(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】光センサシステム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20250304BHJP
G01B 11/26 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
G01B11/00 H
G01B11/26 Z
(21)【出願番号】P 2021545988
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(86)【国際出願番号】 CA2020050131
(87)【国際公開番号】W WO2020160649
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2023-01-26
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521346357
【氏名又は名称】フォトン コントロール インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PHOTON CONTROL INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】シヴェンキー,ユーリ
【審査官】井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-159401(JP,A)
【文献】特開2018-077256(JP,A)
【文献】特開2017-064107(JP,A)
【文献】特開2018-054530(JP,A)
【文献】米国特許第04936683(US,A)
【文献】特開2007-333592(JP,A)
【文献】特開2005-040913(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01C 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプレート上に構成される複数の発光器であって、それぞれ第2のプレート上の対応する標的点に向けて光線を発する複数の発光器と、
前記第1のプレート上に構成される複数の光検出器であって、それぞれ
複数の画素を含み、前記対応する標的点から拡散反射した光を受信するように構成される複数の光検出器と、
前記複数の光検出器のそれぞれの少なくとも一部の上に配置された複数のブラインドと、
信号プロセッサと、
を備え、
前記複数のブラインドは、
(i)
前記複数の画素の一部の上にそれぞれ配置された複数のウインドウを形成し、
(ii)前記複数の画素のそれぞれの部分によって検出された前記拡散反射した光を前記第1のプレートに垂直又は実質的に垂直な拡散反射した光に制限する
ように構成され、
前記信号プロセッサは
、前記複数の
光検出器により受信された前記拡散反射した光
を処理して前記複数の発光器のそれぞれから前記第2のプレート上の前記対応する標的点までの距離を決定するように構成されている、
光センサ
システム。
【請求項2】
前記複数のブラインドが2つ以上のブラインドを備える請求項1に記載の光センサ
システム。
【請求項3】
前記複数のブラインドが一連のブラインドを備える請求項2に記載の光センサ
システム。
【請求項4】
前記複数のブラインドが前記複数の光検出器のそれぞれに概ね垂直に配置された請求項3に記載の光センサ
システム。
【請求項5】
前記複数のブラインドが前記複数の光検出器のそれぞれに隣接して配置された請求項4に記載の光センサ
システム。
【請求項6】
情報を受信装置に伝達するための通信用送信機をさらに備える請求項1に記載の光センサ
システム。
【請求項7】
前記通信用送信機が無線である請求項
6に記載の光センサ
システム。
【請求項8】
前記通信用送信機がブルートゥース(登録商標)技術を用いて機能する請求項
7に記載の光センサ
システム。
【請求項9】
前記光検出器を遠隔で作動させる手段をさらに備える請求項1に記載の光センサ
システム。
【請求項10】
高精度加速度計をさらに備える請求項1に記載の光センサ
システム。
【請求項11】
前記複数の発光器
のそれぞれ、前記複数の光検出器
のそれぞれ、及び前記複数のブラインド
のそれぞれの相対的な位置を維持するように構成されたハウジング装置をさらに備える請求項1に記載の光センサ
システム。
【請求項12】
前記通信用送信機がリアルタイムで情報を送信する請求項
6に記載の光センサ
システム。
【請求項13】
前記複数の光検出器のそれぞれが電荷結合素子である請求項1に記載の光センサ
システム。
【請求項14】
前記光センサ
システムは円形であり、
前記複数の光検出器のそれぞれは、前記光センサ
システムの縁の近くに配置され、前記光センサ
システムの周縁周りに等間隔に配置される、
請求項1に記載の光センサ
システム。
【請求項15】
前記信号プロセッサは、前記複数の発光器のそれぞれと前記対応する標的点との間の距離に基づいて前記第1のプレートと前記第2のプレートとが平行であるか否かを決定するための処理を行うように構成されている、
請求項
1に記載の光センサ
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記は、概ね、2点間の距離を測定するための光センサ及びシステムに関する。さらに詳細には、薄型の光センサと、2つのプレートを水平調整するために複数のセンサを使用することとに関する。さらに、下記は、半導体成膜装置を較正するために複数のセンサを使用することに関する。
【背景技術】
【0002】
光センサ、特に、レーザー光センサが、当該技術に存在する。この種のセンサは、レーザーから光線を発し、当該光線が、フォーカスレンズを通過してから標的点に達することにより、機能する。光は、拡散しながら後方反射し、第2のフォーカスレンズを通って、反射光が光検出器上のスポットに集中する。次いで、光検出器上の光の位置が、処理され、レーザーと標的点との間の距離を決定することに用いられる。距離を光学的に測定するこの方法は、多くの応用例において有用であるが、センサ、特に、フォーカスレンズには、効果的に機能するのに適切な広さの空間が必要である。
【0003】
フォーカスレンズなしに拡散した光は、光検出器のさらに広い範囲に当たり、光検出器は、正確な位置の読み取りをすることができない場合が多い。よって、光センサ、特に、レーザー光センサは、薄型センサを必要とする狭い空間における応用例には有効ではないことが分かった。
【0004】
半導体成膜設備では、例えば、チャックとシャワーヘッドとの間のかなり正確な位置合わせが、ウェハ全体にわたって均一な膜を得るために必要とされる。典型的には、チャックとシャワーヘッドとの間の間隔が制限されているため、薄型のウェハ静電容量式ギャップセンサが使用されてきた。一連の3つの静電容量式ギャップセンサが、センサが較正中に着座するチャックと、シャワーヘッドとの間のギャップを測定することに使用されている。チャックとシャワーヘッドとの相対的な位置は、3つすべてのセンサが同一のギャップを測定し、よって、チャックとシャワーヘッドとが相互に平行となるまで調整される。
【0005】
静電容量は、2つの導電プレート、例えば絶縁体、この場合それらの間の空気又は真空により分離されているセンサとシャワーヘッドとの電気的特性である。以下の式により示すように、それは、プレートの面積と、それらを分離する絶縁体の比誘電率とに比例し、プレートを分離するギャップに反比例するものである。
【0006】
【0007】
静電容量式ギャップセンサは、その精度が、標的物の材料の導電性に依存するという点で、制限がある。そのようなセンサでは、センサと標的物との間の高水準の基準距離は不可能であり、狭い範囲の応用例に限定されてしまう。望まれない傾斜、間隔、電気的ノイズ、並びに温度、湿度及びノイズ全体への感度が高くなり得る。それぞれのセンサは、かなり大きく、典型的には、直径12~60mmで、小型の応用例に対する使用は制限されてしまう。距離を測定する又はプレートを水平調整するための、正確で信頼できる薄型センサに対する要請がなおある。
【発明の概要】
【0008】
発光器及び光検出器を具えて、距離を測定する、薄型の光センサを提供する。さらに詳細には、光センサは、一連のブラインドを有し、拡散した反射光を、フォーカスレンズを必要とせずに、フィルター処理するフォーカスフィルムを含む。光センサは、種々の応用例において使用することができ、その応用例には、2つのセンサを使用して対象物の厚さを測定すること又は3つ以上のセンサを使用して2つの表面の間の角度を決定することが含まれる。下記は、さらに、較正センサと、3つ以上の光センサを使用してシャワーヘッドとチャックとを半導体成膜装置において水平調整する較正方法とを、説明するものである。
【0009】
本説明は、添付図面に関連するものとしてのみ一例として図示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、光センサ及びそこから発せられる光パターンの概略図である。
【
図2A】
図2Aは、標的点が最大限の距離にあるときの光センサの光路を示す概略図である。
【
図2B】
図2Bは、標的点が最小限の距離にあるときの光センサの光路を示す概略図である。
【
図4A】
図4Aは、フォーカスフィルムの第1の実施形態の側面図である。
【
図4B】
図4Bは、フォーカスフィルムの第2の実施形態の側面図である。
【
図5】
図5は、対象物の厚さを決定することに使用される2つの光センサの概略図である。
【
図6】
図6は、2つのプレートが水平であるか否かを決定することに使用される3つの光センサの概略図である。
【
図7】
図7は、半導体成膜装置における較正センサの使用を表す概略図である。
【
図9】
図9は、較正センサを部分的に拡大した斜視図である。
【
図10】
図10は、使用中の較正センサの構成要素の相互作用を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、発光器4、好ましくはレーザーと、光検出器6、好ましくは電荷結合素子(CCD)とを有する光センサ2を示す。これらの要素は、好ましくはハウジング(図示せず)に収容される。使用時には、発光器が、光線8を、表面12上の標的点10に向けて発する。発せられた光線8は、標的点10に達し、表面12から検出器6に反射/散乱光14として反射/散乱する。反射/散乱光14は、光検出器6に当たる。光が表面12から反射/散乱する角度は、光検出器6からの標的点の距離により決定される。反射/散乱光14は、光検出器6に当たり、光検出器に当たる場所を用いて、光検出器6から標的点10までの距離が決定される。例えば、標的点10が、
図2Aに表すように、(例えば、特定の最大範囲で)遠く離れている場合、反射光14は、発光器4から最も遠い光検出器6の端部に当たることになる。あるいは、
図2Bに図示するように、標的点10が、(例えば、特定の最小範囲で)最も近い位置にある場合、反射光14は、レーザー発光器4に最も近い、光検出器6の反対側の端部に着地する。任意の特定のセンサが測定し得る距離の範囲は、標的物の表面及び発光器の特性に加えて、部分的に光検出器のサイズにより決定される。受信した光14を、信号プロセッサ16が、処理し分析し、当業者に既知の光学的三角測量の原理に基づいて、標的点10までの距離を決定する。
【0012】
図1及び
図3に示すように、反射光14は、標的点10から拡散して反射する。まず、何らかの方法でフィルター処理又は集束させなければ、反射光は、光検出器6の広い領域に当たって、標的点10までの距離を正確に測定することはできなくなる。これに対処するために、フォーカスフィルム18を、反射面12と光検出器6との間に配置する。フォーカスフィルム18は、光検出器6の受光面20に隣接して配置することが好ましい。代替実施形態において、フォーカスフィルムは、光検出器6から間隔を置いて配置されるが、発光器に干渉しないように構成される。
図4Aに示すように、フォーカスフィルム18は、複数のブラインド22を含み、当該複数のブラインド22は、透過性の基部表面24から外側に延び、それぞれの隣接するブラインドの組の間に複数のウィンドウ26を作り出す。ブラインドは、概ね、精度を上げ光損失を下げるため、光検出器6の表面に垂直に延びることが好ましい。透過性の上面28を、ブラインドの位置を維持するために、好ましい実施形態に含める。任意選択的に、
図4Bに示すように、フォーカスフィルム18bにおいて、上面を排除し、ブラインド22を、基部24から外側に突出させる。好ましくは、ブラインド22は、均等な間隔を置いて配置されるが、応用例によっては、ブラインドの間の間隔をカスタマイズすることができる。
【0013】
図3を再度参照すると、反射光14は、標的点10から拡散反射すると、フォーカスフィルム18を透過してから光検出器6に当たる。フォーカスフィルム18は、拡散した反射光14が、ある程度、光検出器6に当たることを妨げるように作用して、その結果、光検出器6が作動する面積が狭くなって、測定精度が上がる。多くの応用例では、フォーカスフィルム又はフォーカスレンズがなく、センサは、その長さに沿って等しく光が当たることになり、測定では決定することができない。図示目的で、拡散した反射光14を、
図3に一連の破線14a~14iとして示しており、それぞれが、拡散光の一部を表している。拡散パターンの内部に位置する光の部分14d、14e、14f及び14gは、フォーカスフィルム18に、光がウィンドウ26a、26b、26c及び26dをそれぞれ透過できる角度で当たる。光のこの部分が、光検出器6に当たり、その位置を用いて、標的点10の距離を決定する。しかしながら、拡散パターンの外側の、14a、14b、14c、14h及び14iを含む光の部分は、光がブラインド22a、22b、22c、22d及び22eにそれぞれ当たる角度で、フォーカスフィルム18を透過する。これによって、反射光14のこの部分が、光検出器6と接触することが妨げられる。拡散した反射光14の一部のみがフォーカスフィルム18を透過するので、光により作動する光検出器の面積は、減少する。フォーカスフィルムの全体的な効果は、反射光14がフィルター処理されて、光検出器上の光の面積が狭くなり、フォーカスレンズを必要としないことである。
【0014】
単体では、本発明の光センサは、対象物の距離又は有無を測定することに使用することができる。ハウジングの堅牢性、光検出器のサイズ、フォーカスフィルムにおけるブラインドの間隔及びサイズ又は発光器の特性等、種々の特徴を調整することによって、光センサは、多種多様な応用例及び環境、狭い空間から屋外で又は産業用途で使用するために、適合させることができる。一般的な応用例には、限定はしないが、品質管理、エラー防止及び位置決め用の応用例が含まれる。
【0015】
少なくとも8mm程度の高さで、レンズ非搭載設計が、狭い空間内における応用例では、特に有利である。その上、光センサは、堅牢であり、多種多様な、20℃から65℃の範囲の温度、広範囲の湿度及び真空を含む圧力を含めた条件下で使用することができる。
【0016】
光センサは、対にして使用することもできる。
図5に示すように、センサ27及び29が、対象物30の反対側に配置されて、それぞれのセンサ32及び34から対象物30までの距離を決定することができる。この情報を、次に、当該対象物30の厚さtを決定することに用いることができる。
【0017】
3つの光センサを、2つのプレートが水平又は平行であるかを決定することと組み合わせて使用することができる。
図6に示すように、3つの光センサ34、36及び38が、第1のプレート40上に構成され、第2のプレート48上の各種標的点42、44及び46に、それぞれ、光を発するように配置される。第1の光センサは、第1の標的点42との間の距離d1を決定し、第2の光センサは、第2の標的点44との間の距離d2を決定し、第3の光センサは、第3の標的点46との間の距離d3を決定する。d1、d2及びd3が全て等しい場合、プレートは、水平であり、相互に平行に位置合わせされた状態である。3つ全てのセンサは、使いやすくするためと、その相対的な位置を維持するためとから、共通の基部50に固定されていることが好ましい。3つの既知の距離を用いて、一方のプレートの他方に対する角度も、計算することができる。したがって、このタイプのセンサは、任意の相対角度で2つのプレートを較正又は設定することに使用可能である。最小限3つのセンサが、2つのプレートの間の角度を決定するのに必要だが、さらに多くのセンサを使用可能であることを理解されたい。
【0018】
好ましい実施形態において、センサ60は、リアルタイムで測定値を送信するように、通信用送信機、好ましくは無線又はブルートゥース(登録商標)を含む。さらなる実施形態では、高精度加速度計が、センサの1つ以上に、センサの地面に対する傾斜を測定するように含まれる。センサは、遠隔で作動するように構成することもできる。
【0019】
この設計は、半導体成膜装置の較正処置において特に有用である。
図7に、シャワーヘッド54及びチャック56が下部ハウジング58内に配置された、簡略化した半導体成膜装置52を示す。簡略化のため、チャック及びシャワーヘッドを囲むチャンバー、並びにこのタイプの装置に見受けられる他の構成要素は省略している。均一の厚さを有するウェハ製品を製造するためには、シャワーヘッド54とチャック56とが水平であることが重要である。よって、製品を製造する前に、半導体成膜装置を較正する。較正センサ60は、少なくとも3つの光センサを含んでおり、チャック上に配置され、チャックとシャワーヘッドとの間の少なくとも3つの距離を決定するように作動する。次に、チャック及び/又はシャワーヘッドは、測定された3つすべての距離が等しくなるまで調整される。較正センサを遠隔作動させ得ることで、チャックをシャワーヘッドに対して位置合わせする際に時間の制限は存在しない。
【0020】
図8に、基部70に配置され固定された3つの光センサ64、66及び68を組み込んだウェハ状の較正センサ62の好ましい設計を示す。種々の材料を使用して基部を製作することができるが、半導体の基部となり得る材料において用いるための好ましい実施形態には、限定はしないが、Meldin(登録商標)、Celazole(登録商標)、Torlon(登録商標)、PEEK(登録商標)、Vespel(登録商標)、陽極酸化処理を施したアルミニウム及びセラミック、融解石英、シリコン又はサファイアが含まれる。基部は、センサ間の相対的な動きを防止するように剛性があることが、好ましい。距離は、センサの位置から標的点まで測定されることが典型的であることから、基部の剛性によって、基部から発光器までの距離が一定のままとなることが保証される。基部は、基部の特性が各種温度又は圧力の条件下で大きく変化(例えば、膨張又は収縮)するように、設計されることが好ましい。それぞれの光センサは、光検出器78、80及び82の隣にそれぞれ配置された発光器72、74及び76を有する。光センサ66の拡大図を示す
図9において分かるように、光検出器80は、その上部に、フォーカスフィルム84が取り付けられている。これは、それぞれのセンサに一貫したものである。上部カバー86が、較正センサ62の作動構成要素を保護するために設けられる。スロット88の第1の組が、それぞれの発光器72、74及び76が光を発することができるように設けられ、スロット90の第2の組が、光検出器78、80及び82を露出させるように上部カバー86に設けられる。上部カバーは、複数のカバーからモノリシックに形成されるか又は複数のカバーからなり、それぞれが、較正センサの特定の外観を保護する。上部カバーは、当業者に既知の任意の形態で基部に取り外し可能に固定することができる。図に示した好ましい実施形態においては、ねじを使用している。
【0021】
図の好ましい実施形態においては、較正センサは、円形であり、光センサ64、66及び68が、基部の縁の近くに配置され、周縁周りに等間隔に配置されている。センサを、基部により可能とされる程度間隔を置いて配置することによって、3つの標的点の間の測定距離が、最大となる。これによって、3点がさらに近い場合よりも、さらに正確に水平となる。
【0022】
基部の中心は、外部の送受信機に測定値を送信するように、送信機、好ましくは無線又はブルートゥース等、他の作動構成要素を収容するために使用することができる。この設計の場合、測定値は、チャック及び/又はシャワーヘッドの位置を、リアルタイム測定に応答して自動的に調整可能な較正ソフトウェアへの入力として用いることができる。その上、基部の中央は、3つの光センサに電力供給するために電源装置92を収容するように利用することができる。電源装置は、他の電源装置が当業者に既知である可能性はあるが、好ましくは、全体として無線の較正センサを考慮に入れたバッテリーである。好ましい実施形態は、センサを無線で作動させ得ることを含むので、当該設計の1つの利点は、半導体ハウジング内における真空を解放することなく、センサを遠隔で使用することができることである。
【0023】
図10のフローチャートは、較正システムの構成要素の相互作用全体を示すものである。まず、100において、較正センサを磁気スイッチにより作動させる。バッテリーからの電圧をスイッチングレギュレータ102により調節する。次に、マイクロコントローラーユニット(MCU)に、電源を入れて、ソフトウェアアルゴリズム104を起動させる。CCD光検出器からのデータが処理され106、それぞれの光検出器から計算された最終の距離の数値が、PCにより受信された無線信号110をMCUが無線チャネルにおいて送ることにより、PC108へ送り出される。磁気スイッチの1つの利点は、ロボットが、センサを磁石の側に移動させてセンサを作動させ得ることである。よって、人が介入する必要はない。
【0024】
使用時には、較正システムが、磁気スイッチを用いて作動し、制御オプションが、対応するソフトウェアに構築される。較正センサを、較正中の人の出入りがない閉鎖型の半導体成膜室内に配置する。発光器が、3つの距離の測定値のリアルタイム送信を有効化する。対応のソフトウェアが、距離を比較し、チャック及び/又はシャワーヘッドの位置に対して最適な調整を決定する。
【0025】
広範囲の電力が、許容され得ることが分かっており、それは当業者に知られているが、好ましい実施形態は、保護されていない人間の目に安全とみなされる、100mmで0.67mWの最大電力を発するレーザー発光器を含む。他の光源が、限定はしないが、LED又は白熱源を含め、当業者に知られている。ビームの形状又は波長もまた、紫外線から赤外線まで変動し得る。しかしながら、較正センサの好ましい実施形態は、さらに、850nmの作動波長を有する発光器を含む。他の光検出器が、動作可能であり知られているが、画素サイズが<10μm未満のリニアCCDセンサが、好ましい。画素サイズが小さくなる程、測定精度が上がり、好ましい実施形態では、画素サイズが8μmのCCD光検出器が使用されている。この好ましい構成の場合、標的点の配置は、15mm±5mmの測定範囲を有するセンサの中心から120mm±5mmである。
【0026】
特許請求の範囲は、実施例に記載の好ましい実施形態に限定すべきではないが、説明全体と一致する最も広い解釈をすべきものである。