1の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合には、前記第1の報知および第2の報知のいずれも実行不能とし、前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定され、かつ、所定条件が成立していない場合には、前記第1の報知を実行可能とし、前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定され、かつ、前記所定条件が成立している場合には、前記第2の報知を実行可能とし、前記所定条件は、今回のゲームよりも前のゲームにおいて前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定され場合に成立可能な構成としている。
【0182】
したがって、第2の操作態様で停止操作手段が操作された場合に、そのことを遊技者に認識させることが可能となり、例えば、遊技者が不利な状態のままゲームを継続してしまうことを防止可能となる。
また、第1の報知と第2の報知とにより、操作態様に関わる報知が段階的に行われることとなるので、遊技者の認識状態に応じて効率よく操作態様に関わる報知を行うことが可能となる。
【0183】
なお、「第1の報知とは異なる第2の報知」とは、第1の報知と第2の報知における報知態様が異なることを示し、例えば、第1の報知をランプの発光だけとした場合に、第2の報知をランプの発光(発光態様は同一)と音出力としてもよいし、第1の報知を音出力とした場合に、第2の報知を表示器での画像表示としてもよい。
また、「今回のゲームよりも前のゲーム」とは、1ゲーム前も含むし、複数回前のゲームも含む。
また、所定条件の成立は、2ゲーム連続して第2の操作態様で停止操作手段が操作された場合に成立する他、3回以上のゲームで連続して第2の操作態様で停止操作手段が操作された場合に成立するものでもよいし、直近の所定回数のゲーム中特定回数のゲームにおいて第2の操作態様で停止操作手段が操作された場合に成立するものでもよい。
【0184】
また、前記所定条件は、今回のゲームよりも前のゲームにおいて前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された後、特定条件が成立した場合には、今回のゲームにおいて前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合であっても成立しない構成としている。
したがって、例えば、疑似ボーナス状態の発生、確率設定装置14での設定変更、主制御装置10のリセット、通常遊技状態中に所定時間(例えば、3分)ゲームが実行されなかった場合(呼び込み表示が行われた場合)、返却ボタン2cの操作時等において、第2の報知が実行されてしまうことで、遊技者に不快感を与えてしまうことを防止可能となる。
【0185】
また、遊技者にとって有利な特別遊技状態に制御可能な制御手段(主制御装置10)を備え、前記制御手段は、前記第1の操作態様で前記停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合の方が、前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合よりも、前記特別遊技状態を発生する割合が高くなるように制御可能な構成としている。
【0186】
したがって、第1の操作態様で停止操作手段を操作した場合の方が、第2の操作態様で停止操作手段を操作した場合よりも、遊技者にとって有利となり、遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
また、遊技者に対して、第1の停止操作態様での停止操作手段の操作を促進することが可能となる。
なお、制御手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0187】
また、前記第1の操作態様で前記停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合の方が、前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されるゲームが所定回数実行される場合よりも所定単位ゲーム数あたりに消費される遊技価値が多くなるような構成としている。
したがって、第1の操作態様で停止操作手段が操作された場合には、第2の操作態様で停止操作手段が操作された場合よりも遊技価値の消費量が多くなるので、遊技店が不利益となることを防止可能となる。
また、遊技者は、遊技価値の消費率の低い第2の操作態様で停止操作手段を操作することも可能となるので、ゲームの進行態様に対して複数の選択肢を遊技者に提供することとなり、遊技の興趣性を向上させることが可能となる。
【0188】
また、前記変動表示手段に停止表示される識別情報に関連する当選役を決定する決定手段(主制御装置10)を備え、前記停止操作手段は複数の操作手段(左停止ボタン5a、中停止ボタン5b、右停止ボタン5c)から構成され、前記決定手段は、前記停止操作手段を構成する複数の操作手段への操作順序が特定の操作順序(特定の押し順:「5a→5b→5c」、「5a→5c→5b」)である場合に前記変動表示手段に第1特定識別情報(「ベル・ベル・ベル」)が停止可能となる第1特定当選役(例えば、押し順ベル役1)を前記当選役として決定可能とし、前記停止操作手段を構成する複数の操作手段への操作順序がいずれの操作順序であっても前記変動表示手段に第2特定識別情報(例えば、「スイカ・スイカ・スカイ」)が停止可能となる第2特定当選役(例えば、スイカ役)を前記当選役として決定可能とし、前記報知手段は、前記判定手段によって前記第2の操作態様で前記停止操作手段が操作されたと判定された場合には、前記決定手段によって前記当選役として前記第1特定当選役および前記第2特定当選役のいずれが決定された場合であっても、前記第1の報知を実行可能な構成としている。
したがって、当選した役に関係なく第1の報知を確実に実行することが可能となる。
【0189】
また、遊技者による所定操作に基づき、当該遊技者が前記停止操作手段を前記第1の操作態様で操作したことに関わる個別遊技データを生成可能な個別遊技データ生成手段(副制御装置20)と、前記個別遊技データ生成手段が生成した個別遊技データを特定可能な情報を外部に出力可能な外部出力手段(副制御装置20)と、を備えた構成としている。
したがって、例えば、遊技者所有の携帯端末において、個別遊技データを参照したり、個別遊技データを利用した各種サービスを実現したりすることが可能となる。
【0190】
なお、報知手段、判定手段は、制御手段、決定手段、個別遊技データ生成手段、外部出力手段は、主制御装置10が備えるものであってもよいし副制御装置20が備えるものであってもよい。また、主制御装置10と副制御装置20の協働により構成されるものであってもよい。
【0191】
一方、特許文献1には、抽選対象として、停止ボタンの操作順序を問わずに対応する図柄組合せが停止可能な第1の抽選対象と、停止ボタンが予め指定された順序で操作されたときに対応する図柄組合せが停止可能な第2の抽選対象と、を少なくとも有し、報知手段は、第1の抽選対象に当選した場合、第1の順序を報知し、第2の抽選対象に当選した場合、第1の順序を報知しないようにした遊技機が開示されている。
しかしながら、従来の遊技機においては、操作順序に対して遊技者が満足する報知を行うものではなかった。
このように、本発明のスロットマシン1によれば、従来の遊技機が改善すべき、このような課題の全部又は一部などを解決することができる。
【0192】
以上、本発明の遊技機の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る遊技機は前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、特別遊技状態として疑似ボーナス状態を発生するものとしたが、AT状態、ART状態またはRT状態を発生するようにしてもよい。
【0193】
また、本実施形態では、報知手段として、メイン表示器8、サブ表示器17、スピーカ9、ランプ11を例示しているが、報知手段としては、モータやスピーカ等の作動により例えば前扉1aを振動させる振動手段や、遊技者に向けて風を吹き付ける送風手段で構成してもよい。
【0194】
また、前述の実施形態では、抽選手段(決定手段)などの各種手段としての動作を主制御装置10が行ったが、副制御装置20がその一部又は全部を行い、副制御装置20が各種手段として動作することもできる。
また、反対に、副制御装置20が実行する動作を、主制御装置10がその一部又は全部を行い、主制御装置10が各種手段として動作することもできる。
【0195】
また、本発明をスロットマシンに適用したがパチンコ(例えば、玉スロ)などその他の遊技機に適用することもできる。
また、メダル、遊技球等の現物の遊技媒体を用いることなく、データ形式の疑似遊技媒体を用いてゲームを実行可能な、いわゆる封入式遊技機にも、本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0196】
1:スロットマシン
2:ベットボタン
2d:演出ボタン
4:リール
5:停止ボタン
8:メイン表示器
10:主制御装置
14:確率設定装置
17:サブ表示器
20:副制御装置