IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社 資生堂の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】測定装置、測定方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 19/02 20060101AFI20250304BHJP
   G01N 3/40 20060101ALI20250304BHJP
   G01N 19/00 20060101ALI20250304BHJP
   G01N 33/15 20060101ALI20250304BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
G01N19/02 Z
G01N3/40 C
G01N19/00 B
G01N33/15 Z
A61B5/00 M
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021524741
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 JP2020019832
(87)【国際公開番号】W WO2020246233
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-03-17
(31)【優先権主張番号】P 2019106429
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019196477
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】坂口 歳斗
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 直輝
(72)【発明者】
【氏名】松森 孝平
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 龍太
(72)【発明者】
【氏名】北村 尚美
(72)【発明者】
【氏名】岡本 正吾
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特許第3257563(JP,B2)
【文献】特開2009-160139(JP,A)
【文献】国際公開第2017/183708(WO,A1)
【文献】特開2004-271479(JP,A)
【文献】特開昭63-196838(JP,A)
【文献】特開2016-070662(JP,A)
【文献】特開2010-085172(JP,A)
【文献】特開昭60-135810(JP,A)
【文献】特開平04-071533(JP,A)
【文献】特開2005-127717(JP,A)
【文献】特開2019-095263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 19/00-19/10
G01N 3/00-3/40
G01N 33/15
A61B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象に接触する接触子と、
前記接触子に設置された前記測定対象の少なくとも表面状態を測定するセンサと、
前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させる駆動部と、
前記駆動部と、前記接触子及び前記センサとの間に設けられた、前記駆動部から前記接触子及び前記センサへの振動を隔離する振動隔離部材と、
前記接触子及び前記センサを備える先端部と、
前記先端部及び前記駆動部を連結する連結部材と、
前記駆動部を内蔵する筐体を備える本体部と、
を備え、
前記先端部は、前記接触子及び前記センサを支持し、前記接触子と異なる位置に、前記測定対象に接触する接触部を有する支持部材を備え、
前記本体部が前記測定対象に向けて移動されることにより、前記先端部が前記測定対象に押し当てられ、
前記先端部の前記接触部が前記測定対象に接触した状態で、前記駆動部が前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させているときに前記センサにより検出される測定値に基づいて、表面状態を測定する、
定装置。
【請求項2】
前記支持部材は、底部と、前記底部の上面に並べて形成される第1接触子支持部材及び第2接触子支持部材と、を有し、
前記第1接触子支持部材及び前記第2接触子支持部材の上部に前記接触子が固定される、
請求項に記載の測定装置。
【請求項3】
前記センサは、前記接触子の前記測定対象と接触する接触面と反対側の面である裏面に固定され、
前記センサは、前記第1接触子支持部材と前記第2接触子支持部材との間に設けられる、
請求項に記載の測定装置。
【請求項4】
測定対象に接触する接触子と、
前記接触子に設置された前記測定対象の少なくとも表面状態を測定するセンサと、
前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させる駆動部と、
前記駆動部と、前記接触子及び前記センサとの間に設けられた、前記駆動部から前記接触子及び前記センサへの振動を隔離する振動隔離部材と、
前記接触子及び前記センサを備える先端部と、
前記先端部及び前記駆動部を連結する連結部材と、
前記駆動部を内蔵する筐体を備える本体部と、
を備え
前記振動隔離部材は、第1振動隔離部材及び第2振動隔離部材を備え、
前記先端部は、前記本体部の側から順に、第1支持部材、前記第1振動隔離部材、第2支持部材、前記第2振動隔離部材及び第3支持部材が固定されてなる部材を備え、
前記センサの測定値に基づいて表面状態を測定する測定装置。
【請求項5】
測定対象に接触する接触子と、
前記接触子に設置された前記測定対象の少なくとも表面状態を測定するセンサと、
前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させる駆動部と、
前記駆動部と、前記接触子及び前記センサとの間に設けられた、前記駆動部から前記接触子及び前記センサへの振動を隔離する振動隔離部材と、
前記接触子及び前記センサを備える先端部と、
を備え、
前記振動隔離部材として、前記先端部と前記駆動部とを連結するマグネットカップリングを備え、
前記センサの測定値に基づいて表面状態を測定する測定装置。
【請求項6】
測定対象に接触する接触子と、
前記接触子に設置された前記測定対象の少なくとも表面状態を測定するセンサと、
前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させる駆動部と、
前記駆動部と、前記接触子及び前記センサとの間に設けられた、前記駆動部から前記接触子及び前記センサへの振動を隔離する振動隔離部材と、
前記接触子及び前記センサを備える先端部と、
を備え、
前記振動隔離部材として、前記先端部と前記駆動部とを連結するスポンジカップリングを備え、
前記センサの測定値に基づいて表面状態を測定する測定装置。
【請求項7】
測定対象に接触する接触子と、
前記接触子に設置された前記測定対象の少なくとも表面状態を測定するセンサと、
前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させる駆動部と、
前記駆動部と、前記接触子及び前記センサとの間に設けられた、前記駆動部から前記接触子及び前記センサへの振動を隔離する振動隔離部材と、
前記センサを備えるセンサ基板を内部に備えるセンサケースと、
を備え、
前記センサケースは、開口を備え、
前記接触子が接続部材を介して、前記開口を通して、前記センサ基板に接続され、
前記センサの測定値に基づいて表面状態を測定する測定装置。
【請求項8】
前記センサは、前記接続部材が前記センサ基板に取り付けられている部分に設けられる、
請求項に記載の測定装置。
【請求項9】
前記センサは、前記接続部材が前記センサ基板に取り付けられている部分の裏側に設けられる、
請求項に記載の測定装置。
【請求項10】
前記センサは、振動センサを備える
請求項1から請求項9のいずれかに記載の測定装置。
【請求項11】
前記センサは、力センサを備える
請求項1から請求項10のいずれかに記載の測定装置。
【請求項12】
温度センサを更に備える
請求項1から請求項11のいずれかに記載の測定装置。
【請求項13】
前記振動隔離部材は、振動吸収部材である
請求項1から請求項12のいずれかに記載の測定装置。
【請求項14】
前記センサの信号を処理する信号処理部を更に備える
請求項1から請求項13のいずれかに記載の測定装置。
【請求項15】
測定対象に接触する接触子と、
前記接触子に設置された前記測定対象の少なくとも表面状態を測定するセンサと、
前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させる駆動部と、
前記駆動部と、前記接触子及び前記センサとの間に設けられた、前記駆動部から前記接触子及び前記センサへの振動を隔離する振動隔離部材と、
前記センサの信号を処理する信号処理部と、
を備え、
前記センサは、加速度センサであって、
前記駆動部は、前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して回転させ、
前記信号処理部は、前記加速度センサから出力される加速度データにおける前記接触子の回転方向の成分について周波数スペクトルを算出し、
前記センサの測定値に基づいて表面状態を測定する測定装置。
【請求項16】
前記信号処理部は、前記周波数スペクトルに基づいて振動特徴量を求め、前記振動特徴量を説明変数として目的変数との関係を示す第1統計モデルにより、前記振動特徴量に基づいて前記目的変数を推定する、
請求項15に記載の測定装置。
【請求項17】
測定対象に接触する接触子と、
前記接触子に設置された前記測定対象の少なくとも表面状態を測定するセンサと、
前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させる駆動部と、
前記駆動部と、前記接触子及び前記センサとの間に設けられた、前記駆動部から前記接触子及び前記センサへの振動を隔離する振動隔離部材と、
前記センサの信号を処理する信号処理部と、
を備え、
前記センサは、6軸の力センサであって、
前記駆動部は、前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して回転させ、
前記信号処理部は、前記力センサから出力される力データにおける前記接触子の回転方向の成分と、押し込み方向の成分を用いて摩擦係数を算出し、
前記センサの測定値に基づいて表面状態を測定する測定装置。
【請求項18】
測定対象に接触する接触子と、
前記接触子に設置された前記測定対象の少なくとも表面状態を測定するセンサと、
前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させる駆動部と、
前記駆動部と、前記接触子及び前記センサとの間に設けられた、前記駆動部から前記接触子及び前記センサへの振動を隔離する振動隔離部材と、
前記センサの信号を処理する信号処理部と、
を備え、
前記センサは、加速度センサ及び6軸の力センサであって、
前記駆動部は、前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して回転させ、
前記信号処理部は、
前記加速度センサから出力される加速度データにおける前記接触子の回転方向の成分について周波数スペクトルを算出し、
前記力センサから出力される力データにおける前記接触子の回転方向の成分と、押し込み方向の成分を用いて摩擦係数を算出し、
前記センサの測定値に基づいて表面状態を測定する測定装置。
【請求項19】
前記信号処理部は、前記周波数スペクトルに基づいて振動特徴量を算出し、前記摩擦係数により摩擦特徴量を算出し、前記振動特徴量及び前記摩擦特徴量を説明変数として目的変数との関係を示す第2統計モデルにより、前記振動特徴量及び前記摩擦特徴量に基づいて前記目的変数を推定する、
請求項18に記載の測定装置。
【請求項20】
前記目的変数は、肌のしっとり度、肌のなめらか度、角層水分量、キメの状態及び被験者の年齢のいずれかである、
請求項16又は請求項19のいずれかに記載の測定装置。
【請求項21】
前記駆動部を制御する制御部を更に備える、
請求項1から請求項20のいずれかに記載の測定装置。
【請求項22】
請求項1から請求項21のいずれかに記載の測定装置を制御する制御装置であって、
前記駆動部を制御する制御部を備える、
制御装置。
【請求項23】
請求項1から請求項21のいずれかに記載の測定装置を用いて、肌の表面状態を測定する測定方法。
【請求項24】
化粧料の塗布した前記肌を測定する
請求項23に記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置測定方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】

化粧品の重要な要素のひとつに感性価値がある。化粧品の感性価値とは、化粧品を使用したときに、使用者の感性に働きかけることによる価値である。例えば、化粧品を使用することによって、肌のさわり心地がよくなり、使用者が満足感を得ることができれば、化粧品の感性価値は高いと考えられる。
【0003】

化粧品に感性価値を付加できるよう、感性工学に基づいた「よい触感」を実現する必要がある。そのためには、使用者(年齢・習慣)や周辺環境(時期・場所)の違いによる肌の表面状態を正確に測定する必要がある。
【0004】

従来は、肌の状態の測定は、触診により行われていた。また、触感を定量的に評価する装置が知られていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】

【文献】特開2016-038317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】

しかしながら、触診よる測定は、主観的な判断となるため、安定して肌の表面状態を計測することはできなかった。従来技術の触覚評価装置は装置自体が大きく、簡便に人の肌を測定することは困難であった。
【0007】

本発明の一実施形態は、上記事情に鑑みて、触感に関連する肌の表面状態を安定して測定する測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】

開示の測定装置は、測定対象に接触する接触子と、前記接触子に設置された前記測定対象の少なくとも表面状態を測定するセンサと、前記接触子及び前記センサを前記測定対象に対して変位させる駆動部と、前記駆動部と、前記接触子及び前記センサとの間に設けられた、前記駆動部から前記接触子及び前記センサへの振動を隔離する振動隔離部材と、を備え、前記センサの測定値に基づいて表面状態を測定する。
【発明の効果】
【0009】

触感に関連する肌の表面状態を安定して測定する測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】

図1】第1実施形態に係る測定装置の一例の全体構成図である。
図2】第1実施形態に係る測定装置の一例の検出部の側面図である。
図3】第1実施形態に係る測定装置の一例の検出部の斜視図である。
図4】第1実施形態に係る測定装置の一例の先端部の構造を説明するための図である。
図5A】第1実施形態に係る測定装置の一例の上部支持部材を説明するための図である。
図5B】第1実施形態に係る測定装置の一例の上部支持部材を説明するための図である。
図5C】第1実施形態に係る測定装置の一例の上部支持部材を説明するための図である。
図5D】第1実施形態に係る測定装置の一例の上部支持部材を説明するための図である。
図6A】第1実施形態に係る測定装置の一例の測定結果について説明する図である。
図6B】第1実施形態に係る測定装置の一例の測定結果について説明する図である。
図6C】第1実施形態に係る測定装置の一例の測定結果について説明する図である。
図7A】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図7B】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図7C】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図7D】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図8A】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図8B】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図8C】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図9A】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図9B】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図9C】第1実施形態に係る測定装置の一例の使用例について説明する図である。
図10】第1実施形態に係る先頭部の重量について説明する図である。
図11】第2実施形態に係る測定装置の一例の全体構成図である。
図12】第2実施形態に係る測定装置の一例の検出部の正面図である。
図13】第2実施形態に係る測定装置の一例の検出部の側面図である。
図14】第2実施形態に係る測定装置の一例の検出部の斜視図である。
図15】第2実施形態に係る測定装置の一例の検出部の断面図である。
図16】第2実施形態に係る測定装置の変形例の検出部の断面図である。
図17】第3実施形態に係る測定装置の一例の全体構成図である。
図18】第3実施形態に係る測定装置の一例の検出部の斜視図である。
図19】第3実施形態に係る測定装置の一例の検出部の断面図である。
図20】第4実施形態に係る測定装置の一例の検出部の斜視図である。
図21】第4実施形態に係る測定装置の一例の検出部の内部構成図である。
図22】第5実施形態に係る測定装置の一例の検出部の斜視図である。
図23】第5実施形態に係る測定装置の一例の検出部の内部構成図である。
図24】第6実施形態に係る測定装置の一例の検出部の斜視図である。
図25】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図26】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図27】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図28】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図29】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図30】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図31】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図32】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図33】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図34】第7実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図35】第8実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
図36】第8実施形態に係る測定装置の一例の演算結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】

以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】

<<第1実施形態>>

<測定装置1>

第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る測定装置の一例の全体構成図である。
【0013】

本実施形態に係る測定装置1は、検出部100、制御装置200を備える。検出部100と制御装置200とは、ケーブル等で接続されている。以下に詳細を説明するように、本実施形態に係る測定装置1は、触感に関連する肌の表面状態、例えば、肌の表面がなめらかな状態であるか、等を測定する。
【0014】

<検出部100>

最初に、検出部100について説明する。
【0015】

図2は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部100の側面図である。図3は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部100の斜視図である。
【0016】

本実施形態の測定装置1の検出部100は、本体部110、先端部120を備える。検出部100は、矢印Pの方向に、測定対象、例えば、人の腕や頬等の肌、に先端部120を押し当てることにより肌の表面状態について測定を行う。先端部120は、回転軸Aを中心に矢印Rの方向に回転する。
【0017】

本体部110は、略円筒形の筐体111を備える。本体部110は、筐体111の内部に、先端部120を回転させる駆動部170を備える。すなわち、本体部110は、駆動部170を内蔵する筐体111を備える。筐体111は、測定者が把持可能な大きさの形状となっている。測定者は、本体部110を把持することにより測定を行う。測定者は、本体部110を把持して測定対象に向けて移動させることにより、先端部120を測定対象に押し当てる。なお、本体部110を例えばロボットアーム等に取り付けて測定を行うようにしてもよい。
【0018】

本体部110と先端部120は、駆動部170によって回転される連結軸130により連結されている。このように、本体部110は、先端部120と連結軸130を介して接続されている。なお、連結軸130が、連結部材の一例である。
【0019】

先端部120は、接触子140、センサ150を備える。
【0020】

接触子140は、測定装置1の測定対象に接触する部材である。接触子140の接触面141が、測定対象に接触する。接触子140の接触面141は、測定対象や測定の目的によって、平面でもよいし、表面に凹凸があってもよい。
【0021】

測定対象と接触子140が接触して、先端部120が矢印Rの方向に回転することにより、振動が発生する。例えば、測定対象の表面粗さが大きい場合は振動が大きくなる。また、測定対象の表面粗さが小さい場合は振動が小さくなる。接触子140の材質は、ステンレス、銅、真鍮等の金属である。接触子140の材質を金属にすることによって、発生した広い周波数帯域、特に、高い周波数帯域の振動をセンサ150に伝達することができる。なお、接触子140の材質をゴム等の弾性体とすることができる。接触子140の材質を弾性体にすることによって、例えば、指を伝搬する振動を模擬することができる。
【0022】

センサ150は、測定対象の表面状態を測定するセンサである。本実施形態のセンサ150は、振動センサである。センサ150は、接触子140の接触面141の反対側の面(裏面142。図5Cを参照。)に設置されている。振動センサとしては、例えば、3軸の加速度センサである。センサ150は、先端部120が回転することにより接触子140と測定対象が接触して変位することにより発生した振動を検出する。センサ150は、ケーブル等により制御装置200に接続される。制御装置200は、センサ150からの信号を検出して、測定値を取得する。
【0023】

先端部120の構造について説明する。図4は、本実施形態に係る測定装置の一例の先端部120の構造を説明するための図である。図4は、先端部120を構成する部材を、分解して回転軸A方向に並べた図である。
【0024】

先端部120は、駆動部170により回転される。駆動部170は、後述するようにモータで構成されることから振動が発生する。その振動が振動センサで検出されると、測定結果に誤差が生じる。そのような誤差の発生を防止するために、本実施形態の先端部120は、本体部110からの振動、特に、駆動部170で発生する振動を、先端部120に設けられたセンサ150に伝搬しないように隔離する。
【0025】

本実施形態の先端部120は、本体部110側から順に、下部支持部材121、下部振動吸収部材122、中間支持部材123、上部振動吸収部材124、上部支持部材125を備える。下部支持部材121、中間支持部材123、上部支持部材125は、例えば、ポリアセタール等の樹脂により形成されている。下部振動吸収部材122、上部振動吸収部材124は、振動を吸収する部材により形成されている。振動を吸収する部材としては、例えば、発泡ウレタン等のスポンジやゴム等である。駆動部170と、センサ150との間に、下部振動吸収部材122、上部振動吸収部材124を設けて、振動を吸収することにより、駆動部170から接触子140及びセンサ150への振動を隔離する。下部振動吸収部材122、上部振動吸収部材124が、振動隔離部材の一例である。
【0026】

下部支持部材121、下部振動吸収部材122、中間支持部材123、上部振動吸収部材124、上部支持部材125の各部材は、それぞれ隣接する部材に接着剤等により固定されている。このように固定されることにより、連結軸130からの回転を、下部支持部材121から上部支持部材125まで伝達することができる。
【0027】

下部支持部材121は、連結軸130と連結することにより、本体部110の駆動部170により回転される。それにより、駆動部170により連結軸130が回転すると、先端部120が回転する。下部支持部材121は、棒状部材1211を備える。棒状部材1211は、下部振動吸収部材122、中間支持部材123、上部振動吸収部材124、上部支持部材125のそれぞれの開口部1221、1231、1241、1251を貫通して、棒状部材1211の先端部は、測定対象側に露出する。当該棒状部材1211が測定対象に接触することにより、検出部100を測定対象に押しつける際の位置決めを行うことができる。なお、下部支持部材121の棒状部材1211は、中間支持部材123と上部支持部材125には接触しないように離間して設けられている。それによって、本体部110からの振動が、中間支持部材123と上部支持部材125に伝わらないようにしている。
【0028】

下部振動吸収部材122は、下部支持部材121と中間支持部材123の間に備えられる。下部振動吸収部材122は、下部支持部材121からの回転を中間支持部材123に伝えるともに、下部支持部材121から伝わる振動、特に、駆動部170からの振動を吸収して、中間支持部材123に振動が伝わらないようにする。
【0029】

中間支持部材123は、下部振動吸収部材122と上部振動吸収部材124の間に備えられる。中間支持部材123は、開口部1231を有する円板状の平板である平板部1232と、平板部1232の下部支持部材121側の面に結合する円筒部1233を備える。中間支持部材123の円筒部1233の内部には、平板部1232の円筒部1233側の面に接触するように下部振動吸収部材122が設置される。中間支持部材123は、下部振動吸収部材122からの回転を上部振動吸収部材124に伝える。
【0030】

上部振動吸収部材124は、中間支持部材123と上部支持部材125の間に備えられる。上部振動吸収部材124は、中間支持部材123からの回転を上部支持部材125に伝えるともに、中間支持部材123から伝わる振動、特に、駆動部170で発生した振動を吸収して、上部支持部材125に振動が伝わらないようにする。なお、本体部110からみて振動隔離部材(下部振動吸収部材122及び上部振動吸収部材124)から先の部分を先頭部という。本実施形態においては、上部支持部材125、接触子140及びセンサ150が先頭部160である。
【0031】

上部支持部材125は、接触子140、センサ150を支持する部材である。図5Aから図5Dは、本実施形態に係る測定装置の一例の上部支持部材125を説明するための図である。図5Aは上部支持部材125の上面図、図5Bは上部支持部材125の正面図、図5Cは上部支持部材125の右側面図、図5Dは上部支持部材125の斜視図である。
【0032】

上部支持部材125は、直径10mmから50mmの円板状の底部1252を備える。例えば、本実施形態の底部1252は、直径30mmの円板である。なお、底部1252の直径については、測定対象の大きさに応じて前記の範囲に限らず適宜定めることができる。また、底部1252の平面視の形状についても、円に限らず多角形でもよい。底部1252は、中央に開口部1251を備える。底部1252の上面には、接触子支持部材1253、1254が設けられている。接触子支持部材1253、1254は、並べて設けられた底部1252の上面から垂直に形成された板状の部材である。接触子支持部材1253、1254の上部には、接触子140が、接着剤等で固定されている。接触子140の接触面141に対向する裏面142には、センサ150が接着剤等で固定されている。センサ150は、接触子支持部材1253と接触子支持部材1254の間に固定されている。さらに、底部1252の接触子支持部材1253、1254の開口部1251に対して対向する位置には、突出部1255が形成されている。突出部1255を設けることにより、接触子140を傾くことなく均一に測定対象に押し当てることができる。なお、上部支持部材125が、支持部材の一例である。突出部1255は、接触部の一例である。
【0033】

本実施形態の先端部120では、二つの振動吸収部材(下部振動吸収部材122及び上部振動吸収部材124)を備えることによって、下部振動吸収部材122で本体部110からの振動を減衰させて、さらに、上部振動吸収部材124で振動を減衰させることできる。それによって、センサ150における本体部110からの振動の影響を小さくすることができる。また、振動吸収部材を複数用いることによって、各振動吸収部材の厚さを薄くすることができることから、連結軸130から上部支持部材125への回転の伝達を安定して行うことができる。さらに、各振動吸収部材の吸収する周波数特性を変更することによって、広い範囲の周波数領域において振動を減衰させることができる。
【0034】

駆動部170は、連結軸130を回転させて先端部120を、測定対象に対して回転変位させる。駆動部170は、例えば、ステッピングモータやDCモータ等のモータである。モータには、変速機を備えてもよい。
【0035】

接触子140とセンサ150を人の手で動かす場合には、測定者の動作のブレ等が影響して、接触子140とセンサ150を動かす速度に人や日時の違いによるバラツキが発生する。本実施形態の測定装置1では、駆動部170を用いることによって、所望の速度で接触子140とセンサ150を動かすことができる。例えば、長期間にわたる測定(例えば、1週間、1ヶ月、1年等)などにおいて、日時や測定者が変わっても、定められた所望の速度で接触子140とセンサ150を動かすことができるので、測定の再現性を高めることができる。
【0036】

<制御装置200>

次に制御装置200について、図1に戻って説明する。
【0037】

制御装置200は、信号処理部210、検出部制御部220を備える。
【0038】

信号処理部210は、検出部100のセンサ150からの信号を受信する。そして、信号処理部210は、受信した信号をフィルター処理や増幅処理を行い、アナログ・デジタル変換した測定値を取得する。信号処理部210は、取得した測定値を処理することにより、肌の表面状態を計測する。例えば、測定値をフーリエ変換して、パワースペクトル等により計測する。
【0039】

検出部制御部220は、検出部100の駆動部170を制御する。具体的には、駆動部170を制御して、連結軸130を所定の角度の間を往復するように回転させる。連結軸130の回転速度は往復する際の一部の期間で一定速度にするようにしてもよいし、正弦関数的に変化するようにしてもよい。なお、例えば、長期間にわたる測定(例えば、1週間、1ヶ月、1年等)や多くの被験者に対する測定等の場合は、速度をある一定の基準速度に定めて、その基準速度で接触子140とセンサ150を変位させることにより測定を行う。本実施形態の測定装置1では、駆動部170を用いることによって、定められた基準速度で測定を行うことができることから、測定の再現性が向上し、測定のバラツキ等を抑えることができる。また、被験者に対して、複数の速度で測定することより、速度に対する肌の特性を測定することができる。
【0040】

なお、検出部制御部220による検出部100の駆動部170の制御については、上記の所定の角度の間を往復するように回転させることに限らない。例えば、連結軸130を一方向に一定の速度で回転運動させるようにしてもよい。また、その際に、速度について、複数の速度で行うようにしてもよい。さらに、速度について、所定の設定に基づいて徐々に速度を変化させるようにしてもよい。
【0041】

制御装置200の各機能は、不図示の記憶装置に読み出し可能に記憶されるプログラムによってCPU(Central Processing Unit)が動作することにより実現される。例えば、これらの各機能は、CPUを含むマイクロコンピュータにおけるハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。
【0042】

<検出結果>

図6Aから図6Cは、本実施形態に係る測定装置の一例の測定結果について説明する図である。
【0043】

図6Aから図6Cは、測定対象として、被験者の頬を測定した結果である。測定は、接触子140とセンサ150を、約90°の範囲で往復するように変位させて行った。また、接触子140とセンサ150を変位させる回転方向の速度が、折り返し部分を除いて、略一定の速度になるように測定を行った。
【0044】

図6Aは、接触子140が測定対象に当たっていない状態、すなわち、空運転状態、でのセンサ150の出力である。図6Bは、接触子140をなめらかな肌の被験者の肌に接触させた状態で測定した状態でのセンサ150の出力である。図6Cは、接触子140をがさがさな肌の被験者の肌に接触させた状態で測定した状態でのセンサ150の出力である。なお、グラフの縦軸は、加速度(×9.8 m/s)、横軸は時間(ms)を表す。また、加速度は、センサ150の回転方向の加速度の出力値である。
【0045】

本実施形態のセンサ150は、加速度センサである。本実施形態の検出部100では、センサ150の回転方向の加速度を用いている。測定では、ほぼ鉛直の頬に対して、検出部100の先端部を被験者の頬に押し当てて測定を行う。そのため、接触子140、センサ150が回転することにより、重力加速度の影響により、測定値が1秒間で上昇又は下降を繰り返す。図6Aより、空運転状態では、ほぼ重力加速度の変動のみが計測されている。図6B図6Cを比較すると、なめらかな肌の被験者の試験結果に対して、がさがさな肌の被験者の試験結果では、高い周波数の振動が大きくなっていることが分かる。すなわち、センサ150の測定値について、高い周波数の振動が大きければ、肌の表面状態が、がさがさ(荒れている)の状態であると判断することができる。このように、本実施形態の測定装置1を用いることによって、肌の表面状態を測定することができる。なお、センサ150の出力について、回転方向の加速度以外に、半径方向、回転軸方向の加速度を用いて測定してもよい。
【0046】

<作用・効果>

本実施形態の測定装置1は、駆動部170により接触子140を接触させながら、接触子140とセンサ150を所定の速度で変位させることができる。そのことから、例えば、日時や測定者が変わっても、再現性の高い安定した計測を行うことができる。
【0047】

本実施形態の測定装置1は、振動吸収部材を備えることにより、本体部110の駆動部170からセンサ150に伝わる振動を遮断することができる。それによって、センサ150で測定する際に、本体部110の駆動部170からの振動の影響を受けることなく、正確な測定を行うことができる。
【0048】

本実施形態の測定装置1は、小型のため持ち運びが容易で、どのような環境でも測定を行うことができる。また、本実施形態の測定装置1は、回転運動により接触子140とセンサ150を変位させることにより、変位する距離を長くしながら、測定対象(肌)の狭い範囲に対して、計測することが可能である。
【0049】

本実施形態の測定装置1は、接触子140を金属で構成していることから、接触子140と測定対象が接触して変位することにより発生した高周波数の振動も計測できる。
【0050】

<使用例>

本実施形態の測定装置1を用いた測定方法と測定した結果について示す。
【0051】

(1)肌感触評価

本実施形態の測定装置1を使用して肌感触の評価を行った。具体的には、本実施形態の測定装置1での測定結果と、専門評価者による触診による触感評価、皮表角層水分量測定装置による角層水分量評価、ビデオマイクロスコープによる肌理撮影による角層の均一度(肌理の状態評価)、について、得られたデータ間の相関解析を行った。測定は、20歳から49歳の女性40名を対象に行った。
【0052】

図7Aから図7Dは、本実施形態に係る測定装置の一例の使用例として、肌感触評価を行った結果について説明する図である。
【0053】

図7A及び図7Bは、本実施形態の測定装置1で測定した結果と専門評価者による触診による触感評価の結果との相関結果である。図7Aは、測定装置1において、振動周波数180Hzにおける振動のスペクトラム強度と、触診による触診評価のがさがさ度合いの評価結果との相関結果である。図7Bは、測定装置1において、振動周波数30Hzにおける振動のスペクトラム強度と、触診による触診評価のべたつき度合いの評価結果との相関結果である。当該相関結果より、本実施形態の測定装置1で測定した結果と専門評価者による触診による触感評価の結果との間に有意な相関が認められる。このように、本実施形態の測定装置1を用いることによって、肌の触感評価を行うことができる。
【0054】

図7Cは、測定装置1において、振動周波数30Hzにおける振動のスペクトラム強度と、皮表角層水分量測定装置による角層水分量評価結果との相関結果である。当該相関結果から本実施形態の測定装置1で測定した結果と皮表角層水分量測定装置による角層水分量評価結果との間に有意な相関が認められる。このように、本実施形態の測定装置1を用いることによって、角層水分量の評価を行うことができる。
【0055】

図7Dは、測定装置1において、振動周波数140Hzにおける振動のスペクトラム強度と、ビデオマイクロスコープによる肌理撮影による角層の均一度(肌理の状態評価)との相関結果である。当該相関結果、本実施形態の測定装置1で測定した結果とビデオマイクロスコープによる肌理撮影による角層の均一度(肌理の状態評価)との間に有意な相関が認められる。このように、本実施形態の測定装置1を用いることによって、肌理の状態評価を行うことができる。
【0056】

(2)化粧料の使用感触評価

人工皮膚(ビューラックス製)に、専門評価者よる使用感の評価が異なる2種類の化粧水を塗布した際の測定装置1を用いて振動データを取得した。使用感の評価として、さっぱり感を採用した。サンプル1はさっぱり感が高いサンプル、サンプル2はさっぱり感が低いサンプルである。なお、さっぱり感を数値的に評価するために、数名の専門評価者がさっぱり感を-3~3の7段階評価を行い、その評価スコアの平均値をさっぱり得点として評価した。その評価結果では、サンプル1はさっぱり得点1.8、サンプル2はさっぱり得点-2.33であった。
【0057】

図8Aから図8Cは、本実施形態に係る測定装置の一例の使用例として、化粧料の使用感触評価を行った結果について説明する図である。
【0058】

図8Aは、測定装置1において、サンプル1の測定における振動波形である。図8Bは、測定装置1において、サンプル2の測定における振動波形である。図8Cは、測定装置1において、サンプル1、サンプル2の周波数スペクトラムを測定した結果である。当該評価結果から、本実施形態の測定装置1で測定した結果、異なる使用感触の化粧料で異なる振動データが取得できることが明らかとなった。このように、本実施形態の測定装置1を用いることによって、化粧料の使用感触評価を行うことができる。
【0059】

(3)化粧料の使用前後の評価

被験者の前腕内側に、クリーム(化粧料)を塗布前、塗布後に、測定装置1を用いて振動データを取得した。
【0060】

図9Aから図9Cは、本実施形態に係る測定装置の一例の使用例として、化粧料の使用前後の評価を行った結果について説明する図である。
【0061】

図9Aは、測定装置1において、クリーム塗布前の測定における振動波形である。図9Bは、測定装置1において、クリーム塗布後の測定における振動波形である。図9Cは、測定装置1において、クリーム塗布前と塗布後の周波数スペクトラムを測定した結果である。当該評価結果から、本実施形態の測定装置1で測定した結果、クリーム塗布前と塗布後で異なる振動データが取得できることが明らかとなった。このように、本実施形態の測定装置1を用いることによって、化粧料の使用前後の評価を行うことができる。
【0062】

<変形例>

センサ150は、振動センサに限らない。例えば、センサ150として、力センサを用いてもよい。力センサとしては、3軸の力センサを用いてもよい。センサ150として力センサを備えることにより、接触子140が変位する際の肌と接触子140との摩擦力を測定することができる。また、センサ150として、振動センサと力センサを備えるようにしてもよい。
【0063】

センサ150は、出力を無線により行う無線センサとしてもよい。センサ150を無線センサとすることによって、配線を簡略化することができる。また、センサ150を無線センサとすることによって、配線のからまりがなくなり、駆動部170による回転の自由度を上げること(例えば、一方向に一定の速度で回転運動させること、等。)ができる。
【0064】

測定装置1は、センサ150を複数備えるようにしてもよい。例えば、変形例の測定装置は、図5A図5B及び図5Dに示す突出部1255の位置に、センサ150を更に備えるようにしてもよい。
【0065】

制御装置200は、本体部110の筐体111に内蔵するようにしてもよい。それにより、使用者が日常手軽に測定することができる。
【0066】

接触子140は、取り替え可能にしてもよい。接触子140を取り替え可能にすることによって、測定や測定対象に応じて最適な接触子を採用することができる。
【0067】

接触子140は、本実施形態のような板状の形状に限らない。例えば、刷毛のようなものでもよい。刷毛を接触子140として採用することにより、例えば、化粧品を塗布する際の肌について評価することができる。なお、刷毛以外にも、例えばコットンやスポンジ等の化粧品で用いられる塗布具を接触子として用いてもよい。
【0068】

先端部120の構造については、本実施形態の構造に限らない。例えば、接触子140を測定対象に押し当てる際の位置決めを行うために、先端部120の周囲に、先端部120の測定対象側端部と同じ高さの円筒状のカバーを設けるようにしてもよい。それによって、カバーを肌に押し当てることにより、接触子140の押し当て方向の位置決めを行うことができる。なお、円筒状のカバーの高さは測定部位の肌の形状、柔軟性、表面状態に応じて可変にしてもよい。また、接触子140が測定対象に対して一定の角度で接触するように、本体部110と先端部120との間に、先端部120が一定の角度になるような機構(首振り機構)を備えるようにしてもよい。
【0069】

先端部120に、センサ150以外のセンサを備えるようにしてもよい。例えば、温度センサを備えるようにしてもよい。温度センサを備えることによって、測定対象である肌の温度を同時に測定することができる。また、CCDカメラ等の撮像素子を備えるようにしてもよい。撮像素子を備えることによって、肌の肌理等を同時に測定することができる。
【0070】

先端部120は、本体部110から取り外し可能としてもよい。例えば、先端部120を別の検出部100の本体部110に接続してもよいし、本体部110に別の先端部120を接続してもよい。
【0071】

先端部120の変位については、本実施形態の回転方向の変位に限らない。例えば、直線往復運動により直線方向の変位でもよい。
【0072】

先頭部160の重量について、30g以下であることが好ましく、20g以下であることがより好ましく、15g以下であることが特に好ましい。図10は、先頭部の重量と、測定対象と先頭部の間で発生する振動の減衰比を示すグラフである。試験は、ランダム振動を行う振動台に載置された模擬皮膚にセンサ150の振動センサを直接設置して振動を測定した値と、同模擬皮膚に重量を変えた先頭部160のサンプルと振動センサを設置して振動を測定した値の比(振動減衰比)を求めた。振動減衰比は、振動の周波数範囲100~500Hzにおける各振動減衰比の平均から求めた。なお、振動減衰比が1に近いほうが、振動台の振動を減衰させることなく忠実に測定していると考えられる。図10の結果より、先頭部の重量が小さい方が、振動台で発生している振動を正確に測定できる。なお、図10より、30g以下であれば、センサ150を直接取り付けた場合と比較して、略40%以上の振動を測定可能となっている。
【0073】

測定対象については、人の肌に限らない。例えば、牛や豚等の家畜の皮膚に用いてもよい。また、人の肌(皮膚)に限らず、人工皮革、模擬皮膚、布や紙、毛髪等の表面状態を測定してもよい。
【0074】

本実施形態の測定装置1では、振動隔離部材として振動吸収部材を用いた。ただし、振動隔離部材は、振動吸収部材に限らない。例えば、駆動部170と、センサ150とをマグネットカップリングを用いて接合することにより、駆動部170から接触子140及びセンサ150への振動を隔離してもよい。マグネットカップリングは、カップリングの間に空間を設けながら、磁力により力を伝達する。そのことから、カップリングの間で、振動を隔離することができる。
【0075】

<<第2実施形態>>

<測定装置2>

次に、第2実施形態について説明する。図11は、本実施形態に係る測定装置の一例の全体構成図である。
【0076】

本実施形態に係る測定装置2は、検出部300、制御装置400を備える。検出部300と制御装置400とは、無線又は有線により通信可能に接続されている。本実施形態に係る測定装置2は、測定装置1と同様に、触感に関連する肌の表面状態、例えば、肌の表面がなめらかな状態であるか、等を測定する。
【0077】

<検出部300>

最初に、検出部300について説明する。
【0078】

図12は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部300の正面図である。図13は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部300の側面図である。図14は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部300の斜視図である。
【0079】

本実施形態に係る測定装置2の検出部300は、本体部310、先端部320を備える。先端部320は、本体部310の後述する押し当てリング316の開口部から接触子340が露出されるように、本体部310に内蔵される。検出部300は、矢印Pの方向に、測定対象、例えば、人の腕や頬等の肌、に先端部320を押し当てることにより肌の表面状態について測定を行う。先端部320は、回転軸Aを中心に矢印R1の方向に回転する。なお、回転方向については、矢印R1の方向に限らず、例えば、矢印R1の逆方向に回転してもよいし、矢印R1の方向とその逆方向に繰り返し回転するようにしてもよい。
【0080】

本体部310は、中央部分がくびれた略円筒形の筐体311を備える。筐体311は、トップカバー312、サイドカバー313、サイドカバー314、ボトムカバー315により構成される。筐体311の各カバーは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂)等により形成されている。
【0081】

トップカバー312の上部には、先端に環状の平面316aを備える円筒形の押し当てリング316が螺着されている。当該押し当てリング316の内側には、先端部320の接触子340が外部に露出するように、先端部320が備えられている。
【0082】

押し当てリング316の平面316aを肌に押し当てることにより、測定装置2の押し当て方向の位置決めを行うことができる。押し当てリング316の平面316aから接触子340の後述する接触面341までの回転軸Aに沿う方向の距離は、トップカバー312に螺着する量を変えることによって、変更することができる。このようにして、例えば、測定部位の肌の形状、柔軟性、表面状態に応じて、押し当てリング316の平面316aから接触子340の接触面341までの回転軸Aに沿う方向の距離を変更することができる。これにより、先端部320の接触子340が測定対象に接触する際の押し当てる力を調整することができる。なお、押し当てリング316は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA(Polymethyl Methacrylate))等により形成されている。
【0083】

本体部310は、筐体311の内部に、先端部320を回転させる後述する駆動部370を備える。すなわち、本体部310は、駆動部370を内蔵する筐体311を備える。筐体311は、測定者が把持可能な大きさの形状となっている。測定者は、本体部310を把持することにより測定を行う。測定者は、本体部310を把持して測定対象に向けて移動させることにより、先端部320を測定対象に押し当てる。
【0084】

接触子340は、測定装置2の測定対象に接触する部材である。接触子340の接触面341が、測定対象に接触する。接触子340の接触面341は、測定対象や測定の目的によって、平面でもよいし、表面に凹凸があってもよい。
【0085】

測定対象と接触子340が接触して、先端部320が回転軸Aを中心に例えば矢印R1の方向に回転することにより、振動が発生する。例えば、測定対象の表面粗さが大きい場合は振動が大きくなる。また、測定対象の表面粗さが小さい場合は振動が小さくなる。接触子340の材質は、ステンレス、銅、真鍮等の金属である。接触子340の材質を金属にすることによって、発生した広い周波数帯域、特に、高い周波数帯域の振動を後述する加速度センサ351に伝達することができる。なお、接触子340の材質をゴム等の弾性体とすることができる。接触子340の材質を弾性体にすることによって、例えば、指を伝搬する振動を模擬することができる。
【0086】

測定対象と接触子340が接触して、先端部320が回転軸Aを中心に例えば矢印R1の方向に回転することにより、接触子140が変位する際の肌と接触子140との摩擦力が発生する。当該摩擦力を後述する力センサ352で検出する。
【0087】

さらに、検出部300の構造について詳細を説明する。図15は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部300の断面図である。図15は、図13の本実施形態に係る測定装置2の検出部300のB-B断面図である。なお、図15では、図を簡略化するために一部の構成等を省略している。
【0088】

先端部320は、制御ユニットケース321、センサケース322を備える。
【0089】

制御ユニットケース321は、制御ユニット下ケース321aと制御ユニット上ケース321bを備える。また、制御ユニットケース321は、その内部に、制御ユニット基板327を備える。制御ユニット基板327は、センサ350からの信号を無線で制御装置400に送信する回路を備える基板である。制御ユニット下ケース321aには、後述するスリップリング334の回転軸334aが接続されている。制御ユニット上ケース321bには、センサケース322が、振動吸収部材325を介して載置され接着されている。振動吸収部材325は、振動を吸収する部材により形成されている。振動を吸収する部材としては、例えば、発泡ウレタン等のスポンジやゴム等である。振動吸収部材325が、振動隔離部材の一例である。
【0090】

なお、制御ユニット基板327から制御装置400に送信する無線方式は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)などの無線通信規格に準拠した無線方式を採用してもよい。
【0091】

センサケース322は、センサ下ケース322aとセンサ上ケース322bを備える。また、センサケース322は、その内部に、センサ基板328を備える。センサ基板328は、センサ350の信号を検出して、検出した信号を制御ユニット基板327に送信する回路を備える基板である。センサ下ケース322aは、振動吸収部材325を介して制御ユニット上ケース321bに接着固定されている。センサ上ケース322bは、開口を備える。当該開口を通して、接触子340が接続部材329を介してセンサ基板328に接続されている。そして、当該接続部材329がセンサ基板328に取り付けられている部分に、センサ基板328は、センサ350の力センサ352を備える。さらに、当該力センサ352のセンサ基板328の裏側に、センサ基板328は、センサ350の加速度センサ351を備える。加速度センサ351は、例えば、3軸の加速度センサである。また、力センサ352は、例えば、6軸の力センサである。
【0092】

駆動部370は、例えば、モータである。駆動部370は回転軸371を回転させる。なお、図15においては、駆動部370内部の詳細については省略している。駆動部370は、取り付け金具318を介して、筐体311のサイドカバー313、314に取り付けられる。なお、駆動部370は、ゲル素材で形成されたゲルブッシュ318aを介して、取り付け金具318に取り付けられている。これにより、駆動部370で発生した振動が筐体311に伝搬することを防止している。なお、駆動部370には、制御回路380から、電源や制御信号が供給される。
【0093】

先端部320と駆動部370とを連結するために、検出部300は、マグネットカップリング332と、スリップリング334を備える。マグネットカップリング332とスリップリング334は、連結部材の一例である。
【0094】

マグネットカップリング332は、磁石を用いた非接触式の継ぎ手である。先端部320と駆動部370との間をマグネットカップリング332により非接触で接続することによって、先端部320に駆動部370からの振動が伝達することが防止することができる。すなわち、マグネットカップリング332は、駆動部370から先端部320への振動を隔離する振動隔離部材の一例である。マグネットカップリング332は、カップリングディスク332aとカップリングディスク332bを備える。カップリングディスク332aとカップリングディスク332bは、それぞれ磁石を備える。当該磁石の磁力により、カップリングディスク332aとカップリングディスク332bとが非接触の状態で力を伝達することができる。カップリングディスク332aは、アダプタ332a1を介して駆動部370の回転軸371に接続される。カップリングディスク332bは、アダプタ332b1を介して、スリップリング334の回転軸334aに接続される。
【0095】

スリップリング334は、回転する部品に外部から電力や信号を伝達するコネクタである。本実施形態の検出部300では、本体部310から先端部320の制御ユニット基板327とセンサ基板328に電力を供給するためにスリップリング334を用いる。なお、図15においては、スリップリング334内部の詳細については省略している。スリップリング334には、本体部310の制御回路380から電力を供給するための配線が接続されている。制御回路380から供給された電力は、スリップリング334を介して、具体的には、スリップリング334の回転軸334aを通して、制御ユニット基板327に供給される。スリップリング334は、取り付け金具319を介して筐体311のサイドカバー313、314に取り付けられる。
【0096】

なお、本実施形態では、駆動部370とスリップリング334の間にマグネットカップリング332を備えるが、駆動部370とスリップリング334とを直接つないでもよい。また、駆動部370とスリップリング334とを、マグネットカップリング332とは別の振動隔離部材、例えば、スポンジ、を介して接続してもよい。
【0097】

ここで、駆動部370とスリップリング334とを、振動隔離部材であるスポンジ333sを介して接続する変形例について説明する。
【0098】

図16は、本実施形態に係る測定装置の変形例の検出部300Aの断面図である。図16は、図15の本実施形態に係る測定装置2の検出部300の断面図に対応する図である。なお、図16では、図を簡略化するために一部の構成等を省略している。また、図15の構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0099】

先端部320と駆動部370とを連結するために、検出部300Aは、スポンジカップリング333と、スリップリング334を備える。スポンジカップリング333とスリップリング334は、連結部材の一例である。
【0100】

スポンジカップリング333は、スポンジ333sを介して部品を接続する部材である。スポンジ333sは、例えば、発泡ウレタン等のスポンジである。先端部320と駆動部370との間をスポンジカップリング333によりスポンジ333sを介して接続することによって、先端部320に駆動部370からの振動が伝達することが防止することができる。すなわち、スポンジカップリング333は、駆動部370から先端部320への振動を隔離する振動隔離部材の一例である。スポンジカップリング333は、カップリングディスク333aとカップリングディスク333bを備える。カップリングディスク333aとカップリングディスク333bとの間には、スポンジ333sが固定されている。例えば、カップリングディスク333a及びカップリングディスク333bのそれぞれと、スポンジ333sとは、接着されている。これにより、カップリングディスク333aとカップリングディスク333bとがスポンジ333sを介して力を伝達することができる。カップリングディスク333aは、セットカラー333a1を介して駆動部370の回転軸371に接続される。カップリングディスク333bは、セットカラー333b1を介して、スリップリング334の回転軸334aに接続される。カップリングディスク333aとセットカラー333a1と、又は、カップリングディスク333bとセットカラー333b1と、は、例えば、セットカラー333a1又はセットカラー333b1に形成されたねじ穴に、ねじで締結することにより固定される。また、セットカラー333a1と回転軸371と、セットカラー333b1と回転軸334aと、例えば、セットカラー333a1又はセットカラー333b1に形成されたねじ穴に設けられた止めねじで回転軸371又は回転軸334aを押圧することにより固定される。なお、固定方法については、ねじに限らず、接着剤等により固定してもよい。また、セットカラー333a1、333b1を用いずに直接回転軸371、334aと、カップリングディスク333a、333bを接続してもよい。
【0101】

なお、スポンジカップリング333のスポンジ333sに換えて、ゴムやゲル等の振動の伝達を防止する部材を用いてもよい。
【0102】

<制御装置400>

次に制御装置400について、図11に戻って説明する。
【0103】

制御装置400は、信号処理部410、検出部制御部420を備える。
【0104】

信号処理部410は、検出部300のセンサ350からの信号を受信する。本実施形態の信号処理部410は、センサ350からの信号を、制御ユニット基板327を介して無線で受信する。信号処理部410は、受信した信号をフィルター処理や増幅処理を行い、アナログ・デジタル変換した測定値を取得する。信号処理部410は、取得した測定値を処理することにより、肌の表面状態を計測する。例えば、測定値をフーリエ変換して、パワースペクトル等により計測する。
【0105】

検出部制御部420は、検出部300の駆動部370を制御する。検出部制御部420が行う制御については、第1の実施形態の検出部制御部220と同様である。
【0106】

<<第3実施形態>>

次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、ロボットアーム等に取り付けることに適した検出部500を示す。
【0107】

<測定装置3>

図17は、本実施形態に係る測定装置の一例の全体構成図である。本実施形態に係る測定装置3は、検出部500、制御装置600を備える。検出部500は、センサ550(加速度センサ551及び力センサ552)を備える。検出部500と制御装置600とは、無線により通信可能に接続されている。本実施形態に係る測定装置3は、測定装置1と同様に、触感に関連する肌の表面状態、例えば、肌の表面がなめらかな状態であるか、等を測定する。
【0108】

<検出部500>

最初に、検出部500について説明する。検出部500は、測定対象に対して変位させる駆動部として、検出部500の外部のロボットアーム等を用いる。そのため、検出部500は、第1実施形態と第2実施形態の検出部が備えていた駆動部を備える必要がない。そこで、本実施形態の検出部500は、振動や力を検出するセンサ550に必要な構成に限定して説明する。
【0109】

図18は、第3実施形態に係る測定装置の一例の検出部500の斜視図である。図19は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部500の断面図である。なお、図19では、図を簡略化するために一部の構成等を省略している。
【0110】

本実施形態に係る測定装置2の検出部500は、先端部520、アーム取り付け治具515を備える。ロボットアーム等に取り付けられた検出部500は、矢印Pの方向に、測定対象、例えば、人の腕や頬等の肌、に先端部520を押し当てることにより肌の表面状態について測定を行う。
【0111】

先端部520は、制御ユニットケース521、センサケース522を備える。
【0112】

制御ユニットケース521は、制御ユニット下ケース521aと制御ユニット上ケース521bを備える。また、制御ユニットケース521は、その内部に、制御ユニット基板527を備える。制御ユニット基板527は、加速度センサ551と力センサ552(センサ550)からの信号を無線で制御装置600に送信する回路を備える基板である。無線方式については、第2実施形態の制御ユニット基板327と同様である。制御ユニット下ケース521aには、アーム取り付け治具515が取り付けられている。制御ユニット上ケース521bには、センサケース522が、振動吸収部材525を介して載置され接着されている。振動吸収部材525は、振動を吸収する部材により形成されている。振動を吸収する部材としては、例えば、発泡ウレタン等のスポンジやゴム等である。振動吸収部材525が、振動隔離部材の一例である。
【0113】

センサケース522は、センサ下ケース522aとセンサ上ケース522bを備える。また、センサケース522は、その内部に、センサ基板528を備える。センサ基板528は、センサ550の信号を検出して、検出した信号を制御ユニット基板527に送信する回路を備える基板である。センサ下ケース522aは、振動吸収部材525を介して制御ユニット上ケース521bに接着固定されている。センサ上ケース522bは、開口を備える。当該開口を通して、接触子540が接続部材529を介してセンサ基板528に接続されている。そして、当該接続部材529がセンサ基板528に取り付けられている部分に、センサ基板528は、センサ550の力センサ552を備える。さらに、当該力センサ552のセンサ基板528の裏側に、センサ基板528は、センサ550の加速度センサ551を備える。加速度センサ551は、例えば、3軸の加速度センサである。また、力センサ352は、例えば、6軸の力センサである。
【0114】

<制御装置600>

次に制御装置600について、図17に戻って説明する。
【0115】

制御装置600は、信号処理部610を備える。
【0116】

信号処理部610は、検出部500のセンサ550からの信号を受信する。本実施形態の信号処理部610は、センサ550からの信号を、制御ユニット基板527を介して無線で受信する。信号処理部610は、受信した信号をフィルター処理や増幅処理を行い、アナログ・デジタル変換した測定値を取得する。信号処理部610は、取得した測定値を処理することにより、肌の表面状態を計測する。例えば、測定値をフーリエ変換して、パワースペクトル等により計測する。
【0117】

<<第4実施形態>>

次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、第2実施形態の検出部300の変形例を示す。なお、以下の第4実施形態の検出部700は、制御装置400と組み合わせて用いられる。
【0118】

<検出部700>

検出部300の変形例として、検出部700について説明する。なお、検出部300と同じ部品については、同じ符号を付与して説明を省略する。検出部700は、測定対象に押しつける方向に対して垂直方向に延在する把持部を備える。図20は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部700の斜視図である。図21は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部700の内部構成図である。具体的には、図21は、検出部700の筐体711の手前側半分を取り外して、内部を露出させた状態を示す図である。なお、検出部700は、筐体711の内部に、図示しない回路基板、例えば、電源基板や駆動部770を駆動するための駆動基板等、を更に備える。
【0119】

検出部700は、本体部710、先端部320を備える。先端部320は、本体部710の押し当てリング716の開口部から接触子340が露出されるように、本体部710に内蔵される。検出部700は、矢印P1の方向に、測定対象、例えば、人の腕や頬等の肌、に先端部320を押し当てることにより肌の表面状態について測定を行う。先端部320は、回転軸Cを中心に矢印R2の方向に回転する。なお、回転方向については、矢印R2の方向に限らず、例えば、矢印R2の逆方向に回転してもよいし、矢印R2の方向とその逆方向に繰り返し回転するようにしてもよい。
【0120】

本体部710は、側面視でL字形の形状を有する筐体711を備える。筐体711は、測定対象に押し当てる方向(矢印P1の方向)に対して、垂直方向に延在する把持部712と、測定対象に押し当てる方向(矢印P1の方向)に延在する押し当て部713と、を備える。筐体711は、ABS樹脂等により形成される。
【0121】

押し当て部713の測定対象に押し当てる側の端部713bは、外側の側面に雄ネジが形成されている。端部713bには、円筒形の押し当てリング716が螺着される。当該押し当てリング716の内側には、先端部320の接触子340が外部に露出するように、先端部320が備えられている。
【0122】

押し当てリング716の端面716aを肌に押し当てることにより、測定装置の押し当て方向の位置決めを行うことができる。押し当てリング716の端面716aから接触子340の接触面までの回転軸Cに沿う方向の距離は、端部713bに螺着する量を変えることによって、変更することができる。また、先端部320の接触子340が測定対象に接触する際の押し当てる力を調整することができる。なお、押し当てリング816は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等により形成されている。
【0123】

本体部710は、押し当て部713の内部に、先端部320を回転させる駆動部770を備える。すなわち、本体部710は、駆動部770を内蔵する筐体711を備える。測定者は、把持部712を把持してすることにより測定を行う。測定者は、把持部712を把持して測定対象に向けて移動させることにより、先端部320を測定対象に押し当てる。検出部700では、駆動部770として、より小型のモータを用いる。小型のモータを用いることにより、検出部700の全体の大きさを小さくすることができる。
【0124】

検出部700は、先端部320と駆動部770とを連結するために、スポンジカップリング733と、スリップリング334と、を備える。スポンジカップリング733とスリップリング334は、連結部材の一例である。
【0125】

スポンジカップリング733は、スポンジ733sを介して部品を接続する部材である。スポンジ733sは、例えば、発泡ウレタン等のスポンジである。先端部320と駆動部770との間をスポンジカップリング733によりスポンジ733sを介して接続することによって、先端部320に駆動部770からの振動が伝達することが防止することができる。すなわち、スポンジカップリング733は、駆動部770から先端部320への振動を隔離する振動隔離部材の一例である。
【0126】

スポンジカップリング733は、カップリングディスク733aとカップリングディスク733bを備える。カップリングディスク733aとカップリングディスク733bとの間には、スポンジ733sが固定されている。例えば、カップリングディスク733a及びカップリングディスク733bのそれぞれと、スポンジ733sとは、接着されている。これにより、カップリングディスク733aとカップリングディスク733bとがスポンジ733sを介して力を伝達することができる。
【0127】

カップリングディスク733aは、セットカラー733a1を介して駆動部770の回転軸に接続される。カップリングディスク733bは、セットカラー733b1を介して、スリップリング334の回転軸に接続される。カップリングディスク733aとセットカラー733a1と、又は、カップリングディスク733bとセットカラー733b1と、は、例えば、セットカラー733a1又はセットカラー733b1に形成されたねじ穴に、ねじで締結することにより固定される。
【0128】

また、セットカラー733a1と駆動部770の回転軸と、セットカラー733b1とスリップリング334の回転軸とは、例えば、セットカラー733a1又はセットカラー733b1に形成されたねじ穴に設けられた止めねじで回転軸371又は回転軸334aを押圧することにより固定される。なお、固定方法については、ねじに限らず、接着剤等により固定してもよい。また、セットカラー733a1、733b1を用いずに直接それぞれの回転軸と、カップリングディスク733a、733bを接続してもよい。
【0129】

なお、駆動部770及びスリップリング334のそれぞれは、図示していない固定部材により、筐体711に固定される。具体的には、駆動部770は、ゲル素材で形成されたゲルブッシュを挟んで、筐体711に圧着される。また、スリップリング334は、軸受け部分を、取り付け金具を介して筐体711にねじで固定される。
【0130】

変形例1の検出部700のように、測定対象に押しつける方向に対して垂直方向に延在する把持部を備えることにより、測定対象に検出部700を押し当てる際に、取り扱いしやすくすることができる。
【0131】

<<第5実施形態>>

次に、第5実施形態について説明する。第5実施形態では、第2実施形態の検出部300の変形例を示す。なお、以下の第5実施形態の検出部800は、制御装置400と組み合わせて用いられる。第5実施形態では、更に、検出器の小型化を行った。
【0132】

<検出部800>

検出部300の変形例として、検出部800について説明する。なお、検出部300と同じ部品については、同じ符号を付与して説明を省略する。図22は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部800の斜視図である。図23は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部800の内部構成図である。具体的には、図23は、検出部800の筐体811の手前側半分を取り外して、内部を露出させた状態を示す図である。なお、検出部800は、筐体811の内部に、図示しない回路基板、例えば、電源基板や駆動部870を駆動するための駆動基板等、を更に備える。
【0133】

検出部800は、本体部810、先端部320を備える。先端部320は、本体部810の押し当てリング816の開口部から接触子340が露出されるように、本体部810に内蔵される。検出部800は、矢印P2の方向に、測定対象、例えば、人の腕や頬等の肌、に先端部320を押し当てることにより肌の表面状態について測定を行う。先端部320は、回転軸Dを中心に矢印R3の方向に回転する。なお、回転方向については、矢印R3の方向に限らず、例えば、矢印R3の逆方向に回転してもよいし、矢印R3の方向とその逆方向に繰り返し回転するようにしてもよい。
【0134】

本体部810は、筐体811を備える。筐体811は、ABS樹脂等により形成される。筐体811の測定対象に押し当てる側の端部811bは、外側の側面に雄ネジが形成されている。端部811bには、円筒形の押し当てリング816が螺着される。当該押し当てリング816の内側には、先端部320の接触子340が外部に露出するように、先端部320が備えられている。
【0135】

押し当てリング816の端面816aを肌に押し当てることにより、測定装置の押し当て方向の位置決めを行うことができる。押し当てリング816の端面816aから接触子340の接触面までの回転軸Dに沿う方向の距離は、端部811bに螺着する量を変えることによって、変更することができる。また、先端部320の接触子340が測定対象に接触する際の押し当てる力を調整することができる。なお、押し当てリング816は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等により形成されている。
【0136】

本体部810は、内部に先端部320を回転させる駆動部870を備える。すなわち、本体部810は、駆動部870を内蔵する筐体811を備える。測定者は、筐体811を把持することにより測定を行う。測定者は、筐体811を把持して測定対象に向けて移動させることにより、先端部320を測定対象に押し当てる。
【0137】

検出部800は、先端部320と駆動部870とを連結するために、スポンジカップリング833と、スリップリング334と、を備える。スポンジカップリング833とスリップリング334は、連結部材の一例である。
【0138】

スポンジカップリング833は、スポンジ833sを介して部品を接続する部材である。スポンジ833sは、例えば、発泡ウレタン等のスポンジである。先端部320と駆動部870との間をスポンジカップリング833によりスポンジ833sを介して接続することによって、先端部320に駆動部770からの振動が伝達することが防止することができる。すなわち、スポンジカップリング833は、駆動部870から先端部320への振動を隔離する振動隔離部材の一例である。
【0139】

スポンジカップリング833は、カップリングディスク833aとカップリングディスク833bを備える。カップリングディスク833aとカップリングディスク833bとの間には、スポンジ833sが固定されている。例えば、カップリングディスク833a及びカップリングディスク833bのそれぞれと、スポンジ833sとは、接着されている。これにより、カップリングディスク833aとカップリングディスク833bとがスポンジ833sを介して力を伝達することができる。
【0140】

カップリングディスク833aは、セットカラー833a1を介して駆動部870の回転軸に接続される。カップリングディスク833bは、セットカラー833b1を介して、スリップリング334の回転軸に接続される。カップリングディスク833aとセットカラー833a1と、又は、カップリングディスク833bとセットカラー833b1と、は、例えば、セットカラー833a1又はセットカラー833b1に形成されたねじ穴に、ねじで締結することにより固定される。
【0141】

また、セットカラー833a1と駆動部870の回転軸と、セットカラー833b1とスリップリング334の回転軸とは、例えば、セットカラー833a1又はセットカラー833b1に形成されたねじ穴に設けられた止めねじで回転軸371又は回転軸334aを押圧することにより固定される。なお、固定方法については、ねじに限らず、接着剤等により固定してもよい。また、セットカラー833a1、833b1を用いずに直接それぞれの回転軸と、カップリングディスク833a、833bを接続してもよい。
【0142】

なお、駆動部870及びスリップリング334のそれぞれは、図示していない固定部材により、筐体811に固定される。
【0143】

変形例2の検出部800を用いることにより、より小型の検出部で測定を行うことができる。
【0144】

<<第6実施形態>>

次に、第6実施形態について説明する。第6実施形態では、第2実施形態の検出部300の変形例を示す。なお、以下の第6実施形態の検出部900は、制御装置400と組み合わせて用いられる。
【0145】

<検出部900>

検出部300の変形例として、検出部900について説明する。なお、検出部300と同じ部品については、同じ符号を付与して説明を省略する。図24は、本実施形態に係る測定装置の一例の検出部900の斜視図である。
【0146】

本実施形態に係る測定装置の検出部900は、本体部910、先端部920を備える。先端部920は、本体部910の押し当てリング916の開口部から接触子940が露出されるように、本体部910に内蔵される。検出部300は、矢印P3の方向に、測定対象、例えば、人の腕や頬等の肌、に先端部920を押し当てることにより肌の表面状態について測定を行う。先端部920は、回転軸Eを中心に矢印R4の方向に回転する。なお、回転方向については、矢印R4の方向に限らず、例えば、矢印R4の逆方向に回転してもよいし、矢印R4の方向とその逆方向に繰り返し回転するようにしてもよい。
【0147】

本体部910は、中央部分がくびれた略円筒形の筐体911を備える。筐体911は、トップカバー912、サイドカバー913、サイドカバー914、ボトムカバー915により構成される。筐体911の各カバーは、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)等により形成されている。
【0148】

トップカバー912の上部には、先端に環状の平面916aを備える円筒形の押し当てリング916が螺着されている。当該押し当てリング916の内側には、先端部920の接触子940が外部に露出するように、先端部920が備えられている。
【0149】

押し当てリング916の平面916aを肌に押し当てることにより、測定装置の押し当て方向の位置決めを行うことができる。押し当てリング916の平面916aから接触子940の接触面までの回転軸Eに沿う方向の距離は、トップカバー912に螺着する量を変えることによって、変更することができる。そして、押し当てリング916の平面916aから接触子940の接触面までの回転軸Aに沿う方向の距離を変更することができる。また、先端部920の接触子940が測定対象に接触する際の押し当てる力を調整することができる。なお、押し当てリング316は、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等により形成されている。
【0150】

押し当てリング916は、側面に複数(本実施形態では、6個)の開口916hを有する。開口916hを有することにより、測定対象と押し当てリング916により囲まれる空間から空気の逃がすことができる。
【0151】

本体部910の筐体911の内部については、第2実施形態の検出部300の筐体311の内部と同様である。
【0152】

接触子940は、測定装置の測定対象に接触する部材である。接触子940は測定対象に接触する。接触子340の接触する面は、測定対象や測定の目的によって、平面でもよいし、表面に凹凸があってもよい。接触子940の下方には、検出部300と同様に、加速度センサ351と力センサ352を備える。
【0153】

本実施形態の検出部900は、さらに接触子940aを備える。接触子940aは、回転軸Eに対して接触子940と対称の位置に設けられる。接触子940aを回転軸Eに対して接触子940と対称の位置に設けることにより、接触子940を測定対象にバランスよく接触させることができる。また、接触子940と接触子940aの両方が測定対象に接触することにより、発生させる振動の大きさを大きくすることができる。
【0154】

なお、接触子940aの下方には、接触子940の下方の加速度センサ351と力センサ352に追加して加速度センサ、力センサを備えてもよいし、加速度センサ、力センサを備えていなくてもよい。接触子940aの数は、1個に限らず、2個以上設けてもよい。また、接触子940aの位置も測定対象に接触する位置であれば、対象の位置に限らない。ただし、接触子940がバランス良く接触するように配置することが望ましい。接触子940aは、接触部の一例である。
【0155】

<<第7実施形態>>

第7実施形態では、制御装置で行う信号処理について説明する。ここでは、例として第2実施形態の検出部300Aを用いて、制御装置400で行う処理について説明する。
【0156】

<推定する評価値>

制御装置400は、検出部300Aでの測定結果を用いて、被験者の肌について、肌のしっとり度、肌のなめらか度、角層水分量及びキメの状態の推定を行う。また、制御装置400は、検出部300Aでの測定結果を用いて、被験者の年齢の推定を行う。
【0157】

<評価試験の詳細>

被験者は、事前に書面にて試験参加の同意を得た20歳から69歳までの日本人女性31名と日本に在住の外国籍の女性28名の合計59名について評価を行った。被験者は、試験前にメークを落とし、洗顔を行った後、室温23℃、湿度45%の恒温恒湿環境下で安静に待機した後に計測を行った。
【0158】

最初に、被験者の頬部位に対して、専門評価者の2名による触診を実施した。各専門評価者は、肌のしっとり度と、肌のなめらか度の2項目について評価を行った。肌のしっとり度については、肌が「しっとり」しているか又は「乾燥」しているかについて、5段階で評価を行い数値化した。また、肌のなめらか具体については、肌が「なめらか」か又は「がさがた」しているかについて、5段階で評価を行い数値化した。
【0159】

次に、専門評価者が評価を行った後に、同一の部位に対して、検出部300Aを用いて計測を行った。計測は、検出部300Aの接触子340を、回転角速度205deg/sで、回転軸Aを中心に回転させて行った。計測では、肌をなぞるときの3軸の加速度を加速度センサ351で計測した。また、肌をなぞるときの6軸の力を力センサで計測した。
【0160】

また、同時に肌状態の評価に用いられる市販のセンサによる計測を行った。Skicon-200EX(YAYOI Co. Ltd)を用いて、角層水分量を計測した。また、ビデオマイクロスコープ(Skin Visiom II, Shiseido Co. Ltd)を用いてキメの状態(キメの良し悪しを数値で表したもの)を計測した。
【0161】

そして、検出部300Aで計測した結果と、専門評価者による肌のしっとり度及び肌のなめらか度並びにセンサによる角層水分量及びキメの状態並びに被験者の年齢のそれぞれについて統計モデルの作成を行った。そして、当該統計モデルを用いて、検出部300Aで計測した結果から、肌のしっとり度、肌のなめらか度、角層水分量、キメの状態及び被験者の年齢のそれぞれについて推定を行った。
【0162】

<評価試験の詳細>

次に、測定装置の制御装置400が行う推定処理の詳細については、説明する。
【0163】

[測定データ]

(1)加速度(振動特徴量)

制御装置400の信号処理部410は、検出部300Aの加速度センサ351からの3軸の加速度データを取得する。信号処理部410は、3軸の加速度データの中で、回転する接触子340の回転方向の加速度成分を用いて解析を行う。信号処理部410は、重力方向の加速度成分について、高速フーリエ変換(FFT(fast Fourier transform))を行い、振幅スペクトルを算出しする。具体的には、信号処理部410は、測定を開始してから2秒後から、接触子340が2回転する期間(3512(ミリ秒)=(360(deg)×2)/(205(deg/秒))×1000)の加速度データに対して高速フーリエ変換(FFT)を行い、周波数0kHzから1000kHzまでの振幅スペクトルを算出する。そして、信号処理部410は、算出した振幅スペクトルについて、周波数10Hzごとに平均値を求める。後述するように、信号処理部410は、当該振動スペクトルの平均値(100次元の振動スペクトル)を、各被験者の振動特徴量として推定を行う。
【0164】

(2)力(摩擦特徴量)

制御装置400の信号処理部410は、検出部300Aの力センサ352からの6軸の力データを取得する。信号処理部410は、6軸の力データの中で、回転する接触子340の回転方向の力成分Fxと押し込み方向(接触子340の接触面341に垂直な方向)の力成分Fzを用いて解析を行う。信号処理部410は、回転する接触子340の回転方向の力成分Fxと押し込み方向の力成分Fzを用いて、下記の式1を用いて摩擦係数μを算出する。
【0165】
μ = Fx/Fz ・・・ (式1)

具体的には、信号処理部410は、測定を開始してから2秒後から、接触子340が2回転する期間(3512(ミリ秒)=(360(deg)×2)/(205(deg/秒))×1000)の力データに対して摩擦係数μを算出する。そして、信号処理部410は、算出した摩擦係数μについて、接触子340が2回転する期間における平均値を求める。後述するように、信号処理部410は、当該摩擦係数μの平均値を、各被験者の摩擦特徴量として推定を行う。
【0166】

[推定モデルの算出]

信号処理部410は、上記で求めた振動特徴量及び摩擦特徴量から、肌のしっとり度、肌のなめらか度、角層水分量、キメの状態及び被験者の年齢を推定する統計モデルを算出する。
【0167】

信号処理部410は、部分最小二乗回帰を用いて統計モデルを構築する。本実施形態では、肌のしっとり度、肌のなめらか度、角層水分量、キメの状態及び被験者の年齢のそれぞれを目的変数した。そして、それぞれの目的変数に対して、上記で算出した振動特徴量及び摩擦特徴量又は振動特徴量を説明変数とした。なお、振動特徴量及び摩擦特徴量を説明変数とした場合の統計モデルをモデル1という。また、振動特徴量を説明変数とした場合の統計モデルをモデル2という。
【0168】

最初に、各説明変数は、平均値が0、標準偏差が1になるように標準化を行った。次に、部分最小二乗回帰を用いて統計モデルを構築した。
【0169】

部分最小二乗回帰の統計モデルにおける成分数を決定するために、成分数を変えて、透明モデルの二乗平均誤差(MSE(Mean squared error))と、推定値と、観測値との相関係数ついて調べた。本実施形態における演算においては、10分割交差検証法を20回繰り返し、二乗平均誤差(MSE)及び相関計数の平均を求めた。
【0170】

各目的変数について、図25から図34は、第7実施形態に係る測定装置の演算結果を示す図である。各目的変数について説明する。
【0171】

[肌のしっとり度]

図25は、目的変数を肌のしっとり度として、成分数を変化させたときの二乗平均誤差(MSE)を示す図である。図26は、目的変数を肌のしっとり度として、成分数を変化させたときの相関係数を示す図である。図25図26のグラフにおいて、X1がモデル1における演算結果、Y1がモデル2における演算結果である。
【0172】

図25に示すように、モデル1では成分数5の場合(図25のX1a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。また、モデル2では成分数4の場合(図25のY1a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。
【0173】

図26に示すように、モデル1では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数5の場合(図26のX1b)に相関係数が一番大きくなった。また、モデル2では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数4の場合(図26のY1b)に相関係数が一番大きくなった。
【0174】

[肌のなめらか度]

図27は、目的変数を肌のなめらか度として、成分数を変化させたときの二乗平均誤差(MSE)を示す図である。図27は、目的変数を肌のなめらか度として、成分数を変化させたときの相関係数を示す図である。図27図28のグラフにおいて、X2がモデル1における演算結果、Y2がモデル2における演算結果である。
【0175】

図27に示すように、モデル1では成分数2の場合(図27のX2a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。また、モデル2では成分数1の場合(図27のY2a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。
【0176】

図28に示すように、モデル1では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数2の場合(図28のX2b)に相関係数が一番大きくなった。また、モデル2では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数1の場合(図26のY2b)に相関係数が一番大きくなった。
【0177】

[角層水分量]

図29は、目的変数を角層水分量として、成分数を変化させたときの二乗平均誤差(MSE)を示す図である。図30は、目的変数を角層水分量として、成分数を変化させたときの相関係数を示す図である。図29図30のグラフにおいて、X3がモデル1における演算結果、Y3がモデル2における演算結果である。
【0178】

図29に示すように、モデル1では成分数3の場合(図29のX3a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。また、モデル2では成分数3の場合(図29のY3a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。
【0179】

図30に示すように、モデル1では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数3の場合(図30のX3b)に相関係数が一番大きくなった。また、モデル2では成分数4の場合(図30のY2c)に相関係数が一番大きくなった。なお、モデル2では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数3の場合(図30のY2b)に、ほぼ成分数4と同等の相関係数となった。
【0180】

[キメの状態]

図31は、目的変数をキメの状態として、成分数を変化させたときの二乗平均誤差(MSE)を示す図である。図32は、目的変数をキメの状態として、成分数を変化させたときの相関係数を示す図である。図31図32のグラフにおいて、X4がモデル1における演算結果、Y4がモデル2における演算結果である。
【0181】

図31に示すように、モデル1では成分数2の場合(図31のX4a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。また、モデル2では成分数2の場合(図31のY4a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。
【0182】

図32に示すように、モデル1では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数2の場合(図32のX4b)に相関係数が一番大きくなった。また、モデル2では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数2の場合(図32のY4b)に、相関係数が一番大きくなった。
【0183】
[被験者の年齢]

図33は、目的変数を被験者の年齢として、成分数を変化させたときの二乗平均誤差(MSE)を示す図である。図34は、目的変数を年齢として、成分数を変化させたときの相関係数を示す図である。図33図34のグラフにおいて、X5がモデル1における演算結果、Y5がモデル2における演算結果である。
【0184】

図33に示すように、モデル1では成分数2の場合(図33のX5a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。また、モデル2では成分数2の場合(図33のY5a)に二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった。
【0185】

図34に示すように、モデル1では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数2の場合(図34のX5b)に相関係数が一番大きくなった。また、モデル2では二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなった成分数2の場合(図34のY5b)に、相関係数が一番大きくなった。
【0186】

以上の結果から、モデル1、モデル2において、二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなる成分数を求めることによって、相関係数を高くすることができる。したがって、本実施形態では、二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなる成分数の場合の統計モデルを最終的に採用する。
【0187】

各目的変数と各モデルについて、二乗平均誤差(MSE)が一番小さくなる成分数と、当該成分数における二乗平均誤差(MSE)及び相関係数をまとめた表を表1に示す。
【0188】

【表1】
【0189】

以上の結果から、目的変数を肌のしっとり度、肌のなめらか度、角層水分量、キメの状態及び被験者の年齢とした場合に、モデル1、モデル2ともに、相関関係が見られた。したがって、モデル1(説明変数として振動特徴量及び摩擦特徴量を用いるモデル)及びモデル2(説明変数として振動特徴量を用いるモデル)を用いることで素肌の官能評価、肌状態、年齢を推定可能であることが示唆された。また、肌のしっとり度、肌のなめらか度、角層水分量は、モデル1(説明変数として振動特徴量及び摩擦特徴量を用いるモデル)の相関係数が大きく、振動と摩擦の双方を使う優位性が示唆された。
【0190】

<<第8実施形態>>

第8実施形態では、制御装置で行う信号処理について説明する。ここでは、例として第2実施形態の検出部300Aを用いて、制御装置400で行う処理について説明する。
【0191】

触感の異なる2種の化粧水の感触評価を行った。一つはさっぱりタイプの化粧水、もう一方はしっとりタイプの化粧水を用いた。塗布部位は顔の頬としコットンで塗布した。計測は3回実施した。塗布前の素肌、塗布後1分経過後、2分経過後である。
【0192】

塗布後1分経過後の摩擦係数はどちらの化粧水も上昇した。塗布後2分経過後のさっぱり化粧水の摩擦係数は低下し、しっとり化粧水の摩擦係数は上昇していた。
【0193】

塗布後1分経過後のしっとり化粧水の振動は低下、さっぱり化粧水の振動は素肌と同等であった。塗布後2分経過後のしっとり化粧水の振動は1分後に比べ上昇したが、素肌の振動よりは低い値であった。塗布後2分経過後のさっぱり化粧水の振動は変わらず、素肌と同等であった。
【0194】

図35図36で示したように、2種の化粧水で異なる振動と摩擦挙動を計測することができた。化粧水のように触感が時系列で変化するような対象を評価する際には、同じ条件を再現することが困難である。本測定装置は振動と摩擦を同時に計測できるため、触感が変化する対象の評価に非常に有用である。
【0195】

なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0196】

本願は、日本特許庁に2019年 6月 6日に出願された基礎特許出願2019-106429号及び日本特許庁に2019年10月29日に出願された基礎特許出願2019-196477号の優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【符号の説明】
【0197】

1 測定装置

2 測定装置

3 測定装置

100 検出部

110 本体部

111 筐体

120 先端部

122 下部振動吸収部材

124 上部振動吸収部材

125 上部支持部材

130 連結軸

140 接触子

150 センサ

170 駆動部

200 制御装置

210 信号処理部

300 検出部

310 本体部

311 筐体

320 先端部

325 振動吸収部材

332 マグネットカップリング

333 スポンジカップリング

334 スリップリング

340 接触子

350 センサ

370 駆動部

400 制御装置

410 信号処理部

500 検出部

520 先端部

525 振動吸収部材

540 接触子

550 センサ

600 制御装置

610 信号処理部

700 検出部

800 検出部

900 検出部
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36