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特許7643781パスポート申請装置、証明写真機、パスポート申請方法及びパスポート申請システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】パスポート申請装置、証明写真機、パスポート申請方法及びパスポート申請システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250304BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022510332
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(86)【国際出願番号】 JP2020014042
(87)【国際公開番号】W WO2021192229
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-08-24
【審判番号】
【審判請求日】2024-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002044
【氏名又は名称】弁理士法人ブライタス
(72)【発明者】
【氏名】則松 香威
【合議体】
【審判長】相崎 裕恒
【審判官】小池 堂夫
【審判官】月野 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-309906(JP,A)
【文献】特開2014-002640(JP,A)
【文献】国際公開第2005/119539(WO,A1)
【文献】特開2017-078913(JP,A)
【文献】特開2001-306730(JP,A)
【文献】特開2002-178674(JP,A)
【文献】特開2015-082194(JP,A)
【文献】特開2017-004398(JP,A)
【文献】特開2017-102758(JP,A)
【文献】特開2016-035709(JP,A)
【文献】特開2005-190452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証明写真機からパスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得する申請情報取得手段と、
前記証明写真機を用いて取得された顔写真と前記個人番号と関連付けれた登録顔写真との照合を照合サーバに依頼する照合依頼手段と、
取得した前記顔写真及び前記個人番号を管理サーバへ送信し、パスポートを申請するパスポート申請手段と、
前記管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、前記証明写真機へ送信する受付結果送信手段と、
を有し、
前記パスポート申請手段は、前記照合サーバにより、前記証明写真機を用いて取得された顔写真の人物と前記登録顔写真の人物とが同一と判定された場合に、パスポートを申請する、パスポート申請装置。
【請求項2】
前記申請情報取得手段は、さらに前記証明写真機を特定可能な機器情報を取得し、
前記パスポート申請手段は、
前記機器情報に基づいて、前記証明写真機がパスポート申請を認可されているか否かを判定し、
前記証明写真機が認可されていると判定された場合にパスポートを申請する、請求項1に記載のパスポート申請装置。
【請求項3】
パスポートの申請者の顔写真を取得する撮像手段と、
前記パスポートの申請者に対して、立体確認、瞬き検出、視線検出、モーション指示、または、肌判定のうち少なくともいずれかを行うことにより、前記撮像手段により取得された前記顔写真が生体によって提示されたものであるかを検知する生体検知手段と、
前記パスポートの申請者の個人番号を取得する申請者情報取得手段と、
前記撮像手段により取得された顔写真と前記個人番号と関連付けれた登録顔写真とを照合する照合手段と、
取得された前記パスポートの申請者の顔写真及び前記個人番号をパスポート申請装置へ送信する申請情報送信手段と、
前記パスポート申請装置から受信したパスポート申請の受付結果を、前記申請者に通知する通知手段と、
を有し、
前記申請情報送信手段は、前記照合手段により、前記撮像手段により取得された顔写真の人物と前記登録顔写真の人物とが同一と判定された場合に、前記パスポートの申請者の顔写真及び前記個人番号を、前記パスポート申請装置へ送信する、証明写真機。
【請求項4】
前記通知手段は、交付されるパスポートを受け取り可能な場所及び受け取り可能な日時を、前記申請者に通知する、請求項に記載の証明写真機。
【請求項5】
証明写真機が、パスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得し、
パスポート申請装置が
前記証明写真機を用いて取得された顔写真と前記個人番号と関連付けれた登録顔写真との照合を照合サーバに依頼し、
前記照合サーバによって前記証明写真機を用いて取得された顔写真の人物と前記登録顔写真の人物とが同一と判定された場合に、取得された前記パスポートの申請者の顔写真及び前記個人番号を管理サーバに送信して、パスポート申請を行い、
前記管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、前記申請者に通知する、パスポート申請方法。
【請求項6】
証明写真機と、パスポート申請装置と、を有し、
前記証明写真機は、
パスポートの申請者の顔写真を取得する撮像手段と、
前記パスポートの申請者に対して、立体確認、瞬き検出、視線検出、モーション指示、または、肌判定のうち少なくともいずれかを行うことにより、前記撮像手段により取得された前記顔写真が生体によって提示されたものであるかを検知する生体検知手段と、
前記パスポートの申請者の個人番号を取得する申請者情報取得手段と、
取得された前記パスポートの申請者の顔写真及び前記個人番号をパスポート申請装置へ送信する申請情報送信手段と、
パスポート申請の受付結果を、前記申請者に通知する通知手段と、
を有し、
前記パスポート申請装置は、
前記証明写真機から前記パスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得する申請情報取得手段と、
前記証明写真機を用いて取得された顔写真と前記個人番号と関連付けれた登録顔写真との照合を照合サーバに依頼する照合依頼手段と、
取得した前記顔写真及び前記個人番号を管理サーバへ送信し、パスポートを申請するパスポート申請手段と、
前記管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、前記証明写真機へ送信する受付結果送信手段と、
を有し、
前記パスポート申請手段は、前記照合サーバにより、前記証明写真機を用いて取得された顔写真の人物と前記登録顔写真の人物とが同一と判定された場合に、パスポートを申請する、パスポート申請システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パスポート申請装置、証明写真機、これを用いたパスポート申請方法及びパスポート申請システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パスポートを取得するためには、パスポート申請窓口にて手続を行う必要がある。パスポート申請窓口では、担当者がパスポートの申請者と当該人物の顔写真とを比較し、同一人物と認めた場合にパスポートが発行される。
【0003】
近年、利用者の利便性向上のため、パスポートのオンライン申請が検討されている。オンライン申請では、パスポート申請に必要なパスポートの申請者の顔写真も、ネットワーク経由でパスポート発行機関に送付されることが想定される。例えば、特許文献1には、ボックス型の証明写真撮影装置を用いて個人番号カード用の顔写真を撮影するとともに、交付申請も行うことができるようにするIDカード交付申請方法が開示されている。特許文献1の方法では、IDカード交付申請書に印画されている二次元コードを読み取って申請書IDを取得し、申請者を撮影し、申請書ID及び申請者の顔画像データをIDカード発行所へ送信し、IDカードの交付申請を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-75999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の方法では、IDカードの交付申請後、申請者が交付所にてIDカードを受け取る必要があり、申請者にとって利便性が高いとはいえない。また、パスポートのオンライン申請では、担当者は、申請者本人が送付されてきた顔写真が同一人物によるものか確認することができない。パスポート申請において本人確認は重要な確認項目であることから、当該事実がパスポートのオンライン申請実現の障害となっている。
【0006】
本発明の目的の一例は、安全にパスポートのオンライン申請を実現するための、パスポート申請装置、証明写真機、パスポート申請方法及びパスポート申請システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一側面によれば、
証明写真機からパスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得する申請情報取得部と、
取得した顔写真及び個人番号を管理サーバへ送信し、パスポートを申請するパスポート申請部と、
管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、証明写真機へ送信する受付結果送信部と、
を有する、パスポート申請装置が提供される。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面によれば、
パスポートの申請者の顔写真を取得する撮像部と、
パスポートの申請者の個人番号を取得する申請者情報取得部と、
取得されたパスポートの申請者の顔写真及び個人番号をパスポート申請装置へ送信する申請情報送信部と、
パスポート申請装置から受信したパスポート申請の受付結果を、申請者に通知する通知部と、
を有する、証明写真機が提供される。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面によれば、
証明写真機によりパスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得し、
取得されたパスポートの申請者の顔写真及び個人番号を管理サーバに送信して、パスポート申請を行い、
管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、申請者に通知する、パスポート申請方法が提供される。
【0010】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面によれば、
証明写真機と、パスポート申請装置と、を有し、
証明写真機は、
パスポートの申請者の顔写真を取得する撮像部と、
パスポートの申請者の個人番号を取得する申請者情報取得部と、
取得されたパスポートの申請者の顔写真及び個人番号をパスポート申請装置へ送信する申請情報送信部と、
パスポート申請の受付結果を、申請者に通知する通知部と、
を有し、
パスポート申請装置は、
証明写真機からパスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得する申請情報取得部と、
取得した顔写真及び個人番号を管理サーバへ送信し、パスポートを申請するパスポート申請部と、
管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、証明写真機へ送信する受付結果送信部と、
を有する、パスポート申請システムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、安全にパスポートのオンライン申請を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の第1の実施形態に係る証明写真機の一構成例を示すブロック図である。
図2図2は、同実施形態に係る証明写真機におけるパスポート申請処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、同実施形態に係るパスポート申請装置の一構成例を示すブロック図である。
図4図4は、同実施形態に係るパスポート申請装置におけるパスポート申請処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、同実施形態に係るパスポート申請システムによる処理の概要を示す説明図である。
図6図6は、同実施形態に係るパスポート申請システムの一構成例を示すブロック図である。
図7図7は、同実施形態に係るパスポート申請処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明の第2の実施形態に係るパスポート申請システムの一構成例を示すブロック図である。
図9図9は、同実施形態に係るパスポート申請処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、上記実施形態に係るパスポート申請装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[1.第1の実施形態]
[1-1.概要]
まず、図1図4に基づいて、本発明の第1の実施形態に係るパスポート申請システムを構成する証明写真機100及びパスポート申請装置200の構成及び機能を説明する。図1は、本実施形態に係る証明写真機100の一構成例を示すブロック図である。図2は、本実施形態に係る証明写真機100におけるパスポート申請処理の一例を示すフローチャートである。図3は、本実施形態に係るパスポート申請装置200の一構成例を示すブロック図である。図4は、本実施形態に係るパスポート申請装置200におけるパスポート申請処理の一例を示すフローチャートである。
【0014】
本実施形態に係るパスポート申請システムでは、街中に設置されたボックス型の証明写真機を用いて、パスポートのオンライン申請を可能にする。証明写真機は、ネットワークを介して、パスポート申請装置と接続されている。
【0015】
申請者は、証明写真機を用いて、パスポート申請に必要な情報を提出する。パスポート申請装置は、証明写真機から受信したパスポート申請に必要な情報を、パスポートを発行する行政機関(以下、「パスポート発行機関」ともいう。)の管理サーバへ送信し、パスポート申請を行う。パスポート申請装置は、管理サーバからパスポート申請の受付結果を受信すると、当該結果を証明写真機へ送信し、申請者に通知する。パスポート申請が受付されれば、申請者は、発行されたパスポートを窓口あるいは郵送等により受け取ることができる。
【0016】
(証明写真機)
まず、本実施形態に係るパスポート申請システムを構成する証明写真機100について、図1及び図2に基づき説明する。本実施形態に係る証明写真機100は、図1に示すように、撮像部110と、申請者情報取得部120と、申請情報送信部130と、通知部140とを有する。撮像部110は、パスポートの申請者の顔写真を取得する。申請者情報取得部120は、パスポートの申請者の個人番号を取得する。ここで、個人番号は、行政手続における特定の個人を識別するための番号を指す。個人番号は、特定の個人を識別するために国民に付与される国民識別番号であってもよい。申請情報送信部130は、取得された申請者の顔写真及び個人番号をパスポート申請装置へ送信する。通知部140は、パスポート申請の受付結果を、申請者に通知する。
【0017】
本実施形態に係る証明写真機100は、図2に示すように、まず、パスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得する(S11)。申請者の顔写真は、撮像部110により取得される。個人番号は、申請者情報取得部120により取得される。次いで、申請情報送信部130は、ステップS11にて取得された顔写真及び個人番号を、パスポート申請装置へ送信する(S13)。ステップS13にて顔写真及び個人番号を送信すると、パスポート申請装置によりパスポート申請の手続が行われる。
【0018】
その後、申請情報送信部130は、パスポート申請装置からパスポート申請の受付結果を受信する(S15)。パスポート申請の受付結果を受信すると、通知部140は、パスポートの申請者に対して当該結果を通知する(S17)。申請者は、パスポート申請が受付されれば、後日、パスポート発行機関からパスポートが交付される。パスポート申請が受付されなかった場合には、申請内容に不備があること等が考えられる。この場合、パスポートの申請者は、再度パスポート申請を行う等の対応を取る。このように、証明写真機100は、パスポートの申請者がパスポート申請を行うための装置として機能する。
【0019】
(パスポート申請装置)
次に、本実施形態に係るパスポート申請システムを構成するパスポート申請装置200について、図3及び図4に基づき説明する。本実施形態に係るパスポート申請装置200は、図3に示すように、申請情報取得部210と、パスポート申請部220と、受付結果送信部230とを有する。申請情報取得部210は、証明写真機100からパスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得する。パスポート申請部220は、取得した顔写真及び個人番号を管理サーバへ送信し、パスポートを申請する。受付結果送信部230は、管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、証明写真機100へ送信する。
【0020】
本実施形態に係るパスポート申請装置200は、図4に示すように、まず、申請情報取得部210により、証明写真機100から送信されたパスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得する(S21)。パスポート申請部220は、申請者の顔写真及び個人番号をパスポート発行機関の管理サーバへ送信し、パスポート申請を行う(S23)。ステップS23にてパスポート申請が行われると、パスポート発行機関の管理サーバにより、個人番号に基づく身元確認が行われ、申請者に対してパスポートを発行してもよいか判定される。
【0021】
その後、パスポート申請部220は、管理サーバからパスポート申請の受付結果を受信する(S25)。パスポート申請の受付結果を受信すると、受付結果送信部230は、証明写真機100に対して当該結果を送信する(S27)。パスポート申請の受付結果を受信した証明写真機100により、申請者に対して当該結果が通知される。このように、パスポート申請装置200は、パスポートの申請者に代わってパスポート発行機関に対してパスポート申請を行う。
【0022】
このような証明写真機100及びパスポート申請装置200では、パスポートの申請者の個人番号を用いてパスポート申請を行うため、管理サーバにおいて確実に申請者の身元を確認することができる。また、申請者のパスポート用の顔写真は、証明写真機100により撮像されたデータであり、当該顔写真は、パスポートの申請者が受け取ることなく、パスポート申請装置200を介して直接管理サーバへ送信される。したがって、申請者は、顔写真を加工したり、別人の写真に置き換えたりするといった不正を行うことができない。これにより、安全にパスポートのオンライン申請を行うことができる。また、証明写真機100を用いることで、パスポート用の写真に要求される画質、背景等の品質を備えた写真を用いて、パスポートを申請することもできる。
【0023】
以下、本実施形態に係る証明写真機100及びパスポート申請装置200を用いたパスポート申請システムの具体的な構成例とその処理について、詳細に説明する。
【0024】
[1-2.システム構成]
図5及び図6に基づいて、本実施形態に係るパスポート申請システム1の構成例とその機能について説明する。図5は、本実施形態に係るパスポート申請システム1による処理の概要を示す説明図である。図6は、本実施形態に係るパスポート申請システム1の一構成例を示すブロック図である。
【0025】
本実施形態に係るパスポート申請システム1は、パスポートのオンライン申請を可能にするシステムである。図5に示すように、パスポートの申請者Pは、街中に設置されている証明写真機100を用いて、パスポート用の顔写真を撮影するとともに、個人番号を入力し、パスポートを申請する。証明写真機100は、ネットワーク5を介して、パスポート申請装置200、管理サーバ310と接続されている。
【0026】
(証明写真機)
証明写真機100は、図6に示すように、撮像部110と、申請者情報取得部120と、申請情報送信部130と、通知部140と、入力部150とを有する。
【0027】
撮像部110は、パスポートの申請者の顔写真を取得する。撮像部110は、例えばデジタルカメラであり、レンズ、シャッタ、CMOSセンサ、A/D変換器等を有する。撮像部110は、入力部150から入力された申請者Pの指示を受けて、申請者Pの顔を撮影する。申請者Pによりパスポート申請を行うことが指定されている場合には、撮像部110は、パスポート申請用写真の規格に適するように申請者の顔を撮影し、顔写真の画像データを生成する。撮像部110により取得された顔写真の画像データは、申請情報送信部130へ出力される。
【0028】
申請者情報取得部120は、パスポートの申請者Pの個人番号を取得する。申請者情報取得部120は、入力部150を用いて申請者Pがパスポート申請を行うことを指定すると、申請者Pから、個人番号を取得する。この場合、申請者情報取得部120は、個人番号を入力するためのテンキー、タッチパネル等の入力装置であってよく、マイナンバーカードから個人番号を読み取るカードリーダーであってもよい。カードリーダーは、マイナンバーカードに記載された顔写真を読み取り可能であってもよい。なお、本実施形態の申請者情報取得部120は個人番号を取得するが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、申請者情報取得部120は、個人番号の代わりに、申請者を一意に特定可能な情報を取得してもよい。申請者情報取得部120は、取得した個人番号を申請情報送信部130へ出力する。
【0029】
申請情報送信部130は、取得された申請者Pの顔写真及び個人番号をパスポート申請装置200へ送信する。申請情報送信部130は、パスポート申請装置200へこれらの情報を送信すると、パスポート申請装置200からパスポート申請の受付結果を受信するまで待機する。そして、申請情報送信部130は、パスポート申請装置200からパスポート申請の受付結果を受信すると、受付結果を通知部140へ出力する。
【0030】
通知部140は、パスポート申請の受付結果を、申請者Pに通知する。通知部140は、申請者Pに対してパスポート申請の受付結果を通知する際、交付されたパスポートを受け取り可能な日時、受け取り可能な場所等も併せて通知してもよい。通知部140は、パスポート申請の受付結果以外にも、申請者Pに情報を提示するために機能し得る。通知部140は、例えば、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置等の表示装置であってもよい。
【0031】
入力部150は、ユーザが情報を入力するために操作するインターフェイスである。入力部150は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバー等である。例えば、申請者Pは、入力部150を用いて、メニュー画面に表示されたリストからパスポート申請を行うことを選択する等、証明写真機100の操作するための情報を入力することができる。
【0032】
(パスポート申請装置)
パスポート申請装置200は、受信した申請者Pの顔写真及び個人番号に基づいて、パスポート発行機関の管理サーバ310に対してパスポートを申請する。パスポート申請装置200は、図6に示すように、申請情報取得部210と、パスポート申請部220と、受付結果送信部230とを有する。
【0033】
申請情報取得部210は、証明写真機100からパスポートの申請者Pの顔写真及び個人番号を取得する。申請情報取得部210は、取得した申請者Pの顔写真及び個人番号を、パスポート申請部220へ出力する。
【0034】
パスポート申請部220は、申請情報取得部210から入力された顔写真及び個人番号を管理サーバ310へ送信し、パスポートを申請する。パスポート申請部220は、管理サーバ310へこれらの情報を送信すると、管理サーバ310からパスポート申請の受付結果を受信するまで待機する。そして、パスポート申請部220は、管理サーバ310からパスポート申請の受付結果を受信すると、受付結果を受付結果送信部230へ出力する。
【0035】
受付結果送信部230は、パスポート申請部220から入力されたパスポート申請の受付結果を、証明写真機100へ送信する。
【0036】
(管理サーバ)
管理サーバ310は、パスポート発行機関により管理されるサーバであり、パスポートの申請及び発行に関する処理を行う。管理サーバ310は、パスポート申請装置200から申請者Pのパスポート申請を受けると、個人番号に基づき申請者Pの身元を確認する。管理サーバ310は、身元確認を行った結果、問題を発見できない場合、申請者Pのパスポート申請を受け付ける。一方、管理サーバ310は、身元確認を行った結果、申請者Pがパスポートの交付を受けることができない事由を有していることが判明した場合には、パスポート申請を受け付けない。管理サーバ310は、パスポート申請の受付可否を決定すると、受付結果をパスポート申請装置200へ送信する。
【0037】
また、パスポート申請を受け付けた場合、管理サーバ310は、申請者Pの個人番号と関連付けられている個人情報を取得する。取得する個人情報は、パスポートの申請に必要な情報であり、例えば、氏名、国籍、性別等である。管理サーバ310は、取得した個人情報と申請者Pの顔写真とを用いてパスポートの作成を開始する。パスポートが作成されると、パスポート発行機関は、指定の窓口あるいは郵送等にて、申請者Pにパスポートを交付する。
【0038】
[1-3.パスポート申請処理]
以下、図7に基づいて、本実施形態に係るパスポート申請システム1におけるパスポート申請処理について説明する。図7は、本実施形態に係るパスポート申請処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態に係るパスポート申請処理は、パスポート申請システム1を構成する証明写真機100及びパスポート申請装置200を動作させることによって実施される。
【0039】
まず、パスポートの申請者Pは、証明写真機100にてパスポートのオンライン申請を申し込む(S101)。パスポートのオンライン申請の申し込みは、例えば証明写真機100の通知部140に表示されたメニュー画面から選択し、行うことができる。申請者Pからパスポートのオンライン申請の申し込みを受けると、証明写真機100は、まず、申請者情報取得部120により、申請者Pの個人番号を取得する(S103)。ステップS103にて個人番号が取得されると、撮像部110により、申請者Pの顔写真が取得される(S105)。そして、申請情報送信部130は、パスポート申請装置200に対して、申請者Pの顔写真及び個人番号を送信する(S107)。
【0040】
パスポート申請装置200は、申請情報取得部210にて、証明写真機100から申請者Pの顔写真及び個人番号を受信すると、パスポート申請部220により、これらの情報をパスポート発行機関の管理サーバ310に送信し、パスポート申請を行う(S109)。
【0041】
管理サーバ310は、パスポート申請装置200から申請者Pのパスポート申請を受けると、個人番号に基づき申請者Pの身元を確認する(S111)。管理サーバ310は、身元確認を行った結果、問題を発見できない場合、申請者Pのパスポート申請を受け付ける。一方、管理サーバ310は、身元確認を行った結果、申請者Pがパスポートの交付を受けることができない事由を有していることが判明した場合には、パスポート申請を受け付けない。管理サーバ310は、パスポート申請の受付可否を決定すると、受付結果をパスポート申請装置200へ送信する(S113)。
【0042】
また、パスポート申請を受け付けた場合には、管理サーバ310は、申請者Pの個人番号と関連付けられている個人情報を取得し、取得した個人情報と申請者Pの顔写真とを用いてパスポートの作成を開始する(S115)。
【0043】
ステップS113にて管理サーバ310から送信されたパスポート申請の受付結果を受信したパスポート申請部220は、受付結果送信部230により、受付結果を証明写真機100へ送信する(S117)。証明写真機100は、パスポート申請装置200からパスポート申請の受付結果を受信すると、通知部140を介して、受付結果を申請者Pに通知する(S119)。
【0044】
申請者Pは、パスポート申請が受付されれば、後日、パスポート発行機関からパスポートが交付される。一方、パスポート申請が受付されなかった場合には、再度パスポート申請を行う等の対応を取ればよい。
【0045】
パスポートの受け取り方法は、例えばオンライン申請時に申請者Pが指定可能であってもよい。例えば、申請者Pは、郵送にてパスポートを受け取ることもでき、指定の窓口にて受け取ることも可能である。また、通知部140は、申請者Pに対してパスポート申請の受付結果を通知する際、交付されたパスポートを受け取り可能な場所、受け取り可能な日時等も併せて通知してもよい。申請者Pが受け取り場所を指定すると、指定された受け取り場所に応じた受け取り可能な日時が通知される。また、申請者Pに提示される受け取り可能な場所は、申請者Pの個人番号に関連付けられている申請者Pの住所に基づき決定されてもよい。通知部140は、受け取り可能な場所を、地図上に表示させて提示したり、住所等を含めてアクセス方法等とともに提示したりしてもよい。
【0046】
以上、第1の実施形態に係る証明写真機100、パスポート申請装置200を用いて構築されたパスポート申請システム1について説明した。本実施形態によれば、パスポートの申請者の個人番号を用いてパスポート申請を行うため、管理サーバ310において確実に申請者の身元を確認することができる。また、申請者のパスポート用の顔写真は、証明写真機100により撮像されたデータであり、当該顔写真は、パスポートの申請者が受け取ることなく、パスポート申請装置200を介して直接管理サーバへ送信される。したがって、申請者は、顔写真を加工したり、別人の写真に置き換えたりするといった不正を行うことができない。これにより、安全にパスポートのオンライン申請を行うことができる。また、証明写真機100を用いることで、パスポート用の写真に要求される画質、背景等の品質を備えた写真を用いて、パスポートを申請することもできる。
【0047】
[1-4.プログラム]
本実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、図1図3図6に示す機能部として実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施形態に係るパスポート申請システム1、当該システムを構築する証明写真機100、パスポート申請装置200及びパスポート申請方法を実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、証明写真機100の申請者情報取得部120、申請情報送信部130、通知部140、さらには入力部150として機能し、処理を行う。また、コンピュータのプロセッサは、パスポート申請装置200の申請情報取得部210、パスポート申請部220、受付結果送信部230として機能し、処理を行う。コンピュータとしては、汎用のPCの他に、スマートフォン、タブレット型端末装置が挙げられる。
【0048】
さらに、本実施形態に係るプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、証明写真機100の申請者情報取得部120、申請情報送信部130、通知部140、入力部150のいずれかとして機能してもよく、パスポート申請装置200の申請情報取得部210、パスポート申請部220、受付結果送信部230のいずれかとして機能してもよい。
【0049】
[2.第2の実施形態]
次に、図8及び図9に基づいて、本発明の第2の実施形態に係る証明写真機100及びパスポート申請装置200を用いて構成されるパスポート申請システム1について説明する。図8は、本実施形態に係るパスポート申請システム1の一構成例を示すブロック図である。図9は、本実施形態に係るパスポート申請処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
本実施形態に係るパスポート申請システム1は、第1の実施形態と比較して、証明写真機100が生体検知機能を有すること、パスポート申請前に顔写真の照合が行われることが相違する。本実施形態に係るパスポート申請システム1は、これらの機能を備えることで、より安全なパスポートのオンライン申請を可能にする。以下では、第1の実施形態との相違点について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成、機能については詳細な説明を省略する。
【0051】
[2-1.システム構成]
本実施形態に係るパスポート申請システム1は、第1の実施形態と同様、パスポートのオンライン申請を可能にするシステムである。パスポートの申請者Pは、街中に設置されている証明写真機100を用いて、パスポート用の顔写真を撮影するとともに、個人番号を入力し、パスポートを申請する。証明写真機100は、図8に示すように、ネットワーク5を介して、パスポート申請装置200、管理サーバ310、照合サーバ320と接続されている。
【0052】
(証明写真機)
証明写真機100は、図8に示すように、撮像部110と、申請者情報取得部120と、申請情報送信部130と、通知部140と、入力部150と、生体検知部160とを有する。撮像部110、申請者情報取得部120、申請情報送信部130、通知部140及び入力部150は、第1の実施形態と同様に構成され機能するため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0053】
生体検知部160は、撮像部110により取得された申請者Pの顔写真が生体によって提示されたものであるかを検知する。生体検知部160は、例えば、立体確認、瞬き検出、視線検出、モーション指示、肌判定等を実施することで、撮像部110の撮影対象が、写真等ではなく、生体であることを検知する。これにより、パスポートの不正な申請を防止する。
【0054】
具体的には、申請者Pの立体確認をする場合には、生体検知部160として3Dセンサ、ステレオカメラ等を用いてもよい。あるいは、申請者の瞬きや視線を検知する場合には、生体検知部160として申請者Pの眼の動きを検知可能なカメラ等を用いてもよい。また、生体検知部160を、音声や表示により申請者Pに対して動作を指示し、その通りに動いたか否かをカメラ等によって検知する装置として構成してもよい。また、生体検知部160を、申請者Pに対して近赤外光を照射する光源と、近赤外光が照射された申請者Pを撮影するカメラにより、肌検出を行う装置として構成してもよい。
【0055】
生体検知部160は、生体検知の結果を申請情報送信部130へ出力する。申請情報送信部130は、生体検知部160により、撮像部110の撮影対象が生体であることが確認された場合に、申請者Pの顔写真及び申請者情報取得部120により取得された個人番号を、パスポート申請装置200へ送信する。なお、生体検知部160により撮像部110の撮像対象が生体であることが確認されなかった場合には、通知部140により、申請者Pに対して、パスポートのオンライン申請ができない旨を通知してもよい。
【0056】
(パスポート申請装置)
パスポート申請装置200は、図8に示すように、申請情報取得部210と、パスポート申請部220と、受付結果送信部230と、照合依頼部240とを有する。申請情報取得部210、パスポート申請部220及び受付結果送信部230は、第1の実施形態と同様に構成され機能するため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0057】
照合依頼部240は、証明写真機100を用いて取得された顔写真と個人番号と関連付けれた登録顔写真との照合を、照合サーバ320に依頼する。例えば、申請者Pが他人の個人番号を使用してパスポート申請する可能性もあり得る。そこで、証明写真機100により取得された申請者Pの顔写真と、個人番号に関連付けられている登録顔写真とを照合することで、申請者Pと当該申請者Pにより入力された個人番号とが正しい対応関係にあることを確認する。顔写真の照合は、個人番号に関連付けられた個人情報を管理する個人情報サーバにアクセス可能な照合サーバ320により実施してもよい。
【0058】
照合依頼部240は、申請情報取得部210によって証明写真機100からパスポートの申請者Pの顔写真及び個人番号が取得されると、照合サーバ320へ顔写真及び個人番号を送信し、顔写真の照合を依頼する。照合依頼部240は、照合サーバ320へこれらの情報を送信すると、照合サーバ320から照合結果を受信するまで待機する。そして、照合依頼部240は、照合サーバ320から照合結果を受信すると、照合結果をパスポート申請部220へ出力する。
【0059】
パスポート申請部220は、顔写真の照合の結果、申請者Pの顔写真と個人番号に関連付けられている登録顔写真とが一致する場合に、申請情報取得部210から入力された顔写真及び個人番号を管理サーバ310へ送信し、パスポートを申請する。なお、顔写真の照合の結果、申請者Pの顔写真と個人番号に関連付けられている登録顔写真とが一致しなかった場合には、パスポート申請装置200は、受付結果送信部230から証明写真機100に対して、パスポートのオンライン申請ができない旨を通知してもよい。
【0060】
なお、照合依頼部240は、証明写真機100により個人番号が記載されたマイナンバーカードの顔写真が取得されている場合には、申請者Pの顔写真とマイナンバーカードの顔写真との照合を、照合サーバ320に依頼してもよい。
【0061】
(管理サーバ)
管理サーバ310は、パスポート発行機関により管理されるサーバであり、パスポートの申請及び発行に関する処理を行う。管理サーバ310は、第1の実施形態と同様に機能する。
【0062】
(照合サーバ)
照合サーバ320は、顔写真の照合を行うサーバであって、個人番号に関連付けられた個人情報を管理する個人情報サーバにアクセス可能に構成されている。照合サーバ320は、パスポート申請装置200から顔写真及び個人番号を受信すると、個人情報サーバから個人情報に関連付けられた登録顔写真を特定する。そして、照合サーバ320は、当該登録顔写真と受信した顔写真とを照合し、これらが一致するか否かを判定する。
具体的には、照合サーバ320は、例えば、申請者Pの顔写真から特徴量を抽出する。そして、照合サーバ320は、抽出した特徴量と、登録顔写真から抽出された特徴量とを照合し、特徴量が一致するか否かを判定する。照合サーバ320は、照合結果を、パスポート申請装置200へ送信する。
【0063】
[2-2.パスポート申請処理]
以下、図9に基づいて、本実施形態に係るパスポート申請システム1におけるパスポート申請処理について説明する。本実施形態に係るパスポート申請処理は、図8に示すパスポート申請システム1を構成する証明写真機100及びパスポート申請装置200を動作させることによって実施される。
【0064】
まず、パスポートの申請者Pは、証明写真機100にてパスポートのオンライン申請を申し込む(S201)。申請者Pからパスポートのオンライン申請の申し込みを受けると、証明写真機100は、まず、申請者情報取得部120により、申請者Pの個人番号を取得する(S203)。ステップS201及びS203の処理は、図7のステップS101、S103と同様に行えばよい。
【0065】
ステップS203にて個人番号が取得されると、撮像部110により、申請者Pの顔写真が取得される(S205)。このとき、生体検知部160により、撮像部110の撮影対象が生体であるか否かが確認される。例えば、撮影前に、生体検知部160により、申請者Pに対して立体確認、瞬き検出、視線検出、モーション指示、肌判定等を実施する。その結果、撮像部110の撮影対象が生体であることが確認された場合に、撮像部110により、申請者Pの顔写真を取得してもよい。あるいは、撮像部110により申請者Pの顔写真を取得した後、生体検知部160により、生体検知を行ってもよい。
【0066】
申請情報送信部130は、生体検知部160により、撮像部110による撮影対象が生体であることが確認された場合に、パスポート申請装置200に対して、申請者Pの顔写真及び個人番号を送信する(S207)。なお、生体検知部160により撮像部110の撮像対象が生体であることが確認されなかった場合には、通知部140により、申請者Pに対して、パスポートのオンライン申請ができない旨を通知してもよい。
【0067】
パスポート申請装置200は、申請情報取得部210にて、証明写真機100から申請者Pの顔写真及び個人番号を受信すると、照合依頼部240は、顔写真の照合を照合サーバ320に依頼する(S209)。照合サーバ320は、パスポート申請装置200から顔写真及び個人番号を受信すると、個人情報サーバから個人情報に関連付けられた登録顔写真を特定する。そして、照合サーバ320は、当該登録顔写真と受信した顔写真とを照合し、これらが一致するか否かを判定する(S211)。照合サーバ320は、照合結果を、パスポート申請装置200へ送信する(S213)。
【0068】
照合サーバ320から照合結果を受信すると、パスポート申請部220は、顔写真の照合の結果、申請者Pの顔写真と個人番号に関連付けられている登録顔写真とが一致する場合に、管理サーバ310へ送信し、パスポートを申請する(S215)。なお、顔写真の照合の結果、申請者Pの顔写真と個人番号に関連付けられている登録顔写真とが一致しなかった場合には、パスポート申請装置200は、受付結果送信部230から証明写真機100に対して、パスポートのオンライン申請ができない旨を通知してもよい。
【0069】
管理サーバ310は、パスポート申請装置200から申請者Pのパスポート申請を受けると、個人番号に基づき申請者Pの身元を確認する(S217)。管理サーバ310は、身元を確認した結果に基づきパスポート申請の受付可否を決定すると、受付結果をパスポート申請装置200へ送信する(S219)。また、パスポート申請を受け付けた場合には、管理サーバ310は、申請者Pの個人番号と関連付けられている個人情報を取得し、取得した個人情報と申請者Pの顔写真とを用いてパスポートの作成を開始する(S221)。ステップS217~S221の処理は、図7のステップS111~S115と同様に行えばよい。
【0070】
ステップS219にて管理サーバ310から送信されたパスポート申請の受付結果を受信したパスポート申請部220は、受付結果送信部230により、受付結果を証明写真機100へ送信する(S223)。証明写真機100は、パスポート申請装置200からパスポート申請の受付結果を受信すると、通知部140を介して、受付結果を申請者Pに通知する(S225)。ステップS223、S225の処理も、図7のステップS117、S119と同様に行えばよい。
【0071】
申請者Pは、パスポート申請が受付されれば、後日、パスポート発行機関からパスポートが交付される。一方、パスポート申請が受付されなかった場合には、再度パスポート申請を行う等の対応を取ればよい。
【0072】
以上、第2の実施形態に係る証明写真機100、パスポート申請装置200を用いて構築されたパスポート申請システム1について説明した。本実施形態によれば、パスポートの申請者の個人番号を用いてパスポート申請を行うため、管理サーバ310において確実に申請者の身元を確認することができる。また、申請者のパスポート用の顔写真は、証明写真機100により撮像されたデータであり、当該顔写真は、パスポートの申請者が受け取ることなく、パスポート申請装置200を介して直接管理サーバへ送信される。したがって、申請者は、顔写真を加工したり、別人の写真に置き換えたりするといった不正を行うことができない。これにより、安全にパスポートのオンライン申請を行うことができる。また、証明写真機100を用いることで、パスポート用の写真に要求される画質、背景等の品質を備えた写真を用いて、パスポートを申請することもできる。
【0073】
さらに、本実施形態によれば、証明写真機100による申請者Pの顔写真の撮影時に、撮影対象が生体であるかが確認される。これにより、パスポートの不正な申請を防止することができる。また、本実施形態によれば、パスポート申請にあたり、照合サーバ320にて顔写真の照合が行われる。これにより、例えば申請者Pが他人の個人番号を使用してパスポート申請するといった不正を防止することができる。
【0074】
なお、本実施形態に係るパスポート申請システム1は、証明写真機100が生体検知機能を有しており、かつ、パスポート申請前に顔写真の照合が行われるように構成されたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、パスポート申請システム1は、生体検知機能または顔写真照合機能のいずれかを備えるように構成されてもよい。また、上記説明では、証明写真機100が生体検知部160を有していたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、パスポート申請装置200に生体検知機能を持たせたり、あるいは、生体検知処理を実行可能なサーバを用いたりして、撮影対象が生体であるかを確認してもよい。
【0075】
また、上記図9の説明において、パスポート申請装置200は、まず、照合サーバ320に対して顔写真の照合を依頼し(S209)、その後、管理サーバ310に対してパスポート申請を行ったが(S215)、本発明はかかる例に限定されない。例えばパスポート申請装置200は、管理サーバ310に対してパスポート申請を行った後、照合サーバ320に対して顔写真の照合を依頼してもよい。パスポート申請装置200は、両方の処理を実施して、証明写真機100にパスポート申請の受付結果を送信する。
【0076】
[2-3.プログラム]
本実施形態に係るプログラムは、コンピュータを、図8に示す機能部として実行させるプログラムであればよい。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施形態に係るパスポート申請システム1、当該システムを構築する証明写真機100、パスポート申請装置200及びパスポート申請方法を実現することができる。この場合、コンピュータのプロセッサは、証明写真機100の申請者情報取得部120、申請情報送信部130、通知部140、入力部150、生体検知部160として機能し、処理を行う。また、コンピュータのプロセッサは、パスポート申請装置200の申請情報取得部210、パスポート申請部220、受付結果送信部230、照合依頼部240として機能し、処理を行う。コンピュータとしては、汎用のPCの他に、スマートフォン、タブレット型端末装置が挙げられる。
【0077】
さらに、本実施形態に係るプログラムは、複数のコンピュータによって構築されたコンピュータシステムによって実行されてもよい。この場合は、例えば、各コンピュータが、それぞれ、証明写真機100の申請者情報取得部120、申請情報送信部130、通知部140、入力部150、生体検知部160のいずれかとして機能してもよく、パスポート申請装置200の申請情報取得部210、パスポート申請部220、受付結果送信部230、照合依頼部240のいずれかとして機能してもよい。
【0078】
[3.物理構成]
上記実施形態に係るプログラムを実行することによって、パスポート申請装置200を実現するコンピュータの物理構成について、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態に係るパスポート申請装置200を実現するコンピュータ900の一例を示すブロック図である。
【0079】
図10に示すように、コンピュータ900は、CPU(Central Processing Unit)901と、メインメモリ902と、記憶装置903と、入力インターフェイス904と、表示コントローラ905と、データリーダ/ライタ906と、通信インターフェイス907とを備える。これらの各部は、バス911を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0080】
また、コンピュータ900は、CPU901に加えて、又はCPU901に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Array)を備えていてもよい。この態様では、GPU又はFPGAが、上記実施形態におけるプログラムを実行することができる。
【0081】
CPU901は、記憶装置903に格納された、コード群で構成された実施の形態におけるプログラムをメインメモリ902に展開し、各コードを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ902は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。
【0082】
また、上記実施形態に係るプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体910に格納された状態で提供される。なお、上記実施形態におけるプログラムは、通信インターフェイス907を介して接続されたインターネット上で流通するものであってもよい。
【0083】
また、記憶装置903の具体例としては、ハードディスクドライブの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス904は、CPU901と、キーボード及びマウスといった入力機器908との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ905は、ディスプレイ装置909と接続され、ディスプレイ装置909での表示を制御する。
【0084】
データリーダ/ライタ906は、CPU901と記録媒体910との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体910からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ900における処理結果の記録媒体910への書き込みを実行する。通信インターフェイス907は、CPU901と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0085】
また、記録媒体910の具体例としては、CF(Compact Flash(登録商標))及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記録媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記録媒体が挙げられる。
【0086】
なお、上記実施形態に係るパスポート申請装置200は、プログラムがインストールされたコンピュータではなく、各部に対応したハードウェアを用いることによっても実現可能である。さらに、パスポート申請装置200は、一部がプログラムで実現され、残りの部分がハードウェアで実現されていてもよい。
【0087】
[4.変形例]
上記第2の実施形態において、顔写真の照合は、パスポート申請装置200から照合サーバ320に依頼することにより実施されたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、顔写真の照合は、証明写真機100にて実施してもよい。
【0088】
この場合、証明写真機100は、撮像部110により取得された顔写真と個人番号と関連付けれた登録顔写真とを照合する照合部を有する。照合部は、個人情報サーバに対して個人番号を送信し、当該個人番号に関連付けられた登録顔写真を取得する。照合部は、取得した登録顔写真と、撮像部110により取得された申請者Pの顔写真とを照合する。そして、申請情報送信部130は、照合部により顔写真の人物が同一と判定された場合に、パスポートの申請者Pの顔写真及び個人番号を、パスポート申請装置200へ送信するようにしてもよい。
【0089】
なお、証明写真機100の申請者情報取得部120により個人番号が記載されたマイナンバーカードの顔写真が取得されている場合には、照合部は、申請者Pの顔写真とマイナンバーカードの顔写真とを照合してもよい。
【0090】
あるいは、顔写真の照合を照合サーバ320に依頼する照合依頼部を、パスポート申請装置200ではなく、証明写真機100に設けてもよい。
【0091】
また、上記実施形態において、証明写真機100は、パスポート申請装置200に対してパスポート申請装置200に対して申請者Pの顔写真及び個人番号を送信する際、証明写真機を特定可能な機器情報を送信してもよい。パスポートのオンライン申請が可能な証明写真機は、不正申請防止機能を備えており、パスポート申請装置200と接続可能であることがパスポート発行機関により認可されたものであることが望ましい。
【0092】
そこで、パスポート申請装置200に、パスポート申請機関により認可された証明写真機の機器情報(例えば証明写真機ID)を保持させる。そして、パスポート申請部220は、パスポート申請を受けた際に、受信した機器情報に基づいて、証明写真機がパスポート申請を認可されているか否かを判定する。証明写真機が認可されていると判定された場合に、パスポート申請部220は、パスポートを申請するようにする。これにより、申請者Pからの申請の信用をより高めることができる。
【0093】
さらに、上記実施形態では、証明写真機100から、パスポート申請装置200を介して管理サーバ310へパスポート申請を行う場合を示したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、証明写真機100に、パスポート申請装置200の機能を備えさせてもよい。あるいは、管理サーバ310に、パスポート申請装置200の機能を備えさせてもよい。これにより、証明写真機100から直接管理サーバ310に対してパスポート申請を行うことができる。
【0094】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)~(付記13)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0095】
(付記1)
証明写真機からパスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得する申請情報取得部と、
取得した前記顔写真及び前記個人番号を管理サーバへ送信し、パスポートを申請するパスポート申請部と、
前記管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、前記証明写真機へ送信する受付結果送信部と、
を有する、パスポート申請装置。
【0096】
(付記2)
前記証明写真機を用いて取得された顔写真と前記個人番号と関連付けれた登録顔写真との照合を照合サーバに依頼する照合依頼部を有し、
前記パスポート申請部は、前記照合サーバにより顔写真の人物が同一と判定された場合にパスポートを申請する、付記1に記載のパスポート申請装置。
【0097】
(付記3)
前記申請情報取得部は、さらに前記証明写真機を特定可能な機器情報を取得し、
前記パスポート申請部は、
前記機器情報に基づいて、前記証明写真機がパスポート申請を認可されているか否かを判定し、
前記証明写真機が認可されていると判定された場合にパスポートを申請する、付記1または2に記載のパスポート申請装置。
【0098】
(付記4)
パスポートの申請者の顔写真を取得する撮像部と、
前記パスポートの申請者の個人番号を取得する申請者情報取得部と、
取得された前記パスポートの申請者の顔写真及び前記個人番号をパスポート申請装置へ送信する申請情報送信部と、
前記パスポート申請装置から受信したパスポート申請の受付結果を、前記申請者に通知する通知部と、
を有する、証明写真機。
【0099】
(付記5)
前記撮像部により取得された顔写真と前記個人番号と関連付けれた登録顔写真とを照合する照合部を有し、
前記申請情報送信部は、前記照合部により顔写真の人物が同一と判定された場合に、前記パスポートの申請者の顔写真及び前記個人番号を、前記パスポート申請装置へ送信する、付記4に記載の証明写真機。
【0100】
(付記6)
前記撮像部により取得された前記顔写真が生体によって提示されたものであるかを検知する生体検知部を有する、付記4または5に記載の証明写真機。
【0101】
(付記7)
前記通知部は、交付されるパスポートを受け取り可能な場所及び受け取り可能な日時を、前記申請者に通知する、付記4~6のいずれか1項に記載の証明写真機。
【0102】
(付記8)
証明写真機によりパスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得し、
取得された前記パスポートの申請者の顔写真及び前記個人番号を管理サーバに送信して、パスポート申請を行い、
前記管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、前記申請者に通知する、パスポート申請方法。
【0103】
(付記9)
証明写真機と、パスポート申請装置と、を有し、
前記証明写真機は、
パスポートの申請者の顔写真を取得する撮像部と、
前記パスポートの申請者の個人番号を取得する申請者情報取得部と、
取得された前記パスポートの申請者の顔写真及び前記個人番号をパスポート申請装置へ送信する申請情報送信部と、
パスポート申請の受付結果を、前記申請者に通知する通知部と、
を有し、
前記パスポート申請装置は、
前記証明写真機から前記パスポートの申請者の顔写真及び個人番号を取得する申請情報取得部と、
取得した前記顔写真及び前記個人番号を管理サーバへ送信し、パスポートを申請するパスポート申請部と、
前記管理サーバによるパスポート申請の受付結果を、前記証明写真機へ送信する受付結果送信部と、
を有する、パスポート申請システム。
【0104】
(付記10)
前記パスポート申請装置は、
前記証明写真機を用いて取得された顔写真と前記個人番号と関連付けれた登録顔写真との照合を照合サーバに依頼する照合依頼部を有し、
前記パスポート申請部は、前記照合サーバにより顔写真の人物が同一と判定された場合にパスポートを申請する、付記9に記載のパスポート申請システム。
【0105】
(付記11)
前記パスポート申請装置は、
前記申請情報取得部は、さらに前記証明写真機を特定可能な機器情報を取得し、
前記パスポート申請部は、
前記機器情報に基づいて、前記証明写真機がパスポート申請を認可されているか否かを判定し、
前記証明写真機が認可されていると判定された場合にパスポートを申請する、付記9または10に記載のパスポート申請システム。
【0106】
(付記12)
前記証明写真機は、
前記撮像部により取得された顔写真と前記個人番号と関連付けれた登録顔写真とを照合する照合部を有し、
前記申請情報送信部は、前記照合部により顔写真の人物が同一と判定された場合に、前記パスポートの申請者の顔写真及び前記個人番号を、前記パスポート申請装置へ送信する、付記9~11のいずれか1項に記載のパスポート申請システム。
【0107】
(付記13)
前記証明写真機は、
前記撮像部により取得された前記顔写真が生体によって提示されたものであるかを検知する生体検知部を有する、付記9~12のいずれか1項に記載のパスポート申請システム。
【0108】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
以上のように本発明によれば、パスポートをオンライン申請することができる。本発明は、パスポート申請システムに有用である。
【符号の説明】
【0110】
1 パスポート申請システム
5 ネットワーク
100 証明写真機
110 撮像部
120 申請者情報取得部
130 申請情報送信部
140 通知部
150 入力部
160 生体検知部
200 パスポート申請装置
210 申請情報取得部
220 パスポート申請部
230 受付結果送信部
240 照合依頼部
310 管理サーバ
320 照合サーバ
900 コンピュータ
901 CPU
902 メインメモリ
903 記憶装置
904 入力インターフェイス
905 表示コントローラ
906 データリーダ/ライタ
907 通信インターフェイス
908 入力機器
909 ディスプレイ装置
910 記録媒体
911 バス
図1
図2
図3
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図5
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図8
図9
図10