(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】ドアをロック及びロック解除するためのデバイスを備えるキャビン並びに少なくとも1つのそのようなキャビンを備える乗客輸送施設
(51)【国際特許分類】
A63G 27/00 20060101AFI20250304BHJP
【FI】
A63G27/00
(21)【出願番号】P 2021029922
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2024-01-17
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515238552
【氏名又は名称】ポマ
【氏名又は名称原語表記】POMA
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リベール,シャビエル
(72)【発明者】
【氏名】ビトー,ティエリー
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-075526(JP,A)
【文献】特開2003-079958(JP,A)
【文献】特開2005-329083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗客輸送施設用のキャビンであって、開位置と閉位置との間で移動可能である少なくとも1つのドア(P1、P2)と、前記閉位置の前記ドアのいずれかの側に位置する内部床(C)及び敷居(S)と、を備え、前記キャビンは、前記ドアに堅固に接続され、かつ前記キャビンの外側に向かって突出するラグ(E)と、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能であるキャッチフィンガ(4)と、を有する、ロック及びロック解除デバイスを備え、前記
キャッチフィンガが、前記ロック位置では、前記ドアの前記閉位置から前記開位置への前記ラグ(E)の経路上の当接部であり、前記キャッチフィンガが、前記ロック解除位置では、前記キャビンの前記敷居(S)の下に後退され、前記ロック及びロック解除デバイスが、作動機構を備え、前記作動機構が、前記キャビンの前記内部床(C)の下に位置するペダル(7)と、前記ペダル(7)と前記キャッチフィンガ(4)との間の運動学的接続と、を備え、この接続が、前記キャビンの前記内部床及び前記キャビンの前記敷居(S)の下に位置することを特徴とする、キャビン。
【請求項2】
前記運動学的接続が、ピン(11)上に取り付けられ、かつ前記
キャッチフィンガ(4)及び前記ペダル(7)を支持するレバー(1)を備え、前記ペダル(7)が、好ましくは、前記ピン(11)と前記
キャッチフィンガ(4)との間にあり、前記レバー(1)が、前記キャッチフィンガが前記ロック解除位置にある第1位置と、前記キャッチフィンガが前記ロック位置にある第2位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項1に記載のキャビン。
【請求項3】
前記作動機構が、前記レバー(1)を前記第1位置から前記第2位置に駆動することができるアクチュエータ(2)を含むことを特徴とする、請求項2に記載のキャビン。
【請求項4】
前記アクチュエータ(2)が、前記ピン(11)に平行な軸を中心に枢動する逆転レバー(3)を介して前記レバー(1)に接続され、前記アクチュエータの本体が、前記ピン(11)に平行な軸を中心に枢動するように取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載のキャビン。
【請求項5】
前記レバー(1)及び前記アクチュエータ(2)が、前記キャビンのフレームに固定された前記作動機構のフレーム上で枢動するように取り付けられていることを特徴とする、請求項4に記載のキャビン。
【請求項6】
前記ピン(11)が、実質的に水平な軸(X)を中心に枢動することを特徴とする、請求項2~4のいずれか1項に記載のキャビン。
【請求項7】
前記アクチュエータ(2)が、一端が前記逆転レバー(3)に取り付けられている並進可動ロッド(20)を含む電磁シリンダを備えることを特徴とする、請求項4に記載のキャビン。
【請求項8】
前記キャッチフィンガ(4)が、前記ラグ(E)が前記キャッチフィンガ(4)に当接するときに、前記ロック解除位置に対して反対方向に前記ラグ(E)によって付勢されるように設計されていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のキャビン。
【請求項9】
前記少なくとも1つのドアが、開閉部材(F)を備え、前記ロック及びロック解除デバイスが、前記開閉部材(F)に連結され、係合解除可能であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載のキャビン。
【請求項10】
前記ペダルが、前記内部床内のアクセスハッチを介してアクセスされ得ることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のキャビン。
【請求項11】
前記敷居(S)を通過するチャネル(m)が、前記キャッチフィンガ(4)を収容するために形成されていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のキャビン。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の少なくとも1つのキャビンを備え、キャビンが、固定構造体に対して回転軸を中心に回転する可動構造体によって支持され、かつ前記可動構造体に対して前記回転軸に平行な軸を中心に回転する、乗客輸送施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客を輸送し、かつ水平に対する角度が一定ではない経路に沿って移動する、キャビンのドアのロック及びロック解除に関する。
【0002】
特に、本発明は、「大観覧車」又は観覧車などの遊園地で使用される輸送施設に実装され得る。
【背景技術】
【0003】
そのような施設は、特に、DE 476 892及びWO 2012/140330に説明されており、それらは、固定構造体に対して回転軸を中心に回転する可動構造体によって支持され、かつ可動構造体に対して回転軸に平行な軸を中心に回転する、球状キャビンを含む。
【0004】
これらの施設で使用されるキャビンは、一般に、乗客が乗降することを可能にする横方向のドアを備え、各ドアは、上部に開閉部材を備え、下部に外側に向かって突出するラグを備え、閉位置では、開位置でキャビンの床の下に後退し得るキャッチフィンガに当接する。
【0005】
したがって、これらのドアは、施設の下部に位置する乗り場において、自動的な、かつロックされた様式で当該ドアを開閉する安全な手段を備える。
【0006】
観覧車のキャビンドアを自動的に開閉するためのそのような手段は、CN206342901U及びJP2006075526Aに説明されている。これらの手段は、キャビン内からの偶発的又は意図的な開放を防止するために安全な様式で設計されている。
【0007】
しかしながら、施設が故障した場合、いくつかのキャビンは、高所に立ち往生し、ドアが開けられることを可能にし、そして乗客が外部機器を使用して避難することを可能にするために、ドアをロック解除する必要がある場合がある。
【0008】
他の状況では、ドアが偶発的に閉鎖され、乗客が降り場で降りることを防止する場合がある。
【0009】
さらに、施設の保守中及び実用的な理由から、オペレータがキャビンの内側からドアを開けることが有用である場合があり、これには、事前のロック解除を必要とする。
【0010】
しかしながら、キャビンは、内側からアクセス及び作動され得る、ドアをロック解除するための手段を有していない。それにもかかわらず、明らかな安全上の理由から、そのようなロック解除手段は、偶発的な落下を引き起こすリスクにおいて、不注意にも、容易にアクセス可能であるべきではない。
【発明の概要】
【0011】
この文脈では、本発明の目的は、外側からのドアの従来のロック/ロック解除を可能にしつつ、緊急時又は保守のためにキャビンの内側から時折、手動で、かつ単純にロック解除する選択肢も提供し、かつ乗客がキャビンに出入りすることに対する妨害又は障害にならない、技術的に単純で、信頼性があり、かつ安全である解決策を提供することである。
【0012】
この目的は、キャビンであって、開位置と閉位置との間で移動可能である少なくとも1つのドアと、閉位置のドアのいずれかの側に位置する内部床及び敷居と、を備え、キャビンは、ドアに堅固に接続され、かつキャビンの外側に向かって突出するラグと、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能であるキャッチフィンガと、を有する、ロック及びロック解除デバイスを備え、当該フィンガが、ロック位置では、ドアの閉位置から開位置へのラグの経路上の当接部であり、キャッチフィンガが、ロック解除位置では、キャビンの敷居の下に後退され、ロック及びロック解除デバイスが、作動機構を備え、作動機構が、キャビンの内部床の下に位置するペダルと、ペダルとキャッチフィンガとの間の運動学的接続と、を備え、この接続が、キャビンの内部床及びキャビンの敷居の下に位置することを特徴とする、キャビンによって達成される。
【0013】
ペダルは、好ましくは、キャビンの内部床内のアクセスハッチを介してアクセスされ得る。キャビンの内側から手動でドアを開ける必要があるとき、ペダルは、ハッチを持ち上げることによってアクセスされ、機構を容易に操作することができる。この操作は、外部指示を受ける乗客又は屋根ハッチを介してキャビンに入ったオペレータによって実行され得る。
【0014】
本発明の好ましい一実施形態によると、運動学的接続が、ピン上に取り付けられ、かつフィンガ及びペダルを支持するレバーを備え、ペダルが、好ましくは、ピンとフィンガとの間にあり、レバーが、キャッチフィンガがロック解除位置にある第1位置と、キャッチフィンガがロック位置にある第2位置との間で移動可能である。
【0015】
特定の変形例によると、作動機構が、レバーを第1位置から第2位置に駆動することができるアクチュエータを含む。このアクチュエータは、例えば、フィンガのロック位置に対応する安定位置を有する単安定、又はロック位置及びロック解除位置の両方が安定位置である双安定であり得る。
【0016】
本発明のキャビンの有利な特徴によると、アクチュエータが、ピンに平行な軸を中心に枢動する逆転レバーを介してレバーに接続され、アクチュエータの本体が、ピンに平行な軸を中心に枢動するように取り付けられている。この種の機構は、有利なトルク低減を可能にする。
【0017】
レバー及びアクチュエータは、好ましくは、キャビンのフレームに固定された作動機構のフレーム上で枢動するように取り付けられ、ピンは、実質的に水平な軸を中心に枢動する。
【0018】
別の変形例によると、アクチュエータは、一端が逆転レバーに取り付けられている並進可動ロッドを含む電磁シリンダを備える。
【0019】
別の特徴によると、キャッチフィンガは、開位置では、キャビンの敷居に配置されたキャビティ内に収容されるソールを支持する。ソールは、任意選択的に、ロックデバイスがキャビンの外側からオペレータによって作動されることを可能にする第2ペダルで構成される。代替的に、キャッチフィンガ自体がペダルで構成される。この目的のために、キャッチフィンガの突出端の隆起要素又はテクスチャ化が、足による容易な操作のために提供され得る。
【0020】
別の特徴によると、キャッチフィンガは、ラグがキャッチフィンガに当接するときに、ロック解除位置に対して反対方向にラグによって付勢されるように設計されている。
【0021】
他の特徴によると、ロック及びロック解除デバイスが、ドアを開閉するための部材に連結され、係合解除可能である。
【0022】
さらに、敷居を通過するチャネルが、キャッチフィンガを収容するように形成される。
【0023】
本発明の別の目的は、上記に説明された少なくとも1つのキャビンを備え、固定構造体に対して回転軸を中心に回転する可動構造体によって支持され、かつ可動構造体に対して回転軸に平行な軸を中心に回転する、乗客輸送施設である。
【0024】
本発明のキャビンに提供されるロック及びロック解除デバイスは、非常にコンパクトであり、したがって、キャビンの床の下に容易に収容され得る。緊急時、このデバイスは、通常の輸送状況における乗客の安全を損なうことなく、キャビンの内側から足でペダルを押すことによるロック解除の可能性を提供する。
【0025】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、以下の説明に見出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A】ドアが開位置にある、ロック及びロック解除デバイスの一実施形態を備える、本発明によるキャビンの正面図である。
【
図2】本発明のキャビンに提供されることを意図されたロック及びロック解除デバイスの一実施形態の斜視図である。
【
図4】背面図における、
図5Aに示されるデバイスの点線によって表される、平面IV-IVに沿った部分断面である。
【
図5A】
図3Bに示されるデバイスの、ドアがロック位置にあるときのキャビンの下のデバイスの区画内の平面V-Vに沿った横断面である。
【
図5B】
図3Bに示されるデバイスの、ドアがロック解除位置にあるときの平面V-Vに沿った横断面である。
【0027】
より明確にするために、同一又は類似の要素は、テキスト及び図面中で同一の参照符号によって示される。
【0028】
当然ながら、添付の図面によって示され、以下に説明される本発明の実施形態は、単に非限定的な例として与えられる。他の実施形態を提案するために、異なる実施形態を提案し、組み合わせることが可能であることが明示的に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明のキャビンは、ドアをロック及びロック解除することを意図するデバイスを備える。このキャビンは、乗客輸送施設、より具体的には、通常、遊園地にある「大観覧車」又は観覧車タイプの施設に組み込まれる。
【0030】
図1A及び
図1Bの一部に示されるように、キャビンは、略球形状を有する。キャビンは、固定構造体(図示せず)に対して回転軸(図示せず)を中心に回転する可動構造体によって支持され、可動構造体に対して回転軸に平行な軸を中心に回転する。
【0031】
このキャビンは、開位置と閉位置との間で移動可能である少なくとも1つのドアP1、P2と、閉位置でドアのいずれかの側に位置する内部床C及び敷居Sと、を備える。ドアの各々(ここでは、ドアP1、P2)は、上部及び昇降摺動運動をガイドするための開口部の側部に位置する開閉部材Fを備える。
【0032】
キャビンはまた、ドアに堅固に接続され、かつキャビンの外側に向かって突出するラグEと、ロック位置とロック解除位置との間で移動可能であるキャッチフィンガ4と、を備える、ロック及びロック解除デバイスも備える。
【0033】
ロック位置では、フィンガ4は、ドアの閉位置から開位置までのラグEの経路上の当接部である。ロック解除位置では、フィンガ4は、キャビンの敷居Sの下に後退又は格納される。フィンガ4は、有利には、昇降摺動ドアPを開こうとするときに、ラグEと接触するように配向されたV字形くぼみ44を備え得る。くぼみ44は、ラグEの開放力が加えられるときにフィンガ4を上げることを目的とする傾斜を形成する。
【0034】
それ自体が既知である様式で、ドアを開閉するための部材Fは、マイクロプロセッサによって制御される電気機械システムを介してロック/ロック解除デバイスに連結される。この構成では、ドアは、施設の下部に位置し、かつ乗客の乗降を意図する乗り場で、自動的な、かつ同期された様式で開閉及びロックされる。
【0035】
本発明の目的は、キャビンの内側からアクセスされ得る手動ロック解除部材を現在の自動ロック/ロック解除手段を提供することによって、現在の自動ロック/ロック解除手段を改善することである。
【0036】
本発明によると、ロックデバイスは、この目的のために、キャビンの内部床Cの下に位置し、かつその床内のハッチを介してアクセスされ得るペダル7と、ペダル7とキャッチフィンガ4との間の運動学的接続と、を備える、作動機構を備え、この接続は、キャビンの内部床Cの下及び敷居Sの下に位置し、ここでは床と水平に位置する。
【0037】
特に
図2及び
図5A、
図5Bに示される好ましい実施形態では、運動学的接続は、ピン11上に取り付けられ、かつキャッチフィンガ4及びロック解除ペダル7を支持する、レバー1を備える。ペダル7は、好ましくは、ピン11とフィンガ4との間に取り付けられ、レバー1は、キャッチフィンガ4がドアの後退されたロック解除位置にある第1位置と、フィンガ4がドアのロック位置で敷居Sの上に延ばされる第2位置との間で移動可能である。
【0038】
作動機構は、レバー1を第1位置から第2位置に駆動することができるアクチュエータ2を含む。この目的のために、アクチュエータ2は、ピン11に平行な軸を中心に枢動する逆転レバー3を介してレバー1に接続され、アクチュエータの本体の端部は、ピン11に平行な軸を中心に枢動するように取り付けられている。
【0039】
レバー1及びアクチュエータ2は、好ましくは、キャビンのフレームに固定された作動機構のフレーム上で枢動するように取り付けられ、ピン11は、実質的に水平な軸を中心に枢動する。
【0040】
示される好ましい実施形態では、レバー1は、キャビン及びアクチュエータ2の床Cの下に配置される長手方向プロファイルの形態にあり、ここでは、関節式接続を介して反転レバー3に一端が取り付けられる並進可動ロッド20を含む電磁シリンダを備える(
図4)。このアクチュエータ2は、ドアの開閉のために部材Fに連結され、係合解除可能である。
【0041】
ペダル7は、レバー1を形成するプロファイルの上部10に取り付けられ、特に緊急時に、「手動」ロック解除を実行することを目的として、乗客又は保守オペレータの足によって押されることを意図している。ペダル7は、好ましくは、レバー1に取り付けられ、固定される。
【0042】
ペダル7とフィンガ4との間の運動学的接続は、以下に詳細に説明される。キャビンの内側及び床Cの下に位置するレバー1の端(以下、内部端1aと呼ぶ)は、実質的に水平な軸Xを有するピン11上に取り付けられ、一方、端が敷居Sの下のキャビンの外側に位置する当該レバーの他端(外部端1bと呼ぶ)は、
図2、
図5A、及び
図5Bによって示されるように、キャッチフィンガ4を支持する。
【0043】
キャッチフィンガ4は、滑ることなく足による押圧を容易にするために、テクスチャ付き上面8を有する。開位置では、キャッチフィンガ4は、キャビンの床Cの下に配置されたキャビティA内に収容される(
図5A、
図5B)。
【0044】
レバー1の外部端1bは、床Cの下のキャビンの構造体Bとの接続及びキャッチフィンガ4の垂直運動範囲の両方を提供するジョイントを備える。
【0045】
このジョイントは、
図5A、
図5Bに示されるように、位置センサ6に連結されたプロファイル部材1の下に固定されたコーダ5を備える。センサ6の側方端は、
図2によって示されるように、側部部材Lに配置された開口部内に収容される。
【0046】
逆転レバー3は、L字形端板を備え、ここでは、その端31、32が、それぞれ、第1ブラケット1cによって支持されたピン31aを介してレバー1の下部に回転可能に接続され、第1トラニオン23によってアクチュエータ2のロッド20に回転可能に接続される。
【0047】
レバー3の中央部33は、第2ブラケットDによって支持された第2トラニオン30によって角度付けられてキャビンに接続される。ブラケットDは、
図2及び
図5aによって示されるように、床Cの下のキャビンの構造体B上に固定された交差部材T上にボルト固定される。アクチュエータ2は、ここで、逆転レバー3に向かってわずかに下向きに傾斜して構造体Bに固定される。
【0048】
レバー1の内部端1aのピン11は、
図2及び
図3A、
図3Bによって示されるように、キャビンの構造体B上に固定された側部部材Lに堅固に接続される2つの乗り場Kの間の軸B上に取り付けられる。
【0049】
キャビンが2つのドアP1、P2を備える場合、各ドアが、本発明のロック及びロック解除デバイスを備える。デバイスは、
図1A、
図1B、及び
図5Aによって示されるように、並置されるように区画M内に収容され、区画は、キャビンの下に配置され、床C内に配置されたアクセスハッチを介してアクセスされ得る。この区画Mは、キャビンの外部敷居Sと内部床Cとの間のドアP1、P2のいずれかの側に位置し、その上部に、キャッチフィンガ4が上下に移動するときにキャッチフィンガ4が通過する封止用ダイヤフラムmを備える。
【0050】
キャビンは、ドアP1、P2が閉じられた直後に、乗客が搭乗するための施設の下部乗り場で自動的にロックされる。各ドアについて、このロックは、ドアの開閉のための部材Fに連結されたアクチュエータ2を作動させることによって達成される。
【0051】
図面に示され、上記に説明された本発明のデバイスの実施形態では、ロックは、次のように実行される。アクチュエータ2のロッド20が、ここでは下向きに傾斜した様式で、延ばされ、逆転レバー3の端32を押し、それゆえに、トラニオン30の軸を中心に枢動する。レバー3の端31は、レバー1の外部端1bを上向きに上昇させ、したがって、対応するドアのラグEと接触して
図5Bの格納位置から
図5Aの突出位置に移動するために、チャネルmを通してフィンガ4をキャビティAから外に駆動する。自動ロック解除は、ドアを開ける前又は開けると同時に、逆運動学に従って実行される。
【0052】
アクチュエータ2が係合解除可能であるため、本発明によって、乗客又は、例えば、保守オペレータの介入によって手動ロック解除を実行することが可能である。
【0053】
この状況では、ドアのロック解除を望む人物は、好ましくは、その足を使用して、キャビンの外側でソール8上、又はキャビンの内側から区画Mのハッチを介してペダル7上のいずれかを押す。このように押すことは、フィンガ4をそのハウジングAに戻し、当該アクチュエータが係合解除された状態にない場合、必要に応じて力を伴って、アクチュエータ2のロッド20を押し戻す。