(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】コーンバー嵌合体、コーンバーおよびロードコーン・コーンバー組立セット
(51)【国際特許分類】
E01F 13/00 20060101AFI20250304BHJP
E01F 13/02 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
E01F13/00 301
E01F13/02 A
(21)【出願番号】P 2024128593
(22)【出願日】2024-08-03
【審査請求日】2024-08-03
(31)【優先権主張番号】P 2024089923
(32)【優先日】2024-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511173169
【氏名又は名称】株式会社トップ
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】河江 宏幸
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-114916(JP,U)
【文献】特許第7162316(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 13/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードコーンとロードコーンの間に架設するコーンバーを構成する棒状のバー本体の両端又は一端に設けられるコーンバー嵌合体であって、
コーンバー嵌合体は、ロードコーンのコーン上部に嵌合する環状の環状部を備え、コーンバーの端部となる環状部先端で分割し、架設したコーンバーを周方向に回転させることで、環状部先端が上下方向に分離して、ロードコーンのコーン上部との嵌合を解除させることを特徴としたコーンバー嵌合体。
【請求項2】
コーンバー嵌合体は、バー本体に取り付けるための取付部をその内部又は外部に設けた握持部を備え、この握持部に対して、分割した各々の環状部が上下方向に折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えることを特徴とした請求項1記載のコーンバー嵌合体。
【請求項3】
コーンバー嵌合体は、分割した各々の環状部が左右方向にも開閉可能で、さらに環状部を閉鎖状態に付勢する付勢部材を制御する操作レバーを握持部に備えることを特徴とした請求項2記載のコーンバー嵌合体。
【請求項4】
握持部と取付部は接続部を介して接続し、接続部は、握持部又は取付部のどちらか一方の周方向への一定角度以上の回転によって初めてその回転を他方へ連動させる連動制御機能を備えることを特徴とした請求項2又は3記載のコーンバー嵌合体。
【請求項5】
分割した環状部先端の当接面の各々にマグネットを備えることを特徴とした請求項1から3記載のいずれかに記載のコーンバー嵌合体。
【請求項6】
ロードコーンとロードコーンの間に架設するコーンバーであって、
棒状のバー本体の両端に設けられ、ロードコーンのコーン上部に嵌合する環状の環状部を備えたコーンバー嵌合体の双方又は片方を、コーンバーの端部となる環状部先端で分割し、架設したコーンバーを周方向に回転させることで、環状部先端が上下方向に分離して、ロードコーンのコーン上部との嵌合を解除させることを特徴としたコーンバー。
【請求項7】
コーンバーは、バー本体に取り付けるための取付部をその内部又は外部に設けた握持部を備え、この握持部に対して、分割した各々の環状部が上下方向に折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えることを特徴とした請求項6記載のコーンバー。
【請求項8】
コーンバーは、分割した各々の環状部が左右方向にも開閉可能で、さらに環状部を閉鎖状態に付勢する付勢部材を制御する操作レバーを握持部に備えることを特徴とした請求項7記載のコーンバー。
【請求項9】
握持部と取付部は接続部を介して接続し、接続部は、握持部又は取付部のどちらか一方の周方向への一定角度以上の回転によって初めてその回転を他方へ連動させる連動制御機能を備えることを特徴とした請求項7又は8記載のコーンバー。
【請求項10】
分割した環状部先端の当接面の各々にマグネットを備えることを特徴とした請求項6から8記載のいずれかに記載のコーンバー。
【請求項11】
ロードコーンと請求項6から8のいずれかに記載のコーンバーとを備えることを特徴としたロードコーン・コーンバー組立セット。
【請求項12】
バー本体が外筒と内筒とを組み合わせてなり、外筒または内筒の一方を固定するともう一方が伸縮自在且つ回転自在であることを特徴とした請求項1から3のいずれかに記載のコーンバー嵌合体。
【請求項13】
バー本体が外筒と内筒とを組み合わせてなり、外筒または内筒の一方を固定するともう一方が伸縮自在且つ回転自在であることを特徴とした請求項6から8のいずれかに記載のコーンバー。
【請求項14】
ロードコーンと請求項13に記載のコーンバーとを備えることを特徴としたロードコーン・コーンバー組立セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ロードコーン(いわゆるカラーコーン:登録商標)どうしの間に架設するコーンバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロードコーンは、それ単体でも使用されることがあるが、ロードコーンとロードコーンの間をコーンバーで架設して使用されることも多い(特許文献1の第5図等を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平2-89007号公報
【文献】特許第7162316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図24は、ロードコーン50とロードコーン50の間にコーンバー60を架設した状態を図示したものである。
コーンバー60,60,…は、ロードコーン50,50の間を連続して架設していく。このため、コーンバー60の両端に設けられた環状の嵌合体62,62は、隣り合うコーンバー60の嵌合体62,62と必ず重なり合うことになる。
【0005】
人の出入りや規制帯の変更等で特定のコーンバー60を外す必要が生じた場合に、上側に位置する嵌合体62は簡単に外せるが(「○」印で図示した
図14(2)の嵌合体62)、下側に位置する嵌合体62は、簡単に外せない(「×」印で図示した
図14(3)の嵌合体62)。すなわち、下側に位置する嵌合体62を外すためには、一旦上側に位置する嵌合体62を外す必要がある。
【0006】
そこで、本願発明者は、前記した従来のコーンバーの課題を解決して、ロードコーンのコーン上部から嵌合体を簡単且つ確実に外すことのできるコーンバーを提供すべく、特許文献2で開示の特許発明を完成させた。そして、本願発明者は、それをさらに進化させて本願発明を完成させるに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(コーンバー嵌合体に関する発明)
本願発明の第1の発明は、ロードコーンとロードコーンの間に架設するコーンバーを構成する棒状のバー本体の両端又は一端に設けられるコーンバー嵌合体であって、コーンバー嵌合体は、ロードコーンのコーン上部に嵌合する環状の環状部を備え、コーンバーの端部となる環状部先端で分割し、架設したコーンバーを周方向に回転させることで、環状部先端が上下方向に分離して、ロードコーンのコーン上部との嵌合を解除させることを特徴としたコーンバー嵌合体である。
第2の発明は、コーンバー嵌合体が、バー本体に取り付けるための取付部をその内部又は外部に設けた握持部を備え、この握持部に対して、分割した各々の環状部が上下方向に折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えることを特徴とした前記第1の発明に係るコーンバー嵌合体である。
第3の発明は、コーンバー嵌合体が、分割した各々の環状部が左右方向にも開閉可能で、さらに環状部を閉鎖状態に付勢する付勢部材を制御する操作レバーを握持部に備えることを特徴とした前記第2の発明に係るコーンバー嵌合体である。
第4の発明は、握持部と取付部が接続部を介して接続し、接続部は、握持部又は取付部のどちらか一方の周方向への一定角度以上の回転によって初めてその回転を他方へ連動させる連動制御機能を備えることを特徴とした前記第2又は第3の発明に係るコーンバー嵌合体である。
第5の発明は、分割した環状部先端の当接面の各々にマグネットを備えることを特徴とした前記第1から第4の発明のいずれかに係るコーンバー嵌合体である。
【0008】
(コーンバーに関する発明)
本願発明の第6の発明は、ロードコーンとロードコーンの間に架設するコーンバーであって、棒状のバー本体の両端に設けられ、ロードコーンのコーン上部に嵌合する環状の環状部を備えたコーンバー嵌合体の双方又は片方を、コーンバーの端部となる環状部先端で分割し、架設したコーンバーを周方向に回転させることで、環状部先端が上下方向に分離して、ロードコーンのコーン上部との嵌合を解除させることを特徴としたコーンバーである。
第7の発明は、コーンバーが、バー本体に取り付けるための取付部をその内部又は外部に設けた握持部を備え、この握持部に対して、分割した各々の環状部が上下方向に折曲可能で且つ折曲後の復元力を兼ね備えることを特徴とした前記第6の発明に係るコーンバーである。
第8の発明は、コーンバーが、分割した各々の環状部が左右方向にも開閉可能で、さらに環状部を閉鎖状態に付勢する付勢部材を制御する操作レバーを握持部に備えることを特徴とした前記第7の発明に係るコーンバーである。
第9の発明は、握持部と取付部が接続部を介して接続し、接続部は、握持部又は取付部のどちらか一方の周方向への一定角度以上の回転によって初めてその回転を他方へ連動させる連動制御機能を備えることを特徴とした前記第7又は第8の発明に係るコーンバーである。
第10の発明は、分割した環状部先端の当接面の各々にマグネットを備えることを特徴とした前記第6から第9の発明のいずれかに係るコーンバーである。
【0009】
(ロードコーン・コーンバー組立セットに関する発明)
第11の発明は、ロードコーンと前記第6から第10の発明のいずれかに係るコーンバーとを備えることを特徴としたロードコーン・コーンバー組立セットである。
【0010】
(バー本体が伸縮バーである場合の発明)
第12の発明は、バー本体が外筒と内筒とを組み合わせてなり、外筒または内筒の一方を固定するともう一方が伸縮自在且つ回転自在であることを特徴とした前記第1から第5の発明のいずれかに係るコーンバー嵌合体である。
第13の発明は、バー本体が外筒と内筒とを組み合わせてなり、外筒または内筒の一方を固定するともう一方が伸縮自在且つ回転自在であることを特徴とした前記第6から第10の発明のいずれかに係るコーンバーである。
第14の発明は、ロードコーンと前記第13の発明に係るコーンバーとを備えることを特徴としたロードコーン・コーンバー組立セットである。
【発明の効果】
【0011】
本願発明によれば、以下の効果を有する。
(1)架設したコーンバー(又はバー本体等)を周方向に回転させるだけ(ひねるだけ)で、分割した環状部先端が上下方向に分離して、コーンバーとロードコーン(のコーン上部)との嵌合(嵌め込み)を解除させることができる。すなわち、コーンバー嵌合体の上側に隣り合うコーンバーのコーンバー嵌合体があったとしても、上側のコーンバー嵌合体の存在が障害とならずに、当該コーンバー嵌合体をロードコーンのコーン上部から外すことが可能になる。
(2)コーンバー嵌合体の握持部に対して、分割した各々の環状部が上下方向に折曲可能なことから、分割した各環状部先端が上下方向に分離しやすくなり、よりスムーズに嵌合体をロードコーンから外すことができる。それとともに、一方のコーンバー嵌合体をロードコーンのコーン上部に嵌合したまま、他方のコーンバー嵌合体をロードコーンから外してバー本体部を持ち上げても、嵌合したままのコーンバー嵌合体の環状部が折曲するので、その折曲部分が支点となりバー本体部を無理なく可動できて、人(作業関係者等)が無理の無い姿勢で通行(コーンバー内外への出入り)ができる。また、バー本体部を持ち上げた後、コーンバーを元の状態に戻すと、嵌合したままのコーンバー嵌合体はその復元力により折曲部分が変形せずにバー本体部を持ち上げる以前の状態に戻る(折曲したままの状態にはならない)。
(3)分割した各々の環状部が左右方向にも開閉可能で、さらに環状部を閉鎖状態に付勢する付勢部材を制御する操作レバーを握持部に備えることで、コーンバーの周方向への回転だけでなく、操作レバーを操作することで環状部への付勢を反転させて環状部を開放状態へ転回し、コーンバー嵌合部をロードコーンから外すことができる。
(4)握持部と取付部が接続部を介して接続し、接続部は、握持部又は取付部のどちらか一方の周方向への一定角度以上の回転によって初めてその回転を他方へ連動させる「連動制御機能」を備えることで、コーンバー嵌合体とバー本体との間に周方向への回転に対する「遊び(余裕)」が生まれる。それによって、一方のコーンバー嵌合体はロードコーンのコーン上部に嵌合させたまま、もう一方のコーンバー嵌合体をロードコーンのコーン上部から外すこともスムーズに行える。
(5)分割した環状部先端の当接面の各々にマグネットを備えることで、上下方向或いは左右方向に分離した各環状部が元の状態に戻った時に当接面が当接しやすくなり、環状部の整合状態を確実に回復できる。
(6)バー本体が外筒と内筒とを組み合わせてなり、外筒または内筒の一方を固定するともう一方が回転自在であることで、内筒と外筒のどちらか一方が「連動制御機能」を発揮し、それによって、一方のコーンバー嵌合体はロードコーンのコーン上部に嵌合させたまま、もう一方のコーンバー嵌合体をロードコーンのコーン上部から外すこともスムーズに行える。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(1)。
【
図2】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(2)。
【
図3】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(3)。
【
図4】本願発明の第2実施形態を説明する説明図(1)。
【
図5】本願発明の第2実施形態を説明する説明図(2)。
【
図6】本願発明の第2実施形態を説明する説明図(3)。
【
図7】本願発明の第2実施形態を説明する説明図(4)。
【
図8】本願発明の第2実施形態を説明する説明図(5)。
【
図9】本願発明の第3実施形態を説明する説明図(1)。
【
図10】本願発明の第3実施形態を説明する説明図(2)。
【
図11】本願発明の第3実施形態を説明する説明図(3)。
【
図12】本願発明の第3実施形態を説明する説明図(4)。
【
図13】本願発明の第3実施形態を説明する説明図(5)。
【
図14】本願発明の第4実施形態を説明する説明図(1)。
【
図15】本願発明の第4実施形態を説明する説明図(2)。
【
図16】本願発明の第5実施形態を説明する説明図(1)。
【
図17】本願発明の第5実施形態を説明する説明図(2)。
【
図18】本願発明の第6実施形態を説明する説明図(1)。
【
図19】本願発明の第6実施形態を説明する説明図(2)。
【
図20】本願発明の第7実施形態を説明する説明図(1)。
【
図21】本願発明の第7実施形態を説明する説明図(2)。
【
図22】本願発明の第4乃至第7実施形態を説明する説明図(1)。
【
図23】本願発明の第4乃至第7実施形態を説明する説明図(2)。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願発明に係るコーンバーの実施形態を、図面に基いて説明する。なお、以下に説明する実施形態は本願発明の一例であり、これに限定されるものではない。
【0014】
図1~
図3は、本願発明に係るコーンバーの第1実施形態を説明する説明図である。
図1(a)は、コーンバーの本体を成す棒状のバー本体11Aの両端又は一端に設けられるコーンバー嵌合体20A(以下、「嵌合体20A」という)を図示している。嵌合体20Aは、ロードコーンのコーン上部に嵌合する環状の環状部30Aと、バー本体11Aに取り付けるための取付部45Aと、を備える。
そして、
図1(b)に図示するように、環状部30Aは、その先端31A(コーンバーの端部)を分割している。なお、環状部30Aは、例えば弾性のあるプラスチック製又はゴム製等であるとよい。
【0015】
図2は、ロードコーン50のコーン上部51に嵌合された嵌合体20Aを取り外す様子を図示したものである。
図2(a)に図示する本体部51に嵌合体20Aの環状部30Aが嵌合された状態から、
図2(b)に図示するように、コーンバー(バー本体11A又は取付部45A)をその周方向に回転させる(ひねる)と(回転の方向は問わない。他の実施形態においても同じである。)、それに連動して環状部30Aも回転する。その時、環状部30Aの内径部分がコーン上部51と当接しているので「摩擦」を生じ、分割されている環状部30Aの先端31Aが分離し、隙間(クリアランス)が生まれる。
その結果、
図2(c)に図示するように、本体部51から嵌合体20Aを取り外すことができる。
【0016】
図3は、コーンバー10Aのバー本体11Aの両端に、嵌合体20A,20Aを設けた場合の一使用例を図示したものである。
図3(a)に図示するのは、コーンバー10Aの両方の嵌合体20A,20Aがいずれも隣り合うコーンバー10の嵌合体20の下側にある状態を図示している。この状態では、従来のコーンバーであると、隣り合う上側にあるコーンバー10の嵌合体20を外してからでないと、コーンバーを取り外すことはできなかった。
しかし、
図3(b)に図示するように、コーンバー10Aのバー本体11Aを周方向に回転する(ひねる)だけで、環状部30Aの先端31Aを分離させる(開かせる)ことができる。
そして、
図3(c)に図示するように、隣り合うコーンバー10,10の嵌合体20,20はそのままに、嵌合体20A,20Aをコーン上部51,51から取り外すことができるようになった。
なお、この使用例は、この後に説明する第2実施形態及び第3実施形態においても同じ説明ができる。
【0017】
図4~
図8は、本願発明に係るコーンバーの第2実施形態を説明する説明図である。
図4(a)は、コーンバーの本体を成す棒状のバー本体11Bの両端又は一端に設けられるコーンバー嵌合体20B(以下、「嵌合体20B」という)を図示している。嵌合体20Bは、ロードコーンのコーン上部に嵌合する環状の環状部30Bと、バー本体11Bに取り付けるための取付部45Bを内部に設けた握持部40Bと、を備える。
図4(b)に図示するように、環状部30Bは、バー本体11Bの軸方向に線対称の形で分割して構成されている。そして、環状部30Bを構成する各々の環状パーツ32Bは握持部40Bに対して上下方向に折曲可能(回動自在)となっている。また、環状パーツ32Bは折曲後に復元するため、応力がかからない状態ではバー本体11Bや握持部40Bと同一線上に位置し、先端31Bに隙間(クリアランス)のない環状部30Bを形成する。なお、第2実施形態では、環状パーツ32Bを復元させるためにコイルバネ33Bを使用している(コイルバネ33Bは引きバネ又は押しバネのいずれであっても構わない)が、復元力を付与するものであればこれに限定されない。また、環状部30Bの先端31Bを構成する各環状パーツ32Bの先端当接面34Bには、マグネット35Bを備える(第3実施形態においても同じ)。これにより、上下方向に分離した各環状パーツ32Bが復元した時に先端当接面34Bどうしが当接しやすくなり、環状部30Bの整合状態を確実に回復・維持できる
【0018】
図4(a)及び(b)では、握持部40Bが、バー本体11Bの一端に取り付けるための取付部45Bを内部に備えている状態も図示している。この握持部40Bと取付部45Bの関係については、
図5で詳しく説明する。
図5に図示するように、取付部45Bは、周方向に平行な2列の凸部48B,49Bを有することで、握持部40B内で安定して回転できるとともに、握持部40Bに差し込まれるC字形のストッパー44Bと凸部49Bが当接し、握持部40Bから取付部45Bが外れないようになっている。
また、取付部45Bはその先端面46Bにトーションバネ47Bを有し、これが握持部40Bの側面42Bに設けられた係止突起43Bに係止され
て握持部40Bと取付部45Bを接続する接続部を成す。そして、このトーションバネ47Bを遊び部として、握持部40Bと取付部45Bとの間では、一方の周方向への回転(ひねり)がそのまま他方の周方向への回転(ひねり)に連動することはなく、ある一定以下の回転角度の回転についてはトーションバネ47Bが吸収し、回転運動の連動を制御する「連動制御機能」を備える。これは、自動車のハンドルにあるような、いわゆる「遊び(余裕)」の役割を果たすものと言えるが、この連動制御機能によって吸収される回転角度を「遊びの角度」とし、詳しい役割は次の
図7及び
図8において説明する。なお、握持部40Bと取付部45Bの間に介在させて、連動制御機能を備える遊び部としては、トーションバネに限定されるものではない。
【0019】
図6は、ロードコーン50のコーン上部51に嵌合された嵌合体20Bを取り外す様子を図示したものである。
図6(a)に図示するコーン上部51に嵌合体20Bの環状部30Bが嵌合された状態から、
図6(b)に図示するように、握持部40Bをその周方向に回転させる(ひねる)と、それに連動して環状部30B(環状パーツ32B,32B)も回転する。その時、環状部30B(環状パーツ32B,32B)の内径部分がコーン上部51と当接しているので「摩擦」を生じ、分割されている環状部30B(環状パーツ32B,32B)の先端31Bが分離し、隙間(クリアランス)が生まれる。
その結果、
図6(c)に図示するように、コーン上部51から嵌合体20Bを取り外すことができる。
【0020】
まず、
図7(a)では、握持部40Bの回転角度とバー本体11Bの回転角度の関係性を説明している。
図示するように、右側の握持部40Bを握持し回転角度をX度とし、当該握持部40Bが遊び部47B(図示省略)の連動制御機能によって吸収される遊びの角度をx度とした場合に、バー本体11Bの回転角度Y度との関係は、次のようになる。
「バー本体11Bの回転角度Y度 = X度-x度(但し、X度<x度の場合は、Y度=0度=回転しない)」
また、左側の握持部40Bを握持し回転角度をZ度とし、当該握持部40Bが遊び部47B(図示省略)の連動制御機能によって吸収される遊びの角度をz度とした場合に、バー本体11Bの回転角度Y度との関係は、次のようになる。
「バー本体11Bの回転角度Y度 = Z度-z度(但し、Z度<z度の場合は、Y度=0度=回転しない)」
【0021】
そして、
図7(b)に図示した場合、右側の握持部40Bを30度回転させると、右側の環状部30Bをコーン上部51から外せるが、当該握持部40Bの連動制御機能によって遊びの角度30度を吸収した場合、バー本体11Bの回転角度Y度は、次のようになる。
「バー本体11Bの回転角度Y度=30度-30度=0度」
したがって、バー本体11Bは握持部40Bが回転されたとしても、回転しない。バー本体11Bが回転しないので、左側の環状部30Bはコーン上部51に嵌合したままである。
【0022】
次に、
図7(c)に図示するように、右側の握持部40Bを80度回転させ、当該握持部40Bが連動制御機能によって遊びの角度30度の場合に、その30度を吸収するので、バー本体11Bの回転角度Y度は、次のようになる。
「バー本体11Bの回転角度Y度=80度-30度=50度」
バー本体11Bは50度回転することになるが、そうなると、次に左側の握持部40Bが連動制御機能によって遊びの角度30度の場合に、その30度を吸収することになり、左側の握持部40Bの回転角度Zは、次のようになる。
「左側の握持部40Bの回転角度Z度=50度(Y度)-30度(z度)=20度」
すなわち、バー本体11Bの回転角度Y度が50度の場合、左側の握持部40Bの回転角度Z度が20度となり、環状部30Bをコーン上部51から外せる。従って、バー本体11Bの回転角度Y度が50度の場合、右側の握持部40Bも回転するので、両方の環状部30B,30Bをコーン上部51,51から外すことも可能である。
【0023】
図8は、コーンバー10Bの使用状態の一例を図示している。
図8(a)に図示するように、ロードコーン50とロードコーン50の間にコーンバー10Bを架設し、規制帯を構成する。そして、この規制帯を越えて移動しようとしている移動者甲がいる。
そして、
図8(a)~
図8(b)にかけて図示するように、移動者甲は、嵌合体20B,20Bの両方がともに隣り合うコーンバー10の嵌合体20の下側にある状態であっても、取り外したい嵌合体20B(図示では右側の嵌合体20B)の握持部40Bを握持し、
図7(b)での図示と同じように周方向に回転させる(ひねる)ことで、握持し回転させた握持部40Bの嵌合体20Bのみを本体部51から外せる。
【0024】
すなわち、
図7に図示する遊び部47Bの「連動制御機能」によって、回転させた一方の握持部40B(図示では右側の握持部40B)の回転角度が吸収されてバー本体11Bは回転せず(無回転)、握持されていないもう一方の握持部40B(図示では左側の握持部40B)も当然に回転しない(無回転)。従って、一方の握持部40B(図示では右側の握持部40B)の回転によって嵌合体20Bがコーン上部51から外れた状態で、もう一方の嵌合体20B(図示では左側の嵌合体20B)はコーン上部51に嵌合したままコイルバネ33B,33B(図示省略)が折曲し、ここを支点としてバー本体11Bが弧を描くように可動する。これによって、移動者甲が通過するのに十分な広さを確保でき、無理なく安全に規制帯の外側へ移動できる。
【0025】
その後、
図8(c)に図示するように、移動者甲が規制帯を通過したあとは、バー本体10Bを元に戻すと、支点となっていたコイルバネ33B,33B(図示省略)の復元力が働き、略への字形に折れ曲がっていたコーンバー10Bは塑性変形することなく元の状態(ストレート状態)に戻る。その結果、特に力(応力)を加えることもなく、移動者甲は外した嵌合体20Bをコーン上部51へ導くだけでスムーズに嵌合体20Bをコーン上部51に嵌合できて、元の規制帯の状態(
図8(a)の状態)に戻すことができる。
なお、この使用例は、この後に説明する第3実施形態においても同じ説明ができる。
【0026】
図9~
図13は、本願発明に係るコーンバーの第3実施形態を説明する説明図である。
図9(a)は、コーンバーの本体を成す棒状のバー本体の両端又は一端に設けられるコーンバー嵌合体20C(以下、「嵌合体20C」という)の分解図を、
図9(b)は同嵌合体20Cの組立図を、それぞれ図示している。
嵌合体20Cは、ロードコーンのコーン上部に嵌合する環状の環状部30Cと、バー本体に取り付けるための取付部45Cをその外部に設けた握持部40Cと、を備える。
嵌合体20Cが第2実施形態の嵌合体20Bと異なるのは、環状部30Cを構成する各々の環状パーツ32Cが握持部40Cに対して上下方向に折曲可能(回動自在)となっているだけでなく(折曲後の復元力も含む)、左右方向にも開閉可能になっている点である。詳しくは、握持部40C内にあって、付勢部材としてのコイルバネ36C(図示では、押しバネを使用しているが、引きバネでもよい)からの応力を作動部材37Cを介して各環状パーツ32C,32Cに伝え、各環状パーツ32C,32Cを閉鎖状態に付勢する。コイルバネ36Cは、操作レバー38Cによって制御され、操作レバー38Cを操作することで、コイルバネ36Cの付勢を反転させることができる。それにより、環状部30Cの先端31Cを開放状態へ転回し、嵌合体20Cをロードコーン50から外すことができる。
【0027】
図10は、
図9で説明した嵌合体20Cの各動作を図示したものである。
まず、
図10(a)では、環状部30Cの環状パーツ32C,32Cがそれぞれ上下方向に可動する状態を図示している。この動作は、環状パーツ32C,32Cがコイルバネ33C,33Cによってそれぞれ別々に握持部40Cに対して折曲可能となる「折曲機能」(コイルバネによる折曲力)を備えていることで実現される(第2実施形態の環状パーツ32B,32Bにおいても同じ)。また、「復元機能」(コイルバネによる復元力)も備えることで、環状パーツ32C,32Cに応力がかからない状況下では、先端31Cの閉じられた環状の環状部30Cを維持できる。
次に、
図10(b)では、環状部30Cの環状パーツ32C,32Cがそれぞれ左右方向に可動する状態を図示している。この動作は、環状パーツ32C,32Cが握持部40Cに対して開閉可能となる「開閉機能」を備えていることで実現される。この「開閉機能」は、押しバネであるコイルバネ36Cを圧縮する方向に操作レバー38Cを操作することで、それまで先端31Cを閉鎖する方向へ付勢されていた環状パーツ32C,32Cが反転し、先端31Cを開放する方向へ可動する。
【0028】
図11は、
図5で説明した第2実施形態の「連動制御機能」と同一の機能を説明したものである。
バー本体11Cの一端を取り付ける取付部45Cは、握持部40Cの外部に設けられ、トーションバネ47Cを遊び部として介在させている。
このため、握持部40Cと取付部45Cの間では、握持部40Cの周方向への回転(ひねり)がそのまま取付部45Cの周方向への回転(ひねり)に連動することはなく(逆もしかりで、取付部45Cの周方向への回転がそのまま握持部40Cの周方向への回転に連動することはなく)、ある一定以下の回転角度の回転についてはトーションバネ47Cが吸収し、回転運動の連動を制御する「連動制御機能」を備える。これは、自動車のハンドルにあるような、いわゆる「遊び(余裕)」の役割を果たすものと言えるが、この連動制御機能によって吸収される回転角度を「遊びの角度」とし、その役割は第2実施形態におけるもの(
図5~
図8)と同じである。
【0029】
図12は、ロードコーン50のコーン上部51に嵌合された嵌合体20Cを取り外す様子を図示したものである。
図12(a)に図示するコーン上部51に嵌合体20Cの環状部30Cが嵌合された状態から、
図12(b)に図示するように、握持部40Cをその周方向に回転させる(ひねる)と、それに連動して環状パーツ32C,32Cも回転する。その時、環状パーツ32C,32Cの内径部分がコーン上部51と当接しているので「摩擦」を生じ、分割されている環状パーツ32C,32Cの先端31Cが分離し、隙間(クリアランス)が生まれる。
その結果、
図12(c)に図示するように、コーン上部51から嵌合体20Cを取り外すことができる。なお、握持部40Cの回転(ひねり)は、連動制御機能によってバー本体11C及びその先のもう一方の嵌合体20C(図示省略)に直接的に連動せず、図示する嵌合体20Cのみの取り外しが可能になる。
【0030】
図13は、ロードコーン50のコーン上部51に嵌合された嵌合体20Cを
図12とは別の方法で取り外す様子を図示したものである。
図13(a)に図示するコーン上部51に嵌合体20Cの環状部30Cが嵌合された状態から、
図13(b)に図示するように、操作レバー38Cを操作すると、それに連動して環状部30C(環状パーツ32C,32C)が左右方向に可動し、分割されている環状部30C(環状パーツ32C,32C)の先端31Cが分離し、隙間(クリアランス)が生まれる。
その結果、
図13(c)に図示するように、コーン上部51から嵌合体20Cを取り外すことができる。
【0031】
図14及び
図15は、本願発明に係るコーンバーの第4実施形態を説明する説明図である。
まず、第4実施形態のコーンバー10Dは、
図14に図示するように、第1実施形態のコーンバー10Aにあって、コーンバーの本体をなす棒状のバー本体11Aを、外筒15Dと内筒16Dとを組み合わせてなる棒状のバー本体11Dに代えたものである。そして、バー本体11Dの一端に設けられる嵌合体20Aの取付部45Aは外筒15Dに取り付けられ、他端に設けられる嵌合体20Aの取付部45Aは内筒16Dに取り付けられる。
また、バー本体11Dは、外筒15Dまたは内筒16Dの一方を固定するともう一方が伸縮自在且つ回転自在となっている。
【0032】
次に、
図15は、ロードコーン50のコーン上部51に嵌合された嵌合体20Aを取り外す様子を図示したものである。
図15(a)に図示する本体部51に嵌合体20Aの環状部30Aが嵌合された状態から、
図15(b)に図示するように、取付部45A又は内筒16Dをその周方向に回転させる(ひねる)と、それに連動して環状部30Aも回転する。
その結果、
図15(c)に図示するように、本体部51から嵌合体20Aを取り外すことができるのは、第1実施形態と同じである。
【0033】
但し、第4実施形態では、
図15(b)で取付部45A又は内筒16Dをその周方向に回転させても、外筒15Dはその回転に連動することは無く(外筒15Dと内筒16Dは一方を固定するともう一方が回転自在となる関係のため)、外筒15Dに取り付けた嵌合体20Aにはその回転による影響が及ばない(ロードコーン50から外れることがない)。
また、これまでの第4実施形態の説明では、内筒16Dとそれに取り付けられた嵌合体20Aについて言及しているが、外筒15Dとそれに取り付けられた嵌合体20Aをその周方向に回転させた場合についても同じである。
【0034】
図16及び
図17は、本願発明に係るコーンバーの第5実施形態を説明する説明図である。
まず、第5実施形態のコーンバー10Eは、
図16に図示するように、第2実施形態のコーンバー10Bにあって、コーンバーの本体をなす棒状のバー本体11Bを、外筒15Eと内筒16Eとを組み合わせてなる棒状のバー本体11Eに代えたものである。そして、バー本体11Eの一端に設けられる嵌合体20Bの取付部45Bは外筒15Eに取り付けられ、他端に設けられる嵌合体20Bの取付部45Bは内筒16Eに取り付けられる。
また、バー本体11Eは、外筒15Eまたは内筒16Eの一方を固定するともう一方が伸縮自在且つ回転自在となっている。
【0035】
次に、
図17は、ロードコーン50のコーン上部51に嵌合された嵌合体20Bを取り外す様子を図示したものである。
図17(a)に図示する本体部51に嵌合体20Bの環状部30Bが嵌合された状態から、
図17(b)に図示するように、握持部40Bをその周方向に回転させる(ひねる)と、それに連動して環状部30Bも回転する。
その結果、
図17(c)に図示するように、本体部51から嵌合体20Bを取り外すことができるのは、第2実施形態と同じである。
【0036】
なお、第5実施形態でも、第2実施形態と同様に、
図17(b)で握持部40Bをその周方向に回転させても、取付部45Bとの間には「連動制御機能」を備えているので(段落[0017]参照)、取付部45Bはその回転を吸収するとともに、内筒16Eの回転に対して外筒15Eは連動しないので、外筒15Eに取り付けた嵌合体20Bには内筒16Eの回転による影響が及ばない(ロードコーン50から外れることがない)。
ここで、第5実施形態では第2実施形態の嵌合体20Bを使用したが、第3実施形態の嵌合体20Cを使用してもよい。
また、これまでの第5実施形態の説明では、内筒16Eとそれに取り付けられた嵌合体20Bについて言及しているが、外筒15Eとそれに取り付けられた嵌合体20B(嵌合体20C)をその周方向に回転させた場合についても同じである。
【0037】
図18及び
図19は、本願発明に係るコーンバーの第6実施形態を説明する説明図である。
まず、第6実施形態のコーンバー10Fは、
図18に図示するように、第2実施形態のコーンバー10Bにあって、コーンバーの本体をなす棒状のバー本体11Bを、外筒15Fと2本の内筒16F,16Fとを組み合わせてなる棒状のバー本体11Fに代えたものである。そして、2本の内筒16F,16Fは、それぞれバー本体11Fの両端に設けられる嵌合体20B,20Bの握持部40Bの内側又は外側に直接取り付けられる(
図16で図示した取付部45Bは存在しない)。
図18は、内筒16Fが、握持部40Bの内側に直接取り付けれた状態を図示している。
また、バー本体11Fは、内筒16F,16Fが外筒15Fに対して伸縮自在で、且つ外筒15F又は内筒16F,16Fの一方を固定するともう一方が回転自在となっている。
【0038】
次に、
図19は、ロードコーン50のコーン上部51に嵌合された嵌合体20Bを取り外す様子を図示したものである。
図19(a)に図示する本体部51に嵌合体20Bの環状部30Bが嵌合された状態から、
図19(b)に図示するように、握持部40Bをその周方向に回転させる(ひねる)と、それに連動して環状部30Bも回転する。
その結果、
図19(c)に図示するように、本体部51から嵌合体20Bを取り外すことができるのは、第2実施形態と同じである。
【0039】
但し、第6実施形態では、
図19(b)で握持部40Bをその周方向に回転させても、握持部40Bに取り付けられた内筒16Fが回転するのみであって、外筒15Fはその回転に連動することは無く(外筒15Fと内筒16Fは一方を固定するともう一方が回転自在となる関係のため)、外筒15Fに取り付けた嵌合体20Bにはその回転による影響が及ばない(ロードコーン50から外れることがない)。
ここで、第6実施形態では第2実施形態の嵌合体20Bを使用したが、第3実施形態の嵌合体20Cを使用してもよい。なお、この場合も、内筒16Fは取付部45Cではなく、握持部40Cに直接取り付ける。
【0040】
図20及び
図21は、本願発明に係るコーンバーの第7実施形態を説明する説明図である。
まず、第7実施形態のコーンバー10Gは、
図20に図示するように、第6実施形態のコーンバー10Fにあって、コーンバーの本体をなす棒状のバー本体11Fを、外筒15Gと1本の内筒16Gとを組み合わせてなる棒状のバー本体11Gに代えたものである。そして、外筒15Gは、バー本体11Gの両端に設けられる嵌合体20Bの握持部40Bの外側又は内側に直接取り付けられる(
図16で図示した取付部45Bは存在しない)。
図20は、外筒15Gが、握持部40Bの外側に直接取り付けれた状態を図示している。 また、バー本体11Gは、外筒15Gまたは内筒16Gの一方を固定するともう一方が伸縮自在且つ回転自在となっている。
【0041】
次に、
図21は、ロードコーン50のコーン上部51に嵌合された嵌合体20Bを取り外す様子を図示したものである。
図21(a)に図示する本体部51に嵌合体20Bの環状部30Bが嵌合された状態から、
図21(b)に図示するように、握持部40B(外筒15G)をその周方向に回転させる(ひねる)と、それに連動して環状部30Bも回転する。
その結果、
図21(c)に図示するように、本体部51から嵌合体20Bを取り外すことができるのは、第2実施形態と同じである。
【0042】
但し、第7実施形態では、
図21(b)で握持部40B(外筒15G)をその周方向に回転させても、握持部40Bに取り付けられた外筒15Gが回転するのみであって、内筒16Gはその回転に連動することは無く(外筒15Gと内筒16Gは一方を固定するともう一方が回転自在となる関係のため)、内筒16Gに取り付けた嵌合体20Bにはその回転による影響が及ばない(ロードコーン50から外れることがない)。
ここで、第7実施形態では第2実施形態の嵌合体20Bを使用したが、第3実施形態の嵌合体20Cを使用してもよい。この場合も、外筒15Gは取付部45Cではなく、握持部40Cに直接取り付ける。
また、これまでの第7実施形態の説明では、外筒15Gとそれに取り付けられた嵌合体20Bについて言及しているが、内筒16Gとそれに取り付けられた嵌合体20B(嵌合体20C)をその周方向に回転させた場合についても同じである。
【0043】
図22及び
図23は、本願発明の第4乃至第7実施形態を説明するその他の説明図である。
第4乃至第7実施形態では、バー本体11として、外筒15と内筒16がそれぞれ1本ずつのもの(第4,5,7実施形態)と外筒1本と内筒2本のもの(第6実施形態)を挙げて説明した。その繋ぎ目は、前者であれば1箇所、後者であれば2箇所になる。
図22では、前者の場合を図示しているが、その繋ぎ目(1箇所)を跨ぐ形で片手で握持し、回転させることで(
図22(b))、外筒15及び内筒16が共に回転し、両端の嵌合体20,20を一度にロードコーン50のコーン上部51から外すことができる。
図23では、後者の場合を図示しているが、その繋ぎ目(2箇所)それぞれを跨ぐ形で両手で握持し、回転させることで(
図23(b))、外筒15及び内筒16が共に回転し、両端の嵌合体20,20を一度にロードコーン50のコーン上部51から外すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本願発明に係るコーンバーは、ロードコーンとロードコーンの間に連続して架設する部材として幅広く利用できるものである。
【符号の説明】
【0045】
(第1実施形態)
10A コーンバー
11A バー本体
20A 嵌合体(コーンバー嵌合体)
30A 環状部
31A 先端
45A 取付部
【0046】
(第2実施形態)
10B コーンバー
11B バー本体
20B 嵌合体(コーンバー嵌合体)
30B 環状部
31B 先端
32B 環状パーツ
33B コイルバネ
34B 先端当接面
35B マグネット
40B 握持部
42B 側面
43B 係止突起
44B ストッパー
45B 取付部
46B 先端面
47B トーションバネ(遊び部)
48B 凸部
49B 凸部
甲 移動者
【0047】
(第3実施形態)
11C バー本体
20C 嵌合体
30C 環状部
31C 先端
32C 環状パーツ
33C コイルバネ
34C 先端当接面
35C マグネット
36C コイルバネ
37C 作動部材
38C 操作レバー
40C 握持部
45C 取付部
47C トーションバネ(遊び部)
【0048】
(第4実施形態)
10D コーンバー
11D バー本体
15D 外筒
16D 内筒
20A 嵌合体(コーンバー嵌合体)
30A 環状部
31A 先端
45A 取付部
【0049】
(第5実施形態)
10E コーンバー
11E バー本体
15E 外筒
16E 内筒
20B 嵌合体(コーンバー嵌合体)
30B 環状部
31B 先端
32B 環状パーツ
40B 握持部
45B 取付部
【0050】
(第6実施形態)
10F コーンバー
11F バー本体
15F 外筒
16F 内筒
20B 嵌合体(コーンバー嵌合体)
30B 環状部
31B 先端
32B 環状パーツ
40B 握持部
【0051】
(第7実施形態)
10G コーンバー
11G バー本体
15G 外筒
16G 内筒
20B 嵌合体(コーンバー嵌合体)
30B 環状部
31B 先端
32B 環状パーツ
40B 握持部
【0052】
(従来例およびその他)
50 ロードコーン
51 コーン上部
60 コーンバー
62 嵌合体
【要約】
【課題】 ロードコーンのコーン上部から嵌合している環状の嵌合体を簡単且つ確実に外すことのできるコーンバーを提供することにある。
【解決手段】 嵌合体20Bは、ロードコーンのコーン上部に嵌合する環状の環状部30Bと、バー本体11Bに取り付けるための取付部45Bを内部に設けた握持部40Bと、を備える。環状部30Bは、バー本体11Bの軸方向に線対称の形で分割して構成されている。そして、環状部30Bを構成する各々の環状パーツ32Bは握持部40Bに対して上下方向に折曲可能(回動自在)となっているとともに、環状パーツ32Bはコイルバネ33Bによって折曲後の復元が可能である。
【選択図】
図4