(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-03-03
(45)【発行日】2025-03-11
(54)【発明の名称】画像投影装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/51 20230101AFI20250304BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20250304BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20250304BHJP
G03B 13/34 20210101ALI20250304BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20250304BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20250304BHJP
【FI】
H04N23/51
H04N23/56
G03B21/00 Z
G03B13/34
G02B7/28 Z
G03B15/02 Z
(21)【出願番号】P 2022066849
(22)【出願日】2022-04-14
(62)【分割の表示】P 2018216867の分割
【原出願日】2017-06-16
【審査請求日】2022-05-12
(32)【優先日】2016-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522449086
【氏名又は名称】レッドウッドベンチャーズ,エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】REDWOODVENTURES,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】レボット,ナタリー,ロサンナ
【審査官】堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-267188(JP,A)
【文献】国際公開第2014/091042(WO,A1)
【文献】特開2008-109651(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0323160(US,A1)
【文献】特開2016-057625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
G03B 21/00
G03B 13/34
G02B 7/28
G03B 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラフラッシュを有するモバイル装置と関連して使用される画像投影装置であって、
アパーチャを画定する本体であって、前記カメラフラッシュからの光を受けるように前記アパーチャを位置決めするように前記モバイル装置に装着する装着機構を有する本体と、
前記本体内のスライドフレーム受容スロットであって、前記カメラフラッシュの照明が前記アパーチャに沿ってスライドを通して光を透過させるように、スライドフレーム上の前記スライドを前記アパーチャに位置決めするように、前記スライドフレームを受けるように配置されたスライドフレーム受容スロットと、
前記
カメラフラッシュからの光が前記スライドフレーム受容スロット、前記スライド、及び拡大レンズを通して投影されるように、前記スライドフレームの前に配置された前記拡大レンズと、
前記アパーチャ内であって、前記スライドフレーム受容スロットに対して前記拡大レンズと反対側にある、フラッシュ調節器と、
を備える画像投影装置。
【請求項2】
前記拡大レンズを収容する焦点調節機構をさらに包含し、前記焦点調節機構が、前記アパーチャに対して前記拡大レンズを軸方向に並進させる為のものである、請求項1に記載の画像投影装置。
【請求項3】
前記焦点調節機構が、伸縮機構とネジ式機構のうちいずれか一方である、請求項2に記載の画像投影装置。
【請求項4】
前記本体がさらに焦点調節モータを包含し、前記モバイル装置に電気結合されて指示を取得し、前記モータが前記焦点調節機構に結合され、前記モバイル装置がカメラを有して、前記カメラにより検出される投影画像に基づいて焦点を調節する指示を前記モータに提供する、請求項2に記載の画像投影装置。
【請求項5】
前記装着機構がモバイル装置ケースである、請求項1に記載の画像投影装置。
【請求項6】
前記本体がさらにモータを包含し、前記モバイル装置に結合されて指示を取得し、前記モータが前記スライドフレームに結合されて、前記モバイル装置からの指示で前記スライドフレームを前進させる、請求項1に記載の画像投影装置。
【請求項7】
前記本体がさらに、前記モバイル装置のカメラとの整合の為のカメラ開口部を画定し、前記スライドフレーム受容スロットは、前記カメラからの光が前記スライドフレームを通して投影されるように前記カメラ開口部の前にあり、前記スライドフレームの符号化ブロックが、前記モバイル装置の前記カメラによる検出のために前記カメラ開口部に配置される、請求項1に記載の画像投影装置。
【請求項8】
前記本体がさらに、前記アパーチャを前記カメラ開口部に結合する光通路を包含する、請求項7に記載の画像投影装置。
【請求項9】
カメラフラッシュを有するモバイル装置と関連して使用される画像投影装置であって、
アパーチャを画定する本体であって、前記カメラフラッシュからの光を受けるように前記アパーチャを位置決めするように前記モバイル装置に装着する装着機構を有する本体と、
前記本体内のスライドフレーム受容スロットであって、前記カメラフラッシュの照明が前記アパーチャに沿ってスライドを通して光を透過させるように、スライドフレーム上の前記スライドを前記アパーチャに位置決めするように、前記スライドフレームを受けるように配置されたスライドフレーム受容スロットと、
前記
カメラフラッシュからの光が前記スライドフレーム受容スロット、前記スライド、及び拡大レンズを通して投影されるように、前記スライドフレームの前に配置された前記拡大レンズと、を備え、
前記装着機構が、クランプ又はバタフライクリップのいずれか一方である、
画像投影装置。
【請求項10】
前記モバイル装置と嵌合する表面を前記装着機構が有し、前記表面が、前記画像投影装置の移動を制限する高摩擦材料を包含する、請求項9に記載の画像投影装置。
【請求項11】
カメラフラッシュを有するモバイル装置と関連して使用される画像投影装置であって、
アパーチャを画定する本体であって、前記カメラフラッシュからの光を受けるように前記アパーチャを位置決めするように前記モバイル装置に装着する装着機構を有する本体と、
前記本体内のスライドフレーム受容スロットであって、前記カメラフラッシュの照明が前記アパーチャに沿ってスライドを通して光を透過させるように、スライドフレーム上の前記スライドを前記アパーチャに位置決めするように、前記スライドフレームを受けるように配置されたスライドフレーム受容スロットと、
前記
カメラフラッシュからの光が前記スライドフレーム受容スロット、前記スライド、及び拡大レンズを通して投影されるように、前記スライドフレームの前に配置された前記拡大レンズと、を備え、
前記スライドフレーム受容スロットが可撓性戻り止めを有し、前記可撓性戻り止めが、前記スライドフレームの切欠きと相互に作用して前記スライドフレームを前記アパーチャ内に整合させる、
画像投影装置。
【請求項12】
カメラフラッシュを有するモバイル装置と関連して使用される画像投影装置を操作する方法であって、
前記画像投影装置は、
複数のスライドトランスペアレンシと複数のスライドトランスペアレンシのうちの少なくとも一つに関連する符号化情報とを含むスライドフレームを受容するためのスライドフレーム受容スロットを有する本体と、
前記カメラフラッシュからの光を受取り、前記複数のスライドトランスペアレンシの少なくとも一つを通して前記光を透過するように配置可能なアパーチャと、
前記複数のスライドトランスペアレンシの少なくとも一つを通して透過された光を投影するように配置可能なレンズと、を備え、
前記方法は、
前記複数のスライドトランスペアレンシからの第1のスライドトランスペアレンシが、前記アパーチャにおいて当該第1のスライドトランスペアレンシを通して光を透過するように位置決めされるように、前記スライドフレームを位置決めするステップと、
前記第1のスライドトランスペアレンシに関連付けられた第1の符号化情報を検出するステップと、
前記第1の符号化情報に基づいて、前記モバイル装置から、音声出力および視覚出力からなる出力群から選択された第1の出力を発するステップと、
前記複数のスライドトランスペアレンシからの第2のスライドトランスペアレンシが、前記アパーチャにおいて当該第2のスライドトランスペアレンシを通して光を透過するように位置決めされるように、前記スライドフレームを位置決めするステップと、
前記第2のスライドトランスペアレンシに関連付けられた第2の符号化情報を検出するステップと、
前記第2の符号化情報に基づいて、前記モバイル装置から、音声出力および視覚出力からなる出力群から選択された第2の出力を発するステップであって、前記第2の出力は前記第1の出力とは異なる、ステップと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記第1の符号化情報を検出するステップと、前記第2の符号化情報を検出するステップは、前記モバイル装置のカメラ及び近距離通信センサからなるスライド解読器の群から選択されたスライド解読器を介して実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記スライド解読器が、前記モバイル装置のカメラを包含し、前記モバイル装置が、前記カメラで画像を捕捉し、前記画像を以前に捕捉された画像と比較して、前記スライドトランスペアレンシが変更されたかどうかを判断するようにプログラムされている、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
カメラフラッシュを有するモバイル装置と関連して使用される組み合わせであって、
スライドフレームであって、前記スライドフレームが第1面、第2面、及び縁を有し、その上に複数のスライドを有する、スライドフレームと、
画像投影装置であって、
アパーチャを画定する本体であって、前記カメラフラッシュからの光を受けるように前記アパーチャを位置決めするように前記モバイル装置に装着可能な本体と、
前記本体内のスライドフレーム受容スロットであって、前記カメラフラッシュの照明が前記アパーチャに沿ってスライドを通して光を透過させるように、前記スライドフレーム上の前記複数のスライドの一つを前記アパーチャに位置決めするように、前記スライドフレームを受けるように配置されたスライドフレーム受容スロットと、前記スライドフレームの第1面及び第2面の少なくとも一方が、その上に複数の特徴を有し、前記カメラフラッシュの照明が前記アパーチャに沿ってスライドを通して光を透過させるように、前記スライドフレーム上の前記複数のスライドの一つを前記アパーチャに位置決めするように、各スライドフレームが、前記スライドフレームを整列させるように、前記スライドフレーム受容スロットの対応する特徴と嵌合することができる、スライドフレーム受容スロットと、
前記
カメラフラッシュからの光が前記スライドフレーム受容スロット、前記スライド、及び拡大レンズを通して投影されるように、前記スライドフレームの前に配置された前記拡大レンズと、
を備える、画像投影装置と、
を備える、組み合わせ。
【請求項16】
カメラ及びカメラフラッシュを有するスマートフォン又はタブレットコンピューティング装置に取り外し可能に装着される画像投影装置と組み合わせたスライドフレームであって、
前記画像投影装置が、
アパーチャを画定する本体であって、前記カメラフラッシュからの光を受けるように前記アパーチャを位置決めするように、前記本体を前記スマートフォン又は前記タブレットコンピューティング装置に取り外し可能に装着する装着機構と、
前記本体内のスライドフレーム受容スロットであって、前記カメラフラッシュの照明が前記アパーチャに沿って複数のスライドトランスペアレンシのいずれか一つを通して光を透過させるように、前記スライドフレーム上の前記複数のスライドトランスペアレンシのいずれか一つを前記アパーチャに位置決めするように、スライドフレームを受けるように配置されたスライドフレーム受容スロットと、を備え、
前記本体が、カメラ開口部と、前記カメラ開口部を前記アパーチャに結合する光通路をさらに包含し、
前記アパーチャが前記カメラフラッシュと整列されたときに、前記カメラ開口部が前記カメラと整列可能であり、
前記画像投影装置が、前記
カメラフラッシュからの光が前記スライドフレーム受容スロット、前記スライド、及び拡大レンズを通して投影されるように、前記スライドフレームの前に配置された前記拡大レンズを備え、
前記スライドフレームが、前記複数のスライドトランスペアレンシの少なくとも一部の各々に関連付けられた符号化情報を含み、
前記複数のスライドトランスペアレンシのいずれか一つが前記アパーチャと整列された状態で、前記スライドフレームが前記画像投影装置に設置される使用時において、前記複数のスライドトランスペアレンシのいずれか一つに関連付けられた符号化情報が、前記カメラ開口部を介して前記カメラによって捕捉可能であり、前記スマートフォン又は前記タブレットコンピューティング装置上のアプリケーションによって読み取り可能であり、前記スマートフォン又は前記タブレットコンピューティング装置に対して、音声出力および視覚出力からなる出力群から選択される少なくとも一つの形態の出力を発するように指示し、
前記少なくとも一つの形態の出力は、複数のスライドトランスペアレンシの少なくとも一部からのスライドトランスペアレンシが前記カメラフラッシュと整列されることに基づいて、前記符号化情報の変化の前記アプリケーションによる検出に基づいて選択される、
スライドフレーム。
【請求項17】
前記少なくとも一つのスライドトランスペアレンシに隣接する少なくとも一つの符号化ブロックをさらに包含し、前記符号化ブロックが前記符号化情報を有する、請求項16に記載のスライドフレーム。
【請求項18】
前記少なくとも一つの符号化ブロックが、バーコード、カラー、及び近距離無線通信タグのうちいずれか一つである、請求項17に記載のスライドフレーム。
【請求項19】
前記符号化情報が、前記少なくとも一つのスライドトランスペアレンシの画像に符号化される、請求項16に記載のスライドフレーム。
【請求項20】
前記符号化情報が、バーコードとして符号化される、請求項16に記載のスライドフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して画像投影装置に関する。より詳しく記すと、本開示は、装置の外部にある光源を照射に使用する画像投影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を拡大するレンズとの組み合わせでスライドトランスペアレンシ又はフィルムを画面に照射するのに電球を利用する画像投影装置は、よく知られている。35mmスライドを見る為のスライドプロジェクタは、家庭での娯楽及び教育的な用途で1950年代に広く使用されるようになった。これらのスライドプロジェクタは、白熱電球又は他の光源と、光をスライドへ向ける集光レンズ又は反射体と、スライドホルダと、集束レンズとを含んでいた。ビデオプロジェクタを使用して投影スクリーンに映されるか大型ビデオモニタに表示されるさらに便利なデジタルメディアの為に、スライドプロジェクタは使用されなくなった。
【0003】
フラッシュライトプロジェクタは、スライドトランスペアレンシを照射する光源としてフラッシュライトを使用するノベルティ又は玩具である。これらの装置は一般的に、フラッシュライトに装着する機構と、スライドを定位置に取り付ける機構と、スライド画像を集束及び拡大する光学素子とを含む。例は、特許文献1と特許文献2と特許文献3とを含む。
【0004】
スマートフォンのようなモバイル装置と、デジタルカメラと、タブレットコンピューティング装置も、画像プロジェクタを装備しうる。このタイプの技術は一般的に、例えばディスプレイを照射する発光ダイオード(LED)のような光源を備える液晶オンシリコンディスプレイを使用する。モバイル装置への画像プロジェクタの追加は、モバイル装置の製造コストを大幅に上昇させる。例えば、特許文献4は、モバイル装置に一体化される透過型液晶パネル及びLED光源の使用を開示している。LED光源は、モバイル装置に着脱可能に装着されるかこれと一体的である透過型液晶パネルと外部投影レンズとを照射して、画像を拡大するとともに透過型液晶パネルからスクリーンへ投影する。
【0005】
特許文献5は、スマートフォンに結合されてスマートフォンのLEDからの光路に投影部材を配置できる娯楽用付属装置を開示している。娯楽用装置は、回転ダイヤルに一体化された異なるカラー又は効果の多数の投影部材を含んでおり、多数の異なるタイプの照明投影及び効果をユーザが作り出すことができる。娯楽用装置はまた、音楽のような音声に反応して照明効果を変更できる。投影部材は刻印されるかグラフィックデザインが印刷されうる。グラフィックと投影部材との一体化とLED光源の調整不足の為、この設計では写真品質画像の投影が可能ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第2,445,651号
【文献】米国特許第2,478,336号
【文献】米国特許第5,321,449号
【文献】米国特許第7,874,683号
【文献】米国特許出願第2015/0323160号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の態様によれば、カメラフラッシュを有するモバイル装置と関連して使用されうる画像投影装置が提供される。画像投影装置は、アパーチャを画定する本体であって、モバイル装置に装着してアパーチャをカメラフラッシュと整合させる装着機構を有する本体と、本体内のスライドフレーム受容スロットであって、アパーチャに対して横向きであるスライドフレーム受容スロットと、アパーチャと整合される拡大レンズであって、本体の前端部に配置される拡大レンズとを包含する。スライドフレームに収容されるスライドトランスペアレンシはスライドフレーム受容スロットに配置され、カメラフラッシュはスライドトランスペアレンシを照射し、拡大レンズは、照射されたスライドトランスペアレンシを拡大して投影面に投影する。画像投影装置は、拡大レンズを収容してアパーチャに対する拡大レンズの軸方向の並進を可能にする焦点調節機構も含みうる。焦点調節機構は、伸縮機構又はネジ式機構を含みうる。
【0008】
画像投影装置はさらにモータを含み、モバイル装置に電気結合されて指示を得ることができる。モータは焦点調節機構に結合され、カメラにより検出される投影画像に基づいて、モバイル装置がモータに指示を与えて焦点を調節できる。代替的に、又は追加モータを使用して、モータは歯車機構を使用してスライドフレームに結合され、モバイル装置からの指示を受けてスライドフレームを前進させることができる。
【0009】
画像投影装置は、例えばナノ吸着材料のような着脱可能な接着剤を使用してモバイル装置に装着されうる。装着機構は、クランプ又はモバイルフォン保護ケースのようなモバイル装置ケースでもよい。
【0010】
画像投影装置のスライドフレーム受容スロットは、矩形及び円形のスライドフレームを含むいかなる形状のスライドフレームをも受け入れるように構成されうる。スライドフレーム受容スロットは、スライドフレームの外面の切欠き又はくぼみと相互に作用してスライドフレームとアパーチャとの整合を補助する為の可撓性戻り止めを有しうる。
【0011】
画像投影装置は、モバイル装置のカメラと整合されて、モバイル装置のカメラがスライドフレーム上の符号化ブロックを捕捉することを可能にするカメラ開口部も含みうる。本体は、アパーチャに結合されて、カメラフラッシュからの光をカメラ開口部に進入させる光通路も含みうる。
【0012】
別の態様によれば、一つ以上のスライドトランスペアレンシと、対応のスライドトランスペアレンシと関連する符号化情報とを包含するスライドフレームが提供される。符号化情報は、スライドトランスペアレンシに隣接する符号化ブロックにある。符号化ブロックは、バーコード、カラー、及び近距離無線通信タグを使用して情報を符号化する。スライド画像にバーコードを埋め込むことなどによっても、スライドトランスペアレンシの画像に符号化情報が符号化されうる。
【0013】
第三の態様によれば、画像投影装置とモバイル装置との操作方法が提供される。この方法は、スライド解読器により検出される符号化情報の変更を識別することと、符号化情報の変更を事象と関連付けることと、事象を起動することとを含む。事象は、モバイル装置のビデオディスプレイの変更と、モバイル装置のスピーカからの音声再生と、カメラフラッシュの操作のうち一つ以上でありうる。スライド解読器は、例えばモバイル装置のカメラ又は近距離通信センサでありうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
ここに記載される様々な実施形態をより理解する為と、これらがどのように実行されるかをより明白に示す為、少なくとも一つの例示的実施形態を示す添付図面を例としてのみ参照する。
【
図1】カメラアパーチャとカメラフラッシュとを図示するモバイル装置の背面図である。
【
図2】
図1のモバイル装置に装着される画像投影装置の背面図である。
【
図2A】A-A線における
図2の画像投影装置の断面図である。
【
図3A】画像投影装置の実施形態の正面分解斜視図である。
【
図4】隣接の符号化ブロックにスライド符号化情報を含む円形スライドフレームの正面図である。
【
図5】スライドトランスペアレンシに埋め込まれるスライド符号化情報を含む矩形スライドフレームの正面図である。
【
図6】隣接の符号化ブロックにスライド符号化情報を含む矩形スライドフレームの正面図である。
【
図7】後向きカメラと関連の後部カメラフラッシュとを有するモバイル装置のブロック図である。
【
図8】照射スライドの変更に基づいてモバイル装置の事象を起動させる方法のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図示の簡略性及び明瞭性の為、適切であると考えられる際には、ここに記載される例示的実施形態について完全な理解を与える為多くの具体的な詳細が提示されることが認識されるだろう。しかしながら、ここに記載される実施形態はこれらの具体的詳細を伴わずに実行されてもよいことが当業者には理解されるだろう。他の事例では、ここに記載される実施形態を不明瞭にしないように、周知の方法と手順と構成要素とは詳しく記載されていない。さらに、この記載は、ここに記載される実施形態の範囲をいかなる形でも限定するものと考えられてはならず、むしろ可能な実行方法の幾つかを単に記載しているものとして機能している。
【0016】
さて
図1を参照すると、示されているのは、ここに記載される画像投影装置の実施形態とともに使用されうるカメラフラッシュ102とカメラアパーチャ104とを図示する一般的なモバイル装置100の背面図である。一般的に、モバイル装置100は、後面106と反対のモバイル装置100の前面(不図示)にビデオディスプレイを含む。画像投影装置の幾つかの実施形態は、モバイル装置100の前向き面のカメラフラッシュとともに機能するように構成されてもよい。モバイル装置100は、カメラフラッシュ102を含むハンドヘルドコンピューティング装置を含み、スマートフォン、タブレットコンピュータ、デジタルカメラ、また潜在的にラップトップを含みうる。
【0017】
カメラフラッシュ102は一般的に発光ダイオードフラッシュであって、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせを通してモバイル装置100により制御されうる。カメラアパーチャ104は一般的に、光学素子と、デジタル画像を捕捉するCMOSベースの画像センサとを含む。カメラは、モバイル装置100で機能するソフトウェア及びハードウェアの組み合わせを通して同様に制御されうる。
【0018】
画像投影装置の実施形態は、カメラフラッシュ102を使用するモバイル装置100とともに機能するように構成されうる。カメラフラッシュ102及びカメラアパーチャ104の配向は、モバイル装置の製造者により変化しうる。例えば、幾つかのモバイル装置は、カメラフラッシュ102とカメラアパーチャ104とを後面の中央に垂直又は上下配向で配向する。ここに記載される画像投影装置の幾つかの実施形態は、モバイル装置の寸法とセンサの配向とに基づいて具体的な装置に装着されるように設計されうる。他の実施形態は、モバイル装置100の特定寸法、あるいはカメラフラッシュ102又はカメラアパーチャ104の配向に左右されない他の装着機構を使用できる。幾つかの実施形態では、ここに記載される画像投影装置はカメラアパーチャ104を遮蔽すべきではない。
【0019】
さて、
図2及び2Aを参照すると、示されているのは、
図1のモバイル装置100に装着された画像投影装置200であり、
図2AはA-A線における画像投影装置200の断面図を提供する。画像投影装置200の本体202はモバイル装置100に装着され、カメラフラッシュ102と整合されるアパーチャ210を有する。スライドトランスペアレンシ402はアパーチャ210と整合され、カメラフラッシュ102により照射される。拡大レンズ240は、照射されたスライドトランスペアレンシ402を、壁、天井、又は投影スクリーンのような投影面へと拡大する。
【0020】
画像投影装置200の本体202は好ましくは、本体202をモバイル装置100に装着する装着機構220を含む。装着機構220は、モバイル装置100の厚さに対応する弾性材料で製作されうる、
図2Aに示されているような機械的クランプを含みうる。幾つかの実施形態では、モバイルフォンの縁部及び/又は後面を囲繞するケースのように、装着機構として機能する従来のモバイルフォン保護ケースとして、投影装置200が具体化されうる。幾つかの実施形態において、装着機構220は、本体202とは別のバタフライクリップを包含しうる。バタフライクリップはバネ付勢され、モバイル装置100と嵌合して画像投影装置200の滑動又は移動を制限する軟質ゴム又は類似の高摩擦材料のようなグリップ材料をクリップの表面に含みうる。
【0021】
好ましくは、装着機構220は、本体202に付着されてモバイル装置100の後面106における画像投影装置200の設置及び取り外しを可能にする着脱可能な接着剤を包含する。着脱可能な接着剤は、本体202の係合面に装着されるナノ吸着材料を含みうる。ナノ吸着材料の表面は、接着剤とモバイル装置100の後面106との間に多くの部分真空を作り出すことにより機能する数千の顕微鏡的クレーターを有する。ナノ吸着材料は感圧性ではなく、反復的に再接合し、モバイル装置に残留物を残さない。画像投影装置200をモバイル装置100から取り外すには、引き離すかねじって接合を断つだけでよい。ウェットティッシュでナノ吸着接着材料を拭くと、クレーターからゴミを取り除いて吸着性を復活させる。
【0022】
本体202にはさらに、幾つかのスライドトランスペアレンシを収容する(
図4~6に示されているような)スライドフレームを受容する形状を持つスライドフレーム受容スロット230が設けられている。スライドフレームは、円形、矩形、又は他の形状であり、スライドフレーム受容スロット230は、スライドフレームを収納する対応の形状を有する。アパーチャ210内にスライドフレームトランスペアレンシを配置する為、スライドフレーム受容スロット230はアパーチャ210に対して横向きである。スライドフレームはスライドフレーム受容スロット230に配置されて、スライドトランスペアレンシの一つをカメラフラッシュ102及びアパーチャ210と整合させる。カメラフラッシュ102は、モバイル装置100の制御下で、アパーチャ210内のスライドトランスペアレンシ402を照射する。スライドフレーム受容スロット230は、
図2Aに示されているように本体202内に、又は本体202の後向き面の通路に形成されうる。本体202とカメラフラッシュ102と拡大レンズ240とに対するスライドフレーム受容スロット230の位置は、画像投影品質を最適化するように選択されうる。
【0023】
拡大レンズ240はアパーチャ210と整合され、画像投影装置200の本体202の前部に配置される。拡大レンズ240は、照射されたスライドトランスペアレンシと投影面との間に配置される。拡大レンズ240は、例えば壁や天井のような投影面への投影の為に、カメラフラッシュ102により照射されるスライドトランスペアレンシを拡大する。例示目的で単純な両凸レンズが示されているが、当業者であれば、スライドトランスペアレンシの拡大及び投影を行うのに適切なレンズ設計を用意するだろう。これは、2枚以上のレンズを必要とする複合レンズ設計を含みうる。
【0024】
画像投影装置200の幾つかの実施形態はさらに、拡大レンズ240を格納する焦点調節機構260を含みうる。焦点調節機構260は、投影画像の拡大又は焦点を変化させる為、アパーチャ210に対する拡大レンズ240の軸方向の並進を可能にして、照射されたスライドトランスペアレンシ402と拡大レンズ240との間の距離を変更することができる。焦点調節機構260は、拡大レンズ240の移動を可能にする伸縮構成又はネジ式構成を含みうる。2枚以上のレンズを利用する複合レンズ設計では、1枚のレンズのみが焦点調節機構260により移動可能である。
【0025】
画像投影装置200の好適な実施形態は、カメラフラッシュ102とスライドトランスペアレンシとの間でアパーチャ210と整合されるかアパーチャ内に配置されるフラッシュ調節器250も含みうる。カメラフラッシュ102からの光路がフラッシュ調節器250を通過してからスライドトランスペアレンシを通って、最終的には拡大レンズ240により拡大されるように、スライドフレーム受容スロット230の、拡大レンズ240と反対の側にフラッシュ調節器250が配置されている。フラッシュ調節器250は、スライドトランスペアレンシ402の適正で完全な照射の提供を補助する。フラッシュ調節器250は、例えば、光拡散材料、又は視準レンズ(例えば平凸レンズ)のような光学コンデンサ、あるいはその組み合わせを含みうる。例えば、カメラフラッシュ102からの入来LED光線がスライドトランスペアレンシに衝突する際に平行光線に形成されて投影画像の明瞭性が向上するように、平凸レンズが使用されうる。写真品質のスライドを投影するのに使用される実施形態では、投影画像に適度な明瞭性を得るのにフラッシュ調節器が使用されるべきである。
【0026】
アパーチャ210は多様な形状を有しうる。アパーチャ210は、例えば円形の拡大レンズ240を収納するように円形でありうる。スライドトランスペアレンシ402がアパーチャ210を完全に塞ぐように、円形、矩形、又は他のいかなる形状でもよいスライドフレームでのスライドトランンスペアレンシの形状に類似した形状をアパーチャ210が持ってもよい。アパーチャ210は、円錐形状であるか、同様に、カメラフラッシュ102に隣接する本体202の後面から本体202の前面まで増加するサイズを有していてもよい。
【0027】
画像投影装置200の幾つかの実施形態は、さらなる機能性を提供する為電力供給されてもよい。例えばアップル(Apple)社により製造される装置の為のUSB充電ポート又はライトニングコネクタなどを通したモバイル装置100との結合により、電力が得られる。画像投影装置200の他の実施形態はさらに、電力を提供するバッテリを包含しうる。幾つかの実施形態において、本体202は、充電ポートを通してモバイル装置100に補助電力を提供するバッテリを含みうる。例えば、モーフィー社(mophie inc.)製のものと類似した補助バッテリを含むモバイルフォンケースで画像投影装置200が具体化されうる。補助バッテリは、カメラフラッシュ102の継続使用による電力需要の増加を補助するのにも有益である。
【0028】
画像投影装置200は、通信インタフェースによりモバイル装置100に結合されてもよい。例えば、モバイル装置100は、スライド前進又は焦点調節に関する指示を提供しうる。これは、電源(例えばマイクロUSBかライトニング)、又は、画像投影装置200が電源内蔵式である場合には別のインタフェース(例えばモバイル装置100のヘッドフォン/マイクロフォンジャック、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)(登録商標)かNFCなどのワイヤレス通信)と同じインタフェースを経由したものである。
【0029】
幾つかの実施形態において、画像投影装置200は、スライドフレームを識別するのに使用されうるスライド解読器を含み、さらにアパーチャ210内にある特定のスライドトランスペアレンシを識別しうる。スライド解読器は、電力を必要とする電子機器を含みうる。スライド解読器は、例えばスライドフレームに埋め込まれる一つ以上の無線タグを読み取ることのできる近距離無線通信(NFC)送受信器を含みうる。スライドトランスペアレンシ400及び/又はスライドフレーム402を識別する解読情報は、通信インタフェースを経由してモバイル装置100に通信されうる。スライドフレーム及びスライドトランスペアレンシに情報を符号化する他の方法と、スライド解読器実施形態で解読する当該の方法とは、
図4~6に関して記される。
【0030】
画像投影装置200の他の実施形態において、単独で、又は画像投影装置により提供されるスライド解読機能とともに、モバイル装置100によりスライド解読器が提供されうる。例えば、モバイル装置100のNFC送受信器は特定のスライドフレームを識別することができ、画像投影装置200のスライド解読器は特定のスライドトランスペアレンシを識別できる。
図3~6は、モバイル装置100のカメラがスライド解読器として作用できる例を提供する。
【0031】
画像投影装置200の電動式実施形態は、(例えば歯車構成を使用して)スライドフレームに結合されるスライド前進モータを含みうる。スライド前進モータは、スライドフレーム受容スロット230内でスライドフレームを移動させて次のスライドトランスペアレンシを配置する。画像投影装置200は、前方及び後方ボタンのようにスライド前進モータを制御するボタンを含みうる。他の実施形態において、モバイル装置100は、どのスライドトランスペアレンシがアパーチャ210内にあるかを制御する指示をスライド前進モータに提供できる。
【0032】
画像投影装置200の電動式実施形態は、焦点調節機構260に結合されて拡大レンズ240の位置を調節できる焦点調節モータも含みうる。やはり、これは画像投影装置200のボタンにより、又はモバイル装置100により制御されうる。モバイル装置100のカメラは投影画像を捕捉することができ、モバイル装置100は、例えば縁部検出アルゴリズムを使用することにより、捕捉された画像の焦点が合っているかどうかを判断できる。モバイル装置100は、この情報に基づいて焦点調節モータに指示を提供できる。モバイル装置100は、カメラを使用して投影画像を定期的に監視して投影画像の焦点を維持する。モバイル装置100はまた、搭載の運動センサ/加速度計からの情報に依拠して、焦点調節モータによる焦点調節を再評価するかどうかを検討する。
【0033】
画像投影装置200の幾つかの実施形態は、投影画像への手の動きの作用を排除又は軽減する電子的安定化処理を含みうる。電子的安定化処理の実施形態は、運動センサ(例えば加速度計)を収容するハンドルを含み、ハンドルは一つ以上のモータを介して画像投影装置200の本体202に結合されて、3度の移動自由度が与えられる。運動センサにより移動が検出されると、ハンドルはモータを制御してこの移動を相殺し、本体202を安定位置に維持する。
【0034】
さて
図3A及び3Bを参照すると、示されているのは、
図4に示されているような円形スライドフレームを受容する為の画像投影装置300の正面および背面分解斜視図である。画像投影装置300の本体302は、スライドフレーム受容スロット330と相互に作用するアパーチャ310を画定する。装着機構320は、画像投影装置300の本体302の後面に装着されるナノ吸着材料である。
【0035】
スライドフレーム受容スロット330は、回転スライドフレーム400の中心と嵌合する為のスライドフレーム整合機構332を収容する。円形スライドフレーム400の中心は、スライドフレーム整合機構332と係合して円形スライドフレーム400を定位置に配置するとともに回転を可能にする穴、くぼみ、突起、軸を有する。
図3Aは、円形スライドフレーム400の中心の穴又はくぼみと嵌合できる可撓性突起332を図示している。
【0036】
分解図は、拡大レンズ340の移動を可能にする焦点調節機構を有する実施形態を図示している。レンズスライド362は、アパーチャ310内で前方及び後方に移動できる。レンズ装着部364はレンズスライド362にクリップ留めされて、レンズ装着部364とレンズスライド362との間のプレス嵌めで拡大レンズ340を保持する。
【0037】
図3A及び3Bの実施形態は、モバイル装置100のカメラに依拠して幾つかのスライド解読機能を提供する。本体302はモバイル装置100のカメラモジュールを被覆するように設計され、カメラ開口部380と光通路382とを本体302の後面に含む。スライドフレーム受容スロット330はカメラ開口部380に開口して、スライドフレーム400のスライド解読ブロック410(
図4参照)がモバイル装置100のカメラにより捕捉されることを可能にする。カメラフラッシュ102からの光は光通路382を介してカメラ開口部380に伝達され、現在照射されているスライドトランスペアレンシ402と関連するスライド符号化ブロック410をモバイル装置100のカメラが捕捉することを可能にする。光通路382は自由空間又は何らかの光透過性材料(例えば透明なプラスチック又はガラス)である。
【0038】
さて
図4を参照すると、示されているのは、
図3A及び3Bに図示されている画像投影装置300とともに機能するように設計されている円形スライドフレーム400の正面図である。スライドフレーム400は、対応のスライドトランスペアレンシ402に隣接する符号化ブロック410にスライド符号化情報を含む。符号化ブロック410の符号化情報は、モバイル装置100に投影されているスライドトランスペアレンシ402を識別して、モバイル装置100が投影画像と連動する(書籍やムービークリップのように、例えば歌、音声ダイアログ、音響効果等の音声や映像などの関連メディアをモバイル装置ビデオディスプレイで流す)ことを可能にする。
【0039】
スライドフレーム400は、スライドフレーム受容スロット330内の対応の構造と係合する切欠き又はくぼみ404を含みうる。これはユーザに機械的フィードバックを提供して、スライドトランスペアレンシ402が適正な整合状態にあることを示す。例えば、スライドフレーム受容スロット330は、スライドフレーム404の切欠き/くぼみ404と係合してスライドフレームをアパーチャ310内に整合させる可撓性戻り止めをスロット内に有する。可撓性戻り止めは可撓性プラスチックであるかバネに基づく。他の実施形態は剛性の戻り止めを有し、スライドフレームは可撓性材料から成り、アパーチャ310内でのスライドトランスペアレンシ402の移動及び整合を可能にする。幾つかの実施形態において、戻り止めが切欠き/くぼみ404と嵌合すると、可聴フィードバック(例えばクリック音)が得られる。スライドフレーム400の幾つかの実施形態は、適度な傾斜を一方の縁部に、スライドフレーム受容スロット内のつめ又は戻り止めと嵌合して(例えばラチェット/つめ機構の使用により)スライドフレーム400の移動を単一方向に制限するはるかに急な傾斜を他方の縁部に備える切欠きを含みうる。
【0040】
符号化ブロック410に符号化される符号化情報は、現在投影されているスライドトランスペアレンシ402を識別できる。符号化ブロック410に情報を符号化する多くの異なる符号化方法が使用されうる。例えば、
図4において、符号化ブロック410は、画像投影装置300の実施形態に使用される時にモバイル装置100のカメラにより検出されうるカラートランスペアレンシである。カメラフラッシュ102からの光が光通路382を通ってカラートランスペアレンシ符号化ブロック410を照射し、カメラを通してモバイル装置100によりカラーが判断されうる。スライドフレーム400の各スライドトランスペアレンシ402は、それと関連する独自のカラーを有しうる。
【0041】
さて
図5を参照すると、示されているのは、各スライドトランスペアレンシ502自体にある(つまり
図4のようにスライドトランスペアレンシ402とは別の符号化ブロックセパレート410にあるのではない)符号化ブロックに符号化情報を含む矩形スライドフレーム500の実施形態である。
図5は、幾つかの異なる符号化方法を図示しているが、好ましくは単一タイプの符号化のみがスライドフレームに使用される。最初の二つのスライドトランスペアレンシの例では、スライドトランスペアレンシ502が投影面に投影される時にモバイル装置100のカメラにより検出されうる、スライドトランスペアレンシ502に埋め込まれたバーコードを使用して、符号化ブロックが情報を符号化する。符号化ブロックは、(リニアバーコード、QRコード(登録商標)のような2Dバーコード、カラーを含むバーコードを含む)いかなるタイプのバーコードをも含みうる。例えば、リニアバーコード512とQRコード514とが
図5のスライドトランスペアレンシ502に埋め込まれた状態で示されている。スライドフレーム500は、スライドフレーム受容スロットの戻り止め又はピンと嵌合して画像投影装置のアパーチャ内でのスライドフレーム500の整合を補助できる、くぼみ504を含む。
【0042】
幾つかの実施形態において、符号化情報はスライドトランスペアレンシ画像そのものを含みうる為、モバイル装置100は画像処理を使用して、幾つかの可能なスライドトランスペアレンシから投影画像を識別できる。これらの実施形態において、符号化ブロックは、スライドトランスペアレンシ502自体であると考えられうる。例えば、モバイル装置100は、カメラにより取得された投影画像を処理して投影画像のシグネチャを入手してから、モバイル装置100又はネットワーク接続サーバのいずれかで、このシグネチャをデータベースからのシグネチャと比較し、特定のスライドトランスペアレンシ、あるいはモバイル装置100により起動されるべき事象を識別する。例として挙げられた太陽の絵515は、モバイル装置100への特定のスライドトランスペアレンシを識別するのを補助しうる一意シグネチャとなる。例えば、投影面上の投影スライドを識別するのに縁部検出アルゴリズムが使用され、識別された投影スライドにさらなる縁部検出アルゴリズムが使用されて、周知のスライドトランスペアレンシの縁部マトリクスと比較されうる縁部検出マトリクスが得られる。
【0043】
符号化ブロックの符号化情報は、すべての可能なスライドトランスペアレンシについて一意的(つまりグローバル一意識別子)であるか、所与のスライドフレームのスライドトランスペアレンシについてのみ一意的である(例えばスライド番号1から10を識別する)。使用される符号化方法によっては各スライドトランスペアレンシにグローバル一意識別子を設けることは困難である。例えば、
図4のようなカラー符号化方法が使用される場合には、符号化ブロックからカメラまでの距離と、光の量と、様々な製造者によるモバイル装置カメラの間の多様性とにより、検出されうる一定数のカラーを正確に符号化することのみが可能である。符号化ブロック410にグローバル一意符号化情報を含まないこれらの実施形態では、符号化ブロック410とスライドフレーム符号化ブロック420との組み合わせにより特定のスライドトランスペアレンシ402が一意的に識別されうるように、スライドフレーム400はスライドフレーム400を一意的に識別するスライドフレーム符号化ブロック420を含みうる。スライドフレーム識別子420は、スライドフレーム400上に書かれた文字を含む(ユーザが入力装置を通してモバイル装置100にスライドフレームを識別させる必要がある)か、例えばモバイル装置100のNFCセンサにより検出される近距離通信(NFC)タグも含みうる。
【0044】
さて
図6を参照すると、示されているのは、各スライドトランスペアレンシ602に隣接する符号化ブロックを備える矩形スライドフレーム600である。やはり、図示目的で多くの符号化方法がスライドフレーム600に示されている。スライドフレーム600は、モバイル装置カメラ又はNFC送受信器のような、モバイル装置100のスライド解読器の近くに符号化ブロックが配置されるように設計されている。(
図5の投影符号化ブロックではなく)符号化ブロックに直接的に焦点を合わせると、モバイル装置カメラにより確実に検出されうる分解能(又は符号化情報の量)が制限される。モバイル装置100は、近接して配置された符号化ブロックに焦点を合わせるようにカメラを構成しうる。スライドフレーム600は、スライドフレーム受容スロット内の対応のくぼみと係合して画像投影装置のアパーチャ内でのスライドフレーム600の整合を補助できる幾つかの突起606も含む。
図6に示されている例は、カラートランスペアレンシ616を使用してカラーを含む情報を符号化することと、リニアバーコード617又はQRコード618のようなバーコードに情報を符号化することと、NFCタグ619に情報を符号化することとを含む。
【0045】
図7を参照すると、示されているのは、プロセッサ710とメモリ720と後部カメラフラッシュ730と後向きカメラ740とディスプレイ750とスピーカ760とスライド解読器770と入力装置780とを含みうるモバイル装置700のブロック図である。有線又は無線で、あるいは通信ネットワークを経由して、モバイル装置700が(例えば画像投影装置のコンピュータ利用実施形態を含む)他のコンピューティグ装置と通信する為に、通信インタフェース790が設けられうる。上記のように、通信インタフェース790は、モバイル装置700の充電ポート、Wi-Fi、又はブルートゥースを含みうる。モバイル装置700は、プロセッサ710を使用してメモリ720に記憶されたプログラムを実行して、
図7に図示された他の構成要素と相互に作用する(入力を受け取って出力を行う)ことができる。後部カメラフラッシュ730と後向きカメラ740とは、
図1に示されているもののように、モバイル装置700の後面に配置されうる。モバイル装置700は後部カメラフラッシュ730を制御して、
図2に示されている画像投影装置200の為の投影光源として機能させる。モバイル装置700の例は、モバイルフォン、ラップトップコンピュータ、又はタブレットコンピューティング装置のようなモバイルコンピューティング装置を含みうる。
【0046】
モバイル装置700は、スピーカ760及びディスプレイ750を通して音声及び映像を提供しうる。キーボード、ボタン、又はタッチスクリーンインタフェースを含みうる入力装置780を通して、ユーザはモバイル装置700と相互に作用して入力を提供できる。入力装置780を通して受理された入力は、結合された画像投影装置への指示(例えば次のスライドまでの前進、焦点の調節等)の送信を開始するのに使用されうる。
【0047】
スライド解読器770は、スライドフレーム上の(符号化ブロック410又はスライドフレーム符号化ブロック420のような)符号化ブロックの符号化情報を解読して、特定のスライドトランスペアレンシの識別を補助する。スライド解読器770は後向きカメラ740を含みうる。スライド解読器770は、近距離通信送受信器のような無線受信器であってもよい。
【0048】
さて
図8を参照すると、示されているのは、画像投影装置200における照射スライドの変更に基づいてモバイル装置での事象を起動する方法800のフローチャート図である。方法800は、現在投影されているスライドトランスペアレンシに対応するマルチメディアの再生を連動させるのに使用されうる。最初にステップ802で、スライドフレームが識別される。このステップは、モバイル装置700のスライド解読器770を利用して、スライドフレーム符号化ブロック420のようなスライドフレーム符号化ブロックを解読できる。他の実施形態において、このステップは、モバイル装置700のユーザが、例えばスライドフレームと関連するあるアプリケーションを選択すること、又は、スライドフレームと関連するアプリケーションの中のあるストーリーを選択することにより、入力装置780を通して入力を提供してスライドフレームを識別することを含みうる。他の実施形態では、スライドフレームの識別は、スライドトランスペアレンシのいずれか一つと関連する符号化ブロックを解読するスライド解読器770も含みうる。
【0049】
次にステップ804では、照射又は投影されるスライドトランスペアレンシの変更が検出される。これは、スライド解読器770により検出されるスライドトランスペアレンシと関連する符号化ブロックの変更を検出することを含みうる。このステップは、次のスライドを前進させるという入力装置780からの指示、あるいは、スライドフレームが前進したとの画像投影装置200からの通信インタフェース790を通した通信をモバイル装置700が受理することを含みうる。画像投影装置200は、スライドフレームが前進する度に起動されるスライドフレーム受容スロット230内のスイッチも含み、このスイッチ情報は、ステップ804で変更を検出する為モバイル装置100に通信されうる。
【0050】
ステップ806では、現在照射されているスライドトランスペアレンシと関連するモバイル装置100での事象が起動される。モバイル装置100の事象は、スピーカ760を通した音声の再生、又はディスプレイ750の更新に関係している。事象は、例えば照明を模倣する為オフとオンを切り替えるなど、後部カメラフラッシュ730の操作にも関係している。
【0051】
画像投影装置200の操作及び方法800の例は、童話又は童謡の為の使用を含む。スライドフレームは、童話又は童謡と関連する一連の画像トランスペアレンシを収容し、モバイル装置は読み聞かせを補助する連携アプリ(例えば音楽や語りのような音声、モバイル装置ディスプレイに表示される物語)を実行する。連携アプリはモバイル装置のカメラフラッシュを作動させてスライドトランスペアレンシを照射し、スライド検出モジュールを通して(例えばモバイル装置のカメラ又はNFCセンサを使用して)スライドトランスペアレンシ及び/又はスライドフレームを識別する情報を受理する。モバイル装置は、スライドが前進する時に符号化情報の変更を検出し、モバイル装置で実行される連携アプリの事象を起動する(例えば本のページめくり、本のページと関連するオーディオブック音声の開始、音響効果又は語りの再生)。連携アプリはまた、ユーザが言語を選択することを可能にし、連携アプリは関連の内容又はストーリーを選択された言語で取得することができる。
【0052】
ここに記載されるシステムと装置と方法の実施形態は、ハードウェア又はソフトウェア、あるいはその組み合わせで具現されうる。ここに記載される実施形態の幾つかは、プログラマブルコンピュータで実行されるコンピュータプログラムで具現され、各コンピュータは、少なくとも一つのプロセッサと、コンピュータメモリ(揮発性又は不揮発性のメモリを含む)と、少なくとも一つの入力装置と、少なくとも一つの出力装置とを包含する。例えば、限定的ではないが、プログラマブルコンピュータは、多数のプロセッサと少なくとも一つのネットワークインタフェースカードとを有するサーバクラスコンピュータでありうる。プログラムコードは入力データに作用してここに記載の機能を実施し、出力データを生成する。
【0053】
例示的な実施形態がここに記載されたが、本発明は開示の実施形態に限定されないことが理解されるはずである。本発明は、添付の請求項の趣旨及び範囲に含まれる様々な変形と同等の構成とを含むことが意図され、請求項の範囲は、このような変形と同等の構造及び機能をすべて内含する解釈に従うものとする。
【0054】
〔付記1〕
カメラフラッシュを有するモバイル装置と関連して使用される画像投影装置であって、
アパーチャを画定する本体であって、前記モバイル装置に装着して前記アパーチャを前記カメラフラッシュと整合させる装着機構を有する本体と、
前記本体内のスライドフレーム受容スロットであって、前記アパーチャに対して横向きであるスライドフレーム受容スロットと、
前記アパーチャと整合される拡大レンズであって、前記本体の前端部に配置される拡大レンズと、
を包含する画像投影装置。
〔付記2〕
前記スライドフレーム受容スロットに収容されたスライドトランスペアレンシを前記カメラフラッシュが照射し、前記拡大レンズが、照射された前記スライドトランスペアレンシを拡大して前記トランスペアレンシを投影する、付記1に記載の画像投影装置。
〔付記3〕
前記アパーチャと整合されて、前記スライドフレーム受容スロットについて前記拡大レンズと反対側にあるフラッシュ調節器をさらに包含する、付記1の画像投影装置。
〔付記4〕
前記拡大レンズを収容する焦点調節機構をさらに包含し、前記焦点調節機構が、前記アパーチャに対して前記拡大レンズを軸方向に並進させる為のものである、付記1の画像投影装置。
〔付記5〕
前記焦点調節機構が、伸縮機構とネジ式機構のうちいずれか一方である、付記4の画像投影装置。
〔付記6〕
前記本体がさらにモータを包含し、前記モバイル装置に電気結合されて指示を取得し、前記モータが前記焦点調節機構に結合され、前記モバイル装置がカメラを有して、前記カメラにより検出される投影画像に基づいて焦点を調節する指示を前記モータに提供する、付記4の画像投影装置。
〔付記7〕
前記装着機構がクランプ又はバタフライクリップのいずれか一方である、付記1の画像投影装置。
〔付記8〕
前記モバイル装置と嵌合する表面を前記装着機構が有し、前記表面が、画像投影装置の移動を制限する高摩擦材料を包含する、付記7の画像投影装置。
〔付記9〕
前記装着機構がモバイル装置ケースである、付記1の画像投影装置。
〔付記10〕
前記スライドフレーム受容スロットが可撓性戻り止めを有し、前記可撓性戻り止めが、前記スライドフレームの切欠きと相互に作用して前記スライドフレームを前記アパーチャ内に整合させる、付記1の画像投影装置。
〔付記11〕
前記切欠きと相互に作用する前記可撓性戻り止めが機械的フィードバックと可聴フィードバックのうちいずれか一方を提供する、付記10の画像投影装置。
〔付記12〕
前記本体がさらにモータを包含し、前記モバイル装置に結合されて指示を取得し、前記モータが前記スライドフレームに結合されて、前記モバイル装置からの指示で前記スライドフレームを前進させる、付記1の画像投影装置。
〔付記13〕
前記本体がさらに、前記モバイル装置のカメラとの整合の為のカメラ開口部を画定し、前記スライドフレーム受容スロットが前記カメラ開口部に対して横向きであり、前記スライドフレームの符号化ブロックが、前記モバイル装置の前記カメラによる検出の為前記カメラ開口部に配置される、付記1の画像投影装置。
〔付記14〕
前記本体がさらに、前記アパーチャを前記カメラ開口部に結合する光通路を包含する、付記13の画像投影装置。
〔付記15〕
少なくとも一つのスライドトランスペアレンシと、
前記少なくとも一つのスライドトランスペアレンシと関連する符号化情報と、
を包含するスライドフレーム。
〔付記16〕
前記少なくとも一つのスライドトランスペアレンシに隣接する少なくとも一つの符号化ブロックをさらに包含し、前記符号化ブロックが前記符号化情報を有する、付記15のスライドフレーム。
〔付記17〕
前記少なくとも一つの符号化ブロックが、バーコード、カラー、及び近距離無線通信タグのうちいずれか一つである、付記16のスライドフレーム。
〔付記18〕
前記符号化情報が、前記少なくとも一つのスライドトランスペアレンシの前記画像に符号化される、付記15のスライドフレーム。
〔付記19〕
前記符号化情報がバーコードとして符号化される、付記18のスライドフレーム。
〔付記20〕
カメラフラッシュを有するモバイル装置との関連で付記1に記載の画像投影装置を操作する方法であって、
スライド解読器により検出されるスライドフレームの符号化情報の変更を識別することと、
前記符号化情報の前記変更を事象と関連付けることと、
前記事象を起動させることと、
を包含する方法。
〔付記21〕
前記事象が、前記モバイル装置の前記ビデオディスプレイの変更と、前記モバイル装置のスピーカからの音声再生のうち一つ以上である、付記20の方法。
〔付記22〕
前記スライド解読器がさらに、前記モバイル装置のカメラと近距離通信センサのうちいずれか一つを包含する、付記20の方法。
〔付記23〕
前記スライド解読器が前記モバイル装置のカメラを包含し、符号化情報の変更の識別がさらに、前記カメラで画像を捕捉することと、前記画像を前回捕捉画像と比較して、前記スライドトランスペアレンシが変更されたかどうかを判断することとを包含する、付記20の方法。
〔付記24〕
前記カメラにより取得された前記画像を処理して、投影されたスライドトランスペアレンシのシグネチャを取得することと、前記シグネチャをデータベースと比較して、特定のスライドトランスペアレンシと一つ以上の事象のうちいずれか一方とシグネチャを関連付けることとをさらに包含する方法である、付記23の方法。
【符号の説明】
【0055】
100 モバイル装置
102 カメラフラッシュ
104 カメラアパーチャ
106 後面
200 画像投影装置
202 本体
210 アパーチャ
220 装着機構
230 スライドフレーム受容スロット
240 拡大レンズ
250 フラッシュ調節器
260 焦点調節機構
300 画像投影装置
302 本体
310 アパーチャ
320 装着機構
330 スライドフレーム受容スロット
332 スライドフレーム整合機構
340 拡大レンズ
362 レンズスライド
364 レンズ装着部
380 カメラ開口部
382 光通路
400 回転スライドフレーム
402 スライドトランスペアレンシ
404 切欠き/くぼみ
410 符号化ブロック
420 スライドフレーム符号化ブロック
500 矩形スライドフレーム
502 スライドトランスペアレンシ
504 くぼみ
512 リニアバーコード
514 QRコード
515 太陽の絵
600 矩形スライドフレーム
602 スライドトランスペアレンシ
606 突起
616 カラートランスペアレンシ
617 リニアバーコード
618 QRコード
619 NFCタグ
700 モバイル装置